(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-09
(45)【発行日】2023-06-19
(54)【発明の名称】シート給送装置、シート給送装置の制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B65H 3/06 20060101AFI20230612BHJP
B65H 7/06 20060101ALI20230612BHJP
【FI】
B65H3/06 350A
B65H7/06
(21)【出願番号】P 2018074167
(22)【出願日】2018-04-06
【審査請求日】2021-04-05
(31)【優先権主張番号】P 2017249598
(32)【優先日】2017-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000104652
【氏名又は名称】キヤノン電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002767
【氏名又は名称】弁理士法人ひのき国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小須田 繁
(72)【発明者】
【氏名】酒井 透
(72)【発明者】
【氏名】谷池 芳寛
【審査官】松林 芳輝
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-250862(JP,A)
【文献】特開2016-020279(JP,A)
【文献】特開平06-009110(JP,A)
【文献】特開平09-278196(JP,A)
【文献】特開2017-095190(JP,A)
【文献】特開2008-265996(JP,A)
【文献】特開2013-119439(JP,A)
【文献】特開2014-125347(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00-3/68
B65H 5/06
B65H 7/00-7/20
B65H 43/00-43/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート積載台上に積載されているシートに当接した状態で回転することによりシートを取り込む取込手段と、
取り込まれたシートを給送方向に送る給送手段と、
給送されているシートを検知する検知手段と、
予め決められた第1モードにおいて、複数枚のシートを連続給送する場合、前記検知手段が先に給送されたシートの後端を検知した後に第1特定時間を経過しても次のシートの先端を検知しない場合には、前記取込手段を前記シート積載台上に積載されたシートに当接させ、第2特定時間の経過後に前記取込手段を取込方向に回転させ、前記検知手段がシートの先端を検知した後、前記取込手段を該シートから離すように制御する制御手段と、
を有し、
前記第2特定時間は、前記取込手段を前記シート積載台上に積載されたシートに当接させることで、予め設定されたシートへの接触圧が変化する予め設定された接触圧変化時間よりも長く、
前記制御手段は、前記第2特定時間が経過する前に前記検知手段がシートの先端を検知した場合には、前記シートに当接させた前記取込手段を回転させることなく、前記取込手段を前記シートから離す
ことを特徴とするシート給送装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第1モードにおいて前記第1特定時間を待つ間、前記給送手段を給送方向に駆動させることを特徴とする請求項1に記載のシート給送装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記第1モードにおいて複数枚のシートを連続給送する場合、給送動作を開始した後に1枚目のシートの給送を行う場合には、前記給送動作の開始から前記第1特定時間を経過しても前記検知手段がシートの先端を検知しない場合に、前記取込手段を前記シート積載台上に積載されたシートに当接させることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート給送装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記シート積載台が下がった位置において複数枚のシートを置き、前記第1モードにおいて前記複数枚のシートを連続給送する場合、給送動作を開始した後に1枚目のシートの給送を行う場合には、前記給送動作を開始してから前記第1特定時間の経過を待つことなく、前記取込手段を前記シート積載台上に積載されたシートに当接させることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート給送装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記第1モードにおいて複数枚のシートを連続給送する場合、前記検知手段が先に給送されたシートの後端を検知した後に、第3特定時間だけ前記給送手段を停止してから、前記第1特定時間の測定を開始することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のシート給送装置。
【請求項6】
前記第1モードは、負荷に弱いシートを給送するモードであることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のシート給送装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記第1モードとは異なる第2モードにおいて複数枚のシートを連続給送する場合には、前記取込手段を前記シート積載台上に積載されたシートに当接させたまま複数枚のシートを連続給送することを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のシート給送装置。
【請求項8】
シート積載台上に積載されているシートに当接した状態で回転することによりシートを取り込む取込手段と、
取り込まれたシートを給送方向に送る給送手段と、
給送されているシートを検知する第1検知手段と、
シート積載台上に積載されているシートの移動を検知する第2検知手段と、
複数枚のシートを連続給送する場合、前記第1検知手段が先に給送されたシートの後端を検知した後に第1特定時間を経過しても、前記第2検知手段が次のシートの移動を検知しない場合には、前記取込手段を前記シート積載台上に積載されたシートに当接させ、前記第1検知手段がシートの先端を検知した後、前記取込手段を該シートから離すように制御する制御手段と、
を有し、
前記制御手段は、前記取込手段を前記シート積載台上に積載されたシートに当接させることで、予め設定されたシートへの接触圧が変化する予め設定された接触圧変化時間よりも長い第2特定時間の経過後に、前記取込手段を取込方向に回転させ
、
前記第2特定時間が経過する前に前記検知手段がシートの先端を検知した場合には、前記シートに当接させた前記取込手段を回転させることなく、前記取込手段を前記シートから離す
ことを特徴とするシート給送装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記第2検知手段が次のシートの移動を検知した場合に、前記取込手段を前記シートから離すように制御することを特徴とする請求項
8に記載のシート給送装置。
【請求項10】
前記第2検知手段は、前記シート積載台上に積載されたシートの所定領域を撮像する撮像素子を有し、該撮像素子による該シートの撮像結果に基づいて該シートの移動を検知することを特徴とする請求項
8又は
9に記載のシート給送装置。
【請求項11】
前記撮像素子は、該撮像素子の撮像面と、前記シート積載台上に積載されたシートの面とが略平行になるように配置されていることを特徴とする請求項1
0に記載のシート給送装置。
【請求項12】
前記撮像素子は、前記給送方向における前記撮像素子と前記給送手段との距離が、当該シート給送装置が給送可能な最小のシートの前記給送方向における長さよりも短くなる位置に配置されていることを特徴とする請求項1
0又は1
1に記載のシート給送装置。
【請求項13】
前記撮像素子は、光源部と、該光源部が発光した光のシート表面における反射光を受光する受光部を有し、前記受光部による受光により撮像した画像に基づいてシートの移動を検知することを特徴とする請求項1
0~1
2のいずれか1項に記載のシート給送装置。
【請求項14】
シート積載台上に積載されているシートに当接した状態で回転することによりシートを取り込む取込手段と、取り込まれたシートを給送方向に送る給送手段と、給送されているシートを検知する検知手段と、を有するシート給送装置の制御方法であって、
予め決められた第1モードにおいて、複数枚のシートを連続給送する場合、前記検知手段が先に給送されたシートの後端を検知した後に第1特定時間を経過しても次のシートの先端を検知しない場合には、前記取込手段を前記シート積載台上に積載されたシートに当接させるステップと、
第2特定時間の経過後に前記取込手段を取込方向に回転させる回転ステップと、
前記検知手段がシートの先端を検知した後、前記取込手段を該シートから離すステップと、
を有し、
前記第2特定時間は、前記取込手段を前記シート積載台上に積載されたシートに当接させることで、予め設定されたシートへの接触圧が変化する予め設定された接触圧変化時間よりも長く
、
前記取込手段をシートから離す前記ステップにおいて、前記第2特定時間が経過する前に前記検知手段がシートの先端を検知した場合には、前記シートに当接させた前記取込手段を回転させることなく、前記取込手段を前記シートから離す
ことを特徴とするシート給送装置の制御方法。
【請求項15】
シート積載台上に積載されているシートに当接した状態で回転することによりシートを取り込む取込手段と、取り込まれたシートを給送方向に送る給送手段と、給送されているシートを検知する第1検知手段と、シート積載台上に積載されているシートの移動を検知する第2検知手段と、を有するシート給送装置の制御方法であって、
複数枚のシートを連続給送する場合、前記第1検知手段が先に給送されたシートの後端を検知した後に第1特定時間を経過しても、前記第2検知手段が次のシートの移動を検知しない場合には、前記取込手段を前記シート積載台上に積載されたシートに当接させるステップと、
前記第1検知手段がシートの先端を検知した後、前記取込手段を該シートから離すステップと、
を有し、
前記取込手段を前記シート積載台上に積載されたシートに当接させることで、予め設定されたシートへの接触圧が変化する予め設定された接触圧変化時間よりも長い第2特定時間の経過後に、前記取込手段を取込方向に回転させ
、
前記取込手段をシートから離す前記ステップにおいて、前記第2特定時間が経過する前に前記検知手段がシートの先端を検知した場合には、前記シートに当接させた前記取込手段を回転させることなく、前記取込手段を前記シートから離す
ことを特徴とするシート給送装置の制御方法。
【請求項16】
コンピュータを、請求項1~1
3のいずれか1項に記載の制御手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを給送可能なシート給送装置における負荷に弱い原稿、例えば薄紙、伝票、古紙(歴史書)、既にしわになっている原稿、既に折れている原稿、破れている原稿等の給送技術に関する。
【背景技術】
【0002】
図25は、用紙を所定量給送するシート給送装置の構成を例示する図である。
従来のシート給送装置では、複数枚のシートを連続的に給紙する場合、シートを1枚給紙する毎にピックアップローラ4をシート取込位置に移動させてシートに接触させて回転させ、その後、退避位置に移動させる動作を繰り返していた。しかし、シートが腰の弱い薄紙等である場合、分離ローラ対6,7とピックアップローラ4との間でジャムが発生することがあった。
【0003】
このような薄紙等のシートのジャム対策として、特許文献1が提案されている。
特許文献1では、先に給送されたシートの後端をレジスト前センサ32が検知した後、特定時間を経過しても、レジスト前センサ32が次のシートの先端を検知しない場合に、ピックアップローラ4をシートに接触させて回転させることで、ピックアップローラ4の使用を最小限にしてシートを給送する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の技術は、薄紙等コシが弱いシートのジャム対策に一定の効果があった。しかし、ピックアップローラ4をシートに接触させると同時にピックアップローラ4を回転させてしまうと、ジャムが発生してしまう場合があった。
【0006】
図26は、ピックアップローラ4をシートに接触させた後のシートに対する接触圧の変化を例示するグラフである。
図26に示すように、ピックアップローラ4のシートへの接触開始から時間TCが経過するまでは、ピックアップローラ4のシートへの接触圧が変化している。接触圧が強い時はシート同士の摩擦力も強くなるため、時間TCが経過するまでにピックアップローラ4の回転を開始してしまうとシートの連れ入りが起こり、ジャムが発生してしまう可能性があった。
【0007】
また、特に負荷に弱い原稿を搬送する場合に限らず、ピックアップローラ4等は使用により摩耗が生じる。ローラの摩耗が進むと、シートの給紙が正常に行えなくなってしまう可能性があるため、可能な限り無駄な使用を避けたい。
【0008】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものである。本発明の目的は、給紙するシートが腰の弱い薄紙等であっても、給紙の際のジャムを生じ難くすることができる仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、シート積載台上に積載されているシートに当接した状態で回転することによりシートを取り込む取込手段と、取り込まれたシートを給送方向に送る給送手段と、給送されているシートを検知する検知手段と、予め決められた第1モードにおいて、複数枚のシートを連続給送する場合、前記検知手段が先に給送されたシートの後端を検知した後に第1特定時間を経過しても次のシートの先端を検知しない場合には、前記取込手段を前記シート積載台上に積載されたシートに当接させ、第2特定時間の経過後に前記取込手段を取込方向に回転させ、前記検知手段がシートの先端を検知した後、前記取込手段を該シートから離すように制御する制御手段と、を有し、前記第2特定時間は、前記取込手段を前記シート積載台上に積載されたシートに当接させることで、予め設定されたシートへの接触圧が変化する予め設定された接触圧変化時間よりも長く、前記制御手段は、前記第2特定時間が経過する前に前記検知手段がシートの先端を検知した場合には、前記シートに当接させた前記取込手段を回転させることなく、前記取込手段を前記シートから離すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、給紙するシートが腰の弱い薄紙等であっても、給紙の際のジャムを生じ難くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態に係るシート給送装置を備えるシート搬送装置の部分断面図。
【
図2】シート搬送装置の主要部の構成を概略的に示す模式図。
【
図3】第1実施形態の薄紙モードにおける制御動作を説明するフローチャート。
【
図4】第1実施形態のレジスト前センサとピックアップローラの動作の一例を示すタイミングチャート。
【
図5】第2実施形態に係るシート給送装置を備えるシート搬送装置の部分断面図。
【
図6】第3実施形態の薄紙モードにおける制御動作を説明するフローチャート。
【
図7】第4実施形態のレジスト前センサとピックアップローラとレジストローラ対の動作の一例を示すタイミングチャート。
【
図8】第5実施形態のレジスト前センサとピックアップローラと給送ローラの動作の一例を示すタイミングチャート。
【
図9】第6実施形態に係るシート給送装置を適用可能なシート搬送装置の構成の一部を概略的に示す部分断面図。
【
図10】第6実施形態におけるピックアップローラ、給送ローラ及びレジストローラ対の動作並びにレジスト前センサ及びレジスト中センサの検知状態の関係の一例を示すタイミングチャート。
【
図11】第6実施形態におけるピックアップローラ、給送ローラ及びレジストローラ対の動作並びにレジスト前センサ及びレジスト中センサの検知状態の関係の一例を示す模式図。
【
図12】第6実施形態におけるピックアップローラ、給送ローラ及びレジストローラ対の動作並びにレジスト前センサ及びレジスト中センサの検知状態の関係の一例を示す模式図。
【
図13】第6実施形態におけるピックアップローラ、給送ローラ及びレジストローラ対の動作並びにレジスト前センサ及びレジスト中センサの検知状態の関係の一例を示す模式図。
【
図14】第6実施形態におけるピックアップローラ、給送ローラ及びレジストローラ対の動作並びにレジスト前センサ及びレジスト中センサの検知状態の関係の一例を示す模式図。
【
図15】第6実施形態におけるピックアップローラ、給送ローラ及びレジストローラ対の動作並びにレジスト前センサ及びレジスト中センサの検知状態の関係の一例を示す模式図。
【
図16】第6実施形態におけるピックアップローラ、給送ローラ及びレジストローラ対の動作並びにレジスト前センサ及びレジスト中センサの検知状態の関係の一例を示す模式図。
【
図17】第6実施形態におけるピックアップローラ、給送ローラ及びレジストローラ対の動作並びにレジスト前センサ及びレジスト中センサの検知状態の関係の一例を示す模式図。
【
図18】給送ローラ、レジスト前センサ及びレジストローラの位置並びに給送ローラの給送速度及びレジストローラの搬送速度の関係を説明する図。
【
図19】第7実施形態における薄紙モードにおける制御動作の一例を説明するフローチャート。
【
図20】第7実施形態における薄紙モードにおける制御動作の一例を説明するフローチャート。
【
図21】第8実施形態に係るシート給送装置を備えるシート搬送装置の構成の一部を概略的に示す部分断面図。
【
図22】第8実施形態の制御部にて行われる、薄紙モードにおける制御動作の一例を説明するフローチャート。
【
図23】第8実施形態におけるレジスト前センサと光学センサ、そしてピックアップローラの動作の一例を示すタイミングチャート
【
図24】第9実施形態に係る光学センサ付近の構成を概略的に示す模式図。
【
図25】シート搬送装置の主要部の構成を概略的に示す模式図。
【
図26】ピックアップローラをシートに接触させた後のシートに対する接触圧の変化を例示するグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔第1実施形態〕
まず、本発明の第1実施形態に係るシート給送装置を含むシート搬送装置について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るシート給送装置を備えるシート搬送装置(画像読取装置)の構成を概略的に示す部分断面図である。
図2は、
図1のシート搬送装置の主要部の構成を概略的に示す模式図である。
【0013】
図1及び
図2に示すように、本実施形態のシート搬送装置200は、シート取込装置(シート給送装置)101を備える。
シート積載台(シート載置台)1にはシートが複数枚積載されており、シート積載台1は昇降自在に構成されている。シート積載台駆動モータ2は、シート積載台1を昇降させる。シート検知センサ3は、シート積載台1に積載されたシートがシート取込位置にあることを検知する。シート積載検知センサ12は、シート積載台1のシート積載面1aにシートが積載されていることを検知する。
【0014】
シートピックアップ部の一例としてのピックアップローラ4(取込手段)は、シート積載台1のシートをシート積載台1から送り出す。ピックアップローラ駆動モータ5は、ピックアップローラ4を、シートを取り込む方向(取込方向)に回転させる。
図2に示す状態は、シート上面がシート取込位置にあり、ピックアップローラ4を回転させればシートの取り込みが始まる状態である。また、ピックアップローラ4は、
図2のシート取込位置、及び、シート取込位置よりも上方の退避位置(不図示)に、不図示の駆動部によって駆動されて移動可能である。ピックアップローラ4は、シートを取り込む際にはシート取込位置に移動され、取り込みが終わったら退避位置に移動される。ピックアップローラ4の回転指示と、シート取込位置と退避位置の移動指示は、制御部900により行われる。制御部900は、図示しないCPU、ROM、RAM等を有し、CPUがROMに格納されたプログラムを実行することにより各種制御を実現する。また、ピックアップローラ4は、後述する分離ローラ対42による分離給送が確実に行われるための補助的な役割を担っている。シート積載台1上のシートをピックアップローラ4によって分離ローラ対42のニップ部へ送り込めば、分離ローラ対42による分離給送は確実に行える。
【0015】
給送ローラ6は、給送モータ8によってシートを搬送方向下流側に給送する方向(給送方向)に回転するよう駆動されている。分離ローラ7は、シートを搬送方向上流側に押し戻す方向に回転する回転力を、不図示のトルクリミッタ(スリップクラッチ)を介して、分離モータ9から常時受けている。
【0016】
給送ローラ6と分離ローラ7との間にシートが1枚存在するときは、上述のトルクリミッタが伝達する分離ローラ7がシートを上流側に押し戻す方向の回転力の上限値より、給送ローラ6によって下流側に送られるシートと分離ローラ7との間の摩擦力によってシートが下流側に給送される方向への回転力が上回る。このため、分離ローラ7は、給送ローラ6に追従して回転する(連れ回りする)。
【0017】
一方、給送ローラ6と分離ローラ7との間にシートが複数枚存在するときは、分離ローラ7はシートを上流側に押し戻す方向の回転をローラ軸から受け、最も上位のシート以外が下流側に搬送されないようにしている。
【0018】
このように、給送ローラ6がシートを下流側に給送する作用と、分離ローラ7のシートを下流側に搬送されないようにする作用とによって、シートが重なって給送ローラ6と分離ローラ7とのニップ部に送り込まれた場合でも、最も上のシートのみ下流側に給送され、それ以外のシートは下流側に搬送されないようになる。これにより、重なったシートが分離給送される。
【0019】
給送ローラ6と分離ローラ7とは、一対の分離ローラ対42(シート分離部)を構成する。なお、本実施形態では、分離ローラ対42を使用しているが、分離ローラ対42の代わりに分離ローラと給送ローラのどちらか一方をベルトにした、分離ベルトローラ対を使用してもよい。また、分離ローラを分離パッドに置き換え、シートに当接することで下流側へ複数枚のシートが搬送されることを防ぐようにしてもよい。また、分離ローラ7を回転させずに分離パッドのようにシートに当接させるように使用してもよい。
【0020】
このように構成されたピックアップローラ4、給送ローラ6、分離ローラ7などからなるシートピックアップ部によって、シート載置台1に積載されたシートが1枚ずつに分離されて、シート搬送装置200内部に取り込まれる。
【0021】
また、分離されたシートが通過する位置に重送検知センサ30を備えることで、シート分離部によってシートが一枚ずつに分離できているかを検知することができる。本実施形態においては、重送検知センサ30として超音波の送受信部を用いた検出装置を用いており、搬送路を跨いだ送受信部間における超音波の減衰量によって重送を検知することができる。
【0022】
搬送モータ10は、分離後のシートを、画像読取センサ14、15によってシートの画像の読み取りが行われる画像読取位置まで搬送し、さらに排出位置まで搬送するため、その他のローラ(シート搬送部)を駆動する。また、搬送モータ10は、シートの読み取りに最適な速度や、シートの解像度等の設定に応じてシートの搬送速度を変更できるよう各ローラを駆動する。
【0023】
ニップ隙間調整モータ11は、給送ローラ6と分離ローラ7との隙間、或いは分離ローラ7に対してシートを介して給送ローラ6が圧接する圧接力を調整する。これにより、シートの厚みに適合した隙間、或いは圧接力が調整され、シートを分離することができる。
【0024】
レジストクラッチ19は、搬送モータ10の回転駆動力をレジストローラ18(シート搬送部)に伝達、又は当該伝達を遮断する。レジストローラ17、18で構成されるレジストローラ対の回転を停止することにより、給送されるシートの先端をレジストローラ対のニップ部に突き当てて、シートの斜行を補正する。
【0025】
搬送ローラ20、21で構成される搬送ローラ対、搬送ローラ22、23で構成される搬送ローラ対、搬送ローラ24、25で構成される搬送ローラ対、排紙ローラ26、27で構成される排紙ローラ対は、シートを排出積載部44に搬送する。排紙センサ16は、搬送されたシートの通過を検知する。排紙センサ16がシートの後端を検知した後に排紙ローラ対26,27の回転速度を遅くする排紙ブレーキをかけることで、排紙されたシートが飛び出す事を防止し、排紙整列性を向上させることができる。上ガイド板40と下ガイド板41との2つのガイド板は、分離ローラ対、レジストローラ対、各搬送ローラ対及び排紙ローラ対により搬送されるシートを案内する。
【0026】
レジスト前センサ32(給送検知手段)は、レジストローラ17、18で構成されるレジストローラの上流側に配設され、給送されるシートを検知する。レジスト後センサ33は、レジストローラ17、18で構成されるレジストローラ対の下流側に配設され、搬送されるシートを検知する。
【0027】
レジスト後センサ33によってシートが検知されると、制御装置900によって画像読取センサ14、15に対し画像の読み取り指示が出され、搬送されるシートの画像が読み取られる。画像読取センサ14、15によって読み取られたシートの画像は、不図示のインターフェース部を介して情報処理装置などの外部装置に対して送信される。
【0028】
以下、
図3を参照して、第1実施形態の制御部900にて行われる、薄紙モード(予め定められた特定のモード)におけるピックアップローラ4の制御動作の一例を説明する。
図3は、第1実施形態の制御部900にて行われる、薄紙モードにおける制御動作の一例を説明するフローチャートである。すなわち、このフローチャートに示す処理は、制御部900の図示しないCPUがROMに格納されたプログラムを実行することにより実現される。なお、薄紙モードは、図示しない操作部、又は、シート搬送装置200と通信可能に接続される情報処理装置(パーソナルコンピュータ等)から設定可能である。
【0029】
制御部900は、薄紙モードの給送動作を開始すると、給送ローラ6を駆動させ、時間の測定を開始する(測定時間(TIME)=0)(S101)。
次にS102において、制御部900は、レジスト前センサ32をチェックし、レジスト前センサ32がシート先端を検知したか否かを判定する。
【0030】
レジスト前センサ32がシート先端を検知していないと判定した場合(S102でNoの場合)、制御部900は、S103に処理を進める。
S103において、制御部900は、測定時間(TIME)が特定時間(TS)を超えたか否かを判定する。測定時間(TIME)が特定時間(TS)を超えていないと判定した場合(S103でNoの場合)、制御部900は、S102に処理を戻す。
【0031】
一方、測定時間(TIME)が特定時間(TS)を超えたと判定した場合(S103でYesの場合)、すなわち測定時間(TIME)が特定時間(TS)になってもレジスト前センサ32によりシート先端が検知されない場合、制御部900は、S104に処理を進める
【0032】
S104において、制御部900は、ピックアップローラ4をシート取込位置に移動しシートに接触させる。
さらにS105において、制御部900は、後述する特定時間(TD)経過後に、ピックアップローラ4を回転させる。これによって、ピックアプローラ4がシートを給送ローラ6へ給送する。
【0033】
次にS106において、制御部900は、再び時間の測定を開始する(測定時間(TIME)=0)。
そしてS107において、制御部900は、レジスト前センサ32をチェックし、シート先端がレジスト前センサ32により検知されたか否かを判定する。
【0034】
レジスト前センサ32がシート先端を検知していないと判定した場合(S107でNoの場合)、制御部900は、S110に処理を進める。
S110において、制御部900は、測定時間(TIME)がエラー時間(TOUT)を超えたか否かを判定する。測定時間(TIME)がエラー時間(TOUT)を超えていないと判定した場合(S110でNoの場合)、制御部900は、S107に処理を戻す。
【0035】
一方、測定時間(TIME)がエラー時間(TOUT)を超えたと判定した場合(S110でYesの場合)、すなわち測定時間(TIME)がエラー時間(TOUT)になってもレジスト前センサ32によりシート先端が検知されない場合、制御部900は、S111に処理を進める。すなわち、ピックアップローラ4を取込位置に移動して回転させたにも拘らず、エラー時間になってもシート先端が検知されない、すなわち、シートの給送エラー(例えばジャムの発生)であると判定している。
制御部900は、ピックアップローラ4を退避位置に移動し(S111)、ピックアップローラ4の回転を停止させ(S112)、本フローチャートの処理をエラー終了する。
【0036】
一方、上記S107において、レジスト前センサ32がシート先端を検知したと判定した場合(S107でYesの場合)、制御部900は、S108に処理を進める。
制御部900は、ピックアップローラ4を退避位置に移動し(S108)、ピックアップローラ4の回転を停止させ(S109)、S113に移行する。
【0037】
また、上記S102において、レジスト前センサ32がシート先端を検知したと判定した場合(S102でYesの場合)、制御部900は、S113に移行する。この場合、ピックアップローラ4は接触位置に移動せず退避位置のままとする。すなわち、ピックアップローラ4を駆動しなくても、レジスト前センサ32にシート先端が到達している状況であり、その前に給紙したシートとの間に生じる摩擦や静電気によってシートが給送ローラ6まで到達した後にその前に給紙したシートが給送ローラ6を抜けた後で給送ローラ6によって搬送されて少なくともレジスト前センサ32まで到達している状況である。このときにはピックアップローラ4による給紙は不要であり、シートに対してピックアップローラ4を当接させることによるダメージを防ぐために、ピックアップローラ4を退避位置のままにしている。
【0038】
S102又はS107においてレジスト前センサ32にシートの先端が検知されたと判定した場合、制御部900は、S113において、画像読取センサ14、15に対し画像の読み取り指示を出し、画像読取センサ14、15によるシートの読取動作が行われる。その間、制御部900は、レジスト前センサ32によるシートの後端検知をチェックする(S114)。レジスト前センサ32がシート後端を検知していないと判定した場合(S114でNoの場合)、制御部900は、S113に処理を戻す。
【0039】
一方、レジスト前センサ32がシート後端を検知したと判定した場合(S114でYesの場合)、制御部900は、S115に処理を進める。
S115において、制御部900は、シート積載台にシートがあるか否かをチェックする。シート積載台にシートがあると判定した場合(S115でYesの場合)、すなわち次のシートがある場合、制御部900は、S101に処理を戻す。
一方、シート積載台にシートがないと判定した場合(S115でNoの場合)、すなわち次のシートがない場合、制御部900は、本フローチャートの処理を終了する。なお、終了する前に、特定時間(TS)以上の時間を待ってもレジスト前センサ32によってシートが検知された場合にS113に進み、シートが検知されなかった場合に終了するようにすることが好ましい。
【0040】
図4は、第1実施形態におけるレジスト前センサ32とピックアップローラ4の動作の一例を示すタイミングチャートである。
図4(a)は、測定時間(TIME)が特定時間(TS)を超えても(TIME>TS)レジスト前センサ32がシートの先端を検知しない場合の例に対応する。この場合、ピックアップローラ4が接触位置に移動して特定時間(TD)後に回転し、シートを給送ローラ6へ送り込む。これにより、ピックアップローラ4の接触圧により惹起されるジャムの発生を防止する。
【0041】
図4(b)は、測定時間(TIME)が特定時間(TS)内にあるとき(TIME<TS)レジスト前センサ32がシートの先端を検知した場合の例に対応する。この場合、ピックアップローラ4は接触位置に移動せず退避位置のままとなる。このため、ピックアップローラ4の接触圧により惹起されるジャムは生じない。なお、
図4(b)では測定時間(TIME)のカウントを始める前のレジスト前センサ32の出力はOFFとしているが、これは、測定時間(TIME)のカウントの開始前はレジスト前センサ32自体を駆動しておらず、出力がOFFになっていることを示している。一方、レジスト前センサ32を常時駆動している場合には、測定時間(TIME)のカウントを始める前から次のシートがレジスト前センサ32に到達していることがあり、レジスト前センサ32としてはONが出力されることも想定される。その場合、測定時間(TIME)のカウント開始時にそれを確認し、
図3のS102でYesと判定しても良い。
【0042】
なお、本実施形態では、
図4(a)の場合における給紙時間の短縮、
図4(b)の場合におけるシート検知の確実性等を考慮して、特定期間(TS)を例えば1秒に設定している。
また、ピックアップローラをシートに接触させてから回転させるまでの特定時間(TD)は、
図26に示した接触圧変化時間(TC)よりも長い時間を設定する必要があるため、例えば0.2秒に設定している。
【0043】
なお、
図3のS108とS109、S111とS112や
図4では、ピックアップローラ4を退避位置に移動してから回転を停止するよう制御しているが、退避動作と回転停止は同時としてもよい。また、順番を入れ替え、回転を停止してから退避動作を行ってもよい。しかし、回転を停止してから退避するまでの間はピックアップローラ4の押付圧によってシート同士の摩擦力が増しており連れ入りが起こり易くなってしまうので、退避してから回転を停止する、もしくは同時にする方がジャム防止効果は高くなる。
【0044】
以上のように、第1実施形態は、レジスト前センサが先に分離給送されたシートの後端を検知した後、TSを経過しても次のシートの先端を検知しない場合に、ピックアップローラをシート積載台上に積載されたシートに当接させる位置に移動し、TD経過後にピックアップローラを回転させることと、レジスト前センサがシートの先端を検知した後に、ピックアップローラをシートに当接させない位置に退避させ、回転を停止することを特徴とする。このような構成により、薄紙等の給紙のジャム対策としてピックアップローラのシート接触と回転開始のタイミングを制御し、さらなるジャム対策を行うことにより、給紙するシートが腰の弱い薄紙等であっても、給紙の際のジャムを生じ難くすることができる。
【0045】
なお、本実施形態のシート搬送装置200は、上述した薄紙モードとは異なる普通紙モードを有し、これらのモードを図示しない操作パネルや、シート搬送装置200と接続される情報処理装置(例えばパーソナルコンピュータ)から選択設定可能である。そして、制御部900は、薄紙モードとは異なる普通紙モードが設定されている状態において、複数枚のシートを連続給送する場合には、ピックアップローラ4をシート積載台1上に積載されたシートに当接させたまま、ピックアップローラ4の回転と停止を行って複数枚のシートを連続給送するように制御するものとする。
【0046】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係るシート給送装置について説明する。
上記第1実施形態で説明した
図1,
図2のシート給送装置101ではシート積載台1が昇降するため、シート積載台1が下がった状態でシートを置く場合はシート先端を給送ローラ6に接触させるように置くことはない。このため1枚目のシートを給送するために必ずピックアップローラ4を動作させる必要があった。
第2実施形態では、薄紙モードを適用した場合に、1枚目のシートを、ピックアップローラ4を動作させずに給送可能な構成のシート給送装置について説明する。
【0047】
図5は、本発明の第2実施形態に係るシート給送装置を備えるシート搬送装置(画像読取装置)の構成を概略的に示す部分断面図である。
図1,
図2のシート搬送装置と同じ機能の部品には同じ番号を付与することにより個々の部品の説明を省略する。
なお、
図5のシート搬送装置300が
図1,
図2のシート搬送装置200と大きく異なる点は、シート積載台1が昇降しない点、シート積載台1に積載されたシートを下側から順に給送する点、及びピックアップローラ4がシートに対して下から接触する点である。
【0048】
図5(a)は、ピックアップローラ4が下がっており、シートと接触しない退避位置にある状態を表している。
図5(b)は、ピックアップローラ4が上がっており、シートと接触するシート取
込位置にある状態を表している。
シート押さえ50は、ピックアップローラ4と対向する位置に配置され、シートがピックアップローラ4に押されて浮き上がることを防止する。
【0049】
図5のように、シートをシート積載台1に置くと、シートは自重により給送ローラ6に向かって落ちて行き、シートの先端が給送ローラ6に当接する状態となることが多い。
図3,
図4で示した薄紙モードで給送を開始すると、
図3のS101~S103の制御により給送ローラ6を回して特定時間待つことで、ピックアップローラ4を動作させなくとも1枚目のシートが給送ローラ6を通過しレジスト前センサ32まで到着することができる。なお、シートが静電気等によりシート積載台1に張り付いてしまう場合などには、シートをシート積載台1に置いても自重で落ちない場合がある。
【0050】
以上のように、第2実施形態によれば、
図5のシート搬送装置のように下から給送する装置に対しても薄紙モードにおいて、1枚目の給送時からピックアップローラ4の動作を必要最小限に抑えることができ、給紙するシートが腰の弱い薄紙等であっても給紙の際のジャムの発生を抑えることができる。
【0051】
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態に係るシート給送装置について説明する。
本発明の第3実施形態に係るシート給送装置を備えるシート搬送装置のハードウェア構成は、
図1、
図2で示した第1実施形態のシート搬送装置200と同一の構成とする。
【0052】
以下、
図6を参照して、第3実施形態の制御部900にて行われる、薄紙モードにおけるピックアップローラ4の制御動作の一例を説明する。
図6は、第3実施形態の制御部900にて行われる、薄紙モードにおける制御動作の一例を説明するフローチャートである。すなわち、このフローチャートに示す処理は、制御部900の図示しないCPUがROMに格納されたプログラムを実行することにより実現される。
【0053】
第3実施形態の制御部900は、薄紙モードの給送動作を開始すると、ピックアプローラ4をシート取込位置に移動しシートに接触させ(S204)、ピックアップローラ4を回転させる(S205)。
この点が上記第1実施形態,第2実施形態のシート給送装置の制御例(
図3)と異なる。
第1実施形態では、1枚目のシートの給送時でもピックローラ4を接触させずに特定時間(TS)だけ待っていた。第3実施形態では、1枚目のシートの給送時には特定時間(TS)待たずに、ピックアップローラ4を動作させ給送するように構成されている。
【0054】
このような制御が有効な例は、
図1,
図2のシート給送装置においてシート積載台が下がった位置でシートを置く場合などである。
図1,
図2のシート給送装置では、シート先端を給送ローラ6に接触させるように置くことはないため、1枚目の給送時はピックアップローラ4を動作させて給送することになる。このため、1枚目の給送時にはすぐピックアップローラ4を動作させることで、1枚目の給送開始までの待ち時間を減らすことができる。
【0055】
〔第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態に係るシート給送装置について説明する。
本発明の第4実施形態に係るシート給送装置を備えるシート搬送装置のハードウェア構成は、
図1、
図2で示した第1実施形態のシート搬送装置200と同一の構成とする。
図7は、第4実施形態におけるピックアップローラ4とレジスト前センサ32とレジストローラ対17,18の動作の一例を示すタイミングチャートである。
【0056】
図7(a)は、測定時間(TIME)が特定時間(TS)を超えても(TIME>TS)レジスト前センサ32がシートの先端を検知しない場合の例に対応する。この場合、ピックアップローラ4を接触位置に移動して特定時間(TD)経過後に回転し、シートを給送ローラ6へ送り込む。シート先端がレジスト前センサ32に到着すると、ピックアップローラ4を退避位置に移動し回転を停止する。そして、シート後端がレジスト前センサ32を通過すると、レジストローラ対17,18を特定時間(TF)だけ停止する。これにより、シートと次に給送されるシートとの間隔を開けることができる。また、特定時間(TF)経過後にレジストローラ17,18を回転させたあと、特定時間(TS)を超えても(TIME>TS)、レジスト前センサ32がシートの先端を検知しないため、ピックアップローラ4をシートに接触させて回転し、シートを給送ローラ6へ送り込む。
【0057】
図7(b)は、測定時間(TIME)が特定時間(TS)内にあるとき(TIME<TS)レジスト前センサ32がシートの先端を検知した場合の例に対応する。この場合、ピックアップローラ4は、接触位置に移動させず退避位置のままとなる。シートがレジスト前センサ32を通過した後、レジストローラ対17,18を特定時間(TF)だけ停止する。これにより、シートと次に給送されるシートとの間隔を開けることができる。特定時間(TF)経過後にレジストローラ17,18を回転させたあと、測定時間(TIME)が特定時間(TS)内にあるとき(TIME<TS)、レジスト前センサ32がシートの先端を検知している。このため、ピックアップローラ4の接触圧により惹起されるジャムが生じない。
【0058】
図7(a)と
図7(b)のどちらの場合でも、シートがレジスト前センサ32を通過した後、レジストローラ対17,18を特定時間(TF)だけ停止することで、給送されるシートと次に給送されるシートとの搬送間隔を開けることができる。これにより、先に給送されたシートに対して排紙センサ16と排紙ローラ対26,27を使用して排紙ブレーキをかけることで排紙速度が遅くなった場合でも、次に給送されるシートに追突される事を防止するだけのシート間隔を開けることができる。ここでは特定時間(TF)を例えば0.1秒に設定している。
【0059】
〔第5実施形態〕
次に、本発明の第5実施形態に係るシート給送装置について説明する。
本発明の第5実施形態に係るシート給送装置を備えるシート搬送装置のハードウェア構成は、
図1、
図2で示した第1実施形態のシート搬送装置200と同一の構成とする。
図8は、第
5実施形態におけるピックアップローラ4とレジスト前センサ32と給送ローラ6の動作の一例を示すタイミングチャートである。
【0060】
図8(a)は、測定時間(TIME)が特定時間(TS)を超えても(TIME>TS)レジスト前センサ32がシートの先端を検知しない場合の例に対応する。この場合、ピックアップローラ4を接触位置に移動して特定時間(TD)経過後に回転し、シートを給送ローラ6へ送り込む。シート先端がレジスト前センサ32に到着すると、ピックアップローラ4を退避位置に移動し回転を停止する。そして、シート後端がレジスト前センサ32を通過すると、給送ローラ6(分離ローラ7)を特定時間(TF)だけ停止する。これにより、シートと次に給送されるシートとの間隔を開けることができる。また、特定時間(TF)経過後に給送ローラ6(分離ローラ7)を回転させたあと、特定時間(TS)を超えても(TIME>TS)、レジスト前センサ32がシートの先端を検知しないため、ピックアップローラ4をシートに接触させて回転し、シートを給送ローラ6へ送り込む。
【0061】
図8(b)は、測定時間(TIME)が特定時間(TS)内にあるとき(TIME<TS)レジスト前センサ32がシートの先端を検知した場合の例に対応する。この場合、ピックアップローラ4は、接触位置に移動させず退避位置のままとなる。シートがレジスト前センサ32を通過した後、給送ローラ6(分離ローラ7)を特定時間(TF)だけ停止する。これにより、シートと次に給送されるシートとの間隔を開けることができる。特定時間(TF)経過後に給送ローラ6(分離ローラ7)を回転させたあと、測定時間(TIME)が特定時間(TS)内にあるとき(TIME<TS)、レジスト前センサ32がシートの先端を検知している。このため、ピックアップローラ4の接触圧により惹起されるジャムが生じない。
【0062】
図8(a)と
図8(b)のどちらの場合でも、シートがレジスト前センサ32を通過した後、給送ローラ6(分離ローラ7)を特定時間(TF)だけ停止することで、給送されるシートと次に給送されるシートとの搬送間隔を開けることができる。これにより、先に給送されたシートに対して排紙センサ16と排紙ローラ対26,27を使用して排紙ブレーキをかけることで排紙速度が遅くなった場合でも、次に給送されるシートに追突される事を防止するだけのシート間隔を開けることができる。ここでは特定時間(TF)を例えば0.1秒に設定している。
なお、給送ローラ6(分離ローラ7)を停止/回転するタイミングで、レジストローラ対17,18も停止/回転するようにしてもよい。
【0063】
以上、本発明のシート搬送装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をすることができる。
【0064】
以上のように、各実施形態によれば、コシが弱く負荷に弱い原稿、例えば薄紙、伝票、古紙(歴史書)、既にしわになっている原稿、既に折れている原稿、破れている原稿等を給送する際に、ピックアップローラの接触圧によりシート同士の摩擦力が増してしまい分離部まで連れ入りしてしまう事で発生するジャムを減らすことができる。すなわち、給紙するシートが腰の弱い薄紙等であっても、給紙の際のジャムを生じ難くし(ジャムの発生を抑え)給紙することができる。
なお、上述した各種ローラは、ベルト等の他の回転体等であってもよい。
【0065】
〔第6実施形態〕
次に、本発明の第6実施形態について説明する。第6実施形態では、給送ローラ6(分離ローラ7)の駆動をON/OFFする別の実施形態について説明する。なお、給送ローラ6(分離ローラ7)の駆動をON/OFFするタイミングで上述した第4実施形態で示したように、レジストローラ対17,18の駆動をON/OFFしてもよい。以下、給送ローラ6及び分離ローラ7の駆動のON/OFFする場合についても、単に給送ローラ6の駆動をON/OFFすると記載する。
図9は、本発明の第6実施形態に係るシート給送装置を適用可能なシート搬送装置(画像読取装置)の構成の一部を概略的に示す部分断面図である。なお、
図1等と同一のものには同一の符号を付してある。
【0066】
図9において、レジストローラ62、63で構成される第2レジストローラ対は、レジストローラ17、18で構成される第1レジストローラの下流側に配設されている。レジスト中センサ61は、第1レジストローラ対(17、18)の下流側で且つ、第2レジストローラ対(62、63)の上流側に配設され、搬送されるシートを検知する。レジスト後センサ33は、第2レジストローラ対(62、63)の下流側に配設され、搬送されるシートを検知する。
【0067】
図10は、第6実施形態におけるピックアップローラ、給送ローラ及びレジストローラ対の動作並びにレジスト前センサ及びレジスト中センサの検知状態の関係の一例を示すタイミングチャートである。
また、
図11~
図15は、第6実施形態におけるピックアップローラ、給送ローラ及びレジストローラ対の動作並びにレジスト前センサ及びレジスト中センサの検知状態の関係の一例を示す模式図である。なお、
図10の(0)~(11)と同一の状態には同一の符号を付してある。以下の一連の流れを説明する。
【0068】
まず、給送ローラ6及びレジストローラ(17、18、62、63)を駆動し(
図11(0))、ピックアップローラ4を接触位置に移動して(
図11(1))、特定時間(TD)経過後に回転し(
図11(2))、シートを給送ローラ6へ送り込む。シート先端がレジスト前センサ32に到達すると(
図11(3))、ピックアップローラ4を退避位置に移動し(
図12(4))回転を停止する(
図12(4)’)。そして、シート先端がレジスト中センサ61に到達すると(
図12(5))、給送ローラ6を停止する(
図12(6))。そして、シート後端がレジスト前センサ32を通過し(
図13(7))(その時刻を「t0」とする)、t1経過後(
図13(8))に給送ローラ6を回転する。その後、シート後端がレジスト中センサ61を通過する(
図13(8)’)。また、時刻t0からt2(好ましくはt2>t1+L/V1)経過後に(
図13(9))、ピックアップローラ4を接触位置に移動して(
図13(10))、特定時間(TD)経過後に回転し(
図14(11))、次のシートを給送ローラ6へ送り込む。なお、後述する
図18に示すように、給送ローラ6によるシートの搬送速度をV1、給送ローラ6からレジスト前センサ32までの距離をL1とすると、上述したt2は好ましくは「t2>t1+L/V1」である。
【0069】
なお、上述のt1経過後からt2経過するまでの間((8)から(9)まで)にレジスト前センサ32で次のシートの先端が検知された場合、ピックアップローラ4を接触位置に移動させることなく、(
図12(5))に示すようにシート先端がレジスト中センサ61に到達するのを待機する。以下、この例について
図15~
図17を用いて詳細に説明する。
図15~
図17は、第6実施形態におけるピックアップローラ、給送ローラ及びレジストローラ対の動作並びにレジスト前センサ及びレジスト中センサの検知状態の関係の一例を示す模式図であり、t2経過するまでの間にレジスト前センサ32で次のシートの先端が検知される場合に対応する。
【0070】
上述した
図11~
図14で示した例と同様に、
図15~
図17に示すように、まず給送ローラ6及びレジストローラ(17、18、62、63)を駆動し(
図15(0))、ピックアップローラ4を接触位置に移動して(
図15(1))、特定時間(TD)経過後に回転し(
図15(2))、1枚目のシートを給送ローラ6へ送り込む。1枚目のシート先端がレジスト前センサ32に到達すると(
図15(3))、ピックアップローラ4を退避位置に移動し(
図16(4))回転を停止する(
図16(4)’)。なお本例は、
図16に示すように、(4)の時点で、シート間の摩擦や静電気等により、1枚目のシートに連れられて2枚目のシートが給紙され、給送ローラ6のニップ部に到達している場合に対応する。ただし、分離ローラ7により1枚目のシートと2枚目のシートは分離され重送されないようになっている。その後、1枚目のシート先端がレジスト中センサ61に到達すると(
図16(5))、給送ローラ6を停止する(
図16(6))。さらに、1枚目のシート後端がレジスト前センサ32を通過し(
図17(7))(その時刻を「t0」とする)、t1経過後(
図17(8))に給送ローラ6を回転する。これにより、2枚目のシートの給送が給送ローラ6により開始される。その後、1枚目のシート後端がレジスト中センサ61を通過する(
図17(8)’)。さらに本例の場合、時刻t0からt2経過前に、レジスト前センサ32で2枚目のシートの先端が検知される(
図17(8)’’)。この場合、上述したように、ピックアップローラ4を接触位置に移動させることなく、(
図17(5))において2枚目のシート先端がレジスト中センサ61に到達するのを待機するように動作制御する。
【0071】
以上、
図10、
図11~
図14及び
図15~
図17に示したように、シートがレジスト中センサ61を通過してからシート後端がレジスト前センサ32を通過後に所定時間(t1)経過するまでの間、給送ローラ6を停止することで、先に給送されるシートと次に給送されるシートとの搬送間隔を開けることができる。これにより、先に給送されたシートの排紙速度が遅くなった場合でも、次に給送されるシートに追突される事を防止するだけのシート間隔を開けることができる。この場合、本例は一例であり、例えば、給送ローラ6を停止するタイミングとして、レジスト中センサ61にシート先端が到達した時刻から所定時間待ってから給送ローラ6を停止しても良く、所望のシート間隔が得られるタイミングで給送ローラ6を停止すれば良い。
【0072】
なお、給送ローラ6を停止しない構成の場合、シート後端がレジスト前センサ32を通過してからピックアップローラ4を接触位置に移動開始するまでの時間t2をt2’例えば「t2’>(L-V1×(L/V2))/V1」とし、上述した給送ローラ6を停止する構成の場合の「t2>t1+L/V1」より、少し短くすることが可能である。
図18は、給送ローラ6、レジスト前センサ
32及びレジストローラ17、18の位置並びに給送ローラ6の給送速度及びレジストローラの搬送速度の関係を説明する図である。
【0073】
給送ローラ6が常時回転している場合、ピックアップローラ4を後続のシートに降下させるまでの待ち時間の最低条件は以下のようになる。
1枚目のシートの給送に連れられて2枚目のシートが給送ローラ6まで到達している場合、1枚目のシートがレジスト前センサ33を抜けた時点で、2枚目のシートは給送ローラ6の位置から「V1×(L/V2)」だけ進んでいる位置に存在する。よって、その位置から2枚目のシートが給送速度V1でレジスト前センサ33の位置まで送られる時間「(L-V1×(L/V2))/V1」だけ待てば、上述の2枚目のシートは、レジスト前センサ33に到達するはずである。よって、この時間「(L-V1×(L/V2))/V1」を、ピックアップローラ4を後続のシートに降下させるまでの待ち時間の最低条件とすることができる。
【0074】
〔第7実施形態〕
上述した各実施形態では、ピックアップローラ4を接触位置に移動させ、特定時間(TD)待機した後にピックアップローラ4を回転させる構成について説明した。しかし、ピックアップローラ4が接触位置に移動してシートに接触した際にシートが搬送方向に押し出されて給送ローラ6まで到達する場合がある。例えば
図9に示した例では、ピックアップローラ4は、ピックアップローラ4よりも搬送方向の下流側に設けられたピックの回転中心64を中心に回動する構成のため、ピックアップローラ4がシートに接触した際にシートを搬送方向に押し出し易い構成になっている。この搬送方向に押し出されて給送ローラ6に接触したシートは給送ローラ6により搬送されるため、ピックアップローラ4を回転させて送り出す必要がない。本実施形態では、このような場合に、ピックアップローラ4を回転させることなく待機位置に戻すように構成する。以下、この本実施形態について詳細に説明する。
【0075】
図19、
図20は、第7実施形態における薄紙モードにおける制御動作の一例を説明するフローチャートである。これらのフローチャートに示す処理は、制御部900の図示しないCPUがROMに格納されたプログラムを実行することにより実現される。
【0076】
まず、
図19のフローチャートについて説明する。なお、
図19において、
図3と同一のステップには同一のステップ番号を付してあり、説明を省略する。
制御部900は、S104においてピックアップローラ4をシート取込位置に移動しシートに接触させた後、S116において、時間の測定を開始する(測定時間(TIME)=0)。
次にS117において、制御部900は、レジスト前センサ32をチェックし、レジスト前センサ32がシート先端を検知したか否かを判定する。レジスト前センサ32がシート先端を検知したと判定した場合(S117でYesの場合)、制御部900は、ピックアップローラ4の接触によりシートが押し出されて給送ローラ6により給送されたと判断し、S108に移行する。
【0077】
一方、レジスト前センサ32がシート先端を検知していないと判定した場合(S117でNoの場合)、制御部900は、S118に処理を進める。
S118において、制御部900は、測定時間(TIME)が後述する特定時間(TD)を超えたか否かを判定する。測定時間(TIME)が特定時間(TD)を超えていないと判定した場合(S118でNoの場合)、制御部900は、S117に処理を戻す。
【0078】
一方、測定時間(TIME)が特定時間(TD)を超えたと判定した場合(S118でYesの場合)、すなわち測定時間(TIME)が特定時間(TD)になってもレジスト前センサ32によりシート先端が検知されない場合、制御部900は、S119に処理を進める。
S119において、制御部900は、ピックアップローラ4を回転させる。これによって、ピックアプローラ4がシートを給送ローラ6へ給送する。
以下、
図3と同一の処理のため説明を省略する。
【0079】
次に、
図20のフローチャートについて説明する。なお、
図20において、
図6と同一のステップには同一のステップ番号を付してあり、説明を省略する。
また、
図20のS216~S219は、
図19のS116~S119と同様のため説明を省略する。
【0080】
図20に示すフローチャートにおいては、薄紙給送を開始した際に、1枚目については、開始直後にピックアップローラ4を取込位置に移動させることで、ピックアップローラ4を取込位置に移動させただけで、ピックアップローラ4を回転することなくレジスト前センサ32でシート先端を検知する場合にも対応できる。
【0081】
以上の処理により、ピックアップローラ4が接触位置に移動してシートに接触した際にシートが搬送方向に押し出されて給送ローラ6まで到達した場合、シートに当接しているピックアップローラ4を回転させるといった無駄な動作を省略するとともに、負荷に弱いシートへのダメージを抑えることができる。
【0082】
〔第8実施形態〕
次に、本発明の第8実施形態について説明する。第8実施形態では、光学センサを用いてシート積載台1上のシートの移動を検知する実施形態について説明する。光学センサとしては、例えばエリアイメージセンサを用いて対向面の移動量を検出可能なセンサなどが適用可能である。この光学センサは、所定時間ごとに対向面の画像を撮像してその画像における特徴点の移動量を算出することによって対向面の移動方向、移動速度を含んだ移動量を検出可能である。
図21は、本発明の第8実施形態に係るシート給送装置を備えるシート搬送装置(画像読取装置)の構成の一部を概略的に示す部分断面図である。なお、
図1等と同一のものには同一の符号を付してある。
【0083】
第8実施形態のシート搬送装置では、
図21に示すように、シート積載台1と対向する位置に、搬送されたシートの移動量を検知可能な光学センサ111が実装されている基板(光学センサ基板100)が、シート積載台1と平行に取り付けられている。すなわち、光学センサ111の撮像面がシート積載台1の表面(対向面)と略平行になるように取り付けられている。ここで、光学センサ111には、エリアイメージセンサ(例えばレーザ光源のトラッキングセンサ)等の撮像素子を使用する。光源部102は、半導体レーザやLEDで構成された光源部が発光し、該光源部が発光した光のシート表面における反射光を受光部が受光して光電変換する。なお、レーザ光源のトラッキングセンサは、レーザが撮像面のごく細部まで照らし出して正確なトラッキングを可能にするものであり、例えばマウス等に用いられている。なお、光学センサ111の撮像面がシート積載台1の表面と平行とは、光学センサ111が実装されている光学センサ基板100がシート積載台1の表面と平行であることと同義である。
【0084】
本実施形態においては、光学センサ111を撮像素子として用いて、搬送されるシートの画像を取得して、その画像情報に基づいて移動量を検知することで、シートの移動を検知する。光学センサ111は、シートが搬送される搬送路内における撮像基準面から所定距離離れるように配置されている。撮像基準面は、撮像素子である光学センサ111と対向する、光学センサ111による撮像の基準となる面であり、本実施形態では撮像対象物であるシートが搬送される搬送路(シート積載台1)の表面が撮像基準面として定められる。ただし、シートがシート積載台1に載置された状況においては、搬送されるシートの表面に相当する位置が撮像基準面となる。すなわち、シートを給送するときのシート積載台1の昇降範囲における最上位の位置でのシート積載台1の表面が概ね撮像基準面と一致する。光学センサ111を撮像基準面から所定距離D(
図21)離すことによって、シートの種類や光学センサ111が配置される位置に依らずにシートの画像を適切な間隔で取得することができる。従って、光学センサ111としては、所定距離D離れたシートに対し撮像焦点の合うものを用いることが好ましい。本実施形態においては、所定距離Dとして20mmから30mm程度、撮像基準面から光学センサ111を離して配置している。
【0085】
また、光学センサ111は、ピックアップローラ4とピックアップローラ駆動モータ5、給送ローラ6とニップ隙間調整モータ11、分離ローラ7と分離モータ9で構成される給紙ユニット部113の搬送路からの高さh(
図21)よりも低い位置に配置されている。光学センサ111は、給紙ユニット部の構成にて、筐体の高さ方向のサイズに影響を与えること無く配置可能である。
【0086】
また、本実施形態で用いる光学センサ111は、一般的には光学センサの受光面と原稿が互いに平行になっているときに、受光面と原稿が傾いているときに比べて撮像対象である原稿の移動速度がより速い領域まで追従できる特性になっている。そのため、上述したように、光学センサ111の撮像面(受光面)と原稿の表面は、互いに略平行になる様に配置されている。しかし、用いる光学センサ111の種類や特性、または装置の制約などによっては、光学センサ111の撮像面(受光面)と原稿の表面を略平行ではない様に配置してもよい。
【0087】
また、本実施形態では、光学センサ111でシートの画像を取得し、光学センサ111が実装される基板100に設けられたICによって所定の時間間隔ごとの画像(もしくは所定の移動量間隔に基づいた画像)を比較することによってシートの移動量を判定している。基板100に実装されるICが移動量検知部として動作している。ただし、光学センサ111によって取得した画像を外部装置に送信し、外部装置上で移動量の判定を行ってもよく、その場合、外部装置を含めて移動量検知部を構成していると言える。その場合、外部装置における移動量の判定を行っている部分を含めて本実施形態におけるシート搬送装置を構成していることとなる。
【0088】
なお、
図21に示すように、シート積載台1には、搬送方向に対する幅方向の両端側にそれぞれ移動可能な規制部材51が設けられており、シートの幅方向を規制している。規制部材51を幅方向に移動して搬送するシートの幅に合わせることによって、搬送中にシートが斜行することを防止できる。なお、光学センサ111を規制部材51に対して取り付けてもよく、本体の外装に取り付けてもよい。
【0089】
上述した移動量検知部は、光学センサ111によりエリアイメージを取得して、不図示のA/D変換部でデジタル信号に変換して得られた画像を、順次比較しながら撮像対象物(本実施形態の場合は「シート」)の移動量または移動方向を検知する。本実施形態では、1つの光学センサでシートの搬送状態を検知可能であるため、装置の大型化やコストアップをすることなく装置を提供できる。
【0090】
ここで、シート積載台1に載置されたシート束を連続して1枚ずつ給紙する場合を想定し、次に給紙ユニット部113へと搬送されるシートの位置について説明する。
図21において、本来であれば一点鎖線の位置にあるシートが、直前のシートが搬送されるときに、直前のシートと次のシートの表面間に生じる摩擦力によって、載置された位置よりも給紙ユニット部113側に移動することがある(点線の位置)。その場合、光学センサ111が撮像する領域内L(
図21)において本シート搬送装置が搬送可能な最小サイズのシートの少なくとも一部が撮像されていれば、全てのシート種に対して、光学センサ111によりシートの移動を検知可能である。
【0091】
図21においては、点線で示す位置にある最小サイズのシート、すなわち、先行するシートとの摩擦によって給紙ユニット部113内部へ進入して分離ローラ対42の直前の搬送路に先端が当接する位置にある最小サイズのシートの後端が、光学センサ111の撮像領域L内に含まれる位置に光学センサ111を配置している。なお、最小サイズのシートは、装置によって異なるが、名刺サイズなどが挙げられる。例えば名刺サイズ等のシートを搬送可能なシート搬送装置の場合、光学センサ111は、ピックアップローラ4に近接した位置に配置され、場合によっては分離ローラ対(6,7)より搬送方向に対して上流側の給紙ユニット部113内部に設けられてもよい。例えば
図9の65として図示する位置に、光学センサ111を設けてもよい。すなわち、シート積載台1に載置されたシート束を、搬送路の上流に設けられているシート給紙口に連続搬送するときに、光学センサ111から搬送路のシート先端が分離ローラ対のニップ部に当接する位置までの距離が、最小サイズのシートの長さよりも短くなるような位置、
図21においては点線で示すシートの後端を撮像可能な位置に光学センサ111を設けることで、搬送するシートの後端を撮像して移動量の検出が可能となる。具体的な光学センサ111の配置としては、シート積載台1におけるシートが積載される位置の先端よりもわずかに上流である。つまり、シート積載台1先端側でシート積載台1と対向する位置である。より好ましくは、
図21に示すように、光学センサ111をピックアップローラ4より上流側の位置に配置する。なお、光学センサ111を、ピックアップローラ4や給送ローラ6を有する給紙ユニット部113の高さよりも低く配置することで、装置本体の大型化を抑えることができる。
【0092】
以下、
図22を参照して、第8実施形態の制御部900にて行われるピックアップローラ4の制御動作の一例を説明する。
図22は、第8実施形態の制御部900にて行われる、薄紙モードにおける制御動作の一例を説明するフローチャートである。すなわち、このフローチャートに示す処理は、制御部900の図示しないCPUがROMに格納されたプログラムを実行することにより実現される。なお、薄紙モードは、図示しない操作部、又は、シート搬送装置200と通信可能に接続される情報処理装置(パーソナルコンピュータ等)から設定可能である。
【0093】
制御部900は、薄紙モードの給送動作を開始すると、給送ローラ6を駆動させ、時間の測定を開始する(測定時間(TIME)=0)(S1)。
次にS2において、制御部900は、光学センサ111によりシートの移動を検知したかどうかを判定する。
【0094】
シートの移動を検知していないと判定した場合(S2でNoの場合)、制御部900は、S3に処理を進める。
S3において、制御部900は、測定時間(TIME)が特定時間(TS)を超えたか否かを判定する。測定時間(TIME)が特定時間(TS)を超えていないと判定した場合(S3でNoの場合)、制御部900は、S2に処理を戻す。
【0095】
一方、測定時間(TIME)が特定時間(TS)を超えたと判定した場合(S3でYesの場合)、すなわち測定時間(TIME)が特定時間(TS)になっても光学センサ111によりシートの移動が検知されない場合、制御部900は、S4に処理を進める
【0096】
S4において、制御部900は、ピックアップローラ4をシート取込位置に移動しシートに接触、回転させる。これによって、ピックアプローラ4がシートを給送ローラ6へ給送する。なお、薄紙モードの場合には、シート接触後、特定時間(TD)経過後にピックアップローラ4を回転させるが、薄紙モードでない場合には、シート接触前からピックアップローラ4を回転させていてもよい。また、図示しないが、上述した第7実施形態で説明したように、特定時間(TD)経過前に光学センサ111でのシート移動検知又はレジスト前センサ32でのシート先端の検知があった場合には、ピックアップローラ4を回転させることなく、退避位置に戻すようにしてもよい。
【0097】
次にS5において、制御部900は、再び時間の測定を開始する(測定時間(TIME)=0)。
そしてS6において、制御部900は、光学センサ111によりシートの移動を検知したかどうかを判定する。
【0098】
シートの移動を検知していないと判定した場合(S6でNoの場合)、制御部900は、S7に処理を進める。
S7において、制御部900は、測定時間(TIME)がエラー時間(TE)を超えたか否かを判定する。測定時間(TIME)がエラー時間(TE)を超えていないと判定した場合(S7でNoの場合)、制御部900は、S6に処理を戻す。
【0099】
一方、測定時間(TIME)がエラー時間(TE)を超えたと判定した場合(S7でYesの場合)、制御部900は、S8に処理を進める。すなわち、ピックアップローラ4を取込位置に移動して回転させたにも拘らず、エラー時間になってもシート先端が検知されない、すなわち、シートの給送エラー(例えばジャムの発生)であると判定する。
S8において、制御部900は、ピックアップローラ4を退避位置に移動して停止させ、本フローチャートの処理をエラー終了する。
【0100】
一方、上記S6において、シートの移動を検知したと判定した場合(S6でYesの場合)、制御部900は、S9に処理を進める。
S9において、制御部900は、レジスト前センサ32をチェックし、レジスト前センサ32がシート先端を検知したか否かを判定する。レジスト前センサ32がシート先端を検知していないと判定した場合(S9でNoの場合)、制御部900は、S9の判定処理を繰り返す。この時、測定時間(TIME)がエラー時間(TE)を検知した場合にS8に移行するように構成しても良い。
一方、レジスト前センサ32がシート先端を検知したと判定した場合(S9でYesの場合)、制御部900は、S10に移行する。
S10において、制御部900は、ピックアップローラ4を退避位置に移動して停止させ、S12に移行する。
【0101】
また、上記S2において、シートの移動を検知したと判定した場合(S2でYesの場合)、制御部900は、ピックアップローラ4をシート取込位置に移動せず退避位置のままにし、S11に処理を進める。
S11において、制御部900は、レジスト前センサ32をチェックし、レジスト前センサ32がシート先端を検知したか否かを判定する。レジスト前センサ32がシート先端を検知していないと判定した場合(S11でNoの場合)、制御部900は、S11の判定処理を繰り返す。この時、測定時間(TIME)がエラー時間(TE)を検知した場合にS8に移行するように構成しても良い。
一方、レジスト前センサ32がシート先端を検知したと判定した場合(S11でYesの場合)、制御部900は、S12に移行する。
【0102】
S9又はS11においてレジスト前センサ32にシートの先端が検知されたと判定した場合、制御部900は、S12において、画像読取センサ14、15に対し画像の読み取り指示を出し、画像読取センサ14、15によるシートの読取動作が行われる。その間、制御部900は、レジスト前センサ32によりシートの後端を検知したかどうかを判定する(S13)。レジスト前センサ32がシート後端を検知していないと判定した場合(S13でNoの場合)、制御部900は、S12に処理を戻す。
【0103】
一方、レジスト前センサ32がシート後端を検知したと判定した場合(S13でYesの場合)、制御部900は、S14に処理を進める。
S14において、制御部900は、シート積載台1にシートがあるか否かをチェックする。シート積載台1にシートがあると判定した場合(S14でYesの場合)、すなわち次のシートがある場合、制御部900は、S1に処理を戻し、次のシートの給紙のための時間の測定を開始する。
一方、シート積載台1にシートがないと判定した場合(S14でNoの場合)、すなわち次のシートがない場合、制御部900は、本フローチャートの処理を終了する。
【0104】
図23は、第8実施形態におけるレジスト前センサ32と光学センサ111、そしてピックアップローラ4の動作の一例を示すタイミングチャートである。なお、光学センサ111のONとは、光学センサ111から制御部900に入力されるシート移動量が閾値を超える場合を意味する。一方、光学センサ111のOFFとは、光学センサ111から制御部900に入力されるシート移動量が閾値を超えていない場合を意味する。また、上述の閾値を超えること以外にも、例えば同じ移動方向に所定時間継続して移動(所定時間内の一方向への移動量が所定値以上)すること等を、光学センサ111のONとしてもよい。
【0105】
図23(a)は、測定時間(TIME)が所定時間(TS)を超えても(TIME>TS)、光学センサ111がシートの移動を検知しない場合の例に対応する。この場合、ピックアップローラ4が接触位置に移動(降下)してからピックアップローラ4を回転して、シートを分離ローラ対のニップ部へ送り込む。これにより、ピックアップローラ4の接触圧により惹起されるジャムの発生を防止する。
図23(a)においては、ピックアップローラ4の回転駆動のタイミングについては図示を省略し、ピックアプローラ4を降下した時点で光学センサ111がONになるように簡略化して表示している。
【0106】
図23(b)は、測定時間(TIME)が所定時間(TS)内にあるとき(TIME<TS)、光学センサ111がシートの移動を検知した場合の例に対応する。この場合、ピックアップローラ4は接触位置に移動(降下)せず退避位置に留まったまま(上昇したまま)となる。このため、ピックアップローラ4により惹起されるジャムが生じない。
【0107】
なお、給送ローラ6及び分離ローラ7よりも搬送路の上流側に光学センサ111を配置することにより、ピックアップローラ4を降下させるか否かの判定を行うまでの時間を短縮することができる。例えば、
図21に示すように、ピックアップローラ4を降下させるか否かの判定を行うためにシート移動量を検知する光学センサ111を、搬送路の最上流にあるピックアップローラ4より上流側に配置することにより、ピックアップローラ4を降下させるか否かの判定を行うまでの時間を短縮することができる。つまり、所定時間経過しても光学センサ111でシートの移動が検知できない場合に、早期にピックアップローラ4を降下させることができる。これにより、所定時間内に搬送できるシートの枚数の減少を抑制することができる。
【0108】
一例として、光学センサ111を、シート積載台1に積載される最小サイズのシートが分離ローラ7によって分離されている状態で先行するシートの後端がレジスト前センサ32を通過した時点で、最小サイズのシートの移動量を検出可能な位置に配置することで、先行するシートの後端がレジスト前センサ32を通過した時点で光学センサ111によってシートの移動を検知したかどうかを判定することができ、ピックアップローラ4を降下させるか否かの判定を行うまでの時間をなくすこともできる。
【0109】
また、上述したように、光学センサ111はシートの移動量を検知することで、シートの回転等も検知可能である。よって、光学センサ111によりシートの移動量を検知し、該検知したシートの移動量からシートの搬送状態、つまりシートの搬送の不良を検知することができる。ここで言う搬送の不良とは、原稿搬送部(例えば給送ローラ6)にて原稿が搬送された時点でシートが斜行して搬送されたり、分離ローラ7に対してステープルなどによって綴じられたシートが搬送されて、分離する作用が働くものの実際にはシートの分離ができない状況を指す。
【0110】
いずれのケースにおいても、搬送の不良が起きた状態でシートの搬送を続けると、シートを損傷することになってしまう。このため、本実施形態のように給送ローラ6及び分離ローラ7よりも搬送路の上流側に光学センサ111を配置して、搬送の不良を早期に検知して搬送制御を行うことによって、シートの損傷を防止することができる。具体的には、搬送の不良を検知した場合に、シート搬送部による搬送を停止または減速するなどの制御を行う。加えて、搬送の不良を検知したことを報知して使用者に通知してもよい。
【0111】
以上のように、装置本体における給送ローラ6よりも搬送路の上流側に光学センサ111を配置している。特に
図21では、装置本体におけるピックアップローラ4よりも搬送路の上流側に光学センサ111を配置している。この位置に配置すれば、シートの搬送を開始してからすぐに搬送の不良が起きた場合に、光学センサ111にて早期に不良の発生を検知できる。また、ピックアップローラ4や給送ローラ6に近い位置であるため、小さい原稿に対しても良好に原稿の移動を検知できる。
また、シートの搬送状態の検知とピックアップローラ4の上下動作の判定を1つの光学センサ111で行うため、装置の大型化やコストアップをすることなく装置を提供できる。
【0112】
本実施形態によれば、ピックアップローラによるシートの搬送回数を可能な限り抑えることで、ピックアップローラの摩耗を抑えることができる。さらに、シート移動検知部を分離給送部の上流側に配置することで、所定時間内に搬送できるシートの枚数の減少を抑制することができる。また、ピックアップローラによって惹起されるジャムを生じ難くすることができる。
【0113】
〔第9実施形態〕
概略構成は上述した第8実施形態と同様である。従って、第9実施形態の詳細について第8実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図24は、第9実施形態に係る光学センサ111付近の構成を概略的に示す模式図である。
第9実施形態では、
図24に示すように、光学センサ111が受光する光量を増加させる目的で、光学センサ111とは別に光源部102を設ける。光源部102は、半導体レーザやLEDで構成された光源部である。なお、本実施形態においては、光学センサ111とは別のデバイスとして光源部102を設けたが、光学センサ111と光源部102が1つのデバイスになった構成でもよい。
【0114】
本実施形態では、ユニットとして発光部と受光部とが組み込まれた光学センサ111とは別に、より詳しくは、光学センサ111からの照射方向とは別の方向から光を照射可能なように配置された光源部102によって発光された光が、シート部表面で反射する。この反射光が光学センサ111に入射することにより、光学センサはシート表面部を撮像する。さらに、光学センサ111の前にレンズ103を配置してより効率良く光を光学センサ111に集光させる構成にしてもよい。
【0115】
以上、第9実施形態によれば、1つの光学センサでシートの搬送状態を検知することにより、装置の大型化やコストアップすることなくシート搬送装置を提供できる。
【0116】
なお、光学センサ111を設ける代わりに、分離ローラ対(7,8)のニップ位置直後にレジスト前センサ32を設ける構成でもよい。
また、上記各実施形態では、ピックアップローラ4の待機位置と接触位置の移動により(昇降により)、ピックアップローラ4の原稿積載台1上のシートへの接触の有無を切り換える構成について説明した。しかし、ピックアップローラ4の昇降(移動)の代わりに、原稿積載台1を昇降させて、ピックアップローラ4と原稿積載台1上のシートとの接触の有無を切り換えるように構成してもよい。
以上、本発明のシート搬送装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をすることができる。
【0117】
以上示したように、各実施形態によれば、給紙するシートが腰の弱い薄紙等であっても、給紙の際のジャムを生じ難くすることができる。
【0118】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されていてもよい。
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
また、上記各実施形態を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0119】
〔その他の実施形態〕
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。即ち、上述した各実施形態及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0120】
1 シート積載台
4 ピックアップローラ
6 給送ローラ
7 分離ローラ
17、18、62、63 レジストローラ
32 レジスト前センサ
61 レジスト中センサ
100 光学センサ基板
111 光学センサ
113 給紙ユニット部