(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-09
(45)【発行日】2023-06-19
(54)【発明の名称】コントロールユニット
(51)【国際特許分類】
F16H 61/00 20060101AFI20230612BHJP
H05K 7/00 20060101ALI20230612BHJP
【FI】
F16H61/00
H05K7/00 H
(21)【出願番号】P 2021524852
(86)(22)【出願日】2020-06-02
(86)【国際出願番号】 JP2020021741
(87)【国際公開番号】W WO2020246458
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2021-10-22
(31)【優先権主張番号】P 2019106154
(32)【優先日】2019-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000231350
【氏名又は名称】ジヤトコ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148301
【氏名又は名称】竹原 尚彦
(74)【代理人】
【識別番号】100176991
【氏名又は名称】中島 由布子
(74)【代理人】
【識別番号】100217696
【氏名又は名称】川口 英行
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 祐輔
(72)【発明者】
【氏名】間宮 秀行
(72)【発明者】
【氏名】山下 勝則
(72)【発明者】
【氏名】湯川 洋久
(72)【発明者】
【氏名】諏訪林 明
【審査官】藤村 聖子
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-017828(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 61/00
H05K 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタが設置された配線板を備えるコントロールユニットであって、
前記コネクタは、前記配線板において前記コントロールユニットのボディと対向する面の裏側の面に設置され、
前記配線板は、前記ボディと対向する面の裏側の面側に突出する足部を有し、
前記コネクタは配線に接続し、前記配線は前記裏側の面に固定され、
前記ボディの
長手方向及び幅方向から見た場合に、2つの前記足部の間に前記コネクタが配置さ
れ、
前記足部を下側にして置いたときに前記コネクタの頂点よりも前記足部の先端が下側に位置するように前記足部の長さが設定されている、コントロールユニット。
【請求項2】
請求項1において、
前記コネクタの端子部の接続部は前記ボディに対向する、コントロールユニット。
【請求項3】
請求項1
又は2において、
前記足部は前記配線板の端部を折り曲げた形状を有する、コントロールユニット。
【請求項4】
請求項1乃至請求項
3のいずれか一において、
前記配線板は、前記ボディとケースの蓋部との間に設置される、コントロールユニット。
【請求項5】
請求項1乃至請求項
4のいずれか一において、
前記ボディに前記足部が突出する方向に前記足部よりも短い突起物が設置されている、コントロールユニット。
【請求項6】
請求項
5において、
前記突起物は、ボルトである、コントロールユニット。
【請求項7】
請求項1乃至請求項
6のいずれか一において、
前記足部は、前記ボディの端部より内側にオフセットしている、コントロールユニット。
【請求項8】
請求項1乃至請求項
7のいずれか一において、
前記コントロールユニットは、コントロールバルブユニットまたはインバータユニットである、コントロールユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コントロールユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
動力伝達装置は、変速機等を収容するケースを備え、ケースの内部には潤滑、冷却およびトルク伝達等に用いられる自動変速機作動油(ATF、以下単に「オイル」という)が蓄えられる。
【0003】
ケースの内部には、オイルを調圧してケース内部を循環させるコントロールバルブユニットが収容される。コントロールバルブユニットにはセンサ、アクチュエータ等の電装品が多数設けられており、電装品のそれぞれに通電または信号を送信するための配線を束ねて固定する配線板が別途設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
配線板には配線と接続するコネクタも設けられる場合がある。
変速機のメンテナンス等の際に、コントロールバルブユニットは、ケースから取り外され、作業台または床等の平坦な面に置かれる場合がある。ここで、柔軟性のある配線は耐荷重が高い一方で、コネクタは配線と比較して耐荷重が低い。そこで、メンテナンス等でコントロールバルブユニットが平坦面に置かれた際に、コネクタを大きな荷重から保護する要請がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様は、
コネクタが設置された配線板を備えるコントロールユニットであって、
前記コネクタは、前記配線板において前記コントロールユニットのボディと対向する面の裏側の面に設置され、
前記配線板は、前記ボディと対向する面の裏側の面側に突出する足部を有し、
前記コネクタは配線に接続し、前記配線は前記裏側の面に固定され、
前記ボディの長手方向及び幅方向から見た場合に、2つの前記足部の間に前記コネクタが配置され、
前記足部を下側にして置いたときに前記コネクタの頂点よりも前記足部の先端が下側に位置するように前記足部の長さが設定されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明のある態様によれば、コネクタを下側にしてコントロールバルブユニットが平坦な面に置かれた場合に、足部が荷重の一部を引き受けるのでコネクタにかかる荷重を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】動力伝達装置のケースの内部構成を示す図である。
【
図2】コントロールバルブユニットを下側から見た図である。
【
図4】
コネクタおよび配線を装着した状態の配線板を示す図である。
【
図5A】足部、コネクタおよびボルトの配置を示す模式図であり、
図4のA-A矢視図である。
【
図5B】足部、コネクタおよびボルトの配置を示す模式図であり、
図4のB-B矢視図である。
【
図6A】コントロールバルブユニットの作用を説明する模式図である。
【
図6B】コントロールバルブユニットの作用を説明する模式図である。
【
図7】比較例として、足部を設けていない配線板を備えたコントロールバルブユニットの作用を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
コントロールユニットは、例えば、変速機の油圧コントロールのために設けられるコントロールバルブユニット、電気自動車またはハイブリッド自動車の駆動用モータのコントロールのために設けられるインバータ(インバータユニット)等が含まれる。
以下の実施の形態においては、コントロールユニットの一例として、変速機等の動力伝達装置に設けられたコントロールバルブユニットを説明する。
図1は、動力伝達装置のケースの内部構成を示す図である。
図1に示すように、動力伝達装置は、ケース1の内部に動力伝達装置を構成する要素が収容された構成となっている。
ケース1の上部には、プーリ等の変速機構を構成する部品(不図示)を収容する収容室2が形成されている。ケース1の下部にはバルブ室4が形成される。バルブ室4の下端は開口しており、その下端開口41をオイルパン5が閉塞している。
【0010】
ケース1の内部には、収容室2に収容された部品の潤滑、冷却およびトルク伝達等に用いられる不図示のオイルOLが蓄えられている。バルブ室4の下部にはオイルOLが滞留するオイル溜まりOPが形成される。
【0011】
バルブ室4には、コントロールバルブユニット3が収容される。コントロールバルブユニット3の下側にはオイルOLを濾過するオイルストレーナ6が取り付けられ、上側にはオイルOLを吸引するオイルポンプ7が取り付けられている。オイルストレーナ6の下部には吸入口61が設けられ、この吸入口61がオイル溜まりOPの中に位置するように配置されている。
【0012】
オイルストレーナ6の下部には、オイルOLの吸入口61が設けられている。オイルポンプ7を動作させると、オイル溜まりOPのオイルOLが、オイルストレーナ6の吸入口61からオイルポンプ7内に吸引される。オイルポンプ7は、吸引したオイルOLを加圧してコントロールバルブユニット3に供給する。
【0013】
コントロールバルブユニット3は供給されたオイルOLを調圧し、調圧したオイルOLを、ケース内の油路(不図示)を介して収容室2内部の変速機構(不図示)に供給する。バルブ室4の上端には、収容室2と連通する上端開口43が設けられている。変速機構に供給されたオイルOLは、変速機構から直接落下するか、収容室2の壁面を伝って、上端開口43から再びバルブ室4に戻り、オイル溜まりOPに貯留される。
【0014】
コントロールバルブユニット3は、アッパーボディ31およびロアーボディ32の2つのボディを重ね合わせた構成である。アッパーボディ31とロアーボディ32の間にはセパレートプレート33が挟み込まれている。ケース1のバルブ室4内において、アッパーボディ31が上側に位置し、ロアーボディ32が下側に位置する。
【0015】
図示および詳細は省略するが、コントロールバルブユニット3の内部には、オイルOLの圧力を検出する油圧センサ、オイルポンプ7の吐出圧を所定圧に調圧するレギュレータバルブ(調圧弁)、オイルOLが通流する油路、オイルOLが通流する油路を切り換えるスプール等が設けられている。
【0016】
図2は、コントロールバルブユニット3を、ロアーボディ32側から見た図である。 以降の説明において、ロアーボディ32の長手方向と水平面上において直交する方向を「幅方向」とし、長手方向および幅方向と直交する方向を「垂直方向」という。
【0017】
図2に示すように、ロアーボディ32の表面32aは、コントロールバルブユニット3の内部に設けられた部品および油路等の形状に応じた凹凸が形成されている。また、ロアーボディ32の表面32aの全体に渡って、ロアーボディ32とセパレートプレート33(
図1参照)を締結する複数のボルト34が間隔を空けて配置されている。各ボルト34の頭部がロアーボディ32の表面32aから垂直方向に突出している。
【0018】
ロアーボディ32の幅方向側の一端面32bには、油路におけるオイルOLの流れを切り換えるソレノイドバルブ35が組みつけられている。
これらのソレノイドバルブ35および前記したコントロールバルブユニット3の内部に設けられた油圧センサ等の電装品は、電力供給線または信号送信線等の配線36に、コネクタ37を介して接続されている。
図2に示すように、ロアーボディ32の表面32aにはコネクタ37の接続口32cが設けられている。この接続口32cを介して、コネクタ37がコントロールバルブユニット3の内部の電装品に電気的に接続する。
【0019】
ロアーボディ32には、コネクタ37を設置し、複数の配線36を束ねて固定する配線板8が取り付けられている。
【0020】
図3は、配線板8を示す図である。
図4は、コネクタ37(37a~37d)および配線36を装着した状態の配線板8を示す図である。
図5Aおよび
図5Bは、足部、コネクタ37およびボルト34の配置を示す模式図である。
図5Aは
図4のA-A矢視図であり、
図5Bは
図4のB-B矢視図である。なお、
図5Aおよび
図5Bは、わかりやすくするために、ロアーボディ32の表面32aと配線板8の凹凸は省略して、平坦な面として図示している。
図5Aおよび
図5Bに図示されるボルト34は、ロアーボディ32の表面32aに取り付けられた複数のボルト34(
図2参照)のうち、後述するロアーボディ32を下側に向けて平坦面F(
図6A参照)に載置した際に、平坦面Fに接触するボルト34を示している。
【0021】
以降の説明において、配線板8をロアーボディ32に取り付けた際にロアーボディ32に対向する面を「対向面80a」といい、対向面80aの裏側の面を「裏面80b」という。
図3および
図4は、配線板8を裏面80b側から図示したものである。
【0022】
図3に示すように、配線板8は板状の部材である。配線板8は、凹凸のあるロアーボディ32の形状に沿った形状である。配線板8は、ロアーボディ32に締結されたボルト34またはコネクタ37との接続口32c(
図2参照)に干渉しないように、各所が折り曲げられ、また切り欠きが形成されている。
【0023】
図5Bに示すように、配線板8は、ロアーボディ32の幅方向中心付近から延出して、ロアーボディ32の表面32aの上を幅方向端部32gまで延びる。なお、配線板8の一部は、幅方向端部32gからさらに延伸して、
図2に示すようにロアーボディ32の一端面32bに組み付けられたソレノイドバルブ35の外周の一部を覆う。ロアーボディ32は、配線板8が取り付けられた部分以外は表面32aが露出している。
図5Aに示すように、ロアーボディ32は、表面32aの長手方向両端部32e、32fも露出している。配線板8は、コントロールバルブユニット3をケース1(
図1参照)に収容した際に、ロアーボディ32とケース1の下端開口41を閉止するオイルパン5(
図1参照)の間に設置される。
【0024】
なお、図示は省略するが、コントロールバルブユニット3のアッパーボディ31側にも配線板8が取り付けられている。
【0025】
図3に示すように、配線板8の面上には配線固定部81とボルト締結部82が複数設けられている。配線固定部81は、間隔を空けて配置した矩形の貫通孔から構成される。ボルト締結部82は、ボルト34の軸部が挿通可能な円形の貫通孔から構成される。
図4に示すように、配線固定部81にバンドBを掛け渡し、バンドBの中に束ねた複数の配線36を通すことで、配線36を配線板8に固定する。また、ボルト締結部82を介して配線板8をロアーボディ32に締結する。
【0026】
図3に示すように、配線板8には、コネクタ37を設置するためのコネクタ設置部83が複数設けられている。コネクタ設置部83は、配線板8の折り曲げ部、切り欠きおよび貫通孔等によって構成される。
【0027】
図4に示すように、コネクタ設置部83に設置されるコネクタ37は、接続する対象等に応じて配置される向きが異なる。例えば、コネクタ37a、37bは、コントロールバルブユニット3の外部の機器(不図示)と接続する。そのため、コネクタ37a、37bの長手方向がロアーボディ32の表面32aに対して平行になり、コネクタ37a、37bいわゆる「寝かせた状態」で配置される。
【0028】
一方、配線板8の両端近傍に設置されるコネクタ37c、37dは、コネクタ37の長手方向がロアーボディ32の表面32aに対して垂直になる。コネクタ37c、37dは、いわゆる「立った状態」で配置される。これらの垂直方向に立ったコネクタ37c、37dは、
図2に示すように、ロアーボディ32の表面32aに設けられた接続口32cに接続する。すなわち、コネクタ37c、37dの端子部
39の先端に設けられた接続部38(
図4参照)が、ロアーボディ32に対向して配置される。
【0029】
図5Aに示すように、配線板8をロアーボディ32に取り付けた際に、コネクタ37c、37dの垂直方向長さH1は、ロアーボディ32の表面32aから突出するボルト34の頭部の垂直方向長さH2よりも高くなっている。なお、ここでは便宜上コネクタ37c、37dの垂直方向長さを同じとしているが、異なるものとしても良い。
【0030】
図3に示すように、配線板8の長手方向の両端部には、それぞれ配線板8を対向面80a側に垂直方向に折り曲げて形成した段部84a、84bが設けられている。段部84a、84bには、それぞれボルト締結部82が形成されている。段部84a、84bのボルト締結部82の長手方向外側において配線板8は裏面80b側に垂直方向に折り曲げられ、折り曲げられた部分が足部85a、85bを構成している。
【0031】
足部85a、85bは、長手方向から見て略長方形状の板状部材である。
図5Aに示すように、配線板8をロアーボディ32に取り付けると、足部85a、85bはロアーボディ32の表面32aの長手方向両端部32e、32fより内側のオフセットした位置から、垂直方向にオイルパン5(
図1参照)側に突出する。足部85a、85bは同じ垂直方向長さH3を有する。
【0032】
図5Aに示すように、垂直方向に立つコネクタ37c、37dは、配線板8の長手方向の両端部に設けられた足部85a、85bを結ぶ線分L1上に配置されている。
図5Bに示すように、足部85a、85bは幅方向においても位置をずらして配置されている。足部85a、85bを結ぶ線分L2上にコネクタ37c、37dは配置されている。すなわち、コネクタ37c、37dは幅方向および長手方向のそれぞれから見て、足部85a、85bの間に配置されている。
【0033】
また、足部85a、85bの垂直方向長さH3は、コネクタ37c、37dの垂直方向長さH1よりも長くなるように設定する。したがって、ロアーボディ32の表面32aから突出するボルト34の頭部の垂直方向長さH2は、足部85a、85bの垂直方向長さH3よりも短い。
【0034】
なお、アッパーボディ31側に取り付けた不図示の配線板8は、ロアーボディ32側の配線板8と同様の構成を有するが、足部85a、85bは設けられていない。
【0035】
図6Aおよび
図6Bは、実施の形態に係るコントロールバルブユニット3の作用を説明する模式図である。
図6Aは
図5Aを、足部85aを支点として紙面右側に反転させた状態を示す図である。
図6Bは
図5Bを紙面手前側に反転させた状態を示す図である。
図7は、比較例として、足部を設けていない配線板8Aを備えたコントロールバルブユニット3の作用を示す図である。
【0036】
動力伝達装置のメンテナンス等の際に、メンテナンス業者等のユーザは、ケース1から取り出したコントロールバルブユニット3を、床等の平坦面Fに載置して点検または修理等の作業を行う。その際、
図6Aに示すように、通常はコントロールバルブユニット3のロアーボディ32側を平坦面F側、すなわち下側に向ける。
【0037】
ロアーボディ32の表面32aには配線板8が取り付けられ、配線板8からは足部85a、85bが垂直方向に突出している。そのため、
図6Bに示すように、コントロールバルブユニット3のロアーボディ32側を平坦面Fに載置すると、突出した足部85a、85bの先端が平坦面Fに接触する。足部85a、85bは、ロアーボディ32の表面32aの幅方向中心に対して一方の幅方向端部32g側にのみに設けられている。そのため、コントロールバルブユニット3は、足部85a、85bの2点を支点として、他方の幅方向端部32h側に傾く。
【0038】
前記したように、ロアーボディ32の表面32aにはボルト34の頭部が垂直方向に突出している。したがって、コントロールバルブユニット3が幅方向端部32h側に傾くと、幅方向端部32hに配置されているボルト34の頭部が平坦面Fに接触する。これによって、幅方向端部32g側の足部85a、85bと幅方向端部32h側のボルト34の3点によって、コントロールバルブユニット3の荷重が平坦面F上で支持される。
【0039】
足部85a、85bの間に配置されたコネクタ37c、37dの垂直方向長さH1は、足部85a、85bの垂直方向長さH3よりも低い(
図5A参照)。よって、コントロールバルブユニット3を、配線板8の足部85a、85bを下側にして置いたとき、足部85a、85bの先端がコネクタ37c、37dの頂点よりも下側に位置する。
図6Aおよび
図6Bに示すように、コネクタ37c、37dと平坦面Fの間に隙間Sが生じる。これによって、コネクタ37c、37dは平坦面Fに接触しない。
【0040】
ここで、
図7の比較例に示すように、足部を設けない配線板8Aの場合、コネクタ37c、37dが平坦面Fに接触する。コネクタ37c、37dにはコントロールバルブユニット3の荷重がかかる。ここで、寝かせた状態のコネクタ37a、37b(
図4参照)であれば、端子部
39に直接荷重がかからないため、コントロールバルブユニット3からの荷重に比較的耐えやすい。また、コネクタ37に接続している配線36も柔軟性があるため比較的荷重に強い。
【0041】
一方、コネクタ37c、37dは立った状態で設置されている。ロアーボディ32に対向するコネクタ37の端子部39の接続部38には、コントロールバルブユニット3の荷重がかかりやすい。そのため、寝かせた状態のコネクタ37a、37bに比較して、コネクタ37c、37dはコントロールバルブユニット3からの荷重に弱くなる傾向がある。
【0042】
実施の形態では、
図6Aおよび
図6Bに示すように、配線板8に設けた足部85a、85bが平坦面Fに接触してコントロールバルブユニット3の荷重を引き受けるため、コネクタ37c、37dの頂点が平坦面Fに接触せず、コネクタ37c、37dに荷重がかかることを低減することができる。
【0043】
また、足部85a、85bを配線板8に設置することで、ロアーボディ32のコネクタ37が設置される幅方向端部32g側が平坦面Fの上方に持ち上げられる。一方、幅方向端部32h側は足部85a、85bの先端を支点として平坦面F側に傾く。これによって、ロアーボディ32の幅方向端部32h側は、表面32aから突出するボルト34によって支持されるため、コネクタ37にかかる荷重を低減しつつ安定して平坦面Fに載置させることができる。
また、コネクタ37が設置されていない幅方向端部32h側には足部85a、85bを設置していないため、コントロールバルブユニット3の大型化および部品点数の増加は避けることができる。
【0044】
また、実施の形態では配線板8の2箇所に足部85a、85bを設けているが、足部85a、85bの長手方向位置と幅方向位置を調整することで、幅方向端部32hへの傾き方向を調整することができる。傾き方向を調整することで、幅方向端部32h側の、平坦面Fへの接触点を調整することができる。実施の形態では、耐荷重性のあるボルト34を接触点とすることで、部品点数の増加を避けつつ、コントロールバルブユニット3を安定して支持することができる。
【0045】
足部85a、85bはまた、メンテナンス作業の際にコントロールバルブユニット3を持ち上げるための把持部としても作用する。すなわち、ユーザは、足部85a、85bを指でつかんでコントロールバルブユニット3をケース1から取り出してメンテナンスを行う。ユーザは、メンテナンスの終了後には足部85a、85bを指でつかんでコントロールバルブユニット3を持ち上げてケース1内にセットすることができる。足部85a、85bを2箇所に設けることで、ユーザがコントロールバルブユニット3を持ち運びしやすくなる。また、
図6Aに示すように、足部85a、85bはロアーボディ32の長手方向両端部32e、32fに対して内側にオフセットして設けられている。そのため、足部85a、85bをつかむ指とケース1の内壁とが干渉しにくいため、組み付けがしやすくなる。
【0046】
前記したように、配線板8はロアーボディ32側だけではなく、アッパーボディ31にも取り付けられているが、実施の形態では、ロアーボディ32側の配線板8にのみ足部85a、85bを設ける例を説明した。2つの配線板8のうち一方だけに足部85a、85bを設ける場合は、それにより、メンテナンス業者等のユーザが、足部85a、85bが設けられた方のボディ側を下に向けて置くように自然に誘導する技術的な構造となるのでそういった面でも好ましい。
【0047】
以上の通り、実施の形態のコントロールバルブユニット3(コントロールユニット)は、
(1)コネクタ37が設置された配線板8を備えるものである。
コネクタ37は、配線板8において裏面80b、すなわちコントロールユニットのボディと対向する面(対向面)80aの裏側の面に設置される。
配線板8は、裏面80b側に突出する足部85a、85bを有する。
【0048】
配線板8の足部85a、85bは、コネクタ37と同じく配線板8の裏面80b側に設けられている。そのため、コントロールバルブユニット3がコネクタ37を下側にして平坦面Fに置かれた場合に、裏面80bから突出する足部85a、85bが平坦面Fに接触することによって、コントロールバルブユニット3からコネクタ37に作用する荷重の少なくとも一部を足部85a、85bが引き受けることができる。これによって、コントロールバルブユニット3のメンテナンス等の際に、コネクタ37にかかる荷重を減少させることができる。
【0049】
(2)コネクタ37c、37dの端子部39の接続部38はロアーボディ32(ボディ)に対向する。
コネクタ37c、37dのように、端子部39の接続部38をコントロールバルブユニット3のロアーボディ32に向けて配置する場合がある。その場合、コネクタ37c、37dの長手方向がコントロールバルブユニット3の表面32aに対して垂直方向に立つ形となる。こういった場合は、コネクタ37a、37bのように、長手方向がコントロールバルブユニット3の表面32aと平行になっている場合、すなわち寝かせて配置した場合と比較して、コネクタ37c、37dがコントロールバルブユニット3から受ける荷重に対して弱くなる傾向がある。よって、このような場合に、配線板8に設けた足部85a、85bが、コントロールバルブユニット3からコネクタ37c、37dにかかる荷重の少なくとも一部を引き受けることができる。
【0050】
(3)足部85a、85bを下側にして置いたときにコネクタ37c、37dの頂点よりも足部85a、85bの先端が下側に位置するように足部85a、85bの長さが設定されている。
【0051】
足部85a、85bの先端がコネクタ37c、37dの頂点よりも下側に位置することで、コントロールバルブユニット3を平坦面Fに置いた際にコネクタ37c、37dは平坦面Fに接触しない。足部85a、85bがコントロールバルブユニット3からの全ての荷重を引き受けるのでコネクタ37c、37dに大きな荷重がかかることを低減することができる。
【0052】
(4)2つの足部85a、85bを結ぶ線分L1、L2(直線)上にコネクタ37c、37dが設置されている。
足部85a、85bを配線板8に2つ以上設けることで、コントロールバルブユニット3を平坦面Fに置いた際の傾き方向を制御することができる。2つの足部85a、85bを結ぶ線分L1、L2上にコネクタ37c、37dを配置することで、2つの足部85a、85bを支点としてコントロールバルブユニット3が傾いて平坦面Fに置かれた場合でも、コネクタ37c、37dが平坦面Fに接触することを低減する。これによって、コネクタ37c、37dに大きな荷重がかかりにくくすることができる。
【0053】
(5)足部85a、85bは配線板8の端部を折り曲げた形状を有する。
配線板8は、コントロールバルブユニット3のロアーボディ32の形状に合わせて折り曲げて形成されるので、足部85a、85bも配線板8の端部を折り曲げて形成することで部品点数を増やすことなく足部85a、85bを形成することができるので好ましい。
【0054】
(6)配線板8は、ボディとケース1のオイルパン5(蓋部)との間に設置される。
コントロールバルブユニット3は、ケース1内において上側に位置するアッパーボディ31と、ケース1内において下側に位置するロアーボディ32を組み付けて形成される。ケース1の下部には開口が設けられ、ケース1の開口をオイルパン5等の蓋部が閉止している。
【0055】
メンテナンス等の際には、ロアーボディ32側を下に向けてコントロールバルブユニット3を平坦面Fに載置することが多い。よって、ロアーボディ32側に設置される配線板8に足部85a、85bを設けることで、ロアーボディ32側の配線板8のコネクタ37にかかる荷重を低減することができる。一般的に、アッパーボディ31側はロアーボディ32側よりもスペースが少なく足部85a、85bを設けると動力伝達装置の体格が大きくなるおそれがある。その点でも足部85a、85bをロアーボディ32側に設けることが好ましい。
【0056】
(7)ロアーボディ32に、足部85a、85bが突出する方向に足部85a、85bよりも短い突起物であるボルト34が設置されている。
足部85a、85bと、同じ垂直方向に突出するボルト34との複数点で、平坦面Fに置かれたコントロールバルブユニット3を安定して支持することができる。また、ボルト34は足部85a、85bよりも垂直方向長さを短くすることができるので、動力伝達装置の体格の拡大を必要最小限に抑えることができる。なお、突起物はボルト34に限定されず、例えば、ボルト34とは別の部材である突起物を、ロアーボディ32の表面32aに溶接等で取り付けても良い。
【0057】
(8)突起物は、ボルト34である。
ロアーボディ32に締結されているボルト34を利用することで部品点数の増加を抑えることができ、また耐荷重の比較的高いボルト34でコントロールバルブユニット3を安定して支持することができる。
【0058】
(9)足部85a、85bは、ロアーボディ32の長手方向端部32e、32f(端部)より内側にオフセットしている。
ユーザは足部85a、85bをつかんでコントロールバルブユニット3をケース1内から取り出し、またケース1内にセットすることができる。その際、足部85a、85bがボディの長手方向端部32e、32fより内側にオフセットしていることによって、足部85a、85bをつかむユーザの指と、コントロールバルブユニット3がセットされるケース1の内壁とが干渉しにくいので、組み付けがしやすくなる。
【0059】
コントロールユニットは、前記した実施の形態に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
前記した実施の形態では、配線板8に足部85a、85bを2本設置する例を説明したが、足部85a、85bはコネクタ37にかかる荷重の少なくとも一部を引き受けることができれば良く、設置数は1本としても良く、または3本以上としても良い。また、足部85a、85bは配線板8を折り曲げて形成する例を説明したが、これに限定されない。足部85a、85bは、配線板8とは別の部材として用意し、溶接等で配線板8に取り付けるようにしても良い。
【0060】
前記した実施の形態では、足部85a、85bの垂直方向長さH3をコネクタ37の垂直方向長さH2より長くする例を説明したが、足部85a、85bはコネクタ37にかかる荷重の少なくとも一部を引き受けることができれば良い。そのため、足部85a、85bの垂直方向長さH3をコネクタ37の垂直方向長さH2と同じ長さとしても良い。
【0061】
配線板8において足部85a、85bを設置する位置も、図示したものに限定されず、配線板8に設置するコネクタ37の位置に応じて適宜変更可能である。
【0062】
前記した実施の形態では、足部85a、85bをロアーボディ32側の配線板8に設ける例を説明したが、足部を設けるのはロアーボディ32側の配線板8に限定されない。例えばアッパーボディ31を下側に向けて載置する作業等の要請に応じて、アッパーボディ31側の配線板に足部85a、85bを設けても良い。
【0063】
前記した実施の形態では、コントロールユニットとして動力伝達装置のコントロールバルブユニット3を説明したが、コントロールユニットはコントロールバルブユニット3に限定されない。コントロールユニットは、例えば、電気自動車またはハイブリッド自動車の駆動用モータのコントロールのために設けられるインバータユニット等の、他のコントロールユニットにも適用可能である。
【0064】
また、前記したコントロールバルブユニット3と配線板8とを有する変速機等の動力伝達装置も、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0065】
1 ケース
2 収容室
3 コントロールバルブボディ(コントロールユニット)
31 アッパーボディ
32 ロアーボディ
32e、32f 長手方向端部
33 セパレートプレート
34 ボルト
36 配線
37a、37b、37c、37d コネクタ
38 接続部
4 バルブ室
5 オイルパン
6 オイルストレーナ
7 オイルポンプ
8 配線板
80a 対向面(コントロールユニットのボディと対向する面)
80b 裏面(コントロールユニットのボディと対向する面の裏側の面)
81 配線固定部
82 ボルト締結部
83 コネクタ設置部
85a、85b 足部