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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-09
(45)【発行日】2023-06-19
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/02 20060101AFI20230612BHJP
【FI】
D06F39/02 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022017913
(22)【出願日】2022-02-08
(62)【分割の表示】P 2021112145の分割
【原出願日】2018-11-15
(65)【公開番号】P2022065037
(43)【公開日】2022-04-26
【審査請求日】2022-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】松下 克則
(72)【発明者】
【氏名】西村 博司
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-143524(JP,A)
【文献】特開2017-158601(JP,A)
【文献】特表2016-522729(JP,A)
【文献】特開2018-075422(JP,A)
【文献】特開平11-333191(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/02
D06F 39/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯機本体と、
前記洗濯機本体の内部に設けられた水槽と、
所定量の洗濯処理剤を洗濯運転中に前記水槽内に自動で投入する自動投入装置と、を備え、
前記自動投入装置は、
複数回分の洗濯処理剤を貯留可能な処理剤タンクと、
前記洗濯機本体の上面に設けられ前記処理剤タンクを着脱可能に収容するタンク収容部と、を有し、
前記処理剤タンクは、前記タンク収容部に対する前記処理剤タンクの挿入方向へ沿って伸びた棒状又は板状に形成され、前記処理剤タンクが前記タンク収容部に挿入される際に前記タンク収容部の内面に接触することで前記処理剤タンクを正しい位置に案内するリブを有している、
洗濯機。
【請求項2】
前記処理剤タンクは、前記リブと一体に構成された傾斜部を有している、
請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記リブは、前記処理剤タンクの奥側に設けられている、
請求項1又は2に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記タンク収容部は、前記タンク収容部の内面の一部にガイド受部を有し、
前記処理剤タンクは、前記ガイド受部に対向する位置にガイド部を有するとともに、前記ガイド部の下端部で窪んだ段形状に構成され、
前記リブは、前記ガイド部の下方で前記段形状部分に設けられている、
請求項1から3のいずれか一項に記載の洗濯機。
【請求項5】
前記リブの端面は、前記ガイド部の面から連続して形成されている、
請求項4に記載の洗濯機。
【請求項6】
前記リブは、前記処理剤タンクの一の周壁部側に複数設けられている、
請求項1から5のいずれか一項に記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザの利便性向上の要望に応えるため、洗剤や柔軟剤などの洗濯処理剤をタンク内に予め複数回分貯留しておき、洗濯運転中に必要量をタンクから自動的に水槽内へ投入する洗濯機が開発されている。ユーザがタンクに洗濯処理剤を充填したりタンクを清掃したりする際の作業性を考慮すると、タンクは洗濯機本体から取り外しできる構造であることが好ましい。しかしながらタンク内には複数回分の洗濯処理剤が貯留されるため、洗濯処理剤が充填されたタンクは比較的重くなり易い。
【0003】
この場合、洗濯機本体にタンクを装着する際に、正しい装着位置からずれてしまうと、タンク内の洗濯処理剤の流出不良が生じる可能性もある。そのため、ユーザによる操作を極力容易にして、タンクを確実に正しい位置に装着できることが重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-11618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、洗濯処理剤の自動投入装置を備えたものにおいて、洗濯処理剤を貯留するタンクの着脱に関する操作性の向上を図ることができる洗濯機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の洗濯機は、洗濯機本体と、前記洗濯機本体の内部に設けられた水槽と、所定量の洗濯処理剤を洗濯運転中に前記水槽内に自動で投入する自動投入装置と、を備える。前記自動投入装置は、複数回分の洗濯処理剤を貯留可能な処理剤タンクと、前記洗濯機本体の上面に設けられ前記処理剤タンクを着脱可能に収容するタンク収容部と、を有する。前記処理剤タンクは、前記タンク収容部に対する前記処理剤タンクの挿入方向へ沿って伸びた棒状又は板状に形成され、前記処理剤タンクが前記タンク収容部に挿入される際に前記タンク収容部の内面に接触することで前記処理剤タンクを正しい位置に案内するリブを有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態による洗濯機の概略構成を示す縦断側面図
図2】一実施形態による洗濯機を前側から示す斜視図
図3】一実施形態による洗濯機を後側から示す斜視図
図4】一実施形態による洗濯機について、タンク蓋を閉じた状態の自動投入装置の周辺の構成を示す図
図5】一実施形態による洗濯機について、タンク蓋を開けた状態の自動投入装置の周辺の構成を示す図
図6】一実施形態による洗濯機について、自動投入装置を示す縦断側面図
図7】一実施形態による洗濯機について、タンク収容部を示す縦断側面図
図8】一実施形態による洗濯機について、収容部奥壁部に設けられたリブ規制部の構成をタンク収容部を破断して示す斜視図
図9】一実施形態による洗濯機について、処理剤タンクを下後方から示す斜視図
図10】一実施形態による洗濯機について、処理剤タンクを分解して示す縦断側面図
図11】一実施形態による洗濯機について、図6のX11-X11線に沿って示す横断平面図
図12】一実施形態による洗濯機について、タンク蓋が開いた状態の自動投入装置を示す縦断側面図
図13】一実施形態による洗濯機について、タンク収容部に処理剤タンクを挿入する際の過程を示す縦断側面図(その1)
図14】一実施形態による洗濯機について、タンク収容部に処理剤タンクを挿入する際の過程を示す縦断側面図(その2)
図15】一実施形態による洗濯機について、タンク収容部に処理剤タンクを挿入する際の過程を示す縦断側面図(その3)
図16】一実施形態による洗濯機について、タンク収容部から処理剤タンクを抜き出す際の過程を示す縦断側面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態による洗濯機について、図面を参照しながら説明する。
図1に示す洗濯機10は、洗濯機本体20、水槽11、回転槽12、モータ13、排水弁14、注水装置30、及び自動投入装置40を備えている。なお、図1の左側を洗濯機10の前側とし、図1の右側を洗濯機10の後側とする。この場合、通常ユーザは、洗濯機10の前側に位置するものとする。また、洗濯機10の設置面側つまり鉛直下側を、洗濯機10の下側とし、設置面と反対側つまり鉛直上側を、洗濯機10の上側とする。そして、洗濯機10の前後方向及び上下方向に対して直角方向を、洗濯機10の幅方向すなわち左右方向とする。洗濯機10は、回転槽12の回転軸が鉛直方向を向いたいわゆる縦軸型の洗濯機である。
【0009】
洗濯機本体20は、図1図3に示すように、外箱21、トップカバー22、本体蓋23、及びバックカバー24を有している。外箱21は、洗濯機10の外殻を構成している。外箱21は、例えば鋼板等によって略矩形の箱状に形成されており、上側が開口している。水槽11は、洗濯機本体20の内部すなわち外箱21の内部に収容されている。回転槽12は、水槽11の内部に収容されている。水槽11は、上側が開口した有底円筒形状に形成されている。同様に、回転槽12も、上側が開口した有底円筒形状に形成されている。
【0010】
トップカバー22は、図1に示すように開口部221を有しており、矩形の環状に構成されている。トップカバー22は、外箱21の上部に設けられている。本体蓋23は、トップカバー22に設けられており、トップカバー22の開口部221を開閉する。バックカバー24は、図4及び図5にも示すように、洗濯機10の左右方向に長い矩形状に構成されている。バックカバー24は、図2及び図3に示すように、トップカバー22上部の後端部に設けられている。
【0011】
バックカバー24は、図3等に示すように、上段面部241と、下段面部242と、垂直面部243と、を有している。上段面部241は、バックカバー24の前側の面を構成しており、洗濯機10の上面のうち最も高い位置にある。下段面部242は、上段面部241の後側の面を構成しており、上段面部241の後方でかつ上段面部241よりも低い位置にある。垂直面部243は、上段面部241と下段面部242とを接続する面であり、垂直方向の面を構成している。これにより、洗濯機本体20の上面には、上段面部241と下段面部242と垂直面部243とによって、洗濯機10の左右方向つまりバックカバー24の長手方向に延びた段部244が構成されている。なお、垂直面部243は、厳密な垂直である必要はなく、傾斜していても良い。
【0012】
モータ13は、水槽11の底部の外側に設けられており、水槽11を貫いて回転槽12に接続されている。モータ13は、例えばアウターロータ型のDCブラシレスモータである。モータ13は、回転槽12を回転させる。
【0013】
排水弁14は、電磁駆動可能な液体用の開閉弁であり、図示しない制御装置によって駆動制御される。排水弁14の入力側は、水槽11内に接続されており、排水弁14の出力側は、洗濯機10の外部に接続されている。排水弁14は、水槽11内に貯留されている水を機外の外部に排水するための排水経路を開閉する。排水弁14が閉じると、水槽11内は水を貯留可能な状態となる。また、排水弁14が開くと、水槽11内に貯留された水が機外へ排水可能となる。
【0014】
注水装置30は、洗濯機本体20内の上側後部であって、トップカバー22の内部に設けられている。注水装置30は、給水弁31、注水ケース32、処理剤ケース33、及び注水ホース34を有している。注水装置30は、給水ホース100を介して、例えば図示しない水道の蛇口など外部の水源に接続される。
【0015】
給水弁31は、電磁駆動可能な液体用の開閉弁であり、図示しない制御装置によって駆動制御される。給水弁31の入力側は、水道等の外部の水源に接続されており、給水弁31の出力側は、注水ケース32に接続されている。給水弁31は、水道等の外部の水源から注水ケース32を介して水槽11内へ給水するための給水経路を開閉する。
【0016】
注水ケース32は、注水装置30の外殻を構成するものであり、例えば樹脂製であって箱状に形成されている。注水ケース32の上流側は給水弁31に接続されており、注水ケース32の下流側は注水ホース34を介して水槽11に接続されている。
【0017】
処理剤ケース33は、例えば樹脂製の容器であって、1回の洗濯運転で使用する量の洗剤及び柔軟仕上げ剤を収容可能に構成されている。処理剤ケース33は、例えばトップカバー22の内部において前方へ引き出し可能に構成されている。処理剤ケース33は、注水ケース32内に収容された状態において、給水弁31を介して注水ケース32内に供給された水を受ける位置に設けられている。ユーザは、処理剤ケース33を前方へ引き出した状態で、洗剤や柔軟仕上げ剤を処理剤ケース33に投入する。処理剤ケース33内に貯留された処理剤は、注水装置30を介して水槽11に注水される水とともに水槽11内に流し落とされる。
【0018】
自動投入装置40は、予め複数回分の洗濯処理剤を貯留しておき、複数回の洗濯運転に亘って所定量の洗濯処理剤を自動で水槽11内に供給する機能を有している。本実施形態の場合、自動投入装置40は、図1図3に示すように、外箱21内でかつ水槽11の上方にあって、洗濯機10の左右方向の一方側寄り、例えば左側寄りに設けられている。
【0019】
自動投入装置40は、図1及び図6に示すように、供給ポンプ41、タンク収容部50、及び処理剤タンク60を有している。タンク収容部50は、洗濯機本体20に固定されて設けられており、処理剤タンク60を着脱可能に収容する。処理剤タンク60は、複数回分の洗濯処理剤を貯留可能に構成されており、ユーザの操作によってタンク収容部50に着脱される。
【0020】
タンク収容部50は、図6に示すように、タンク収容部50の内部と外部とを連通する接続部51を有している。処理剤タンク60は、処理剤タンク60の内部と外部とを連通する供給口部611を有している。そして、処理剤タンク60がタンク収容部50の正しい位置に挿入されると、図6に示すように、処理剤タンク60の挿入端の位置において供給口部611が接続部51に接続される。これにより処理剤タンク60内に貯留されている洗濯処理剤が、供給口部611及び接続部51を通って、処理剤タンク60及びタンク収容部50の外部に流出可能になる。
【0021】
供給ポンプ41は、例えばピストン式のポンプであり、タンク収容部50の外側に設けられて接続部51に接続されている。供給ポンプ41は、処理剤タンク60がタンク収容部50に収容されて供給口部611が接続部51に接続された状態で、処理剤タンク60から所定量の洗濯処理剤を吸い出し、その吸い出した洗濯処理剤を上述した給水経路に投入する。洗濯機10は、例えば洗濯運転の洗い工程やすすぎ工程における注水中に供給ポンプ41を動作させることで、洗濯運転に必要な洗濯処理剤を、給水経路を流れる水に乗せて水槽11に投入することができる。なお、供給ポンプ41は、処理剤タンク60に設けても良いし、タンク収容部50の内部に設けても良い。
【0022】
次に、タンク収容部50及び処理剤タンク60の詳細について説明する。なお、以下の説明において、タンク収容部50及び処理剤タンク60の前後、上下、及び左右若しくは幅方向とは、ユーザが洗濯機10を使用する際に通常ユーザが立つと想定される位置を基準にしたものである。つまり、タンク収容部50及び処理剤タンク60の前後、上下、及び左右若しくは幅方向とは、ユーザとタンク収容部50及び処理剤タンク60との相対的な位置関係を示すものである。したがって、タンク収容部50及び処理剤タンク60の前後、上下、及び左右若しくは幅方向は、洗濯機10の前後、上下、及び左右若しくは幅方向と必ずしも一致している必要はないが、本実施形態では説明の便宜上、洗濯機10の定義と一致させている。
【0023】
また、供給口部611が接続部51に対して正しい姿勢で接続される際の処理剤タンク60の移動方向を接続方向とする。本実施形態において、接続部51に対する供給口部611の接続方向、すなわちタンク収容部50に対する処理剤タンク60の挿入方向は、水平方向のベクトル成分よりも鉛直方向のベクトル成分の方が大きくなるように設定されている。この場合、接続方向は、重力方向に沿った下方に設定されている。なお、接続方向は下方に限られず、斜め下方であっても良い。この場合、接続方向を斜め下方とする場合には、洗濯機10の後方へ向かって下降していることが好ましい。なお、接続方向は、必ずしも鉛直方向のベクトル成分を含んでいる必要はなく、鉛直方向のベクトル成分を含まない水平方向とすることもできる。
【0024】
タンク収容部50は、図1に示すように、洗濯機本体20に設けられている。本実施形態の場合、タンク収容部50は、図4及び図5に示すように、バックカバー24の下側に設けられている。タンク収容部50は、例えば樹脂製であって、図6及び図7に示すように、全体として矩形の容器状に構成されている。
【0025】
タンク収容部50は、図7及び図11等に示すように、接続部51の他、収容部底部52、収容部周壁部53、54、55、及び2組4つのリブ規制部56を有している。収容部底部52は、タンク収容部50の底を構成する。収容部周壁部53、54、55は、タンク収容部50の周壁を構成するものであり、収容部底部52の周囲を囲うように配置されている。この場合、タンク収容部50は、タンク底部612を底とし、タンク底部612の反対側が開口した容器状に形成されている。このタンク収容部50の開口は、挿入口57と称する。なお、タンク収容部50の底とは、挿入口57に対する底すなわちタンク収容部50のうち挿入口57とは反対側の面を構成する壁部分のことを意味し、必ずしも重力方向の下側に限定されない。
【0026】
収容部周壁部53、54、55のうち、タンク収容部50の手前側に配置された収容部周壁部53を収容部前壁部53と称する。また、タンク収容部50の奥側に配置された収容部周壁部54を収容部奥壁部54と称する。そして、タンク収容部50の左右両側に配置された収容部周壁部55を収容部側壁部55と称する。この場合、収容部前壁部53と収容部奥壁部54とは前後方向に対向している。図7に示すように、収容部底部52を基準とした収容部奥壁部54の高さ寸法H1は、収容部底部52を基準とした収容部前壁部53の高さ寸法H2よりも小さい。また、左右2つの収容部側壁部55、55は、図11に示すように、左右方向つまり幅方向に対向している。
【0027】
収容部前壁部53は、処理剤タンク60の挿入方向に対し、タンク収容部50の挿入口57側から接続部51側へ向かうにつれて接続部51側に近づく方向へ僅かに傾斜している。接続方向に対する収容部前壁部53の傾斜角度は、接続方向に対する傾斜部616の傾斜角度よりも小さい。本実施形態の場合、収容部前壁部53の傾斜角度は、4°以下であり、例えば1°~3°程度に設定されている。また、傾斜部616の傾斜角度は、4°以上であり、例えば5°程度に設定されている。
【0028】
収容部奥壁部54は、図7及び図8に示すように、ガイド受部541を有している。ガイド受部541は、収容部奥壁部54の内面の一部を構成する領域であり、収容部奥壁部54の内面のうち挿入口57側の領域つまりタンク底部612とは反対側の領域に設けられている。ガイド受部541は、接続方向に沿った面すなわち上下方向に平行な面に形成されている。
【0029】
リブ規制部56は、収容部奥壁部54の領域内において、ガイド受部541よりも下方の領域つまり接続部51側の領域に設けられている。リブ規制部56は、収容部奥壁部54と一体に構成されている。リブ規制部56は、収容部奥壁部54の内面からタンク収容部50の前後方向の中心側この場合前方へ向かって突出した棒状又は板状で構成されている。図9及び図11に示すように、リブ規制部56は、相互に離間して設けられた2つリブ規制部56によって1組を構成している。2組のリブ規制部56は、タンク収容部50の幅方向に離間して設けられている。
【0030】
本実施形態の場合、リブ規制部56は、左右の収容部側壁部55側から見て、接続方向に沿って接続部51側へ行くにつれて接続部51へ近づくように傾斜した三角形の板状に形成されている。つまり、リブ規制部56は、下方へ行くにつれて前側へ行くように傾斜している。この場合、図7に示すように、ガイド受部541の上下方向の長さ寸法つまり接続方向に沿った寸法H11は、リブ規制部56の上下方向の長さ寸法つまり接続方向に沿った寸法H12よりも小さい。
【0031】
処理剤タンク60は、図7図11に示すように、タンク本体61、枠部材62、及びタンク蓋63を有している。タンク本体61は、例えば樹脂製であって、全体として矩形の容器状に構成されている。図10に示すように、タンク本体61は、接続方向とは反対側、この場合上側が開口している。タンク本体61は、タンク底部612、及び供給口部611を有している。
【0032】
タンク底部612は、処理剤タンク60の内部の底を構成しており、タンク底部612の周囲から中心部分に向かって下降するように傾斜している。供給口部611は、タンク底部612の中心部分、この場合、タンク底部612の最下部に設けられており、処理剤タンク60の外部と内部とを連通している。供給口部611は、図11に示すように、処理剤タンク60の平面視つまり上側から見た場合における左右方向つまり幅方向の中心P1上に設けられている。また、供給口部611は、処理剤タンク60の平面視における前後方向の中心P2よりも前側寄りつまり傾斜部616とは反対側寄りに設けられている。この場合、供給口部611は、処理剤タンク60に洗濯処理剤を貯留した状態の処理剤タンク60の重心を通る鉛直線J上に位置している。
【0033】
なお、詳細は図示しないが、供給口部611は、処理剤タンク60の内部と外部との連通を開閉する弁機構を有している。この弁機構は、処理剤タンク60がタンク収容部50の正しい位置に装着されていない場合には処理剤タンク60の内部と外部との連通を閉じた状態に維持し、処理剤タンク60がタンク収容部50の正しい位置に装着された場合には処理剤タンク60の内部と外部との連通を開く機能を有する。これにより、処理剤タンク60がタンク収容部50に装着されていない状態において、処理剤タンク60内に貯留された処理剤が供給口部611から漏れ出てしまうことを防ぐことができる。
【0034】
タンク本体61は、処理剤タンク60の周壁を構成するタンク周壁部613、614、615を有している。タンク周壁部613、614、615は、タンク底部612の周囲を囲うように配置されている、これにより、タンク本体61は、タンク底部612を底としタンク底部612の反対側が開放された容器状に形成されている。
【0035】
タンク周壁部613、614、615のうち、処理剤タンク60の手前側に配置されたタンク周壁部613をタンク前壁部613と称する。また、処理剤タンク60の奥側に配置されたタンク周壁部614をタンク奥壁部614と称する。そして、処理剤タンク60の左右両側に配置されたタンク周壁部615をタンク側壁部615と称する。この場合、タンク前壁部613とタンク奥壁部614とは前後方向に対向している。また、左右2つのタンク側壁部615、615は、左右方向つまり幅方向に対向している。
【0036】
タンク本体61は、少なくとも1つの傾斜部616と、少なくとも1つのリブ617と、第1ガイド部618と、を有している。本実施形態の場合、タンク本体61は、傾斜部616及びリブ617をそれぞれ2つずつ有している。また、タンク奥壁部614は、接続方向の途中部分この場合第1ガイド部618の下端部で窪んだ段形状に構成されている。リブ617は、第1ガイド部618の下方に設けられている。第1ガイド部618は、ガイド受部541に対向しており、接続方向に沿って平行に形成されている。
【0037】
傾斜部616は、タンク周壁部613、614、615の外側、本実施形態の場合、タンク奥壁部614の外側に設けられている。傾斜部616は、処理剤タンク60の挿入方向に対し、タンク本体61の開口側から供給口部611側へ向かうにつれて供給口部611側に近づく方向へ先細るように傾斜している。
【0038】
本実施形態の場合、傾斜部616は、リブ617と一体に構成されている。リブ617は、タンク周壁部613、614、615の外側、この場合、タンク奥壁部614の外側に設けられている。リブ617は、タンク奥壁部614から外方に向けて突出し挿入方向へ沿って伸びる板状に形成されている。この場合、リブ617の厚み方向は、処理剤タンク60の幅方向に一致している。
【0039】
図9に示すように、リブ617におけるタンク奥壁部614とは反対側の端面は、タンク本体61の開口側から供給口部611側へ向かうにつれて、つまり上側から下側へ向かうにつれて供給口部611側に近づくように傾斜している。このため、リブ617の端面は、傾斜部616として機能する。すなわち、リブ617は、傾斜部616を一体に有している。
【0040】
2つのリブ617は、図11に示すように、処理剤タンク60がタンク収容部50に挿入された状態で、タンク収容部50の内面に設けられた各組の2つのリブ規制部56のそれぞれの間に嵌る位置に設けられている。
【0041】
処理剤タンク60は、タンク収容部50に挿入される際、リブ617の端面つまり傾斜部616が収容部奥壁部54の内面に接触しながら移動することで、前後方向の正しい位置に案内される。また、処理剤タンク60は、各リブ617がそれぞれ2つのリブ規制部56の間に嵌り込むことで、リブ617とリブ規制部56との作用によって接続方向に対するずれ、つまり幅方向の移動が規制される。これにより、処理剤タンク60の幅方向の中心が、タンク収容部50の幅方向の中心P1と一致するように、タンク収容部50に対する処理剤タンク60の幅方向の位置が規定される。
【0042】
また、タンク前壁部613及びタンク奥壁部614も、処理剤タンク60の挿入方向に対し、タンク本体61の開口側から供給口部611側へ向かうにつれて供給口部611側に近づく方向へ先細るように僅かに傾斜している。この場合、挿入方向に対するタンク前壁部613及びタンク奥壁部614の傾斜角度は、傾斜部616の傾斜角度よりも小さい。
【0043】
枠部材62は、例えば樹脂製であって、タンク本体61の開口側に設けられている。枠部材62は、図9に示すように、投入口621、軸部622、第2ガイド部623、及び取手部624を一体に有している。図10に示すように、投入口621は、枠部材62を厚み方向に貫く開口であり、処理剤タンク60の内部と外部とを連通する。洗濯処理剤は、投入口621を通してタンク本体61内に投入される。軸部622は、タンク蓋63の回動の支点になる部分である。すなわち、タンク蓋63、軸部622に回動可能に取り付けられて、投入口621を開閉する。なお、図2図4に示すように、タンク蓋63が閉じられると、タンク蓋63の外側面は、バックカバー24の上段面部241に連なる面となる。
【0044】
第2ガイド部623は、枠部材62の周囲のうち奥側の面に設けられている。すなわち、第2ガイド部623は、枠部材62の奥側の外面であり、接続方向に沿って平行に形成されている。処理剤タンク60がタンク収容部50内に収容された状態において、第2ガイド部623は、ガイド受部541と対向する。第2ガイド部623は、第1ガイド部618に連なる面であり、第1ガイド部618とともにガイド部として機能する。
【0045】
この場合、第1ガイド部618と第2ガイド部623とを合わせた上下方向の長さ寸法は、ガイド受部541の上下方向の長さ寸法H11以下に設定されている。枠部材62の前側の外面とガイド部618、623の外面との間の距離寸法は、収容部前壁部53の内面と収容部奥壁部54の内面との間の距離寸法とほぼ一致しているか僅かに小さい。
【0046】
取手部624は、ユーザが処理剤タンク60の操作に用いるためのものであり、図6に示すように、枠部材62の上面つまり処理剤タンク60の上面を処理剤タンク60の内方側へ窪んだ凹形状に形成されている。そして、取手部624は、処理剤タンク60の内部側においてユーザ側つまり前側へ向かって更に窪んだ形状に形成されている。この場合、取手部624は、タンク蓋63の下方に潜り込むようにして形成されている。
【0047】
取手部624は、図2図5に示すように、洗濯機本体20の上面に設けられた段部244を構成する上段面部241の後方つまり垂直面部243の後方で、かつ上段面部241の下方に設けられている。この場合、取手部624は、図3に示すように、バックカバー24の下段面部242に連なる面を窪ませるようにして設けられている。この取手部624は、洗濯機本体20の表面である下段面部242から外方へ突出しておらず、洗濯機本体20の内部側へ窪んだ形状に形成されている。
【0048】
なお、取手部は、上段面部241の後方でかつ上段面部241の下方であれば、垂直面部243又は背面部245に設けても良い。この場合も、取手部は、垂直面部243又は背面部245から外方へ突出せず、洗濯機本体20の内部側へ窪んだ形状に形成され、垂直面部243又は背面部245に連なる面に設けられる。
【0049】
以上説明した実施形態によれば、洗濯機10は、洗濯機本体20と、洗濯機本体20の内部に設けられた水槽11と、所定量の洗濯処理剤を洗濯運転中に水槽11内に自動で投入する自動投入装置40と、を備えている。自動投入装置40は、複数回分の洗濯処理剤を貯留可能な処理剤タンク60と、洗濯機本体20に設けられ処理剤タンク60を着脱可能に収容するタンク収容部50と、を有している。タンク収容部50は、タンク収容部50の内部と外部とを連通する接続部51を有している。
【0050】
処理剤タンク60は、供給口部611と、処理剤タンク60の外周面を構成するタンク周壁部613、614、615と、傾斜部616と、ガイド部618、623と、を有している。供給口部611は、タンク底部612に設けられ処理剤タンク60の外部と内部とを連通している。供給口部611は、処理剤タンク60をタンク収容部50に挿入した状態でその挿入端において接続部51に接続される。傾斜部616は、タンク周壁部613、614、615の外側に設けられ、接続部51に対する供給口部611の接続方向に対し供給口部611側へ向かうにつれて供給口部611側に近づくように傾斜している。そして、ガイド部618、623は、傾斜部616に対して供給口部611とは反対側に設けられ、接続方向に沿って形成されている。
【0051】
ここで、例えば処理剤タンク60の外面を、タンク収容部50の内面に対して隙間なく構成した場合、タンク収容部50に対して処理剤タンク60を挿入する際、処理剤タンク60は、接続方向以外の方向への移動が許容されない。つまりこの場合、ユーザは、タンク収容部50に対する処理剤タンク60の挿入方向を、タンク収容部50の内面に沿った方向に厳密に制御しなければならない。そのため、例えばタンク収容部50に対して処理剤タンク60を上下方向に抜き差しするものにおいて、タンク収容部50を洗濯機10の後部側に配置すると、ユーザは、洗濯機10の後部まで手を伸ばした状態で垂直方向に処理剤タンク60を抜き差ししなければならず、そのため非常に作業し難い。
【0052】
一方、例えば処理剤タンク60の外面とタンク収容部50の内面との間に、処理剤タンク60の回動などの動きを許容する隙間を形成すれば、ユーザは、タンク収容部50に対して処理剤タンク60をある程度傾けた状態で抜き差しすることができるため、タンク収容部50の内面に沿った方向に厳密な作業が不要となり、処理剤タンク60の抜き差しが容易になる。
【0053】
しかし、この構成では、処理剤タンク60をタンク収容部50に挿入した際、タンク収容部50内で処理剤タンク60が不要な方向に動いてしまい、供給口部611と接続部51との位置が正確に定まらずに接続不良が生じ、その結果、洗濯処理剤の流出不良が生じることがあった。
【0054】
これに対し、本実施形態によれば、処理剤タンク60は、傾斜部616と、ガイド部618、623と、を有している。これによれば、処理剤タンク60をタンク収容部50内に挿入する際、ユーザは、まず図13に示すように、処理剤タンク60を、供給口部611と接続部51との接続方向、この場合、上下方向に対して傾けた斜めの姿勢で、タンク収容部50に挿入することができる。そして、ユーザは、処理剤タンク60の傾斜部616をタンク収容部50の内面、この場合、収容部奥壁部54に当てて沿わせながら処理剤タンク60を更に挿入する。すると、処理剤タンク60は、図14に示すように、供給口部611が接続部51側へ向くように傾斜部616に沿って回動する。
【0055】
そして、ユーザが処理剤タンク60を更に挿入すると、ガイド部618、623がタンク収容部50の内面、この場合、収容部奥壁部54のガイド受部541に当たり、タンク収容部50内における処理剤タンク60の前後方向の位置が定まる。これにより、処理剤タンク60がタンク収容部50の正しい位置に収容され、供給口部611と接続部51とが正しく接続される。
【0056】
このように、本実施形態によれば、傾斜部616の作用により、タンク収容部50に対して処理剤タンク60を傾けた斜めの姿勢で抜き差しできるため、ユーザの操作性を向上することができる。更に、タンク収容部50に対して処理剤タンク60を挿入する際には、ガイド部618、623の作用により、処理剤タンク60がタンク収容部50の正しい位置に収容されるため、供給口部611と接続部51との位置が正確に定まることができる。これらの結果、ユーザの操作性を向上しつつ、接続不良を抑制して洗濯処理剤の流出不良を抑制することができる。
【0057】
処理剤タンク60は、リブ617を有している。リブ617は、タンク周壁部613、614、615、この場合、タンク奥壁部614から外方に突出し、供給口部611と接続部51との接続方向へ沿って伸びる棒状又は板状に形成されている。そして傾斜部616は、このリブ617の端面に設けられている。すなわち、本実施形態では、リブ617において、タンク収容部50の内面と対向する端面を傾斜部616としている。
【0058】
これによれば、傾斜部616がタンク収容部50の内面この場合タンク奥壁部614と接触する面積を極力小さいものとすることができる。そのため、傾斜部616とタンク奥壁部614との摺動による摩擦を低減することができ、処理剤タンク60をより滑らかに挿入することができる。
【0059】
ここで、接続方向におけるガイド部618、623の厚みを厚くすることで、処理剤タンク60の挿入の際のガタつきを少なくでき移動が安定する。しかし、ガイド部618、623は、前後方向の位置決めの精度を得るために、ガイド受部541に極力密接するように構成されているため、ガイド部618、623とガイド受部541との隙間は小さい。このため、ガイド部618、623の厚みが厚くなるほど、処理剤タンク60の下方に溜まった空気がガイド部618、623とタンク収容部50の内面との間から抜け難くなる。すると、処理剤タンク60に圧縮された空気が反発力を生じて挿入に大きな力を要することになる。
【0060】
これに対し、本実施形態によれば、タンク収容部50は、2組のリブ規制部56を有している。2つのリブ617は、処理剤タンク60がタンク収容部50に挿入された状態で、タンク収容部50の内面に設けられた各組の2つのリブ規制部56のそれぞれの間に嵌る位置に設けられている。処理剤タンク60は、各リブ617がそれぞれ2組のリブ規制部56の間に嵌り込むことで、リブ617とリブ規制部56との作用によって、接続方向に対するずれ、つまり幅方向の移動が規制される。これにより、処理剤タンク60の幅方向の中心が、タンク収容部50の幅方向の中心と一致するように、タンク収容部50に対する処理剤タンク60の幅方向の位置が規定される。これによれば、タンク収容部50に対する処理剤タンク60の幅方向の位置も正確に定めることができる。
【0061】
このため、本実施形態によれば、ガイド部618、623及びガイド受部541によって前後方向の位置を正確に定めることができるだけでなく、更に幅方向の位置も正確に定めることができる。そのため、処理剤タンク60を抜き差しする際の移動方向が安定するため、接続方向つまり上下方向におけるガイド部618、623の厚みを薄くすることができる。その結果、処理剤タンク60の下方に溜まった空気がガイド部618、623とタンク収容部50の内面との間から抜け易くなる。これにより、処理剤タンク60のタンク底部612で空気が圧縮されることを抑制でき、小さな力で処理剤タンク60をタンク収容部50内に挿入することができる。
【0062】
接続部51と供給口部611との接続方向、すなわち供給口部611を接続部51に接続する際の処理剤タンク60の移動方向は、水平方向のベクトル成分よりも鉛直方向のベクトル成分の方が大きくなるように設定されている。本実施形態の場合、接続方向は、鉛直方向に設定されている。これによれば、処理剤タンク60をタンク収容部50に挿入する際、処理剤タンク60内に貯留された洗濯処理剤の重量によって接続方向への力が作用する。これにより、ユーザは、処理剤タンク60を大きな力で押し込むことなく処理剤タンク60をタンク収容部50内に挿入し供給口部611を接続部51に接続させることができる。
【0063】
ここで、処理剤タンク60に傾斜部616を設けることで、前後方向に見た場合に非対称となるため、処理剤タンク60に洗濯処理剤を貯留した状態における重心位置が、処理剤タンク60の前後方向の中心位置から前側にずれてしまう。そこで、供給口部611は、処理剤タンク60の中心位置に対して傾斜部616とは反対側寄りつまり前側寄りに設けられている。これによれば、供給口部611を、処理剤タンク60に洗濯処理剤を貯留した状態の処理剤タンク60の重心を通る鉛直線J上に近い位置に配置することができる。供給口部611には、処理剤タンク60内の洗濯処理剤の重量による下方への力がより大きく作用するため、供給口部611と接続部51とをより軽い力で確実に接続させることができる。
【0064】
また、本実施形態において、処理剤タンク60は、取手部624を有している。取手部624は、洗濯機本体20の上面に設けられた段部244を構成する上段面部241の後方でかつ上段面部241の下方に設けられている。
【0065】
これによれば、取手部624を段部244に隠してユーザから見え難くすることができる。その結果、取手部624を目立たないようにすることができ、洗濯機10全体の意匠性を向上させることができる。
【0066】
取手部624は、洗濯機本体20の表面から外方へ突出せずに洗濯機本体20の内部側へ窪んだ凹形状に形成されている。この場合、取手部624は、バックカバー24の上段面部241、下段面部242、及び垂直面部243のいずれからも突出しておらず、バックカバー24の内方へ窪んだ凹形状に形成されている。これによれば、取手部624をより目立たないようにすることができ、洗濯機10全体の意匠性を更に向上させることができる。
【0067】
取手部624は、処理剤タンク60の内部側においてユーザ側つまり前側へ向かって更に窪んだ形状に形成されている。この場合、取手部624は、タンク蓋63の下方に潜り込むようにして形成されている。これによれば、ユーザは、取手部624の前側へ向かって更に窪んだ部分に手をかけて処理剤タンク60を引き出すことができるため、操作性の向上を図ることができる。
【0068】
また、図6に示すように、処理剤タンク60がタンク収容部50に収容された状態において、傾斜部616が設けられたタンク周壁部614における供給口部611側の端部と、タンク収容部50との間に隙間S1を有している。すなわち、処理剤タンク60がタンク収容部50に収容された状態において、タンク周壁部614の下端部分と、収容部奥壁部54との間、及びリブ617の下端部分と収容部奥壁部54との間には、それぞれ隙間S1、S2が形成されている。
【0069】
これによれば、処理剤タンク60をタンク収容部50から抜き出す際に、タンク奥壁部614やリブ617の下端部分と収容部奥壁部54との干渉を避けて処理剤タンク60を回動させる余地を確保することができる。このため、ユーザは、より早い段階で処理剤タンク60を手前側つまりユーザ側に回動させることができる。その結果、処理剤タンク60をタンク収容部50から抜き出す際の操作性を向上させることができる。
【0070】
また、図7に示すように、収容部周壁部53、54、55のうちユーザから見て奥側の収容部周壁部である収容部奥壁部54は、ユーザから見て手前側の収容部周壁部である収容部前壁部53よりも、収容部底部52からの高さ寸法が小さい。すなわち、収容部底部52を基準とした収容部奥壁部54の高さ寸法H1は、収容部底部52を基準とした収容部前壁部53の高さ寸法H2よりも小さい。
【0071】
これによれば、図16に示すように、タンク収容部50から処理剤タンク60を抜き出す際に、タンク前壁部613の下端部が収容部前壁部53の上端部の上方へ抜けるよりも早く、タンク奥壁部614の下端部が収容部奥壁部54の上端部の上方へ抜ける。そのため、処理剤タンク60は、タンク奥壁部614の下端部が収容部奥壁部54の上端部の上方へ抜けることで、収容部前壁部53の上端部を支点に手前側へ大きく回動できるようになる。これにより、ユーザは、処理剤タンク60をより早く手前に引き抜くことができるようになり、その結果、操作性の更なる向上を図ることができる。
【0072】
収容部周壁部53、54、55のうちユーザから見て手前側の収容部周壁部である収容部前壁部53は、接続方向に対し収容部底部52へ向かうにつれて接続部51に近づくように傾斜している。これによれば、処理剤タンク60がタンク収容部50に抜き差しされる際に、タンク収容部50は、傾斜した収容部前壁部53に沿って移動する。したがって、タンク収容部50に対する処理剤タンク60の着脱がより容易になる。
【0073】
なお、上記実施形態でいわゆる縦型の洗濯機について説明したが、本実施形態は縦型の洗濯機に限られず、回転槽の回転軸が水平又は後方へ向かって下降傾斜したいわゆる横軸型のドラム式洗濯機であっても良い。
また、上記実施形態において、タンク本体61と枠部材62とを一体に構成しても良い。この場合、第1ガイド部618及び第2ガイド部623は1つのガイド部となる。
また、リブ617及びリブ規制部56の数は上述したものに限られない。例えばタンク本体61は1つのリブ617を備え、タンク収容部50は、この1つのリブ617に対応した2つで1組のリブ規制部56を備える構成でも良い。
【0074】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0075】
図面中、10は洗濯機、11は水槽、20は洗濯機本体、40は自動投入装置、50はタンク収容部、51は接続部、52は収容部底部、56はリブ規制部、60は処理剤タンク、611は供給口部、612はタンク底部、613はタンク前壁部(タンク周壁部)、614はタンク奥壁部(タンク周壁部)、615はタンク側壁部(タンク周壁部)、616は傾斜部、617はリブ、618は第1ガイド部(ガイド部)、623は第2ガイド部(ガイド部)、を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図16