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特許7293220アレルギーの処置のための組成物および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-09
(45)【発行日】2023-06-19
(54)【発明の名称】アレルギーの処置のための組成物および方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/742 20150101AFI20230612BHJP
   A61K 35/741 20150101ALI20230612BHJP
   A61K 35/74 20150101ALI20230612BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20230612BHJP
   A23L 33/135 20160101ALI20230612BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230612BHJP
   C12N 15/31 20060101ALN20230612BHJP
   A61K 39/08 20060101ALN20230612BHJP
   A61K 39/02 20060101ALN20230612BHJP
   C12N 1/20 20060101ALN20230612BHJP
   A61K 45/00 20060101ALN20230612BHJP
【FI】
A61K35/742
A61K35/741
A61K35/74 A
A61P37/08
A23L33/135
A61P43/00 121
C12N15/31 ZNA
A61K39/08
A61K39/02
C12N1/20 A
A61K45/00
【請求項の数】 38
(21)【出願番号】P 2020526142
(86)(22)【出願日】2018-11-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-28
(86)【国際出願番号】 US2018060187
(87)【国際公開番号】W WO2019094837
(87)【国際公開日】2019-05-16
【審査請求日】2021-11-08
(31)【優先権主張番号】62/637,355
(32)【優先日】2018-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/721,786
(32)【優先日】2018-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/583,777
(32)【優先日】2017-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518444875
【氏名又は名称】ヴェダンタ バイオサイエンシーズ インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】VEDANTA BIOSCIENCES, INC.
【住所又は居所原語表記】19 Blackstone Street, Cambridge, MA 02139, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】ザバディ,ローズ,エル.
(72)【発明者】
【氏名】オレ,ベルナー
(72)【発明者】
【氏名】ロバーツ,ブルース
【審査官】六笠 紀子
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-500792(JP,A)
【文献】国際公開第2015/095241(WO,A2)
【文献】国際公開第2017/079450(WO,A1)
【文献】特許第7168558(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 35/00-35/768
A23L 5/40-5/49
A23L 31/00-31/15
A23L 33/00-33/29
C12N 1/00-7/08
C12N 15/00-15/90
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食物アレルギーに関連する免疫応答を低減または抑制する、食物アレルギーに対する免疫寛容または減感作を誘導する、または食物アレルギーを処置するための組成物であって、
(i)配列番号1の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むClostridium bolteaeの精製された細菌株
(ii)配列番号2の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むAnaerotruncus colihominisの精製された細菌株
(iii)配列番号3の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むDrancourtella massiliensisの精製された細菌株
(iv)配列番号4の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むClostridium symbiosumの精製された細菌株
(v)配列番号5の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むBlautia productaの精製された細菌株
(vi)配列番号6の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むDorea longicatenaの精製された細菌株
(vii)配列番号7の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むClostridium innocuumの精製された細菌株、および
(viii)配列番号8の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むFlavonifractor plautiiの精製された細菌株を含む、
前記組成物。
【請求項2】
(i)配列番号1の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むClostridium bolteaeの精製された細菌株、
(ii)配列番号2の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むAnaerotruncus colihominisの精製された細菌株、
(iii)配列番号3の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むDrancourtella massiliensisの精製された細菌株、
(iv)配列番号4の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むClostridium symbiosumの精製された細菌株、
(v)配列番号5の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むBlautia productaの精製された細菌株、
(vi)配列番号6の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むDorea longicatenaの精製された細菌株、
(vii)配列番号7の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むClostridium innocuumの精製された細菌株、および
(viii)配列番号8の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むFlavonifractor plautiiの精製された細菌株からなる、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
食物アレルギーに関連する免疫応答を低減または抑制する、食物アレルギーに対する免疫寛容または減感作を誘導する、または食物アレルギーを処置するための組成物であって、
(i)配列番号1の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むClostridium bolteaeの精製された細菌株、
(ii)配列番号2の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むAnaerotruncus colihominisの精製された細菌株、
(iii)配列番号3の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むDrancourtella massiliensisの精製された細菌株、
(iv)配列番号4の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むClostridium symbiosumの精製された細菌株、
(v)配列番号5の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むBlautia productaの精製された細菌株、
(vi)配列番号7の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むClostridium innocuumの精製された細菌株、および
(vii)配列番号8の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むFlavonifractor plautiiの精製された細菌株を含む、
前記組成物。
【請求項4】
(i)配列番号1の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むClostridium bolteaeの精製された細菌株、
(ii)配列番号2の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むAnaerotruncus colihominisの精製された細菌株、
(iii)配列番号3の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むDrancourtella massiliensisの精製された細菌株、
(iv)配列番号4の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むClostridium symbiosumの精製された細菌株、
(v)配列番号5の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むBlautia productaの精製された細菌株、
(vi)配列番号7の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むClostridium innocuumの精製された細菌株、および
(vii)配列番号8の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むFlavonifractor plautiiの精製された細菌株からなる、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
食物アレルギーに関連する免疫応答を低減または抑制する、食物アレルギーに対する免疫寛容または減感作を誘導する、または食物アレルギーを処置するための組成物であって、
(i)配列番号1の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むClostridium bolteaeの精製された細菌株、
(ii)配列番号2の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むAnaerotruncus colihominisの精製された細菌株、
(iii)配列番号3の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むDrancourtella massiliensisの精製された細菌株、
(iv)配列番号4の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むClostridium symbiosumの精製された細菌株、
(v)配列番号5の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むBlautia productaの精製された細菌株、
(vi)配列番号6の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むDorea longicatenaの精製された細菌株、および
(vii)配列番号8の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むFlavonifractor plautiiの精製された細菌株を含む、
前記組成物。
【請求項6】
(i)配列番号1の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むClostridium bolteaeの精製された細菌株、
(ii)配列番号2の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むAnaerotruncus colihominisの精製された細菌株、
(iii)配列番号3の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むDrancourtella massiliensisの精製された細菌株、
(iv)配列番号4の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むClostridium symbiosumの精製された細菌株、
(v)配列番号5の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むBlautia productaの精製された細菌株、
(vi)配列番号6の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むDorea longicatenaの精製された細菌株、および
(vii)配列番号8の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むFlavonifractor plautiiの精製された細菌株からなる、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
IgE抗体の産生の抑制、制御性T細胞の増殖および/または蓄積の誘導、Th2免疫応答の抑制、食物アレルギーに関連する免疫応答の抑制、および/または、食物アレルギーに対する免疫寛容または減感作をもたらす、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
細菌株が、凍結乾燥または噴霧乾燥されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
細菌株の1以上が、芽胞形態にある、および/または、細菌株の1以上が、栄養形態にある、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
細菌株の各々が、芽胞形態にある、または、細菌株の各々が、栄養形態にある、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
経口的に投与される、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
経口送達、直腸送達、腸への送達、および/または結腸への送達のために処方されている、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
カプセルの形態である、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
食物アレルギーが、ナッツアレルギー、魚アレルギー、小麦アレルギー、ミルクアレルギー、落花生アレルギー、木の実アレルギー、甲殻類アレルギー、大豆アレルギー、種子アレルギー、ゴマ種子アレルギー、およびタマゴアレルギーからなる群から選択される、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
ヒトに投与される、請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
1以上のアジュバントをさらに含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
アジュバントが、アレルギー処置または免疫寛容に関連する、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
1以上の腸溶性ポリマーをさらに含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
細菌株が、2以上のヒトドナー由来である、請求項1~18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
抗生物質の投与後に投与される、請求項1~19のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
抗生物質が、バンコマイシンである、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
5日間1日当たり125mgのバンコマイシンの4用量で投与される、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
(i)配列番号1の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むClostridium bolteaeの精製された細菌株
(ii)配列番号2の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むAnaerotruncus colihominisの精製された細菌株
(iii)配列番号3の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むDrancourtella massiliensisの精製された細菌株
(iv)配列番号4の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むClostridium symbiosumの精製された細菌株
(v)配列番号5の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むBlautia producta、
(vi)配列番号7の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むClostridium innocuumの精製された細菌株、および
(vii)配列番号8の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むFlavonifractor plautiiの精製された細菌株を含み、およびここで、配列番号6の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むDorea longicatenaの精製された細菌株を含まない、組成物。
【請求項24】
(i)配列番号1の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むClostridium bolteaeの精製された細菌株、
(ii)配列番号2の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むAnaerotruncus colihominisの精製された細菌株、
(iii)配列番号3の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むDrancourtella massiliensisの精製された細菌株、
(iv)配列番号4の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むClostridium symbiosumの精製された細菌株、
(v)配列番号5の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むBlautia productaの精製された細菌株、
(vi)配列番号7の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むClostridium innocuumの精製された細菌株、および
(vii)配列番号8の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むFlavonifractor plautiiの精製された細菌株からなる、請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
(i)配列番号1の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むClostridium bolteaeの精製された細菌株、
(ii)配列番号2の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むAnaerotruncus colihominisの精製された細菌株、
(iii)配列番号3の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むDrancourtella massiliensisの精製された細菌株、
(iv)配列番号4の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むClostridium symbiosumの精製された細菌株、
(v)配列番号5の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むBlautia productaの精製された細菌株、
(vi)配列番号6の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むDorea longicatenaの精製された細菌株、および
(vii)配列番号8の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むFlavonifractor plautiiの精製された細菌株を含み、およびここで、配列番号7の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むClostridium innocuumの精製された細菌株を含まない、組成物。
【請求項26】
(i)配列番号1の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むClostridium bolteaeの精製された細菌株、
(ii)配列番号2の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むAnaerotruncus colihominisの精製された細菌株、
(iii)配列番号3の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むDrancourtella massiliensisの精製された細菌株、
(iv)配列番号4の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むClostridium symbiosumの精製された細菌株、
(v)配列番号5の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むBlautia productaの精製された細菌株、
(vi)配列番号6の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むDorea longicatenaの精製された細菌株、および
(vii)配列番号8の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含むFlavonifractor plautiiの精製された細菌株からなる、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
制御性T細胞の増殖および/または蓄積を誘導する、IgE抗体産生を抑制する、および/または、Th2免疫応答を抑制する、請求項23~26のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項28】
1以上のアジュバントをさらに含む、請求項23~27のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項29】
アジュバントが、アレルギー処置または免疫寛容に関連する、請求項28に記載の組成物。
【請求項30】
細菌株が、凍結乾燥または噴霧乾燥されている、請求項23~29のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項31】
細菌株の1以上が、芽胞形態にある、および/または、細菌株の1以上が、栄養形態にある、請求項23~30のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項32】
細菌株の各々が、芽胞形態にある、または、細菌株の各々が、栄養形態にある、請求項23~31のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項33】
カプセルの形態である、請求項23~32のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項34】
1以上の腸溶性ポリマーをさらに含む、請求項23~33のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項35】
細菌株が、2以上のヒトドナー由来である、請求項23~34のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項36】
請求項23~35のいずれか一項に記載の組成物、および、薬学的に許容し得る賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項37】
経口送達、直腸送達、腸への送達、および/または結腸への送達のために処方されている、請求項36に記載の医薬組成物。
【請求項38】
請求項23~35のいずれか一項に記載の組成物および栄養素を含む、食品製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2017年11月9日に出願された米国仮出願番号62/583,777;2018年3月1日に出願された米国仮出願番号62/637,355;および2018年8月23日に出願された米国仮出願番号62/721,786の35 U.S.C. § 119(e)の下での利益を主張する。これらの参照の出願の各々の内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本明細書に提供されるのは、食物アレルギーなどのアレルギーの処置のための組成物および方法である。また本明細書に提供されるのは、アレルギーに関連する免疫応答を調節する、および/または食物アレルギーなどのアレルギーに対する免疫寛容または減感作を誘導するための組成物および方法である。
【背景技術】
【0003】
本発明の背景
世界保健機関のアレルギーについての統計に従うと、アレルギーの発生率は、先進国において過去50年にわたり上昇しており、および世界中の学齢児童のほぼ40~50%が少なくとも1の一般的なアレルゲンに対して感受性がある。例として、Pawankar R, et al. The WAO White Book on Allergy (Update 2013)を参照されたい。アレルギーは、幼年時代の間に発生する可能性があるのだが、アレルギーはまた、一生を通じて発症または発生し得る。
アレルゲンへの暴露の際のアレルギー反応の重症度は、軽症から、ときには致死的な反応まで広く範囲をとり得る。したがって、アレルギーおよびアレルギー反応を処置するための改善された治療法が所望される。
【発明の概要】
【0004】
本発明の概要
本開示の側面は、本明細書に記載の組成物のいずれかを投与することを含む、アレルギーを処置する方法を提供する。また提供されるものは、本明細書に記載の組成物のいずれかを投与することを含む、アレルギーに関連する免疫応答を調節する方法である。また提供されるものは、本明細書に記載の組成物のいずれかを投与することを含む、anに対する免疫寛容または減感作を誘導する方法である。また提供されるものは、抗生物質を投与すること、および本明細書に記載の組成物のいずれかを投与することを含む、アレルギーに関連する免疫応答を調節する方法である。また提供されるものは、抗生物質を投与すること、および本明細書に記載の組成物のいずれかを投与することを含む、anに対する免疫寛容または減感作を誘導する方法である。
【0005】
本開示の側面は、Clostridium bolteae、Anaerotruncus colihominis、Sellimonas intestinales、Clostridium symbiosum、Blautia producta、Dorea longicatena、Erysipelotrichaceae bacterium、およびSubdolinogranulum spp.からなる群から選択される種の2以上の精製された細菌株を含む組成物の治療的に有効な量を、それを必要とする対象へ投与することを含む、食物アレルギーを処置する方法を提供する。本開示の側面は、抗生物質をそれを必要とする対象へ投与すること、およびClostridium bolteae、Anaerotruncus colihominis、Sellimonas intestinales、Clostridium symbiosum、Blautia producta、Dorea longicatena、Erysipelotrichaceae bacterium、およびSubdolinogranulum spp.からなる群から選択される種の2以上の精製された細菌株を含む組成物の治療的に有効な量を、該対象へ投与することを含む、食物アレルギーを処置する方法を提供する。いくつかの態様において、組成物は、精製された細菌株Clostridium bolteae、Anaerotruncus colihominis、Sellimonas intestinales、Clostridium symbiosum、Blautia producta、Erysipelotrichaceae bacterium、およびSubdolinogranulum spp.からなる。いくつかの態様において、組成物は、精製された細菌株Clostridium bolteae、Anaerotruncus colihominis、Sellimonas intestinales、Clostridium symbiosum、Blautia producta、Dorea longicatena、およびSubdolinogranulum spp.からなる。
【0006】
本開示の側面は、Clostridium indolis、Anaerostipes caccae、Lachnospiraceae bacterium、およびClostridium symbiosumからなる群から選択される種の2以上の精製された細菌株を含む組成物の治療的に有効な量をそれを必要とする対象へ投与することを含む、食物アレルギーを処置する方法を提供する。いくつかの態様において、組成物は、精製された細菌株Clostridium indolis、Anaerostipes caccae、Lachnospiraceae bacterium、およびClostridium symbiosumからなる。
本開示の側面は、Clostridium hathewayi、Clostridium bolteae、Sellimonas intestinalis、およびClostridium種からなる群から選択される種の2以上の精製された細菌株を含む組成物の治療的に有効な量を、それを必要とする対象へ投与することを含む、食物アレルギーを処置する方法を提供する。いくつかの態様において、組成物は、精製された細菌株Clostridium hathewayi、Clostridium bolteae、Sellimonas intestinalis、およびClostridium種からなる。
【0007】
本開示の側面は、配列番号1~8から選択される核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む2以上の精製された細菌株を含む組成物の治療的に有効な量を、それを必要とする対象へ投与することを含む、食物アレルギーを処置する方法を提供する。本開示の側面は、抗生物質をそれを必要とする対象へ投与すること、および配列番号1~8から選択される核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む2以上の精製された細菌株を含む組成物の治療的に有効な量を該対象へ投与することを含む、食物アレルギーを処置する方法を提供する。いくつかの態様において、組成物は、配列番号1~5、7、および8として記載される核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む精製された細菌株からなる。いくつかの態様において、組成物は、配列番号1~6および8として記載される核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む精製された細菌株からなる。
【0008】
本開示の側面は、配列番号10、配列番号11;配列番号13;および配列番号4から選択される核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む2以上の精製された細菌株を含む組成物の治療的に有効な量を、それを必要とする対象へ投与することを含む、食物アレルギーを処置する方法を提供する。いくつかの態様において、組成物は、配列番号10、配列番号11;配列番号13;および配列番号4として記載される核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む精製された細菌株からなる。
【0009】
本開示の側面は、配列番号9、配列番号1;配列番号3;および配列番号12から選択される核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む2以上の精製された細菌株を含む組成物の治療的に有効な量を、それを必要とする対象へ投与することを含む、食物アレルギーを処置する方法を提供する。いくつかの態様において、組成物は、配列番号9、配列番号1;配列番号3;および配列番号12として記載される核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む精製された細菌株からなる。
【0010】
いくつかの態様において、方法は、IgE抗体の産生の抑制をもたらす。いくつかの態様において、方法は、Th2免疫応答の抑制をもたらす。いくつかの態様において、方法は、食物アレルギーに関連する免疫応答の抑制をもたらす。
いくつかの態様において、細菌株は、凍結乾燥されている。いくつかの態様において、細菌株の1以上は、芽胞形態にある。いくつかの態様において、細菌株の各々は、芽胞形態にある。いくつかの態様において、菌株の1以上は、栄養形態にある。いくつかの態様において、細菌株の各々は、栄養形態にある。
【0011】
いくつかの態様において、投与は、経口投与である。いくつかの態様において、組成物は、経口送達のために処方されている。いくつかの態様において、組成物は、直腸送達のために処方されている。いくつかの態様において、組成物は、腸への送達のために処方されている。いくつかの態様において、組成物は、結腸への送達のために処方されている。
いくつかの態様において、食物アレルギーは、ナッツアレルギー、魚アレルギー、小麦アレルギー、ミルクアレルギー、落花生アレルギー、木の実アレルギー、甲殻類アレルギー、大豆アレルギー、種子アレルギー、ゴマ種子アレルギー、およびタマゴアレルギーからなる群から選択される。いくつかの態様において、対象は、ヒトである。
【0012】
いくつかの態様において、組成物は、1以上のアジュバントをさらに含む。いくつかの態様において、アジュバントは、アレルギー処置または免疫寛容に関連する。
本開示の側面は、Clostridium bolteae、Anaerotruncus colihominis、Sellimonas intestinales、Clostridium symbiosum、Blautia producta、Dorea longicatena、Erysipelotrichaceae bacterium、およびSubdolinogranulum spp.からなる群から選択される種の2以上の精製された細菌株を含む組成物の治療的に有効な量を、それを必要とする対象へ投与することを含む、食物アレルギーに関連する免疫応答を調節する方法を提供する。いくつかの態様において、組成物は、精製された細菌株Clostridium bolteae、Anaerotruncus colihominis、Sellimonas intestinales、Clostridium symbiosum、Blautia producta、Erysipelotrichaceae bacterium、およびSubdolinogranulum spp.からなる。いくつかの態様において、組成物は、精製された細菌株Clostridium bolteae、Anaerotruncus colihominis、Sellimonas intestinales、Clostridium symbiosum、Blautia producta、Dorea longicatena、およびSubdolinogranulum spp.からなる。
【0013】
本開示の側面は、配列番号1~8から選択される核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む2以上の精製された細菌株を含む組成物の治療的に有効な量をそれを必要とする対象へ投与することを含む、食物アレルギーに関連する免疫応答を調節する方法を提供する。いくつかの態様において、組成物は、配列番号1~5、7、および8として記載される核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む精製された細菌株からなる。いくつかの態様において、組成物は、配列番号1~6および8として記載される核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む精製された細菌株からなる。
【0014】
本開示の側面は、配列番号10、配列番号11;配列番号13;および配列番号4から選択される核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む2以上の精製された細菌株を含む組成物の治療的に有効な量を、それを必要とする対象へ投与することを含む、食物アレルギーに関連する免疫応答を調節する方法を提供する。いくつかの態様において、組成物は、配列番号10、配列番号11;配列番号13;および配列番号4として記載される核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む精製された細菌株からなる。
【0015】
本開示の側面は、配列番号9、配列番号1;配列番号3;および配列番号12から選択される核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む2以上の精製された細菌株を含む組成物の治療的に有効な量を、それを必要とする対象へ投与することを含む、食物アレルギーに関連する免疫応答を調節する方法を提供する。いくつかの態様において、組成物は、配列番号9、配列番号1;配列番号3;および配列番号12として記載される核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む精製された細菌株からなる。
【0016】
いくつかの態様において、方法は、制御性T細胞の増殖および/または蓄積の誘導をもたらす。いくつかの態様において、方法は、IgE抗体の産生の抑制をもたらす。いくつかの態様において、方法は、Th2免疫応答の抑制をもたらす。
いくつかの態様において、細菌株は、凍結乾燥されている。いくつかの態様において、細菌株は、噴霧乾燥されている。いくつかの態様において、細菌株の1以上は、芽胞形態にある。いくつかの態様において、細菌株の各々は、芽胞形態にある。いくつかの態様において、細菌株の1以上は、栄養形態にある。いくつかの態様において、細菌株の各々は、栄養形態にある。
【0017】
いくつかの態様において、投与は、経口投与である。いくつかの態様において、組成物は、経口送達のために処方されている。いくつかの態様において、組成物は、直腸送達のために処方されている。いくつかの態様において、組成物は、腸への送達のために処方されている。いくつかの態様において、組成物は、結腸への送達のために処方されている。
いくつかの態様において、食物アレルギーは、ナッツアレルギー、魚アレルギー、小麦アレルギー、ミルクアレルギー、落花生アレルギー、木の実アレルギー、甲殻類アレルギー、大豆アレルギー、種子アレルギー、ゴマ種子アレルギー、およびタマゴアレルギーからなる群から選択される。いくつかの態様において、対象は、ヒトである。
いくつかの態様において、組成物は、1以上のアジュバントをさらに含む。いくつかの態様において、アジュバントは、アレルギー処置または免疫寛容に関連する。
【0018】
本開示の側面は、Clostridium bolteae、Anaerotruncus colihominis、Sellimonas intestinales、Clostridium symbiosum、Blautia producta、Dorea longicatena、Erysipelotrichaceae bacterium、およびSubdolinogranulum spp.からなる群から選択される種の2以上の精製された細菌株を含む組成物の治療的に有効な量を、それを必要とする対象へ投与することを含む、食物アレルギーに対する免疫寛容または減感作を誘導する方法を提供する。いくつかの態様において、組成物は、精製された細菌株Clostridium bolteae、Anaerotruncus colihominis、Sellimonas intestinales、Clostridium symbiosum、Blautia producta、Erysipelotrichaceae bacterium、およびSubdolinogranulum spp.からなる。いくつかの態様において、組成物は、精製された細菌株Clostridium bolteae、Anaerotruncus colihominis、Ruminococcus torques、Clostridium symbiosum、Blautia producta、Dorea longicatena、およびSubdolinogranulum spp.からなる。
【0019】
本開示の側面は、Clostridium indolis、Anaerostipes caccae、Lachnospiraceae bacterium、およびClostridium symbiosumからなる群から選択される種の2以上の精製された細菌株を含む組成物の治療的に有効な量を、それを必要とする対象へ投与することを含む、食物アレルギーに対する免疫寛容または減感作を誘導する方法を提供する。いくつかの態様において、組成物は、精製された細菌株Clostridium indolis、Anaerostipes caccae、Lachnospiraceae bacterium、およびClostridium symbiosumからなる。
本開示の側面は、Clostridium hathewayi、Clostridium bolteae、Sellimonas intestinalis、およびClostridium種からなる群から選択される種の2以上の精製された細菌株を含む組成物の治療的に有効な量をそれを必要とする対象へ投与することを含む、食物アレルギーに対する免疫寛容または減感作を誘導する方法を提供する。いくつかの態様において、組成物は、精製された細菌株Clostridium hathewayi、Clostridium bolteae、Sellimonas intestinalisおよびClostridium種からなる。
【0020】
本開示の側面は、配列番号1~8から選択される核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む2以上の精製された細菌株を含む組成物の治療的に有効な量を、それを必要とする対象へ投与することを含む、食物アレルギーに対する免疫寛容または減感作を誘導する方法を提供する。いくつかの態様において、組成物は、配列番号1~5、7、および8として記載される核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む精製された細菌株からなる。いくつかの態様において、組成物は、配列番号1~6および8として記載される核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む精製された細菌株からなる。
【0021】
本開示の側面は、配列番号10、配列番号11;配列番号13;および配列番号4から選択される核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む2以上の精製された細菌株を含む組成物の治療的に有効な量を、それを必要とする対象へ投与することを含む、食物アレルギーに対する免疫寛容または減感作を誘導する方法を提供する。いくつかの態様において、組成物は、配列番号10、配列番号11;配列番号13;および配列番号4として記載される核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む精製された細菌株からなる。
【0022】
本開示の側面は、配列番号9、配列番号1;配列番号3;および配列番号12から選択される核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む2以上の精製された細菌株を含む組成物の治療的に有効な量を、それを必要とする対象へ投与することを含む、食物アレルギーに対する免疫寛容または減感作を誘導する方法を提供する。いくつかの態様において、組成物は、配列番号9、配列番号1;配列番号3;および配列番号12として記載される核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む精製された細菌株からなる。
いくつかの態様において、方法は、制御性T細胞の増殖および/または蓄積の誘導をもたらす。いくつかの態様において、方法は、IgE抗体の産生の抑制をもたらす。いくつかの態様において、方法は、Th2免疫応答の抑制をもたらす。
【0023】
いくつかの態様において、細菌株は、凍結乾燥されている。いくつかの態様において、細菌株は、噴霧乾燥されている。いくつかの態様において、細菌株の1以上は、芽胞形態にある。いくつかの態様において、細菌株の各々は、芽胞形態にある。いくつかの態様において、細菌株の1以上は、栄養形態にある。いくつかの態様において、細菌株の各々は、栄養形態にある。
いくつかの態様において、投与は、経口投与である。いくつかの態様において、組成物は、経口送達のために処方されている。いくつかの態様において、組成物は、直腸送達のために処方されている。いくつかの態様において、組成物は、腸への送達のために処方されている。いくつかの態様において、組成物は、結腸への送達のために処方されている。
【0024】
いくつかの態様において、食物アレルギーは、ナッツアレルギー、魚アレルギー、小麦アレルギー、ミルクアレルギー、落花生アレルギー、木の実アレルギー、甲殻類アレルギー、大豆アレルギー、種子アレルギー、ゴマ種子アレルギー、およびタマゴアレルギーからなる群から選択される。いくつかの態様において、対象は、ヒトである。
いくつかの態様において、組成物は、1以上のアジュバントをさらに含む。いくつかの態様において、アジュバントは、アレルギー処置または免疫寛容に関連する。
【0025】
本開示の側面はまた、Clostridium bolteae、Anaerotruncus colihominis、Sellimonas intestinales、Clostridium symbiosum、Blautia producta、Erysipelotrichaceae bacterium、およびSubdolinogranulum spp.からなる群から選択される種の3以上の精製された細菌株を含む組成物を提供し、およびここで組成物は、Dorea longicatenaを含まない。本開示の側面はまた、Clostridium bolteae、Anaerotruncus colihominis、Sellimonas intestinales、Clostridium symbiosum、Blautia producta、Dorea longicatena、およびSubdolinogranulum spp.からなる群から選択される3以上の精製された細菌株を含む組成物を提供し、およびここで組成物は、Erysipelotrichaceae bacteriumを含まない。
【0026】
本開示の側面はまた、配列番号1~5、7、および8から選択される核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む3以上の精製された細菌株を含む組成物を提供し、ここで組成物は、配列番号6によって提供される核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌株を含まない。本開示の側面はまた、配列番号1~6および8から選択される核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む3以上の精製された細菌株を含む組成物を提供し、ここで組成物は、配列番号7によって提供される核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌株を含まない。
【0027】
いくつかの態様において、組成物は、制御性T細胞の増殖および/または蓄積を誘導する。いくつかの態様において、組成物は、IgE抗体の産生を抑制する。いくつかの態様において、組成物は、1以上のTh2免疫応答を抑制する。
いくつかの態様において、組成物は、1以上のアジュバントをさらに含む。いくつかの態様において、アジュバントは、アレルギー処置または免疫寛容に関連する。
本開示の側面はまた、本明細書に記載の組成物のいずれかおよび薬学的に許容し得る賦形剤を含む医薬組成物を提供する。いくつかの態様において、医薬組成物は、経口送達のために処方される。いくつかの態様において、医薬組成物は、直腸送達のために処方される。いくつかの態様において、医薬組成物は、腸への送達のために処方される。いくつかの態様において、医薬組成物は、結腸への送達のために処方される。
本開示の側面はまた、本明細書に記載の組成物のいずれかおよび栄養素を含む食物製品を提供する。
【0028】
本発明の制限の各々は、本発明の様々な態様を網羅し得る。ゆえに、いずれか1の要素または要素の組み合わせに関する本発明の制限の各々が、本発明の各側面に包含され得ることが予期される。本発明は、その用途において、以下の記載で表されるか、または図面において説明される構成要素の構成および配置の詳細に限定されない。本発明は、他の態様が可能であり、および様々な手法で実施または実行することができる。
【0029】
図面の簡単な記載
添付の図面は、一定の縮尺で描かれていると意図されない。図は、説明のみのためにあり、および本開示の実施可能のために必要とされない。明確性のために、すべての構成要素がすべての図面において標識されているとは限らない。図面において:
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1-2】図1は、対照マウス(「GF」)と比較した、組成物Bを接種された無菌マウスの腸において誘導されたFoxp3+CD4+制御性T細胞のパーセンテージを示す。提示されたデータは、数個の独立した実験から積み重ねられたものである。実験間を正規化するために、無菌対照マウスにおけるFoxp3-陽性細胞の平均パーセンテージが、各実験における他のマウスの各々から差し引かれた。図2は、対照マウス無菌マウス(「GF」)および特定病原体フリーマウス(「SPF」)と比較した、組成物Bを接種された無菌マウスから得られた血清試料中のIgE抗体のレベルを示す。
【0031】
図3-4】図3は、対照マウス(「GF」)および特定病原体フリーマウス(「SPF」)と比較した、組成物B、組成物C、または組成物Dを接種された無菌マウスの腸において誘導されたFoxp3+CD4+制御性T細胞のパーセンテージを示す。提示されたデータは、数個の独立した実験から積み重ねられたものである。実験間を正規化するために、無菌対照マウスにおけるFoxp3-陽性細胞の平均パーセンテージが、各実験における他のマウスの各々から差し引かれた。図4は、対照マウス無菌(「GF」)および特定病原体フリー(「SPF」)マウスと比較した、組成物B、組成物C、または組成物Dを接種された無菌マウスから得られた血清試料中のIgE抗体のレベルを示す。
【0032】
図5図5は、対照マウス(「GF」)と比較した、LBP1またはLBP2を接種された無菌マウスにおける、Foxp3+CD4+T細胞のパーセントとして測定される、制御性T細胞の誘導の大きさを示す。
図6A-6B】図6Aは、LBP2またはLBP1によってin vitroで産生されたと予測されるブチラートの量を示す。図6Bは、LBP1またはLBP2によってin vitroで産生されたと予測されるアセタートの量を示す。
図6C-6D】図6Cは、LBP1またはLBP2を接種された無菌マウスからのex vivo糞便試料において測定される、in vivoで産生されたブチラートの量を示す。図6DはLBP1またはLBP2を接種された無菌マウスからのex vivo糞便試料において測定される、in vivoで産生されたアセタートの量を示す。
【0033】
図7図7は、例3に記載されるような、実験用の食物アレルギーモデルを示す概略図である。IL4raF709突然変異体マウスは、ボックスで示されている時間の間に抗生物質で前処置される。OVA+ブドウ球菌エンテロトキシンB(SEB)は、時間軸の上の矢印によって指し示された時点でマウスに投与される。細菌混合物は、時間軸の下の中抜きの矢印によって指し示された時点でマウスに投与される。マウスは、指し示された時間でOVAで抗原投与される。
【0034】
図8A-8C】図8Aは、対照マウス(細菌なし、「NB」)と比較した、LBP1またはLBP2を接種されたマウスから得られた血清試料中のIgE抗体のレベルを示す。図8Bは、対照マウス(細菌なし、「NB」)と比較した、LBP1またはLBP2を接種されたマウスから得られた血清試料中のOVA特異的IgE抗体のレベルを示す。図8Cは、LBP1またはLBP2を接種されたマウス、または対照マウス(細菌なし)の体温の変化を示す。
図8D図8Dは、LBP1、LBP2を接種された、または細菌なし(「NB」)のマウスからの組織試料の顕微鏡写真を示す。
【0035】
図9図9Aは、対照マウス(細菌なし)と比較した、LBP1またはLBP2を接種されたマウスの脾臓、腸間膜リンパ節(MLN)、および小腸(SI)におけるCD3+CD4+細胞のパーセンテージを示す。図9Bは、対照マウス(細菌なし)と比較した、LBP1またはLBP2を接種されたマウスの脾臓、腸間膜リンパ節(MLN)、および小腸(SI)におけるCD4+IL4+細胞のパーセンテージを示す。図9Cは、対照マウス(細菌なし)と比較した、LBP1またはLBP2を接種されたマウスの脾臓、腸間膜リンパ節(MLN)、および小腸(SI)におけるFoxp3+IL4+のパーセンテージを示す。図9Dは、対照マウス(細菌なし)と比較した、LBP1またはLBP2を接種されたマウスの脾臓、腸間膜リンパ節(MLN)、および小腸(SI)におけるGATA3-ブライト制御性T細胞のパーセンテージを示す。図9A~9Dの各々について、白色バーは対照マウス(細菌なし)であり、黒色バーはLBP1を接種されたマウスであり、および灰色バーは、LBP2を接種されたマウスである。**、***、および****は、統計的有意性を表す。
【0036】
図10図10Aは、対照マウス(細菌なし、「NB」)と比較した、LBP1またはLBP2を接種されたマウスからの血清試料中のmMCP-1のレベルを示す。図10Bは、対照マウス(細菌なし、「NB」)と比較した、LBP1またはLBP2を接種されたマウスの脾臓、腸間膜リンパ節(MLN)、および小腸(SI)における肥満細胞のレベルを示す。図10Cは、対照マウス(細菌なし、「NB」)と比較した、LBP1またはLBP2を接種されたマウスの脾臓、腸間膜リンパ節(MLN)、および小腸(SI)におけるIgE+肥満細胞のレベルを示す。図10Dは、対照マウス(細菌なし、「NB」)と比較した、LBP1またはLBP2を接種されたマウスの脾臓、腸間膜リンパ節(MLN)、および小腸(SI)におけるIgE+B細胞のレベルを示す。図10B~10Dの各々について、白色バーは対照マウス(細菌なし)であり、黒色バーはLBP1を接種されたマウスであり、および灰色バーはLBP2を接種されたマウスである。*、**、および***は、統計的有意性を表す。
【0037】
図11図11Aは、ex vivo糞便試料において測定される、指し示された時点(接種後の日数)でのLBP1またはLBP2を接種された無菌マウスのin vivoで産生されたブチラートの量を示す。図11Bは、LBP1、LBP2、組成物(「Comp」)C、組成物D、または組成物Bによってin vitroで産生されたブチラートの量を示す。図11Cは、ex vivo糞便試料において測定される、指し示された時点(D=接種後の日数)で組成物Bを接種された無菌マウスにおけるin vivoで産生されたブチラートの量を示す。図11Dは、ex vivo糞便試料において測定される、指し示された時点(D=接種後の日数)で細菌組成物を接種された無菌マウスにおけるin vivoで産生されたブチラートの量を示す。各時点について、左カラムは、組成物Bを接種されたマウスからの結果を示し、および右カラムは、組成物Cを接種されたマウスからの結果を示す。
【0038】
図12図12Aは、ex vivo糞便試料において測定される、指し示された時点(接種後の日数)でLBP1またはLBP2を接種された無菌マウスにおけるin vivoで産生されたアセタートの量を示す。図12Bは、LBP1、LBP2、組成物C、組成物D、または組成物Bによってin vitroで産生されたアセタートの量を示す。図12Cは、ex vivo糞便試料において測定される、指し示された時点(D=接種後の日数)で組成物Bを接種された無菌マウスにおけるin vivoで産生されたアセタートの量を示す。図12Dは、ex vivo糞便試料において測定される、指し示された時点(D=接種後の日数)で細菌組成物を接種された無菌マウスにおけるin vivoで産生されたアセタートの量を示す。各時点について、左カラムは、組成物Bを接種されたマウスからの結果を示し、および右カラムは、組成物Cを接種されたマウスからの結果を示す。
【0039】
図13図13は、対照マウス(「GF」)および特定病原体フリーマウス(「SPF」)と比較した、LBP1、LBP2、組成物C、組成物D、または組成物Bを接種された無菌マウスの腸において誘導されたFoxp3+CD4+制御性T細胞のパーセンテージを示す。提示されたデータは、数個の独立した実験から積み重ねられたものである。実験間を正規化するために、無菌対照マウスにおけるFoxp3-陽性細胞の平均パーセンテージが、各実験において他のマウスの各々から差し引かれた。
【0040】
図14図14は、対照マウスの無菌のもの(「GF」)および特定病原体フリー(「SPF」)マウスと比較した、LBP1、LBP2、組成物C、組成物D、または組成物Bを接種された無菌マウスから得られた血清試料中のIgE抗体のレベルを示す。
図15A-15B】図15Aは、組成物Cを接種されたマウスまたは対照マウス(細菌なし)の体温の変化を示す。図15Bは、対照マウス(細菌なし、「NB」)と比較した、組成物Cを接種されたマウスからの血清試料中のmMCP-1のレベルを示す。図15Aおよび15Bに示された結果は、図7に示された実験用の食物アレルギーモデルから得られた。
【0041】
図16A-16D】図16Aは、対照マウス(細菌なし、「NB」)と比較した、組成物Cを接種されたマウスの腸間膜リンパ節(MLNs)、脾臓(SplN)および消化管(小腸)におけるFoxp3+CD4+制御性T細胞のパーセンテージを示す。図16Bは、対照マウス(細菌なし、「NB」)と比較した、組成物Cを接種されたマウスの腸間膜リンパ節(MLNs)、脾臓(SplN)および消化管(小腸)におけるFoxp3+IL4+細胞のパーセンテージを示す。図16Cは、対照マウス(細菌なし、「NB」)と比較した、組成物Cを接種されたマウスの腸間膜リンパ節(MLNs)、脾臓(SplN)および消化管(小腸)におけるFoxp3+GATA3+細胞のパーセンテージを示す。図16Dは、対照マウス(細菌なし、「NB」)と比較した、組成物Cを接種されたマウスの腸間膜リンパ節(MLNs)、脾臓(SplN)および消化管(小腸)におけるFoxp3-IL4+細胞のパーセンテージを示す。
【0042】
図16E図16Eは、糞便のマイクロバイオームプロファイルを示す種の主成分分析(PCA)による微生物群のプロットおよびアレルギー感作の間の組成物Cの接種に起因するマイクロバイオームに対する変化を表す。微生物種は、第0日目(抗生物質処置に先立つ)、第7日目(抗生物質処置の後、および組成物Cの接種に先立ち)の、および毎週のアレルゲン感作および組成物Cの接種(「+組成物C」)の経過中第14、35および56日目のマウスについて示される。図16A~16Eにおいて示される結果は、図15Aおよび15Bにおいて示される同じ実験についてのものである。
【0043】
図17図17Aは、組成物Cを接種されたマウス(+C)または対照マウス(細菌なし)の体温(+/-SEM)の平均変化を示す。図17Bは、組成物Cを接種された個々のマウス(+C)または対照マウス(細菌なし)についての体温の変化を示す。図17Cは、対照マウス(細菌なし、「NB」)と比較した、組成物Cを接種したマウス(+C)からの血清試料中のmMCP-1のレベルを示す。SEM=平均値の標準誤差。図17Aおよび17Bにおける結果は、図7に示される実験用の食物アレルギーモデルを使用して得られた。
【0044】
図18A-18D】図18Aは、対照マウス(細菌なし、「NB」)と比較した、組成物Cを接種されたマウス(+C)の腸間膜リンパ節(MLN)、脾臓(SPL)および小腸(Sm Int)におけるFoxp3+GATA3+「Th2型」制御性T細胞のパーセンテージを示す。図18Bは、対照マウス(細菌なし、「NB」)と比較した、組成物Cを接種されたマウス(+C)の腸間膜リンパ節(MLN)、脾臓(SPL)および小腸(Sm Int)におけるFoxp3-GATA3-Th2エフェクターまたはT細胞のパーセンテージを示す。図18Cは、対照マウス(細菌なし、「NB」)と比較した、組成物Cを接種されたマウス(+C)の腸間膜リンパ節(MLN)、脾臓(SPL)および小腸(Sm Int)におけるFoxp3+制御性T細胞のパーセンテージを示す。図18Dは、対照マウス(細菌なし、「NB」)と比較した、組成物Cを接種されたマウス(+C)の腸間膜リンパ節(MLN)、脾臓(SPL)および小腸(Sm Int)におけるFoxp3-エフェクターまたはT細胞のパーセンテージを示す。
【0045】
図18E図18Eは、糞便のマイクロバイオームプロファイルを示す種の主成分分析(PCA)による微生物群のプロットおよびアレルギー感作の間の組成物Cの接種に起因するマイクロバイオームに対する変化を表す。微生物種は、第0日目(抗生物質処置に先立ち、および組成物Cの接種に先立ち)、および毎週のアレルゲン感作および組成物Cの接種(「+C」)の経過中第28および63日目のマウスについて示される。図18A~18Eに示される結果は、図17A~17Cに示される同じ実験についてのものである。
【0046】
図19図19は、例4に記載されたとおりの治癒的実験用食物アレルギーモデルを示す概略図である。IL4raF709突然変異体マウスは、OVA+ブドウ球菌エンテロトキシンB(SEB)で8週間感作させて、これに続き、指し示されるように抗生物質(「Abx」)で1週間前処置された。細菌混合物は、時間軸の下にある矢印によって指し示された時点でマウスに投与される。
図20図20Aは、組成物Cを接種されたマウス(+C)または対照マウス(細菌なし)の体温の平均変化(+/-SEM)を示す。図20Bは、組成物Cを接種された個々のマウス(+C)または対照マウス(細菌なし)についての体温の変化を示す。図20Cは、対照マウス(細菌なし、「NB」)と比較した、組成物Cを接種されたマウス(+C)からの血清試料中のmMCP-1のレベルを示す。SEM=平均の標準誤差。
【0047】
図21図21Aは、対照マウス(細菌なし、「NB」)と比較した、組成物Cを接種されたマウス(+C)の腸間膜リンパ節(MLN)、脾臓(SPL)、および小腸(Sm Int)におけるFoxpP3+GATA3+「Th2型」制御性T細胞のパーセンテージを示す。図21Bは、対照マウス(細菌なし、「NB」)と比較した、組成物Cを接種されたマウス(+C)の腸間膜リンパ節(MLN)、脾臓(SPL)、および小腸(Sm Int)におけるFoxp3-GATA3-Th2エフェクターまたはT細胞のパーセンテージを示す。図21Cは、対照マウス(細菌なし、「NB」)と比較した、組成物Cを接種されたマウス(+C)の腸間膜リンパ節(MLN)、脾臓(SPL)、および小腸(Sm Int)における全Foxp3+制御性T細胞のパーセンテージを示す。図21Dは、対照マウス(細菌なし、「NB」)と比較した、組成物Cを接種されたマウス(+C)の腸間膜リンパ節(MLN)、脾臓(SPL)、および小腸(Sm Int)における全Foxp3-エフェクターまたはT細胞のパーセンテージを示す。図21A~21Dに示される結果は、図20A~20Cに示される同じ実験についてのものである。
【0048】
図22図22Aは、対照マウス(細菌なし、「NB」)と比較した、組成物Cを接種されたマウス(+C)から得られた血清試料中の全IgE抗体のレベルを示す。図22Bは、対照マウス(細菌なし、「NB」)と比較した、組成物Cを接種されたマウス(+C)から得られた血清試料中のOVA特異的IgE抗体のレベルを示す。図22A~22Bに示される結果は、図20A~20Cに示される同じ実験についてのものである。
図23図23Aは、組成物Cを接種されたマウス(+C)、組成物Bを接種されたマウス(+B)、または対照マウス(「NB」、細菌なし)の体温(+/-SEM)の平均変化を示す。図23Bは、組成物Cを接種された個々のマウス(+C)、組成物Bを接種された個々のマウス(+B)、または対照マウス(「NB」、細菌なし)の体温の変化を示す。SEM=平均の標準誤差。図23A~23Bに示される結果は、図19に示される実験用の食物アレルギーモデルから得られた。
【0049】
図24図24Aは、対照マウス(細菌なし、「NB」)と比較した、組成物C(+C)または組成物Bを接種された(+B)治癒的食物アレルギーモデルマウスからの血清試料中のmMCP-1レベルを示す。図24Bは、対照マウス(細菌なし、「NB」)と比較した、組成物C(+C)または組成物B(+B)を接種された治癒的食物アレルギーモデルマウスから得られた血清試料中のIgE抗体のレベルを示す。図24Cは、対照マウス(細菌なし、「NB」)と比較した、組成物C(+C)または組成物B(+B)を接種されたモデルマウスから得られた血清試料中のOVA特異的IgE抗体のレベルを示す。
【0050】
図25図25Aは、対照マウス(細菌なし、「NB」)と比較した、組成物C(+C)または組成物B(+B)を接種されたマウスの腸間膜リンパ節(MLN)、脾臓(SPL)および小腸(Sm Int)におけるFoxp3+GATA3+「Th2型」制御性T細胞のパーセンテージを示す。図25Bは、対照マウス(細菌なし、「NB」)と比較した、組成物C(+C)または組成物B(+B)を接種されたマウスの腸間膜リンパ節(MLN)、脾臓(SPL)、および小腸(Sm Int)におけるFoxp3-GATA3-Th2エフェクターまたはT細胞のパーセンテージを示す。図25Cは、対照マウス(細菌なし、「NB」)と比較した、組成物C(+C)または組成物B(+B)を接種されたマウスの腸間膜リンパ節(MLN)、脾臓(SPL)および小腸(Sm Int)におけるFoxp3+制御性T細胞のパーセンテージを示す。図25Dは、対照マウス(細菌なし、「NB」)と比較した、組成物C(+C)または組成物B(+B)を接種されたマウスの腸間膜リンパ節(MLN)、脾臓(SPL)および小腸(Sm Int)におけるFoxp3-エフェクターまたはT細胞のパーセンテージを示す。図25A~25Dに示される結果は、図23A~24C中のものと同じ実験についてのものである。
【0051】
図26図26Aは、組成物C(+C)、組成物B(+B)を接種されたマウス、または対照マウス(「細菌なし」)の体温(+/-SEM)の平均変化を示す。図26Bは、組成物C(+C)、組成物B(+B)を接種された個々のマウスまたは対照マウス(「細菌なし」)の体温の変化を示す。SEM=平均の標準誤差。図26Aおよび26Bについての結果は、図7に示される同じ実験用の食物アレルギーモデルからのものである。
【0052】
図27図27Aは、組成物C(+C)、組成物B(+B)を接種された治癒的食物アレルギーモデルにおけるマウス、または対照マウス(細菌なし、「NB」)からの血清試料中のmMCP-1のレベルを示す。図27Bは、組成物C(+C)、組成物B(+B)を接種された治癒的食物アレルギーモデルにおけるマウス、または対照マウス(細菌なし、「NB」)から得られた血清試料中の全IgE抗体のレベルを示す。図27Cは、対照マウス(細菌なし、「NB」)と比較した、組成物C(+C)または組成物B(+B)を接種された治癒的食物アレルギーモデルにおけるマウスから得られた血清試料中のOVA特異的IgE抗体のレベルを示す。図27A~27Cの結果は、図19に示される食物アレルギー実験用のモデルを使用して得られた。
【0053】
図28図28Aは、組成物C(「+C」)、組成物B(「+B」)を接種されたマウス、または対照マウス(細菌なし、「NB」)の小腸(SI)、脾臓(SPL)、および腸間膜リンパ節(MLN)におけるCD4+Foxp3+IL4+「Th2型」制御性T細胞のパーセンテージを示す。図28Bは、組成物C(「+C」)、組成物B(「+B」)を接種されたマウス、または対照マウス(細菌なし、「NB」)の小腸(SI)、脾臓(SPL)、および腸間膜リンパ節(MLN)におけるCD4+Foxp3-IL4+Th2エフェクターまたはT細胞のパーセンテージを示す。図28Aおよび28Bについての結果は、図26A~27Cのものと同じ実験からのものである。
【0054】
図29図29は、細菌組成物の宿主のマイクロバイオームおよび腸管免疫応答へと影響を与える能力をアッセイする、実験用のアレルギーモデルを示す概略図である。特定病原体フリー(「SPF」)マウスは、水平のバーにより示されるように、5連続日の間抗生物質で処置されるかまたは処置されない。続く2~3日の「ウォッシュアウト」期間に、マウスは、細菌組成物(細菌組成物の未加工または凍結の調製物のいずれかを矢印で指し示されるように)を接種されるかまたは接種されない(対照マウス)。細菌組成物の投薬は、第1週に2度発生し、および毎週断続した糞便ペレットの収集を伴い、細菌のコロニー形成および糞便のマイクロバイオームをモニターすること(垂直のバーによって指し示されるように)を続ける。マウスのグループは、第2および4週目に屠殺し、腸管免疫応答をモニターする(黒色の「X」により指し示される)。
【0055】
図30図30Aは、抗生物質で処置された(「+Abx」)かまたは抗生物質で処置されなかった(「Abxなし」)、組成物Bを接種された(「+B」)、または細菌なし(「NB」)、および細菌の接種の開始後2または4週後のいずれかで屠殺されたマウスの結腸から単離された生CD45+粘膜固有層白血球のうちFoxP3+およびHelios-であった全CD4+T細胞のパーセンテージを示す。図30Bは、以下のマウスの結腸から単離された生CD45+粘膜固有層白血球のうちFoxP3+およびHelios-であった全CD4+T細胞のパーセンテージを示す;抗生物質で処置され(「+Abx」)、および組成物Cを接種された(「+C」)、または細菌なし(「NB」);抗生物質を受けておらず(「Abxなし」)、および組成物C(「+C」)、組成物B(「+B」)を接種された、または細菌なし(「NB」)。マウスは、細菌の接種の開始後2または4週後のいずれかであった。図30Aおよび30Bの結果は、図29に示される実験用のモデルから得られた。
【0056】
図31図31Aは、糞便のマイクロバイオームプロファイルを示す種の主成分分析(PCA)による微生物群のプロットおよび抗生物質を受けず、および組成物Bを接種された(LBP)かまたは細菌を接種されていないマウスのマイクロバイオームに対する変化を示す。微生物群は、第0日目(組成物Bの投薬を摂取するに先立ち)および毎週の組成物Bの接種の経過中第13、20および34日目のマウスについて示される。図31Bは、糞便のマイクロバイオームプロファイルを示す種の主成分分析(PCA)による微生物群のプロットおよび抗生物質を受け、および組成物Bを接種された(抗生物質+LBP)かまたは細菌を接種されていない(「抗生物質」)マウスのマイクロバイオームに対する変化を示す。微生物群は、第0日目(組成物Bの接種に先立ち)、第6日目(抗生物質の処置後および組成物Bの接種に先立ち)、および毎週の組成物Bの接種の経過中第13、20および34日目のマウスについて示される。図31Aおよび31Bからの結果は、図30Aおよび30Bからのマウスの糞便のマイクロバイオームプロファイルを示す。
【0057】
図32図32は、図7に示される実験用のモデルと同様であるが、しかしながら指し示されるように、マウスが細菌組成物の接種の開始に先立ち抗生物質で前処置されていない、予防的食物アレルギー実験用のモデルの概略図を示す。
図33図33Aは、細菌組成物の接種の開始5週後に得られた血清試料中のIgE抗体のレベルの中間体分析を示す。マウスは、LBP1、LBP2を接種されたかまたは細菌を接種されていない(対照マウス、「NB」)。図33Bは、細菌組成物の接種の開始5週後に得られた血清試料中のOVA特異的IgE抗体のレベルの中間体分析を示し、その時点でマウスは、全8週についていまだに感作されておらず、およびアナフィラキシー性の抗原投与をいまだに受けていない。図33Aおよび33Bに示される結果は、図32に示される予防的食物アレルギーモデルを使用して得られた。
【0058】
図34図34Aは、LBP1、LBP2を接種されたマウス、または対照マウス(「NB」、細菌なし)の体温(+/-SEM)の平均変化を示す。図34Bは、LBP1、LBP2を接種された個々のマウス、または対照マウス(「NB」、細菌なし)の体温の変化を示す。SEM=平均の標準誤差。図34Aおよび34Bに示される結果は、図32に示される実験用のモデルを使用して得られた。
図35図35Aは、LBP1、LBP2を接種されたマウス、または対照マウス(「細菌なし」)の脾臓(SPL)、腸間膜リンパ節(MLN)、および小腸(SI)におけるCD4+Foxp3+IL4+「Th2型」制御性T細胞のパーセンテージについて示す。図35Bは、LBP1、LBP2を接種されたマウス、または対照マウス(「細菌なし」)の脾臓(SPL)、腸間膜リンパ節(MLN)、および小腸(SI)におけるCD4+IL4+(CD4+Foxp3-IL4+)Th2エフェクターまたはT細胞のパーセンテージを示す。図35Aおよび35Bに示される結果は、図33A~34Bのものと同じ実験からのものである。
【0059】
本発明の詳細な記載
アレルギーまたはアレルギー反応を低減することを目的とする現行の処置レジメンは、アレルギー性の免疫応答の兆候を、例えば抗ヒスタミン、コルチコステロイド、またはエピネフリンを用いて処置することに焦点が当てられている。これらの方法は、アレルゲンへの接触または曝露の際に刺激される根本的な望ましくないアレルギー性の免疫応答を処理し損なう。追加のアプローチは、アレルゲン免疫治療とも称される減感作治療であり、これにはアレルギー反応を誘導する特定のアレルゲンの同定、および次いで望ましくない免疫応答を調節するためのアレルゲンの繰り返し投与、アレルゲンへの免疫応答を有効に「減感作する」ことが必要となる。しかしながら、アレルギーに関連する特定のアレルゲンを同定することは常に実行可能であるわけではなく、および無数の、繰り返し投与は、低い患者のコンプライアンスをもたらすであろう。アレルゲン免疫治療はまた、重篤なアレルギー反応に関連するアレルギーを有する個体については実行不可能であるだろう。
【0060】
食物アレルギーの文脈において、個体は、頻繁にアレルギー反応を刺激するアレルゲンを含有するかまたは含有しそうである食物を除去することを勧められる。食物の調製または正確な食物のラベリングを制御することなしには、アレルギー反応およびアレルゲンへの曝露のリスクは、極めて低い量でさえ、飲食物の忌避にも関わらず高いままである。さらにまた、具体的な食物または食物のグループの排除は、栄養障害につながり、およびその者のクオリティ・オブ・ライフに有意に影響を与えるであろう。代替的に、例えば加工方法を使用して、食物におけるアレルゲンの量を低減することによって具体的な食物のアレルゲン性を低減する方法が探究されている。例として、Verhoeckx et al. Food and Chem. Toxicology (2015) 80: 223-240;Bischoff et al. Gastroenterology (2005)128(4):1089-1113を参照されたい。
【0061】
本明細書に提供されるものは、アレルギーに関連する免疫応答を調節する選択される細菌株の組成物を投与することに関する、食物アレルギーなどのアレルギーを処置するための組成物および方法である。本明細書に提供されるものは、対象におけるアレルギーを処置するための、食物アレルギーなどのアレルギーに関連する免疫応答を調節する組成物および方法である。また本明細書に提供されるものは、食物アレルギーなどのアレルギーの免疫寛容または減感作を誘導するための組成物および方法である。
【0062】
本発明は、その適用を以下の記載で表されるかまたは図面において説明される構成の詳細および構成要素の配置に限定されるものではない。本発明は、他の態様が可能であり、および様々な手法で実践または実行可能である。また、本明細書において使用される言い回しおよび専門用語は、説明の目的のためのものであり、および制限するものとしてみなされるべきではない。本明細書における「包含する」、「含む」または「有する」、「含有する」、「関する」およびそれらのバリエーションの使用は、その後に列記される項目およびそれらの均等物ならびに追加の項目を網羅することを意味する。
【0063】
本開示の側面は、対象における食物アレルギーなどのアレルギーを処置するための組成物および方法を指す。また提供されるものは、アレルギーに関連する免疫応答を調節する、および/またはアレルギーに対する免疫寛容または減感作を誘導するための組成物および方法である。アレルギーは、アレルゲンと称される、典型的には無害であると考えられる(非自己)物質への接触または曝露の際の望ましくない免疫応答によって特徴付けられる。一般的な集団においては、アレルゲンへの接触または曝露は、実質的な免疫応答を誘発せず、および個体は、アレルゲンに対して寛容であるかまたは感受性がないと考えられる。したがって、アレルギーは、アレルゲンへの過敏症反応を指すであろう。
【0064】
アレルギー反応は、Th2免疫応答によって駆動され、およびIgE抗体などのアレルゲン特異的抗体およびT細胞およびB細胞などのアレルゲン特異的リンパ球の望ましくない産生および/または活性に関するだろう。アレルギー反応の進展は、感作相、エフェクター相、および慢性相の3つの相に区分され得る。感作相の間に、アレルゲンは、取り込まれ、加工され、および抗原提示細胞によって提示され、アレルゲン特異的IgE抗体の産生につながる。アレルゲン特異的IgE抗体は、肥満細胞および基底細胞上に存在する高親和性IgE受容体(例として、FcεR1)に結合し得る。エフェクター相の間に、細胞に結合されたアレルゲン特異的IgE抗体とアレルゲンの間の相互作用は、肥満細胞および好塩基球からヒスタミン、ロイコトリエンおよび他のメディエーターを放出する細胞の脱顆粒をもたらし、次いで好塩基球、好酸球、およびリンパ球などの他の細胞の組織への浸潤がこれに続く。慢性相は、繰り返されるアレルギー反応および炎症に起因する。Bischoff et al. Gastroenterology (2005) 128(4): 1089-1113。
【0065】
アレルギーの兆候および重症度は、関連する免疫応答(単数または複数)のタイプ、免疫応答(単数または複数)の期間および大きさ、アレルゲンの量、およびアレルゲンへの接触/曝露の部位などの因子に依存するであろう。アレルギーの兆候の例は、限定せずに、皮疹、皮膚の発赤、蕁麻疹、皮膚の隆起/斑点/ミミズ腫れ、かゆみ/涙目、頭痛、くしゃみ、喘鳴、息切れ、胸部絞扼感、咳、水洟、喉の痛み、腫れ、吐き気、嘔吐、下痢、およびアナフィラキシーを包含する。
対象は、アレルギー反応を誘導するアレルゲンに、当該技術分野において知られているいずれかのルート、例えば、摂取、吸入、注射、または直接接触を通して接触または曝露されるであろう。アレルギー反応に関連する兆候は、アレルゲンへの接触または曝露の部位、例えば皮膚の領域、呼吸器、または胃腸管、末梢部位に局在していてもよく、またはアナフィラキシーのケースにおいてなどの全身性となっていてもよい。
【0066】
アレルゲンへの接触または曝露に応じて刺激される免疫応答が、アレルギー反応と称されるであろう。一般に、アレルギー反応は、アレルゲンへの接触または曝露の後即座に、または約30分以内に、または接触または曝露のより長い後に発生するであろう。
本明細書に提供される組成物および方法に従って処置され得るアレルギーの例は、限定せずに、アレルギー性喘息、アレルギー性大腸炎、動物アレルギー、アトピー性アレルギー、花粉症、皮膚アレルギー、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、アナフィラキシー、アレルギー性鼻炎、薬物または医薬アレルギー、湿疹(アトピー性皮膚炎)、食物アレルギー、真菌アレルギー、昆虫アレルギー(虫刺され/昆虫毒アレルギーを包含する)、カビアレルギー、植物アレルギー、および花粉症(pollenosis)を包含する。いくつかの態様において、アレルギーは、食物アレルギーである。
【0067】
本開示の側面は、食物アレルギーを処置すること、および/または対象における食物アレルギーに関連する免疫応答を調節することに関する。また本明細書に提供されるものは、食物アレルギーに対する免疫寛容または減感作を誘導する方法である。本明細書に使用されるとき、用語「食物アレルギー」は、食物、または具体的に言うと食物中に存在するアレルゲンに対する望ましくないアレルギー性免疫応答を指す。いくつかの態様において、食物アレルギーに関するアレルギー反応は、例えば、食物または同じかまたは同様のアレルゲンを含有する食物の摂取を通しての接触に続いて誘導される。当業者にとって明らかであるように、食物アレルギーに関連する兆候は、例えば、アレルゲンを含有する食物の摂取に続いて、対象の胃腸管において現れるであろう;しかしながら、アレルギー反応は、呼吸器または皮膚などの他の部位に影響を与えるであろう。
【0068】
食物アレルギーは、一般にIgE媒介免疫反応であると考えられているが、しかしながら非IgE媒介食物アレルギーならびに混合IgE媒介/非IgE媒介食物アレルギーもある。例として、Fiocchi et al. "Food Allergy" World Allergy Organization: March 2017を参照されたい。IgE媒介食物アレルギーは、アレルゲンとの接触の後即時にまたは約2時間以内に発生する傾向にあり、および蕁麻疹(急性蕁麻疹(uticaria))、血管性浮腫、腫れ、アナフィラキシー、食物関連運動誘発性のアナフィラキシー、経口のアレルギー症候群および/または嘔吐および疼痛を含む即時性の胃腸の過敏症を包含する。細胞媒介性応答とも称される、食物アレルギーに関する非IgE媒介免疫応答は、過敏症反応を遅らせ、および食物タンパク質誘発腸炎症候群、食物タンパク質誘発アレルギー性直腸結腸炎、アレルギー性接触皮膚炎、およびハイナー症候群を含むであろう。食物アレルギーに関する混合性または結合性IgE媒介/非IgE媒介免疫応答は、IgEおよびT細胞媒介の効果の両方に関連し、およびアトピー性皮膚炎、好酸球性食道炎および/または好酸球性胃腸炎を包含するだろう。
【0069】
食物アレルギーとは対照的に、食物不耐性は、一般に免疫系によって媒介されるとは考えられず、および発症は、曝露後約30分から曝露後48時間以内の間に生じる。
いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物および方法は、IgE媒介食物アレルギーを処置するために使用される。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物および方法は、IgE媒介食物アレルギーに関連する免疫応答を調節するために使用される。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物および方法は、IgE媒介食物アレルギーに対する免疫寛容または減感作を誘導するために使用される。本明細書に記載の組成物および方法は、非IgE培地媒介食物アレルギーおよび/または混合または結合性IgE媒介/非IgE媒介食物アレルギーの文脈においてもまた使用されるであろう。
【0070】
食物アレルギーの例は、限定せずに、落花生アレルギー、木の実アレルギー、タマゴアレルギー、トウモロコシアレルギー、果実アレルギー、ミルクアレルギー、ニンニクアレルギー、大豆アレルギー、小麦アレルギー、海産食物アレルギー、魚アレルギー(例として、甲殻類アレルギー)、および種子アレルギー(例として、ゴマ種子アレルギー)を包含する。
食物アレルギーが生じるであろうアレルゲンを含有する食物の非限定例は、アワビ(abalone)(アワビ(perlemoen))、アセロラ、スケトウダラ、アーモンド、アニスの実、リンゴ、アンズ、アボカド、バナナ、大麦、ピーマン、ブラジルナッツ、ソバ、キャベツ、コイ、ニンジン、カシュー、トウゴマの実(caster bean)、セロリ、根セロリ、サクランボ、クリの実、ヒヨコマメ(ガルバンゾー、ベンガルグラム)、ココア(cococa)、ココナツ、タラ、綿の実、ズッキーニ(courgett)、カニ、ナツメヤシの実、タマゴ、イチジク、魚、亜麻仁(linseed)、カエル、栽培種のセイヨウスモモ、ニンニク、ブドウ、ヘーゼルナッツ、キウイフルーツ(kiwi fruit)(キウイフルーツ(Chinese gooseberry))、レンズマメ、レタス、ロブスター、ハウチワマメ(lupin)(ハウチワマメ(lupine))、レイシ、サバ、トウモロコシ(maize)(トウモロコシ(corn))、マンゴー、メロン、ミルク、カラシ、オート麦(oat)、カキ(oyster)、モモ、落花生(peanut)(落花生(ground nuts)、落花生(money nuts))、セイヨウナシ、ペカン、カキ、松の実、パイナップル、ザクロの実、芥子粒、ジャガイモ、カボチャ、コメ、ライムギ、サケ、ゴマ、ゴマ種子、エビ(ブラックタイガーエビ、ブラウンシュリンプ、ヨシエビ、インドエビ、サケエビ、ホワイトシュリンプ)、カタツムリ、大豆(soybean)(大豆(soya))、イカ、イチゴ、ヒマワリの種、トマト、マグロ、カブ、クルミ、および小麦(パン小麦、パスタ小麦、カムート、スペルト)を包含する。
【0071】
Th2免疫応答(単数または複数)に関連する免疫応答に関連する疾患または障害を処置するために使用されるであろう組成物および方法もまた本開示の範囲内である。
いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物および方法は、IgE抗体の増強されたレベルに関連する疾患または障害を処置するために使用される。IgE抗体の増強されたレベルに関連するであろう疾患または障害の例は、限定せずに、高IgE(ヨブ)症候群、IgE骨髄腫、リンパ増殖性障害、セザリー症候群、木村病、寄生虫疾患、HIV感染、血管炎、全身性紅斑性狼瘡、および若年性全身性紅斑性狼瘡を包含する。
【0072】
一側面において、本開示は、対象におけるアレルギー(例として、食物アレルギー)などの疾患または障害についての処置の組成物および方法を提供する。本明細書に使用されるとき、「対象」、「個体」および「患者」は、互換的に使用され、および脊椎動物、好ましくはヒトなどの哺乳動物を指す。哺乳動物は、これらに限定されないが、ヒト霊長目の動物、非ヒト霊長目の動物またはマウス、ウシ、ウマ、イヌ科またはネコ科の種を包含する。いくつかの態様において、対象は、ヒトである。いくつかの態様において、ヒト対象は、新生児対象、小児対象、青年対象、成人対象、または老年対象である。
【0073】
いくつかの態様において、対象は、食物アレルギーなどのアレルギーを有するかまたは有するリスクにある。いくつかの態様において、対象は、アレルゲンを含有する具体的な食物または食物グループへの接触または曝露に続いて1またはアレルギー反応を有した。いくつかの態様において、対象は、食物アレルギーなどのアレルギーに関連する病歴を有した。いくつかの態様において、対象は、アレルギーまたは特定のアレルゲンに対するアレルギーの家族歴を有する。例えば、家族歴は、対象が食物アレルギーなどのアレルギーを有するかまたは発症する可能性に影響を与えるであろう。加えて、特定の食物(例として、食物中の特定のアレルゲン)に対する食物アレルギーを有する対象はまた、異なる食物(例として、食物中の異なる特定のアレルゲン)に対する食物アレルギーを有するかまたは発症することについてもなりやすくするであろう。
【0074】
いくつかの態様において、対象は、アレルギーを発症することに関連するリスク因子を有する。食物アレルギーの発症に関連するリスク因子の例は、限定せずに、未熟な粘膜免疫系、固体食物の早期の導入、粘膜透過性の遺伝的な増加、IgA欠乏症または遅延性IgA産生、腸免疫系の片利共生的な常在菌の不適切な抗原投与、Th2免疫応答に対しての遺伝子学的に決定されたバイアス、Th2サイトカインまたはIgE受容体遺伝子の多型、傷つけられた腸管神経系、免疫系変化(例として、低レベルのTGF-β)、および胃腸感染症(Bischoff et al. Gastroenterology (2005) 128 (4) 1089-1113)を包含する。
【0075】
本明細書に記載の組成物のいずれかは、疾患または障害(例として、食物アレルギー)の処置または予防のために、対象に治療的に有効な量または治療的に有効な量の用量で投与されてもよい。用語「処置する」または「処置」は、疾患(例として、食物アレルギーなどのアレルギー)に関連する兆候の1以上を低減するかまたは緩和することを指す。用語「予防する」または「予防」は、予防的投与を網羅し、および疾患または障害(例として、食物アレルギー)の発生率または発生の可能性を低減するだろう。いくつかの態様において、組成物は、食物または食物アレルゲンに関連するアレルギー反応などのアレルギー反応の発生率または発生の可能性を低減する。
【0076】
実例として、いくつかの態様において、本明細書に提供される組成物の投与は、アレルギー反応の発生率または可能性を低減する対象における効果を提供する、対象における改変マイクロバイオームをもたらす。実例として、いくつかの態様において、本明細書に提供される組成物に投与は、アレルギー反応の発生率または可能性を低減する対象における効果を提供する、対象における健常なマイクロバイオームをもたらす。いくつかの態様において、本明細書に提供される組成物の投与は、アレルギー反応に関連する兆候などのアレルギーに関連する1以上の兆候の低減または緩和をもたらす。
【0077】
いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物および方法は、アレルギー(例として、食物アレルギー)に関連するアレルゲンに対する免疫寛容を誘導するかまたはアレルギー(例として、食物アレルギー)に関連するアレルゲンに対する免疫応答を減感作するために使用される。本明細書に使用されるとき、アレルギーの文脈において用語「寛容性」および「免疫寛容」は、アレルギーに関連するアレルゲンなどの1以上の刺激に対する免疫応答の低減した応答性または非応答性を指す。とりわけ、寛容性または免疫寛容は、持続した、または長期間にわたる1以上の刺激に対する免疫応答の低減した応答性または非応答性を指す。対照的に、アレルギーの文脈において用語「減感作する」は、例えば減感作レジメンの経過中の、1以上の刺激に対する免疫応答の低減した応答性または非応答性の可逆的状態を指す。
【0078】
いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物および方法は、アレルギー(例として、食物アレルギー)に関連する免疫応答を調節するために使用される。当業者にとって明らかであろうように、本明細書に記載の組成物および方法は、アレルギーに関連する1以上の免疫応答(単数または複数)を増強し、およびアレルギーに関連する1以上の他の免疫応答(単数または複数)を低減または抑制するであろう。
【0079】
いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物および方法は、「Treg」とも称される制御性T細胞の増殖および/または蓄積を誘導する。制御性T細胞は、一般にFoxP3、CD25、およびCD4の発現によって特徴付けられ得る。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物の投与は、対象における制御性T細胞(例として、全Tregまたはアレルゲン特異的Treg)の増殖および/または蓄積の増加をもたらす。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物の投与は、対象における具体的な部位(例として、胃腸管)での制御性T細胞(例として、全Tregまたはアレルゲン特異的Treg)の増殖および/または蓄積の増加をもたらす。
【0080】
いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物の投与は、対象における(または対象の具体的な部位における)組成物の投与に先立った制御性T細胞の分量と比較して、少なくとも1.1倍、1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、1000倍、10倍、10倍またはそれ以上の制御性T細胞(例として、全Tregまたはアレルゲン特異的Treg)の増殖および/または蓄積の増加をもたらす。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物の投与は、組成物を受けなかった別の対象(例として、参照対象)における制御性T細胞の分量と比較して、少なくとも1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、1000倍、10倍、10倍またはそれ以上の制御性T細胞(例として、全Tregまたはアレルゲン特異的Treg)の増殖および/または蓄積の増加をもたらす。
【0081】
いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物の投与は、組成物の投与に先立った対象における(または対象の具体的な部位における)制御性T細胞の分量と比較して、少なくとも5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、125%、150%またはそれ以上の制御性T細胞(例として、全Tregまたはアレルゲン特異的Treg)の増殖および/または蓄積の増加をもたらす。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物の投与は、組成物を受けなかった別の対象(例として、参照対象)における制御性T細胞の分量と比較して、少なくとも5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、125%、150%またはそれ以上の制御性T細胞(例として、全Tregまたはアレルゲン特異的Treg)の増殖および/または蓄積の増加をもたらす。
【0082】
Treg細胞の誘導および対応するアレルギー処置は、複雑に関連する。いくつかの態様において、1以上のアレルギーの処置において、1以上のアレルギーについての処置有効性に関連する範囲をとるTreg誘導を有することが所望される。いくつかの態様において、具体的なアレルギー処置レジメンのために、所望されるアレルギー処置効果を誘導するために優位に強いが、望ましくない免疫学的事象をもたらすほどには強くないTreg応答を有することが所望される。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物の投与は、組成物の投与に先立った対象における(または対象の具体的な部位における)制御性T細胞の分量と比較して、1%~20%、2%~19%、3%~17%、4%~16%、4%~15%、5%~15%、6%~14%、7%~13%、8%~12%、5%~10%、5%~15%、10%~15%、または8%~15%の間で制御性T細胞(例として、全Tregまたはアレルゲン特異的Treg)の増殖および/または蓄積の増加をもたらす。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物の投与は、組成物を受けなかった別の対象(例として、参照対象)における制御性T細胞の分量と比較して、1%~20%、2%~19%、3%~17%、4%~16%、4%~15%、5%~15%、6%~14%、7%~13%、8%~12%、5%~10%、5%~15%、10%~15%、または8%~15%の間で制御性T細胞(例として、全Tregまたはアレルゲン特異的Treg)の増殖および/または蓄積の増加をもたらす。
【0083】
いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物の投与は、対象における具体的な部位(例として、胃腸管)で、制御性T細胞(例として、全Tregまたはアレルゲン特異的Treg)の活性の増加をもたらす。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物の投与は、組成物の投与に先立った対象における(または対象の具体的な部位における)制御性T細胞の活性と比較して、少なくとも1.1倍、1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、1000倍、10倍、10倍またはそれ以上の制御性T細胞(例として、全Tregまたはアレルゲン特異的Treg)の活性の増加をもたらす。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物の投与は、組成物を受けなかった別の対象(例として、参照対象)における制御性T細胞の活性と比較して、少なくとも1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、1000倍、10倍、10倍またはそれ以上の制御性T細胞(例として、全Tregまたはアレルゲン特異的Treg)の活性の増加をもたらす。
【0084】
いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物の投与は、組成物の投与に先立った対象における(または対象の具体的な部位における)制御性T細胞の活性と比較して、少なくとも5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、125%、150%またはそれ以上の制御性T細胞(例として、全Tregまたはアレルゲン特異的Treg)の活性の増加をもたらす。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物の投与は、組成物を受けなかった別の対象(例として、参照対象)における制御性T細胞の活性を比較して、少なくとも5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、125%、150%またはそれ以上の制御性T細胞(例として、全Tregまたはアレルゲン特異的Treg)の活性の増加をもたらす。
【0085】
制御性T細胞(例として、全Tregまたはアレルゲン特異的Treg)の存在量は、当該技術分野において知られているいずれかの方法によって、例えば、直接または間接に制御性T細胞の活性を査定する、制御性T細胞を指示する細胞マーカー(例として、FoxP3)を検出することによって、および/または制御性T細胞によって産生される1以上のサイトカイン(例として、IL-10)の産生を測定することによって、査定され得る。
【0086】
いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物および方法は、IgE抗体の産生を抑制する。いくつかの態様において、該組成物および方法は、対象における全IgE抗体の産生を抑制する。いくつかの態様において、該組成物および方法は、アレルギーに関連するアレルゲン、例として、食物アレルギーに関連する食物アレルゲンに対して特異的であるIgE抗体(例として、アレルゲン特異的IgE抗体)の産生を抑制する。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物の投与は、組成物の投与に先立った対象(またはその試料)におけるIgE抗体(例として、全IgE抗体またはアレルゲン特異的IgE抗体)のレベルと比較して、少なくとも1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、1000倍、10倍、10倍またはそれ以上低減されているIgE抗体(例として、全IgE抗体またはアレルゲン特異的IgE抗体)のレベルをもたらす。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物の投与は、組成物を受けなかった別の対象(例として、参照対象)におけるIgE抗体のレベルと比較して、少なくとも1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、1000倍、10倍、10倍またはそれ以上低減されているIgE抗体(例として、全IgE抗体またはアレルゲン特異的IgE抗体)のレベルをもたらす。
【0087】
いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物の投与は、組成物の投与に先立った対象(またはその試料)におけるIgE抗体(例として、全IgE抗体またはアレルゲン特異的IgE抗体)のレベルと比較して、少なくとも5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%低減されているIgE抗体(例として、全IgE抗体またはアレルゲン特異的IgE抗体)のレベルをもたらす。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物の投与は、組成物を受けなかった別の対象(例として、参照対象)におけるIgE抗体のレベルと比較して、少なくとも5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%低減されているIgE抗体(例として、全IgE抗体またはアレルゲン特異的IgE抗体)のレベルをもたらす。
【0088】
いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物の投与は、組成物の投与に先立った対象(またはその試料)におけるIgE抗体(例として、全IgE抗体またはアレルゲン特異的IgE抗体)のレベルと比較して、0%~50%、30%~45%、35%~45%、30%~40%、35%~40%、40%~50%、40%~45%、45%~50%の間に低減しているIgE抗体(例として、全IgE抗体またはアレルゲン特異的IgE抗体)のレベルをもたらす。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物の投与は、組成物を受けなかった別の対象(例として、参照対象)におけるIgE抗体のレベルと比較して、30%~50%、30%~45%、35%~45%、30%~40%、35%~40%、40%~50%、40%~45%、45%~50%の間に低減しているIgE抗体(例として、全IgE抗体またはアレルゲン特異的IgE抗体)のレベルをもたらす。
【0089】
アレルゲン特異的IgE抗体の存在および/または分量を包含する、対象におけるIgE抗体の存在および/または分量は、当該技術分野において知られている方法によって査定され得る。例えば、血液または血漿試料などの試料は、対象から得られ、および例えば、免疫アッセイ(例として、放射性アレルゲン吸着試験(RAST)、蛍光アレルゲン吸着試験(FAST)、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA))およびタンパク質アレイ(例として、Fall et al. Methods Mol Biol (2009) 509: 107-122を参照されたい)による分析に供されてもよい。アレルゲン特異的IgE抗体の存在は、加えてまたは代替的に、皮膚試験(例として、皮膚プリックテスト)を使用して査定されてもよい。
【0090】
いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物および方法は、1以上のTh2免疫応答を抑制する。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物および方法は、Th2細胞(2型ヘルパーT細胞とも称される)の発生または分化を抑制する。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物および方法は、Th2細胞の活性を抑制する。当業者によって明らかであろうように、Th2細胞は、IL-4、IL-5、IL-6、IL-10および/またはIL-13を産生するCD4+細胞の対象であり、およびIgE抗体応答および/または好酸球活性を促進することに関するであろう。CD4+細胞のTh2細胞への分化は、IL-4および/またはIL-12の存在および転写因子STAT6およびGATA3の活性化によって促進される(例として、Wan Trends Immunol. (2014) 35(6): 233-242;Zhu et al. J. Immunol. (2001) 166: 7276-7281を参照されたい)。いくつかの態様において、IgE抗体の量は、対象におけるTh2免疫応答のマーカーとして査定されるであろう。
【0091】
いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物の投与は、組成物の投与に先立った対象(またはその試料)におけるTh2免疫応答と比較して、少なくとも1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、1000倍、10倍、10倍またはそれ以上に低減しているTh2免疫応答のレベルをもたらす。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物の投与は、組成物を受けなかった別の対象(例として、参照対象)におけるTh2免疫応答と比較して、少なくとも1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、1000倍、10倍、10倍またはそれ以上に低減しているTh2免疫応答をもたらす。
【0092】
いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物の投与は、組成物の投与に先立った対象(またはその試料)におけるTh2免疫応答と比較して、少なくとも5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%低減しているTh2免疫応答のレベルをもたらす。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物の投与は、組成物を受けなかった別の対象(例として、参照対象)におけるTh2免疫応答と比較して、少なくとも5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%低減しているTh2免疫応答をもたらす。
【0093】
Th2免疫応答の存在またはレベルは、当該技術分野において知られているいずれかの方法を使用して査定されてもよい。Th2免疫応答の存在またはレベルは、例えば、Th2細胞を指示する細胞マーカーを検出すること;Th2細胞に関連する転写プロファイルを査定すること;直接または間接にTh2細胞の活性を査定すること;および/またはTh2細胞によって産生される1以上のサイトカイン(例として、IL-4、IL-5、IL-6、IL-10、IL-13)の産生を測定することによってなどの、対象から得られた試料中のTh2細胞の数を検出することおよび/または定量することによって査定されてもよい。
【0094】
いくつかの態様において、本明細書に提供される組成物の投与は、対象におけるアレルギー(例として、食物アレルギー)に関連する免疫応答を調節する健常なマイクロバイオームをもたらす。いくつかの態様において、本明細書に提供される組成物の投与は、対象におけるアレルギー(例として、食物アレルギー)に関連する免疫応答を調節する健常なマイクロバイオームをもたらす。いくつかの態様において、本明細書に提供される組成物の投与は、対象における制御性T細胞の蓄積および/または増殖を誘導する健常なマイクロバイオームをもたらす。いくつかの態様において、本明細書に提供される組成物の投与は、対象におけるIgE抗体の産生を抑制する健常なマイクロバイオームをもたらす。いくつかの態様において、本明細書に提供される組成物の投与は、対象におけるTh2免疫応答を抑制する健常なマイクロバイオームをもたらす。
【0095】
いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物のいずれかの治療的に有効な量は、アレルギーを処置するために充分な量である。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物のいずれかの治療的に有効な量は、アレルギーに関連する1以上の兆候を低減させるために充分な量である。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物のいずれかの治療的に有効な量は、食物アレルギーなどのアレルギーに関連する1以上の免疫応答を調節するために充分な量である。例えば、いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物のいずれかの治療的に有効な量は、対象における制御性T細胞(Treg)の増殖および/または蓄積を誘導するために充分な量である。
【0096】
いくつかの態様において、組成物の治療的に有効な量は、対象の具体的な部位(例として、胃腸管)でTregの増殖および/または蓄積を誘導する。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物のいずれかの治療的に有効な量は、IgE抗体の産生(例として、全IgE抗体またはアレルゲン特異的IgE抗体)を抑制するために充分な量である。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物のいずれかの治療的に有効な量は、1以上のTh2免疫応答を抑制するために充分な量である。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物のいずれかの治療的に有効な量は、対象がアレルゲンでの抗原投与(例として、落花生アレルゲンへの意図しない曝露におけるアナフィラキシー性のアレルギー反応のケースにおいて)を生き残ることを可能にするために充分な量である。
【0097】
本明細書に使用されるとき、用語「治療的に有効な量」は、用語「有効量」と交換可能に使用されてもよい。本明細書に記載のとおりの、医薬組成物などの組成物の治療的に有効な量または有効量は、これらに限定されないが、兆候の遅延、進行の停止、本明細書に記載の方法を使用して処置される疾患(例として、アレルギー)の兆候の緩和または軽減を包含する、本明細書に記載のそれらなどの、対象における所望される応答または成果をもたらすいずれかの量である。
【0098】
細菌株を含む組成物に関して、用語有効量は、投与される細菌の数またはCFUとして表されてもよいことを理解すべきである。細菌が複合的に一度に投与され得ることをさらに理解すべきである。よって、相対的に少量の細菌の投与でさえ、治療的効果を有するであろう。
本明細書に記載の方法のいずれかは、対象におけるアレルギーの処置のためのものであるだろう。本明細書に使用されるとき、アレルギーを処置する方法は、アレルギーに関連する少なくとも1の兆候を緩和することまたは軽減すること、またはアレルゲンへの接触または曝露の際のアレルギー反応の発生を遅らせることまたは予防することに関する。
【0099】
対象がアレルギーを有するかまたは有するリスクにある、またはアレルゲンに応じてアレルギー反応を有するかまたは有するリスクにあるかどうかを決定することに関する方法もまた、本開示の範囲内である。いくつかの態様において、対象がアレルギーを有するかまたはアレルゲンに応じてアレルギー反応を有するリスクにあるかを決定される場合に、対象は、本明細書に記載の細菌株を含有する組成物のいずれかを投与される。対象がアレルギーを有するかまたは有するリスクにある、またはアレルゲンに応じてアレルギー反応を有するかどうかを決定する方法は、当該技術分野において知られており、および、例えば、IgE抗体(例として、全IgE抗体、アレルゲン特異的IgE抗体)の存在またはレベルを検出すること、1以上のTh2免疫応答の存在またはレベルを検出すること、またはアレルギー皮膚試験を実施することを包含する。いくつかの態様において、方法は、対象が食物アレルギーを有するかまたは有するリスクにあるかどうかを査定することに関する。いくつかの態様において、対象が食物アレルギーを有するかまたは食物アレルゲンに応じてアレルギー反応を有するリスクにあると決定される場合に、対象は、本明細書に記載の細菌株を含有する組成物のいずれかを投与される。
【0100】
本開示の側面は、細菌株を含む組成物の投与に関連する。いくつかの態様において、本開示は、本明細書に記載の細菌株または種の配列のいずれか1つの核酸配列に対して配列同一性を有する16S rDNA配列を含む細菌株を提供する。2以上の核酸またはアミノ酸配列の文脈において、用語「同一の」またはパーセント「同一性」は、同じである2以上の配列またはサブシーケンスを指す。比較ウインドウ、または以下の配列比較アルゴリズムの1つを使用して、または手動のアライメントおよび目視での検査によって測定されるような指定領域にわたって最大限一致するように比較し、配列されるとき、核酸またはアミノ酸配列の特定の領域または配列全体にわたって同じであるアミノ酸残基またはヌクレオチドの特定のパーセンテージを有する(例として、少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%または99.9%の配列同一性)場合に、2つの配列は「実質的に同一」である。任意に、同一性は、少なくとも約50ヌクレオチド長である領域にわたって、またはより好ましくは100~500または1000またはそれ以上のヌクレオチド長である領域にわたって存在する。いくつかの態様において、同一性は、16S rRNAまたは16S rDNA配列の長さにわたって存在する。
【0101】
いくつかの態様において、本明細書に記載の株または細菌種のいずれかと比べて、特定の領域にわたってかまたは配列全体にわたって、細菌株は、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.6%、少なくとも99.7%、少なくとも99.8%、少なくとも99.9%、または最大で100%の配列同一性を有する。2以上の核酸配列またはアミノ酸配列の文脈において、用語「配列同一性」または「パーセント配列同一性」は、2以上の配列またはそれらの部分(単数または複数)の間の一定の類似性を指すことは、当業者によって明らかであるだろう。
【0102】
いくつかの態様において、組成物は、2以上(例として、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20)の細菌株を包含し、ここで2以上の細菌株は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、および配列番号13から選択される核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含有する。
【0103】
いくつかの態様において、組成物は、2以上(例として、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20)の細菌株を包含し、ここで2以上の細菌株は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、および配列番号8から選択される核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含有する。いくつかの態様において、組成物は、3以上(例として、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20)の細菌株を包含し、ここで2以上の細菌株は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号7、および配列番号8から選択される核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含有する;および組成物は、配列番号6によって提供される核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を有する細菌株を含有しない。いくつかの態様において、組成物は、2以上(例として、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20)の細菌株を包含し、ここで2以上の細菌株は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、および配列番号8から選択される核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含有する;および組成物は、配列番号7によって提供される核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を有する細菌株を含有しない。
【0104】
いくつかの態様において、組成物は、7つの細菌株を包含し、ここで細菌株は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号7、および配列番号8から選択される核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を包含する。いくつかの態様において、組成物は、7つの細菌株を包含し、ここで細菌株は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、または配列番号8から選択される核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を包含する。
【0105】
いくつかの態様において、組成物は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号7、および配列番号8から選択される核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を有する細菌株;および1以上の追加の細菌株を包含する。いくつかの態様において、組成物は、7つの細菌株を包含し、ここで細菌株は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、または配列番号8から選択される核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列;および1以上の細菌株を包含する。
【0106】
いくつかの態様において、組成物は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号7、および配列番号8の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を有する7つの細菌株からなる。いくつかの態様において、組成物は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、または配列番号8の核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を有する7つの細菌株からなる。
いくつかの態様において、組成物は、2以上(例として、3または4)の細菌株を包含し、ここで2以上の細菌株は、配列番号10、配列番号11;配列番号13;および配列番号4から選択される核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含有する。いくつかの態様において、組成物は、4つの細菌株からなり、ここで4つの細菌株は、配列番号10、配列番号11;配列番号13;および配列番号4として表される核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含有する。
【0107】
いくつかの態様において、組成物は、2以上(例として、3または4)の細菌株を包含し、ここで2以上の細菌株は、配列番号9、配列番号1;配列番号3;および配列番号12から選択される核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列を含有する。いくつかの態様において、組成物は、4つの細菌株からなり、ここで4つの細菌株は、配列番号9、配列番号1;配列番号3として表される核酸配列と少なくとも97%の配列同一性を有する16S rDNA配列;および配列番号12を含有する。
【0108】
加えて、または代替的に、2以上の配列は、配列間のアライメントについて査定されてもよい。2以上の核酸またはアミノ酸配列の文脈において、用語「アライメント」またはパーセント「アライメント」は、同じである2以上の配列またはサブシーケンスを指す。比較ウインドウ、または以下の配列比較アルゴリズムの1つを使用して、または手動のアライメントおよび目視での検査によって測定されるような指定領域にわたって最大限一致うるように比較および配列されるとき、特定の領域にわたって、または配列全体にわたって、2つの配列が同じである(例として、少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%または99.9%同一である)アミノ酸残基またはヌクレオチドの特定のパーセンテージを有する場合に、2つの配列は、「実質的に配列されて」いる。任意に、アライメントは、少なくとも約50ヌクレオチド長である領域にわたって、またはより好ましくは100~500または1000またはそれ以上のヌクレオチド長である領域にわたって存在する。いくつかの態様において、同一性は、16S rRNAまたは16S rDNA配列の長さにわたって存在する。
【0109】
配列比較について、典型的には1つの配列が参照配列として振る舞い、試験配列が比較される。比較のための配列のアライメントの方法は、当該技術分野において周知である。例として、Smith and Waterman (1970) Adv. Appl. Math. 2:482cの局所相同性アルゴリズムによるもの、Needleman and Wunsch、J. Mol. Biol. 48:443, 1970の相同性アライメントアルゴリズムによるもの、Pearson and Lipman. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:2444, 1988の類似性についての検索方法によるもの、これらのアルゴリズムのコンピュータ化された実行(GAP、BESTFIT、FASTA、およびWisconsin Genetics Software PackageにおけるTFASTA、Genetics Computer Group. Madison. WI)によるもの、または手動のアライメントおよび目視での検査(例として、Brent et al., Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, Inc.(Ringbou ed., 2003)を参照されたい)によるものを参照されたい。パーセント配列同一性および配列類似性を決定するために好適であるアルゴリズムの2つの例は、BLASTおよびBLAST 2.0アルゴリズムであり、Altschul et al., Nuc. Acids Res. 25:3389-3402, 1977;およびAltschul et al., J. Mol. Biol. 215:403-410, 1990において夫々記載されている。
【0110】
用語「細菌」および「細菌株」は、本明細書に使用されるときは、交換可能であることを理解すべきである。複数の精製された細菌株を含有する本明細書に記載の組成物は、「生菌産物」ともまた称されるであろう。
【0111】
いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物は、クロストリジウム綱の属する細菌を含有する。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物は、クロストリジウム科に属する細菌を含有する。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物は、クロストリジウム属に属する細菌を含有する。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物は、クロストリジウムクラスターIV、XIVaおよび/またはXVIIに属する細菌株を含有する。いくつかの態様において、組成物は、クロストリジウムクラスターIV、XIVa、およびXVIIに属する細菌株を含有する。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物は、クロストリジウムクラスターIVまたはXIVaに属する細菌株を含有する。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物は、クロストリジウムクラスターXVIIに属する細菌株を含有しない。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物は、クロストリジウムクラスターXVIに属する細菌株を含有しない。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物は、クロストリジウムクラスターXVIIIに属する細菌株を含有しない。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物は、クロストリジウムクラスターXVIまたはXVIIIに属する細菌株を含有しない。
【0112】
いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物は、以下の細菌株のうちの2以上を含有する:Clostridium bolteae、Anaerotruncus colihominis、Sellimonas intestinales、Clostridium symbiosum、Blautia producta、Dorea longicatena、Erysipelotrichaceae bacterium、Subdolinogranulum spp.、Clostridium hathewayi、Clostridium indolis、Anaerostipes caccae、Lachnospiraceae bacterium、およびClostridium種。
【0113】
いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物は、以下の細菌株のうちの2以上を含有する:Clostridium bolteae、Anaerotruncus colihominis、Sellimonas intestinales、Clostridium symbiosum、Blautia producta、Dorea longicatena、Erysipelotrichaceae bacterium、およびSubdolinogranulum spp.。いくつかの態様において、組成物は、以下の細菌株の2以上(例として、3、4、5、6、7、または8)を包含する:Clostridium bolteae、Anaerotruncus colihominis、Sellimonas intestinales、Clostridium symbiosum、Blautia producta、Dorea longicatena、Erysipelotrichaceae bacterium、およびSubdolinogranulum spp.。いくつかの態様において、組成物は、以下の細菌株の2以上(例として、3、4、5、6、7、または8)および1以上の追加の細菌株を包含する:Clostridium bolteae、Anaerotruncus colihominis、Sellimonas intestinales、Clostridium symbiosum、Blautia producta、Dorea longicatena、Erysipelotrichaceae bacterium、およびSubdolinogranulum spp.。
【0114】
いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物は、以下の細菌株の2以上を含有する:Clostridium bolteae、Anaerotruncus colihominis、Sellimonas intestinales、Clostridium symbiosum、Blautia producta、Erysipelotrichaceae bacterium、およびSubdolinogranulum spp.;および組成物は、Dorea longicatenaを含有しない。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物は、以下の細菌株の2以上を含有する:Clostridium bolteae、Anaerotruncus colihominis、Sellimonas intestinales、Clostridium symbiosum、Blautia producta、Dorea longicatena、およびSubdolinogranulum spp.;および組成物は、Erysipelotrichaceae bacteriumを含有しない。
【0115】
いくつかの態様において、組成物は、7つの細菌株を含有する。いくつかの態様において、組成物は、以下の細菌株からなる:Clostridium bolteae、Anaerotruncus colihominis、Sellimonas intestinales、Clostridium symbiosum、Blautia producta、Erysipelotrichaceae bacterium、およびSubdolinogranulum spp.。いくつかの態様において、組成物は、以下の細菌株からなる:Clostridium bolteae、Anaerotruncus colihominis、Sellimonas intestinales、Clostridium symbiosum、Blautia producta、Dorea longicatena、およびSubdolinogranulum spp.。
いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物は、以下の細菌株の2以上(例として、3または4)を含有する:Clostridium indolis、Anaerostipes caccae、Lachnospiraceae bacterium、およびClostridium symbiosum。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物は、以下の細菌株からなる:Clostridium indolis、Anaerostipes caccae、Lachnospiraceae bacterium、およびClostridium symbiosum。
【0116】
いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物は、以下の細菌株の2以上(例として、3または4)を含有する:Clostridium hathewayi、Clostridium bolteae、Sellimonas intestinalis、およびClostridium種。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物は、以下の細菌株からなる:Clostridium hathewayi、Clostridium bolteae、Sellimonas intestinalis、およびClostridium種。
一側面において、精製された細菌株の16S rDNA配列は、細菌のゲノムデータベースにおける既知の細菌種/株の16S rDNA配列と比較され、本明細書に開示の細菌株に最も近い既知の関連細菌種を同定した。本明細書に開示の組成物の複数の細菌株が、同じ最も近い関連細菌種を有するであろうことを理解すべきである。
【0117】
一側面において、本明細書に示されるように(例として、例において)、本明細書に提供される組成物および方法は、以下の細菌を包含する:Clostridium bolteae、Anaerotruncus colihominis、Sellimonas intestinalis、Clostridium symbiosum、Blautia producta、Dorea longicatena、Erysipelotrichaceae bacteriumおよびSubdolinogranulum spp.。本明細書に開示の組成物の例示の細菌株は、それらの16S rRNA配列(配列番号1~8)によってもまた同定され得る。それらの配列によって細菌を同定することは、さらにまた、例示される細菌と同一または高度に類似した追加の細菌株の同定を可能とする。実例として、細菌株の16S rRNA配列は、全ゲノム配列決定を通して、および16Sデータベースとこれらの配列を比較することにより、最も近い近縁種を(パーセント同一性に基づき)同定した(表1)。
【0118】
加えて、全ゲノム配列決定および全ゲノムデータベースとの全ゲノムの比較に基づくと、配列番号1~8によって提供される16S rRNA配列を有する細菌株は、以下の細菌種と最も密接に関わっている:Clostridium bolteae 90A9、Anaerotruncus colihominis DSM 17241、Dracourtella massiliensis GD1、Clostridium symbiosum WAL-14163、Clostridium bacterium UC5.1-1D4、Dorea longicatena CAG:42、Erysipelotrichaceae bacterium 21_3、およびClostridium orbiscindens 1_3_50AFAA(例として、表1を参照されたい)。よって、一側面において、表1の各行は、細菌株が高度に類似しており、および/または同一であることを理解すべきである。いくつかの態様において、本開示の文脈において、表1の行内の細菌株の名前は、互換的に使用され得る。
【0119】
よって、例えば、いくつかの態様において、本開示は、以下の細菌を包含する方法および組成物を提供する:Clostridium bolteae、Anaerotruncus colihominis、Sellimonas intestinalis、Clostridium symbiosum、Blautia producta、Dorea longicatena、Erysipelotrichaceae bacterium、およびSubdolinogranulum spp.。いくつかの態様において、本開示は、以下の細菌を包含する方法および組成物を提供する:Clostridium bolteae、Anaerotruncus colihominis、Sellimonas intestinalis、Clostridium symbiosum、Blautia producta,、Erysipelotrichaceae bacteriumおよびSubdolinogranulum spp.。いくつかの態様において、本開示は、以下の細菌を包含する方法および組成物を提供する:Clostridium bolteae、Anaerotruncus colihominis、Sellimonas intestinalis、Clostridium symbiosum、Blautia producta、Dorea longicatena、およびSubdolinogranulum spp.。
【0120】
よって、例えば、いくつかの態様において、本開示は、以下の細菌を包含する方法および組成物を提供する:Clostridium bolteae、Anaerotruncus colihominis、Eubacterium fissicatena、Clostridium symbiosum、Blautia producta、Dorea longicatena、Erysipelotrichaceae bacteriumおよびSubdolinogranulum spp.。いくつかの態様において、本開示は、以下の細菌を包含する方法および組成物を提供する:Clostridium bolteae、Anaerotruncus colihominis、Eubacterium fissicatena、Clostridium symbiosum、Blautia producta、Erysipelotrichaceae bacterium、およびSubdolinogranulum spp.。いくつかの態様において、本開示は、以下の細菌を包含する方法および組成物を提供する:Clostridium bolteae、Anaerotruncus colihominis、Eubacterium fissicatena、Clostridium symbiosum、Blautia producta,、Dorea longicatena、およびSubdolinogranulum spp.。
【0121】
よって、例えば、いくつかの態様において、本開示は、以下の細菌を包含する方法および組成物を提供する:Clostridium bolteae、Anaerotruncus colihominis、Drancourtella massiliensis、Clostridium symbiosum、Blautia producta、Dorea longicatena、Erysipelotrichaceae bacteriumおよびSubdolinogranulum spp.。いくつかの態様において、本開示は、以下の細菌を包含する方法および組成物を提供する:Clostridium bolteae、Anaerotruncus colihominis、Drancourtella massiliensis Clostridium symbiosum、Blautia producta,、Erysipelotrichaceae bacteriumおよびSubdolinogranulum spp.。いくつかの態様において、本開示は、以下の細菌を包含する方法および組成物を提供する:Clostridium bolteae、Anaerotruncus colihominis、Drancourtella massiliensis Clostridium symbiosum、Blautia producta,、Dorea longicatena、およびSubdolinogranulum spp.。
【0122】
よって、例えば、いくつかの態様において、本開示は、以下の細菌を包含する方法および組成物を提供する:Clostridium bolteae、Anaerotruncus colihominis、Ruminococcus torques、Clostridium symbiosum、Blautia producta、Dorea longicatena、Erysipelotrichaceae bacteriumおよびSubdolinogranulum spp.。いくつかの態様において、本開示は、以下の細菌を包含する方法および組成物を提供する:Clostridium bolteae、Anaerotruncus colihominis、Ruminococcus torques、Clostridium symbiosum、Blautia producta,、Erysipelotrichaceae bacteriumおよびSubdolinogranulum spp.。いくつかの態様において、本開示は、以下の細菌を包含する方法および組成物を提供する:Clostridium bolteae、Anaerotruncus colihominis、Ruminococcus torques、Clostridium symbiosum、Blautia producta,、Dorea longicatena、およびSubdolinogranulum spp.。
【0123】
よって、例えば、いくつかの態様において、本開示は、以下の細菌を包含する方法および組成物を提供する:Clostridium bolteae、Anaerotruncus colihominis、Ruminococcus torques、Clostridium symbiosum、Blautia producta、Dorea longicatena、Clostridium innocuum、およびSubdolinogranulum spp.。いくつかの態様において、本開示は、以下の細菌を包含する方法および組成物を提供する:Clostridium bolteae、Anaerotruncus colihominis、Ruminococcus torques、Clostridium symbiosum、Blautia producta,、Clostridium innocuum、およびSubdolinogranulum spp.。
【0124】
よって、例えば、いくつかの態様において、本開示は、以下の細菌を包含する方法および組成物を提供する:Clostridium bolteae、Anaerotruncus colihominis、Ruminococcus torques、Clostridium symbiosum、Blautia producta、Dorea longicatena、Erysipelotrichaceae bacterium、およびFlavonifractor plautii。いくつかの態様において、本開示は、以下の細菌を包含する方法および組成物を提供する:Clostridium bolteae、Anaerotruncus colihominis、Ruminococcus torques、Clostridium symbiosum、Blautia producta,、Erysipelotrichaceae bacterium、およびFlavonifractor plautii。いくつかの態様において、本開示は、以下の細菌を包含する方法および組成物を提供する:Clostridium bolteae、Anaerotruncus colihominis、Ruminococcus torques、Clostridium symbiosum、Blautia producta,、Dorea longicatena、およびFlavoinifractor plautii。
【0125】
よって、例えば、いくつかの態様において、本開示は、以下の細菌を包含する方法および組成物を提供する:Clostridium bolteae、Anaerotruncus colihominis、Ruminococcus torques、Clostridium symbiosum、Blautia producta、Dorea longicatena、Erysipelotrichaceae bacterium、およびClostridium orbiscindens。いくつかの態様において、本開示は、以下の細菌を包含する方法および組成物を提供する:Clostridium bolteae、Anaerotruncus colihominis、Ruminococcus torques、Clostridium symbiosum、Blautia producta,、Erysipelotrichaceae bacterium、およびClostridium orbiscindens。いくつかの態様において、本開示は、以下の細菌を包含する方法および組成物を提供する:Clostridium bolteae、Anaerotruncus colihominis、Ruminococcus torques、Clostridium symbiosum、Blautia producta,、Dorea longicatena、およびClostridium orbiscindens。
【0126】
全ゲノム分析に基づく相同性は、表1に提示される。
【表1】
【0127】
いくつかの態様において、細菌株の1以上は、ヒト由来細菌であり、1以上の細菌株がヒトまたはそこ(例として、ヒトドナー)からの試料から得られたかまたは同定されたことを意味する。いくつかの態様において、1以上の細菌株は、ヒト共生細菌、すなわち、健常なヒトマイクロバイオームにおいて一般的に見出される細菌株である。本明細書に提供される組成物のいくつかの態様において、細菌株のすべてがヒト由来細菌である。本明細書に提供される組成物のいくつかの態様において、細菌株のすべてが、ヒト共生細菌である。本明細書に提供される組成物のいくつかの態様において、細菌株は、2以上のヒトドナー由来である。
【0128】
本明細書に提供される組成物において使用される細菌株は、一般には、健常な個体のマイクロバイオームから単離される。いくつかの態様において、組成物は、単一の個体に起源を持つ株を包含する。いくつかの態様において、組成物は、複数の個体に起源を持つ株を包含する。いくつかの態様において、組成物は、複数の個体から得られ、単離され、および個別に増殖される。個別に増殖される細菌組成物は、続いて1つに合わせられて本開示の組成物を提供してもよい。本明細書に提供される組成物の細菌株の起源は、健常な個体からのヒトマイクロバイオームに制限されないことを理解すべきである。いくつかの態様において、細菌株は、腸内菌共生バランス失調におけるマイクロバイオームを有するヒトに起源を持つ。いくつかの態様において、細菌株は、非ヒト動物または環境(例として、土壌または地表水)に起源を持つ。いくつかの態様において、本明細書に提供される細菌株の組み合わせは、複数の供給源(例として、ヒトおよび非ヒト動物)に起源を持つ。
【0129】
いくつかの態様において、組成物は、1以上の嫌気性菌を包含する。いくつかの態様において、組成物は、嫌気性菌のみを包含する。いくつかの態様において、組成物は、1以上の通性嫌気性菌を包含する。いくつかの態様において、組成物は、通性嫌気性菌のみを包含する。いくつかの態様において、組成物は、1以上の偏性嫌気性菌を包含する。いくつかの態様において、組成物は、偏性嫌気性菌のみを包含する。
【0130】
いくつかの態様において、組成物中の細菌株の少なくとも1(例として、1、2、3、4、5、またはそれ以上)は、胞子菌である。いくつかの態様において、組成物中の細菌株の少なくとも1(例として、1、2、3、4、5、またはそれ以上)は、芽胞形態にある。いくつかの態様において、組成物中の細菌株の少なくとも1(例として、1、2、3、4、5、またはそれ以上)は、非胞子菌である。いくつかの態様において、組成物中の細菌株の少なくとも1(例として、1、2、3、4、5、またはそれ以上)は、栄養形態にある。上述するように、芽胞形成細菌は、栄養形態でもまたあり得る。いくつかの態様において、組成物中の細菌株の少なくとも1(例として、1、2、3、4、5、またはそれ以上)は、芽胞形態であり、および組成物中の細菌株の少なくとも1(例として、1、2、3、4、5、またはそれ以上)は、栄養形態である。いくつかの態様において、芽胞を形成することができると考えられる少なくとも1の細菌株(すなわち、胞子菌)は、しかし栄養形態で組成物中に存在する。いくつかの態様において、芽胞を形成することができると考えられる少なくとも1の細菌株は、芽胞形態および栄養形態の両方で組成物中に存在する。
【0131】
本明細書において提供される生細菌産物の細菌株は、生きており、および標的エリア(例として、腸)に到達したときに生きているであろうことが想定される。細菌の芽胞は、この点については生きていると考えられる。いくつかの態様において、芽胞として投与される細菌は、標的エリア(例として、腸)において出芽するであろう。細菌のすべてが生きているというのではなく、および組成物は、生きていないもののパーセンテージ(例として、重量によって)を包含し得ることをさらに理解すべきである。加えて、いくつかの態様において、組成物は、投与されるときに、または組成物が標的エリア(例として、腸)に到達した時点で生きていない細菌株を包含する。非生存細菌は、組成物中の他の細菌株のためのいくつかの栄養素および代謝体を提供することにより、依然として有用であるだろうことを理解すべきである。
【0132】
本明細書に提供される生細菌産物のいずれかにおける、いくつかの態様において、細菌株は、精製されている。本明細書に提供される生細菌産物のいずれかにおける、いくつかの態様において、細菌株は、単離されている。本明細書に記載の細菌株のいずれかは、例えば、培地または微生物叢試料(例として、排泄物)などの供給源から単離され、および/または精製されるだろう。本明細書に提供される組成物において使用される細菌株は、一般には、健常な個体のマイクロバイオームから単離される。しかしながら、細菌株は、健常ではないと考えられる個体からもまた単離され得る。いくつかの態様において、組成物は、複数の個体に起源を持つ株を包含する。
【0133】
本明細書に使用されるとき、細菌における用語「単離された」は、別の細菌または細菌株、成長培地の1以上の構成要素および/または糞便試料などの試料の1以上の構成要素などの1以上の望ましくない構成要素から分離されている細菌を指す。いくつかの態様において、細菌は、供給源の他の構成要素が検出されないように(例として、検出レベル未満)、供給源から実質的に単離される。本明細書においてまた使用されるように、用語「精製された」は、夾雑物などの1以上の構成要素から分離されているものを含む細菌株または組成物を指す。いくつかの態様において、細菌株は、実質的に夾雑物フリーである。いくつかの態様において、組成物の1以上の細菌株は、培地または細菌株を含有する試料において産生されるかまたは存在する1以上の他の細菌から独立して精製されてもよい。いくつかの態様において、細菌株は、試料から単離され、または精製され、および次いで細菌の複製のための適切な条件下、例として、嫌気性培養条件下で培養される。細菌の複製のための適切な条件下で増殖した細菌は、続いて増殖させる培地から単離され/精製され得る。
【0134】
組成物、例として、医薬組成物などの対象へ投与するための組成物もまた本開示の範囲内である。いくつかの態様において、組成物は、本明細書に記載の細菌株のいずれかを含む。
一側面において、本開示は、本明細書に記載の細菌株のいずれかを含む医薬組成物を提供する。いくつかの態様において、医薬組成物は、薬学的に許容し得る賦形剤を含む。いくつかの態様において、医薬組成物は、経口投与のために処方されている。いくつかの態様において、医薬組成物は、直腸投与のために処方されている。いくつかの態様において、医薬組成物は、腸への送達のために処方されている。いくつかの態様において、医薬組成物は、結腸への送達のために処方されている。
【0135】
いくつかの態様において、組成物または医薬組成物は、細菌株を含有する。いくつかの態様において、医薬組成物は、粉末形態にある細菌株を含有する。いくつかの態様において、医薬組成物は、凍結乾燥されている細菌株を含有する。いくつかの態様において、医薬組成物は、噴霧乾燥されている細菌株を含有する。いくつかの態様において、医薬組成物は、凍結乾燥されている細菌株および噴霧乾燥されている細菌株を含有する。いくつかの態様において、医薬組成物は、カプセルの形態である。いくつかの態様において、医薬組成物は、1以上の腸溶性ポリマーを含むpH感受性組成物をさらに含む。
【0136】
いくつかの態様において、医薬組成物および食品製品を包含する組成物の細菌株の1以上は、噴霧乾燥されている。いくつかの態様において、細菌株のサブセットは、噴霧乾燥されている。噴霧乾燥のプロセスは、細菌組成物を含む液体からの乾燥粉末の産生を指す(例として、Ledet et al., Spray-Drying of Pharmaceuticals in "Lyophilized Biologics and Vaccines" pages 273-294, Springerを参照されたい)。一般に、プロセスは、細菌組成物を高温ガスで迅速に乾燥することを含む。細菌株は、他の細菌株と1つに合わせられるのに先立ち薬学的賦形剤と1つに合わせられてもよく、または複数の噴霧乾燥された細菌株は、噴霧乾燥された形態にある間に1つに合わせられてもよく、および細菌株の混合物は、一度1つに合わせられて、続いて薬学的賦形剤と1つに合わせられてもよい。
【0137】
細菌株を含む医薬組成物および食品製品を包含する本明細書に記載の組成物のいずれか、細菌株は、いずれかの形態、例えば、溶液または懸濁液などの水性形態、半固体形態に包埋された、粉末状の形態、またはフリーズドライ形態にある。いくつかの態様において、組成物または細菌株は、凍結乾燥されている。いくつかの態様において、細菌株のサブセットは、凍結乾燥されている。組成物、具体的に言うと細菌を含む組成物を凍結乾燥する方法は、当該技術分野において周知である。例として、それらの全体において参照により本明細書に組み込まれている、US3,261,761;US4,205,132;PCT公報WO2014/029578およびWO2012/098358を参照されたい。細菌は、組み合わせとして凍結乾燥されてもよく、および/または細菌は、投与に先立ち個別に凍結乾燥され、および1つに合わせられてもよい。細菌株は、他の細菌株と1つに合わせられるのに先立ち薬学的賦形剤と1つに合わせられてもよく、または複数の凍結乾燥された細菌は、凍結乾燥された形態にある間に1つに合わせられてもよく、および細菌の混合物は、一度1つにあわせられて、続いて薬学的賦形剤と1つに合わせられてもよい。いくつかの態様において、細菌株は、凍結乾燥ケーキである。いくつかの態様において、1以上の細菌株を含む組成物は、凍結乾燥ケーキである。
【0138】
細菌株は、当該技術分野において周知である発酵技法を使用して製造され得る。いくつかの態様において、細菌は、嫌気性菌の種の迅速な成長を支持し得る、嫌気性発酵槽を使用して増殖または製造される。嫌気性発酵槽は、例えば、攪拌槽型反応器または使い捨てのWAVE Bioreactorであってもよい。BL培地およびEG培地、または同様の動物構成要素のないこれらの培地の同様のバージョンなどの培養培地は、細菌種の成長を指示するために使用され得る。細菌産物は、遠心分離および濾過などの既存の技法によって発酵ブロスから精製および濃縮され得、および任意に当該技術分野において周知である技法によって乾燥および凍結乾燥され得る。
【0139】
いくつかの態様において、生細菌産物は、医薬組成物としての投与のために処方されてもよい。用語「医薬組成物」は、本明細書に使用されるとき、本明細書に記載の細菌株のいずれかなどの少なくとも1の活性成分と1以上の不活性成分を混合するかまたは1つに合わせものを生じる産物を意味し、1以上の薬学的に許容し得る賦形剤を包含してもよい。
【0140】
「許容し得る」賦形剤は、活性成分と適合し、および投与される対象に対し有害でなければならない賦形剤を指す。いくつかの態様において、薬学的に許容し得る賦形剤は、組成物の投与の意図されたルートに基づき選択され、例えば、経口または経鼻投与のための組成物は、直腸投与のための組成物とは異なる薬学的に許容し得る賦形剤を含むであろう。賦形剤の例は、滅菌水、生理食塩水、溶媒、基材、乳化剤、懸濁化剤、界面活性剤、安定剤、香味剤、芳香剤、賦形剤、ビヒクル、防腐剤、結合剤、希釈剤、等張化剤、無痛化剤、増量剤、崩壊剤、緩衝剤、コーティング剤、潤滑剤、着色剤、甘味料、増粘剤、および可溶化剤を包含する。
【0141】
本発明の医薬組成物は、当該技術分野において周知であり、および日常的に実行されている方法に従って調製され得る(例として、Remington: The ScienceおよびPractice of Pharmacy, Mack Publishing Co. 20th ed. 2000を参照されたい)。本明細書に記載の医薬組成物は、凍結乾燥製剤または水性溶液の形態でいずれかの担体または安定剤をさらに含んでもよい。許容し得る賦形剤、担体、または安定剤は、例えば、バッファー、抗酸化剤、防腐剤、ポリマー、キレート試薬および/または界面活性剤を包含してもよい。医薬組成物は、好ましくはGMPの条件下で製造される。医薬組成物は、実例として、カプセル、錠剤、丸薬、サッシェ、液体、粉末、顆粒、細粒、フィルムコーティングされた製剤、ペレット、トローチ、舌下製剤、チュアブル、バッカル剤、ペースト、シロップ、懸濁液、エリキシル、エマルション、塗布薬、軟膏、膏薬、パップ剤、経皮吸収系、ローション、吸入剤、エアロゾル、注射、坐薬等の形態で経口的に、経鼻的にまたは非経口的に、使用され得る。いくつかの態様において、医薬組成物は、静脈内、筋肉内、皮下、または皮内投与などの注射によって使用され得る。
【0142】
いくつかの態様において、細菌株を含む組成物は、腸(例として、小腸および/または結腸)への送達のために処方される。いくつかの態様において、細菌株を含む組成物は、胃における厳しい環境を通して細菌の生存を増加させる腸容性のコーティングをされて処方されてもよい。腸溶性のコーティングは、その中の組成物の細菌が胃を通過して腸内に入るように、胃における胃液の作用に抵抗するものである。腸溶性のコーティングは、コーティング内に封入された細菌が、腸管内に放出されるように、腸液と接触したときに容易に溶解してもよい。腸溶性のコーティングは、市販のEUDRAGIT(Evonik Industries)などの当該技術分野において周知であるポリマーおよびコポリマーからなるものであってもよい(例として、Zhang, AAPS PharmSciTech, 2016, 17 (1), 56-67を参照されたい)。
【0143】
細菌株を含む組成物はまた、腸(例として、結腸)への直腸送達のために処方されてもよい。よって、いくつかの態様において、細菌株を含む組成物は、結腸内視鏡検査、内視鏡検査、S状結腸鏡検査または浣腸によって送達されるために処方されてもよい。医薬調製物または製剤および具体的に経口投与のための医薬調製物は、腸(例として、結腸)への本開示の組成物の効率的な送達を可能にする追加の構成要素を包含してもよい。腸(例として、結腸)への組成物の送達を可能にする様々な医薬調製物が使用され得る。その例は、pH感受性組成物、より具体的に言うと、腸溶性ポリマーが胃を通過したのちにpHがアルカリ性になるときに、それらの内容物を放出する緩衝化サッシェ製剤または腸溶性ポリマーを包含する。pH感受性組成物が医薬調製物を処方するために使用されるとき、pH感受性組成物は、好ましくは、その組成物の変質のpH域値が約6.8~約7.5の間であるポリマーである。
【0144】
かかる数値範囲は、胃の遠位部でアルカリ側にシフトする範囲であり、およびゆえには、結腸への送達における使用のための好適な範囲である。腸の各部分(例として、十二指腸、空腸、回腸、盲腸、結腸および直腸)は、異なる生化学的および化学的環境を有することをさらに理解すべきである。実例として、腸の部分は、異なるpHを有し、特定のpH感度を有する組成物により標的化された送達を可能とする。よって、本明細書に提供される組成物は、適切なpH感度を有する製剤を提供することによって、腸または特定の腸の部分(例として、十二指腸、空腸、回腸、盲腸、結腸および直腸)への送達のために処方されるであろう(例として、Villena et al.、Int J Pharm 2015, 487 (1-2): 314-9を参照されたい)。
【0145】
追加のまたは代替のルートによる投与のための医薬組成物もまた、本開示の範囲内である。いくつかの態様において、医薬組成物は、舌下投与のために処方される。いくつかの態様において、医薬組成物は、注射による投与のために処方される。
いくつかの態様において、医薬組成物は、胃腸管(例として、結腸)などの所望される部位への本開示の組成物の効率的な送達を可能にする追加の構成要素を包含してもよい。
いくつかの態様において、医薬組成物は、アレルギーの処置における利益を提供することに関連するアジュバンドを包含する。いくつかの態様において、医薬組成物は、経口免疫治療の、皮膚上免疫治療の、または舌下免疫治療の1以上の構成要素を包含する。
【0146】
腸(例として、結腸)への組成物の送達のために有用な医薬調製物の別の態様は、小腸の通過時間に対応する、およそ3~5時間内容物(例として、細菌株)の放出を遅延させることのよって結腸への送達を確実にするものである。遅延放出のための医薬調製物の一態様において、ハイドロゲルが、シェルとして使用される。ハイドロゲルは、胃腸液と接触する際に水和および膨張し、その結果内容物は、有効に放出される(主として結腸で放出される)。遅延放出投薬量ユニットは、投与される薬物または活性成分をコーティングするかまたは選択的にコーティングする、材料を有する薬物を含有する組成物を包含する。かかる選択的コーティング材料の例は、in vivo分解性ポリマー、徐々に加水分解可能なポリマー、徐々に水に溶けるポリマーおよび/または酵素分解性ポリマーを包含する。放出を効率的に遅延させるための多種多様のコーティング材料は、入手可能であり、および、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、アクリル酸ポリマー、およびメタクリル酸ポリマーおよびコポリマーなどのセルロースをベースとしたポリマー、およびコポリマー、およびビニルポリマーおよびポリビニルピロリドンなどのコポリマーを包含する。
【0147】
腸(例として、結腸)への送達を可能とする医薬組成物の追加の例は、結腸粘膜に特異的に付着する生態付着性組成物(例えば、米国特許第6,368,586号の明細書に記載のポリマー)、および胃腸管内の具体的には生物製剤調製物をプロテアーゼの活性に起因した変質から保護するためのプロテアーゼインヒビターが組み込まれている組成物を包含する。
腸(例として、結腸)への送達を可能とするシステムの別の例は、胃の遠位部での細菌の発酵におけるガスの生成によって引き起こされる圧力の変化を利用することによって内容物が放出されるように、圧力変化によって結腸へと組成物を送達するシステムである。かかるシステムは、特に限定はされないが、そのより具体的な例としては、坐薬ベース中に内容物を分散し、および疎水性ポリマー(例えば、エチルセルロース)でコーティングされるカプセルである
【0148】
腸(例として、結腸)への組成物の送達を可能とするシステムのさらなる例は、例えば、炭水化物ヒドロラーゼまたは炭水化物レダクターゼなどの消化管(例として、結腸)において存在する酵素によって取り除かれ得るコーティングを包含する組成物である。かかるシステムは、特に限定はされないが、よりその具体的な例としては、非デンプン多糖類、アミロース、キサンタンガムおよびアゾポリマーなどの食物構成要素を使用するシステムを包含する。
本明細書に提供される組成物はまた、穴を通して(例として、鼻腔チューブ)または外科手術を通して送達することによって、腸などの特定の標的エリアへ送達され得る。加えて、特定のエリア(例として、盲腸または結腸)への送達のために処方される本明細書に提供される組成物は、チューブによって(例として、直接小腸内に)投与されてもよい。チューブなどの機械的な送達方法とpH特異的なコーティングなどの化学的な送達方法とを組み合わせることは、本明細書に提供される組成物の所望される標的エリア(例として、盲腸または結腸)への送達を可能とする。
【0149】
細菌を含む組成物は、当業者にとって既知の従来の方法によって薬学的に許容し得る剤形内に処方される。投薬量レジメンは、最適な所望される応答(例として、予防的または治療的効果)を提供するよう調整される。いくつかの態様において、組成物の剤形は、錠剤、丸薬、カプセル、粉末、顆粒、溶液、または坐薬である。いくつかの態様において、医薬組成物は、経口投与のために処方される。いくつかの態様において、医薬組成物は、細菌株を含み、および細菌、またはこの一部が、対象の胃を通過した後に生存できるままであるように処方される。いくつかの態様において、医薬組成物は、直腸投与のため、例として、坐薬として処方される。いくつかの態様において、医薬組成物は、適切なコーティング(例として、pH特異的コーティング、標的エリア特異的な酵素によって分解され得るコーティング、または標的エリアに存在する受容体に結合し得るコーティング)を提供することによって、腸または腸の特定のエリア(例として、結腸)への送達のために処方される。
【0150】
本発明の医薬組成物中の活性成分の投薬量は、具体的な対象、組成物、および投与のモードについての所望される医薬の応答を達成するために有効であり、対象において毒性であるかまたは弊害を有することのない活性成分の量を得るように変化し得る。選択される投薬量レベルは、本発明に用いられる具体的な組成物の活性、投与ルート、投与の時間、処置の期間、用いられる具体的な組成物との組み合わせにおける使用される他の薬物、化合物および/または材料、処置される対象の年齢、性別、重量、状態、全体的な健康および以前の病歴、およびそのような因子を包含する様々な因子に依存する。
【0151】
内科医、獣医または他の訓練された実践者は、所望される治療的効果を達成するために必要なものより低いレベルで医薬組成物の用量を開始し、および所望される効果(例として、アレルギーの処置、アレルギーに関連する1以上の免疫応答の調節)が達成されるまで投薬料を徐々に増加することができる。一般に、本明細書に記載のとおりの人々のグループの予防的な処置についての本発明の組成物の有効な用量は、投与ルート、対象の生理学的状態、対象がヒトまたは動物であるか、他の投与される薬品、および所望される治療的効果を包含する、多くの種々の因子に依存して変化する。投薬量は、安全性および有効性を最適化するために量を決定する必要がある。
【0152】
いくつかの態様において、投薬レジメンは、本明細書に記載の組成物のいずれかの用量の経口投与を必然的に伴う。いくつかの態様において、投薬レジメンは、本明細書に記載の組成物のいずれかの複数回用量の経口投与を必然的に伴う。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物のいずれかは、対象に1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、または少なくとも10回、またはそれ以上の回数投与される。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物のいずれかは、2週毎、月毎、2月毎、3月毎、4月毎、5月毎、6月毎、またはそれ以上などの規則的な間隔での複数回用量において対象へ投与される。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物のいずれかの1用量が投与され、および組成物の第2の用量が、翌日(例として、連続した日)に投与される。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物のいずれかの1用量が投与され、および組成物の追加の用量の各々が、連続した日(例として、第1日目の第1の用量、第2日目の第2の用量、第3日目の第3の用量、等々)に投与される。
【0153】
一側面において、本開示は、医薬組成物の複数の毎日の用量の投与を含む方法を提供する。いくつかの態様において、医薬組成物は、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、14日間、15日間、16日間、17日間、18日間、19日間、20日間、21日間、22日間、23日間、24日間、25日間、26日間、27日間、28日間、29日間、30日間、1月間、2月間、3月間、4月間、5月間、6月間、7月間、8月間、9月間、10月間、11月間、12月間またはそれ以上毎日のように投与される。
【0154】
いくつかの態様において、本開示は、医薬組成物の1以上の用量を投与すること、例として、Treg細胞、IgE細胞のレベルを測定すること、または皮膚試験を行うことによって、対象が、医薬組成物の1以上の用量の投与に応答しているかを決定することを含む方法を提供し、ここで応答が所望される効果(例として、Treg細胞の不充分なレベル、または皮膚試験に対する強い応答)に関連しない場合、医薬組成物の追加の用量が投与される。
【0155】
本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、本明細書に記載の細菌組成物のいずれかの投与に先立ち、1以上の抗生物質が対象に投与されてもよい。いくつかの態様において、1以上の抗生物質は、食物アレルギーに関連する細菌株を対象の胃腸管から取り除くために投与される(例として、Ho et al., Role of the Microbiome in Food Allergy. Curr Allergy Asthema Rep. 2018 Apr 5;18(4):27.を参照されたい)。いくつかの態様において、1以上の抗生物質は、アレルギー反応を増強する望ましくない免疫応答に関連する細菌株を対象の胃腸管から取り除くために投与される。
【0156】
かかる態様において、抗生物質は、本明細書に提供される有益な細菌組成物の効果を削がないレジメンに従って投与されるだろう(例として、本明細書に提供される1以上の有益な細菌組成物の投与に先立ち、抗生物質を体から除去することによって)。いくつかの態様において、1以上の抗生物質は、本明細書に提供される細菌組成物のいずれかに先立ち対象に投与されるてもよい。いくつかの態様において、本開示は、抗生物質(例として、バンコマイシン)と、これに続く医薬組成物の単回用量の投与を含む方法を提供する。いくつかの態様において、本開示は、抗生物質(例として、バンコマイシン)と、これに続く医薬組成物の複数回用量の投与を含む方法を提供する。
【0157】
いくつかの態様において、抗生物質(例として、バンコマイシン)の投与と、これに続く医薬組成物の単一または複数用量の投与は、抗生物質を包含しない投与の方法と比較して、医薬組成物の細菌株の存在量の増加をもたらす。いくつかの態様において、抗生物質(例として、バンコマイシン)の投与と、これに続く医薬組成物の単一または複数用量の投与は、抗生物質を包含しない方法と比較して、医薬組成物の細菌株のコロニー形成の期間の増加をもたらす。いくつかの態様において、本明細書に記載の方法は、抗生物質本明細書に記載の医薬組成物に先立ち、抗生物質を投与することを含まない。
【0158】
いくつかの態様において、抗生物質は、バンコマイシン、フィダキソマイシン(fidaxomycin)またはリジニラゾールである。いくつかの態様において、抗生物質は、バンコマイシンではない。本明細書に提供される方法のいずれかにおいて使用されるであろう抗生物質の非限定例は、セファロスポリン抗生物質のセファレキシン、セフロキシム、セファドロキシル、セファゾリン、セファロチン、セファクロル、セファマンドール、セフォキシチン、セフプロジル、セフトビプロール、クリンダマイシン、セフトリアキソン、セフォタキシム、セファゾリン、セフォペラゾン、セフロキシム、セフメタゾール、フルオロキノロン、シプロフロキサシン、レバクイン、フロキシン(floxin)、テクイン、アベロックス、ノルフロックス(norflox)、テトラサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、ドキシサイクリン、アモキシシリン、アンピシリン、ペニシリンV、ジクロキサシリン、ベンジルペニシリン、カルベニシリン、バンコマイシン、およびメチシリン、エルタペネム、ドリペネム、イミペネム/シラスタチン、メロペネム、クラブラン酸、タゾバクタム、ピペラシリン、セフトリアキソン、セフォタキシム、セファゾリン、フルオロキノロン、イミペネム、メロペネム、メトロニダゾール、フィダキシマイシンまたはリジニラゾールを包含する。
【0159】
いくつかの態様において、本明細書に記載の方法のいずれかは、本明細書に記載の医薬組成物の投与に先立ち、対象にバンコマイシンを投与することをさらに含んでもよい。いくつかの態様において、方法は、本明細書に記載の医薬組成物の投与に先立ち、対象にバンコマイシンを投与することを含まない。バンコマイシンの投与は、ヒト消化管微生物叢の構成を変更することが見出された。例として、Reijnders et al. Cell Metabolism (2016) 24(1): 63-72を参照されたい。いずれの具体的な理論によっても拘束されることは望まないが、バンコマイシンの投与が、例えば、胃腸管内に存在する他の微生物を取り除くことにより、本明細書に記載の医薬組成物の細菌株(単数または複数)の生着を補助するであろうことが考えられる。
【0160】
いくつかの態様において、抗生物質(例として、バンコマイシン)は、単回用量として1回対象に投与される。いくつかの態様において、抗生物質(例として、バンコマイシン)は、複数回用量で対象に投与される。いくつかの態様において、抗生物質(例として、バンコマイシン)は、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15またはそれ以上の用量で対象に投与される。抗生物質(例として、バンコマイシン)の複数回用量は、本明細書に記載の医薬組成物のいずれかを投与することに先立ち、規則的な間隔で対象に投与されてもよい。いくつかの態様において、抗生物質(例として、バンコマイシン)の複数回用量の各々は、連続した日(例として、第1日目に第1の用量、第2日目に第2の用量、第3日目に第3の用量、等々)に投与される。
【0161】
いくつかの態様において、抗生物質(例として、バンコマイシン)は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、またはそれ以上の連続した日の間対象に投与される。いくつかの態様において、抗生物質(例として、バンコマイシン)は、連続3日間それぞれの日に投与される。いくつかの態様において、抗生物質(例として、バンコマイシン)は、連続5日間それぞれの日に投与される。いくつかの態様において、抗生物質(例として、バンコマイシン)は、1日間対象に投与される。本明細書に記載の態様のいずれかにおいて、対象は、第1の抗生物質の1以上の用量とこれに続く第2の抗生物質の1以上の用量を投与されてもよい。
【0162】
いくつかの態様において、単回用量、または複数回用量の処置レジメンにおける第1の用量は、抗生物質(例として、バンコマイシン)の最終的な用量の投与と同じ日に投与される。いくつかの態様において、単回用量、または複数回用量の処置レジメンにおける第1の用量は、抗生物質(例として、バンコマイシン)の最終的な用量の投与の翌日に投与される。いくつかの態様において、単回用量、または複数回用量の処置レジメンにおける第1の用量は、抗生物質(例として、バンコマイシン)の最終的な用量の投与の2日後に投与される。いくつかの態様において、本明細書に提供される方法は、抗生物質(例として、バンコマイシン)の最終的な用量と医薬組成物の第1の用量との間にウォッシュアウトの日を許容する。いくつかの態様において、単回用量、または複数回用量の処置レジメンにおける第1の用量は、抗生物質(例として、バンコマイシン)の最終的な用量の投与の、3日、4日、5日、6日、10日またはそれ以上の後に投与される。いくつかの態様において、本明細書に提供される方法は、抗生物質(例として、バンコマイシン)の最終的な用量と医薬組成物の第1の用量との間に複数のウォッシュアウトの日を許容する。
【0163】
抗生物質(例として、バンコマイシン)の各用量は、同じ量の抗生物質であっても、または異なる量の抗生物質であってもよい。いくつかの態様において、抗生物質(例として、バンコマイシン)は、本明細書に記載の医薬組成物の1以上の細菌株のコロニー形成が可能であるために充分な量で投与される。いくつかの態様において、対象は、約50mg~1g、100mg~750mg、100mg~500mg、200mg~750mg、200mg~500mg、300mg~750mg、300mg~500mg、100mg~400mg、100mg~300mg、100mg~200mg、200mg~400mg、200mg~300mgの間、または450mg~550mgの抗生物質を1日当たり投与される。当業者には当然のことながら、対象に1日当たり投与されるバンコマイシンの総量は、単回用量または複数回用量の間で投与されてもよく、合計すると1日当たりの抗生物質の総量をもたらす。
【0164】
いくつかの例において、対象は、本明細書に記載の医薬組成物のいずれかの投与に先立ち、1日当たり約500mgのバンコマイシンを投与される。いくつかの態様において、1日当たり500mgのバンコマイシンは、単回用量(例として、500mg)で投与される。いくつかの態様において、1日当たり500mgのバンコマイシンは、複数回用量(例として、2、3、4、5またはそれ以上)で投与され、合計すると1日当たり500mgのバンコマイシンという結果になる。いくつかの態様において、500mgのバンコマイシンは、1日当たり125mgのバンコマイシンの4用量で投与される。いくつかの態様において、500mgのバンコマイシンは、1日間対象に投与される。いくつかの態様において、500mgのバンコマイシンは、2日間対象に1日当たり投与される。いくつかの態様において、500mgのバンコマイシンは、3日間対象に1日当たり投与される。いくつかの態様において、500mgのバンコマイシンは、4日間対象に1日当たり投与される。いくつかの態様において、500mgのバンコマイシンは、5日間対象に1日当たり投与される。
【0165】
いくつかの態様において、対象は、本明細書に記載の医薬組成物のいずれかの投与に先立ち、1日当たり約250mgのバンコマイシンを投与される。いくつかの態様において、1日当たり250mgのバンコマイシンは、単回用量(例として、250mg)で投与される。いくつかの態様において、1日当たり250mgのバンコマイシン日は、複数回用量(例として、2、3、4、5またはそれ以上)で投与され、合計すると1日当たり250mgのバンコマイシンという結果になる。いくつかの態様において、250mgのバンコマイシンは、1日当たり125mgのバンコマイシンの2用量で投与される。いくつかの態様において、250mgのバンコマイシンは、1日間対象に投与される。いくつかの態様において、250mgのバンコマイシンは、2日間対象に1日当たり投与される。いくつかの態様において、250mgのバンコマイシンは、3日間対象に1日当たり投与される。いくつかの態様において、250mgのバンコマイシンは、4日間対象に1日当たり投与される。いくつかの態様において、250mgのバンコマイシンは、5日間対象に1日当たり投与される。
【0166】
いくつかの態様において、対象は、本明細書に記載の医薬組成物のいずれかの投与に先立ち、1日当たり約125mgのバンコマイシンを投与される。いくつかの態様において、1日当たり125mgのバンコマイシンは、単回用量(例として、125mg)で投与される。いくつかの態様において、1日当たり125mgのバンコマイシンは、複数回用量(例として、2、3、4、5またはそれ以上)で投与され、合計すると1日当たり125mgのバンコマイシンという結果になる。いくつかの態様において、125mgのバンコマイシンは、1日間対象に投与される。いくつかの態様において、125mgのバンコマイシンは、2日間対象に1日当たり投与される。いくつかの態様において、125mgのバンコマイシンは、3日間対象に1日当たり投与される。いくつかの態様において、125mgのバンコマイシンは、4日間対象に1日当たり投与される。いくつかの態様において、125mgのバンコマイシンは、5日間対象に1日当たり投与される。
【0167】
いくつかの態様において、本開示は、対象に1以上の抗生物質を投与すること、および続いて細菌組成物のいずれかを対象に1回、2階、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、または少なくとも10回、またはそれ以上投与することを含む方法を提供する。いくつかの態様において、本開示は、対象に1以上の抗生物質を投与すること、および続いて本明細書に記載の細菌組成物のいずれかを対象に2週毎、月毎、2月毎、3月毎、4月毎、5月毎、6月毎、またはそれ以上などの規則的な間隔での複数回用量で投与することを含む方法を提供する。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物のいずれかの1用量が投与され、および組成物の第2の用量が、次の日(例として、連続した日)に投与される。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物のいずれかの1用量が投与され、および組成物の追加の用量の各々が、連続した日(例として、第1日目に第1の用量、第2日目に第2の用量、第3日目に第3の用量、等々)に投与される。
【0168】
一側面において、本開示は、1以上の抗生物質を対象に投与すること、および続いて医薬組成物の複数の毎日の用量として細菌組成物のいずれかを投与することを含む方法を提供する。いくつかの態様において、医薬組成物は、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、14日間、15日間、16日間、17日間、18日間、19日間、20日間、21日間、22日間、23日間、24日間、25日間、26日間、27日間、28日間、29日間、30日間、1月間、2月間、3月間、4月間、5月間、6月間、7月間、8月間、9月間、10月間、11月間、12月間またはそれ以上毎日のように投与される。
【0169】
いかなる具体的な機序によっても拘束されることを望まないが、いくつかの態様において、本明細書に記載の医薬組成物の投与は、対象における免疫応答(例として、制御性T細胞、IgE抗体の抑制)を誘導することによって、アレルギーの発生率または重症度を処置または低減してもよい。いくつかの態様において、本明細書に記載の医薬組成物の投与は、対象のマイクロバイオームを調節することによって、アレルギーの発生率または重症度を処置または低減してもよい。いくつかの態様において、本明細書に記載の医薬組成物の投与は、対象のマイクロバイオームにおける医薬組成物の細菌株の存在または存在量を増加させることによって、アレルギーの発生率または重症度を処置または低減してもよい。
【0170】
いくつかの態様において、本明細書に記載の医薬組成物 の投与は、対象のマイクロバイオームにおける医薬組成物中に存在しない細菌株の存在または存在量を増加させることによって、アレルギーの発生率または重症度を処置または低減してもよい。本明細書において示されるように、本開示の細菌組成物の投与は、対象のマイクロバイオームの全体的なシフトに関連した。本明細書に記載の医薬組成物の投与が、記載される結果のいずれかの組み合わせをもたらすであろうことをさらに理解すべきである。よって、実例として、処置の際の対象のマイクロバイオームが健常なマイクロバイオームまたは食物アレルギーを有さない対象において見出されるマイクロバイオームに関連する投与される細菌組成物の株および細菌株を包含するために、対象における食物アレルギーが処置される。
【0171】
一般に、本明細書に記載の医薬組成物の複数回用量の投与は、医薬組成物の単回用量の投与と比較して、医薬組成物の1以上の細菌株の増強されたコロニー形成(生着)を提供するであろう。いくつかの態様において、本明細書に記載の医薬組成物の複数回用量の投与は、医薬組成物の単回用量の投与と比較して、アレルギーの処置における1以上の有益な免疫応答を誘導するかまたは増強する。いくつかの態様において、本明細書に記載の医薬組成物の複数回用量の投与は、医薬組成物の単回用量の投与と比較して、医薬組成物の1以上の細菌株の増大した存在量を提供する。いくつかの態様において、本明細書に記載の医薬組成物の複数回用量の投与は、医薬組成物の単回用量の投与と比較して、医薬組成物中に存在しない1以上の細菌株の存在量を調節する(例として、増加するかまたは減少する)。
【0172】
本明細書に記載の態様のいずれかにおいて、医薬組成物は、アレルゲン免疫治療レジメンに先立ち、続いて、または同時に対象に投与されてもよい。アレルゲン免疫治療レジメンの例は、経口免疫治療(「OIT」)、舌下免疫治療(「SLIT」、例として、「アレルギー点滴薬/錠剤」)、皮下アレルゲン投与(例として、アレルギー注射)、および皮膚上免疫治療(例として、アレルゲンパッチ)を包含する。一般に、アレルゲン免疫治療レジメンは、アレルゲン(例として、食物アレルゲン)を対象に投与することに関し、対象をアレルゲンに対して減感作するために徐々に投薬量を増加させる。かかる免疫治療はまた、「免疫寛容原性(tolarogenic)」または「免疫寛容原性」ワクチンとも称されるであろう。
【0173】
いくつかの態様において、本明細書に記載の医薬組成物は、免疫寛容原性の免疫応答を誘導する免疫寛容原性抗原を投与することを含む経口免疫治療と組み合わせて使用される。本明細書に記載のアレルゲンのいずれか、例として、食物アレルゲンは、アレルゲン免疫治療レジメンにおいて対象に投与されてもよい。いくつかの態様において、アレルゲン免疫治療は、食物アレルギーに特異的なアレルゲンを含む。いくつかの態様において、食物アレルゲンは、落花生アレルゲン、他のナッツアレルゲン、ミルクアレルゲン、またはタマゴアレルゲンである。経口または舌下免疫治療の例は、限定せずに、Hello, Peanut!(登録商標)(Assured Bites、Inc.);AR101(落花生アレルゲン、Aimmune Therapeutics);AR201(タマゴアレルゲン、Aimmune Therapeutics);AR301(クルミアレルゲン、Aimmune Therapeutics);SAR439794(Sanofi)を包含する。いくつかの態様において、医薬組成物は、アレルゲン免疫治療レジメンに先立ち、続いて、または同時に対象に投与されない。
【0174】
いくつかの態様における、本明細書に提供される方法において、対象は、本明細書に提供される方法のいずれか1つに従った、本明細書に提供される組成物のいずれか1つの投与中または投与後に、食物アレルギーに対する対象の感受性を査定するために、アレルゲン免疫治療レジメンで抗原投与される。
いくつかの態様において、本明細書に記載の医薬組成物のいずれかは、経口免疫治療または舌下免疫治療と同時に対象に投与されてもよい。同時投与は、医薬組成物および特定された期間内に、好ましくは1月以内に、より好ましくは1週間以内に、さらにより好ましくは1日以内に、およびなおさらにより好ましくは1時間以内での経口免疫治療または舌下での投与を網羅していてもよい。態様において、材料/剤は、同時に繰り返し投与されてもよい;それは2以上の場合での同時投与である。
【0175】
態様において、本明細書に記載の医薬組成物のいずれかは、経口免疫治療または舌下免疫治療と連続して(例として前または後)かまたは同時に対象に投与されてもよい。
いくつかの態様において、腸管前処置は、本明細書に記載の組成物のいずれかの投与に先立ち実施される。
いくつかの態様において、糞便試料は、本明細書に記載の組成物のいずれかの投与の後に、組成物の細菌株が、対象のマイクロバイオーム中に生着しているかを査定するために収集される。いくつかの態様において、糞便試料は、本明細書に記載の組成物のいずれかの投与の後に、対象のマイクロバイオームの構成を分析するために収集される。いくつかの態様において、糞便試料は、本明細書に記載の組成物のいずれかの投与の後に、対象のマイクロバイオームの構成を分析し、および組成物の細菌株が、対象のマイクロバイオーム中に生着しているかを査定するために収集される。
【0176】
本明細書に開示の医薬組成物を包含する組成物は、選択される細菌株を含有する組成物を包含する。医薬組成物を包含する組成物中の細菌株の各々の最近の量を包含する細菌の量は、細菌の重量または数および/またはCFU(コロニー形成単位)で発現してもよい。いくつかの態様において、医薬組成物を包含する組成物は、1投薬量当たり約10、約10、約10、約10、約10、約10、約10、約10、約10、約1010、約1011、約1012、約1013またはそれ以上の細菌株の各々を含む。いくつかの態様において、医薬組成物を包含する組成物は、1投薬量当たり約10、約10、約10、約10、約10、約10、約10、約10、約10、約1010、約1011、約1012、約1013またはそれ以上の全細菌を含む。細菌株の各々の細菌が、異なる量で存在してもよいことをさらに理解すべきである。よって、実例として、非限定例として、組成物は、10の細菌A、10の細菌Bおよび10の細菌Cを包含しても良い。いくつかの態様において、医薬組成物を包含する組成物は、1投薬量当たり約10、約10、約10、約10、約10、約10、約10、約10、約10、約1010、約1011、約1012、約1013またはそれ以上のCFUの細菌株の各々を含む。いくつかの態様において、医薬組成物を包含する組成物は、1投薬量当たり組み合わせられた細菌株の全てについて全体で約10、約10、約10、約10、約10、約10、約10、約10、約10、約1010、約1011、約1012、約1013またはそれ以上のCFUを含む。上述するように、細菌株の各々の細菌は、異なる量で存在してもよい。いくつかの態様において、医薬組成物を包含する組成物は、1投薬量当たり約10-7、約10-6、約10-5、約10-4、約10-3、約10-2、約10-1グラム以上の細菌株の各々の細菌を組成物中に含有する。いくつかの態様において、医薬組成物を包含する組成物は、1投薬量当たり組み合わせられた細菌株の全てについて全体で約10-7、約10-6、約10-5、約10-4、約10-3、約10-2、約10-1グラム以上の細菌を含有する。いくつかの態様において、投薬量は、1つの投与デバイス(例として、1つの錠剤、丸薬またはカプセル)である。いくつかの態様において、投薬量は、具体的な期間(例として、1日または1週間)で投与される量である。
【0177】
いくつかの態様において、医薬組成物を包含する組成物は、1投薬量当たり10~1013の間、10~1013の間、10~1013の間、10~1013の間、10~1013の間、10~1013の間、10~1013の間、10~1013の間、10~1013の間、1010~1013の間、1011~1013の間、1012~1013の間、10~1012の間、10~1012の間、10~1012の間、10~1012の間、10~1012の間、10~1012の間、10~1012の間、10~1012の間、10~1012の間、1010~1012の間、1011~1012の間、10~1011の間、10~1011の間、10~1013の間、10~1013の間、10~1013の間、10~1013の間、10~1011の間、10~1011の間、10~1011の間、1010~1011の間、10~1010の間、10~1010の間、10~1010の間、10~1010の間、10~1010の間、10~1010の間、10~1010の間、10~1010の間、10~1010の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、または10~10の間の細菌株の各々を含有する。いくつかの態様において、医薬組成物を包含する組成物は、1投薬量当たり10~1013の間、10~1013の間、10~1013の間、10~1013の間、10~1013の間、10~1013の間、10~1013の間、10~1013の間、10~1013の間、1010~1013の間、1011~1013の間、1012~1013の間、10~1012の間、10~1012の間、10~1012の間、10~1012の間、10~1012の間、10~1012の間、10~1012の間、10~1012の間、10~1012の間、1010~1012の間、1011~1012の間、10~1011の間、10~1011の間、10~1013の間、10~1013の間、10~1013の間、10~1013の間、10~1011の間、10~1011の間、10~1011の間、1010~1011の間、10~1010の間、10~1010の間、10~1010の間、10~1010の間、10~1010の間、10~1010の間、10~1010の間、10~1010の間、10~1010の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、または、10~10の間の全細菌を含有する。
【0178】
いくつかの態様において、医薬組成物を包含する組成物は、1投薬量当たり10~1013の間、10~1013の間、10~1013の間、10~1013の間、10~1013の間、10~1013の間、10~1013の間、10~1013の間、10~1013の間、1010~1013の間、1011~1013の間、1012~1013の間、10~1012の間、10~1012の間、10~1012の間、10~1012の間、10~1012の間、10~1012の間、10~1012の間、10~1012の間、10~1012の間、1010~1012の間、1011~1012の間、10~1011の間、10~1011の間、10~1013の間、10~1013の間、10~1013の間、10~1013の間、10~1011の間、10~1011の間、10~1011の間、1010~1011の間、10~1010の間、10~1010の間、10~1010の間、10~1010の間、10~1010の間、10~1010の間、10~1010の間、10~1010の間、10~1010の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、または10~10の間のCFUの細菌株の各々を含有する。いくつかの態様において、医薬組成物を包含する組成物は、1投薬量当たり全CFUで10~1013の間、10~1013の間、10~1013の間、10~1013の間、10~1013の間、10~1013の間、10~1013の間、10~1013の間、10~1013の間、1010~1013の間、1011~1013の間、1012~1013の間、10~1012の間、10~1012の間、10~1012の間、10~1012の間、10~1012の間、10~1012の間、10~1012の間、10~1012の間、10~1012の間、1010~1012の間、1011~1012の間、10~1011の間、10~1011の間、10~1013の間、10~1013の間、10~1013の間、10~1013の間、10~1011の間、10~1011の間、10~1011の間、1010~1011の間、10~1010の間、10~1010の間、10~1010の間、10~1010の間、10~1010の間、10~1010の間、10~1010の間、10~1010の間、10~1010の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、10~10の間、または10~10の間を含有する。
【0179】
いくつかの態様において、医薬組成物を包含する組成物は、1投薬量当たり組成物中の細菌株の各々の細菌をグラムで10-7~10-1の間、10-6~10-1の間、10-5~10-1の間、10-4~10-1の間、10-3~10-1の間、10-2~10-1の間、10-7~10-2の間、10-6~10-2の間、10-5~10-2の間、10-4~10-2の間、10-3~10-2の間、10-7~10-3の間、10-6~10-3の間、10-5~10-3の間、10-4~10-3の間、10-7~10-4の間、10-6~10-4の間、10-5~10-4の間、10-7~10-5の間、10-6~10-5の間、または10-7~10-6の間を含有する。いくつかの態様において、本明細書に開示の医薬組成物を包含する組成物は、1投薬量当たり1つに合わせられた(全)細菌のすべてとしてグラムで10-7~10-1の間、10-6~10-1の間、10-5~10-1の間、10-4~10-1の間、10-3~10-1の間、10-2~10-1の間、10-7~10-2の間、10-6~10-2の間、10-5~10-2の間、10-4~10-2の間、10-3~10-2の間、10-7~10-3の間、10-6~10-3の間、10-5~10-3の間、10-4~10-3の間、10-7~10-4の間、10-6~10-4の間、10-5~10-4の間、10-7~10-5の間、10-6~10-5の間、または10-7~10-6の間を含有する。
【0180】
本開示の側面はまた、本明細書に提供される組成物のいずれかおよび栄養素を含む食品製品を提供する。本明細書に記載の細菌株のいずれかおよび栄養素を含む食品製品もまた本開示の範囲内である。食品製品は、一般に、ヒトまたは動物の消費を対象としている。本明細書に記載の組成物のいずれかは、食品製品として処方されてもよい。いくつかの態様において、細菌株は、芽胞形態で食品製品として処方される。いくつかの態様において、細菌株は、栄養形態で食品製品として処方される。いくつかの態様において、食品製品は、栄養型細菌および芽胞形態での細菌の両方を含む。本明細書に開示の組成物は、健康食品または飲料、幼児のための食物または飲料、妊婦、運動選手、高齢者または他の特定されたグループのための食物または飲料、機能的食品、飲料、特定された健康の使用のための食物または飲料、栄養補助食品、患者のための食物または飲料、または動物用飼料などの食物または飲料に使用され得る。
【0181】
食物および飲料の非限定例は、ジュース、清涼飲料水、茶、ドリンク調製物、ゼリー飲料、および機能性飲料などの様々な飲料;ビールなどのアルコール飲料;コメ食品製品、麺類、パン、およびパスタなどの炭水化物を含有する食物;魚肉ハム、ソーセージ、魚介類のペースト製品などのペースト製品;カレー、粘度のあるデンプン質のソースを和えた食物、スープなどのレトルトパウチ製品;ミルク、乳飲料、アイスクリーム、チーズ、およびヨーグルトなどの乳製品;味噌、ヨーグルト、発酵飲料、およびピクルスなどの発酵製品;豆製品;ビスケット、クッキー等を包含する洋菓子製品、饅頭、水羊羹等を包含する和菓子製品、キャンディー、チューインガム、グミ、ゼリーを包含する冷たいデザート、クリームキャラメル、および冷菓などの様々な菓子製品;インスタントスープおよびインスタント大豆入りスープなどのインスタント食品;電子レンジ食品;等を包含する。さらに、例はまた、健康食品および粉末、顆粒、錠剤、カプセル、液体、ペーストおよびゼリーの形態で調整される飲料を包含する。
【0182】
本明細書に記載の細菌株を含有する食品製品は、当該技術分野において知られている方法を使用して産生されてもよく、および本明細書に提供される医薬組成物と同じ量(例として、重量、量またはCFUで)の細菌を含有していてもよい。食品製品中の細菌の適切な量の選択は、例えば、食品製品の提供サイズ、食品製品の消費の頻度、食品製品中に含有される特定の細菌株、食品製品中の水の量、および/または食品製品中の細菌の生存のための追加の条件を包含する様々な因子に依存するであろう。
本明細書に記載の細菌株のいずれかを含有するよう処方されるだろう食品製品の例は、限定せずに、飲料、ドリンク、バー、スナック、乳製品、菓子製品、シリアル製品、加工製品、栄養補助食品処方などの栄養学上の処方、食物または飲料添加剤を包含する。
【0183】
本発明は、その適用を構成の詳細および以下の記載で表されるかまたは図面において説明される構成要素の配置に限定されるものではない。本発明は、他の態様および様々な手法で実践され、または実行されることが可能である。また、本明細書において使用される言い回しおよび専門用語は、説明の目的のためのものであり、および限定のためのものとはみなされるべきではない。本明細書における「包含する」、「含む」または「有する」、「含有する」、「関する」の使用およびそのバリエーションは、その後に列記される項目およびその均等物ならびに追加の項目を網羅することを意味する。
【0184】
本明細書に他に定義されない限り、本開示と関連して使用される科学的および技術的用語は、一般的に当業者によって理解される意味を有するだろう。さらに、文脈によって他に必要とされない限り、単数形の用語は、複数形を包含し、および複数形の用語は、単数形を包含するだろう。本開示の方法および技法は、一般に当該技術分野において周知である従来の方法に従い実施される。一般に、本明細書に記載の生化学、酵素学、分子および細胞生物学、微生物学、ウイルス学、細胞または組織培養、遺伝学およびタンパク質および核酸化学の技法ならびにそれらに関連して使用される命名法は、当該技術分野において周知であり、および一般に使用される。本開示の方法および技法は、一般に当該技術分野において周知である従来の方法に従って、および他に指し示されない限り、本明細書を通じて引用および議論されている様々な一般的およびより具体的な参照文献に記載されるとおり実施される。
【0185】
配列番号1 株1 16SリボソームRNA Clostridium bolteae
ATGAGAGTTTGATCCTGGCTCAGGATGAACGCTGGCGGCGTGCCTAACACATGCAAGTCGAACGAAGCAATTAAAATGAAGTTTTCGGATGGATTTTTGATTGACTGAGTGGCGGACGGGTGAGTAACGCGTGGATAACCTGCCTCACACTGGGGGATAACAGTTAGAAATGACTGCTAATACCGCATAAGCGCACAGTACCGCATGGTACGGTGTGAAAAACTCCGGTGGTGTGAGATGGATCCGCGTCTGATTAGCCAGTTGGCGGGGTAACGGCCCACCAAAGCGACGATCAGTAGCCGACCTGAGAGGGTGACCGGCCACATTGGGACTGAGACACGGCCCAAACTCCTACGGGAGGCAGCAGTGGGGAATATTGCACAATGGGCGAAAGCCTGATGCAGCGACGCCGCGTGAGTGAAGAAGTATTTCGGTATGTAAAGCTCTATCAGCAGGGAAGAAAATGACGGTACCTGACTAAGAAGCCCCGGCTAACTACGTGCCAGCAGCCGCGGTAATACGTAGGGGGCAAGCGTTATCCGGATTTACTGGGTGTAAAGGGAGCGTAGACGGCGAAGCAAGTCTGAAGTGAAAACCCAGGGCTCAACCCTGGGACTGCTTTGGAAACTGTTTTGCTAGAGTGTCGGAGAGGTAAGTGGAATTCCTAGTGTAGCGGTGAAATGCGTAGATATTAGGAGGAACACCAGTGGCGAAGGCGGCTTACTGGACGATAACTGACGTTGAGGCTCGAAAGCGTGGGGAGCAAACAGGATTAGATACCCTGGTAGTCCACGCCGTAAACGATGAATGCTAGGTGTTGGGGGGCAAAGCCCTTCGGTGCCGTCGCAAACGCAGTAAGCATTCCACCTGGGGAGTACGTTCGCAAGAATGAAACTCAAAGGAATTGACGGGGACCCGCACAAGCGGTGGAGCATGTGGTTTAATTCGAAGCAACGCGAAGAACCTTACCAAGTCTTGACATCCTCTTGACCGGCGTGTAACGGCGCCTTCCCTTCGGGGCAAGAGAGACAGGTGGTGCATGGTTGTCGTCAGCTCGTGTCGTGAGATGTTGGGTTAAGTCCCGCAACGAGCGCAACCCTTATCCTTAGTAGCCAGCAGGTAAAGCTGGGCACTCTAGGGAGACTGCCAGGGATAACCTGGAGGAAGGTGGGGATGACGTCAAATCATCATGCCCCTTATGATTTGGGCTACACACGTGCTACAATGGCGTAAACAAAGGGAAGCAAGACAGTGATGTGGAGCAAATCCCAAAAATAACGTCCCAGTTCGGACTGTAGTCTGCAACCCGACTACACGAAGCTGGAATCGCTAGTAATCGCGAATCAGAATGTCGCGGTGAATACGTTCCCGGGTCTTGTACACACCGCCCGTCACACCATGGGAGTCAGCAACGCCCGAAGTCAGTGACCCAACTCGCAAGAGAGGGAGCTGCCGAAGGCGGGGCAGGTAACTGGGGTGAAGTCGTAACAAGGTAGCCGTATCGGAAGGTGCGGCTGGATCACCTCCTTT
【0186】
配列番号2 株2 16SリボソームRNA Anaerotruncus colihominis
TCAAAGAGTTTGATCCTGGCTCAGGACGAACGCTGGCGGCGCGCCTAACACATGCAAGTCGAACGGAGCTTACGTTTTGAAGTTTTCGGATGGATGAATGTAAGCTTAGTGGCGGACGGGTGAGTAACACGTGAGCAACCTGCCTTTCAGAGGGGGATAACAGCCGGAAACGGCTGCTAATACCGCATGATGTTGCGGGGGCACATGCCCCTGCAACCAAAGGAGCAATCCGCTGAAAGATGGGCTCGCGTCCGATTAGCCAGTTGGCGGGGTAACGGCCCACCAAAGCGACGATCGGTAGCCGGACTGAGAGGTTGAACGGCCACATTGGGACTGAGACACGGCCCAGACTCCTACGGGAGGCAGCAGTGGGGGATATTGCACAATGGGCGAAAGCCTGATGCAGCGACGCCGCGTGAGGGAAGACGGTCTTCGGATTGTAAACCTCTGTCTTTGGGGAAGAAAATGACGGTACCCAAAGAGGAAGCTCCGGCTAACTACGTGCCAGCAGCCGCGGTAATACGTAGGGAGCAAGCGTTGTCCGGAATTACTGGGTGTAAAGGGAGCGTAGGCGGGATGGCAAGTAGAATGTTAAATCCATCGGCTCAACCGGTGGCTGCGTTCTAAACTGCCGTTCTTGAGTGAAGTAGAGGCAGGCGGAATTCCTAGTGTAGCGGTGAAATGCGTAGATATTAGGAGGAACACCAGTGGCGAAGGCGGCCTGCTGGGCTTTAACTGACGCTGAGGCTCGAAAGCGTGGGGAGCAAACAGGATTAGATACCCTGGTAGTCCACGCCGTAAACGATGATTACTAGGTGTGGGGGGACTGACCCCTTCCGTGCCGCAGTTAACACAATAAGTAATCCACCTGGGGAGTACGGCCGCAAGGTTGAAACTCAAAGGAATTGACGGGGGCCCGCACAAGCAGTGGAGTATGTGGTTTAATTCGAAGCAACGCGAAGAACCTTACCAGGTCTTGACATCGGATGCATAGCCTAGAGATAGGTGAAGCCCTTCGGGGCATCCAGACAGGTGGTGCATGGTTGTCGTCAGCTCGTGTCGTGAGATGTTGGGTTAAGTCCCGCAACGAGCGCAACCCTTATTATTAGTTGCTACGCAAGAGCACTCTAATGAGACTGCCGTTGACAAAACGGAGGAAGGTGGGGATGACGTCAAATCATCATGCCCCTTATGACCTGGGCTACACACGTACTACAATGGCACTAAAACAGAGGGCGGCGACACCGCGAGGTGAAGCGAATCCCGAAAAAGTGTCTCAGTTCAGATTGCAGGCTGCAACCCGCCTGCATGAAGTCGGAATTGCTAGTAATCGCGGATCAGCATGCCGCGGTGAATACGTTCCCGGGCCTTGTACACACCGCCCGTCACACCATGGGAGTCGGTAACACCCGAAGCCAGTAGCCTAACCGCAAGGGGGGCGCTGTCGAAGGTGGGATTGATGACTGGGGTGAAGTCGTAACAAGGTAGCCGTATCGGAAGGTGCGGCTGGATCACCTCCTTT
【0187】
配列番号3 株3 16SリボソームRNA Ruminococcus torques
TACGAGAGTTTGATCCTGGCTCAGGATGAACGCTGGCGGCGTGCCTAACACATGCAAGTCGAGCGAAGCGCTGTTTTCAGAATCTTCGGAGGAAGAGGACAGTGACTGAGCGGCGGACGGGTGAGTAACGCGTGGGCAACCTGCCTCATACAGGGGGATAACAGTTAGAAATGACTGCTAATACCGCATAAGCGCACAGGACCGCATGGTGTAGTGTGAAAAACTCCGGTGGTATGAGATGGACCCGCGTCTGATTAGGTAGTTGGTGGGGTAAAGGCCTACCAAGCCGACGATCAGTAGCCGACCTGAGAGGGTGACCGGCCACATTGGGACTGAGACACGGCCCAAACTCCTACGGGAGGCAGCAGTGGGGAATATTGCACAATGGGGGAAACCCTGATGCAGCGACGCCGCGTGAAGGAAGAAGTATTTCGGTATGTAAACTTCTATCAGCAGGGAAGAAAATGACGGTACCTGAGTAAGAAGCACCGGCTAAATACGTGCCAGCAGCCGCGGTAATACGTATGGTGCAAGCGTTATCCGGATTTACTGGGTGTAAAGGGAGCGTAGACGGATAGGCAAGTCTGGAGTGAAAACCCAGGGCTCAACCCTGGGACTGCTTTGGAAACTGCAGATCTGGAGTGCCGGAGAGGTAAGCGGAATTCCTAGTGTAGCGGTGAAATGCGTAGATATTAGGAGGAACACCAGTGGCGAAGGCGGCTTACTGGACGGTGACTGACGTTGAGGCTCGAAAGCGTGGGGAGCAAACAGGATTAGATACCCTGGTAGTCCACGCCGTAAACGATGACTACTAGGTGTCGGTGTGCAAAGCACATCGGTGCCGCAGCAAACGCAATAAGTAGTCCACCTGGGGAGTACGTTCGCAAGAATGAAACTCAAAGGAATTGACGGGGACCCGCACAAGCGGTGGAGCATGTGGTTTAATTCGAAGCAACGCGAAGAACCTTACCTGGTCTTGACATCCGGATGACGGGCGAGTAATGTCGCCGTCCCTTCGGGGCGTCCGAGACAGGTGGTGCATGGTTGTCGTCAGCTCGTGTCGTGAGATGTTGGGTTAAGTCCCGCAACGAGCGCAACCCTTATCTTCAGTAGCCAGCATATAAGGTGGGCACTCTGGAGAGACTGCCAGGGAGAACCTGGAGGAAGGTGGGGATGACGTCAAATCATCATGCCCCTTATGGCCAGGGCTACACACGTGCTACAATGGCGTAAACAAAGGGAAGCGAGAGGGTGACCTGGAGCGAATCCCAAAAATAACGTCTCAGTTCGGATTGTAGTCTGCAACTCGACTACATGAAGCTGGAATCGCTAGTAATCGCGGATCAGCATGCCGCGGTGAATACGTTCCCGGGTCTTGTACACACCGCCCGTCACACCATGGGAGTCAGTAACGCCCGAAGCCAGTGACCCAACCTTAGAGGAGGGAGCTGTCGAAGGCGGGACGGATAACTGGGGTGAAGTCGTAACAAGGTAGCCGTATCGGAAGGTGCGGCTGGATCACCTCCTTT
【0188】
配列番号4 株4 16SリボソームRNA Clostridium symbiosum
ATGAGAGTTTGATCCTGGCTCAGGATGAACGCTGGCGGCGTGCCTAACACATGCAAGTCGAACGAAGCGATTTAACGGAAGTTTTCGGATGGAAGTTGAATTGACTGAGTGGCGGACGGGTGAGTAACGCGTGGGTAACCTGCCTTGTACTGGGGGACAACAGTTAGAAATGACTGCTAATACCGCATAAGCGCACAGTATCGCATGATACAGTGTGAAAAACTCCGGTGGTACAAGATGGACCCGCGTCTGATTAGCTAGTTGGTAAGGTAACGGCTTACCAAGGCGACGATCAGTAGCCGACCTGAGAGGGTGACCGGCCACATTGGGACTGAGACACGGCCCAAACTCCTACGGGAGGCAGCAGTGGGGAATATTGCACAATGGGCGAAAGCCTGATGCAGCGACGCCGCGTGAGTGAAGAAGTATTTCGGTATGTAAAGCTCTATCAGCAGGGAAGAAAATGACGGTACCTGACTAAGAAGCCCCGGCTAACTACGTGCCAGCAGCCGCGGTAATACGTAGGGGGCAAGCGTTATCCGGATTTACTGGGTGTAAAGGGAGCGTAGACGGTAAAGCAAGTCTGAAGTGAAAGCCCGCGGCTCAACTGCGGGACTGCTTTGGAAACTGTTTAACTGGAGTGTCGGAGAGGTAAGTGGAATTCCTAGTGTAGCGGTGAAATGCGTAGATATTAGGAGGAACACCAGTGGCGAAGGCGACTTACTGGACGATAACTGACGTTGAGGCTCGAAAGCGTGGGGAGCAAACAGGATTAGATACCCTGGTAGTCCACGCCGTAAACGATGAATACTAGGTGTTGGGGAGCAAAGCTCTTCGGTGCCGTCGCAAACGCAGTAAGTATTCCACCTGGGGAGTACGTTCGCAAGAATGAAACTCAAAGGAATTGACGGGGACCCGCACAAGCGGTGGAGCATGTGGTTTAATTCGAAGCAACGCGAAGAACCTTACCAGGTCTTGACATCGATCCGACGGGGGAGTAACGTCCCCTTCCCTTCGGGGCGGAGAAGACAGGTGGTGCATGGTTGTCGTCAGCTCGTGTCGTGAGATGTTGGGTTAAGTCCCGCAACGAGCGCAACCCTTATTCTAAGTAGCCAGCGGTTCGGCCGGGAACTCTTGGGAGACTGCCAGGGATAACCTGGAGGAAGGTGGGGATGACGTCAAATCATCATGCCCCTTATGATCTGGGCTACACACGTGCTACAATGGCGTAAACAAAGAGAAGCAAGACCGCGAGGTGGAGCAAATCTCAAAAATAACGTCTCAGTTCGGACTGCAGGCTGCAACTCGCCTGCACGAAGCTGGAATCGCTAGTAATCGCGAATCAGAATGTCGCGGTGAATACGTTCCCGGGTCTTGTACACACCGCCCGTCACACCATGGGAGTCAGTAACGCCCGAAGTCAGTGACCCAACCGCAAGGAGGGAGCTGCCGAAGGCGGGACCGATAACTGGGGTGAAGTCGTAACAAGGTAGCCGTATCGGAAGGTGCGGCTGGATCACCTCCTTT
【0189】
配列番号5 株5 16SリボソームRNA Blautia producta
ATCAGAGAGTTTGATCCTGGCTCAGGATGAACGCTGGCGGCGTGCTTAACACATGCAAGTCGAGCGAAGCACTTAAGTGGATCTCTTCGGATTGAAGCTTATTTGACTGAGCGGCGGACGGGTGAGTAACGCGTGGGTAACCTGCCTCATACAGGGGGATAACAGTTAGAAATGGCTGCTAATACCGCATAAGCGCACAGGACCGCATGGTCTGGTGTGAAAAACTCCGGTGGTATGAGATGGACCCGCGTCTGATTAGCTAGTTGGAGGGGTAACGGCCCACCAAGGCGACGATCAGTAGCCGGCCTGAGAGGGTGAACGGCCACATTGGGACTGAGACACGGCCCAGACTCCTACGGGAGGCAGCAGTGGGGAATATTGCACAATGGGGGAAACCCTGATGCAGCGACGCCGCGTGAAGGAAGAAGTATCTCGGTATGTAAACTTCTATCAGCAGGGAAGAAAATGACGGTACCTGACTAAGAAGCCCCGGCTAACTACGTGCCAGCAGCCGCGGTAATACGTAGGGGGCAAGCGTTATCCGGATTTACTGGGTGTAAAGGGAGCGTAGACGGAAGAGCAAGTCTGATGTGAAAGGCTGGGGCTTAACCCCAGGACTGCATTGGAAACTGTTTTTCTAGAGTGCCGGAGAGGTAAGCGGAATTCCTAGTGTAGCGGTGAAATGCGTAGATATTAGGAGGAACACCAGTGGCGAAGGCGGCTTACTGGACGGTAACTGACGTTGAGGCTCGAAAGCGTGGGGAGCAAACAGGATTAGATACCCTGGTAGTCCACGCCGTAAACGATGAATACTAGGTGTCGGGTGGCAAAGCCATTCGGTGCCGCAGCAAACGCAATAAGTATTCCACCTGGGGAGTACGTTCGCAAGAATGAAACTCAAAGGAATTGACGGGGACCCGCACAAGCGGTGGAGCATGTGGTTTAATTCGAAGCAACGCGAAGAACCTTACCAAGTCTTGACATCCCTCTGACCGGCCCGTAACGGGGCCTTCCCTTCGGGGCAGAGGAGACAGGTGGTGCATGGTTGTCGTCAGCTCGTGTCGTGAGATGTTGGGTTAAGTCCCGCAACGAGCGCAACCCCTATCCTTAGTAGCCAGCAGGTGAAGCTGGGCACTCTAGGGAGACTGCCGGGGATAACCCGGAGGAAGGCGGGGACGACGTCAAATCATCATGCCCCTTATGATTTGGGCTACACACGTGCTACAATGGCGTAAACAAAGGGAAGCGAGACAGCGATGTTGAGCAAATCCCAAAAATAACGTCCCAGTTCGGACTGCAGTCTGCAACTCGACTGCACGAAGCTGGAATCGCTAGTAATCGCGAATCAGAATGTCGCGGTGAATACGTTCCCGGGTCTTGTACACACCGCCCGTCACACCATGGGAGTCAGTAACGCCCGAAGTCAGTGACCCAACCTTACAGGAGGGAGCTGCCGAAGGCGGGACCGATAACTGGGGTGAAGTCGTAACAAGGTAGCCGTATCGGAAGGTGCGGCTGGATCACCTCCTTT
【0190】
配列番号6 株6 16SリボソームRNA Dorea Longicatena
AACGAGAGTTTGATCCTGGCTCAGGATGAACGCTGGCGGCGTGCTTAACACATGCAAGTCGAGCGAAGCACTTAAGTTTGATTCTTCGGATGAAGACTTTTGTGACTGAGCGGCGGACGGGTGAGTAACGCGTGGGTAACCTGCCTCATACAGGGGGATAACAGTTAGAAATGACTGCTAATACCGCATAAGACCACGGTACCGCATGGTACAGTGGTAAAAACTCCGGTGGTATGAGATGGACCCGCGTCTGATTAGGTAGTTGGTGGGGTAACGGCCTACCAAGCCGACGATCAGTAGCCGACCTGAGAGGGTGACCGGCCACATTGGGACTGAGACACGGCCCAGACTCCTACGGGAGGCAGCAGTGGGGAATATTGCACAATGGAGGAAACTCTGATGCAGCGACGCCGCGTGAAGGATGAAGTATTTCGGTATGTAAACTTCTATCAGCAGGGAAGAAAATGACGGTACCTGACTAAGAAGCCCCGGCTAACTACGTGCCAGCAGCCGCGGTAATACGTAGGGGGCAAGCGTTATCCGGATTTACTGGGTGTAAAGGGAGCGTAGACGGCACGGCAAGCCAGATGTGAAAGCCCGGGGCTCAACCCCGGGACTGCATTTGGAACTGCTGAGCTAGAGTGTCGGAGAGGCAAGTGGAATTCCTAGTGTAGCGGTGAAATGCGTAGATATTAGGAGGAACACCAGTGGCGAAGGCGGCTTGCTGGACGATGACTGACGTTGAGGCTCGAAAGCGTGGGGAGCAAACAGGATTAGATACCCTGGTAGTCCACGCCGTAAACGATGACTGCTAGGTGTCGGGTGGCAAAGCCATTCGGTGCCGCAGCTAACGCAATAAGCAGTCCACCTGGGGAGTACGTTCGCAAGAATGAAACTCAAAGGAATTGACGGGGACCCGCACAAGCGGTGGAGCATGTGGTTTAATTCGAAGCAACGCGAAGAACCTTACCTGATCTTGACATCCCGATGACCGCTTCGTAATGGAAGCTTTTCTTCGGAACATCGGTGACAGGTGGTGCATGGTTGTCGTCAGCTCGTGTCGTGAGATGTTGGGTTAAGTCCCGCAACGAGCGCAACCCCTATCTTCAGTAGCCAGCAGGTTAAGCTGGGCACTCTGGAGAGACTGCCAGGGATAACCTGGAGGAAGGTGGGGATGACGTCAAATCATCATGCCCCTTATGACCAGGGCTACACACGTGCTACAATGGCGTAAACAAAGAGAAGCGAACTCGCGAGGGTAAGCAAATCTCAAAAATAACGTCTCAGTTCGGATTGTAGTCTGCAACTCGACTACATGAAGCTGGAATCGCTAGTAATCGCAGATCAGAATGCTGCGGTGAATACGTTCCCGGGTCTTGTACACACCGCCCGTCACACCATGGGAGTCAGTAACGCCCGAAGTCAGTGACCCAACCGTAAGGAGGGAGCTGCCGAAGGTGGGACCGATAACTGGGGTGAAGTCGTAACAAGGTAGCCGTATCGGAAGGTGCGGCTGGATCACCTCCTTT
【0191】
配列番号7 株7 16SリボソームRNA Erysipelotrichaceae bacterium
ATGGAGAGTTTGATCCTGGCTCAGGATGAACGCTGGCGGCATGCCTAATACATGCAAGTCGAACGAAGTTTCGAGGAAGCTTGCTTCCAAAGAGACTTAGTGGCGAACGGGTGAGTAACACGTAGGTAACCTGCCCATGTGTCCGGGATAACTGCTGGAAACGGTAGCTAAAACCGGATAGGTATACAGAGCGCATGCTCAGTATATTAAAGCGCCCATCAAGGCGTGAACATGGATGGACCTGCGGCGCATTAGCTAGTTGGTGAGGTAACGGCCCACCAAGGCGATGATGCGTAGCCGGCCTGAGAGGGTAAACGGCCACATTGGGACTGAGACACGGCCCAAACTCCTACGGGAGGCAGCAGTAGGGAATTTTCGTCAATGGGGGAAACCCTGAACGAGCAATGCCGCGTGAGTGAAGAAGGTCTTCGGATCGTAAAGCTCTGTTGTAAGTGAAGAACGGCTCATAGAGGAAATGCTATGGGAGTGACGGTAGCTTACCAGAAAGCCACGGCTAACTACGTGCCAGCAGCCGCGGTAATACGTAGGTGGCAAGCGTTATCCGGAATCATTGGGCGTAAAGGGTGCGTAGGTGGCGTACTAAGTCTGTAGTAAAAGGCAATGGCTCAACCATTGTAAGCTATGGAAACTGGTATGCTGGAGTGCAGAAGAGGGCGATGGAATTCCATGTGTAGCGGTAAAATGCGTAGATATATGGAGGAACACCAGTGGCGAAGGCGGTCGCCTGGTCTGTAACTGACACTGAGGCACGAAAGCGTGGGGAGCAAATAGGATTAGATACCCTAGTAGTCCACGCCGTAAACGATGAGAACTAAGTGTTGGAGGAATTCAGTGCTGCAGTTAACGCAATAAGTTCTCCGCCTGGGGAGTATGCACGCAAGTGTGAAACTCAAAGGAATTGACGGGGGCCCGCACAAGCGGTGGAGTATGTGGTTTAATTCGAAGCAACGCGAAGAACCTTACCAGGCCTTGACATGGAAACAAATACCCTAGAGATAGGGGGATAATTATGGATCACACAGGTGGTGCATGGTTGTCGTCAGCTCGTGTCGTGAGATGTTGGGTTAAGTCCCGCAACGAGCGCAACCCTTGTCGCATGTTACCAGCATCAAGTTGGGGACTCATGCGAGACTGCCGGTGACAAACCGGAGGAAGGTGGGGATGACGTCAAATCATCATGCCCCTTATGGCCTGGGCTACACACGTACTACAATGGCGGCCACAAAGAGCAGCGACACAGTGATGTGAAGCGAATCTCATAAAGGTCGTCTCAGTTCGGATTGAAGTCTGCAACTCGACTTCATGAAGTCGGAATCGCTAGTAATCGCAGATCAGCATGCTGCGGTGAATACGTTCTCGGGCCTTGTACACACCGCCCGTCAAACCATGGGAGTCAGTAATACCCGAAGCCGGTGGCATAACCGTAAGGAGTGAGCCGTCGAAGGTAGGACCGATGACTGGGGTTAAGTCGTAACAAGGTATCCCTACGGGAACGTGGGGATGGATCACCTCCTTT
【0192】
配列番号8 株8 16SリボソームRNA Subdoligranulum spp
TATTGAGAGTTTGATCCTGGCTCAGGATGAACGCTGGCGGCGTGCTTAACACATGCAAGTCGAACGGGGTGCTCATGACGGAGGATTCGTCCAACGGATTGAGTTACCTAGTGGCGGACGGGTGAGTAACGCGTGAGGAACCTGCCTTGGAGAGGGGAATAACACTCCGAAAGGAGTGCTAATACCGCATGATGCAGTTGGGTCGCATGGCTCTGACTGCCAAAGATTTATCGCTCTGAGATGGCCTCGCGTCTGATTAGCTAGTAGGCGGGGTAACGGCCCACCTAGGCGACGATCAGTAGCCGGACTGAGAGGTTGACCGGCCACATTGGGACTGAGACACGGCCCAGACTCCTACGGGAGGCAGCAGTGGGGAATATTGGGCAATGGGCGCAAGCCTGACCCAGCAACGCCGCGTGAAGGAAGAAGGCTTTCGGGTTGTAAACTTCTTTTGTCGGGGACGAAACAAATGACGGTACCCGACGAATAAGCCACGGCTAACTACGTGCCAGCAGCCGCGGTAATACGTAGGTGGCAAGCGTTATCCGGATTTACTGGGTGTAAAGGGCGTGTAGGCGGGATTGCAAGTCAGATGTGAAAACTGGGGGCTCAACCTCCAGCCTGCATTTGAAACTGTAGTTCTTGAGTGCTGGAGAGGCAATCGGAATTCCGTGTGTAGCGGTGAAATGCGTAGATATACGGAGGAACACCAGTGGCGAAGGCGGATTGCTGGACAGTAACTGACGCTGAGGCGCGAAAGCGTGGGGAGCAAACAGGATTAGATACCCTGGTAGTCCACGCCGTAAACGATGGATACTAGGTGTGGGGGGTCTGACCCCCTCCGTGCCGCAGTTAACACAATAAGTATCCCACCTGGGGAGTACGATCGCAAGGTTGAAACTCAAAGGAATTGACGGGGGCCCGCACAAGCGGTGGAGTATGTGGTTTAATTCGAAGCAACGCGAAGAACCTTACCAGGGCTTGACATCCCACTAACGAAGCAGAGATGCATTAGGTGCCCTTCGGGGAAAGTGGAGACAGGTGGTGCATGGTTGTCGTCAGCTCGTGTCGTGAGATGTTGGGTTAAGTCCCGCAACGAGCGCAACCCTTATTGTTAGTTGCTACGCAAGAGCACTCTAGCGAGACTGCCGTTGACAAAACGGAGGAAGGTGGGGACGACGTCAAATCATCATGCCCCTTATGTCCTGGGCCACACACGTACTACAATGGTGGTTAACAGAGGGAGGCAATACCGCGAGGTGGAGCAAATCCCTAAAAGCCATCCCAGTTCGGATTGCAGGCTGAAACCCGCCTGTATGAAGTTGGAATCGCTAGTAATCGCGGATCAGCATGCCGCGGTGAATACGTTCCCGGGCCTTGTACACACCGCCCGTCACACCATGAGAGTCGGGAACACCCGAAGTCCGTAGCCTAACCGCAAGGAGGGCGCGGCCGAAGGTGGGTTCGATAATTGGGGTGAAGTCGTAACAAGGTAGCCGTATCGGAAGGTGCGGCTGGATCACCTCCTTT
【0193】
配列番号9 株9 VE202-4;Clostridium hathewayi
GATGAACGCTGGCGGCGGTGCTTAACACATGCAAGTCGAGCGAAGCGGTTTCGAGTGAAGTTTTGGATGGAATTGAAATTGACTTAGCGGCGGACGGGTGAGTAACGCGTGGGTAACCTGCCTTACACTGGGGGATAACAGTTAGAAATGACTGCTAATACCGCATAAGCGCACAGGGCCGCATGGTCTGGTGCGAAAAACTCCGGTGGTGTAAGATGGACCCGCGTCTGATTAGGTAGTTGGTGGGGTAACGGCCCACCAAGCCGACGATCAGTAGCCGACCTGAGAGGGTGACCGGCCACATTGGGACTGAGACACGGCCCAA
配列番号10 株10 VE202-9 Clostridium indolis/Anaerostipes caccae
GATGAACGCTGGCGGCGTGCTTAACACATGCAAGTCGAACGAAGCATTTTGGAAGGAAGTTTTCGGATGGAATTCCTTAATGACTGAGTGGCGGACGGGTGAGTAACGCGTGGGGAACCTGCCCTATACAGGGGGATAACAGCTGGAAACGGCTGCTAATACCGCATAAGCGCACAGAATCGCATGATTCGGTGTGAAAAGCTCCGGCAGTATAGGATGGTCCCGCGTCTGATTAGCTGGTTGGCGGGGTAACGGCCCACCAAGGCGACGATCAGTAGCCGGCTTGAGAGAGTGGACGGCCACATTGGGACTGAGACACGGCCCA
配列番号11 株11 VE202-27 Lachnospiraceae bacterium
GATGAACGCTGGCGGCGTGCCTAACACATGCAAGTCGAACGGAGTTATGCAGAGGAAGTTTTCGGATGGAATCGGCGTAACTTAGTGGCGGACGGGTGAGTAACGCGTGGGAAACCTGCCCTGTACCGGGGGATAACACTTAGAAATAGGTGCTAATACCGCATAAGCGCACAGCTTCACATGAAGCAGTGTGAAAAACTCCGGTGGTACAGGATGGTCCCGCGTCTGATTAGCCAGTTGGCAGGGTAACGGCCTACCAAAGCGACGATCAGTAGCCGGCCTGAGAGGGTGAACGGCCACATTGGGACTGAGACACGGCCCA
【0194】
配列番号12 株12 VE202-28 Clostridium 種
GATGAACGCTGGCGGCGTGCCTAACACATGCAAGTCGAACGAAGCATCCCATAGGAAGTTTTCGGATGGAATATGGGATGACTGAGTGGCGGACGGGTGAGTAACGCGTGGATAACCTGCCTCACACTGGGGGATAACAGTTAGAAATGGCTGCTAATACCGCATAAGCGCACAGTACCGCATGGTACGGTGTGAAAAACCCAGGTGGTGTGAGATGGATCCGCGTCTGATTAGCCAGTTGGCGGGGTAACGGCCCACCAAAGCGACGATCAGTAGCCGACCTGAGAGGGTGACCGGCCACATTGGGGACTGAGACACGGCCCA
配列番号13 株13 VE202-29 Lachnospiraceae bacterium
GATGAACGCTGGCGGCGTGCCTAACACATGCAAGTCGAACGAAGTTAGACAGAGGAAGTTTTCGGATGGAATCGGTATAACTTAGTGGCGGACGGGTGAGTAACGCGTGGGAAACCTGCCCTGTACCGGGGGATAACACTTAGAAATAGGTGCTAATACCGCATAAGCGCACGGAACCGCATGGGTTCTGTGTGAAAACTCCGGTGGTACAGGATGGTCCCGCGTCTGATTAGCCAGTTGGCAGGGTAACGGCCTACCAAAGCGACGATCAGTAGCCGGCCTGAGAGGGTGAACGGCCACATTGGGACTGAGACACGGCCCAA
【0195】
本発明は、さらに以下の例によって説明されるが、そのことは決してさらに限定するものとしては解釈されるべきではない。本出願を通じて引用されている参照(文献参照、交付済み特許、公開された特許出願、および同時係属特許出願を包含する)のすべての内容全体は、とりわけ上述のとおりに参照される教示について、これによって明確に参照により組み込まれる。しかしながら、いずれかの参照の引用は、参照が先行技術であることの了解を意図しているわけではない。
【0196】

例1:組成物Bは、制御性T細胞(Treg)を誘導する
組成物Bの細菌株の各々を、対数期に増殖させ、1つに合わせ1マウス当たり約10cfuの全用量とした。無菌マウスに組成物Bまたは陰性対照を経口の強制飼養によって接種し、および4週間のコロニー形成に続いて屠殺した。粘膜固有層の白血球を、標準的な手順により個々のマウスの結腸組織から単離し、およびフローサイトメトリーにより査定した。制御性T細胞の含量を、CD4+T細胞の中のFoxp3-陽性細胞のパーセンテージとして評価した。
図1に示されるとおり、組成物Bを接種したマウスは、対照を接種したマウスと比較して、有意に多い制御性T細胞を有することが見出された。
【0197】
例2:組成物Bは、IgE抗体の産生を抑制する
例1に記載されるように、無菌マウスに試験のコンソーシアを接種した。マウスを屠殺した時点での全血を血清チューブ内に収集し、およびさらなる分析を実施するまで凍結した。続いて血清を解凍し、1:25で希釈し、および血清中の全IgEを標準的なELISA法を使用して測定した。
図2に示されるとおり、対照の無菌(GF)マウスは、正常な片利共生微生物叢を有する特定病原体除去(SPF)マウスと比較して、上昇した血清IgEレベルを有した。組成物Bを伴うコロニー形成は、血清IgEレベルを低減し、組成物が、接種された無菌マウスにおけるTh2型炎症反応を抑制することを指し示した。
【0198】
例3:組成物B、C、およびDは、制御性T細胞を誘導し、およびIgE抗体の産生を抑制する
表2および3に示されるとおり、組成物Bからの選択される細菌株を選択し、組成物CおよびDを形成した。細菌株の各々を増殖し、指し示される組み合わせに1つに合わせ、および経口の強制飼養によって無菌マウスに接種するために使用した。マウスを屠殺し、および粘膜固有層の白血球を単離し、および例1のように査定した。屠殺の時点での全血を血清チューブ内に収集し、およびさらなる分析を実施するまで凍結した。
【0199】
【表2】

【表3】
【0200】
制御性T細胞の含量を、CD4+T細胞中のFoxp3-陽性細胞のパーセンテージとして評価した。図3に示されるとおり、組成物B、C、およびDは、対照を接種したマウスと比較して、より多い制御性T細胞を有することが見出された。
血清試料を続いて解凍し、希釈し、および血清中の全IgEを、標準的なELISA法を使用して測定した。図4に示されるとおり、対照の無菌(GF)マウスは、正常な片利共生微生物叢を有する特定病原体除去(SPF)マウスと比較して、上昇した血清IgEレベルを有した。組成物B、C、およびDの各々を伴うコロニー形成は、血清IgEレベルを低減させ、組成物が、接種された無菌マウスにおけるTh2型炎症反応を抑制することを指し示した。
【0201】
例3:制御性T細胞の誘導およびブチラートの産生の分離
制御性T細胞の誘導およびブチラートの産生の両方が、調節性のクロストリジウムが炎症を抑制するであろう機序に提案されている(例として、Atarashi et al. (2013);Stefka et al (2014)を参照されたい)。これらの潜在的な機序を分離するために、細菌のコンソーシアを、(1)Treg誘導活性はほとんどなく、主としてブチラート産生するもの、または(2)ブチラートの産生はなく、高くTregを誘導するもの、で同定した。これらのコンソーシアを、実験用食物アレルギーからの保護におけるそれらの有効性について評価した。
【0202】
制御性T細胞(Treg)の誘導
細菌株についてのTreg誘導(TrIS)の量に、数理モデルによって予測されるスコアを与えた。高い、中間の、および低いレベルのTregを誘導すると予測される細菌のコンソーシアを、実験的検証のために選択した。
簡潔に言うと、無菌のC57BL/6マウス(5~6週齢)に、1マウス当たり>=10CFUの用量で細菌組成物を1回経口的に強制飼養した。コロニー形成を、4週間にわたってモニターした。4周目に、マウスを屠殺し、および粘膜固有層の白血球を結腸から単離した。LBP1およびLBP2と称される例の細菌組成物における細菌株を、夫々表4および5に提示する。
【0203】
【表4】

【表5】

図5に示されるとおり、TregをFoxp3-陽性CD4+T細胞として定量した。予測されるように、LBP2の投与は、より高いレベルのTreg誘導をもたらし、LBP1の投与は、より低いレベルのTreg誘導をもたらした。
【0204】
短鎖脂肪酸の産生
細菌組成物による短鎖脂肪酸(SCFA)の産生を、Narushima et al. Gut Microbes (2014) 5(3): 333-339に記載されるように査定した。簡潔に言うと、個々の株を、O.D.>0.3まで増殖させ、上清を採取し、およびコロニー形成単位(CFU)のカウントを各株について決定した。上清を、7の短鎖脂肪酸の標的化されたメタボロームのプロファイリングに送り、および結果をCFUに対して正規化した。図6Aおよび6Bは、組成物の個々の株によるブチラートの産生に基づく、LBP1およびLBP2によって産生されるブチラートおよびアセタートの予測されるレベルを示す。LBP1は、高いレベルのブチラートおよび低いレベルのアセタートを産生すると予測され、一方でLBP2は、低いレベルのブチラートおよび高いレベルのアセタートを産生すると予測された。
SCFAの産生もまた、LBP1またはLBP2を接種したマウスからの糞便試料においてin vivoで査定された。糞便試料を、コロニー形成後第3日目、第7日目、第14日目、および第28日目に収集した。予測されるように、LBP1の接種は、糞便試料においてより高いレベルのブチラートおよびより低いレベルのアセタートをもたらした;およびLBP2の接種は、より低いレベルのブチラートおよびより高いレベルのアセタートをもたらした(図6Cおよび6D)。
【0205】
食物アレルギーモデル
細菌組成物を、例えば、Mathias et al. JACI (2011) 127(3): 795-805に記載されるように、食物アレルギーのマウスモデルにおいて評価した。簡潔に言うと、Balb/c背景上のIL4raF709マウスは、IL4Rシグナリングに過敏反応性を有し、および食物アレルギーのためのモデルとして使用されるであろう。これらのマウスは、食物アレルゲンの感作に応じて遺伝子学的にアナフィラキシーを起こしやすい。図7に示されるとおり、マウスを抗生物質で前処置し、生着のためのニッチを作り出し、これに続き8週間OVA(オボアルブミン)+SEB(ブドウ球菌エンテロトキシンB)で感作し、および細菌組成物を接種した。マウスを、次いでOVAで抗原投与し、および評価した。
【0206】
食物アレルギーモデルにおける免疫応答を査定するために、マウスを第4週の中間の時点で出血させ、および全血清IgEを測定した。OVAでの抗原投与は、IL4raF709マウスにおいてアナフィラキシーおよび急性アレルギーを誘導し、そのことは、上昇した血清全IgE、上昇した血清OVA特異的IgE、上昇した血清mMCP-1(肥満細胞の脱顆粒についてのシグナル)、MLNおよび小腸(IL4および他のサイトカイン/転写因子について染色)における増大したTh2細胞、増大したTh2様制御性T細胞(IL4および他のサイトカイン/転写因子について染色(Noval-Rivas et al 2015)を参照されたい、および肥満細胞の腸内への浸潤(組織学および細胞単離により測定されるように)のよって測定される。
【0207】
LBP1およびLBP2は、ブチラートの産生に特に依存しなかった食物アレルギーのマウスモデルにおいて保護効果を有すると見出された。LBP1またはLBP2のどちらかの接種は、全IgEおよびOVA特異的IgEの低減したレベルをもたらした(図8Aおよび8B)。加えて、LBP1またはLBP2を投与したマウスは、細菌組成物を受けなかったマウスにおいて観察された温度の低減を経なかった(図8C)。図8Dは、マウスからの組織試料の代表的な顕微鏡写真を示す。
【0208】
LBP1またはLBP2を接種したマウスはまた、低減したアレルギー関連T細胞応答を有すると見出された。とりわけ、IL-4産生Th2細胞は、LBP1またはLBP2を投与されたマウスの小腸において低減していたが、全CD4+T細胞集団は、実質的に変化していなかった(図9Aおよび9B)。Foxp3+IL4+細胞およびGATA3+(GATA3-ブライト)細胞を包含するTh2-表現型制御性T細胞もまた、LBP1またはLBP2を接種されたマウスにおいて低減していた(図9Cおよび9D)。
肥満細胞およびIgE応答もまた、食物アレルギーからの保護の測定として評価した。図10A~10Dに示されるとおり、LBP1またはLBP2を接種されたマウスは、mMCP-1の低減したレベル、肥満細胞の低減した数、および低減した肥満細胞およびB細胞IgEを有すると見出された。要するに、LBP1およびLBP2は、アレルギー関連T細胞および顆粒球の応答における低減を伴って、食物アレルギーに対する保護を誘導すると見出された。
【0209】
第2の実験において、抗生物質での前処置が、LBP1およびLBP2からの種の生着を容易にするためのニッチを作り出し、およびそれらがアレルギー反応を調節することを可能にするために必要であるかどうかを評価した。この実験は、抗生物質の前処置を実施しなかったことを除いて、上に記載のとおり実施された(図32を参照されたい)。マウスを細菌の投薬の開始5週後に出血させ、および図33Aおよび33Bに示されるとおり、LBP1およびLBP2の両方が、血清中の低減した全およびOVA特異的IgEによって測定されるように、アレルギー感作の割合を低減した。アナフィラキシー性の応答を、感作および細菌の処置の8週後に測定したとき、LBP1およびLBP2処置は、温度降下によって測定されるように、実験のアナフィラキシーに対して保護するには不充分であった(図34Aおよび34B)。しかしながら、アレルギー関連T細胞応答の測定は、LBP1およびLBP2での処置が、MLNおよび小腸中のTh2-表現型制御性T細胞における低減(図35A、Foxp3+IL4+細胞)、および脾臓、MLN、および小腸中のTh2細胞における低減(図35B、Foxp3-IL4+細胞)を伴う、いくつかの免疫調節性の効果を有することを示唆した。
【0210】
追加の細菌組成物の評価
LBP1およびLBP2、組成物B、C、およびDを使用して観察された結果に基づき、SCFAの産生、Treg誘導、および食物アレルギーからの保護についてもまた評価した。
上に記載のとおり、組成物B、C、およびDからの細菌株を、in vitroでブチラートおよびアセタートの産生について査定した。各組成物についてのブチラートおよびアセタートの産生のレベルを、個々の株の産生に基づき予測した。組成物B、C、およびDについて、LBP1と同様のレベルのブチラート産生を有すると予測した(図11Aおよび11B)。このことを組成物Bおよび組成物Cについてin vivoで確認した(図11Cおよび11D)。組成物B、C、およびDについて、LBP2よりも高いレベルのブチラート産生を有すると予測した(図12Aおよび12B)。このことを組成物Bおよび組成物Cについてin vivoで確認した(図12Cおよび12D)。
無菌マウスの細菌組成物の接種は、同様のレベルのTreg誘導をもたらした(図13)。IgEレベルは、組成物を接種した無菌マウス(図14)と同様の程度で低減することが見出された。
【0211】
組成物BおよびCを、食物アレルギーのマウスモデルにおいてさらに評価した。組成物Cを接種したマウスは、細菌組成物を受けなかったマウスにおいて観察された温度の低減を経ず、組成物Cを受けたマウスがアレルゲン抗原投与の際のアナフィラキシーから保護されたことを示唆する(図15A、17A、および17B)。この点を確認するに、図15B、17C、および27Aに示されるとおり、組成物Cを接種したマウスはまた、細菌を受けなかったマウスと比較して、低減したレベルのmMCP-1を有すると見出された。
【0212】
ある実験において、図16A~Dに示されるとおり、組成物Cでの処置は、腸間膜リンパ節、脾臓および小腸において増大した数の全Treg(CD4+Foxp3+)、および小腸において低減した数のアレルギー関連IL4陽性Th2エフェクター(Foxp3-IL4+)、Th2様GATA3+Treg(Foxp3+GATA3+)、およびTh2 GATA3+Tエフェクター(Foxp3-GATA3+)につながった。別の実験において、組成物Cで処置したマウスは、脾臓においてTh2様Treg(Foxp3+GATA3+)およびTh2エフェクター細胞(Foxp3-GATA3+)の低減を示した(図18A、18B)。別の実験において、組成物BおよびCで処置したマウスは、小腸においてTh2様Treg(Foxp3+IL4+)の低減、およびmLNおよび小腸においてTh2エフェクター細胞(Foxp3-IL4+)の低減を示した。全IgEおよびOVA特異的IgEのレベルもまた査定し、および組成物BおよびCは、OVA特異的IgE抗体を低減させた(図27Bおよび27Cおよび図26A~28B)。
【0213】
図16A~16D、18A、および18Bに示される実験において、DNAを様々な時点での糞便ペレットから単離し、および全ゲノムショットガン配列決定を、イルミナプラットホーム上で実施し、品質管理および分類学の割り当てがこれに続いた。組成物Cの接種は、腸のマイクロバイオームにおける全体的なシフトに関連した(図16Eおよび18E)。
【0214】
追加の特徴付け
本明細書に記載の組成物のいずれかを接種したマウスから得られた試料はまた、IL-33、IL25、TSLP(例として、腸管内の転写産物)、TGFβ、IL-10のレベルについて評価してもよい。代替的に、または加えて、マウスについて組成物の1以上の株を包含する組成物の相対的なコロニー形成(例として、生着)を査定してもよい。マウスから得られた試料はまた、RNAseq、または他の発現分析の対象としてもよい。
【0215】
宿主の免疫および生化学的応答ならびに消化管障壁の完全性上の移植された株の効果もまた査定してもよい。本明細書に記載の組成物のいずれかを接種したマウスからの糞便画分は、全ゲノム配列決定、代謝体産生プロファイリング、Treg誘導能、消化管障壁の完全性の増強能を包含するさらなる特徴づけを受けるであろう、有益な株を同定するための解析に供されてもよい。加えて、in silico分析を、健常な対象における1以上の株の存在量および蔓延、共起ネットワーク、および1以上の細菌株が、経口免疫治療を経た対象における好ましい臨床応答に関連するかどうかを決定するために行ってもよい。
【0216】
例4:食物アレルギーのための処置として組成物Cおよび組成物Bを評価すること
食物アレルギーのための処置としての組成物CおよびBの有効性を評価した。細菌組成物CおよびBを、例えば、PCT公報WO2017/079450において記載されるような、食物アレルギーを処置するための「治癒的」マウスモデルにおいて評価した。簡潔に言うと、Balb/c背景上のIL4raF709マウスは、IL4Rシグナリングに過敏反応性を有し、および食物アレルギーのためのモデルとして使用されるであろう。これらのマウスは、遺伝子学的に食物アレルゲンの感作に応じてアナフィラキシーを起こしやすい。図19に示されるとおり、マウスを、OVA(オボアルブミン)+SEB(ブドウ球菌エンテロトキシンB)で8週間感作した。マウスに、次いで抗生物質で前処置し、生着のためのニッチを作り出し、細菌組成物の週2回の接種が4週間(全8回の接種)これに続いた。この期間中、マウスをOVA+SEBの投与で感作し続けた。マウスに次いでOVAで抗原投与し、および評価した。
【0217】
免疫応答を、完全12週モデルに続く治癒的食物アレルギーモデルにおいて査定した。OVAでの抗原投与は、IL4raF709マウスにおいてアナフィラキシーおよび急性アレルギーを誘導し、そのことは腸間膜リンパ節、小腸、および脾臓における上昇した血清全IgE、上昇した血清OVA特異的IgE、上昇した血清mMCP-1(肥満細胞の脱顆粒についてのシグナル)、増大したTh2細胞およびTh2様Treg細胞によって測定される。
【0218】
組成物CおよびBを、食物アレルギーを処置する治癒的マウスモデルにおいて評価した。組成物Cを接種したマウスは、組成物Bを接種したマウスまたは細菌組成物を受けなかったマウスにおいて観察された温度の低減を経ず、そのことは組成物Cを受けたマウスが、OVA抗原投与に対するアレルギー反応を発生することから保護されたことを示唆する(図20A、20B、23A、23B)。とりわけ、組成物Cを投与された14のうちの7のマウスがアレルゲンへの曝露の効果を示さず、一方ですべての対照マウスがアナフィラキシーを経た(図20Bおよび23B)。
【0219】
図20Cおよび24Aに示されるとおり、組成物Cを接種し、およびアナフィラキシーから保護されたマウスはまた、細菌組成物を受けず、およびアナフィラキシーを受けたマウスと比較して、低減したレベルのmMCP-1を有することが見出された。さらにまた、組成物Bを投与したマウスまたは細菌組成物を投与しなかったマウスと比較して、低減した数のアレルギー関連Th2エフェクター(CD4+FoxP3-GATA3+)およびTh2様Treg(CD4+Foxp3+GATA3+)が、組成物Cを投与したマウスにおいて観察された(図21A~21Dおよび図25A~25D)。最終的に、組成物Cを接種し、およびアナフィラキシーから保護されたマウスは、細菌組成物を投与せず、およびアナフィラキシーを受けたマウスと比較して、低減したレベルの全IgE抗体および抗原特異的OVA-IgE抗体を有した(図22A、22B、24B、および24C)。
【0220】
例5:組成物BおよびCによる既存の宿主のマイクロバイオームおよび腸管免疫の調節
本明細書の例1~3において使用されたものなどの無菌マウスは、常在微生物叢を欠き、および腸の制御性T細胞の相対的な欠乏および上昇したTh2型免疫応答を包含する、従来のマウスと比較して変更された免疫系を有する。組成物BおよびCが、無菌マウスにおいて制御性T細胞の応答を優先的に誘導することを示し、次いでこれらの細菌組成物が、常在微生物叢および正常な免疫系を所有するマウスにおいて免疫調節性の効果を誘導することができるかどうかを調査した。抗生物質での前処置が、組成物BおよびCの種の生着を容易にするためのニッチを作り出すために、およびそれらが腸管免疫を調節することを可能とするために必要であるかどうか、または細菌組成物が抗生物質の不在において効果を有し得るかどうかをさらに探求した。
【0221】
免疫学的な成熟に到達した特定病原体除去(SPF)マウス(6~8週齢)を、組成物BおよびCのかかる効果を評価するために使用した。マウスに、5日間毎日の経口強制飼養によってセフォペラゾン(5mg/マウス)で処置するかまたは処置しないかして、これに3日のウォッシュアウト期間が続いた。図29。これは、常在の腸管微生物叢を低減し、および細菌の生着を容易にするための標準的な方法の処置の適応である(例えば、Schubert et al (2015) mBioを参照されたい)。次いで、マウスに組成物B、組成物Cを接種するか、または処置しなかった。細菌組成物を受けたマウスに、毎週接種を続けた。
【0222】
各実験用グループからのマウスのサブセットを第2および4週目に屠殺し、および白血球を結腸の組織から単離し、免疫調節性の応答の誘導を評価した。図30Aに示されるとおり、抗生物質で前処置したマウスにおいて、組成物Bは、第2および4週目で、「細菌なし」のベースラインを超えて、CD4+FoxP3+Helios-T細胞として定義される、結腸中のTregを誘導した。マウスが、抗生物質で処置されなかったとき、組成物Bは、結腸中のTregを誘導するが、ベースラインを超える増加は、細菌の処置の4週後にしか観察されなかった。同様に、図30Aに示されるとおり、抗生物質で前処置したマウスにおいて、組成物Cは、「細菌なし」の対照のベースラインを超えて結腸中のTregを誘導した。抗生物質の処置の不在において、組成物BおよびCの両方が、細菌の投薬の4週後に結腸のTregの誘導へ向かう傾向を示した。これらの実験は、組成物BおよびCが、正常な免疫の発達を有する微生物叢の充分な宿主の文脈においてさえ、腸において調節性の免疫応答を誘導することができることを示唆する。
【0223】
組成物BおよびCが、常在微生物叢の存在しているマウスにおいてさえ、腸における効果を有することを示唆したために、実験用マウスの腸内の微生物群を実験1から検査した(図30Aより)。糞便ペレットを、抗生物質で処置されなかったマウスから、細菌の投薬の前(第0日目)、2回目の細菌の用量後(第13日目)、3回目の細菌の用量後(第20日目)、および屠殺に先立ち5用量後(第34日目)にサンプリングした(図31A)。主成分分析(PCA)を、各試料のマイクロバイオーム集団の組成物上で行い、LBP処置およびアレルギー感作の間のマイクロバイオームの変動を検査した(例として、Zinkernagel, et al. (2017) Scientific Reportsを参照されたい)。PCA分析は、未処置のマウス(細菌なし)について、微生物群が、実験の経過にわたり同様のプロファイルを有したことを明らかにした。しかしながら、組成物B(「LBP」)を接種したマウスについて、ベースラインと比較して経時的に微生物叢においてシフトがあり、抗生物質の処置なしでさえ、組成物Bの接種が、常在微生物叢における変化につながることを示唆している。同様の結果が、抗生物質の前処置を受けたマウスにおいても観察された(図31B)。
【0224】
抗生物質の前処置を受けたマウスについて、糞便ペレットを、抗生物質の処置前(第0日目)、抗生物質の後およびLBPの接種に先立ち(第6日目)、細菌組成物の2回の接種後(第13日目)、細菌組成物の3回の接種後(第20日目)、および細菌組成物の5回の接種後および屠殺に先立ち(第34日目)、収集した。すべてのマウスにおいて、抗生物質での処置は、ベースライン(第0日目)から第6日目までの微生物叢において著しい変化を誘導した。組成物Bを接種しなかったマウスについては、腸内菌共生バランス失調が維持され、および微生物のプロファイルが恒久的に変更され、およびベースラインに戻らなかった。組成物Bを接種したマウスについては、微生物のプロファイルは、経時的に抗生物質前のベースラインに戻り始め、組成物Bが常在微生物叢における変化につながり、およびこれらの変化が健常なホメオスタシスへ戻ることを促進するであろうことを示唆している。
図1-2】
図3-4】
図5
図6A-6B】
図6C-6D】
図7
図8A-8C】
図8D
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15A-15B】
図16A-16D】
図16E
図17
図18A-18D】
図18E
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
【配列表】
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