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特許7293179サーバ装置、プログラム、および情報処理方法
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  • 特許-サーバ装置、プログラム、および情報処理方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-09
(45)【発行日】2023-06-19
(54)【発明の名称】サーバ装置、プログラム、および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20230101AFI20230612BHJP
   G06Q 20/32 20120101ALI20230612BHJP
【FI】
G06Q10/08
G06Q20/32 300
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020166745
(22)【出願日】2020-10-01
(65)【公開番号】P2022059174
(43)【公開日】2022-04-13
【審査請求日】2021-06-18
(73)【特許権者】
【識別番号】593022629
【氏名又は名称】株式会社ジェーシービー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】間下 公照
(72)【発明者】
【氏名】吉田 大輔
【審査官】藤澤 美穂
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-234047(JP,A)
【文献】特開2007-299316(JP,A)
【文献】特開2002-092270(JP,A)
【文献】特開2001-195358(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0059754(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客と前記顧客に商品を販売する販売業者との間の商取引の代引き決済を行う決済事業者の決済装置であって、
前記商取引の代引き決済を要求するためのリンクを示すリンク情報を、前記販売業者の販売業者装置に提供する提供部と、
前記顧客に配送される前記商品に前記販売業者により付された可読媒体であって前記リンク情報を含む可読媒体を読み取とった前記商品を配送した配送者の端末から、前記リンクに対するアクセスにより前記代引き決済の要求を受け付ける受付部と、
前記要求された代引き決済に対する前記顧客の合意を示す決済合意情報を取得する決算合意取得部と、
前記決済の要求と前記決済合意情報とに基づいて、前記代引き決済のための処理を行う決済処理部と、
前記処理が完了した際に、前記販売業者装置と前記端末とに前記代引き決済の完了を通知する通知部と、を備え、
決済装置。
【請求項2】
前記受付部は、前記配送者の端末から、前記決済の要求と併せて、要求元の端末に関する要求端末情報を受け付け、
前記決済装置は、予め登録された前記配送者の端末の配送者端末情報を記憶する第1記憶部を参照して、前記要求端末情報と前記配送者端末情報とを照合する第1照合部をさらに備え、
前記決済処理部は、前記照合の結果にさらに基づいて、前記決済のための処理を行う、
請求項1に記載の決済装置。
【請求項3】
前記受付部は、前記決済の要求と併せて、要求元の端末に関する要求端末情報を受け付け、
前記決済装置は、
予め登録された前記配送者の端末の配送者端末情報を記憶する第1記憶部を参照して、前記要求端末情報と前記配送者端末情報とを照合する第1照合部と、
前記決済処理部は、前記照合の結果にさらに基づいて、前記決済のための処理を行う、
請求項1に記載の決済装置。
【請求項4】
前記受付部は、前記決済の要求と併せて、要求元の端末の位置情報を受け付け、
前記決済装置は、予め登録された前記配送の配送先の住所を示す住所情報を記憶する第2記憶部を参照して、前記位置情報と前記住所情報とを照合する第2照合部をさらに備え、
前記決済処理部は、前記照合の結果にさらに基づいて、前記決済のための処理を行う、
請求項1から3のいずれか一項に記載の決済装置。
【請求項5】
前記決済装置は、前記照合の結果に基づいて、前記配送が誤配送か否かを判定する判定部をさらに備え、
前記通知部は、前記判定部により誤配送と判定された場合、前記顧客の端末と前記販売業者装置とに、前記誤配送の判定を通知し、
前記受付部は、前記顧客の端末と前記販売業者装置とから、前記通知した誤配送の判定に対して、前記決済のための処理を行うか否かの指示を受け付け、
前記決済処理部は、前記判定部により誤配送と判定された場合、前記処理を行う指示を前記受付部が受け付けてから、前記決済のための処理を行う、
請求項3または4に記載の決済装置。
【請求項6】
顧客と前記顧客に商品を販売する販売業者との間の商取引の代引き決済を行う決済事業者の決済装置であって、
前記商取引の代引き決済を要求するためのリンクを示すリンク情報を、前記販売業者の販売業者装置に提供する提供部と、
前記顧客に配送される前記商品に前記販売業者により付された可読媒体であって前記リンク情報を含む可読媒体を読み取とった前記顧客の端末から、前記リンクに対するアクセスにより前記代引き決済の要求を受け付ける受付部と、
前記決済の要求に基づいて、前記代引き決済のための処理を行う決済処理部と、を備え、
前記受付部は、前記顧客の端末から、前記代引き決済の要求と併せて、要求元の端末に関する要求端末情報を受け付け、
前記決済装置は、
前記要求端末情報と、予め登録された前記顧客の端末の顧客端末情報と、を照合する第1照合部と、
前記照合の結果に基づいて、前記配送が誤配送か否かを判定する判定部と、
前記判定部により誤配送と判定された場合、前記顧客の端末と前記販売業者装置とに、前記誤配送の判定を通知する通知部と、を備え、
前記受付部は、前記顧客の端末と前記販売業者装置とから、前記通知した誤配送の判定に対して、前記代引き決済のための処理を行うか否かの指示を受け付け、
前記決済処理部は、前記判定部により誤配送と判定された場合、前記処理を行う指示を前記受付部が受け付けてから、前記代引き決済のための処理を行う、
決済装置。
【請求項7】
顧客と前記顧客に商品を販売する販売業者との間の商取引の代引き決済を行う決済事業者の決済装置であって、
前記商取引の代引き決済を要求するためのリンクを示すリンク情報を、前記販売業者の販売業者装置に提供する提供部と、
前記顧客に配送される前記商品に前記販売業者により付された可読媒体であって前記リンク情報を含む可読媒体を読み取とった前記顧客の端末から、前記リンクに対するアクセスにより前記代引き決済の要求を受け付ける受付部と、
前記決済の要求に基づいて、前記代引き決済のための処理を行う決済処理部と、を備え、
前記受付部は、前記決済の要求と併せて、要求元の端末の位置情報を受け付け、
前記決済装置は、
予め登録された前記配送の配送先の住所を示す住所情報を記憶する第2記憶部を参照して、前記位置情報と前記住所情報とを照合する第2照合部と、
前記照合の結果に基づいて、前記配送が誤配送か否かを判定する判定部と、
前記判定部により誤配送と判定された場合、前記顧客の端末と前記販売業者装置とに、前記誤配送の判定を通知する通知部と、を備え、
前記受付部は、前記顧客の端末と前記販売業者装置とから、前記通知した誤配送の判定に対して、前記代引き決済のための処理を行うか否かの指示を受け付け、
前記決済処理部は、前記判定部により誤配送と判定された場合、前記処理を行う指示を前記受付部が受け付けてから、前記代引き決済のための処理を行う、
決済装置。
【請求項8】
前記通知部は、前記処理が完了した際に、さらに、前記商品を配送した配送者の端末に前記決済の完了を通知する、
請求項1、2、6、または7に記載の決済装置。
【請求項9】
前記決済装置は、
前記商品の配送の配送費用の精算に対する前記販売業者と前記配送の配送業者の合意とを示す精算合意情報を取得する精算合意取得部と、
前記決済のための処理が完了した際に、前記精算合意情報に基づいて、前記配送費用の精算のための処理を行う精算部と、をさらに備える、
請求項1から8のいずれか一項に記載の決済装置。
【請求項10】
顧客と前記顧客に商品を販売する販売業者との間の商取引の代引き決済を行う決済事業者のコンピュータに、
前記商取引の代引き決済を要求するためのリンクを示すリンク情報を、前記販売業者の販売業者装置に提供する提供機能と、
前記顧客に配送される前記商品に前記販売業者により付された可読媒体であって前記リンク情報を含む可読媒体を読み取とった前記商品を配送した配送者の端末から、前記リンクに対するアクセスにより前記代引き決済の要求を受け付ける受付機能と、
前記要求された代引き決済に対する前記顧客の合意を示す決済合意情報を取得する決算合意取得機能と、
前記決済の要求と前記決済合意情報とに基づいて、前記代引き決済のための処理を行う決済処理機能と、
前記処理が完了した際に、前記販売業者装置と前記端末とに前記代引き決済の完了を通知する通知機能と、を実現する、
プログラム。
【請求項11】
顧客と前記顧客に商品を販売する販売業者との間の商取引の代引き決済を行う決済事業者のコンピュータが、
前記商取引の代引き決済を要求するためのリンクを示すリンク情報を、前記販売業者の販売業者装置に提供し、
前記顧客に配送される前記商品に前記販売業者により付された可読媒体であって前記リンク情報を含む可読媒体を読み取とった前記商品を配送した配送者の端末から、前記リンクに対するアクセスにより前記代引き決済の要求を受け付け、
前記要求された代引き決済に対する前記顧客の合意を示す決済合意情報を取得し、
前記決済の要求と前記決済合意情報とに基づいて、前記代引き決済のための処理を行い、
前記処理が完了した際に、前記販売業者装置と前記端末とに前記代引き決済の完了を通知する、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ装置、プログラム、および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ECサイトを通じて商品を購入する顧客が、配送された購入商品について代金引換(以下、「代引き」ともいう)決済をする技術が知られている。代引き決済では、実際に商品を受け取るのと引き換えに支払決済をするため、顧客に安心感を与えることができる。
【0003】
例えば、特許文献1には、代引き注文の注文主が保持するユーザ端末と対象商品の配送員が保持する配送員端末それぞれが、ビーコン端末から発信されている無線信号を受信したことに伴い、それぞれが保持する代引き注文に関する情報を銀行システム送信する代引き決済方法が記載されている。この代引き決済方法では、銀行システムが、受信した代引き注文に関する情報の真正性などの確認に成功した場合、代引き注文に関して注文主より予め預かっている決済用資金に基づいて決済処理を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-206215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、セキュリティ性は一定程度保ちつつ代引き決済を容易に導入したいという商品を販売する販売業者や商品を配送する配送者のニーズが存在する。しかしながら、代引き決済を導入するためには、例えば、代引き決済用の決済端末を配送者が用意する必要がある。また、特許文献1の技術では、代引き決済用の決済端末を用意する必要はないものの、無線信号を発信するビーコン端末を設置する必要や、銀行に予め決済用資金を預ける必要があり、導入が容易ではないという課題がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題を解決するため、セキュリティ性は一定程度保ちつつ、配送された商品の代引き決済を容易に導入させることができる決済装置、プログラム、および情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る決済装置は、顧客と顧客に商品を販売する販売業者との間の商取引の決済を行う決済事業者の決済装置であって、商取引の決済を要求するためのリンクを示すリンク情報を、販売業者の販売業者装置に提供する提供部と、顧客に配送される商品に販売業者により付された可読媒体であってリンク情報を含む可読媒体を読み取とった顧客の端末から、リンクに対するアクセスにより決済の要求を受け付ける受付部と、決済の要求に基づいて、決済のための処理を行う決済処理部と、処理が完了した際に、販売業者装置と端末とに決済の完了を通知する通知部と、を備える。
【0008】
本発明の一態様に係るプログラムは、顧客と顧客に商品を販売する販売業者との間の商取引の決済を行う決済事業者のコンピュータに、商取引の決済を要求するためのリンクを示すリンク情報を、販売業者の販売業者装置に提供する提供機能と、顧客に配送される商品に販売業者により付された可読媒体であってリンク情報を含む可読媒体を読み取とった顧客の端末から、リンクに対するアクセスにより決済の要求を受け付ける受付機能と、決済の要求に基づいて、決済のための処理を行う決済処理機能と、処理が完了した際に、販売業者装置と端末とに決済の完了を通知する通知機能と、を実現する。
【0009】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、顧客と顧客に商品を販売する販売業者との間の商取引の決済を行う決済事業者のコンピュータが、商取引の決済を要求するためのリンクを示すリンク情報を、販売業者の販売業者装置に提供し、顧客に配送される商品に販売業者により付された可読媒体であってリンク情報を含む可読媒体を読み取とった顧客の端末から、リンクに対するアクセスにより決済の要求を受け付け、決済の要求に基づいて、決済のための処理を行い、処理が完了した際に、販売業者装置と端末とに決済の完了を通知する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、セキュリティ性は一定程度保ちつつ、配送された商品の代引き決済を容易に導入させることができる決済装置、プログラム、および情報処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態に係る代引き決済システムのシステム構成例を説明するための図である。
図2】第1実施形態に係る決済システムの概要を説明するための図である。
図3】第1実施形態に係る決済装置の機能構成の一例を示す図である。
図4】第1実施形態に係る決済装置の動作例を示す図である。
図5】第1実施形態に係る決済装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図6】第2実施形態に係る決済システムの概要を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0013】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態(以下、「本実施形態」という)について説明する。
【0014】
本実施形態において、「部」や「手段」、「装置」、「システム」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」や「手段」、「装置」、「システム」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」や「手段」、「装置」、「システム」が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されても、2つ以上の「部」や「手段」、「装置」、「システム」の機能が1つの物理的手段や装置により実現されてもよい。
【0015】
<1.システム構成>
図1を参照して、本実施形態に係る代引き決済システム1のシステム構成の例を説明する。本実施形態では、ECサイトで顧客が商品を注文し、注文を受けた商品を販売する販売業者が顧客に当該商品を配送する例を説明するが、本発明をこれに限る趣旨ではない。本発明は、顧客に配送された商品を代引き決済する諸々のサービスにおいて適用可能である。
【0016】
代引き決済システム1は、顧客と顧客に商品を販売する販売業者との間の商取引の決済を行うためのシステムである。決済事業者が、代引き決済システム1を利用して、顧客と販売業者とに、顧客に配送する商品の代引き決済のサービス(以下、単に「決済サービス」ともいう)を提供する。
【0017】
図1に示すように、代引き決済システム1は、決済事業者が使用する決済装置100と、顧客が使用する顧客端末200と、販売業者が使用する販売業者装置300と、商品を配送する配送者が使用する配送者端末400と、を含む。
【0018】
決済装置100と顧客端末200と販売業者装置300と配送者端末400とは、ネットワークNを介して互いに接続されている。
【0019】
ネットワークNは、無線ネットワークや有線ネットワークにより構成される。ネットワークの一例としては、携帯電話網や、PHS(Personal Handy-phone System)網、無線LAN(Local Area Network)、3G(3rd Generation)、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)、WiMax(登録商標)、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)、有線LAN、電話線、電灯線ネットワーク、IEEE1394などに準拠したネットワークがある。
【0020】
決済装置100は、顧客端末200と、販売業者装置300と、配送者端末400との通信が可能な情報処理装置である。決済装置100は、所定のプログラムを実行することにより、顧客端末200および販売業者装置300と連携して、販売業者から顧客への商品販売により生じた代金の支払いの決済(以下、単に「決済」または「商取引の決済」ともいう)をするための処理を制御するサーバ機能を実現する。
【0021】
決済装置100は、例えば、Webサーバとして、顧客や販売業者に対して決済サービスを提供するためのWebサイト(以下、「決済Webサイト」ともいう)を提供してよい。決済装置100は、顧客端末200または販売業者装置300において決済WebサイトのURLを指定することにより、アクセス可能とすることができる。
【0022】
顧客端末200は、例えば、スマートフォンやラップトップなどの端末装置であり、顧客からの決済の要求の受け付けや、決済装置100や販売業者装置300との通信を行うことが可能である。顧客端末200は、所定のプログラムを実行することにより、決済装置100や販売業者装置300と連携して商品の決済に関する情報を送受信したり、商品の決済に関する画面を表示したり、顧客の要求を受け付けたりする。
【0023】
顧客端末200は、例えば、後述の可読媒体を読み取るための読取部(不図示)を備えてもよい。読取部は、例えば、非接触または接触式で可読媒体に含まれる情報を読み取る装置である。読取部は、例えば、RFIDリーダーやNFCリーダー、バーコードリーダー、二次元コードリーダーなどである。
【0024】
顧客端末200には、例えば、所定のプログラムとして、顧客向けの代引き決済システム1専用のアプリケーションプログラム(以下、「顧客用アプリ」という)がインストールされてもよい。顧客用アプリは、例えば、決済装置100と連携し、顧客が指定した決済方法で商取引の決済を行うための機能を実現する決済アプリであってもよい。
【0025】
販売業者装置300は、決済装置100と、顧客端末200と、配送者端末400との通信が可能な情報処理装置である。販売業者装置300は、所定のプログラムを実行することにより、顧客へのECサイトの提供、ECサイトを介して顧客への商品販売するための処理を制御するサーバ機能を実現する。なお、本実施形態では、説明を簡単にするために販売業者装置300がECサイトを提供するECサーバを兼ねる例を説明するが、本発明をこれに限る趣旨ではない。例えば、ECサイトがモール型のECサイトであれば、販売業者とは別にこのECサイトを運営する者がいて、このECサイトを運営する者が、販売業者装置300とは別にECサーバを設けてもよい。
【0026】
配送者端末400は、例えば、スマートフォンやラップトップなどの端末装置であり、配送者からの読み取りの要求の受け付けや、決済装置100や販売業者装置300との通信を行うことが可能である。
【0027】
<2.概要>
図2を参照して、代引き決済システム1の概要を説明する。本例では、顧客と顧客に商品を販売する販売業者との間の商取引として、販売業者は顧客に商品を販売し、顧客は販売業者にその代金を支払う例を説明するが、本発明をこれに限る趣旨ではない。
【0028】
(1)まず、顧客は顧客端末200を用いてECサイトで商品を注文する。(2)ECサイトで上記(1)の注文を受注すると、販売業者装置300は、決済装置100に連携し、当該注文に関する注文情報を登録する。決済装置100は、販売業者装置300から、注文情報の登録を受け付ける。
【0029】
「注文情報」とは、販売業者が顧客に対して販売する商品の注文に関する情報である。注文情報は、例えば、各注文を識別するための注文識別情報、販売業者を識別するための販売業者識別情報、注文情報を登録した日時を示す登録日時、商品を注文する顧客に関する顧客情報、商品を注文する顧客の顧客端末に関する端末情報、注文された商品の決済に関する商品決済情報、または注文された商品の配送情報などを含む。顧客情報などのこれらの情報の詳細は、後述する。
【0030】
(3)決済装置100は、上記(2)で登録された注文情報に基づいて、リンク情報を生成する。
【0031】
「リンク情報」とは、商取引の決済を要求するためのリンクを示す情報である。このリンクは、例えば、決済装置100が提供する決済用のサイト(以下、「決済サイト」ともいう)にアクセスするためのディープリンクであってもよく、具体的には、決済サイトのURLとURLパラメータであってもよい。決済サイトは、例えば、QRコード(登録商標)決済用のサイトであってもよいし、決済のための処理に関して顧客が指定入力するための決済Webサイトであってもよい。また、このリンクは、顧客用アプリにアクセスするためのディープリンクであってもよい。
【0032】
(4)決済装置100は、リンク情報を、販売業者装置300に提供する。(5)販売業者装置300は、上記(4)で提供されたリンク情報を可読媒体に書き込む。可読媒体は、例えば、リンク情報などの特定の情報を含む媒体である。可読媒体は、例えば、一次元コード(バーコード)もしくは二次元コード(QRコード)、RFID(Radio Frequency IDentifier)タグ(NFC(Near Field Communication)タグを含む)などであってもよい。
【0033】
(6)販売業者は、上記(5)で書き込んだリンク情報を含む可読媒体を商品に付させる。販売業者は、例えば、リンク情報を含むQRコードを紙媒体に印刷して、印刷した紙媒体を商品の梱包に貼り付けてもよい。また、他の例として、販売業者は、リンク情報を含むNFCタグを商品の梱包に貼り付けてもよい。
【0034】
(7)販売業者は、可読媒体を付させた商品の配送を配送業者に商品の配送を委託する。(8)商品を顧客(配送先)まで配送する配送業者の配送者は、顧客まで商品を配送する。
【0035】
(9)顧客は、配送された商品に付された可読媒体に含まれるリンク情報を顧客端末200で読み取る。(10)顧客端末200は、可読媒体からリンク情報を読み取ると、リンク情報のリンクに対するアクセスにより、決済装置100にこの商取引の決済を要求する。決済装置100は、この決済の要求を受け付ける。また、顧客端末200は、リンク情報のリンクに対するアクセスにより、決済装置100にこの商取引のキャンセルを要求することもできる。決済装置100は、このキャンセルの要求(以下、単に「キャンセルの要求」ともいう)を受け付ける。
【0036】
(11)決済装置100は、上記(9)で受け付けた決済の要求に基づいて、商取引の決済のための処理を行う。(12)決済装置100は、上記(11)の処理が完了した際に、顧客端末200と、販売業者装置300と、配送者端末400とに、決済の完了を通知する。
【0037】
(13)顧客と配送者とは上記(12)で通知された決済の完了を確認して、配送者から顧客へ商品を引き渡す。
【0038】
上記構成によれば、代引き決済システム1は、販売業者により付された可読媒体のリンクに対する顧客端末200からのアクセスにより決済の要求またはキャンセルの要求ができる。このため、上記構成によれば、代引き決済システム1は、リンクの完全性やリンクの提供者(販売業者)の真正性を一定程度確保した上で、顧客に、決済の要求またはキャンセルの要求をさせることができる。さらに、上記構成によれば、代引き決済システム1は、配送者に特に決済端末を用意させることなく、決済のための処理を行うことができる。したがって、上記構成によれば、代引き決済システム1は、セキュリティ性は一定程度保ちつつ、配送された商品の代引き決済を容易に導入させることができる。
【0039】
上記構成によれば、代引き決済システム1は、注文された商品を顧客の元に配達した際に決済をすることができるため、注文した商品が届かないのではという不安を払拭し、顧客に安心感を与えることができる。
【0040】
<3.機能構成>
図3を参照して、本実施形態に係る決済装置100の機能構成を説明する。図3に示すように、決済装置100は、制御部110と、記憶部130と、通信部140と、を備える。
【0041】
制御部110は、提供部112と、受付部113と、決済処理部114と、通知部115と、を備える。また、制御部110は、例えば、生成部111、第1照合部116、第2照合部117、判定部118、精算合意取得部119、または精算部120を備えてもよい。
【0042】
生成部111は、後述の受付部113が登録を受け付けた注文情報に基づいて、リンク情報を生成する。注文情報は、例えば、注文識別情報、販売業者識別情報、登録日時、顧客情報、端末情報、商品決済情報、または配送情報などを含んでもよい。他の例として、顧客情報や端末情報などは、注文情報には含めずに予め後述の記憶部130などに個別に登録しておいて、注文情報を登録する際に顧客識別情報などをキーにして関連付けてもよい。
【0043】
リンク情報は、例えば、決済のための処理を行うために、URLパラメータなどに顧客情報や商品決済情報を含んでもよい。また、リンク情報は、例えば、一次元または二次元コードの偽造防止用のコードを含んでもよい。なお、リンク情報は、静的な情報(例えば、固定のURLなど)のみであれば、注文情報に基づいて動的に生成部111により生成されなくてもよい。
【0044】
「商品決済情報」とは、商取引の決済に関する情報である。商品決済情報は、例えば、決済対象との商取引を識別するための取引番号、ECサイトで注文した商品の商品名、商品を識別するための商品識別情報、決済金額、顧客が指定した決済方法などを含む。
【0045】
「配送情報」とは、注文した商品の配送に関する情報である。配送情報は、例えば、配送業者を識別するための配送業者識別情報、配達予定日時、配送先の住所、配送時の取り扱いに関する取扱い情報、配達時の配送者の作業タスクを示すタスク情報などを含む。この「作業タスク」とは、例えば、決済の完了通知を確認してから配送した商品を顧客に引き渡すなどの配送作業におけるタスクである。
【0046】
提供部112は、リンク情報を、販売業者装置300に提供する。提供部112がリンク情報を提供する態様はどのような態様でもよい。提供部112は、例えば、リンク情報を含むデータファイルやメッセージを、販売業者装置300からのリンク情報の要求を受け付けた際や注文情報の登録の際にイベントドリブンで販売業者装置300に送信してもよい。提供部112は、他の例として、決済Webサイトでリンク情報を販売業者装置300に参照させてもよい。
【0047】
受付部113は、顧客に配送される商品に販売業者により付された可読媒体を読み取とった顧客端末200から、リンク情報のリンクに対するアクセスにより、商取引の決済の要求を受け付ける。また、受付部113は、例えば、リンク情報のリンクに対するアクセスにより、商取引のキャンセルの要求を受け付けてもよい。受付部113は、受け付けた商取引のキャンセルの要求を、販売業者装置300に転送する。
【0048】
顧客端末200や販売業者装置300から上記の決済の要求やキャンセルの要求(以下、「決済の要求など」ともいう)を含む各種情報を受付部113が受け付ける態様は、どのような態様でもよい。受付部113は、例えば、顧客端末200から決済WebサイトのWebページにアクセスさせてこのWebページ経由で受け付けてもよいし、顧客用アプリ経由で受け付けてもよい。また、受付部113は、例えば、顧客端末200や販売業者装置300から各種情報を含むデータファイルやメッセージ受信して受け付けてもよい。
【0049】
受付部113は、例えば、顧客端末200から、商取引の決済の要求などと併せて、要求元の端末に関する要求端末情報を受け付けてもよい。ここで「要求端末情報」とは、商取引の決済やキャンセルの要求の要求元の端末に関する端末情報である。
【0050】
受付部113は、例えば、顧客端末200から、商取引の決済の要求などと併せて、位置情報を受け付けてもよい。ここで「位置情報」とは、要求元の端末の位置を示す情報である。
【0051】
受付部113は、例えば、顧客端末200と販売業者装置300とから、通知部115により通知した誤配送の判定に対して、商取引の決済のための処理を行うか否かの指示を受け付けてもよい。
【0052】
受付部113は、例えば、顧客端末200から、顧客情報や端末情報の登録を受け付けてもよい。
【0053】
「顧客情報」とは、顧客に関する情報である。顧客情報は、例えば、顧客を識別するための顧客識別情報、顧客の氏名、顧客の住所、顧客の連絡先(電話番号やメールアドレスなど)、各決済方法における認証情報(ID・パスワードや端末情報など)などを含む。
【0054】
顧客情報は、例えば、顧客が使用可能な決済方法による決済のための顧客決済情報を含んでもよい。顧客決済情報は、例えば、使用可能な決済方法が銀行決済であれば銀行口座に関する情報(例えば、口座種別、口座番号、名義など)、使用可能な決済方法がクレジット決済であればクレジットカードに関する情報(例えば、クレジットカード番号、名義、有効期限、セキュリティコードなど)、各決済方法における本人確認のための認証情報(例えば、トークン、生体的特徴に関する生体情報(例えば、指紋、眼球の虹彩、声紋、顔画像など))、各決済方法の認証に必要な各アカウントのID・パスワード情報などを含んでもよい。
【0055】
「端末情報」とは、顧客が使用する端末(顧客端末200)に関する情報である。端末情報は、例えば、端末を使用する顧客の顧客識別情報、または端末のMACアドレス、IPアドレス、型番、端末が携帯端末であればIMEI(International Mobile Equipment Identity)番号もしくは製造番号などを含む。
【0056】
受付部113は、例えば、販売業者装置300から、注文情報の登録を受け付けてもよい。また、受付部113は、例えば、販売業者装置300または配送業者が使用する情報処理装置(不図示)(以下、「配送業者装置」ともいう)から、後述の精算合意情報の登録を受け付けてもよい。
【0057】
決済処理部114は、受付部113が受け付けた商取引の決済の要求に基づいて、当該決済のための処理を行う。決済処理部114は、例えば、店舗提示型(MPM(Merchant-Presented-Mode))のQRコードを用いるコード決済(以下、単に「コード決済」ともいう)、NFCを利用したモバイル決済などの決済方法を用いて決済のための処理を行ってもよい。また、決済処理部114は、他の例として、予め登録された顧客情報や商品決済情報または顧客決済情報などにさらに基づいて、クレジットカード決済やデビットカード決済などのカード決済、カードレス払い決済、電子マネー決済、または銀行振込決済などの決済方法を用いて決済のための処理を行ってもよい。決済処理部114は、例えば、これらの決済方法のうち顧客が指定した決済方法に応じて決済のための処理を行ってもよい。
【0058】
決済処理部114は、例えば、後述の第1照合部116による照合の結果にさらに基づいて、商取引の決済のための処理を行ってもよい。決済処理部114は、例えば、第1照合部116による照合の結果、要求元の端末と顧客端末200とは一致すると判定した場合、商取引の決済のための処理を行ってもよい。
【0059】
上記構成によれば、決済処理部114は、決済の要求の要求元の端末の真正性を確認してから商取引の決済のための処理を行うことができる。このため、上記構成によれば、決済処理部114は、セキュリティ性を一定程度保ちつつ、決済のための処理を行うことができる。
【0060】
決済処理部114は、例えば、後述の第2照合部117による照合の結果にさらに基づいて、商取引の決済のための処理を行ってもよい。決済処理部114は、例えば、第2照合部117による照合の結果、要求元の端末が配送先付近にあると判定した場合、商取引の決済のための処理を行ってもよい。
【0061】
上記構成によれば、決済処理部114は、決済の要求の要求元の端末の真正性を確認してから商取引の決済のための処理を行うことができる。このため、上記構成によれば、決済処理部114は、セキュリティ性を一定程度保ちつつ、決済のための処理を行うことができる。
【0062】
決済処理部114は、例えば、判定部により誤配送と判定された場合、商取引の決済のための処理を行う指示を受付部113が受け付けてから、商取引の決済のための処理を行ってもよい。
【0063】
通知部115は、決済処理部114の決済のための処理が完了した際に、顧客端末200と販売業者装置300とに、この決済の完了を通知する。通知部115が、顧客端末200や販売業者装置300などに、決済の完了を含む各種情報を通知する態様は、どのような態様でもよい。通知部115は、例えば、顧客端末200に、上記決済の完了をプッシュ通知する通知情報を送信し、当該通知情報を顧客端末200の表示部にアラートメッセージとして表示させてもよい。通知部115は、例えば、顧客端末200に、決済WebサイトのWebページに上記決済の完了の旨を出力させて通知してもよい。また、通知部115は、例えば、顧客のメールアドレス宛に上記決済の完了の旨を通知するメールを送信してもよいし、顧客のSNSアカウント宛に上記決済の完了の旨を通知するメッセージを通知してもよい。
【0064】
上記構成によれば、通知部115は、可読媒体のリンクにアクセスすることで要求された決済が完了したことを顧客端末200に通知することができる。このため、上記構成によれば、通知部115は、配送者から顧客に商品を引き渡す際に、決済が完了した旨を、顧客端末200で顧客や配送者に確認させることができる。したがって、上記構成によれば、注文された商品を顧客に間違いなく届けて決済するという商取引の安全性は一定程度保ちつつ、配送された商品の代引き決済による引き渡しを容易に行うことができる。
【0065】
通知部115は、例えば、決済処理部114の決済のための処理が完了した際に、さらに、配送者端末400にこの決済の完了を通知してもよい。
【0066】
上記構成によれば、通知部115は、可読媒体のリンクにアクセスすることで要求された決済が完了したことを配送者端末400にも通知することができる。このため、上記構成によれば、通知部115は、配送者から顧客に商品を引き渡す際に、決済が完了した旨を、配送者に自分の端末(配送者端末400)で確認させることができる。したがって、上記構成によれば、商取引の安全性は一定程度保ちつつ、配送された商品の代引き決済による引き渡しを容易に行うことができる。
【0067】
通知部115は、例えば、後述の判定部118により誤配送と判定された場合、顧客端末200と販売業者装置300とに、誤配送の判定を通知してもよい。
【0068】
第1照合部116は、顧客端末情報を記憶する第1記憶部を参照して、要求端末情報と顧客端末情報とを照合する。ここでいう「第1記憶部」は、本実施形態では、後述の第1記憶部131とする例を説明するが、本発明をこれに限る趣旨ではない。第1記憶部は、外部装置が備える記憶部であってもよい。また、ここで「顧客端末情報」とは、第1記憶部に予め登録された顧客端末200の端末情報である。
【0069】
第1照合部116は、例えば、要求端末情報に含まれるIPアドレスと顧客端末情報に含まれるIPアドレスとを照合する。第1照合部116は、この照合によりそれぞれのIPアドレスが一致する場合、要求元の端末は顧客端末200である(または、その可能性が高い)と判定する。
【0070】
第2照合部117は、住所情報を記憶する第2記憶部を参照して、位置情報と住所情報とを照合する。ここでいう「第2記憶部」は、本実施形態では、後述の第2記憶部132とする例を説明するが、本発明をこれに限る趣旨ではない。第2記憶部は、外部装置が備える記憶部であってもよい。また、ここで「住所情報」とは、予め登録された商品配送の配送先の住所を示す情報である。
【0071】
第2照合部117は、例えば、位置情報が示す顧客端末200の位置が、住所情報が示す配送先の住所の所定範囲内であるか否かを照合する。第2照合部117は、この照合により顧客端末200の位置が配送先の住所の所定範囲内である場合、要求元の端末が配送先付近にあると判定する。
【0072】
判定部118は、第1照合部116または第2照合部117による照合の結果に基づいて、商品の配送が誤配送か否かを判定する。
【0073】
判定部118は、例えば、第1照合部116による照合の結果「要求元の端末は顧客端末200である」と判定された場合、商品の配送が誤配送ではないと判定してもよい。逆に、判定部118は、例えば、第1照合部116による照合の結果「要求元の端末は顧客端末200ではない」と判定された場合、商品の配送が誤配送ではあると判定してもよい。
【0074】
精算合意取得部119は、販売業者装置300または配送業者装置から、精算合意情報を取得する。ここで「精算合意情報」とは、商品の配送の配送費用の精算に対する販売業者と当該配送の配送業者の合意とを示す情報である。
【0075】
精算部120は、決済処理部114の決済のための処理が完了した際に、精算合意情報に基づいて、商品の配送の配送費用の精算のための処理を行う。精算部120は、例えば、予め登録された精算方法(例えば、配送費用の金額や配送費用の支払いの決済方法など)によりこの精算のための処理を行ってもよい。
【0076】
記憶部130は、顧客情報、端末情報、注文情報、商品決済情報、顧客決済情報または配送情報などを記憶してもよい。記憶部130は、例えば、これらの情報を相互に関連付けて記憶してもよい。記憶部130は、データベースマネジメントシステム(DBMS)を利用して各情報を記憶してもよいし、ファイルシステムを利用して各情報を記憶してもよい。DBMSを利用する場合は、上記情報ごとにテーブルを設けて、このテーブル間を関連付けて各情報を管理してもよい。記憶部130は、例えば、第1記憶部131と第2記憶部132とを備えてもよい。第1記憶部131は、顧客端末情報を記憶する。第2記憶部132は、住所情報を記憶する。
【0077】
通信部140は、ネットワークNを介して、顧客端末200と販売業者装置300と配送者端末400とに各種情報を送受信する。
【0078】
<4.動作例>
図4を参照して、決済装置100の動作例を説明する。なお、以下に示す処理の順番は一例であって、適宜、変更されてもよい。
【0079】
図4(a)は、販売業者装置300から注文情報の登録を受け付けた際の処理の流れの一例を示すフロー図である。図4(a)に示すように、決済装置100の生成部111は、注文情報に基づいて、リンク情報を生成する(S10)。提供部112は、リンク情報を、販売業者装置300に提供する(S11)。
【0080】
図4(b)は、配送者が顧客の元に商品を配送して、配送された商品に付された可読媒体を顧客端末200が読み取った際の処理の流れの一例を示すフロー図である。図4(b)に示すように、決済装置100の受付部113は、顧客に配送される商品に販売業者により付された可読媒体を読み取とった顧客端末200から、可読媒体に含まれるリンク情報のリンクに対するアクセスにより決済の要求を受け付ける(S20)。決済処理部114は、受付部113が受け付けた決済の要求に基づいて、決済のための処理を行う(S21)。通知部115は、決済のための処理が完了した際に、顧客端末200と販売業者装置300とに決済の完了を通知する。
【0081】
<5.ハードウェア構成>
図5を参照して、上述してきた決済装置100をコンピュータ800により実現する場合のハードウェア構成の一例を説明する。なお、それぞれの装置の機能は、複数台の装置に分けて実現することもできる。
【0082】
図5に示すように、コンピュータ800は、プロセッサ801と、メモリ803と、記憶装置805と、入力I/F部807と、データI/F部809と、通信I/F部811、及び表示装置813を含む。
【0083】
プロセッサ801は、メモリ803に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ800における様々な処理を制御する。例えば、決済装置100の制御部110が備える各機能部などは、メモリ803に一時記憶されたプログラムを、プロセッサ801が実行することにより実現可能である。
【0084】
メモリ803は、例えばRAM(Random Access Memory)などの記憶媒体である。メモリ803は、プロセッサ801によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0085】
記憶装置805は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体である。記憶装置805は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。この他、記憶装置805は、顧客情報や注文情報などの各種情報を登録するテーブルと、当該テーブルを管理するDBを記憶することも可能である。このようなプログラムやデータは、必要に応じてメモリ803にロードされることにより、プロセッサ801から参照される。
【0086】
入力I/F部807は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F部807の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサ、ウェアラブル・デバイスなどが挙げられる。入力I/F部807は、例えばUSB(Universal Serial Bus)などのインタフェースを介してコンピュータ800に接続されても良い。
【0087】
データI/F部809は、コンピュータ800の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F部809の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置などがある。データI/F部809は、コンピュータ800の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F部809は、例えばUSBなどのインタフェースを介してコンピュータ800へと接続される。
【0088】
通信I/F部811は、コンピュータ800の外部の装置と有線または無線により、インターネットNを介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F部811は、コンピュータ800の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F部811は、例えばUSBなどのインタフェースを介してコンピュータ800に接続される。
【0089】
表示装置813は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示装置813の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイなどが挙げられる。表示装置813は、コンピュータ800の外部に設けられても良い。その場合、表示装置813は、例えばディスプレイケーブルなどを介してコンピュータ800に接続される。また、入力I/F部807としてタッチパネルが採用される場合には、表示装置813は、入力I/F部807と一体化して構成することが可能である。
【0090】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態(以下、「本実施形態」という)について説明する。第1実施形態は、顧客端末200が可読媒体を読み取って決済装置100に商取引の決済の要求などをする形態だが、本実施形態は、顧客端末200の代わりに配送者端末400が可読媒体を読み取って決済装置100に商取引の決済の要求などをする形態である。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0091】
<1.システム構成>
配送者端末400は、例えば、可読媒体を読み取るための読取部(不図示)を備えてもよい。この読取部は、例えば、第1実施形態で説明した顧客端末200が備える読取部と同様に、非接触または接触式で可読媒体に含まれる情報を読み取る装置である。
【0092】
<2.概要>
図6を参照して、本実施形態に係わる代引き決済システム1の概要を説明する。第1実施形態に係わる代引き決済システム1の概要と(1)~(8)は共通するため説明を割愛し、(9)以降について説明する。
【0093】
図6に示すように、(9)配送者は、配送された商品に付された可読媒体に含まれるリンク情報を配送者端末400で読み取る。また、配送者は、併せて、予め記憶部130に顧客決済情報が登録されていない場合など、顧客端末200または顧客が保有するクレジットカードなどから、接触式または非接触式で顧客決済情報などを配送者端末400で読み取ってもよい。
【0094】
(10)配送者端末400は、可読媒体からリンク情報を読み取ると、リンク情報のリンクに対するアクセスにより、決済装置100にこの商取引の決済を要求する。決済装置100は、この決済の要求を受け付ける。また、配送者端末400は、リンク情報のリンクに対するアクセスにより、決済装置100にこの商取引のキャンセルを要求することもできる。決済装置100は、このキャンセルの要求を受け付ける。
【0095】
(11)決済装置100は、上記(9)で受け付けた決済の要求に基づいて、商取引の決済のための処理を行う。(12)決済装置100は、上記(11)の処理が完了した際に、顧客端末200と、販売業者装置300と、配送者端末400とに、決済の完了を通知する。(13)顧客と配送者とは上記(12)で通知された決済の完了を確認して、配送者から顧客へ商品を引き渡す。
【0096】
上記構成によれば、代引き決済システム1は、顧客が可読媒体のリンクにアクセスできる端末を保有していない場合や顧客端末200が使えない場合など、代わりに配送者端末400を使用させて決済の要求を受け付けることができる。また、端末装置が標準的に備える読取部があれば、配送者端末400でも決済の要求を行うことができるため、上記構成によれば、セキュリティ性は一定程度保ちつつ、配送された商品の代引き決済を容易に導入させることができる。
【0097】
<3.機能構成>
本実施形態に係る決済装置100aの機能構成の一例を説明する。決済装置100aの制御部110は、決済装置100の制御部110の生成部111、提供部112と、受付部113と、決済処理部114、通知部115、第1照合部116、第2照合部117、判定部118、精算合意取得部119、または精算部120とを共通して備える。決済装置100aの制御部110は、これらの機能部に加えて決算合意取得部(不図示)を備える。
【0098】
受付部113は、例えば、顧客端末200に代わって商品に付された可読媒体を読み取った、商品を配送した配送者端末400から、リンクに対するアクセスにより決済の要求を受け付けてもよい。
【0099】
受付部113は、例えば、配送者端末400から、商取引の決済の要求と併せて、要求元の端末に関する要求端末情報を受け付けてもよい。
【0100】
受付部113は、例えば、顧客端末200から、後述の決済合意情報の登録を受け付けてもよい。
【0101】
決済合意取得部は、顧客端末200または記憶部130から、決済合意情報を取得する。ここで「決済合意情報」とは、受付部113が受け付けた配送者端末400から要求された決済に対する顧客の合意を示す情報である。
【0102】
決済処理部114は、例えば、決済合意取得部が取得した決済合意情報にさらに基づいて、商取引の決済のための処理を行ってもよい。
【0103】
上記構成によれば、決済処理部114は、顧客が可読媒体のリンクにアクセスできる端末を保有していない場合や顧客端末200が使えない場合など、代わりに配送者端末400を使用して代引き決済することができる。
【0104】
決済処理部114は、例えば、第1照合部116による配送者端末に関する照合の結果にさらに基づいて、商取引の決済のための処理を行ってもよい。
【0105】
上記構成によれば、決済処理部114は、決済の要求の要求元の端末の真正性を確認してから商取引の決済のための処理を行うことができる。このため、上記構成によれば、決済処理部114は、セキュリティ性を一定程度保ちつつ、決済のための処理を行うことができる。
【0106】
第1照合部116は、例えば、配送者端末情報を記憶する第1記憶部を参照して、要求端末情報と配送者端末情報とを照合してもよい。ここで「配送者端末情報」とは、第1記憶部に予め登録された配送者端末400の端末情報である。
【0107】
決済装置100aは、決済装置100の記憶部130を共通して備える。決済装置100aは、決済装置100の通信部140を共通して備える。
【0108】
なお、上記実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。さらに、当業者であれば、以下に述べる各要素を均などなものに置換した実施の形態を採用することが可能であり、かかる実施の形態も本発明の範囲に含まれる。
【0109】
また、上記実施形態で記載された決済装置が備える構成要素は、記憶装置805に格納されたプログラムがプロセッサ801によって実行されることで、定められた処理が他のハードウェアと協働して実現されるものとする。また、言い換えれば、これらの構成要素は、ソフトウェアまたはファームウェアとしても、それと対応するハードウェアとしても想定され、その双方の概念において、「機能」、「手段」、「部」、「処理回路」、「ユニット」、または「モジュール」などとも記載され、またそれぞれに読み替えることができる。
【0110】
[変形例]
なお、本発明を上記実施形態に基づいて説明してきたが、以下のような場合も本発明に含まれる。
【0111】
[変形例1]
上記実施形態に係る決済装置100が備える各構成の少なくとも一部は、顧客端末200または販売業者装置300が備えていてもよい。顧客端末200は、例えば、インストールする顧客用アプリを実行することでこれらの構成を実現させてもよい。
【0112】
[変形例2]
上記実施形態では、決済事業者が提供したリンク情報を販売業者が可読媒体に書き込む例を説明したが、本発明をこれに限る趣旨ではない。本発明に係る代引き決済システムでは、決済事業者が可読媒体にリンク情報を書き込んで、可読媒体ごと販売業者に提供してもよい。
【0113】
[変形例3]
上記実施形態では、顧客と配送者とが通知された決済の完了を確認して、配送者から顧客へ商品を引き渡す例を説明したが、本発明をこれに限る趣旨ではない。本発明に係る代引き決済システムでは、他の例として、販売業者が許容する場合、顧客の指定した玄関先や宅配ボックスに商品を置いて配達を完了とする、いわゆる置き配によって商品を引き渡してもよい。この場合、商取引の決済に関しては、その後顧客が宅配ボックスなどから商品を受け取った際に、事後的に顧客が顧客端末200から決済の要求またはキャンセルの要求をすればよい。また、現物を見てから購入を決めたいと考えるニーズに応える目的で、顧客による商品の開封または使用後に商取引の決済をすることを販売業者が許容する場合には、配送業者から顧客が商品を受取った後、販売業者が定める期間内に、顧客が顧客端末200から決済の要求またはキャンセルの要求をすればよい。
【0114】
上記のように事後的に決済のための処理を行うにあたって、配達完了日時から所定期間内に受付部113が決済の要求を受け付けなかった場合、通知部115は、商取引の決済が未完了である旨とリンク情報を顧客端末200に通知してもよい。この「配達完了日時」に関しては、例えば、配送者端末400または配送業者装置から、商品の配達が完了した際に、受付部113がその通知を受け付けてもよい。
【0115】
上記構成によれば、通知部115は、上記のように事後的に決済する場合において、万が一顧客が可読媒体を読み取って決済の要求をし忘れたり可読媒体を紛失したりしても、決済の要求を顧客にさせるようにサポートすることができる。
【0116】
[変形例4]
上記実施形態では示していないが、配達予定日時から所定期間を超えて受付部113が決済の要求を受け付けた場合に、決済のための処理をする前に、この決済の要求に問題がないか販売業者に確認するプロセスを加えてもよい。
【0117】
具体的には、まず、通知部115は、配達予定日時から所定期間を超えて、または配達予定日時より所定期間前に受付部113が決済の要求を受け付けた場合、販売業者装置300に、この旨を通知する。つぎに、受付部113は、販売業者装置300から、通知した所定期間を超えたまたは所定期間前の決済の要求に対して、決済のための処理を行うか否かの指示を受け付ける。そして、決済処理部114は、この決済のための処理を行う指示を受付部113が受け付けてから、決済のための処理を行う。
【0118】
上記構成によれば、例えば配達予定日から数日後に決済の要求を受け付けた場合や配達予定日よりも数日前に決済の要求を受け付けた場合など、不審な決済の要求に対して問題がないか販売業者に確認することができる。このため、上記構成によれば、より安全に代引き決済を行うことができる。
【符号の説明】
【0119】
1…決済システム、100…決済装置、110…制御部、111…生成部、112…提供部、113…受付部、114…決済処理部、115…通知部、116…第1照合部、117…第2照合部、118…判定部、119…精算合意取得部、120…精算部、130…記憶部、140…通信部、200…顧客端末、300…販売業者装置、400…配送者端末、800…コンピュータ、801…プロセッサ、803…メモリ、805…記憶装置、807…入力I/F部、809…データI/F部、811…通信I/F部、813…表示装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6