(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-08
(45)【発行日】2023-06-16
(54)【発明の名称】発光モジュール及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 33/48 20100101AFI20230609BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20230609BHJP
F21K 9/232 20160101ALI20230609BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230609BHJP
【FI】
H01L33/48
F21S2/00 110
F21K9/232 100
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2021152757
(22)【出願日】2021-09-21
(62)【分割の表示】P 2019201340の分割
【原出願日】2014-06-25
【審査請求日】2021-09-21
(32)【優先日】2013-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】598061302
【氏名又は名称】晶元光電股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Epistar Corporation
【住所又は居所原語表記】21,Li-hsin Rd.,Science-based Industrial Park,Hsinchu 300,TAIWAN
(73)【特許権者】
【識別番号】518189851
【氏名又は名称】カイスター ライトニング (シァメン)カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ホン ジィ,リュウ
(72)【発明者】
【氏名】ズ チ,チェン
【審査官】村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0163683(US,A1)
【文献】国際公開第2012/148384(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/027616(WO,A2)
【文献】特開2008-034473(JP,A)
【文献】特開2009-010204(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/48-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオードモジュールであって、
回路板;
前記回路板に位置する金属片;
前記金属片によって前記回路板に固定されており、かつ第一上表面と、前記第一上表面に相対する第一下表面とを有する第一基板;
前記第一上表面に位置する複数の第一発光ダイオードチップ;
蛍光粉を含む透明接着剤であって、前記複数の第一発光ダイオードチップが前記透明接着剤と前記第一上表面との間に取り囲まれる、透明接着剤;
第二上表面と、前記第二上表面に相対する第二下表面とを有する第二基板;及び
前記第二上表面に位置する複数の第二発光ダイオードチップを含み、
前記発光ダイオードモジュールは仮想中心軸を有し、前記第一下表面及び前記第二下表面は前記発光ダイオードモジュールの前記仮想中心軸に面し、
前記第一下表面及び前記第二下表面は蛍光粉を有せ
ず、
前記第一基板の同じ端部に位置する第一導電電極板及び第二導電電極板をさらに含み、
前記第一基板と前記第二基板は互いに独立して分離されており、
前記第一導電電極板を用いて前記回路板の前記金属片に接続される、発光ダイオードモジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の発光ダイオードモジュールであって、
前記第一導電電極板は複数の異なる幅の部分を有する、発光ダイオードモジュール。
【請求項3】
請求項
1に記載の発光ダイオードモジュールであって、
前記金属片は前記第一導電電極板に給電して前記複数の第一発光ダイオードチップを駆動するために用いられる、発光ダイオードモジュール。
【請求項4】
請求項1に記載の発光ダイオードモジュールであって、
前記第一基板と前記複数の第一発光ダイオードチップとの間に位置する透明粘着層をさらに含む、発光ダイオードモジュール。
【請求項5】
請求項1に記載の発光ダイオードモジュールであって、
前記第一下表面には発光ダイオードチップが設置され
ず、
前記第一導電電極板が位置する前記第一基板の表面に位置する第三導電電極板をさらに含み、
前記第一導電電極板及び前記第三導電電極板は同じ高さを有する、発光ダイオードモジュール。
【請求項6】
請求項1に記載の発光ダイオードモジュールであって、
前記第一上表面は2つの終端を有し、前記2つの終端は、それぞれ、前記透明接着剤によって覆われない部分を有する、発光ダイオードモジュール。
【請求項7】
請求項1に記載の発光ダイオードモジュールであって、
前記複数の第一発光ダイオードチップは前記第一基板の長辺方向に沿って2列に配列されている、発光ダイオードモジュール。
【請求項8】
請求項1に記載の発光ダイオードモジュールであって、
前記第一基板及び前記第二基板は前記回路板に垂直でない、発光ダイオードモジュール。
【請求項9】
電球であって、
ランプシェード;
前記ランプシェード内に設置される、請求項1に記載の発光ダイオードモジュール;及び
前記ランプシェードに接続される電気接続機構を含む、電球。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、発光ダイオード(Light Emitting Diode、LED)モジュール及びその製造方法に関し、特に全方向に発光可能なLEDモジュール及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の生活において、様々なLED製品を応用することを見つけることができる。例えば、交通信号機、車の尾灯、車の前照灯、街路灯、パソコン表示灯、懐中電灯、LEDバックライトなどである。このような製品のLEDチップモジュールに対して、LEDチップの製造工程以外に、実装工程を行わなければならない。
【0003】
LED実装工程を行う主な目的は、LEDチップを電気的、光線的、熱的にサポートすることにある。LEDチップのような半導体製品を大気中に長時間露出させると、大気中の湿気又は空気中の化学物質により、それが老化するとともに、機能が悪くなる。LED実装工程において、通常エポキシ樹脂でLEDチップを実装することにより、LEDチップと空気とを隔離する。また、高輝度、省エネの目標を実現するためには、LEDカプセルが良好な放熱性能と光取り出し効率を有さなければならない。LEDチップが発光時に発生した熱が有効に放熱されない場合、LEDチップ中に蓄積した熱が部品の特性、寿命及び安定性に悪い影響を与えるおそれがある。光学的設計もLED実装工程中の重要な一環になり、光を有効に取り出すために、発光角度及び方向などを有効に設けなければならない。
【0004】
白色光LEDの実装工程において、放熱問題以外に、色温度(color temperature)、演色指数(Color rendering index)、蛍光粉末などの問題も考えなければならない。青色光LEDチップ108と黄緑色蛍光粉末とを採用した白色光LEDにおいて、青色光の波長が短ければ短いほど、肉眼に対する傷害が大きいので、青色光をLEDカプセル内で遮断することにより、青色光の漏れを避けなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
LED製品の競争力を向上させるため、本発明は、LED実装工程が安定し、コストが低く、良品率が高いLED実装技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した問題を解決するため、本発明は以下のような発光ダイオードモジュールを提供する。この発光ダイオードモジュールは、透明基板と、複数個の発光ダイオードチップと、第一電極板及び第二電極板とを含む。該透明基板は、異なる方向に向く第一表面と第二表面とを有するとともに、該第一表面と第二表面とを貫通する貫通孔を含み、かつ該貫通孔内に導電物を形成することにより導通孔を形成する。前記複数個の発光ダイオードチップは、前記第一表面上に固定される。前記第一電極板及び第二電極板はそれぞれ、前記第一表面と前記第二表面とに設けられる。前記複数個の発光ダイオードチップと前記導通孔とは、前記第一電極板と前記第二電極板との間に電気的に直列連結される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施例に係るLEDモジュールを示す斜視図である。
【
図2A】LEDモジュール100aを示す平面図である。
【
図2B】LEDモジュール100aを示す底面図である。
【
図4】電球内に設けられたLEDモジュール100を示す図である。
【
図5A】はんだでLEDモジュール100を固定したことを示す図である。
【
図5B】金属固定具でLEDモジュール100を固定したことを示す図である。
【
図7A】本発明の実施例に係るLEDモジュール100bを示す平面図である。
【
図7B】本発明の実施例に係るLEDモジュール100bを示す底面図である。
【
図8C】LEDモジュール100cの断面を示す図である。
【
図8D】LEDモジュール100cの断面を示す図である。
【
図9】LEDモジュール100bの製造方法を示す図である。
【
図10】本発明の実施例に係る発光ダイオードモジュール400を示す斜視図である。
【
図11A】LEDモジュール400aを示す平面図である。
【
図11B】LEDモジュール400aを示す底面図である。
【
図12C】異なるLEDモジュール400bを示す図である。
【
図13】本発明の実施例に係るLEDモジュール200を示す斜視図である。
【
図14】LEDモジュール200aを示す平面図である。
【
図15】LEDモジュール200aを示す側面図である。
【
図16】ほかのLEDモジュール200bを示す図である。
【
図17】ほかのLEDモジュール200bを示す図である。
【
図18】ほかのLEDモジュール200cを示す図である。
【
図19】LEDモジュール200cの製造方法を示す図である。
【
図20】本発明のほかの実施例に係るLEDモジュール300を示す斜視図である。
【
図21A】LEDモジュール300aを示す平面図である。
【
図21B】LEDモジュール300aを示す底面図である。
【
図22】LEDモジュール300aを示す断面図である。
【
図23】LEDモジュール300bを示す側面図である。
【
図24】LEDモジュール600を示す斜視図である。
【
図25A】LEDモジュール600aを示す図である。
【
図25B】LEDモジュール600bを示す図である。
【
図26A】本発明のほかの実施例に係るLEDモジュール700を示す斜視図である。
【
図26B】LEDモジュール700を示す平面図である。。
【
図26C】LEDモジュール700を示す断面図である。
【
図27A】LEDモジュール300をランプの芯にしたLED電球を示す図である。
【
図27B】LEDモジュール600をランプの芯にしたLED電球を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明の第一実施例に係る発光ダイオード(Light Emitting Diode、LED)モジュール100を示す図である。LEDモジュール100は透明基板106を含み、この実施例の透明基板は非導電性ガラス基板である。透明基板106は、それぞれ異なる方向に向く上表面102と下表面104とを含む。
図1に示したとおり、透明基板106は、略長方形であり、2つの端面114及び116を含む。この明細書において、透明とは光線が透過することができることを意味し、完全な透明(transparent)又は半透明(translucent or semitransparent)であることができる。ほかの実施例において、透明基板106の材料は、サファイア、セラミックス材料(酸化アルミニウム又は窒素酸化物)、炭化ケイ素又はダイヤモンドライクカーボンであることができる。透明基板106は、導熱粒子、又は製造過程において製造温度を低減する成分を更に含むことができる。
【0009】
図2Aは、LEDモジュール100aを示す平面図である。
図2Aと
図1とを共に参照すると、上表面102上には複数個の青色光LEDチップ108が固定され、各青色光LEDチップ108は、ボンディングワイヤ(Bonding Wire)により形成された導線によって互いに電気接続されている。各青色光LEDチップ108は、一個のLEDチップで構成され、かつ順方向電圧が2~3Vである(以下「低電圧チップ」という)LEDチップであるか、或いは複数個の発光ダイオードが直列連結され、かつ順方向電圧が低電圧チップより大きく、例えば順方向電圧が12V、24V、48Vである(以下「高電圧チップ」という)LEDチップである。高電圧チップはワイヤボンディング方法を使わず、半導体工程で共用基板上に互いに電気接続された複数個の発光ダイオードユニット(すなわち、少なくとも発光層を有する発光ダイオード構造である)を形成する。該共用基板上は結晶成長型基板又は非結晶成長型基板である。
図1と
図2Aにおいて、青色光LEDチップ108は、透明基板106の2つの端面114と116とを連結する軸方向に配列され、かつ二行に配列されている。各青色光LEDチップ108は、ワイヤ110によって一体に直列連結され、かつ高順方向電圧の電気特性を有する一個の発光ダイオードを構成する。しかし、本発明はそれに限定されるものではない。ほかの実施例において、上表面102上の複数個の青色光LEDチップ108をいずれかの図案に配置し、かつ各青色光LEDチップ108の間の電気接続方法として、直列、並列、直列と並列とが共存する接続方法、又はブリッジ接続方法を採用することもできる。
【0010】
図2Aに示したとおり、透明基板106は、端面114に接近する箇所に形成された導通孔107を含む。導通孔107は、透明基板106の上表面102と下表面104とを貫通する貫通孔であり、その内部に導電物収容用貫通孔を形成するか或いは貫通孔の内壁を覆うことによりその導通孔107(導電部又は導電通路ともいう)を形成することができる。端面114に接近する上表面102には、導電電極板118が設けられている。導電電極板118は導通孔107に直接接触されていない。すなわち、貫通孔内の導電物に直接接触されていない。端面114に接近する青色光LEDチップ108のうちの一個(108aに示す)は、ワイヤ110によって導電電極板118に電気接続されている。端面114に接近する青色光LEDチップ108のうちの一個(108bに示す)は、異なるワイヤ110によって導通孔107に電気接続されている。
【0011】
上表面102上のワイヤ110と青色光LEDチップ108とはいずれも、透明接着剤112に覆われている。これにより、大気中の湿気又は化学物質によったワイヤ110と青色光LEDチップ108とが老化及び損害することを防ぐことができる。透明接着剤112の主な構成物はエポキシ樹脂又はシリコーン(silicone)であることができる。透明接着剤112が少なくとも一種の蛍光粉末を含むことにより、青色光LEDチップ108が発した一部分の青色光(例えば、その波高値が430nm~480nmである)を黄色光(例えば、その波高値が570nm~590nmである)又は黄緑色光(例えば、その波高値が540nm~570nmである)に変換することができる。黄色光又は黄緑色光とほかの青色光とを適当に混合すると、この混合光が白色光に見える。この実施例において、透明接着剤112は二種の蛍光粉末を含む。一種の蛍光粉末は、青色光LEDチップ108が発した一部分の青色光(例えば、その波高値が430nm~480nmである)を黄色光、黄緑色光又は緑色光(例えば、その波高値が520nm~590nmである)に変換し、もう一種の蛍光粉末は、青色光LEDチップ108が発した一部分の青色光(例えば、その波高値が430nm~480nmである)を赤色光(例えば、その波高値が610nm~680nmである)に変換する。
図1は本発明の一事例に過ぎない。この実施例において、上述したとおり、透明とは光線が透過することができることを意味し、完全な透明(transparent)又は半透明(translucent or semitransparent)であることができる。したがって、透明接着剤112を完全な透明又は半透明にする場合、透明接着剤112下のワイヤ110と青色光LEDチップ108をはっきり又はぼんやり見ることができる。
図1のLEDモジュール100において、透明接着剤112に蛍光粉末が含まれているので、
図1に示したとおり透明接着剤112下のワイヤ110と青色光LEDチップ108をはっきり見ることができず、透明接着剤112が蛍光粉末の色になっている。
【0012】
図2Bは、LEDモジュール100aを示す底面図である。
図2Bに示したとおり、下表面104にはいずれのLEDチップも設けられていない。端面114に接近する下表面104上には、ほかの導電電極板120が設けられており、この導電電極板120の一部分は導通孔107に重なり、かつ導電可能に貫通孔中の導電物に直接接触されている。ほかの実施例において、導電電極板120が導通孔107に直接接触されず、導体例えばワイヤ110により、導電電極板120を導通孔107に電気接続させることができる。端面114に接近する下表面104上には、需要する導電電極板122を更に設けることができる。この場合、導電電極板122と導電電極板120とにより一平面が形成されるので、LEDモジュール100aを安定に取り付けることができ、運輸又は処理するときに落ちて壊れることを避けることができる。この実施例において、導電電極板122を導電回路に電気接続させなくてもよい。すなわち、導電電極板122をLEDモジュール100a中のいずれの電子部品、電子回路、又はほかの電極板にも電気接続させなくてもよい。導電電極板122の主な役割はLEDモジュール100aを安定に取り付けることである。
【0013】
図2Aと
図2Bの実施例に示されたとおり、導電電極板120と導電電極板118との境界線は下表面104と上表面102との間に位置し、かつ下表面104の境界線と上表面102の境界線を越えない。導電電極板120、118及び122の形状が略長方形でなくてもよく、サイズが互いに違ってもよい。ほかの実施例において、導電電極板120と導電電極板118のうち一個を略長方形に形成し、もう一個を円形に形成することにより、LEDモジュール100aの正負極の区別を容易にすることができる。
【0014】
電気面において、青色光LEDチップ108と導通孔107は、導電電極板120と導電電極板118との間に直列連結される。導電電極板120と導電電極板118をLEDモジュール100aの2つの電源入力端にすることができる。すなわち、駆動電源(図示せず)の正電源端と負正電源端とをそれぞれ導電電極板120と導電電極板118とに電気接続させることにより、青色光LEDチップ108が発光するように駆動することができる。
【0015】
図3Aは、
図2AのLEDモジュール100aのAA線に沿った断面を示す図であり、
図3Bは、
図2AのLEDモジュール100aのBB線に沿った断面を示す図である。
【0016】
上述したとおり、
図3Aの青色光LEDチップ108bは、ワイヤ110によって導通孔107に電気接続され、導通孔107は下表面104の導電電極板120に電気接続されている。
図3Bの青色光LEDチップ108bは、ほかのワイヤ110によって上表面102上の導電電極板118に電気接続されている。
図4に示したLEDモジュール100は、電球内に設けられ、かつカバー180と、LEDモジュール100と、電子回路基板192と、放熱構造182と、電気接続構造183(例えば、エジソンベース式ランプソケット)とを含む。LEDモジュール100の端面114は電子回路基板192上に固定される。電子回路基板192と放熱構造182とが連結されたことにより、LEDモジュールが生成した熱を電球の外に放熱させることができる。電気接続構造183と放熱構造182は互いに連結されている。青色光LEDチップ108bを駆動する導電電極板120と導電電極板118とがそれぞれ透明基板106の同一端面114の上表面102と下表面104に位置するので、
図5Aに示したとおり、はんだなどのような導電体により、導電電極板120と導電電極板118とを共に電子回路基板に溶接させることができる。はんだ190でLEDモジュール100と駆動電源とを電気接続させることにより、LEDモジュール100が発光する駆動することができる。また、端面114を電子回路基板192に機械的固定させた場合、電子回路基板192上に垂直に固定されたLEDモジュール100が周辺に発光し、かつ全方向の光を発することができる。
図5Aにおいて、LEDモジュール100は、はんだ190の機械的支持力により、電子回路基板192上に略垂直に固定される。電子回路基板192は、はんだ190を通してLEDモジュール100に給電する。
図5Bにおいて、金属固定具194により構成された固定具により、LEDモジュール100が電子回路基板192上に略垂直に固定される。金属固定具194は、導電機能と部品固定機能とを奏することができ、かつ製造の難しさとコストを低減することができる。LEDモジュール100を非垂直に電子回路基板192に固定させてもよい。
【0017】
図3Aの実施例において、導通孔107が位置する上表面102の箇所に、導通孔107とワイヤ110との間を電気接続させるための垂直導通部品130を設けることができる。垂直導通部品130は、例えばPN接合ダイオード(例えば、垂直型発光ダイオード、ショットキーバリアダイオード又はツェナーダイオードである)、抵抗又は金属塊であり、導電型銀接着剤によって導通孔107上に接着される。ほかの実施例において、垂直導通部品130と導電型銀接着剤を設けず、ワイヤ110を導通孔107に直接接触させることにより、導電接続を実現することができる。
【0018】
図3Aと
図3Bにおいて、各青色光LEDチップ108の下に設けられた透明粘着層132は、各青色光LEDチップ108を透明基板106の上表面102上に固定させる。
図3Aと
図3Bにおいて、各青色光LEDチップ108とこの下の透明粘着層132とは、一対一の関係に設けられているが、本発明がこれに限定されるものではない。ほかの実施例において、上表面102上に複数個の透明粘着層132を設け、各透明粘着層132上には複数個の青色光LEDチップ108を接着させることができる。ほかの実施例において、上表面102上に一個の透明粘着層132のみを設け、すべての青色光LEDチップ108をこの透明粘着層132上に接着させることもできる。透明粘着層132の面積が大きければ大きいほど、その上に設けられる青色光LEDチップ108の発熱効果が向上するが、各部位の熱膨張係数が違うことによって応力(shear)が大きくなるおそれがある。したがって、透明粘着層132の面積の大きさと青色光LEDチップ108の個数は、実際の状況によって設けなければならない。この実施例において、透明粘着層132中には高熱伝導率を有する熱伝導顆粒、例えば、酸化アルミニウム粉末、ダイヤモンドライクカーボン(diamond‐like carbon)又は炭化ケイ素(Sic)が混合されている。該熱伝導顆粒の熱伝導率は20W/mKより大きい。熱伝導顆粒は放熱効果を向上させるとともに、光拡散効果を奏することができる。
【0019】
図3Aと
図3Bにおいて、透明粘着層132の材料は、例えばエポキシ樹脂(epoxy resin)又はシリコーン(silicone)であり、かつ透明接着剤112中に含まれた蛍光粉末と同様、類似又は相違する蛍光粉末が混合されている。蛍光粉末は、例えばYAG蛍光粉末又はTAG蛍光粉末である。上述したとおり、蛍光粉末が含まれた透明接着剤112はワイヤ110と青色光LEDチップ108の周辺及び上方とを覆い、透明粘着層132は青色光LEDチップ108の下に位置する。すなわち、青色光LEDチップ108は、透明接着剤112と透明粘着層132とに覆われるとともに、透明接着剤112と透明粘着層132が形成した透明カプセル(capsule)にほぼ完全に包囲されている。青色光LEDチップ108が発した青色光は、蛍光粉末により黄緑色光に変換される。すなわち、黄緑色光と混合される。したがって、
図3Aと
図3B中のLEDモジュール100aは、青色光が漏れることを防止することができる。
【0020】
図6は、
図3Aと
図3B中のLEDモジュール100aの製造方法を示す流れ図である。まず、透明基板106を提供する。透明基板106上には導通孔107が予め形成されている(ステップ148)。例えば、レーザーでガラス材料の透明基板106に貫通孔を形成した後、この貫通孔内に導電物を填入することによりこの導通孔107を形成することができる。ステップ150において、透明基板106を予め切断する。透明基板106上に溝部を予め形成し、各LEDモジュール100が透明基板106上に置かれる位置を大体画定することにより、後続の切断を容易に行うことができる。ステップ152において、導電電極板118と導電電極板120とをそれぞれ透明基板106に接着させる。すなわち、端面114に接近する上表面102と下表面104の所定の位置に接着させる。透明接着剤112を含む場合、ステップ152において透明接着剤112を透明基板106上に形成する。ほかの実施例において、印刷方法で導電電極板を上表面102と下表面104上に形成することができる。ステップ154において、透明基板106の上表面102上に蛍光粉末が含まれた透明粘着層132を形成する。透明粘着層132の位置を予め設けた後、青色光LEDチップ108をその上に載置させる。透明粘着層132の形成方法として、例えばディスペンサー、印刷又は塗布する方法を採用することにより、透明粘着層132を上表面102上に形成することができる。
【0021】
ステップ155において、青色光LEDチップ108を透明粘着層132上に固定接着させる。例えば、真空吸盤で青色光LEDチップ108のブルーテープ(blue tape)を吸着して、それを透明粘着層132上に取り付けることができる。青色光LEDチップ108の取り付け位置は、透明粘着層132の周辺辺縁に完全に包囲されたほうがよい。すなわち、透明粘着層132の面積を青色光LEDチップ108の面積より大きくして、青色光が漏れることを避けることができる。このとき、導電型銀接着剤で垂直導通部品130を上表面102の導通孔107上に接着させることができる。ステップ156において、ワイヤ110を形成することにより、青色光LEDチップ108をほかの青色光LEDチップ108に電気接続させ、青色光LEDチップ108aを導電電極板118に電気接続させ、かつ青色光LEDチップ108bを垂直導通部品130に電気接続させる。ステップ157において、ディスペンサー(dispense)又は印刷方法により、蛍光粉末が含まれた透明接着剤112を上表面102上に形成し、かつ透明接着剤112でワイヤ110と青色光LEDチップ108を覆う。ステップ158において、人力で折るか或いは機械で切断する方法によって、予め形成した溝部に沿って各LEDモジュール100を一つずつ外す。
【0022】
図6の製造方法に示したとおり、LEDモジュールを形成するステップにおいて、導電電極板120と導電電極板122とを下表面104に形成するステップを除き、ほかのステップはほとんど上表面102で行う。下表面104には、面積の大きい導電電極板と傷つけにくいイメージとしかないので、製造用運搬具で下表面104を吸着するか或いは持ち上げることにより、透明基板106を運搬又は固定することができる。したがって、上表面102上の細かい構造が、摩擦、衝突などのような機械的作用力により傷を負うことを避け、製品の良品率を向上させることができる。
【0023】
図3A、
図3B及び
図6の実施例において、青色光LEDチップ108の発光方向はいずれの制限も受けていなかった。しかし、以下の青色光LEDチップ108は、透明粘着層132と透明基板106とにより混合された光線を発光することもできる。青色光LEDチップ108は、透明接着剤112により、混合された光線を周辺と上方方向に発光することができる。したがって、LEDモジュール100aを六面発光可能な発光部品とみなし、LEDモジュール100が設けられた
図4の電球を全方向(Omnidirectional)照明装置とみなすことができる。
【0024】
図2A、
図2B、
図3A及び
図3Bにおいて、青色光LEDチップ108が透明粘着層132によって透明基板106上に直接接着されているが、本発明がこれに限定されるものではない。
図7Aと
図7Bはそれぞれ、本発明のほかの実施例に係るLEDモジュール100bを示す平面図と底面図である。LEDモジュール100bの2つの断面図は
図8Aと
図8Bに示されている。
図9は、LEDモジュール100bの製造方法を示す図である。
図7A、
図7B、
図8A、
図8B及び
図9はそれぞれ、
図2A、
図2B、
図3A、
図3B及び
図6と類似及び対応する。図面において、同じ符号又は記号に示された部品、装置又はステップは、類似又は同様である部品、装置又はステップを意味する。説明を簡素化するため、明細書で同じ符号又は事項については再び説明しない。
【0025】
図2Aと
図7Aの相違点は、
図7AのLEDモジュールがサブマウント(submount)160を更に含むことにある。サブマウント160は、透明粘着層132の辺縁以内に設けられ、かつ青色光LEDチップ108と透明粘着層132との間に挟まれる。サブマウント160の材料は、透明ガラス、サファイア、炭化ケイ素又はダイヤモンドライクカーボンであることができる。
図3A、
図3Bと
図8A、
図8Bとの間の相違点は、
図8A、
図8Bの青色光LEDチップ108の一部分又は全部がサブマウント160上に固定接着され、かつこのサブマウント160が透明粘着層132によって透明基板106上に固定接着されることにある。
【0026】
図9において、
図6のステップ154とステップ155の代りにステップ154aとステップ155aを行う。ステップ154aにおいて、蛍光粉末が含まれた透明粘着層132でサブマウント160を透明基板106上に固定接着させる。この実施例において、まず透明粘着層132をサブマウント160上に固定接着させた後、このサブマウント160を透明基板106上に固定接着させることができる。ほかの実施例において、まず透明粘着層132を透明基板106の上表面102上に塗布した後、サブマウント160を当該透明粘着層132上に接着させることができる。ステップ155aにおいては、青色光LEDチップ108をサブマウント160上に接着させる。
【0027】
図7A、
図7B、
図8A、
図8B及び
図9の実施例において、透明粘着層132の材料と同様又は類似する材料により、青色光LEDチップ108をサブマウント160上に接着させることができる。しかし、本発明がそれに限定されるものではない。この実施例において、蛍光粉末が含まれない透明粘着剤又は共晶金属により、青色光LEDチップ108をサブマウント160上に接着させることができる。ほかの実施例において、サブマウント160上に長状導電部を印刷し、かつフリップチップ(flip chip)方法により、青色光LEDチップ108をこのサブマウント160上に固定接着させることができる。この場合、
図9中のステップ156を省略することができるが、依然として、ワイヤ110で青色光LEDチップ108bと導通孔107とを電気接続させ、かつワイヤ110で青色光LEDチップ108aと導電電極板118とを電気接続させなければならない。ほかの実施例において、異方性導電ポリマー(Anisotropic Conductive polymer、ACP)又は異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film、ACF)で青色光LEDチップ108をサブマウント160上に固定接着させることができる。
【0028】
図7A、
図7B、
図8A、
図8B及び
図9中のLEDモジュール100bは、
図2A、
図2B、
図3A、
図3B及び
図6中のLEDモジュール100aと同様な効果を奏することができる。例えば、はんだのみにより、LEDモジュール100bの端面114を電子回路基板に固定させるとともに、LEDモジュール100bと駆動電源とを電気接続させることができる。また、LEDモジュール100bの下表面104に傷付けにくいので、製造の良品率を有効に向上させることができる。また、LEDモジュール100bを全方向の照明装置に応用することができる。また、LEDモジュール100bは青色光が漏れることを低減又は防止することができる。
【0029】
図8Cと
図8Dはそれぞれ、LEDモジュール100cの2つの断面を示す図であり、
図8Aと
図8Bの変更例である。(
図8Aと
図8Bの)LEDモジュール100bにおいて、一個の透明粘着層132でサブマウント160を透明基板106の上に固定接着させたが、(
図8Cと
図8Dの)LEDモジュール100cにおいては、二個の透明粘着層132及び133でサブマウント160を透明基板106の上に固定接着させる。二個の透明粘着層132及び133のうち少なくとも一個は蛍光粉末を含む。
図8Cと
図8Dの実施例において、透明粘着層132は蛍光粉末を含み、透明粘着層133は蛍光粉末を含んでいない。透明粘着層133の材料は、例えば、エポキシ樹脂(epoxy resin)又はシリコーン(silicone)であることができる。透明粘着層133が蛍光粉末を含まないことにより、よりよい粘着効果を提供し、それを透明基板106の上により強く固定接着させることができる。透明粘着層132と透明粘着層133の材料が同様又は相違することができる。ほかの実施例において、サブマウント160と透明粘着層132との間に透明粘着層133を更に形成することにより、両者の間の粘着性を更に向上させることができる。
【0030】
図1の発光ダイオードモジュール100において、青色光LEDチップ108がワイヤ110によって互いに電気接続されているが、本発明はこれに限定されるものではない。
図10は本発明の実施例に係る発光ダイオードモジュール400を示す斜視図であり、この実施例の青色光LEDチップ108はフリップチップ方法により上表面102上に固定接着される。
図11Aと
図11Bは、LEDモジュール400aを示す平面図と底面図である。
図12Aは、
図11AのLEDモジュール400aのAA線に沿った断面を示す図であり、
図12Bは、
図11AのLEDモジュール400aのBB線に沿った断面を示す図である。
図10、
図11A、
図11B、
図12A及び
図12Bはそれぞれ、
図1、
図2A、
図2B、
図3A及び
図3Bと類似及び対応する。図面において、同じ符号又は記号に示された部品、装置又はステップは、類似又は同様である部品、装置又はステップを意味する。説明を簡素化するため、明細書で同じ符号又は事項については再び説明しない。
【0031】
図12A及び
図12Bと
図3A及び
図3Bとは相違する。
図12A及び
図12Bにおいて、透明基板106上に長状導電部402が印刷されており、かつ各青色光LEDチップ108は長状導電部402によって互いに電気接続されている。
図12Aと
図12B中の青色光LEDチップ108は、周辺又は上下方向を含むいずれかの方向に発光することができるので、LEDモジュール400aを六面発光可能な発光部品とみなすことができる。
図12Cは、異なるLEDモジュール400bを示す図である。LEDモジュール400bの下表面104には蛍光層131が塗布されている。蛍光層131に含まれた蛍光粉末は、青色光LEDチップ108が発した光線を異なる色の光線に変換する。これにより、下表面104から青色光が漏れることを低減することができる。ほかの実施例において、LEDモジュール400aの青色光LEDチップ108の代りに白色LEDチップを使用することができる。白色LEDチップとは、通常表面に蛍光層が形成された青色光LEDチップである。白色LEDチップを使用することにより、青色光が漏れることを避けることができる。
【0032】
上述した実施例のLEDモジュール100aとLEDモジュール100bはいずれも導通孔107を有している。導通孔107が電気線路の一部分になることにより、透明基板106の上表面102と下表面104上に設けられた導電電極板120と導電電極板118を、LEDモジュール100aとLEDモジュール100bの2つの駆動電気入力端にすることができる。しかし、本発明において、導通孔107を必ず設けなければならないものではない。
【0033】
図13は、本発明の実施例に係るLEDモジュール200を示す斜視図である。
図14と
図15は、LEDモジュール200aを示す平面図と側面図である。LEDモジュール100a及び100bと相違する
図14及び
図15のLEDモジュール200aにおいて、透明基板106の上表面102の2つの端面114及び116には導電電極板118及び119がそれぞれ形成されている。LEDモジュール200aにおいて、導電電極板118及び119の一部分は透明基板106の2つの端面114及び116を越えるように延伸されている。LEDモジュール200aには導通孔107が設けられていない。
図13、
図14及び
図15に示されたLEDモジュール200又は200aの製造方法及びそのステップは、上述した内容から推知することができるので、ここでは再び説明しない。
【0034】
LEDモジュール200aにおいて、各青色光LEDチップ108の下に対応する透明粘着層132が1つずつ設けられているが、本発明がこれに限定されるものではない。上述したとおり、ほかの実施例において、複数個の青色光LEDチップ108が1つの透明粘着層132を共用するか、或いは複数個の青色光LEDチップ108が1つの透明粘着層132により透明基板106上に接着されることができる。
【0035】
図16及び
図17は、ほかのLEDモジュール200bを示す図である。LEDモジュール200bと
図14及び
図15のLEDモジュール200aが類似するが、
図16及び
図17のLEDモジュール200bにおいて、各青色光LEDチップ108はサブマウント160上に固定接着され、該サブマウント160は透明粘着層132により透明基板106上に固定接着される。LEDモジュール200bの細かい構造は、
図8A及び
図8B中のLEDモジュール200b及びその説明を参照することにより推知することができるので、ここでは再び説明しない。
【0036】
図18は、ほかのLEDモジュール200cを示す図である。
図19は、LEDモジュール200cの製造方法を示す図である。
図18と
図17が類似し、
図18の平面図と
図16が類似し、
図19と
図9が類似するので、同様な事項について再び説明しない。
図17と相違する
図18において、導電電極板118及び119が透明粘着層132上に接着される。
図19の製造方法において、ステップ150とステップ152との間で透明粘着層132を透明基板106上に塗布するステップ151を更に行う。すなわち、導電電極板118及び119を接着させる前に透明粘着層132を形成することができる。透明粘着層132の材料はエポキシ樹脂(epoxy resin)又はシリコーン(silicone)であり、かつ透明接着剤112中に含まれた蛍光粉末と同様又は類似する蛍光粉末が混合されることができる。蛍光粉末は、例えばYAG蛍光粉末又はTAG蛍光粉末である。
【0037】
図17及び
図18のLEDモジュール200b及びLEDモジュール200cにおいて、1つの透明粘着層132によりサブマウント160を透明基板106上に接着させるが、本発明がこれに限定されるものではない。ほかの実施例において、LEDモジュール200b及びLEDモジュール200cを変更することができる。例えば、
図8C及び
図8D中の二個の透明粘着層132及び133により、サブマウント160を透明基板106の上に固定接着させることができる。ほかの実施例において、サブマウント160と透明粘着層132との間に透明粘着層133を更に形成することにより、両者の間の粘着性を更に向上させることができる。
【0038】
LEDモジュール200a、200b及び200cの下表面104にイメージが1個もないので、下表面104が傷を負う問題を完全に避けることができる。LEDモジュール200a、200b及び200cも全方向の照明装置に応用し、かつ青色光が漏れることを防ぐことができる。例えば、電球は、はんだ又は導電固定具によりLEDモジュール200a、200b及び200cの2つの端面114と116の間に位置する導電電極板118及び119を固定し、かつこの2つの導電電極板によりLEDモジュールと電源を電気接続させることができる。
【0039】
図20は、本発明のほかの実施例に係るLEDモジュール300を示す斜視図である。
図21Aと
図21Bは、LEDモジュール300aを示す平面図と底面図である。
図22は、LEDモジュール300aを示す断面図である。LEDモジュール300aにおいて、透明基板106の下表面104の2つの端面114及び116には、導電電極板120及び122がそれぞれ形成されている。
図21A、
図21B及び
図22において、LEDモジュール300aは、端面114、116に接近する箇所にそれぞれ形成された2つの導通孔107A、107Bを含む。導電電極板120は導通孔107Aにより、導電電極板122は導通孔107Bによりそれぞれ、上表面102上の青色光LEDチップ108に電気接続される。青色光LEDチップ108は、導通孔107Aと107Bとの間に導電可能に設けられるとともに、導電電極板120と122との間に導電可能に設けられる。LEDモジュール300aの細かい構造が多少変化することができるが、明細書中のほかの実施例を参照することにより推知することができるので、ここでは再び説明しない。
【0040】
図23は、LEDモジュール300bを示す断面図である。ここにおいて、サブマウント160は青色光LEDチップ108と透明粘着層132との間に設けられる。LEDモジュール300bの細かい構造が多少変化することができるが、明細書中のほかの実施例を参照することにより推知することができるので、ここでは再び説明しない。
【0041】
LEDモジュール200及び300において、2つの端面に位置する導電電極板は、その一部分が透明基板106の2つの端面114及び116を越えるように延伸されるが、本発明がこれに限定されるものではない。
図24はLEDモジュール600を示す斜視図である。
図25AはLEDモジュール600aを示す図であり、かつLEDモジュール600の可能な実施例を示す平面図である。
図25Aにおいて、導電電極板118及び119の一辺はいずれも、透明基板106の辺縁と一致するようにカットされている。
図25BはLEDモジュール600bを示す図であり、かつLEDモジュール600のほかの可能な実施例を示す平面図である。
図25Bにおいて、導電電極板118及び119が透明基板106の範囲に完全に入っている。
【0042】
図26Aは、本発明のほかの実施例に係るLEDモジュール700を示す斜視図である。
図26BはLEDモジュール700を示す平面図であり、
図26CはLEDモジュール700を示す断面図である。
図26AのLEDモジュール700は、一側の端面114に接近する上表面102上に形成された2つの導電電極板118及び123を含む。透明基板106の下表面104にはLED部品が設けられていない。長状導電部198及び196はそれぞれ、導電電極板118及び123から端面116側の方向に延伸されている。各青色光LEDチップ108は、長状導電部198と196との間に位置するように上表面102に固定されている。各青色光LEDチップ108の陽極及び陰極は、ワイヤ110により長状導電部198及び196に電気接続されている。すなわち、
図26A、
図26B及び
図26Cの青色光LEDチップ108は、長状導電部198と196との間に並列連結されている。長状導電部198及び196をLEDモジュール700の2つの電気入力端にすることができる。この実施例において、青色光LEDチップ108は、フリップチップ方法により長状導電部198及び196に電気接続される。すなわち、ワイヤ110により長状導電部198及び196に電気接続されない。
図26Cに示すとおり、青色光LEDチップ108は透明粘着層132と透明接着剤112とに覆われ、透明粘着層132と透明接着剤112とには少なくとも一種の蛍光粉末が含まれている。好ましくは、青色光LEDチップ108が上方と下方の材料に完全に覆われ、ワイヤ110が透明粘着層132と透明接着剤112から外に出る。透明粘着層132と透明接着剤112はいずれも、少なくとも一種の蛍光粉末を含む。この実施例において、この透明接着剤112は二種の蛍光粉末を含む。一種の蛍光粉末は、青色光LEDチップ108が発した一部分の青色光(例えば、その波高値が430nm~480nmである)により、黄色光、黄緑色光又は緑色光(例えば、その波高値が520nm~590nmである)を生成する。もう一種の蛍光粉末は、青色光LEDチップ108が発した一部分の青色光(例えば、その波高値が430nm~480nmである)により、赤色光(例えば、その波高値が610nm~680nmである)を生成する。黄緑色蛍光粉末の成分は、例えば酸化アルミニウム(YAG又はTAG)、ケイ酸塩、バナジン酸塩、アルカリ土類金属セレン化物又は金属窒化物である。赤色蛍光粉末の成分は、例えばケイ酸塩、バナジン酸塩、アルカリ土類金属硫化物、金属窒素酸化物又はタングステン・モリブデン酸塩族混合物である。
図26A、
図26B及び
図26Cに示されたLEDモジュール700の製造方法及びそのステップは、上述した内容により推知することができるので、ここでは再び説明しない。
【0043】
LEDモジュール700は本発明の実施例により変更することができる。例えば、青色光LEDチップ108をサブ載置体に固定することができる。サブ載置体は少なくとも1つの透明粘着層132により透明基板106上に接着され、この透明粘着層132は蛍光粉末を含むか或いは含まない。
【0044】
図27Aは、LEDモジュール300をランプの芯にしたLED電球500aを示す図である。LED電球500aは2つの固定具502を含み、この固定具502はV形又はY形に形成することができる。この実施例において、固定具502は、凹部を有する長方形に形成され、LEDモジュール300を固定する役割をする。各固定具502は導電材料で構成され、かつ固定具502の2個の尖端部でLEDモジュール300の両端の導電電極板を支持固定することにより、LEDモジュール300の上表面102を上に向かせる(Z方向)。固定具502はLEDモジュール300の両端の導電電極板をLED電球500aのエジソンベース式ランプソケットに電気接続させることにより、LEDモジュール300に発光用電気を提供する。
図27Bは
図27Aと類似し、かつLEDモジュール600をランプの芯にしたLED電球500bを示す図である。LED電球500aとLED電球500bとの間の相違点は、LED電球500bにおいて、LEDモジュール600の上表面102がY方向に向き、かつLED電球500bの回転軸(Z方向)に略垂直であることにある。本発明において、
図27A及び
図27B中のLEDモジュール300及び600の代りに、上述したLEDモジュール200を採用してもよい。この場合、細かい構造が多少変化することができるが、明細書中のほかの実施例を参照することにより推知することができるので、ここでは再び説明しない。
【0045】
LEDモジュール300aと300bの下表面104に面積が大きく、傷つけにくい導電電極板120及び122しかないことにより、製品の良品率を大幅に向上させることができる。LEDモジュール600aと600bの下表面104にいずれのイメージもないので、より傷つけにくい。LEDモジュール300a、300b、600a及び600bも全方向の照明装置に応用することができ、かつ青色光が漏れる問題を防止することができる。
【0046】
上述した実施例はいずれも青色光LEDチップ108を光源にしてきたが、本発明がこれに限定されるものではない。ほかの実施例において、一部分又は全部の青色光LEDチップを無くし、赤色又は緑色のLEDチップを使用することができる。
【0047】
本発明の実施例にか係るLEDモジュールは、透明基板106と透明粘着層132とを含むので、四方八方に発光することができ、かつ全方向の照明装置に応用することができる。ある実施例において、すべてのLEDモジュールが透明接着剤112と透明粘着層132とにほぼ完全に覆われているので、青色光が漏れることを防止することができる。ある実施例において、LEDモジュールの一端のみを固定することにより、導電接続と構造的支持を実現することができる。ある実施例において、LEDモジュールの両端を構造的に固定することにより、その両端から電源の電気を同時入力することができる。ある実施例において、LEDモジュールの下表面に細かいイメージや電子回路などが形成されていないので、傷つけにくく、かつ製造過程において容易に搬送及び固定することができるので、製品の良品率を向上させることができる。
【0048】
以上、この発明の複数個の実施例を図面により詳述してきたが、各実施例が互いに衝突しない場合には、特に記載がなくとも、これらの構成の可能な組合せ、交替が含まれることは勿論である。また、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0049】
100、100a、100b、100c LEDモジュール
102 上表面
104 下表面
106 透明基板
107、107A、107B 導通孔
108、108a、108b 青色光LEDチップ
110 ワイヤ
112 透明接着剤
114、116 端面
118、119、120、122 導電電極板
130 垂直導通部品
131 蛍光層
132、133 透明粘着層
148、150、151、152、154、154a、155、155a、156、157、158 ステップ
160 サブマウント
180 カバー
182 放熱構造
183 電気接続構造
190 はんだ
192 電子回路基板
194 金属固定具
196、198 長状導電部
200、200a、200b、200c、300、300a、300b、400、400a、400b LEDモジュール
402 長状導電部
500a、500 LED電球
502 固定具
600、600a、600b、700 LEDモジュール