IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ルノー エス.ア.エス.の特許一覧 ▶ 日産自動車株式会社の特許一覧

特許7293347データ処理周辺サーバを再割り当てするための方法
<>
  • 特許-データ処理周辺サーバを再割り当てするための方法 図1
  • 特許-データ処理周辺サーバを再割り当てするための方法 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-09
(45)【発行日】2023-06-19
(54)【発明の名称】データ処理周辺サーバを再割り当てするための方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/084 20230101AFI20230612BHJP
   H04W 36/32 20090101ALI20230612BHJP
   H04W 36/30 20090101ALI20230612BHJP
   H04W 4/44 20180101ALI20230612BHJP
【FI】
H04W28/084
H04W36/32
H04W36/30
H04W4/44
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021515098
(86)(22)【出願日】2019-06-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-11
(86)【国際出願番号】 EP2019066690
(87)【国際公開番号】W WO2020057787
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2022-05-24
(31)【優先権主張番号】1871065
(32)【優先日】2018-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
【住所又は居所原語表記】122-122 bis, avenue du General Leclerc, 92100 Boulogne-Billancourt, France
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ペロー, エリク
(72)【発明者】
【氏名】セシア, ステファニア
【審査官】青木 健
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-22057(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0045409(US,A1)
【文献】吉田 雅裕,自律型モビリティにおけるエッジサーバ切り替え予測方式,電子情報通信学会技術研究報告 Vol.117 No.459,日本,一般社団法人電子情報通信学会,2018年02月22日,第117巻
【文献】ETSI,Mobile Edge Computing (MEC); End to END Mobility Aspects,ETSI GR MEC 018,V1.1.1,Internet<https://www.etsi.org/deliver/etsi_gr/mec/001_099/018/01.01.01_6 0/gr_mec018v010101p.pdf>,2017年10月,7-38頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
MECアーキテクチャにおいてデータ処理周辺サーバを再割り当てするための方法であって、
- モバイルデバイスについてのデータを処理するために、現在の周辺サーバ(SMEC)を管理ユニットによって割り当てする事前のステップ(E1)と、
- 前記管理ユニットによって新しい周辺サーバを選択するステップ(E18)と、
- 前記管理ユニットによって、周辺サーバの再割り当てを前記現在の周辺サーバ(SMEC)に通知するステップ(E19)と
を含み、
再割り当てするための前記方法が、前記選択するステップ(E18)の前に、前記モバイルデバイスによって送信され前記モバイルデバイス上で測定されたサービス品質を表すデータ項目を含むメッセージを、前記管理ユニットによって受信するステップ(E17)があることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記測定されたサービス品質が、前記現在の周辺サーバ(SMEC)に前記モバイルデバイスによってデータ処理リクエストが送信された瞬間と、前記データ処理の結果を前記モバイルデバイスが受信する瞬間との間の時間間隔を表すことを特徴とする、請求項1に記載の再割り当て方法。
【請求項3】
前記選択ステップ(E18)の前に、前記測定されたサービス品質をサービス品質の閾値と比較するステップがあり、前記選択ステップ(E18)が、前記測定されたサービス品質が前記サービス品質の閾値に達するとトリガされることを特徴とする、請求項1または2に記載の再割り当て方法。
【請求項4】
前記選択ステップ(E18)において、前記管理ユニットが、周辺サーバのリストのうち前記現在の周辺サーバ(SMEC)以外の、前記測定されたサービス品質より良いものと推定されるサービス品質を有するものとして前記新しい周辺サーバ(TMEC)を選択し、前記周辺サーバが、
- 前記モバイルデバイスの前記データを処理することができ、
- 前記モバイルデバイスの現在の基地局に、または前記現在の基地局の隣の基地局に接続され、
- RNIS(無線ネットワーク情報サービス)サービスから恩恵を受け、
前記推定されるサービス品質が、決定論的モデルまたは予測モデルを使用して推定されたものであることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の再割り当て方法。
【請求項5】
前記選択ステップ(E18)の前に、複数の周辺サーバを事前選択するステップ(E10からE16)があり、このステップにおいて、前記管理ユニットが、前記事前選択した周辺サーバのそれぞれにリクエストを送信し、これに応じて、前記事前選択した周辺サーバのそれぞれの、前記モバイルデバイスとの前記接続に関する前記サービス品質の演繹的推定を受信することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の再割り当て方法。
【請求項6】
前記選択ステップ(E18)の前に、複数の周辺サーバを事前選択するステップ(E10からE16)、および、前記事前選択した周辺サーバにおいて前記モバイルデバイスにアプリケーションを例示するステップ(E13)があることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の再割り当て方法。
【請求項7】
前記事前選択するステップにおいて、前記管理ユニットが、前記事前選択した周辺サーバのそれぞれにリクエストを送信し、これに応じて、前記事前選択した周辺サーバのそれぞれにおいて例示した前記アプリケーションに関する前記サービス品質の推定を受信することを特徴とする、請求項6に記載の再割り当て方法。
【請求項8】
前記選択ステップ(E10からE16)において、前記管理ユニットが、前記モバイルデバイスのスケジュールされた旅程、および前記旅程にわたる前記モバイルデバイスの推定速度を考慮することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の再割り当て方法。
【請求項9】
前記モバイルデバイスによって送信され、測定されたサービス品質を含む前記メッセージが、前記モバイルデバイスの位置データ項目も含むことを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の再割り当て方法。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の方法を実行する管理ユニットに、前記モバイルデバイス上で測定されたサービス品質を含むメッセージを送信することができる、モバイルデバイス。
【請求項11】
測定されたサービス品質を含むメッセージを前記管理ユニットに周期的に送信することができる、請求項10に記載のモバイルデバイス。
【請求項12】
前記測定されたサービス品質が、超えてはならないサービス品質の閾値と、超えてはならない前記測定されたサービス品質の閾値の20%手前にある値との範囲内にあるとき、前記メッセージの前記送信をトリガする手段を備えることを特徴とする、請求項10に記載のモバイルデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、テレコミュニケーションおよびコンピューティングの分野に関し、より詳細には、MEC(モバイルエッジコンピューティング:Mobile Edge Computing)アーキテクチャにおいてデータ処理周辺サーバを再割り当てするための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ETSI GS MEC003(「European Telecommunications Standards Institute-Group Specification-Mobile Edge Computing」)仕様で定義されるように、MECアーキテクチャは、モバイル端末で実施されるいくつかの計算を、モバイル端末の位置周辺の限定的な地理的領域に位置し且つ/あるいはMECアーキテクチャ内に集中させた分散サーバに、移すことができる。これにより、コネクテッドカーに搭載されたモバイルデバイスが、車両のコンピュータではなくこれらサーバで使える非常に高い計算能力を利用でき、コネクテッドカー間でいくつかの機器がプールでき、エネルギーや熱散逸のデザイン上の制約が低減され、コネクテッドカーのCО排出量が低減できる。このような計算は例えば、リアルタイムイベントで拡張されてコネクテッドカー間で共有できる道路の高解像度マッピングや、車両に対する電子地平線(electronic horizon)とも呼ばれる仮想の地平線、すなわち、近い将来に到達するものの車両に搭載されたセンサではすぐにアクセスできないオブジェクトまたはイベントの確立に関する計算である。
【発明の概要】
【0003】
このアーキテクチャの使用は、リクエストされたサービス品質を、特に、動いている車両に提供するために、最適なサーバを選択することについての問題によって阻害される。この規格は、モバイル端末に最も近いサーバを使用するため、およびしたがって、サーバとモバイル端末との間のデータ転送時間を減らすために、接続モードで「ハンドオーバ」またはセルラー間転送をモバイル端末が実施するときに、モバイル端末のデータを処理するためにサーバを切り替えるための手順を定義する。それでも、これらの手順は、特に、移動要件が高く、リアルタイム要件が高いコネクテッドカーに搭載されたモバイルデバイスを、モバイル端末が含むとき、モバイル端末に必要な時間スロットの中でデータを処理できるというエンドツーエンドのサービス品質を保証することができない。
【0004】
本発明の目的の1つは、このようなアーキテクチャにおいてデータ処理周辺サーバを再割り当てするための方法を提供することによって、従来技術の短所の少なくともいくつかを克服することであり、方法は、例えば、コネクテッドカーに搭載されたモバイルデバイスといった、モバイルデバイスのためのサービス品質の有害な低下を、この低下の発生源に関わらず、防ぐ。
【0005】
この目標のために、本発明は、MECアーキテクチャにおいてデータ処理周辺サーバを再割り当てするための方法を提案し、方法は、
- モバイルデバイスについてのデータを処理するために現在の周辺サーバを管理ユニットによって割り当てる事前のステップと、
- 新しい周辺サーバを前記管理ユニットによって選択するステップと、
- 周辺サーバの再割り当てを前記現在の周辺サーバに、前記管理ユニットによって通知するステップと
を含み、
前記再割り当て方法は、前記選択ステップの前に、前記モバイルデバイスによって送信され、前記モバイルデバイス上で測定されたサービス品質を表すデータ項目を含むメッセージを前記管理ユニットによって受信するステップがあることを特徴とする。前記方法は、管理ユニットで主に実行される。
【0006】
本発明によって、モバイルデバイスのために実施される転送データ処理のサービス品質は、MECアーキテクチャの様々なサーバによって処理されるだけではなく、なぜなら、モバイルデバイスは、MECアーキテクチャにおいて管理ユニットにメッセージを送信することによるそのサービス品質の管理について、単純にアクティブだからである。管理ユニットは、例えば、規格によって定義されたMEO(「モバイルエッジオーケストレータ:Mobile Edge Orchestrator」)上に実装され、MEOは、サーバに実装されるか、または、複数のサーバにわたって分散される。本発明は、MECアーキテクチャの原理に挑み、必ずしも前記デバイスの性質を変えずに、前記デバイスにとってわかりやすい手法で、モバイルデバイスの状況の変化に、MECアーキテクチャ自体を適合させることを目標とし、モバイルデバイスによるメッセージの送信は、モバイルデバイスが、そのデータ処理サーバを知っている必要はないが、それでも、モバイルデバイス上で必要なサービス品質に、より厳格に従うことを可能にする。
【0007】
本発明による方法の有利な特徴によれば、前記測定されたサービス品質は、現在の周辺サーバにモバイルデバイスによってデータ処理リクエストが送信された瞬間と、前記データ処理の結果をモバイルデバイスが受信する瞬間との間の時間間隔を表す。
【0008】
この特徴は、例えば、ネットワーク接続の品質だけでなく、モバイルデバイス上で認識されたサービス品質を考慮することを可能にする。
【0009】
本発明の別の有利な特徴によれば、前記選択ステップの前に、前記測定されたサービス品質をサービス品質の閾値と比較するステップがあり、前記選択ステップは、前記測定されたサービス品質が前記サービス品質の閾値に達するとトリガされる。この特徴は、モバイルデバイスの最低サービス品質レベルを保証する戦略を実行することを可能にする。
【0010】
本発明のさらに別の有利な特徴によれば、前記選択ステップにおいて、前記管理ユニットは、周辺サーバのリストのうち現在の周辺サーバ以外の、前記測定されたサービス品質より良いものと推定されるサービス品質を有するものとして前記新しい周辺サーバを選択し、前記周辺サーバは、
- モバイルデバイスの前記データを処理することができ、
- モバイルデバイスの現在の基地局に、または前記現在の基地局の隣の基地局に接続され、
- RNIS(無線ネットワーク情報サービス:Radio Network Information Service)サービスから恩恵を受け、
前記推定されるサービス品質は、決定論的モデルまたは予測モデルを使用して推定されたものである。このように、最低サービス品質の維持を保証することができる。
【0011】
有利には、前記リストの周辺サーバも、LS(「位置サービス:Location Service」)およびBWMS(「帯域幅管理サービス:BandWidth management Service」)とインターフェースされ、RNISサービスを補う。これは、情報源を増大させることによって、方法の実行に、より大きな柔軟性をもたらす。
【0012】
本発明のさらに別の有利な特徴によれば、前記選択ステップの前に、複数の周辺サーバを事前選択するステップがあり、このステップにおいて、前記管理ユニットは、前記事前選択した周辺サーバのそれぞれにリクエストを送信し、これに応じて、前記事前選択した周辺サーバのそれぞれの、前記モバイルデバイスとの接続に関するサービス品質の演繹的推定を受信する。
【0013】
この事前選択は、周辺サーバの再割り当て/再選択要件を予想することによって、モバイルデバイスのデータを処理する周辺サーバを切り替えるとき、サービス品質の著しい低下を避けることを可能にする。さらに、この事前選択ステップは、事前選択した周辺サーバへの接続のサービス品質の推定を更新することを可能にする。
【0014】
本発明のさらに別の有利な特徴によれば、前記選択ステップの前に、複数の周辺サーバを事前選択するステップ、および、事前選択した周辺サーバにおいて前記モバイルデバイスにアプリケーションを例示するステップがある。
【0015】
この事前選択およびこの事前例示も、再割り当て要件の予想を可能にし、再割り当て要件を促進して、サービス品質が損なわれるのを避けることができる。
【0016】
本発明のさらに別の有利な特徴によれば、前記事前選択ステップにおいて、前記管理ユニットは、前記事前選択した周辺サーバのそれぞれにリクエストを送信し、これに応じて、前記事前選択した周辺サーバのそれぞれに例示したアプリケーションに関するサービス品質の推定を受信する。
【0017】
この特徴は、事前選択した周辺サーバと関連付けられた本当に実用的なサービス品質を知ることを可能にする。
【0018】
本発明のさらに別の有利な特徴によれば、前記選択ステップにおいて、管理ユニットは、モバイルデバイスのスケジュールされた旅程、および前記旅程にわたる前記モバイルデバイスの推定速度を考慮する。
【0019】
この特徴は、再割り当ての数を限定し、したがって、ネットワークおよび計算リソースを節約することを可能にする。
【0020】
本発明は、また、本発明による方法を実行する管理ユニットに、測定されたサービス品質を含むメッセージを送信することができるモバイルデバイスに関する。モバイルデバイスは、例えば、コネクテッドカーに搭載されたハードウェアモジュールおよび通信ソフトウェアである。通信モジュールは、例えば、4Gまたは5Gチップを設置される(Gは、モバイル電話通信技術の世代を示す)。
【0021】
有利には、本発明によるモバイルデバイスは、測定されたサービス品質を含むメッセージを断続的に前記管理ユニットに送信することができる。これは、モバイルデバイスに提供されたサービス品質を前記管理ユニットが監視することを可能にし、統計情報を判定することを可能にするか、または、予測モデルが前記サービス品質に対して実行されるのを可能にする。
【0022】
さらに有利には、モバイルデバイスは、前記測定されたサービス品質が超えてはならないサービス品質の閾値と、超えてはならない前記測定されたサービス品質の閾値の20%手前にある値との範囲内にあるとき、前記メッセージの送信をトリガすることができる手段を備える。このように、管理ユニットは、モバイルデバイスのデータを処理するために、周辺サーバの再割り当てを予想することができる。サービス品質の閾値を超えない20%手前にある値は、超過の方向に応じて、すなわち、測定されたサービス品質の定義に応じて、前記閾値の20%より小さいか、または、前記閾値の20%より大きいことに留意されたい。具体的には、これが、応答時間に相当する場合、測定されたサービス品質は、上限の閾値を超えてはならない。それでも、測定されたサービス品質が、最大応答時間と、測定される応答時間との間の差と表現される場合、測定されたサービス品質は、下限の閾値を超えてはならない。当然、20%というこの値は、下限値を使用できることを示すものである。
【0023】
本発明によるモバイルデバイスには、本発明による再割り当て方法のものに類似の長所がある。
【0024】
図を参照しながら説明される好ましい実施形態を読むことによって、さらなる特徴および長所が明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明による本実施形態における、本発明による再割り当て方法の第1のステップを示す図である。
図2】本発明による本実施形態における、本発明による再割り当て方法の後続のステップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1および図2に示した本発明の好ましい実施形態によれば、本発明による周辺サーバを再割り当てするための方法は、MEO上の管理ユニットで少なくとも部分的に実行される。それでも、説明されるステップの中には、モバイルデバイスで、または、管理ユニットによって管理される周辺サーバで実行されるものもある。本発明によって、管理ユニットは、車両Vに搭載されたモバイルデバイスのデータを処理するために選択された周辺サーバが、リクエストされたサービスを実施するのに適しており、リクエストされたサービス品質に準拠することを常に保証する。
【0027】
ステップE1において、車両Vのモバイルデバイスは、例えば、本発明の本実施形態では、電子地平線の計算といった機能のリモート処理のために管理ユニットに登録される。例えば、管理ユニットは、電子地平線の計算、または高解像度マッピングなどの、一定のリモートサービスを自動車に提供する1つまたは複数のサーバで実行される独自のサービスである。管理ユニットは、これらのサービスを提供するために必要な計算を実施することができる複数の周辺機器またはセントラルサーバを管理する。この登録ステップE1において、車両Vのモバイルデバイスは、車両Vの位置、加入しようとするサービス、この場合、したがって、電子地平線、および、このサービスを実施するためのターゲットのサービス品質を示す。この目標のために、例えば、規格の「登録」メッセージを使用する。
【0028】
このステップE1において、登録メッセージを受信した後、管理ユニットは、適切な、すなわち、モバイルデバイスが取り付けられ、モバイルデバイスによってリクエストされたターゲットのサービス品質を電子地平線サービスに提供することができる基地局からアクセス可能な、現在の周辺サーバを選択する。この目標のために、管理ユニットは、モバイルデバイスによってアクセス可能な無線ゾーン内に位置する周辺サーバのそれぞれが、例えば「MECResourceQuery」メッセージでこれらの周辺サーバをポーリングすることによって提供することができる演繹的サービス品質を推定する(「QueryAppInstanceInfo」として定義されるメッセージも使用できるが、ポーリングされたサーバ上でアプリケーションを開始することを伴う)。
【0029】
この演繹的サービス品質の推定を、以下で詳細に説明する。モバイルデバイスによってアクセス可能な無線ゾーンと周辺サーバを一致させるために、管理ユニットは、モバイルデバイスが加入しているオペレータのRNISサービスとインターフェースされる。Get(PLMN_info)メッセージは、特に、周辺サーバと関連付けられたセル識別子を知ることを可能にする。オペレータ間ローミングについてのモバイルデバイスの動きを管理するために、管理ユニットは、モバイルデバイスが加入しているオペレータ以外のオペレータとのモバイルデバイスのローミング契約を考慮する。さらに、管理ユニット自体は、複数のオペレータネットワークとインターフェースされ、したがって、その周辺サーバも、複数のオペレータネットワークとインターフェースされる。
【0030】
ステップE1の終わりに、モバイルデバイスのデータを処理することができる現在の周辺サーバSMECは、電子地平線をモバイルデバイスに提供するために、モバイルデバイスに割り当てされる。
【0031】
ステップE2は、電子地平線アプリケーションを車両Vに例示した現在の周辺サーバSMECを使用して、電子地平線サービスをモバイルデバイスに提供することを伴う。このステップにおいて、データは、車両Vと現在の周辺サーバSMECとの間で交換され、
- 車両Vは、ルートセクション、つまり、車両の精密な位置を、現在の周辺サーバSMECに送信し、
- 現在の周辺サーバSMECは、車両のルート上で近い将来に到達する、車両Vにとって関心のあるオブジェクトおよびイベントを送信する。
【0032】
現在の周辺サーバSMECは、本発明の本実施形態では、ETSIによって提案されたMECアーキテクチャの複数の要素、具体的には、車両Vにサービスを提供する適用可能なインスタンスを実行するが、現在の周辺サーバSMECの適用可能なインスタンスのS-MEPM(「サービングモバイルエッジプラットフォームマネージャ」)管理ユニットも実行する。
【0033】
ステップE3は、供給される電子地平線サービスについての(モバイルデバイスによって認識される)実際のサービス品質をモバイルデバイスが測定することを伴う。このサービス品質は、現在の周辺サーバSMEC上で電子地平線を計算するための時間を含むが、サービスに接続されたモバイルデバイスのリクエストと、関連付けられたレスポンスとの間の転送時間を含む。この測定されたサービス品質は、例えば、以下のように表現される。
mes=Qtarget-Qreal
ここで、
- Qtargetは、モバイルデバイスによってリクエストされたターゲットのサービス品質であり、サービスと関連付けられたリクエストが現在の周辺サーバSMECにモバイルデバイスによって送信された瞬間と、モバイルデバイスがリクエストの結果を受信する瞬間との間の、モバイルデバイスによって許容される最大時間を表す。
- Qrealは、サービスと関連付けられたリクエストが現在の周辺サーバSMECにモバイルデバイスによって送信された瞬間と、モバイルデバイスがリクエストの結果を受信する瞬間との間のリアルタイムの間隔である。
【0034】
このステップE3において、モバイルデバイスは、第1の真に負のサービス品質の閾値Qと、測定されたサービス品質Qmesを比較し(すなわち、測定されたサービス品質がターゲットのサービス品質より良い限り、この閾値には達しない)、供給されるサービスのタイプと関連付けることができる。本発明の本実施形態では、ステップE3における測定されたサービス品質Qmesがサービス品質の閾値Qを下回り、ステップE4をトリガすると仮定する。サービス品質のこの低下は、例えば、以下による。
- 無線上の、もしくはネットワークコアにおけるサービス品質の低下(無線と、もしくは現在の周辺サーバSMECと、過剰データが交換される場合、この過剰データは、さらに、モバイルデバイスのデータに優先する可能性がある)、
- 現在の周辺サーバSMECの、もしくは現在のオペレータのカバレッジから逸脱するモバイルデバイスの動き、
- 例えば、電子地平線をより速く表示する必要がある危険なエリアに車両が達する場合の、より高いサービス品質要件、または
- 例えば、モバイルデバイスに以前に割り当てされたリソースを優先サービスが独占する場合の、現在の周辺サーバSMECで利用可能なリソースの低減。
【0035】
後続のステップE4は、ステップE3において測定されたサービス品質Qmes、および、モバイルデバイスの位置を含むメッセージをモバイルデバイスが管理ユニットに送信することを伴う。この位置は、例えば、4G規格で定義されるような「Tracking Area」に相当する。変形形態として、測定されたサービス品質は、ターゲットのサービス品質に関係がないが、Qreal、すなわち、サービスと関連付けられたリクエストが現在の周辺サーバSMECにモバイルデバイスによって送信された瞬間と、モバイルデバイスがリクエストの結果を受信する瞬間との間の時間間隔に相当する。この変形形態では、ステップE4において送信されたメッセージは、任意選択として、特に、このターゲットのサービス品質が、ステップE1において管理ユニットに送信されたものと異なるとき、モバイルデバイスによってリクエストされたターゲットのサービス品質をさらに含む。このメッセージは、例えば、モバイルデバイスによって定期的に測定されたサービス品質の通知に管理ユニットが加入している場合、例えば、UDP(「ユーザデータグラムプロトコル」)、またはTCP(「トランスミッションコントロールプロトコル」)通信プロトコル、またはhttpsでも送信される。別の変形形態では、モバイルデバイスによって送信されたメッセージは、測定されたサービス品質ではなく、測定されたサービス品質がターゲットのサービス品質ほど良いものではないという指示を含む。別の変形形態では、ステップE4において送信されたメッセージは、モバイルデバイスの位置を含まないが、管理ユニットは、モバイルデバイスが現在の周辺サーバに既に接続されているとき、この位置を取得するために、ネットワークサービスLS(「位置サービス」)を使用することができる。この情報は、それでも、現在の周辺サーバとの接続が失われた場合、またはネットワークカバレッジが失われた場合に、このメッセージE4において役に立つ。
【0036】
後続のステップE5は、管理ユニットが、ステップE4において受信したメッセージ内の受信したデータを使用して、サービス品質の低下を見つけることを伴う。後続のステップE6からE9は、サービス品質の低下がモバイルデバイスの動きによるものであるかどうかを管理ユニットが判定することを可能にする。
【0037】
ステップE6は、管理ユニットが現在の周辺サーバSMECに「Get」httpメッセージを送信して、ステップE5において見つけたサービス品質の低下の原因をリクエストすることを伴う。
【0038】
ステップE7は、現在の周辺サーバSMECが、SRNISサービスを使用することを伴い、SRNISサービスは、標準プログラミングインターフェースを介してSMECが接続されたRNISサービスである。SRNISサービスにより、SMECは、モバイルデバイスとその現在の基地局との間の無線接続に関する無線出力測定値(radio power measurement)、および、モバイルデバイスとその隣の基地局との間の無線出力測定値を知ることができる。このように、SRNISサービスは、ステップE8において、ステップE5において観察されたサービス品質の低下が、進行中のハンドオーバによるものであるか、または、モバイルデバイスの現在のオペレータ上の無線カバレッジの喪失によるものであるか、または、別の原因によるものであるかを判定する。
【0039】
ステップE9は、現在の周辺サーバSMECが、ステップE6において受信したメッセージに対するレスポンスを送信し、ステップE5において見つけたサービス品質の低下がモバイルデバイスの動きによるものであるか、別の原因によるものであるかを示すことを伴う。具体的には、このステップE9において、現在の周辺サーバSMECは、SMECが管理ユニットに送信したレスポンスの中で、ステップE5において見つけたサービス品質の低下がハンドオーバによるものであるか、無線カバレッジの喪失によるものであるかを示す。
【0040】
ステップE10は、管理ユニットによって管理された周辺サーバのリストから、現在の周辺サーバSMEC以外の周辺サーバTMECを管理ユニットが事前選択することを伴うステップであり、この事前選択は、以下の周辺サーバしか保持しない。
- 機能(この場合、電子地平線)の観点から、およびリソースの観点から、モバイルデバイスのデータを処理することができる周辺サーバ、ならびに
- LS、RNIS、およびBWMS(「帯域幅管理サービス」)ネットワークサービスに接続されるのが好ましい周辺サーバ、ならびに
- 以下からアクセス可能な周辺サーバ、
○ ステップE9において受信したサービス品質の低下の原因がモバイルデバイスの動き以外の原因によるものである場合、モバイルデバイスの現在の基地局(すなわち、モバイルデバイスが接続された基地局)から。この原因は、例えば、(特に、ターゲットのサービス品質がステップE4において送信されたメッセージに含まれるとき、管理ユニットによって検出することができる)リクエストされたターゲットのサービス品質の変化、もしくは、現在の周辺サーバSMECへのネットワークコア接続の低下、もしくは、現在の周辺サーバSMEC上のリソースの低減である。または、
○ ステップE9において受信したサービス品質の低下の原因がハンドオーバに関するものである場合、モバイルデバイスが接続されることになるターゲット基地局から(この場合、現在の周辺サーバSMECも、ターゲットセルのアイデンティティを管理ユニットまでたどる)、または、
○ 現在のセルに近いが、現在のオペレータ以外のオペレータによって管理された基地局から(ステップE9において受信したサービス品質の低下の原因が無線カバレッジの喪失に関するものである場合、この他のオペレータには、モバイルデバイスとの、および管理ユニットとの、ローミング契約がある)。
【0041】
モバイルデバイスがハンドオーバの状況にある場合、管理ユニットは、任意選択として、車両のスケジュールされた旅程、および、その推定速度に応じて、新しい現在の周辺サーバを事前選択するために、ターゲット基地局を考慮するように修正する。例えば、これは、管理ユニットが無線ハンドオーバのターゲット基地局を知らない場合である。
【0042】
ターゲットのサービス品質、および、ことによると測定されたサービス品質よりも良いサービス品質を伴うものだけを保持するように、これらの保持された周辺サーバの事前選択を改良できるようにするために、後続のステップE11からE15を実行する。
【0043】
ステップE11は、ステップE10において保持された周辺サーバTMECのそれぞれに「Get」httpリクエストを管理ユニットが送信することを伴い、このリクエストは、前記サーバが電子地平線サービスに提供することができるサービス品質の推定を、関連する周辺サーバTMECからリクエストする。サービス品質の推定は、リソースおよび接続の観点からリクエストされ、関連する周辺サーバTMEC上で動く他のアプリケーションに対する、電子地平線アプリケーションに与えられた優先度を考慮し、この優先度は、リクエストの中で示される。周辺サーバTMECは、例えば、この目標のために、権限付与されたリモートサーバによってポーリングすることができる利用可能なサービスとして登録され認証されたサービス品質を推定するためのサービスである。
【0044】
ステップE12は、ステップE11においてポーリングされた周辺サーバTMECのそれぞれが、関連する周辺サーバTMECが接続されたRNISサービスであるTRNISサービスを使用し、モバイルデバイスと、関連する周辺サーバTMECとの間の接続の演繹的サービス品質を推定することを伴う。この目標のために、周辺サーバTMECは、特に、モバイルデバイスと、関連する周辺サーバTMECとの間に割り当てられ、レートおよび無線優先度を提供する、特に「無線アクセスベアラ」の観点から、TRNISサービスによって提供された情報を使用する。このサービス品質の推定を以下で説明する。
【0045】
ステップE13は、ステップE11においてポーリングされた周辺サーバTMECのそれぞれが、特に計算応答時間の観点から、電子地平線アプリケーションをモバイルデバイスに例示し、適用可能なレベルと関連付けられたサービス品質を評価することを伴う。変形形態として、この評価は、アプリケーションを例示することなく行われるが、関連する周辺サーバTMECで依然として利用可能なままのメモリおよび計算リソースを推定することによって行われる。
【0046】
後続のステップE14は、ステップE11において送信されたメッセージに対する、周辺サーバTMECからのレスポンスを管理ユニットが受信することを伴う。これらのレスポンスは、TMECがモバイルデバイスに電子地平線サービスを提供した場合、ポーリングされた周辺サーバTMECのそれぞれによって割り当てされることになる接続および適用可能なリソースの観点からのサービス品質の推定を含む。
【0047】
後続のステップE15は、ステップE14において受信した推定を管理ユニットが統合することを伴う。より具体的には、このステップE15において、管理ユニットは、ステップE11においてポーリングされた周辺サーバTMECのそれぞれによって供給することができる全般的なサービス品質を推定する。この全般的なサービス品質Qoverallは、例えば、以下に等しく、
overall=Qtarget-Qestimated
ここで、Qestimatedは、以下で説明するような、決定論的モデルから、または予測モデルから推定されたサービス品質である。
【0048】
後続のステップE16において、管理ユニットは、現在の周辺サーバの今度の切替えの中で、モバイルデバイスをサーブするのに適したものとしてステップE10において識別された各基地局のために、以前に推定された全般的なサービス品質の昇順に、これらの周辺サーバTMECを分類する。次に、このステップE16において、管理ユニットは、各識別された基地局のために、最も良く推定された全般的なサービス品質を伴う周辺サーバを事前選択し、これは、さらに、真に正であるか、または、いずれにせよ、ステップE4において受信した測定されたサービス品質より良くなければならない。変形形態として、このステップE16において、管理ユニットは、各識別された基地局のために、真に正の推定された全般的なサービス品質を有するが、モバイルデバイスにとって運用コストが小さい周辺サーバを事前選択する。
【0049】
後続のステップE17は、モバイルデバイスによって送信され、モバイルデバイスによって測定された新しいサービス品質Qmes、および、モバイルデバイスの新しい位置を含むメッセージを管理ユニットが受信することを伴う。本発明の使用のこの例では、例えば20%だけ、第1のサービス品質の閾値Qより小さい第2のサービス品質の閾値Qを、測定されたサービス品質が下回ると仮定する。変形形態として、モバイルデバイスによってこのステップE17において送信されたメッセージは、モバイルデバイスの位置を含まないが、これは、この変形形態では、インターフェースLSによって回復される。
【0050】
後続のステップE18は、測定されたサービス品質Qmesが第2のサービス品質の閾値Qを下回ることにより、管理ユニットによってトリガされ、モバイルデバイスに電子地平線サービスを供給するために新しい周辺サーバTMECを選択することを伴う。(ステップE6からE9において識別された)この低下の原因が、サービス品質要件が高くなったこと、または、現在の周辺サーバSMECで利用可能なリソースの低減、または、現在の周辺サーバSMECとモバイルデバイスとの間の接続品質の低下によるもののみである場合、新しく選択された周辺サーバTMECは、モバイルデバイスの現在の基地局のためにステップE16において事前選択された周辺サーバTMECに相当する。(ステップE6からE9において識別された)この低下の原因が、同じオペレータ内のモバイルデバイスの動きによるものであった場合、および、ターゲット基地局について曖昧さがある場合、管理ユニットは、新しい基地局のアイデンティティを、SRNISサービスを介して知るために、無線ハンドオーバの終了の通知を待つ。新しく選択された周辺サーバTMECは、モバイルデバイスの前記新しい基地局のためにステップE16において事前選択された周辺サーバTMECに相当する。
【0051】
後続のステップE19は、TerminateAppInsRequestなどのMECアプリケーションのライフサイクルメッセージを介して、管理ユニットが現在の周辺サーバSMECにメッセージを送信し、関連アプリケーションの実行の終了をSMECに通知することを伴う。このメッセージを受信すると、現在の周辺サーバSMECは、SMECが例示した電子地平線アプリケーションを終了する準備をする。モバイルデバイスに供給されたアプリケーションが、この周辺サーバの再割り当て中に、バッファメモリに格納されたデータを新しい周辺サーバTMECに供給する必要がある場合、現在の周辺サーバSMECは、例えば、後続のステップE20と同時に動くステップE21において、管理ユニットにこのデータを送信する。
【0052】
ステップE20は、電子地平線サービスに関連のあるモバイルデバイスによって送受信されたデータをルーティングするための新しいルールに管理ユニットが入ることを伴う。この目標のために、管理ユニットは、関連するPFD(「パケットフロー記述子」)データストリームの記述を、使用される4Gから5Gの携帯電話データネットワークのPCF(「ポリシ制御機能」)エンティティにおける新しいDNA(「データネットワークアクセス」)と関連付けることができる標準化されたNEF(「ネットワーク公開機能」)インターフェースを使用する。このステップは、周辺サーバの切替え中に、ルーティングデータの切替えを管理する必要なく、新しい周辺サーバとの間でデータをモバイルデバイスが送受信することを可能にする。
【0053】
後続のステップE22は、管理ユニットが、(「パラメータ「ChangedStateTo」を「Start」にセットしたChangeAppInstanceStateRequest」などの)メッセージを新しい周辺サーバTMECに送信し、ステップE13において予め例示された電子地平線サービスを動かすことをTMECに求めることを伴う。このメッセージも、ステップE21において任意選択として受信したデータを収める。
【0054】
最後に、ステップE23は、電子地平線サービスを供給するために、モバイルデバイスと新しい周辺サーバTMECとの間でデータを交換することを伴い、この新しい周辺サーバTMECが、モバイルデバイスの現在の周辺サーバになる。
【0055】
モバイルデバイスに周辺サーバによって供給することができるサービス品質の推定を、次に説明する。例えば、これは、決定論的モデルまたは予測モデルを使用する。
【0056】
決定論的モデルは、例えば、以下の方程式を使用し、
estimated=UL+DL+Tcompute
ここで、
- ULは、推定されるレイテンシ時間を乗じた、周辺サーバにリクエストをモバイルデバイスが送信するときに実施されるトランザクション(または交換される通信)の数であり、
- DLは、推定されるレイテンシ時間を乗じた、モバイルデバイスへのメッセージについてのリクエストの結果を周辺サーバが送信するときに実施されるトランザクションの数であり、
- Tcomputeは、モバイルデバイスからのリクエストを処理するのに必要な計算時間の推定である。この推定は、周辺サーバ上で仮想化され、電子地平線アプリケーションに割り当てされたハードウェアリソース、具体的には、割り当てされたストレージ容量、割り当てされた仮想プロセッサの数、仮想プロセッサの最低周波数およびそのタイプに依存し、この情報は、「仮想計算記述子」および「仮想ストレージ記述子」サービスを介して管理ユニットがアクセス可能であり、可能な代替実施形態は、したがって、ステップE14においてTcomputeを受信することとは対照的に、管理ユニットを使用してTcomputeを推定することを伴う。
【0057】
推定されるレイテンシ時間は、モバイルデバイスと周辺サーバとの間のエンドツーエンドのレイテンシ時間に相当する。これらの値は、モバイルデバイスの基地局と、周辺サーバとの間のデータトラフィックに関する統計情報を使用するサービス品質予測モデル、およびこの基地局に固有の無線基準値に基づいて決定され、統計情報は、交換されるデータ量、使用される接続タイプ(リアルタイム、「ベストエフォート」等)、および、既存の接続数に依存する。
【0058】
予測モデルは、推定されるサービス品質を出力として提供するニューラルネットワークなどの機械学習システムを訓練することができたログが既に存在する周辺サーバ上での電子地平線サービスのパフォーマンスを予測するために使用される。
【0059】
このようなログが存在し、ラーニングシステムが信頼できる結果を提供するのに十分な一貫性があるとき、周辺サーバによってモバイルデバイスに供給されるサービス品質を推定するためには、予測モデルが決定論的モデルより好ましい。
【0060】
具体的には、本発明による方法のための動作ケースに応じて、本発明の非常に多くの代替実施形態が可能であることに留意されたい。
【0061】
さらに、説明した方法のステップの中には、任意選択または修正可能なものもあり、変形形態として、ステップE4は、管理ユニットによって周辺サーバの再割り当てを直接トリガし、事前選択ステップは、モバイルデバイスによって送信され、測定されたサービス品質を収めるメッセージを受信する前であっても、管理ユニットによって連続的に実施される。ステップE6からE9は、変形形態として実行されず、管理ユニットは、例えば、LSサービスの使用といった、他の手段で動きの状況を検出することができる。
【0062】
条件の1つが、ゼロのサービス品質の閾値を下回る推移(passage)、または、ことによると、無線セルハンドオーバの検出であり得る一定の条件の下でトリガされることに加えて、モバイルデバイスによって測定されたサービス品質を収めるメッセージを管理ユニットに送信することは周期的な変形形態である。
図1
図2