(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-09
(45)【発行日】2023-06-19
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
H05B 47/155 20200101AFI20230612BHJP
【FI】
H05B47/155
(21)【出願番号】P 2019119416
(22)【出願日】2019-06-27
【審査請求日】2022-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】390010054
【氏名又は名称】コイト電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104237
【氏名又は名称】鈴木 秀昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】笹井 浩毅
(72)【発明者】
【氏名】神永 曜命
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-299590(JP,A)
【文献】特開2017-027858(JP,A)
【文献】特開2014-017058(JP,A)
【文献】特開2012-186070(JP,A)
【文献】特開2017-091996(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光源を備えた照明装置において、
所定の発光色の主照明光源と、任意の発光色に調整可能な副照明光源と、前記主照明光源および前記副照明光源の点灯を制御する制御部と、を備え、
前記主照明光源および前記副照明光源は、それぞれの照射光が同一の経路上で混合する状態に配置され、
前記制御部は、前記主照明光源の通常使用時の点灯に加えて、前記副照明光源を前記主照明光源と同じ発光色で点灯させる高照度モードに設定可能であ
り、
前記制御部は、前記主照明光源が点灯しない異常発生時に、前記副照明光源を前記主照明光源と同じ発光色で点灯させる予備モードに設定可能であることを特徴とする照明装置
【請求項2】
前記制御部は、前記主照明光源の点灯に加えて、前記副照明光源を各種情報に応じて任意の発光色に点灯させる演出モードに設定可能であることを特徴とする請求項
1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記主照明光源および前記副照明光源は、それぞれ同一の直線上で交互に並べて配置されたことを特徴とする請求項
1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記主照明光源は、単色に発光可能な白色LEDであり、
前記副照明光源は、光の3原色を組み合わせて多色に発光可能なフルカラーLEDであることを特徴とする請求項
1,2または3に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の光源を備えた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の照明装置として、例えば鉄道車両における車室内の天井に設置される室内灯は、蛍光管を光源とするものに代わって、LED(発光ダイオード)を光源とするものが主流となっている(例えば特許文献1)。このようにLEDを光源とした照明装置の場合は、特許文献1にも記載の通り、調光(照度)制御を蛍光灯に比べて比較的簡単に行うことができる。
【0003】
また、鉄道車両の室内灯ではないが、他にもLEDを光源とした照明装置として、例えば高演色性や色再現性を高めるものが知られている(例えば特許文献2)。特許文献2に記載の技術では、白色LEDとフルカラーLEDを組み合わせることで、任意の色温度の設定や色バランスの設定を可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-086813号公報
【文献】特開2008-135459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述したLEDを光源とした照明装置では、いずれの場合も、あくまで通常使用時における一般的な照明のみを行うものであり、通常使用時とは異なる特別な照明を意図するものではなかった。
【0006】
例えば特許文献2に記載の技術では、通常使用時に任意の色温度や色バランスに調整できたとしても、限られたLEDだけを有効利用して、通常使用時とは異なる高照度に設定したり、あるいは故障等の非常時に臨時の照明を行う等、特別な照明の制御に関しては、何ら示唆するものではなかった。
【0007】
本発明は、以上のような従来の技術の有する問題点に着目してなされたものであり、通常の照明に加えて特別な照明を実現することが可能な照明装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一態様は、複数の光源を備えた照明装置において、所定の発光色の主照明光源と、任意の発光色に調整可能な副照明光源と、前記主照明光源および前記副照明光源の点灯を制御する制御部と、を備え、前記主照明光源および前記副照明光源は、それぞれの照射光が同一の経路上で混合する状態に配置され、前記制御部は、前記主照明光源の通常使用時の点灯に加えて、前記副照明光源を前記主照明光源と同じ発光色で点灯させる高照度モードに設定可能であり、前記制御部は、前記主照明光源が点灯しない異常発生時に、前記副照明光源を前記主照明光源と同じ発光色で点灯させる予備モードに設定可能である。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る照明装置によれば、通常の照明に加えて特別な照明を実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態に係る照明装置の一例を概略的に示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る照明装置における通常モードと高照度モードとの説明図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係る照明装置における予備モードの説明図である。
【
図4】本発明の実施の形態に係る照明装置における演出モードの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下に説明する実施の形態は一例であり、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。なお、既に周知な事項の詳細な説明や、実質的に同一の構成に対する重複説明等は、適宜省略する場合がある。
【0012】
<照明装置の構成>
本実施の形態に係る照明装置10について、
図1を参照しながら、以下に詳細に説明する。本実施の形態に係る照明装置10は、複数の光源を備えている。照明装置10は、例えば鉄道車両等の車室内の天井に設置される室内灯に適している。なお、照明装置10からの光の照射形態は、直接照明または間接照明の別を問わない。
【0013】
図1に示すように、照明装置10は、所定の発光色の主照明光源21と、任意の発光色に調整可能な副照明光源22と、主照明光源21および副照明光源22の点灯を制御する制御部30と、を備えている。なお、
図1に示した各部位の相対的な位置関係や大きさは、あくまで説明の便宜上のものであり、正確を期すものではない。
【0014】
(主照明光源)
主照明光源21は、所定の発光色に発光可能な光源であり、本実施の形態では単色で発光する白色LEDからなる。主照明光源21は、実際には複数の白色LED群からなる。個々の白色LEDは、基本的には同一のものであるが、発光色が一般的な白色系であれば、多少は色温度が異なるものを含めてもよい。
【0015】
白色LEDは、具体的には例えば、青色LEDに蛍光体を組み合わせて白色に発光するものであるが、その詳細な構成や種類については一般的であるので説明は省略する。なお、本実施の形態の白色LEDとしては、一般の市販品を用いれば良い。
【0016】
(副照明光源)
副照明光源22は、任意の発光色に調整可能な光源であり、本実施の形態では多色に発光するフルカラーLEDからなる。副照明光源22も、実際には複数のフルカラーLED群からなる。個々のフルカラーLEDは、基本的には同一のものであるが、多色に発光可能であれば、同系列の色の組み合わせが若干異なるものを含めてもよい。
【0017】
フルカラーLEDは、具体的には例えば、赤(R)と緑(G)と青(B)の色の加法混色により、白色を含む様々な色や照度で発光するものであり、赤色LED素子と、緑色LED素子と、青色LED素子を1つに組み合わせてなる。フルカラーLEDは、各色LED素子への給電電流を制御して、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色の光の混合比を変えることで、様々な色や照度で調整することができる。なお、フルカラーLEDも、一般の市販品を用いれば良い。
【0018】
(主照明光源および副照明光源の配置)
主照明光源21および副照明光源22は、それぞれ個々のLEDの照射光が同一の経路上で混合する状態に配置されている。ここで「照射光が同一の経路上で混合する状態」とは、主照明光源21である白色LEDと、副照明光源22であるフルカラーLEDとが、少なくとも1組ずつ互いに同一の照射方向で近接し、それぞれの照射光が重なり合うように混合される状態を意味する。
【0019】
本実施の形態では、主照明光源21および副照明光源22は、それぞれ同一の直線上で交互に並べて配置されている。すなわち、白色LEDとフルカラーLEDとが、細幅で直線状に延びる基板11上に等間隔で交互に並ぶように複数個ずつ実装されている。各LED自体の構成は、例えば表面実装形のチップ状のタイプであり、それぞれ基板11の表面に対して直交する光軸を中心に所定角度の照射範囲で光を出射する。また、基板11の表面上には、LEDが電気的に接続される配線回路が形成されている。
【0020】
主照明光源21および副照明光源22は、それぞれ1つの基板11単位でユニット化されている。本実施の形態では、例えば3つの白色LEDと3つフルカラーLEDとの合計6つのLEDが、一ユニットして1つの基板11上に実装されている。このようなユニットは、さらに複数のユニットを同一直線上に連なるように並べたり、あるいはユニットの長手方向だけでなく、短手方向にも複数並べて、全体としてLEDがマトリックス状に並ぶように面状に広がる組み合わせとしても良い。
【0021】
各基板11(ユニット)ごとに、個々のLEDは適当な数の単位でグループ化され、同じグループのLEDは互いに直列接続され、後記の制御部30に接続される。本実施の形態では、各基板11(ユニット)ごとに、主照明光源21をなす3つの白色LEDが直列接続され、副照明光源22をなす3つのフルカラーLEDが直列接続され、それぞれのグループが制御部30に並列接続されている。よって、各グループ内のいずれかのLEDで断線等の故障が生じた場合、通常はグループ単位で点灯不能となる。
【0022】
また、照明装置10は、
図1では図示省略したケース本体の内部に、主照明光源21や副照明光源22を含む基板11が、各LEDからの光を外部に照射可能な状態で配設されている。また、制御部30のほか、電源部40は、ケース本体の内部あるいは外部に設けられている。なお、主照明光源21や副照明光源22を覆うように、基板11の前方に配光レンズや拡散板、それに透明カバー等を設けても良い。
【0023】
(制御部)
制御部30は、主照明光源21および副照明光源22の点灯を制御するものである。本実施の形態の制御部30は、例えば各種制御の中枢的機能を果たすCPU(中央処理装置)と、CPUの実行するプログラムや各種の固定的データを記憶するROMと、プログラムを実行する上で一時的に必要になるデータを記憶するためのRAM等を主要部とするマイクロコンピュータにより構成されている。
【0024】
制御部30には、外部から各照明光源21,22の点灯に関する制御指令が入力されるほか、外部電源から給電される電源部40や、その他、各種入力手続きを行う操作部等が必要に応じて接続されている。なお、制御部30や電源部40は、まとめて1つの制御基板12上に配設すると良い。
【0025】
制御部30のROMには、主照明光源21や副照明光源22の点灯に関する点灯データが予め記憶されている。ここで「点灯データ」には、例えば白色LEDの光強度に対応した電流値や、フルカラーLEDの発光色と光強度に対応して各色LED素子に流す電流値等が含まれている。
【0026】
制御部30のCPUは、例えば各種情報に応じてROMから前記点灯データを読み出し、図示省略したドライバを介して主照明光源21および副照明光源22の各LEDの点灯を制御する。ここで「各種情報」とは、例えば走行中の車両の位置情報、走行中の周囲環境や天気等の外部情報、それに季節や日時、時刻に関する情報等、様々な事象に関する情報が考えられる。これらの情報は、例えば外部から前記制御指令と共に入力されたり、あるいは制御部30に接続したセンタ等から収集することができる。
【0027】
本実施の形態では制御部30により、少なくとも下記の3つのモードを、組み合わせ自在に実行するようにプログラムされている。なお、各モードについては後述する。
a.主照明光源21の通常使用時の点灯に加えて、副照明光源22を主照明光源21と同じ発光色で点灯させる高照度モード
b.主照明光源21が点灯しない異常発生時に、副照明光源22を主照明光源21と同じ発光色で点灯させる予備モード
c.主照明光源21の点灯に加えて、副照明光源22を各種情報に応じて任意の発光色に点灯させる演出モード
【0028】
(電源部)
電源部40は、例えば充電可能な蓄電池であり、照明装置10に電力の供給を行うものである。電源部40は、外部電源から給電されることで、主照明光源21および副照明光源22に給電すると共に充電も可能に構成されている。電源部40からの電力は、前記点灯パターンに基づき制御された電流値として、図示省略したドライバを通じて主照明光源21および副照明光源22の各LEDに給電される。
【0029】
主照明光源21および副照明光源22の各LEDは、前述したように各基板11単位のユニットごとに、主照明光源21をなす3つの白色LEDが直列接続され、副照明光源22をなす3つのフルカラーLEDが直列接続されている。よって、主照明光源21および副照明光源22の各LEDには、それぞれ同一の駆動電流が流れて点灯するように構成されている。
【0030】
<照明装置の作用>
次に、本実施の形態に係る照明装置10の作用について説明する。
本実施の形態に係る照明装置10によれば、主照明光源21および副照明光源22は、それぞれのLEDの照射光が同一の経路上で混合する状態にある。
【0031】
これにより、主照明光源21および副照明光源22から照射された光は、それぞれ同一の経路上で混合された光として外部に発せられ、同一の照射領域を照らすことになる。よって、2つの光源21,22の照射光の組み合わせにより、様々な色温度や照度の調整が可能となる。
【0032】
照明装置10では、制御部30よって、予め記憶された各点灯データの何れかが随時選択され、それぞれの点灯データに基づき各LEDが点灯制御される。主照明光源21に関しては、白色LEDが発光するときの光強度が適宜調整される。副照明光源22に関しては、フルカラーLEDを用いることにより、発光色を簡易かつ容易に調整することができる。
【0033】
制御部30による具体的な制御として、例えば通常使用時には、
図2(a)に示すように、主照明光源21をなす白色LEDだけが点灯することにより、通常モードでの照明が行われる。この通常モードのときは、副照明光源22をなすフルカラーLEDは消灯している。なお、通常モードでの白色LEDの点灯は、必ずしも100%の照度とする必要はない。
【0034】
また、制御部30により、制御指令の入力等の各種情報に応じて、
図2(b)に示すように、主照明光源21をなす白色LEDの通常使用時の点灯に加えて、副照明光源22をなすフルカラーLEDを、主照明光源21と同じ白色で点灯させる高照度モードでの照明が行われる。なお、高照度モードにおける白色LEDの点灯は、基本的には100%の照度とするが、適宜調整するようにしても良い。
【0035】
高照度モードによれば、元から用意している副照明光源22のフルカラーLEDを活用することができる。すなわち、主照明光源21の個々の白色LEDの駆動電流を増加させることなく、通常モードと同じ発光色での照射光量を増やして、車室内の照度を上昇させることができる。このような高照度モードは、例えば列車の駅到着時等の報知としたり、トンネル通過時等に設定すると良い。
【0036】
また、主照明光源21をなす白色LEDの断線等の故障が生じた場合には、各基板11(ユニット)ごとに主照明光源21の全ての白色LEDが点灯しなくなる。このような異常発生時には、制御部30によって断線等の故障が検出される。かかる検出結果に基づいて、制御部30により、
図3に示すように、副照明光源22をなすフルカラーLEDを、主照明光源21の白色LEDと同じ白色で点灯させる予備モードでの照明が行われる。
【0037】
予備モードによれば、断線等の故障により主照明光源21の白色LEDが点灯しなくなっても、副照明光源22のフルカラーLEDを臨時に点灯させることにより、予備灯としての機能を果たし完全に消灯することを防ぐことができる。ここでフルカラーLEDを白色で点灯させることにより、通常使用時と違和感のない照明を継続させることができる。なお、フルカラーLEDの照度は任意に調整できるが、必要な明るさを確保できる程度に設定すると良い。
【0038】
あるいは、災害時の非常時には、副照明光源22を主照明光源21の発光色とは異なる赤色光等の別の色に点灯させることにより、警報的な非常灯としての機能も果たすように制御しても良い。なお、火災等の検知や主照明光源21が点灯しない断線等の故障の判断は、外部からの信号(制御指令)に基づくものでも良い。
【0039】
また、制御部30により、制御指令の入力等の各種情報に応じて、
図3に示すように、主照明光源21をなす白色LEDの点灯に加えて、副照明光源22をなすフルカラーLEDを任意の発光色に点灯させる演出モードでの照明が行われる。このとき、白色LEDの点灯は、必ずしも100%の照度とする必要はなく、適宜定め得る設計事項である。
【0040】
演出モードによれば、主照明光源21の照射光の白色をベースとして、副照明光源22で任意に調整した発光色を混合させることにより、様々な色温度に変化させることができる。このように、本照明装置10によれば、高照度モードや予備モードにおける照明に限らず、所望の色温度に調整する等の演出的な照明も容易に行うことができ、照明による演出効果を高めることができる。
【0041】
具体的な演出モードとしては、例えば
図4(a)に示すように、主照明光源21をなす白色LEDの白色光に加えて、副照明光源22をなすフルカラーLEDを暖色系で発光させることにより、照明全体として暖色系の色温度に調整することができる。これにより、例えば秋から冬にかけては暖色系に調色したり、時間によって暖色系に調色することにより、車内の雰囲気を変えることができる。
【0042】
また、
図4(b)に示すように、主照明光源21をなす白色LEDの白色光に加えて、副照明光源22をなすフルカラーLEDを寒色系で発光させることにより、照明全体として寒色系の色温度に調整することができる。これにより、例えば春から夏にかけては寒色系に調色したり、時間によって寒色系に調色することにより、車内の雰囲気を変えることができる。
【0043】
<本開示の構成と作用効果>
以上に説明した本実施の形態から導かれる本開示は、複数の光源を備えた照明装置10において、所定の発光色の主照明光源21と、任意の発光色に調整可能な副照明光源22と、主照明光源21および副照明光源22の点灯を制御する制御部30と、を備え、主照明光源21および副照明光源22は、それぞれの照射光が同一の経路上で混合する状態に配置され、制御部30は、主照明光源21の通常使用時の点灯に加えて、副照明光源22を前記主照明光源21と同じ発光色で点灯させる高照度モードに設定可能である。
【0044】
このような本開示によれば、主照明光源21と副照明光源22との照射光が混合して組み合わされることにより、照明全体としての様々な色温度や照度の調整が可能となる。
特に、制御部30の制御により、主照明光源21の通常使用時の点灯に加えて、副照明光源22を主照明光源21と同じ発光色で点灯させる高照度モードでの照明が可能である。これにより、光源全体としての照射光量を増やして、照射範囲の照度を上昇させることができる。
【0045】
また、本開示では、制御部30は、主照明光源21が点灯しない異常発生時に、副照明光源22を主照明光源21と同じ発光色で点灯させる予備モードに設定可能である。
これにより、断線等の故障により主照明光源21が点灯しなくなっても、副照明光源22を臨時に点灯させることにより、予備灯としての機能を果たし完全に消灯することを防ぐことができる。ここで副照明光源22を主照明光源21と同じ発光色で点灯させることにより、通常使用時と違和感のない照明を継続させることができる。
【0046】
また、本開示では、制御部30は、主照明光源21の点灯に加えて、副照明光源22を各種情報に応じて任意の発光色に点灯させる演出モードに設定可能である。
これにより、主照明光源21の所定の発光色をベースにして、副照明光源22で任意に調整した発光色を混合させることにより、様々な色温度に変化させることができる。よって、本照明装置10によれば、通常使用時や異常発生時の照明に限らず、演出的な照明も容易に行うことができる。
【0047】
また、本開示では、主照明光源21および副照明光源22は、それぞれ同一の直線上で交互に並べて配置されている。
これにより、直線上に沿って主照明光源21と副照明光源22との照射光を満遍なくほぼ均等に混合することが可能となり、特にライン状の照明として活用することができる。
【0048】
また、本開示では、主照明光源21は、単色に発光可能な白色LEDであり、副照明光源22は、光の3原色を組み合わせて多色に発光可能なフルカラーLEDである。
このように、主照明光源21と副照明光源22は、それぞれLEDから構成されるので、点灯制御が容易なだけでなく、小型化が可能であり、消費電力も少なくて済み、また長寿命である。特に副照明光源22は、フルカラーLEDを用いるので、発光色を容易かつ自由に調整することができる。
【0049】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は前述したような実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、前記実施の形態では、照明装置10を鉄道車両等の車室内の室内灯に適用した例を説明したが、これに限らず様々な照明装置に適用することができる。
【0050】
また、前記実施の形態では、高照度モードや演出モードにおける照明の切り替えを各種情報に応じて制御するようにしているが、他に例えば、制御部30に接続された操作部による手動操作によっても、各モードや演出モードにおける色温度を適宜切り替えることができるように構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、例えば鉄道車両等の車室内の室内灯に限らず、様々な分野の照明装置に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0052】
10…照明装置
11…基板
12…制御基板
21…主照明光源
22…副照明光源
30…制御部
40…電源部