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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-08
(45)【発行日】2023-06-16
(54)【発明の名称】布類内異物検出装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 95/00 20060101AFI20230609BHJP
【FI】
D06F95/00
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019096084
(22)【出願日】2019-05-22
(65)【公開番号】P2020188957
(43)【公開日】2020-11-26
【審査請求日】2022-04-19
(73)【特許権者】
【識別番号】502407130
【氏名又は名称】株式会社プレックス
(74)【代理人】
【識別番号】110001542
【氏名又は名称】弁理士法人銀座マロニエ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林田 誉生
(72)【発明者】
【氏名】井戸 昌志
(72)【発明者】
【氏名】須賀 啓介
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-004893(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 95/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
折畳み機と組み合わされ、アイロンローラから搬出されて折畳み機に供給される拡げられた袋状の布類内に入っている小形の布類からなる異物を検出する布類内異物検出装置において、
前記アイロンローラによりアイロン掛けされて前記袋状の布類内で硬くなった前記異物を前記袋状の布類と一緒に上面上に載置して前記折畳み機に取り込むコンベヤと、
前記コンベヤの上面に対する進退移動が可能なように保持されていて、そのコンベヤの上面上の前記袋状の布類内の異物とのその袋状の布類を介する当接により押されて後退移動する異物検出部材と、
前記異物検出部材の所定量以上の後退移動の検出に基づいて前記袋状の布類内の異物を検出する異物検出センサと、
を具えることを特徴とする布類内異物検出装置。
【請求項2】
前記異物検出部材は、前記コンベヤの上面に対して進退移動するように揺動可能に保持されていることを特徴とする、請求項1記載の布類内異物検出装置。
【請求項3】
前記異物検出部材は、前記コンベヤの上面に対して進退移動するように直線移動可能に保持されていることを特徴とする、請求項1記載の布類内異物検出装置。
【請求項4】
前記異物検出部材は、前記コンベヤの上面上の前記袋状の布類内の異物とのその袋状の布類を介する当接により押し上げられるローラを有していることを特徴とする、請求項1から3までの何れか1項記載の布類内異物検出装置。
【請求項5】
前記異物検出部材は、前記コンベヤの上面上の前記袋状の布類内の異物とのその袋状の布類を介する当接により押し上げられるプレートを有していることを特徴とする、請求項1または2記載の布類内異物検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、布類洗濯工場等においてアイロンローラから搬出されて折畳み機に供給される包布等の拡げられた袋状の布類内に入っているピロケースやタオル等の小形の布類からなる異物を検出する袋状布類内異物検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
布類洗濯工場においては、病院やホテル等で使用されたシーツや包布等の布類を洗濯した後、半乾きの状態で展張機により拡げ、アイロンローラに送ってアイロン掛けし、折畳み機により折畳んで病院やホテル等へ再度供給している。
【0003】
図1は、このアイロンローラから折畳み機にかけての通常の設備構成を示す説明図であり、図中符号1はアイロンローラ、2は折畳み機をそれぞれ示す。アイロンローラ1は、シーツ等の布類の幅よりも幅広でかつ平滑な表面を持ち、その表面を内部のヒータによって加熱される複数本のローラを入口側から出口側まで並べて有し、前段の図示しない展張機で拡げられて入口から1枚ずつ供給された布類をそれらのローラの表面に順次にかつ裏表交互に接触させて布類を皺伸ばしするアイロン掛けを行い、その拡げられてアイロン掛けされた布類を1枚ずつ出口から搬出コンベヤ1aで搬出する。
【0004】
折畳み機2は、アイロンローラ1から搬入した布類を送り方向に直交する幅方向に延在する折り目に沿って2回折って四つ折りにする前機2Aと、その四つ折りにされた布類を送り方向に延在する折り目に沿って要求仕様に応じてさらに2回または3回折って16折りまたは32折にして搬出する後機2Bとを具え、前機2Aは、布類を前機2Aに取り込む搬入コンベヤ2aと、その搬入コンベヤ2a上に布類を押さえ付ける押さえコンベヤ2bと、布類を高位置まで持ち上げた後に低位置まで下ろす上げ下ろしコンベヤ2cと、その上げ下ろしコンベヤ2cとの間に布類を挟持する第1挟みコンベヤ2dと、布類を後機2Bに搬出する搬出コンベヤ2eと、それら上げ下ろしコンベヤ2cおよび搬出コンベヤ2eとの間に布類を挟持する第2挟みコンベヤ2fと、第1挟みコンベヤ2dと共働する上げ下ろしコンベヤ2cで高位置まで持ち上げられて垂れ下がった布類の送り方向中央部を矢印で示す水平軸線回りの揺動によって上げ下ろしコンベヤ2cと第2挟みコンベヤ2fとの間に押し込んで布類を二つ折りにする1/2折り刃2gと、上げ下ろしコンベヤ2cと共働する第2挟みコンベヤ2fで低位置まで下ろされて垂れ下がった二つ折りの布類の送り方向中央部を矢印で示す水平軸線回りの揺動によって第2挟みコンベヤ2fと搬出コンベヤ2eとの間に押し込んで布類を四つ折りにする1/4折り刃2hとを有し、さらに、搬入コンベヤ2aと上げ下ろしコンベヤ2cとの間の隙間を送られる布類の下向き面の汚れや破れ等を検査する第1画像検査装置2iと、上げ下ろしコンベヤ2c上を送られる布類の上向き面の汚れや破れ等を検査する第2画像検査装置2jとを有している。
【0005】
ところで、上記洗濯処理後の布類には、包布等の袋状のものや、ピロケースやタオル等の小形のものがあり、それら小形の布類が袋状の布類内に塊状の異物として入っていた場合には、その袋状の布類をそのまま展張してアイロンローラや折畳み機に通したのではそれらの機器内で布類が詰まって処理作業の停止や機器の故障等を生じさせる可能性があり、このため従来、例えば特許文献1記載の布類内異物検出装置が提案されている。
【0006】
この布類内異物検出装置は、布類の隣接する両隅部を、対をなすクランプで持ち上げて対をなすキャリッジに引き渡し、それらのキャリッジで拡げて投入コンベヤに移載し、その投入コンベヤでアイロンローラに投入する展張機と組み合わされて、アイロンローラへの投入前の布類内の異物を検出するものであり、左右方向に拡げられて投入コンベヤ上に上部から引き込まれてゆく布類の、投入コンベヤから垂れ下がった中間部から下部にかけての部分を下方に吸引して皺伸ばしする扁平の吸引室の入口部に進退移動可能に設けられてその布類を全幅に亘って扱くフラップにセンサを設け、そのセンサで検出したフラップの動作状態から異物を検出する構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2011-004893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら展張機と組み合わされている上記布類内異物検出装置では、袋状の布類内の異物は柔らかい塊の状態となっているため、その異物の量が少ないとフラップの扱き動作で異物が潰れ、センサが異物を検出し損ねて、異物を内包した布類がアイロンローラを経て折畳み機に通り、その折畳み機内で詰まって処理作業の停止や折畳み機の故障等を生じさせる可能性がある。
【0009】
ところで、アイロンローラを経て折畳み機に供給される布類内に異物が存在すると、その異物はアイロンローラで布類と一緒にアイロン掛けされて比較的硬くなっており、布類の起伏によって検知可能と考えられる。このため本発明者は、図1に参考例として示すように、アイロンローラ1から搬出される布類を取り込む折畳み機2の搬入コンベヤ2aにその搬入コンベヤ2aの上面に平行に、搬入コンベヤ2aの幅方向に幅全体に亘って光線を通す光学センサ3aを配置して、搬入コンベヤ2aで搬送している布類Cに内包された異物Fを、その異物Fでの光線の遮断により非接触で検知する布類内異物検出装置3を検討したが、この構成では検知精度を上げると、アイロンローラと折畳み機とのコンベヤの搬送速度差等に起因して生じる布類の僅かな皺を異物として誤検知してしまうという不都合があった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、上述の如き布類内異物検出装置の課題を解決するものであり、この発明の布類内異物検出装置は、
折畳み機と組み合わされ、アイロンローラから搬出されて折畳み機に供給される拡げられた袋状の布類内に入っている小形の布類からなる異物を検出する布類内異物検出装置において、
前記アイロンローラによりアイロン掛けされて前記袋状の布類内で硬くなった前記異物を前記袋状の布類と一緒に上面上に載置して前記折畳み機に取り込むコンベヤと、
前記コンベヤの上面に対する進退移動が可能なように保持されていて、そのコンベヤの上面上の前記袋状の布類内の異物とのその袋状の布類を介する当接により押されて後退移動する異物検出部材と、
前記異物検出部材の所定量以上の後退移動の検出に基づいて前記袋状の布類内の異物を検出する異物検出センサと、
を具えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
かかる本発明の布類内異物検出装置にあっては、折畳み機のコンベヤが、アイロンローラによりアイロン掛けされて前記袋状の布類内で硬くなった前記異物を前記袋状の布類と一緒に上面上に載置してその折畳み機に取り込み、その際、コンベヤの上面に対する進退移動が可能なように保持されている異物検出部材が、そのコンベヤの上面上の袋状の布類内の、前工程のアイロンローラでアイロン掛けされて比較的硬くなった異物にその袋状の布類を介して当接して、その異物により押されて後退移動し、そして異物検出センサが、異物検出部材の所定量以上の後退移動の検出に基づいて、袋状の布類内の異物を検出する。
【0012】
従って、この発明の布類内異物検出装置によれば、袋状の布類内の異物を確実に検出し得て、折畳み機内での布類の詰まりによる処理作業の停止や折畳み機の故障等を有効に防止することができる。
【0013】
なお、この発明の布類内異物検出装置においては、前記異物検出部材は、前記コンベヤの上面に対して進退移動するように揺動可能に保持されていても良く、あるいは前記コンベヤの上面に対して進退移動するように直線移動可能に保持されていても良い。
【0014】
また、前記異物検出部材は、前記コンベヤの上面上の前記袋状の布類内の異物とのその袋状の布類を介する当接により押し上げられるローラを有しても良く、あるいは前記コンベヤの上面上の前記袋状の布類内の異物とのその袋状の布類を介する当接により押し上げられるプレートを有していても良い。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】折畳み機と組み合わされた布類内異物検出装置の参考例の構成を示す側面図である。
図2】折畳み機と組み合わされたこの発明の一実施形態の布類内異物検出装置の構成を示す側面図である。
図3】折畳み機と組み合わされたこの発明の他の一実施形態の布類内異物検出装置の構成を示す側面図である。
図4】折畳み機と組み合わされたこの発明の他の一実施形態の布類内異物検出装置の構成を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を実施例によって、図面に基づき詳細に説明する。ここに、図2は、折畳み機と組み合わされたこの発明の一実施形態の布類内異物検出装置の構成を示す側面図であり、図中、図1に示すと同様の部分はそれと同一の符号にて示す。
【0017】
ここにおける折畳み機2も、図示の前機2Aの先(図では右側)に図示しない後機2Bを具え、前機2Aは、アイロンローラ1の搬出コンベヤ1aから搬入コンベヤ2aで受け取って搬入した布類を、送り方向に直交する幅方向に延在する折り目に沿って2回折って四つ折りにし、後機2Bは、その四つ折りにされた布類を、送り方向に延在する折り目に沿って、要求仕様に応じてさらに2回または3回折って16折りまたは32折にして搬出する。
【0018】
この折畳み機2の前機2Aに組み合わされた上記実施形態の布類内異物検出装置3は、アイロンローラ1から搬出された袋状の布類Cを拡げられた状態で載置して取り込む前機2Aの搬入コンベヤ2aの上面に対する進退移動が可能な、検出手段としてのローラ3bを具えており、このローラ3bは、搬入コンベヤ2aの中間部の両脇に位置するブラケット3cにより矢印Sで示すように揺動可能に基部を支持されたレバー3dの、搬入コンベヤ2aの入口側に向けられた先端部に支持軸で回転自在かつ水平に支持されて、搬入コンベヤ2aの全幅に亘って延在し、そのローラ3bや支持軸やレバー3dの自重によって搬入コンベヤ2aの上面に向けて常時付勢されている。
【0019】
また、上記実施形態の布類内異物検出装置3は、搬入コンベヤ2aの上面に対するローラ3bの所定量以上の後退移動を検出する、異物検出センサとしての近接センサ3eを具えており、この近接センサ3eは、布類Cが矢印Aで示すように前方へ搬入コンベヤ2a上を搬送される間にローラ3bがその布類C内の異物Fにその布類Cを介して当接して乗り上げ、その乗り上げによるローラ3bの所定量以上の後退移動に伴ってレバー3dが上昇揺動して近接センサ3eの所定範囲内に近接すると、そのレバー3dの近接を検知することで、搬入コンベヤ2a上の袋状の布類C内の異物Fを検出して異物検出信号を出力する。
【0020】
そしてその近接センサ3eの異物検出信号は、通常のコンピュータを有してこの折畳み機2の全体の作動を制御する図示しないコントローラに入力され、それによりコントローラは、注意ランプやブザー等で作業者に布類C内の異物Fの存在を知らせ、作業者は折畳み機2の前機2Aの作動を一旦停止させて、その異物Fを内包した袋状の布類Cを搬入コンベヤ2a上から除去する。
【0021】
従って、この実施形態の布類内異物検出装置3によれば、アイロンローラ1から搬出された袋状の布類C内の異物Fを確実に検出し得て、折畳み機2の前機2Aや後機2B内での布類Cの詰まりによる処理作業の停止やそれら折畳み機2の前機2Aや後機2Bの故障等を有効に防止することができる。
【0022】
図3は、折畳み機と組み合わされたこの発明の他の一実施形態の布類内異物検出装置の構成を示す側面図であり、図中、図1に示すと同様の部分はそれと同一の符号にて示す。
【0023】
ここにおける折畳み機2も、図示の前機2Aの先(図では右側)に図示しない後機2Bを具え、前機2Aは、アイロンローラ1の搬出コンベヤ1aから搬入コンベヤ2aで受け取って搬入した布類を、送り方向に直交する幅方向に延在する折り目に沿って2回折って四つ折りにし、後機2Bは、その四つ折りにされた布類を、送り方向に延在する折り目に沿って、要求仕様に応じてさらに2回または3回折って16折りまたは32折にして搬出する。
【0024】
この折畳み機2の前機2Aに組み合わされた上記実施形態の布類内異物検出装置3は、アイロンローラ1から搬出された袋状の布類Cを拡げられた状態で載置して取り込む前機2Aの搬入コンベヤ2aの上面に対する進退移動が可能な、検出手段としてのローラ3bを具えており、このローラ3bは、搬入コンベヤ2aの入口付近の両脇に位置するブラケット3cで支持されたエアシリンダ等のアクチュエータ3fのロッドにより矢印Rで示すように往復動可能に支持された支持軸で回動自在かつ水平に支持されて、搬入コンベヤ2aの全幅に亘って延在し、そのアクチュエータ3fによって搬入コンベヤ2aの上面に向けて常時付勢されている。
【0025】
また、上記実施形態の布類内異物検出装置3は、搬入コンベヤ2aの上面に対するローラ3bの所定量以上の後退移動を検出する、異物検出センサとしての位置センサ3gをアクチュエータ3f内に具えており、この位置センサ3gは、布類Cが矢印Aで示すように前方へ搬入コンベヤ2a上を搬送される間にその布類C内の異物Fにローラ3bがその布類Cを介して当接してり乗り上げ、その乗り上げによるローラ3bの所定量以上の後退移動に伴ってアクチュエータ3fのロッドが所定位置まで後退移動すると、そのロッドの後退移動を検知することで、搬入コンベヤ2a上の袋状の布類C内の異物Fを検出して異物検出信号を出力する。
【0026】
そしてその位置センサ3gの異物検出信号は、通常のコンピュータを有してこの折畳み機2の全体の作動を制御する図示しないコントローラに入力され、それによりコントローラは、注意ランプやブザー等で作業者に布類C内の異物Fの存在を知らせ、作業者は折畳み機2の前機2Aの作動を一旦停止させて、その異物Fを内包した袋状の布類Cを搬入コンベヤ2a上から除去する。
【0027】
従って、この実施形態の布類内異物検出装置3によっても、アイロンローラ1から搬出された袋状の布類C内の異物Fを確実に検出し得て、折畳み機2の前機2Aや後機2B内での布類Cの詰まりによる処理作業の停止やそれら折畳み機2の前機2Aや後機2Bの故障等を有効に防止することができる。
【0028】
図4は、折畳み機と組み合わされたこの発明のさらに他の一実施形態の布類内異物検出装置の構成を示す側面図であり、図中、図1に示すと同様の部分はそれと同一の符号にて示す。
【0029】
ここにおける折畳み機2も、図示の前機2Aの先(図では右側)に図示しない後機2Bを具え、前機2Aは、アイロンローラ1の搬出コンベヤ1aから搬入コンベヤ2aで受け取って搬入した布類を、送り方向に直交する幅方向に延在する折り目に沿って2回折って四つ折りにし、後機2Bは、その四つ折りにされた布類を、送り方向に延在する折り目に沿って、要求仕様に応じてさらに2回または3回折って16折りまたは32折にして搬出する。
【0030】
この折畳み機2の前機2Aに組み合わされた上記実施形態の布類内異物検出装置3は、アイロンローラ1から搬出された袋状の布類Cを拡げられた状態で載置して取り込む前機2Aの搬入コンベヤ2aの上面に対する進退移動が可能な、検出手段としてのプレート3hを具えており、このプレート3hは、搬入コンベヤ2aの入口付近の両脇に位置するブラケット3cによって矢印Sで示すように揺動可能に基部を支持され、先端部を搬入コンベヤ2aの入口側に向けられて搬入コンベヤ2aの全幅に亘って延在し、そのプレート3hの自重あるいは図示しないスプリングによって、搬入コンベヤ2aの上面に向けて先端部を常時付勢されている。
【0031】
なお、ブラケット3cには、プレート3hの先端部が搬入コンベヤ2aの上面から通常の布類Cの厚さ程度離間するようにプレート3hの前進揺動を規制する図示しないストッパが設けられていて、異物Fが入っていない正常な布類Cがプレート3hの先端部の摺設によって搬入コンベヤ2a上で引き止められるのを防止している。
【0032】
また、上記実施形態の布類内異物検出装置3は、搬入コンベヤ2aの上面に対するプレート3hの所定量以上の後退揺動を検出する、異物検出センサとしての近接センサ3eを具えており、この近接センサ3eは、布類Cが矢印Aで示すように前方へ搬入コンベヤ2a上を搬送される間にその布類C内の異物Fにプレート3hの先端部がその布類Cを介して当接して乗り上げ、その乗り上げによるプレート3hの所定量以上の後退揺動に伴ってプレート3hの側端部が近接センサ3eの所定範囲内に近接すると、そのプレート3hの側端部の近接を検知することで、搬入コンベヤ2a上の袋状の布類C内の異物Fを検出して異物検出信号を出力する。
【0033】
そしてその近接センサ3eの異物検出信号は、通常のコンピュータを有してこの折畳み機2の全体の作動を制御する図示しないコントローラに入力され、それによりコントローラは、注意ランプやブザー等で作業者に布類C内の異物Fの存在を知らせ、作業者は折畳み機2の前機2Aの作動を一旦停止させて、その異物Fを内包した袋状の布類Cを搬入コンベヤ2a上から除去する。
【0034】
従って、この実施形態の布類内異物検出装置3によっても、アイロンローラ1から搬出された袋状の布類C内の異物Fを確実に検出し得て、折畳み機2の前機2Aや後機2B内での布類Cの詰まりによる処理作業の停止やそれら折畳み機2の前機2Aや後機2Bの故障等を有効に防止することができる。
【0035】
以上、図示例に基づき説明したが、この発明は上述の例に限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載範囲内で適宜変更し得るものであり、例えば図2および図3に示す各実施形態ではローラ3bが、また図4の実施形態ではプレート3hが、それぞれ搬入コンベヤ2aの全幅に亘って同じ太さや幅で延在しているが、これらは搬入コンベヤ2aの全幅に亘って同じ太さや幅を有しているのでなく、代りに軽量化のために部分的に細くあるいは幅狭になっていてもよい。
【0036】
さらに、上記実施形態では折畳み機2が前機2Aと後機2Bとに分かれているが、折畳み機2は、前機2Aと後機2Bとの機能を併せ持つ一体型のものでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0037】
かくしてこの発明の布類内異物検出装置によれば、袋状の布類内の異物を確実に検出し得て、折畳み機内での布類の詰まりによる処理作業の停止や折畳み機の故障等を有効に防止することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 アイロンローラ
1a 搬出コンベヤ
2 折畳み機
2A 前機
2B 後機
2a 搬入コンベヤ
2b 押さえコンベヤ
2c 上げ下ろしコンベヤ
2d 第1挟みコンベヤ
2e 搬出コンベヤ
2f 第2挟みコンベヤ
2g 1/2折り刃
2h 1/4折り刃
2i 第1画像検査装置
2j 第2画像検査装置
3 布類内異物検出装置
3a 光学センサ
3b ローラ
3c ブラケット
3d レバー
3e 近接センサ
3f アクチュエータ
3g 位置センサ
3h プレート
C 布類
F 異物
図1
図2
図3
図4