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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-09
(45)【発行日】2023-06-19
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1343 20060101AFI20230612BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20230612BHJP
   G09F 9/30 20060101ALN20230612BHJP
【FI】
G02F1/1343
G02F1/1368
G09F9/30 338
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022078872
(22)【出願日】2022-05-12
(62)【分割の表示】P 2018026245の分割
【原出願日】2018-02-16
(65)【公開番号】P2022109307
(43)【公開日】2022-07-27
【審査請求日】2022-05-12
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】曽我部 光史
(72)【発明者】
【氏名】尾関 芳孝
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 靖尚
【審査官】磯崎 忠昭
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第105301855(CN,A)
【文献】特開2017-215511(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0033820(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第106855674(CN,A)
【文献】特開2019-086684(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1343
G02F 1/1368
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向で隣り合う第1信号線及び第2信号線と、
前記第1信号線と前記第2信号線との間に設けられる第1画素電極と、前記第2信号線を介して前記第1方向で前記第1画素電極と隣り合う第2画素電極と、
前記第1画素電極よりも下層に設けられ前記第1画素電極と対向する第1中継電極と、
前記第1中継電極と前記第1信号線とを接続する第1スイッチング素子と、
前記第2画素電極よりも下層に設けられて前記第2画素電極と対向する第2中継電極と、
前記第2中継電極と前記第2信号線とを接続する第2スイッチング素子と、
前記第1画素電極及び前記第2画素電極と、前記第1中継電極及び前記第2中継電極との間となる層に設けられ、前記第1信号線、前記第2信号線、前記第1画素電極及び前記第2画素電極に重なって設けられる共通電極と、
前記共通電極は、前記第1画素電極及び前記第2画素電極に対向する開口を有し、
前記第1中継電極及び前記第2中継電極は、前記第1方向に前記第2信号線を介して並び、
前記第1画素電極は、前記開口を介して前記第1中継電極に接続され、
前記第2画素電極は、前記開口を介して前記第2中継電極に接続され、
前記第1中継電極から前記第2信号線までの第1距離は前記第2信号線から前記第2中継電極までの第2距離よりも小さく、且つ、前記第1中継電極から前記第1信号線までの第3距離よりも小さく、
前記第1中継電極及び前記第2中継電極は、それぞれ、独立して四角形状を有
前記第1画素電極は、前記第1中継電極と重畳すると共に、前記開口を介して前記第1中継電極に接続される第1接続部と、前記第1接続部から前記第1信号線に沿って延在する第1軸部を具え、
前記第2画素電極は、前記第2中継電極と重畳すると共に、前記開口を介して前記第2中継電極に接続される第2接続部と、前記第2接続部から前記第2信号線に沿って延在する第2軸部を具え、
前記第2軸部は、前記第2信号線と前記第2中継電極との間となる位置で前記第2接続部に接続されている、表示装置。
【請求項2】
前記第2軸部は、前記開口内で前記第2接続部に接続されている、請求項に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1中継電極は、平面視で前記第1接続部の外縁よりも内側に位置し、前記第2中継電極は、平面視で前記第2接続部の外縁よりも内側に位置している、請求項に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1画素電極の前記第1方向の幅は、前記第1中継電極の前記第1方向の幅よりも大きい、請求項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1中継電極及び前記第2中継電極は、前記開口内に収まっている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1信号線は、前記第1中継電極と対向する位置に凹部を有し、
前記第2信号線は、前記第2中継電極と対向する位置に凹部を有している、請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第2信号線は、前記第1中継電極と対向する位置に凸部を有している、請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記開口は、平面視で、少なくとも前記第1接続部から前記第2接続部に亘って形成されている、請求項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第2信号線上に配置されたブリッジ配線をさらに備え、
前記ブリッジ配線は前記開口を通過し、前記開口の前後で前記共通電極に接続されている、請求項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記ブリッジ配線の幅は、前記第1信号線の幅よりも大きい、請求項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第1信号線及び前記第2信号線は、互いに極性が反転した画素信号を供給される、請求項1に記載の表示装置。
【請求項12】
第1方向で隣り合う第1信号線及び第2信号線と、
前記第1信号線と前記第2信号線との間に設けられる第1画素電極と、前記第2信号線を介して前記第1方向で前記第1画素電極と隣り合う第2画素電極と、
前記第1画素電極よりも下層に設けられ前記第1画素電極と対向する第1中継電極と、
前記第1中継電極と前記第1信号線とを接続する第1スイッチング素子と、
前記第2画素電極よりも下層に設けられて前記第2画素電極と対向する第2中継電極と、
前記第2中継電極と前記第2信号線とを接続する第2スイッチング素子と、
前記第1画素電極及び前記第2画素電極と、前記第1中継電極及び前記第2中継電極との間となる層に設けられ、前記第1信号線、前記第2信号線、前記第1画素電極及び前記第2画素電極に重なって設けられる共通電極と、を有し、
前記共通電極は、前記第1画素電極及び前記第2画素電極に対向する開口を有し、
前記第1中継電極及び前記第2中継電極は、前記第1方向に前記第2信号線を介して並び、
前記開口は、平面視で、少なくとも前記第1中継電極から前記第2中継電極に亘って形成され、
前記第1画素電極は、前記開口を介して前記第1中継電極に接続され、
前記第2画素電極は、前記開口を介して前記第2中継電極に接続され、
前記第1中継電極から前記第2信号線までの第1距離は前記第2信号線から前記第2中継電極までの第2距離よりも小さく、且つ、前記第1中継電極から前記第1信号線までの第3距離よりも小さく、
前記第1中継電極及び前記第2中継電極は、それぞれ、独立して四角形状を有する、表示装置。
【請求項13】
前記第1画素電極は、前記第1中継電極と重畳すると共に、前記開口を介して前記第1中継電極に接続される第1接続部を具え、
前記第2画素電極は、前記第2中継電極と重畳すると共に、前記開口を介して前記第2中継電極に接続される第2接続部を具え、
前記開口は、平面視で、少なくとも前記第1接続部から前記第2接続部に亘って形成されている、請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記第2信号線上に配置されたブリッジ配線をさらに備え、
前記共通電極は、前記開口を挟んで、前記第1方向と交差する第2方向に並ぶ第1領域と第2領域とを有し、
前記ブリッジ配線は前記開口を通過し、前記第1領域と前記第2領域とに直に接続されている、請求項12に記載の表示装置。
【請求項15】
前記ブリッジ配線の幅は、前記第2信号線の幅よりも大きい、請求項14に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、更に高精細な表示装置が望まれている。表示装置は、高精細になるに従って、隣接する信号線同士の間隔が狭くなる。そのため、信号線とこの信号線の両側に位置する2つの画素電極との間に寄生容量が形成され、これが表示に影響を及ぼすことが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-191669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態の目的は、表示品質を落とすことなく高精細化が可能な表示装置及び基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る表示装置は、
第1方向で隣り合う第1信号線及び第2信号線と、
前記第1信号線と前記第2信号線との間に設けられる第1画素電極と、前記第2信号線を介して前記第1方向で前記第1画素電極と隣り合う第2画素電極と、
前記第1画素電極よりも下層に設けられ前記第1画素電極と対向する第1中継電極と、
前記第1中継電極と前記第1信号線とを接続する第1スイッチング素子と、
前記第2画素電極よりも下層に設けられて前記第2画素電極と対向する第2中継電極と、
前記第2中継電極と前記第2信号線とを接続する第2スイッチング素子と、
前記第1画素電極及び前記第2画素電極と、前記第1中継電極及び前記第2中継電極との間となる層に設けられ、前記第1信号線、前記第2信号線、前記第1画素電極及び前記第2画素電極に重なって設けられる共通電極と、
前記共通電極は、前記第1画素電極及び前記第2画素電極に対向する開口を有し、
前記第1中継電極及び前記第2中継電極は、前記第1方向に前記第1信号線を介して並び、
前記第1画素電極は、前記開口を介して前記第1中継電極に接続され、
前記第2画素電極は、前記開口を介して前記第2中継電極に接続され、
前記第1中継電極から前記第2信号線までの第1距離は前記第2信号線から前記第2中継電極までの第2距離よりも小さく、且つ、前記第1中継電極から前記第1信号線までの第3距離よりも小さい。
一実施形態に係る表示装置は、第1方向で隣り合う第1画素領域及び第2画素領域の間に位置する第1信号線と、前記第1画素領域、前記第2画素領域、及び前記第1信号線に重なって設けられる共通電極と、前記第1画素領域において前記共通電極より下方に位置する第1スイッチング素子と、前記第2画素領域において前記共通電極より下方に位置する第2スイッチング素子と、前記第1画素領域において前記共通電極よりも上方に位置する第1画素電極と、前記第2画素領域において前記共通電極よりも上方に位置する第2画素電極と、前記第1画素電極は、前記第1スイッチング素子に接続している第1接続部と、第1枝部と、前記第1枝部と前記第1接続部とを接続する第1突出部とを有し、前記第2画素電極は、前記第2スイッチング素子に接続している第2接続部と、第2枝部と、前記第2枝部と前記第2接続部とを接続する第2突出部とを有し、前記共通電極は、前記第1接続部及び前記第2接続部に対向する開口を有し、前記第1接続部及び前記第2接続部は、前記第1方向に前記第1信号線を介して並び、前記第1接続部は、前記開口を介して前記第1スイッチング素子に接続され、前記第2接続部は、前記開口を介して前記第2スイッチング素子に接続され、前記第2突出部は、前記第1方向において前記第1信号線及び前記第2接続部の間に位置し、前記第1接続部から前記第1信号線までの第1距離と該第1信号線から前記第2接続部までの第2距離とは異なる。
【0006】
他の実施形態に係る表示装置は、第1方向で隣り合う第1画素領域及び第2画素領域の間に位置する第1信号線と、前記第1画素領域、第2画素領域、及び第1信号線に重なって設けられる共通電極と、前記第1画素領域において前記共通電極より下方に位置する第1スイッチング素子と、前記第2画素領域において前記共通電極より下方に位置する第2スイッチング素子と、前記第1画素領域において前記共通電極よりも上方に位置する第1画素電極と、前記第2画素領域において前記共通電極よりも上方に位置する第2画素電極と、前記第1画素電極は、前記第1スイッチング素子に接続している第1接続部と、第1枝部と、前記第1枝部と前記第1接続部とを接続する第1突出部とを有し、前記第2画素電極は、前記第2スイッチング素子に接続している第2接続部と、第2枝部と、前記第2枝部と前記第2接続部とを接続する第2突出部とを有し、前記共通電極は、前記第1接続部及び前記第2接続部に対向する開口を有し、前記第1接続部及び前記第2接続部は、前記第1方向に前記第1信号線を介して並び、前記第1接続部は、前記開口を介して前記第1スイッチング素子に接続され、前記第2接続部は、前記開口を介して前記第2スイッチング素子に接続され、前記第2突出部は、前記第1方向において前記第1信号線及び前記第2接続部の間に位置し、前記第1接続部と前記第1信号線との間に形成される第1寄生容量と該第1信号線と前記第2接続部との間に形成される第2寄生容量とは同一である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係る表示装置を構成する表示パネルの構成例を示す平面図である。
図2図2は、第1基板の構成例を示す平面図である。
図3図3は、図2に示したIII-IIIに沿って切断した表示装置の構成例を示す断面図である。
図4図4は、図2に示したIV-IVに沿って切断した表示装置の構成例を示す断面図である。
図5図5は、図2に示したV-Vに沿って切断した表示装置の構成例を示す断面図である。
図6図6は、実施形態の変形例1に係る表示装置の一部の構成例を示す平面図である。
図7図7は、実施形態の変形例2に係る表示装置の一部の構成例を示す平面図である。
図8図8は、実施形態の変形例3に係る表示装置の一部の構成例を示す平面図である。
図9図9は、実施形態の変形例4に係る表示装置の一部の構成例を示す平面図である。
図10図10は、実施形態の変形例5に係る表示装置の一部の構成例を示す平面図である。
図11図11は、実施形態の変形例6に係る表示装置の一部の構成例を示す平面図である。
図12図12は、実施形態の変形例7に係る表示装置の一部の構成例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、いくつかの実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
各実施形態においては、表示装置の一例として液晶表示装置を開示する。この液晶表示装置は、例えば、VR(Virtual Reality)ビュアー、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話端末、ノートブックタイプのパーソナルコンピュータ、車載機器、ゲーム機器等の種々の装置に用いることができる。
【0009】
(実施形態)
図1は、実施形態に係る表示装置DSPを構成する表示パネルPNLの構成例を示す平面図である。図中の第1方向X、第2方向Y、及び第3方向Zは、互いに直交しているが、直交以外の状態で交差していてもよい。以下、第3方向Zから第1方向X及び第2方向Yによって規定されるX-Y平面をみることを平面視と称する。第3方向Zを示す矢印の先端に向かう方向を上方(あるいは、単に上)と称し、第3方向Zを示す矢印の先端から逆に向かう方向を下方(あるいは、単に下)と称する。また、第1方向Xの長さを幅と称し、第3方向Zの長さを厚さと称する。
【0010】
平面視した場合、表示パネルPNLは、例えば、略長方形状に形成されている。なお、表示パネルPNLは、角部に丸みを帯びたラウンド形状に形成されていてもよい。表示パネルPNLは、第1基板SUB1と、第1基板SUB1と対向する第2基板SUB2と、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に保持された表示機能層(後述する液晶層LC)と、を備えている。第1基板SUB1と第2基板SUB2とは、これらの間に所定のギャップを形成した状態で、シール材SLによって貼り合わせられている。液晶層LCは、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間とシール材SLによって囲まれた空間に充填されている。表示パネルPNLは、シール材SLによって囲まれた内側に画像を表示する表示領域DAを有している。表示領域DAは、例えば、略矩形枠状である。なお、表示領域DAは、他の多角形状であってもよいし、ラウンド形状であってもよい。また、表示パネルPNLは、表示領域DAの外側に非表示領域NDAを有している。
【0011】
表示パネルPNLは、表示領域DAに複数の副画素領域PXを備えている。ここで、副画素領域とは、画素信号に応じて個別に制御することができる最小単位を示し、例えば、後述する走査線と信号線とが交差する位置に配置されたスイッチング素子を含む領域に存在する。また、主画素領域は、複数の副画素領域で構成される。例えば、赤色に対応する副画素領域、緑色に対応する副画素領域、青色に対応する副画素領域により1つの主画素領域が構成される。他の例では、赤色に対応する副画素領域、緑色に対応する副画素領域、青色に対応する副画素領域、白色に対応する副画素領域により1つの主画素領域が構成される。主画素領域は、表示領域DAに表示される画像の最小単位に相当する。複数の副画素領域PXは、表示領域DAにマトリクス状に配置されている。
【0012】
表示パネルPNLは、表示領域DAにおいて、第1方向Xに沿って延出した走査線G、第2方向Yに沿って延出した信号線S、各副画素領域PXにおいて走査線G及び信号線Sと電気的に接続されたスイッチング素子SW、各副画素領域PXにおいてスイッチング素子SWと電気的に接続された画素電極PE、及び、複数の副画素領域PXに亘って形成されている共通電極CEなどを備えている。画素電極PE及び共通電極CEは、例えば、インジウム・ティン・オキサイド(ITO)やインジウム・ジンク・オキサイド(IZO)などの透明な導電材料によって形成されている。
表示パネルPNLは、その背面側に配置されたバックライトユニットからの光を選択的に透過することによって画像を表示する透過型パネルとして構成されている。また、表示パネルは、表示領域に入射する外光を選択的に反射することによって画像を表示する反射型パネルとして構成されてもよいし、透過型及び反射型を組み合わせた半透過型パネルとして構成されてもよい。
【0013】
駆動ICチップ2及びフレキシブル・プリンテッド・サーキット(FPC)基板3などの表示パネルPNLの駆動に必要な信号供給源は、非表示領域NDAに位置している。駆動ICチップ2は、少なくとも第1方向で隣り合う副画素領域PX間で極性が反転する駆動方法を実行する。本実施形態ではカラム反転駆動が採用されている。また、他の駆動方法として、ドット反転駆動も採用可能である。図示した例では、駆動ICチップ2及びFPC基板3は、第2基板SUB2の1つの基板側縁SUB2eよりも外側に延出した第1基板SUB1の実装部MTに実装されている。実装部MTは、第1基板SUB1の1つの基板側縁SUB1eに沿って形成されている。図示していないが、第1基板SUB1は、実装部MTに信号供給源を接続するための接続端子(以下、パッドと称する)を備えている。パッドには、上記の走査線Gや信号線Sなどと電気的に接続されたものが含まれる。なお、図示した例では、第2基板SUB2の他の3つの基板側縁は、第1基板SUB1の他の3つの基板側縁と対向している。なお、駆動ICチップ2は、図示した例に制限されるものではなく、FPC基板3に設けられていてもよい。
シール材SLは、非表示領域NDAに配置され、表示領域DAを囲んでいる。図示した例では、シール材SLは、矩形枠状に形成されている。
【0014】
図2は、第1基板SUB1の構成例を示す平面図である。図2では、第1基板SUB1の主要部を示している。
第1基板SUB1は、走査線G(G1、G2…)、信号線S(S1、S2、S3、S4…)、スイッチング素子SW(SW1、SW2…)、中継電極RE(RE1、RE2…)、金属配線TM(TM1、TM2、TM3…)、共通電極CE(CE1、CE2…)、及び画素電極PE(PE1、PE2…)などを備えている。走査線Gは、第1方向Xに延出し、第2方向Yに一定間隔を置いて並んでいる。図示した例では、走査線G1及びG2が、第2方向Yに一定間隔を置いて並んでいる。信号線Sは、第2方向Yに延出し、第1方向Xに一定間隔を置いて並んでいる。図示した例では、信号線S1、S2、及びS3が、第1方向Xに一定間隔を置いて並んでいる。なお、図示した例では、走査線Gは、直線状に第1方向Xに延出しているが、一部が屈曲していてもよい。また、図示した例では、信号線Sは、直線状に第2方向Yに延出しているが、一部が屈曲していてもよい。図示した例では、走査線Gと信号線Sとは、互いに交差した状態で配置されている。これら走査線と信号線によって区画された領域が副画素領域PX(PX1、PX2…)となる。本実施形態においては、走査線G1及びG2と信号線S1及びS2とによって区画される領域を副画素領域PX1とし、走査線G2及びG3と信号線S2及びS3とによって区画される副画素領域PX2とする。
【0015】
共通電極CEは、各副画素領域PX及び各信号線Sを覆った状態で設けられている。また、共通電極CEは、開口GV(GV1…)を有している。図2に示した例では、共通電極CEは、共通電極CE1と、共通電極CE1から第2方向Yに離間している共通電極CE2とを有している。共通電極CE1は、第1方向Xに並ぶ複数の副画素領域PX群の上端部以外の領域、及び、複数の信号線Sのうち、当該上端部に対応する領域以外の領域を覆っている。共通電極CE2も、上記複数の副画素領域PX群に隣り合って設けられる別の副画素領域PX群に対し、上記共通電極CE1と同じようにこれら画素電極PX群及び複数の信号線Sを覆っている。言い換えると、共通電極CEは、第2方向Yに間隔を置いて並んでいる共通電極CE1及びCE2に間にスリット状の開口GV1を有している。
【0016】
画素電極PEは、各副画素領域PXに配置されている。画素電極PEは、コンタクトホールCH1を介して中継電極REに電気的に接続されている接続部CTと、接続部CTから第1方向Xに突出している突出部PTと、突出部PTから第2方向Yに延出している軸部AXと、該軸部AXから第1方向Xに延出する複数の枝部BRとを有する。軸部AXは、信号線Sに沿って延在しており、軸部AXの基端部である突出部PTは、接続部CTと信号線Sの間に位置すると共に接続部CTに接続されている。なお、画素電極PEの形状は、図示した例に限定されるものではなく、副画素領域PXの形状などに合わせて適宜変更することができる。画素電極PEは、開口GV以外で共通電極CEに重なっている。一例では、画素電極PEの軸部AXや枝部BRは、共通電極CEに重なっており、接続部CTや突出部PTが、開口GVに位置している。突出部PTは、第1方向において、信号線S及び接続部CTと並んで配置され、信号線S及び接続部CTの間に位置している。なお、接続部CTや突出部PTが、共通電極CEに重なっていてもよい。
【0017】
図2に示した例では、画素電極PE1及び画素電極PE2は、第1方向Xに間隔を置いて並んでいる。画素電極PE1(第1画素電極)は、副画素領域PX1に配置されている。画素電極PE1は、コンタクトホールCH11を介して中継電極RE1に電気的に接続されている接続部CT1と、接続部CT1から信号線S1に向かって第1方向Xに突出している突出部PT1と、突出部PT1から第2方向Yに延出している軸部AX1と、該軸部AX1から第1方向Xに延出している複数の枝部BR1とを有する。軸部AX1は、信号線S1に沿って延在しており、軸部AX1の基端部である突出部PT1は、接続部CT1と信号線S1の間に位置すると共に接続部CT1に接続されている。また、接続部CT1や突出部PT1は、開口GV1に位置している。突出部PT1は、第1方向において、信号線S1及び接続部CT1と並んで配置され、信号線S1及び接続部CT1の間に位置している。接続部CT1は、信号線S1から距離DC11で第1方向Xに離間し、信号線S2から距離DC12で第1方向Xに離間している。ここで、距離DC11は、距離DC12よりも大きい。画素電極(第2画素電極)PE2は、副画素領域PX2に配置されている。画素電極PE2は、コンタクトホールCH12を介して中継電極RE2に電気的に接続されている接続部CT2と、接続部CT2から信号線S2に向かって第1方向Xに突出している突出部PT2と、突出部PT2から第2方向Yに延出している軸部AX2と、該軸部AX2から第1方向Xに延出している複数の枝部BR2とを有する。軸部AX2は、信号線S2に沿って延在しており、軸部AX2の基端部である突出部PT2は、接続部CT2と信号線S2の間に位置すると共に接続部CT2に接続されている。また、接続部CT2や突出部PT2は、開口GV1に位置している。突出部PT2は、第1方向において、信号線S2及び接続部CT2と並んで配置され、信号線S2及び接続部CT2の間に位置している。接続部CT2は、信号線S2から距離DC21で第1方向Xに離間し、信号線S3から距離DC22で第1方向Xに離間している。ここで、距離DC21は、距離DC22よりも大きい。一例では、接続部CT1の幅Wc11と接続部CT2の幅Wc21とは、同一である。ここで、同一とは、対象となる2つの物理量が全く同じであることはもちろん、電極間の容量や表示品質の観点からみて実質的に2つの物理量が全く同じと見做せる程度にこれら物理量がわずかに異なる場合も含む(以下同様)。また、距離DC11及び距離DC21は同一であり、距離DC12及び距離DC22も同一である。また、突出部PT1と突出部PT2との大きさは同一である。なお、図2に示した例では、接続部CT1及びCT2は、四角形状に形成されているが、他の形状、例えば、多角形状や楕円形状に形成されていてもよい。突出部PT1及びPT2は、四角形状に形成されているが、他の形状、例えば、台形状に形成されていてもよいし、信号線S1、S2と対向する辺を軸部AX1、AX2から離間するにつれて信号線S1、S2から離間する傾斜状に形成することも可能である。
【0018】
中継電極REは、各副画素領域PXに配置されている。中継電極REは、コンタクトホールCH2を介してスイッチング素子SWに電気的に接続されている。一例では、中継電極REは、共通電極CEに重なっていない。言い換えると、中継電極REは、開口GVに位置している。また、中継電極REは、接続部CTに重なっている。平面視した場合、中継電極REの大きさは、接続部CTの大きさよりも小さい。中継電極REは、信号線S等と同じ材料によって形成されている。中継電極REは、開口GVにおいて、第1方向Xで隣接する2つの信号線Sから異なる距離で離間している。なお、中継電極REが、共通電極CEに重なっていてもよい。中継電極REの大きさは、接続部CTの大きさよりも大きくてもよい。また、中継電極REは、開口GVにおいて、第1方向Xで隣接する2つの信号線Sから同一の距離で離間していてもよい。中継電極RE1は、副画素領域PX1に配置され、コンタクトホールCH21を介してスイッチング素子SW1に電気的に接続されている。中継電極RE1は、開口GV1において、信号線S1から距離DC31で第1方向Xに離間し、信号線S2から距離DC32で第1方向Xに離間している。距離DC31は、距離DC32よりも大きい。中継電極RE2は、副画素領域PX2に配置され、コンタクトホールCH22を介してスイッチング素子SW2に電気的に接続されている。中継電極RE2は、開口GV1において、信号線S2から距離DC41で第1方向Xに離間し、信号線S3から距離DC42で第1方向Xに離間している。中継電極RE1の幅と中継電極RE2の幅とは同一である。この場合、距離DC31と距離DC41とは同一である。また、距離DC32と距離DC42とは同一である。なお、図2に示した例では、中継電極RE1及びRE2は、四角形状に形成されているが、他の形状、例えば、多角形状や楕円形状に形成されていてもよい。
【0019】
スイッチング素子SWは、コンタクトホールCH3(CH31、CH32…)を介して信号線Sに電気的に接続されている。スイッチング素子SWは、半導体層SC(SC1、SC2…)を備えている。図2に示した例では、スイッチング素子SWは、走査線Gと2回交差するダブルゲート型である。スイッチング素子SW1は、副画素領域PX1に設けられ、コンタクトホールCH31を介して信号線S1に電気的に接続されている。スイッチング素子SW1は、半導体層SC1を備えている。スイッチング素子SW1は、走査線G1と2回交差している。なお、スイッチング素子SWは、走査線Gと1回のみ交差するシングルゲート型であってもよい。
【0020】
信号線Sは、第1方向において、隣接する2つの接続部CTや中継電極REから異なる距離で離間するように形成されている。信号線Sは、開口GVに重なる部分において突出部PTに近い側に凹部DTが形成されている。平面視した場合、凹部DTは、第1方向Xにおいて、突出部PTに対向し、突出部PTに対して反対側に窪んでいる。信号線Sにおいて凹部DT等が形成される開口GVに重なる部分を調整部AD(AD1、AD2…)と称する。凹部DTが形成された信号線Sの調整部AD(AD1、AD2…)の幅Ws2は、周囲の信号線S、例えば、共通電極CEに重なる信号線Sの部分の幅Ws1よりも小さい。幅Ws2は、例えば、幅Ws1よりも0.数μm小さい。なお、調整部ADは、共通電極CEに重なっていてもよい。言い換えると、凹部DTは、共通電極CEに重なっていてもよい。調整部AD2は、突出部PT2に近い側に凹部DT2が形成されている。平面視した場合、凹部DT2は、第1方向Xにおいて、突出部PT2に対向し、突出部PT2に対して反対側に窪んでいる。調整部AD2は、接続部CT1から距離DC12で第1方向Xに離間し、接続部CT2から距離DC21で第1方向Xに離間している。また、調整部AD2は、中継電極RE1から距離DC32で第1方向Xに離間し、中継電極RE2から距離DC41で第1方向Xに離間している。距離DC21は、距離DC12よりも凹部DT2が窪んでいる分だけ大きい。距離DC41は、距離DC32よりも凹部DT2の窪んでいる分だけ大きい。例えば、信号線S2は、接続部CT1及び接続部CT2との間に同等の寄生容量(以下、単に容量と称する場合もある)を形成する。なお、信号線S2は、接続部CT1及び接続部CT2との間に若干異なる容量を形成していてもよい。
【0021】
金属配線TMは、第2方向Yに延出し、第1方向Xに間隔を置いて並んでいる。金属配線TMは、信号線Sに重なっている。金属配線TMは、共通電極CEに電気的に接続されている。開口GVを通過する金属配線TMの部分(以下、ブリッジ配線と称する)BGは、開口GVを跨いで開口GVの前後で共通電極CEに接続されている。また、ブリッジ配線BGは、調整部ADに重なっているが、接続部CT及び中継電極REには重なっていない。金属配線TMの幅は、例えば、信号線Sの幅Ws1と同一であってもよい。金属配線TMは、モリブデン(Mo)などの金属材料や、モリブデンを主成分とする金属材料を組み合わせた合金などによって形成されている。図2に示した例では、金属配線TM1、TM2、及びTM3が、第1方向Xに一定間隔を置いて並んでいる。金属配線TM1、TM2、及びTM2は、それぞれ、信号線S1、S2、及びS3に重なっている。金属配線TM1、TM2、及びTM3は、それぞれ、共通電極CE1及び共通電極CE2に電気的に接続されている。一例では、金属配線TM2のブリッジ配線BG2は、開口GV1を跨いで共通電極CE1及びCE2に接続されている。また、ブリッジ配線BG2は、調整部AD2に重なっているが、接続部CT1、CT2や中継電極RE1、RE2には重なっていない。
【0022】
図3は、図2に示したIII-IIIに沿って切断した表示装置DSPの構成例を示す断面図である。
第1基板SUB1は、スイッチング素子SW、信号線S、金属配線TM、共通電極CE、第1絶縁基板10、絶縁層11、12、13、14、15、第1配向膜AL1などを備えている。なお、第1基板SUB1は、図示した例に限らず、他の絶縁層や他の各種層を含んでいてもよい。
【0023】
第1絶縁基板10は、例えば、無アルカリガラス又は透明樹脂によって形成されている。絶縁層11は、第1絶縁基板10の上に位置している。スイッチング素子SWは、絶縁層11の上に位置している。絶縁層12は、絶縁層11及びスイッチング素子SWを覆っている。絶縁層13は、絶縁層12の上に位置している。信号線Sは、絶縁層13の上に位置している。信号線Sは、絶縁層12及び13を貫通するコンタクトホールCH3を介してスイッチング素子SWに接続されている。図示した例では、信号線S1は、絶縁層12及び13を貫通するコンタクトホールCH31を介してスイッチング素子SW1に接続されている。信号線S2は、絶縁層12及び13を貫通するコンタクトホールCH32を介してスイッチング素子SW2に接続されている。絶縁層14は、信号線S及び絶縁層13を覆っている。金属配線TMは、絶縁層14の上に位置し、信号線Sに対向している。共通電極CEは、金属配線TM及び絶縁層14を覆っている。共通電極CEは、金属配線TMに接触している。また、共通電極CEは、各副画素領域PXにおいてスイッチング素子SWの上に位置している。絶縁層15は、共通電極CEの上に位置している。画素電極PEは、絶縁層15の上に位置している。また、画素電極PEは、各副画素領域PXにおいて共通電極CEの上に位置している。絶縁層11乃至13、15は、例えば、無機絶縁層であり、絶縁層14は、例えば、有機絶縁層である。第1配向膜AL1は、画素電極PE及び絶縁層15を覆っている。
【0024】
第2基板SUB2は、第2絶縁基板20、カラーフィルタCF、オーバーコート層OC、及び第2配向膜AL2などを備えている。なお、第2基板SUB2は、図示した例に限らず、他の絶縁層や他の各種層を含んでいてもよい。
第2絶縁基板20は、例えば、無アルカリガラス又は透明樹脂によって形成されている。カラーフィルタCFは、第2絶縁基板20の下に位置している。オーバーコート層OCは、カラーフィルタCFの下に位置している。カラーフィルタCFは、例えば、赤色カラーフィルタ、緑色カラーフィルタ、及び青色カラーフィルタを有している。また、カラーフィルタCFは、他の色のカラーフィルタ、例えば、白色カラーフィルタを有していてもよい。第2配向膜AL2は、オーバーコート層OCの下に位置している。
第1偏光板PL1を含む第1光学素子OD1は、第1絶縁基板10と照明装置BLとの間に位置している。第2偏光板PL2を含む第2光学素子OD2は、第2絶縁基板20の上に位置している。第1光学素子OD1及び第2光学素子OD2は、必要に応じて位相差板を含んでいてもよい。
【0025】
図4は、図2に示したIV-IVに沿って切断した表示装置DSPの構成例を示す断面図である。ここでは、説明に必要な構成のみを示している。
第1基板SUB1は、中継電極REなどをさらに備えている。中継電極REは、絶縁層13及び絶縁層14の間に位置している。中継電極REは、各副画素領域PXにおいて調整部AD(信号線S又は凹部DT)と同層に位置している。スイッチング素子SW(半導体層SC)は、調整部ADに対向している。ブリッジ配線BGは、調整部ADの上に位置し、調整部ADに対向している。言い換えると、ブリッジ配線BGは、凹部DTの上に位置し、凹部DTに対向している。また、接続部CTは、絶縁層15の上に位置し、第1方向Xに間隔を置いて並んでいる。接続部CTは、絶縁層14及び15を貫通するコンタクトホールCH1を介して中継電極REに接続されている。言い換えると、接続部CTは、絶縁層14及び15の間に位置する開口GVを介して中継電極REに接続されている。図4に示した例では、中継電極RE1及び中継電極RE2は、絶縁層13及び絶縁層14の間に位置し、第1方向Xで離間している。中継電極RE1は、副画素領域PX1に位置し、調整部AD1やAD2と同層に位置している。中継電極RE2は、副画素領域PX2に位置し、調整部AD1やAD2と同層に位置している。スイッチング素子SW1は、調整部AD1に対向し、スイッチング素子SW2は、調整部AD2に対向している。ブリッジ配線BG1は、調整部AD1の上に位置し、調整部AD1に対向している。ブリッジ配線BG2は、調整部AD2の上に位置し、調整部AD2に対向している。接続部CT1及び接続部CT2は、絶縁層15の上に位置し、第1方向Xで離間している。接続部CT1は、絶縁層14及び15を貫通するコンタクトホールCH11を介して中継電極RE1に接続されている。接続部CT2は、絶縁層14及び15を貫通するコンタクトホールCH12を介して中継電極RE2に接続されている。一例では、調整部AD2と接続部CT2との間の距離DC23は、調整部AD2と接続部CT1との間の距離DC13よりも大きい。また、調整部AD2と接続部CT1との間に形成された容量Cs1と調整部AD2と接続部CT2との間に形成された容量Cs2とは、同一である。ブリッジ配線BG2の幅は、例えば、調整部AD2の幅よりも大きい。図示した例では、ブリッジ配線BG2は、第1方向Xにおいて、調整部AD2に対して接続部CT2側に延出している。この場合、ブリッジ配線BG2は、容量Cs2を抑制することが可能である。なお、ブリッジ配線BG2は、第1方向Xにおいて、調整部AD2に対して接続部CT1側に延出していてもよいし、接続部CT1側及び接続部CT2側に延出していてもよい。
【0026】
図5は、図2に示したV-Vに沿って切断した表示装置DSPの構成例を示す断面図である。ここでは、説明に必要な構成のみを示している。
中継電極REは、各副画素領域PXにおいて、絶縁層12及び13を貫通するコンタクトホールCH2を介してスイッチング素子SWに接続されている。つまり、図4及び図5から、接続部CTは、各副画素領域PXにおいて、中継電極REを介してスイッチング素子SWに接続されている。図5に示した例では、中継電極RE1は、副画素領域PX1において、絶縁層12及び13を貫通するコンタクトホールCH21を介してスイッチング素子SW1に接続されている。中継電極RE2は、副画素領域PX2において、絶縁層12及び13を貫通するコンタクトホールCH22を介してスイッチング素子SW2に接続されている。図4及び図5から、接続部CT1は、副画素領域PX1において中継電極RE1を介してスイッチング素子SW1に接続されている。接続部CT2は、副画素領域PX2において中継電極RE2を介してスイッチング素子SW2に接続されている。
【0027】
本実施形態によれば、表示装置DSPは、接続部CT及び突出部PTを有する画素電極PEと、突出部PTに近い側に凹部DTを有する調整部ADとを備えている。接続部CT、突出部PT、調整部ADは、開口GVに重なっている。凹部DTは、第1方向Xにおいて、隣接する2つの接続部CTの間で突出部PTに対して反対側に窪んでいる。そのため、本実施形態に係る表示装置DSPは、高精細化された場合であっても、これによって、信号線Sと信号線Sに第1方向Xにおいて隣接する2つの接続部CTとの間に形成される容量が調整される。具体的には、信号線Sに表示信号が供給されると、開口GVにて、信号線Sと、当該信号線Sの両側に位置する画素電極PEとの間でそれぞれ容量が発生する。この際、本実施例の如く開口GVにおける画素電極PEの接続部CTや、中継電極REと信号線Sの間隔を調整することにより、これら信号線Sの両側における容量の大きさが可及的等しくなる。
【0028】
この点、従来の画素構造であれば、共通電極に形成される開口部は、画素電極の接続部周辺にのみ設けられ、信号線と画素電極の間には共通電極が介在する。そして、かかる共通電極によってこれら画素電極と信号線との間の容量発生を抑制していた。これに対し、本実施形態の如く画素ピッチを著しく小さくした高精細な表示パネルでは、画素ピッチが小さ過ぎるために、上述の如く画素電極の接続部周辺にだけ開口を形成することができず、画素電極と信号線との間に共通電極を介在させることができない。結果として、両画素電極と信号線との間の容量の発生を抑制することができない。そこで、本実施形態では、かかる容量発生を許容する一方、当該容量の左右のバランスを調整することで、容量発生にも拘わらず、かかる容量が表示に影響することを最小限に抑えるものとしているのである。
【0029】
また、本実施形態においては、開口GVにて、信号線Sと、当該信号線Sに接続される画素電極PEや中継電極REとの距離(例えばDC21、DC41)の方が、当該信号線Sに接続されない画素電極PEとの距離(例えばDC12、DC32)よりも大きい。このように、信号線Sから画素信号の供給を受ける画素電極PEの方を当該信号線Sからより遠ざけることで、バランスを取るべき容量自体の大きさも低減されるのである。この結果、本実施形態では、表示品質を落とすことなく高精細化が可能な表示装置が提供される。
【0030】
次に、本実施形態の他の変形例について図6乃至図12を参照しながらそれぞれ説明する。以下に説明する本実施形態の他の変形例において、前述した実施形態と同一の部分には、同一の参照符号を付しその詳細な説明を省略し、前述した実施形態と異なる部分を中心に詳細に説明する。なお、他の変形例においても、前述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(変形例1)
図6に示した変形例1は、図2に示した構成例と比較して、画素電極PEが前述した実施形態の構成と相違している。
画素電極PEの接続部CTは、中継電極と重ならない非重畳部NSを有しており、接続された突出部PTに近い側となる非重畳部NS1の幅は、接続された突出部PTに近い側と反対側(以下、突出部PTから遠い側と称する)となる非重畳部NS2の幅よりも小さい。非重畳部NS1は、第1方向Xにおいて、突出部PT側に位置する信号線Sと反対側となる位置に形成されている。例えば、コンタクトホールCH1を0.数μm小さくすることで、非重畳部NS1を形成するためのマージンが接続部CTに形成される。非重畳部NS2は、第1方向Xにおいて突出部PT側に位置する信号線S側となる位置に形成されている。図6に示した例では、接続部CT1は、第1方向Xにおいて突出部PT1に近い側となる非重畳部NS11と、突出部PT1から遠い側となる非重畳部NS21とを有している。非重畳部NS11の幅は、非重畳部NS21の幅よりも小さい。言い換えると、非重畳部NS11は、第1方向Xにおいて信号線S1と反対側に窪んでいる。接続部CT1は、信号線S1から距離DC14で第1方向Xに離間し、信号線S2から距離DC12で第1方向Xに離間している。ここで、距離DC14は、前述した距離DC11よりも大きく、且つ距離DC12よりも大きい。接続部CT1の幅Wc12は、前述した幅Wc11よりも小さい。接続部CT2は、第1方向Xにおいて突出部PT2に近い側となる非重畳部NS12と、突出部PT2から遠い側となる非重畳部NS22とを有している。非重畳部NS12の幅、非重畳部NS22の幅よりも小さい。言い換えると、非重畳部NS21は、第1方向Xにおいて信号線S2と反対側に窪んでいる。接続部CT2は、信号線S2から距離DC24で第1方向Xに離間し、信号線S3から距離DC22で第1方向Xに離間している。ここで、距離DC24は、前述した距離DC11より大きく、且つ距離DC22よりも大きい。接続部CT2の幅Wc22は、前述した幅Wc21よりも小さい。距離DC14及び距離DC24は、例えば、同一である。また、幅Wc12及び幅Wc22は、同一である。変形例1においても、前述した実施形態と同様の効果が得られる。
【0031】
(変形例2)
図7に示した変形例2は、図2に示した構成例と比較して、信号線Sが前述した実施形態の構成と相違している。
図7に示す例では、隣接する2つの接続部CTとの間に同一の容量を形成するように、信号線Sの幅が調整されている。例えば、信号線Sは、全体が幅Ws2で形成されている。信号線S2は、接続部CT1から距離DC12で第1方向Xに離間し、接続部CT2から距離DC21で第1方向Xに離間している。変形例2においても、前述した実施形態と同様の効果が得られる。
【0032】
(変形例3)
図8に示した変形例3は、図2に示した構成例と比較して、信号線Sが前述した実施形態の構成と相違している。
隣接する2つの接続部CTとの間に同一の容量を形成するように、第1方向Xにおいて、信号線Sの位置が調整されている。例えば、信号線S2は、全体が幅Ws1で形成されている。信号線S2は、接続部CT1から距離DC15で第1方向Xに離間し、接続部CT2から距離DC21で第1方向Xに離間している。また、信号線S2は、中継電極RE1から距離DC33で第1方向Xに離間し、中継電極RE2から距離DC41で第1方向Xに離間している。ここで、距離DC15は、前述した距離DC12よりも小さく、且つ距離DC11よりも小さい。距離DC25は、前述した距離DC22よりも小さく、且つ距離DC21よりも小さい。距離DC33は、前述した距離DC32よりも小さく、且つ距離DC31よりも小さい。距離DC43は、前述した距離DC42よりも小さく、且つ距離DC41よりも小さい。距離DC15及び距離DC25は、同一であり、距離DC33及び距離DC43も同一である。変形例3においても、前述した実施形態と同様の効果が得られる。
なお、本変形例においては、平面視で金属配線TMに信号線が重畳しているものの、僅かに信号線の一部が金属配線と重なっていない。これに限らず、信号線全体を金属配線に重畳させた構成も採用可能である。
【0033】
(変形例4)
図9に示した変形例4は、図2に示した構成例と比較して、共通電極CEが前述した実施形態の構成と相違している。
共通電極CEは、第2方向に延出し、第1方向Xに間隔を置いて配置されている複数のブリッジ部ET(ET1、ET2、ET3…)と複数の開口GV(GV2、GV3…)とを有している。共通電極CEにおいて、開口GVは、第1方向Xで隣接する2つのブリッジ部ETの間に形成されている。ブリッジ部ETは、信号線Sに重なっている。ブリッジ部ETは、接続部CT及び中継電極REに重なっていない。ブリッジ部ETの幅は、例えば、信号線Sの幅Ws1と同一であってもよい。図9に示した例では、ブリッジ部ET1、ET2、及びET3は、第1方向Xに一定間隔を置いて配置されている。ブリッジ部ET1、ET2、及びET3は、それぞれ、信号線S1、S2、及びS3に重なっている。一例では、ブリッジ部ET2は、接続部CT1、CT2や中継電極RE1、RE2に重なっていない。開口GV2は、共通電極CE1、CE2とブリッジ部ET1、ET2とで区画されて形成されている。開口GV3は、共通電極CE1、CE2とブリッジ部ET2、ET3とで区画されて形成されている。変形例4においても、前述した実施形態と同様の効果が得られる。
【0034】
(変形例5)
図10に示した変形例5は、図2に示した構成例と比較して、信号線Sの構成が前述した実施形態の構成と相違している。
図10に示した例では、接続部CT1は、信号線S1から距離DC16で第1方向Xに離間し、信号線S2から距離DC17で第1方向Xに離間している。ここで、距離DC16は、距離DC17よりも大きい。接続部CT2は、信号線S2から距離DC26で第1方向Xに離間し、信号線S3から距離DC27で第1方向Xに離間している。ここで、距離DC26は、距離DC27よりも大きい。一例では、距離DC16及び距離DC26は同一であり、距離DC17及び距離DC27も同一である。
【0035】
図10に示した例では、中継電極RE1は、開口GV1において、信号線S1から距離DC34で第1方向Xに離間し、信号線S2から距離DC35で第1方向Xに離間している。距離DC34は、距離DC35よりも大きい。中継電極RE2は、開口GV1において、信号線S2から距離DC44で第1方向Xに離間し、信号線S3から距離DC45で第1方向Xに離間している。中継電極RE1の幅と中継電極RE2の幅とは同一である。この場合、距離DC34と距離DC44とは同一である。また、距離DC35と距離DC45とは同一である。
【0036】
信号線Sは、開口GVに重なる部分において突出部PTから遠い側に凸部CVを有している。言い換えると、調整部ADは、突出部PTから遠い側に凸部CVを有している。凸部CVは、第1方向Xにおいて、突出部PTに対して反対側に突出している。調整部ADの幅Ws3は、周囲の信号線Sの幅、例えば、幅Ws1よりも大きい。幅Ws3は、例えば、幅Ws1よりも0.数μ大きい。なお、凸部CVは、共通電極CEに重なっていてもよい。また、幅Ws3は、金属配線TMの幅よりも大きくてもよい。調整部AD2は、突出部PT2から遠い側に凸部CV2を有している。凸部CV2は、第1方向Xにおいて突出部PT2に対して反対側に突出している。調整部AD2は、接続部CT1から距離DC17で第1方向Xに離間し、接続部CT2から距離DC26で第1方向Xに離間している。また、調整部AD2は、中継電極RE1から距離DC35で第1方向Xに離間し、中継電極RE2から距離DC44で第1方向Xに離間している。距離DC26は、距離DC17よりも凸部CV2が突出している分だけ大きい。距離DC44は、距離DC35よりも凸部CV2が突出している分だけ大きい。変形例5においても、前述した実施形態と同様の効果が得られる。
【0037】
(変形例6)
図11に示した変形例6は、図10に示した構成例と比較して、信号線Sの構成が前述した実施形態の構成と相違している。
図11に示した例では、接続部CT1は、信号線S1から距離DC11で第1方向Xに離間し、信号線S2から距離DC17で第1方向Xに離間している。ここで、距離DC11は、距離DC17よりも大きい。接続部CT2は、信号線S2から距離DC21で第1方向Xに離間し、信号線S3から距離DC27で第1方向Xに離間している。ここで、距離DC21は、距離DC27よりも大きい。
【0038】
図11に示した例では、中継電極RE1は、開口GV1において、信号線S1から距離DC31で第1方向Xに離間し、信号線S2から距離DC35で第1方向Xに離間している。距離DC31は、距離DC35よりも大きい。中継電極RE2は、開口GV1において、信号線S2から距離DC41で第1方向Xに離間し、信号線S3から距離DC45で第1方向Xに離間している。
【0039】
信号線Sは、開口GVに重なる部分において凹部DTと凸部CVとを有している。言い換えると、調整部ADは、凹部DTと凸部CVとを有している。調整部ADの幅Ws4は、幅Ws1と同一である。なお、幅Ws4は、幅Ws1よりも大きくてもよいし、小さくてもよい。また、幅Ws4は、金属配線TMの幅と同一であってもよいし、金属配線TMの幅よりも大きくてもよいし、金属配線TMの幅よりも小さくてもよい。調整部AD2は、凹部DT2と凸部CV2とを有している。調整部AD2は、接続部CT1から距離DC17で第1方向Xに離間し、接続部CT2から距離DC21で第1方向Xに離間している。また、調整部AD2は、中継電極RE1から距離DC35で第1方向Xに離間し、中継電極RE2から距離DC41で第1方向Xに離間している。距離DC21は、距離DC17よりも凹部DT2が窪み、且つ凸部CV2が突出している分だけ大きい。距離DC41は、距離DC35よりも凹部DT2が窪み、且つ凸部CV2が突出している分だけ大きい。変形例6においても、前述した実施形態と同様の効果が得られる。
【0040】
(変形例7)
図12に示した変形例7は、図2に示した構成例と比較して、画素電極PEが前述した実施形態の構成と相違している。
画素電極PEの接続部CTは、接続された突出部PTから遠い側となる非重畳部NS2の幅が突出部PTに近い側となる非重畳部NS1の幅よりも大きい。図12に示した例では、非重畳部NS21の幅は、非重畳部NS11の幅よりも大きい。言い換えると、非重畳部NS21は、信号線S2に向かって突出している。接続部CT1は、信号線S1から距離DC16で第1方向Xに離間し、信号線S2から距離DC17で第1方向Xに離間している。接続部CT1の幅Wc13は、前述した幅Wc11よりも大きい。非重畳部NS22の幅は、非重畳部NS12の幅よりも大きい。言い換えると、非重畳部NS22は、信号線S3に向かって突出している。接続部CT2は、信号線S2から距離DC26で第1方向Xに離間し、信号線S3から距離DC27で第1方向Xに離間している。接続部CT2の幅Wc23は、前述した幅Wc21よりも大きい。変形例7においても、前述した実施形態と同様の効果が得られる。
【0041】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0042】
DSP…表示装置、SUB1…第1基板、SUB2…第2基板、S…信号線、PE…画素電極、CE…共通電極、10…第1絶縁基板、11、12、13、14、15…絶縁層、20…第2絶縁基板、BM…遮光層、CF…カラーフィルタ、OC…オーバーコート層、AL1…第1配向膜、AL2…第2配向膜、PL1…第1偏光板、PL2…第2偏光板。
図1
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図12