(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-12
(45)【発行日】2023-06-20
(54)【発明の名称】スプリットゲート横方向拡張ドレインMOSトランジスタの構造及びプロセス
(51)【国際特許分類】
H01L 21/336 20060101AFI20230613BHJP
H01L 29/78 20060101ALI20230613BHJP
H01L 21/28 20060101ALI20230613BHJP
【FI】
H01L29/78 301G
H01L29/78 301D
H01L21/28 301S
(21)【出願番号】P 2018543025
(86)(22)【出願日】2016-11-02
(86)【国際出願番号】 US2016060125
(87)【国際公開番号】W WO2017079307
(87)【国際公開日】2017-05-11
【審査請求日】2019-10-23
【審判番号】
【審判請求日】2022-03-10
(32)【優先日】2015-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【氏名又は名称】佐藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー ディー ストラチャン
(72)【発明者】
【氏名】アレクセイ サドブニコフ
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ボグスロー ココン
【合議体】
【審判長】瀧内 健夫
【審判官】鈴木 聡一郎
【審判官】松永 稔
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0115361(US,A1)
【文献】特開2013-247188(JP,A)
【文献】特開2007-235120(JP,A)
【文献】特開2007-227746(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/28
H01L 21/336
H01L 29/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスであって、
p型である半導体材料を含む基板と、
スプリットゲートトランジスタであって、
前記基板に配置されて前記基板の頂部表面まで延在するp型のボディと、
前記基板に配置されて前記ボディに隣接するn型のドレインドリフト領域であって、前記ボディよりも浅く前記基板内に延在し、前記ボディと前記ドレインドリフト領域との間の境界が前記基板の前記頂部表面まで延在する、前記ドレインドリフト領域と、
前記基板に配置されて前記ドレインドリフト領域に隣接するドレインウェル領域であって、前記ドレインドリフト領域よりも深く前記基板内に延在し、前記ドレインドリフト領域よりも大きい不純物濃度を有する、前記ドレインウェル領域と、
前記ドレインウェル領域に配置されるドレイン領域と、
前記基板の前記頂部表面の上に配置されるゲート誘電体層であって、前記基板の前記頂部表面における前記ボディと前記ドレインドリフト領域との間の前記境界の上に位置し、前記ボディの上に少なくとも部分的に延在して前記ドレインドリフト領域の上に少なくとも部分的に延在する、前記ゲート誘電体層と、
前記ゲート誘電体層の上に配置される第1のゲートであって、前記ボディの上に少なくとも部分的に延在する、前記第1のゲートと、
前記第1のゲートに横方向に近接して前記ゲート誘電体層の上に配置される第2のゲートであって、前記ドレインドリフト領域の上に少なくとも部分的に延在し、前記第2のゲートの第1の部分がフィールド酸化物によって前記ドレインドリフト領域から垂直方向に分離され、前記第2のゲートの第2の部分が前記フィールド酸化物ではなくて前記ゲート誘電体層によって前記ドレインドリフト領域から垂直方向に分離され、10ナノメートル~250ナノメートルのギャップによって前記第1のゲートから横方向に分離され、前記基板の前記頂部表面における前記ボディと前記ドレインドリフト領域との間の境界が、前記第1のゲートと前記第2のゲートと前記第1のゲートと前記第2のゲートとの間の前記ギャップとを含む領域の下に位置する、前記第2のゲートと、
を含む、前記スプリットゲートトランジスタと、
を含む、半導体デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、
前記第1のゲートと前記第2のゲートとの間の前記ギャップに配置される誘電材料を更に含む、半導体デバイス。
【請求項3】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、
前記基板の前記頂部表面における前記ボディと前記ドレインドリフト領域との間の前記境界が前記第1のゲートの下に位置する、半導体デバイス。
【請求項4】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、
前記基板の前記頂部表面における前記ボディと前記ドレインドリフト領域との間の前記境界が前記第1のゲートと前記第2のゲートとの間の前記ギャップの下に位置する、半導体デバイス。
【請求項5】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、
前記第1のゲートが前記第2のゲートに上に重ならず、第2のゲートが前記第1のゲートに上に重ならない、半導体デバイス。
【請求項6】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、
前記第1のゲートと前記第2のゲートとの一方が、前記第1のゲートと前記第2のゲートとの他方に上に重なる、半導体デバイス。
【請求項7】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、
前記第2のゲートが前記半導体デバイスのゲート電圧ノードに電気的に結合される、半導体デバイス。
【請求項8】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、
前記第2のゲートが前記半導体デバイスのゲート信号ノードに電気的に結合される、半導体デバイス。
【請求項9】
半導体デバイスであって、
p型である半導体材料を含む基板と、
スプリットゲートトランジスタであって、
前記基板に配置されて前記基板の頂部表面まで延在するp型のボディと、
前記基板に配置されて前記ボディに隣接するn型のドレインドリフト領域であって、前記ボディよりも浅く前記基板内に延在し、前記ボディと前記ドレインドリフト領域との間の境界が前記基板の前記頂部表面まで延在する、前記ドレインドリフト領域と、
前記基板の前記頂部表面の上に配置されるゲート誘電体層であって、前記基板の前記頂部表面における前記ボディと前記ドレインドリフト領域との間の前記境界の上に位置し、前記ボディの上に少なくとも部分的に延在して前記ドレインドリフト領域の上に少なくとも部分的に延在する、前記ゲート誘電体層と、
前記ゲート誘電体層の上に配置される第1のゲートであって、前記ボディの上に少なくとも部分的に延在する、前記第1のゲートと、
前記第1のゲートに横方向に近接して前記ゲート誘電体層の上に配置される第2のゲートであって、前記ドレインドリフト領域の上に少なくとも部分的に延在し、10ナノメートル~250ナノメートルのギャップによって前記第1のゲートから横方向に分離され、前記基板の前記頂部表面における前記ボディと前記ドレインドリフト領域との間の前記境界が、前記第2のゲートの下に位置し、前記第1のゲートの下に位置しない、前記第2のゲートと、
を含む、前記スプリットゲートトランジスタと、
を含む、半導体デバイス。
【請求項10】
半導体デバイスを形成する方法であって、
p型半導体材料を含む基板を提供することと、
前記基板に前記半導体デバイスのスプリットゲートトランジスタのn型のドレインドリフト領域を形成することであって、前記ドレインドリフト領域が前記スプリットゲートトランジスタのp型のボディに隣接して前記ボディよりも浅く前記基板内に延在する、前記ドレインドリフト領域を形成することと、
前記ドレインドリフト領域に隣接するドレインウェル領域を形成することであって、前記ドレインウェル領域がn型であって前記ドレインドリフト領域よりも大きい不純物濃度を有し、前記ドレインウェル領域が前記ドレインドリフト領域よりも深く前記基板内に延在する、前記ドレインウェル領域を形成することと、
前記基板の頂部表面の上に前記スプリットゲートトランジスタのゲート誘電体層を形成することであって、前記ゲート誘電体層が前記基板の前記頂部表面における前記ボディと前記ドレインドリフト領域との間の境界の上に位置し、前記ゲート誘電体層が前記ボディの上に少なくとも部分的に延在して前記ドレインドリフト領域の上に少なくとも部分的に延在する、前記ゲート誘電体層を形成することと、
前記ゲート誘電体層の上に前記スプリットゲートトランジスタの第1のゲートを形成することであって、前記第1のゲートが前記ボディの上に少なくとも部分的に延在する、前記第1のゲートを形成することと、
前記第1のゲートに横方向に近接して、前記ゲート誘電体層の上に前記スプリットゲートトランジスタの第2のゲートを形成することであって、前記第2のゲートが前記ドレインドリフト領域の上に少なくとも部分的に延在し、前記第2のゲートの第1の部分がフィールド酸化物によって前記ドレインドリフト領域から垂直方向に分離され、前記第2のゲートの第2の部分が前記フィールド酸化物ではなくて前記ゲート誘電体層によって前記ドレインドリフト領域から垂直方向に分離され、前記第2のゲートが10ナノメートル~250ナノメートルのギャップによって前記第1のゲートから横方向に分離され、前記基板の前記頂部表面における前記ボディと前記ドレインドリフト領域との間の前記境界が、前記第1のゲートと前記第2のゲートと前記第1のゲートと前記第2のゲートとの間の前記ギャップとを含む領域の下に位置する、前記第2のゲートを形成することと、
を含む、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、
前記第1のゲートと前記第2のゲートとの間の前記ギャップに誘電材料を形成することを更に含む、方法。
【請求項12】
請求項10に記載の方法であって、
前記基板の前記頂部表面における前記ボディと前記ドレインドリフト領域との間の前記境界が前記第1のゲートの下に位置するように、前記第1のゲートが形成される、方法。
【請求項13】
請求項10に記載の方法であって、
前記第1のゲートを形成することと前記第2のゲートを形成することとが、
前記ゲート誘電体層の上にゲート材料の層を形成することと、
前記ゲート材料の層の上にゲートマスクを形成することであって、前記ゲートマスクが、前記第1のゲートのためのエリアを覆う第1のマスク要素と、前記第2のゲートのためのエリアを覆う第2のマスク要素とを含む、前記ゲートマスクを形成することと、
前記第1のゲートと前記第2のゲートとを形成するために前記ゲートマスクによって露出される箇所の前記ゲート材料の層を除去することと、
その後、前記ゲートマスクを除去することと、
を含む、方法。
【請求項14】
請求項10に記載の方法であって、
前記第1のゲートを形成することと前記第2のゲートを形成することとが、
前記ゲート誘電体層の上にゲート材料の第1の層を形成することと、
前記ゲート材料の第1層の上に第1のゲートマスクを形成することであって、前記第1のゲートマスクが前記第1のゲートのためのエリアを覆う、前記第1のゲートマスクを形成することと、
前記第1のゲートを形成するために前記第1のゲートマスクによって露出される箇所の前記ゲート材料の第1の層を除去することと、
その後、前記第1のゲートマスクを除去することと、
前記ゲート誘電体層の上と前記第1のゲートの上とにゲート材料の第2の層を形成することと、
前記ゲート材料の第2の層の上に第2のゲートマスクを形成することであって、前記第2のゲートマスクが前記第1のゲートに部分的に上に重なる前記第2のゲートのためのエリアを覆う、前記第2のゲートマスクを形成することと、
前記第2のゲートを形成するために前記第2のゲートマスクによって露出される箇所の前記ゲート材料の第2の層を除去することであって、前記第2のゲートが前記第1のゲートに部分的に上に重なる、前記ゲート材料の第2の層を除去することと、
その後、前記第2のゲートマスクを除去することと、
を含む、方法。
【請求項15】
請求項10に記載の方法であって、
シャロートレンチアイソレーション(STI)プロセスによって前記フィールド酸化物を形成することであって、前記フィールド酸化物の要素が前記ドレインドリフト領域の一部の上に形成され、前記第2のゲートが前記ドレインドリフト領域の上のフィールド酸化物の前記要素に部分的に上に重なるように、前記フィールド酸化物を形成することを更に含む、方法。
【請求項16】
請求項10に記載の方法であって、
50ナノメートル~150ナノメートルの厚みの薄いフィールド酸化物としての前記フィールド酸化物を形成することであって、前記薄いフィールド酸化物の要素が前記ドレインドリフト領域の一部の上に形成され、前記第2のゲートが前記ドレインドリフト領域の上の薄いフィールド酸化物の前記要素に部分的に上に重なるように、前記フィールド酸化物を形成することを更に含む、方法。
【請求項17】
半導体デバイスを形成する方法であって、
p型半導体材料を含む基板を提供することと、
前記基板に前記半導体デバイスのスプリットゲートトランジスタのn型のドレインドリフト領域を形成することであって、前記ドレインドリフト領域が前記スプリットゲートトランジスタのp型のボディに隣接して前記ボディよりも浅く前記基板内に延在する、前記ドレインドリフト領域を形成することと、
前記基板の頂部表面の上に前記スプリットゲートトランジスタのゲート誘電体層を形成することであって、前記ゲート誘電体層が前記基板の前記頂部表面における前記ボディと前記ドレインドリフト領域との間の境界の上に位置し、前記ゲート誘電体層が前記ボディの上に少なくとも部分的に延在して前記ドレインドリフト領域の上に少なくとも部分的に延在する、前記ゲート誘電体層を形成することと、
前記ゲート誘電体層の上に前記スプリットゲートトランジスタの第1のゲートを形成することであって、前記第1のゲートが前記ボディの上に少なくとも部分的に延在する、前記第1のゲートを形成することと、
前記第1のゲートに横方向に近接して、前記ゲート誘電体層の上に前記スプリットゲートトランジスタの第2のゲートを形成することであって、前記第2のゲートが前記ドレインドリフト領域の上に少なくとも部分的に延在し、前記第2のゲートの第1の部分がフィールド酸化物によって前記ドレインドリフト領域から垂直方向に分離され、前記第2のゲートの第2の部分が前記フィールド酸化物ではなくて前記ゲート誘電体層によって前記ドレインドリフト領域から垂直方向に分離され、前記第2のゲートが10ナノメートル~250ナノメートルのギャップによって前記第1のゲートから横方向に分離され、前記基板の前記頂部表面における前記ボディと前記ドレインドリフト領域との間の前記境界が前記第2のゲートの下に位置して前記第1のゲートの下に位置しないように前記第2のゲートが形成される、前記第2のゲートを形成することと、
を含む、方法。
【請求項18】
半導体デバイスを形成する方法であって、
p型半導体材料を含む基板を提供することと、
前記基板に前記半導体デバイスのスプリットゲートトランジスタのn型のドレインドリフト領域を形成することであって、前記ドレインドリフト領域が前記スプリットゲートトランジスタのp型のボディに隣接して前記ボディよりも浅く前記基板内に延在する、前記ドレインドリフト領域を形成することと、
前記基板の頂部表面の上に前記スプリットゲートトランジスタのゲート誘電体層を形成することであって、前記ゲート誘電体層が前記基板の前記頂部表面における前記ボディと前記ドレインドリフト領域との間の境界の上に位置し、前記ゲート誘電体層が前記ボディの上に少なくとも部分的に延在して前記ドレインドリフト領域の上に少なくとも部分的に延在する、前記ゲート誘電体層を形成することと、
前記ゲート誘電体層の上に前記スプリットゲートトランジスタの第1のゲートを形成することであって、前記第1のゲートが前記ボディの上に少なくとも部分的に延在する、前記第1のゲートを形成することと、
前記第1のゲートに横方向に近接して、前記ゲート誘電体層の上に前記スプリットゲートトランジスタの第2のゲートを形成することであって、前記第2のゲートが前記ドレインドリフト領域の上に少なくとも部分的に延在し、前記第2のゲートの第1の部分がフィールド酸化物によって前記ドレインドリフト領域から垂直方向に分離され、前記第2のゲートの第2の部分が前記フィールド酸化物ではなくて前記ゲート誘電体層によって前記ドレインドリフト領域から垂直方向に分離され、前記第2のゲートが10ナノメートル~250ナノメートルのギャップによって前記第1のゲートから横方向に分離され、前記基板の前記頂部表面における前記ボディと前記ドレインドリフト領域との間の前記境界が前記第1のゲートと前記第2のゲートとの間の前記ギャップの下に位置して前記第1のゲートの下に位置しないように、前記第1のゲートと前記第2のゲートとが形成される、前記第2のゲートを形成することと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、一般に半導体デバイスに関し、より具体的には、半導体デバイスにおけるMOSトランジスタに関する。
【背景技術】
【0002】
横方向拡張ドレイン金属酸化物半導体(MOS)トランジスタは、ますます高い周波数で動作することが望ましくなるであろう。例えば、電圧レギュレータにおける動作周波数が高いほどインダクタを小さくすることが可能であり、システムコストが削減される。動作周波数はゲート-ドレインキャパシタンスによって制限される。また、横方向拡張ドレインMOSトランジスタの一層低い抵抗が、電圧レギュレータにおける電力効率を向上させることが望ましくなるであろう。横方向拡張ドレインMOSトランジスタにおいて、所望の動作周波数及び抵抗を同時に達成することが問題となっている。
【発明の概要】
【0003】
説明する例において、半導体デバイスが、本明細書においてスプリットゲートトランジスタと称されるスプリットゲート横方向拡張ドレインMOSトランジスタを含み、スプリットゲートトランジスタは、スプリットゲートトランジスタのボディの上に少なくとも部分的に延在する第1のゲートと、スプリットゲートトランジスタのドレインドリフト領域の上に少なくとも部分的に延在する第2のゲートとを含む。第1のゲートは、10ナノメートル~250ナノメートルのギャップによって、第2のゲートから横方向に分離される。基板の頂部表面におけるドレインドリフト領域とボディとの間の境界が、第1のゲート、第2のゲート、及び第1のゲートと第2のゲートとの間のギャップのうちの、少なくとも1つの下に位置する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】スプリットゲートトランジスタを含む例示の半導体デバイスの断面である。
【0005】
【
図2A】例示の形成方法の連続ステップにおいて示される、
図1の半導体デバイスの断面である。
【
図2B】例示の形成方法の連続ステップにおいて示される、
図1の半導体デバイスの断面である。
【
図2C】例示の形成方法の連続ステップにおいて示される、
図1の半導体デバイスの断面である。
【
図2D】例示の形成方法の連続ステップにおいて示される、
図1の半導体デバイスの断面である。
【
図2E】例示の形成方法の連続ステップにおいて示される、
図1の半導体デバイスの断面である。
【0006】
【
図3A】例示の形成方法の連続ステップにおいて示される、スプリットゲートトランジスタを備える別の例示の半導体デバイスの断面である。
【
図3B】例示の形成方法の連続ステップにおいて示される、スプリットゲートトランジスタを備える別の例示の半導体デバイスの断面である。
【
図3C】例示の形成方法の連続ステップにおいて示される、スプリットゲートトランジスタを備える別の例示の半導体デバイスの断面である。
【
図3D】例示の形成方法の連続ステップにおいて示される、スプリットゲートトランジスタを備える別の例示の半導体デバイスの断面である。
【
図3E】例示の形成方法の連続ステップにおいて示される、スプリットゲートトランジスタを備える別の例示の半導体デバイスの断面である。
【
図3F】例示の形成方法の連続ステップにおいて示される、スプリットゲートトランジスタを備える別の例示の半導体デバイスの断面である。
【
図3G】例示の形成方法の連続ステップにおいて示される、スプリットゲートトランジスタを備える別の例示の半導体デバイスの断面である。
【
図3H】例示の形成方法の連続ステップにおいて示される、スプリットゲートトランジスタを備える別の例示の半導体デバイスの断面である。
【0007】
【
図4】スプリットゲートトランジスタを含む、更なる例示の半導体デバイスの断面である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面は必ずしも一定の縮尺ではない。例示の実施形態は、特定の細部の一つ又は複数を用いることなく又は他の方法を用いて実施され得る。他の場合において、例示の実施形態を不明瞭にしないように、周知の構造又は動作は詳細に示されていない。いくつかの動作は、異なる順序で、及び/又は、他の動作又は事象と同時に、成され得る。また、例示の実施形態に従った方法体系を実装するために、例示される動作又は事象のすべてが必要とされる訳ではない。
【0009】
半導体デバイスが、本明細書においてスプリットゲートトランジスタと称されるスプリットゲート横方向拡張ドレインMOSトランジスタを含み、スプリットゲートトランジスタは、半導体デバイスの基板の頂部表面の上の第1のゲート、及び、基板の頂部表面の上にあり、第1のゲート横方向に近接する第2のゲートを含む。第1のゲートは、スプリットゲートトランジスタのボディの上に少なくとも部分的に延在し、第2のゲートは、スプリットゲートトランジスタのドレインドリフト領域の上に少なくとも部分的に延在する。第1のゲートは、10ナノメートル~250ナノメートルのギャップによって、第2のゲートから横方向に分離されている。ギャップは、第1のゲートと第2のゲートとの間の所望の電気的隔離を維持するために、少なくとも10ナノメートルでなければならない。ギャップは、スプリットゲートトランジスタの動作の間、第1のゲート及び第2のゲートの下の反転層における所望の導電性を維持するために、250ナノメートルを超えることはできない。ドレインドリフト領域は、基板の頂部表面においてボディに接する。基板の頂部表面におけるドレインドリフト領域とボディとの間の境界が、第1のゲート、第2のゲート、及び第1のゲートと第2のゲートとの間のうちの、少なくとも1つの下に位置する。
【0010】
図1は、スプリットゲートトランジスタを含む例示の半導体デバイスの断面である。この例では、nチャネルスプリットゲートトランジスタを説明する。ドーパントタイプ及び導電性タイプを適宜変更することより、pチャネルスプリットゲートトランジスタが形成され得る。半導体デバイス100は、シリコンウェーハ又は別の半導体材料のウェーハからのものであり得る基板102を含む。基板102は、10Ω-cmから100Ω-cmの例示の抵抗率を有するp型半導体材料104を含む。この例において、半導体デバイス100は、
図1に示されるように、シャロートレンチアイソレーション(STI)構造を有するフィールド酸化物106を含む。フィールド酸化物106は、300ナノメートル~600ナノメートルの例示の厚みを有し得る。スプリットゲートトランジスタ108は、基板102において、基板102の頂部表面112まで延在するp型のボディ110を含む。ボディ110は、頂部表面112において3×10
15cm
-3~3×10
16cm
-3の例示のドーパント密度を有し得る。スプリットゲートトランジスタ108は、基板102においてn型ドレインウェル114を含む。ドレインウェル114は、1×10
17cm
-3~1×10
18cm
-3の例示の平均ドーパント密度を有し得る。ドレインウェル114は、スプリットゲートトランジスタ108のn型ドレインドリフト領域116によって、ボディ110から横方向に分離される。ドレインドリフト領域116は、基板102において配置され、ボディ110に接する頂部表面112まで延在する。ドレインドリフト領域116は、ドレインウェル114よりも3倍から10倍低い例示の平均ドーパント密度を有し得る。スプリットゲートトランジスタ108は更に、基板102において、ドレインドリフト領域116とは反対側に配置され、ボディ110に接触するn型ソース118を含む。ソース118は、1×10
19cm
-3~1×10
21cm
-3の平均ドーパント密度を有し得る。n型ソース拡張120が、頂部表面112においてソース118と隣接しボディ110に接触して、基板102において配置され得る。
図1に示されていないp型ハロー領域が、ソース拡張120に近接してボディ110内に配置され得る。p型ボディコンタクト領域122が、ソース118に近接し、基板102の頂部表面112まで延在して、ボディ110内に配置され得る。ボディコンタクト領域122は、1×10
19cm
-3~1×10
21cm
-3の平均ドーパント密度を有し得る。n型ドレインコンタクト領域124が、ドレインウェル114に接触し、基板102の頂部表面112まで延在して、基板102において配置され得る。ドレインコンタクト領域124は、同時に形成される結果として、ソース118と同様のドーパント分布を有し得る。
【0011】
スプリットゲートトランジスタ108は、基板102の頂部表面112上にゲート誘電体層126を有し、ゲート誘電体層126は、ドレインドリフト領域116の上に少なくとも部分的に延在し、ソース118まで頂部表面112においてボディ110の上に延在し、場合によってはソース118に部分的に上に重なる。ゲート誘電体層126は、1ナノメートル~5ナノメートルの例示的厚みを有し得、二酸化シリコンを含み得、場合によっては、窒素、酸化ハフニウム、及び/又は酸化ジルコニウムを伴う。第1のゲート128が、ゲート誘電体層126の一部の上に配置される。この例では、第1のゲート128はソース118に近接し、場合によってはソース118に部分的に上に重なり得、頂部表面112においてボディ110にわたって延在し、ドレインドリフト領域116に部分的に上に重なる。第2のゲート130が、ゲート誘電体層126の別の部分の上に配置される。第2のゲート130は、10ナノメートル~250ナノメートルのギャップ132によって、第1のゲート128から横方向に分離される。ゲート誘電体層126は、場合によっては、ギャップ132において薄くされるか又は
図1に示されるように中断され得る。この例では、第2のゲート130は、ドレインドリフト領域116に部分的に上に重なる。この例において、ドレインウェル114に近接する第2のゲート130の一部が、ドレインコンタクト領域124とドレインドリフト領域116との間に配置されるフィールド酸化物106の要素に上に重なり、スプリットゲートトランジスタ108の動作の間、ドレインドリフト領域116における電界を減少させ、したがって一層高い破壊電圧を提供する。この目的でフィールド酸化物106の要素を使用することで、第2のゲート130のための他の構成と比較して、半導体デバイス100のためのより低コストの構造が提供され得る。第1のオフセットスペーサ134が、第1のゲート128の横方向表面上に配置され得る。第1のオフセットスペーサ134は、二酸化シリコン及び/又は窒化シリコンの一つ又は複数の層を含み得、1ナノメートル~10ナノメートルの厚みであり得る。第2のオフセットスペーサ136が、第2のゲート130の横方向表面上に配置され得る。第2のオフセットスペーサ136及び第1のオフセットスペーサ134は、同時に形成される結果として、同様の組成及び構造を有し得る。第1のゲート側壁スペーサ138が、第2のゲート130とは反対側に第1のゲート128に近接して配置され得る。第1のゲート側壁スペーサ138は、二酸化シリコン及び/又は窒化シリコンの一つ又は複数の層を含み得、5ナノメートル~50ナノメートルの厚みであり得る。第2のゲート側壁スペーサ140が、第1のゲート128とは反対側に第2のゲート130に近接して配置され得る。第2のゲート側壁スペーサ140及び第1のゲート側壁スペーサ138は、同時に形成される結果として、同様の組成及び構造を有し得る。第1のゲート128と第2のゲート130との間のギャップ132に誘電材料が配置される。誘電材料は、第1のオフセットスペーサ134及び第2のオフセットスペーサ136の一部を含み得、第1のゲート側壁スペーサ138及び第2のゲート側壁スペーサ140を形成する間に配置される材料などの、付加的な誘電材料142も含み得る。ギャップ132における誘電材料142の不充分な充填の結果として、ギャップ132にボイドが置かれ得る。
【0012】
スプリットゲートトランジスタ108は、レーストラック又はフィンガーレイアウトで構成され得、ドレインウェル114は、それぞれ、ドレインドリフト領域116、ボディ110、及びソース118によって、横方向に囲まれている。半導体デバイス100は、基板102の頂部表面112の上で金属相互接続によって電気的に結合されるアクティブ構成要素を備える集積回路であり得る。代替として、半導体デバイス100は離散構成要素であり得、その場合、スプリットゲートトランジスタ108が唯一のアクティブ構成要素である。
【0013】
ソース118及びボディコンタクト領域122上、ドレインコンタクト領域124上、第1のゲート128上、及び第2のゲート130上に、金属ケイ化物144が配置され得る。例えば、金属ケイ化物144は、ケイ化チタン、ケイ化コバルト、又はケイ化ニッケルを含み得る。ソース118は、存在する場合は金属ケイ化物144を介して、半導体デバイス100のソース電圧ノードV
sourceに電気的に結合され、ソース電圧ノードV
sourceは、半導体デバイス100の動作の間、定電圧を提供する。V
sourceは、半導体デバイス100の接地ノードであり得る。ドレインウェル114は、存在する場合はドレインコンタクト領域124及び金属ケイ化物144を介して、半導体デバイス100のドレイン電圧ノードV
drainに電気的に結合され、ドレイン電圧ノードV
drainは、半導体デバイス100の動作の間、スプリットゲートトランジスタ108のためのドレインバイアスを提供する。半導体デバイス100の動作の間、V
drainは、12ボルト~16ボルトの例示のバイアスをスプリットゲートトランジスタ108に提供し得る。16ボルトより大幅に高いV
drainのためのその他の電圧レベルも本例の範囲内にある。第1のゲート128は、存在する場合は金属ケイ化物144を介して、第1のゲート信号ノードP
hi_gate1に電気的に結合され、第1のゲート信号ノードP
hi_gate1は、半導体デバイス100の動作の間、オフ状態ゲートバイアス及びオン状態ゲートバイアスの交互シーケンスを、第1のゲート128に提供する。オフ状態ゲートバイアスは、ソース118上のバイアスV
sourceに実質的に等しくし得る。オン状態ゲートバイアスは、ドレインウェル114上のバイアスV
drainよりも有意に小さい、1.0ボルト~3ボルトであり得る。この例のいくつかのバージョンにおいて、オン状態ゲートバイアスは、半導体デバイス100における論理回路のnチャネル金属酸化物半導体(NMOS)トランジスタをオンにするために用いられるオン状態論理ゲートバイアスに実質的に等しくし得る。この例の1つのバージョンにおいて、第2のゲート130は、存在する場合は金属ケイ化物144を介して、半導体デバイス100の第2のゲート電圧ノードV
gate2に電気的に結合され得、第2のゲート電圧ノードV
gate2は、半導体デバイス100の動作の間、
図1に示されるように、一定オン状態ゲートバイアスを第2のゲート130に提供する。V
gate2によって提供されるオン状態ゲートバイアスは、P
hi_gate1によって提供されるオン状態ゲートバイアスに実質的に等しくし得る。この例の別のバージョンにおいて、第2のゲート130は、第2のゲート信号ノードに電気的に結合され得、第2のゲート信号ノードは、半導体デバイス100の動作の間、オフ状態ゲートバイアス及びオン状態ゲートバイアスの交互シーケンスを、第1のゲート信号ノードP
hi_gate1に同期される第2のゲート130に提供する。オン状態ゲートバイアスを第2のゲート130に提供することが、有利にもスプリットゲートトランジスタ108における所望の低抵抗を提供するゲート誘電体層126の直下にあるドレインドリフト領域116において、蓄積層を生成する。第1のゲート128の代わりに第2のゲート130を用いてドレインドリフト領域116における蓄積層を提供することにより、第1のゲート128をより短くすることが可能であり、そのため、基板に対する低減キャパシタンスを有し、これにより、有利にもより高い動作周波数が可能となる。したがって、第1のゲート128及び第2のゲート130の組み合わせによって、単一ゲートを備える類似のトランジスタと比較して、スプリットゲートトランジスタ108のための、所望のより高い動作周波数及び所望のより低い抵抗が可能となる。
【0014】
図2A~
図2Eは、例示の形成方法の連続ステップにおいて示される、
図1の半導体デバイスの断面図である。
図2Aを参照すると、基板102は、単結晶バルクシリコンウェーハなどの半導体ウェーハを含み得るか、又は、別の半導体材料のウェーハを含み得る。p型半導体材料104は、単結晶シリコンウェーハの頂部であり得るか、又は、シリコンウェーハ上のシリコン又は別の半導体材料の一つ又は複数のエピタキシャル層の頂部であり得る。フィールド酸化物106は、基板102の頂部表面112において形成される。この例において、フィールド酸化物106はSTIプロセスによって形成される。例示のSTIプロセスには、基板102の上に窒化シリコンのCMP停止層を形成すること、CMP停止層を介して及び基板102内へ隔離トレンチをエッチングすること、並びに、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)を用いるプラズマエンハンスト化学気相成長(PECVD)プロセス、高密度プラズマ(HDP)プロセス、TEOS及びオゾンを用いる高アスペクト比プロセス(HARP)、シランを用いる常圧化学気相成長(APCVD)プロセス、又は、ジクロロシランを用いる準常圧化学気相成長(SACVD)プロセスを用いて、二酸化シリコンで隔離トレンチを充填することが含まれる。過剰な二酸化シリコンは、酸化物化学機械的研磨(CMP)プロセスによってCMP停止層の上から除去され、CMP停止層はその後除去され、フィールド酸化物106が残る。代替として、フィールド酸化物106は、シリコンの局所酸化(LOCOS)プロセスによって形成され得る。
【0015】
ボディ110は、ホウ素などのp型ドーパントを、1×1013cm-2~1×1014cm-2のドーズ量及び250キロ電子ボルト(keV)~500keVのエネルギーで、基板102に注入することによって形成され得る。ドレインドリフト領域116は、リンなどのn型ドーパントを、3×1011cm-2~3×1012cm-2のドーズ量及び300keV~600keVのエネルギーで、基板102に注入することによって形成され得る。ドレインウェル114は、リンなどのn型ドーパントを、1×1013cm-2~1×1014cm-2のドーズ量及び500keV~1000keVのエネルギーで、基板102に注入することによって形成され得る。注入されるドーパントは、炉アニール及び/又は高速熱アニールなどの、一つ又は複数のアニールプロセスによって活性化され得る。
【0016】
ゲート誘電体層126は、基板102の頂部表面112におけるシリコンの熱酸化により形成され得、その後、誘電強度を向上させるために、アンモニアガス(NH3)及び/又は窒素ガス(N2)並びに場合によってはその他のガスから形成されるプラズマからの窒素の取り込みが続き得る。誘電率を増加させるために、酸化ハフニウム又は酸化ジルコニウムがゲート誘電体層126に付加され得る。このように形成されるゲート誘電体層126は、頂部表面112においてすべての露出される半導体材料にわたって延在する。ゲート誘電体層126及びフィールド酸化物106の上にゲート材料の層146が形成される。ゲート材料の層146は、シラン及び/又はジシランの熱分解によって形成される、ポリシリコンと称される、200ナノメートル~500ナノメートルの多結晶シリコンを含み得る。ゲート材料の層146は、n型となるように形成の間ドープされ得るか、又は実質的にドープされない場合もある。
【0017】
ゲート材料146の層の上にゲートマスク148が形成される。ゲートマスク148は、第1のマスク要素150及び第2のマスク要素152を含む。第1のマスク要素150は、
図1の第1のゲート128のためのエリアを覆い、第2のマスク要素152は、
図1の第2のゲート130のためのエリアを覆う。この例では、第1のマスク要素150及び第2のマスク要素152は、ギャップによって分離され、互いに接触しない。ゲートマスク148は、半導体デバイス100の他のトランジスタのゲートのためのエリアも覆い得る。ゲートマスク148は、フォトリソグラフィプロセスによって形成されるフォトレジストを含み得、任意選択で、底部反射防止コート(BARC)などの反射防止層、及び/又は窒化シリコン又は非晶質炭素のハードマスク層を含み得る。
【0018】
図2Bを参照すると、反応性イオンエッチ(RIE)プロセスなどのゲートエッチプロセスによって、ゲートマスク148により露出されるゲート材料146の層が除去され、スプリットゲートトランジスタ108の第1のゲート128及び第2のゲート130を含む半導体デバイス100のゲートが残る。この例では、ゲートエッチプロセスが完了した後、第1のゲート128及び第2のゲート130は、ギャップ132によって分離され、互いに接触していない。ゲートマスク148はその後除去される。ゲートマスク148におけるフォトレジスト及び非晶質炭素は、アッシングプロセス及びそれに続くウェットクリーニングプロセスによって除去され得る。ゲートマスク148におけるその他のハードマスク材料が、ゲート128及び130に対して及び二酸化シリコンに対して選択的な、プラズマエッチプロセスによって除去され得る。この例において開示されるように第1のゲート128及び第2のゲート130を同時に形成することは、有利にも、半導体デバイス100の製造コスト及び複雑さを低減し得る。
【0019】
図2Cを参照すると、第1のオフセットスペーサ134は第1のゲート128上に形成され、第2のオフセットスペーサ136は第2のゲート130上に形成される。オフセットスペーサ134及び136は、0.5ナノメートル~1.5ナノメートルの厚みの二酸化シリコンの薄層を形成するために第1のゲート128及び第2のゲート130を熱的に酸化させることによって形成され得、その後、二酸化シリコン及び/又は窒化シリコンの一つ又は複数のコンフォーマル層の形成が続く。二酸化シリコンのコンフォーマル層は、TEOSを用いる化学気相成長(CVD)プロセスによって形成され得る。窒化シリコンのコンフォーマル層は、ビス(ターシャルブチルアミノ)シラン(BTBAS)を用いるCVDプロセスによって形成され得る。その後、こういった層は、RIEプロセスなどの異方性プラズマエッチプロセスによって、ゲート128及び130の頂部表面から、並びに基板102の水平表面から除去され、オフセットスペーサ134及び136はその場に残る。
【0020】
第1のゲート128に近接するソース拡張注入領域156、及びドレインウェル114に接触する基板102におけるドレインコンタクト拡張注入層158を形成するために、リン及びヒ素並びに場合によってはアンチモンなどのn型ドーパント154が、基板102に注入される。n型ドーパント154は、所望の浅い深さのソース拡張注入領域156を提供するために、1×10
13cm
-2~1×10
14cm
-2の総ドーズ量及び低エネルギーで注入され得る。第1のオフセットスペーサ134は、第1のゲート128に対してソース拡張注入領域156の所望の横方向オフセットを提供する。この例の1つのバージョンにおいて、n型ドーパント154は、第1のゲート128と第2のゲート130との間のギャップ132を介して注入され得る。別のバージョンにおいて、ギャップ132は、
図2Cには示されていない任意選択のソース/ドレイン拡張マスクの要素によって又は無機誘電材料によってブロックされ得る。ソース拡張注入領域156に近接する第1のゲート128の下にハロー注入領域を形成するために、任意選択で、p型ドーパントが或る角度で注入され得る。存在する場合にはソース/ドレイン拡張マスクは除去され、その後、注入されたn型ドーパント154を活性化するために基板102がアニールされて、
図1のソース拡張120が形成される。
【0021】
図2Dを参照すると、第1のゲート側壁スペーサ138は第1のゲート128に近接して形成され、第2のゲート側壁スペーサ140は第2のゲート130に近接して形成される。ゲート側壁スペーサ138及び140は、ゲート128及び130の上、並びに基板102の上に、窒化シリコン及び/又は二酸化シリコンの一つ又は複数のコンフォーマル層を形成することによって形成され得る。窒化シリコン及び二酸化シリコンのコンフォーマル層は、それぞれ、BTBAS及びTEOSを用いるCVDプロセスによって形成され得る。第1のゲート128と第2のゲート130との間のギャップ132における追加の誘電材料142は、第1のゲート側壁スペーサ138及び第2のゲート側壁スペーサ140と同時に形成され得る。CVDプロセスによるギャップ132の充填が不完全であると、結果としてギャップ132にボイドが形成され得る。
【0022】
第1のゲート128に近接するソース注入領域162、及びドレインウェル114に接触する基板102におけるドレインコンタクト注入層164を形成するために、リン及びヒ素並びに場合によってはアンチモンなどのn型ドーパント160が、基板102に注入される。n型ドーパント160は、所望の深さのソース注入領域162を提供するために、3×10
14cm
-2~1×10
16cm
-2の総ドーズ量及びエネルギーで注入され得る。第1のゲート側壁スペーサ138は、第1のゲート128に対してソース注入領域162の所望の横方向オフセットを提供する。第1のゲート128と第2のゲート130との間のギャップ132における追加の誘電材料142は、基板102からn型ドーパント160をブロックする。その後、注入されたn型ドーパント160を活性化するために基板102がアニールされて、
図1のソース118及びドレインコンタクト領域124が形成される。
【0023】
図2Eを参照すると、ボディコンタクト領域122は、所望の深さのボディコンタクト領域122を提供するために、3×10
14cm
-2~3×10
15cm
-2の総ドーズ量及びエネルギーで、ホウ素などのp型ドーパントを基板102に注入することによって形成される。その後、金属ケイ化物144は、ソース118及びボディコンタクト領域122上、ドレインコンタクト領域124上、第1のゲート128上、並びに第2のゲート130上に形成される。金属ケイ化物144を形成するための例示のプロセスは、チタン、数パーセントのプラチナを備えるニッケル、又はコバルトなどの耐火性金属の層を、耐火性金属が、ソース118及びボディコンタクト領域122上、ドレインコンタクト領域124上、第1のゲート128上、並びに第2のゲート130上の、露出されたシリコンに接触するように、半導体デバイス100の既存の頂部表面上に形成することを含む。拡散障壁を提供するために、窒化チタンのキャップ層が耐火性金属の上に形成され得る。その後、耐火性金属を露出されたシリコンと反応させて金属ケイ化物144を形成するために、耐火性金属は、急速熱プロセッサなどにおいて加熱される。未反応の耐火性金属は、酸性又は塩基性の試薬の水溶液を用いるウェットエッチングなどによって除去される。その後、金属ケイ化物144は、所望の結晶相を提供するためにアニールされ得る。金属ケイ化物144は、ギャップ132をまたがって延在しない。
【0024】
図3A~
図3Iは、例示の形成方法の連続ステップにおいて示される、スプリットゲートトランジスタを備える別の例示の半導体デバイスの断面図である。この例では、nチャネルスプリットゲートトランジスタを説明する。ドーパントタイプ及び導電性タイプを適宜変更することより、pチャネルスプリットゲートトランジスタが形成され得る。
図3Aを参照すると、半導体デバイス300は、
図1を参照して説明したように、p型半導体材料304を備える基板302を含む。p型半導体材料304は、単結晶シリコンウェーハの頂部であり得、或いは、シリコンウェーハ上のシリコン又は別の半導体材料の一つ又は複数のエピタキシャル層の頂部であり得る。フィールド酸化物306が、基板302の頂部表面312に形成される。フィールド酸化物306は、300ナノメートル~600ナノメートルの例示の厚さを有し得る。この例において、フィールド酸化物306は、LOCOSプロセスによって形成される。例示のLOCOSプロセスが、基板302の頂部表面の上に窒化シリコンを形成すること、及び、フィールド酸化物306のためのエリアを露出させるために窒化シリコン層をパターニングすることを含む。フィールド酸化物306は、熱酸化によって形成され、その後、窒化シリコン層は除去されてフィールド酸化物306が残る。代替として、フィールド酸化物306はSTIプロセスによって形成され得る。
【0025】
スプリットゲートトランジスタ308は、基板302において、基板302の頂部表面312まで延在し、頂部表面312において3×10
15cm
-3~3×10
16cm
-3の例示のドーパント密度を有する、p型ボディ310を含む。スプリットゲートトランジスタ308は、基板302において、1×10
17cm
-3~1×10
18cm
-3の例示の平均ドーパント密度を有するn型ドレインウェル314を含む。ドレインウェル314は、スプリットゲートトランジスタ308のn型ドレインドリフト領域316によって、ボディ310から横方向に分離され、基板302において配置され、ボディ310に近接する頂部表面312まで延在する。ドレインドリフト領域316は、ドレインウェル314よりも3倍~10倍低い例示の平均ドーパント密度を有し得る。ボディ310、ドレインウェル314、及びドレインドリフト領域316は、
図2Aを参照して説明したように形成され得る。
【0026】
パッド酸化物層366が、基板302の頂部表面312におけるシリコンの熱酸化などによって、基板302の頂部表面312上に形成され得る。パッド酸化物層366は、5ナノメートル~20ナノメートルの厚みであり得る。20ナノメートル~100ナノメートルの厚みの窒化シリコンの酸化マスク368が、パッド酸化物層366及びフィールド酸化物306の上に形成される。酸化マスク368は、ドレインドリフト領域316とドレインウェル314との間の境界に重なるエリアを露出させる。酸化マスク368は、ジクロロシラン及びアンモニアを用いる低圧化学気相成長(LPCVD)プロセスによって形成され得る。酸化マスク368は、フォトレジストのマスクを形成すること、及び、パッド酸化物層366に対して選択的なRIEプロセスを用いて窒化シリコンをエッチングすることによって、パターニングされ得る。フォトレジストのマスクはその後除去される。
【0027】
図3Bを参照すると、酸化マスク368によって露出されるエリアにおいて、基板302の頂部表面312に薄いフィールド酸化物370が形成される。薄いフィールド酸化物370は、フィールド酸化物306の半分よりも薄くし得る。薄いフィールド酸化物370は、50ナノメートル~150ナノメートルの例示の厚みを有し得、基板302におけるシリコンの熱酸化によって形成され得る。その後、酸化マスク368は、高温リン酸の水溶液などによって除去される。薄いフィールド酸化物370は、ボディ310まで延在しない。その後、パッド酸化物層366は、緩衝フッ化水素酸の水溶液における時限エッチなどによって、除去される。
【0028】
この例の代替バージョンにおいて、薄いフィールド酸化物370は、頂部表面312における基板302の露出エリアで薄い酸化物を形成すること、それに続いて、薄いフィールド酸化物370のためのエリアを覆う薄い酸化物の上にエッチマスクを形成することによって、形成され得る。薄い酸化物は、フッ化水素酸の緩衝水溶液を用いるエッチマスクによって露出されたエリアから除去され、薄いフィールド酸化物370はその場に残る。エッチマスクは、その後除去される。薄いフィールド酸化物370を形成する他の方法もこの例の範囲内にある。
【0029】
図3Cを参照すると、フィールド酸化物306及び薄いフィールド酸化物370によって覆われていないエリアにおける基板302の頂部表面312において、特に、頂部表面312におけるドレインドリフト領域316とドレインウェル314との間の境界の上に延在し、ドレインドリフト領域316に部分的に上に重なり、ボディ310に部分的に上に重なるエリアにおいて、ゲート誘電体層326が形成される。ゲート誘電体層326は、
図2Aを参照して説明したように形成され得る。
【0030】
ゲート材料の第1の層346が、ゲート誘電体層326、薄いフィールド酸化物370、及びフィールド酸化物306の上に形成される。例えば、ゲート材料の第1の層346は、200ナノメートル~500ナノメートルのポリシリコンを含み得る。ゲート材料の第1の層346は、n型となるように形成する間にドープされ得るか、又は実質的にドープされない場合もある。エッチ停止層372が、ゲート材料の第1の層346の上に形成され得る。例えば、エッチ停止層372は、PECVDプロセスによって形成される、10ナノメートル~50ナノメートルの二酸化シリコン及び/又は窒化シリコンを含み得る。
【0031】
ゲート材料の第1の層346の上に第1のゲートマスク348が形成される。第1のゲートマスク348は、スプリットゲートトランジスタ308の第1のゲートのためのエリアを覆う第1のマスク要素350を含む。この例において、第1のマスク要素350は、ボディ310の一部の上に位置し、頂部表面312におけるドレインドリフト領域316とドレインウェル314との間の境界まで延在しない。第1のゲートマスク348は、半導体デバイス300の他のトランジスタのゲートのためのエリアも覆い得る。第1のゲートマスク348は、
図2Aを参照して説明したように形成され得る。
【0032】
図3Dを参照すると、第1のゲートエッチプロセスが、第1のゲートマスク348によって露出された
図3Cのエッチ停止層372及びゲート材料の第1の層346を除去して、スプリットゲートトランジスタ308の第1のゲート328を含む半導体デバイス300のゲートを残す。この例では、第1のゲート328は、ボディ310の一部の上に位置し、頂部表面312におけるドレインドリフト領域316とドレインウェル314との間の境界まで延在しない。第1のゲートマスク348は、
図2Bを参照して説明したように、その後除去される。
【0033】
第1のゲート328上に第1のオフセットスペーサ334が形成される。第1のオフセットスペーサ334は、二酸化シリコンの薄い層を形成するために、第1のゲート328を熱酸化することによって形成され得、二酸化シリコン及び/又は窒化シリコンの一つ又は複数のコンフォーマル層の形成が続く。これらの層は、その後、第1のゲート328の頂部表面から、及び、基板302の水平表面から、異方性プラズマエッチプロセスによって除去されて、第1のオフセットスペーサ334がその場に残る。第1のオフセットスペーサは、スプリットゲートトランジスタ308の第1のゲート328とその後形成される第2のゲートとの間のキャパシタンスを減少させるために、10ナノメートル~100ナノメートルの厚みとし得る。第1のゲート328をその後形成される第2のゲートから電気的に隔離するために、エッチ停止層372の少なくとも一部が第1のゲート328上に残される。
【0034】
図3Eを参照すると、ゲート材料の第2の層374が、第1のゲート328の上、並びに、ゲート誘電体層326、薄いフィールド酸化物370、及びフィールド酸化物306の上に形成される。ゲート材料の第2の層374は、
図3Cのゲート材料の第1の層346と同様の組成及び構造を有し得る。ゲート材料の第2の層374は、第1のオフセットスペーサ334及びエッチ停止層372の組み合わせによって、第1のゲート328から電気的に隔離される。
【0035】
ゲート材料の第2の層374の上に第2のゲートマスク376が形成される。第2のゲートマスク376は、スプリットゲートトランジスタ308の第2のゲートのためのエリアを覆う第2のマスク要素378を含む。この例では、第2のマスク要素378は、第1のゲート328に部分的に上に重なり、頂部表面312におけるドレインドリフト領域316とドレインウェル314との間の境界の上に延在し、薄いフィールド酸化物370に部分的に上に重なる。第2のゲートマスク376は、半導体デバイス300の他のトランジスタのゲートのためのエリアも覆い得る。第2のゲートマスク376は、
図2Aを参照して説明したように形成され得る。
【0036】
図3Fを参照すると、第2のゲートエッチプロセスが、第2のゲートマスク376によって露出された
図3Eのゲート材料の第2の層374を除去して、スプリットゲートトランジスタ308の第2のゲート330を含む半導体デバイス300のゲートを残す。この例では、第2のゲート330は、第1のゲート328に部分的に上に重なり、頂部表面312におけるドレインドリフト領域316とボディ310との間の境界の上に延在し、薄いフィールド酸化物370まで延在し、薄いフィールド酸化物370に部分的に上に重なる。第2のゲート330は、第1のオフセットスペーサ334及びエッチ停止層372の組み合わせによって、第1のゲート328から電気的に隔離される。第1のゲート328は、ギャップ332によって第2のゲート330から横方向に分離される。この例では、第1のオフセットスペーサ334の誘電材料がギャップ332において形成される。ギャップ332が第1のオフセットスペーサ334の厚みによって実質的に確定される本例で説明するように第1のゲート328及び第2のゲート330を形成することで、100ナノメートルよりも小さい幅のギャップ332が提供され得る。こうした狭いギャップ332によって、第1のゲート328及び第2のゲート330が、スプリットゲートトランジスタ308の動作の間、ゲート誘電体層326のすぐ下のボディ310において低抵抗の反転層を提供できるようにし得る。低抵抗層は、有利には、スプリットゲートトランジスタ308のより低い直列抵抗を提供し得る。この例の代替バージョンにおいて、第2のゲート330は、第1のゲート328が第2のゲート330に部分的に上に重なり、同様の利点を獲得するように、第1のゲート328の前に形成され得る。第2のゲートマスク376は、その後、
図2Bを参照して説明したように除去される。
【0037】
図3Gを参照すると、第1のゲート328に部分的に下に重なる基板302において、n型ソース拡張320が形成される。ソース拡張320は、
図2Cを参照して説明したように形成され得る。ゲート側壁スペーサ338が、第1のゲート328及び第2のゲート330の垂直表面に近接して形成される。ゲート側壁スペーサ338は、
図2Dを参照して説明したように形成され得る。ボディ310に接触する基板302において、ドレインドリフト領域316とは反対側に配置されて、n型ソース318が形成される。ドレインウェル314に接触する基板302において、n型ドレインコンタクト領域324が形成される。
図2Dを参照して説明したように、ソース318及びドレインコンタクト領域325は同時に形成され得る。
図3Gに示されるように、第2のゲート330がドレインウェル314まで延在しないこの例のバージョンにおいて、ソース318を形成するために基板302に注入されるn型ドーパントは、薄いフィールド酸化物370がn型ドーパントをドレインドリフト領域316から効果的にブロックするように、十分低いエネルギーで注入され得る。この例の別のバージョンにおいて、n型ドーパントは、n型ドーパントのための注入エリアを画定するために用いられる注入マスクの要素によって、ドレインドリフト領域316からブロックされ得る。更なるバージョンにおいて、第2のゲート330は、第2のゲート330及び薄いフィールド酸化物370の組み合わせが、n型ドーパントをドレインドリフト領域316から効果的にブロックするように、ドレインウェル314まで延在し得る。p型ボディコンタクト領域322が、
図2Dを参照して説明したように、ソース318に近接する基板302の頂部表面312まで延在して、ボディ310内に形成され得る。
【0038】
図3Hを参照すると、その後、金属ケイ化物344が、ソース318及びボディコンタクト領域322上、ドレインコンタクト領域324上、第1のゲート328上、及び第2のゲート330上に形成され得る。ソース318は、存在する場合は金属ケイ化物344を介して、半導体デバイス300のソース電圧ノードV
sourceに電気的に結合され、半導体デバイス300の動作の間、定電圧を提供する。ドレインウェル314は、存在する場合はドレインコンタクト領域324及び金属ケイ化物344を介して、半導体デバイス300のドレイン電圧ノードV
drainに電気的に結合され、半導体デバイス300の動作の間、スプリットゲートトランジスタ308のためのドレインバイアスを提供する。第1のゲート328は、存在する場合は金属ケイ化物344を介して、第1のゲート信号ノードP
hi_gate1に電気的に結合され、半導体デバイス300の動作の間、オフ状態ゲートバイアス及びオン状態ゲートバイアスの交互シーケンスを第1のゲート328に提供する。オン状態ゲートバイアスは、ドレインウェル314上のバイアスV
drainよりも著しく低い、1.0ボルト~3ボルトであり得る。この例の1つのバージョンにおいて、第2のゲート330は、存在する場合は金属ケイ化物344を介して、
図3Hに示されるような第2のゲート信号ノードP
hi_gate2に電気的に結合され得、半導体デバイス300の動作の間、オフ状態ゲートバイアス及びオン状態ゲートバイアスの交互シーケンスを、第1のゲート信号ノードP
hi_gate1に同期される第2のゲート330に提供する。P
hi_gate2によって提供されるオン状態ゲートバイアスは、P
hi_gate1によって提供されるオン状態ゲートバイアスにほぼ等しくし得る。この例の別のバージョンにおいて、第2のゲート330は、半導体デバイス300の第2のゲート電圧ノードV
gate2に電気的に結合され得、半導体デバイス300の動作の間、一定のオン状態ゲートバイアスを第2のゲート330に提供する。オン状態ゲートバイアスを第2のゲート330に提供することで、ゲート誘電体層326の直下にあるドレインドリフト領域316及びボディ310の両方において蓄積層が生成され、これは有利にも、スプリットゲートトランジスタ308における所望の低抵抗を提供し、
図1を参照して開示されるような低い直列抵抗を獲得する。薄いフィールド酸化物370は、第2のゲートの下により厚いフィールド酸化物を備える同等のスプリットゲートトランジスタよりも低い電界を、第2のゲート330の下のドレインドリフト領域316において提供し得、有利にも、スプリットゲートトランジスタ308のためのより高い破壊電圧及びより低い抵抗を提供する。
【0039】
図4は、スプリットゲートトランジスタを含む、更なる例示の半導体デバイスの断面図である。この例では、nチャネルスプリットゲートトランジスタを説明する。ドーパントタイプ及び導電性タイプを適宜変更することによって、pチャネルスプリットゲートトランジスタが形成され得る。半導体デバイス400が、
図1を参照して説明したように、p型半導体材料404を含む基板402を含む。この例では、半導体デバイス400は、
図4に示すように、LOCOS構造を有するフィールド酸化物406を含む。STI構造を備えるフィールド酸化物も本例の範囲内にある。スプリットゲートトランジスタ408が、基板402において、基板402の頂部表面412まで延在するp型ボディ410を含む。スプリットゲートトランジスタ408は、スプリットゲートトランジスタ408のドレインのn型ドレインドリフト領域416を含み、ドレインドリフト領域416は、頂部表面412においてボディ410に接して、基板402において配置される。スプリットゲートトランジスタ408は更に、基板402において、ドレインドリフト領域416とは反対側に配置される、ボディ410に接触するn型ソース418を含む。
【0040】
スプリットゲートトランジスタ408は、基板402の頂部表面412上にゲート誘電体層426を含む。ゲート誘電体層426は、ドレインドリフト領域416に少なくとも部分的に上に重なり、頂部表面412においてボディ410の上をソース418まで延在し、場合によってはソース418に部分的に上に重なる。第1のゲート428が、ゲート誘電体層426の第1の部分上に配置され、第2のゲート430が、第1のゲート428に横方向に近接して、ゲート誘電体層426の第2の部分上に配置される。この例では、第1のゲート428は、ソース418に近接しており、ソース418に部分的に上に重なり得、頂部表面412においてボディ410にわたって延在し、ドレインドリフト領域416の直近で終端する。第2のゲート430は、頂部表面412においてドレインドリフト領域416にわたって延在し、ボディ410の直近で終端する。この例では、第2のゲート430の一部が、ドレインドリフト領域416の上に配置されるフィールド酸化物406の要素に上に重なる。第2のゲート430は、10ナノメートル~250ナノメートルのギャップ432によって、第1のゲート428から横方向に分離される。ギャップ432において誘電材料442が配置される。ギャップ432における誘電材料442の充填が不完全であると、結果としてギャップ432にボイドが置かれ得る。この例では、基板402の頂部表面412におけるボディ410とドレインドリフト領域416との間の境界が、ギャップ432の下に位置する。
【0041】
第1のゲート428は第1のゲート信号ノードに電気的に結合され、第1のゲート信号ノードは、半導体デバイス400の動作の間、オフ状態ゲートバイアス及びオン状態ゲートバイアスの交互シーケンスを第1のゲート428に提供する。この例の1つのバージョンにおいて、第2のゲート430は、半導体デバイス400の第2のゲート電圧ノードに電気的に結合され得、第2のゲート電圧ノードは、半導体デバイス400の動作の間、一定のオン状態ゲートバイアスを第2のゲート430に提供する。この例の別のバージョンにおいて、第2のゲート430は、第2のゲート信号ノードに電気的に結合され得、第2のゲート信号ノードは、半導体デバイス400の動作の間、オフ状態ゲートバイアス及びオン状態ゲートバイアスの交互シーケンスを、第1のゲート信号に同期される第2のゲート430に提供する。スプリットゲートトランジスタ408は、本明細書において開示される他の例を参照して考察する利点を獲得する。
【0042】
特許請求の範囲内で、説明した実施形態における改変が可能であり、他の実施形態も可能である。