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特許7293172情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-09
(45)【発行日】2023-06-19
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0251 20230101AFI20230612BHJP
【FI】
G06Q30/0251
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020131977
(22)【出願日】2020-08-03
(65)【公開番号】P2022028517
(43)【公開日】2022-02-16
【審査請求日】2021-06-18
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】寺田 幸弘
【審査官】阿部 陽
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-112326(JP,A)
【文献】特開2007-102319(JP,A)
【文献】特開2017-021668(JP,A)
【文献】特表2011-519439(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0025341(US,A1)
【文献】特開2020-009002(JP,A)
【文献】特開2004-259152(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0284432(US,A1)
【文献】特開2007-280064(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0004487(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの行動情報から、前記ユーザが利用する決済方法を推定する推定部と、
前記推定部により推定された決済方法に基づいて、前記ユーザに提供する推薦情報を決定する決定部と、
行動情報と決済方法との組を正解データとして学習した学習済みモデルを生成する生成部とを備え、
前記推定部は、
前記学習済みモデルに前記行動情報を入力して当該学習済みモデルから複数の決済方法ごとに出力される、前記行動情報との相関性を示すスコアを取得し、取得した前記複数の決済方法ごとのスコアに基づいて、前記決済方法を推定し、
前記ユーザの検索情報を前記学習済みモデルに入力することにより、複数の決済方法ごとに前記検索情報との相関性を示すスコアを取得し、取得した前記複数の決済方法ごとのスコアに基づいて、前記検索情報との相関性の高い決済方法を推定する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記推定部は、
前記ユーザの位置情報を前記学習済みモデルに入力することにより、複数の決済方法ごとに前記位置情報との相関性を示すスコアを取得し、取得した前記複数の決済方法ごとのスコアに基づいて、前記位置情報との相関性の高い決済方法を推定する
ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記推定部は、
前記ユーザの決済金額情報を前記学習済みモデルに入力することにより、複数の決済方法ごとに前記決済金額情報との相関性を示すスコアを取得し、取得した前記複数の決済方法ごとのスコアに基づいて、前記決済金額情報との相関性の高い決済方法を推定する
ことを特徴とする請求項またはに記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記推定部は、
前記ユーザの来店店舗情報を前記学習済みモデルに入力することにより、複数の決済方法ごとに前記来店店舗情報との相関性を示すスコアを取得し、取得した前記複数の決済方法ごとのスコアに基づいて、前記来店店舗情報との相関性の高い決済方法を推定する
ことを特徴とする請求項またはに記載の情報処理装置。
【請求項5】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
ユーザの行動情報に含まれる検索情報から、前記ユーザが利用する決済方法を推定する推定工程と、
推定された決済方法に基づいて、前記ユーザに提供する推薦情報を決定する決定工程と
行動情報と決済方法との組を正解データとして学習した学習済みモデルを生成する生成工程と
を含み、
前記推定工程は、
前記学習済みモデルに前記行動情報を入力して当該学習済みモデルから複数の決済方法ごとに出力される、前記行動情報との相関性を示すスコアを取得し、取得した前記複数の決済方法ごとのスコアに基づいて、前記決済方法を推定し、
前記ユーザの検索情報を前記学習済みモデルに入力することにより、複数の決済方法ごとに前記検索情報との相関性を示すスコアを取得し、取得した前記複数の決済方法ごとのスコアに基づいて、前記検索情報との相関性の高い決済方法を推定する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータに、
ユーザの行動情報に含まれる検索情報から、前記ユーザが利用する決済方法を推定する推定手順と、
推定された決済方法に基づいて、前記ユーザに提供する推薦情報を決定する決定手順と
行動情報と決済方法との組を正解データとして学習した学習済みモデルを生成する生成手順と
を実行させ
前記推定手順は、
前記学習済みモデルに前記行動情報を入力して当該学習済みモデルから複数の決済方法ごとに出力される、前記行動情報との相関性を示すスコアを取得し、取得した前記複数の決済方法ごとのスコアに基づいて、前記決済方法を推定し、
前記ユーザの検索情報を前記学習済みモデルに入力することにより、複数の決済方法ごとに前記検索情報との相関性を示すスコアを取得し、取得した前記複数の決済方法ごとのスコアに基づいて、前記検索情報との相関性の高い決済方法を推定する
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
オンラインモールにおける電子商取引(EC:Electronic Commerce)において決済手段を使い分けるための技術が提案されている。また、近年では、現金やクレジットカードに代わる電子的な決済方法(スマートペイメント)が消費者の間に浸透しつつある。ポストペイ型の決済方法の1つとして登場したコード読み取り型の決済方法は、スマートフォンなどの電子機器を利用して簡便に決済できるその利便性から注目を集めている。このようなスマートペイメントの浸透に伴って、消費活動の活性化が期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-016361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、各種の決済方法に対応した推薦情報をユーザに提供する際のユーザビリティについて改善の余地がある。例えば、特定の決済方法において、ポイント還元等のキャンペーンが行われる場合がある。しかし、ポイント還元を行っている決済方法を利用していないユーザも存在し、キャンペーンの通知が全てのユーザにとって有益であるとは限らない。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、決済方法に対応した推薦情報を提供する際のユーザビリティを向上できる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、推定部と、決定部とを備える。推定部は、ユーザの行動情報から、ユーザが利用する決済方法を推定する。決定部は、推定部により推定された決済方法に基づいて、ユーザに提供する推薦情報を決定する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の態様の1つによれば、決済方法に対応した推薦情報を提供する際のユーザビリティを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る学習済みモデルの生成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る決済方法の推定例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る決済方法の推定例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る決済方法の推定例を示す図である。
図6図6は、実施形態にかかる情報処理システムの構成例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係るレコメンド情報の概要を示す図である。
図9図9は、実施形態に係る情報処理装置による情報処理手順を示すフローチャートである。
図10図10は、実施形態に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する複数の実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下に説明する複数の実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下に説明する複数の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
[1.情報処理の概要]
図1を用いて、実施形態にかかる情報処理の一例を説明する。図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。図1に示す例において、実施形態に係る情報処理システム1は、端末装置10と、情報処理装置100とを有する。端末装置10と、情報処理装置100とは、ネットワークを介して有線または無線により通信可能に接続される。なお、図1に示す例には特に限定される必要はなく、情報処理システム1は、図1に示す場合よりも多くの端末装置10及び情報処理装置100を含んでよい。
【0011】
図1に示す端末装置10は、ユーザによって利用される情報処理装置である。端末装置10は、GPS(Global Positioning System)等の各種センサや、液晶ディスプレイ等の表示デバイス(以下、「画面」と適宜記載する。)や、マイク等の音声入力デバイスを有する。例えば、端末装置10は、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PCや、タブレット端末や、スマートフォンや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)や、ウェアラブルデバイス等である。
【0012】
図1及び後述する図3に示す例において、端末装置10は、ユーザYによって利用されるスマートフォンやタブレット等のスマートデバイスである場合を示す。また、図3に示す例において、端末装置10は、ユーザYによって利用されるスマートフォンやタブレット等のスマートデバイスである場合を示す。また、ユーザYには、ユーザYが情報処理装置100から提供されるサービスを利用する際の固有のユーザ識別情報としてユーザID:「U001」が付与される。また、ユーザYには、ユーザYが情報処理装置100から提供されるサービスを利用する際の固有のユーザ識別情報としてユーザID:「U002」が付与される。
【0013】
端末装置10のユーザは、端末装置10を操作することにより、ネットワークを通じて、情報処理装置100から提供される各種サービスを利用する。端末装置10のユーザは、ウェブページ又はアプリケーション(以下、「アプリ」と適宜記載する。)により、各種サービスを利用できる。端末装置10は、各種サービスの利用に伴って、行動情報を情報処理装置100に送信する。行動情報は、ネットワークを通じて提供される各種サービスにおいて端末装置10のユーザが行った行動内容を示す情報である。
【0014】
端末装置10から情報処理装置100に送信される行動情報は、行動履歴として情報処理装置100に記録される。行動情報として、ショッピングサービスの購入履歴や、決済サービスの利用履歴や、路線検索サービスの路線検索履歴や、地図提供サービスの経路検索履歴や、旅行サービスの予約履歴や、検索サービスを利用した際の検索履歴や、飲食店紹介サービスの予約履歴や、天気予報サービスの利用履歴や、スケジュール管理サービスの登録スケジュールなどが例示される。行動情報は、端末装置10のユーザが各種サービスを利用しているときの現在位置を示す位置情報を含む。
【0015】
図1に示す情報処理装置100は、端末装置10のユーザからの求めに応じて、ネットワークを介した各種サービスを提供するサーバ装置である。情報処理装置100は、例えば、ネットワークを通じて、ショッピングサービスや、決済サービスや、路線検索サービスや、地図提供サービスや、旅行サービスや、飲食店紹介サービスや、天気予報サービスや、スケジュール管理サービス等を提供できる。また、以下に説明するように、情報処理装置100は、端末装置10のユーザに対し、決済方法に対応した推薦情報(レコメンド情報)を提供する際のユーザビリティを向上できる。以下、図1を用いて、実施形態に係る情報処理装置100が行う情報処理について説明する。
【0016】
図1に示すように、情報処理装置100は、例えば、ユーザYの行動情報から、ユーザYが利用する決済方法を推定するための学習済みモデルMZを生成する(ステップS1)。以下、図2を用いて、学習済みモデルMZの生成について説明する。図2は、実施形態に係る学習済みモデルの生成例を示す図である。
【0017】
図2に示すように、情報処理装置100は、行動情報DB121から、各ユーザごとに抽出した学習用データを用いて学習モデルMYの機械学習を行う。学習用データは、入力とする「行動情報」と、出力とする「決済方法」との組を正解データとするデータである。情報処理装置100は、例えば、行動情報αを入力した際に、決済方法β又は決済方法βに対応する情報を出力するように、バックプロパゲーション等の技術を用いて、学習モデルMYの学習を行う。例えば、情報処理装置100は、ユーザY(ID:U001)の行動情報を入力して、複数の決済方法ごとに行動情報との相関性を示すスコアを出力する学習済みモデルMZを生成する。また、情報処理装置100は、ユーザY(ID:U002)の行動情報を入力して、複数の決済方法ごとに行動情報との相関性を示すスコアを出力する学習済みモデルMZを生成する。このようにして、情報処理装置100は、ユーザの行動情報を入力して、複数の決済方法ごとに行動情報との相関性を示すスコアを出力する学習済みモデルMZをユーザごとに生成する。
【0018】
ここで、決済方法とは、ユーザが代金の支払いに利用する決済手段であり、現金決済や、クレジットカード又は電子マネーなどを用いたキャッシュレス決済などがある。キャッシュレス決済には、電子マネーに代表される前払い(プリペイド)方式や、クレジットカードに代表される後払い(ポストペイ)方式や、デビットカードに代表される即時払い(リアルタイムペイ)がある。また、前払い方式、後払い方式、及び即時払い方式に対応可能なコード読み取り型の決済方法もある。情報処理装置100は、ネットワークを介してユーザに提供する各種サービスを通じて、ユーザにより利用された決済方法の情報を取得できる。また、情報処理装置100は、連携するPOS(Point Of Sale)システムからユーザが利用した決済方法を取得できる。例えば、POSレジにおいて支払を行う際に、情報処理装置100が各種サービスの提供に際してユーザに発行するポイントカードをユーザが提示することにより、ユーザIDを特定し、決済方法と紐付けできる。
【0019】
図1に戻り、情報処理装置100は、端末装置10のユーザYから行動情報を取得すると(ステップS2)、学習済みモデルMZを用いて、行動情報から決済方法を推定する(ステップS3)。具体的には、情報処理装置100は、端末装置10のユーザYに付与されているユーザID(:「U001」)をキーとして、学習済みモデルDB122からユーザYに対応する学習済みモデルMZを取得する。情報処理装置100は、取得した学習済みモデルMZに端末装置10から取得した行動情報を入力して、学習済みモデルMZから複数の決済方法ごとに出力される行動情報との相関性を示すスコアを取得する。情報処理装置100は、取得した複数の決済方法ごとのスコアに基づいて、端末装置10のユーザYが利用する決済方法を推定する。
【0020】
図1に示す例では、学習済みモデルMZから決済方法ごとに出力される全てのスコアを合算した値が「1.0」となるように算出されているものとする。このとき、学習済みモデルMZから決済方法ごとに出力されるスコアのうち、「決済方法A」に対応するスコア:「0.7」が最も高くなっている。そこで、情報処理装置100は、端末装置10のユーザYが利用する決済方法を「決済方法A」であると推定する。
【0021】
決済方法の推定後、情報処理装置100は、推定した決済方法に基づいて、端末装置10のユーザYに対して提供するレコメンド情報を決定する(ステップS4)。具体的には、情報処理装置100は、レコメンド情報DB123に登録されているレコメンド情報の中から、端末装置10のユーザYが利用すると推定した「決済方法A」に対応するレコメンド情報を参照する。そして、情報処理装置100は、参照したレコメンド情報の中から、ユーザにとって有益と考えられるレコメンド情報を取得する。図1に示す例において、情報処理装置100は、例えば、ユーザが得られる割引率が最も大きいレコメンド情報:「店舗T11で決済方法Aを利用すると、代金20%OFF」を取得する。
【0022】
そして、情報処理装置100は、取得したレコメンド情報を端末装置10のユーザYに提供する(ステップS5)。
【0023】
端末装置10は、情報処理装置100から提供されたレコメンド情報を画面11に表示して、ユーザYに提示する。
【0024】
図3図5を用いて、情報処理装置100により実行される決済方法の推定例について説明する。図3図5は、実施形態に係る決済方法の推定例を示す図である。
【0025】
図3に示すように、情報処理装置100は、端末装置10のユーザYから行動情報として位置情報を取得すると(ステップS11)、ユーザYに対応する学習済みモデルMZを用いて、行動情報から決済方法を推定する(ステップS12)。情報処理装置100は、例えば、地図提供サービスを端末装置10のユーザYに提供するのに伴って、ユーザY(端末装置10)の位置情報を取得できる。情報処理装置100は、学習済みモデルMZに位置情報を入力することにより、学習済みモデルMZから複数の決済方法ごとに出力される位置情報との相関性を示すスコアを取得する。
【0026】
図3に示す例では、学習済みモデルMZから決済方法ごとに出力されるスコアのうち、「決済方法B」に対応するスコア:「0.35」が最も高く、ユーザYの位置情報に最も相関性のある決済方法であることが示されている。そこで、情報処理装置100は、端末装置10のユーザYが利用する決済方法を「決済方法B」であると推定する。
【0027】
このようにして、情報処理装置100は、端末装置10のユーザYから取得した位置情報に最も相関性が高い決済方法を推定できる。情報処理装置100は、推定した決済方法Bに基づいて、レコメンド情報を決定する(ステップS13)。そして、情報処理装置100は、決定したレコメンド情報、例えば、「店舗T12で決済方法Bを利用すると、代金20%OFF」を端末装置10のユーザYに提供する(ステップS14)。
【0028】
また、図3に示すように、情報処理装置100は、端末装置10のユーザYから行動情報として検索クエリ(「ランチ」)を取得すると(ステップS21)、ユーザYに対応する学習済みモデルMZを用いて、行動情報から決済方法を推定する(ステップS22)。情報処理装置100は、例えば、検索サービスを端末装置10のユーザYに提供するのに伴って、ユーザY(端末装置10)の検索クエリを取得できる。情報処理装置100は、学習済みモデルMZに検索クエリ(「ランチ」)を入力することにより、学習済みモデルMZから複数の決済方法ごとに出力される検索クエリ(「ランチ」)との相関性を示すスコアを取得する。
【0029】
図3に示す例では、学習済みモデルMZから決済方法ごとに出力されるスコアのうち、「決済方法B」に対応するスコア:「0.50」が最も高く、ユーザYの検索クエリ(「ランチ」)に最も相関性が高い決済方法であることが示されている。そこで、情報処理装置100は、端末装置10のユーザYが利用する決済方法を「決済方法B」であると推定する。
【0030】
このようにして、情報処理装置100は、端末装置10のユーザYから取得した検索クエリ(「ランチ」)に最も相関性が高い決済方法を推定できる。情報処理装置100は、推定した決済方法Bに基づいて、レコメンド情報を決定する(ステップS23)。そして、情報処理装置100は、決定したレコメンド情報、例えば、「店舗T22で決済方法Bを利用すると、ランチメニューが30%OFF」を端末装置10のユーザYに提供する(ステップS24)。
【0031】
また、図3に示すように、情報処理装置100は、端末装置10のユーザYから行動情報として、位置情報及び検索クエリ(「近くのランチ」)を取得すると(ステップS31)、学習済みモデルMZを用いて、行動情報から決済方法を推定する(ステップS32)。具体的には、情報処理装置100は、例えば、検索サービスを端末装置10のユーザYに提供するのに伴って、ユーザY(端末装置10)の位置情報及び検索クエリを取得できる。そして、情報処理装置100は、端末装置10のユーザYに付与されているユーザID(:「U002」)をキーとして、学習済みモデルDB122からユーザYに対応する学習済みモデルMZを取得する。情報処理装置100は、取得した学習済みモデルMZに端末装置10から行動情報として取得した位置情報及び検索クエリ(「近くのランチ」)を入力して、学習済みモデルMZから複数の決済方法ごとに出力される行動情報との相関性を示すスコアを取得する。
【0032】
図3に示す例では、学習済みモデルMZから決済方法ごとに出力されるスコアのうち、「決済方法C」に対応するスコア:「0.60」が最も高く、ユーザYの位置情報及び検索クエリ(「近くのランチ」)に最も相関性が高い決済方法であることが示されている。そこで、情報処理装置100は、端末装置10のユーザYが利用する決済方法を「決済方法C」であると推定する。
【0033】
このようにして、情報処理装置100は、端末装置10のユーザYから取得した位置情報及び検索クエリ(「ランチ」)に最も相関性が高い決済方法を推定できる。情報処理装置100は、推定した決済方法Cに基づいて、レコメンド情報を決定する(ステップS33)。そして、情報処理装置100は、決定したレコメンド情報、例えば、「店舗T33で決済方法Cを利用すると、ランチメニューが40%OFF」を端末装置10のユーザYに提供する(ステップS34)。
【0034】
上述してきたように、情報処理装置100は、ユーザの行動情報から決済方法を推定し、推定した決済方法に基づいて、ユーザに提供するレコメンド情報を決定する。これにより、情報処理装置100は、ユーザの行動に合わせたレコメンド情報を提供でき、決済方法に対応した推薦情報を提供する際のユーザビリティを向上できる。
【0035】
また、図4に示すように、情報処理装置100は、行動情報DB121から決済金額情報を取得する(ステップS41)。図4に示す例では、情報処理装置100は、行動情報DB121から、決済金額が1万円以上の決済情報を含む各ユーザの決済履歴をサンプルデータとして取得する。
【0036】
情報処理装置100は、各ユーザに対応する学習済みモデルMZを用いて、各ユーザの決済金額情報から、決済金額情報に対応する決済方法を推定する(ステップS42)。具体的には、情報処理装置100は、各ユーザに対応する決済金額情報を、各ユーザに対応する学習済みモデルMZにそれぞれ入力して、学習済みモデルMZから複数の決済方法ごとに出力される決済金額情報との相関性を示すスコアをユーザごとに取得する。
【0037】
図4に示す例では、1万円以上の決済金額情報と最も相関性の高いユーザYの決済方法は「決済方法A」であり、1万円以上の決済金額情報と最も相関性の高いユーザYの決済方法も「決済方法A」であることが示されている。
【0038】
決済方法の推定が完了すると、情報処理装置100は、ユーザごとに、1万円以上の決済金額情報と最も相関性の高い決済方法を抽出し、抽出した決済方法を集計する(ステップS43)。集計後、情報処理装置100は、例えば、全ての決済方法における各決済方法の占める割合を算出する。図4に示す例では、「決済方法A」の占める割合が72%と最も高く、次いで「決済方法B」が9%、「決済方法C」が4%と続くことが示されている。
【0039】
このようにして、情報処理装置100は、情報処理装置100が提供する各種サービスの利用者である各ユーザについて、決済金額情報と相関性のある決済方法を推定できる。これにより、例えば、情報処理装置100が提供するショッピングサービスと提携する実店舗やオンラインモールの店舗などに対し、決済方法の導入をレコメンドできる。例えば、図4に示す例では、サンプリングされた各ユーザについて、1万円以上の決済金額情報と最も相関性の高い決済方法が「決済方法A」であることが導出される。そこで、例えば、平均の決済金額が1万円以上の実店舗等に対して、「決済方法A」の導入をレコメンドできる。これにより、実店舗等は、情報処理装置100から提供されるレコメンド情報に基づいて、「決済方法A」の導入を検討できる。
【0040】
また、図5に示すように、情報処理装置100は、行動情報DB121から来店店舗情報を取得する(ステップS51)。図4に示す例では、情報処理装置100は、行動情報DB121から、ファストフード店の来店情報をサンプルデータとして取得する。
【0041】
情報処理装置100は、各ユーザに対応する学習済みモデルMZを用いて、各ユーザの来店店舗情報から、来店店舗情報に対応する決済方法を推定する(ステップS52)。具体的には、情報処理装置100は、各ユーザに対応するファストフード店の来店情報を、各ユーザに対応する学習済みモデルMZにそれぞれ入力して、学習済みモデルMZから複数の決済方法ごとに出力されるファストフード店の来店情報との相関性を示すスコアをユーザごとに取得する。
【0042】
図5に示す例では、ファストフード店の来店情報と最も相関性の高いユーザYの決済方法は「決済方法B」であり、ファストフード店の来店情報と最も相関性の高いユーザYの決済方法も「決済方法B」であることが示されている。
【0043】
決済方法の推定が完了すると、情報処理装置100は、ユーザごとに、ファストフード店の来店情報と最も相関性の高い決済方法を抽出し、抽出した決済方法を集計する(ステップS53)。集計後、情報処理装置100は、例えば、全ての決済方法における各決済方法の占める割合を算出する。図5に示す例では、「決済方法B」の占める割合が67%と最も高く、次いで「決済方法A」が17%、「決済方法C」が9%と続くことが示されている。
【0044】
このようにして、情報処理装置100は、情報処理装置100が提供する各種サービスの利用者である各ユーザについて、ファストフード店の来店情報と相関性のある決済方法を推定できる。これにより、例えば、情報処理装置100が提供する各種サービスと提携するファストフード店に対し、決済方法の導入をレコメンドできる。例えば、図5に示す例では、サンプリングされた各ユーザについて、ファストフード店の来店情報と最も相関性の高い決済方法が「決済方法B」であることが導出される。そこで、例えば、ファストフード店に対して、「決済方法B」の導入をレコメンドできる。これにより、ファストフード店は、情報処理装置100から提供されるレコメンド情報に基づいて、「決済方法B」の導入を検討できる。
【0045】
[2.情報処理システムの構成]
図6を用いて、実施形態にかかる情報処理システム1の構成について説明する。図6は、実施形態にかかる情報処理システムの構成例を示す図である。図6に示すように、情報処理システム1は、端末装置10と、情報処理装置100とを有する。
【0046】
端末装置10及び情報処理装置100は、ネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続される。ネットワークNは、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、電話網(携帯電話網、固定電話網等)、地域IP(Internet Protocol)網、インターネット等の通信ネットワークである。ネットワークNには、有線ネットワークが含まれていてもよいし、無線ネットワークが含まれていてもよい。なお、図6に示す例には特に限定されず、情報処理システム1は、複数台の端末装置10、複数台の情報処理装置100を有してもよい。
【0047】
端末装置10は、ユーザによって利用される端末装置である。端末装置10は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等である。端末装置10は、端末装置10にプリインストールされたウェブブラウザ又はアプリケーションにより、情報処理装置100から取得するウェブページをディスプレイに表示し、情報処理装置100により提供される各種サービスを利用する。端末装置10は、情報処理装置100によって提供される情報の表示処理を実現する制御情報を情報処理装置100から受け取った場合には、制御情報に従って表示処理を実現する。
【0048】
また、端末装置10は、ネットワークを通じて提供される各種サービスにおいて端末装置10のユーザが行った行動内容を示す行動情報を、情報処理装置100に送信する。行動情報は、例えば、ショッピングサービスの購入履歴や、決済サービスの利用履歴や、路線検索サービスの路線検索履歴や、地図提供サービスの経路検索履歴や、旅行サービスの予約履歴や、検索サービスを利用した際の検索履歴や、飲食店紹介サービスの予約履歴や、天気予報サービスの利用履歴や、スケジュール管理サービスの登録スケジュールなどが例示される。また、行動情報は、端末装置10のユーザが各種サービスを利用しているときの現在位置を示す位置情報を含む。
【0049】
情報処理装置100は、端末装置10のユーザからの求めに応じて、ネットワークを介した各種サービスを提供するサーバ装置である。また、情報処理装置100は、端末装置10のユーザによる各種サービスの利用に際して端末装置10から送信される行動情報を取得する。情報処理装置100は、取得した行動情報を、各種サービスの提供に際して端末装置10のユーザに一意に付与するユーザIDに関連付けて記録する。
【0050】
また、情報処理装置100は、前述したように、端末装置10のユーザに対し、決済方法に対応した推薦情報を提供するサーバ装置としても機能する。なお、情報処理装置100は、レコメンド情報を提供するアプリケーションのデータそのものを配信するサーバ装置であってもよい。また、情報処理装置100は、端末装置10に制御情報を配信する配信装置として機能してもよい。ここで、制御情報は、例えば、所定のスクリプト言語またはCSS(Cascading Style Sheets)等のスタイルシート言語により記述される。なお、情報処理装置100から配信されるコンテンツに関するアプリケーションそのものを制御情報とみなしてもよい。なお、実施形態において、情報処理装置100は、各種サービスを提供するサーバ装置として機能するが、端末装置10のユーザに対し、決済方法に対応した推薦情報を提供するサーバ装置としてのみ機能してもよい。この場合、情報処理装置100は、各ユーザの行動内容を示す行動情報を、各種サービスを提供するサーバ装置から取得すればよい。
【0051】
[3.情報処理装置の構成]
図7を用いて、実施形態に係る情報処理装置100の構成について説明する。図7は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。図7に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0052】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続される。情報処理装置100は、ネットワークNを介して、端末装置10との間で情報の送受信を行う。
【0053】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図7に示すように、記憶部120は、行動情報DB121と、学習済みモデルDB122と、レコメンド情報DB123とを有する。
【0054】
行動情報DB121は、端末装置10のユーザに付与するユーザIDに関連付けて、端末装置10のユーザの行動情報を記憶する。行動情報は、ネットワークを通じて提供される各種サービスにおいて端末装置10のユーザが行った行動内容を示す情報である。
【0055】
学習済みモデルDB122は、端末装置10のユーザごとに生成される学習済みモデルの情報を記憶する。学習済みモデルDB122に記憶される学習済みモデルは、ユーザの行動情報を入力して、複数の決済方法ごとに行動情報との相関性を示すスコアを出力する。
【0056】
レコメンド情報DB123は、決済方法ごとに、該当の決済方法の利用によりユーザに提供されるサービスの情報を記憶する。図8は、実施形態に係るレコメンド情報の概要を示す図である。図8に示すように、レコメンド情報は、「決済方法」と、「店舗名」と、「所在地」と、「レコメンド内容」といった項目を有する。これらの項目は、相互に対応付けられている。
【0057】
「決済方法」の項目は、決済方法の情報を記憶する。「店舗名」の項目は、該当の決済方法を利用可能な店舗名の情報を記憶する。「所在地」の項目は、該当の店舗の所在地の情報を記憶する。レコメンド内容は、該当の決済方法について開催中のサービスの内容を記憶する。
【0058】
(制御部130について)
制御部130は、コントローラ(controller)であり、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0059】
図7に示すように、制御部130は、生成部131と、推定部132と、決定部133とを有する。制御部130は、これらの各部により、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図7に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0060】
(生成部131について)
生成部131は、行動情報と決済方法との組を正解データとして学習した学習済みモデルを生成する。生成部131は、行動情報DB121から、端末装置10の各ユーザごとに抽出した学習用データを用いて学習モデルMYの機械学習を行う。学習用データは、入力とする「行動情報」と、出力とする「決済方法」との組を正解データとするデータである。「行動情報」は、行動情報の特徴量をベクトル化した情報であってもよい。生成部131は、行動情報αを入力した際に、決済方法β又は決済方法βに対応する情報を出力するように、バックプロパゲーション等の技術を用いて、学習モデルMYの学習を行う。例えば、「店舗Xに入店した」という行動の後に、「クレジットカードを利用した」という行動が記録されている場合、行動情報:「店舗Xに入店」と、決済方法:「クレジットカード」とを組とした正解データを学習モデルMYに学習させる。すなわち、学習完了後、行動情報:「店舗Xに入店」を入力したときの出力において、決済方法:「クレジットカード」のスコアが他の決済方法よりも相対的に大きくなるように学習する。これにより、情報処理装置100は、ユーザの行動情報を入力して、複数の決済方法ごとに行動情報との相関性を示すスコアを出力する学習済みモデルMZをユーザごとに生成する。
【0061】
生成部131は、DNN(Deep Neural Network)、CNN(Convolutional Neural Network)、RNN(Recurrent Neural Network)、LSTM(Long Short-Time Memory)などの任意の学習アルゴリズムを用いて、学習済みモデルMZを生成できる。例えば、RNNを用いて学習済みモデルMZを生成した場合、行動情報の時系列を考慮して、複数の決済方法毎に行動情報との相関性を示すスコアを出力できる。つまり、「行動1」及び「行動2」が「行動1→行動2」の順に入力されたときに、「決済方法Y」のスコアが相対的に高くなるような出力を行う一方で、「行動2→行動1」の順に入力されたときには、「決済方法Y」のスコアが他の決済方法よりも相対的に高くなるような出力を行うとは限らない学習済みモデルMZが得られる。
【0062】
(推定部132について)
推定部132は、端末装置10のユーザの行動情報から、端末装置10のユーザが利用する決済方法を推定する。具体的には、推定部132は、学習済みモデルMZに、端末装置10のユーザから取得する行動情報を入力する。推定部132は、学習済みモデルMZから複数の決済方法ごとに出力される、端末装置10のユーザの行動情報との相関性を示すスコアを取得する。推定部132は、取得した複数の決済方法ごとのスコアに基づいて、端末装置10のユーザが利用する決済方法を推定する。
【0063】
前述したように、推定部132は、例えば、ユーザの位置情報を学習済みモデルMZに入力することにより、複数の決済方法ごとに位置情報との相関性を示すスコアを取得する。そして、推定部132は、取得した複数の決済方法ごとのスコアに基づいて、位置情報との相関性の高い決済方法を推定する。
【0064】
また、推定部132は、例えば、ユーザの検索情報(検索クエリ)を学習済みモデルMZに入力することにより、複数の決済方法ごとに検索情報との相関性を示すスコアを取得する。そして、推定部132は、取得した複数の決済方法ごとのスコアに基づいて、検索情報との相関性の高い決済方法を推定する。
【0065】
また、推定部132は、例えば、ユーザの決済金額情報を学習済みモデルMZに入力することにより、複数の決済方法ごとに決済金額情報との相関性を示すスコアを取得する。そして、推定部132は、取得した複数の決済方法ごとのスコアに基づいて、決済金額情報との相関性の高い決済方法を推定する。
【0066】
また、推定部132は、例えば、ユーザの来店店舗情報を学習済みモデルMZに入力することにより、複数の決済方法ごとに来店店舗情報との相関性を示すスコアを取得する。そして、推定部132は、取得した複数の決済方法ごとのスコアに基づいて、来店店舗情報との相関性の高い決済方法を推定する。
【0067】
推定部132は、例えば、位置情報と検索情報(検索クエリ)とを組み合わせるなど複数の行動情報を組み合わせて、学習済みモデルMZに入力し、複数の決済方法ごとに複数の行動情報の組合せとの相関性を示すスコアを取得してもよい。よれにより、推定部132は、取得した複数の決済方法ごとのスコアに基づいて、複数の行動情報との組合せとの相関性の高い決済方法を推定できる。
【0068】
(決定部133について)
決定部133は、推定部132により推定された決済方法に基づいて、ユーザに提供する推薦情報(レコメンド情報)を決定する。具体的には、決定部133は、レコメンド情報DB123に登録されているレコメンド情報の中から、推定部132により推定された決済方法Aに対応するレコメンド情報を参照する。そして、決定部133は、参照したレコメンド情報の中から、例えば、ユーザにとって有益と考えられるレコメンド情報をユーザに提供するレコメンド情報に決定する。
【0069】
[4.処理手順]
図9を用いて、実施形態に係る情報処理装置100が実行する情報処理の手順について説明する。図9は、実施形態に係る情報処理装置による情報処理手順を示すフローチャートである。図9に示す処理手順は、情報処理装置100の制御部130により実行される。図9に示す処理手順は、情報処理装置100の稼働中、繰り返し実行される。
【0070】
推定部132は、端末装置10から行動情報を取得する(ステップS101)。続いて、推定部132は、取得した行動情報から、ユーザが利用する決済方法を推定する(ステップS102)。具体的には、推定部132は、学習済みモデルMZに、端末装置10のユーザから取得する行動情報を入力する。推定部132は、学習済みモデルMZから複数の決済方法ごとに出力される、端末装置10のユーザの行動情報との相関性を示すスコアを取得する。推定部132は、取得した複数の決済方法ごとのスコアに基づいて、端末装置10のユーザが利用する決済方法を推定する。
【0071】
決定部133は、推定部132により推定された決済方法に基づいて、ユーザに提供する推薦情報(レコメンド情報)を決定する(ステップS103)。そして、決定部133は、決定したレコメンド情報をユーザに提供して(ステップS104)、図9に示す処理手順を終了する。
【0072】
[5.変形例]
上記実施形態にかかる情報処理装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、情報処理装置100の他の実施形態について説明する。
【0073】
上記実施形態において、学習済みモデルMZを生成する際、行動情報及び決済方法からユーザの決済方法を推定し、推定結果を学習用データとしてもよい。例えば、端末装置10のユーザが、「14時にショップZに訪問した」という行動情報と、「14時10分にクレジットカードを利用した」という決済情報とに基づいて、「ショップZでクレジットカードを利用した」と推定し、この推定結果を学習用データとしてもよい。
【0074】
情報処理装置100は、レコメンド情報が、決済方法の利用金額や来店回数に対して、一定の条件で計算された点数をポイントとして付与するポイント還元サービスに関する優待情報である場合、ポイント還元の上限に至っている決済方法を、ユーザが利用する決済方法の推定範囲から除外してもよい。
【0075】
上記実施形態において、情報処理装置100は、学習済みモデルMZを用いて決済方法を推定する例を説明したが、この例には特に限定されない。行動情報DB121に記録された各ユーザの行動情報から、統計処理等によって、行動情報と決済方法を関連付けたテーブルを作成し、作成したテーブルを用いて、各ユーザの決済方法を推定してもよい。
【0076】
[6.ハードウェア構成]
実施形態にかかる情報処理装置100は、例えば図10に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図10は、実施形態に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【0077】
コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0078】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0079】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、ネットワーク(通信網)Nを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、ネットワーク(通信網)Nを介して他の機器へ送信する。
【0080】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0081】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0082】
例えば、コンピュータ1000が実施形態にかかる情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを、記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、ネットワーク(通信網)Nを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0083】
[7.その他]
上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0084】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0085】
また、上述してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0086】
[8.効果]
実施形態に係る情報処理装置100は、推定部132と、決定部133とを有する。推定部132は、ユーザの行動情報から、ユーザが利用する決済方法を推定する。決定部133は、推定部により推定された決済方法に基づいて、ユーザに提供する推薦情報を決定する。
【0087】
このように、実施形態に係る情報処理装置100は、ユーザの行動から推定した決済方法に基づいて推薦情報を決定できるので、決済方法に対応した推薦情報を提供する際のユーザビリティを向上できる。
【0088】
また、情報処理装置100は、生成部131をさらに備える。生成部131は、行動情報と決済方法との組を正解データとして学習した学習済みモデルを生成する。推定部132は、学習済みモデルに行動情報を入力して学習済みモデルから複数の決済方法ごとに出力される、行動情報との相関性を示すスコアを取得し、取得した複数の決済方法ごとのスコアに基づいて、決済方法を推定する。このため、情報処理装置100は、各ユーザについて、複数の決済方法ごとに、ユーザの行動との相関性を定量的に把握でき、ユーザ行動に応じた決済方法を推定できる。
【0089】
また、情報処理装置100において、推定部132は、ユーザの位置情報を学習済みモデルに入力することにより、複数の決済方法ごとに位置情報との相関性を示すスコアを取得し、取得した複数の決済方法ごとのスコアに基づいて、位置情報との相関性の高い決済方法を推定する。このため、情報処理装置100は、複数の決済方法ごとに、ユーザの位置情報との相関性を定量的に把握でき、位置情報を相関性の高い決済方法を特定できる。
【0090】
また、情報処理装置100において、推定部132は、ユーザの検索情報を学習済みモデルに入力することにより、複数の決済方法ごとに検索情報との相関性を示すスコアを取得し、取得した複数の決済方法ごとのスコアに基づいて、検索情報との相関性の高い決済方法を推定する。このため、情報処理装置100は、複数の決済方法ごとに、ユーザの検索情報との相関性を定量的に把握でき、検索情報と相関性の高い決済方法を特定できる。
【0091】
また、情報処理装置100において、推定部132は、ユーザの決済金額情報を学習済みモデルに入力することにより、複数の決済方法ごとに決済金額情報との相関性を示すスコアを取得し、取得した複数の決済方法ごとのスコアに基づいて、決済金額情報との相関性の高い決済方法を推定する。このため、情報処理装置100は、複数の決済方法ごとに、ユーザの決済金額情報との相関性を定量的に把握でき、決済金額情報と相関性の高い決済方法を特定できる。
【0092】
また、情報処理装置100において、推定部132は、ユーザの来店店舗情報を学習済みモデルに入力することにより、複数の決済方法ごとに来店店舗情報との相関性を示すスコアを取得し、取得した複数の決済方法ごとのスコアに基づいて、来店店舗情報との相関性の高い決済方法を推定する。このため、情報処理装置100は、複数の決済方法ごとに、ユーザの来店店舗情報との相関性を定量的に把握でき、来店店舗情報と相関性の高い決済方法を特定できる。
【0093】
以上、本願の実施形態をいくつかの図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0094】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、特定部は、特定手段や特定回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0095】
1 情報処理システム
10 端末装置
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
121 行動情報DB
122 学習済みモデルDB
123 レコメンド情報DB
130 制御部
131 生成部
132 推定部
133 決定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10