(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-09
(45)【発行日】2023-06-19
(54)【発明の名称】燃料電池システムにおける燃料欠乏を検出し、軽減するための方法
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04664 20160101AFI20230612BHJP
H01M 8/04537 20160101ALI20230612BHJP
H01M 8/04746 20160101ALI20230612BHJP
H01M 8/04 20160101ALI20230612BHJP
B60L 58/30 20190101ALI20230612BHJP
H01M 8/10 20160101ALN20230612BHJP
【FI】
H01M8/04664
H01M8/04537
H01M8/04746
H01M8/04 J
H01M8/04 Z
B60L58/30
H01M8/10 101
(21)【出願番号】P 2019544735
(86)(22)【出願日】2018-02-02
(86)【国際出願番号】 IB2018000077
(87)【国際公開番号】W WO2018150251
(87)【国際公開日】2018-08-23
【審査請求日】2021-01-20
(32)【優先日】2017-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500493207
【氏名又は名称】フォード モーター カンパニー
(73)【特許権者】
【識別番号】522100316
【氏名又は名称】セルセントリック・ゲーエムベーハー・ウント・コー・カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100145791
【氏名又は名称】加藤 志麻子
(74)【代理人】
【識別番号】100147762
【氏名又は名称】藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】フェローズ,リチャード
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/108317(WO,A1)
【文献】特開2016-57035(JP,A)
【文献】国際公開第2016/067789(WO,A1)
【文献】特表2014-509045(JP,A)
【文献】特開2014-116288(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0206610(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102009036197(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/00- 8/2495
B60L 58/00-58/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作している燃料電池システムにおける燃料欠乏状態を検出し、軽減するための方法であって、前記燃料電池システムが、
固体高分子電解質燃料電池と、
酸化剤供給サブシステムと、
燃料供給サブシステムであって、
圧縮水素を供給する圧縮水素燃料供給装置および
前記燃料電池のアノード入口に供給される燃料の圧力を調節するための調節装置であって、前記燃料供給装置が、前記調節装置の入口に接続され、前記燃料電池の前記アノード入口が、前記調節装置の出口に接続され、前記調節装置
の出口からの出口圧力が、前記燃料電池システムが動作しているとき振動する、調節装置、を備える燃料供給サブシステムと、
前記燃料電池の電気出力を監視するための電気出力監視装置とを備える方法において、
前記燃料電池システムが動作している間、前記燃料電池の前記電気出力を監視するステップと、
前記調節装置
からの前記出口圧力の前記振動から生じる前記燃料電池の前記電気出力における振動の振幅を測定するステップと、
前記電気出力における前記測定された振動の振幅が所定の量を超え、それにより、燃料欠乏状態を示す場合、前記燃料欠乏状態を軽減する是正措置を取るステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記燃料供給サブシステムが、前記燃料電池のアノード出口を前記燃料電池の前記アノード入口に接続する燃料再循環ラインを備え、前記調節装置が、高圧力ノズル入口と、低圧力入口と、出口とを備える噴射ポンプを備え、前記燃料供給装置が、前記高圧力ノズル入口に接続され、前記燃料再循環ラインが、前記噴射ポンプの前記低圧力入口および前記出口に直列に接続される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記燃料供給サブシステムが、前記燃料電池のアノード出口を前記燃料電池の前記アノード入口に接続する燃料再循環ラインを備え、前記調節装置が、水素リサイクルブロワを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記調節装置が、開閉弁を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記調節装置
の出口からの
前記出口圧力が、5秒未満の周期で振動する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記電気出力監視装置が、電圧出力監視装置または電流出力監視装置である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記電気出力が、電圧または電流である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記燃料電池システムを動作させるステップが、前記燃料電池
のアノードからの通常の量のパージガスをパージングするステップを含む通常の周期的なパージングステップを含み、前記是正措置が、前記電気出力における前記測定された振動の振幅が前記所定の量を超える場合、通常よりも多い量のパージガスを前記燃料電池
のアノードからパージングするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記是正措置が、前記調節装置
の出口からの
前記出口圧力がより大きな圧力となるように前記調節装置を動作させるステップと、前記燃料電池から引き出された電流を低減するステップと、前記燃料電池から引き出された電流の増加を遅延させるステップと、
燃料電池の適当な動作温度を維持するために冷却剤入口温度を低減するステップと、前記燃料電池
のカソードに供給される酸化剤の相対湿度を増加させるステップとからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記燃料電池の前記アノード入口における燃料圧力を周期的に低減するステップを備え、それによって、前記燃料電池の前記電気出力における振動の振幅が増加される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記燃料電池システムが、自動車用燃料電池システムである、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
燃料電池システムであって、
固体高分子電解質燃料電池と、
酸化剤供給サブシステムと、
燃料供給サブシステムであって、
圧縮水素を供給する圧縮水素燃料供給装置、および
前記燃料電池のアノード入口に供給される燃料の圧力を調節するための調節装置であって、前記燃料供給装置が、前記調節装置の入口に接続され、前記燃料電池の前記アノード入口が、前記調節装置の出口に接続され、前記調節装置
の出口からの出口圧力が、前記燃料電池システムが動作しているとき振動する、調節装置、を備える燃料供給サブシステムと、
前記燃料電池の電気出力を監視するための電気出力監視装置とを備え、
請求項1に記載の方法により動作するように構成される、燃料電池システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動作している燃料電池システムにおける燃料欠乏状態(fuel starvation conditions)を検出し(detecting)、軽減する(lessening)ための方法に関する。詳しくは、本発明は、アノード入口に供給される燃料の圧力を調節するための調節装置を有する固体高分子電解質燃料電池(solid polymer electrolyte fuel cell)を備える燃料電池システムに関し、その場合、燃料電池システムが動作しているとき調節装置からの出口圧力が振動する。
【背景技術】
【0002】
固体高分子電解質(またはプロトン交換膜)燃料電池などの燃料電池は、燃料および酸化剤反応物(それぞれ水素および酸素または空気などの)を電気化学的に変換して、発電する。固体高分子電解質燃料電池は、カソード電極とアノード電極との間にプロトン伝導性の固体高分子膜電解質を採用する。これらの2つの電極の間に挟まれた固体高分子膜電解質を備える構造体は、膜電極接合体(MEA)として知られている。典型的な燃料電池において、反応物用に数多くの流体分配チャネルを備える流れ場プレートは、燃料および酸化剤をそれぞれの電極に分配するために、および燃料電池内に起きる電気化学反応の副産物を除去するためにMEAのいずれかの側に設けられる。水は水素および空気反応物で動作するセルにおける主な副産物である。単一セルの出力電圧が1V程度であるので、通常、複数のセルが、より高い出力電圧を提供するために商業用途で互いに直列に積み重ねられる。燃料電池スタックは、自動車用途などで使用するために相互接続されたスタックの配列で直列におよび/または並列にさらに接続することができる。
【0003】
水とともに、熱は燃料電池内で起きる電気化学反応からの顕著な副産物である。したがって、燃料電池スタックを冷却するための手段が一般に必要とされる。高電力密度を実現するように設計されたスタック(例えば自動車用スタック)は、典型的には、熱を迅速におよび効率的に除去するために冷却液をスタック全体にわたって循環させる。これを達成するために、数多くの冷却剤チャネルを備える冷却剤流れ場が、典型的には、スタック内のセルの流れ場プレートにやはり組み込まれる。冷却剤流れ場は、流れ場プレートの電気化学的不活性面上に形成することができ、したがって、冷却剤を反応物から確実に分離させ続けながら、冷却剤をセル全体にわたって均等に分配することができる。
【0004】
したがって、固体高分子電解質燃料電池スタックに基づく燃料電池システムは、典型的には、反応物および冷却剤流体を燃料電池スタックに提供するための、および燃料電池スタックから排出流体を排出させるための、いくつかのサブシステムを内蔵する。これらのサブシステムは、供給される流体の圧力および流動率を制御する目的のための、流体の湿度および/または温度を調整するための、および/または排出流体から水を除去するための装置を採用することができる。通常、燃料供給サブシステムが、燃料供給装置(例えば水素)と、燃料電池スタックのアノード入口に供給される燃料の圧力を調節するための調節装置とを少なくとも備える。しかし、さらに、多くの燃料供給サブシステムが、アノード出口からの排出をまたアノード入口に再循環させるための燃料再循環ラインを含む。この再循環は、スタックアノードにおける滞留を防止し、供給される燃料の損耗を最小限に抑えながら水が除去されることを可能にする。排出流体の再循環を駆動するために、サブシステムは、典型的には、噴射ポンプまたは水素リサイクルブロワなどの装置を組み込んでいる。燃料供給サブシステムの一般的な実施形態において、機能は、調節装置からの出口圧力が燃料電池システムの動作の間振動するようにするものである。
【0005】
任意の種類の電気化学セルの直列スタックに関する潜在的な問題は、スタック内の1つまたは複数のセルにおいて電圧反転が起きる可能性である。これは、影響を受けたセルが、何らかの理由で、スタック内のその同等のものと同じ量の電流を提供することができなくなるとき、起きることがある。セルが十分に弱く、スタックから引き出された電流が十分に高い場合、スタック内の他のセルは、弱いセルを電圧反転状態に駆動することがある。これにより、弱いセルに損傷が生じ、それにより、弱いセルがさらに弱まることがある。スタックの性能機能がそれに応じて劣化する。
【0006】
燃料電池において、燃料欠乏は、セルを弱め、電圧反転状況をもたらすことがあるよく知られた状態である。燃料欠乏は、様々な理由で生じることがある。例えば、氷点下状態での保管後、氷が燃料電池の流れ場に形成され、スタック内のセルにおけるアノードにまたはアノードへの燃料の流れを妨害する可能性がある。そのセルにおける現在の不十分な燃料の供給は、結果として燃料欠乏状態となる。次いで、影響を受けたセルは、直列スタック内の他のセルからの電流によって電圧反転に駆動されることがあり、電圧反転の程度および持続時間により、急速なおよび甚大な損傷を被ることがある。スタックの故障は、内部の短絡により起きる可能性がある。反転は、検出されず、緩和されなかった場合、壊滅的なスタックの故障を引き起こすことがある。
【0007】
数多くの取組みが、電圧反転に関連した問題に対処するために、特に電圧反転をもたらすことがある燃料欠乏状態を防止する、またはそれに対処するために当技術分野で提案されてきた。米国特許第6936370号では、結果として、固体高分子電解質燃料電池が電圧反転に駆動され、ならびに反応が内部で起きることになる様々な状況を論じている。また、さらに、米国特許第6936370号では、電圧反転の悪影響に対するセルの寛容度を改善する手段を開示している。例えば、燃料欠乏の間、電流を通過させるために、水電解およびアノード構成部品の酸化などの反応が、燃料電池アノードにおいて起きる可能性がある。後者の反応は、結果として不可逆的損傷となることがある。しかし、アノード構成部品の酸化よりも前者の電解反応を促進することは、燃料電池をセルの反転に対して、よりずっと寛容にすることができる。これは、燃料酸化を促進するために使用される典型的なアノード触媒に加えて、水電解反応を促進するために触媒組成をアノードに組み込むことによって達成することができる。したがって、組み込まれた触媒組成は、具体的に水を電解するために選択され、酸化発生反応触媒として一般に知られている。この目的のための典型的な触媒組成が、酸化イリジウムを含む。
【0008】
別の取組みは、電圧反転を検出し、次いで、電圧反転に対して緩和する適当な措置を取ることである。当技術分野で一般的な取組みは、セル電圧監視をシステムに実装することであったが、それは、スタック内の各個々のセルの電圧を監視することを伴う。電圧反転は、このやり方で確実に検出することができるが、必要とするセル電圧監視(CVM)装置は、ひどく複雑で高価であり得る。
【0009】
電圧反転状態を検出するためにおよび任意の結果として生じる損傷を防止するために当分野で開発された他の技法は、例えば、登録済日本特許第5200414号および第5287815号を含み、それにより、いずれかの電極において電圧反転を検出するための方法が開示されている。他方、登録済日本特許第4998609号では、電圧反転の間の劣化を回避するための方法が開示されている。別の例において、米国特許出願公開第20130095405号では、累積電流値測定ユニットの使用に基づく燃料電池システムおよび方法が開示されている。
【0010】
別の取組みにおいて、燃料欠乏の恐れを低減するために高いアノード燃料分圧を採用することができる。しかし、高い燃料分圧を使用することにより、一般に、透過による燃料の大きな損失が生じる。さらに別の取組みにおいて、測定された燃料および窒素濃度によって作動されたアノードの頻繁なおよび徹底的なパージングが検討されている。しかし、そのような取組みは、費用のかかる燃料および窒素センサの使用を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
今日までなされた進展にもかかわらず、動作中の潜在的な燃料欠乏事象から生じる損傷からの燃料電池システムのより良い保護が必要とされている。本発明は、これらの必要を満たすための選択肢を示し、さらに関連した利点を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
燃料電池システムは、典型的には、システム内の燃料電池スタックに供給される燃料の圧力を調節するための調節装置を有する。調節装置からの出口圧力が動作の間振動するシステム(例えば、燃料再循環ループと、ループ内に噴射ポンプを備える調節装置とを装備したシステム)において、燃料電池スタックの性能も、燃料電池スタック内のアノードに提供された燃料圧力の周期的な増加の結果としてある程度まで振動する。しかし、スタック性能におけるこれらの振動の振幅は、時々、より顕著になり得ることが認められた。これは、スタックが1つまたは複数のセルにおける燃料欠乏事象を受けているときに生じることがあり、スタック中の燃料圧力および水素流量の増加により、これらの回復すべき部分的燃料欠乏の領域を生じ、それにより、結果として燃料電池スタック性能のより目立つ増加となることがあると確認された。したがって、部分的燃料欠乏状態は、燃料電池スタックの電気出力を監視することによって、およびこの電気出力における振動の振幅に基づいて適当な是正措置を取ることによって、検出し、軽減することができることが理解された。
【0013】
具体的には、本発明の方法は、固体高分子電解質燃料電池と、酸化剤供給サブシステムと、燃料供給サブシステムであって、燃料供給装置、および燃料電池のアノード入口に供給される燃料の圧力を調節するための調節装置、を少なくとも備える燃料供給サブシステムと、燃料電池の電気出力を監視するための電気出力監視装置とを備える燃料電池システムに関する。燃料供給サブシステムにおいて、燃料供給装置は調節装置の入口に接続され、燃料電池のアノード入口は、調節装置の出口に接続される。さらに、調節装置出口からの出口圧力は、燃料電池システムが動作しているとき振動する。本発明方法は、燃料電池システムが動作している間燃料電池の電気出力を監視するステップと、調節装置出口圧力の振動から生じる燃料電池の電気出力における振動の振幅を測定する(determining)ステップと、電気出力における測定された振動の振幅が所定の量を超える(それにより、燃料欠乏状態を示す)場合、燃料欠乏状態を軽減する是正措置を取るステップとを含む。
【0014】
本発明の例示的な実施形態において、燃料供給サブシステムは、燃料電池のアノード出口を燃料電池のアノード入口に接続する燃料再循環ラインを備えることができ、調節装置は噴射ポンプを備える。噴射ポンプは、高圧力ノズル入口と、低圧力入口と、出口とを備えることができる。また、サブシステムにおいて、燃料供給装置は、高圧力ノズル入口に接続され、燃料再循環ラインは、噴射ポンプの低圧力入口および出口に直列に接続される。
【0015】
代替実施形態において、燃料供給サブシステムは、燃料電池のアノード出口を燃料電池のアノード入口に接続する燃料再循環ラインを備えることもでき、その一方で、調節装置は、水素リサイクルブロワを備えることができる。
【0016】
さらに他の代替実施形態において、燃料供給サブシステムは、燃料再循環ラインまたはループを採用しない可能性がある。ここで、調節装置は、その代わりに単純に開閉弁を備えることができる。
【0017】
方法は、調節装置出口からの出口圧力が相対的に迅速に、例えば、5秒未満の周期で振動する燃料電池システムにおいて使用するのに適当である。燃料電池システムにおいて使用するための適切な電気出力監視装置は、電気出力が電圧または電流であるとき、それぞれ、電圧出力監視装置または電流出力監視装置を含む。
【0018】
燃料電池システムの動作が燃料電池アノードからの通常の量のパージガスをパージングするステップを含む通常の周期的なパージングステップを含む実施形態において、適切な是正措置は、電気出力における測定された振動の振幅が所定の量を超える場合、燃料電池アノードから通常よりも多い量のパージガスをパージングするステップを含むことができる。他の実施形態において、適切な是正措置は、調節装置出口からの出口圧力が、より大きな圧力となるように調節装置を動作させるステップ、燃料電池から引き出された電流を低減するステップ、燃料電池から引き出された電流の増加を遅延させるステップ、冷却剤入口温度を低減するステップ、および/または燃料電池カソードに供給される酸化剤の相対湿度を増加させるステップを含む。
【0019】
所望の場合、方法の感受性は、燃料電池のアノード入口における燃料圧力を周期的に低減することによって増加させることができる。そのような措置は、燃料電池の電気出力における振動の振幅を増加させることができる。
【0020】
本発明の方法は、固体高分子電解質燃料電池スタックを備えるシステムにおいて使用するためであり、自動車用燃料電池システムにおいて使用するのに特に適切である。例えば、このようにして燃料欠乏状況を検出し、それに対応することによって、システムには複雑で高価なCVM装置の必要がない。
【0021】
本発明のシステムは、固体高分子電解質燃料電池と、酸化剤供給サブシステムと、燃料供給サブシステムと、燃料電池の電気出力を監視するための電気出力監視装置とを備える。それにおける燃料供給サブシステムは、燃料供給装置と、燃料電池のアノード入口に供給される燃料の圧力を調節するための調節装置とを備え、その場合、燃料供給装置は、調節装置の入口に接続され、燃料電池のアノード入口は、調節装置の出口に接続され、およびその場合、調節装置出口からの出口圧力は、燃料電池システムが動作しているとき振動する。さらに、システムは、前述の方法により動作するように構成される。
【0022】
本発明のこれらのおよび他の態様は、添付の図および以下の詳細な説明を参照することにより明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】異なる選択肢が燃料供給サブシステムの調節装置に採用される例示的な自動車用燃料電池システムの簡略化された概略図である。
図1aのシステムは、単純な開閉弁を採用するが、再循環は何もない。
図1bおよび1cのシステムは、それぞれ、噴射ポンプと水素リサイクルブロワとを採用するが、両方とも燃料を再循環する。
【
図2】実施例における燃料電池スタックの電圧対アノード入口圧力のグラフである。
【
図3】電圧反転事象の直前および直後の、実施例における燃料電池スタックのそれぞれアノード入口圧力、アノード出口における[H2]、スタック電圧および電流対時間のグラフである。
【
図4】アノード入口における燃料圧力を周期的に低減することによって本発明方法の感受性を増加させるための選択肢を示す図である。
図4において、アノード入口圧力およびスタック電圧対時間を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本明細書において、「1つの(a)」および「備える(comprise)」という単語は、制約がない意味で解釈されるものとし、少なくとも1つであるが1つだけに限定されないことを意味するとみなされるものとする。
【0025】
本明細書において、量的文脈では、「約(about)」という用語は、最大プラス10%までからマイナス10%までの範囲にあると解釈されるべきである。
【0026】
本発明の本方法は、動作しているある燃料電池システムにおける燃料欠乏状態を検出し、軽減するのに有用である。適用可能な燃料電池システムは、燃料電池のアノード入口に供給される燃料の圧力を調節するための調節装置を有する固体高分子電解質燃料電池を備え、その場合、調節装置からの出口圧力が動作の間、振動する。方法は、動作の間燃料電池の電気出力を監視するステップと、電気出力における振動の振幅を測定するステップと、次いで、電気出力における測定された振動の振幅が所定の量を超え、それにより、燃料欠乏状態を示す場合、燃料欠乏状態を軽減する是正措置を取るステップとを伴う。
【0027】
図1a、1bおよび1cは、自動車用途において使用することができる例示的な適用可能な燃料電池システムの簡略化された概略図を示す。各図において、異なる適用可能な選択肢が、燃料供給サブシステムの調節装置に採用される。
図1aにおける燃料供給サブシステムは、単純な開閉弁を採用するが、アノード出口からまたアノード入口への燃料の再循環は何も行わない。
図1bおよび1cにおけるサブシステムは、それぞれ噴射ポンプと水素リサイクルブロワとを採用し、両方とも燃料を再循環させるために再循環ループを含む。
【0028】
図1aにおいて、燃料電池システムは、固体高分子電解質燃料電池の直列スタック(
図1aにはコールアウトなし)を備える燃料電池スタック1を含む。酸化剤供給サブシステム(コールアウトなし)が、圧縮周囲空気(必要に応じ濾過され、冷却され、加湿された)を酸化剤の供給として燃料電池スタック1のカソード入口2aに提供するのに使用される。酸素欠乏空気ならびに副産物の水蒸気および液体水が、カソード出口2bにおいて燃料電池スタック1から排出される。燃料供給サブシステム3が、圧縮水素燃料供給装置31と、アノード入口3aに供給される水素の圧力を調節するための調節装置として働く開閉弁32とを備える。開閉弁32からの出口圧力は、燃料電池システムが動作している間、開閉弁32が開閉されるのに伴い振動する。燃料電池スタック1のアノードからの水素欠乏排気流は、アノード出口3bにおいて排出される。燃料電池スタック1の適当な動作温度を維持するために、冷却剤供給サブシステム(コールアウトなし)が、冷却剤入口4aおよび冷却剤出口4bを介して冷却剤をスタック内に循環させるのに使用される。それぞれ正および負端子5aおよび5bにおいて、電力が燃料電池スタック1から出力される。本発明方法の目的のために、
図1aの実施形態において、監視されている関連電気出力はスタック電圧であり、電圧計6が電気出力監視装置として働く。
【0029】
図1bの燃料電池システムは、燃料電池サブシステムが、再循環ループ33(アノード出口3bをアノード入口3aに接続する)と噴射ポンプ34とをさらに備えることを除いて
図1aのものと同様である。ここで、開閉弁32は、この場合もやはり調節装置の調節をもたらす働きをする。開閉弁32を介して、燃料供給装置31は、噴射ポンプ34の高圧力ノズル入口34aに接続される。アノード出口3bからの排出は、再循環ループ33を介して噴射ポンプ34の低圧力入口34bに提供される。また、アノード入口3aは、噴射ポンプ34の出口34cに接続される。噴射ポンプ34からの出口圧力は、燃料電池システムが動作している間、開閉弁32のサイクリングの結果として振動する。
【0030】
図1cの燃料電池システムは、噴射ポンプ34の代わりに、燃料電池サブシステムが再循環ループ33における燃料の再循環に動力供給するために水素リサイクルブロワ36を採用することを除いて
図1bのものと同様である。水素リサイクルブロワ36からの出口圧力は、燃料電池システムが動作している間、水素リサイクルブロワのサイクリングの結果として振動する。
【0031】
概して、本発明の方法は、調節装置からの出口燃料圧力において起きる振動の結果として燃料電池の電気出力に生じる振動に基づいて燃料欠乏状態を識別することを伴う。そうするために、燃料電池の適当な電気出力が、燃料電池システムが動作している間監視される。それから、燃料電池の電気出力における振動の振幅が測定され、電気出力における測定された振動の振幅が所定の量を超える場合、燃料欠乏状態が示される。次いで、燃料欠乏状態を軽減するために適当な是正措置が取られる。
【0032】
燃料電池の監視される電気出力は、電圧または電流であることができる。例えば、調節装置として噴射ポンプを備える実施形態において(
図1bに示すように)、燃料電池スタックの性能は、噴射ポンプサイクルの間変動する。典型的には、燃料ポンプの出口圧力は、相対的に短い周期(例えば、<5秒)で振動する可能性がある。代替実施形態において、アノードループの初期加圧状態の間のスタック電圧の上昇は、監視することができる。ここで、増加するアノード圧力を有する電圧振動は、起こり得る燃料欠乏事象を示す。
【0033】
是正措置がいつ取られることになっているのかを識別するのに使用される所定の量に適当なおよび満足のいく値を設定する際に、個々のセルにおける燃料欠乏に関連した電圧変化が、および直列スタックにおけるセルの数も、検討される。個々のセルにおいて、燃料欠乏状態またはそれらの開始は、約200mV、最大1Vまでの電圧変化に関連している可能性がある。数百のセルを備えるスタックにおいて、これは平均わずか数mV/セルになる。前述の説明および以下に続く実施例に現れる代表的な情報に基づいて、当業者は、潜在的に問題のある燃料欠乏状態の開始を効果的に検出するために、所与のスタック設計および動作状態に対する適当な電圧変化(すなわち、所定の量)を測定することができることが予測される。また、その後、適当な是正措置を取ることができる。
【0034】
次いで、燃料欠乏事象が検出された場合に、方法は、燃料欠乏状態を軽減し、好ましくは除去する1つまたは複数の是正措置を取るステップを含む。これらの方法は、
・ 動作の間の通常の周期的なパージングステップを採用した燃料電池スタックにおいて、通常よりも多い量のパージガスを燃料電池アノードからパージングするステップと、
・ 調節装置出口からの出口圧力がより大きな圧力となるように調節装置を動作させることによって、低アノード圧力を回避するステップであって、必要ならば、カソードおよびアノードにわたる交差圧力限界を超えることを回避するためにカソード圧力を増加させることもできる、回避するステップと、
・ 特に電圧反転の危険が大きいとき氷点下温度での始動の間、燃料電池から引き出された電流をゼロまでにも低減するステップと、
・ 燃料電池から引き出された電流の増加を遅延させるステップ、例えば、燃料電池車両を始動させた後に通常に走り去ることを遅延させるステップと、
・ 循環する冷却液を用いてスタック内の冷却剤入口温度を低減するステップと、
・ 低燃料再循環率で起きることがある活性化領域入口の過乾燥を緩和するために、燃料電池のカソード入口に供給される酸化剤の相対湿度を増加させるステップとを含む。
【0035】
本発明方法をより高い感受性にするために、ある追加の技法を任選択で採用することができる。例えば、そのような技法は、アノード圧力を周期的に低減するステップを含む(以下の実施例に示すように)。
【0036】
以下の実施例は、本発明のある態様を示すために提供されているが、それらは決して限定すると解釈してはならない。
【実施例】
【0037】
以下の試験において、固体高分子電解質燃料電池スタックを備え、自動車用途において使用するのに適切な燃料電池システムを、採用した。システムは、アノード排出をまたアノード入口に再循環するための再循環ラインを採用した。
図1bの概略図に全体的に示すように、噴射ポンプを再循環ラインに採用した。
【0038】
スタックに供給される反応物は、水素および空気であり、スタックは、自動車用途に典型的な状態の下で動作した。特に、未使用の燃料を、開閉タイプの調節装置を介してスタックに供給した。これは、結果として、噴射ポンプ出力圧力のサイクリング、したがって、アノード入口圧力のサイクリングとなった。
【0039】
図2は、スタックのアノード入口に供給される燃料の圧力に対するスタック電圧の感受性を示す。
図2において、アノード入口におけるスタック電圧および圧力は、スタックが噴射ポンプサイクリングで動作されている間、1Hz周波数で記録した。アノード出口における[H2]は、この例では25%であった。アノード入口圧力は、約0.5から1.5バールgまでの範囲にわたって変動するのが見られた。スタック電圧の顕著なおよび測定可能な変動もアノード入口圧力の関数として観測された。この試験において、スタック電圧は、アノード入口圧力が0.5バールg未満に落ちたとき、急速に減少した。
【0040】
図2のものと同様の燃料電池システムが、定期的な寿命試験を受けており、動作させながら広範におよび継続的に監視されていた。(これは他のパラメータとともにスタックおよび個々の燃料電池両方の電圧、スタック電流、反応物圧力の監視を含んでいた)。予期しない電圧反転事象が、不十分な定期的アノードパージングの結果としてこの試験の間起きた。
図3a、3b、3c、および3dは、電圧反転事象直前の、次いで、直後の時間周期にわたる、それぞれ、アノード入口圧力、アノード出口における[H2]、スタック電圧、および電流対時間のグラフを示す。
図3の時間~12:50において、アノード入口圧力の振動が、相対的に大きいと留意される(
図3aに「i」と表す)。それから間もなく時間~12:51において、アノード入口圧力が最小までに達するのが見られる(「ii」と表す)。スタック電圧は、アノード入口圧力が最初に低くなったとき、実質的に下がるのが見られ(「iii」と表す)、その後、アノード圧力が再度上昇したとき、約20ボルトだけ上昇する(「iv」と表す)。スタック電流は、増加するのが見られる(「v」と表す)。また、アノード出口における[H2]が、この時間においても実質的に降下するのが見られる(「vi」と表す)。これらの観測は、燃料欠乏状態の開始を知らせる。個々のセル電圧監視から(
図3に示さず)、いくつかの個々のセルがこの時間においても電圧反転となったことが判明した(およそ-1.2Vの電圧まで降下)。
【0041】
これらの事象に続いて、スタック電圧は、アノード入口圧力の振動(「viii」と表す)に歩調を合わせて振動する(「vii」と表す)のが見られる。
図3の時間~13:00において、アノード入口圧力は増加し(「ix」と表す)、これは結果としてアノード出口における[H2]の観測可能な増加となった(「x」と表す)。(スタック電流は、やはり、増加するのが見られる(「xi」と表す)。しかし、今では深刻な損傷の防止に役立てるには遅すぎる。個々のセル電圧監視から、いくつかの個々のセルが、より深い反転となり(-2V未満)、スタックを流れる電流がさらにまた増加したことが留意された。
【0042】
電圧反転状況およびそれに関連した深刻な結果は、時間~12:50における目立つ電圧変化に応答して適当な是正措置を取ることによって防止できたであろうことは、
図3aから3dに提示される詳細から明らかである。
【0043】
図4は、アノード入口における燃料圧力を周期的に低減することによって本発明方法の感受性を増加させるための選択肢を示す。
図4には、理論的に同様の燃料電池スタックのアノード入口圧力およびスタック電圧対時間を示す。グラフのほとんどにわたって、アノード燃料圧力は、通常のやり方で振動すると仮定され、それに応じてスタック電圧が歩調を合わせて振動する。しかし、周期的に、アノード燃料圧力は、通常よりも約3倍だけ多く減少するとみなされる。しかし、スタック電圧は、このようなとき3倍よりもずっと大きく降下することが予測される。次いで、
図4から明らかなように、電気出力(すなわち、スタック電圧)における振動の振幅は、アノード入口圧力の周期的な低減とともに増加するはずである。この手順は燃料電池における水管理にも役立つと予測される。何故なら、噴射ポンプがより低い絶対アノード入口圧力におけるアノード入口圧力のより高い変化を示し、変化がより長い間持続するからである。
【0044】
本明細書において参照された上記の米国特許、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、および非特許文献のすべてが、参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれている。
【0045】
本発明の特定の要素、実施形態および適用例を示し、説明してきたが、もちろん、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、特に前述の教示に照らして、当業者によって変更を加えることができるので、本発明は、それに限定されないことが理解されよう。そのような変更は、本明細書に添付された特許請求の範囲内にあるとみなされるものとする。
本発明は、以下の発明をも含む。
[発明1]
動作している燃料電池システムにおける燃料欠乏状態を検出し、軽減するための方法であって、前記燃料電池システムが、
固体高分子電解質燃料電池と、
酸化剤供給サブシステムと、
燃料供給サブシステムであって、
燃料供給装置および
前記燃料電池のアノード入口に供給される燃料の圧力を調節するための調節装置であって、前記燃料供給装置が、前記調節装置の入口に接続され、前記燃料電池の前記アノード入口が、前記調節装置の出口に接続され、前記調節装置出口からの出口圧力が、前記燃料電池システムが動作しているとき振動する、調節装置、を備える燃料供給サブシステムと、
前記燃料電池の電気出力を監視するための電気出力監視装置とを備える方法において、
前記燃料電池システムが動作している間、前記燃料電池の前記電気出力を監視するステップと、
前記調節装置出口圧力の前記振動から生じる前記燃料電池の前記電気出力における振動の振幅を測定するステップと、
前記電気出力における前記測定された振動の振幅が所定の量を超え、それにより、燃料欠乏状態を示す場合、前記燃料欠乏状態を軽減する是正措置を取るステップとを含む、方法。
[発明2]
前記燃料供給サブシステムが、前記燃料電池のアノード出口を前記燃料電池の前記アノード入口に接続する燃料再循環ラインを備え、前記調節装置が、高圧力ノズル入口と、低圧力入口と、出口とを備える噴射ポンプを備え、前記燃料供給装置が、前記高圧力ノズル入口に接続され、前記燃料再循環ラインが、前記噴射ポンプの前記低圧力入口および前記出口に直列に接続される、発明1に記載の方法。
[発明3]
前記燃料供給サブシステムが、前記燃料電池のアノード出口を前記燃料電池の前記アノード入口に接続する燃料再循環ラインを備え、前記調節装置が、水素リサイクルブロワを備える、発明1に記載の方法。
[発明4]
前記調節装置が、開閉弁を備える、発明1に記載の方法。
[発明5]
前記調節装置出口からの出口圧力が、5秒未満の周期で振動する、発明1に記載の方法。
[発明6]
前記電気出力監視装置が、電圧出力監視装置または電流出力監視装置である、発明1に記載の方法。
[発明7]
前記電気出力が、電圧または電流である、発明6に記載の方法。
[発明8]
前記燃料電池システムを動作させるステップが、前記燃料電池アノードからの通常の量のパージガスをパージングするステップを含む通常の周期的なパージングステップを含み、前記是正措置が、前記電気出力における前記測定された振動の振幅が前記所定の量を超える場合、通常よりも多い量のパージガスを前記燃料電池アノードからパージングするステップを含む、発明1に記載の方法。
[発明9]
前記是正措置が、前記調節装置出口からの出口圧力がより大きな圧力となるように前記調節装置を動作させるステップと、前記燃料電池から引き出された電流を低減するステップと、前記燃料電池から引き出された電流の増加を遅延させるステップと、冷却剤入口温度を低減するステップと、前記燃料電池カソードに供給される酸化剤の相対湿度を増加させるステップとからなる群から選択される、発明1に記載の方法。
[発明10]
前記燃料電池の前記アノード入口における燃料圧力を周期的に低減するステップを備え、それによって、前記燃料電池の前記電気出力における振動の振幅が増加される、発明1に記載の方法。
[発明11]
前記燃料電池システムが、自動車用燃料電池システムである、発明1に記載の方法。
[発明12]
燃料電池システムであって、
固体高分子電解質燃料電池と、
酸化剤供給サブシステムと、
燃料供給サブシステムであって、
燃料供給装置、および
前記燃料電池のアノード入口に供給される燃料の圧力を調節するための調節装置であって、前記燃料供給装置が、前記調節装置の入口に接続され、前記燃料電池の前記アノード入口が、前記調節装置の出口に接続され、前記調節装置出口からの出口圧力が、前記燃料電池システムが動作しているとき振動する、調節装置、を備える燃料供給サブシステムと、
前記燃料電池の電気出力を監視するための電気出力監視装置とを備え、
発明1に記載の方法により動作するように構成される、燃料電池システム。
【符号の説明】
【0046】
1 燃料電池スタック
2a カソード入口
2b カソード出口
3 燃料供給サブシステム
3a アノード入口
3b アノード出口
4a 冷却剤入口
4b 冷却剤出口
5a 正端子
5b 負端子
6 電圧計
31 圧縮水素燃料供給装置
32 開閉弁
33 再循環ループ
34 噴射ポンプ
34a 高圧ノズル入口
34b 低圧力入口
34c 出口
36 水素リサイクルブロワ