(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-09
(45)【発行日】2023-06-19
(54)【発明の名称】かたい包囲材料を有するエアロゾル発生物品
(51)【国際特許分類】
A24D 1/20 20200101AFI20230612BHJP
A24D 1/02 20060101ALI20230612BHJP
【FI】
A24D1/20
A24D1/02
(21)【出願番号】P 2020545624
(86)(22)【出願日】2019-02-21
(86)【国際出願番号】 EP2019054262
(87)【国際公開番号】W WO2019166308
(87)【国際公開日】2019-09-06
【審査請求日】2022-01-26
(31)【優先権主張番号】102018104823.8
(32)【優先日】2018-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】512252548
【氏名又は名称】デルフォルトグループ、アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】DELFORTGROUP AG
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン、マイアー
(72)【発明者】
【氏名】ディートマー、フォルガー
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-523565(JP,A)
【文献】特表2016-524904(JP,A)
【文献】特開2015-156806(JP,A)
【文献】国際公開第2009/109433(WO,A1)
【文献】特表2014-521360(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 1/02、1/20、3/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
意図された使用の間にエアロゾルを放出するように加熱されるが燃焼されないエアロゾル発生材料と、包装材料とを備えるエアロゾル発生物品であって、前記包装材料は、
-少なくとも50μm且つ最大で350μmの厚み、
-少なくとも50g/m
2且つ最大で200g/m
2の坪量、
-少なくとも500kg/m
3且つ最大で1300kg/m
3の特定密度、及び
-少なくとも0.15Nmm且つ最大で1.50Nmmの曲げ剛性、
を有し、
前記包装材料は少なくとも2つの層を含み、前記層は互いに接続されており、1つの層は紙層であり、当該紙層は、
-少なくとも40μm且つ最大で70μmの厚み、
-少なくとも50g/m
2且つ最大で80g/m
2の坪量、及び
-少なくとも700kg/m
3且つ最大で1300kg/m
3の密度、及び
-前記包装材料の他の層のいずれの特定密度よりも高い特定密度
を有する、エアロゾル発生物品。
【請求項2】
前記包装材料の厚さは、少なくとも60μmであり、最大で200μ
mである請求項1に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項3】
前記包装材料の坪量は
、少なくとも60g/m
2であり
、最大で120g/m
2である請求項1又は2に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項4】
前記包装材料の密度は
、少なくとも700kg/m
3であり
、最大で1200kg/m
3である請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項5】
前記包装材料の曲げ剛性は、少なくとも0.25Nm
mであり、最大で1.25Nm
mである請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項6】
前記包装材料の少なくとも2つの層の
間の接続がインターロッキングタイプであり、当該インターロッキング接続は、お互いに重ねられた前記包装材料の層をローレット加工することによって又は機械的に穿孔することによって作り出される請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項7】
前記包装材料の少なくとも2つの
層はお互いに接着されている請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項8】
前記接着された接続は、表面全体を覆う請求項7に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項9】
前記包装材料の2つの層の間の少なくとも1つの接着された接続は表面全体を覆うものではなく、表面全体を覆うものではない前記少なくとも1つの接着された接続は
、接着剤が、前記包装材料の1つの層の領域の少なくとも10%に
、及び、最大で90%
に適用されるようなものである請求項7に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項10】
接着剤が実際に適用された領域に関し、乾燥後に残る接着剤の量は、少なくとも2g/m
2
であり、及
び、最大で12g/m
2
である請求項7~9のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項11】
前記接着剤は、前記包装材料の2つの層の間の少なくとも1つの接着された接続において、複数の接着スポットによって形成されるパターンの形態で適用され、当該複数の接着スポットの平均度合いは、曲げ荷重を原因とする予想される引張応力及び圧縮応力の方向に対応する一方向において、それに直交する方向におけるよりも、大きい請求項9又は10に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項12】
本質的に円筒形状を有するエアロゾル発生物品であって、前記接着された接続が、エアロゾル発生物品の周方向に対応する方向に延びる複数の線のパターンの形態で適用される請求項11に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項13】
前記包装材料は、2以上の接着された接続によって接続される3以上の層を含み、これらの2以上の接着された接続のうちの2つは、各々、複数の接着スポットのパターンによって形成され、それぞれの好ましい方向における当該複数の接着スポットの平均度合いは、それに直交する方向におけるよりも大きく、これらの少なくとも2つの接着された接続の前記好ましい方向は、異なって
いる請求項9~12のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項14】
前記包装材料は、少なくとも
4の、TAPPI T559cm -02に従って測定されたKITレベルを有する請求項7~13のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項15】
前記包装材料は、最大で0.8
0の、g/m
2での前記包装材料の坪量によって割られたISO 535:2014に従うg/m
2でのCobb
60値の比を有する請求項7~14のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項16】
最も大きい特定密度を有する前記包装材料の前記紙層は、少なくとも45μm
の厚さ、及
び、最大で65μm
の厚さを有する請求項1~15のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項17】
最も大きい特定密度を有する前記包装材料の前記紙層は、少なくとも55g/m
2
のの坪量、及
び、最大で75g/m
2
の坪量を有する請求項1~16のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項18】
最も大きい特定密度を有する前記包装材料の前記紙層は、少なくとも1150kg/m
3の密度及び最大で1250kg/m
3の密度を有する請求項1~17のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項19】
最も大きい特定密度を有する前記包装材料の前記紙層自体の曲げ剛性は、少なくとも0.06Nm
mであり、最大で0.20Nm
mである請求項1~18のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項20】
最も大きい特定密度を有する前記包装材料の前記紙層はフィラー材料を含み、当該フィラー材料は粒子によって形成され、当該フィラー材料の少なくとも1つの空間方向への延在は、それに直交する方向におけるよりも、平均
で少なくとも2
倍大きく、前記フィラー材料は
、針状石灰石、薄片状石灰石、カオリン、タルク又はそれらの混合物によって形成される請求項1~19のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項21】
最も大きい特定密度を有する前記包装材料の前記紙層は、デンプン、デンプン誘導体、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、グアー、グアー誘導体及びラテックスからなる群から選択される1つ以上の添加物を含む請求項1~20のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項22】
前記包装材料の少なくとも1つの更なる層は、また、紙によって又はプラスチックフィルムによって形成される請求項1~21のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項23】
前記少なくとも1つの更なる層は、パルプを含む紙層によって形成され、前記パルプの少なくとも一部は、麻、亜麻、サイザル麻、ジュート又はアバカからのパルプによって形成され
る請求項22に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項24】
前記包装材料は厳密に2つ又は3つの層を含み、すべての層が紙層によって形成されている請求項1~23のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項25】
前記包装材料は厳密に3つの層を含み、当該3つの層はすべて紙層によって形成され、中間の紙層の密度は2つの外側の紙層の密度よりも低い請求項24に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項26】
前記包装材料は厳密に3つの層を含み、当該3つの層はすべて紙層によって形成され、他のどの層の密度よりも高い密度を有する前記紙層は、前記包装材料において中間の紙層を形成し、外側の紙層の各々の厚さは少なくとも40μmであり最大で100μmである請求項23に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項27】
請求項1~26のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品のための包装材料の製造のためのプロセスであって、前記包装材料は、
-少なくとも50μm且つ最大で350μmの厚み、
-少なくとも50g/m
2且つ最大で200g/m
2の坪量、
-少なくとも500kg/m
3且つ最大で1300kg/m
3の特定密度、及び
-少なくとも0.15Nmm且つ最大で1.50Nmmの曲げ剛性、
を有し、
前記包装材料は少なくとも2つの紙層を含み、当該少なくとも2つの紙層は互いに接続され、前記包装材料の他の層の各々の特定密度よりも大きな特定密度の紙層を含み、当該紙層は、
-少なくとも40μm且つ最大で70μmの厚み、
-少なくとも50g/m
2且つ最大で80g/m
2の坪量、及び
-少なくとも700kg/m
3且つ最大で1300kg/m
3の密度、を有し、
第1のパルプ含有懸濁体は、第1のヘッドボックスから抄紙機のワイヤ上に放出されて第1の紙層を形成し、第2のパルプ含有懸濁体は、第2のヘッドボックスから、前記抄紙機のワイヤ上にある前記第1の紙層上に放出されて第2の紙層を形成し、当該第2の紙層は、前記第1の紙層とともに複合体を形成する、プロセス。
【請求項28】
第3のパルプ含有懸濁体が第3のヘッドボックスから前記第2の懸濁体上に放出されて第3の紙層を形成し、当該第3の紙層は、前記第2の紙層とともに複合体を形成する請求項27に記載のプロセス。
【請求項29】
エアロゾル発生材料を含むエアロゾル発生物品のための包装材料であって、当該包装材料は、意図された使用の間に、加熱されてエアロゾルを放出するが燃焼されず、
-少なくとも50μm且つ最大で350μmの厚み、
-少なくとも50g/m
2且つ最大で200g/m
2の坪量、
-少なくとも500kg/m
3且つ最大で1300kg/m
3の特定密度、及び
-少なくとも0.15Nmm且つ最大で1.50Nmmの曲げ剛性、
を有し、
前記包装材料は少なくとも2つの層を含み、前記層は互いに接続されており、1つの層は紙層であり、当該紙層は、
-少なくとも40μm且つ最大で70μmの厚み、
-少なくとも50g/m
2且つ最大で80g/m
2の坪量、及び
-少なくとも700kg/m
3且つ最大で1300kg/m
3の密度、及び
-前記包装材料の他の層の各々の特定密度よりも大きい特定密度
を有する、包装材料。
【請求項30】
請求項1~26のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品における使用のための請求項29に記載の包装材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明はエアロゾル発生物品に関し、当該エアロゾル発生物品において、エアロゾル発生材料が加熱されてエアロゾルを放出するが、エアロゾル発生材料は燃焼されない。エアロゾル発生物品は包装材料を含み、当該包装材料は特にエアロゾル発生物品のフィルター部分を対象としている。包装材料は特に曲げ剛性が高く、レーザーの適用により簡単に穴が開けられることができる。特に、発明によるエアロゾル発生物品の包装材料は、互いに接続された少なくとも2つの紙層を含み、当該少なくとも2つの紙層は異なる特定密度(specific densities)を有する。発明はまた、それぞれの包装材料を製造するためのプロセス及び対応の包装材料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術において、エアロゾル発生材料と、エアロゾル発生材料を包む材料であって、したがって典型的には円筒形のロッドを形成する材料と、を含むエアロゾル発生物品が知られている。この点に関し、エアロゾル発生材料は、加熱時にエアロゾルを放出する材料であり、エアロゾル発生材料は、加熱されるだけで、燃焼されない。多くのケースで、エアロゾル発生物品はフィルターも含み、当該フィルターは、エアロゾルの成分をフィルターにかけることができ、且つ、フィルター及びロッドをお互いに接続するチッピングペーパー(tipping paper)で並びに包装材料で包まれる。
【0003】
フィルターを有するエアロゾル発生物品では、フィルターの領域に穿孔があるのが一般的である。意図された使用の間、この穿孔は、エアロゾル発生物品内への空気の流れを許容し、それはエアロゾル発生物品において流れるエアロゾルを希釈する。この穿孔は、本質的に、エアロゾル発生物品の使用中に消費者がどれぐらいのエアロゾルを摂取するのかを決定する。多くのケースで、穿孔は穴の形で実現され、当該穴は、エアロゾル発生物品の周囲に周方向に配置される。エアロゾル発生物品において、これらの穴は、ほとんどの場合、レーザー放射による穿孔によって生成される。
【0004】
前述の種類のエアロゾル発生物品に関し、フィルターは、フィルター繊維の円筒形ロッドであることが多く、当該円筒形ロッドは、フィルター包装紙及びチッピングペーパーによって包まれる。包装材料の曲げ剛性は、エアロゾル発生物品にとって特に重要であり、それは、これらの物品が、エアロゾル発生材料を加熱するために使用中に加熱装置に挿入されることが多いからである。エアロゾル発生物品の使用後、それは加熱装置から取り出される。加熱装置におけるエアロゾル発生物品の加熱により、それは加熱装置に付着する可能性があり、加熱装置からそれを取り除くために比較的大きな力が必要とされる。これに関し、より高い曲げ荷重及び対応する変形は、加熱装置から通常突き出ているフィルター部分の領域においてと、加熱装置内のエアロゾル発生材料のロッドの領域においてとの両方で発生する。時々、加熱装置にあるエアロゾル発生物品が壊れたり変形したりして、その一部が加熱装置に残り、何らかの努力で除去される必要があるか、次の使用中にエアロゾル発生物品の挿入を防ぐ必要がある。高い曲げ剛性を有する包装材料は、変形を限定されたものにすることを可能にして、本質的にそのような問題を防ぐ。この特別な要件とは別に、フィルター部分の高い剛性が一般的に望まれており、それは、消費者の知覚における高品質の兆候としてみなされるからである。
【0005】
しかしながら、一般的に使用されるレーザー放射によるかたい包装材料の穿孔は困難であるということを、実践は示している。これは、かたい紙にも穴が開けられることを確かにするには、より低い処理速度又はより高いレーザー出力のいずれかが必要であることを意味する。
【発明の概要】
【0006】
発明の目的は、比較的高い剛性を有し、またレーザー放射によって容易に穿孔されることもできるエアロゾル発生物品のための包装材料を提供することである。この目的は、請求項1に記載のエアロゾル発生物品、請求項27に記載の適切な包装材料を製造するためのプロセス、及び請求項29に記載の包装材料によって達成される。さらに有利な実施形態が、従属請求項において提供される。
【0007】
発明者らは、その目的が、少なくとも50μm及び最大で350μmの厚さ、少なくとも50g/m2及び最大で200g/m2の坪量、少なくとも500kg/m3及び最大で1300kg/m3の特定密度、及び少なくとも0.15Nmm及び最大で1.50Nmmの曲げ剛性を有する包装材料によって達成できることを見出した。発明によれば、包装材料は、少なくとも2つの層を含み、その層は互いに接続されており、少なくとも1つの層は紙層である。この紙層は、少なくとも40μm及び最大で70μmの厚さ、少なくとも50g/m2及び最大で80g/m2の坪量、及び少なくとも700kg/m3及び最大で1300kg/m3の密度を有し、包装材料の残りの層の他のどれよりも高い特定密度を有する。
【0008】
この点に関し、「互いに接続され」とは、紙の曲げによって引き起こされる応力が1つの層から隣接する層に伝達されうるようにし、曲げに関して、包装材料が複合材料のように振る舞って、互いの上に寝かされたいくつかの緩いシートのようには振る舞わないように、上方及び下方に位置する層を伴う包装材料の各層間に接続があることを意味する。
【0009】
発明は、以下の考察に基づいている。
【0010】
均質な包装材料の曲げ剛性S
b(N・mm)は、次の式でかなり正確に表されうるものであり、Qは比弾性係数(N・mm・kg
-1)、ρは密度(kg・mm
-3)、dは包装材料の厚み(mm)である。
【数1】
【0011】
一定の比弾性係数Qを仮定すると、曲げ剛性Sbは、密度ρ又は厚さdを増大させることによって、増大させられることができる。特に、厚みの増大は、一定の坪量で同程度に密度が低下しても、曲げ剛性を増大させる。
【0012】
ただし、後でレーザーによって穴が開けられる場合は、包装材料の厚さの増大は制限される。そのような用途で典型的に使用されるレーザーは、最大エネルギー密度の空間的に小さい領域を有するレーザー放射を発生するため、厚い包装材料に関し、包装材料のかなりの部分が最大エネルギー密度の領域の外側に位置し、したがって包装材料は所望の速度で穴が開けられることができない。したがって、発明によれば、包装材料の厚さは、350μm未満とすべきである。
【0013】
他方、密度が高すぎると、包装材料も高速でレーザーによって穿孔されることができないため、密度を任意に増大させることはできない。この点に関して、曲げ剛性を同じに保つには、厚さを半分にすることは密度を8倍に増やす必要があることに注意するべきである。このため、実際には、高密度、大きな厚み、又は両方を必要とするかたい包装材料は、本当に穿孔されるのが難しいことが理解できる。
【0014】
しかしながら、発明者らは、包装材料が不均一な密度分布を有する場合、剛性と穿孔に関する適合性との間の本質的により有利なトレードオフが達成されることができることを見いだした。
【0015】
具体的には、発明による包装材料は、少なくとも50μmの厚さであり、少なくとも50g/m2及び最大で200g/m2の坪量を有するべきであり、それによってそれは良好な機械的強度を有する。包装材料の全体としての密度は、少なくとも500kg/m3及び最大で1300kg/m3であるべきであり、それによってそれはその厚さ全体にわたって簡単に穴が開けられることができる。発明による包装材料の曲げ剛性は、少なくとも0.15Nmmであるべきであり、それは、エアロゾル発生物品用の従来の包装材料と比較して実質的な増大を意味し、エアロゾル発生物品用の包装フィルターに非常に適している。
【0016】
一方、包装材料の曲げ剛性は高過ぎないようにするべきである。エアロゾル発生物品の製造中、包装材料は、典型的には、エアロゾル発生物品の周りに巻き付けられ、それ自体に又はエアロゾル発生物品に接着される。高い曲げ剛性による復元力が高すぎると、接着接合部が、それが十分な強度を得る前に、再び開く。したがって、発明による包装材料の曲げ剛性は、最大で1.50Nmmであるべきである。
【0017】
発明によれば、包装材料は、少なくとも2つの層を含むべきであり、当該層は互いに接続されている。発明の本質的な態様は、これらの層のうちの1つが紙層であり、残りの層の密度よりも高い密度を有することである。包装材料の断面にわたる密度のこの不均一な分布によって、レーザーによる効率的な穿孔が可能であり、この密度が高いが比較的薄い層が正確にレーザー放射の最大エネルギー密度の領域にありつつ、密度が低い残りの層がレーザー放射のエネルギー密度の低い領域に配置されることを保証する。包装材料の断面にわたる密度のこの発明の分布によって、密度は、レーザー放射のエネルギー密度の空間分布に適合され、包装材料の効率的かつ迅速な穿孔が可能である。
【0018】
したがって、発明による包装材料の前記紙層は、少なくとも40μm及び最大で70μmの厚さ、少なくとも50g/m2及び最大で80g/m2の坪量、及び少なくとも700kg/m3及び最大で1300kg/m3の厚さを有するべきである。
【0019】
包装材料の及び包装材料の層の坪量は、ISO536:2012に従って決定されることができる。厚さ並びに比容積、したがって包装材料の及び包装材料の層の密度は、ISO534:2011に従って決定されることができる。
【0020】
包装材料の及び包装材料の層の曲げ剛性は、TAPPI T556に従って決定されることができる。この測定方法において、既知の長さと幅の材料のストリップがクランプされて、クランプ位置から定められた距離で力センサーに接触する。この点で、クランプは、重力が曲げの面に直交するようなものであり、したがって曲げに対する影響がない。次に、クランプが定められた角度だけ、典型的には15°、回転させられ、それによって材料のストリップが曲がって力センサーに力を及ぼす。この力は記録され、それから曲げ剛性が計算される。発明で起こり得るように、包装材料の非対称構造に関し、曲げ測定は両方向で実行され、曲げ剛性を平均することによって決定される。
【0021】
曲げ剛性は、材料のストリップが包装材料から取り出される方向にも依存しうる。別の何かが指定されない限り、曲げ剛性の値はこの方向とは無関係である。これは、例えば、曲げ剛性が、それが少なくとも1つの方向に指定された間隔内にある場合、この間隔内にあることを意味する。
【0022】
発明によらないエアロゾル発生物品の典型的な包装材料は、0.01Nmmから0.10Nmmの曲げ剛性を有する。
【0023】
上記のように、発明による包装材料の厚さは、少なくとも50μmであり、好ましくは少なくとも60μmである。その厚さは、最大で350μmであり、好ましくは最大で200μmであり、特に好ましくは最大で150μmである。薄い厚みは、低い曲げ剛性及び引張強さを意味する一方で、同じ坪量でより大きな厚みは、包装材料をレーザー放射でより簡単に穿孔できることを意味する。したがって、好ましい間隔は、これらの相反する要件の特に有利な組み合わせを可能にする。
【0024】
包装材料の坪量は、その引張強さにとって肝心である。包装材料は、少なくとも50g/m2、好ましくは少なくとも55g/m2、及び特に好ましくは少なくとも60g/m2の坪量を有するべきである。坪量は、最大で200g/m2、好ましくは最大で130g/m2、特に好ましくは最大で120g/m2であるべきである。
【0025】
包装材料の密度は、レーザー放射が包装材料を穿孔するためにどれぐらいのエネルギーが必要かということにとって非常に重要であり、それは曲げ剛性にかなりの影響を及ぼす。したがって、包装材料は、少なくとも500kg/m3、好ましくは少なくとも600kg/m3、及び特に好ましくは少なくとも700kg/m2の密度を有するべきである。包装材料の密度は、最大で1300kg/m2、好ましくは最大で1250kg/m2、及び特に好ましくは最大で1200kg/m3であるべきである。ここでも、好ましい間隔は、高い曲げ剛性と良好な穿孔特性との間の有利なトレードオフを提供する。
【0026】
包装材料の曲げ剛性は、少なくとも0.15Nmm、好ましくは少なくとも0.25Nmm、特に好ましくは少なくとも0.27Nmmであるべきである。これに関し、発明により包装材料から製造されたエアロゾル発生物品が、それが消費者にはっきりと知覚できるほどの、機械的変形に対する高い安定性を有することが保証される。高い曲げ剛性はまた、発明による包装材料からのエアロゾル発生物品の製造中の高い復元力を意味するので、曲げ剛性は、最大で1.50Nmm、好ましくは最大で1.25Nmm、特に好ましくは最大で1.00Nmmであるべきである。この点で好ましい間隔は、包装材料の問題のない処理で特に高い曲げ剛性を可能にする。
【0027】
包装材料は、互いに接続された少なくとも2つの層で構成されている。好ましい実施形態において、包装材料の層間の接続は、インターロッキング(interlocking)のやり方で実行される。インターロッキング接続は、例えば、互いに積み重ねられた包装材料の層のローレット加工によって又は機械的穿孔によって、作り出されることができる。これに関し、穿孔装置は、1つの層の穿孔穴の縁を下に位置する層内に曲げ、それによって、十分な数の穿孔穴を選択することにより、曲げ応力を伝達するのに十分な機械的接続を作り出すことができる。ローレット加工も同様のやり方で、うまくいく。この種類の接続の本質的な利点は、接着剤が不要であり、したがって包装材料の密度が増大しないことである。他方、包装材料の引張強さは低下する。
【0028】
さらに好ましい実施形態において、包装材料の層は互いに接着されている。この好ましい実施形態の変形において、すべての接着接続は、表面全体にわたって行われる。可能な限り高い曲げ剛性を達成するつもりであれば、この変形は好ましい。この好ましい実施形態の更なる変形において、包装材料の2つの層の間の少なくとも1つの接着接続は、表面全体にわたっては行われない。
【0029】
好ましくは、表面全体にわたっては行われていない少なくとも1つの接着接続は、接着剤が、包装材料の層の面積の少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも40%に、適用されるように、行われる。これにより、包装材料料の層間で曲げ応力を伝達するための良好な機械的接続を実現することができる。他方、接着剤の適用は密度の増大も意味し、そのため接着剤は、包装材料の層の面積の好ましくは最大で90%、特に好ましくは最大で70%、より特に好ましくは最大で60%に適用される。
【0030】
さらに、好ましい間隔は、増大した曲げ剛性を低密度と特にうまく組み合わせる接着剤の量に関して定められることができる。したがって、接着剤の適用量は、好ましくは、少なくとも2g/m2、特に好ましくは少なくとも4g/m2、より特に好ましくは少なくとも5g/m2である。接着剤の適用量は、好ましくは最大で12g/m2、特に好ましくは最大で10g/m2、より特に好ましくは最大で9g/m2である。この点でのg/m2での適用量は、接着剤が実際に適用された領域に対して、接着剤の乾燥後に紙に残る接着剤の量である。
【0031】
発明による包装材料の層の少なくとも1つの接着接続が表面全体にわたっては行われない場合、特に好ましくは、この少なくとも1つの接着接続における接着剤は、曲げ荷重による予想される引張及び圧縮応力の方向に本質的に延びるパターンの形態で適用される。特に、接着剤は、複数の接着されるスポットのパターンの形で適用されることができ、その平均度合いは、曲げ荷重による予想される引張及び圧縮応力の方向に対応する方向への方が、それに直交する方向へよりも、大きい。荷重の方向に沿った配向のため、更なる接着剤を節約でき、曲げ剛性を大幅に低下させることなく、包装材料の密度をそれほど増大させることがない。
【0032】
発明による包装材料によって包装される本質的に円筒形のエアロゾル発生物品に関し、予想される荷重は、主に圧縮、すなわち周方向への曲げ荷重、である。この場合、接着接続は、エアロゾル発生物品の周方向への線のパターンとして行われることができ、それによって包装材料は、この方向で特に高い曲げ剛性を有する。一般に、包装材料を製造する時点で、包装材料におけるどの方向が、それから製造されるエアロゾル発生物品の周方向に後で対応するかは、既に知られている。
【0033】
包装材料が3つ以上の層を含み、それによって2つ以上の接着接続が必要である場合、接着剤の適用パターンが各接着接続において異なる方向に延びるように接着を実施することができる。より特に好ましくは、2つのそのようなパターンの方向は、本質的に互いに直交している。
【0034】
接着剤及び包装材料の層を接着するためのプロセスは、従来技術に従って当業者によって選択されることができる。
【0035】
包装材料が水又は油の浸透に対する良好なバリアをさらに形成する場合、少なくとも2つの層の間の接着が好ましくは使用され得る。エアロゾル発生物品のためのいくつかのフィルターは少なくとも1つのカプセルを内部に含み、当該少なくとも1つのカプセルは、少なくとも1つの芳香物質を含み、使用中の指による圧力で消費者により押しつぶされて少なくとも1つの芳香物質を放出することができる。芳香物質又は水や油などのそれぞれの溶媒は、包装材料に浸透し、エアロゾル発生物品の目に見える外面での汚れであって望ましくない汚れをもたらす可能性がある。
【0036】
したがって、包装材料の少なくとも2つの層が互いに接着される限り、包装材料は、好ましくは、それが油の浸透に対する抵抗及びTAPPI T559 cm-02に従って測定された少なくとも4の、特に好ましくは少なくとも6の、より特に好ましくは少なくとも10のKITレベルを有するように、設計されることができる。そのような油の浸透に対する抵抗は、例えば、接着剤の量、接着剤のタイプ、及び特に互いに接着されるべき包装材料の層の滑らかさによって、コントロールされることができる。一般に、高い滑らかさは、接着剤の均質な閉じた層の形成をもたらし、したがって、油の浸透に対するより高い耐性をもたらす。接着剤は、好ましくは、フィラー材料又はバリア効果をコントロールする他の材料を含むことができる。
【0037】
包装材料の少なくとも2つの層が互いに接着される限り、包装材料は、好ましくは、それが水の吸収に対して抵抗を有するように、設計される。水の吸収の測定に関し、ISO535:2014に従って測定されたCobb60値が使用されることができ、それは、定められた時間に吸収される水の量をg/m2で表す。水を吸収する能力は、包装材料の坪量によっても実質的に決定されるため、Cobb60値をg/m2の坪量に参照して、この点で、坪量とは本質的に無関係に水の吸収を表す無次元比に到達することは理にかなっている。高い生産速度でのエアロゾル発生物品の構成要素に対する包装材料の良好な接着を達成するために、水の吸収に対する良好な抵抗も包装材料にとって重要である可能性がある。発明による包装材料に関し、包装材料のg/m2での坪量により割られたISO535:2014に従ったg/m2でのCobb60値の比は、最大で0.80、特に好ましくは0.50、特に好ましくは最大で0.20である。
【0038】
発明による包装材料は、少なくとも1つの層を含み、当該少なくとも1つの層は、紙層であり、包装材料の残りの層の他のどれよりも高い特定密度を有する。
【0039】
前記紙層は、少なくとも40μmの、好ましくは少なくとも45μmの、特に好ましくは少なくとも50μmの厚さを有する。前記紙層の厚さは、最大で70μm、好ましくは最大で65μm、特に好ましくは最大で60μmである。前記紙層はさらに、少なくとも50g/m2、好ましくは少なくとも55g/m2、特に好ましくは少なくとも60g/m2の坪量を有する。前記紙層は、最大で80g/m2、特に好ましくは最大で75g/m2、特に好ましくは最大で70g/m2の坪量を有する。
【0040】
曲げ剛性が有利な範囲にあるために、前記紙層は、少なくとも700kg/m3、特に好ましくは少なくとも750kg/m3、最大で1300kg/m3、特に好ましくは最大1250kg/m3の密度を有する。そのような高密度及び薄い厚さも実現するために、紙層はカレンダー加工されることができる。
【0041】
発明による密度、坪量及び厚さのパラメータのこの組み合わせにより、良好な曲げ剛性を達成することができる。さらに、前記紙層は緻密であるが、包装材料の成分としてレーザー光によって問題なく穿孔されるのに十分に薄い。
【0042】
前記紙層はさらに、包装材料の曲げ剛性に実質的に寄与し、したがって、それ自体ですでに高い曲げ剛性を有する。特に、この紙層の曲げ剛性は、好ましくは少なくとも0.06Nmm、特に好ましくは少なくとも0.07Nmm、及び好ましくは最大で0.20Nmm、特に好ましくは最大で0.18Nmmである。
【0043】
前記紙層はパルプを含む。パルプは、落葉樹、針葉樹、又は他の植物からも調達されることができる。パルプは、例えば、先行技術で知られている化学的又は機械的プロセス又はそれらの組み合わせによって作られることができ、機械的に作られたパルプは、そのより高いリグニン含有量及びそれから生じるより高い曲げ剛性を理由として、好ましくは使用される。他方、繊維間のより良好な結合を理由として、紙層がカレンダー加工される場合、化学的に生成されたパルプが好ましくは使用されることができる。
【0044】
前記紙層は、少なくとも1つのフィラー材料を含むことができ、少なくとも1つのフィラー材料は粒子によって形成され、好ましくは、粒子は、少なくとも1つの空間方向に、それに直交する少なくとも1つの方向よりも、実質的に延びる。これは、粒子が好ましくは針状又は薄片状であることを意味し得る。この粒子形状は、前記紙層の曲げ剛性の増大に寄与する。特に好ましいフィラー材料は、針状石灰石、薄片状石灰石、カオリン、タルク及びそれらの混合物である。
【0045】
当業者は、先行技術に従って、前記紙層の更なる添加物及び成分を選択することができ、好ましくは、例えば、デンプン、デンプン誘導体、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、グアー、グアー誘導体又はラテックス及びそれらの混合物などの紙層の強度を増大する添加物が使用されることができる。そのような添加物の種類及び量に関し、紙層が脆くなりすぎないように注意が払われる必要があり、それによってそのエネルギー吸収が低すぎて、それは、そこから作られる包装材料からのエアロゾル発生物品の製造中に破損せずに十分に変形されることができない。
【0046】
発明による包装材料における更なる層に関し、包装材料の厚さ、坪量、密度、及び曲げ剛性に関する要件が満たされるという条件で、ウェブ形状の材料、例えば、紙又はプラスチックフィルムが選択されることができる。
【0047】
包装材料の更なる層が紙層として形成される場合、この層はパルプを含み、好ましくは、パルプの一部は、麻、亜麻、サイザル麻、ジュート又はアバカからのパルプである。これらのパルプは、特に低密度の紙を製造することを可能にする。好ましくは、そのような更なる紙層は、フィラー材料を全く又はほとんど含まず、それによってフィラー材料の含有量は、この紙層の重量に対して10重量%未満であり、そのような紙のフィラー材料は、主に、曲げ剛性にほとんど寄与することなく、密度を増大させる。そして、好ましくは、そのような更なる紙層は、当技術で知られている傾斜ワイヤ機械で製造される。
【0048】
一般に、エアロゾル発生物品のための包装材料の構成要素に関しては、法的要件を遵守する必要がある。更なる層を、特に更なる層の数を、選択する場合、層間に潜在的に必要とされる接着剤は、坪量及び密度を増大させ、したがって、発明による包装材料の要件への準拠を複雑にする可能性があることにも留意されるべきである。主に互いに接着された層に関係するが、層の及び包装材料の製造中の効率の理由に関してはそこから独立してもいる、この理由ために、層の数をできるだけ少なく選択することが好ましい。
【0049】
したがって、好ましい実施形態において、包装材料は、厳密に2つ又は3つの層を含み、すべての層は紙層によって形成される。
【0050】
前記1つの紙層、すなわち他の層よりも密度が高いものに関し、及びこの好ましい実施形態において紙層によって形成される更なる層に関し、上記と同じ制限及び要件が適用される。
【0051】
発明による包装材料が厳密に3つの層を含み、当該3つの層がすべて紙層として形成される限り、中間紙層は、その密度が2つの外側の紙層の密度よりも低くなるように形成されることができる。このようにして、所与の制限の下で、特に高い曲げ剛性が達成されるが、包装材料が依然として高速で穿孔されることができるように、中間の紙層の厚さが大きくなりすぎてはならない。特に好ましくは、この場合の中間紙層の厚さは、少なくとも30μmであり、最大で80μmである。
【0052】
発明による包装材料の更なる実施形態において、包装材料は厳密に3つの層を含み、当該3つの層はすべて紙層によって形成され、前記紙層は、包装材料において中間紙層を形成することができ、当該紙層の密度は、どの更なる層の密度よりも高い。このようにして、与えられた制限の下で、特に優れた穿孔能力を達成することができる。ただし、包装材料の曲げ剛性も高いので、両方の外側の紙層のより大きな厚みを選択する必要がある。特に好ましくは、2つの外側紙層の各々の厚さは、少なくとも40μmであり、最大で100μmである。
【0053】
厳密に2つ又は3つの層を含み、すべての層が紙層である発明による包装材料は好ましくはプロセスによって製造されることができ、当該プロセスでは、従来の抄紙機にいくつかのヘッドボックスが与えられ、そこから抄紙機のワイヤ上へパルプ及びフィラーの様々な懸濁体が流れ、それによっていくつかの層の複合体がワイヤ上に既に形成され、それはその後発明による包装材料を形成する。このように、層の接着は必要ではなく、そうすると、材料及び製造工程が節約され、紙層は、曲げ剛性及び穿孔への適合性に関してさらに良好に設計されることができる。具体的には、第1のパルプ含有懸濁体が、第1の紙層を形成するために、第1のヘッドボックスから抄紙機のワイヤ上に放出されることができ、第2のパルプ含有懸濁体が、第2のヘッドボックスから、抄紙機のワイヤ上にある第1の紙層上に放出されて第2の紙層を形成することができ、当該第2の紙層は第1の紙層とともに複合体を形成する。随意的に、第3の紙層を形成するために、第3のパルプ含有懸濁体が第3のヘッドボックスから第2の紙層上に放出されることができ、当該第3の紙層は第2の紙層とともに複合体を形成する。
【0054】
発明によるエアロゾル発生物品はロッド及びフィルターを具備し、それはエアロゾル発生材料を含み、フィルターは、発明による包装材料で包まれている。
【発明を実施するための形態】
【0055】
発明による包装材料のいくつかの好ましい実施形態を以下に説明する。
【0056】
すべての実施形態において、包装材料は、互いに接着された2つの紙層で構成され、紙層Aと呼ばれる第1の紙層は、他の紙層よりも実質的に高い密度を有する。
【0057】
すべての実施形態において、紙層Aは、針葉樹からの80重量%のパルプと落葉樹からの20重量%のパルプとの混合物で構成されカレンダー加工された紙であった。紙は2g/m2のポリビニルアルコールでコーティングされていた。紙の坪量は62.7g/m2、厚さ50.4μm、密度1244kg/m3であった。紙は0.100Nmmの曲げ剛性を有していた。
【0058】
発明による2つの異なる包装材料を得るために、この紙は、紙層Aとしてその表面全体にわたって2つの異なる紙に接着された。
【0059】
例1
前述の紙層Aは、30.9g/m2の坪量、48.8μmの厚さ、633kg/m3の密度、及び0.022Nmmの曲げ剛性を有する紙に接続され、発明による包装材料を形成した。紙はフィラー材料を含まず、針葉樹からの25重量%のパルプ(針葉樹パルプ)と落葉樹からの75重量%のパルプ(広葉樹パルプ)の混合物であり、ここでパーセンテージはパルプの重量を指す。紙層は、表面全体を接着することによって接続され、11.3g/m2の接着剤が塗布された。この値は、接着剤の乾燥後、接着前後の坪量の差から決定された。
【0060】
それによって製造された包装材料は、104.2g/m2の坪量、100.6μmの厚さ、及び1035kg/m2の密度を有していた。包装材料の曲げ剛性が測定され、0.270Nmmの値が見つかった。さらに、KITレベルはTAPPI T559 cm-02に従って決定され、11の値が見つかった。
【0061】
この曲げ剛性は、エアロゾル発生物品のための従来の包装材料に関する値よりもかなり高い。この包装材料により包まれたフィルターロッドは、従来技術で知られているプロセスに従って、いかなる問題もなく、包装材料から製造された。従来技術で知られている更なるプロセスにおいて、フィルターロッド及び更なる構成要素がエアロゾル発生物品を製造するために使用され、それらは、CO2レーザーによってフィルターの中心で周方向に穿孔された。これは、毎分10000エアロゾル発生物品の生産速度まで、いかなる問題もなく、可能であったため、この例示的な包装材料は、高い曲げ剛性を優れた穿孔能力と結び付ける。
【0062】
例2
前述の紙層Aは、22.5g/m2の坪量、50.8μmの厚さ、443kg/m2の密度、及び0.018Nmmの曲げ剛性を有する紙に接続され、発明による包装材料を形成した。紙はフィラー材料を含まず、針葉樹からのパルプ(針葉樹パルプ)とサイザル麻からのパルプのみで構成されていた。紙層は、表面全体を接着することによって接続され、7.2g/m2の接着剤が塗布された。この値は、接着剤の乾燥後、接着前後の坪量の差から決定された。
【0063】
それによって製造された包装材料は、91.7g/m2の坪量、99.4μmの厚さ、及び922kg/m2の密度を有していた。包装材料の曲げ剛性が測定され、0.286Nmmの値が見つかった。さらに、KITレベルはTAPPI T559 cm-02に従って決定され、11の値が見つかった。
【0064】
この曲げ剛性は、エアロゾル発生物品のための従来の包装材料に関する値よりも、かなり高い。この包装材料で包まれたフィルターロッドは、従来技術で知られているプロセスに従って、いかなる問題もなく、包装材料から製造された。従来技術で知られている更なるプロセスにおいて、フィルターロッド及び更なる構成要素が使用されてエアロゾル発生物品を製造し、それらは、CO2レーザーによってフィルターの中心で周方向に穿孔された。これは、毎分10000エアロゾル発生物品の生産速度まで、いかなる問題もなく、可能であったため、この例示的な包装材料は、高い曲げ剛性を優れた穿孔能力と結び付ける。