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<図1>
  • 特許-半導体駆動装置 図1
  • 特許-半導体駆動装置 図2
  • 特許-半導体駆動装置 図3
  • 特許-半導体駆動装置 図4
  • 特許-半導体駆動装置 図5
  • 特許-半導体駆動装置 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-12
(45)【発行日】2023-06-20
(54)【発明の名称】半導体駆動装置
(51)【国際特許分類】
   H03K 17/082 20060101AFI20230613BHJP
   H02M 1/08 20060101ALI20230613BHJP
   H02M 1/00 20070101ALI20230613BHJP
   H03K 17/08 20060101ALN20230613BHJP
   H03K 17/567 20060101ALN20230613BHJP
【FI】
H03K17/082
H02M1/08 A
H02M1/00 F
H02M1/00 H
H03K17/08 Z
H03K17/567
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019043974
(22)【出願日】2019-03-11
(65)【公開番号】P2020150315
(43)【公開日】2020-09-17
【審査請求日】2021-06-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】本田 善也
(72)【発明者】
【氏名】須網 勝
【審査官】▲高▼橋 徳浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-158126(JP,A)
【文献】特開2017-175771(JP,A)
【文献】特開2008-066877(JP,A)
【文献】特開2018-191484(JP,A)
【文献】特開2014-068091(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 1/00
H02M 1/08
H03K17/00-H03K17/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オンオフ駆動回路からゲートに印加されるゲート駆動電圧によって駆動される駆動トランジスタと、
前記駆動トランジスタのゲートに対し前記オンオフ駆動回路と並列接続され、前記駆動トランジスタにおいて過電流が発生した際にゲート電荷を引き抜く保護回路と、を有する半導体駆動装置であって、
前記保護回路は、
前記駆動トランジスタにおいて過電流が発生した際にオンし、前記ゲートをグランドに接続して前記駆動トランジスタをオフするための第1スイッチと、
前記第1スイッチと前記ゲートとの間に配置され、流れる電流を制限する制限抵抗と、
前記制限抵抗に対し並列接続されコンデンサ及び第2スイッチが直列接続された回路と、
前記ゲート駆動電圧を検知する電圧センサと、
前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを制御する制御部と、
を有し、
前記制御部は、前記電圧センサの検出値が前記駆動トランジスタの閾値電圧以上の場合に前記第2スイッチをオンし、前記電圧センサの検出値が前記閾値電圧未満の場合に前記第2スイッチをオフすることを特徴とする半導体駆動装置。
【請求項2】
前記保護回路は、前記駆動トランジスタのゲートと前記電圧センサとの間に接続され、前記電圧センサの検出値を徐々に低下させるフィルタ回路を更に有することを特徴とする請求項1に記載の半導体駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体駆動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示の遮断回路においては、駆動トランジスタにおいて所定以上の電流が発生した際に遮断スイッチをオンしてゲートをグランドに接続して駆動トランジスタをオフする。遮断スイッチとゲートの間に制限抵抗が配置されている。制限抵抗と並列にコンデンサが接続され、コンデンサの容量値は駆動トランジスタのオン時のゲート蓄積電荷を駆動トランジスタの閾値電圧で除算した容量から入力容量を減算した値より小さくしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-158126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1ではコンデンサへの電荷移動後のゲート電圧がトランジスタの閾値電圧を下回らないようにコンデンサの容量を設定しており、過電流を検出した時にコンデンサでゲートの電荷を引き抜くようにすると、ゲート電圧を低下させるだけであればよいが、条件によってはゲート電圧が低下した結果、駆動トランジスタのオンが継続できずに駆動トランジスタは急激にオフし過大なサージが発生する。特に、ゲート電圧が低い状態で遮断スイッチがオンした場合、上記リスクが高くなる。
【0005】
本発明の目的は、駆動トランジスタに流れる電流を速やかに低減するとともにサージを防止することができる半導体駆動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための半導体駆動装置は、オンオフ駆動回路からゲートに印加されるゲート駆動電圧によって駆動される駆動トランジスタと、前記駆動トランジスタのゲートに対し前記オンオフ駆動回路と並列接続され、前記駆動トランジスタにおいて過電流が発生した際にゲート電荷を引き抜く保護回路と、を有する半導体駆動装置であって、前記保護回路は、前記駆動トランジスタにおいて過電流が発生した際にオンし、前記ゲートをグランドに接続して前記駆動トランジスタをオフするための第1スイッチと、前記第1スイッチと前記ゲートとの間に配置され、流れる電流を制限する制限抵抗と、前記制限抵抗に対し並列接続されコンデンサ及び第2スイッチが直列接続された回路と、前記ゲート駆動電圧を検知する電圧センサと、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記電圧センサの検出値が前記駆動トランジスタの閾値電圧以上の場合に前記第2スイッチをオンし、前記電圧センサの検出値が前記閾値未満の場合に前記第2スイッチをオフすることを要旨とする。
【0007】
これによれば、ゲート駆動電圧を検知する電圧センサの検出値が駆動トランジスタの閾値電圧以上の場合に第2スイッチがオンし、この状態で、駆動トランジスタにおいて過電流が発生すると第1スイッチがオンし、コンデンサにより駆動トランジスタのゲートの電荷が引き抜かれる。これにより、駆動トランジスタに流れる電流を速やかに低減する。その後、ゲート駆動電圧を検知する電圧センサの検出値が閾値未満の場合に第2スイッチがオフする。これによって、流れる電流を制限する制限抵抗により駆動トランジスタのゲートの電荷が徐々に引き抜かれる。これにより、サージを防止することができる。
【0008】
また、ゲート駆動電圧を検知する電圧センサの検出値が駆動トランジスタの閾値電圧未満の場合に第2スイッチがオフし、この状態で、駆動トランジスタにおいて過電流が発生すると第1スイッチがオンし、流れる電流を制限する制限抵抗により駆動トランジスタのゲートの電荷が徐々に引き抜かれる。これにより、サージを防止することができる。
【0009】
このようにして、駆動トランジスタに流れる電流を速やかに低減するとともにサージを防止することができる。
また、半導体駆動装置において、前記保護回路は、前記駆動トランジスタのゲートと前記電圧センサとの間に接続され、前記電圧センサの検出値を徐々に低下させるフィルタ回路を更に有するとよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、駆動トランジスタに流れる電流を速やかに低減するとともにサージを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態における半導体駆動装置の回路図。
図2】フィルタ回路の回路図。
図3】(a),(b),(c),(d)は、電圧センサの検出値、コレクタ電流、スイッチの変化を示すタイムチャート。
図4】(a),(b),(c),(d)は、電圧センサの検出値、コレクタ電流、スイッチの変化を示すタイムチャート。
図5】(a),(b),(c),(d)は、電圧センサの検出値、コレクタ電流、スイッチの変化を示すタイムチャート。
図6】(a),(b),(c),(d)は、電圧センサの検出値、コレクタ電流、スイッチの変化を示すタイムチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、半導体駆動装置10は、駆動トランジスタ20と保護回路40を有する。駆動トランジスタ20としてIGBTを用いている。駆動トランジスタ20にはダイオードDが逆並列接続されている。
【0013】
駆動トランジスタ20は、オンオフ駆動回路30からゲートに印加されるゲート駆動電圧によって駆動される。保護回路40は、駆動トランジスタ20のゲートに対しオンオフ駆動回路30と並列接続され、駆動トランジスタ20において過電流が発生した際にゲート電荷を引き抜く。
【0014】
保護回路40は、第1スイッチSW1と、制限抵抗50と、コンデンサ60と、第2スイッチSW2と、電圧センサ91と、第1スイッチSW1を制御する制御部81と、第2スイッチSW2を制御する制御部92と、過電流検出部80と、フィルタ回路90と、を有する。
【0015】
第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2として半導体スイッチング素子(トランジスタ等)を用いることができる。
第1スイッチSW1は、駆動トランジスタ20において過電流が発生した際にオンし、ゲートをグランドに接続して駆動トランジスタ20をオフするためのものである。
【0016】
駆動トランジスタ20は、エミッタを分岐したセンス端子70を有する。センス端子70からコレクタ電流Icに比例するセンス電流が取り出される。センス端子70には電流検出抵抗71の一端が接続され、電流検出抵抗71の他端は接地されている。電流検出抵抗71において、コレクタ電流Icに比例するセンス電流が電圧に変換される。電流検出抵抗71の一端に過電流検出部80が接続されている。過電流検出部80は、電流検出抵抗71の両端間の電圧、即ち、コレクタ電流Icに比例する電圧を入力する。過電流検出部80は、コレクタ電流Icに比例する電圧と閾値とを比較してコレクタ電流Icに比例する電圧が閾値よりも大きいと過電流が発生したことを検出する。
【0017】
過電流検出部80に制御部81が接続されている。制御部81は、過電流検出部80から過電流検出信号を入力すると第1スイッチSW1をオンする。
駆動トランジスタ20のゲートには抵抗R1を介してオンオフ駆動回路30が接続されている。オンオフ駆動回路30からのゲート駆動電圧により駆動トランジスタ20がオンオフ制御される。
【0018】
オンオフ駆動回路30と抵抗R1との間の接続点αには制限抵抗50を介して第1スイッチSW1の一端が接続されている。第1スイッチSW1の他端は接地されている。
コンデンサ60と第2スイッチSW2が直列に接続され、この直列回路が制限抵抗50と並列に接続されている。第1スイッチSW1とゲートとの間に配置された制限抵抗50は、流れる電流を制限する。
【0019】
電圧センサ91はフィルタ回路90を介して接続点αと接続されている。電圧センサ91はフィルタ回路90を介して駆動トランジスタ20のゲート電圧を検知する。制御部92は、電圧センサ91の検出値が駆動トランジスタ20の閾値電圧Vth以上のとき第2スイッチSW2をオンする。
【0020】
コンデンサ60は制限抵抗50に対し並列接続され、第2スイッチSW2はコンデンサ60に直列接続されている。つまり、電圧センサ91の検出値が駆動トランジスタ20の閾値電圧Vth以上になった時のみ、コンデンサ60が有効になるように、コンデンサ60に直列に第2スイッチSW2が設けられ、電圧センサ91の検出値によってコンデンサ60からゲートの電荷を引き抜くか、あるいは、引き抜かないか選択する回路構成となっている。
【0021】
フィルタ回路90は、図2に示すように、抵抗90aとコンデンサ90bにより構成されたCR回路である。フィルタ回路90は、電圧センサ91の検出値を徐々に低下させる。
【0022】
次に、作用について説明する。
まず、通常時の動作について説明する。
図3(a)、図3(b)、図3(c)、図3(d)に示すように、t1のタイミングでオンオフ駆動回路30から駆動トランジスタ20のゲートにゲート駆動電圧が印加されるとコレクタ電流Icが流れる。そして、制御部92は、t2のタイミングで電圧センサ91の検出値が駆動トランジスタ20の閾値電圧Vth以上になると、第2スイッチSW2をオンする。制御部92は、その後のt3のタイミングで、電圧センサ91の検出値が駆動トランジスタ20の閾値電圧Vth未満になると、第2スイッチSW2をオフする。t4のタイミングでゲート駆動電圧の印加が終了し、コレクタ電流Icが流れなくなる。
【0023】
次に、駆動トランジスタ20のゲート電圧が閾値電圧Vth以上のときにおいて過電流が発生した場合の動作について説明する。
図4(a)、図4(b)、図4(c)、図4(d)に示すように、t11のタイミングでオンオフ駆動回路30から駆動トランジスタ20のゲートにゲート駆動電圧が印加されるとコレクタ電流Icが流れる。そして、制御部92は、t12のタイミングで電圧センサ91の検出値が駆動トランジスタ20の閾値電圧Vth以上になると、第2スイッチSW2をオンする。
【0024】
ゲート電圧が駆動トランジスタ20の閾値電圧Vth以上になった状態において過電流が発生すると、次のようになる。
制御部81は、t13のタイミングでコレクタ電流Icが予め定めた規定値Ith以上の場合に過電流を検出したとして第1スイッチSW1をオンする。これによりコンデンサ60により駆動トランジスタ20のゲートの電荷が引き抜かれ、駆動トランジスタ20に流れる電流が速やかに低減される。第1スイッチSW1は所定時間オン状態が継続されt16のタイミングでオフされる。
【0025】
また、制御部92は、t14のタイミングで電圧センサ91の検出値が駆動トランジスタ20の閾値電圧Vth未満の場合に、第2スイッチSW2をオフする。これによって、制限抵抗50により駆動トランジスタ20のゲートの電荷が徐々に引き抜かれ、サージが防止される。
【0026】
よって、t13~t14の期間において、駆動トランジスタ20に流れる電流Icを速やかに低減するとともに、t14~t15の期間において、サージを防止することができる。
【0027】
詳しくは、t12のタイミング以降の電圧センサ91の検出値が駆動トランジスタ20の閾値電圧Vth以上のときにおいて第2スイッチSW2がオンする。t13のタイミングにおいてコレクタ電流Icが予め定めた規定値Ithを上回ると駆動トランジスタ20の過電流が検出される。すると、第1スイッチSW1がオンする。第2スイッチSW2がオンしているときのみ、第1スイッチSW1がオンしたとき、コンデンサ60がゲートから電荷を引き抜く。コンデンサ60が電荷を引き抜いた後のt14以降は、並列に接続されている制限抵抗50でゲートからゆっくり電荷を引き抜く。
【0028】
ここで、図5(a)、図5(b)、図5(c)、図5(d)に示すように、フィルタ回路90の入力に対しフィルタ回路90の出力では電圧センサ91の検出値が徐々に低下していき、フィルタ回路90が無い場合の閾値電圧Vthになるタイミングがt100であったものが、フィルタ回路90が有ることにより閾値電圧Vthになるタイミングがt14と遅くされる。このt14のタイミングで第2スイッチSW2がオフされる。
【0029】
次に、駆動トランジスタ20のゲート電圧が閾値電圧Vth未満のときにおいて過電流が発生した場合の動作について説明する。
図6(a)、図6(b)、図6(c)、図6(d)に示すように、制御部92はt21のタイミングでゲート駆動電圧が印加された後、電圧センサ91の検出値が駆動トランジスタ20の閾値電圧Vth未満のとき、第2スイッチSW2をオフする。制御部81はt22のタイミングでコレクタ電流Icが予め定めた規定値Ith以上の場合に駆動トランジスタ20の過電流を検出すると、第1スイッチSW1をオンする。第2スイッチSW2はオフしているので、コンデンサ60はゲートから電荷を引き抜かない。t22~t23の期間において、並列に接続されている制限抵抗50のみで駆動トランジスタ20のゲートの電荷が徐々に引き抜かれ、サージが防止される。
【0030】
このように、電圧センサ91の検出値が駆動トランジスタ20の閾値電圧Vthよりも低いときに過電流が発生した場合には、制限抵抗50で駆動トランジスタ20のゲート電荷を引き抜く。また、ゲート電圧が低いときにコンデンサで駆動トランジスタ20のゲートの電荷を引き抜き駆動トランジスタのオンを継続できないと、過大なサージが発生するため、従来技術ではごく小さな容量のコンデンサしか接続することができなかったが、本実施形態では接続できるコンデンサの容量が増加し、ゲート電圧が高いときの保護性能を高めることができる。
【0031】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)半導体駆動装置10の構成として、オンオフ駆動回路30からゲートに印加されるゲート駆動電圧によって駆動される駆動トランジスタ20と、駆動トランジスタ20のゲートに対しオンオフ駆動回路30と並列接続され、駆動トランジスタ20において過電流が発生した際にゲート電荷を引き抜く保護回路40と、を有する。保護回路40は、駆動トランジスタ20において過電流が発生した際にオンし、ゲートをグランドに接続して駆動トランジスタ20をオフするための第1スイッチSW1と、第1スイッチSW1とゲートとの間に配置され、流れる電流を制限する制限抵抗50と、制限抵抗50に対し並列接続されたコンデンサ60と、コンデンサ60に直列接続された第2スイッチSW2と、ゲート電圧を検知する電圧センサ91と、第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2を制御する制御部81,92と、を有する。制御部92は、電圧センサ91の検出値が駆動トランジスタ20の閾値電圧Vth以上の場合に第2スイッチSW2をオンし、電圧センサ91の検出値が閾値電圧Vth未満の場合に第2スイッチSW2をオフする。
【0032】
この構成により、ゲート電圧を検知する電圧センサ91の検出値が駆動トランジスタ20の閾値電圧Vth以上の場合に第2スイッチSW2がオンし、この状態で、駆動トランジスタ20において過電流が発生すると第1スイッチSW1がオンし、コンデンサ60により駆動トランジスタ20のゲートの電荷が引き抜かれる。これにより、駆動トランジスタ20に流れる電流を速やかに低減する。その後、ゲート電圧を検知する電圧センサ91の検出値が駆動トランジスタ20の閾値電圧Vth未満の場合に第2スイッチSW2がオフする。これによって、流れる電流を制限する制限抵抗50により駆動トランジスタ20のゲートの電荷が徐々に引き抜かれる。これにより、サージを防止することができる。
【0033】
また、ゲート電圧を検知する電圧センサ91の検出値が駆動トランジスタ20の閾値電圧Vth未満の場合に第2スイッチSW2がオフし、この状態で、駆動トランジスタ20において過電流が発生すると第1スイッチSW1がオンし、流れる電流を制限する制限抵抗50により駆動トランジスタ20のゲートの電荷が徐々に引き抜かれる。これにより、サージを防止することができる。
【0034】
このようにして、駆動トランジスタ20に流れる電流を速やかに低減するとともにサージを防止することができる。
(2)保護回路40は、駆動トランジスタ20のゲートと電圧センサ91との間に接続され、電圧センサ91の検出値を徐々に低下させるフィルタ回路90を更に有する。これにより、電圧センサ91の検出値が徐々に低下することによって、第2スイッチSW2を遅らせてオフすることによりコンデンサ60で早期に過電流を低下することができる。
【0035】
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ 駆動トランジスタ20は、IGBT以外にも例えばパワーMOSFETを用いてもよく、この場合には逆並列接続されるダイオードDとして寄生ダイオードが用いられる。
【0036】
○ フィルタ回路90を不要とすることもできる。
【符号の説明】
【0037】
10…半導体駆動装置、20…駆動トランジスタ、30…オンオフ駆動回路、40…保護回路、50…制限抵抗、60…コンデンサ、81…制御部、90…フィルタ回路、91…電圧センサ、92…制御部、SW1…第1スイッチ、SW2…第2スイッチ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6