(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-09
(45)【発行日】2023-06-19
(54)【発明の名称】放出機能付き容器
(51)【国際特許分類】
B65D 5/38 20060101AFI20230612BHJP
B65D 5/42 20060101ALI20230612BHJP
【FI】
B65D5/38 Z
B65D5/42 G
(21)【出願番号】P 2018226686
(22)【出願日】2018-12-03
【審査請求日】2021-09-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000115980
【氏名又は名称】レンゴー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100177644
【氏名又は名称】児玉 和樹
(72)【発明者】
【氏名】長峯 道代
(72)【発明者】
【氏名】半田 雅之
【審査官】長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3033825(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2003/0143922(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0092138(US,A1)
【文献】実公平01-013063(JP,Y2)
【文献】実開昭50-124296(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2008/0047175(US,A1)
【文献】特開2018-043792(JP,A)
【文献】実公昭31-002967(JP,Y1)
【文献】実公昭47-030037(JP,Y1)
【文献】欧州特許出願公開第00904816(EP,A1)
【文献】米国特許第06572435(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/38
B65D 5/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物(M)を外部に放出する機能を備えた放出機能付き容器(1,3)であって、
一枚の段ボールシートで形成され、左右方向に対向する一対の側壁(20)と前後方向に対向する一対の面壁(21)とによって上端面に開口部(10A)を有する角筒状に形成されている外側部材(10,16)と、
一枚の段ボールシートで形成され、長方形状の底壁(60)の左右両端部に立設される一対の端壁部(61)と前記底壁の前後両端部に立設される一対の側壁部(62)とによって上端面を開放した前記内容物を載置可能なトレイ状に形成され、前記外側部材の内部にて軸方向に沿って移動可能に設けられている内側部材(11)と、
前記外側部材の内部に設けられ、前記内側部材に対して前記開口部に向かう放出方向に弾性力を作用させる弾性部材(12)と、
前記弾性部材の弾性力に抗して前記内側部材を前記開口部から離す離間方向に移動させるために設けられている操作部材(13,15)と、を備え、
前記外側部材は、
一対の前記側壁の上端に連設される一対の移動規制部(23)と、
一対の前記面壁のいずれか一方の上端に連設される押え部(24)と、を含み、
各々の前記移動規制部は、前記側壁の上端から一列に連設された上額縁部(30)と、規制内壁(31)と、下額縁部(32)と、巻込み壁(33)とを前記開口部の縁部から内側に巻き込むように内側に折り返し、前記巻込み壁を前記側壁の内面に重ね、前記規制内壁と巻込み壁33とを対向させた二重壁構造を形成し、
前記押え部は、前記面壁の上端から一列に連設された前額縁部(36)および押え内壁(37)を内側に折り返し、隙間を挟んで前記面壁に対向した前記押え内壁を一対の前記移動規制部の間に圧入させ、
各々の前記端壁部は、前記底壁の左右方向の端部から一列に連設された第1外壁(70)と、第1額縁部(72)と、第1内壁(73)とを前記底壁に対し立ち上げながら内側に折り返し、前記第1外壁と前記第1内壁とを対向させた二重壁構造を形成し、
各々の前記側壁部は、前記底壁の前後方向の端部から一列に連設された第2外壁(76)と、第2額縁部(77)と、第2内壁(78)とを前記底壁に対し立ち上げながら内側に折り返し、前記第2内壁を一対の前記端壁部の間に圧入させ、前記第2外壁と前記第2内壁とを対向させた二重壁構造を形成し、
各々の前記移動規制部の前記規制内壁には、前記上額縁部に向かって凸となる外側フック(35)が形成され、
各々の前記端壁部の前記第1内壁には、前記底壁に向かって凸となる内側フック(75)が形成され、
前記弾性部材は、前記側壁の内面と前記端壁部の外面とに非接触となるように、一対の前記外側フックと一対の前記内側フックとに掛けられた一対の輪ゴム(12)であり、
前記弾性部材の弾性力に抗して離間方向に移動させた前記内側部材が、前記弾性部材の弾性力を受けて放出方向に移動した後、前記内側部材の一対の前記第1額縁部が一対の前記移動規制部の前記下額縁部に干渉して移動規制されることで、前記内側部材に載置された前記内容物が、外部に放出されることを特徴とする放出機能付き容器。
【請求項2】
前記内側部材の底部には、軸方向に移動する際に空気を通すための通気穴(63)が形成されていることを特徴とする請求項
1に記載の放出機能付き容器。
【請求項3】
前記操作部材は、前記内側部材に接続された索状体(13)であり、
前記索状体は、前記外側部材の底部に形成された操作穴(52)を貫通して前記外側部材の外部に延設されていることを特徴とする請求項1
または2に記載の放出機能付き容器。
【請求項4】
前記外側部材には、前記開口部を開閉するための蓋部(25)が連設されていることを特徴とする請求項1ないし
3のいずれかに記載の放出機能付き容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容物を外部に放出する機能を備えた放出機能付き容器に関する。
【背景技術】
【0002】
内容物を外部に放出する機能を備えた容器ではないが、特許文献1に記載の飛び出し箱は、輪ゴムの弾性力によって皿状中箱を外箱から飛び出させる機能を備えている。輪ゴムは外箱の開口部の両端に架け渡され、中箱は輪ゴムを伸ばしながら外箱の内部に収容される。輪ゴムは、伸ばされた状態で外箱と中箱との間の隙間に配置される。外箱の開口部は蓋で閉じられ、中箱は外箱の内部に保持される。外箱の蓋を開けると、中箱は、輪ゴムの弾性力によって外箱から飛び出す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、イベント会場等において、菓子等の商品を空中に放出して会場を盛り上げることがある。しかしながら、上記した飛び出し箱では、外箱から中箱が飛び出す際に、内容物が中箱からこぼれ落ちることはあるかもしれないが、中箱に収容された内容物を外部に放出することができなかった。また、上記した飛び出し箱では、中箱を外箱に収容した状態で輪ゴムが伸びており、ユーザが輪ゴムの伸び具合を調整することができなかった。つまり、中箱に働く弾性力を増減(調整)することができなかった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するために、内側部材に作用する弾性力を調整しながら内側部材に載置された内容物を外部に放出することができる放出機能付き容器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した目的を達成するため、本発明は、内容物を外部に放出する機能を備えた放出機能付き容器であって、一端面に開口部を有する筒状に形成されている外側部材と、一端面を開放して前記内容物を載置可能に形成され、前記外側部材の内部にて軸方向に沿って移動可能に設けられている内側部材と、前記外側部材の内部に設けられ、前記内側部材に対して前記開口部に向かう放出方向に弾性力を作用させる弾性部材と、前記弾性部材の弾性力に抗して前記内側部材を前記開口部から離す離間方向に移動させるために設けられている操作部材と、を備え、前記弾性部材の弾性力に抗して離間方向に移動させた前記内側部材が、前記弾性部材の弾性力を受けて放出方向に移動した後に移動規制されることで、前記内側部材に載置された前記内容物が、外部に放出される。
【0007】
この場合、前記弾性部材は、前記開口部の近傍となる前記外側部材の互いに対向する一対の内壁と、前記内側部材の互いに対向する一対の内壁とに掛けられた一対の輪ゴムであることが好ましい。
【0008】
この場合、前記外側部材は、前記弾性部材の弾性力を受けて放出方向に移動した前記内側部材を衝突させる移動規制部を含んでいることが好ましい。
【0009】
この場合、前記移動規制部は前記開口部の縁部から内側に巻き込むように形成され、前記移動規制部の一部が前記外側部材の内面に重ねられていることが好ましい。
【0010】
この場合、前記内側部材の底部には、軸方向に移動する際に空気を通すための通気穴が形成されていることが好ましい。
【0011】
この場合、前記操作部材は、前記内側部材に接続された索状体であり、前記索状体は、前記外側部材の底部に形成された操作穴を貫通して前記外側部材の外部に延設されていることが好ましい。
【0012】
この場合、前記外側部材には、前記開口部を開閉するための蓋部が連設されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、内側部材に作用する弾性力を調整しながら内側部材に載置された内容物を外部に放出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る放出機能付き容器を示す斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る放出機能付き容器の蓋部を開いた状態を示す斜視図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る放出機能付き容器の外箱のブランクを示す平面図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る放出機能付き容器の内箱のブランクを示す平面図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係る内箱を示す斜視図である。
【
図6】本発明の第1実施形態に係る放出機能付き容器に内容物等を収容した状態を示す断面図(背面図)である。
【
図9】本発明の第1実施形態に係る放出機能付き容器であって、輪ゴムを引き伸ばした状態を示す断面図(背面図)である。
【
図10】本発明の第1実施形態に係る放出機能付き容器であって、内容物を放出した状態を示す断面図(背面図)である。
【
図11】本発明の第1実施形態の変形例に係る放出機能付き容器を示す断面図(背面図)である。
【
図12】本発明の第2実施形態に係る放出機能付き容器を示す断面図(背面図)である。
【
図13】本発明の第3実施形態に係る放出機能付き容器を示す断面図(側面図)である。
【
図14】本発明の第3実施形態に係る放出機能付き容器を示す断面図(背面図)である。
【
図15】本発明の第1実施形態の他の変形例に係る放出機能付き容器を示す断面図(背面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。なお、各図に示す「Fr」は「前」を示し、「Rr」は「後」を示し、「L」は「左」を示し、「R」は「右」を示し、「U」は「上」を示し、「D」は「下」を示している。また、本明細書では方向や位置を示す用語を用いるが、それらの用語は説明の便宜のために用いるものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0016】
[第1実施形態:放出機能付き容器の概要]
図1ないし
図4を参照して、第1実施形態に係る放出機能付き容器1の構成について説明する。
図1は放出機能付き容器1を示す斜視図である。
図2は放出機能付き容器1の蓋部25を開いた状態を示す斜視図である。
図3は外箱10のブランク5を示す平面図である。
図4は内箱11のブランク6を示す平面図である。
【0017】
図1に示すように、放出機能付き容器1は、全体として、上下方向に長い略直方体状に形成されている。詳細については後述するが、放出機能付き容器1は、その内部に収容した内容物Mを外部に放出する機能を備えている。
【0018】
図2に示すように、放出機能付き容器1は、外箱10と、内箱11と、一対の輪ゴム12と、索状体13と、を備えている。外側部材の一例としての外箱10は、上端面(一端面)に開口部10Aを有する略角筒状に形成され、放出機能付き容器1の外観を構成している。外箱10の上部には、開口部10Aを開閉するための蓋部25が連設されている。内側部材の一例としての内箱11は、上端面(一端面)を開放して内容物Mを載置可能な略トレイ状に形成され、外箱10の内部に設けられている。弾性部材の一例としての一対の輪ゴム12は、外箱10の内部に設けられ、外箱10と内箱11とを連結している。輪ゴム12は、一般的に入手可能な環状のゴムである。操作部材の一例としての索状体13は、内箱11に接続され、外箱10の外部まで延設されている。索状体13は、例えば、撚りを入れた紙製の紐であり、柔軟に撓むように形成されている。
【0019】
なお、運送時や店頭での陳列時には、輪ゴム12や索状体13は、取り外され、内容物Mと共に内箱11(または外箱10)の内部に収容されている。
【0020】
外箱10は、
図3に示すブランク5を組み立てることで形成される。内箱11は、
図4に示すブランク6を組み立てることで形成される。これらのブランク5,6は、一枚の段ボールシートを抜型等で打ち抜いて形成される。段ボールシートは、例えば、波状の中しん9Aに表ライナ9Bと裏ライナ9C(
図2参照)とを貼り合せた両面段ボールシートである。なお、
図3および
図4は、表ライナ9B側を示している。本明細書では、段ボールシートの中しん9Aと平行な方向を「段方向」と呼び、段方向に直交する方向を「流れ方向」と呼ぶこととする。図面に示す「X」は「段方向」を示し、「Y」は「流れ方向」を示している。また、本明細書では、「上(天)」、「下(底)」およびこれに類する用語は、放出機能付き容器1を組み立てた状態(使用状態)における上(天)、下(底)およびこれに類する概念を指している。
【0021】
[外箱のブランク]
図3に示すように、外箱10のブランク5は、右側壁20Rと、正面壁21Fと、左側壁20Lと、背面壁21Rと、継代片22と、一対の移動規制部23と、押え部24と、蓋部25と、一対の下内フラップ26と、底部27と、を備えている。なお、以下の説明では、便宜上、右側壁20Rと左側壁20Lとに共通する説明では、単に「側壁20」と呼び、符号に算用数字のみを付す。これと同様に、正面壁21Fと背面壁21Rとに共通する説明では、単に「面壁21」と呼び、符号に算用数字のみを付す。
【0022】
<各々の側壁、継代片>
右側壁20R、正面壁21F、左側壁20L、背面壁21Rおよび継代片22は、この順番で流れ方向に一列に並べられ、第1折曲線L1を介して連設されている。右側壁20Rと左側壁20Lとは、略同一の大きさで、段方向に長い略長方形状に形成されている。正面壁21Fと背面壁21Rとは、略同一の大きさで、段方向に長い略長方形状に形成されている。一対の面壁21は、一対の側壁20よりも流れ方向に長く形成されている。継代片22は、側壁20よりも流れ方向に短い略長方形状(台形状)に形成されている。
【0023】
<移動規制部>
一対の移動規制部23は、一対の側壁20の段方向一端部(上端部)に連設されている。右側壁20Rに連設された移動規制部23は、全体的に略四角形状に形成されている。左側壁20Lに連設された移動規制部23は、蓋部25の一部によって四角形の約1/4が抉られたような異形に形成されている。なお、一対の移動規制部23は、互いに形状の違いがあるが、その基本構造は略同一であるため、以下の説明では、特に明記しない限り、1つの移動規制部23について説明する。
【0024】
移動規制部23は、上額縁部30と、規制内壁31と、下額縁部32と、巻込み壁33と、を含んでいる。上額縁部30、規制内壁31、下額縁部32および巻込み壁33は、この順番で段方向に一列に連設されている。
【0025】
(上額縁部)
上額縁部30は、第2折曲線L2を介して側壁20の段方向一端部に連設されている。上額縁部30は、側壁20の側から先端に向かって徐々に幅狭くなる略台形状に形成されている。上額縁部30の段方向の寸法(延出寸法)は、段ボールシートの厚さよりも大きく(長く)設定されている。
【0026】
(規制内壁)
規制内壁31は、第2折曲線L2を介して上額縁部30の段方向一端部に連設されている。換言すれば、規制内壁31は、略平行に延びた2本の第2折曲線L2を介して側壁20に連設されている。規制内壁31は、上額縁部30の先端辺と略同一幅となる略長方形状に形成されている。規制内壁31の延出寸法は、上額縁部30の延出寸法よりも長く設定されている。一対の規制内壁31の互いに対向する端部には、一対の規制凸部31Aが互いに接近するように突設されている。規制凸部31Aは、規制内壁31の基端側(上額縁部30の側)に形成されている。また、規制内壁31の先端側には、規制凸部31Aに対して相対的に凹む規制凹部31Bが形成されている。
【0027】
また、規制内壁31の流れ方向中央部には、掛合切込線34が規制内壁31の段方向中央部から上額縁部30に向かって凸状に切り込まれている。掛合切込線34は、上額縁部30との境界線(第2折曲線L2)に沿った横切目と、その横切目の両端から規制内壁31の段方向先端に向かって延びた一対の縦切目とによって略U字状に形成されている。規制内壁31には、掛合切込線34で囲まれた領域に外側フック35が形成されている。また、外側フック35の根本部分には、規制内壁31の段方向基端側にU字状に折り返された一対の掛合返し部34Aが形成されている。なお、左側壁20Lに連設された移動規制部23の掛合切込線34には、蓋部25の側に位置する掛合返し部34Aが省略されている。
【0028】
(下額縁部)
下額縁部32は、第3折曲線L3を介して規制内壁31の段方向一端部に連設されている。下額縁部32は、規制内壁31の先端辺と略同一幅となる略長方形状に形成されている。下額縁部32の延出寸法は、上額縁部30の延出寸法よりも短く、且つ段ボールシートの厚さよりも長く設定されている。
【0029】
(巻込み壁)
巻込み壁33は、第3折曲線L3を介して下額縁部32の段方向一端部に連設されている。換言すれば、巻込み壁33は、略平行に延びた2本の第3折曲線L3を介して規制内壁31に連設されている。巻込み壁33は、下額縁部32の先端辺と略同一幅となる略長方形状に形成されている。巻込み壁33の延出寸法は、規制内壁31の延出寸法と略同一に設定されている。
【0030】
<押え部>
押え部24は、正面壁21Fの段方向一端部(上端部)に連設され、全体的に略四角形状に形成されている。押え部24は、前額縁部36と、押え内壁37と、を含んでいる。前額縁部36および押え内壁37は、この順番で段方向に一列に連設されている。
【0031】
(前額縁部)
前額縁部36は、第2折曲線L2を介して正面壁21Fの段方向一端部に連設されている。前額縁部36は、正面壁21Fの側から先端に向かって徐々に幅狭くなる略台形状に形成されている。前額縁部36の延出寸法は、上額縁部30の延出寸法と略同一に設定されている。なお、前額縁部36は省略されてもよい。
【0032】
(折返し内壁)
押え内壁37は、第2折曲線L2を介して前額縁部36の段方向一端部に連設されている。換言すれば、押え内壁37は、略平行に延びた2本の第2折曲線L2を介して正面壁21Fに連設されている。押え内壁37は、前額縁部36の先端辺と略同一幅となる略長方形状に形成されている。押え内壁37の延出寸法は、規制内壁31の延出寸法と略同一に設定されている。押え内壁37の流れ方向両端部には、一対の押え凹部37Bが凹設されている。押え凹部37Bは、押え内壁37の基端側(前額縁部36の側)に形成されている。また、押え内壁37の先端側には、一対の押え凹部37Bを形成したことで相対的に突出する一対の押え凸部37Aが形成されている。
【0033】
<蓋部>
蓋部25は、背面壁21Rの段方向一端部(上端部)に連設されている。蓋部25は、天面壁40と、一対の天側壁41と、一対の天内フラップ42と、天前壁43と、天額縁部44と、天内壁45と、逆折れ片46と、を含んでいる。
【0034】
(天面壁)
天面壁40は、第2折曲線L2を介して背面壁21Rの段方向一端部に連設されている。天面壁40は、背面壁21Rと略同一幅となる略長方形状に形成されている。天面壁40の延出寸法は、側壁20の流れ方向の寸法よりも長く設定されている。天面壁40は、外箱10の開口部10Aを塞ぐことができる形状、大きさに形成されている。
【0035】
(天側壁)
一対の天側壁41は、第4折曲線L4を介して天面壁40の流れ方向両端部に連設されている。天側壁41の流れ方向の先端辺は、段方向中央部から第4折曲線L4と第2折曲線L2との交点に向かって湾曲しながら傾斜している。天側壁41の段方向先端側は略長方形状に形成され、天側壁41の段方向基端側は略扇状に形成されている。天側壁41の流れ方向の寸法は、継代片22の流れ方向の寸法と略同一に設定されている。なお、左側壁20Lの側に位置する天側壁41は移動規制部23の側に張り出しており、移動規制部23は天側壁41の形状に沿って凹んでいる(抉られている)。
【0036】
(天内フラップ)
一対の天内フラップ42は、第5折曲線L5を介して一対の天側壁41の段方向一端部に連設されている。天内フラップ42は、天側壁41と略同一幅となる略長方形状に形成されている。天内フラップ42の延出寸法は、天面壁40の流れ方向の寸法の半分よりも短く設定されている。
【0037】
(天前壁)
天前壁43は、第5折曲線L5を介して天面壁40の段方向一端部に連設されている。天前壁43は、天面壁40の先端辺と略同一幅となる略長方形状に形成されている。天前壁43の延出寸法は、天内フラップ42の延出寸法よりも短く設定されている。
【0038】
(天額縁部)
天額縁部44は、第6折曲線L6を介して天前壁43の段方向一端部に連設されている。天額縁部44は、天前壁43の先端辺と略同一幅となる略長方形状に形成されている。天額縁部44の延出寸法は、段ボールシートの厚さよりも僅かに長く設定されている。なお、天額縁部44は省略されてもよい。
【0039】
(天内壁)
天内壁45は、第6折曲線L6を介して天額縁部44の段方向一端部に連設されている。換言すれば、天内壁45は、略平行に延びた2本の第6折曲線L6を介して天前壁43に連設されている。天内壁45は、天額縁部44の先端辺と略同一幅となる略長方形状に形成されている。天内壁45の延出寸法は、天前壁43の延出寸法と略同一に設定されている。
【0040】
(逆折れ片)
逆折れ片46は、第7折曲線L7を介して天内壁45の段方向一端部に連設されている。逆折れ片46は、天内壁45の先端辺と略同一幅となる略長方形状に形成されている。逆折れ片46の延出寸法は、天内壁45の延出寸法よりも短く設定されている。また、逆折れ片46には、第7折曲線L7と略平行に一対の天面スリットS1が切り込まれている。なお、逆折れ片46および天面スリットS1は省略されてもよい。
【0041】
<下内フラップ>
一対の下内フラップ26は、第8折曲線L8を介して側壁20の段方向他端部(下端部)に連設されている。下内フラップ26は、側壁20の側から先端に向かって徐々に幅狭くなる略台形状に形成されている。下内フラップ26の延出寸法は、規制内壁31の延出寸法と略同一に設定されている。
【0042】
<底部>
底部27は、正面壁21Fの段方向他端部(下端部)に連設されている。底部27は、底面壁50と、差込片51と、を含んでいる。
【0043】
(底面壁)
底面壁50は、第8折曲線L8を介して正面壁21Fの段方向他端部に連設されている。底面壁50は、正面壁21Fと略同一幅となる略長方形状に形成されている。底面壁50の延出寸法は、側壁20の流れ方向の寸法と略同一に設定されている。底面壁50の中央部には、流れ方向に長い略楕円形状に形成された操作穴52が開口している。
【0044】
(差込片)
差込片51は、第9折曲線L9を介して底面壁50の段方向他端部に連設されている。差込片51は、底面壁50と略同一幅となる略長方形状に形成されている。差込片51の延出寸法は、底面壁50の延出寸法よりも短く設定されている。また、差込片51の流れ方向略中央部には、第9折曲線L9と略平行に底面スリットS2が切り込まれている。また、底面壁50および差込片51には、底面スリットS2を跨ぐように略半円形状の指掛け穴27Aが形成されている。
【0045】
なお、背面壁21Rの他端部(下部)には、係止部28が形成されている。係止部28は、係止連結部53と、係止片54と、を含んでいる。係止連結部53は、背面壁21Rの他端から一端に向かって平行に延びた一対の切目の間に形成されている。係止連結部53は、第10折曲線L10を介して背面壁21Rに連設されている。係止片54は、第8折曲線L8を介して係止連結部53に連設されている。係止片54は、底面スリットS2に差込可能に形成されている。また、係止片54には、第8折曲線L8と略平行に係止スリットS3が切り込まれている。
【0046】
なお、第1~第6折曲線L1~L6および第8~第10折曲線L8~L10は、段ボールシートを裏ライナ9Cの側から厚み方向に直線状に潰した汎用罫線である。汎用罫線は、裏ライナ9Cを内側に向けるように段ボールシートを折り曲げる(正折りする)機能を有している。また、第7折曲線L7は、段ボールシートを表ライナ9Bの側から厚み方向に直線状に潰した逆罫線である。逆罫線は、表ライナ9Bを内側に向けるように段ボールシートを折り曲げる(逆折りする)機能を有している。なお、上記した複数の折曲線L1~L10は、汎用罫線や逆罫線に限らず、例えば、汎用罫線上に複数の切目を所定間隔に形成したリード罫線等、段ボールシートを折り曲げるための線であれば如何なるものでもよい。
【0047】
[内箱のブランク]
図4に示すように、内箱11のブランク6は、底壁60(底部)と、一対の端壁部61と、一対の側壁部62と、を備えている。一対の端壁部61は、底壁60の段方向両端部に連設されている。一対の側壁部62は、底壁60の流れ方向両端部に連設されている。なお、一対の端壁部61は、底壁60を中心にして対称に形成されているため、以下、1つの端壁部61に着目して説明する。これと同様の理由により、以下、1つの側壁部62に着目して説明する。
【0048】
<底壁>
底壁60は、やや段方向に長い略長方形状に形成されている。底壁60の段方向の寸法は、外箱10の面壁21の流れ方向の寸法よりも小さく設定されている。底壁60の流れ方向の寸法は、外箱10の側壁20の流れ方向の寸法よりも小さく設定されている。底壁60の流れ方向中央部には、2つの通気穴63が段方向に並んで開口している。通気穴63は、略斜方形状(略正方形状)に形成され、対角線が段方向と略平行になるように配置されている。
【0049】
<端壁部>
端壁部61は、第1外壁70と、一対の外壁片71と、第1額縁部72と、第1内壁73と、一対の内壁片74と、を含んでいる。
【0050】
(第1外壁)
第1外壁70は、第11折曲線L11を介して底壁60の段方向端部に連設されている。第1外壁70は、底壁60と略同一幅となる略長方形状に形成されている。第1外壁70の段方向の寸法(延出寸法)は、外箱10の高さよりも十分に短く(例えば、側壁20の段方向の寸法の約1/6)設定されている。
【0051】
(外壁片)
一対の外壁片71は、第12折曲線L12を介して第1外壁70の流れ方向両端部に連設されている。外壁片71は、第1外壁70の流れ方向に延びた一辺と略同一幅となる略長方形状に形成されている。外壁片71の流れ方向の寸法は、第1外壁70の流れ方向の寸法の半分よりも短く設定されている。
【0052】
(第1額縁部)
第1額縁部72は、第13折曲線L13を介して第1外壁70の段方向端部に連設されている。第1額縁部72は、第1外壁70の先端辺と略同一幅となる略長方形状に形成されている。第1額縁部72の延出寸法は、段ボールシートの厚さよりも僅かに長く設定されている。なお、第1額縁部72は省略されてもよい。
【0053】
(第1内壁)
第1内壁73は、第13折曲線L13を介して第1額縁部72の段方向端部に連設されている。換言すれば、第1内壁73は、略平行に延びた2本の第13折曲線L13を介して第1外壁70に連設されている。第1内壁73は、第1額縁部72の先端辺と略同一幅となる略長方形状に形成されている。第1内壁73の延出寸法は、第1外壁70の延出寸法と略同一に設定されている。また、第1内壁73の流れ方向中央部には、略四角形状の掛合凹部73Aが先端から基端に向かって凹設されている。さらに、掛合凹部73Aの内側には、内側フック75が掛合凹部73Aの底辺から第1内壁73の先端に向かって突設されている。内側フック75の先端部は、第1内壁73の先端よりも内側に位置している。内側フック75の根本部分には、一対の括れ部75Aが互いに接近するように凹設されている。
【0054】
(内壁片)
一対の内壁片74は、第14折曲線L14を介して第1内壁73の流れ方向両端部に連設されている。内壁片74は、第1内壁73の略同一幅となる略長方形状に形成されている。内壁片74の流れ方向の寸法は、外壁片71の流れ方向の寸法と略同一に設定されている。また、内壁片74には、第14折曲線L14から第1内壁73に向けて突出する第1凸部74Aが連設されている。
【0055】
<側壁部>
側壁部62は、第2外壁76と、第2額縁部77と、第2内壁78と、を含んでいる。
【0056】
(第2外壁)
第2外壁76は、第15折曲線L15を介して底壁60の流れ方向端部に連設されている。第2外壁76は、底壁60の段方向に延びた一辺と略同一幅となる略長方形状に形成されている。第2外壁76の流れ方向の寸法は、第1外壁70の延出寸法と略同一に設定されている。
【0057】
(第2額縁部)
第2額縁部77は、第16折曲線L16を介して第2外壁76の流れ方向端部に連設されている。第2額縁部77は、第2外壁76の側から先端に向かって徐々に幅狭くなる略台形状に形成されている。第2額縁部77の流れ方向の寸法は、段ボールシートの厚さよりも僅かに長く設定されている。なお、第2額縁部77は省略されてもよい。
【0058】
(第2内壁)
第2内壁78は、第16折曲線L16を介して第2額縁部77の段方向端部に連設されている。換言すれば、第2内壁78は、略平行に延びた2本の第16折曲線L16を介して第2外壁76に連設されている。第2内壁78は、第2額縁部77の先端辺と略同一幅となる略長方形状に形成されている。つまり、第2内壁78は、第1内壁73よりも段方向に短く形成されている。第2内壁78の流れ方向の寸法は、第2外壁76の流れ方向の寸法と略同一に設定されている。また、第2内壁78の流れ方向中央部には、略半円形状の指掛け凹部62Aが先端から基端に向かって凹設されている。また、第2内壁78の段方向両端部には、一対の第2凸部72Aが段方向外側に向かって突設されている。
【0059】
なお、第11~第16折曲線L11~L16は汎用罫線であるが、これに限らず、例えば、リード罫線等、段ボールシートを折り曲げるための線であれば如何なるものでもよい。
【0060】
[放出機能付き容器の組立]
次に、
図1、
図2、
図5および
図6を参照して、放出機能付き容器1の組立工程について説明する。
図5は内箱11を示す斜視図である。
図6は放出機能付き容器1に内容物M等を収容した状態を示す断面図(背面図)である。なお、放出機能付き容器1は、作業者によって手作業で組み立てられてもよいし、製函機によって自動または半自動で組み立てられてもよい。ここでは、一例として、作業者が手作業で放出機能付き容器1を製造する場合について説明する。また、外箱10のブランク5において、背面壁21Rと右側壁20Rとは第1折曲線L1に沿って折り曲げられ、継代片22は右側壁20Rの裏面に接着剤で接着されているものとする。つまり、外箱10は、折り畳まれた状態となっている。
【0061】
<内箱の組立>
まず、内箱11の組立工程について説明する。作業者は、ブランク6(
図4参照)の裏面を上方に向けた状態とし、第11折曲線L11に沿って第1外壁70を略直角に折り曲げ(立ち上げ)、2本の第13折曲線L13に沿って第1額縁部72および第1内壁73を内側に折り返す(
図5参照)。この状態で、端壁部61は、隙間を挟んで第1外壁70と第1内壁73とを対向させた二重壁構造となる。そして、一対の端壁部61が底壁60の左右両端部に立設される。また、この状態で、外壁片71と内壁片74も隙間を挟んで対向している。
【0062】
続いて、作業者は、第12折曲線L12と第14折曲線L14に沿って外壁片71と内壁片74(
図4参照)を略直角に折り曲げる。この状態で、外壁片71と内壁片74とは、底壁60の前後両端部に沿って延設される。また、内壁片74が折れ曲がることで、第1凸部74Aは、第1内壁73から刳り貫かれて第1外壁70と第1内壁73との隙間に入り込む。また、第1内壁73には、第1凸部74Aが刳り貫かれた位置に第1凹部74Bが開口する(
図5参照)。
【0063】
次に、作業者は、第15折曲線L15に沿って第2外壁76を略直角に折り曲げ(立ち上げ)、2本の第16折曲線L16に沿って第2額縁部77および第2内壁78を内側に折り返す(
図5参照)。この状態で、側壁部62は、外壁片71と内壁片74とを挟んで第2外壁76と第2内壁78とを対向させた二重壁構造となる。つまり、外壁片71と内壁片74とは、二重壁となった側壁部62に包み込まれている。そして、一対の側壁部62が底壁60の前後両端部に立設される。また、この状態で、第2内壁78は、一対の端壁部61(第1内壁73)の間に圧入され、二重壁になった端壁部61が元に戻ることを防止している。さらに、第2内壁78の一対の第2凸部72Aは、一対の第1内壁73に開口した一対の第1凹部74Bに嵌合している(
図5参照)。
【0064】
以上によって、上面を開口させたトレイ状(枡状)の内箱11が完成する(
図5参照)。なお、内箱11は、前後方向の寸法よりも左右方向の寸法の方が長くなっている。
【0065】
<外箱の組立>
次に、外箱10の組立工程について説明する。作業者は、側壁20と面壁21とを第1折曲線L1に沿って折り曲げ、側壁20と面壁21とが略直角を成すように折り畳まれた外箱10を起こす。この状態で、右側壁20Rと左側壁20Lとが左右方向に対向し、正面壁21Fと背面壁21Rとが前後方向に対向する。そして、上下両端面を開口させた略角筒状の周壁10Wが形成される(
図2参照)。なお、周壁10Wは、前後方向の寸法よりも左右方向の寸法の方が長くなっている。
【0066】
続いて、作業者は、下額縁部32および巻込み壁33を2本の第3折曲線L3に沿って内側に折り返し、上額縁部30および規制内壁31を2本の第2折曲線L2に沿って内側に折り返す(
図6参照)。これにより、開口部10Aの内側に、一対の移動規制部23が形成される(
図2および
図6参照)。
図6に示すように、移動規制部23は、上方の開口部10Aの縁部から内側に巻き込むように形成されている。また、巻込み壁33(移動規制部23の一部)は、側壁20(外箱10)の内面に重ねられている。移動規制部23は、規制内壁31と巻込み壁33とを対向させた二重壁構造となる。なお、巻込み壁33の先端部は、上額縁部30の内面に当接している。
【0067】
次に、作業者は、前額縁部36および押え内壁37を2本の第2折曲線L2に沿って内側に折り返す(
図2および
図6参照)。この状態で、押え内壁37は、隙間を挟んで正面壁21Fに対向配置される(後述する
図7参照)。また、押え内壁37は、一対の移動規制部23(規制内壁31)の間に圧入され、移動規制部23が巻き戻ることを防止している。さらに、押え内壁37の一対の押え凸部37Aは、一対の規制内壁31に形成された規制凹部31Bに嵌合している(図示せず)。また、一対の規制内壁31に形成された規制凸部31Aは、押え内壁37の一対の押え凹部37Bに嵌合している(図示せず)。
【0068】
次に、作業者は、一対の天側壁41を第4折曲線L4に沿って内側に折り曲げ(
図2参照)、一対の天内フラップ42を第5折曲線L5に沿って互いに接近するように折り曲げる。また、作業者は、天前壁43を第5折曲線L5に沿って内側に折り曲げ、天額縁部44および天内壁45を2本の第6折曲線L6に沿って折り返し、逆折れ片46を第7折曲線L7に沿って逆折りする(
図2および
図7参照)。これにより、蓋部25が形成される。この状態で、天前壁43と天内壁45とは、一対の天内フラップ42を挟んで互いに対向した二重壁構造を構成する(
図7参照)。
【0069】
<放出機能付き容器の封緘>
ここで、
図6および
図7を参照して、放出機能付き容器1が、内容物Mを包装する容器として使用される場合について説明する。
図7は、
図2のVII-VII断面図である。
【0070】
図6に示すように、作業者は、蓋部25(天面壁40)を第2折曲線L2に沿って折り曲げて開口部10Aに被せる。
【0071】
次に、作業者は、複数の内容物M、2つの輪ゴム12および1つの索状体13を内箱11の内部に収容した後、開口面を上に向けた内箱11を外箱10(周壁10W)の下面開口から内部に差し込む。なお、輪ゴム12および索状体13は、内容物Mとは別に外箱10(内箱11の下側等)に収容されてもよい。
【0072】
ここで、内箱11の左右方向の外寸は、外箱10(周壁10W)の左右方向の内寸よりも小さく設定され、内箱11の前後方向の外寸は、外箱10(周壁10W)の前後方向の内寸よりも小さく設定されている。具体的には、内箱11の外寸(左右、前後)は、外箱10の内寸(左右、前後)よりも約6mm小さく設定されている。つまり、外箱10の内面と内箱11の外面との間には、約3mmの空隙Gが形成されている。したがって、内箱11は、外箱10(周壁10W)の内部にて軸方向(上下方向)に沿って移動可能に設けられている。なお、内箱11の外寸は、一対の移動規制部23の間隔(開口部10Aの左右方向の内寸)よりも小さく設定されている。また、内箱11の内寸は、一対の移動規制部23の間隔と略同一に設定されている。
【0073】
次に、作業者は、一対の下内フラップ26を第8折曲線L8に沿って内側に折り曲げる。また、
図7に示すように、作業者は、底面壁50を第8折曲線L8に沿って折り曲げて周壁10Wの下面開口を塞ぎ、差込片51を第9折曲線L9に沿って内側に折り曲げて周壁10Wの内部に差し込む。さらに、作業者は、係止連結部53を第10折曲線L10に沿って外側に折り曲げながら、係止片54を第8折曲線L8に沿って内側に折り曲げて差込片51の底面スリットS2に差し込む。これにより、底部27を閉じた状態にロックすることができる。
【0074】
以上によって、周壁10Wの下面開口が閉塞され、外箱10(放出機能付き容器1)が封緘された状態になる。
【0075】
[放出機能付き容器の放出可能形態]
次に、
図7および
図8を参照して、放出機能付き容器1を、内容物Mの包装形態から内容物Mを放出可能な形態にする手順について説明する。
図8は、
図2のVIII-VIII断面図である。
【0076】
まず、ユーザは、係止片54を底面スリットS2から引き抜いた後、差込片51を周壁10Wから引き抜きながら底面壁50を開く。そして、ユーザは、周壁10Wの下面開口から内箱11、輪ゴム12および索状体13を取り出す。なお、内容物Mは、内箱11から取り出してもよいし、内箱11に入れたままにしてもよい。
【0077】
続いて、ユーザは、2つの輪ゴム12を内箱11の一対の第1内壁73に形成された一対の内側フック75に掛ける。また、ユーザは、索状体13を内箱11の底壁60に開口した2つの通気穴63に通した後、索状体13の両端部を結んで索状体13を輪にする。
【0078】
次に、ユーザは、輪ゴム12および索状体13を取り付けた内箱11を、周壁10Wの下面開口から内部に差し込み、外箱10(周壁10W)の開口部10A付近までスライドさせる。なお、上記したように、内箱11の内寸は一対の移動規制部23の間隔と略同一であるため、内箱11の一対の第1額縁部72は、一対の移動規制部23の下額縁部32に干渉する。このため、内箱11は、開口部10Aから飛び出すことはない。
【0079】
ユーザは、蓋部25を開いて開口部10Aに手を入れ、内箱11に接続された一対の輪ゴム12を、外箱10の一対の規制内壁31に形成された一対の外側フック35に掛ける。この状態で、一対の輪ゴム12は、開口部10Aの近傍に配置された一対の規制内壁31(外箱10の互いに対向する一対の内壁)と、一対の第1内壁73(内箱11の互いに対向する一対の内壁)とに掛けられた状態になる。つまり、内箱11は、一対の輪ゴム12を介して外箱10の上部から吊り下げられた状態になる。この状態で、輪ゴム12は、掛合切込線34(外側フック35)の掛合返し部34Aと内側フック75の括れ部75Aとに食い込んでいる。
【0080】
次に、ユーザは、内箱11から下方に延びた索状体13を底面壁50の操作穴52に通しながら底部27を再び閉じる。この状態で、索状体13は、外箱10の底部27に形成された操作穴52を貫通して外箱10の外部に延設されている。
【0081】
以上によって、放出機能付き容器1は、内容物Mを放出可能な形態になる。
【0082】
[放出機能付き容器の作用]
次に、
図9および
図10を参照して、放出機能付き容器1の作用について説明する。
図9は輪ゴム12を引き伸ばした状態を示す断面図(背面図)である。
図10は内容物Mを放出した状態を示す断面図(背面図)である。
【0083】
先に簡単に述べたが、放出機能付き容器1は、その内部に収容した内容物Mを外部に放出する機能を備えている。ユーザは、外箱10の蓋部25を開き、開口部10Aから内箱11の底壁60上に内容物Mを載置する。続いて、ユーザは、外箱10(周壁10W)を一方の手で掴み、開口部10Aを上向き(斜め上向き)にした姿勢にする。なお、外箱10は、開口部10Aを横向きとした水平姿勢にされてもよいし、内容物Mが落下しない程度に開口部10Aをやや下向きにした姿勢にされてもよい。
【0084】
次に、
図9に示すように、ユーザは、索状体13を他方の手で掴んで引っ張り、一対の輪ゴム12を弾性力に抗して引き伸ばしながら内箱11を開口部10Aから離す離間方向(
図9の矢印参照)に移動させる。内箱11が離間方向(軸方向)に移動する際、外箱10の内部の空気は、外箱10と内箱11との空隙G、内箱11の底壁60に形成された2つの通気穴63および外箱10の底面壁50に形成された操作穴52を通過する。これにより、外箱10の内部での空気圧の上昇を抑制することができ、内箱11を離間方向に円滑に移動させることができる。
【0085】
図10に示すように、ユーザが索状体13から手を放すと、一対の輪ゴム12は、元の長さに戻ろうとし、内箱11に対して開口部10Aに向かう放出方向(
図10の矢印参照)に弾性力を作用させる。内箱11は、一対の輪ゴム12の弾性力を受けて勢いよく放出方向(軸方向)に移動する。内箱11が放出方向(軸方向)に移動する際、外箱10と内箱11との空隙Gや内箱11に形成された2つの通気穴63が空気を通す。これにより、空気抵抗の影響を抑えながら内箱11を放出方向に円滑に移動させることができる。
【0086】
また、放出方向に勢いよく移動した内箱11は、外箱10の一対の移動規制部23に衝突して急停止する。具体的には、内箱11の一対の第1額縁部72が一対の移動規制部23の下額縁部32に干渉するため、内箱11は放出方向への移動を規制される。すると、内箱11の底壁60に載置された内容物Mには、放出方向に向かう慣性力が働いているため、内容物Mは、内箱11から勢いよく飛び出す。これにより、内容物Mを開口部10Aから外箱10の外部に勢いよく放出することができる。
【0087】
以上説明した本実施形態に係る放出機能付き容器1では、一対の輪ゴム12の弾性力に抗して離間方向に移動させた内箱11が、一対の輪ゴム12の弾性力を受けて放出方向に移動した後に移動規制されることで、内箱11に載置された内容物Mが、外部に放出される構成とした。また、内箱11が、輪ゴム12の弾性力に抗して離間方向に移動されることで、輪ゴム12に弾性力(弾性エネルギー)が生じる構成とした。輪ゴム12は弾性変形可能な範囲で引き伸ばし量を増加させるほど、その弾性エネルギーも増加するため、ユーザが索状体13を操作して輪ゴム12の引き伸ばし量を増減することで、内箱11に働く弾性力を増減(調整)することができる。これにより、内箱11に作用する弾性力を調整しながら内箱11に載置された内容物Mを外部に放出することができる。
【0088】
また、本実施形態に係る放出機能付き容器1では、一対の輪ゴム12が外箱10の内面や内箱11の外面に接触しないように配置されていた。仮に、輪ゴム12が外箱10の内面と内箱11の外面との間に配置されると、輪ゴム12は外箱10と内箱11との間に噛み込まれる虞がある。すると、内箱11は外箱10の内部を円滑にスライドすることができなくなる。これに対し、本実施形態に係る放出機能付き容器1では、一対の輪ゴム12が、外箱10の規制内壁31と内箱11の第1内壁73との間に架設されているため、外箱10と内箱11との間に噛み込まれることが無い。これにより、外箱10の内部において内箱11を円滑にスライドさせることができる。なお、外箱10と内箱11との空隙Gが広い場合には、輪ゴム12が外箱10と内箱11との間に配置されてもよい(図示せず)。
【0089】
また、本実施形態に係る放出機能付き容器1によれば、内箱11を移動規制部23に衝突させることで、放出方向に移動する内箱11を急停止させることができる。これにより、内箱11に載置された内容物Mに大きな慣性力を作用させることができ、内容物Mを勢いよく外部に放出することができる。
【0090】
また、本実施形態に係る放出機能付き容器1によれば、移動規制部23の一部(巻込み壁33)が外箱10の内面に重なり、移動規制部23が二重壁を構成していた(
図6等参照)。この構成によれば、移動規制部23が1枚の壁である場合に比べて、移動規制部23の強度を向上させることができる。また、移動規制部23の巻込み壁33が、上額縁部30に当接していた(
図6等参照)。この構成によれば、内箱11が衝突した時の衝撃を確りと受け止めることができ、移動規制部23の破損を予防することができる。
【0091】
また、本実施形態に係る放出機能付き容器1によれば、内箱11の底壁60に2つの通気穴63が開いているため、内箱11の移動時の空気抵抗を低減することができる。これにより、内箱11を勢いよく円滑に放出方向に移動させることができ、内箱11に載置された内容物Mの適正な放出を担保することができる。
【0092】
また、本実施形態に係る放出機能付き容器1によれば、操作部材の一例として安価な索状体13を用いることができる。また、ユーザは、外箱10の外部に露出した索状体13を掴んで引っ張るという直感的な操作によって、輪ゴム12を引き伸ばしながら内箱11を離間方向に移動させることができる。
【0093】
また、本実施形態に係る放出機能付き容器1によれば、蓋部25によって開口部10Aを閉塞することで、一度は開封した放出機能付き容器1を再封緘することができる。
【0094】
[第1実施形態の変形例]
なお、第1実施形態に係る放出機能付き容器1では、弾性部材の一例として2つの輪ゴム12が採用されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1実施形態の変形例に係る放出機能付き容器1として、
図11に示すように、1つの輪ゴム12が、一対の移動規制部23の間に架設され、内箱11が、架け渡された輪ゴム12上に配置されてもよい。この場合、輪ゴム12は、内箱11の底壁60に固定されてもよいし、固定されなくてもよい。また、
図11では、輪ゴム12が外箱10と内箱11との間に通されていたが、これに限らず、輪ゴム12は、端壁部61の内側を通されてもよいし、底壁60の通気穴63を通されてもよい(図示せず)。
【0095】
また、他にも、外箱10と内箱11とは、3つ以上の輪ゴム12を介して連結されてもよい(図示せず)。さらに、他にも、弾性部材は、輪ゴム12に限らず、紐状または細い板状のゴム(環状ではないゴム)であってもよい(図示せず)。この場合、ゴムの長手方向両端部は、外箱10と内箱11とに対し、ステープルや粘着テープ等で固定されることが好ましい。また、例えば、2つの輪ゴム12に代えて、2つの引張コイルばねが、外箱10と内箱11とに連結されてもよい(図示せず)。
【0096】
[第2実施形態]
次に、
図12を参照して、第2実施形態に係る放出機能付き容器2について説明する。
図12は放出機能付き容器2を示す断面図(背面図)である。なお、以下の説明では、第1実施形態に係る放出機能付き容器1と同様または対応する構成については同一の符号を付し、放出機能付き容器1と同様または対応する説明は省略する。
【0097】
放出機能付き容器2では、弾性部材の他の例として圧縮コイルばね14が採用されている。圧縮コイルばね14は、内箱11の底壁60と外箱10の底面壁50(下内フラップ26)との間に軽く圧縮された状態で配置されている。圧縮コイルばね14の上端面は、内箱11の底壁60に固定されてもよいし、固定されなくてもよい。また、索状体13は、圧縮コイルばね14の内側に配置されている。なお、この場合、外箱10の外側フック35や内箱11の内側フック75等は省略されてもよい。
【0098】
以上説明した第2実施形態に係る放出機能付き容器2によれば、圧縮コイルばね14は、内箱11に対して放出方向に弾性力を作用させることができる。これにより、内箱11に載置された内容物Mを外部に放出することができる等、第1実施形態に係る放出機能付き容器1と同様の作用、効果を得ることができる。
【0099】
[第1および第2実施形態の変形例]
なお、第1および第2実施形態(第1実施形態の変形例を含む。以下同じ。)に係る放出機能付き容器1,2では、索状体13が環状に形成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、索状体13を環状にせず、上端を内箱11の底壁60に固定し、真っすぐ下方に延ばしてもよい。また、操作部材の一例としての索状体13が紙製の紐であったが、本発明はこれに限定されない。索状体13は、紙製の紐に限らず、布製の紐や皮製の紐等であってもよい。操作部材の他の例として、柔軟に撓むことのない棒状の操作部材が内箱11の底壁60に接続されてもよい(図示せず)。
【0100】
[第3実施形態]
次に、
図13および
図14を参照して、第3実施形態に係る放出機能付き容器3について説明する。
図13は放出機能付き容器3を示す断面図(側面図)である。
図14は放出機能付き容器3を示す断面図(背面図)である。なお、以下の説明では、第1実施形態に係る放出機能付き容器1と同様または対応する構成については同一の符号を付し、放出機能付き容器1と同様または対応する説明は省略する。
【0101】
放出機能付き容器3では、操作部材15が柔軟に撓むことのない棒状に形成されている。操作部材15は、左右方向に延びた姿勢とされて内箱11の底壁60に固定されている。外箱10の一対の側壁20には上下方向に延びたガイド溝10Dが形成され、操作部材15の左右両端部はガイド溝10Dを貫通して外部に露出している。ガイド溝10Dには、屈曲したストッパ部10Sが複数形成されている。なお、この場合、外箱10の底部27の操作穴52は省略されてもよい。
【0102】
ユーザは、操作部材15の露出した部分を離間方向に引っ張ることによって、輪ゴム12を引き伸ばしながら内箱11を離間方向に移動させる。そして、ユーザは、操作部材15を任意のストッパ部10Sに引っ掛ける。これにより、輪ゴム12を引き伸ばした状態に保持することができる。
【0103】
ユーザが操作部材15をストッパ部10Sから外すと、内箱11は輪ゴム12の弾性力によって放出方向に移動する。これにより、内箱11に載置された内容物Mを外部に放出することができる。また、操作部材15を引っ掛けるストッパ部10Sを変更することで、内箱11に作用する弾性力を調整することもできる。なお、第3実施形態に係る放出機能付き容器3の特徴(操作部材15等)を、第2実施形態に係る放出機能付き容器2に適用してもよい(図示せず)。
【0104】
[第1ないし第3実施形態の変形例]
なお、第1ないし第3実施形態(第2実施形態の変形例を含む。以下同じ。)に係る放出機能付き容器1~3では、内箱11が、一対の移動規制部23に当接することで、内箱11の放出方向への移動が規制されていたが、本発明はこれに限定されない。一対の移動規制部23が省略され、内箱11が開口部10Aから飛び出した後、輪ゴム12等の弾性部材の弾性変形が自然に停止し、内箱11が移動規制される構成としてもよい。この構成によっても、内箱11に載置された内容物Mを外部に放出することができる。なお、一対の移動規制部23を省略した場合、押え部24は省略されてもよい。
【0105】
また、第1ないし第3実施形態に係る放出機能付き容器1~3では、移動規制部23が二重壁を構成していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、下額縁部32および巻込み壁33が省略され、規制内壁31が隙間を挟んで側壁20に対向してもよい(図示せず)。また、上額縁部30が省略され、規制内壁31が側壁20に連設されてもよい(図示せず)。
【0106】
また、第1ないし第3実施形態に係る放出機能付き容器1~3では、外箱10に蓋部25が連設されていたが、これに限らず、蓋部25は、外箱10と別体で構成し、外箱10に着脱可能に設けられてもよい(図示せず)。また、放出機能付き容器1~3を、内容物Mの包装形態とする必要が無いのであれば、蓋部25は省略されてもよい。
【0107】
また、第1ないし第3実施形態に係る放出機能付き容器1~3では、内箱11の端壁部61と側壁部62とが二重壁を構成していたが、本発明はこれに限定されない。端壁部61と側壁部62の何れか一方が、一重壁であってもよい(図示せず)。また、内箱11はトレイ状に形成されていたが、これに限らず、板状に形成されてもよい。つまり、端壁部61と側壁部62とが省略され、底壁60のみを内箱としてもよい(図示せず)。
【0108】
また、第1ないし第3実施形態に係る放出機能付き容器1~3では、内箱11の外寸が外箱10の内寸よりも約6mm小さかったが、本発明はこれに限定されない。内箱11の外寸は、外箱10の内寸よりも4~20mm小さく設定されることが好ましい。つまり、外箱10の内面と内箱11の外面との空隙Gは、2mm以上10mm以下の範囲で設定されていればよい。ところで、一般的に、2つの箱を入れ子にする場合、2つの箱の寸法差は2mm程度に設定することが多い。つまり、通常、2つの箱の空隙Gは0.5~1mm程度に設定されることが多い。これに対し、第1ないし第3実施形態に係る放出機能付き容器1~3では、外箱10と内箱11との空隙Gを通常の2倍以上に設定することで、内箱11の円滑なスライドを担保している。
【0109】
また、第1ないし第3実施形態に係る放出機能付き容器1~3では、内箱11の底壁60に2つの通気穴63が開いていたが、これに限らず、通気穴63は、1つ以上開口していればよい。また、外箱10と内箱11との空隙Gが大きい場合には、通気穴63は省略されてもよい(図示せず)。また、通気穴63の形状は、略斜方形状(略正方形状)に限らず、円形状や四角形以外の多角形状に形成されてもよい(図示せず)。
【0110】
また、第1ないし第3実施形態に係る放出機能付き容器1~3の外箱10は、上下方向に長い角筒状に形成されていたが、外箱10の寸法(高さ、幅、奥行き)は任意に変更することができる。また、内箱11の寸法(高さ、幅、奥行き)も、外箱10の内部で軸方向にスライドすることを条件として、任意に変更することができる。
【0111】
また、第1ないし第3実施形態に係る放出機能付き容器1~3の外箱10は、角筒状に形成されていたが、これに限らず、例えば、円筒状に形成されてもよいし、四角形以外の多角形断面を有する筒状に形成されてもよい(図示せず)。また、内箱11は、外箱10の形状に合わせて、円筒状や四角形以外の多角形断面を有する筒状に形成されてもよい(図示せず)。さらに、外箱10と内箱11とは、相似形状である必要はなく、例えば、外箱10を角筒状に形成し、内箱11を円筒状に形成してもよい(図示せず)。つまり、内箱11が外箱10の内部で軸方向にスライドすることを条件として、外箱10と内箱11とを互いに異なる形状に形成してもよい。
【0112】
また、第1ないし第3実施形態に係る放出機能付き容器1~3の外箱10は、軸方向に亘って同じ太さとなる角筒状に形成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、
図15に示すように、外箱16(周壁16W)は、下部から上部に向かって徐々に断面積が狭くなる四角錘台状に形成されてもよい。つまり、外箱16は、その上部にて内箱11(端壁部61)が干渉して放出方向の移動を規制するように形成されてもよい。この場合、移動規制部23を省略することができる。また、他にも、外箱は、円錐台状や四角形以外の多角形断面を有する錘台状に形成されてもよい(図示せず)。さらに、外箱の下部を同じ太さの筒状とし、外箱の上部を錘台状に形成してもよい(図示せず)。なお、外箱16が第2および第3実施形態に係る放出機能付き容器2,3に適用されてもよい。
【0113】
また、第1ないし第3実施形態に係る放出機能付き容器1~3は、紙製の段ボールシートで形成されていたが、これに限らず、厚紙や樹脂製の板(シート)等で形成されていてもよい。
【0114】
なお、上記実施形態の説明は、本発明に係る放出機能付き容器における一態様を示すものであって、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0115】
1,2,3 放出機能付き容器
10,16 外箱(外側部材)
10A 開口部
11 内箱(内側部材)
12 輪ゴム(弾性部材)
13 索状体(操作部材)
14 圧縮コイルばね(弾性部材)
15 操作部材
23 移動規制部
25 蓋部
31 規制内壁
52 操作穴
63 通気穴
73 第1内壁
M 内容物