(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-09
(45)【発行日】2023-06-19
(54)【発明の名称】歯間クリーナー
(51)【国際特許分類】
A61C 15/02 20060101AFI20230612BHJP
【FI】
A61C15/02 502
(21)【出願番号】P 2020521534
(86)(22)【出願日】2018-10-24
(86)【国際出願番号】 EP2018000485
(87)【国際公開番号】W WO2019096434
(87)【国際公開日】2019-05-23
【審査請求日】2021-09-29
(31)【優先権主張番号】102017010561.8
(32)【優先日】2017-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】518375339
【氏名又は名称】サンスター スイス エス.アー.
(74)【代理人】
【識別番号】110003317
【氏名又は名称】弁理士法人山口・竹本知的財産事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【氏名又は名称】山本 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100169627
【氏名又は名称】竹本 美奈
(72)【発明者】
【氏名】ブッツ,ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】ペッチュ,ゲルハルト
【審査官】松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-000775(JP,A)
【文献】特開2016-087362(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-0825474(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 15/00-15/04
A46B 3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック製の棒状担体(11)、前記担体(11)に結合された把持部(12)、及び、前記担体(11)上に配置されたスリーブ状の被覆(14)を有するクリーニング部(13)を備えた歯間クリーナー(10)であって、
前記被覆(14)が放射状に外側に突出した複数のクリーニング要素(15)を支持しており、
前記被覆(14)が複数の被覆部(16、17)から構成され、
第1被覆部(16)は第1の軟質弾性プラスチックから成り、第2被覆部(17)は第2の軟質弾性プラスチック又は熱可塑性プラスチックから成り、
前記第1被覆部(16)のプラスチック材料は前記第2被覆部(17)のプラスチック材料とは異なり、
前記第1被覆部(16)と前記第2被覆部(17)との間に溝(18)が形成されていることを特徴とする歯間クリーナー。
【請求項2】
前記第1被覆部(16)のプラスチック材料と前記第2被覆部(17)のプラスチック材料が異なる
ショア硬さを有することを特徴とする請求項1に記載の歯間クリーナー。
【請求項3】
前記第1被覆部(16)のプラスチック材料のショア硬さが前記第2被覆部(17)のプラスチック材料のショア硬さよりも低いことを特徴とする請求項1又は2に記載の歯間クリーナー。
【請求項4】
前記溝(18)が添加剤で充填されていることを特徴とする請求項
1~3のいずれか1項に記載の歯間クリーナー。
【請求項5】
前記溝(18)の幅が、0.05mmから1.0mmの範囲であることを特徴とする請求項
1~4のいずれか1項に記載の歯間クリーナー。
【請求項6】
前記第1被覆部(16)が前記担体(11)の前端領域に配置され、前記第2被覆部(17)が前記第1被覆部(16)に対して相対的に前記把持部(12)の方向に軸方向にずれて前記担体(11)上に配置されていることを特徴とする請求項1~
5のいずれか1項に記載の歯間クリーナー。
【請求項7】
前記第1被覆部(16)及び前記第2被覆部(17)がそれぞれ部分シェル又はハーフシェルとして形成されていることを特徴とする請求項1~
5のいずれか1項に記載の歯間クリーナー。
【請求項8】
前記第1被覆部(16)が前記担体(11)の前方セクションの軸方向長さの一方の縦方向面を覆い、
前記第2被覆部(17)が前記担体(11)の前方セクションの軸方向長さの、直径方向で反対側の縦方向面を覆うことを特徴とする請求項
7に記載の歯間クリーナー。
【請求項9】
前記第1被覆部(16)が前記担体(11)の前端領域において前記担体(11)の一方の縦方向面を、さらに、前記前端領域に対して前記把持部の方向に軸方向にずれた領域において前記担体(11)の直径方向で反対側の縦方向面を覆い、
前記第2被覆部(17)がそれぞれ、前記担体(11)に対して直径方向で反対側の両縦方向面を覆うことを特徴とする請求項1~
8のいずれか1項に記載の歯間クリーナー。
【請求項10】
前記第1被覆部(16)及び前記第2被覆部(17)がそれぞれ前記担体(
11)の周りを周回する螺旋として形成されていることを特徴とする請求項1~
5のいずれか1項に記載の歯間クリーナー。
【請求項11】
前記両方の前記被覆部(16、17)が、前記螺旋の半ピッチ分だけずれて組み合わされていることを特徴とする請求項
10に記載の歯間クリーナー。
【請求項12】
前記クリーニング部(13)が、前記担体(11)の軸方向において相前後して存在する複数のクリーニングセクション(13a、13b、13c)を有することを特徴とする請求項1~
11のいずれか1項に記載の歯間クリーナー。
【請求項13】
第1のクリーニングセクション(13a)が前記第1被覆部(16)で形成され、
第2のクリーニングセクション(13b)が前記第1被覆部(16)と前記第2被覆部(17)とで形成され、
第3のクリーニングセクション(13c)が前記第2被覆部(17)で形成されている請求項
12に記載の歯間クリーナー。
【請求項14】
前記第2のクリーニングセクション(13b)が、前記第1被覆部(16)及び前記第2被覆部(17)の両方の、前記担体(11)の周りを周回する螺旋として形成されたそれぞれの部分によって形成されており、
前記両方の被覆部(16、17)の両方の螺旋領域は螺旋の半ピッチだけずらして組み合わされていることを特徴とする請求項
13に記載の歯間クリーナー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック製の棒状担体、この担体に結合された把持部、及び、この担体上に配置されたスリーブ状被覆を有するクリーニング部を備えた歯間クリーナーに関するものであり、この被覆は放射状に外側に突出した複数のクリーニング要素を支えている。
【背景技術】
【0002】
上記構造の歯間クリーナーは形状安定性プラスチック製の棒状担体を有し、この担体の一端に、例えば板状の把持部が設けられている。この把持部は担体に、一体的に成形することも、後から取り付けることもできる。
【0003】
この棒状担体の、把持部から反対側の前端領域の表面には、軟質弾性プラスチック、例えば熱可塑性エラストマー、で作られたスリーブ状の被覆が配置され、特に塗布されている。この被覆は放射状に外側に向けて突出した複数のクリーニング要素を支えており、これらのクリーニング要素は、一体的に成形され放射状に外側に突出した指状突起、及び/又は、前もって作られ埋め込まれたモノフィラメント剛毛とすることができる。
【0004】
本明細書において、「軸方向」という用語は棒状担体及び歯間クリーナーの縦軸を指し、「放射状」という用語は棒状担体の縦軸に対して垂直な方向を指す。把持部は担体の後端にあり、クリーニング部および被覆は担体の前端に配置されている。
【0005】
歯間をクリーニングするために、使用者は歯間クリーナーの把持部を握り、これとは反対側の前端、すなわち、被覆を有するクリーニング部を歯間に挿入し、前方のクリーニング部が歯間をクリーニングする。この場合、被覆の材料は異なる諸要件を満たさなければならない。この被覆材料は、一方では、歯間クリーナーが誤って又は不正確に歯間に挿入された場合に、歯肉の損傷又は怪我を防ぐために、十分に軟らかくなければならない。この理由から、この被覆はできるだけ軟らかく形成する必要がある。
【0006】
他方、この被覆は歯間に固着した汚れも確実に除去する必要がある。そのためには、この被覆を比較的硬くする必要がある。被覆をこれらの異なる要件に適合させ、同時に、歯肉の損傷を避けながら良好なクリーニング効果を確保することは困難であることが判った。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、歯肉の損傷を回避することができるとともに歯間の良好なクリーニングを達成することができる、上述したタイプの歯間クリーナーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は請求項1の特徴を有する歯間クリーナーによって達成される。この場合、上記の被覆は、異なる材料でできた複数の被覆部から構成されている。第1被覆部は第1の軟質弾性プラスチックから成り、第2被覆部は第2の軟質弾性プラスチック又は熱可塑性プラスチックから成る。第1被覆部のプラスチック材料は、第2被覆部のプラスチック材料とは異なる。異なるプラスチック材料でできた複数の被覆部が存在するので、これらの材料を意図した用途に適合させることが可能である。例えば、担体の前端領域に、すなわち、歯間に挿入される歯間クリーナーの前端部には、非常に柔らかいプラスチック材料、特に熱可塑性エラストマー又はシリコーンを配設するように構成することができる。このようにして、歯間クリーナーが誤って歯間に挿入された場合に歯肉への損傷のリスクを低減することができる。
【0009】
好ましくは、担体の前端から軸方向に距離を有する他の領域においては、いくぶん硬いプラスチック材料が使用され、これにより、歯間クリーナーが歯間に適切に挿入された後で、歯間から粗い固着した汚れをとることが保証される。
【0010】
可能な一実施形態では、第1被覆部の材料と第2被覆部の材料の両方が軟質弾性プラスチックであり、特に熱可塑性エラストマー又はシリコーンであるように、構成することができる。好適には、第1被覆部のプラスチック材料と第2被覆部のプラスチック材料が異なるショア硬さを有するように構成されており、この場合、第1被覆部のプラスチック材料のショア硬さが第2被覆部のプラスチック材料のものよりも小さいと好適である。
【0011】
第2被覆部が熱可塑性プラスチックでできている場合、突出したクリーニング要素、特に一体成形された指状突起の軟らかさと可撓性は、材料の特性によるよりも指状突起の形により決まる。これらの指状突起が比較的細く、すなわち、直径が0.02mmから0.2mmの範囲、特に0.07mmから0.15mmの範囲で作られ、例えば直径が0.1mmであることが好ましい。第2被覆部の指状突起が細線状の形状を有していることにより、非常に多くのクリーニング要素ないし指状突起を配置することが可能であり、これらのクリーニング要素又は指状突起を第1被覆部に比べてはるかに濃密度に配置することができる。
【0012】
上述の担体が第1被覆部及び第2被覆部の軟質弾性プラスチックとは異なるプラスチックからなることが好ましい。このように、この歯間クリーナーは少なくとも3つのプラスチックコンポーネントからなり、これらは、好ましくは、1つの多成分射出成形法において、次々と射出成形される。代案として、第1段階で担体を形成し、次の第2段階で、第1被覆部と第2被覆部を形成するために複数のプラスチック材料を同時に射出成形することが可能である。
【0013】
第1被覆部と第2被覆部は互いに直接突き合わせることができるが、本発明の好ましい実施形態においては、第1被覆部と第2被覆部との間に少なくともセクションとして1つの溝が形成されている。この溝に添加剤、例えば、色素、フレーバー又は薬剤、例えば消毒剤、を入れることができる。
【0014】
この1つ又は複数の溝は、放射状の外側の溝エッジがあるので、歯又は歯間のための付加的なクリーニング表面を形成することができる。これを達成するために、本発明のさらなる発展形態において、溝の、特にその放射状の外側の開口部の幅が、0.05mmから1.0mmの範囲、特に0.1mmから0.5mmの範囲であるように構成されている。
【0015】
この溝の深さは、好ましくは下方に担体まで達する、すなわち、担体の表面が溝の底を形成する。
【0016】
本発明の第1の可能な実施形態では、第1被覆部が担体の前端領域に配置され、第2被覆部が第1被覆部に対して相対的に把持部の方向に軸方向にずれて担体上に配置されている。この場合、第1被覆部はその前端、すなわち担体の前方尖端部、が閉じられたパイプ状スリーブとすることができる。第2被覆部は、担体上に配置され担体を取り囲むパイプ状スリーブとして形成することができる。第1被覆部と第2被覆部との間に形成された溝は、好適には、担体の全周にわたって延びている。
【0017】
本発明の更なる実施形態において、第1被覆部及び第2被覆部は、担体を完全に取り囲む1つのスリーブとして形成されているのではなく、単に、部分的なシェル又はハーフシェルとして、すなわちハーフパイプ又はハーフスリーブとして形成されている。この部分シェル又はハーフシェルは担体の周囲の一部のみを取り囲み、この場合、両方の被覆部が組む合わされて、必要に応じてその間に形成されている溝を除き、担体を完全に取り囲むことができる。
【0018】
本発明の好ましい実施形態において、第1被覆部は担体の前方セクションの軸方向長さの1つの縦方向面を覆い、他方、第2被覆部は担体の前方セクションの軸方向長さの、直径方向で反対側の縦方向面を覆うように構成することができる。このように、両方の被覆部が組み合わされて1つのスリーブ状被覆を形成する。
【0019】
上記の両方の被覆部の間に、担体の縦方向に延びる溝を形成することができる。この溝は直線状に又は蛇行線状にも延びることができる。
【0020】
本発明の可能な一実施形態では、上記溝が担体上に形成されたリブによって充填されるようにすることができ、その結果、歯間クリーナーにより大きな強度が与えられる。
【0021】
前述の例示的な実施形態では、第1被覆部は担体の前方セクションの軸方向長さの一方の縦方向面上に、例えば担体の前方セクションの右側面に密接し、他方、第2被覆部は、直径方向で反対側の縦方向面上に、例えば担体の左側面に密接している。この目的のために、これらの被覆部は、直線的なハーフシェル又は部分シェルとして形成することができる。
【0022】
本発明の代替の実施形態では、各被覆部が、縦軸を中心に互いに180°ずれて配置された2つの部分シェル又はハーフシェルからなるようにすることができる。この場合、第1被覆部は担体の前端領域において担体の一方の縦方向面を覆い、さらに、この前端領域に対して把持部の方向に軸方向にずれた領域において、直径方向で反対側の縦方向面を覆うようにすることができる。例えば、第1被覆部は担体の前端領域においてその右側縦方向面を覆うことができ、軸方向でこれに対して把持部の方へずれた担体のセクションにおいては、その左側縦方向面を覆うことができる。これに対応して、第2被覆部はそれぞれ、第1被覆部とは直径方向で反対側の担体の両縦方向面を覆うことができる。
【0023】
本発明のさらなる代替の実施形態では、第1被覆部及び第2被覆部がそれぞれ、担体の周りを周回する1つの螺旋として形成されているように構成することができる。この場合、両方の被覆部が螺旋の半ピッチだけずれて組み合わされるようにすることができる。このようにして、両方の螺旋は担体の1つのスリーブ状被覆を形成する。両方の螺旋は同じピッチをもっているので、一方の螺旋の間の空間は、完全にあるいは少なくとも大部分、他方の螺旋で満たされている。両方のコイルの間に軸方向の間隔があれば、螺旋状に周回する溝が形成され、これは前記の方法で添加剤で充填することができる。放射状の外側の溝エッジは、歯又は歯肉に対する付加的な接触面を形成し、その結果、クリーニング性能が増大する。
【0024】
本発明の更なる代替の実施形態では、クリーニング部が担体の軸方向における複数の、すなわち、互いに接している複数の、クリーニングセクションを有するように構成することができる。この場合、好適には、第1のクリーニングセクションは第1被覆部のみで形成され、第2のクリーニングセクションは第1被覆部と第2被覆部との組合せで形成され、第3のクリーニングセクションは第2被覆部のみで形成されている。この場合、第1被覆部は担体の前端領域を覆うスリーブ状のキャップ、及び、これに一体的に成形された、担体を周回する螺旋として形成された領域を備えることができる。第2被覆部はパイプ状スリーブ、及び、これに一体的に成形された、担体を周回する螺旋として形成されたセクションを有することができる。両方の螺旋は互いに半ピッチだけずらして組み合わされているので、両方の被覆部の両方の螺旋によって第2のクリーニングセクションが形成される。このようにして、異なるクリーニング効果を有する3つの連続したクリーニングセクションが担体に沿って形成されている。第1被覆部のみで形成される前方の第1のクリーニングセクションは比較的軟らかく構成されている。把持部の方向に続く第2のクリーニングセクションは、第1被覆部と第2被覆部の両方の螺旋の組合せであり、これに続く第3のクリーニングセクションは第2被覆部のみから成る。上記の複数のクリーニングセクションの間で、機能的観点において、軟らかさと剛性が段階的に移行している。
【0025】
本発明のさらなる詳細及び特徴は、図面を参照した各実施例に関する以下の記載から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の第1実施形態による歯間クリーナーの斜視図である。
【
図2】
図1による歯間クリーナーの構成要素の分解図である。
【
図3】本発明の第2の実施形態による歯間クリーナーの平面図である。
【
図5】
図4による歯間クリーナーの構成要素の分解図である。
【
図6】本発明の第3実施形態による歯間クリーナーの平面図である。
【
図8】
図7による歯間クリーナーの構成要素の分解図である。
【
図9】本発明の第4実施形態による歯間クリーナーの平面図である。
【
図10】
図9による歯間クリーナーの斜視図である。
【
図11】
図10による歯間クリーナーの構成要素の分解図である。
【
図12】本発明の第5実施形態による歯間クリーナーの平面図である。
【
図14】
図13による歯間クリーナーの構成要素の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は歯間クリーナー10の斜視図を示し、この歯間クリーナーは形状安定性プラスチック製の棒状担体11を有し、その後端に板状の把持部12が一体的に成形されている。
【0028】
把持部とは反対側の担体11の前端にクリーニング部13が取り付けられている。クリーニング部13はスリーブ状の被覆14を有しており、この被覆は2つの部分で構成されていて、前方の第1被覆部16と後方の第2被覆部17とから成る。第1被覆部16は前端が閉じられたスリーブとして形成されており、この第1被覆部の外側が、一体的に成形された指状の、放射状に突出した複数のクリーニング要素15を支えている。第1被覆部16は第1の軟質弾性プラスチック、例えば熱可塑性エラストマーからなる。
【0029】
第2被覆部17はパイプ状スリーブとして形成されており、第2の軟質弾性プラスチック、例えば熱可塑性エラストマーからなる。第2被覆部の外側は同様に、一体的に成形された指状の、放射状に外向きに突出した複数のクリーニング要素15を支えている。
【0030】
特に
図2に示すように、棒状担体11は、把持部12とクリーニング部13の間の中間セクションに、担体の縦方向に延びる2つの導管19を有しており、これらの導管は第2の軟質弾性プラスチックで充填されている。把持部12の両側には第2の軟質弾性プラスチック製の平坦支持体20が設けられており、この平坦支持体は、導管19内に配置される結合バー21を介して第2被覆部17と結合されている。このように、第2被覆部17、結合バー21及び平坦支持体20は、一体的なプラスチック部分として形成されている。
【0031】
前方の第1被覆部16と後方の第2被覆部17は、軸方向にずれて配置されており、その結果、両方の被覆部16と17との間に円周方向の溝18が形成されている。この溝18は、添加剤、例えばフレーバー又は薬剤で充填することができる。
【0032】
第1被覆部16の第1の軟質弾性プラスチックと第2被覆部17の第2の軟質弾性プラスチックは異なるショア硬さを有し、第1の軟質弾性プラスチックのショア硬さは第2の軟質弾性プラスチックよりも小さくすることができる。
【0033】
図3~5は歯間クリーナー10の代替実施形態を示しており、これは両方の被覆部分16及び17の形状及び配置についてのみ、前述の歯間クリーナー10の実施形態と異なる。特に
図5が示すように、第1被覆部16及び第2被覆部17はそれぞれ担体11の縦方向に延びる部分的なシェル又はハーフシェルとして、縦方向に分割されたハーフパイプ又はハーフスリーブの形で形成されている。
【0034】
第1被覆部16は担体11の前方セクションの軸方向長さの一方の縦方向面(
図4では左側縦方向面)を覆い、他方、第2被覆部は、直径方向で反対側の、
図4では、担体11の前方セクションの軸方向長さの右側縦方向面を覆う。両方の被覆部16と17が組み合わせられて、1つのスリーブ状の被覆14を形成し、この場合、両方の被覆部16、17の間に仕切り22が設けられており、この仕切りは担体11と一体に形成され、担体11に沿ってその前端部まで蛇行線状に延びている。
【0035】
図6~8は、
図3~5による構成の発展形態を示す。この場合、
図3~5とは異なり、第1被覆部16は担体11の前端領域において、
図7に示すように、担体11の左側縦方向面を、さらに、担体11の前端領域に対して把持部12の方向に軸方向にずれた領域において、直径方向で反対側の、
図7では担体11の右側縦方向面を覆うように設けられている。したがって、第1被覆部16は、部分シェル状の又はハーフシェル状の2つの部分からなり、これらの部分はブリッジ(架橋部)23を介して互いに結合されている。
【0036】
第2被覆部17はそれぞれ、直径方向で第1被覆部16に対して反対側の担体11の縦方向面を覆う。
図6~8によれば第2被覆部17は、担体11の前端領域において、
図7では右側縦方向面を覆う前方の1つのハーフシェル、及び、担体11の前端領域に対して把持部12の方向に軸方向にずれた領域において、
図7では担体11の左側縦方向面を覆うもう1つのハーフシェルを有する。第2被覆部17のこれらの両方の部分シェル状の又はハーフシェル状の部分もブリッジ23を介して互いに一体に結合されている。
【0037】
図9、10及び11は、この歯間クリーナー10の一実施例を示しており、ここでは、両方の被覆部16及び17は、軸方向において互いに前後に又は横並びには配置されておらず、互いに噛み合っている。この目的のために、第1被覆部16及び第2被覆部17はそれぞれ、担体11の周囲を周る1つの螺旋として形成されており(
図11参照)、これらの螺旋は同じピッチを有するが、軸方向に半ピッチだけずれて担体11上に配置されており、これらが組み合わされて被覆部14が構成されている。このようにして、2つの同一の螺旋が形成され、これらが組み合わせられていわゆる二条ねじを形成する。この両方の螺旋の間に担体の周りを螺旋状に周回する溝18を設けることができる。
【0038】
図12~14に示される実施例では、クリーニング部13が担体11の軸方向に相前後して位置するクリーニングセクション13a、13b及び13cを有している。第1被覆部16は前方のスリーブ状セクションを有し、これに続いて把持部12の方向に螺旋状のセクションがある。第2被覆部17はパイプ状スリーブセクションを有し、これに続いて担体11の前端の方向に螺旋状のセクションがある。両被覆部16及び17を担体上に固定すると(
図12参照)、第1被覆部16の前方のスリーブ状セクションが前方クリーニングセクション13aを形成する。第2被覆部17の後方のスリーブセクションは後方クリーニングセクション13cを形成する。中間クリーニングセクション13bは、第1被覆部16と第2被覆部17の両方の螺旋セクションを組み合わせて形成され、この場合、被覆部16、17の両方の螺旋領域は、上述のように、螺旋の半ピッチだけずらして組み合わされている。