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特許7292176土質特性推定方法、装置、プログラム、およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-08
(45)【発行日】2023-06-16
(54)【発明の名称】土質特性推定方法、装置、プログラム、およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G01N 15/02 20060101AFI20230609BHJP
   G01N 33/24 20060101ALI20230609BHJP
【FI】
G01N15/02 C
G01N33/24 C
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019190525
(22)【出願日】2019-10-17
(65)【公開番号】P2021067468
(43)【公開日】2021-04-30
【審査請求日】2022-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000166627
【氏名又は名称】五洋建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 隆宏
(72)【発明者】
【氏名】木井 敦夫
【審査官】外川 敬之
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-113429(JP,A)
【文献】特開2014-178281(JP,A)
【文献】国際公開第2017/201540(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 15/02
G01N 33/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
土質材料を撮影した画像を表す撮影データを取得するステップと、
前記土質材料の特性を分析した分析結果を示す分析結果データを取得するステップと、
前記撮影データと該撮影データに対応する前記分析結果データとを用いて、前記撮影データと前記分析結果データとの相関関係を機械学習させた学習済モデルを生成するステップと、
を情報処理装置が実行する土質特性推定方法であって、
前記分析結果データは、(i)前記土質材料の粒度分布の分析結果を示す粒径加積曲線を予め定められた関数に近似した場合における該関数のパラメータ値、(ii)前記土質材料の粒径を複数の範囲に区分した場合における該範囲毎の通過質重量百分率、および(iii)前記土質材料の含水比の計測結果を示すデータ、の少なくともいずれかを含む、ことを特徴とする土質特性推定方法
【請求項2】
前記土質材料を撮影した画像を表す撮影データを入力データとして取得するステップと、
前記入力データを前記学習済モデルに入力することによって前記土質材料の特性を推定するステップと、
を更に備える請求項1に記載の土質特性推定方法。
【請求項3】
前記撮影データに対し画像処理を実行するステップを更に有し、
前記学習済モデルを生成するステップにおいては、前記画像処理が行われた撮影データを用いて前記機械学習が行われる、ことを特徴とする請求項1または2に記載の土質特性推定方法。
【請求項4】
土質材料を撮影した画像を表す撮影データを入力データとして取得するステップと、
前記入力データを、前記土質材料を撮影した画像を表す撮影データと前記土質材料の特性を分析した分析結果を示す分析結果データとの相関関係を機械学習させた学習済モデルに入力することによって前記土質材料の特性を推定するステップと、
を情報処理装置が実行する土質特性推定方法であって、
前記分析結果データは、(i)前記土質材料の粒度分布の分析結果を示す粒径加積曲線を予め定められた関数に近似した場合における該関数のパラメータ値、(ii)前記土質材料の粒径を複数の範囲に区分した場合における該範囲毎の通過質重量百分率、および(iii)前記土質材料の含水比の計測結果を示すデータ、の少なくともいずれかを含む、ことを特徴とする土質特性推定方法
【請求項5】
土質材料を撮影した画像を表す入力データを取得する入力データ取得部と、
前記入力データを、前記土質材料を撮影した画像を表す撮影データと前記土質材料の特性を分析した分析結果を示す分析結果データとの相関関係を機械学習させた学習済モデルに入力することによって得られる、前記土質材料の特性を示す出力データを出力する出力部と、を備えることを特徴とする、装置であって、
前記分析結果データは、(i)前記土質材料の粒度分布の分析結果を示す粒径加積曲線を予め定められた関数に近似した場合における該関数のパラメータ値、(ii)前記土質材料の粒径を複数の範囲に区分した場合における該範囲毎の通過質重量百分率、および(iii)前記土質材料の含水比の計測結果を示すデータ、の少なくともいずれかを含む、ことを特徴とする装置
【請求項6】
前記分析結果データは、前記土質材料の粒度分布の分析結果を示す粒径加積曲線を予め定められた関数に近似した場合における該関数のパラメータ値を含み、
前記出力部は、前記学習済モデルにより得られる前記パラメータ値を前記関数に適用することにより現れる粒径加積曲線を出力する
請求項に記載の装置。
【請求項7】
請求項に記載の装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記入力データ取得部および前記出力部としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項8】
推定装置と端末装置とを備え、
前記推定装置は、
土質材料を撮影した画像を表す入力データを受信する入力データ受信部と、
前記入力データを、前記土質材料を撮影した画像を表す撮影データと前記土質材料の特性を分析した分析結果を示す分析結果データとの相関関係を機械学習させた学習済モデルに入力することによって前記土質材料の前記特性を推定し、推定結果を示す出力データを送信する推定部と、
を備え、
前記端末装置は、
前記土質材料を撮影した画像を表す撮影データを入力データとして取得する取得部と、
前記入力データを前記推定装置に送信し、該入力データの応答として前記推定装置から送信されてくる前記出力データを受信する受信部と、
前記出力データの表す特性に関するデータを出力する出力部と、を備え
前記分析結果データは、(i)前記土質材料の粒度分布の分析結果を示す粒径加積曲線を予め定められた関数に近似した場合における該関数のパラメータ値、(ii)前記土質材料の粒径を複数の範囲に区分した場合における該範囲毎の通過質重量百分率、および(iii)前記土質材料の含水比の計測結果を示すデータ、の少なくともいずれかを含む、ことを特徴とする、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土質材料の特性を推定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
掘削工事等により発生した土や岩材料を再利用するために、その粒度分布を把握して品質管理することが行われている。粒度分布は、ふるい分け試験により調べられることが一般的である。特許文献1には、粒度のバラツキが大きい発生土を粒度構成毎に短時間に仕分けるための方法として、容器に発生土と水を投入し、容器をよく撹拌して泥土中の砂分を洗浄分離して、容器を静置して砂分が沈降した体積を計り、間隙比から粗粒土の質量をもとめて、発生土中の細粒分含有率を求める方法が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、サンプリングされた土砂の性状を粒径加積曲線を用いて判定することが記載されている。また、特許文献3には、土壌の粒度を特定するまでの所要時間および設備コストを削減する方法が開示されている。特許文献3に記載の方法は、土壌を、粒径の範囲が決められた複数の土粒子群のそれぞれに分級し、これら各土粒子群の重量を求める。続いて、各々の土粒子群を撮像した結果に基づき、各々の土粒子群における粒度を特定し、各土粒子群の重量と各土粒子群における粒度に基づいて、土壌全体の粒度を特定する。
【0004】
また、特許文献4には、土質材料の粒度計測方法において、土質材料を撮像機で撮影する前に、土粒子を多くの時間を掛けることなく確実に分散し、一つ一つの土粒子のエッジを明確にして、土質材料の撮像機による撮影およびこの土質材料の画像の画像処理装置による画像処理により計測する土質材料の粒度分布の精度を向上させることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-220229号公報
【文献】特開2013-256842号公報
【文献】特開2014-178281号公報
【文献】特開2019-113429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述のふるい分け試験は手間と時間を要するという問題があった。また、特許文献1乃至4に記載の技術でも、粒度分布等の土質材料の特性の特定に要する時間を短縮することができるものの、土粒子群を複数の土粒子群に分類する等の作業を行う必要があり、その作業に時間を要するという問題があった。
【0007】
本発明の一態様は、上記問題点に鑑みたものである。本発明の一態様は、土質材料の特性の推定に要する時間を短縮することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の課題を解決するために、本発明に係る土質特性推定方法は、土質材料を撮影した画像を表す撮影データを取得するステップと、前記土質材料の特性を分析した分析結果を示す分析結果データを取得するステップと、前記撮影データと該撮影データに対応する前記分析結果データとを用いて、前記撮影データと前記分析結果データとの相関関係を機械学習させた学習済モデルを生成するステップと、を情報処理装置が実行する土質特性推定方法であって、前記分析結果データは、(i)前記土質材料の粒度分布の分析結果を示す粒径加積曲線を予め定められた関数に近似した場合における該関数のパラメータ値、(ii)前記土質材料の粒径を複数の範囲に区分した場合における該範囲毎の通過質重量百分率、および(iii)前記土質材料の含水比の計測結果を示すデータ、の少なくともいずれかを含む、ことを特徴とする
【0009】
前記の構成によれば、土質材料を撮影した画像を表す撮影データと、土質材料の粒度分布の分析結果を示す粒径加積曲線を予め定められた関数に近似した場合における該関数のパラメータ値、土質材料の粒径を複数の範囲に区分した場合における該範囲毎の通過質重量百分率、および土質材料の含水比の計測結果を示すデータ、の少なくともいずれかを含む分析結果データとを用いて、両者の相関関係を機械学習させた学習済モデルが生成される。この学習済モデルが用いられることにより、土質材料の粒径分布を示す粒径加積曲線、粒径の範囲毎の通過質量百分率、および土質材料の含水比、の少なくともいずれかの推定に要する時間が短縮される。
【0018】
前記土質特性推定方法は、前記土質材料を撮影した画像を表す撮影データを入力データとして取得するステップと、前記入力データを前記学習済モデルに入力することによって前記土質材料の特性を推定するステップと、を更に備えていてもよい。
【0019】
前記の構成によれば、土質材料を撮影した撮影データを学習済モデルに入力することにより土質材料の特性が推定される。これにより、土質材料の特性の推定に要する時間が短縮される。
【0020】
前記土質特性推定方法は、前記撮影データに対し画像処理を実行するステップを更に有し、前記学習済モデルを生成するステップにおいては、前記前処理が行われた撮影データを用いて前記機械学習が行われてもよい。
【0021】
前記の構成によれば、画像処理が行われた撮影データを用いて機械学習が行われる。これにより、土質材料の特性の推定の精度を高くすることができる。
【0022】
また、本発明に係る土質特性推定方法は、土質材料を撮影した画像を表す撮影データを入力データとして取得するステップと、前記入力データを、前記土質材料を撮影した画像を表す撮影データと前記土質材料の特性を分析した分析結果を示す分析結果データとの相関関係を機械学習させた学習済モデルに入力することによって前記土質材料の特性を推定するステップと、を情報処理装置が実行する土質特性推定方法であって、前記分析結果データは、(i)前記土質材料の粒度分布の分析結果を示す粒径加積曲線を予め定められた関数に近似した場合における該関数のパラメータ値、(ii)前記土質材料の粒径を複数の範囲に区分した場合における該範囲毎の通過質重量百分率、および(iii)前記土質材料の含水比の計測結果を示すデータ、の少なくともいずれかを含む、ことを特徴とする
【0023】
前記の構成によれば、土質材料を撮影した画像を表す撮影データと、土質材料の粒度分布の分析結果を示す粒径加積曲線を予め定められた関数に近似した場合における該関数のパラメータ値、土質材料の粒径を複数の範囲に区分した場合における該範囲毎の通過質重量百分率、および土質材料の含水比の計測結果を示すデータ、の少なくともいずれかを含む分析結果データとの相関関係を機械学習させた学習済モデルを用いて、土質材料を撮影した撮影データから土質材料の特性が推定される。これにより、土質材料の粒径分布を示す粒径加積曲線、粒径の範囲毎の通過質量百分率、および土質材料の含水比、の少なくともいずれかの推定に要する時間が短縮される。
【0024】
また、本発明に係る装置は、土質材料を撮影した画像を表す入力データを取得する入力データ取得部と、前記入力データを、前記土質材料を撮影した画像を表す撮影データと前記土質材料の特性を分析した分析結果を示す分析結果データとの相関関係を機械学習させた学習済モデルに入力することによって得られる、前記土質材料の特性を示す出力データを出力する出力部と、を備える装置であって、前記分析結果データは、(i)前記土質材料の粒度分布の分析結果を示す粒径加積曲線を予め定められた関数に近似した場合における該関数のパラメータ値、(ii)前記土質材料の粒径を複数の範囲に区分した場合における該範囲毎の通過質重量百分率、および(iii)前記土質材料の含水比の計測結果を示すデータ、の少なくともいずれかを含む、ことを特徴とする装置である。
【0025】
前記の構成によれば、土質材料を撮影した画像を表す撮影データと、土質材料の粒度分布の分析結果を示す粒径加積曲線を予め定められた関数に近似した場合における該関数のパラメータ値、土質材料の粒径を複数の範囲に区分した場合における該範囲毎の通過質重量百分率、および土質材料の含水比の計測結果を示すデータ、の少なくともいずれかを含む分析結果データとの相関関係を機械学習させた学習済モデルを有する装置を用いて、土質材料を撮影した撮影データから土質材料の特性が推定される。これにより、土質材料の粒径分布を示す粒径加積曲線、粒径の範囲毎の通過質量百分率、および土質材料の含水比、の少なくともいずれかの推定に要する時間が短縮される。
【0026】
前記特性推定装置において、前記分析結果データは、前記土質材料の粒度分布の分析結果を示す粒径加積曲線を予め定められた関数に近似した場合における該関数のパラメータ値を含み、前記出力部は、前記学習済モデルにより得られる前記パラメータ値を前記関数に適用することにより現れる粒径加積曲線を出力してもよい。
【0027】
前記の構成によれば、土質材料を撮影した画像を表す撮影データと、土質材料の粒度分布の分析結果を示す粒径加積曲線を近似した関数のパラメータ値との相関関係を機械学習させた学習済モデルを用いて、土質材料を撮影した撮影データからその土質材料の粒度分布を示す粒径加積曲線が推定される。これにより、土質材料の粒度分布を示す粒径加積曲線の推定に要する時間が短縮される。
【0028】
また、本発明は、前記装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記入力データ取得部および前記出力部としてコンピュータを機能させるための構成を備える。
【0029】
前記構成によれば、土質材料を撮影した画像を表す撮影データと、土質材料の粒度分布の分析結果を示す粒径加積曲線を予め定められた関数に近似した場合における該関数のパラメータ値、土質材料の粒径を複数の範囲に区分した場合における該範囲毎の通過質重量百分率、および土質材料の含水比の計測結果を示すデータ、の少なくともいずれかを含む分析結果データとの相関関係を機械学習させた学習済モデルを有する装置を機能させることにより、土質材料を撮影した画像データから土質材料の特性が推定される。これにより、土質材料の粒径分布を示す粒径加積曲線、粒径の範囲毎の通過質量百分率、および土質材料の含水比、の少なくともいずれかの推定に要する時間が短縮される。
【0030】
また、本発明に係るシステムは、推定装置と端末装置とを備え、前記推定装置は、土質材料を撮影した画像を表す入力データを受信する入力データ受信部と、前記入力データを、前記土質材料を撮影した画像を表す撮影データと前記土質材料の特性を分析した分析結果を示す分析結果データとの相関関係を機械学習させた学習済モデルに入力することによって前記土質材料の前記特性を推定し、推定結果を示す出力データを送信する推定部と、を備え、前記端末装置は、前記土質材料を撮影した画像を表す撮影データを入力データとして取得する入力データ取得部と、前記入力データを前記サーバに送信し、該入力データの応答として前記サーバから送信されてくる前記出力データを受信する受信部と、前記出力データの表す特性に関するデータを出力する出力部と、を備え、前記分析結果データは、(i)前記土質材料の粒度分布の分析結果を示す粒径加積曲線を予め定められた関数に近似した場合における該関数のパラメータ値、(ii)前記土質材料の粒径を複数の範囲に区分した場合における該範囲毎の通過質重量百分率、および(iii)前記土質材料の含水比の計測結果を示すデータ、の少なくともいずれかを含む構成である。
【0031】
前記構成によれば、土質材料を撮影した画像を表す撮影データと、土質材料の粒度分布の分析結果を示す粒径加積曲線を予め定められた関数に近似した場合における該関数のパラメータ値、土質材料の粒径を複数の範囲に区分した場合における該範囲毎の通過質重量百分率、および土質材料の含水比の計測結果を示すデータ、の少なくともいずれかを含む分析結果データとの相関関係を機械学習させた学習済モデルを有するシステムを用いて、土質材料を撮影した画像データから土質材料の特性が推定される。これにより、土質材料の粒径分布を示す粒径加積曲線、粒径の範囲毎の通過質量百分率、および土質材料の含水比、の少なくともいずれかの推定に要する時間が短縮される。
【発明の効果】
【0032】
本発明の一態様によれば、土質材料の特性の推定に要する時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】実施形態1に係る推定装置の機能構成を例示する図である。
図2】推定装置が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
図3】実施形態2に係る特性推定システムの概要を示す図である。
図4】特性推定システムに含まれる各種装置の要部構成を示すブロック図である。
図5】実施形態2に係る学習済モデルの一例を模式的に示した図である。
図6】実施形態2に係る推定装置における、学習済モデルの生成に係る処理の流れを示すフローチャートである。
図7】撮影データの表す画像を例示した図である。
図8】粒径加積曲線が近似される関数を例示した図である。
図9】粒径加積曲線が近似される関数を例示した図である。
図10】粒径加積曲線を関数に近似した例を示した図である。
図11】粒径加積曲線を関数に近似した例を示した図である。
図12】実施形態2に係る端末装置における、土質材料の特性の推定に係る処理の流れを示すフローチャートである。
図13】実施形態2に係る推定装置における、土質材料の特性の推定に係る処理の流れを示すフローチャートである。
図14】実施形態3に係る推定装置における、土質材料の特性の推定に係る処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
〔実施形態1〕
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置200の機能構成を示す図である。情報処理装置200は、土質材料の特性を推定するための学習済モデルを生成する装置である。本実施形態において、土質材料は、掘削工事等で発生した土のことをいい、例えば、土、砂、れき材料等を含む。土質材料の特性は、土質材料の特徴および/または性質をいう。土質材料の特性は例えば、土質材料の粒度分布、粒度分布から特定される粒径加積曲線、粒径加積曲線のパラメータ値、粒径を複数の範囲に区分した場合における範囲毎の通過質重量百分率、または含有率である。また、粒度は、土質材料の粒径の分布状態を重量百分率で表したものをいう。通過重量百分率は、土質材料の粒径を複数の範囲に区分した場合における、各範囲に含まれる粒径の土粒子の重量を全重量で除した値を百分率で表した値である。
【0035】
情報処理装置200は、撮影データ取得部101、分析結果取得部102、および生成部103を含む。撮影データ取得部101は、土質材料を撮影した画像を表す撮影データを取得する。
【0036】
分析結果取得部102は、土質材料の特性を分析した分析結果を示す分析結果データを取得する。分析結果データは例えば、土質材料の粒度分布、粒度分布に対応する粒径加積曲線、粒径加積曲線のパラメータ値、粒径を複数の範囲に区分した場合における範囲毎の通過質重量百分率、または含有率を示すデータである。
【0037】
分析結果データは、情報処理装置200により生成されてもよく、また、他の装置で生成された分析結果データが情報処理装置200により取得されてもよい。分析結果データは例えば、JIS A 1204に規定される「土の粒度試験方法」によって土の粒度分析が実施された分析結果を示すデータである。また、土の粒度分析方法はこれに限られず、例えば、特開2014-178281号公報に記載された方法により行われてもよい。
【0038】
生成部103は、撮影データと該撮影データに対応する分析結果データとの組を用いて、撮影データと分析結果データとの相関関係を機械学習させた学習済モデル121を生成する。学習済モデル121を規定する各種のパラメータは記憶部12に記憶される。学習済モデル121は、種々の土質材料の画像と、分析結果との相関関係を機械学習させた学習済モデルである。学習済モデル121の構造は特に限定されない。例えば、学習済モデル121は、CNN(Convolution al Neural Network、畳み込みニューラルネットワーク)構造を有するモデルで実現可能である。
【0039】
図2は、情報処理装置200が行う処理(土質特性推定方法の一例)の流れを示すフローチャートである。なお、一部のステップは並行して、または、順序を替えて実行されてもよい。撮影データ取得部101は、土質材料を撮影した画像を表す撮影データを取得する(S10)。分析結果取得部102は、土質材料の特性を分析した分析結果を示す分析結果データを取得する(S11)。生成部103は、撮影データと該撮影データに対応する分析結果データとを用いて、撮影データと分析結果データとの相関関係を機械学習させた学習済モデル121を生成する(S12)。
【0040】
以上のように構成された情報処理装置200は、撮影データと分析結果データとの相関関係を機械学習させた学習済モデル121を生成するので、学習済モデル121が用いられることで、土質材料の特性の推定に要する時間を短縮することができる。
【0041】
〔実施形態2〕
≪システム概要≫
図3は、本実施形態に係る特性推定システム100の概要を示す図である。特性推定システム100は、学習済モデルを用いて土質材料の特性を推定するためのシステムである。特性推定システム100は、推定装置1、撮影装置2、端末装置3、記憶装置4、および端末装置5を含む。なお、端末装置3は必須の構成ではない。撮影装置2と端末装置3および推定装置1、端末装置3と記憶装置4、推定装置1と端末装置3、推定装置1と記憶装置4、および、推定装置1と端末装置5は、互いに通信可能に接続されている。
【0042】
撮影装置2は、土質材料を撮影し、撮影した画像を表す撮影データを出力する。撮影データは、静止画像を表すデータであってもよく、また、動画像を表すデータであってもよい。また、撮影データは、複数の画像データを含むデータであってもよい。撮影データは端末装置3に供給される。例えば、撮影装置2は、有線または無線で接続している端末装置3に、撮影データを送信する。または、撮影装置2は、USBフラッシュメモリおよびSDカード等の外部記録媒体に撮影データを記録させてもよい。そして、その外部記録媒体を端末装置3に接続させ、端末装置3に読み取らせてもよい。これにより、撮影装置2から端末装置3に撮影データを移すことができる。このように、外部記録媒体を介して撮影データを供給する場合、撮影装置2と端末装置3との通信接続は不必須である。
【0043】
端末装置3は、撮影データ等の各種データを専門家が閲覧するための装置である。この実施形態において、専門家とは、地質学の専門家または地質技術者等、土質材料の特性を分析する技能を有する者を示す。また、端末装置3は、専門家が、自身が閲覧した撮影データの表す土質材料の特性を分析した分析結果を入力するための装置である。端末装置3は、入力された分析結果を示すデータを推定装置1に送信する。端末装置3は、土質材料の特性の分析結果を示すデータを、推定装置1へと送信する。以降、土質材料の特性の分析結果を単に「分析結果」とも称する。また、該分析結果を示すデータを「分析結果データ」と称する。
【0044】
端末装置3はまた、受信した撮影データと、該撮影データに対応する分析結果とを対応付けて、記憶装置4に送信する。記憶装置4において、該撮影データと分析結果との組は教師データとして記憶される。すなわち、教師データは、種々の土質材料の撮影データと、種々の土質材料のそれぞれに対応する分析結果との組み合わせから成る。
【0045】
推定装置1は、学習済モデル121を生成するとともに、生成した学習済モデル121を用いて特性の推定処理を実行する装置である。推定装置1は、記憶装置4に記憶された教師データを用いて学習済モデル121を生成する。ここで、学習済モデル121は、地質材料を撮影した撮影データと、土質材料の特性の分析結果との相関関係を機械学習させた学習モデルである。
【0046】
記憶装置4は、前述の教師データを記憶している記憶装置である。記憶装置4は、推定装置1からの要求に応じて記憶している教師データを読み出して、推定装置1に送信する。
【0047】
端末装置5(特性推定装置の一例)は、推定装置1による土質材料の特性の推定結果をユーザが閲覧するための装置である。端末装置5は、例えばタブレット端末またはスマートフォンである。端末装置5は、ユーザの操作に応じて、土質材料を撮影した画像を表す画像データを推定装置1に送信する。端末装置5から推定装置1へ送信される画像データの表す画像は、静止画像であってもよく、また、動画像であってもよい。端末装置5から推定装置1へ送信される画像データは、学習済モデルに入力されるデータであり、以下ではこの画像データを「入力データ」という。端末装置5は、送信された入力データの応答として推定装置1から送信されてくる分析結果データを受信し、分析結果データの示す分析結果を自装置の液晶ディスプレイ等に表示する。
【0048】
なお、特性推定システム100において、端末装置3と推定装置1とは一体に構成されていてもよい。すなわち、撮影装置2は推定装置1に撮影データを送信し、専門家は推定装置1にて撮影データを閲覧してもよい。そして、専門家は、推定装置1に対し分析結果を入力してもよい。
【0049】
また、特性推定システム100において、端末装置5と推定装置1とは一体に構成されていてもよい。すなわち、ユーザは推定装置1にて特性の推定結果を閲覧してもよい。
その場合には、端末装置5による入力データに代えて、撮影装置2により対象土質材料を撮影した画像データを推定装置1に送信する。
【0050】
≪要部構成≫
図4は、特性推定システム100に含まれる装置の要部構成を示すブロック図である。なお、図2では端末装置3も併せて図示しているが、特性推定システム100において、端末装置3は必須の構成ではない。
【0051】
(撮影装置2)
撮影装置2は、少なくともカメラ22を含む。カメラ22は土質材料を撮影し、撮影した画像を表す撮影データを出力する。カメラ22は、高解像度のカメラであってもよい。なお、高解像度カメラとは、搭載される撮像素子の画素数が一億画素数以上であるカメラをいう。さらに、撮影装置2は、制御部20と、通信部21と、光源24と、記憶部25のうち1つ以上の構成を含んでいてもよい。光源24は、土質材料を撮影する際の標準光源である。光源24は、例えば発光ダイオードを用いたライトで実現可能である。また、撮影装置2はボタン、マウス、およびタッチパネル等の入力部と、ディスプレイ等の表示部を含んでいてもよい。
【0052】
通信部21は、撮影装置2と他の装置との通信を行う通信インタフェースである。例えば、通信部21は、制御部20の制御に従って端末装置3と通信する。例えば、通信部21は、制御部20から入力された撮影データを端末装置3に送信する。また、通信部21は、図示しない他の装置から、撮影装置2での撮影開始の指示を受信してもよい。撮影開始の指示を受信した場合、通信部21は該指示を制御部20に出力する。
【0053】
制御部20は、撮影装置2を統括的に制御する。制御部20は、カメラ22を制御して土質材料を撮影させる。例えば制御部20は、通信部21を介して他の装置から受信した撮影開始指示に応答して、カメラ22に撮影を実行させてもよい。また例えば、制御部20は撮影装置2の入力部を介して、ユーザの撮影開始を指示する入力操作を受け付けてもよい。そして、該入力操作を受け付けた場合、制御部20はカメラ22に撮影を実行させてもよい。撮影データは端末装置3に送信されるまで一時的に記憶部25に記憶される。
【0054】
記憶部25は、撮影装置2の処理に必要な各種データを記憶する記憶装置である。また、記憶部25は、撮影データを記憶する。制御部20は、記憶部25に記憶された撮影データを読み出して端末装置3に送信する。撮影データが送信されるタイミングは、例えば、端末装置3からの要求を受信したタイミングであってもよく、また、例えば、撮影が行われる毎に撮影データが送信されてもよい。
【0055】
(端末装置3)
端末装置3は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)等で実現される。端末装置3は、撮影データを表示する表示部と、専門家が分析結果を入力するための、マウス、ボタン、キーボード等の入力部とを含む。また、端末装置3は推定装置1および撮影装置2と通信するための通信部を有する。また、端末装置3は、撮影装置2の撮影データが記録された外部記録媒体を接続するためのインタフェースを有する。
【0056】
端末装置3は、推定装置1に分析結果データを送信する。また、端末装置3は、撮影装置2から取得した撮影データと、専門家によって入力された、該撮影データに対する分析結果データと、を対応付けて、記憶装置4に送信する。
【0057】
(推定装置1)
推定装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部(情報処理装置)10とを含む。なお、推定装置1は、外部記録媒体を接続することが可能なインタフェースを備えていてもよい。例えば、推定装置1はUSBフラッシュメモリまたはSDカードを接続可能なインタフェースを備えていてもよい。また、推定装置1はボタン、マウス、およびタッチパネル等の入力部と、ディスプレイ等の表示部を含んでいてもよい。
【0058】
通信部11は、推定装置1と他の装置との通信を実現する。通信部11は、端末装置3、記憶装置4、および端末装置5と通信を行う。例えば、通信部11は端末装置3から分析結果データを受信する。なお、外部記録媒体を介して分析結果データを取得する場合、通信部11は端末装置3との通信を行わなくてもよい。また、例えば、通信部11は記憶装置4から教師データを受信する。例えば、通信部11は、端末装置5から入力データを受信する。
【0059】
記憶部12は、推定装置1の処理に必要なデータを記憶する記憶装置である。記憶部12は、学習済モデル121を記憶する。学習済モデル121は、上述の実施形態1と同様であり、種々の土質材料の画像と、分析結果との相関関係を機械学習させた学習済モデルである。例えば、学習済モデル121は、CNN構造を有するモデルで実現可能である。本実施形態に係る特性推定システム100では、一例として、AlexNetのモデル構造を有する学習済モデル121を用いることとして説明を行う。なお、記憶部12は推定装置1の外部装置であってもよい。例えば、記憶部12は、推定装置1と通信可能に接続されたサーバ等の記憶装置であってもよい。
【0060】
制御部10は、推定装置1を統括的に制御する。制御部10は、撮影データ取得部101、分析結果取得部102、生成部103、入力データ取得部104、推定部105および画像処理部106を含む。撮影データ取得部101、分析結果取得部102、および生成部103は上述の実施形態1に係る情報処理装置200のそれと同様である。すなわち、撮影データ取得部101は、土質材料を撮影した画像を表す撮影データを取得する。分析結果取得部102は、土質材料の特性を分析した分析結果を示す分析結果データを取得する。生成部103は、撮影データと該撮影データに対応する分析結果データとの組を用いて、撮影データと分析結果データとの相関関係を機械学習させた学習済モデル121を生成する。
【0061】
入力データ取得部104は、土質材料を撮影した画像を表す撮影データを入力データとして取得する。この実施形態では、入力データ取得部104(入力データ受信部の一例)は、端末装置5から入力データを受信する。推定部105は、入力データ取得部104により取得された入力データを学習済モデル121に入力することによって土質材料の特性を推定する。画像処理部106は、撮影データ取得部101又は入力データ取得部104により取得された入力データに対し画像処理を実行する。
【0062】
図4の例では、推定装置1の制御部10は、撮影データ取得部101、分析結果取得部102、生成部103、入力データ取得部104、推定部105、および画像処理部106を含んでいたが、これらの構成要素により実現される機能が複数の装置により分担されて実現されてもよい。例えば、推定装置1の制御部10が、撮影データ取得部101、分析結果取得部102、生成部103、および画像処理部106を備えておらず、入力データ取得部104および推定部105を備える構成であってもよい。この場合、撮影データ取得部101、分析結果取得部102、生成部103および画像処理部106を備える、推定装置1とは別体の情報処理装置(図示略)により学習済モデル121が生成され、生成された学習済モデル121を用いて推定装置1が特性の推定処理を実行する。なお、推定装置1の制御部10は、入力データ取得部104および推定部105に加えて、画像処理部106を備える構成であってもよい。
【0063】
記憶装置4は、学習用データセット41を記憶する記憶装置である。学習用データセット41は、教師データを1つ以上含んだデータセットの一群である。記憶装置4は、推定装置1からの要求に応じて、学習用データセット41からデータセットを読み出して、推定装置1に送信する。なお、上述した記憶部12と記憶装置4とは一体に構成されていてもよい。すなわち、学習済モデル121と、学習用データセット41とは同じ記憶装置に格納されていてもよい。
【0064】
≪学習済モデルの詳細≫
図5は、本実施形態に係る学習済モデル121の一例を模式的に示した図である。図示の通り、学習済モデル121には撮影データが入力データとして入力される。
【0065】
学習済モデル121は、例えば、畳み込み層と、プーリング層と、結合層とから成る。畳み込み層において、入力データはフィルタリングによる情報の畳み込みがなされる。畳み込みを経たデータは、プーリング層においてプーリング処理が施される。これにより、データ中の特徴の位置変化に対するモデルの認識能力が向上する。プーリング処理を経たデータは、結合層で処理されることによって、学習済モデル121の出力データ、すなわち、土質材料の特性の推定結果の形式に変換されて出力される。
【0066】
すなわち、学習済モデル121に入力された撮影データを、図5に示す各層をこれらの順に通過させることにより、土質材料の粒度分布、または含水比等、土質材料の特性の推定結果が出力される。なお、推定結果の出力形式は特に限定されない。例えば、各種特性は指標値として数値で示されてもよいし、粒径加積曲線を表すグラフが表示されてもよい。また、各種特性はテキストデータで示されてもよい。
【0067】
図4の説明に戻る。端末装置5は、制御部50、通信部51、記憶部52、入出力部53、およびカメラ54を含む。通信部51は、端末装置5と他の装置との通信を実現する。通信部51は、推定装置1と通信を行う。例えば、通信部51は推定装置1へ入力データを送信する。例えば、通信部51は推定装置1から分析結果データを受信する。記憶部52は、端末装置5の処理に必要なデータを記憶する記憶装置である。入出力部53は、ボタン、マウス、およびタッチパネル等の入力部と、ディスプレイ等の表示部とを含む。カメラ54は土質材料を撮影し、撮影した画像を表す撮影データを出力する。
【0068】
制御部50は、端末装置5を統括的に制御する。制御部50は、取得部501、受信部502、および出力部503を含む。取得部501は、土質材料を撮影した画像を表す撮影データを入力データとして取得する。受信部502は、入力データを推定装置1に送信し、入力データの応答として推定装置1から送信されてくる出力データを受信する。受信される出力データは、入力データを学習済モデル121に入力することによって得られる、土質材料の特性を示すデータである。出力部503は、受信された出力データの示す特性に関するデータを出力する。
【0069】
≪処理の流れ≫
≪学習用データセットの収集に係る処理≫
図6は、本実施形態に係る学習済モデル121の生成に係る処理の流れを示すシーケンス図である。本説明で使用する入力データは撮影装置2からの画像データとしている。なお、一部のステップは並行して、または、順序を替えて実行されてもよい。
【0070】
まず、撮影装置2により、分析の対象である土質材料が撮影される(S20)。撮影装置2により撮影が行われるタイミングは、例えば所定の条件が満たされたタイミングで行われる。所定の条件が満たされたタイミングは、例えば、撮影装置2のユーザにより撮影を指示する操作が行われたタイミング、または、所定の単位時間が経過した場合、である。撮影により生成された撮影データは、端末装置3に送信される(S21)。
【0071】
図7は撮影データの表す画像を例示した図である。カメラ22により、例えば土質材料とその上に設置されたスケールとが撮影される。なお、撮影データは、スケールが含まれていない土質材料の撮影画像であってもよい。撮影画像にスケールが含まれていない場合、スケールを示す数値が撮影装置2又は端末装置3に対するユーザ操作により入力される。
【0072】
端末装置3に送信された撮影データに対応する土質材料について、専門家または端末装置3により土質材料の特性の分析が行われる。この分析は、端末装置3を使用する専門家により行われてもよく、また、端末装置3が自装置の記憶部に記憶されたコンピュータプログラムを読み出して実行することにより行われてもよい。分析結果データが示す分析結果は例えば、土質材料の粒度分布、粒度分布により示される粒径加積曲線、粒径加積曲線のパラメータ値、または含水比である。専門家が分析を行う場合、例えば、JIS A 1204に規定される「土の粒度試験方法」によって土の粒度分析が実施される。
【0073】
また、端末装置3が、撮影データに対し画像解析処理を行い、土質材料に含まれる土粒子のエッジを検出することにより各土粒子の粒径(楕円の長径と短径)を測定し、測定結果を用いて粒度分布を特定してもよい。このとき、撮影データの表す画像にスケールが含まれていない場合、端末装置3は、撮影装置2又は端末装置3に入力されたスケールを示す数値を取得し、取得した数値を用いて粒度分布の特定処理を行う。また、例えば、特開2014-178281号公報に記載された方法により土の粒度分析が行われてもよい。
【0074】
この実施形態では、分析結果データは、分析結果に対応する粒径加積曲線を近似した関数のパラメータの値を含む。用いられる関数は、専門家等により予め選定される。関数には、1または複数のパラメータが含まれる。端末装置3は、分析結果に対応する粒径加積曲線に対し、事前に選定された関数におけるパラメータの値を調整して近似を行う(S121)。
【0075】
粒径加積曲線が近似される関数として、この実施形態では、以下の式(1)および/または式(2)の2種類の関数が用いられる。以下の式(1)および式(2)において、Dは粒径(メジアン径)を示し、yは通過質量百分率を示す。a、bはパラメータである。すなわち、式(1)または式(2)の関数により表されるグラフの形状は、a、bの値により変化する。
y = 0.5*[tanh(b*LOG10(a*D) +1]*100 …(1)
y = { 2/[1+exp(-a*(D-b))]-1 }*100 …(2)
【0076】
図8および図9は、粒径加積曲線が近似される関数を例示した図である。図8および図9はそれぞれ、上記の式(1)および式(2)を図示したグラフである。図8および図9において、横軸は土質材料の粒径D(mm)を示し、縦軸は通過質量百分率y(%)を示す。図8では、「Case1」、「Case2」および「Case3」の3つのパターンが図示されている。「Case1」、「Case2」および「Case3」のそれぞれにおけるパラメータ値は以下のとおりである。
Case1: a=b=1.0
Case2: a=0.3,b=2.5
Case3: a=3.0,b=5.0
【0077】
図10および図11は、土質材料に対し実際に粒径試験を行った結果を示す粒径加積曲線を関数による近似したグラフを例示した図である。粒径試験は、土質材料の粒度分布を調べる試験である。粒径試験は例えば、JIS A 1204に規定される「土の粒度試験方法」により行われる。図10には、式(1)の関数で近似した例が示されている。図11には、式(2)の関数で近似した例が示されている。図10および図11において、横軸は土質材料の粒径D(mm)を示し、縦軸は通過質量百分率y(%)を示す。
【0078】
図10には、「試験結果1」と「試験結果2」との2つの粒径試験の結果に対応する粒径加積曲線がそれぞれ実線で示されている。また、それぞれの粒径加積曲線を式(1)の関数に近似した場合のグラフが点線で示されている。「試験結果1」と「試験結果2」のそれぞれの粒径加積曲線を式(1)の関数に近似した場合における式(1)のパラメータa、bの値はそれぞれ以下のとおりである。
試験結果1: a=0.65,b=1.45
試験結果2: a=0.35,b=2.70
【0079】
図11には、「試験結果1」と「試験結果2」との2つの試験結果に対応する粒径加積曲線がそれぞれ実線で示されている。また、それぞれの粒径加積曲線を式(2)の関数に近似した場合のグラフが点線で示されている。「試験結果1」と「試験結果2」のそれぞれの粒径加積曲線を式(2)の関数に近似した場合における式(2)のパラメータa、bの値はそれぞれ以下のとおりである。
試験結果1: a=0.55,b=-0.15
試験結果2: a=0.38,b=0.10
【0080】
図6の説明に戻る。端末装置3は、撮影データと分析結果データとを紐付けた教師データを生成し(S122)、機械学習用の学習用データセットとして記憶装置4に送信する(S22)。記憶装置4は、学習用データセットを記憶する(S23)。ステップS20~S23の処理が繰り返されることにより、学習用データセットが記憶装置4に蓄積される。
【0081】
≪学習済モデルの生成に係る処理≫
推定装置1の撮影データ取得部101は、記憶装置4から撮影データを受信することにより、撮影データを取得する(S24)。また、分析結果取得部102は、記憶装置4から分析結果データを受信することにより、分析結果データを取得する(S25)。生成部103は、撮影データと該撮影データに対応する分析結果データとの組を用いて、撮影データと分析結果データとの相関関係を機械学習させた学習済モデル121を生成する(S26)。
【0082】
≪土質材料の特性の推定に係る処理≫
次いで、土質材料の特性の推定に係る処理について図面を参照しつつ説明する。なお、使用する入力データは端末装置5からの画像データとしている。特性の推定を行いたいユーザは、端末装置5を用いて、分析の対象となる土質材料を撮影する操作を行う。端末装置5は、ユーザ操作に応じて土質材料を撮影する。撮影した画像を表す撮影データは、記憶部52に記憶される。また、ユーザは、端末装置5を用いて土質材料の特性の推定を指示する操作を行う。端末装置5は、ユーザ操作に従い、特性の推定を行うための処理を実行する。
【0083】
図12は、端末装置5における、土質材料の特性の推定に係る処理の流れを示すフローチャートである。なお、一部のステップは並行して、または、順序を替えて実行されてもよい。図12に示される処理は例えば、特性の推定処理の実行を指示する操作がユーザにより行われたことをトリガとして開始される。端末装置5の取得部501は、土質材料を撮影した画像を表す撮影データを記憶部52から読み出すことにより、撮影データを入力データとして取得する(S30)。受信部502は、ステップS30で取得された入力データを推定装置1に送信する(S31)。受信部502は、推定装置1からの応答を受信するまで待機する(S32;NO)。
【0084】
図13は、推定装置1における、土質材料の特性の推定に係る処理の流れを示すフローチャートである。なお、一部のステップは並行して、または、順序を替えて実行されてもよい。入力データ取得部104は、端末装置5から送信されてくる入力データを取得する(S40)。入力データ取得部104は、取得した入力データを画像処理部106に供給する。画像処理部106は、入力データに対し前処理となる画像処理を実行する(S41)。前処理となる画像処理は例えば、輝度調整、コントラスト調整処理である。画像処理部106は、画像処理された入力データを推定部105に出力する。推定部105は、入力データを学習済モデル121に入力し(S42)、学習済モデル121から出力される特性の推定結果を取得する(S43)。この推定結果は、例えば、土質材料の粒度分布(粒径加積曲線、粒径加積曲線を近似した関数のパラメータ値、等)、または含水比である。推定部105は、取得した推定結果を示す出力データを、通信部11を介して端末装置5に送信する(S44)。なお、入力データに対し画像処理が行われず、入力データ取得部104により取得された入力データがそのまま(画像処理が行われることなく)推定部105に供給されてもよい。
【0085】
図12の説明に戻る。端末装置5の受信部502が推定装置1から出力データを受信すると(S32;YES)、出力部503は、受信した出力データの示す推定結果を入出力部53に表示する。出力データが関数のパラメータ値である場合、出力部503は、そのパラメータ値を関数に適用することにより得られるグラフを、入出力部53に表示する。例えば、関数にパラメータa,bの2つのパラメータが含まれる場合、これらのパラメータの値が関数に適用されることで、グラフが特定される。これにより、例えば図8または9に例示されるグラフが表示される。このとき、この推定結果に対応する撮影データの表す画像があわせて表示されてもよい。
【0086】
なお、出力データの出力の態様は上述したものに限られない。出力部503は、例えば、含水比を示す数値を入出力部53に表示させることにより、出力データを出力してもよい。また、出力データが粒径加積曲線である場合、出力部503は、出力データの示す粒径加積曲線を入出力部53に表示させてもよい。
【0087】
端末装置5のユーザは、入出力部53に表示されるグラフを確認することにより、分析対象である土質材料の特性(例えば、粒径加積曲線)を把握することができる。このように、この実施形態では、ユーザは端末装置5を用いて分析対象とする土質材料を撮影し、端末装置5を用いて特定の操作を行うだけで、推定装置1を経由して土質材料の特性の推定結果を得ることができる。すなわち、この実施形態では、ユーザは、土質材料の特性を推定するために、煩雑な作業や操作を行う必要がなく、推定に要する時間が短縮される。
【0088】
また、従来では、土質材料の粒度分布を画像処理により計測する手法(例えば、特許文献4に記載の手法)が用いられているが、この手法の場合、土粒子間に重なりがあると、個々の粒子のエッジを検出することが難しくなる。そのため、土粒子の重なりが生じないように分散させる手間が必要であるという問題があった。それに対しこの実施形態では、粒度分布を推定する際に、土粒子を分散させることなく、土粒子間の重なりがあっても、粒度の測定が可能である。
【0089】
また、この実施形態では、粒径加積曲線を関数近似し、関数中のパラメータの値を機械学習する方法が用いられる。パラメータの値の組み合わせが機械学習の対象であるため、粒径加積曲線そのものを学習する場合と比較すると、より簡易な手法で機械学習を行わせることができる。
【0090】
(変形例1)
上述の実施形態では、分析結果データとして、粒径加積曲線を近似した関数のパラメータの値が用いられた。分析結果データは上述した実施形態で示したものに限られない。分析結果データは、土質材料の特性を分析した分析結果を示すデータであればよく、分析結果データは、例えば、土質材料の粒径を複数の範囲に区分した場合における範囲毎の通過百分率を示すデータを含んでいてもよい。具体的には、例えば、「0.01mm以下:5%」、「0.05mm以下:11%」、「0.075mm以下:15%」、もしくは「0~0.01mm:5%」、「0~0.05mm:11%」、「0~0.075mm:15%」、・・・といったように、各粒径範囲のパーセンテージの値と、撮影データとの相関関係を機械学習させてもよい。
【0091】
また、分析結果データは、土質材料の含水比を含んでいていてもよい。この場合、含水比が計測装置(図示略)により計測され、計測結果を示すデータが記憶装置4に記憶される。この場合、計測結果を示すデータと撮影データとの相関関係が機械学習されて学習済モデルが生成される。
【0092】
この態様によれば、ユーザは端末装置5を用いて分析対象とする土質材料を撮影し、端末装置5を用いて特定の操作を行うだけで、土質材料の含水比の推定結果を得ることができる。すなわち、この実施形態では、土質材料の含水比を測定する測定装置を設ける必要がなく、また、ユーザが含水比の計測のための煩雑な作業や操作を行う必要もない。
【0093】
(変形例2)
上述の実施形態において、推定装置1(または端末装置3)が、撮影データに対し前処理となる画像処理を実行し、この画像処理が行われた撮影データを用いて機械学習させてもよい。前処理となる画像処理は、例えば、輝度調整、コントラスト調整処理である。
【0094】
(変形例3)
上述の実施形態では、推定装置1が、土質材料の特性の推定処理を実行した(図13)。特性推定システム100において、土質材料の特性の推定処理は、端末装置5により行われてもよい。この場合、土質材料の特性を推定する処理を実行するためのソフトウェアプログラムが端末装置5の記憶部52にダウンロードされ、端末装置5がこのプログラムを読み出して実行することにより、推定装置1を用いずに特性の推定処理が実行される。尚、端末装置5は記憶装置4とは無線で通信を行い、生成された学習済モデル121を用いて特性の推定処理を実行する。
【0095】
(変形例4)
上述の各実施形態において、専門家等のユーザに学習済モデルの推定結果を修正させ、学習済モデルを再学習させてもよい。この場合、端末装置3または端末装置5におけるユーザ操作により推定結果の修正が行われる。端末装置3により推定結果の修正が行われる場合、推定装置1による推定結果が端末装置3へ送信される。
【0096】
端末装置3(または端末装置5)は、ユーザによる推定結果の修正を指示する操作を受け付ける。端末装置3(または端末装置5)は、ユーザ操作に従って推定結果を修正することで、土質材料の特性の分析結果を作成する。端末装置3(または端末装置5)は、分析結果を推定装置1に送信し、修正した土質材料の特性の分析結果と対象の撮影データを紐付けて記憶装置4に送信する。
【0097】
推定装置1の分析結果取得部102は、通信部11を介して端末装置3(または端末装置5)から分析結果データを取得し、取得した分析結果データとこの分析結果データに対応する撮影データとを用いて、学習モデルを再学習させる。記憶装置4は学習用データセット41にデータを追加する。
【0098】
(変形例5)
なお、推定装置1は、端末装置3に推定結果を送信しない構成としてもよい。そして、端末装置3は実施形態1に記載の端末装置3と同様に、撮影データから専門家の分析結果を作成し、該分析結果を推定装置1に送信してもよい。この場合、推定装置1は、推定部105による推定結果と専門家による分析結果とを照合し、これらの少なくとも一部が異なる場合に、学習済モデル121を再学習させてもよい。
【0099】
この場合、推定装置1は、推定部105による推定結果と、端末装置3(または端末装置5)から取得した分析結果とを照合して、これらの少なくとも一部が異なる場合に、学習用データセットからデータセットを抽出し、抽出したデータセットを用いて学習済モデル121を再学習させる。
【0100】
(変形例6)
上述の実施形態では、端末装置3が撮影データと分析結果データとの組を記憶装置4に送信し、記憶装置4が、撮影データと分析結果データとを対応付けて記憶した(図6のステップS22~S23参照)。撮影データと分析結果データとがそれぞれ別々に記憶装置4へ送信されてもよい。例えば、撮影装置2から記憶装置4に撮影データが送信されるとともに、端末装置3から分析結果データが記憶装置4に送信されてもよい。この場合、例えば、撮影データを識別する識別情報が分析結果データに付されることにより、両者の紐付けが行われてもよい。
【0101】
(変形例7)
上述の実施形態では、端末装置3が、粒径加積曲線に対し、事前に選定された関数におけるパラメータの値を調整して近似を行った(図6のS121)。関数のパラメータの値を特定する処理は、端末装置3以外の装置(例えば、推定装置1)で行われてもよい。例えば、推定装置1が、端末装置3から粒径加積曲線を示すデータを受信し、受信したデータの示す粒径加積曲線を所定の関数に近似してパラメータ値を特定してもよい。
【0102】
(変形例8)
上述の各実施形態で用いられる学習済モデル121は、上述した実施形態で示したものに限られない。学習済モデル121は例えば、MTRNN(Multi Timescale RNN)、LSTM(Long Short Term Memory)等のRNN(Recurrent Neural Network)、ARIMA(AutoRegressive, Integrated and Moving Average)モデル等であってもよい。
【0103】
〔実施形態3〕
また、前記各実施形態において、粒度分析を行う既存のソフトウェア(以下「粒度分析ソフトウェア」という)による分析結果と学習済モデル121を用いた推定結果との両方が用いられた推定が行われてもよい。粒度分析ソフトウェアは、例えば、土質材料を撮影した画像データに対し画像解析処理を行い、土質材料に含まれる土粒子のエッジを検出することにより各土粒子の粒径を測定し、測定結果を用いて粒度分布を特定する処理を実行する。なお、粒度分析ソフトウェアが実行する粒度分析処理はこれに限られず、他の手法により粒度分析が行われてもよい。粒度分析ソフトウェアは推定装置1にインストールされ、推定装置1の制御部10が粒度分析ソフトウェアのコンピュータプログラムを読み出して実行することにより実装される。
【0104】
図14は、推定装置1における土質材料の特性の推定に係る処理の流れを示すフローチャートである。図14に示す処理が図13の処理と異なる点は、ステップS41の処理の後にステップS51の処理が実行される点、および、ステップS43の処理の後にステップS52の処理が実行される点である。なお、一部のステップは並行して、または、順序を替えて実行されてもよい。
【0105】
ステップS40において、推定装置1の制御部10により実装される粒度分析ソフトウェアは、撮影データに対し画像解析処理を行い、例えば土質材料に含まれる土粒子のエッジを検出して各土粒子の粒径(楕円の長径と短径)を測定することにより、粒度分布を特定する(S51)。その後、推定装置1の生成部103は、粒度分析ソフトウェアによる分析結果と学習済モデル121を用いた推定結果とを、学習済モデル121により算出される機械学習の信頼度に応じて重み付けを行い、粒度分布の推定結果を特定する(S52)。例えば、信頼度が高いほど機械学習による推定結果の重み付けが重くなるように演算が行われる。
【0106】
この実施形態によれば、画像解析による粒度分析の分析結果と学習済モデルを用いた推定結果との両方を加味した推定結果を得ることができ、これにより、土質材料の特性の推定の精度を高くすることができる。
【0107】
〔実施形態4〕
また、前記各実施形態において、既存の粒度分析ソフトウェアによる分析結果と学習済モデル121を用いた推定結果とが併用されてもよい。この場合、推定装置1の制御部10により実装される粒度分析ソフトウェアは、撮影データに対し画像解析処理を行い、土質材料に含まれる土粒子のエッジを検出して各土粒子の粒径を測定する。このとき、粒度分析ソフトウェアは、粒をカウントすることができる大きな粒径範囲について、粒度分布を特定する。一方、カウントできない小さい粒径範囲については、学習済モデル121を用いた推定結果が採用される。すなわち、推定装置1による粒度分布の推定結果として、予め定められた閾値以上の粒径の土粒子については、粒度分析ソフトウェアによる分析結果が採用され、一方、上記閾値未満の粒径の土粒子については、学習済モデル121を用いた推定結果が採用される。すなわち、この実施形態では、制御部10は、分析対象である土質材料に含まれる土粒子のうち、その特性が所定の条件(例えば、土粒子の粒径の範囲)を満たす土粒子については学習済モデル121により推定される粒度分析結果を取得する。一方、制御部10は、上記条件を満たさない土粒子については、学習済モデル121を用いない粒度分析処理により特定される分析結果を取得する。
【0108】
既存のソフトウェアによる分析結果と、学習済モデル121を用いた推定結果とを組み合わせて用いることにより、土質材料の特性の推定の精度を高くすることができる。
【0109】
〔ソフトウェアによる実現例〕
推定装置1、端末装置3、端末装置5、および情報処理装置200の制御ブロック(撮影データ取得部101、分析結果取得部102、生成部103、入力データ取得部104、推定部105、画像処理部106、取得部501、受信部502、および出力部503のうち少なくとも1つ)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0110】
後者の場合、推定装置1、端末装置3、端末装置5、および情報処理装置200は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0111】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0112】
1 推定装置
2 撮影装置
3、5 端末装置
4 記憶装置
10、20、50 制御部
11、21、51 通信部
12、25、52 記憶部
22、54 カメラ
24 光源
41 学習用データセット
53 入出力部
100 特性推定システム
101 撮影データ取得部
102 分析結果取得部
103 生成部
104 入力データ取得部
105 推定部
106 画像処理部
121 学習済モデル
200 情報処理装置
501 取得部
502 受信部
503 出力部
図1
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図14