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  • 特許-車両用シート 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-09
(45)【発行日】2023-06-19
(54)【発明の名称】車両用シート
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/22 20060101AFI20230612BHJP
   B60N 2/68 20060101ALI20230612BHJP
【FI】
B60N2/22
B60N2/68
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019192990
(22)【出願日】2019-10-23
(65)【公開番号】P2021066312
(43)【公開日】2021-04-30
【審査請求日】2022-07-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000133098
【氏名又は名称】株式会社タチエス
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】田口 雅之
(72)【発明者】
【氏名】安田 康平
【審査官】瀧本 絢奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-223490(JP,A)
【文献】特開平09-136610(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第19704233(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00-2/90
A47C 1/00-1/037
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クッションフレームで支持されるシートクッションと、
バックフレームで支持されるシートバックと、
前記シートクッションに対して前記シートバックを傾動可能とするリクライニング装置と、を備え、
前記クッションフレームは、左側クッションフレームと、右側クッションフレームと、を有し、
前記バックフレームは、左側バックフレームと、右側バックフレームと、を有し、
前記リクライニング装置は、前記左側クッションフレームの後部と前記左側バックフレームの下部とを連結するヒンジ部に設けられた左側駆動部と、前記右側クッションフレームの後部と前記右側バックフレームの下部とを連結するヒンジ部に設けられた右側駆動部と、を独立して有し、
前記左側バックフレームと前記右側バックフレームとを連結するとともに捩れ変位可能な接続部材を備え
前記接続部材は、クランク形状を有し、前記接続部材の両端が、前記左側バックフレーム及び前記右側バックフレームに対して異なる高さ位置で軸支される車両用シート。
【請求項2】
請求項に記載の車両用シートにおいて、
前記接続部材を、互いに交差して1対に配置した車両用シート。
【請求項3】
請求項に記載の車両用シートにおいて、
互いに交差する1対の前記接続部材は、左右方向の一方寄りで交差する屈曲部と、左右方向中央を含み他方へ延びる直線部と、を有し、
少なくとも一方の前記接続部材は、その前記直線部でヘッドレストを支持している車両用シート。
【請求項4】
請求項に記載の車両用シートにおいて、
前方で交差する前記接続部材は、後方で交差する前記接続部材よりも、前記直線部が上方にあって、当該上方にある前記直線部で前記ヘッドレストを支持している車両用シート。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の車両用シートにおいて、
前記左側バックフレーム又は前記右側バックフレームは、前記接続部材よりも上方にて左右方向に延びて延設部を有し、
前記延設部に、ヘッドレストを支持した車両用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等に搭載される車両用シートには、シートの姿勢を変更するリクライニング装置が設けられている。例えば、特許文献1には、「姿勢変更手段は、前記車両用シートの左右のサイドフレームにそれぞれ設けられ、別々に駆動可能なリクライニング装置」(同文献の請求項2)であって、「例えば左カーブの道路に対応し車両が左に旋回する」場合、「右側サイドフレームが前傾し、シートバックの右側を全体に前傾させる」(同文献の段落0037)ことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-223490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1には、メンバ(左側サイドフレームと右側サイドフレームとを連結する部材)の弾性変形範囲内で、両サイドフレームを前傾又は後傾させることができる、とも記載されている(同文献の段落0033)。つまり、上記特許文献1に記載のリクライニング装置は、前傾又は後傾できる範囲が非常に狭く、仮に連結部材の弾性変形がある程度許容されるとした場合は、連結部材の弾性変形によりヘッドレストを支持するのが困難となる。
【0005】
本発明の目的は、シートバックの左右が独立して傾動可能で、かつ、独立して傾動できる範囲の広いリクライニング装置を備えた車両用シートを提供することにある。
【0006】
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0008】
すなわち、車両用シートは、クッションフレームで支持されるシートクッションと、バックフレームで支持されるシートバックと、前記シートクッションに対して前記シートバックを傾動可能とするリクライニング装置と、を備える。前記クッションフレームは、左側クッションフレームと、右側クッションフレームと、を有し、前記バックフレームは、左側バックフレームと、右側バックフレームと、を有し、前記リクライニング装置は、前記左側クッションフレームの後部と前記左側バックフレームの下部とを連結するヒンジ部に設けられた左側駆動部と、前記右側クッションフレームの後部と前記右側バックフレームの下部とを連結するヒンジ部に設けられた右側駆動部と、を独立して有するものである。そして、前記左側バックフレームと前記右側バックフレームとを連結するとともに捩れ変位可能な接続部材を備え、前記接続部材は、クランク形状を有し、前記接続部材の両端が、前記左側バックフレーム及び前記右側バックフレームに対して異なる高さ位置で軸支される
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、シートバックの左右が独立して傾動可能で、かつ、独立して傾動できる範囲の広いリクライニング装置を備えた車両用シートを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1に係る車両用シートの全体構造を示す斜視図である。
図2】左側バックフレームが後方へ傾斜し、右側バックフレームが前方へ傾斜したときの、車両用シートの状態を示す斜視図である。
図3】実施例2に係る車両用シート11の全体構造を示す斜視図である。
図4】実施例3に係る車両用シート12の全体構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0012】
なお、開示はあくまで一例にすぎず、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。また、図面において、矢印FRは車両の前方を示し、矢印RRは車両の後方を示し、矢印LHは車両の左側方を示し、矢印RHは車両の右側方を示し、矢印UPは車両の鉛直上方を示し、矢印DWは車両の鉛直下方を示すものとする。また、以下の説明においては、特別に断らない限り、前,後や上,下、左,右については、車両に対しての前,後や上,下、左,右を意味するものとする。
【実施例1】
【0013】
図1は、実施例1に係る車両用シート1の全体構造を示す斜視図である。本実施例の車両用シート1は、シートクッションを支持するクッションフレーム2と、シートバックを支持するバックフレーム3と、クッションフレーム2に対してバックフレーム3を傾動させるリクライニング装置4と、シートバックの上端部に取付けられるヘッドレスト(図示せず)と、を備えている。なお、本実施例では、右前の席(例えば運転席)に好適な車両用シート1について述べるが、他の席にも適用可能である。
【0014】
また、本実施例の車両用シート1は、図示していないが、クッションフレーム2の下方には、クッションフレーム2を昇降させるリフター装置が設けられており、このリフター装置はさらに下方のスライド機構によって前後方向へ移動可能となっている。このスライド機構は、リフター装置の固定されたアッパレールを、車両の床面に固定されたロアレールに対し、前後方向へスライドさせるものである。
【0015】
なお、シートクッションは、ウレタン等のクッション材からなるクッションパッドをクッションフレーム2で支持し、さらに合成皮革や布地等からなる表皮材を被せることで構成される。同様に、シートバックも、クッション材からなるバックパッドをバックフレーム3で支持し、さらに表皮材を被せることで構成される。ヘッドレストも、パッド部材をヘッドレストフレームで支持し、さらに表皮材で被覆することで構成される。なお、ヘッドレストフレームは、芯材と、一対のピラーと、を有している。各ピラーは、表皮材の外部へ延出して下方に延び、バックフレーム3の上部に設けられたピラーガイド6に差し込まれることで、ヘッドレストがシートバックに装着される。
【0016】
クッションフレーム2は、前後方向に延びる左右一対の左側クッションフレーム2L及び右側クッションフレーム2Rと、左側クッションフレーム2Lの前部と右側クッションフレーム2Rの前部との間に架設されるフロントパネル2Fと、左側クッションフレーム2Lの後部及び右側クッションフレーム2Rの後部に固定される補強板2Bと、で構成されている。ここで、フロントパネル2Fは、左側クッションフレーム2L及び右側クッションフレーム2Rによって下方から支持されるとともに、クッションパッドを載置する。また、補強板2Bは、左側クッションフレーム2Lから右側クッションフレーム2Rへ左右方向に延びて、シートバックからの負荷によるクッションフレーム2の左右方向の変形を抑制するものである。
【0017】
バックフレーム3は、左右一対の左側バックフレーム3L及び右側バックフレーム3Rで構成されている。また、左側バックフレーム3Lの下端と左側クッションフレーム2Lの後端とを連結するヒンジ部には、左側駆動部4Lが設けられ、右側バックフレーム3Rの下端と右側クッションフレーム2Rの後端とを連結するヒンジ部には、右側駆動部4Rが設けられている。すなわち、本実施例のリクライニング装置4は、左右一対の左側駆動部4L及び右側駆動部4Rで構成されている。これらの駆動部は、それぞれ独立に駆動できる構成となっており、以下では、左側駆動部4Lを例に挙げて説明する。
【0018】
左側駆動部4Lは、リクライニング機能を実現するために、正転と逆転が可能なモータと、このモータの出力軸に連結されたギヤボックスによる、所望の角度位置で固定する調整機構を有している。また、モータは、その出力軸の回転数を検出するロータリーエンコーダを有しており、制御装置としての電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)とも電気的に接続されている。つまり、ECUは、モータから入力されるロータリーエンコーダの検出信号に基づいて、シートバックの傾斜角度を算出できるようになっている。
【0019】
ここで、左側バックフレーム3Lと右側バックフレーム3Rとを連結するとともにねじれ変位可能な接続部材5について説明する。本実施例の接続部材5はクランク形状を有し、接続部材5の両端が、左側バックフレーム3L及び右側バックフレーム3Rに対して異なる高さ位置で軸支されている。このため、左側バックフレーム3L又は右側バックフレーム3Rが相対的に変位し、接続部材5の一端と他端との間で高さ位置関係及び前後方向位置関係が変化した場合でも、クランク回転動作によって、その変化を吸収できる。
【0020】
また、本実施例の接続部材は、互いに交差する一対の接続部材5a,5bを有しており、これらでクロスパイプを形成している。このため、左側バックフレーム3L又は右側バックフレーム3Rが相対的に変位し過ぎないように規制されており、シートバックの過度な捩れを抑制することが可能である。
【0021】
そして、各接続部材5a,5bは、左右方向の一方(本実施例では右)寄りで交差する屈曲部5a1,5b1と、この屈曲部5a1,5b1の他方(本実施例では左)側にあって左右方向中央を含み他方端へ延びる長直線部5a2,5b2と、この屈曲部5a1,5b1の一方側にあって一方端へ延びる短直線部5a3,5b3と、を有している。ここで、長直線部5a2は、長直線部5b2よりも上方に位置しており、この長直線部5a2の前面側にピラーガイド6を設置することで、バックフレームの左右方向中央にヘッドレストを装着することが可能となっている。仮に、ピラーガイドを短直線部に設置しようとすると、バックフレームの左右方向のうち偏った場所となり、しかも設置場所が狭くなってしまう。さらに、後方で交差する接続部材5bでなく、前方で交差する接続部材5aに、ピラーガイド6を設置してヘッドレストを支持することで、ヘッドレストから受ける後方への荷重を支え易くなっている。
【0022】
なお、長直線部5a2のうち、バックフレームの左右方向中央に相当する位置(ピラーガイド6の設置場所に対応する位置)の背面側には、金属製の補強部材7が取付けられており、この補強部材7は下方に延び軸支部8を介して、長直線部5b2を回転可能に支持している。軸支部8は、ワイヤをループ状にして長直線部5b2を挿入するとともに、ワイヤの両端を補強部材7に固定することで形成される。このように、補強部材7を設けることによって、長直線部5a2,5b2が受ける後方への荷重に対して補強がされるだけでなく、左側バックフレーム3L又は右側バックフレーム3Rが相対的に変位したときの捩れ動作がスムーズとなる。
【0023】
また、本実施例の車両用シート1では、シートバックが捩れておらず正面を向いている場合、屈曲部5a1と屈曲部5b1との間には、空間が存在している。しかし、シートバックが捩れてくると、屈曲部5a1と屈曲部5b1との間隔が次第に狭まり、左右のバックフレームの相対変位が最大になって屈曲部どうしが干渉してしまう場合には、異音を発生させる可能性がある。そのため、屈曲部5a1と屈曲部5b1との間の空間に、ウレタンテープ等の緩衝材を設けて、異音の発生を防ぐようにしても良い。
【0024】
次に、本実施例に係る車両用シート1にけるリクライニング装置4の動作について説明する。図2は、左側駆動部4Lのモータが正回転して左側バックフレーム3Lが後方へ傾斜し、右側駆動部4Rのモータが逆回転して右側バックフレーム3Rが前方へ傾斜したときの、車両用シート1の状態を示す斜視図である。このとき、接続部材5a,5bの両端の位置は、高さ方向及び前後方向に変化するが、接続部材5a,5bのクランク回転動作により、その変化が吸収され、シートバック全体を捩れさせることが可能となっている。本実施例によれば、所定の相対角度までは、左側バックフレーム3Lと右側バックフレーム3Rとを、別々の駆動部により独立して傾動させることができる。なお、車両用シート1が正面を向いたまま通常の前傾又は後傾の動作を行う場合には、左側駆動部4Lと右側駆動部4Rとを、同期して同じ向きに駆動して、同じ回転角度を保つようにすれば良い。
【0025】
また、本実施例の左側駆動部4L及び右側駆動部4Rのモータは、共にECUによって自動で制御できるようになっている。従って、車両がカーブを走行中の場合や、車両が物体と衝突する可能性がある場合などに、各モータをECUが自動で駆動させ、車両用シート1を望ましい状態に制御しても良い。
【0026】
例えば、左周りのカーブを走行中であることを車両に設けられたセンサが検知した場合、ECUは、左側駆動部4Lのモータに指令を出して左側バックフレーム3Lを後方へ傾動させるとともに、右側駆動部4Rのモータにも指令を出して右側バックフレーム3Rを前方へ傾動させる。なお、右周りのカーブを走行中の場合、各モータを上記と逆の向きに駆動させる。これにより、カーブを旋回する際に、シート自体も旋回に追従した向きに制御されるので、遠心力で乗員の身体が横滑りするのを抑制でき、安定した着座が可能となる。
【0027】
さらに、車両が物体と衝突する可能性のあることを車両に設けられたセンサが検知した場合、ECUは、衝撃が少なくなるよう、各モータを自動で制御するようにしても良い。なお、ECUがモータの制御を行うのではなく、左側駆動部4L及び右側駆動部4Rに別の制御装置を内蔵させて、この制御装置によりモータの制御を行っても良い。
【0028】
また、車両用シート1側部に設けられた図示しないレバー・スイッチ等を乗員が操作すると、ECUへ信号が送られ、ECUからの信号によりモータが駆動し、リクライニング装置4を左右個別に動作させることも可能である。
【0029】
乗員が自身でリクライニング装置4を動作させる場面としては、車両を乗降する際にシートを車両の外側に捩れさせたり、自動運転している際にシートを隣の座席(例えば左の助手席)側に捩れさせたり、する例が挙げられる。さらには、後方の座席を振り返るときにも、左右どちらかのバックフレームを後退させることで、乗員が身体を捩じり易くすることもできる。もちろん、乗員が入れ替わった場面などに、バックフレームの左右を揃えてシートバックが正面を向いた状態で、単純に傾斜角度を調整するため、このリクライニング装置4を動作させることも考えられる。
【0030】
なお、本実施例では、駆動部にモータを備えた電動式のリクライニング装置4について説明したが、ECUによる走行中の自動調整が不要の場合には、モータを用いない手動式のリクライニング装置であっても良い。手動式の場合でも、左右の駆動部には、所望の回動状態で保持するロック機構等を備えており、駆動用ピニオンに連結されたレバーや回転ノブを乗員が操作することで、リクライニング装置が動作するようになっている。
【実施例2】
【0031】
図3は、実施例2に係る車両用シート11の全体構造を示す斜視図である。図3に示すように、本実施例の車両用シート11は、実施例1に係る車両用シート1と異なり、各接続部材51a,51bの屈曲部51a1,51b1が、各接続部材の左右方向中央に位置している。そして、これら屈曲部51a1,51b1の左側にある直線部51a2,51b2と右側にある直線部51a3,51b3とは同等の長さとなっている。本実施例のような接続部材51a,51bの構成の場合、接続部材の左右方向中央でヘッドレストを支持することは困難である。そのため、本実施例では、左側バックフレーム31Lが、右側バックフレーム3Rよりも上方へ高く延びてから湾曲して右向きに延びる延設部を形成しており、この延設部の先端でヘッドレスト9を片持ち支持する構成となっている。本実施例によっても、左右のバックフレームを別々の駆動部によって独立して傾動でき、かつ、シートバックの過度な捩れを抑制できる。さらに、本実施例によれば、屈曲部51a1,51b1が接続部材の左右方向中央となるので、左右バランスが良くなり、シートバック全体としての強度が向上する。なお、延設部を設けてヘッドレスト9を支持するバックフレームは、右側のバックフレームであっても良い。
【実施例3】
【0032】
図4は、実施例3に係る車両用シート12の全体構造を示す斜視図である。図4に示すように、本実施例の車両用シート12は、実施例2に係る車両用シート11と異なり、1本の接続部材52で、左側バックフレーム31Lと右側バックフレーム3Rとを連結している。このように、接続部材が1本であっても、そのクランク回転動作によって、左右のバックフレームを別々の駆動部により独立に傾動させて相対変位した場合の捩れを吸収することはできる。また、本実施例は、他の実施例よりも部品点数が少なくなるため、低コスト化も可能である。
【0033】
以上、本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態および実施例に限定されるものではなく、種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、上記実施例では、クランク形状を有するパイプで接続部材を形成したが、トーションビームや、ナイロン等の材料のベルトにより、接続部材を形成しても良い。但し、ヘッドレストを接続部材で支持する場合には、強度の高いトーションビームが望ましい。
【符号の説明】
【0034】
1,11,12:車両用シート
2:クッションフレーム
2L:左側クッションフレーム
2R:右側クッションフレーム
2B:補強板
2F:フロントパネル
3:バックフレーム
3L,31L:左側バックフレーム
3R:右側バックフレーム
4:リクライニング装置
4L:左側駆動部
4R:右側駆動部
5,5a,5b,51a,51b,52:接続部材
5a1,5b1,51a1,51b1,521:屈曲部
5a2,5b2:長直線部
5a3,5b3:短直線部
51a2,51a3,51b2,51b3,522,523:直線部
6:ピラーガイド
7:補強部材
8:軸支部
9:ヘッドレスト
図1
図2
図3
図4