(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-09
(45)【発行日】2023-06-19
(54)【発明の名称】予測装置、予測方法、及び予測プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/04 20230101AFI20230612BHJP
G06N 20/00 20190101ALI20230612BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20230612BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20230612BHJP
G08G 1/13 20060101ALI20230612BHJP
【FI】
G06Q10/04
G06N20/00 130
G06Q50/10
G08G1/00 D
G08G1/13
(21)【出願番号】P 2017143450
(22)【出願日】2017-07-25
【審査請求日】2020-03-09
【審判番号】
【審判請求日】2021-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷口 博基
(72)【発明者】
【氏名】田島 玲
(72)【発明者】
【氏名】坪内 孝太
【合議体】
【審判長】渡邊 聡
【審判官】松田 直也
【審判官】後藤 亮治
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-092930(JP,A)
【文献】特開2014-130552(JP,A)
【文献】特開2012-043296(JP,A)
【文献】特開2012-217248(JP,A)
【文献】国際公開第2008/117392(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G08G 1/00
G08G 1/13
G06N 20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のエリアの状況を示すエリア情報であって、時間経過に応じて変化するエリア情報である第1エリア情報と、所定のエリアとは異なるエリアであって、所定の対象である緊急車両が常駐するエリアと前記所定のエリアとの間に位置するエリアである中間エリアのエリア情報
であって、時間経過に応じて変化するエリア情報である第2エリア情報とを含む複数のエリア情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記第1エリア情報と前記第2エリア情報とを含む前記複数のエリア情報と前記中間エリアの重み付けを示す情報とに基づいて、前記所定のエリアにおける前記所定の対象に関する需要を予測する予測部と、
を備えることを特徴とする予測装置。
【請求項2】
前記取得部は、
前記所定のエリアの混雑状況を示す情報を含む前記第1エリア情報を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の予測装置。
【請求項3】
前記取得部は、
前記所定のエリアの渋滞状況を示す情報を含む前記第1エリア情報を取得する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の予測装置。
【請求項4】
前記取得部は、
前記所定のエリアの気象状況を示す情報を含む前記第1エリア情報を取得する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の予測装置。
【請求項5】
前記予測部は、
前記所定の対象に関する需要の予測に用いられるモデルであって、前記複数のエリア情報が入力されたモデルの出力に基づいて、前記所定のエリアにおける前記所定の対象に関する需要を予測する
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の予測装置。
【請求項6】
前記複数のエリア情報と、前記第1エリア情報に対応する前記所定の対象に関する需要を示す正解情報とを含む学習データに基づいて、前記所定の対象に関する需要の予測に用いられるモデルを生成する生成部、
をさらに備えることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の予測装置。
【請求項7】
前記予測部は、
前記所定のエリアにおける緊急車両の要求に関する需要を予測する
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の予測装置。
【請求項8】
前記予測部は、
前記所定のエリアにおける緊急車両の要求から所定の時間内での緊急車両の到着可否に基づいて、緊急車両の前記所定のエリアへの配置に関する需要を予測する
ことを特徴とする請求項7に記載の予測装置。
【請求項9】
前記予測部により予測された前記所定の対象に関する需要に基づくサービスを提供する提供部、
をさらに備えることを特徴とする請求項1~
8のいずれか1項に記載の予測装置。
【請求項10】
前記提供部は、
前記予測部により予測された前記所定の対象に関する需要に基づいて、前記需要に対応する供給手段の配置に関する情報を提供する
ことを特徴とする請求項
9に記載の予測装置。
【請求項11】
コンピュータが実行する予測方法であって、
所定のエリアの状況を示すエリア情報であって、時間経過に応じて変化するエリア情報である第1エリア情報と、所定のエリアとは異なるエリアであって、所定の対象である緊急車両が常駐するエリアと前記所定のエリアとの間に位置するエリアである中間エリアのエリア情報
であって、時間経過に応じて変化するエリア情報である第2エリア情報とを含む複数のエリア情報を取得する取得工程と、
前記取得工程により取得された前記第1エリア情報と前記第2エリア情報とを含む前記複数のエリア情報と前記中間エリアの重み付けを示す情報とに基づいて、前記所定のエリアにおける前記所定の対象に関する需要を予測する予測工程と、
を含むことを特徴とする予測方法。
【請求項12】
所定のエリアの状況を示すエリア情報であって、時間経過に応じて変化するエリア情報である第1エリア情報と、所定のエリアとは異なるエリアであって、所定の対象である緊急車両が常駐するエリアと前記所定のエリアとの間に位置するエリアである中間エリアのエリア情報
であって、時間経過に応じて変化するエリア情報である第2エリア情報とを含む複数のエリア情報を取得する取得手順と、
前記取得手順により取得された前記第1エリア情報と前記第2エリア情報とを含む前記複数のエリア情報と前記中間エリアの重み付けを示す情報とに基づいて、前記所定のエリアにおける前記所定の対象に関する需要を予測する予測手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする予測プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予測装置、予測方法、及び予測プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、種々の需要を予測する技術が提供されている。例えば、救急用車両が効率よく短時間で救急通報元の住所地域へ到着できるようにするための救急用車両の配車管理に関する技術が提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、所定の対象に対する需要を適切に予測することが難しい場合がある。例えば、患者を搬送する病院について病院側の受け入れ態勢を把握するだけでは、救急用車両(緊急車両)の需要の受け入れを管理しているに過ぎず、緊急車両に対する需要を適切に予測することが難しい。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、所定の対象に対する需要を適切に予測する予測装置、予測方法、及び予測プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る予測装置は、所定のエリアの状況を示すエリア情報であって、時間経過に応じて変化するエリア情報を取得する取得部と、前記取得部により取得されたエリア情報に基づいて、前記所定のエリアにおける所定の対象に関する需要を予測する予測部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、所定の対象に対する需要を適切に予測することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る生成処理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る予測処理の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る予測システムの構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る予測装置の構成例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る学習データ記憶部の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係るモデル情報記憶部の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る需要情報記憶部の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る生成処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、実施形態に係る予測処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、予測装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る予測装置、予測方法、予測プログラム、学習データ、及びモデルを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る予測装置、予測方法、予測プログラム、学習データ、及びモデルが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
(実施形態)
〔1.生成処理〕
まず、
図1を用いて、実施形態に係る生成処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る生成処理の一例を示す図である。
図1では、予測装置100が過去の日時における各エリアの混雑や渋滞や気象等に関する情報を含むエリア情報と、その日時における所定の対象に関する需要の発生を示す正解情報とを含む履歴(ログ)に基づいてモデルの生成を行う場合を示す。以下では、正解情報が対応付けられたエリア情報を「学習データ」ともいう。エリア情報については後述する。
図1及び
図2の例では、所定の対象が緊急車両(救急車)であり、需要が事故や疾病の発症等による緊急車両の出動要請である場合を示す。
【0011】
また、
図1及び
図2に示す正解情報は、緊急車両の出動要請の有無(回数)であるものとする。例えば、正解情報は、エリア情報が収集された日時から所定の期間内(例えば1時間以内)に緊急車両の出動要請の有無であってもよい。また、例えば、正解情報は、エリア情報が収集された期間における緊急車両の出動要請の回数であってもよい。
図1の例では、説明を簡単にするために、所定の日時に収集されたエリア情報を対象に、その日時における緊急車両の出動要請の有無を正解情報としてモデルの生成を行う場合を示す。すなわち、
図1の例では、予測装置100が正解情報として緊急車両の出動の要請有無が付与された各エリアのエリア情報に基づいて、エリア情報が入力された場合に緊急車両の出動の要請が発生するかを予測するモデルの生成を行う場合を示す。
【0012】
また、予測装置100は、生成したモデルを用いて、ある日時におけるエリアのエリア情報に基づいて、その日時においてそのエリアで緊急車両の出動の要請が発生するかを予測する。また、予測装置100は、予測した緊急車両の出動の要請が発生する可能性を示す情報に基づいて、サービスを提供したりするが、この点については
図2で説明する。
【0013】
〔予測システムの構成〕
まず、
図1の説明に先立って、
図3に示す予測システム1について説明する。
図3に示すように、予測システム1は、事業者装置10と、予測装置100とが含まれる。事業者装置10と、予測装置100とは所定のネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続される。
図3は、実施形態に係る予測システムの構成例を示す図である。なお、
図3に示した予測システム1には、複数台の事業者装置10や、複数台の予測装置100が含まれてもよい。
【0014】
事業者装置10は、事業者によって利用される情報処理装置である。なお、ここでいう事業者とは、法人に限らず個人であってもよく、企業や行政機関や公共団体や公共交通機関等の種々の事業者を含む概念であるものとする。
図2の例では事業者装置10は、エリアAR11において救急車を運用する医療機関であるものとする。なお、事業者装置10は、救急車を運用する期間であれば医療機関に限らず、救急専門機関、消防機関等であってもよい。
【0015】
事業者装置10は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。なお、以下では、事業者装置10を管理者と表記する場合がある。すなわち、以下では、管理者を事業者装置10と読み替えることもできる。
図2に示す事業者SA1は、事業者装置10を操作することにより、予測装置100の情報を表示したり、予測装置100に処理を要求したりしてもよい。
【0016】
予測装置100は、所定のエリアの状況を示すエリア情報であって、時間経過に応じて変化するエリア情報に基づいて、所定のエリアにおける所定の対象に関する需要を予測する情報処理装置である。
図2の例では、予測装置100は、所定のエリアにおける所定の対象に関する需要の予測に用いられるモデルであって、エリア情報が入力されたモデルの出力に基づいて、所定のエリアにおける所定の対象に関する需要の発生を予測する。
【0017】
また、予測装置100は、予測した所定のエリアにおける所定の対象に関する需要に関する情報に基づいてサービスを提供する。
図2の例では、予測装置100は、エリアAR11において救急車を運用する医療機関へ、ある日時から所定の期間内(例えば1時間)におけるエリアAR11における緊急車両の出動の要請の可能性を示す情報を提供する。
【0018】
まず、
図1の示す例において、予測装置100がモデルM1に生成に用いる学習データLD1について説明する。例えば、学習データLD1は、日時dt1において収集されたエリアAR1におけるエリア情報を含むデータDT1や、日時dt2において収集された所定のエリアにおけるエリア情報を含むデータDT2等を含む。なお、
図1では、データDT1、DT2のみを図示するが学習データLD1には多数のデータが含まれるものとする。
【0019】
なお、上記のように、「データDT*(*は任意の数値)」と記載した場合、そのデータはデータID「DT*」により識別されるデータであることを示す。例えば、「データDT1」と記載した場合、そのデータはデータID「DT1」により識別されるデータである。
【0020】
ここでいうエリア情報は、対応するエリアの状況を示すエリア情報であって、時間経過に応じて変化する情報である。各エリア情報には、対応する日時におけるエリアの混雑に関する情報(混雑情報)や、対応する日時におけるエリアの渋滞に関する情報(渋滞情報)や、対応する日時におけるエリアの気象に関する情報(気象情報)等が含まれる。例えば、ここでいうエリア情報には、各エリアにおいて検知された種々のセンサ情報が含まれてもよい。また、センサ情報には、例えば、各エリアにおいて種々のセンサにより検知された人の流れ等の混雑を示す情報や車の流れ等の渋滞を示す情報や気温や湿度等の気象情報等が含まれてもよい。なお、エリア情報には、場所に依存しないグローバルな情報、例えば曜日や日時等に関する情報等、種々の情報が含まれてもよい。
【0021】
例えば、混雑情報には、対応する日時においてエリアに位置するユーザ数等に基づく、そのエリアの混雑具合を示す情報であってもよい。例えば、混雑情報には、対応する日時においてエリアに位置するユーザ数等に基づく人口密度を示す情報であってもよい。
【0022】
例えば、渋滞情報には、対応する日時においてエリアに位置する車両数や道路の大小等に基づく、そのエリアの渋滞具合を示す情報であってもよい。例えば、渋滞情報には、対応する日時においてエリアに位置する車両数等に基づくそのエリア内を車両で移動可能な平均速度を示す情報であってもよい。
【0023】
例えば、気象情報には、対応する日時においてエリアの気象を示す情報であってもよい。例えば、気象情報には、対応する日時においてエリアの天候が晴天や雨であるか等を示す情報であってもよい。
【0024】
ここで、
図1に示すエリアAR1には、エリアAR1-1、AR1-2、AR1-3、AR1-4等の複数の部分エリアが含まれる。例えば、データDT1には、日時dt1におけるエリアAR1-1のデータDT1-1や日時dt1におけるエリアAR1-2のデータDT1-2や日時dt1におけるエリアAR1-3のデータDT1-3や日時dt1におけるエリアAR1-4のデータDT1-4が含まれる。
【0025】
例えば、データDT1-1には、混雑情報CDT1-1や渋滞情報JDT1-1や気象情報ADT1-1等を含むエリア情報と、日時dt1から所定の期間内におけるエリアAR1-1での緊急車両の出動の要請有無を示す正解情報RDT1-1が含まれる。混雑情報CDT1-1は、日時dt1におけるエリアAR1-1の混雑状況を示す情報を含む。また、渋滞情報JDT1-1は、日時dt1におけるエリアAR1-1の渋滞状況を示す情報を含む。また、気象情報ADT1-1は、日時dt1におけるエリアAR1-1の気象状況を示す情報を含む。
【0026】
例えば、データDT1-2には、混雑情報CDT1-2や渋滞情報JDT1-2や気象情報ADT1-2等を含むエリア情報と、日時dt1から所定の期間内におけるエリアAR1-2での緊急車両の出動の要請有無を示す正解情報RDT1-2が含まれる。混雑情報CDT1-2は、日時dt1におけるエリアAR1-2の混雑状況を示す情報を含む。また、渋滞情報JDT1-2は、日時dt1におけるエリアAR1-2の渋滞状況を示す情報を含む。また、気象情報ADT1-2は、日時dt1におけるエリアAR1-2の気象状況を示す情報を含む。
【0027】
例えば、データDT1-3には、混雑情報CDT1-3や渋滞情報JDT1-3や気象情報ADT1-3等を含むエリア情報と、日時dt1から所定の期間内におけるエリアAR1-3での緊急車両の出動の要請有無を示す正解情報RDT1-3が含まれる。混雑情報CDT1-3は、日時dt1におけるエリアAR1-3の混雑状況を示す情報を含む。また、渋滞情報JDT1-3は、日時dt1におけるエリアAR1-3の渋滞状況を示す情報を含む。また、気象情報ADT1-3は、日時dt1におけるエリアAR1-3の気象状況を示す情報を含む。
【0028】
例えば、データDT1-4には、混雑情報CDT1-4や渋滞情報JDT1-4や気象情報ADT1-4等を含むエリア情報と、日時dt1から所定の期間内におけるエリアAR1-4での緊急車両の出動の要請有無を示す正解情報RDT1-4が含まれる。混雑情報CDT1-4は、日時dt1におけるエリアAR1-4の混雑状況を示す情報を含む。また、渋滞情報JDT1-4は、日時dt1におけるエリアAR1-4の渋滞状況を示す情報を含む。また、気象情報ADT1-4は、日時dt1におけるエリアAR1-4の気象状況を示す情報を含む。
【0029】
ここから、予測装置100の各処理について説明する。まず、予測装置100は、学習データLD1を取得する(ステップS11)。具体的には、予測装置100は、データDT1やデータDT2等を含む学習データLD1を取得する。なお、
図1の例では、予測装置100は、上記のような学習データLD1を所定の外部情報処理装置から取得してもよい。
【0030】
そして、予測装置100は、ステップS11で取得した学習データLD1に含まれる正解情報とエリア情報との組み合わせを学習データとして追加する(ステップS12)。具体的には、予測装置100は、学習データLD1を学習データ記憶部121に追加する。
【0031】
そして、予測装置100は、学習データに基づいてモデルを生成する(ステップS13)。例えば、予測装置100は、学習データ記憶部121中のデータDT1-1~DT1-4等を学習データ(教師データ)として、学習を行なうことにより、モデルを生成する。例えば、予測装置100は、エリアの混雑情報に関する特徴量を用いて、モデルを生成する。例えば、予測装置100は、エリアの人の密集度等に関する特徴量を用いて、モデルを生成する。また、例えば、予測装置100は、エリアの渋滞情報に関する特徴量を用いて、モデルを生成する。例えば、予測装置100は、エリアに位置する車の台数等に関する特徴量を用いて、モデルを生成する。また、例えば、予測装置100は、エリアの気象情報に関する特徴量を用いて、モデルを生成する。例えば、予測装置100は、エリアにおける天候に関する特徴量を用いて、モデルを生成する。なお、予測装置100は、エリアの道路交通情報に関する特徴量を加味したモデルを生成してもよい。また、例えば、予測装置100は、エリアの地形的な特徴量を加味したモデルを生成してもよい。このように、予測装置100は、エリア情報に含まれる特徴を学習し、そのエリア情報に関連する対象(事象)等を予測するモデルを生成する。
図1の例では、予測装置100は、エリア情報に含まれるそのエリアの人の密集度やそのエリアの道路状況(道路の太さや渋滞の程度)等に関する特徴を学習し、そのエリア情報に関連する緊急車両の需要を予測するモデルを生成する。なお、予測装置100が学習するエリア情報に含まれる特徴は、予測装置100の管理者等の人間が予測装置100に入力してもよいし、予測装置100に自動的に学習(抽出)させてもよい。
【0032】
例えば、予測装置100は、学習データLD1を用いてモデルM1を生成する。例えば、予測装置100は、正解情報RDT1-1が緊急車両の出動の要請が有ったことを示す「1」である場合、モデルM1にデータDT1-1に含まれるエリア情報が入力された場合に、モデルM1が出力するスコアが「1」に近づくように、学習処理を行う。例えば、予測装置100は、データDT1-1の混雑情報CDT1-1や渋滞情報JDT1-1や気象情報ADT1-1がモデルM1に入力された場合に、モデルM1が出力するスコアが「1」に近づくように、学習処理を行う。
【0033】
また、例えば、予測装置100は、正解情報RDT1-2が緊急車両の出動の要請が無かったことを示す「0」である場合、モデルM1にデータDT1-2に含まれるエリア情報が入力された場合に、モデルM1が出力するスコアが「0」に近づくように、学習処理を行う。例えば、予測装置100は、データDT1-2の混雑情報CDT1-2や渋滞情報JDT1-2や気象情報ADT1-2がモデルM1に入力され場合に、モデルM1が出力するスコアが「0」に近づくように、学習処理を行う。なお、モデルの学習手法については、上述した手法に限定されるものではなく、任意の公知技術が適用可能である。なお、各モデルの生成は、機械学習に関する種々の従来技術を適宜用いて行われてもよい。例えば、モデルの生成は、SVM(Support Vector Machine)等の教師あり学習の機械学習に関する技術を用いて行われてもよい。また、例えば、モデルの生成は、教師なし学習の機械学習に関する技術を用いて行われてもよい。例えば、モデルの生成は、深層学習(ディープラーニング)の技術を用いて行われてもよい。例えば、モデルの生成は、DNN(Deep Neural Network)やRNN(Recurrent Neural Network)やCNN(Convolutional Neural Network)等の種々のディープラーニングの技術を適宜用いて行われてもよい。なお、上記モデルの生成に関する記載は例示であり、モデルの生成は、取得可能な情報等に応じて適宜選択された学習手法により行われてもよい。すなわち、予測装置100は、学習データに含まれるエリア情報が入力された場合に、正解情報に対応するスコアを出力するようにモデルM1を学習可能であれば、どのような手法によりモデルM1の生成を行ってもよい。
【0034】
上記のような処理により、
図1の例では、予測装置100は、モデル情報記憶部122に示すように、モデルID「M1」により識別されるモデル(モデルM1)を生成する。上記のように、「モデルM*(*は任意の数値)」と記載した場合、そのモデルはモデルID「M*」により識別されるモデルであることを示す。例えば、「モデルM1」と記載した場合、そのモデルはモデルID「M1」により識別されるモデルである。また、
図1中のモデル情報記憶部122に示すように、モデルM1は用途「緊急車両」、すなわち緊急車両の需要の予測のために用いられるモデルであり、その具体的なモデルデータが「モデルデータMDT1」であることを示す。例えば、予測装置100は、モデルM1にエリア情報を入力することにより、入力したエリア情報に対応するエリアにおいて緊急車両の要請が行われる可能性が高いかを示すスコアを、モデルM1に出力させ、モデルM1が出力するスコアに基づいて緊急車両の要請の有無を予測する。
【0035】
上述したように、予測装置100は、エリア情報と正解情報とが対応付けられた学習データを用いて学習することにより、あるエリアにおける需要の発生を適切に予測可能にするモデルを生成することができる。したがって、予測装置100は、上述のように生成したモデルを用いることにより、例えば、所定のエリアにおいて緊急車両の要請が発生するかを精度よく予測することを可能にすることができる。
【0036】
〔2.予測処理〕
図2を用いて、実施形態に係る予測処理の一例について説明する。
図2は、実施形態に係る予測処理の一例を示す図である。
図2では、予測装置100は、日時dt11におけるエリアAR11のデータDT11が与えられた場合に、日時dt11におけるエリアAR11における緊急車両の出動の要請の可能性を予測し、予測に基づく情報を提供する場合を示す。
【0037】
まず、予測装置100は、日時dt11におけるエリアAR11のデータDT11を取得する(ステップS21)。例えば、予測装置100は、事業者SA1が利用する事業者装置10から日時dt11におけるエリアAR11のデータDT11を取得する。
【0038】
ここで、
図2の示すエリアAR11には、エリアAR11-1、AR11-2、AR11-3、AR11-4、AR11-5、AR11-6等の複数の部分エリアが含まれる。
【0039】
図2に示すデータDT11には、日時dt11におけるエリアAR11-1~11-6の各々に対応するデータDT11-1~DT11-6が含まれる。
【0040】
例えば、データDT11-1には、混雑情報CDT11-1や渋滞情報JDT11-1や気象情報ADT11-1等を含むエリア情報が含まれる。混雑情報CDT11-1は、日時dt11におけるエリアAR11-1の混雑状況を示す情報を含む。また、渋滞情報JDT11-1は、日時dt11におけるエリアAR11-1の渋滞状況を示す情報を含む。また、気象情報ADT11-1は、日時dt11におけるエリアAR11-1の気象状況を示す情報を含む。
【0041】
データDT11を取得した予測装置100は、データDT11をモデルに入力する。例えば、予測装置100は、データDT11に含まれる各エリアAR11-1~AR11-6の各々に対応するデータDT11-1~DT11-6を、モデルM1に入力する。
【0042】
図2の例では、予測装置100は、処理群PS22-1に示すような処理により、日時dt11におけるエリアAR11-1の緊急車両の出動の要請の可能性を示すスコアを算出する。予測装置100は、エリアAR11-1に対応するデータDT11-1をモデルM1に入力する(ステップS22-1)。具体的には、予測装置100は、混雑情報CDT11-1や渋滞情報JDT11-1や気象情報ADT11-1等を含むエリア情報をモデルM1に入力する。データDT11-1が入力されたモデルM1は、スコアを出力する(ステップS23-1)。
図2の例では、データDT11-1が入力されたモデルM1は、スコアSC11-1に示すようなスコア「0.12」を出力する。
【0043】
また、予測装置100は、処理群PS22-2に示すような処理により、日時dt11におけるエリアAR11-2の緊急車両の出動の要請の可能性を示すスコアを算出する。予測装置100は、エリアAR11-2に対応するデータDT11-2をモデルM1に入力する(ステップS22-2)。具体的には、予測装置100は、混雑情報CDT11-2や渋滞情報JDT11-2や気象情報ADT11-2等を含むエリア情報をモデルM1に入力する。データDT11-2が入力されたモデルM1は、スコアを出力する(ステップS23-2)。
図2の例では、データDT11-2が入力されたモデルM1は、スコアSC11-2に示すようなスコア「0.55」を出力する。
【0044】
また、予測装置100は、他のエリアAR11-3~AR11-6の各々に対応するデータDT11-3~DT11-6についても同様に処理する。例えば、予測装置100は、データDT11-3~DT11-6の各々をモデルM1に入力することにより、各データDT11-3~DT11-6に対応するスコアを算出する。
図2の例では、予測装置100は、データDT11-3については、スコア「0.75」と算出する。
【0045】
そして、予測装置100は、各エリアAR11-1~AR11-6のスコアに基づいて需要を予測する(ステップS24)。
図2の例では、予測装置100は、エリア情報が入力されたモデルM1が出力するスコアが0.3未満である場合、そのエリア情報に対応するエリアの緊急車両の出動の要請、すなわち緊急車両の需要が「低」と予測する。また、予測装置100は、エリア情報が入力されたモデルM1が出力するスコアが0.3以上0.7未満である場合、そのエリア情報に対応するエリアの緊急車両の出動の要請、すなわち緊急車両の需要が「中」と予測する。また、予測装置100は、エリア情報が入力されたモデルM1が出力するスコアが0.7以上である場合、そのエリア情報に対応するエリアの緊急車両の出動の要請、すなわち緊急車両の需要が「高」と予測する。
【0046】
このように、
図2の例では、予測装置100は、各エリアAR11-1~AR11-6の需要を「低」、「中」、「高」のいずれのレベルであるかを予測する。予測装置100は、
図2中の需要リストDL11に示すように、エリアAR11-1を需要「低」、エリアAR11-2を需要「中」、エリアAR11-3を需要「高」、エリアAR11-4を需要「高」、エリアAR11-5を需要「低」、エリアAR11-6を需要「低」と予測する。
【0047】
そして、予測装置100は、各エリアAR11-1~AR11-6の需要の度合いを示す需要マップを生成する(ステップS25)。
図2の例では、予測装置100は、需要リストDL11に基づいて、種々の従来技術を適宜用いて、需要マップHM11を生成する。
図2中の需要マップHM11に示すように、予測装置100は、各エリアAR11-1~AR11-6における需要の発生の可能性をヒートマップのような表示態様で示す。
図2の例では、ハッチングが濃い程、緊急車両の出動の要請が発生する可能性が高いエリアであることを示す。
図2の例では、需要マップHM11中のエリアAR11-3、AR11-4のハッチングが最も濃く、エリアAR11-3、AR11-4内で緊急車両の出動の要請が発生する可能性が高いことを示す。
【0048】
その後、予測装置100は、予測した需要に基づいて情報提供を行う(ステップS26)。
図2の例では、予測装置100は、ステップS25において生成した需要マップHM11を事業者装置10へ提供する。なお、予測装置100は、需要リストDL11を事業者装置10へ提供してもよい。
【0049】
そして、需要マップHM11の提供を受けた事業者装置10は、需要マップHM11に基づいて、緊急車両AMの配置計画を行う(ステップS27)。
図2の例では、エリアAR11-3、AR11-4内で緊急車両の出動の要請が発生する可能性が高いため、事業者SA1は、エリアAR11-3、AR11-4に配置する緊急車両AMの数を増加させる。また、エリアAR11-2内で緊急車両の出動の要請が発生する可能性が中程度であるため、事業者SA1は、エリアAR11-2に配置する緊急車両AMの数をエリアAR11-3、AR11-4よりも少なくする。また、エリアAR11-1、AR11-5、AR11-6内で緊急車両の出動の要請が発生する可能性が低いため、事業者SA1は、エリアAR11-1、AR11-5、AR11-6に緊急車両AMを配置しない。このように、事業者SA1は、予測装置100から提供された情報を基に、緊急車両AMの配置を計画する。なお、予測装置100が緊急車両AMの配置計画を生成し、事業者装置10へ提供してもよい。
【0050】
上述したように、予測装置100は、各エリアのエリア情報に基づいて、そのエリア情報は取得された時点から所定の期間内の緊急車両の需要の発生を予測する。
図2の例では、予測装置100は、各エリアのエリア情報をモデルM1に入力することにより、モデルM1に各エリアの緊急車両の需要に関するスコアを出力させる。そして、予測装置100は、モデルM1が出力するスコアが高い程、そのエリアにおいてエリア情報が取得された日時において、緊急車両の需要が発生する可能性が高いと推定する。
図2の例では、予測装置100は、モデルM1が出力するスコアが高いエリア程、そのエリアに緊急車両を配置する必要性が高いエリアであことを示すような需要マップHM11を生成する。そして、予測装置100は、生成した需要マップHM11を事業者装置10へ提供する。このように、予測装置100は、各エリアにおける緊急車両の需要の発生を予測し、予測した需要に関する情報を事業者に提供することにより、事業者が限られたリソース(供給能力)の範囲内で適切なリソースの供給を可能にする。
【0051】
〔2-1.予測の対象〕
〔2-1-1.緊急車両の到着〕
図1及び
図2の例では、所定の対象が緊急車両(救急車)である場合を示したが、所定の対象は、緊急車両に限らず、場所や時間で動的に需要が変わるものや供給側に量の制約があるものであれば種々の対象であってもよい。例えば、予測装置100は、各エリア情報に種々の正解情報を対応付けることにより、複数のモデルを生成してもよい。例えば、予測装置100は、各エリア情報に、種々の正解情報を対応付けることにより、複数のモデルを生成してもよい。
【0052】
また、例えば、予測装置100は、入力となるエリア情報に対応する日時において、エリアで緊急車両の要請があった場合に、緊急車両が要請から所定の時間(例えば30分等)内に要請された場所へ到達可能かを加味した需要を予測するモデルを生成してもよい。ここでいう所定の時間内とは、例えば疾病を発症してから応急処置を施すまでに最大で許容される時間であってもよい。例えば、予測装置100は、あるエリアにおいて緊急車両が要請されたが、間に合わなかった場合のそのエリアのエリア情報が入力された場合に、高いスコアを出力するようなモデルを生成してもよい。なお、ここでいう、「間に合わなかった場合」とは、例えば緊急車両が要請に応じて出動したが、所定の時間内に要請された場所へ到着できず、適切な対応ができなかった場合を意味する。
【0053】
例えば、予測装置100は、エリアで緊急車両の要請があった場合に、緊急車両が要請から所定の時間内に、緊急車両が常駐する地点(例えば医療機関等)から要請された場所へ到達可能なエリアである場合、緊急車両の配置の需要が低いと予測するモデルを生成してもよい。例えば、予測装置100は、エリアで緊急車両の要請があった場合に、緊急車両が要請から所定の時間内に、緊急車両が常駐する地点から要請された場所へ到達可能なエリアのエリア情報が入力された場合、低いスコア(例えば0.1等)を出力するモデルを生成してもよい。
【0054】
また、例えば、予測装置100は、エリアで緊急車両の要請があった場合に、緊急車両が要請から所定の時間内に、緊急車両が常駐する地点(例えば医療機関等)から要請された場所へ到達不可能なエリアである場合、緊急車両の配置の需要が高いと予測するモデルを生成してもよい。例えば、予測装置100は、エリアで緊急車両の要請があった場合に、緊急車両が要請から所定の時間内に、緊急車両が常駐する地点から要請された場所へ到達不可能なエリアのエリア情報が入力された場合、高いスコア(例えば0.8等)を出力するモデルを生成してもよい。
【0055】
例えば、予測装置100は、入力されるエリア情報に対応するエリアが、緊急車両が常駐する地点から近い程、低いスコアを出力するようなモデルを生成してもよい。例えば、予測装置100は、入力されるエリア情報に対応するエリアが、緊急車両が常駐する地点を含むエリアである場合、低いスコアを出力するようなモデルを生成してもよい。例えば、予測装置100は、入力されるエリア情報に対応するエリアが、緊急車両が常駐する地点から遠い程、高いスコアを出力するようなモデルを生成してもよい。
【0056】
例えば、予測装置100は、入力されるエリア情報に対応するエリアが渋滞していない場合、緊急車両が要請された場所への到達する時間を要しないため、低いスコアを出力するようなモデルを生成してもよい。例えば、予測装置100は、入力されるエリア情報に対応するエリアが渋滞している場合、緊急車両が要請された場所への到達する時間を要するため、高いスコアを出力するようなモデルを生成してもよい。
【0057】
例えば、予測装置100は、上記のようなスコアを出力するモデルを生成してもよい。この場合、予測装置100は、緊急車両が要請された場合に緊急車両が要請に対して対応可能であったか否かを正解情報としてモデルを生成する。例えば、予測装置100は、あるエリアにおいて緊急車両が要請されたが、間に合わなかった場合のそのエリアのエリア情報が入力された場合に、そのエリアへの緊急車両の配置の需要が高いことを示すスコア(高いスコア)を出力するようなモデルを生成する。例えば、予測装置100は、あるエリアにおいて緊急車両が要請されたが、間に合わなかった場合のそのエリアのエリア情報が入力された場合に、「1」を出力するようなモデルを生成する。
【0058】
また、例えば、予測装置100は、あるエリアにおいて緊急車両が要請されたが、間に合った場合のそのエリアのエリア情報が入力された場合に、そのエリアへの緊急車両の配置の需要が低いことを示すスコアを出力するようなモデルを生成する。例えば、予測装置100は、あるエリアにおいて緊急車両が要請されたが、間に合った場合のそのエリアのエリア情報が入力された場合に、「0」を出力するようなモデルを生成する。なお、上記は一例であり、予測装置100は、各エリアへの緊急車両の配置の需要を予測可能であれば、どのようなモデルを生成してもよい。
【0059】
また、予測装置100は、緊急車両が常駐する地点(例えば医療機関等)と予測対象のエリア間の距離を特徴量として含むモデルを生成してもよい。また、予測装置100は、緊急車両が常駐する地点と予測対象のエリアとの間に位置する他のエリア(中間エリア)に関するエリア情報も加味したモデルを生成してもよい。例えば、予測装置100は、予測対象のエリアが渋滞していなくても、中間エリアが渋滞している場合、緊急車両が間に合わなくなる可能性が高い。そのため、予測装置100は、中間エリアの情報も加味したスコアを出力するモデルを生成してもよい。例えば、予測装置100は、上記のように生成したモデルを用いることにより、所定のエリアにおける緊急車両の要求から所定の時間内での緊急車両の到着可否に基づいて、緊急車両の所定のエリアへの配置に関する需要を予測する。
【0060】
例えば、予測装置100は、リアルタイムに取得する各エリアのエリア情報に基づいて、各エリアの人(ユーザ)の流れや、車両の流れや気象情報などをリアルタイムに把握し、各エリアにおける渋滞の傾向等を補足することができるため、人が疾病を発症した場合に緊急車両(救急車)が間に合わないエリアを予測することができる。そのため、予測装置100は、予測した緊急車両が間に合わないエリアを、緊急車両を配置する需要が高いエリアとして予測することにより、緊急車両に関するサービスを提供する機関に適切な緊急車両の配置に関する情報を提供することができる。
【0061】
〔2-1-2.運送手段〕
また、例えば、予測装置100は、エリアに対応するエリア情報に、そのエリアにおける輸送手段の要求の有無(数)を示す正解情報を対応付けられた学習データを用いてモデルを生成することにより、輸送手段の要求に関する需要を予測するモデルを生成してもよい。例えば、予測装置100は、ある時点におけるエリアに対応するエリア情報に、そのエリアにおけるタクシーの需要を示す正解情報を対応付けられた学習データを用いてモデルを生成することにより、タクシーの要求に関する需要を予測するモデルを生成してもよい。
【0062】
〔2-1-3.移動販売〕
また、例えば、予測装置100は、エリアに対応するエリア情報に、そのエリアにおける移動販売の要求の有無(数)を示す正解情報を対応付けられた学習データを用いてモデルを生成することにより、移動販売の要求に関する需要を予測するモデルを生成してもよい。例えば、予測装置100は、エリアに対応するエリア情報に、そのエリアにおける弁当の販売数を示す正解情報を対応付けられた学習データを用いてモデルを生成することにより、移動販売の要求に関する需要を予測するモデルを生成してもよい。例えば、予測装置100は、ある時点におけるエリアに対応するエリア情報に、そのエリアにおける弁当の販売の需要を示す正解情報を対応付けられた学習データを用いてモデルを生成することにより、移動販売の要求に関する需要を予測するモデルを生成してもよい。
【0063】
なお、上記は一例であり、予測装置100は、エリアで発生する需要であればどのような需要を対象に予測モデルを生成してもよい。例えば、予測装置100は、火災の発生等による消防車の出動要請の発生に関する需要を予測するモデルを生成してもよい。
【0064】
〔2-2.需要の予測〕
なお、予測装置100は、
図1や
図2の例に限らず、種々の方法により需要を予測してもよい。
【0065】
例えば、予測装置100は、回帰や相関を行うことにより、需要を予測してもよい。例えば、予測装置100は、説明変数と目的変数を用意し、回帰や相関を行う。例えば、予測装置100は、目的変数を病院に運ばれ危険な状況になった時のピックアップ場所とし、説明変数をエリアの地形的な特徴量とすることにより、エリアにおいて疾病が発症した場合に危険度を予測してもよい。また、例えば、予測装置100は、最寄りの消防署から何分間かかるかのデータや、気象と病院に搬送される確率(平均何人に一人は運ばれるか)を示す気象状況等を用いて、需要を予測してもよい。また、例えば、予測装置100は、病院に運ばれるまで平均何分かかるかのデータと発生確率をかけ、各地点(エリア)の危険度を算出してもよい。
【0066】
例えば、予測装置100は、目的変数を危険な状況になったかの有無を示す情報として、説明変数を種々の特徴量として、需要を予測してもよい。例えば、予測装置100は、地形的な特徴量、エリアの住民の属性、気象状況等を特徴量として、需要を予測してもよい。また、例えば、予測装置100は、各要素同士のクロネッカー積などを用いて、需要を予測してもよい。これにより、予測装置100は、地点(エリア)の危険度を予測するモデルを生成することができる。このように、予測装置100は、種々の特徴量を追加し、モデルの生成(機械学習)を行うことにより、有効な特徴量を探索することができる。
【0067】
例えば、予測装置100は、シミュレーションにより、需要を予測してもよい。例えば、予測装置100は、渋滞などのシミュレーションを行い、需要発生の地点と消防署との間の移動時間を車両や道路状況を加味したマルチエージェントシミュレーションにより予測してもよい。これにより、予測装置100は、シミュレーションから得られた移動時間などを特徴量として用いることで、よりリアルな状況下でのエリアごとの危険度を算出することができる。
【0068】
例えば、予測装置100は、各エリアに対応する仮想空間に関する情報等の所定のシミュレータに関する各種情報を用いて、所定のシミュレータにおけるエージェントの行動に関するシミュレーションログを生成し、生成したシミュレーションログに基づいて予測を行ってもよい。なお、ここでいうエージェントとは、シミュレーションにおける行動の主体となるものであれば、ユーザや一般車両や緊急車両等を含む車両等どのような対象であってもよい。この場合、例えば、予測装置100は、実際のエリア情報や緊急車両の出動要請履歴等が不足する部分(エリア)をシミュレーションにより補完することができる。例えば、予測装置100は、実際のユーザの行動履歴や緊急車両の出動履歴に基づいてモデルが決定されたエージェントのシミュレーションログを生成することにより、確率的に振る舞うエージェントのシミュレーションログを生成することができる。そのため、予測装置100は、1秒1分等のタイムスライスごとの適切な統計データを分析することができる。このように、予測装置100は、実際のユーザの行動履歴において不足する部分をシミュレーションにより補完することができる。
【0069】
例えば、予測装置100は、実際のユーザや車両のログデータ(行動履歴)に基づいてモデルやパラメータ等を調整し、シミュレーションを行うことにより、確率では表現することは難しい多様な行動パターンによりログを生成(増幅)することができる。また、例えば、予測装置100は、実際のユーザや車両の行動を模した複数のエージェントをシミュレーションに適用し、仮想区間内でのエージェントの行動によりログを生成(増幅)する。この場合、エージェントが配置された仮想区間内では、各エージェントの行動に応じて、エージェント相互の作用やエージェントと環境(他の自動車等の交通や天候等)との作用により、例えばエージェントの行動による渋滞の発生や交通事故の発生等が起こる。このような場合、仮想区間内のエージェントは、多様に変化する状況に応じて種々の選択をし、行動することになる。したがって、上述した予測装置100における生成処理は、いわゆる複雑系である現実世界においてユーザが行った行動履歴と同様の行動履歴(シミュレーションログ)を、仮想区間におけるエージェントの振る舞いにより生成することが可能となる。したがって、予測装置100は、上記のようなシミュレーションを行うことにより、エリア情報や緊急車両の出動要請履歴等が不足するエリアについても、適切に需要を予測することが可能となる。
【0070】
また、例えば、予測装置100は、上記のような種々の処理により地点(エリア)ごとの危険度を算定し、それを複数のエリア間で補完することにより、需要マップ(ヒートマップ)を生成してもよい。例えば、予測装置100は、エリア同士の空間を連続値でグラデーションすることにより、需要マップ(ヒートマップ)を生成してもよい。例えば、予測装置100は、需要情報記憶部123に記憶された需要情報と、種々の従来技術を適宜用いて、需要マップを生成する。なお、予測装置100は、需要マップの生成にガウシアン分布等の種々の従来技術を適宜用いてもよい。
【0071】
〔2-3.予測の対象(未来)〕
なお、予測装置100は、取得したエリア情報から種々の時点における需要を予測してもよい。例えば、予測装置100は、エリア情報が取得された時点よりも先の時点に関する需要を予測してもよい。すなわち、予測装置100は、エリア情報が取得された時点よりも未来(将来)に関する需要を予測してもよい。例えば、予測装置100は、エリア情報が取得された時点よりも10分先の未来に関する需要を予測してもよい。
【0072】
例えば、予測装置100は、エリア情報が収集された日時から所定の期間(例えば5分等)経過後の緊急車両の出動要請の有無(回数)を正解情報(以下、「未来正解情報」ともいう)として、未来に関する需要を予測するモデルを生成してもよい。例えば、予測装置100は、エリア情報が収集された日時から10分後の緊急車両の出動要請の有無を未来正解情報として、10分先の未来に関する需要を予測するモデルを生成してもよい。
【0073】
例えば、予測装置100は、エリア情報と、エリア情報が取得された時点に対応する未来正解情報とを用いて、未来に関する需要を予測するモデルを生成してもよい。例えば、予測装置100は、未来正解情報を用いて生成した予測モデルを用いて、未来に関する需要を予測してもよい。例えば、予測装置100は、取得したエリア情報を予測モデルに入力することにより、エリア情報が取得された日時後の未来に関する需要を予測してもよい。
【0074】
例えば、予測装置100は、エリア情報が収集された日時から所定の期間(例えば5分等)経過後のエリア情報(以下、「未来エリア情報」ともいう)を予測するモデルを生成してもよい。例えば、予測装置100は、エリア情報が取得された時点よりも先の時点におけるエリア情報を予測してもよい。すなわち、予測装置100は、エリア情報が取得された時点よりも未来(将来)のエリア情報を予測してもよい。例えば、予測装置100は、エリア情報が取得された時点よりも10分先の未来エリア情報を予測してもよい。
【0075】
この場合、例えば、予測装置100は、エリア情報を入力情報とし、入力となるエリア情報の取得日時後の所定の日時(例えば10分後)のエリア情報を正解情報として、未来エリア情報を生成する生成モデルを生成してもよい。この場合、予測装置100は、取得したエリア情報を生成モデルに入力することにより、未来エリア情報を生成し、生成した未来エリア情報を予測モデルに入力することにより、エリア情報が取得された日時後の未来に関する需要を予測してもよい。
【0076】
そして、予測装置100は、予測した未来の需要に関する情報に基づいて、サービスを提供してもよい。例えば、予測装置100は、予測した未来の緊急車両の出動要請に関する情報に基づいて、緊急車両の適切な配置に関する情報を医療機関等の緊急車両の事業者に提供してもよい。なお、上記は一例であり、予測装置100は、種々の情報を用いて未来の需要を予測してもよい。
【0077】
〔2-4.近接する時空間の情報利用〕
なお、予測装置100は、ある時点でのあるエリアにおける需要の予測を、その時点におけるそのエリアのセンサ情報に限らず、種々の情報を用いて行ってもよい。例えば、予測装置100は、あるエリア(空間)のある時点での需要を予測する場合、その時空間に近接する他の時空間の情報を利用してもよい。例えば、予測装置100は、あるエリア(エリアARX)におけるある時点(日時DTX)における需要の予測を、エリアARXの日時DTXにおけるセンサ情報に限らず、種々の情報を用いて行ってもよい。
【0078】
例えば、予測装置100は、日時DTXでのエリアARXにおける需要を予測する場合、日時DTXに近接する他の日時のエリア情報を加味して、需要を予測してもよい。ここで、関数p(t)を所定のエリア(例えばエリアARX)におけるある時点のエリア情報を出力する関数であるとして、以下説明する。例えば、関数p(t)は、時点に関する変数tに基づいて定まる日時における所定のエリアのセンサ情報を出力する関数であるものとする。
【0079】
例えば、関数q(t)を所定のエリアにおける需要を示す情報を出力する関数であるものとする。この場合、関数q(t)は、関数p(t),p(t-1),p(t-2),p(t-3)・・・等の複数の日時に対応する情報により出力が決定されてもよい。例えば、関数pやqにおける変数tは、所定の日時に対応する値であってもよいし、具体的な日時であってもよい。
【0080】
例えば、p(t)が、日時DTXにおける所定のエリア(例えばエリアARX)のエリア情報である場合、p(t-1)は、日時DTXから1分前における所定のエリア(例えばエリアARX)のエリア情報であってもよい。また、例えば、p(t)が、日時DTXにおける所定のエリア(例えばエリアARX)のエリア情報である場合、p(t-2)は、日時DTXから2分前における所定のエリア(例えばエリアARX)のエリア情報であってもよい。
【0081】
すなわち、上述した場合においては、予測装置100は、日時DTXにおける所定のエリア(例えばエリアARX)の需要を予測する場合に、日時DTXに限らず近接する日時DTXより過去の時点のエリア情報を加味して、需要を予測する。なお、予測装置100は、他のエリアのエリア情報をどの程度加味するかの重み付けを行ってもよい。例えば、予測装置100は、予測対象の日時に近接するほど、重み付けを重くして需要を予測してもよい。また、例えば、予測装置100は、予測対象の日時と状況が類似する日時ほど、重み付けを重くして需要を予測してもよい。例えば、予測装置100は、予測対象の日時が渋滞が発生する朝の時間帯(7-9時)である場合、同様に渋滞が発生する夕方の時間帯(17-19時)に対応するエリア情報の重み付けを他の日時よりも重くして需要を予測してもよい。
【0082】
また、例えば、予測装置100は、エリアARXにおける需要を予測する場合、エリアARXに近接する他のエリアのエリア情報を加味して、需要を予測してもよい。ここで、関数p(x,y)を所定のエリアにおける時点のエリア情報を出力する関数であるとして、以下説明する。例えば、関数p(x,y)は、所定の軸(x軸)方向における位置xと、x軸に交差する所定の軸(y軸)方向における位置yとに基づいて定まるエリアにおける、所定の日時のセンサ情報を出力する関数であるものとする。
【0083】
例えば、関数q(x,y)を所定のエリアにおける需要を示す情報を出力する関数であるものとする。この場合、関数q(x,y)は、関数p(x,y),p(x-1,y),p(x,y-1),p(x+1,y),p(x,y+1)・・・等の複数のエリアに対応する情報により出力が決定されてもよい。例えば、関数pやqにおける変数xは、x軸方向における所定の位置を示す値であってもよいし、緯度であってもよい。また、例えば、関数pやqにおける変数yは、y軸方向における所定の位置を示す値であってもよいし、緯度であってもよい。例えば、関数pやqにおける変数xや変数yは、地上を上空から平面視した場合にマッピング(写像)されるおける各エリアの位置を示す変数であってもよい。
【0084】
例えば、
図2の例において、p(x,y)が、エリアAR11-4における所定の日時のエリア情報である場合、p(x-1,y)は、エリアAR11-4からx軸に沿う一方向(左方向)に近接するエリアAR11-3における所定の日時のエリア情報であってもよい。また、例えば、
図2の例において、p(x,y)が、エリアAR11-4における所定の日時のエリア情報である場合、p(x,y+1)は、エリアAR11-4からy軸に沿う一方向(上方向)に近接するエリアAR11-2における所定の日時のエリア情報であってもよい。
【0085】
すなわち、上述した場合においては、予測装置100は、エリアAR11-4の需要を予測する場合に、エリアAR11-4に限らず近接するエリアAR11-3やエリアAR11-2等の他のエリアのエリア情報を加味して、需要を予測する。なお、予測装置100は、他のエリアのエリア情報をどの程度加味するかの重み付けを行ってもよい。例えば、予測装置100は、予測対象のエリアに近接するほど、重み付けを重くして需要を予測してもよい。また、例えば、予測装置100は、予測対象のエリアとエリアの状況が類似するエリアほど、重み付けを重くして需要を予測してもよい。
【0086】
また、予測装置100は、上記の時間に関する近接と空間に関する近接とを組み合わせて需要を予測してもよい。例えば、関数q(t,x,y)を所定の日時での所定のエリアにおける需要を示す情報を出力する関数であるものとする。この場合、関数q(t,x,y)は、関数p(t,x,y),p(t-1,x,y),p(t,x-1,y),p(t,x,y-1),p(t,x+1,y)・・・等の複数の日時での複数のエリアに対応する情報により出力が決定されてもよい。なお、上記は一例であり、予測装置100は、種々の情報を用いて、需要を予測してもよい。
【0087】
〔3.予測装置の構成〕
次に、
図4を用いて、実施形態に係る予測装置100の構成について説明する。
図4は、実施形態に係る予測装置の構成例を示す図である。
図4に示すように、予測装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、予測装置100は、予測装置100の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0088】
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークと有線または無線で接続され、事業者装置10との間で情報の送受信を行う。
【0089】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。実施形態に係る記憶部120は、
図4に示すように、学習データ記憶部121と、モデル情報記憶部122と、需要情報記憶部123とを有する。
【0090】
(学習データ記憶部121)
実施形態に係る学習データ記憶部121は、学習データに関する各種情報を記憶する。
図5は、実施形態に係る学習データ記憶部の一例を示す図である。例えば、学習データ記憶部121は、モデルの生成に用いる教師データを記憶する。
図5に示す学習データ記憶部121には、「データID」、「正解情報」、「エリア情報」といった項目が含まれる。「エリア情報」には、「混雑情報」、「渋滞情報」、「気象情報」といった項目が含まれる。
【0091】
「データID」は、データを識別するための識別情報を示す。例えば、データID「DT1-1」により識別されるデータは、
図1の例に示した、データDT1-1に対応する。
【0092】
「正解情報」は、データIDにより識別されるデータに対応する正解情報を示す。例えば、「正解情報」は、データIDにより識別されるデータに対応する実際の需要を示す。
図5では「正解情報」に「RDT1-1」といった概念的な情報が格納される例を示したが、実際には、収集時における対応するエリアでの需要の度合いを示す情報(例えば緊急車両の出動要求回数等)、または、その格納場所を示すファイルパス名などが格納される。
【0093】
「エリア情報」中の「混雑情報」は、エリア情報に含まれる混雑情報を示す。
図5では「混雑情報」に「CDT1-1」といった概念的な情報が格納される例を示したが、実際には、収集時における対応するエリアの人の数や密集度等の種々の情報、または、その格納場所を示すファイルパス名などが格納される。
【0094】
「エリア情報」中の「渋滞情報」は、エリア情報に含まれる渋滞情報を示す。
図5では「渋滞情報」に「JDT1-1」といった概念的な情報が格納される例を示したが、実際には、収集時における対応するエリアの車の数や渋滞度合いや道の太さ等の種々の情報、または、その格納場所を示すファイルパス名などが格納される。
【0095】
「エリア情報」中の「気象情報」は、エリア情報に含まれる気象情報を示す。
図5では「気象情報」に「ADT1-1」といった概念的な情報が格納される例を示したが、実際には、収集時における対応するエリアの気象に関する種々の情報、または、その格納場所を示すファイルパス名などが格納される。
【0096】
例えば、
図5に示す例において、データID「DT1-1」により識別されるデータ(データDT1-1)は、エリア情報として、混雑情報CDT1-1や渋滞情報JDT1-1や気象情報ADT1-1等を含むことを示す。また、データDT1-1は、正解情報RDT1-1を含むことを示す。
【0097】
なお、学習データ記憶部121は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、学習データ記憶部121は、学習データが追加された日時に関する情報を記憶してもよい。また、例えば、学習データ記憶部121は、各学習データがどのような判定処理により追加されたかを示す情報を記憶してもよい。例えば、学習データ記憶部121は、各学習データが管理者の選択により判定されたか等を示す情報を記憶してもよい。
【0098】
(モデル情報記憶部122)
実施形態に係るモデル情報記憶部122は、モデルに関する情報を記憶する。例えば、モデル情報記憶部122は、生成処理により生成されたモデル情報(モデルデータ)を記憶する。
図6は、実施形態に係るモデル情報記憶部の一例を示す図である。
図6に示すモデル情報記憶部122は、「モデルID」、「用途」、「モデルデータ」といった項目が含まれる。なお、
図6では、モデルM1、M2、M3のみを図示するが、M4、M5等、各用途(予測の対象)に応じて多数のモデル情報が記憶されてもよい。
【0099】
「モデルID」は、モデルを識別するための識別情報を示す。例えば、モデルID「M1」により識別されるモデルは、
図1の例に示したモデルM1に対応する。「用途」は、対応するモデルの用途を示す。また、「モデルデータ」は、対応付けられた対応するモデルのデータを示す。例えば、「モデルデータ」には、各層におけるノードと、各ノードが採用する関数と、ノードの接続関係と、ノード間の接続に対して設定される接続係数とを含む情報が含まれる。
【0100】
例えば、
図6に示す例において、モデルID「M1」により識別されるモデル(モデルM1)は、用途が「緊急車両」であり、入力されたエリア情報に対応するエリアにおける緊急車両に需要の予測に用いられることを示す。また、モデルM1のモデルデータは、モデルデータMDT1であることを示す。
【0101】
モデルM1(モデルデータMDT1)は、所定のエリアの状況を示すエリア情報であって、時間経過に応じて変化するエリア情報が入力される入力層と、出力層と、入力層から出力層までのいずれかの層であって出力層以外の層に属する第1要素と、第1要素と第1要素の重みとに基づいて値が算出される第2要素と、を含み、入力層に入力されたエリア情報に対し、出力層以外の各層に属する各要素を第1要素として、第1要素と第1要素の重みとに基づく演算を行うことにより、需要の予測に用いられるスコアの値を出力層から出力するよう、コンピュータを機能させるためのモデルである。
【0102】
ここで、モデルM1、M2等が「y=a1*x1+a2*x2+・・・+ai*xi」で示す回帰モデルで実現されるとする。この場合、例えば、モデルM1が含む第1要素は、x1やx2等といった入力データ(xi)に対応する。また、第1要素の重みは、xiに対応する係数aiに対応する。ここで、回帰モデルは、入力層と出力層とを有する単純パーセプトロンと見做すことができる。各モデルを単純パーセプトロンと見做した場合、第1要素は、入力層が有するいずれかのノードに対応し、第2要素は、出力層が有するノードと見做すことができる。
【0103】
また、モデルM1、M2等がDNN等、1つまたは複数の中間層を有するニューラルネットワークで実現されるとする。この場合、例えば、モデルM1が含む第1要素は、入力層または中間層が有するいずれかのノードに対応する。また、第2要素は、第1要素と対応するノードから値が伝達されるノードである次段のノードに対応する。また、第1要素の重みは、第1要素と対応するノードから第2要素と対応するノードに伝達される値に対して考慮される重みである接続係数に対応する。
【0104】
なお、モデル情報記憶部122は、上記に限らず、目的に応じて種々のモデル情報を記憶してもよい。
【0105】
(需要情報記憶部123)
実施形態に係る需要情報記憶部123は、商品に関する各種情報を記憶する。
図7に、実施形態に係る需要情報記憶部123の一例を示す。
図7に示す需要情報記憶部123は、「対象」、「エリア」、「スコア」、「需要レベル」といった項目を有する。
図7に示す需要情報記憶部123は、
図2において予測したエリアAR11-1~AR11-6における緊急車両の需要に関する情報を示す。
【0106】
「対象」は、需要を予測する対象を示す。「エリア」は、予測対象となったエリアを示す。「スコア」は、対応するエリアにおける対象に関する需要の評価値となるスコアを示す。例えば、「需要レベル」は、対応するエリアにおける対象に関する需要レベルを示す。
【0107】
例えば、
図7に示す例において、需要を予測する対象は、緊急車両であることを示す。エリアAR11-1における緊急車両の需要を示すスコアは、「0.12」であることを示す。また、エリアAR11-1における緊急車両の需要レベルは、「低」であることを示す。
【0108】
なお、需要情報記憶部123は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。需要情報記憶部123は、商品の具体的な名称等を記憶してもよい。
【0109】
(制御部130)
図4の説明に戻って、制御部130は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、予測装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(予測プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。制御部130は、モデル情報記憶部122に記憶されているモデルM1等に従った情報処理により、所定のエリアの状況を示すエリア情報であって、時間経過に応じて変化するエリア情報が入力される入力層と、出力層と、入力層から出力層までのいずれかの層であって出力層以外の層に属する第1要素と、第1要素と第1要素の重みとに基づいて値が算出される第2要素と、を含み、入力層に入力されたエリア情報に対し、出力層以外の各層に属する各要素を第1要素として、第1要素と第1要素の重みとに基づく演算を行うことにより、需要の予測に用いられるスコアの値を出力層から出力する。
【0110】
図4に示すように、制御部130は、取得部131と、生成部132と、予測部133と、提供部134とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図4に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。制御部130は、記憶部120に記憶されているモデルM1(モデルデータMDT1)に従った情報処理により、第1要素と第1要素の重みとに基づいて値が算出される第2要素と、を含み、入力層に入力されたエリア情報に対し、出力層以外の各層に属する各要素を第1要素として、第1要素と第1要素の重みとに基づく演算を行うことにより、需要の予測に用いられるスコアの値を出力層から出力する。
【0111】
(取得部131)
取得部131は、各種情報を取得する。例えば、取得部131は、学習データ記憶部121と、モデル情報記憶部122と、需要情報記憶部123等から各種情報を取得する。また、取得部131は、各種情報を外部の情報処理装置から取得してもよい。また、取得部131は、各種情報を事業者装置10等から取得してもよい。
【0112】
例えば、取得部131は、所定のエリアの状況を示すエリア情報であって、時間経過に応じて変化するエリア情報を取得する。例えば、取得部131は、所定のエリアの混雑状況を示す情報を含むエリア情報を取得する。例えば、取得部131は、所定のエリアの渋滞状況を示す情報を含むエリア情報を取得する。例えば、取得部131は、所定のエリアの気象状況を示す情報を含むエリア情報を取得する。
【0113】
図1の例では、取得部131は、学習データLD1を取得する。例えば、取得部131は、データDT1やデータDT2等を含む学習データLD1を取得する。
【0114】
図2の例では、取得部131は、日時dt11におけるエリアAR11のデータDT11を取得する。例えば、取得部131は、事業者SA1が利用する事業者装置10から日時dt11におけるエリアAR11のデータDT11を取得する。
【0115】
(生成部132)
生成部132は、各種情報を生成する。例えば、生成部132は、学習データ記憶部121に記憶された学習データを用いて、モデル情報記憶部122に示すようなモデルを生成する。例えば、生成部132は、取得部131により取得された学習データに基づいて、所定の対象に関する需要の予測に用いられるモデルを生成する。例えば、生成部132は、エリア情報と、エリア情報に対応する所定の対象に関する需要を示す正解情報とを含む学習データに基づいて、所定の対象に関する需要の予測に用いられるモデルを生成する。
【0116】
例えば、生成部132は、モデルM1、M2等を生成し、生成したモデルM1、M2等をモデル情報記憶部122に格納する。なお、生成部132は、いかなる学習アルゴリズムを用いてモデルM1、M2等を生成してもよい。例えば、生成部132は、ニューラルネットワーク(neural network)、サポートベクターマシン(SVM)、クラスタリング、強化学習等の学習アルゴリズムを用いてモデルM1、M2等を生成する。一例として、生成部132がニューラルネットワークを用いてモデルM1、M2等を生成する場合、モデルM1、M2等は、一以上のニューロンを含む入力層と、一以上のニューロンを含む中間層と、一以上のニューロンを含む出力層とを有する。
【0117】
生成部132は、モデルを生成し、生成したモデルをモデル情報記憶部122に格納する。具体的には、生成部132は、所定のエリアの状況を示すエリア情報であって、時間経過に応じて変化するエリア情報が入力される入力層と、出力層と、入力層から出力層までのいずれかの層であって出力層以外の層に属する第1要素と、第1要素と第1要素の重みとに基づいて値が算出される第2要素と、を含み、入力層に入力されたエリア情報に対し、出力層以外の各層に属する各要素を第1要素として、第1要素と第1要素の重みとに基づく演算を行うことにより、需要の予測に用いられるスコアの値を出力層から出力するモデルを生成する。
【0118】
図1の例では、生成部132は、学習データに基づいてモデルを生成する。例えば、生成部132は、学習データに基づいてモデルを生成する。例えば、生成部132は、学習データ記憶部121中のデータDT1-1~DT1-4等を学習データ(教師データ)として、学習を行なうことにより、モデルを生成する。
【0119】
例えば、生成部132は、学習データLD1を用いてモデルM1を生成する。例えば、予測装置100は、正解情報RDT1-1が緊急車両の出動の要請が有ったことを示す「1」である場合、モデルM1にデータDT1-1に含まれるエリア情報が入力された場合に、モデルM1が出力するスコアが「1」に近づくように、学習処理を行う。例えば、生成部132は、データDT1-1の混雑情報CDT1-1や渋滞情報JDT1-1や気象情報ADT1-1がモデルM1に入力され場合に、モデルM1が出力するスコアが「1」に近づくように、学習処理を行う。
【0120】
また、例えば、生成部132は、正解情報RDT1-2が緊急車両の出動の要請が無かったことを示す「0」である場合、モデルM1にデータDT1-2に含まれるエリア情報が入力された場合に、モデルM1が出力するスコアが「0」に近づくように、学習処理を行う。例えば、生成部132は、データDT1-2の混雑情報CDT1-2や渋滞情報JDT1-2や気象情報ADT1-2がモデルM1に入力され場合に、モデルM1が出力するスコアが「0」に近づくように、学習処理を行う。
【0121】
図2の例では、生成部132は、各エリアAR11-1~AR11-6の需要の度合いを示す需要マップを生成する。例えば、生成部132は、需要リストDL11に基づいて、種々の従来技術を適宜用いて、需要マップHM11を生成する。また、例えば、生成部132は、需要リストDL11等に基づいて緊急車両AMの配置計画を生成してもよい。
【0122】
(予測部133)
予測部133は、各種情報を予測する。予測部133は、学習データ記憶部121と、モデル情報記憶部122と、需要情報記憶部123等に記憶された情報を用いて種々の情報を予測する。例えば、予測部133は、取得部131により取得された各種情報に基づいて、種々の情報を予測する。
【0123】
例えば、予測部133は、取得部131により取得されたエリア情報に基づいて、所定のエリアにおける所定の対象に関する需要を予測する。例えば、予測部133は、所定の対象に関する需要の予測に用いられるモデルであって、エリア情報が入力されたモデルの出力に基づいて、所定のエリアにおける所定の対象に関する需要を予測する。例えば、予測部133は、所定のエリアにおける緊急車両の要求に関する需要を予測する。例えば、予測部133は、所定のエリアにおける緊急車両の要求から所定の時間内での緊急車両の到着可否に基づいて、緊急車両の所定のエリアへの配置に関する需要を予測する。例えば、予測部133は、所定のエリアにおける輸送手段の要求に関する需要を予測する。例えば、予測部133は、所定のエリアにおける移動販売に関する需要を予測する。
【0124】
図2の例では、予測部133は、各エリアAR11-1~AR11-6のスコアに基づいて需要を予測する。例えば、予測部133は、エリア情報が入力されたモデルM1が出力するスコアが0.3未満である場合、そのエリア情報に対応するエリアの緊急車両の出動の要請、すなわち緊急車両の需要が「低」と予測する。例えば、予測部133は、エリア情報が入力されたモデルM1が出力するスコアが0.3以上0.7未満である場合、そのエリア情報に対応するエリアの緊急車両の出動の要請、すなわち緊急車両の需要が「中」と予測する。例えば、予測部133は、エリア情報が入力されたモデルM1が出力するスコアが0.7以上である場合、そのエリア情報に対応するエリアの緊急車両の出動の要請、すなわち緊急車両の需要が「高」と予測する。
【0125】
図2の例では、予測部133は、各エリアAR11-1~AR11-6の需要を「低」、「中」、「高」のいずれのレベルであるかを予測する。例えば、予測部133は、
図2中の需要リストDL11に示すように、エリアAR11-1を需要「低」、エリアAR11-2を需要「中」、エリアAR11-3を需要「高」、エリアAR11-4を需要「高」、エリアAR11-5を需要「低」、エリアAR11-6を需要「低」と予測する。
【0126】
例えば、予測部133は、上述した回帰モデルやニューラルネットワーク等、任意の構造を有するモデルを用いて、スコアの算出を行う。具体的には、モデルM1は、所定のエリアの状況を示すエリア情報であって、時間経過に応じて変化するエリア情報(すなわち、上述したスコアの算出に用いられる各要素)が入力された場合に、所定の対象の予測を定量化した値(すなわち、所定のエリアにおいて所定の対象に関する需要が発生する可能性が高いかを示唆するスコア)を出力するように係数が設定される。予測部133は、このようなモデルM1を用いて、各出品の対象に関するスコアを算出する。
【0127】
なお、上記例では、モデルM1が、所定のエリアの状況を示すエリア情報であって、時間経過に応じて変化するエリア情報が入力された場合に、所定のエリアにおいて所定の対象に関する需要の予測を定量化した値を出力するモデルである例を示した。しかし、実施形態に係るモデル(モデルX)は、モデルM1にデータの入出力を繰り返すことで得られる結果に基づいて生成されるモデルであってもよい。例えば、モデルXは、所定のエリアの状況を示すエリア情報であって、時間経過に応じて変化するエリア情報を入力とし、モデルM1が出力するスコアを出力とするよう学習されたモデル(モデルY)であってもよい。または、モデルM1は、所定のエリアの状況を示すエリア情報であって、時間経過に応じて変化するエリア情報を入力とし、モデルYの出力値を出力とするよう学習されたモデルであってもよい。また、予測部133がGAN(Generative Adversarial Networks)を用いた予測処理を行う場合、モデルM1は、GANの一部を構成するモデルであってもよい。
【0128】
(提供部134)
提供部134は、各種情報を提供する。例えば、提供部134は、事業者装置10に各種情報を提供する。提供部134は、予測部133により予測された所定の対象に関する需要に基づくサービスを提供する。例えば、提供部134は、予測部133により予測された所定の対象に関する需要に基づいて、需要に対応する供給手段の配置に関する情報を提供する。また、例えば、提供部134は、生成部132により生成されたモデルに関する情報を外部の情報処理装置へ提供してもよい。また、例えば、提供部134は、モデルが出力する情報を外部の情報処理装置へ提供してもよい。
【0129】
図2の例では、提供部134は、予測部133により予測されたエリアAR11-1~AR11-6等の需要に基づく需要マップHM11を事業者装置10へ提供する。例えば、提供部134は、予測した需要に基づいて情報提供を行う。例えば、提供部134は、生成部132により生成された需要マップHM11を事業者装置10へ提供する。例えば、提供部134は、需要リストDL11を事業者装置10へ提供してもよい。例えば、提供部134は、生成部132により生成された緊急車両AMの配置計画を、事業者装置10へ提供してもよい。
【0130】
〔4.生成処理のフロー〕
次に、
図8を用いて、実施形態に係る予測システム1による生成処理の手順について説明する。
図8は、実施形態に係る生成処理の一例を示すフローチャートである。具体的には、
【0131】
図8に示すように、予測装置100は、学習データを取得する(ステップS101)。例えば、予測装置100は、学習データ記憶部121から学習データを取得する。
【0132】
その後、予測装置100は、学習データに基づきモデルを生成する(ステップS102)。
図1の例では、予測装置100は、学習データ記憶部121から学習データを用いてモデルM1を生成する。
【0133】
〔5.予測処理のフロー〕
次に、
図9を用いて、実施形態に係る予測システム1による生成処理の手順について説明する。
図9は、実施形態に係る予測処理の一例を示すフローチャートである。
【0134】
図9に示すように、予測装置100は、エリア情報を取得する(ステップS201)。
図2の例では、予測装置100は、事業者SA1が利用する事業者装置10から日時dt11におけるデータDT11を取得する。
【0135】
また、予測装置100は、モデルを用いてエリアにおける所定の対象に関する需要を予測する(ステップS202)。
図2の例では、予測装置100は、モデルM1を用いてエリアAR11中のエリアAR11-1~AR11-6等について、緊急車両の需要を予測する。
【0136】
また、予測装置100は、予測した情報に基づくサービスを提供する(ステップS203)。
図2の例では、予測装置100は、予測したエリアAR11-1~AR11-6等の需要に基づく需要マップHM11を事業者装置10へ提供する。
【0137】
〔6.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る予測装置100は、取得部131と、予測部133とを有する。取得部131は、所定のエリアの状況を示すエリア情報であって、時間経過に応じて変化するエリア情報を取得する。また、予測部133は、取得部131により取得されたエリア情報に基づいて、所定のエリアにおける所定の対象に関する需要を予測する。
【0138】
このように、実施形態に係る予測装置100は、時間経過に応じて変化するエリア情報出品に基づいて、所定のエリアにおける所定の対象に関する需要を予測することにより、所定の対象に対する需要を適切に予測することができる。
【0139】
また、実施形態に係る予測装置100において、取得部131は、所定のエリアの混雑状況を示す情報を含むエリア情報を取得する。
【0140】
このように、実施形態に係る予測装置100は、所定のエリアの混雑状況を示す情報を含むエリア情報を用いて予測することにより、所定の対象に対する需要を適切に予測することができる。
【0141】
また、実施形態に係る予測装置100において、取得部131は、所定のエリアの渋滞状況を示す情報を含むエリア情報を取得する。
【0142】
このように、実施形態に係る予測装置100は、所定のエリアの渋滞状況を示す情報を含むエリア情報を用いて予測することにより、所定の対象に対する需要を適切に予測することができる。
【0143】
また、実施形態に係る予測装置100において、取得部131は、所定のエリアの気象状況を示す情報を含むエリア情報を取得する。
【0144】
このように、実施形態に係る予測装置100は、所定のエリアの気象状況を示す情報を含むエリア情報を用いて予測することにより、所定の対象に対する需要を適切に予測することができる。
【0145】
また、実施形態に係る予測装置100において、予測部133は、所定の対象に関する需要の予測に用いられるモデルであって、エリア情報が入力されたモデルの出力に基づいて、所定のエリアにおける所定の対象に関する需要を予測する。
【0146】
このように、実施形態に係る予測装置100は、所定の対象に関する需要の予測に用いられるモデルであって、エリア情報が入力されたモデルの出力に基づいて、所定のエリアにおける所定の対象に関する需要を予測することにより、所定の対象に対する需要を適切に予測することができる。
【0147】
また、実施形態に係る予測装置100は、生成部132を有する。生成部132は、エリア情報と、エリア情報に対応する所定の対象に関する需要を示す正解情報とを含む学習データに基づいて、所定の対象に関する需要の予測に用いられるモデルを生成する。
【0148】
このように、実施形態に係る予測装置100は、エリア情報と、エリア情報に対応する所定の対象に関する需要を示す正解情報とを含む学習データに基づいて、所定の対象に関する需要の予測に用いられるモデルを生成することにより、所定の対象に対する需要を適切に予測することができる。
【0149】
また、実施形態に係る予測装置100において、予測部133は、所定のエリアにおける緊急車両の要求に関する需要を予測する。
【0150】
このように、実施形態に係る予測装置100は、所定のエリアにおける緊急車両の要求に関する需要を予測することにより、所定の対象に対する需要を適切に予測することができる。
【0151】
また、実施形態に係る予測装置100において、予測部133は、所定のエリアにおける緊急車両の要求から所定の時間内での緊急車両の到着可否に基づいて、緊急車両の所定のエリアへの配置に関する需要を予測する。
【0152】
このように、実施形態に係る予測装置100は、所定のエリアにおける緊急車両の要求から所定の時間内での緊急車両の到着可否に基づいて、緊急車両の所定のエリアへの配置に関する需要を予測することにより、所定の対象に対する需要を適切に予測することができる。
【0153】
また、実施形態に係る予測装置100において、予測部133は、所定のエリアにおける輸送手段の要求に関する需要を予測する。
【0154】
このように、実施形態に係る予測装置100は、所定のエリアにおける輸送手段の要求に関する需要を予測することにより、所定の対象に対する需要を適切に予測することができる。
【0155】
また、実施形態に係る予測装置100において、予測部133は、所定のエリアにおける移動販売に関する需要を予測する。
【0156】
このように、実施形態に係る予測装置100は、所定のエリアにおける移動販売に関する需要を予測することにより、所定の対象に対する需要を適切に予測することができる。
【0157】
また、実施形態に係る予測装置100は、提供部134を有する。提供部134は、予測部133により予測された所定の対象に関する需要に基づくサービスを提供する。
【0158】
このように、実施形態に係る予測装置100は、予測された所定の対象に関する需要に基づくサービスを提供することにより、情報提供先の事業者等が所定のエリアにおける需要に基づくサービスを提供可能にすることができる。
【0159】
また、実施形態に係る予測装置100において、提供部134は、予測部133により予測された所定の対象に関する需要に基づいて、需要に対応する供給手段の配置に関する情報を提供する。
【0160】
このように、実施形態に係る予測装置100は、予測された所定の対象に関する需要に基づいて、需要に対応する供給手段の配置に関する情報を提供することにより、情報提供先の事業者等が所定のエリアにおける需要に基づくサービスを提供可能にすることができる。
【0161】
〔7.ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態に係る予測装置100は、例えば
図10に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図10は、予測装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM(Read Only Memory)1300、HDD(Hard Disk Drive)1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0162】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0163】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータをネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0164】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0165】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0166】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る予測装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムまたはデータ(例えば、モデルM1(モデルデータMDT1))を実行することにより、制御部130の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムまたはデータ(例えば、モデルM1(モデルデータMDT1))を記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0167】
以上、本願の実施形態及び変形例のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の行に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0168】
〔8.その他〕
また、上記実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0169】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0170】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0171】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0172】
1 予測システム
100 予測装置
121 学習データ記憶部
122 モデル情報記憶部
123 需要情報記憶部
130 制御部
131 取得部
132 生成部
133 予測部
134 提供部
10 事業者装置
N ネットワーク