(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-09
(45)【発行日】2023-06-19
(54)【発明の名称】組合せ製品を用いるRSVの処置
(51)【国際特許分類】
A61K 31/437 20060101AFI20230612BHJP
A61P 31/14 20060101ALI20230612BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230612BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20230612BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20230612BHJP
【FI】
A61K31/437 ZMD
A61P31/14
A61P43/00 121
A61K31/519
A61P11/00
(21)【出願番号】P 2020530351
(86)(22)【出願日】2018-12-04
(86)【国際出願番号】 EP2018083440
(87)【国際公開番号】W WO2019110563
(87)【国際公開日】2019-06-13
【審査請求日】2021-12-02
(32)【優先日】2017-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】510020022
【氏名又は名称】ヤンセン・サイエンシズ・アイルランド・アンリミテッド・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100194423
【氏名又は名称】植竹 友紀子
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】イズバート,ニナ
(72)【発明者】
【氏名】グイヴァート,ネレ イサ イー.
(72)【発明者】
【氏名】ロイマンス,ダーク アンドレ エミー
(72)【発明者】
【氏名】コウル,アニル
【審査官】六笠 紀子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/174079(WO,A1)
【文献】特表2014-503525(JP,A)
【文献】Clin.Pharmacokinet.,2017年,56,pp.1331-1342
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/33-33/44
A61P
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸器合胞体ウイルス(RSV)感染症の処置又は改善に使用するための医薬組成物であって、化合物Aとして、3-({5-クロロ-1-[3-(メチルスルホニル)プロピル]-1H-インドール-2-イル}メチル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オン、又はその薬学的に許容される塩を含み、前記医薬組成物は、化合物Bとしての、(1S,2S)-2-[4-[7-シクロプロピル-5-[(1R)-1-メチル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-カルボニル]-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-2-イル]-3-フルオロ-フェニル]シクロプロパンカルボン酸、又はその薬学的に許容される塩と組み合わせて用いられ、
化合物Aが1日に10mg~2500mgの量で投与され、化合物Bが1日に10mg~2500mgの量で投与される、医薬組成物。
【請求項2】
RSV感染症の予防をそれを必要とする対象において行う方法に使用するための医薬組成物であって、化合物Aとして、3-({5-クロロ-1-[3-(メチルスルホニル)プロピル]-1H-インドール-2-イル}メチル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オン、又はその薬学的に許容される塩を含み、化合物Bとしての、(1S,2S)-2-[4-[7-シクロプロピル-5-[(1R)-1-メチル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-カルボニル]-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-2-イル]-3-フルオロ-フェニル]シクロプロパンカルボン酸、又はその薬学的に許容される塩と組み合わせて用いられ、前記方法は、前記化合物Aと前記化合物Bとの組合せを有効量で前記対象に投与することを含み、
化合物Aが1日に10mg~2500mgの量で投与され、化合物Bが1日に10mg~2500mgの量で投与される、医薬組成物。
【請求項3】
呼吸器合胞体ウイルス(RSV)感染症の処置又は改善に使用するための医薬組成物であって、化合物Bとして、(1S,2S)-2-[4-[7-シクロプロピル-5-[(1R)-1-メチル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-カルボニル]-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-2-イル]-3-フルオロ-フェニル]シクロプロパンカルボン酸、又はその薬学的に許容される塩を含み、前記医薬組成物は、化合物Aとしての、3-({5-クロロ-1-[3-(メチルスルホニル)プロピル]-1H-インドール-2-イル}メチル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オン、又はその薬学的に許容される塩と組み合わせて用いられ、
化合物Aが1日に10mg~2500mgの量で投与され、化合物Bが1日に10mg~2500mgの量で投与される、医薬組成物。
【請求項4】
RSV感染症の予防をそれを必要とする対象において行う方法に使用するための医薬組成物であって、化合物Bとして、(1S,2S)-2-[4-[7-シクロプロピル-5-[(1R)-1-メチル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-カルボニル]-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-2-イル]-3-フルオロ-フェニル]シクロプロパンカルボン酸、又はその薬学的に許容される塩を含み、化合物Aとしての、3-({5-クロロ-1-[3-(メチルスルホニル)プロピル]-1H-インドール-2-イル}メチル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オン、又はその薬学的に許容される塩と組み合わせて用いられ、前記方法は、前記化合物Aと前記化合物Bとの組合せを有効量で前記対象に投与することを含み、
化合物Aが1日に10mg~2500mgの量で投与され、化合物Bが1日に10mg~2500mgの量で投与される、医薬組成物。
【請求項5】
呼吸器合胞体ウイルス(RSV)感染症の処置又は改善に使用するための医薬組成物であって、化合物Aとして、3-({5-クロロ-1-[3-(メチルスルホニル)プロピル]-1H-インドール-2-イル}メチル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オン、又はその薬学的に許容される塩と、化合物Bとして、(1S,2S)-2-[4-[7-シクロプロピル-5-[(1R)-1-メチル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-カルボニル]-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-2-イル]-3-フルオロ-フェニル]シクロプロパンカルボン酸、又はその薬学的に許容される塩とを含み、
化合物Aが1日に10mg~2500mgの量で投与され、化合物Bが1日に10mg~2500mgの量で投与される、医薬組成物。
【請求項6】
RSV感染症の予防をそれを必要とする対象において行う方法に使用するための医薬組成物であって、化合物Aとして、3-({5-クロロ-1-[3-(メチルスルホニル)プロピル]-1H-インドール-2-イル}メチル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オン、又はその薬学的に許容される塩と、化合物Bとして、(1S,2S)-2-[4-[7-シクロプロピル-5-[(1R)-1-メチル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-カルボニル]-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-2-イル]-3-フルオロ-フェニル]シクロプロパンカルボン酸、又はその薬学的に許容される塩とを含み、前記方法は、前記化合物Aと前記化合物Bとの組合せを有効量で前記対象に投与することを含み、
化合物Aが1日に10mg~2500mgの量で投与され、化合物Bが1日に10mg~2500mgの量で投与される、医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RSV感染症を処置又は改善するための、RSV阻害化合物A、即ち3-({5-クロロ-1-[3-(メチルスルホニル)プロピル]-1H-インドール-2-イル}メチル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オンと、RSV阻害化合物B、即ち(1S,2S)-2-[4-[7-シクロプロピル-5-[(1R)-1-メチル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-カルボニル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-2-イル]-3-フルオロ-フェニル]シクロプロパンカルボン酸との組合せを対象とする。本発明は、さらに、化合物Aと化合物Bとの組合せ製品、化合物Aと化合物Bとを含む医薬製品、化合物Aと化合物Bとの組合せ-又は化合物Aと化合物Bとを含む医薬製品-のRSV感染症の処置のための使用、及びRSV感染症の処置又は改善を、それを必要とする対象において行う方法であって、化合物Aと化合物Bとの組合せを有効量で前記対象に投与するステップを含む方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトRSV又は呼吸器合胞体ウイルスは、ウシRSVウイルスとともにニューモウイルス(Pneumoviridae)科、オルソニューモウイルス(Orthopneumovirus)属に属する大型のRNAウイルスである。ヒトRSVは、世界中の全年齢の人々において、様々な呼吸路疾患の原因となる。ヒトRSVは、乳幼児期及び小児期の下部呼吸路疾病の主因である。全乳幼児のうち半数を超える乳幼児が生後1年以内にRSVに遭遇し、ほぼ全ての乳幼児が生後2年以内にRSVに遭遇する。若年小児の感染は長年続く肺障害を引き起こす可能性があり、その後の人生における慢性肺疾患(慢性喘鳴、喘息)の原因となる恐れがある。年長小児及び成人がRSVに感染すると、(悪性の)感冒に罹患することが多い。高齢者では易罹患性が再び増加し、RSVは高齢者の肺炎発生に関連することが多く、これにより死亡率が著しく高くなる。
【0003】
現在、RSV感染症に対する使用に承認されているのは3種の薬物のみである。第1の薬物はリバビリンであり、これは入院中の小児の重篤なRSV感染症にエアゾール処置がされるヌクレオシド類似体である。他の2種の薬物、RespiGam(登録商標)(RSV-IG)及びSynagis(登録商標)(パリビズマブ)は、ポリクローナル及びモノクローナル抗体免疫賦活薬であり、予防的に使用するように意図されている。両薬物とも極めて高価であり、非経口投与を必要とする。
【0004】
化合物A、即ち3-({5-クロロ-1-[3-(メチルスルホニル)-プロピル]-1H-インドール-2-イル}メチル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オンは、国際公開第2012/080447号パンフレットに化合物P55として開示されている。
【0005】
化合物B、即ち(1S,2S)-2-[4-[7-シクロプロピル-5-[(1R)-1-メチル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-カルボニル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-2-イル]-3-フルオロ-フェニル]シクロプロパンカルボン酸は、国際公開第2016/174079号パンフレットに化合物O5として開示されている。
【0006】
国際公開第2017/134133号パンフレットは、RSV感染症の処置に使用するための、3-({5-クロロ-1-[3-(メチルスルホニル)-プロピル]-1H-インドール-2-イル}メチル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オンと、1種又は複数種のRSV阻害化合物との組合せを開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
今般、3-({5-クロロ-1-[3-(メチルスルホニル)-プロピル]-1H-インドール-2-イル}メチル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オン(以下、化合物Aと呼ぶ)と、(1S,2S)-2-[4-[7-シクロプロピル-5-[(1R)-1-メチル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-カルボニル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-2-イル]-3-フルオロ-フェニル]シクロプロパンカルボン酸(以下、化合物Bと呼ぶ)との組合せが、RSV感染症の処置において改善された治療を提供することが発見された。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書に開示している一部の実施形態は、化合物Aと化合物Bとの組合せ、及びRSV感染症の予防、処置又は改善を、それを必要とする患者において行うためのこの組合せの使用に関する。
【0009】
他の実施形態は、化合物Aと化合物Bとの組合せを含む医薬製品、及びRSV感染症を予防、処置又は改善するための前記医薬製品の使用に関する。
【0010】
さらに他の実施形態は、RSV感染症の予防、処置又は改善を、それを必要とする対象において行う方法であって、化合物Aと化合物Bとの組合せを有効量で前記対象に投与するステップを含む方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
化合物Aは、3-({5-クロロ-1-[3-(メチルスルホニル)プロピル]-1H-インドール-2-イル}メチル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オンであり、国際公開第2012/080447号パンフレットに、次の構造:
【化1】
を有する化合物P55として開示されている。
【0012】
化合物Bは、(1S,2S)-2-[4-[7-シクロプロピル-5-[(1R)-1-メチル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-カルボニル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-2-イル]-3-フルオロ-フェニル]シクロプロパンカルボン酸であり、国際公開第2016/174079号パンフレットに、次の構造(シクロプロピル部分について相対立体化学を有する単一立体異性体):
【化2】
を有する化合物O5として開示されており、その後、次の絶対立体化学:
【化3】
を有することが発見されている。
【0013】
化合物A又は化合物Bという用語を以下で使用する場合は常に、化合物A及び/又は化合物Bの、その遊離塩基形態及びその薬学的に許容される塩形態の両方を含むものとする。
【0014】
化合物A又は化合物Bは、薬学的に許容される塩形態又は遊離(即ち非塩)形態で使用することができる。塩形態は、遊離形態を酸又は塩基で処理することにより得ることができる。目的とするのは、薬学的に許容される酸付加塩及び塩基付加塩であり、化合物が形成し得る治療活性のある無毒の酸付加塩形態及び塩基付加塩形態を含むものとする。化合物A又は化合物Bの薬学的に許容される酸付加塩は、遊離形態を次のような適切な酸で処理することにより簡便に得ることができる。適切な酸には、例えば無機酸、例えば臭化水素酸若しくは特に塩酸などのハロゲン化水素酸、若しくは硫酸、硝酸及びリン酸などの酸;又は有機酸、例えば、酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸(即ちヒドロキシブタン二酸)、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p-アミノサリチル酸、及びパモ酸などの酸が含まれる。化合物A又は化合物Bは、適切な有機塩基又は無機塩基で処理することにより、薬学的に許容される金属付加塩形態又はアミン付加塩形態に変換することもできる。適切な塩基塩形態には、例えば、アンモニウム塩、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩若しくはカリウム塩;又はマグネシウム塩若しくはカルシウム塩;有機塩基との塩、例えば、ベンザチン塩、N-メチル-D-グルカミン塩、ヒドラバミン塩、並びにアミノ酸との塩、例えば、アルギニン及びリシンなどとの塩が含まれる。付加塩形態という用語は、化合物A又は化合物Bが形成し得る、その塩に加えて、任意の溶媒和物も含むものとする。このような溶媒和物としては、例えば、水和物、及びアルコール付加物、例えばエタノール付加物などがある。
【0015】
ある実施形態では、本発明による組合せ中の化合物Aの量及び化合物Bの量は、RSVに対する相乗的な抗ウイルス効果が得られるような量である。
【0016】
1日に投与される本発明の組合せ中の化合物Aの量は、約10mg~約2500mg、約50mg~約1000mg、又は約50mg~約500mgと変動し得る。
【0017】
1日に投与される本発明の組合せ中の化合物Bの量は、化合物Bの総量について、約10mg~約2500mg、約50mg~約1000mg、又は約50mg~約500mgと変動し得る。
【0018】
本段落及び以下の段落に記載する量は全て、遊離形態(即ち非塩形態)についてのものである。上記の値は、遊離形態相当値、即ち遊離形態を投与すると仮定した場合の量を示す。塩を投与する場合、その量は、塩と遊離形態との分子量比に応じて算出する必要がある。
【0019】
上記の1日量は、平均体重約70kgに対して算出されたものであり、小児用の場合、又は体重がそれとかなり異なる患者に使用する場合には、算出し直さなければならない。
【0020】
投与量は、1日を通して適切な間隔を空けて投与される、1回分、2回分、3回分又は4回分以上の部分用量として提供することができる。使用される投与量は、好ましくは、上記の化合物A及び化合物Bの1日量、又はその部分用量、例えば、その1/2、1/3又は1/4などに相当する。剤形は、化合物A及び化合物Bを、上記の段落に記載した範囲又は量に等しい量で、別個の製剤中又は組合せ製剤中に含有することができる。このような組合せ製剤が好ましい。
【0021】
化合物A及び化合物Bが1日1回投与されるべき場合、これは、化合物Aと化合物Bとを含有する組合せ固定用量配合剤を投与することにより、実現することができる。投与することができる剤形は以下に記載されるが、経口剤形、特に経口溶液が好ましい。
【0022】
活性成分は、別個に、又は組合せ医薬組成物として、医薬組成物に製剤化することができる。後者の場合、化合物A又はその薬学的に許容される塩と、化合物B又はその薬学的に許容される塩との治療有効量、及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物が提供される。この場合の治療有効量とは、RSV感染症を、感染した対象において安定化させ、又は低減するのに十分な量である。治療有効量は、特に、1日に投与される上記の量又は1日に複数回投与することが容易なその部分用量に相当するものとすることができる。
【0023】
さらなる態様において、本発明は、薬学的に許容される担体を、治療有効量の化合物A又はその薬学的に許容される塩、及び有効量の化合物B又はその薬学的に許容される塩と、均質に混合するステップを含む、本明細書に記載の医薬組成物を調製する方法に関する。
【0024】
本明細書で提供される組合せは、RSV治療に同時に又は逐次的に使用するための組合せ製剤として製剤化することもできる。このような場合、化合物Aは、薬学的に許容される他の添加剤を含有する医薬組成物に製剤化され、化合物Bは、それとは別に、薬学的に許容される他の添加剤を含有する医薬組成物に製剤化される。好都合には、これらの別個の医薬組成物は、同時に又は逐次的に使用するためのキットの一部とすることができる。
【0025】
本発明の組合せの個々の成分は、同時に、若しくは治療中の異なる時間に別々に、又は分割した形態で若しくは単一の組合せ形態で同時に投与することができる。
【0026】
したがって、化合物A及び化合物Bは、個々に又は組み合わされて、投与目的に適した様々な医薬組成物に製剤化することができる。これらにおいて、特定の化合物A及びBの各々の治療有効量は、薬学的に許容される担体と組み合わされ、その担体は、投与に望ましい製剤の形態に応じて多種多様な形態をとり得る。医薬組成物は、経口、非経口(皮下、筋肉内及び静脈内を含む)、経直腸、バッカル又は経鼻で投与される医薬品として調製することができる。経口投与に好適な組成物としては、散剤、顆粒剤、凝集体剤、錠剤、圧縮丸剤又は被覆丸剤、糖衣錠剤、サシェ剤、硬カプセル剤又はゼラチンカプセル剤、シロップ剤及び懸濁剤が挙げられる。非経口投与に好適な組成物としては、水性又は非水性の溶液剤又は乳剤が挙げられ、経直腸投与について投与に好適な組成物としては、親水性又は疎水性の賦形剤を有する坐剤が挙げられる。経鼻送達については、好適なエアゾール送達システムを使用することができる。
【0027】
例えば、経口投与用の組成物を調製する際に、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤、乳剤及び溶液剤などの経口液体組成物の場合には、例えば、水、グリコール、油及びアルコールなどの通常の医薬媒体のいずれかを使用することができ、又は固体組成物の場合には、デンプン、糖、カオリン、滑沢剤、結合剤及び崩壊剤などの固体担体を使用することができる。非経口組成物では、担体は、通常、滅菌水を少なくとも大部分含むが、溶解補助剤、乳化剤又は他の補助剤などの他の成分をそれに添加することができる。注射液剤を調製することができ、その担体は、生理食塩水溶液、グルコース溶液又はこの両方の混合物を含む。注射懸濁液を調製することもでき、その場合、適切な液体担体及び懸濁化剤などを使用してもよい。また、再構成される散剤などの、使用直前に液体形態製剤に変換するように意図された固体形態製剤も含まれる。
【0028】
医薬組成物は、投与が容易で投与量が均一になるように、単位剤形で提供することが好都合であり得る。例としては、錠剤(割線入り錠剤又は被覆錠剤を含む)、カプセル剤、丸剤、坐剤、散剤分包、カシェ剤及び注射用の溶液剤又は懸濁剤など、並びにそれらを複数に分割したものが挙げられる。
【0029】
本明細書に記載の化合物Aと化合物Bとの組合せは、RSVに感染した温血動物、特にヒトの処置において有用である。
【0030】
本発明はまた、RSV感染症の処置又は改善を、それを必要とする対象において行う方法であって、化合物A及び化合物B、又はこれらのいずれかの薬学的に許容される塩の組合せを、治療有効量で、前記対象に投与するステップを含む方法にも関する。化合物Aの量は、1mg/kg~50mg/kg又は5mg/kg~50mg/kgの範囲とすることができ、化合物Bの量は、1mg/kg~50mg/kg又は5mg/kg~50mg/kgの範囲とすることができる。
【0031】
ある実施形態では、本発明はさらに、RSV感染症の処置又は改善を、それを必要とする対象において行う方法であって、化合物A及び化合物B、又はこれらのいずれかの薬学的に許容される塩の組合せを投与するステップを含み、化合物Aの量及び化合物の量が、RSVに対する相乗的な抗ウイルス効果が得られるような量である方法に関する。
【0032】
他の実施形態は、RSVウイルスに感染した細胞に、化合物A及び化合物B、又はこれらのいずれかの薬学的に許容される塩の組合せの有効量を接触させるステップを含む、RSV感染症を処置又は改善する方法に関する。
【0033】
本明細書で使用する場合、「処置する」「処置すること」「処置」「治療の」及び「治療」という用語は、必ずしも疾患又は状態の完全な治癒又は除去を意味するものではない。いずれかの程度までの、ウイルス量の任意の低減、又は疾患若しくは状態の任意の望ましくない徴候若しくは症状の軽減のことを、処置及び/又は治療と考えることができる。
【0034】
「治療有効量」及び「有効量」という用語は、必要な生物学的応答又は薬物応答を引き出す活性化合物又は医薬剤の量を示すために使用される。例えば、化合物の治療有効量は、疾患の症状を予防、軽減又は改善するため、ウイルス量を低減するため、又は処置を受ける対象の生存期間を延長するために必要な量とすることができる。この応答は、組織、系、動物又はヒトにおいて生じ得るものであり、ウイルス量の低減、処置を受ける疾患の徴候又は症状の軽減を含む。有効量の決定は、本明細書に記載の開示に照らすと、十分に当業者の能力の範囲内にある。1回分として必要とされる、本明細書に開示している化合物の治療有効量は、投与経路、処置を受ける動物の種類(ヒトを含む)、及び想定している特定の動物の身体特性に依存することになる。用量は、所望の効果の実現に合わせて調整することができるが、体重、食事、併用投薬、及び医療技術の当業者が認識するであろう他の要因などの要因に依存することになる。
【0035】
呼吸器合胞体ウイルス(RSV)感染症を処置する方法の有効性を判定するための種々の指標が当業者に公知である。好適な指標の例として、以下に限定されるものではないが、ウイルス量の低減、ウイルス複製の低減、セロコンバーション(患者血清中にウイルス検出不能)までの時間の短縮、臨床成績における罹患率若しくは死亡率の低減、及び/又は疾患応答の他の指標が挙げられる。
【0036】
一部の実施形態では、化合物A及び化合物B、又はこれらの薬学的な許容される塩の組合せは、ウイルス力価を検出不能レベルまで、例えば、1.7log10プラーク形成単位当量(PFUe)/mL未満、又は0.3log10プラーク形成単位当量(PFUe)/mL未満まで低減することができる。一部の実施形態では、本明細書に記載の化合物の組合せは、ウイルス量を、本組合せの投与前のウイルス量と比較して(例えば、本組合せの初期投与を受けてから60時間後)低減することができる。一部の実施形態では、本明細書に記載の化合物の組合せは、ウイルス量を、1.7log10(PFUe)/mLより低く、又は0.3log10(PFUe)/mLより低くまで低減することができる。一部の実施形態では、本明細書に記載の化合物の組合せは、対象の血清中のウイルス力価の低減を、本組合せの投与前のウイルス量と比較して、約1.5-log~約2.5-logの低減、約3-log~約4-logの低減、又は約5-logの低減よりも大きい範囲で実現することができる。例えば、ウイルス量は、本組合せの投与前、及び本組合せの初期投与を受けてから数時間後(例えば、本組合せの初期投与を受けてから60時間後)に測定される。
【0037】
一部の実施形態では、化合物A及び化合物B、又はこれらの薬学的な許容される塩の組合せは、対象の処置前のレベルを基準にしたRSVの複製を、本組合せの初期投与を受けてから数時間後(例えば、本組合せの初期投与を受けてから60時間後)に測定した場合、少なくとも1/1、1/2、1/3、1/4、1/5、1/10、1/15、1/20、1/25、1/50、1/75、1/100又はそれ以上に低減することができる。一部の実施形態では、本明細書に記載の組合せは、処置前のレベルを基準にしたRSVの複製を、約1/2~約1/5、約1/10~約1/20、約1/15~約1/40、又は約1/50~約1/100の範囲に低減することができる。一部の実施形態では、本明細書に記載の組合せは、RSV複製を、単剤治療として投与される1種の抗RSV剤の使用によって実現されるRSVの低減の低減と比較して、1~1.5log、1.5log~2log、2log~2.5log、2.5~3log、3log~3.5log又は3.5~4log多いRSV複製の低減の範囲で低減することができ、又は同等の低減をより短時間で実現することができる。
【0038】
経時で、感染因子は治療剤に対して耐性を生じさせる可能性がある。「耐性」という用語は、本明細書で使用する場合、ウイルス株の治療剤に対する応答が遅延、低下及び/又はなくなることを指す。例えば、抗ウイルス剤での処置後に、耐性ウイルスに感染した対象のウイルス量は、非耐性株に感染した対象が示すウイルス量の低減量と比較して、より少ない程度までしか低減しない場合がある。一部の実施形態では、化合物A及び化合物B、又はこれらの薬学的な許容される塩の組合せは、異なる抗RSV剤(例えばリバビリン)に耐性であるRSVに感染した対象に投与することができる。一部の実施形態では、耐性RSV株の発生は、対象が本明細書に記載の化合物の組合せで処置される場合、単剤治療として投与される他の抗RSV剤に対して耐性のRSV株の発生と比較して、遅らせることが可能である。
【0039】
一部の実施形態では、化合物A及び化合物B、又はこれらの薬学的な許容される塩の組合せは、RSVウイルス感染症から合併症になる対象のパーセンテージを、1種の抗RSV剤で処置されて合併症になる対象のパーセンテージと比較して減少させることができる。例えば、本明細書に記載の化合物の組合せで処置されて合併症になる対象のパーセンテージは、単剤治療として投与される1種の抗RSV剤のみで処置される対象と比較して、5%、10%、25%、40%、50%、60%、70%、80%及び90%少なくすることができる。
【0040】
化合物A及び化合物B、又はこれらの薬学的な許容される塩の組合せを利用することの潜在的な利点は、化合物A若しくはその薬学的に許容される塩、及び/又は化合物B若しくはその薬学的に許容される塩の、RSV感染症の処置において有効な必要量を、化合物(B)若しくはその薬学的に許容される塩、及び/又は化合物A若しくはその薬学的に許容される塩の場合に同等の治療結果を実現するための必要量と比較して、低減するということであり得る。例えば、化合物A若しくはその薬学的に許容される塩、及び/又は化合物B若しくはその薬学的に許容される塩の量は、単剤治療として投与される場合に同等のウイルス量の低減を実現するために必要な前述の化合物の量と比較して、少なくすることができる。本明細書に記載の組合せを利用することの別の潜在的な利点は、作用機序の異なる2種以上の化合物を使用すると、耐性ウイルス株の発生に対するバリアを、化合物が単剤治療として投与される場合のバリアと比較して、高くすることができるということである。本明細書に記載の組合せを利用することのさらなる利点には、組合せの化合物間に交差耐性が皆無かそれに近いこと、組合せの化合物の排泄経路が異なること、組合せの化合物間に重複する毒性が皆無かそれに近いこと、シトクロムP450に対する重要な影響が皆無かそれに近いこと、及び/又は組合せの化合物間に薬物動態学的な相互作用が皆無かそれに近いことが含まれ得る。
【実施例】
【0041】
以下の実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明を以下の実施例に限定するものではない。
【0042】
実施例1:RSVアッセイ組合せ実験
RSVに対する両化合物の組み合わされた抗ウイルス効果を評価するために、化合物A、即ち3-({5-クロロ-1-[3-(メチルスルホニル)プロピル]-1H-インドール-2-イル}メチル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オンと、化合物B、即ち(1S,2S)-2-[4-[7-シクロプロピル-5-[(1R)-1-メチル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-カルボニル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-2-イル]-3-フルオロ-フェニル]シクロプロパンカルボン酸とを用いてin vitro組合せ試験を行った。手短に言えば、9種の濃度の化合物Aを、6種又は7種の濃度の化合物Bと組み合わせた。種々の濃度の化合物Aと化合物Bとを個々に又は組み合わせて存在させて、HeLa細胞を、eGFPをコードする遺伝子組換えRSV株であるrgRSV224に感染させた(Hallak LK,Spillmann D,Collins PL,Peeples ME.Glycosaminoglycan sulfation requirements for respiratory syncytial virus infection;Journal of Virology(2000),74(22),10508-13)。
【0043】
化合物原液は100%DMSO中5mMとした。最初に、化合物をDMSOに段階希釈して3倍希釈系列にした。この濃度系列を細胞培養培地に100倍希釈して組合せマトリックスを得た。これらの化合物溶液10μLを、底部が透明の黒色384ウェルの組織培養処理したプレートに移した。次に、mL当たり150000細胞のHeLa細胞懸濁液10μLを添加して、ウェル当たり3000細胞にした。最後に、希釈ウイルスストック10μLを添加してMOIを1にした。全てのウェルの最終DMSO濃度を0.5%DMSOとした。化合物の各濃度の組合せを3つの別々のプレートに4レプリケートで試験し、これにより全部で12レプリケートとした。プレートを、加湿した5%CO2雰囲気下にて37℃で3日間インキュベートした。GFPシグナルをPerkinElmer EnVision装置で405nmフィルターを使用して測定した。
【0044】
統計解析については、観察されたGFPシグナルを、対応するプレートのウイルス対照(VC)及び細胞対照(CC)を使用して正規化した:応答=(GFP-CC)/(VC-CC)であり、CCを全てのブランクウェル(ウイルスなし)の中央値GFPとして計算し、VCを全ての対照ウェル(化合物なし)の中央値GFPとして計算した。
【0045】
Harbronの方法(Statistics in Medicine,2010,DOI:10.1002/sim3916)を使用して相乗作用を評価した。Loeweの定義を使用して、2種の化合物を:
【数1】
によって、相加、相乗又は拮抗と特徴づける。
【0046】
式中、d1及びd2は、組み合わされて有効性yを生じさせる2種の化合物の用量を表し、Dy,1及びDy,2は、単剤治療として投与された場合に同等の有効性yを生じさせる2種の化合物の用量を表す。3PLモデル(3-パラメーター対数ロジスティックモデル)を単剤治療の用量-応答データについて使用し、ベースライン応答を1に固定した。
【0047】
Harbronの方法に従って、以下のモデルをデータにフィットさせた。
「相加的」:2種の化合物間に相互作用はないと仮定
「一様性」:全ての用量の組合せにおいて一定の相互作用指数τを仮定
「線形のA」:相互作用指数は化合物Aのlog10用量に線形に従属すると仮定:τ=τ1+τ2log10(dA)
「個別のA」:相互作用指数τは化合物Aの各用量について個別の値をとると仮定
後半2つのモデルは化合物Bについても考慮される:
「線形のB」:相互作用指数は化合物Bのlog10用量に線形にτ従属すると仮定:τ=τ1+τ2log10(dB)
「個別のB」:相互作用指数τは化合物Bの各用量について個別の値をとると仮定
【0048】
「個別のA」モデルを、赤池情報量規準(AIC)に基づき、試験した全ての組合せについて選択した。化合物Aと化合物Bとの組合せの試験結果を以下に報告する。
【0049】
組合せ:化合物A及び化合物B
【0050】
【0051】
表2は、「個別のA」モデルの95%信頼区間(CI)での相互作用指数(τ)推定値を示す。相乗作用の程度は化合物Aの用量によって変動することが可能であり、0.57nM以上の用量でかなりの程度の相乗作用が現れる。概して、相乗作用の程度は用量レベルの増加に伴って高くなる。
【0052】
【0053】
実施例2:in vivo RSV組合せ実験
化合物Aと化合物Bとの組合せは、in vivo新生仔ヒツジモデルにおいても試験した。本特許出願の出願時に、実験の統計解析はまだ進行中であったが、予備段階の結果はin vitroの相乗作用の所見を裏付けている。
本発明は次の実施態様を含む。
[請求項1]
呼吸器合胞体ウイルス(RSV)感染症の予防、処置又は改善に使用するための、
化合物Aとして、3-({5-クロロ-1-[3-(メチルスルホニル)プロピル]-1H-インドール-2-イル}メチル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オン、又はその薬学的に許容される塩と、
化合物Bとして、(1S,2S)-2-[4-[7-シクロプロピル-5-[(1R)-1-メチル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-カルボニル]-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-2-イル]-3-フルオロ-フェニル]シクロプロパンカルボン酸、又はその薬学的に許容される塩と
を含む組合せ。
[請求項2]
化合物Aの量及び化合物Bの量が、RSVに対する相乗的な抗ウイルス効果が得られるような量である、請求項1に記載の使用のための組合せ。
[請求項3]
化合物Aの量が10mg~2500mgの範囲であり、化合物Bの量が10mg~2500mgの範囲である、請求項1又は請求項2に記載の使用のための組合せ。
[請求項4]
請求項1~3のいずれか一項に記載の組合せと、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
[請求項5]
請求項1~3のいずれか一項に記載の組合せと、薬学的に許容される担体とを含む、RSV感染症の処置又は改善に使用するための医薬組成物。
[請求項6]
請求項1~3のいずれか一項に記載の組合せと、薬学的に許容される担体とを含む、RSV感染症の予防に使用するための医薬組成物。
[請求項7]
RSV感染症の予防、処置又は改善に使用するための医薬品を製造するための、請求項1~3のいずれか一項に記載の組合せの使用。
[請求項8]
RSV感染症の予防、処置又は改善に使用するための医薬品を製造するための、請求項6に記載の医薬組成物の使用。
[請求項9]
RSV感染症の予防、処置又は改善を、それを必要とする対象において行う方法であって、化合物Aとして、3-({5-クロロ-1-[3-(メチルスルホニル)プロピル]-1H-インドール-2-イル}メチル)-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-オン、又はその薬学的に許容される塩と、化合物Bとして、(1S,2S)-2-[4-[7-シクロプロピル-5-[(1R)-1-メチル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-カルボニル]-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-2-イル]-3-フルオロ-フェニル]シクロプロパンカルボン酸、又はその薬学的に許容される塩との組合せを、治療有効量で前記対象に投与するステップを含む方法。
[請求項10]
化合物Aと化合物Bとの前記組合せが、単一の医薬組成物に製剤化される、請求項9に記載の方法。
[請求項11]
化合物Aと化合物Bとの前記組合せが、化合物Aを含む別個の医薬組成物、及び化合物Bを含む別個の医薬組成物として製剤化され、それにより、前記各医薬組成物が同時に又は逐次的に投与される、請求項9に記載の方法。