(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-08
(45)【発行日】2023-06-16
(54)【発明の名称】差圧センサ
(51)【国際特許分類】
G01L 13/02 20060101AFI20230609BHJP
G01L 13/06 20060101ALI20230609BHJP
【FI】
G01L13/02 B
G01L13/06 R
(21)【出願番号】P 2020534335
(86)(22)【出願日】2018-12-20
(86)【国際出願番号】 FR2018053474
(87)【国際公開番号】W WO2019122759
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2021-12-01
(32)【優先日】2017-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】517310463
【氏名又は名称】アリアングループ・エス・ア・エス
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グベール,フランソワ
【審査官】大森 努
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04878385(US,A)
【文献】実公昭57-033406(JP,Y2)
【文献】実開昭56-170740(JP,U)
【文献】実開昭57-194040(JP,U)
【文献】特開昭61-129545(JP,A)
【文献】実開昭61-197533(JP,U)
【文献】実開昭61-182831(JP,U)
【文献】米国特許第04212209(US,A)
【文献】特開平09-096580(JP,A)
【文献】実開平02-093731(JP,U)
【文献】特開平03-094133(JP,A)
【文献】米国特許第03167963(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 7/00-23/32,27/00-27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力センサにして、キャビティが、第1の端部において第1のダイヤフラムによって閉じられ、および第2の端部において第2のダイヤフラムによって閉じられる、液体を収容する前記キャビティと、前記キャビティ内に配置された歪ゲージを備える測定ボディと、を備える圧力センサであって、測定ボディは、接続部材によって、第1のダイヤフラムおよび第2のダイヤフラムのうち1つのダイヤフラムのみに機械的に接続され、測定ボディは、中心対称性を有する形状を備え、接続部材は、前記測定ボディの中心対称性の対称の中心に固定されており、キャビティが、第1ダイヤフラムの側部に配置された第1チャンバと、第2ダイヤフラムの側部に配置された第2チャンバとに分離され、第1チャンバと第2チャンバとが、測定ボディによって分離され、測定ボディが、第1チャンバと第2チャンバとの間で液体を循環させるためのボアを備えることを特徴とする、圧力センサ。
【請求項2】
キャビティが、第1のダイヤフラムの側部に配置された第1のチャンバと、第2のダイヤフラムの側部に配置された第2のチャンバとを備え、前記圧力センサが、第1のダイヤフラムに作用される第1の圧力と第2のダイヤフラムに作用される第2の圧力との圧力差が閾値を超えるときに、第1のチャンバと第2のチャンバとの間の液体の循環を防止するように構成された加圧安全装置を備える、請求項1に記載の圧力センサ。
【請求項3】
過圧安全装置が、一方において、第1の圧力から第2の圧力を引いた圧力差が第1の制限値に到達するときに、第1チャンバと第2チャンバとの間の液体の循環を防止するように構成された第1過圧バルブと、他方において、第2圧力から第1圧力を引いた圧力差が第2制限値に到達するときに、第1チャンバと第2チャンバとの間の液体の循環を防止するように構成された第2過圧バルブと、を備える、請求項2に記載の圧力センサ。
【請求項4】
接続部材が、第1のダイヤフラムと接触する第1の端部を含み、前記接続部材の第1の端部が、前記接続部材の残りの部分よりも大きい直径を含む、請求項1に記載の圧力センサ。
【請求項5】
測定ボディがディスクであり、その輪郭部が圧力センサのキャビティの内壁に固定され、接続部材が前記ディスクの中心に固定される、請求項1に記載の圧力センサ。
【請求項6】
測定ボディが、四角い断面を有するプレートであり、その輪郭部が圧力センサのキャビティの内壁に固定され、接続部材が前記プレートに固定される、請求項1に記載の圧力センサ。
【請求項7】
液体が油である、請求項1に記載の圧力センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基準圧力と測定される圧力との間の圧力差を測定することによって流体の圧力を測定するセンサの一般分野に関する。
【背景技術】
【0002】
図1には、従来技術の圧力センサ1が示されている。
図1の圧力センサは、例えば、インターネット上のアドレス「http://www.spc.ac-aix-marseille.fr/phy_chi/Physique_appliquee/Menu/TP/capteur_de_pression/Capteurs_de_pression.html」に記載されている。
図1に見られるように、圧力センサ1は、2つの流体入口経路2a、2bを含む。2つの入口経路2a、2bの一方は、既知の基準圧力を有する流体が圧力センサ1に導入される基準経路に対応し、他方の経路は、測定される圧力を有する流体が前記圧力センサ1に導入される測定経路に対応する。
【0003】
この圧力センサ1は双方向センサであり、流入経路2aが基準経路であるのに対して流入経路2bが測定経路である場合、並びに流入経路2aが測定経路であるのに対して流入経路2bが基準経路である場合を可能とする。
【0004】
2つの入口経路2a、2bの間の圧力差を測定するために、圧力センサ1は、2つの入口経路2a、2bの圧力が作用する測定バー3を備える。測定バー3は一方の端部によって固定され、他方の端部は自由に移動する。歪みゲージ3aは、前記測定バー3の変形を測定し、測定バー3の変形から2つの入口経路2a、2b間の圧力差を得るように、測定バー3に配置される。
【0005】
圧力センサ1は、各入口経路2a、2bに対向して配置されたダイヤフラム4a、4bを備える。ダイヤフラム4a、4bは、それぞれ、入口経路2a、2bの一方の流体の圧力を受け、この圧力を、伝達バー5a、5bによってそれぞれ測定バー3に伝達するように意図されている。ダイヤフラム4a、4bの間の空間によって画定されるキャビティ6は、前記キャビティ6の体積の変動を制限するように油で満たされる。
【0006】
従来技術の圧力センサは、時に、温度に対する感度の問題に直面し、圧力センサの測定は、温度の関数として非線形に変化する。温度に対するこの感度は、キャビティ6内の油の熱膨張から生じる。温度に対するこのような非線形感度は、圧力センサが正確な測定を行うことができる温度の範囲を減少させる傾向がある。というのは、センサの動作温度の範囲が大きいほど、温度に対するセンサの感度を補償することがより困難であるからである。
【0007】
加えて、従来技術の圧力センサは、基準圧力に対して線形の感度を有し、従って、基準圧力と測定される圧力との間の同じ圧力差に対して、圧力センサ1の測定値は、基準圧力の関数として線形に変化する。基準圧力に対するこの感度は、キャビティ6内の油の圧縮性から生じる。従って、圧力センサの精度を上げるためには、基準圧力の値の関数として測定値を補償する必要があり、これは圧力センサを複雑にする。
【0008】
最後に、従来技術の圧力センサも、制限されすぎる過圧に対する耐性の問題に直面する。実際に、伝達バー5a、5bの動きと測定バー3からの曲がりを制限するように、前記伝達バー5a、5bはストッパ7a、7bを有する。しかしながら、過圧が発生する経路の反対側に配置されたダイヤフラム4a、4bは、前記キャビティ6内の油の移動の影響下でキャビティ6の外側に向かって膨らむことによって変形する傾向があり、これは前記ダイヤフラム4a、4bに損傷を引き起こす可能性がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【文献】インターネット<URL:http://www.spc.ac-aix-marseille.fr/phy_chi/Physique_appliquee/Menu/TP/capteur_de_pression/Capteurs_de_pression.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、本発明は、液体を収容するキャビティを備える圧力センサを提案することによって、その主な目的として、そのような欠点を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
圧力センサは、第1の端部が第1のダイヤフラムによって閉じられ、および第2の端部が第2のダイヤフラムによって閉じられる前記キャビティと、前記キャビティ内に配置された歪ゲージを備える測定ボディとを備える。測定ボディが、接続部材によって第1のダイヤフラムおよび第2のダイヤフラムのうちの1つのダイヤフラムのみに機械的に接続され、および測定ボディが中心対称性を有する形状を備え、および接続部材が、前記測定ボディの中心対称性の対称の中心に固定されることを、圧力センサは特徴とする。
【0012】
また、圧力センサは、単独で、または技術的可能性に応じて組み合わせて、以下の特徴を備えることができる:すなわち、
・ キャビティは、第1のダイヤフラムの側部に配置された第1のチャンバと、第2のダイヤフラムの側部に配置された第2のチャンバとを備え、第1のダイヤフラムに作用される第1の圧力と第2のダイヤフラムに作用される第2の圧力との間の圧力差が閾値を超えるときに、第1のチャンバと第2のチャンバとの間の液体の循環を防止するように構成された過圧安全装置を、前記センサは備える;
・ 過圧安全装置は、一方において、第1の圧力から第2の圧力を引いた圧力差が第1の制限値に到達するときに、第1のチャンバと第2のチャンバとの間で液体の循環を防止するように構成された第1の過圧バルブと、他方において、第2の圧力から第1の圧力を引いた圧力差が第2の制限値に到達するときに、第1のチャンバと第2のチャンバとの間で液体の循環を防止するように構成された第2の過圧バルブと、を備える;
・ 接続部材は、第1のダイヤフラムと接触する第1の端部を含み、前記接続部材の第1の端部は、前記接続部材の残りの部分よりも大きい直径を含む;
・ キャビティは、第1のダイヤフラムの側部に配置された第1のチャンバと、第2のダイヤフラムの側部に配置された第2のチャンバとに分離され、第1および第2のチャンバは、測定ボディによって分離され、測定ボディは、第1のチャンバと第2のチャンバとの間で液体を循環させるためのボアを備える;
・ 測定ボディはディスクであり、その輪郭部は圧力センサのキャビティの内壁に固定され、接続部材は前記ディスクの中心に固定される;
・ 測定ボディは、四角い断面を有するプレートであり、その輪郭部は、圧力センサのキャビティの内壁に固定され、接続部材は、前記プレートの中心に固定される;
・ 測定ボディはバーであり、その2つの端部は圧力センサのキャビティの内壁に固定され、接続部材は前記バーの中心に固定される;
・ 液体は油である。
【0013】
本発明の他の特徴および利点は、限定的な特徴を欠く例示的な実施形態を示す添付の図面を参照して、以下の説明によって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2a】本発明の一実施形態による差圧センサを示す図である。
【
図2b】本発明の一実施形態による差圧センサを示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態による差圧センサの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図2a、
図2bおよび
図3に示すように、本発明による圧力センサ10は、キャビティ12を画定する軸βに沿って向けられた円筒壁11を備え、前記キャビティ12は液体で満たされている。好ましくは、圧力センサ10のキャビティ12を満たす液体は油であり、油はわずかに圧縮可能である。
【0016】
キャビティ12は、第1のダイヤフラム20aによって閉じられる第1の端部12aと、第2のダイヤフラム20bによって閉じられる第2の端部12bとを含む。第1ダイヤフラム20aおよび第2ダイヤフラム20bは、一方が基準経路に、他方が測定経路に設置されることを意図されている。基準経路は、流体を含む経路であり、その圧力は既知であり、そのため、基準経路と測定経路との間の圧力差の圧力センサ10による測定の結果、測定経路の流体の圧力を計算することができるようになっている。
【0017】
圧力センサ10は、第1のダイヤフラム12aと第2のダイヤフラム12bとの間の、キャビティ12内に取り付けられた測定ボディ30を備える。測定ボディ30は、前記測定ボディ30に取り付けられ、且つ前記測定ボディ30の変形を測定するように構成された歪みゲージ31を備える。
【0018】
測定ボディ30は、中心対称性を有する形状を有する。従って、測定ボディは対称中心を有する。測定ボディの対称中心は、軸βに配置されることが好ましい。
【0019】
測定ボディ30をキャビティ12の内に固定するために、キャビティ13の内壁は、一方では圧力センサ10の壁11に固定され、他方では測定ボディ30に固定される固定ブラケット40を備える。固定ブラケット40の形状および測定ボディ30への固定は、前記測定ボディ30が曲げによって変形できるように設計されており、従って、固定ブラケット40と測定ボディ30との間の固定点は、前記固定ブラケット40から離間している。
【0020】
図2a、
図2bおよび
図3に示す例示的な実施形態では、測定ボディ30は、軸βを中心とするディスクであり、従って、前記測定ボディ30の対称中心は、軸β上のディスクの中心に配置される。固定ブラケット40は、また、測定ボディ30の輪郭部に形成された相補的な円形の溝に係合する円形のリブを備えるディスクであり、かくして、前記測定ボディ30の固定ブラケット40への固定を確実にする。
【0021】
圧力センサ10は、第1のダイヤフラム20aおよび第2のダイヤフラム20bのうちの1つのダイヤフラムに測定ボディ30の対称中心を機械的に接続する接続部材50、例えばピンを備える。
図2a、
図2b、および
図3に示す例では、接続部材50は、測定ボディ30を第1のダイヤフラム20aに接続する。従って、接続部材50は、第1のダイヤフラムに接触する第1の端部と、測定ボディ30の対称中心に接触する一端部とを備える。接続部材50の第2の端部は、測定ボディ30が接続部材50の全ての動きに正確に追従するように、測定ボディ30に固定される。
【0022】
他方のダイヤフラム、ここでは第2のダイヤフラム20bは、従来技術のセンサとは異なり、測定ボディ30に機械的に接続されていない。「機械的接続」とは、ここでは、ダイヤフラムに加えられる力が、例えばバーのような部分を介して測定ボディ30に伝達され、その部分も、測定ボディの力をダイヤフラムに伝達することを意味する。
【0023】
第2ダイヤフラム20bに印加された第2の圧力P2が、圧力センサ10を満たす液体を介して第1ダイヤフラム20aに伝達されることにより、圧力センサ10は、第1ダイヤフラム20aに印加された第1の圧力P1と、第2ダイヤフラム20bに印加された第2の圧力P2との圧力差を測定し、これにより、接続部材50を介して第1ダイヤフラム20aによって測定ボディ30に印加される力は、第1の圧力P1と第2の圧力P2との差に相当する。歪みゲージ31による測定ボディ30の変形の測定は、第1のダイヤフラム20aによって前記測定ボディ30に加えられた力を測定することを可能にし、従って、基準経路と測定経路との間の圧力差を得る。
【0024】
測定ボディ30が中心対称の形状を有し、その対称中心で第1のダイヤフラム20aのみに機械的に接続されるという事実は、圧力センサ10の温度に対する感度の問題を解決することを可能にする。実際、圧力センサ10を満たす液体の熱膨張は、第2のダイヤフラム20bの膨らみによって補償される。この膨らみは、前記第2のダイヤフラム20bが測定ボディ30に機械的に接続されていないという事実によって可能になっている。加えて、これは、基準圧力に対する圧力センサ10の感度の問題を解決することも可能にする。さらに、測定ボディ30が中心対称の形状を有し、その対称中心で第1のダイヤフラム20aのみに機械的に接続されているという事実は、圧力センサ10の双方向特性を改善することを可能にする。双方向とは、ここでは、圧力センサ10が、第1のダイヤフラム20aまたは第2のダイヤフラム20bに印加される測定される圧力に対して同じ測定値を与える能力を意味する。
【0025】
図3で分かるように、圧力センサ10のキャビティ12は、測定ボディ320と固定ブラケット40とによって2つのチャンバに分割されており、2つのチャンバは、第1ダイヤフラム20aの側部に配置された第1チャンバ13aおよび第2ダイヤフラム20bの側部に配置された第2チャンバ13bである。固定ブラケット40は、接続部材50を通過させ、第1チャンバ13aと第2チャンバ13bとの間で流体を循環することを可能にするように、ボア41を備える。測定ボディ30はまた、流体が第1のチャンバ13aと第2のチャンバ13bとの間を循環することを可能にするように、ボア32を備える。従って、第1のダイヤフラム20aまたは第2のダイヤフラム2bのいかなる移動も、第1のチャンバ13aと第2のチャンバ13bとの間の液体移動を引き起こす。
【0026】
圧力センサ10は、液体が第1チャンバ13aと第2チャンバ13bとの間を自由に移動できる開位置と、前記過圧安全装置が第1チャンバ13aと第2チャンバ13bとの間の流体の循環を防止する閉位置との間を移動可能な過圧安全装置を備える。過圧安全装置は、通常使用時には開位置にあり、経路の1つで過圧が発生した場合には閉位置に切り替わるように構成されている。従って、ダイヤフラムに加わる圧力が、他方のダイヤフラムに加わる圧力に対して大きすぎて、2つの圧力の差が閾値に到達するときに、過圧安全装置は閉位置に切り替わる。このタイプの過圧安全装置は、過圧を受けたダイヤフラムに対応するチャンバ内に配置された液体が他方のチャンバ内に押しやられることを防ぐことができ、および他方のダイヤフラムを外側に膨らませることによって、その他方のダイヤフラムを変形させることを防ぐことができ、従って、破損を引き起こすことを防ぐことができる。
【0027】
図3に示す例示的な実施形態では、過圧安全装置は、第1過圧バルブ42aと第2過圧バルブ42bとによって形成される。第1の過圧バルブ42aは、第1のダイヤフラム20aの方へ向けられた固定ブラケット40の第1の面に形成され、第2の過圧バルブ42bは、第2のダイヤフラム20bおよび測定ボディ30の方へ向けられた固定ブラケットの第2の面に形成される。第1のバルブ42aおよび第2のバルブ42bは、いずれも、それらのバルブが第1のチャンバ13aと第2のチャンバ13bとの間で液体の循環を可能にする開位置と、それらのバルブが2つのチャンバ間での液体の循環を妨げる閉位置との間で移動可能である。
【0028】
過圧の結果として第1圧力P1が大きすぎるとき、従って、圧力差ΔP、第1圧力P1から第2圧力P2を引いた圧力差(ΔP = P1-P2)が第1限界値に到達するときに、第1過圧バルブ42aは閉位置に切り替わる。第1過圧バルブ42aは、第1圧力P1の上昇の影響を受けて第1ダイヤフラム20aを押圧することによりその閉位置に切り替わり、ダイヤフラムの下方に配置されたディスク21a(ここでは接続部材50の一端により形成される)が第1過圧バルブ42aを塞ぐ。第1の制限値は、固定ブラケット40の第1の面と、第1のダイヤフラム20aの下方に配置されたディスク21aとの間の分離によって決定される。
【0029】
過圧の結果として第2圧力P2が大きすぎ、従って、圧力差ΔP第2圧力P2から第1圧力P1を引いた値(ΔP = P2-P1)が第2限界値に到達するときに、第2過圧バルブ42bは閉位置に切り替わる。第2過圧バルブ42bは、固定ブラケット40の第2の面に対して測定ボディ30を押圧することによって、その閉位置に切り替わる。測定ボディ30の変形は、第2チャンバ13b内の液体の圧力の上昇によって引き起こされる。第2限界値は、測定ボディ30と固定ブラケット40の第2の面との間隔によって決定される。
【0030】
図に示す例示的な実施形態では、ディスク21aおよび21bは、第1および第2のダイヤフラム20aおよび20bに対して取り付けられる。これらのディスク21a、21bは、ダイヤフラムを補強することを可能にする。第1のダイヤフラム20aの下に配置されたディスク21aは、そのディスクの第1の端部における接続部材50の直径の拡大によって形成されることができる。1つの可能な変形例によれば、圧力センサ10は、第2のダイヤフラム20bに対してディスク21bを欠くことができる。
【0031】
1つの可能な変形例によれば、測定ボディ30は、四角い断面(軸βに垂直な断面)を有するプレートであり、測定ボディの全輪郭部にわたって固定ブラケット40に固定され、測定ボディの中心で接続部材50に固定される。別の可能な変形例によれば、測定ボディ30は、測定ボディの2つの端部で固定ブラケット40に固定され、その中心で接続部材50に固定されるバーである。