(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-12
(45)【発行日】2023-06-20
(54)【発明の名称】顧客管理装置、プログラム及び顧客管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230613BHJP
G06Q 40/08 20120101ALI20230613BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q40/08
(21)【出願番号】P 2021163278
(22)【出願日】2021-10-04
【審査請求日】2021-10-08
【審判番号】
【審判請求日】2022-03-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521084080
【氏名又は名称】眞野 篤師
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】眞野 篤師
【合議体】
【審判長】高瀬 勤
【審判官】梶尾 誠哉
【審判官】古川 哲也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/075414(WO,A1)
【文献】特開2020-113033(JP,A)
【文献】特開2017-91439(JP,A)
【文献】特開2021-152825(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客管理装置であって、
取得部と、算出部と、通知部とを備え、
前記取得部は、トリガー情報が受信された場合、第1顧客の情報を示す第1顧客情報を取得し、
前記トリガー情報は、金融制度の改廃情報、金融関連商品の改廃情報、タイマーの動作情報及び新規顧客の登録情報の少なくとも1つを含み、
前記算出部は、前記第1顧客情報と、参照情報とに基づいて、前記第1顧客に対する金融関連商品の提案時期及び提案内容を算出し、
前記参照情報は、過去に金融関連商品を契約した第2顧客の情報を示す第2顧客情報と、前記第2顧客による金融関連商品の契約時期と、前記第2顧客による金融関連商品の契約内容との関係を示す情報であり、
前記通知部は、前記提案時期及び前記提案内容を通知する、
顧客管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の顧客管理装置において、
前記参照情報は、前記第2顧客情報と、前記契約時期
及び契約内容との関係を教師データとして、予め学習させた学習済みモデルである、
顧客管理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の顧客管理装置において、
学習部を備え、
前記学習部は、前記第1顧客情報と、前記提案時期
及び提案内容との関係を教師データとして、前記学習済みモデルを生成又は更新する、
顧客管理装置。
【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の顧客管理装置において、
前記通知部は、前記提案時期
及び提案内容を定期的に通知する、
顧客管理装置。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の顧客管理装置において、
前記通知部は、前記提案時期の所定時間前に、前記提案時期
及び提案内容を通知する、
顧客管理装置。
【請求項6】
請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の顧客管理装置において、
前記取得部は、Webサイトの巡回処理を実行することで、Webサイトから前記第1顧客情報を取得する、
顧客管理装置。
【請求項7】
請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の顧客管理装置において、
前記金融関連商品は、保険商品、金融商品及び不動産の少なくとも1つを含む、
顧客管理装置。
【請求項8】
請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の顧客管理装置において、
前記第1顧客情報及び前記第2顧客情報は、家族構成、地域、トレンド及び健康状態の少なくとも1つを含む、
顧客管理装置。
【請求項9】
プログラムであって、
請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の顧客管理装置の各部としてコンピュータを機能させる、
プログラム。
【請求項10】
顧客管理方法であって、
取得工程と、算出工程と、通知工程とを備え、
前記取得工程では、トリガー情報が受信された場合、第1顧客の情報を示す第1顧客情報を取得し、
前記トリガー情報は、金融制度の改廃情報、金融関連商品の改廃情報、タイマーの動作情報及び新規顧客の登録情報の少なくとも1つを含み、
前記算出工程では、前記第1顧客情報と、参照情報とに基づいて、前記第1顧客に対する金融関連商品の提案時期及び提案内容を算出し、
前記参照情報は、過去に金融関連商品を契約した第2顧客の情報を示す第2顧客情報と、前記第2顧客による金融関連商品の契約時期と、前記第2顧客による金融関連商品の契約内容との関係を示す情報であり、
前記通知工程では、前記提案時期及び前記提案内容を通知する、
顧客管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客管理装置、プログラム及び顧客管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
利用者に提案する保険商品の組み合わせを決定する決定装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、保険商品等を取り扱うファイナンシャルプランナーは、顧客から相談を受けた際に、現時点での適切な保険商品を提案する。しかしながら、ファイナンシャルプランナーは、自身が有する顧客情報に基づいて、例えば5年後に保険商品を提案することを想定していない。すなわち、ファイナンシャルプランナーは、顧客情報を十分に管理することができていなかった。
【0005】
本発明では上記事情を鑑み、顧客情報の管理を支援することができる顧客管理装置を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、顧客管理装置が提供される。この顧客管理装置は、取得部と、算出部と、通知部とを備える。取得部は、第1顧客の情報を示す第1顧客情報を取得する。算出部は、第1顧客情報と、参照情報とに基づいて、第1顧客に対する金融関連商品の提案時期を算出する。参照情報は、過去に金融関連商品を契約した第2顧客の情報を示す第2顧客情報と、第2顧客による金融関連商品の契約時期との関係を示す情報である。通知部は、提案時期を通知する。
【0007】
上記の開示によれば、顧客情報の管理を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】顧客管理装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】顧客管理装置100(制御部110)によって実現される機能を示すブロック図である。
【
図3】顧客管理装置100によって実行される情報処理の流れを示すアクティビティ図である。
【
図4】顧客Aの情報を示す第1顧客情報の一例を示す図である。
【
図5】通知部113の通知内容の一例を示す図である。
【
図6】通知部113の通知内容の別の一例を示す図である。
【
図7】顧客管理装置100によって実行される情報処理の流れを示すアクティビティ図である。
【
図8】顧客管理装置100によって実行される情報処理の流れを示すアクティビティ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ハードウェア構成
第1節では、本実施形態のハードウェア構成について説明する。
【0014】
図1は、顧客管理装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。顧客管理装置100は、制御部110と、記憶部120と、表示情報生成部130と、入力受付部140と、通信部150とを有し、これらの構成要素が顧客管理装置100の内部において通信バス160を介して電気的に接続されている。各構成要素についてさらに説明する。
【0015】
制御部110は、顧客管理装置100に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部110は、例えば、不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部110は、記憶部120に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、顧客管理装置100に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部120に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部110によって具体的に実現されることで、制御部110に含まれる各機能部として実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部110は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部110を有するように実施してもよい。またそれらの組み合わせであってもよい。
【0016】
記憶部120は、顧客管理装置100の情報処理に必要な様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部110によって実行される顧客管理装置100に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組み合わせであってもよい。
【0017】
表示情報生成部130は、テキスト、画像(静止画及び動画を含む)を表示するものであり、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示デバイスに表示する情報を生成する。
【0018】
入力受付部140は、顧客管理装置100に種々の情報を入力するものであり、マウス、キーボード、ポインティングデバイス等から入力される信号を受け付ける。ユーザによってなされた操作入力は、命令信号として、通信バス160を介して制御部110に転送される。そして、制御部110は、必要に応じて所定の制御や演算を実行しうる。
【0019】
通信部150は、USB、IEEE1394、Thunderbolt、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、5G/LTE/3G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。すなわち、顧客管理装置100は、通信部150を介して、他の装置やサーバとネットワークを介して種々の情報を通信する。
【0020】
2.機能構成
第2節では、本実施形態の機能構成について説明する。前述の通り、記憶部120に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部110によって具体的に実現されることで、制御部110に含まれる各機能部として実行されうる。
【0021】
図2は、顧客管理装置100(制御部110)によって実現される機能を示すブロック図である。具体的には、顧客管理装置100は、取得部111と、算出部112と、通知部113と、学習部114とを備える。
【0022】
取得部111は、種々の情報を取得するように構成される。例えば、取得部111は、顧客管理装置100を利用するユーザの顧客である第1顧客の各種情報を示す第1顧客情報を取得する。
【0023】
算出部112は、種々の情報を算出するように構成される。例えば、算出部112は、取得した第1顧客情報と、予め記憶された参照情報とに基づいて、第1顧客に対する金融関連商品の提案時期を算出する。
【0024】
通知部113は、種々の情報を通知するように構成される。例えば、通知部113は、算出した金融関連商品の提案時期を通知する。
【0025】
学習部114は、種々の情報を学習するように構成される。例えば、学習部114は、取得した第1顧客情報と、算出した金融関連商品の提案時期との関係を教師データとして、学習済みモデルを生成又は更新する。機械学習のアルゴリズムは特に限定されず、k近傍法、ロジスティック回帰、サポートベクターマシン、ニューラルネットワーク、トピックモデル、混合ガウスモデル等が適宜採用されればよい。
【0026】
3.情報処理方法
第3節では、前述した顧客管理装置100の情報処理方法、すなわち顧客管理方法について説明する。この顧客管理方法は、取得工程と、算出工程と、通知工程とを備える。取得工程では、第1顧客の情報を示す第1顧客情報を取得する。算出工程では、取得した第1顧客情報と、予め記憶された参照情報とに基づいて、第1顧客に対する金融関連商品の提案時期を算出する。ここで、参照情報は、過去に金融関連商品を契約した第2顧客の情報を示す第2顧客情報と、第2顧客による金融関連商品の契約時期との関係を示す情報である。通知工程では、算出した金融関連商品の提案時期を通知する。
【0027】
図3は、顧客管理装置100によって実行される情報処理の流れを示すアクティビティ図である。以下、このアクティビティ図の各アクティビティに沿って、説明するものとする。ここで、金融関連商品は、保険商品、金融商品及び不動産の少なくとも1つを含むものであればよく、本実施形態では、保険商品を示すものとして説明する。また、顧客管理装置100を利用するユーザの顧客(請求項の第1顧客に相当)は、顧客Aとする。
【0028】
なお、保険商品は、例えば、定期保険、養老保険、終身保険等の生命保険、自動車保険、火災保険、賠償責任保険等の損害保険、医療保険、がん保険、傷害保険、介護保険等を示す。また、金融商品は、例えば、預金、投資信託、株式、社債、公債等を示す。さらに、不動産は、例えば、住宅ローン、不動産投資等を示す。
【0029】
まず、制御部110は、情報処理を実行するトリガーとなるトリガー情報を受信するまで待機する(アクティビティA110)。ここで、トリガー情報は、例えば、金融制度の改廃情報、金融関連商品の改廃情報、タイマーの動作情報、新規顧客の登録情報等が挙げられる。本実施形態では、トリガー情報は、タイマーの動作情報を示すものとする。
【0030】
続いて、取得部111は、顧客Aの情報を示す第1顧客情報を取得する(アクティビティA120)。すなわち、例えば、制御部110は、通信部150が受信した第1顧客情報を記憶部120に記憶させる。
【0031】
本実施形態では、取得部111は、Webサイトから第1顧客情報を取得する。すなわち、例えば、制御部110は、記憶部120に記憶されたWeb巡回プログラムを読み出し、取得処理を実行することで、Webサイトから第1顧客情報を取得する。Webサイトは、Webページ、ブログ、SNS(Social Networking Service)等から構成される。制御部110は、Webサイトから取得された第1顧客情報中に、例えば、顧客Aが転勤して居住地域が変更になった情報、子が出生して家族構成が変更になった情報等があれば、記憶部120に記憶された第1顧客情報を更新してもよい。
【0032】
続いて、算出部112は、顧客Aの情報を示す第1顧客情報と、参照情報とに基づいて、顧客Aに対する保険商品の提案時期を算出する。本実施形態では、算出部112は、顧客Aに対する保険商品の提案内容をさらに算出する(アクティビティA130)。すなわち、例えば、制御部110は、記憶部120に記憶された、第1顧客情報と、参照情報とを読み出し、算出処理を実行することで、第1顧客に対する保険商品の提案時期及び提案内容を算出する。
【0033】
ここで、参照情報は、過去に保険商品を契約した顧客(以下「契約顧客」という。)の情報を示す第2顧客情報と、当該契約顧客による保険商品の契約時期と、当該契約顧客による保険商品の契約内容との関係を示す情報である。参照情報は、記憶部120から読み出して利用する形態であってもよいし、他の装置の記憶部から読み出して利用する形態であってもよいし、任意の記録媒体から読み出して利用する形態であってもよい。
【0034】
好ましくは、参照情報は、契約顧客の情報を示す第2顧客情報と、当該契約顧客による保険商品の契約時期と、当該契約顧客による保険商品の契約内容との関係を教師データとして、予め学習させた学習済みモデルである。機械学習を用いることで、顧客に保険商品を提案する好適な時期を高精度に算出することができる。本実施形態では、参照情報を学習済みモデルとして説明する。
【0035】
続いて、通知部113は、顧客Aに対する保険商品の提案時期と、提案内容とを通知する。(アクティビティA140)。すなわち、例えば、制御部110は、記憶部120に記憶された、顧客Aに対する保険商品の提案時期及び提案内容を読み出し、通知処理を実行することで、当該提案時期及び提案内容を通知する。通知の態様は特に限定されず、例えば、顧客管理装置100を利用するユーザの端末にプッシュ通知をしてもよい。当該ユーザの端末は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、デスクトップパソコン、ノートパソコン等であってもよい。
【0036】
図4は、顧客Aの情報を示す第1顧客情報の一例を示す図である。
図4において、顧客情報は、家族構成、地域、トレンド及び健康状態から構成されるが、これに限られず、家族構成、地域、トレンド及び健康状態の少なくとも1つが含まれればよい。ここで、地域は、八地方区分を用いてもよく、例えば、北海道地方、東北地方、関東地方、中部地方、近畿地方、中国地方、四国地方、九州地方が該当する。地域は、例えば、各種保険商品の保険料を考慮するために使用される。また、トレンドは、例えば、顧客の興味・関心等を示す。したがって、トレンドは、例えば、顧客の興味・関心等に基づいた保険商品を提案するために使用される。
【0037】
図4に示すように、顧客Aの生年月日は1979年9月22日、年齢は42歳、職業は会社員であるものとする。顧客Aの妻の生年月日は1988年9月18日、年齢は33歳、職業は会社員であるものとする。顧客Aの子の生年月日は2016年12月1日、年齢は4歳、職業は無職(未就学児)であるものとする。顧客Aは、東京都在住であるため、対応する地域は関東地方であるものとする。顧客Aは、医療問題に関心があるものとする。顧客Aの家族は、いずれも、病歴がないものとする。
【0038】
図5は、通知部113の通知内容の一例を示す図である。算出部112は、
図4に示す第1顧客情報を学習済みモデルに入力する。学習済みモデルは、第1顧客情報に近い条件を有する第2顧客情報と、当該第2顧客情報に関係する保険商品の契約時期と、当該第2顧客情報に関係する保険商品の契約内容とに基づいて、顧客Aに好適な保険商品の契約時期及び契約内容を出力する。
【0039】
例えば、第2顧客情報は、妻子を含めて3人家族で構成され、関東地方に在住し、医療問題に興味・関心を示し、健康状態に問題がない契約顧客に係る情報であるものとする。この契約顧客は、43歳のときに医療保険を契約したものとする。この契約顧客が契約した医療保険は、入院日額5,000円、入院一時金特約を付帯したプランであったものとする。なお、本実施形態では、第2顧客情報、保険商品の契約時期及び契約内容等の各情報を1人の契約顧客に係る情報を例にしているが、これに限られず、1人の契約顧客に係る情報であってもよいし、複数人の契約顧客に係る情報であってもよい。
【0040】
上記の各情報に基づいて、顧客Aへの保険商品の提案時期は、1年後の2022年10月と算出された。また、顧客Aへの保険商品の提案内容は、入院日額5,000円、入院一時金特約を付帯したプランの医療保険と算出された。通知部113は、これらの算出結果をユーザの端末に通知する。
【0041】
図6は、通知部113の通知内容の別の一例を示す図である。本実施形態では、顧客AはSNSを利用しており、SNS上で、自動車を買う予定があることを記載していたとする。
【0042】
制御部110は、タイマーの動作情報を受信する。取得部111は、顧客AのSNSから、上記記載内容と、これに基づく写真等を取得する。制御部110は、テキストマイニングやデータマイニング等を利用し、取得した記載内容及び写真等を解析する。算出部112は、解析した内容と、学習済みモデルとに基づいて、顧客Aに対する保険商品の提案時期及び提案内容を算出する。
【0043】
上記の各情報に基づいて、顧客Aへの保険商品の提案時期は、1ヶ月後の2021年10月と算出された。また、顧客Aへの保険商品の提案内容は、車両保険をつけたうえで、本人・配偶者限定特約を付帯したプランの自動車保険と算出された。通知部113は、これらの算出結果をユーザの端末に通知する。
【0044】
取得部111がWebサイトから第1顧客情報を取得することにより、顧客Aの動向を即座に捉えることができるため、顧客管理装置100を利用するユーザは、顧客Aの動向に応じた適切な金融関連商品を顧客Aに提案することができる。
【0045】
図7は、顧客管理装置100によって実行される情報処理の流れを示すアクティビティ図である。
図7では、特に、通知部113の通知処理の流れを示している。
【0046】
制御部110は、通知部113による通知処理から所定期間が経過したか否かを判断する(アクティビティA210)。所定期間は、任意に定められた期間であればよく、本実施形態では、1ヶ月としている。通知部113による通知処理から1ヶ月が経過したと制御部110が判断した場合(アクティビティA210のYES)、通知部113は、顧客Aに対する保険商品の提案時期と、当該保険商品の提案内容とを通知する(アクティビティA220)。すなわち、通知部113は、顧客Aに対する保険商品の提案時期及び提案内容を定期的に通知するように構成される。
【0047】
続いて、制御部110は、顧客Aへの保険商品の提案時期まで所定期間未満(本実施形態では1ヶ月未満)になったか否かを判断する(アクティビティA230)。顧客Aへの保険商品の提案時期まで1ヶ月未満になったと制御部110が判断した場合(アクティビティA230のYES)、通知部113は、顧客Aに対する保険商品の提案時期及び提案内容を通知する(アクティビティA240)。すなわち、通知部113は、顧客Aに対する保険商品の提案時期の所定時間前に、当該提案時期及び提案内容を通知するように構成される。
【0048】
このような通知部113の通知処理によれば、顧客管理装置100を利用するユーザは、顧客Aへの保険商品の提案の失念を防止することができる。
【0049】
図8は、顧客管理装置100によって実行される情報処理の流れを示すアクティビティ図である。
図8では、特に、学習部114の学習処理を示している。
【0050】
制御部110は、顧客Aに対する保険商品の提案時期が経過するまで待機する(アクティビティA310)。すなわち、本実施形態における顧客Aへの医療保険の提案の例では、制御部110は、2022年10月が経過するまで待機する。2022年10月が経過すると、制御部110は、顧客Aに対する保険商品の契約成否の情報を受け付ける(アクティビティA320)。制御部110が保険商品の契約成立の情報を受け付けると(アクティビティA320のYES)、学習部114は、顧客Aの情報を示す第1顧客情報と、顧客Aに対する保険商品の提案時期と、顧客Aに対する保険商品の提案内容との関係を教師データとして、学習済みモデルを生成又は更新する(アクティビティA330)。
【0051】
このような学習部114の学習処理によれば、金融関連商品の契約が成立した実データを蓄積することで、好適な時期に金融関連商品を提案可能な顧客数を増やすことができる。
【0052】
本実施形態によれば、顧客に対する金融関連商品の提案時期を的確に把握することができる。すなわち、顧客情報の管理を適切に行うことができる。
【0053】
本実施形態の態様は、プログラムであってもよい。このプログラムは、顧客管理装置100の各部としてコンピュータを機能させる。
【0054】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0055】
第1変形例として、通知部113は、金融関連商品の提案時期、提案内容等を、顧客Aの端末に通知してもよい。
【0056】
第1変形例によれば、顧客に対して金融関連商品の情報を提供することができるため、顧客管理装置100を利用するユーザとその顧客との関係性を強化することができる。したがって、顧客管理装置100は、金融関連商品の流通の促進に寄与することができる。
【0057】
第2変形例として、制御部110は、顧客Aに対する保険商品の提案時期が経過するまで待機することなく、顧客Aに対する保険商品の契約成否を常時受け付けるようにしてもよい。
【0058】
第2変形例によれば、保険商品の提案直後に契約が成立する場合等に柔軟に対応することができる。
【0059】
次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記顧客管理装置において、前記参照情報は、前記第2顧客情報と、前記契約時期との関係を教師データとして、予め学習させた学習済みモデルである、顧客管理装置。
前記顧客管理装置において、学習部を備え、前記学習部は、前記第1顧客情報と、前記提案時期との関係を教師データとして、前記学習済みモデルを生成又は更新する、顧客管理装置。
前記顧客管理装置において、前記算出部は、前記第1顧客に対する金融関連商品の提案内容を算出し、前記参照情報は、前記第2顧客情報と、前記契約時期と、前記第2顧客による金融関連商品の契約内容との関係を示す情報であり、前記通知部は、前記提案内容を通知する、顧客管理装置。
前記顧客管理装置において、前記通知部は、前記提案時期を定期的に通知する、顧客管理装置。
前記顧客管理装置において、前記通知部は、前記提案時期の所定時間前に、前記提案時期を通知する、顧客管理装置。
前記顧客管理装置において、前記取得部は、Webサイトから前記第1顧客情報を取得する、顧客管理装置。
前記顧客管理装置において、前記金融関連商品は、保険商品、金融商品及び不動産の少なくとも1つを含む、顧客管理装置。
前記顧客管理装置において、前記顧客情報は、家族構成、地域、トレンド及び健康状態の少なくとも1つを含む、顧客管理装置。
プログラムであって、前記顧客管理装置の各部としてコンピュータを機能させる、プログラム。
顧客管理方法であって、取得工程と、算出工程と、通知工程とを備え、前記取得工程では、第1顧客の情報を示す第1顧客情報を取得し、前記算出工程では、前記第1顧客情報と、参照情報とに基づいて、前記第1顧客に対する金融関連商品の提案時期を算出し、前記参照情報は、過去に金融関連商品を契約した第2顧客の情報を示す第2顧客情報と、前記第2顧客による金融関連商品の契約時期との関係を示す情報であり、前記通知工程では、前記提案時期を通知する、顧客管理方法。
もちろん、この限りではない。
【符号の説明】
【0060】
100 :顧客管理装置
110 :制御部
111 :取得部
112 :算出部
113 :通知部
114 :学習部
120 :記憶部
130 :表示情報生成部
140 :入力受付部
150 :通信部
160 :通信バス