(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-08
(45)【発行日】2023-06-16
(54)【発明の名称】止水の方法及び吐水装置
(51)【国際特許分類】
E03C 1/042 20060101AFI20230609BHJP
A47K 3/28 20060101ALI20230609BHJP
【FI】
E03C1/042 Z
A47K3/28
(21)【出願番号】P 2021178986
(22)【出願日】2021-11-01
【審査請求日】2021-12-03
(31)【優先権主張番号】202110362690.5
(32)【優先日】2021-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518436504
【氏名又は名称】厦門松霖科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】陳東海
(72)【発明者】
【氏名】林逢徳
(72)【発明者】
【氏名】曹斌
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】独国実用新案第202015009413(DE,U1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0344301(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02767349(EP,A1)
【文献】実開平06-073553(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/00- 1/10
A47K 3/02- 4/00
A61H 33/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐水装置に応用される止水の方法であって、
止水時に可変室と吐水室との連通部分について負圧を解除し、前記可変室の体積を増大させて負圧室を形成することで、前記吐水室の残留水を負圧室に吸い込むステップを含
み、
更に、通水時に前記可変室と前記吐水室との連通部分に負圧を形成することで、前記可変室の体積を縮小するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
吐水装置に応用される止水の方法であって、
止水時に前記吐水装置の吐水室内におけるガス体積を増大させて負圧を形成することで、止水密封部材で吐水孔と吐水室との連通部分を密封するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項3】
更に、止水時に可変室と吐水室との連通部分について負圧を解除し、前記可変室の体積を増大させて負圧室を形成することで、前記吐水室の残留水を負圧室に吸い込むステップを含むことを特徴とする請求項
2に記載の止水の方法。
【請求項4】
更に、通水時に前記可変室と前記吐水室との連通部分に負圧を形成することで、前記可変室の体積を縮小するステップを含むことを特徴とする請求項3に記載の止水の方法。
【請求項5】
吐水装置であって、
吐水装置内に設置される可変室及び吐水室を含み、前記可変室が前記吐水室と連通しており、且つ、前記可変室は前記吐水室の外部に独立して設置されており、
前記可変室の体積は、通水状態と止水状態とで異なっており、前記可変室は止水時に負圧室を形成することを特徴とする装置。
【請求項6】
前記可変室と前記吐水室とは貫通孔を通じて連通しており、
通水時には、前記貫通孔部分に負圧が発生して前記可変室の体積が縮小し、止水時には、貫通孔部分の負圧が消失し、前記可変室の体積が増大することで負圧室が形成されることを特徴とする請求項
5に記載の吐水装置。
【請求項7】
前記吐水室には断面変動流路が更に設けられており、水流が断面変動流路を通過して加速したあと、前記貫通孔部分に負圧が発生することを特徴とする請求項
6に記載の吐水装置。
【請求項8】
前記吐水装置内にはピストンが設けられており、ピストンが吐水装置の内壁と密封状に接続されて前記可変室を形成しており、前記ピストンはバネに接続されており、前記可変室の体積が縮小する際には、前記バネがピストンに押圧されて弾性復元力を蓄積することを特徴とする請求項
5又は
6又は
7に記載の吐水装置。
【請求項9】
前記可変室は弾性材料からなる弾性室であり、前記可変室の体積が縮小する際には、前記弾性材料が収縮することで弾性復元力が生成されることを特徴とする請求項
5又は
6又は
7に記載の吐水装置。
【請求項10】
吐水装置であって、
吐水装置内に設置される可変室及び吐水室を含み、前記可変室が前記吐水室と連通しており、且つ、前記可変室は前記吐水室の外部に独立して設置されており、
断面変動流路には前記可変室と連通する貫通孔が設けられており、前記吐水室には、通過する水を加速させることで前記貫通孔部分に負圧を発生させる断面変動流路が設けられていることを特徴とする装置。
【請求項11】
通水時には、前記貫通孔部分に負圧が発生して前記可変室の体積が縮小し、止水時には、貫通孔部分の負圧が消失し、前記可変室の体積が増大することで負圧室が形成されることを特徴とする請求項
10に記載の吐水装置。
【請求項12】
前記吐水装置内にはピストンが設けられており、ピストンが吐水装置の内壁と密封状に接続されて前記可変室を形成しており、前記ピストンはバネに接続されており、前記可変室の体積が縮小する際には、前記バネがピストンに押圧されて弾性復元力を蓄積することを特徴とする請求項
10又は
11に記載の吐水装置。
【請求項13】
前記可変室は弾性材料からなる弾性室であり、前記可変室の体積が縮小する際には、前記弾性材料が収縮することで弾性復元力が生成されることを特徴とする請求項
10又は
11に記載の吐水装置。
【請求項14】
吐水装置であって、
吐水装置内に設置される可変室及び吐水室を含み、前記可変室が前記吐水室と連通しており、
前記吐水装置内には、更に、通水時に前記可変室と前記吐水室との連通部分に負圧を発生させるベンチュリ構造が設けられていることを特徴とする装置。
【請求項15】
前記ベンチュリ構造は、前記可変室と前記吐水室とを連通させる貫通孔と、前記吐水室内に設けられる断面変動流路を含むことを特徴とする請求項
14に記載の吐水装置。
【請求項16】
通水時には、前記貫通孔部分に負圧が発生して前記可変室の体積が縮小し、止水時には、貫通孔部分の負圧が消失し、可変室の体積が増大することで負圧室が形成されることを特徴とする請求項
15に記載の吐水装置。
【請求項17】
前記吐水装置内にはピストンが設けられており、前記ピストンが前記吐水装置の内壁と密封状に接続されて前記可変室を形成しており、前記ピストンはバネに接続されており、前記可変室の体積が縮小する際には、前記バネがピストンに押圧されて弾性復元力を蓄積することを特徴とする請求項
14又は
15又は
16に記載の吐水装置。
【請求項18】
前記可変室は弾性材料からなる弾性室であり、前記可変室の体積が縮小する際には、前記弾性材料が収縮することで弾性復元力が生成されることを特徴とする請求項
14又は
15又は
16に記載の吐水装置。
【請求項19】
吐水装置であって、
吐水装置内に設置される可変室及び吐水室と、吐水孔と前記吐水室との連通部分に設けられる止水密封部材を含み、
止水時には、前記吐水室の残留水が前記可変室内に吸い込まれて前記吐水室内に負圧が形成され、前記止水密封部材の両側の圧力差によって、前記止水密封部材が、吐水孔と吐水室との連通部分を密封する位置まで変形することを特徴とする装置。
【請求項20】
通水時には、前記可変室内の空気が吐水室内に進入し、水圧が止水密封部材に作用して前記吐水孔と前記吐水室とを連通させることを特徴とする請求項
19に記載の吐水装置。
【請求項21】
前記止水密封部材は切欠きを有する逆止プレートであることを特徴とする請求項
19に記載の吐水装置。
【請求項22】
前記可変室は前記吐水室の外部に独立して設置されており、且つ、前記可変室と前記吐水室とは貫通孔を通じて連通しており、
通水時には、前記貫通孔部分に負圧が発生して前記可変室の体積が縮小し、止水時には、貫通孔部分の負圧が消失し、前記可変室の体積が増大することで負圧室が形成されることを特徴とする請求項
19に記載の吐水装置。
【請求項23】
前記吐水室には断面変動流路が更に設けられており、水流が断面変動流路を通過して加速したあと、前記貫通孔部分に負圧が発生することを特徴とする請求項
22に記載の吐水装置。
【請求項24】
前記吐水装置内にはピストンが設けられており、前記ピストンが前記吐水装置の内壁と密封状に接続されて前記可変室を形成しており、前記ピストンはバネに接続されており、前記可変室の体積が縮小する際には、前記バネがピストンに押圧されて弾性復元力を蓄積することを特徴とする請求項
20~
23のいずれか1項に記載の吐水装置。
【請求項25】
前記可変室は弾性材料からなる弾性室であり、前記可変室の体積が縮小する際には、前記弾性材料が収縮することで弾性復元力が生成されることを特徴とする請求項
20~
23のいずれか1項に記載の吐水装置。
【請求項26】
吐水装置であって、
吐水装置内に設置される可変室及び吐水室と、吐水孔と吐水室との連通部分に設けられる止水密封部材を含み、且つ、前記可変室は吐水室の外部に独立して設置されており、
前記可変室の体積は、通水状態と止水状態とで異なっており、前記可変室は止水時に負圧室を形成し、
止水時には、止水密封部材の両側の圧力差によって、前記止水密封部材が、吐水孔と吐水室との連通部分を密封する位置まで変形することを特徴とする装置。
【請求項27】
通水時には、前記可変室内の空気が吐水室内に進入し、水圧が止水密封部材に作用して前記吐水孔と吐水室とを連通させることを特徴とする請求項
26に記載の吐水装置。
【請求項28】
前記止水密封部材は切欠きを有する逆止プレートであることを特徴とする請求項
26に記載の吐水装置。
【請求項29】
前記可変室と吐水室は貫通孔を通じて連通しており、
通水時には、前記貫通孔部分に負圧が発生して前記可変室の体積が縮小し、止水時には、貫通孔部分の負圧が消失し、可変室の体積が増大することで負圧室が形成されることを特徴とする請求項
26に記載の吐水装置。
【請求項30】
前記吐水室には断面変動流路が更に設けられており、水流が断面変動流路を通過して加速したあと、前記貫通孔部分に負圧が発生することを特徴とする請求項
29に記載の吐水装置。
【請求項31】
前記吐水装置内にはピストンが設けられており、ピストンが吐水装置の内壁と密封状に接続されて前記可変室を形成しており、前記ピストンはバネに接続されており、前記可変室の体積が縮小する際には、前記バネがピストンに押圧されて弾性復元力を蓄積することを特徴とする請求項
26~
30のいずれか1項に記載の吐水装置。
【請求項32】
前記可変室は弾性材料からなる弾性室であり、前記可変室の体積が縮小する際には、前記弾性材料が収縮することで弾性復元力が生成されることを特徴とする請求項
26~
30のいずれか1項に記載の吐水装置。
【請求項33】
吐水装置であって、
吐水装置内に設置される可変室及び吐水室と、吐水孔と吐水室との連通部分に設けられる止水密封部材を含み、
前記吐水装置内には、更に、通水時に可変室と吐水室との連通部分に負圧を発生させるベンチュリ構造が設けられており、
止水時には、止水密封部材の両側の圧力差によって、前記止水密封部材が、吐水孔と吐水室との連通部分を密封する位置まで変形することを特徴とする装置。
【請求項34】
通水時には、前記可変室内の空気が吐水室内に進入し、水圧が止水密封部材に作用して前記吐水孔と吐水室とを連通させることを特徴とする請求項
33に記載の吐水装置。
【請求項35】
前記止水密封部材は切欠きを有する逆止プレートであることを特徴とする請求項
33に記載の吐水装置。
【請求項36】
前記ベンチュリ構造は、前記可変室と吐水室を連通させる貫通孔と、吐水室内に設けられる断面変動流路を含むことを特徴とする請求項
33に記載の吐水装置。
【請求項37】
通水時には、前記貫通孔部分に負圧が発生して前記可変室の体積が縮小し、止水時には、貫通孔部分の負圧が消失し、可変室の体積が増大することで負圧室が形成されることを特徴とする請求項
36に記載の吐水装置。
【請求項38】
前記吐水装置内にはピストンが設けられており、ピストンが吐水装置の内壁と密封状に接続されて前記可変室を形成しており、前記ピストンはバネに接続されており、前記可変室の体積が縮小する際には、前記バネがピストンに押圧されて弾性復元力を蓄積することを特徴とする請求項
33~
37のいずれか1項に記載の吐水装置。
【請求項39】
前記可変室は弾性材料からなる弾性室であり、前記可変室の体積が縮小する際には、前記弾性材料が収縮することで弾性復元力が生成されることを特徴とする請求項
33~
37のいずれか1項に記載の吐水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はホームグッズに関し、特に、吐水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術における一部のシャワーヘッドは、本体内に、空洞内で上下動して吐水孔を密封可能な移動プレートが設置されている。移動プレートと吐水パネルの間には圧力室が形成されており、シャワーヘッドに通水したあと、圧力室内の水の浮力が移動プレートを持ち上げるのに十分となると、シャワーヘッドから吐水される。一方、シャワーヘッドが停水すると、圧力室内の水の浮力が急速に低下して、移動プレートが再び吐水孔を密封することでシャワーヘッドを止水する。これにより、シャワー使用後の水垂れ防止効果が実現される。しかし、移動プレートは一定の重量を有しているため、持ち上げようとすると、シャワーヘッドの通水から本格的な吐水までに、一定の時間をかけて圧力室内で水の圧力を高めなければ十分な浮力を形成できない。そのため、始動水圧が高く、吐水が遅延するとの欠点を有している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする主な技術的課題は、反応が鋭敏で遅延の少ない止水の方法を提供することである。
【0004】
本発明が解決しようとするもう1つの主な技術的課題は、どの角度でも止水時の迅速な停水を実現可能な止水の方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の技術的課題を解決するために、本発明は、吐水装置に応用される止水の方法であって、止水時に可変室と吐水室との連通部分について負圧を解除し、可変室の体積を増大させて負圧室を形成することで、吐水室の残留水を負圧室に吸い込むステップを含む方法を提供する。
【0006】
好ましい実施例において、更に、通水時に可変室と吐水室との連通部分に負圧を形成することで、可変室の体積を縮小するステップを含む。
【0007】
本発明は、更に、吐水装置に応用される止水の方法であって、止水時に吐水装置の吐水室内におけるガス体積を増大させて負圧を形成することで、止水密封部材で吐水孔と吐水室との連通部分を密封するステップを含む方法を提供する。
【0008】
好ましい実施例において、更に、止水時に可変室と吐水室との連通部分について負圧を解除し、可変室の体積を増大させて負圧室を形成することで、吐水室の残留水を負圧室に吸い込むステップを含む。
【0009】
好ましい実施例において、更に、通水時に可変室と吐水室との連通部分に負圧を形成することで、可変室の体積を縮小するステップを含む。
【0010】
本発明は、更に、以下の吐水装置を提供する。当該吐水装置は、吐水装置内に設置される可変室及び吐水室を含み、前記可変室が吐水室と連通している。且つ、前記可変室は吐水室の外部に独立して設置されている。
【0011】
前記可変室の体積は、通水状態と止水状態とで異なっており、前記可変室は止水時に負圧室を形成する。
【0012】
好ましい実施例において、前記可変室と吐水室は貫通孔を通じて連通している。
【0013】
通水時には、前記貫通孔部分に負圧が発生して前記可変室の体積が縮小し、止水時には、貫通孔部分の負圧が消失し、可変室の体積が増大することで負圧室が形成される。
【0014】
好ましい実施例において、前記吐水室には断面変動流路が更に設けられており、水流が断面変動流路を通過して加速したあと、前記貫通孔部分に負圧が発生する。
【0015】
好ましい実施例において、前記吐水装置内にはピストンが設けられており、ピストンが吐水装置の内壁と密封状に接続されて前記可変室を形成している。前記ピストンはバネに接続されており、前記可変室の体積が縮小する際には、前記バネがピストンに押圧されて弾性復元力を蓄積する。
【0016】
好ましい実施例において、前記可変室は弾性材料からなる弾性室であり、前記可変室の体積が縮小する際には、前記弾性材料が収縮することで弾性復元力が生成される。
【0017】
本発明は、更に、以下の吐水装置を提供する。当該吐水装置は、吐水装置内に設置される可変室及び吐水室を含み、前記可変室が吐水室と連通している。且つ、前記可変室は吐水室の外部に独立して設置されている。
【0018】
前記断面変動流路には可変室と連通する貫通孔が設けられており、前記吐水室には、通過する水を加速させることで前記貫通孔部分に負圧を発生させる断面変動流路が設けられている。
【0019】
好ましい実施例において、通水時には、前記貫通孔部分に負圧が発生して前記可変室の体積が縮小し、止水時には、貫通孔部分の負圧が消失し、可変室の体積が増大することで負圧室が形成される。
【0020】
好ましい実施例において、前記吐水装置内にはピストンが設けられており、ピストンが吐水装置の内壁と密封状に接続されて前記可変室を形成している。前記ピストンはバネに接続されており、前記可変室の体積が縮小する際には、前記バネがピストンに押圧されて弾性復元力を蓄積する。
【0021】
好ましい実施例において、前記可変室は弾性材料からなる弾性室であり、前記可変室の体積が縮小する際には、前記弾性材料が収縮することで弾性復元力が生成される。
【0022】
本発明は、更に、以下の吐水装置を提供する。当該吐水装置は、吐水装置内に設置される可変室及び吐水室を含み、前記可変室が吐水室と連通している。
【0023】
前記吐水装置内には、更に、通水時に可変室と吐水室との連通部分に負圧を発生させるベンチュリ構造が設けられている。
【0024】
好ましい実施例において、前記ベンチュリ構造は、前記可変室と吐水室を連通させる貫通孔と、吐水室内に設けられる断面変動流路を含む。
【0025】
好ましい実施例において、通水時には、前記貫通孔部分に負圧が発生して前記可変室の体積が縮小し、止水時には、貫通孔部分の負圧が消失し、可変室の体積が増大することで負圧室が形成される。
【0026】
好ましい実施例において、前記吐水装置内にはピストンが設けられており、ピストンが吐水装置の内壁と密封状に接続されて前記可変室を形成している。前記ピストンはバネに接続されており、前記可変室の体積が縮小する際には、前記バネがピストンに押圧されて弾性復元力を蓄積する。
【0027】
好ましい実施例において、前記可変室は弾性材料からなる弾性室であり、前記可変室の体積が縮小する際には、前記弾性材料が収縮することで弾性復元力が生成される。
【0028】
本発明は、更に、以下の吐水装置を提供する。当該吐水装置は、吐水装置内に設置される可変室及び吐水室と、吐水孔と吐水室との連通部分に設けられる止水密封部材を含む。
【0029】
止水時には、前記吐水室の残留水が可変室内に吸い込まれて吐水室内に負圧が形成され、止水密封部材の両側の圧力差によって、前記止水密封部材が、吐水孔と吐水室との連通部分を密封する位置まで変形する。
【0030】
好ましい実施例において、通水時には、前記可変室内の空気が吐水室内に進入し、水圧が止水密封部材に作用して前記吐水孔と吐水室を連通させる。
【0031】
好ましい実施例において、前記止水密封部材は切欠きを有する逆止プレートである。
【0032】
好ましい実施例において、前記可変室は吐水室の外部に独立して設置されており、且つ、前記可変室と吐水室は貫通孔を通じて連通している。
【0033】
通水時には、前記貫通孔部分に負圧が発生して前記可変室の体積が縮小し、止水時には、貫通孔部分の負圧が消失し、可変室の体積が増大することで負圧室が形成される。
【0034】
好ましい実施例において、前記吐水室には断面変動流路が更に設けられており、水流が断面変動流路を通過して加速したあと、前記貫通孔部分に負圧が発生する。
【0035】
好ましい実施例において、前記吐水装置内にはピストンが設けられており、ピストンが吐水装置の内壁と密封状に接続されて前記可変室を形成している。前記ピストンはバネに接続されており、前記可変室の体積が縮小する際には、前記バネがピストンに押圧されて弾性復元力を蓄積する。
【0036】
好ましい実施例において、前記可変室は弾性材料からなる弾性室であり、前記可変室の体積が縮小する際には、前記弾性材料が収縮することで弾性復元力が生成される。
【0037】
本発明は、更に、以下の吐水装置を提供する。当該吐水装置は、吐水装置内に設置される可変室及び吐水室と、吐水孔と吐水室との連通部分に設けられる止水密封部材を含む。且つ、前記可変室は吐水室の外部に独立して設置されている。
【0038】
前記可変室の体積は、通水状態と止水状態とで異なっており、前記可変室は止水時に負圧室を形成する。
【0039】
止水時には、止水密封部材の両側の圧力差によって、前記止水密封部材が、吐水孔と吐水室との連通部分を密封する位置まで変形する。
【0040】
好ましい実施例において、通水時には、前記可変室内の空気が吐水室内に進入し、水圧が止水密封部材に作用して前記吐水孔と吐水室を連通させる。
【0041】
好ましい実施例において、前記止水密封部材は切欠きを有する逆止プレートである。
【0042】
好ましい実施例において、前記可変室と吐水室は貫通孔を通じて連通している。
【0043】
通水時には、前記貫通孔部分に負圧が発生して前記可変室の体積が縮小し、止水時には、貫通孔部分の負圧が消失し、可変室の体積が増大することで負圧室が形成される。
【0044】
好ましい実施例において、前記吐水室には断面変動流路が更に設けられており、水流が断面変動流路を通過して加速したあと、前記貫通孔部分に負圧が発生する。
【0045】
好ましい実施例において、前記吐水装置内にはピストンが設けられており、ピストンが吐水装置の内壁と密封状に接続されて前記可変室を形成している。前記ピストンはバネに接続されており、前記可変室の体積が縮小する際には、前記バネがピストンに押圧されて弾性復元力を蓄積する。
【0046】
好ましい実施例において、前記可変室は弾性材料からなる弾性室であり、前記可変室の体積が縮小する際には、前記弾性材料が収縮することで弾性復元力が生成される。
【0047】
本発明は、更に、以下の吐水装置を提供する。当該吐水装置は、吐水装置内に設置される可変室及び吐水室と、吐水孔と吐水室との連通部分に設けられる止水密封部材を含む。
【0048】
前記吐水装置内には、更に、通水時に可変室と吐水室との連通部分に負圧を発生させるベンチュリ構造が設けられている。
【0049】
止水時には、止水密封部材の両側の圧力差によって、前記止水密封部材が、吐水孔と吐水室との連通部分を密封する位置まで変形する。
【0050】
好ましい実施例において、通水時には、前記可変室内の空気が吐水室内に進入し、水圧が止水密封部材に作用して前記吐水孔と吐水室を連通させる。
【0051】
好ましい実施例において、前記止水密封部材は切欠きを有する逆止プレートである。
【0052】
好ましい実施例において、前記ベンチュリ構造は、前記可変室と吐水室を連通させる貫通孔と、吐水室内に設けられる断面変動流路を含む。
【0053】
好ましい実施例において、通水時には、前記貫通孔部分に負圧が発生して前記可変室の体積が縮小し、止水時には、貫通孔部分の負圧が消失し、可変室の体積が増大することで負圧室が形成される。
【0054】
好ましい実施例において、前記吐水装置内にはピストンが設けられており、ピストンが吐水装置の内壁と密封状に接続されて前記可変室を形成している。前記ピストンはバネに接続されており、前記可変室の体積が縮小する際には、前記バネがピストンに押圧されて弾性復元力を蓄積する。
【0055】
好ましい実施例において、前記可変室は弾性材料からなる弾性室であり、前記可変室の体積が縮小する際には、前記弾性材料が収縮することで弾性復元力が生成される。
【発明の効果】
【0056】
従来技術と比較して、本発明の技術方案は以下の有益な効果を有する。
【0057】
1.本発明は、止水の方法及び吐水装置を提供する。通水時には、水流が、断面積を縮小させた流路を通過することで加速する。このとき、ベルヌーイの定理によって圧力を低下させられるため、断面変動流路に負圧が発生する。すると、断面変動流路の貫通孔と可変室が連通していることから、可変室内の空気が吸い込まれる結果、外気圧の作用下でピストンがバネの弾性力に抗して内側へ移動する。
【0058】
止水時には、貫通孔部分の負圧が消失する(大気圧に近い状態に回復する)ことで、ピストンが、バネの弾性力及び略大気圧の作用下で外気圧に抗して外側へ移動する。このとき、可変室の体積の増大に伴って可変室内の空気に負圧が発生し、吐水室内の残留水が貫通孔を通じて可変室内に吸い込まれる。以上により、止水時の迅速な停水効果が実現される。
【0059】
且つ、可変室は吐水室の外部に独立して設置されているため、通水時の可変室の体積縮小は、可変室に対する水圧の作用に依存しない。こうすることで、通水時に水圧がやや低かったとしても円滑に吐水することが可能である。
【0060】
2.本発明は、更に、上記方法をベースに、吐水孔と吐水室との接続箇所に設置される止水密封部材を追加した止水の方法及び吐水装置を提供する。止水時には、吐水室内の残留水が可変室内に吸い込まれることで、吐水室内のガスの体積が増大して負圧が発生する。すると、外気圧が切欠きを有する逆止プレートに作用して、逆止プレートが上方に持ち上がる結果、止水時の迅速な停水効果が達成される。且つ、吐水孔に含まれている水については、切欠きを有する逆止プレートが上方に持ち上がることで逆流現象が発生するため、吐水孔の表面には残留水が一切存在しなくなる。こうすることで、吐水装置が水平状態でなかったとしても、外気が吐水室内に進入することはなく、どの角度であっても止水時の迅速な停水との目的を達成可能となる。一方、通水時には、可変室内のガスが吐水室に進入し、吐水水圧が止水密封部材に作用して止水密封部材を下方に押圧可能となる。これにより、吐水孔と吐水室との連通が復活する。
【0061】
3.上述した止水の方法及び吐水装置は、感度が非常に高く、通水時にすぐに吐水を実現可能であるとともに、止水時にすぐに停水を実現可能である。また、始動水圧も比較的低い。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【
図1】
図1は、本発明における好ましい実施例1の外観の斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明における好ましい実施例1の止水密封部材の概略図である。
【
図3】
図3は、本発明における好ましい実施例1のシャワーヘッドの通水状態の断面図である。
【
図4】
図4は、本発明における好ましい実施例1のシャワーヘッドの止水状態の断面図である。
【
図5】
図5は、本発明における好ましい実施例2のシャワーヘッドの通水状態の断面図である。
【
図6】
図6は、本発明における好ましい実施例2のシャワーヘッドの止水状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
以下に、本発明の実施例に係る図面を組み合わせて、本発明の実施例における技術方案について明瞭簡潔に記載する。なお、言うまでもなく、ここで記載する実施例は本発明の一部の実施例にすぎず、全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的労働を要することなく取得するその他全ての実施例は、いずれも本発明の保護の範囲に属する。
【0064】
本発明の記載において、説明すべき点として、「上」、「下」、「内」、「外」、「上/底端」等の用語で示される向き又は位置関係は、図示に基づく向き又は位置関係であって、本発明の記載の便宜上及び記載の簡略化のためのものにすぎず、対象となる装置又は部材が特定の向きを有し、特定の向きで構成及び操作されねばならないことを明示又は暗示するものではない。よって、本発明を制限するものと解釈すべきではない。また、「第1」、「第2」との用語は記載の便宜上のものにすぎず、相対的な重要性を明示又は暗示するものではない。
【0065】
本発明の記載において、説明すべき点として、別途明確に規定及び限定している場合を除き、「装着する」、「設置されている」「覆設する/覆接する」、「接続する」等の用語は、広義に解釈すべきである。例えば、「接続する」とは、壁掛け式の接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体的な接続であってもよいし、機械的な接続であってもよいし、電気的な接続であってもよい。また、直接的な連なりであってもよいし、中間媒体を介した間接的な連なりであってもよいし、2つの部材内部の連通であってもよい。当業者は、具体的な状況に応じて本発明における上記用語の具体的意味を解釈可能である。
【0066】
本実施例は、吐水装置に応用される止水の方法を提供する。当該方法は、止水時に可変室1と吐水室2との連通部分について負圧を解除し、可変室1の体積を増大させて負圧室を形成することで、吐水室2の残留水を負圧室に吸い込むステップを含む。このステップによって、止水時に吐水室2内の残留水を負圧室内に直接吸い込むことが可能なため、止水時の迅速な停水効果が形成される。この方式によれば、従来技術のように、圧力室内の水の浮力が低下しなければ止水を実現できないということはなく、止水時に吐水装置からの吐水をすぐに停止することが可能である。これにより、感度が比較的高くなる。
【0067】
上記の技術方案によれば、止水時の迅速な停水が実現される。可変室1の体積を変動可能とするために、本実施例は、更に、通水時に吐水装置の可変室1の体積を縮小するステップを含む。これにより、可変室1は、通水時の体積が比較的小さくなって、止水時の体積増大に向けて基盤を提供する。
【0068】
可変室1の体積を変動可能とするために、通水時には、前記可変室1と吐水室2との連通部分に負圧が発生し、可変室1内のガスが吐水室2に進入することで、可変室1の体積が縮小する。一方、止水時には、可変室1と吐水室2との連通部分の負圧が消失し、可変室が弾性復元力の作用で膨張可能となる結果、可変室1の体積が増大する。且つ、可変室1は吐水室2の外部に独立して設置されているため、通水時の可変室1の体積縮小は、可変室1に対する水圧の作用に依存しない。こうすることで、通水時に水圧がやや低かったとしても円滑に吐水することが可能である。
【0069】
上記の技術方案は、吐水装置を水平に維持した状態に応用するのに適している。なぜなら、このような状態では、止水後に吐水室2内の各箇所に水が満たされることになり、負圧の作用によってのみ吐水室2内の水を可変室1に吸い込み可能なためである。一方、吐水装置が傾斜している場合には、吐水室2内の残留水が傾斜している側へと流れ、吐水室2内の一部が外気と連通してしまう。この場合、吐水室2に負圧を形成することができず、残留水を吐水室2内に保持し得なくなる。そのため、残留水が吐水孔から滴下して、止水時の迅速な停水効果を実現することができない。
【0070】
そこで、上記の技術的課題を解決するために、本実施例は、更に、吐水装置に応用される止水の方法を提供する。当該方法は、止水時に吐水装置の吐水室2内におけるガス体積を増大させて負圧を形成することで、吐水孔3部分の止水密封部材4で吐水孔3と吐水室2との連通部分を密封するステップを含む。
【0071】
止水密封部材4を追加する場合には、吐水室2内の残留水が可変室1に吸い込まれるとき、吐水室2内の空気の体積が増大して負圧が形成される。これにより、止水密封部材4の両側に圧力差が形成される結果、止水密封部材4が上方に持ち上がって、吐水孔3と吐水室2との連通部分を密封する。こうすることで、吐水装置が傾斜していたとしても、空気が吐水孔3から吐水室2に進入することがなく、どの角度であっても止水時の迅速な停水を実現可能となる。
【0072】
且つ、この方式であれば、低圧での通水も実現可能である。通水時には、吐水室2内の吐水水圧が止水密封部材4に作用して止水密封部材4を下方に押圧することで、吐水孔3と吐水室2との連通が復活する。このような開放方式で必要とされる水圧は比較的小さいため、低圧で迅速に開放するとの目的を実現可能である。
【0073】
上述した止水の方法を実現するために、本実施例では、2種類の実現可能な構造を提供する。なお、指摘すべき点として、本実施例ではオーバーヘッドシャワーの場合を例示するが、当該部分の構造は別の吐水装置に応用することも可能である。ただし、これは本実施例の簡単な置き換えに相当するため、ここでは改めて詳述しない。
【実施例1】
【0074】
図1~
図4を参照して、本実施例は、吐水装置を提供する。当該吐水装置は、吐水装置内に設置される可変室1及び吐水室2を含み、前記可変室1が吐水室2と連通している。また、可変室1は吐水室2の外部に独立して設置されている。可変室1が吐水室2の外部に独立して設置されているとは、水流が吐水室2を通過するときに、可変室1と吐水室2との連通部分から可変室1に進入し得ないことを意味する。例えば、可変室1を吐水室2の外周に設置して、可変室1の中心線を水流の方向と垂直としてもよいし、可変室1の中心線が水流の方向と夾角をなしてもよい。また、可変室1が吐水室2の水流方向の外部に独立して設置されているとは、水流が吐水室2を通過するときに、可変室1と吐水室2との連通部分から可変室1に進入し得ないことを意味する。
【0075】
前記吐水室2には、通過する水を加速させる断面変動流路5が設けられている。優先的に、前記可変室1は断面変動流路5の外周に設置される。前記断面変動流路5には、可変室1と連通する貫通孔6が設けられている。本実施例において、貫通孔は、可変室1に設けられる第1開孔61と、断面変動流路5に設けられる第2開孔62を含む。第1開孔61と第2開孔62は、吐水室2を通じて連通している。上記の吐水装置は、取り付け後に初めて通水する場合、水流が、断面積を縮小させた流路を通過することで加速する。このとき、ベルヌーイの定理によって、運動エネルギーを増大させつつ、圧力を低下させられるため、断面変動流路5に負圧が発生する。すると、断面変動流路5の第2開孔62と可変室1の第1開孔61が連通していることから、可変室1内の空気が吸い込まれる結果、外気圧の作用下で可変室1が収縮し、体積が縮小する。止水時には、第2開孔62部分の負圧が消失する(大気圧に近い状態に回復する)ことで、可変室1の体積は増大する。このようにして、前記可変室1の体積が通水及び止水状態の変化に伴って変動することで、止水時に前記可変室1に負圧室を形成するとの目的が達成される。
【0076】
本実施例において、前記吐水装置内にはピストン7が設けられており、ピストン7が吐水装置の内壁と密封状に接続されて前記可変室1を形成している。前記ピストン7は、可変室に面する固定端側にバネ8が接続されている。前記可変室1の体積が縮小する際には、前記バネ8がピストン7に押圧されて弾性復元力を蓄積する。前記第2開孔62部分の負圧が消失すると、ピストン7は、弾性復元力と大気圧の相互作用によって、可変室1の体積を増大させる方向に移動する。これにより、可変室1の体積が増大して負圧室が形成され、吐水室2の残留水が第1開孔61と第2開孔62から可変室1に吸い込まれる。その後は、通水する度に、水流が、断面積を縮小させた流路を通過することで加速する。このとき、ベルヌーイの定理によって、運動エネルギーを増大させつつ、圧力を低下させられるため、断面変動流路5に負圧が発生する。すると、断面変動流路5の第2開孔62と可変室1の第1開孔61が連通していることから、可変室1内の空気と、前回の止水で可変室1に吸い込まれた水が吐水室2に吸い込まれる。本実施例において、前記ピストンの運動方向は吐水室2内の水流の方向と垂直である。
【0077】
ピストン7と吐水装置の内壁との密封状の接続を実現するために、前記ピストン7は、2つのYパッキン9,10を介して吐水装置の内壁に接続される。2つのYパッキン9,10の設置方向は互いに逆向きである。こうすることで、一方のYパッキン9は、外気と可変室1とを密封状に隔離するために用いられ、もう一方のYパッキン10は、止水状態で可変室1に吸い込まれる残留水を密封し、当該位置からの残留水の流出を回避するために用いられる。
【0078】
更に、どの角度でも止水時の迅速な停水効果を実現するために、本実施例において、吐水孔3と吐水室2との連通部分には止水密封部材4が設置されている。
【0079】
止水時には、前記吐水室2の残留水が可変室1内に吸い込まれて、吐水室2内に負圧が形成される。すると、止水密封部材4の両側の圧力差によって、前記止水密封部材4が、吐水孔3と吐水室2との連通部分を密封する位置まで移動する。
【0080】
更に、前記止水密封部材4は切欠きを有する逆止プレートである。止水時には、吐水室2内の残留水が可変室1内に吸い込まれることで、吐水室2内のガスの体積が増大して負圧が発生する。すると、外気圧が切欠きを有する逆止プレートに作用して、逆止プレートが上方に持ち上がる結果、止水時の迅速な停水効果が達成される。且つ、吐水孔3に含まれている水については、切欠きを有する逆止プレートが上方に持ち上がることで逆流現象が発生するため、吐水孔3の表面には残留水が一切存在しなくなる。こうすることで、吐水装置が水平状態でなかったとしても、外気が吐水室2内に進入することはなく、どの角度であっても止水時の迅速な停水との目的を達成可能となる。一方、通水時には、可変室1内のガスが吐水室2に進入し、吐水水圧が止水密封部材4に作用して止水密封部材4を下方に押圧可能となる。これにより、止水密封部材4の切欠きが開放されて、吐水孔3と吐水室2との連通が復活する。
【実施例2】
【0081】
図5及び
図6を参照して、本実施例は、実施例1と以下の点で異なっている。即ち、前記可変室1は弾性材料からなる弾性室であり、前記可変室1の体積が縮小する際には、前記弾性材料が収縮することで弾性復元力が生成される。この場合にも、可変室1の体積が通水及び止水状態の変化に伴って変動することで、止水時に前記可変室1に負圧室を形成するとの目的が達成される。本実施例では、弾性材料として弾性シリコーンを選択する。残りの部分については実施例1と同様のため、ここでは改めて詳述しない。
【0082】
以上は本発明の好ましい具体的実施形態にすぎず、本発明の設計思想はこれに限定されない。本発明で開示した技術範囲において、当業者が当該思想を用いて本発明につき実施する実質的でない変更は、いずれも本発明の保護範囲を侵害する行為に相当する。