(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-09
(45)【発行日】2023-06-19
(54)【発明の名称】異常検出装置、異常検出方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F   1/20        20060101AFI20230612BHJP        
   H01L  23/467       20060101ALI20230612BHJP        
【FI】
G06F1/20 E 
H01L23/46 C 
G06F1/20 B 
(21)【出願番号】P 2019046539
(22)【出願日】2019-03-13
【審査請求日】2021-09-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木  智之
(72)【発明者】
【氏名】高松  伴直
【審査官】豊田  真弓
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/087418(WO,A1)    
【文献】特開2017-054498(JP,A)      
【文献】特開2002-318162(JP,A)      
【文献】特開2010-108324(JP,A)      
【文献】特開2018-106591(JP,A)      
【文献】米国特許出願公開第2011/0226462(US,A1)    
【文献】特開2016-177971(JP,A)      
【文献】特開2001-086601(JP,A)      
【文献】特開2008-091239(JP,A)      
【文献】特開2013-069470(JP,A)      
【文献】国際公開第2015/159377(WO,A1)    
【文献】特開2002-076665(JP,A)      
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F      1/20
H01L    23/467
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
  電子機器に設けられ、電力によって駆動し、発熱量が変化する発熱部品と、
  前記発熱部品の環境を検出する、互いに配置位置の異なる複数の環境センサと、
  複数の前記環境センサの各々の第1の検出値に応じて、前記発熱部品の発熱量を示す第1の推定値を算出する第1の算出部と、
  前記第1の推定値が第1の閾値以上の場合、前記発熱部品が異常であると判定する判定部と、
  を備え、
  
前記環境センサは、前記電子機器に設けられた前記発熱部品以外の部品の回転数または電力量を検出するセンサを含み、
            
  前記第1の算出部は、
  前記電子機器に設けられた前記発熱部品以外の部品の
電力量または回転数の前記環境センサによる検出値、および、前記発熱部品の温度の前記環境センサによる検出値を、前記第1の検出値として取得し、前記第1の検出値に応じて前記第1の推定値を算出する、
  異常検出装置。
【請求項2】
  前記発熱部品の発熱量と、前記電子機器の消費電力とは、非線形の関係を示す、請求項1に記載の異常検出装置。
【請求項3】
  前記環境センサは、前記発熱部品の電流値、前記発熱部品の電圧値、および前記発熱部品の使用率、以外の前記環境を検出する、
  請求項1または請求項2に記載の異常検出装置。
【請求項4】
  前記発熱部品は、プロセッサである、請求項1~請求項3の何れか1項に記載の異常検出装置。
【請求項5】
  第1の算出部は、
  複数の第1の検出値に応じて、前記電子機器の特定領域の異常に影響を与える要因となる、前記発熱部品の発熱量の前記第1の推定値を算出し、
  前記異常検出装置は、
  複数の前記環境センサの各々の前記第1の検出値に応じて、前記特定領域の異常に影響を与える要因であり且つ前記発熱部品以外の前記要因の評価値を算出する第2の算出部を備え、
  前記第1の推定値および前記評価値に基づいて、前記特定領域の温度の第2の推定値を算出する第3の算出部と、
  を備え、
  前記判定部は、
  前記第2の推定値が第2の閾値以上の場合、前記特定領域が異常であると判定する、
  請求項1~請求項4の何れか1項に記載の異常検出装置。
【請求項6】
  前記第1の算出部は、
  3つ以上の前記第1の検出値に応じて、前記第1の推定値を算出する、
  請求項1~請求項5の何れか1項に記載の異常検出装置。
【請求項7】
  コンピュータが実行する異常検出方法であって、
  電子機器に設けられ電力によって駆動し発熱量が変化する発熱部品の環境を検出する、互いに配置位置の異なる複数の環境センサの各々の第1の検出値に応じて、前記発熱部品の発熱量を示す第1の推定値を算出する算出ステップと、
  前記第1の推定値が第1の閾値以上の場合、前記発熱部品が異常であると判定する判定ステップと、
  を含み、
  
前記環境センサは、前記電子機器に設けられた前記発熱部品以外の部品の回転数または電力量を検出するセンサを含み、
            
  前記算出ステップは、
  前記電子機器に設けられた前記発熱部品以外の部品の
電力量または回転数の前記環境センサによる検出値、および、前記発熱部品の温度の前記環境センサによる検出値を、前記第1の検出値として取得し、前記第1の検出値に応じて前記第1の推定値を算出する、
  異常検出方法。
【請求項8】
  電子機器に設けられ電力によって駆動し発熱量が変化する発熱部品の環境を検出する、互いに配置位置の異なる複数の環境センサの各々の第1の検出値に応じて、前記発熱部品の発熱量を示す第1の推定値を算出する算出ステップと、
  前記第1の推定値が第1の閾値以上の場合、前記発熱部品が異常であると判定する判定ステップと、
  をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
  
前記環境センサは、前記電子機器に設けられた前記発熱部品以外の部品の回転数または電力量を検出するセンサを含み、
            
  前記算出ステップは、
  前記電子機器に設けられた前記発熱部品以外の部品の
電力量または回転数の前記環境センサによる検出値、および、前記発熱部品の温度の前記環境センサによる検出値を、前記第1の検出値として取得し、前記第1の検出値に応じて前記第1の推定値を算出する、
  プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
  本発明の実施形態は、異常検出装置、異常検出方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
  従来、電子機器内の発熱部品の冷却異常などの異常を判定する技術が知られている。例えば、プロセッサなどの発熱部品の処理時間をどの程度を占有しているかを表す使用率を用いて、発熱部品に対する冷却性能の低下を判定する技術が開示されている。
【0003】
  しかし、プロセッサなどの発熱部品の使用率は、同一の値であってもソフトウェアによって発熱量が異なる。また、発熱部品の発熱状態を、発熱部品の電流値や電圧値を計測して把握することは、コスト的に容易ではない。また、電子機器に搭載された複数の部品の各々に流れる電流値または電圧値を、部品ごとに個々に測定することは困難であった。このため、従来技術では、電子機器の異常を容易に判定することは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
               【文献】特開2014-52689号公報
               【文献】特開2017-54498号公報
               【文献】特開2016-51213号公報
             
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
  本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、電子機器の異常を容易に判定することができる、異常検出装置、異常検出方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
  実施形態の異常検出装置は、電子機器に設けられ、電力によって駆動し、発熱量が変化する発熱部品と、前記発熱部品の環境を検出する、互いに配置位置の異なる複数の環境センサと、複数の前記環境センサの各々の第1の検出値に応じて、前記発熱部品の発熱量を示す第1の推定値を算出する第1の算出部と、前記第1の推定値が第1の閾値以上の場合、前記発熱部品が異常であると判定する判定部と、を備える。前記環境センサは、前記電子機器に設けられた前記発熱部品以外の部品の回転数または電力量を検出するセンサを含み、前記第1の算出部は、前記電子機器に設けられた前記発熱部品以外の部品の電力量または回転数の前記環境センサによる検出値、および、前記発熱部品の温度の前記環境センサによる検出値を、前記第1の検出値として取得し、前記第1の検出値に応じて前記第1の推定値を算出する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
            
            
            
            
            
            【
図6】第1の推定値と実際の発熱量の測定結果を示す図。
 
            
            
            
            【
図10】制御部のハードウェア構成例を示すブロック図。
 
          
【発明を実施するための形態】
【0008】
  以下に添付図面を参照して、本実施の形態の詳細を説明する。
【0009】
【0010】
  異常検出装置1は、電子機器10と、情報処理装置20と、を備える。電子機器10と情報処理装置20とは、データまたは信号を授受可能に接続されている。
【0011】
  電子機器10は、1または複数の部品14を備え、供給された電力によって駆動する機器である。電子機器10は、例えば、1つのラック内に1または複数の電子部品を搭載した各種装置に適用される。具体的には、電子機器10は、デジタル放送用送信機、データ中継装置、コンピュータ、サーバ、などの各種の電子装置に適用される。
【0012】
  電子機器10は、各種の部品14などを収容した筐体12を備える。
【0013】
  筐体12は、電子機器10の本体部分であり、各種の部品や機器を収容した外装である。本実施の形態では、筐体12は、内側が空洞の箱状の部材である場合を一例として説明する。
【0014】
  筐体12の一部には、筐体12の外部の空気を筐体12の内部へ取り入れるための吸気口13Aが設けられている。また、筐体12の一部には、筐体12の内部の空気を筐体12の外部へ排出するための排気口13Bが設けられている。
【0015】
  筐体12内には、1または複数の部品14、および、複数のセンサ16が配置されている。本実施の形態では、筐体12内には、複数のセンサ16および複数のセンサ16が配置されている形態を一例として説明する。
【0016】
  部品14は、電子部品、および、各種の機能を有する部材、の少なくとも一方である。
【0017】
  電子部品は、例えば、供給された電力に応じて駆動し、駆動による発熱量が変化する部品14である。“駆動”には、電気的な駆動、および機械的な駆動、の双方が含まれる。電気的な駆動には、例えば、CPU(Central  Processing  Unit)などのプロセッサによる処理が含まれる。機械的な駆動には、例えば、モータの駆動が含まれる。
【0018】
  電子部品は、例えば、発熱部品14A、および送風機14Cなどである。
【0019】
  発熱部品14Aは、電子機器10に設けられ、供給された電力に応じて駆動し、発熱量が変化する。具体的には、発熱部品14Aは、発熱部品14Aの発熱量と、電子機器10の消費電力とは、非線形の関係を示す。すなわち、発熱部品14Aは、発熱部品14Aの発熱量を、電子機器10の消費電力から、線形関数を用いて導出することの出来ない部品14である。
【0020】
  発熱部品14Aは、例えば、CPU、GPU(Graphics  Processing  Unit)などのプロセッサである。なお、発熱部品24は、供給された電力に応じて駆動することで発熱し、発熱量が変化する部品であればよく、CPU、GPUに限定されない。例えば、発熱部品14Aは、モータ、電子回路、などであってもよい。
【0021】
  本実施の形態では、筐体12内には、複数の発熱部品14A(発熱部品14A1、発熱部品14A2、発熱部品14A3)が設けられた形態を一例として説明する。なお、筐体12内に設けられる発熱部品14Aの数は、3個に限定されるものではなく、1個、2個、または4個以上であってもよい。
【0022】
  送風機14Cは、供給された電力に応じて駆動することで、駆動部分(例えば、回転駆動モータなど)が発熱し、駆動に応じて発熱量が変化する。すなわち、送風機14Cは、発熱部品14Aの一例であるともいえる。
【0023】
  本実施の形態では、送風機14Cは、筐体12における、吸気口13A側端部に設けられている。送風機14Cは、吸気口13Aから筐体12内へ、風Fを送り込むことの可能な位置に配置されている。送風機14Cにおける、風Fの流れる方向の上流側には、フィルタ17が設けられている。このため、送風機14Cの駆動によって、筐体12の外部の空気がフィルタ17を介して筐体12内へ送り込まれ、筐体12内へ風Fが送り込まれる。筐体12内へ送り込まれた風Fによって、筐体12内部で発生した熱が除去される。
【0024】
  送風機14Cは、例えば、ファン、または、ブロアと称される場合がある。
【0025】
  なお、送風機14Cは、筐体12の内側の空気を筐体12の外側へ排出可能な位置に配置されていてもよい。すなわち、送風機14Cは、筐体12における、排気口13B側端部に配置されていてもよい。また、送風機14Cは、筐体12内へ風Fを送り込むことの可能な位置、および、筐体12の内側の空気を筐体12の外側へ排出可能な位置、の双方に配置されていてもよい。
【0026】
  部品14の一例である各種の機能を有する部材は、駆動しない部材であってもよい。各種の機能を有する部材は、例えば、冷却機能を有する部材である。冷却機能を有する部材は、例えば、熱伝導性が高い金属材料で構成された部材である。冷却機能を有する部材は、具体的には、ヒートシンク14B、放熱部品などである。
【0027】
  筐体12内に配置された発熱部品14Aは、ヒートシンク14Bなどの冷却機能を有する部材や、送風機14Cによって送り込まれた風Fによって冷却される。
【0028】
  本実施の形態では、
図1に示すように、筐体12内には、基板18Aおよび基板18Bの各々の基板18上に、1または複数の発熱部品14Aが配置されている。
 
【0029】
  基板18は、電子回路基板の一例であり、マザーボード、またはメインボードと称される場合もある。
【0030】
  本実施の形態では、基板18A上には、発熱部品14Aとして、発熱部品14A1および発熱部品14A2が配置されている。また、発熱部品14A1上または基板18A上には、ヒートシンク14Bが配置されている。ヒートシンク14Bは、発熱部品14Aで発生した熱を放熱させる放熱部材として機能する。
【0031】
  また、基板18B上には、発熱部品14A3が配置されている。
【0032】
  なお、電子機器10は、筐体12内に、更に他の基板18を配置した構成であってもよい。また、電子機器10は、筐体12内に、更に複数の発熱部品14Aおよび他の部品14を備えた構成であってもよい。
【0033】
  筐体12内には、複数のセンサ16(センサ16a~センサ16h)が配置されている。これらの複数のセンサ16は、互いに異なる位置に配置されている。
【0034】
  センサ16は、筐体12内の変動する物理量を測定可能なセンサである。例えば、センサ16は、温度、湿度、圧力、流量、加速度、電流、電圧、回転数、等の物理量を検出し、検出結果を検出値として出力する。物理量および検出値は、例えば、温度、湿度、圧力、流量、加速度、電流、電圧、回転数、等を示す数値で表される。なお、以下では、センサ16の検出値を、検出値Xと称して説明する場合がある。
【0035】
  センサ16は、例えば、温度センサ、湿度センサ、圧力センサ、風Fの流量センサ、電流センサ、電圧センサ、送風機14Cの回転数を検出する回転数センサ、送風機14Cの回転の加速度を検出する加速度センサ、などである。
【0036】
  なお、電子機器10には、発熱部品14Aの各々の、電流、電圧、および使用率(稼働率、負荷率)を検出可能なセンサ16は、設けられていないものとする。
【0037】
  センサ16は、筐体12内の各種の物理量を測定可能な位置に配置されていればよい。
【0038】
  本実施の形態では、センサ16a~センサ16c、センサ16e~センサ16hは、温度を検出する温度センサであると想定して説明する。センサ16aは、発熱部品14A1の温度を検出可能な位置に配置されている。詳細には、センサ16aは、発熱部品14A1に接触配置されている。
【0039】
  センサ16bは、基板18A上に配置され、且つ、発熱部品14A1および発熱部品14A2とは非接触の位置に配置されている。センサ16gは、発熱部品14A2に接触配置されている。センサ16hは、基板18A上に設置され、発熱部品14A1および発熱部品14A2に対して非接触な位置に配置されている。センサ16c、センサ16e、およびセンサ16fは、筐体12内の部品14に対して非接触に配置され、且つ、互いに異なる位置に配置されている。
【0040】
  センサ16dは、送風機14Cの回転数を検出するセンサ16である。なお、センサ16cは、送風機14Cの駆動に関する現象を測定可能であればよい。このため、センサ16cは、送風機14Cへ供給される電力量(電流値、電圧値)などの物理量を検出するセンサであってもよい。
【0041】
  情報処理装置20は、電子機器10の異常を判定する装置である。情報処理装置20と、筐体12に設けられた複数のセンサ16の各々とは、データまたは信号を授受可能に接続されている。なお、情報処理装置20は、筐体12に搭載されたセンサ16以外の他の各種の電子機器と、データまたは信号を授受可能に更に接続されていてもよい。例えば、情報処理装置20は、センサ16と、複数の部品14の内の少なくとも1つ、および送風機14Cと、データまたは信号を授受可能に接続されていてもよい。
【0042】
  次に、情報処理装置20の機能的構成の一例を説明する。
【0043】
  図2は、情報処理装置20の機能的構成の一例を示すブロック図である。なお、
図2には、説明のために、情報処理装置20と共に、電子機器10における情報処理装置20とデータまたは信号の授受を行うセンサ16を併せて示した。
 
【0044】
  情報処理装置20と複数のセンサ16とは、データまたは信号を授受可能に接続されている。なお、上述したように、情報処理装置20は、複数のセンサ16、および、筐体12に搭載されたセンサ16以外の各種の電子機器、の双方と、データまたは信号を授受可能に接続されていてもよい。
【0045】
  情報処理装置20は、制御部30と、記憶部32と、出力部34と、を備える。制御部30と、記憶部32および出力部34とは、データまたは信号を授受可能に接続されている。
【0046】
  記憶部32は、各種のデータを記憶する。記憶部32は、例えば、公知のHDD(ハードディスクドライブ)などの記憶媒体である。
【0047】
  出力部34は、各種の情報を出力する。本実施の形態では、出力部34は、エラー情報を出力する。エラー情報の詳細は後述する。
【0048】
  出力部34は、各種の情報を表示する表示機能、音を出力する音出力機能、外部装置との間でデータを通信する通信機能、の少なくとも1つを備える。外部装置とは、異常検出装置1の外部に設けられた装置である。情報処理装置20と外部装置とは、ネットワークなどを介して通信可能とすればよい。例えば、出力部34は、公知の表示装置、公知のスピーカ、および公知の通信装置の少なくとも1つを組み合わせることで構成される。
【0049】
  次に、制御部30について説明する。
【0050】
  制御部30は、取得部30Aと、第1の算出部30Bと、判定部30Cと、出力制御部30Dとを備える。
【0051】
  取得部30A、第1の算出部30B、判定部30C、および出力制御部30Dは、例えば、1または複数のプロセッサにより実現される。例えば上記各部は、CPUなどのプロセッサにプログラムを実行させること、すなわちソフトウェアにより実現してもよい。上記各部は、専用のICなどのプロセッサ、すなわちハードウェアにより実現してもよい。上記各部は、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。複数のプロセッサを用いる場合、各プロセッサは、各部のうち1つを実現してもよいし、各部のうち2以上を実現してもよい。
【0052】
  取得部30Aは、センサ16の検出値Xを取得する。本実施の形態では、取得部30Aは、センサ16の検出値Xとして、環境センサ16Aの第1の検出値Xaを取得する。
【0053】
  ここで、本実施の形態では、情報処理装置20は、電子機器10に設けられた特定の発熱部品14Aの異常を判定する。異常判定対象の発熱部品14Aは、予め定めればよい。また、異常判定対象とする発熱部品14Aは、ユーザによる指示入力などにより、変更可能としてもよい。
【0054】
  本実施の形態では、複数の発熱部品14Aの内、発熱部品14A1の異常を判定する形態を、一例として説明する。また、発熱部品14A1が、CPUまたはGPUなどのプロセッサである場合を、一例として説明する。
【0055】
  制御部30による発熱部品14A1の異常判定時には、取得部30Aは、電子機器10に設けられた複数のセンサ16の内、異常判定対象の発熱部品14A1の環境を検出する複数のセンサ16を、環境センサ16Aとして用いる。
【0056】
  環境センサ16Aとは、電子機器10に設けられた複数のセンサ16の内の少なくとも一部のセンサ16であり、筐体12内の互いに異なる位置に配置されている。
【0057】
  環境センサ16Aは、発熱部品14A1の環境を検出するセンサである。環境センサ16Aは、環境センサ16Aが検出する“環境”には、異常判定対象の発熱部品14A1の電流値、該発熱部品14A1の電圧値、および該発熱部品14A1の使用率、は含まれない。すなわち、環境センサ16Aは、発熱部品14A1の電流値、発熱部品14A1の電圧値、および発熱部品14A1の使用率、以外の環境を検出するセンサである。
【0058】
  詳細には、環境センサ16Aは、異常判定対象の発熱部品14A1の温度を検出するセンサ16である。すなわち、環境センサ16Aは、温度センサである。なお、環境センサ16Aは、発熱部品14A1の発熱量の変動に応じて、検出する温度が変化する位置に配置されていればよい。このため、環境センサ16Aは、異常判定対象の発熱部品14A1に接触配置されていてもよいし、非接触であってもよい。
【0059】
  図1に示す構成の場合、異常判定対象が発熱部品14A1である場合、発熱部品14A1の温度を検出する環境センサ16Aは、例えば、センサ16a、センサ16b、センサ16c、センサ16g、およびセンサ16hである。
 
【0060】
  なお、環境センサ16Aが検出する“環境”は、異常判定対象の発熱部品14A1の環境に直接または間接的に影響を与える環境が含まれていてもよい。具体的には、環境センサ16Aには、異常判定対象の発熱部品14A1以外の部品14の変動する物理量を検出するセンサ16が含まれていてもよい。上述したように、物理量には、温度、湿度、圧力、流量、加速度、電流、電圧、回転数、などが含まれる。
【0061】
  すなわち、環境センサ16Aは、筐体12内に配置された、異常判定対象の発熱部品14A1以外の部品14の、変動する物理量を検出可能なセンサ16であって、異常判定対象の発熱部品14A1の発熱量の検出結果に対して影響を与えうる該物理量を検出可能な、センサ16を含んでいてもよい。
【0062】
  この場合、環境センサ16Aには、例えば、送風機14Cの回転数または電力量を検出するセンサ16dが含まれていてもよい。
【0063】
  すなわち、環境センサ16Aは、筐体12内に配置された、異常判定対象の発熱部品14A1以外の部品14の変動する物理量、および、異常判定対象の発熱部品14A1の温度、の少なくとも一方の第1の検出値Xaを検出する。
【0064】
  本実施の形態では、発熱部品14A1が異常判定対象であり、該発熱部品14A1の環境を検出する環境センサ16Aが、センサ16a~センサ16d、センサ16g、およびセンサ16hである場合を、一例として説明する。
【0065】
  このため、本実施の形態では、取得部30Aは、複数のセンサ16の各々から受付けた検出値Xの内、環境センサ16Aであるセンサ16a~センサ16d、センサ16g、およびセンサ16hの各々から受付けた検出値Xを、第1の検出値Xaとして取得する。
【0066】
  第1の算出部30Bは、複数の環境センサ16Aの各々の第1の検出値Xaに応じて、異常判定対象の発熱部品14A1の発熱量を示す第1の推定値Iaを算出する。
【0067】
  図3は、第1の推定値Iaの算出の模式図である。
図3に示すように、第1の算出部30Bは、複数の第1の検出値Xa(第1の検出値Xa~第1の検出値Xn)を用いて、発熱部品14A1の発熱量を示す第1の推定値Iaを算出する。
 
【0068】
  第1の推定値Iaは、発熱部品14A1の発熱量の推定値である。発熱量は、単位あたりのエネルギー量(発熱の量)であり、W,W/kg等の単位で表される。なお、発熱量は、無次元量または基準からの定性的な変化を表す値であってもよいため、単位無しで表してもよい。
【0069】
  第1の算出部30Bは、複数の第1の検出値Xaと、発熱部品14A1の発熱量を示す第1の推定値Iaと、の相関関係を予め導出する。複数の第1の検出値Xaと第1の推定値Iaとの相関関係は、例えば、下記式(1)によって表される。
【0070】
  Ia=p0+p1・Xa1+p2・Xa2+・・・+pn・Xan      式(1)
【0071】
  式(1)中、Xaは、第1の検出値Xaを示す。Xaの各々に隣接する数値(1~n)は、環境センサ16Aの識別子である。p0~pnは、係数を示す。Iaは、異常判定対象の発熱部品14A1の発熱量の第1の推定値Iaを示す。
【0072】
  第1の算出部30Bは、複数の第1の検出値Xaと第1の推定値Iaとの相関関係を、異常判定対象となる部品14(本実施の形態では発熱部品14A1)の各々ごとに予め導出すればよい。具体的には、例えば、第1の算出部30Bは、上記式(1)の計数p0~Pnの値を、異常判定対象の部品14ごとに予め導出すればよい。この相関関係は、実験、シミュレーション、または機械学習などによって導出すればよい。機械学習には、畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional  Neural  Network:CNN)、階層ベイズモデリング、DNN(Deep  Neural  Network)、粒子フィルタなどのデータ同化技術、などの公知の機械学習方法を用いればよい。
【0073】
  なお、異常判定対象の発熱部品14A1の第1の推定値Iaを算出するための相関関係を示す関数の一例として、式(1)を挙げた。しかし、第1の推定値Iaを算出するための相関関係の式は、一次元の多項式、多次元の多項式、の何れであってもよい。また、第1の推定値Iaを算出するための相関関係の式は、非線形性の強い式であってもよい。
【0074】
  そして、第1の算出部30Bは、予め導出した相関関係を示す関数(例えば、上記式(1))に、複数の第1の検出値Xaの各々を代入することで、異常判定対象の発熱部品14A1の発熱量を示す第1の推定値Iaを算出すればよい。
【0075】
  なお、第1の算出部30Bは、3つ以上の第1の検出値Xaに応じて、第1の推定値Iaを算出することが好ましい。すなわち、式(1)の場合、少なくとも3つ以上の第1の検出値Xaを代入するための項を含む上記式(1)を用いて、第1の推定値Iaを算出することが好ましい。
【0076】
  判定部30Cは、第1の算出部30Bで算出された、異常判定対象の発熱部品14A1の発熱量を示す第1の推定値Iaが、第1の閾値以上であるか否かを判定する。第1の閾値は、異常判定対象の発熱部品14A1を異常であると判定するための閾値であればよい。判定部30Cは、異常判定対象の発熱部品14A(部品14)ごとに、第1の閾値を予め定めればよい。なお、第1の閾値は、ユーザによる変更指示などに応じて、適宜変更可能としてもよい。
【0077】
  例えば、判定部30Cは、発熱部品14A1に対する、電子機器10の冷却機能の異常を判断するための、発熱量の閾値を、第1の閾値として予め定めればよい。
【0078】
  判定部30Cは、第1の推定値Iaが第1の閾値以上であると判断した場合、発熱部品14A1が異常であると判定する。発熱部品14A1が異常である、とは、発熱部品14A1自体の発熱異常、および、発熱部品14A1に対する冷却機能の少なくとも一部の異常、の少なくとも一方を示す。
【0079】
  出力制御部30Dは、エラー情報を出力部34へ出力する。
【0080】
  エラー情報は、判定部30Cによって判定された、異常判定対象の発熱部品14A1の発熱量に異常が発生していることを示す情報を含む。なお、エラー情報は、異常判定対象の発熱部品14A1の保守作業手順、保守作業時の注意項目、保守作業サービスへの連絡先、などを示す保守情報を更に含んでいてもよい。この場合、異常判定対象の発熱部品14A1と、保守情報と、を予め対応付けて記憶部32へ記憶すればよい。そして、出力制御部30Dは、異常判定対象の発熱部品14A1に対応する保守情報を読取ることで、該保守情報を含むエラー情報を出力部34へ出力すればよい。
【0081】
  出力部34は、エラー情報を出力する。出力部34が表示機能を有する構成の場合、出力部34は、エラー情報を表示する。また、出力部34が音出力機能を有する場合、出力部34は、エラー情報を示す音を表示する。
【0082】
  このため、ユーザに対して、エラー情報を容易に提供することができる。ユーザは、出力されたエラー情報を確認することで、エラー情報に示される、異常判定対象の発熱部品14A1の異常を把握すると共に、エラー情報に示される保守情報に沿って、電子機器10の保守作業を行うことができる。すなわち、情報処理装置20は、ユーザに対して、電子機器10の保守作業に必要な情報を適宜提供することができる。
【0083】
  また、エラー情報に基づいて保守作業が行われることで、電子機器10の異常発生頻度の低減を図ることができ、保守作業員の人件費、不必要な部品14の交換費用の低減などを図ることができる。
【0084】
  一方、出力部34が、通信機能を有する場合、出力部34は、エラー情報を、ネットワークなどを介して外部装置へ送信する。
【0085】
  エラー情報を受信した外部装置は、該エラー情報を用いて、該エラー情報の送信元の電子機器10の遠隔監視、該エラー情報の加工、該エラー情報の解析、該エラー情報を他の外部装置へ転送、などの各種処理を実行してもよい。例えば、外部装置は、電子機器10の設置環境とエラー情報とを組み合わせて解析することで、電子機器10の使用環境や使用方法を解析することができる。このため、情報処理装置20は、エラー情報を出力することで、電子機器10の設計基準などの改善に用いる事の可能な情報を提供することができる。また、情報処理装置20は、電子機器10の使用環境の改善や使用方法の適正化に用いる事の可能な情報を、提供することができる。
【0086】
  また、エラー情報の送信先である外部装置、または外部装置からの転送先である他の装置を、保守作業を担当するサービス業者のサーバ装置としてもよい。この場合、情報処理装置20は、保守作業の効率化を図ることができる。
【0087】
  次に、情報処理装置20で実行する情報処理の流れを説明する。
【0088】
  図4は、情報処理装置20が実行する情報処理の流れの一例を示す、フローチャートである。なお、複数のステップの各々の順番は適宜変更可能であり、
図4の例に限られるものではない。また、複数のステップの少なくとも一部は、並列して実行してもよい。
 
【0089】
  なお、
図4では、異常判定対象の発熱部品14Aが、予め定められているものとして説明する。
 
【0090】
  まず、取得部30Aが、異常判定対象の発熱部品14A1の環境を検出する複数の環境センサ16Aの各々から、第1の検出値Xaを取得する(ステップS100)。
【0091】
  第1の算出部30Bは、ステップS100で取得した複数の第1の検出値Xaに応じて、異常判定対象の発熱部品14A1の発熱量を示す第1の推定値Iaを算出する(ステップS102)。
【0092】
  判定部30Cは、ステップS102で算出された、発熱部品14A1の発熱量を示す第1の推定値Iaが、第1の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS104)。第1の推定値Iaが第1の閾値未満であると判定すると(ステップS104:No)、本ルーチンを終了する。一方、第1の推定値Iaが第1の閾値以上であると判定すると(ステップS104:Yes)、ステップS106へ進む。
【0093】
  ステップS106では、出力制御部30Dが、エラー情報を出力部34へ出力する(ステップS106)。出力制御部30Dは、異常判定対象の発熱部品14A1の発熱量に異常が発生していることを示す情報を含むエラー情報を、出力部34へ出力する。そして、本ルーチンを終了する。
【0094】
  以上説明したように、本実施の形態の異常検出装置1は、発熱部品14Aと、環境センサ16Aと、第1の算出部30Bと、判定部30Cと、を備える。発熱部品14Aは、電子機器10に設けられ、電力によって駆動し、発熱量が変化する部品14である。環境センサ16Aは、発熱部品14Aの環境を検出する。複数の環境センサ16Aは、互いに配置位置が異なる。第1の算出部30Bは、複数の環境センサ16Aの各々の第1の検出値Xaに応じて、発熱部品14Aの発熱量を示す第1の推定値Iaを算出する。判定部30Cは、第1の推定値Iaが第1の閾値以上の場合、発熱部品14Aが異常であると判定する。
【0095】
  ここで、プロセッサなどの発熱部品14Aは、発熱量が時間的に変化する。従来では、プロセッサなどの発熱部品14Aの使用率は、同一の値であってもソフトウェアによって発熱量が異なる。すなわち、使用率と発熱量との相関は強くない。
【0096】
  図5は、発熱部品14Aの一例であるCPUの使用率と、該CPUの発熱量と、の関係を示す図である。
図5は、CPUである発熱部品14A1の使用率と発熱量の関係を実験で調査した結果である。実験には複数種類のソフトウェアを用いた。発熱量は、専用のセンサを用いて測定した。
図5に示すように、CPUの使用率が略同じ値であっても、導出された発熱量にばらつきがあることがわかる。このため、プロセッサによって発熱部品14Aの使用率から導出された発熱量には、ばらつきがあった。
 
【0097】
  また、発熱部品14Aの発熱状態を、発熱部品14Aの電流値や電圧値を計測して把握することは、コスト的に容易ではない。
【0098】
  なお、発熱部品14Aを備えた電子機器10全体の消費電力、電流値、および供給電圧は、電流または電圧を検出するセンサ16で測定可能である。しかし、電子機器10に搭載された複数の部品14の各々に流れる電流値または電圧値を、部品14ごとに個々に測定することは困難であった。
【0099】
  また、発熱量が時間的に変化する発熱部品14Aを複数搭載した電子機器10では、電子機器10の消費電力から、複数の発熱部品14Aの各々の発熱量を導出することは困難であった。これは、未知数が2以上であるのに対し、複数の発熱部品14Aの各々の発熱量導出のための関数を1つしか立てられないためである。
【0100】
  このため、従来では、電子機器10の異常を容易に判定することは困難であった。
【0101】
  一方、本実施の形態の異常検出装置1では、発熱部品14Aの環境を検出する環境センサ16Aの複数の第1の検出値Xaに応じて推定した、発熱部品14Aの発熱量を示す第1の推定値Iaを用いて、発熱部品14Aが異常であるか否かを判定する。
【0102】
  このように、本実施の形態の異常検出装置1では、電子機器10の駆動中に取得可能な第1の検出値Xaのみを用いて、発熱部品14Aの異常を判定する。このため、本実施の形態の異常検出装置1では、電子機器10の駆動を一時停止、または、電子機器10で実行中のプログラムによる処理を阻害するような負荷を与えることなく、発熱部品14Aの異常を判定することができる。
【0103】
  従って、本実施の形態の異常検出装置1は、電子機器10の異常を容易に判定することができる。
【0104】
  また、発熱部品14Aは、例えば、CPUまたはGPUなどのプロセッサである。このため、本実施の形態の異常検出装置1は、上記効果に加えて、CPUまたはGPUなどのプロセッサである発熱部品14Aの異常を容易に判定することができる。
【0105】
  図6は、本実施の形態の情報処理装置20で導出した、発熱部品14A1の一例であるCPUの発熱量を示す第1の推定値Iaと、実際の該CPUの発熱量と、の測定結果を示す図である。
図6に示すように、第1の推定値Iaと発熱量とは線形の関係を示していた。
 
【0106】
  このため、本実施の形態の異常検出装置1は、第1の推定値Iaの推定に用いた第1の検出値Xaを用いることで、容易に発熱部品14A1の発熱量を推定でき、精度良く発熱部品14A1の異常を判定することができる、といえる。
【0107】
(第2の実施の形態)
  本実施の形態では、第1の推定値Iaおよび他の推定値を用いて、筐体12内の特定領域の異常を判定する形態を説明する。特定領域については後述する。
【0108】
  図7は、本実施の形態の情報処理装置21の機能的構成の一例を示すブロック図である。なお、本実施の形態の異常検出装置1Aは、
図1に示すように、情報処理装置20に代えて情報処理装置21を備えた点以外は、第1の実施の形態の異常検出装置1と同様である。
 
【0109】
  情報処理装置21と複数のセンサ16とは、データまたは信号を授受可能に接続されている。なお、上記実施の形態と同様に、情報処理装置21は、複数のセンサ16、および、筐体12に搭載されたセンサ16以外の各種の電子機器、の双方と、データまたは信号を授受可能に接続されていてもよい。
【0110】
  情報処理装置21は、制御部31と、記憶部32と、出力部34と、を備える。制御部31と、記憶部32および出力部34とは、データまたは信号を授受可能に接続されている。記憶部32および出力部34は、第1の実施の形態と同様である。
【0111】
  制御部31は、取得部30Aと、第1の算出部30Bと、第2の算出部31Eと、第3の算出部31Fと、判定部31Cと、出力制御部31Dと、を備える。取得部30Aおよび第1の算出部30Bは、第1の実施の形態と同様である。
【0112】
  取得部30A、第1の算出部30B、第2の算出部31E、第3の算出部31F、判定部31C、および出力制御部31Dは、例えば、1または複数のプロセッサにより実現される。例えば上記各部は、CPUなどのプロセッサにプログラムを実行させること、すなわちソフトウェアにより実現してもよい。上記各部は、専用のICなどのプロセッサ、すなわちハードウェアにより実現してもよい。上記各部は、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。複数のプロセッサを用いる場合、各プロセッサは、各部のうち1つを実現してもよいし、各部のうち2以上を実現してもよい。
【0113】
  取得部30Aは、第1の実施の形態と同様に、複数の第1の検出値Xaを取得する。第1の検出値Xaは、第1の実施の形態と同様である。第1の算出部30Bは、複数の第1の検出値Xaから第1の推定値Iaを算出する。
【0114】
  図8は、第2の推定値Icの算出の模式図である。第2の推定値Icについては後述する。
図8に示すように、第1の算出部30Bは、複数の第1の検出値Xaに応じて、異常判定対象の発熱部品14Aの発熱量を示す第1の推定値Iaを算出する。第1の算出部30Bは、第1の実施の形態と同様にして、第1の推定値Iaを算出する。
 
【0115】
  本実施の形態では、電子機器10に搭載された複数の発熱部品14Aの内、電子機器10の特定領域の異常に影響を与える要因となる、発熱部品14Aの発熱量の、第1の推定値Iaを算出する。本実施の形態では、特定領域の異常が、該特定領域の温度の異常である場合を、一例として説明する。しかし、特定領域の異常は、温度の異常に限定されない。例えば、特定領域の異常は、湿度、圧力、などの異常であってもよい。
【0116】
  すなわち、本実施の形態では、異常判定対象の発熱部品14Aは、電子機器10の特定領域の温度の異常に影響を与える要因となる、発熱部品14Aである。
【0117】
  電子機器10の特定領域は、筐体12内の特定の領域を予め定めればよい。但し、特定領域は、電子機器10の筐体12内における、センサ16では直接計測不可能な領域であることが好ましい。すなわち、特定領域は、筐体12内における、センサ16の設置されていない領域であることが好ましい。
【0118】
  特定領域の異常に影響を与える要因となる発熱部品14Aを示す情報は、特定領域の識別情報ごとに予め記憶部32へ記憶しておけばよい。そして、第1の算出部30Bは、第1の推定値Iaの算出時に、異常判定対象の特定領域の識別情報に対応する、発熱部品14Aを示す情報を記憶部32から読取ればよい。そして、第1の算出部30Bは、読取った発熱部品14Aの第1の推定値Iaを、第1の検出値Xaを用いて算出すればよい。
【0119】
  また、本実施の形態では、異常判定対象の発熱部品14Aが、複数である場合を想定して説明する。このため、第1の算出部30Bは、複数の第1の検出値Xaを用いて、互いに異なる位置に配置された複数の発熱部品14Aの各々の、発熱量の第1の推定値Iaを算出する。すなわち、第1の算出部30Bは、複数の第1の検出値Xaから、複数の第1の推定値Iaを算出する。なお、第1の検出値Xaの数と、第1の推定値Iaの数と、は同じ数であるものとする。未知数の数と同じ数の関数が必要なためである。
【0120】
  なお、第1の算出部30Bは、複数の第1の検出値Xaと、異常判定対象の複数の発熱部品14Aの各々の発熱量の第1の推定値Ia(第1の推定値Ia1~第1の推定値Ian)と、の相関関係を予め導出する。例えば、第1の算出部30Bは、上記式(1)によって示される第1の推定値Iaと第1の検出値Xaとの相関関係を示す式を、発熱部品14Aごとに予め導出する。このため、式(1)によって表される相関関係は、対応する発熱部品14Aごとに、式(1)に示される係数(p0~pn)の少なくとも1つの値が互いに異なるものとなる。
【0121】
  なお、第1の算出部30Bは、第1の実施の形態と同様に、実験、シミュレーション、または機械学習などによって、この相関関係を予め導出すればよい。機械学習には、CNN、階層ベイズモデリング、DNN、粒子フィルタなどのデータ同化技術、などの公知の機械学習方法を用いればよい。
【0122】
  また、第1の算出部30Bは、3つ以上の第1の検出値Xaに応じて、第1の推定値Iaを算出することが好ましい。また、複数の発熱部品14Aの各々の発熱量の第1の推定値Iaの算出に用いる、第1の検出値Xaの種類および第1の検出値Xaの数は、互いに同じであるものとする。
【0123】
  第2の算出部31Eは、複数の第1の検出値Xaに応じて、異常判定対象の特定領域の異常に影響を与える要因であり、且つ、発熱部品14A以外の該要因の評価値Ibを算出する。
【0124】
  異常判定対象の特定領域の異常に影響を与える要因であり、且つ、発熱部品14A以外の該要因とは、例えば、筐体12の外部の温度、ヒートシンク14Bの接触状態、フィルタ17の目詰まり、送風機14Cの回転不足、吸気口13Aの閉塞状態、排気口13Bの閉塞状態、などの、発熱部品14A以外の要因である。
【0125】
  評価値Ibは、異常判定対象の特定領域の温度の異常に与える影響が大きいほど、高い値を示す。本実施の形態では、第2の算出部31Eは、互いに要因の異なる複数の評価値Ib(評価値Ib1~評価値Ibn)を算出する。すなわち、第2の算出部31Eは、複数の第1の検出値Xaから、複数の評価値Ibを算出する。なお、第1の検出値Xaの数と、評価値Ibの数と、は同じ数であるものとする。未知数の数と同じ数の関数が必要なためである。
【0126】
  第2の算出部31Eは、複数の第1の検出値Xaと、評価値Ibと、の相関関係を予め導出する。例えば、この相関関係は、下記式(2)によって表される。
【0127】
  Ib=q0+q1・Xa1+q2・Xa2+・・・+qn・Xan      式(2)
【0128】
  式(2)中、Xaは、第1の検出値Xaを示す。Xaの各々に隣接する数値(1~n)は、環境センサ16Aの識別子である。q0~qnは、係数を示す。nは、2以上の整数を示す。Ibは、要因の評価値Ibを示す。
【0129】
  第2の算出部31Eは、要因の評価値Ibと、複数の第1の検出値Xaと、の相関関係を、要因ごとに予め導出すればよい。具体的には、例えば、第2の算出部31Eは、上記式(2)の計数q0~qnの値を、予め導出すればよい。この相関関係は、実験、シミュレーション、または機械学習などによって導出すればよい。機械学習には、CNN、階層ベイズモデリング、DNN、粒子フィルタなどのデータ同化技術、などの公知の機械学習方法を用いればよい。なお、上記には、第1の検出値Xaからを算出するための相関関係を示す関数の一例として、式(2)を挙げた。しかし、第1の検出値Xaから評価値Ibを算出するための相関関係の式は、一次元の多項式、多次元の多項式、の何れであってもよい。また、第1の検出値Xaから評価値Ibを算出するための相関関係の式は、非線形性の強い式であってもよい。
【0130】
  そして、第2の算出部31Eは、予め導出した要因ごとの相関関係を示す関数(例えば、上記式(2))に、複数の第1の検出値Xaの各々を代入することで、要因ごとに、要因の評価値Ibを算出すればよい。
【0131】
  なお、第2の算出部31Eは、予め導出した相関関係示す関数以外に、上記式(2)によって表される該相関関係を示す学習済モデルなどを用いて、複数の第1の検出値Xaから、評価値Ibを要因ごとに算出してもよい。
【0132】
  第3の算出部31Fは、第1の推定値Iaおよび要因の評価値Ibに基づいて、上記特定領域の温度の第2の推定値Icを算出する。
【0133】
  第3の算出部31Fは、複数の第1の推定値Iaおよび複数の評価値Ibと、第2の推定値Icと、の相関関係を予め導出する。例えば、この相関関係は、下記式(3)によって表される。
【0134】
  Ic=r0+r1・Ia1+r2・Ia2+・・・+rn・Ian+s1・Ib1+s2・Ib2+・・・+sn・Ibn      式(3)
【0135】
  式(3)中、Iaは、第1の推定値Iaを示す。Iaの各々に隣接する数値(1~n)は、発熱部品14Aの識別子である。Ibは、要因の評価値Ibを示す。Ibの各々に隣接する数値(1~n)は、要因の識別子である。r0~rnおよびs1~snは、係数を示す。nは、2以上の整数を示す。Icは、特定領域の温度の第2の推定値Icを示す。
【0136】
  第3の算出部31Fは、複数の第1の推定値Iaおよび複数の評価値Ibと、第2の推定値Icと、の相関関係を、予め導出すればよい。具体的には、例えば、第3の算出部31Fは、上記式(3)の計数r0~rnおよびs1~snの値を、予め導出すればよい。この相関関係は、実験、シミュレーション、または機械学習などによって導出すればよい。機械学習には、CNN、階層ベイズモデリング、DNN、粒子フィルタなどのデータ同化技術、などの公知の機械学習方法を用いればよい。なお、上記には、複数の第1の推定値Iaおよび複数の評価値Ibと、第2の推定値Icと、の相関関係を示す関数の一例として、式(3)を挙げた。しかし、この相関関係の式は、一次元の多項式、多次元の多項式、の何れであってもよい。また、この相関関係の式は、非線形性の強い式であってもよい。
【0137】
  そして、第3の算出部31Fは、この相関関係を示す関数(例えば、上記式(3))に、複数の第1の推定値Iaおよび複数の評価値Ibの各々を代入することで、第2の推定値Icを算出すればよい。
【0138】
  なお、第3の算出部31Fは、この相関関係示す関数以外に、上記式(3)によって表される該相関関係を示す学習済モデルなどを用いて、複数の第1の推定値Iaおよび複数の評価値Ibから、第2の推定値Icを算出してもよい。
【0139】
  なお、第3の算出部31Fは、互いに異なる特定領域の各々の温度の第2の推定値Icを算出してもよい。すなわち、第3の算出部31Fは、複数の第1の推定値Iaおよび複数の評価値Ibから、複数の特定領域の各々の温度の第2の推定値Icを算出してもよい(
図8)。
図8中、Icは第2の推定値Icを示し、Icの右の数値は特定領域の識別子である。このように、第3の算出部31Fは、複数の第2の推定値Icを算出してもよい。
 
【0140】
  次に、判定部31Cおよび出力制御部31Dについて説明する。
【0141】
  判定部31Cは、第1の実施の形態の判定部30Cと同様に、異常判定対象の発熱部品14A1の発熱量の第1の推定値Iaが、第1の閾値以上であるか否かを判定する。判定部30Cは、第1の推定値Iaが第1の閾値以上であると判断した場合、発熱部品14A1が異常であると判定する。そして、出力制御部31Dは、エラー情報を出力部34へ出力する。この場合、エラー情報は、判定部31Cによって判定された、異常判定対象の発熱部品14A1の発熱量に異常が発生していることを示す情報を含む。
【0142】
  本実施の形態では、更に、判定部31Cは、発熱部品14A以外の要因の評価値Ibが、第3の閾値以上であるか否かを判断する。第3の閾値は、評価値Ibによって表される要因を異常であると判定するための閾値であればよい。判定部31Cは、要因ごとに、第3の閾値を予め定めればよい。詳細には、判定部31Cは、ヒートシンク14Bの接触状態、フィルタ17の目詰まり、送風機14Cの回転不足、などの、発熱部品14A以外の要因の各々ごとに、異常であると判定するための第3の閾値を予め定めればよい。なお、第3の閾値は、ユーザによる変更指示などに応じて、適宜変更可能としてもよい。
【0143】
  また、本実施の形態では、判定部31Cは、第2の推定値Icが第2の閾値以上の場合、上記特定領域が異常であると判定する。すなわち、判定部31Cは、第2の推定値Icが第2の閾値以上である場合、特定領域に異常が発生していると判定する。
【0144】
  第2の閾値には、特定領域ごとに、異常発生と判断するための閾値を予め定めればよい。また、第2の閾値は、ユーザによる変更指示などに応じて、適宜変更可能としてもよい。
【0145】
  上述したように、特定領域は、電子機器10の筐体12内における、センサ16では直接計測不可能な領域であることが好ましい。すなわち、特定領域は、筐体12内における、センサ16の設置されていない領域であることが好ましい。このため、判定部31Cは、センサ16の設置されていない領域である特定領域について、異常が発生しているか否かを容易に判定することができる。
【0146】
  次に、情報処理装置21で実行する情報処理の流れを説明する。
【0147】
  図9は、本実施の形態の情報処理装置21が実行する情報処理の流れの一例を示す、フローチャートである。なお、複数のステップの各々の順番は適宜変更可能であり、
図9の例に限られるものではない。また、複数のステップの少なくとも一部は、並列して実行してもよい。
 
【0148】
  なお、
図9では、複数の特定領域の各々の第2の推定値Icを算出する形態を一例として説明する。
 
【0149】
  まず、取得部30Aが、複数の第1の検出値Xaを取得する(ステップS200)。
【0150】
  次に、第1の算出部30Bは、ステップS200で取得した複数の第1の検出値Xaに応じて、異常判定対象の発熱部品14Aの発熱量の第1の推定値Iaを算出する(ステップS202)。ここでは、互いに異なる複数の発熱部品14Aの各々の、発熱量の第1の推定値Iaを算出したと想定する。
【0151】
  次に、判定部31Cおよび出力制御部31Dが、ステップS202で算出した複数の第1の推定値Iaの各々ごとに、ステップS204およびステップS206の処理を繰り返し実行する。
【0152】
  詳細には、判定部31Cは、第1の推定値Iaが第1の閾値以上であるか否かを判断する(ステップS204)。第1の推定値Iaが第1の閾値以上である場合(ステップS204:Yes)、判定部31Cは、判定に用いた第1の推定値Iaの発熱部品14Aが異常であることを示すエラー情報を、出力部34へ出力する(ステップS204)。そして、本繰返し処理を終了する。また、ステップS204で否定判断した場合(ステップS204:No)、本繰返し処理を終了する。なお、ステップS204で肯定判断した場合(ステップS204:Yes),ステップS206でエラー情報を出力した後に、本ルーチンを終了してもよい。
【0153】
  次に、第2の算出部31Eが、ステップS200で取得した複数の第1の検出値Xaに応じて、異常判定対象の特定領域の異常に影響を与える要因であり、且つ、発熱部品14A以外の該要因の評価値Ibを算出する(ステップS208)。ここでは、互いに異なる複数の要因の各々の、評価値Ibを算出したと想定する。
【0154】
  次に、判定部31Cおよび出力制御部31Dが、ステップS208で算出した複数の評価値Ibの各々ごとに、ステップS210およびステップS212の処理を繰り返し実行する。
【0155】
  詳細には、判定部31Cは、評価値Ibが第3の閾値以上であるか否かを判断する(ステップS210)。評価値Ibが第3の閾値以上である場合(ステップS220:Yes)、判定部31Cは、判定に用いた評価値Ibの要因が異常であることを示すエラー情報を、出力部34へ出力する(ステップS212)。そして、本繰返し処理を終了する。また、ステップS210で否定判断した場合(ステップS210:No)、本繰返し処理を終了する。なお、ステップS210で肯定判断した場合(ステップS210:Yes),ステップS212でエラー情報を出力した後に、本ルーチンを終了してもよい。
【0156】
  次に、第3の算出部31Fが、ステップS202で算出された複数の第1の推定値Ia、および、ステップS208で算出された複数の評価値Ibを用いて、第2の推定値Icを算出する(ステップS214)。ここでは、互いに異なる複数の特定領域の各々の温度の第2の推定値Icを算出したと想定する。
【0157】
  次に、判定部31Cおよび出力制御部31Dが、ステップS214で算出した複数の第2の推定値Icの各々ごとに、ステップS216およびステップS218の処理を繰り返し実行する。
【0158】
  詳細には、判定部31Cは、第2の推定値Icが第2の閾値以上であるか否かを判断する(ステップS216)。第2の推定値Icが第2の閾値以上である場合(ステップS216:Yes)、判定部31Cは、判定に用いた第2の推定値Icを示す特定領域が異常であることを示すエラー情報を、出力部34へ出力する(ステップS218)。そして、本繰返し処理を終了する。また、ステップS216で否定判断した場合(ステップS216:No)、本繰返し処理を終了する。
【0159】
  以上説明したように、本実施の形態の異常検出装置1Aの第1の算出部30Bは、複数の第1の検出値Xaに応じて、電子機器10の特定領域の異常に影響を与える要因となる、発熱部品14Aの発熱量の第1の推定値Iaを算出する。第2の算出部31Eは、複数の環境センサ16Aの各々の第1の検出値Xaに応じて、特定領域の異常に影響を与える要因であり且つ発熱部品14A以外の該要因の評価値Ibを算出する。第3の算出部31Fは、第1の推定値Iaおよび評価値Ibに基づいて、特定領域の温度の第2の推定値Icを算出する。判定部31Cは、第2の推定値Icが第2の閾値以上の場合、特定領域が異常であると判定する。
【0160】
  このため、本実施の形態の異常検出装置1Aでは、特定領域が、センサ16では直接計測不可能な領域の場合であっても、第1の推定値Iaおよび第1の推定値IaBを用いて、特定領域の温度の第2の推定値Icを算出することで、特定領域の異常を判定することができる。
【0161】
  従って、本実施の形態の異常検出装置1Aは、上記実施の形態の効果に加えて、電子機器10内の特定領域の異常を、精度良く容易に判定することができる。
【0162】
  また、本実施の形態の異常検出装置1Aでは、異常特定対象の特定領域に、センサ16が配置されていない場合であっても、特定領域の異常を判定することができるため、電子機器10へのセンサ16の搭載量の削減を図ることができる。
【0163】
  また、本実施の形態の異常検出装置1Aでは、第1の推定値Ia、評価値Ib、および第2の推定値Icの各々を用いて異常を判定することで、出力制御部31Dが、エラー情報を出力する。エラー情報は、異常判定対象の発熱部品14A1の発熱量に異常が発生していることを示す情報、発熱部品14A以外の要因に異常が発生していることを示す情報、および、特定領域に異常が発生している事を示す情報、の少なくとも1つを含む。
【0164】
  このため、本実施の形態の異常検出装置1Aは、部品14の交換、部品14のメンテナンス、異常発生しやすい部品14の解析、部品14の寿命、電子機器10を構成する部品14の最適化、電子機器10の設計、および故障時の原因解明、などの解析に用いる事の可能な情報を、エラー情報として提供することができる。
【0165】
  なお、上記第1の実施の形態および第2の実施の形態では、電子機器10と、情報処理装置20と、を別体として構成した形態を一例として示した(
図1参照)。しかし、電子機器10と情報処理装置20とを、一体的に構成してもよい。すなわち、電子機器10が、情報処理装置20を備えた構成であってもよい。この場合、例えば、電子機器10の筐体12内に、情報処理装置20を配置した構成とすればよい。
 
【0166】
-ハードウェア構成-
  次に、上記第1の実施の形態および第2の実施の形態帆愛実施の形態および変形例の制御部30のハードウェア構成について説明する。
【0167】
  図10は、上記実施の形態および変形例の制御部30および制御部31のハードウェア構成例を示すブロック図である。
 
【0168】
  上記実施の形態および変形例の制御部30および制御部31は、CPU(Central  Processing  Unit)51などの制御装置と、ROM(Read  Only  Memory)52やRAM(Random  Access  Memory)53などの記憶装置と、ネットワークに接続して通信を行う通信I/F54と、各部を接続するバス61を備えている。
【0169】
  上記実施の形態および変形例の制御部30および制御部31で実行されるプログラムは、ROM52等に予め組み込まれて提供される。
【0170】
  上記実施の形態および変形例の制御部30および制御部31で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM(Compact  Disk  Read  Only  Memory)、フレキシブルディスク(FD)、CD-R(Compact  Disk  Recordable)、DVD(Digital  Versatile  Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録してコンピュータプログラムプロダクトとして提供されるように構成してもよい。
【0171】
  さらに、上記実施の形態および変形例の制御部30および制御部31で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上記実施の形態および変形例の制御部30および制御部31で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0172】
  上記実施の形態および変形例の制御部30および制御部31で実行されるプログラムは、コンピュータを、上記実施の形態および変形例の制御部30および制御部31の各部として機能させうる。このコンピュータは、CPU51がコンピュータ読取可能な記憶媒体からプログラムを主記憶装置上に読み出して実行することができる。
【0173】
  本発明のいくつかの実施の形態および変形例を説明したが、これらの実施の形態および変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施の形態および変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0174】
1、1A  異常検出装置
10  電子機器
14  部品
14A、14A1、14A2、14A3  発熱部品
16A  環境センサ
20、21  情報処理装置
30B  第1の算出部
30C、31C  判定部
30D、31D  出力制御部
31E  第2の算出部
31F  第3の算出部