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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-09
(45)【発行日】2023-06-19
(54)【発明の名称】デュアル燃料マルチポートコネクタ
(51)【国際特許分類】
   F16L 37/56 20060101AFI20230612BHJP
   F16L 39/00 20060101ALI20230612BHJP
   F02C 9/40 20060101ALI20230612BHJP
   F23R 3/00 20060101ALI20230612BHJP
【FI】
F16L37/56
F16L39/00
F02C9/40 A
F23R3/00 A
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2019565537
(86)(22)【出願日】2018-04-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-09-24
(86)【国際出願番号】 US2018030113
(87)【国際公開番号】W WO2019018043
(87)【国際公開日】2019-01-24
【審査請求日】2021-04-19
(31)【優先権主張番号】62/534,282
(32)【優先日】2017-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513307933
【氏名又は名称】パーカー-ハネフィン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】PARKER-HANNIFIN CORPORATION
【住所又は居所原語表記】6035 Parkland Blvd. Cleveland, OH 44124 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】アメサー,アンナ
(72)【発明者】
【氏名】アムリング,セオドア
(72)【発明者】
【氏名】シュプスカ,ピーター
【審査官】▲高▼藤 啓
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0232585(US,A1)
【文献】特開昭53-080819(JP,A)
【文献】実開昭54-054918(JP,U)
【文献】特開2008-133893(JP,A)
【文献】米国特許第04544185(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0338341(US,A1)
【文献】特開2013-092357(JP,A)
【文献】特開2007-092887(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 37/56
F16L 39/00-39/06
F02C 9/40
F23R 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の貫通孔を有しているブロックと、
前記ブロックの前記複数の貫通孔に対応および整列する複数の貫通孔を有し、前記ブロックに対して隙間を空けて設けられるクランププレートと、
軸方向に対して直交する直交面を軸方向における端部に有する保持リングと、
各々が前記クランププレートのそれぞれの貫通孔を通って挿入されて前記ブロックの対応する貫通孔に受け入れられる第1の端部を有しており、各々がチューブに結合するように構成された前記第1の端部の反対側の第2の端部を有しており、各々が(i)前記ブロックの前記対応する貫通孔内に配置される外周面に配置された第1の環状溝および(ii)前記第1の溝から軸方向に離れて位置する前記外周面に配置された第2の環状溝を有しており、半径方向シールが前記ブロックの前記対応する貫通孔内で前記第1の環状溝に配置され、前記保持リングが、前記クランププレートと前記ブロックとの間の前記隙間に位置するように、かつ前記第2の環状溝の側壁と前記直交面とが対向するように配置される複数の継手と、
前記クランププレートを前記ブロックに結合させるように構成された複数の留め具と
を備えるマルチポートコネクタ。
【請求項2】
前記ブロックは、第1の端面と、前記第1の端面の反対側の第2の端面とを有し、前記クランププレートは、第1のクランププレートであり、前記複数の継手は、前記第1の端面を通って挿入される第1組の継手であり、
当該マルチポートコネクタは、
前記ブロックの前記複数の貫通孔に対応および整列するそれぞれの複数の貫通孔を有する第2のクランププレートと、
第2組の継手と
をさらに備え、
前記第2組の継手の各々の継手は、(i)前記第2のクランププレートのそれぞれの貫通孔および前記ブロックの前記第2の端面を通って挿入されて前記ブロックの前記対応する貫通孔に受け入れられるそれぞれの第1の端部と、(ii)それぞれのチューブに結合するように構成された前記それぞれの第1の端部の反対側のそれぞれの第2の端部とを有する、請求項1に記載のマルチポートコネクタ。
【請求項3】
前記第2組の継手の各々の継手は、(i)それぞれの外周面に配置されたそれぞれの第1の溝と、(ii)前記それぞれの第1の溝から軸方向に離れて位置する前記それぞれの外周面に配置されたそれぞれの第2の溝とを有し、それぞれの半径方向シールが前記ブロックの前記対応する貫通孔内で前記それぞれの第1の溝に配置され、それぞれの保持リングが前記第2のクランププレートと前記ブロックの前記第2の端面との間に位置するように前記それぞれの第2の溝に配置される、請求項2に記載のマルチポートコネクタ。
【請求項4】
前記第1組の継手の第1の端部が、前記第1組の継手のうちの一継手と前記第2組の継手のうちの相手方の継手とによって前記ブロックを通る流体通路が形成されるように、前記ブロックの前記対応する貫通孔内で前記第2組の継手のそれぞれの第1の端部と取り合う、請求項2に記載のマルチポートコネクタ。
【請求項5】
前記第1組の継手および前記第2組の継手が互い違いの配置にて配置されるように、前記第1組の継手の継手は、前記第2組の継手のうちの相手方の継手と比べて異なる軸方向長さを有し、前記第1組の継手における隣り合う継手は、互いに異なる軸方向長さを有し、前記第2組の継手における隣り合う継手は、互いに異なる軸方向長さを有する、請求項2に記載のマルチポートコネクタ。
【請求項6】
前記保持リングは、前記クランププレートと直接取り合う第1の端面と、前記ブロックと直接取り合う前記第1の端面の反対側の第2の端面とを有するらせん状保持リングである、請求項1に記載のマルチポートコネクタ。
【請求項7】
前記ブロックは、円盤状であり、前記複数の貫通孔は、前記ブロックの中心の周りに放射状の配列にて配置されている、請求項1に記載のマルチポートコネクタ。
【請求項8】
前記ブロックの前記複数の貫通孔の各々の貫通孔は、前記複数の継手のうちの対応する継手の挿入を容易にするための前記ブロックの端面における導入用の面取りを有する、請求項1に記載のマルチポートコネクタ。
【請求項9】
第1の端面と、前記第1の端面の反対側の第2の端面と、前記第1の端面と前記第2の端面との間を延びる複数の貫通孔とを有するブロックと、
前記ブロックの前記複数の貫通孔に対応および整列するそれぞれの複数の貫通孔を各々が有し、前記ブロックに対して夫々隙間を空けて設けられる第1のクランププレートおよび第2のクランププレートと、
前記第1のクランププレートのそれぞれの貫通孔および前記第1の端面を通って挿入されて前記ブロックの対応する貫通孔に受け入れられる第1の端部と、チューブに結合するように構成された前記第1の端部の反対側の第2の端部とを各々が有している第1組の継手と、
前記第2のクランププレートのそれぞれの貫通孔および前記第2の端面を通って挿入されて前記ブロックの前記対応する貫通孔に受け入れられるそれぞれの第1の端部と、それぞれのチューブに結合するように構成された前記それぞれの第1の端部の反対側のそれぞれの第2の端部とを各々が有している第2組の継手と
軸方向に対して直交する直交面を軸方向における端部に有する保持リングと、
を備えており、
前記第1組の継手および前記第2組の継手の各継手は、(i)外周面に配置された第1の環状溝と、(ii)前記外周面に配置され、前記第1の環状溝から軸方向に離れて位置する第2の環状溝とを有し、半径方向シールが、前記ブロックの前記対応する貫通孔内で前記第1の環状溝に配置され、前記保持リングが、前記第1または第2のクランププレートのうちのそれぞれのクランププレートと前記ブロックの前記第1または第2の端面のうちのそれぞれの端面との間の該隙間に位置するように、かつ前記第2の環状溝の側壁と前記直交面とが対向するように配置される、アセンブリ。
【請求項10】
前記第1組の継手の第1の端部が、前記第1組の継手のうちの一継手と前記第2組の継手のうちの相手方の継手とによって前記ブロックを通る流体通路が形成されるように、前記ブロックの前記対応する貫通孔内で前記第2組の継手のそれぞれの第1の端部と取り合う、請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記第1組の継手のうちの一継手は、前記第2組の継手のうちの相手方の継手とは異なる軸方向長さを有する、請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記保持リングは、前記第1または第2のクランププレートのうちのそれぞれのクランププレートと直接取り合う第1の表面と、前記ブロックと直接取り合う前記第1の表面の反対側の第2の表面とを有するらせん状保持リングである、請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記ブロックの前記複数の貫通孔の各々の貫通孔は、前記第1および第2組の継手のうちの継手の挿入を容易にするための前記ブロックの前記第1の端面および前記第2の端面におけるそれぞれの導入用の面取りを有する、請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記第1のクランププレート、前記第2のクランププレート、および前記ブロックは、前記第1のクランププレートおよび前記第2のクランププレートを前記ブロックに結合させるそれぞれの留め具を受け入れるように構成された複数のそれぞれ整列した孔を有する、請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記ブロックは、円盤状であり、前記複数の貫通孔は、前記ブロックの中心の周りに放射状の配列にて配置されている、請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項16】
前記少なくとも1つのチャネル内に配置された複数のチューブを収容する少なくとも1つのおおむね弓形のチャネルをさらに備え、
前記アセンブリの前記第1組の継手の第2の端部および第2組の継手の第2の端部のそれぞれは、前記少なくとも1つのチャネル内の前記複数のチューブのそれぞれのチューブに結合する、
請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項17】
前記複数のチューブのうちの第1のチューブが、前記複数の継手のうちの第1の継手に結合する第1の端部と、第1の流体の供給源に結合する第2の端部とを有し、前記複数のチューブのうちの第2のチューブが、前記複数の継手のうちの第2の継手に結合するそれぞれの第1の端部と、第2の流体の供給源に結合するそれぞれの第2の端部とを有する、請求項16に記載のアセンブリ。
【請求項18】
出力発生装置と、
前記出力発生装置の周りに放射状の配列にて配置された複数の燃焼キャニスタと
をさらに備える、請求項16に記載のアセンブリ。
【請求項19】
前記チャネルは、前記出力発生装置を取り囲み、
前記チューブは、前記複数の燃焼キャニスタへと流体を届けるように構成されている、
請求項18に記載のアセンブリ。
【請求項20】
前記複数のチューブのうちの第1のチューブが、前記複数の継手のうちの第1の継手に結合する第1の端部と、水の供給源に結合する第2の端部とを有し、前記複数のチューブのうちの第2のチューブが、前記複数の継手のうちの第2の継手に結合するそれぞれの第1の端部と、液体燃料の供給源に結合するそれぞれの第2の端部とを有する、請求項19に記載のアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年7月19日に出願された米国特許仮出願第62/534,282号の優先権を主張し、この米国特許仮出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
多数の用途において、チューブまたはホースが、さまざまな種類の流体を或る場所から別の場所へと運搬するために使用される。いくつかの用途においては、いくつかのチューブが比較的長い距離にわたって流体を運搬し、流体の運搬の距離ゆえに、いくつかのチューブを使用して単一のラインを形成することができる。圧縮継手が、複数のチューブを互いに接続して単一のラインを形成するために使用される。したがって、いくつかのラインが並列に配置され、各々のラインがそれぞれの継手を介して接続されたいくつかのチューブを有する場合、多数の継手が使用される。
【0003】
機器の定期的なメンテナンスを実行するために、流体ラインが分解され、再度組み立てられる場合がある。このような分解および再組み立てにおいて、チューブを互いに結合させる継手の切り離し、および再接続が必要となり得る。繰り返される継手の切り離しおよび接続は、時間がかかり、退屈であり、継手周辺の漏れを防止するために使用されるシールの堅牢性または完全性を欠く可能性がある。結果として、関連の機器について、メンテナンスのコストが高くなり、漏れの可能性が大きくなり、不稼働時間が長くなる可能性がある。
【0004】
したがって、継手の完全性を維持しながら、さまざまな流体ラインの分解および再組み立てを容易にするコネクタを有することが、望ましい場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、デュアル燃料マルチポートコネクタに関する実施態様を説明する。第1の典型的な実施態様において、本開示は、マルチポートコネクタを説明する。このマルチポートコネクタは、(i)複数の貫通孔を有しているブロックと、(ii)前記ブロックの前記複数の貫通孔に対応および整列する複数の貫通孔を有しているクランププレートと、(iii)各々が前記クランププレートのそれぞれの貫通孔を通って挿入されて前記ブロックの対応する貫通孔に受け入れられる第1の端部を有しており、各々がチューブに結合するように構成された前記第1の端部の反対側の第2の端部を有しており、各々が(a)前記ブロックの前記対応する貫通孔内に配置される外周面に配置された第1の環状溝および(b)前記第1の溝から軸方向に離れて位置する前記外周面に配置された第2の環状溝を有しており、半径方向シールが前記ブロックの前記対応する貫通孔内で前記第1の環状溝に配置され、保持リングが前記クランププレートと前記ブロックとの間に位置するように前記第2の環状溝に配置される複数の継手と、(iv)前記クランププレートを前記ブロックに結合させるように構成された複数の留め具とを含む。
【0006】
第2の典型的な実施態様において、本開示は、アセンブリを説明する。このアセンブリは、(i)第1の端面と、前記第1の端面の反対側の第2の端面と、前記第1の端面と前記第2の端面との間を延びる複数の貫通孔とを有するブロックと、(ii)前記ブロックの前記複数の貫通孔に対応および整列するそれぞれの複数の貫通孔を各々が有している第1のクランププレートおよび第2のクランププレートと、(iii)前記第1のクランププレートのそれぞれの貫通孔および前記第1の端面を通って挿入されて前記ブロックの対応する貫通孔に受け入れられる第1の端部を各々が有している第1組の継手と、(iv)前記第2のクランププレートのそれぞれの貫通孔および前記第2の端面を通って挿入されて前記ブロックの前記対応する貫通孔に受け入れられるそれぞれの第1の端部を各々が有している第2組の継手とを含み、前記第1組の継手および前記第2組の継手の各継手は、(a)外周面に配置された第1の環状溝と、(b)前記外周面に配置され、前記第1の環状溝から軸方向に離れて位置する第2の環状溝とを有し、半径方向シールが、前記ブロックの前記対応する貫通孔内で前記第1の環状溝に配置され、保持リングが、前記第1または第2のクランププレートのうちのそれぞれのクランププレートと前記ブロックの前記第1または第2の端面のうちのそれぞれの端面との間に位置するように、前記第2の環状溝に配置される。
【0007】
第3の典型的な実施態様において、本開示は、別のアセンブリを説明する。このアセンブリは、(i)第1のクランププレートおよび第2のクランププレートを含み、前記第1のクランププレートは、前記第2のクランププレートに配置されたそれぞれの複数の貫通孔に対応および整列する複数の貫通孔を有し、さらにこのアセンブリは、(ii)雄の端部と、チューブを受け入れるように構成された雌の端部とを各々が有している第1組の継手と、(iii)それぞれのチューブを受け入れるように構成された第1の雌の端部と、前記第1組の継手のうちの対応する継手の前記雄の端部を受け入れるように構成された第2の雌の端部とを各々が有している第2組の継手と、(iv)各々が結合時に前記第2組の継手のうちのそれぞれの継手の前記第2の雌の部分内に位置するように、前記第1組の継手のうちのそれぞれの継手のそれぞれの雄の端部の外周面の環状溝に配置された複数の半径方向シールと、(v)各々の一部分が前記第1または第2組の継手のうちの一継手の外周面の第1の環状溝内に配置され、一部分が前記第1または第2のクランププレートのそれぞれの貫通孔を定める外周面に位置する第2の環状溝内に配置される複数の保持リングとを含む。
【0008】
第4の典型的な実施態様において、本開示は、システムを説明する。このシステムは、複数のチューブを収容する少なくとも1つのおおむね弓形のハウジングと、前記少なくとも1つのチャネルに配置された複数のマルチポートコネクタとを含む。前記複数のマルチポートコネクタの各マルチポートコネクタは、(i)複数の貫通孔を有しているブロックと、(ii)前記ブロックの前記複数の貫通孔に対応および整列する複数の貫通孔を有しているクランププレートと、(iii)各々が前記クランププレートのそれぞれの貫通孔を通って挿入されて前記ブロックの対応する貫通孔に受け入れられる第1の端部を有しており、各々が前記少なくとも1つのチャネル内の前記複数のチューブのうちの一チューブに結合するように構成された前記第1の端部の反対側の第2の端部を有しており、各々が(a)前記ブロックの前記対応する貫通孔内に配置される外周面に配置された第1の環状溝および(b)前記第1の溝から軸方向に離れて位置する前記外周面に配置された第2の環状溝を有しており、半径方向シールが前記ブロックの前記対応する貫通孔内で前記第1の環状溝に配置され、保持リングが前記クランププレートと前記ブロックとの間に位置するように前記第2の環状溝に配置される複数の継手と、(iv)前記クランププレートを前記ブロックに結合させるように構成された複数の留め具とを含む。
【0009】
以上の概要は、あくまでも例示を目的としたものにすぎず、決して限定を意図していない。上述の例示の態様、実施態様、および特徴に加えて、さらなる態様、実施態様、および特徴が、図面および以下の詳細な説明を参照することによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】典型的な実施態様による出力発生装置を示している。
図1B】典型的な実施態様によるチャネルの一部分を示す図1Aの出力発生装置の拡大図を示している。
図1C】典型的な実施態様によるチャネル内のチューブのキャニスタへの接続を示す図1Aの出力発生装置の別の拡大図を示している。
図2A】典型的な実施態様によるマルチポートコネクタの斜視図を示している。
図2B】典型的な実施態様による図2Aのマルチポートコネクタの断面を示している。
図2C】典型的な実施態様による図2Aのマルチポートコネクタの分解図を示している。
図2D】典型的な実施態様による継手を示している。
図2E】典型的な実施態様による図2Aのマルチポートコネクタのブロックの断面を示している。
図3】典型的な実施態様によるチャネル内に配置された複数のマルチポートコネクタを示している。
図4】典型的な実施態様による輸送、組み立て、および再組み立てを容易にするためのチャネルの各部分への分割を示している。
図5A】典型的な実施態様による面シールを有するマルチポートコネクタの断面図を示している。
図5B】典型的な実施態様による図5Aのマルチポートコネクタの側面図を示している。
図6A】典型的な実施態様によるらせん状保持リングを有する継手を示している。
図6B】典型的な実施態様による図6Aのらせん状保持リングの斜視図を示している。
図7】典型的な実施態様による別のマルチポートコネクタを示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1Aが、典型的な実施態様による出力発生装置100を示している。出力発生装置100を、出力発生装置100の周りに放射状の配列にて配置されたキャニスタ102などの複数の燃焼キャニスタを有するタービンとして構成することができる。例えば、複数のキャニスタを、出力発生装置100の周辺を巡って円周方向に間隔を空けつつ配置することができる。
【0012】
各々のキャニスタは、圧縮システムによって高圧空気が供給される燃焼室として構成される。次いで、キャニスタは、一定圧力で空気を加熱し、加熱後に、空気はキャニスタからノズルガイドベーンを通ってタービンへと流れる。キャニスタは、空気と燃料とを混合して点火した後に、さらなる空気を混合して燃焼プロセスを完了させるように構成されている。
【0013】
例において、出力発生装置100は、例えば、デュアル燃料タービンであってよい。デュアル燃料タービンは、主に天然ガスを燃料として動作する。しかしながら、天然ガスが利用できない場合のバックアップ燃料供給システムとして、デュアル燃料タービンを、パイプシステムを介して液体燃料および水を受け取るように構成することもできる。例えば、出力発生装置100は、互いに平行に配置されたトラックまたはチャネル104および106を有することができる。例において、チャネル104および106は、おおむね弓形であってよい。例えば、チャネル104および106は、出力発生装置100を少なくとも部分的に取り囲むことができる。
【0014】
図1Bは、典型的な実施態様によるチャネル104、106の一部分を示す出力発生装置100の拡大図を示している。図1Bに示されるように、チャネル104、106の各々を、チャネル104内のチューブ108およびチャネル106内のチューブ110などの複数のチューブを収容するように構成することができる。チャネル104、106内のチューブは、一端において、燃料および水をチューブを通ってキャニスタへと供給するように構成された流体制御システム(例えば、バルブ、ポンプ、など)を含むスキッドに接続される。
【0015】
一例においては、チャネル104のチューブを水の供給源に接続できる一方で、チャネル106のチューブを液体燃料の供給源に接続することができる。別の例では、チャネル(例えば、チャネル104または106)内のチューブを水の供給源に接続できる一方で、同じチャネル内の別のチューブを燃料の供給源に接続することができる。
【0016】
図1Cは、典型的な実施態様によるチャネル104、106内のチューブのキャニスタへの接続を示す出力発生装置100の別の拡大図を示している。例えばキャニスタ102など、各々のキャニスタは、3つの燃焼段階、すなわち段階A、段階B、およびパイロット段階を有することができる。したがって、燃料および水をキャニスタ102へと届けるために、各々のチャネル104、106から3つのチューブを分岐させることができる。例えば、図1Cに示されるように、3つのチューブ112A、112B、および112Cをチャネル104内のそれぞれのチューブに接続し、キャニスタ102の燃焼段階のうちの1つに燃料または水を届けるように構成することができる。チューブ112A~112Cの各々は、チャネル104内のチューブへの逆流を防止するために逆止弁を有することができる。
【0017】
同様に、3つのチューブ114A、114B、および114Cをチャネル106内のそれぞれのチューブに接続し、キャニスタ102の燃焼段階のうちの1つに燃料または水を届けるように構成することができる。チューブ114A~114Cの各々は、チャネル106内のチューブへの逆流を防止するために逆止弁を有することができる。次いで、水および燃料を混合してキャニスタ102のそれぞれの燃焼段階において燃焼するエマルジョンとするために、チューブ112A~112Cはチューブ114A~114Cに接続される。
【0018】
再び図1Bを参照すると、所与のチャネル104、106内の各々のチューブは、複数のチューブ部分に分割することができる。言い換えると、複数のチューブを互いに接続して長いチューブまたはラインを形成することができる。チューブ部分を、圧縮継手を介して互いに結合させることができる。例えば、チューブ110を、圧縮継手118を介して別のチューブ116に結合させることができる。
【0019】
出力発生装置100は、出力発生装置100の運転の規則および指針に従って定期的なメンテナンスの対象となり得る。そのような定期的なメンテナンスを行うために、出力発生装置100の上部カバーを取り外して、上部カバーの下方の構成要素へのアクセスを可能にすることができる。上部カバーを取り外すために、チャネル104、106、およびチャネル内に配置されたチューブは分解され、次いでメンテナンスの手順の終了時に、出力発生装置100を動作状態へと復元するために再び組み立てられる。
【0020】
説明のための例として、出力発生装置100は、各々のメンテナンスの事象において分解されて再び組み立てられるチャネル104、106内の48個の継手を含むことができる。とくには、各々のメンテナンスの事象の際に、継手が切り離され、チューブがチャネル104、106から引き出される。定期的に多数の継手を分解し、継手を再び密封し、継手をチューブと組み立てることは、困難な場合があり、時間の経過とともに摩耗や漏れが発生する可能性がある。さらに、ラインおよびチューブが、時間の経過とともに傷む可能性がある。したがって、出力発生装置100を長期にわたって維持するために、費用および時間がかかるようになる可能性がある。本明細書において、チューブの傷み、損傷、および漏れを防止するためにチャネル104、106内のチューブの組み立ておよび再組み立てを容易にするデュアル燃料マルチポートコネクタが開示される。
【0021】
図2Aが、典型的な実施態様によるマルチポートコネクタ200の斜視図を示し、図2Bが、マルチポートコネクタ200の断面を示し、図2Cが、マルチポートコネクタ200の分解図を示している。図2A図2B、および図2Cをまとめて説明する。
【0022】
図2Cの分解図を参照すると、マルチポートコネクタ200は、第1の端面204と、第1の端面204の反対側の第2の端面206とを有するブロック202を含む。ブロック202は、第1の端面204と第2の端面206との間を延びる複数の貫通孔208A、208B、208C、および208Dを有する。本明細書においては、例として4つの貫通孔が使用され、他の例において、ブロック202は、より多数またはより少数の貫通孔を有してもよい。
【0023】
マルチポートコネクタ200は、第1のクランププレート210および第2のクランププレート212をさらに含む。クランププレート210および212の各々は、ブロック202の貫通孔208A~208Dに対応および整列したそれぞれの複数の貫通孔を有する。例えば、クランププレート210は、ブロック202の貫通孔208A~208Dにそれぞれ対応および整列する貫通孔214A、214B、214C、および214Dを有する。同様に、クランププレート212は、ブロック202の貫通孔208A~208Dにそれぞれ対応および整列する貫通孔216A、216B、216C、および216Dを有する。
【0024】
一例において、図2A図2Cに示されるように、ブロック202ならびにクランププレート210、212は、円盤状であってよい。いくつかの例においては、貫通孔208A~208Dを、ブロック202の中心の周りに放射状の配列にて配置することができる。同様に、貫通孔214A~214Dを、クランププレート210の中心の周りに放射状の配列にて配置することができ、貫通孔216A~216Dを、クランププレート212の中心の周りに放射状の配列にて配置することができる。しかしながら、他の形状および配置も可能である。
【0025】
さらに、マルチポートコネクタ200は、第1組の継手218を含む。第1組の継手218の各々の継手は、クランププレート210のそれぞれの貫通孔およびブロック202の第1の端面204を通って挿入されてブロック202の対応する貫通孔に受け入れられる第1の端部を有する。例えば、第1組の継手218の継手220は、クランププレート210の貫通孔214Dおよび第1の端面204に挿入されてブロック202の貫通孔208Dに受け入れられる第1の端部222を有する。さらに、第1組の継手218の各々の継手は、チューブに結合するように構成された第1の端部の反対側の第2の端部を有する。例えば、継手220は、チューブ226に結合するように構成された第2の端部224を有する。例えばチューブ226など、チューブは、剛体管、可撓管、または任意の種類の流体運搬用導管であってよい。継手220を、例として、雄-雌の構成または溶接によるなど、任意の種類の構成にてチューブ226に結合させることができる。さらに、チューブおよびマルチポートコネクタ200は、任意の種類の流体(例えば、気体、液体、油圧油、水、燃料、など)において使用可能である。
【0026】
さらに、マルチポートコネクタ200は、第2組の継手228を含む。第2組の継手228の各々の継手は、クランププレート212のそれぞれの貫通孔およびブロック202の第2の端面206を通って挿入されてブロック202の対応する貫通孔に受け入れられる第1の端部を有する。例えば、第2組の継手228の継手230は、クランププレート212の貫通孔216Dおよび第2の端面206を通って挿入されてブロック202の貫通孔208Dに受け入れられる第1の端部232を有する。さらに、第2組の継手228の各々の継手は、それぞれのチューブに結合するように構成された第1の端部の反対側の第2の端部を有する。例えば、継手230は、チューブ236に結合するように構成された第2の端部234を有する。例えばチューブ236など、チューブは、剛体管、可撓管、または任意の種類の流体運搬用導管であってよい。継手230を、例として、雄-雌の構成または溶接によるなど、任意の種類の構成にてチューブ236に結合させることができる。さらに、チューブおよびマルチポートコネクタ200は、任意の種類の流体(例えば、気体、液体、油圧油、水、燃料、など)において使用可能である。
【0027】
図2Bに示されるように、第1組の継手218の第1の端部は、第1組の継手218の継手(例えば、継手220)と第2組の継手228の相手方の継手(例えば、継手230)とがブロック202を通る流体通路237を形成するように、ブロック202の対応する貫通孔内で第2組の継手228のそれぞれの第1の端部と結合する。
【0028】
図2Dは、典型的な実施態様による継手238を示している。継手238は、第1組の継手218または第2組の継手228のうちの任意の継手を表すことができる。継手238は、継手238の外周面に配置された第1の環状溝240を有する。さらに、継手238は、外周面に配置された第2の環状溝242を有する。第2の環状溝242は、第1の環状溝240から軸方向に離れて位置している。半径方向シール244(例えば、Oリング)が、第1の環状溝240に配置され、保持リング246が、第2の環状溝242に配置される。
【0029】
いくつかの例においては、第1組の継手218および第2組の継手228の各継手が、継手238と同様に構成され、したがって各継手が、1つが半径方向シール用であり、もう1つが保持リング用である2つの環状溝を有する。したがって、図2Bおよび図2Cを参照すると、マルチポートコネクタ200は、第1組の継手218に組み合わせられた第1組の半径方向シール248および第1組の保持リング250を有する。加えて、マルチポートコネクタ200は、第2組の継手228に組み合わせられた第2組の半径方向シール252および第2組の保持リング254を有する。
【0030】
マルチポートコネクタ200は、ブロック202およびクランププレート210、212のそれぞれの孔を通過する図2Aおよび図2Bに示される留め具256などの複数の留め具によって組み立てられる。複数の留め具は、図2Aおよび図2Bに示されるように、クランププレート210、212をブロック202に結合させるように構成される。
【0031】
マルチポートコネクタ200が図2Bに示されるように組み立てられるとき、半径方向シール248および252が、ブロック202の対応する貫通孔内に位置する一方で、保持リング250および254は、それぞれのクランププレートとブロック202との間に配置される。例えば、保持リング250が、クランププレート210とブロック202の第1の端面204との間に配置され、あるいは挟まれる一方で、保持リング254は、クランププレート212とブロック202の第2の端面206との間に配置され、あるいは挟まれる。
【0032】
この構成において、半径方向シール248および252は、第1および第2組の継手218および228とブロック202の各々の貫通孔208A~208Dの内周面との間の界面をシールして、流体通路(例えば、流体通路237)からの漏れを防止する。さらに、この構成において、保持リング250および254は、チューブおよび流体通路内の流体の流れからの流体圧力に起因する軸方向荷重を支えるように構成される。
【0033】
図2Eが、典型的な実施態様によるブロック202の断面を示している。ブロック202の貫通孔は、継手218および228に取り付けられた半径方向シール248および252を傷めることがない継手218および228の挿入を容易にする導入用の面取りを有することができる。例えば、図2Eに示されるように、貫通孔208Cは、一端に導入用の面取り258を有し、他端に導入用の面取り260を有する。同様に、貫通孔208Dは、一端に導入用の面取り262を有し、他端に導入用の面取り264を有する。
【0034】
再び図2A図2Cを参照すると、典型的な実施態様において、第1組の継手218の継手は、第2組の継手228の相手方の継手と比較して、異なる軸方向長さを有することができる。例えば、継手220は、相手方の継手230よりも長い。さらに、第1組の継手218のうちの隣り合う継手は、互いに異なる軸方向長さを有することができ、第2組の継手228のうちの隣り合う継手は、互いに異なる軸方向長さを有することができる。例えば、図2Bに示されるように、継手220は、第1組の継手218のうちの隣の継手266よりも長く、継手230は、第2組の継手228のうちの隣の継手268よりも短い。
【0035】
この構成によれば、第1組の継手218と第2組の継手228とが、マルチポートコネクタ200の全体的な半径方向の特徴(例えば、全体的な半径および全体的なアセンブリサイズ)を低減する互い違いの配置にて配置される。このようにして、マルチポートコネクタ200の複数のアセンブリを、チャネル104および106に配置することができる。
【0036】
図3が、典型的な実施態様によるチャネル104、106に配置された複数のマルチポートコネクタ200A、200B、200C、200D、200E、および200Fを示している。とくには、チャネル104が3つのマルチポートコネクタ200A~200Cを含む一方で、チャネル106が3つのマルチポートコネクタ200D~200Fを含んでいる。図3に示されているマルチポートコネクタの数は、説明のための例であり、各々のチャネルに配置されるマルチポートコネクタの数は、これよりも多くても、少なくてもよい。
【0037】
図3に示されるように、各々のマルチポートコネクタの全体としての半径方向のサイズが小さくなっているため、複数のマルチポートコネクタを各々のチャネル104、106に収めることができる。さらに、マルチポートコネクタ自体を、お互いに対して軸方向にずらされるように、互い違いの配置で配置することができる。この構成により、チャネル104、106のサイズを大きくすることなく、チャネル104、106内に多数のチューブを容易に配置することができる。
【0038】
いくつかの例においては、マルチポートコネクタの一部(例えば、1つ)が、それぞれのチャネルから突出してもよい。また、チャネル104、106を、互いに上下に配置でき、あるいは横並びに配置することができる。マルチポートコネクタの配置は、チャネル104、106およびチャネル内の構成要素が占める空間を削減しつつ、そのような構成を容易にする。
【0039】
さらに、マルチポートコネクタ200A~200Fを使用することで、チャネル104、106の組み立ておよび分解が容易になる。一例として、チャネル104、106の各部分を事前に製造し、出力発生装置100の試運転の際に出力発生装置100の組み立て現場へと送ることができる。その後に、定期的なメンテナンスの事象において、マルチポートコネクタ200A~200Fの設計およびその配置により、分解および再組み立てが容易になる。
【0040】
図4が、典型的な実施態様による輸送、組み立て、および再組み立てを容易にするためのチャネル104、106の各部分への分割を示している。一例として、チャネル104、106を四分の一部分に分割することができる。図4は、チャネル104の2つの四分の一部分400および402と、チャネル106の2つの四分の一部分404および406とを示している。
【0041】
チューブを、チャネル104、106の各々の四分の一部分内に配置することができ、マルチポートコネクタ200のグループを、四分の一内のチューブに事前に取り付け、あるいは事前に組み付けることができる。例えば、四分の一部分400が、マルチポートコネクタ200のグループ408を有することができ、四分の一部分402が、マルチポートコネクタ200のグループ410を有することができ、四分の一部分404が、マルチポートコネクタ200のグループ412を有することができ、四分の一部分406が、マルチポートコネクタ200のグループ414を有することができる。
【0042】
事前に組み立てられたチューブおよびマルチポートコネクタ200を有する四分の一部分400~406を、出力発生装置100の試運転の現場へと出荷することができる。次いで、対をなす四分の一部分内のチューブを図4に示されるマルチポートコネクタ200に結合させて、チャネル104、106の組み立てを完了することができる。
【0043】
チャネル104、106を分解する後の定期的なメンテナンスを実行するために、マルチポートコネクタ200のグループ408~414に結合したチューブを、マルチポートコネクタ200自体を分解することなくマルチポートコネクタ200から切り離すことができる。したがって、チャネル104、106を、出力発生装置100の上部カバーの取り外しを容易にし、メンテナンスを実行するために取り外すことができる四分の一部分へと再び分割することができる。チャネル104、106の四分の一部分を、出力発生装置100のメンテナンスが完了したときに、チューブをそれぞれのマルチポートコネクタ200に接続することによって再び組み立てることができる。
【0044】
このように、マルチポートコネクタ200の設計および配置は、不具合の可能性を減らしつつ、チャネル104、106およびそれらの構成要素の組み立ておよび再組み立てを容易にする。とくには、分解および再組み立てにおいて、シールの取り外しおよび継手の再シールを不要にできるため、時間につれての摩耗および漏れを回避することができる。さらに、マルチポートコネクタ200の空間的配置およびチャネル104、106の各部分(例えば、四分の一部分)への分割により、チューブが時間とともに傷むことがなく、チューブの適切なマルチポートコネクタ200への再組み立てを容易にすることができる。したがって、出力発生装置100の維持に伴う費用および時間を、削減することができる。
【0045】
図2A図2Eに示した構成は、マルチポートコネクタの典型的な実施態様を示しており、その設計についていくつかの変種が可能である。例えば、図2A図2Eは半径方向シール248、252の使用を示しているが、代わりに面シールを使用することが可能である。
【0046】
図5Aが、典型的な実施態様による面シールを有するマルチポートコネクタ500の断面図を示し、図5Bが、マルチポートコネクタ500の側面図を示している。マルチポートコネクタ200と同様に、マルチポートコネクタ500は、ブロック502と、第1のクランププレート504と、第2のクランププレート506と、第1組の継手508と、第2組の継手510とを有する。
【0047】
第1および第2組の継手508、510の各々の継手は、外周面に配置された環状溝を有することができ、保持リングを環状溝に配置することができる。例えば、第1組の継手508の継手512が、保持リング514を配置することができる環状溝を有することができる。
【0048】
半径方向シールを使用する代わりに、ブロック502は、面シールを収容するために端面に配置された溝または空洞を有することができる。例えば、ブロック502は、第1の端面516と、第1の端面516の反対側の第2の端面518とを有することができる。第1の端面516は、溝520を有することができ、面シール522を、継手512と第1の端面516との間の界面において、溝520内に配置することができる。面シール522は、Oリング、Eリング、Cリング、ガスケット、端面メカニカルシール、フローティングシール、デューコーンシール、トーリックシール、などの任意の種類の面シールを含むことができる。
【0049】
面シール522のシール面は、面シール522および継手512の長手軸524に対して垂直である。面シール522は、長手軸524に対して半径方向の漏れを防ぐように構成される。図5Aに示すように、マルチポートコネクタ500は、第1および第2組の継手508、510の各々の継手について、溝およびそれぞれの面シールを含むことができる。
【0050】
別の典型的な変種は、保持リングの種類に関する。例えば、図2B図2Dは、ギャップによって隔てられた耳またはラグを有する軸方向に組み立てられた打ち抜きによる保持リングとして示された保持リング246、250、および254を示している。他の典型的な実施態様においては、異なる種類の保持リングを使用することができる。
【0051】
図6Aが、典型的な実施態様によるらせん状保持リング602を有する継手600を示しており、図6Bが、らせん状保持リング602の斜視図を示している。継手600は、上述の継手のいずれかを表すことができ、あるいは上述の継手のいずれかの代わりに使用することができる。
【0052】
例えば、図2Dに示した継手238と同様に、継手600は、継手600の外周面に第1の環状溝604および第2の環状溝606を有することができる。半径方向シール608を、第1の環状溝604に配置することができ、らせん状保持リング602を、第2の環状溝606に配置することができる。
【0053】
一例において、マルチポートコネクタ200と同様であるが継手600を使用するマルチポートコネクタが組み立てられる場合、らせん状保持リング602は、クランププレート(例えば、クランププレート210)とブロック(例えば、ブロック202)の端面(例えば、第1の端面204)との間に位置する。例えば、らせん状保持リング602は、クランププレートと直接取り合う第1の端面と、ブロックと直接取り合う第1の端面の反対側の第2の端面とを有することができる。
【0054】
らせん状保持リング602は、保持リング250および254に関して上述したように軸方向の荷重に耐え、あるいは軸方向の荷重を保持するように構成される。保持リング250、254とは対照的に、らせん状保持リング602は、ラグまたは耳を持たず、ギャップを有さず、360°にわたる。いくつかの例においては、ギャップが存在しないことにより、らせん状保持リング602は、保持リング250、254と比較して、環状溝606を囲む材料を変形させることなく、より大きな荷重を保持することを可能にできる。
【0055】
さらに別の典型的な実施態様においては、ブロック202の特徴を継手に統合することができ、したがってブロック202をマルチポートコネクタ200から削除することができる。図7が、典型的な実施態様によるマルチポートコネクタ700を示している。マルチポートコネクタ700は、第1のクランププレート702および第2のクランププレート704を含む。第1のクランププレート702は、第2のクランププレート704に配置されたそれぞれの複数の貫通孔に対応および整列した複数の貫通孔を有する。いくつかの例においては、各々のクランププレート702、704の複数の貫通孔を、それぞれのクランププレート702、704の中心の周りに放射状の配列にて配置することができる。
【0056】
さらに、マルチポートコネクタ700は、第1のクランププレート702を通って挿入された継手708などの第1組の継手706を含む。継手708など、第1組の継手706の各々の継手は、雄の端部710と、雌の端部712とを有する。雌の端部712は、チューブを受け入れるように構成される。しかしながら、他の構成においては、雌の端部712ではなくて雄の端部710がチューブに結合するように、継手708を逆にすることができる。
【0057】
さらに、マルチポートコネクタ700は、第2のクランププレート704を通って挿入された継手716などの第2組の継手714を含む。継手716など、第2組の継手714の各々の継手は、第1の雌の端部718と、第2の雌の端部720とを有する。第1の雌の端部718は、それぞれのチューブを受け入れるように構成され、第2の雌の端部720は、第1組の継手706の対応する継手708の雄の端部710を受け入れるように構成される。さらに、第1および第2のクランププレート702、704の複数の貫通孔の各貫通孔は、第1および第2の組の継手706、714のそれぞれの継手の挿入を容易にするために、それぞれの導入用の面取りを有することができる。
【0058】
この構成において、第2組の継手714の継手は、第1組の継手706の継手に対して対称ではない。マルチポートコネクタ200に関して説明したブロック202のいくつかの特徴が、第2組の継手714の継手に統合されている。例えば、第2の雌の端部720は、雄の端部710を受け入れるように構成され、したがってブロック202の複数の貫通孔は、第2組の継手714の第2の雌の端部720で置き換えられている。さらに、クランププレート702、704をブロック(例えば、ブロック202)に結合させる代わりに、クランププレート702、704を、複数の留め具によって互いに結合させることができる。
【0059】
さらに、マルチポートコネクタ700は、第1組の継手706の各継手のそれぞれの雄の端部の外周面の環状溝に配置された複数の半径方向シールを含み、結合時に各々の半径方向シールが第2組の継手714のそれぞれの継手の第2の雌の部分720内に配置される。例えば、半径方向シール722が継手716の第2の雌の部分720内に配置されるように、半径方向シール722が、継手708の雄の端部710の外周面に配置された環状溝724に配置される。
【0060】
マルチポートコネクタ700は、複数の保持リングをさらに含み、各々の保持リングは、一部分が第1または第2組の継手706、714の継手の外周面の第1の環状溝内に位置し、一部分が第1または第2のクランププレート702、704のそれぞれの貫通孔を定める外周面に配置された第2の環状溝内に位置する。例えば、保持リング726は、一部分が第1組の継手706の継手708の外周面の第1の環状溝内に位置し、一部分が第1のクランププレート702のそれぞれの貫通孔を定める外周面に配置された第2の環状溝内に位置する。
【0061】
いくつかの例において、例えば保持リング726などの保持リングは、ラグおよびラグ間のギャップを有する保持リング246と同様であってよい。しかしながら、他の例において、保持リング726は、ラグまたはギャップを持たないらせん状保持リング602と同様であってよい。
【0062】
マルチポートコネクタ700は、上述のマルチポートコネクタのいずれかを置き換えることができ、チャネル104、106内で出力発生装置100とともに使用することができる。マルチポートコネクタ700は、ブロック202の排除により、マルチポートコネクタ200と比較して全体としての半径方向サイズが小さくなり得る。
【0063】
以上の詳細な説明は、添付の図を参照して、本開示のシステムのさまざまな特徴および動作を説明している。本明細書で説明される例示の実施態様は、限定を意図していない。本開示のシステムの特定の態様は、幅広くさまざまな異なる構成にて配置および組み合わせが可能であり、それらのすべてが本明細書において想定される。
【0064】
さらに、文脈からそうでないことが示唆されない限り、各々の図に示された特徴を、互いに組み合わせて使用することが可能である。したがって、図面は、一般に、必ずしも図示されたすべての特徴が各々の実施態様において必要とされるわけではないという理解にて、1つ以上の全体的な実施態様の構成要素の様相と見なされるべきである。
【0065】
さらに、本明細書または特許請求の範囲における要素、ブロック、またはステップの列挙は、分かり易さを目的としたものである。したがって、このような列挙は、これらの要素、ブロック、またはステップが特定の配置に従い、あるいは特定の順序で実行されることを、要件とするものでも、示唆するものでもないと解釈されるべきである。
【0066】
さらに、装置またはシステムを、図面に示されている機能を実行するように使用または構成することができる。いくつかの場合には、装置および/またはシステムの構成要素をそのような機能を実行するように構成することができ、それらの構成要素は、そのような実行を可能にするように(ハードウェアおよび/またはソフトウェアにて)実際に構成され、構造付けられる。他の例においては、装置および/またはシステムの構成要素を、例えば特定のやり方で動作させられたときに、そのような機能を実行するように調整され、そのような機能を実行でき、あるいはそのような機能の実行に適するように構成することができる。
【0067】
「実質的に」という用語は、言及対象の特性、パラメータ、または値が必ずしも正確に達成される必要はなく、むしろ例えば公差、測定誤差、測定精度の限界、および当業者にとって公知の他の要因を含む偏差または変動が、この特性によってもたらされるように意図された効果を妨げない量にて生じてもよいことを意味する。
【0068】
本明細書に記載の配置は、あくまでも例示を目的としているにすぎない。したがって、当業者であれば、他の配置および他の要素(例えば、機械、インターフェース、動作、順序、および動作のグループ化、など)を代わりに使用することが可能であり、いくつかの要素を所望の結果に従って完全に省略してもよいことを、理解できるであろう。さらに、説明された要素の多くは、任意の適切な組み合わせおよび配置にて、個別の構成要素または分散した構成要素として実現されてよく、あるいは他の構成要素と組み合わせて実現されてよい機能物である。
【0069】
種々の態様および実施態様を本明細書において開示したが、他の態様および実施態様が当業者には明らかであろう。本明細書で開示した種々の態様および実施態様は、例示を目的とするものであり、限定を意図しておらず、真の範囲は、以下の特許請求の範囲によって示され、それらの請求項に与えられる均等の全範囲を含む。また、本明細書で使用される用語は、特定の実施態様だけを説明するためのものであり、限定を意図していない。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7