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特許7292806タイヤ周囲の流体解析方法、タイヤ周囲の流体解析システム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-09
(45)【発行日】2023-06-19
(54)【発明の名称】タイヤ周囲の流体解析方法、タイヤ周囲の流体解析システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/23 20200101AFI20230612BHJP
   B60C 19/00 20060101ALI20230612BHJP
   G06F 30/10 20200101ALI20230612BHJP
   G01M 17/02 20060101ALI20230612BHJP
   G01M 9/06 20060101ALI20230612BHJP
   G06F 119/14 20200101ALN20230612BHJP
   G06F 113/08 20200101ALN20230612BHJP
【FI】
G06F30/23
B60C19/00 H
G06F30/10
G01M17/02
G01M9/06
G06F119:14
G06F113:08
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2019184739
(22)【出願日】2019-10-07
(65)【公開番号】P2021060820
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2022-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】TOYO TIRE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】余合 勇人
【審査官】堀井 啓明
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-197066(JP,A)
【文献】特開2010-224648(JP,A)
【文献】特開2006-199155(JP,A)
【文献】特開2019-23586(JP,A)
【文献】特開2013-216269(JP,A)
【文献】特開2013-88871(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/00-30/28
B60C 19/00
G01M 17/02
G01M 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数のプロセッサが実行する方法であって、
所定荷重、所定内圧及び所定回転速度を含む解析条件のもとで、接地面に形成された溝を有するタイヤを複数の要素及び節点で表現した第1モデルを転動させ、路面との接触に起因する前記第1モデルの変形を数値計算により算出することと、
前記第1モデルにおける溝を含むタイヤ外表面を構成する複数の面に対して、所定の結合条件に合致する2つ以上の連続する面を1つのグループ面とするグループ化処理を実行することと、
各々の前記グループ面を構成する最も外側の辺同士の交点にある第1節点と、グループ化されていない各々の面を構成する第2節点との変位に関する時系列データを前記第1モデルの変形演算結果から取得することと、
タイヤ外表面と路面とを含むタイヤ周囲空間を複数の計算格子セルで表した第2モデルを用い、前記時系列データにおける前記第1節点及び前記第2節点を制御点として前記計算格子セルの位置を変更しつつ前記計算格子セル毎に流体の物理量を演算する流体解析演算を実行することと、
を含む、タイヤ周囲の流体解析方法。
【請求項2】
前記タイヤ外表面を構成する各々の面は、第1面群又は第2面群のいずれかに属し、
タイヤ軸を中心として回転対称となる外表面は、前記第1面群に属し、
タイヤ軸を中心として回転対称とならない外表面は、前記第2面群に属し、
前記グループ化処理は、前記第1面群に属する面に対して実行され、前記第2面群に属する面に対して実行されない、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記路面と接触する候補である節点で構成される接触面と、前記溝を形成する溝壁面とは、前記第2面群に属する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記タイヤは、前記溝を複数有し、
前記複数の溝の底を結ぶ仮想線よりもタイヤ径方向外側にある外表面は、前記第2面群に属する、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記接地面及び前記溝を有するトレッド部として定義された部材の外表面は、前記第2面群に属し、
前記トレッド部よりもタイヤ径方向内側にあるボディ部として定義された部材の外表面は、前記第1面群に属する、請求項2~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記所定の結合条件は、互いに隣接する面同士が平行であること、又は、互いに隣接する面同士が平行状態に対して所定角度内にあることのいずれかを含む、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記第1モデルは、前記溝を形成する溝壁面に包囲される溝空間に配置される溝空間要素を有し、
前記時系列データを取得することは、前記第1節点と、前記第2節点と、前記溝空間要素を構成する全節点のうちの少なくとも一部の第3節点との変位に関する時系列データを前記第1モデルの変形演算結果から取得し、
前記流体解析演算を実行することは、前記時系列データにおける前記第1節点、前記第2節点及び前記第3節点を制御点とする、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記溝空間要素のヤング率は、前記接地面を形成する要素に設定されるヤング率の1/10000以上且つ1/1000以下に設定されると共に、前記溝空間要素のポアソン比が0±0.01に設定されている、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
所定荷重、所定内圧及び所定回転速度を含む解析条件のもとで、接地面に形成された溝を有するタイヤを複数の要素及び節点で表現した第1モデルを転動させ、路面との接触に起因する前記第1モデルの変形を数値計算により算出する構造計算部と、
前記第1モデルにおける溝を含むタイヤ外表面を構成する複数の面に対して、所定の結合条件に合致する2つ以上の連続する面を1つのグループ面とするグループ化処理を実行するグループ化処理実行部と、
各々の前記グループ面を構成する最も外側の辺同士の交点にある第1節点と、グループ化されていない各々の面を構成する第2節点との変位に関する時系列データを前記第1モデルの変形演算結果から取得する時系列データ取得部と、
タイヤ外表面と路面とを含むタイヤ周囲空間を複数の計算格子セルで表した第2モデルを用い、前記時系列データにおける前記第1節点及び前記第2節点を制御点として前記計算格子セルの位置を変更しつつ前記計算格子セル毎に流体の物理量を演算する流体解析演算を実行する流体計算部と、
を備える、タイヤ周囲の流体解析システム。
【請求項10】
前記タイヤ外表面を構成する各々の面は、第1面群又は第2面群のいずれかに属し、
タイヤ軸を中心として回転対称となる外表面は、前記第1面群に属し、
タイヤ軸を中心として回転対称とならない外表面は、前記第2面群に属し、
前記グループ化処理は、前記第1面群に属する面に対して実行され、前記第2面群に属する面に対して実行されない、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記路面と接触する候補である節点で構成される接触面と、前記溝を形成する溝壁面とは、前記第2面群に属する、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記タイヤは、前記溝を複数有し、
前記複数の溝の底を結ぶ仮想線よりもタイヤ径方向外側にある外表面は、前記第2面群に属する、請求項10又は11に記載のシステム。
【請求項13】
前記接地面及び前記溝を有するトレッド部として定義された部材の外表面は、前記第2面群に属し、
前記トレッド部よりもタイヤ径方向内側にあるボディ部として定義された部材の外表面は、前記第1面群に属する、請求項10~12のいずれかに記載のシステム。
【請求項14】
前記所定の結合条件は、互いに隣接する面同士が平行であること、又は、互いに隣接する面同士が平行状態に対して所定角度内にあることのいずれかを含む、請求項9~13のいずれかに記載のシステム。
【請求項15】
前記第1モデルは、前記溝を形成する溝壁面に包囲される溝空間に配置される溝空間要素を有し、
前記時系列データ取得部は、前記第1節点と、前記第2節点と、前記溝空間要素を構成する全節点のうちの少なくとも一部の第3節点との変位に関する時系列データを前記第1モデルの変形演算結果から取得し、
前記流体計算部は、前記時系列データにおける前記第1節点、前記第2節点及び前記第3節点を制御点とする、請求項9~14のいずれかに記載のシステム。
【請求項16】
前記溝空間要素のヤング率は、前記接地面を形成する要素に設定されるヤング率の1/10000以上且つ1/1000以下に設定されると共に、前記溝空間要素のポアソン比が0±0.01に設定されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
請求項1~8のいずれかに記載の方法を1又は複数のプロセッサに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、タイヤ周囲の流体解析方法、タイヤ周囲の流体解析システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、タイヤ周囲の流体(空気、水など)によるノイズ性能、排水性能、空気抵抗などの性能を評価するために、タイヤ周囲の流体解析シミュレーションが提案されている。シミュレーションにおいて、流体が定義される流体領域は、タイヤモデルの接地形状に応じて設定する必要がある。特許文献1には、構造計算によりタイヤ変形及び回転によるタイヤモデルの節点の変位に関する時系列データを取得し、この時系列データを流体解析モデルの計算格子セルの変形に用いて流体解析演算を実行することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-197066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
流体解析演算には時間がかかるため、更なる高速化が求められる。
【0005】
本開示は、計算時間を短縮可能なタイヤ周囲の流体解析方法、タイヤ周囲の流体解析システム及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のタイヤ周囲の流体解析方法は、1又は複数のプロセッサが実行する方法であって、所定荷重、所定内圧及び所定回転速度を含む解析条件のもとで、接地面に形成された溝を有するタイヤを複数の要素及び節点で表現した第1モデルを転動させ、路面との接触に起因する前記第1モデルの変形を数値計算により算出することと、前記第1モデルにおける溝を含むタイヤ外表面を構成する複数の面に対して、所定の結合条件に合致する2つ以上の連続する面を1つのグループ面とするグループ化処理を実行することと、各々の前記グループ面を構成する最も外側の辺同士の交点にある第1節点と、グループ化されていない各々の面を構成する第2節点との変位に関する時系列データを前記第1モデルの変形演算結果から取得することと、タイヤ外表面と路面とを含むタイヤ周囲空間を複数の計算格子セルで表した第2モデルを用い、前記時系列データにおける前記第1節点及び前記第2節点を制御点として前記計算格子セルの位置を変更しつつ前記計算格子セル毎に流体の物理量を演算する流体解析演算を実行することと、を含む。
【0007】
この構成によれば、所定の結合条件に合致する2つ以上の連続する面を1つのグループ面とする。グループ面を構成する全ての節点のうち最も外側の辺同士の交点にある第1節点を制御点として用いるので、グループ面を構成する全ての節点を制御点とする場合に比べて制御点の数を減らすことができ、計算格子セルの変形処理の計算コストが減少し、計算時間を短縮可能となる。また、所定の結合条件によって計算精度の悪化又は計算破綻を抑制できる場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示のタイヤ周囲の流体解析システムを示すブロック図
図2A】タイヤ有限要素法モデルの例を示す斜視図
図2B】溝空間要素付きタイヤ有限要素法モデルを示す斜視図
図3】タイヤ有限要素法モデルの溝断面を示す模式図、及び溝空間要素付きのタイヤ有限要素法モデルの溝断面を示す模式図
図4】グループ化処理に関する説明図
図5】グループ化処理における結合条件に関する説明図
図6】接地転動解析に関する説明図、及び溝空間要素のみを示す図
図7】タイヤ周囲の流体解析モデルの例を示す図
図8図7における要部を示す拡大図
図9】グループ化処理後のメッシュモーフィング処理に関する説明図
図10】グループ化処理しない場合のメッシュモーフィング処理に関する説明図
図11】グループ化処理前の面及びグループ化後の面を示す図
図12】第1面群と第2面群に属する面を示すタイヤ子午線端面図
図13】第1面群と第2面群に属する面を示すタイヤ子午線端面図
図14】本開示に係る流体解析方法を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0010】
[タイヤ周囲の流体解析システム]
本実施形態に係る流体解析システム1は、タイヤ周囲の流体の挙動をシミュレーションする。具体的に、図1に示すように、流体解析システム1は、メモリ1aと、構造計算部12と、グループ化処理実行部11と、時系列データ取得部13と、流体計算部14と、を有する。流体解析システム1は、更に、モデル生成部10を有してもよい。これら各部10~14は、プロセッサ1b、メモリ1a、各種インターフェイス等を備えたコンピュータ等の情報処理システムにおいてプロセッサ1bが予め記憶されている図14の処理ルーチンを実行することによりソフトウェア及びハードウェアが協働して実現される。
【0011】
図1に示すメモリ1aは、接地転動解析に用いる溝空間要素付きタイヤ有限要素法モデルM2を記憶する。溝空間要素付きタイヤ有限要素法モデルM2は、図2Bに示すように、タイヤを複数の要素及び節点で表現したタイヤ有限要素法モデルM2であって、接地面に形成された溝20と、溝20を形成する溝壁面に包囲される溝空間に配置される溝空間要素30と、を有する。溝空間要素30は、溝20を形成する溝壁面に結合して、転動により剥離しないように設定してある。溝空間要素付きタイヤ有限要素法モデルM2は、図2Aに示すトレッドパターン(溝20)を有するタイヤ有限要素法モデルM1に、溝空間要素30を設けたモデルである。溝20は、タイヤ周方向に延びる主溝、タイヤ周方向に交差する横溝など複数存在する場合が多い。図2Bに示す例では、全ての溝に溝空間要素30を設定しているが、全ての溝に設定しなくてもよく、所望の一部の溝のみに溝空間要素30を設定すればよい。例えば、周方向に交差する横溝であって溝幅が一定以下である溝(スリット、サイプ)のみに溝空間要素30を設定することが挙げられる。本実施形態では、溝空間要素付きタイヤ有限要素法モデルM2をシミュレーションの対象としているが、シミュレーションの対象をタイヤ有限要素法モデルM1とし、タイヤ有限要素法モデルM1をメモリ1aに記憶するようにしてもよい。
【0012】
図3の上部は、タイヤ有限要素法モデルM1の溝断面を示す模式図である。溝20を形成する溝壁面21が複数の節点P0(図中では丸で示す)で表されている。溝20以外のタイヤ外表面22(図3では接地面)が複数の節点P0で表されている。図3の下部は、溝空間要素付きのタイヤ有限要素法モデルM2の溝断面を示す模式図である。溝空間要素30が複数の節点P3(図中では三角で示す)で表されている。溝壁面21においては、タイヤ外表面(溝壁面21、接地面22)を構成する節点P0と共に、溝空間要素30を構成する節点P3が設定されている。
【0013】
本実施形態では、モデル生成部10を設けている。図2Aに示す一般的なタイヤ有限要素法モデルM1を生成又は外部から取得し、その後、モデル生成部10が、タイヤ有限要素法モデルM1の所定の溝に溝空間要素30を挿入することで溝空間要素付きタイヤ有限要素法モデルM2を生成する。なお、本実施形態では、モデル生成部10を設けているが、溝空間要素付きタイヤ有限要素法モデルM2が得られれば、モデル生成部10は省略可能である。また、シミュレーションの対象をタイヤ有限要素法モデルM1とする場合には、タイヤ有限要素法モデルM1が得られればモデル生成部10は省略可能である。
【0014】
溝空間要素30の物性は任意に設定可能であるが、次のように設定するのが好ましい。溝空間要素30のヤング率は、接地面を形成する要素に設定されるヤング率の1/10000以上且つ1/1000以下に設定されると共に、溝空間要素30のポアソン比が0±0.01に設定されている。ヤング率が小さければ溝空間要素が溝の変形を阻害しないので、タイヤの接地及び転動解析に与える影響を低減又は無くすることが可能となる。ヤング率が或る程度小さくなれば、溝変形を阻害しない効果が頭打ちとなる。接地面を形成するトレッド部の要素に対して1/1000以下とすれば、精度に与える影響を無視できる。また、溝空間要素のポアソン比を0±0.01としているのは、ポアソン比が0であれば、溝の変形に伴って単純に体積変化するので、ポアソン比0が一番好ましい。得られる歪みのレベルを考慮すれば、誤差±0.01程度であれば、精度に影響を与えないと考えられる。
【0015】
図1に示す構造計算部12は、予め定められた所定荷重、所定内圧及び所定回転速度を含む解析条件のもとで、メモリ1aに記憶される溝空間要素付きタイヤ有限要素法モデルM2を図6上部に示すように転動させ、路面との接触に起因するモデルM2の変形を数値演算により算出する。具体的には、タイヤモデルM2をリム組みして、内圧を付与し、路面に押しつけて回転させる。図6下部は溝空間要素30のみを表示した図である。モデルM2の変形には、溝壁を含むタイヤ外表面だけでなく、溝空間要素30の変形も含まれる。この転動解析によって、路面との接触により生じる接地圧力が算出され、その圧力値によるタイヤ(溝20及び溝空間要素30)の変形が時間軸に沿って算出される。この転動解析は、詳細な説明を省略する。本実施形態では、シミュレーションの対象が溝空間要素付きタイヤ有限要素法モデルM2であるが、溝空間要素30のないタイヤ有限要素法モデルM1をシミュレーションの対象としてもよい。
【0016】
図1に示すグループ化処理実行部11は、溝空間要素付きタイヤ有限要素法モデルM2における溝を含むタイヤ外表面を構成する複数の面に対して、所定の結合条件に合致する2つ以上の連続する面を1つのグループ面とするグループ化処理を実行する。本実施形態における所定の結合条件は、図5に示すように、互いに隣接する面同士(F01、F02)が平行であること、又は、互いに隣接する面同士(F02、F03)が平行状態に対して所定角度θ1内にあることのいずれかを含む。図5は、互いに隣接する面同士(F01、F02)[F02、F03]の間にある辺(S01)[S02]に直交する断面を示す。図4及び図5において、複数の面(F01~07)が平坦面であり、境界線となる辺(S01,S02,…)が直線である例を示しているが、これに限定されず、曲面であってもよい。面を構成する辺は、曲面であってもよい。所定角度θ1は、10度以下に設定されることが精度を確保するために好ましい。面同士の比較であっても辺に直交する断面において角度比較により判定可能である。
【0017】
グループ化処理実行部11は、所定の結合条件に合致する面の組み合わせがなくなるまで繰り返し実行する。図4の例では、2つ以上の連続する面F01,F02,F03,F04が1つのグループ面G01と判定されている。面F05,F06,F07,F08はそれぞれ所定の結合条件に合致せずに、グループ化されていない。
【0018】
図1に示す時系列データ取得部13は、流体解析演算で用いる流体解析モデルを変形するための時系列データをモデルM2の変形演算結果から取得する。時系列データ取得部13は、第1節点データ取得部13aと、第2節点データ取得部13bと、第3節点データ取得部13cと、節点座標取得部13dと、変位ベクトル算出部13eと、を有する。第3節点データ取得部13cは省略可能である。
【0019】
第1節点データ取得部13aは、時系列データとして、図4に示すように、各々のグループ面(G01)を構成する最も外側の辺同士(S11,S12,S13,S14)の交点にある第1節点P1の変位に関するデータを取得する。第1節点は、グループ面(G01)を表すのに必要な最低限の節点であり、グループ面の頂点にある節点であり、グループ面の内部の節点が除去されている。第2節点データ取得部13bは、時系列データとして、図4に示すように、グループ化されていない各々の面(F05,F06,F07,F08)を構成する第2節点P2の変位に関するデータを取得する。
【0020】
時系列データは、シミュレーション上の単位時間の経過による第1節点P1及び第2節点P2の変位に関するデータである。タイヤ外表面を構成する第1節点P1及び第2節点P2の変位には、タイヤ側面、タイヤ接地面、及び溝壁面を含むタイヤ全ての外表面の接地による変形と、回転による位置の移動と、が含まれる。いいかえれば、時系列データは、溝20を含むタイヤ表面がどのように動いていくかを表すデータである。
【0021】
第3節点データ取得部13cは、時系列データとして、図3に示す溝空間要素30を構成する全節点のうちの少なくとも一部の第3節点P3の変位に関するデータを取得する。溝変形による計算破綻の課題に対応しない場合には、第3節点データ取得部13cを設けずに、時系列データに、第3節点P3の変位に関するデータを含めなくてもよい。勿論、第3節点P3として、溝空間要素30を構成する全ての第3節点P3の変位に関するデータを時系列データに含めれば、制御点としての節点数が増えるので計算格子セルの品質を向上させて計算破綻を抑制する効果を高めることが可能となる。
【0022】
本実施形態では、節点座標取得部13dは、モデルM2の変形演算結果から、第1節点P1、第2節点P2及び第3節点P3の座標を単位時間毎に取得する。変位ベクトル算出部13eは、座標履歴を抽出した全節点について、単位時間前後の座標に基づき変位ベクトルを単位時間毎に算出する。変位ベクトルは、次の式(1)で表される。
【数1】
ここで、Vはベクトルを示し、tは単位時間を表すタイムステップ番号であり、coodは座標を示し、x、y、zはそれぞれ方向成分を示す。
なお、本実施形態では、節点の変位に関する時系列データが上記の変位ベクトルであるとしているが、変位に関するデータであれば、これに限定されず、表現方法は種々変更可能である。
【0023】
図1に示す流体計算部14は、流体解析モデルと前記時系列データを用いて流体解析演算を実行する。具体的には、流体計算部14は、流体解析モデルを用い、前記時系列データにおける第1節点P1、第2節点P2及び第3節点P3を制御点として計算格子の位置を変更しつつ計算格子セル毎に流体の物理量を演算する流体解析演算を実行する。言い換えれば、溝とタイヤ表面がどのように動いていくかを表す時系列データを用いて、流体の挙動を計算するための計算格子セルを変形させながら計算を実行し、流体の物理量を算出する。図7及び図8に示すように、タイヤ外表面と路面とを含むタイヤ周囲空間を複数の計算格子セルで表した流体解析モデルを用いる。流体解析モデルのタイヤ表面形状は、構造計算モデルであるタイヤ有限要素法モデルM2に基づいて作成する。本実施形態では、計算手法としては重合格子法を用いているが、それ以外の方法を採用してもよい。図9にて模式的に説明するように、計算格子セルC1の変形、すなわちメッシュモーフィングは、計算格子セルC1の変形を制御するための制御点P4を設け、制御点P4が形成する補間場(図中にて点線で囲まれた領域)が計算格子セルC1を囲むように配置し、制御点の変位をもって補間場にある計算格子セルC1を比例計算によって変形させる。図10は、複数の面をグループ化していない場合の例であり、6面を構成する12個の節点P4を制御点としている。図9は、複数の面をグループ化した場合の例であり、6面を1つのグループ面とし、1つのグループ面を構成する4つの節点P4を制御点としている。図9の例は、図10の例に比べて制御点の数を低減して計算コストを低減していることがわかる。
【0024】
グループ化処理実行部11は、タイヤ外表面を構成する全ての面に対してグループ化処理を実行してもよい。しかし、計算破綻のリスクを低減するためには、タイヤ周囲空間の変化(変形)を大きくする面に対してグループ化処理を実行しない方がよい。そこで、本実施形態では、タイヤ外表面を構成する各々の面は、第1面群Gp1又は第2面群Gp2のいずれかに属しており、第1面群Gp1に属する面に対してグループ化処理を実行し、第2面群Gp2に属する面に対してグループ化処理を実行しないように構成している。
【0025】
図12は、第1面群Gp1及び第2面群Gp2の設定例を示すタイヤ子午線端面図である。図12に示す例では、タイヤ軸を中心として回転対称となる外表面は、一点鎖線で示すサイドウォール等のタイヤ側面であり、第1面群Gp1に属する。タイヤ軸を中心として回転対称とならない外表面は、実線で示す接地面および溝20を形成する溝壁面であり、第2面群Gp2に属する。接地面は、路面と接触する候補である節点(接触候補点)で構成される。接触候補点を結ぶ面が接地面である。タイヤ周方向に延びる主溝20がタイヤ周方向に平行である場合には、主溝20を形成する溝壁面がタイヤ軸を中心に回転対称であるとして第1面群Gp1に属してもよい。また、タイヤ周方向に横溝が無い接地面は、タイヤ軸を中心に回転対称であるとして第1面群Gp1に属してもよい。本実施形態では、図2Aに示すタイヤ有限要素法モデルM1は、トレッド部モデルと、トレッド部モデルよりもタイヤ径方向内側に配置されるボディ部モデルと、を結合して生成されている。トレッド部モデルは、接地面及び溝20を有するトレッド部として定義され、トレッド部として定義された部材を、タイヤ周方向に展開することで生成されている。ボディ部モデルは、ボディ部として定義されたサイドウォールゴム等の部材をタイヤ周方向に回転させて展開することで生成される。タイヤ有限要素法モデルM1を構成する各々の部材は、トレッド部であるか、ボディ部であるかを示すデータを有する。グループ化処理実行部11は、このデータを参照して、グループ化処理を実行するか否かを決定する。
【0026】
図13は、第1面群Gp1及び第2面群Gp2の他の設定例を示すタイヤ子午線端面図である。図13に示すように、複数の溝20の底を結ぶ仮想線L1よりもタイヤ径方向外側RD1にある外表面は、第2面群Gp2に属する。仮想線L1よりもタイヤ径方向内側RD2にある外表面は、第1面群Gp1に属する。
【0027】
[流体解析方法]
上記システム1を用いたタイヤ周囲の流体解析方法を、図14を用いて説明する。
【0028】
まず、ステップST100において、メモリ1aは、タイヤを複数の要素及び節点で表現したタイヤ有限要素法モデルM2であって、接地面に形成された溝20と、溝20を形成する溝壁面に包囲される溝空間に配置される溝空間要素30と、を有するタイヤ有限要素法モデルM2を記憶する。
【0029】
次のステップST101において、構造計算部12は、所定荷重、所定内圧及び所定回転速度を含む解析条件のもとで、タイヤ有限要素法モデルM2を転動させ、路面との接触に起因するモデルの変形を数値演算により算出する。
【0030】
次のステップST102において、グループ化処理実行部11は、タイヤ有限要素法モデルM2における溝20を含むタイヤ外表面を構成する複数の面に対して、所定の結合条件に合致する2つ以上の連続する面を1つのグループ面とするグループ化処理を実行する。
【0031】
次のステップST103において、時系列データ取得部13は、各々のグループ面を構成する最も外側の辺同士の交点にある第1節点P1と、グループ化されていない各々の面を構成する第2節点P2と、溝空間要素30を構成する全節点のうちの少なくとも一部の第3節点P3との変位に関する時系列データをモデルM2の変形演算結果から取得する。
【0032】
次のステップST104において、流体計算部14は、タイヤ外表面と路面とを含むタイヤ周囲空間を複数の計算格子セルC1で表した流体解析モデルを用い、時系列データにおける第1節点P1、第2節点P2及び第3節点P3を制御点として計算格子セルC1の位置を変更しつつ計算格子セルC1毎に流体の物理量を演算する流体解析演算を実行する。
【0033】
以上のように、本実施形態のタイヤ周囲の流体解析方法は、
1又は複数のプロセッサが実行する方法であって、
所定荷重、所定内圧及び所定回転速度を含む解析条件のもとで、接地面に形成された溝20を有するタイヤを複数の要素及び節点で表現した第1モデルM2を転動させ、路面との接触に起因する第1モデルM2の変形を数値計算により算出することと(ST101)、
第1モデルM2における溝20を含むタイヤ外表面を構成する複数の面(F01~F08)に対して、所定の結合条件に合致する2つ以上の連続する面(F01~F04)を1つのグループ面G01とするグループ化処理を実行することと(ST102)、
各々のグループ面G01を構成する最も外側の辺同士の交点にある第1節点P1と、グループ化されていない各々の面(F05~F08)を構成する第2節点P2との変位に関する時系列データを第1モデルM2の変形演算結果から取得することと(ST103)、
タイヤ外表面と路面とを含むタイヤ周囲空間を複数の計算格子セルC1で表した第2モデルを用い、時系列データにおける第1節点P1及び第2節点P2を制御点として計算格子セルC1の位置を変更しつつ計算格子セルC1毎に流体の物理量を演算する流体解析演算を実行することと(ST104)、
を含む。
【0034】
本実施形態のタイヤ周囲の流体解析システム1は、
所定荷重、所定内圧及び所定回転速度を含む解析条件のもとで、接地面に形成された溝20を有するタイヤを複数の要素及び節点で表現した第1モデルM2を転動させ、路面との接触に起因する第1モデルM2の変形を数値計算により算出する構造計算部12と、
第1モデルM2における溝20を含むタイヤ外表面を構成する複数の面(F01~F08)に対して、所定の結合条件に合致する2つ以上の連続する面(F01~F04)を1つのグループ面G01とするグループ化処理を実行するグループ化処理実行部11と、
各々のグループ面G01を構成する最も外側の辺同士の交点にある第1節点P1と、グループ化されていない各々の面(F05~F08)を構成する第2節点P2との変位に関する時系列データを第1モデルM2の変形演算結果から取得する時系列データ取得部13と、
タイヤ外表面と路面とを含むタイヤ周囲空間を複数の計算格子セルC1で表した第2モデルを用い、時系列データにおける第1節点P1及び第2節点P2を制御点として計算格子セルC1の位置を変更しつつ計算格子セルC1毎に流体の物理量を演算する流体解析演算を実行する流体計算部14と、
を備える。
【0035】
この構成によれば、所定の結合条件に合致する2つ以上の連続する面を1つのグループ面とする。グループ面を構成する全ての節点のうち最も外側の辺同士の交点にある第1節点P1を制御点として用いるので、グループ面を構成する全ての節点を制御点とする場合に比べて制御点の数を減らすことができ、計算格子セルC1の変形処理の計算コストが減少し、計算時間を短縮可能となる。また、所定の結合条件によって計算精度の悪化又は計算破綻を抑制できる場合がある。
【0036】
本実施形態のように、タイヤ外表面を構成する各々の面は、第1面群Gp1又は第2面群Gp2のいずれかに属し、タイヤ軸を中心として回転対称となる外表面は、第1面群Gp1に属し、タイヤ軸を中心として回転対称とならない外表面は、第2面群Gp2に属し、グループ化処理は、第1面群Gp1に属する面に対して実行され、第2面群Gp2に属する面に対して実行されないことが好ましい。
【0037】
このように、タイヤ軸を中心として回転対称となる位置に配置される第1面群Gp1に属する面が形成する空間は回転による変化が少ないので、グループ化処理を実行しても計算破綻を招来する可能性が低く、計算コストを低減可能となる。一方、タイヤ軸を中心として回転対称とならない位置に配置される第2面群Gp2に属する面が形成する空間は回転による変化が多く、グループ化処理により計算破綻を招来するおそれが第1面群Gp1よりも高い。しかし、第2面群Gp2に属する面に対してグループ化処理を実行しないので、計算破綻の招来を抑制可能となる。
【0038】
本実施形態のように、路面と接触する候補である節点で構成される接触面と、溝20を形成する溝壁面とは、第2面群Gp2に属することが好ましい。
【0039】
タイヤの回転により変化しやすい溝20及び接地面に対してグループ化処理を実行しないので、計算破綻の招来を抑制可能となる。
【0040】
本実施形態のように、タイヤは、溝20を複数有し、複数の溝20の底を結ぶ仮想線L1よりもタイヤ径方向外側RD1にある外表面は、第2面群Gp2に属することが好ましい。
【0041】
複数の溝20の底を結ぶ仮想線L1よりもタイヤ径方向外側RD1にある外表面は、タイヤの回転により変形しやすいトレッド部であり、これらの外表面に対してグループ化処理を実行しないので、計算破綻の招来を抑制可能となる。
【0042】
本実施形態のように、接地面及び溝20を有するトレッド部として定義された部材の外表面は、第2面群Gp2に属し、トレッド部よりもタイヤ径方向内側RD2にあるボディ部として定義された部材の外表面は、第1面群Gp1に属することが好ましい。
【0043】
接地面を有するトレッド部として定義された部材の外表面に対してグループ化処理を実行しないので、計算破綻の招来を抑制可能となる。それでいて、トレッド部よりもタイヤ径方向内側RD2にあるボディ部として定義された部材の外表面に対してグループ化処理を実行するので、タイヤの回転による変化が少なく、計算破綻のリスクを低減させつつ計算コストを低減可能となる。
【0044】
本実施形態のように、所定の結合条件は、互いに隣接する面同士が平行であること、又は、互いに隣接する面同士が平行状態に対して所定角度内にあることのいずれかを含むことが好ましい。
【0045】
この構成によれば、平行であるか又は平行状態に対して所定角度内にある互いに隣接する面同士がグループ化されるので、平行又はほぼ平行である面同士を一つのグループ面とするので、計算誤差を抑制しつつ計算コストを低減可能となる。
【0046】
本実施形態の方法のように、第1モデルM2は、溝20を形成する溝壁面に包囲される溝空間に配置される溝空間要素30を有し、時系列データを取得することは、第1節点P1と、第2節点P2と、溝空間要素30を構成する全節点のうちの少なくとも一部の第3節点P3との変位に関する時系列データを第1モデルM2の変形演算結果から取得し、流体解析演算を実行することは、時系列データにおける第1節点P1、第2節点P2及び第3節点P3を制御点とすることが好ましい。
本実施形態のシステムのように、第1モデルM2は、溝20を形成する溝壁面に包囲される溝空間に配置される溝空間要素30を有し、時系列データ取得部13は、第1節点P1と、第2節点P2と、溝空間要素30を構成する全節点のうちの少なくとも一部の第3節点P3との変位に関する時系列データを第1モデルM2の変形演算結果から取得し、流体計算部14は、時系列データにおける第1節点P1、第2節点P2及び第3節点P3を制御点とすることが好ましい。
【0047】
この構成によれば、計算格子セルC1の位置を変更するメッシュモーフィング処理の制御点として、タイヤ外表面を構成する第1節点P1及び第2節点P2だけではなく、溝空間要素30を構成する第3節点P3も制御点として利用されるので、タイヤ外表面を構成する第1節点P1及び第2節点P2だけでは計算格子の品質が悪化してしまうような複雑な溝変形であっても、制御点が増えることで空間補完場を良好に生成でき、メッシュモーフィング処理による計算格子の品質悪化を防止できる。よって、流体解析の品質悪化及び計算破綻を抑制することが可能となる。
【0048】
本実施形態のように、溝空間要素30のヤング率は、接地面を形成する要素に設定されるヤング率の1/10000以上且つ1/1000以下に設定されると共に、溝空間要素30のポアソン比が0±0.01に設定されていることが好ましい。
【0049】
このように、溝空間要素30が設定されれば、路面との接触により溝が複雑に変形したとしても、溝変形を阻害せず且つ溝変形に追従して溝空間要素30を変形させることができ、タイヤの変形を精度よく算出できる。
【0050】
本実施形態に係るプログラムは、上記方法をコンピュータに実行させるプログラムである。
これらプログラムを実行することによっても、上記方法の奏する作用効果を得ることが可能となる。
【0051】
以上、本開示の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0052】
上記の各実施形態で採用している構造を他の任意の実施形態に採用することは可能である。各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0053】
11 グループ化処理実行部
12 構造計算部
13 時系列データ取得部
14 流体計算部
20 溝
30 溝空間要素
M2 タイヤ有限要素法モデル(第1モデル)
C1 計算格子セル
Gp1 第1面群
Gp2 第2面群
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14