IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士通株式会社の特許一覧

特許7293778ノイズ判定方法、ノイズ判定プログラムおよびノイズ判定装置
<>
  • 特許-ノイズ判定方法、ノイズ判定プログラムおよびノイズ判定装置 図1
  • 特許-ノイズ判定方法、ノイズ判定プログラムおよびノイズ判定装置 図2
  • 特許-ノイズ判定方法、ノイズ判定プログラムおよびノイズ判定装置 図3
  • 特許-ノイズ判定方法、ノイズ判定プログラムおよびノイズ判定装置 図4
  • 特許-ノイズ判定方法、ノイズ判定プログラムおよびノイズ判定装置 図5
  • 特許-ノイズ判定方法、ノイズ判定プログラムおよびノイズ判定装置 図6
  • 特許-ノイズ判定方法、ノイズ判定プログラムおよびノイズ判定装置 図7
  • 特許-ノイズ判定方法、ノイズ判定プログラムおよびノイズ判定装置 図8
  • 特許-ノイズ判定方法、ノイズ判定プログラムおよびノイズ判定装置 図9
  • 特許-ノイズ判定方法、ノイズ判定プログラムおよびノイズ判定装置 図10
  • 特許-ノイズ判定方法、ノイズ判定プログラムおよびノイズ判定装置 図11
  • 特許-ノイズ判定方法、ノイズ判定プログラムおよびノイズ判定装置 図12
  • 特許-ノイズ判定方法、ノイズ判定プログラムおよびノイズ判定装置 図13
  • 特許-ノイズ判定方法、ノイズ判定プログラムおよびノイズ判定装置 図14
  • 特許-ノイズ判定方法、ノイズ判定プログラムおよびノイズ判定装置 図15
  • 特許-ノイズ判定方法、ノイズ判定プログラムおよびノイズ判定装置 図16
  • 特許-ノイズ判定方法、ノイズ判定プログラムおよびノイズ判定装置 図17
  • 特許-ノイズ判定方法、ノイズ判定プログラムおよびノイズ判定装置 図18
  • 特許-ノイズ判定方法、ノイズ判定プログラムおよびノイズ判定装置 図19
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-12
(45)【発行日】2023-06-20
(54)【発明の名称】ノイズ判定方法、ノイズ判定プログラムおよびノイズ判定装置
(51)【国際特許分類】
   G06N 99/00 20190101AFI20230613BHJP
   A61B 5/372 20210101ALI20230613BHJP
【FI】
G06N99/00
A61B5/372
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019055019
(22)【出願日】2019-03-22
(65)【公開番号】P2020155009
(43)【公開日】2020-09-24
【審査請求日】2021-12-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹野内 正寿
(72)【発明者】
【氏名】角田 友将
(72)【発明者】
【氏名】伊海 佳昭
(72)【発明者】
【氏名】三浦 貴司
(72)【発明者】
【氏名】金児 純司
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 孝広
【審査官】渡辺 順哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-097643(JP,A)
【文献】特開2005-080712(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06N 3/00-99/00
A61B 5/372
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが、
時系列データを取得し、
前記時系列データの波形の形状をパーシステントダイアグラムで特定し、
前記パーシステントダイアグラムに基づいて前記時系列データのうち生成から消滅までの生存時間が閾値以上であるデータが属するクラスタを抽出し、
前記クラスタの中に含まれる前記データに関する時間間隔の統計情報から、前記時系列データの波形に一定の間隔でピークが出現するか否かを判定し、
判定結果に基づいて、前記時系列データにノイズが含まれることを示すアラートの通知を制御する
処理を実行することを特徴とするノイズ判定方法。
【請求項2】
前記抽出する処理は、属するデータの前記生存時間が閾値以上である複数のクラスタを抽出し、
前記判定する処理は、前記時系列データにおいて振幅が閾値以上であるピークの間隔を算出し、前記複数のクラスタから、各ピーク間隔に含まれるデータに該当するクラスタを特定し、前記各ピーク間隔と前記各ピーク間隔に含まれるデータの数との関係をグラフ化してピークを有する波形の形となった場合に、前記時系列データに前記ノイズが含まれていると判定することを特徴とする請求項1に記載のノイズ判定方法。
【請求項3】
前記判定する処理は、前記時系列データにおいて振幅が閾値以上であるピークの間隔を用いてピーク間隔の標準偏差を算出し、前記標準偏差が閾値未満である場合に、前記時系列データに前記ノイズが含まれていると判定することを特徴とする請求項1または2に記載のノイズ判定方法。
【請求項4】
前記特定する処理は、属するデータの前記生存時間が前記閾値未満であるクラスタを抽出し、
前記判定する処理は、前記クラスタに含まれる各データの生存時間の標準偏差を算出し、前記標準偏差に基づき、前記時系列データに前記ノイズが含まれているか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載のノイズ判定方法。
【請求項5】
前記判定する処理は、属するデータの前記生存時間が前記閾値以上である第1のクラスタを直角三角形の頂点、前記パーシステントダイアグラムの対角線を斜辺とする直角三角形を生成し、属するデータの前記生存時間が前記閾値未満である第2のクラスタに含まれる各データの生存時間の標準偏差の前記直角三角形の斜辺の長さにおける割合を算出し、前記割合が閾値未満である場合に、前記時系列データに前記ノイズが含まれていると判定することを特徴とする請求項4に記載のノイズ判定方法。
【請求項6】
コンピュータに、
時系列データを取得し、
前記時系列データの波形の形状をパーシステントダイアグラムで特定し、
前記パーシステントダイアグラムに基づいて前記時系列データのうち生成から消滅までの生存時間が閾値以上であるデータが属するクラスタを抽出し、
前記クラスタの中に含まれる前記データに関する時間間隔の統計情報から、前記時系列データの波形に一定の間隔でピークが出現するか否かを判定し、
判定結果に基づいて、前記時系列データにノイズが含まれることを示すアラートの通知を制御する
処理を実行させることを特徴とするノイズ判定プログラム。
【請求項7】
時系列データを取得する取得部と、
前記時系列データの波形の形状をパーシステントダイアグラムで特定する特定部と、
前記パーシステントダイアグラムに基づいて前記時系列データのうち生成から消滅までの生存時間が閾値以上であるデータが属するクラスタを抽出する抽出部と、
前記クラスタの中に含まれる前記データに関する時間間隔の統計情報から、前記時系列データの波形に一定の間隔でピークが出現するか否かを判定する判定部と、
判定結果に基づいて、前記時系列データにノイズが含まれることを示すアラートの通知を制御する通知制御部と
を有することを特徴とするノイズ判定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はノイズ判定方法、ノイズ判定プログラムおよびノイズ判定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
心電波、脳波、脈拍、呼吸、発汗などの生体現象によって体内から発せられる信号の解析を行うことで、体調の変化、疾患の診断、病気の早期発見などが行われている。例えば、脳波の解析を行う場合、電源ノイズ、体動による電極やセンサの接触状態の変化によって生じる基線揺れなどのノイズが脳波データに含まれることがあり、精度悪化の要因となる。近年では、周波数フィルタを用いて、脳波データなどの周波数データからノイズを除去する手法が利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-16193号公報
【文献】特開2011-110378号公報
【文献】特開2004-249124号公報
【文献】特開2008-229307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記技術では、対象の信号とノイズとの間で、主成分の周波数帯が同じ場合に、ノイズのみを除去することが難しいので、フィルタリング後のデータであってもノイズが含まれるデータか否かを判定することが難しい。
【0005】
例えば、脳波データに心電波形データが重畳した場合、周波数フィルタによる心電波形データの除去では、同じ周波数帯が主成分のため困難であり、脳波データに由来する疾患の診断に利用できない。また、専門家が脳波データを見ながら、一つ一つ判別することも考えられるが、大量の患者データを処理するには膨大な時間がかかり、現実的ではない。
【0006】
一つの側面では、ノイズの混入有無の判定精度を向上させることができるノイズ判定方法、ノイズ判定プログラムおよびノイズ判定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の案では、ノイズ判定方法は、コンピュータが、時系列データを取得し、前記時系列データの波形の形状をパーシステントダイアグラムで特定する処理を実行する。ノイズ判定方法は、コンピュータが、前記パーシステントダイアグラムの中で、生成から消滅までの生存時間が閾値以上であるクラスタを抽出する処理を実行する。ノイズ判定方法は、コンピュータが、前記クラスタの中に含まれるデータに関する時間間隔の統計情報から、前記時系列データの波形に一定の間隔でピークが出現するか否かを判定し、判定結果に基づいて、前記時系列データにノイズが含まれることを示すアラートの通知を制御する処理を実行する。
【発明の効果】
【0008】
一実施形態によれば、ノイズの混入有無の判定精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施例1にかかるノイズ判定装置を説明する図である。
図2図2は、TDAによる特徴抽出を説明する図である。
図3図3は、脳波を説明する図である。
図4図4は、心電波を説明する図である。
図5図5は、脳波に心電波が混入した測定データを説明する図である。
図6図6は、TDAによる解析例を説明する図である。
図7図7は、振幅が大きくなった脳波データを説明する図である。
図8図8は、実施例1にかかるノイズ判定装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
図9図9は、脳波の測定を説明する図である。
図10図10は、分析処理を説明する図である。
図11図11は、統計情報を用いた分析結果を説明する図である。
図12図12は、画面表示例を説明する図である。
図13図13は、分析処理の全体的な流れを示すフローチャートである。
図14図14は、判定処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
図15図15は、実施例2にかかる判定処理を説明する図である。
図16図16は、混入パターン1を説明する図である。
図17図17は、混入パターン2を説明する図である。
図18図18は、混入がなく脳波のみのパターンを説明する図である。
図19図19は、ハードウェア構成例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願の開示するノイズ判定方法、ノイズ判定プログラムおよびノイズ判定装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、各実施例は、矛盾のない範囲内で適宜組み合わせることができる。
【実施例1】
【0011】
[全体構成]
図1は、実施例1にかかるノイズ判定装置を説明する図である。図1に示すノイズ判定装置10は、測定された脳波データにノイズが含まれるかを判定し、ノイズ有無により、測定データを分類するコンピュータ装置の一例である。
【0012】
具体的には、図1に示すように、ノイズ判定装置10は、脳波測定器により測定された脳波データに対してTDA(Topological Data Analysis)-VBF(Value-Based Filtration)を用いて波形形状の特徴を抽出する。そして、ノイズ判定装置10は、抽出結果をクラスタリングし、クラスタリング結果に基づいて、ノイズの混入判定を実行する。その後、ノイズ判定装置10は、混入判定結果に応じて、ノイズを含むデータか、ノイズを含まないデータかに自動で分類する。
【0013】
ここで、TDA-VBF(以下では、単にTDAと記載する場合がある)による解析を説明する。TDA-VBFでは、位相的データ解析と呼ばれるトポロジーを応用したデータ解析であり、図形や画像などのデータの形をマルチスケールで特徴付けることできる。具体的には、脳波データ等の時系列データのある軸に対して、平行な直線を移動させたときの交点をトポロジーとして抽出する。また、抽出されたトポロジーからパーシステントダイアグラムを求める。パーシステントダイアグラムでは、各点はデータ内の塊を示し、ある軸上に塊の発生パラメータである発生軸を、他の軸上に塊の消滅パラメータである消滅軸をとることにより、時系列データの特徴を抽出する。具体的には、パーシステントダイアグラムでは、塊の生成と消滅の時間間隔をみることが可能であり、ダイアグラム中央の対角線は、塊の発生と消滅の時間間隔が0であることを示し、塊の発生と消滅の時間間隔が小さい場合は、対角線付近にダイアグラムが生成され、その塊をノイズとみなすことができる。例えば、振幅の大きな波形から構成される心電波の場合、塊の発生から消滅までの時間間隔が大きくなるため、ダイアグラムが対角線から遠い位置に生成される。また、心電波形よりも振幅が小さくなる脳波の場合、塊の発生から消滅までの時間間隔が小さくなるため、ダイアグラムが対角線から離れた位置に生成される。
【0014】
図2は、TDAによる特徴抽出を説明する図である。図2の(a)に示すように、測定された判定対象の脳波データ(以下では、測定データと記載する場合がある)を下からスキャンして、波の生成と消滅のタイミングを抽出する。例えば、点線を測定データの下から上へ移動させると、図2の(1)のタイミングで点線の下に1つの塊ができ、図2の(2)のタイミングで点線の下にさらに1つの塊(計2つ)ができ、図2の(3)のタイミングで点線の下にさらに1つの塊(計3つ)ができ、図2の(2)のタイミングで点線の下に3つの塊が1つの塊となる。
【0015】
そして、図2の(b)に示すように、塊の生成(発生)時刻(Birth)と消滅時刻(Death)とをプロットしたパーシステントダイアグラムを生成し、生存時間が0を示す対角線からの距離により各塊の生存時間を抽出する。その後、図2の(c)に示すように、各塊の生存時間をプロットすることで、いわゆるバーコードデータを生成する。このようなバーコードデータから、測定データの特徴量を示すベッチ系列などの生成が行われ、学習データなどに利用される。
【0016】
このようなTDA解析においては、図2の(b)に示すパーシステントダイアグラムを解析することで、ノイズ混入を判定する手法が考えられる。しかし、その手法では、ノイズ混入の判断が難しい場合がある。
【0017】
まず、本願で想定する波形について説明する。図3は、脳波を説明する図であり、図4は、心電波を説明する図であり、図5は、脳波に心電波が混入した測定データを説明する図である。図3に示す脳波の特徴は、周波数範囲が0.5から30Hz、波形振幅が20から70μVであり、周期性がない。一方、図4に示す心電波の特徴は、周波数範囲が0.05から100Hz、波形振幅が300μV前後であり、周期性がある。すなわち、心電波の方が、ピークが高いことが一般的であり、そのピークが定期的に発生する。したがって、脳波に心電波が混入した場合、図5に示すように、脳波だけのときと比べて、大きな振幅の波が一定の間隔で検出されることがある。
【0018】
このような各波形の特徴を前提にして、TDAによるノイズ混入の解析を説明する。図6は、TDAによる解析例を説明する図である。図6に示すように、判定対象のある期間の脳波データ(測定データ)にTDAを適用して、パーシステントダイアグラムへプロットする。そして、プロット結果を領域に分割して、各領域にスコアを設定し、判定対象の測定データのスコアを集計する。そして、スコアの集計結果に応じて、測定データにノイズが混入しているか否かを判定する。
【0019】
例えば、図6の(a)の領域は、振幅が大きくなく、生存時間が比較的短い塊の領域であることから、脳波に該当する可能性が高いデータと判断できるので、ノイズ判定に用いるスコア集計の対象外とする。そして、図5に示すように、心電波は、振幅が大きいことから、対角線から離れた場所にプロットされる可能性が高い。このため、領域(1)から(4)については、対角線から遠いほど、すなわち生存時間が長いほど、値が高くなるようにスコアを設定する。ここでは、領域(1)に1、領域(2)に10、領域(3)に100、領域(4)に1000を設定したとする。
【0020】
このような条件のもと、領域(1)に属するデータが17個、領域(2)に属するデータが10個、領域(3)に属するデータが12個、領域(4)に属するデータが3個存在したとすると、スコアは「(1×17+10×10+100×12+1000×3)=4317」と算出される。そして、このスコアが閾値以上であれば、心電波などのノイズが混入している可能性が高いと判定し、疾患の診断データから除外される。
【0021】
ところが、脳波だけでも、周囲の環境、人の脳の活性化、機器の設置状態により、振幅が大きくなることがある。図7は、振幅が大きくなった脳波データを説明する図である。図7に示すように、ノイズ以外の要因により振幅は大きいが正常な脳波データが測定されることがあり、このような振幅が大きな脳波データをパーシステントダイアグラムにより解析すると、対角線より離れたところにデータが集中する。
【0022】
すなわち、図7に示す振幅が大きな脳波データの場合、図6の領域(3)や領域(4)に多くのデータが出現するので、スコアが大きな値となる。この結果、一般的なTDAを用いて、特徴量を領域に応じてスコア化する手法では、正常である脳波データであっても、振幅が大きい場合にはノイズと判定される事象が発生し、ノイズ混入の判定精度が劣化する。
【0023】
そこで、本実施例では、大きな振幅の波が、ある一定の間隔で長く続く場合、通常の脳波ではなく心電波が混入していると判断することで、ノイズの混入有無の判定精度を向上させる。
【0024】
[機能構成]
図8は、実施例1にかかるノイズ判定装置10の機能構成を示す機能ブロック図である。図8に示すように、ノイズ判定装置10は、通信部11、記憶部12、制御部20を有する。
【0025】
通信部11は、他の装置との通信を制御する処理部であり、例えば通信インタフェースなどである。例えば、通信部11は、脳波測定器から判定対象のデータである脳波データ(測定データ)を受信し、判定結果などを管理装置に送信する。
【0026】
記憶部12は、データや制御部20が実行するプログラムなどを記憶する記憶装置の一例であり、例えばメモリやハードディスクなどである。記憶部12は、測定データDB13、脳波データDB14、ノイズ混入データDB15を記憶する。
【0027】
測定データDB13は、脳波測定器から受信した脳波データであって、ノイズの混入判定の対象となる測定データを記憶するデータベースである。すなわち、測定データDB13は、脳波データとして測定され、ノイズの混在状況が不明な測定対象のデータを記憶する。
【0028】
脳波データDB14は、ノイズが混在していない、または、ノイズの混在程度が許容範囲内と判定されたデータを記憶するデータベースである。すなわち、脳波データDB14は、後述する制御部20によって脳波データと判定され、疾患の診断データとして使用しても問題がないデータを記憶する。
【0029】
ノイズ混入データDB15は、ノイズが混在している、または、ノイズの混在程度が許容範囲外と判定されたデータを記憶するデータベースである。すなわち、ノイズ混入データDB15は、後述する制御部20によってノイズが多い脳波データと判定され、疾患の診断データに適さず、正確な診断ができない可能性があるデータを記憶する。
【0030】
制御部20は、ノイズ判定装置10全体の処理を司る処理部であり、例えばプロセッサなどである。この制御部20は、測定部21、フィルタリング部22、TDA処理部23、分析部24、分類部25、表示制御部26を有する。なお、測定部21、フィルタリング部22、TDA処理部23、分析部24、分類部25、表示制御部26は、プロセッサなどが有する電子回路やプロセッサなどが実行するプロセスの一例である。
【0031】
測定部21は、脳波を測定する処理部である。具体的には、測定部21は、脳波を測定する脳波測定器から測定された脳波データを取得し、測定データとして測定データDB13に格納する。図9は、脳波の測定を説明する図である。図9に示すように、脳波測定器は、頭に付けたセンサを介して脳波を測定し、測定した脳波のデータである脳波データを送信する。また、脳波測定器は、測定対象者の身体に接した状態や身体の近くに置かれた状態で測定することが多く、心電波などのノイズが混入することがある。
【0032】
フィルタリング部22は、判定対象である測定データに対してフィルタリング処理を実行する処理部である。例えば、フィルタリング部22は、測定データを測定データDB13から読み出し、周波数フィルタを適用して脳波以外の周波数帯域を除去し、除去後の測定データをTDA処理部23に出力する。
【0033】
TDA処理部23は、測定データに対してTDAによる解析を実行して、パーシステントダイアグラムを生成する処理部である。具体的には、TDA処理部23は、フィルタリング部22から入力された測定データに対して、図2で説明したTDAによる特徴抽出を実行し、図2の(b)や図6に示すパーシステントダイアグラムを生成することで、測定データの波形形状の特徴をダイアグラムで表現する。そして、TDA処理部23は、測定データに対応するパーシステントダイアグラムを、分析部24に出力する。
【0034】
分析部24は、TDA処理部23により生成された、測定データに対応するパーシステントダイアグラムを分析し、ノイズの混入を判定する処理部である。具体的には、分析部24は、パーシステントダイアグラムにプロットされたデータをクラスタリングする。そして、分析部24は、対角線から閾値以上の距離にある「遠いクラスタ」と、対角線から閾値未満の距離にある「近いクラスタ」とを生成する。ここで、分析部24は、「遠いクラスタ」が存在しない場合、または、「遠いクラスタ」に属するサンプル(データ)の数が閾値未満の場合、ノイズが混入されていないと判定し、判定結果を分類部25や表示制御部26に出力する。
【0035】
一方、分析部24は、「遠いクラスタ」が存在する場合、または、「遠いクラスタ」に属するサンプル(データ)の数が閾値以上の場合、生成された各クラスタから遠いクラスタを分離する。そして、分析部24は、分離したクラスタに関して、大きな振幅のピークのみを抽出する。その後、分析部24は、ピーク間の時間間隔の分布を検出し、ある一定の間隔にピークが存在するか否かを確認する。そして、分析部24は、大きな振幅が一定の間隔で続いている場合、当該測定データを、ノイズが混入している脳波データと判定する。
【0036】
つまり、分析部24は、対角線から遠いところに出現する、大きな振幅に該当する生存時間の長いデータ群が、一定間隔で大きな振幅が出現する心電波の特徴を有しているか否かにより、ノイズ混入を判定する。より詳細には、分析部24は、当該データ群に一定の規則性がある場合には、一定間隔で大きな振幅が出現していると分析し、測定データに心電波データが含まれていると判定する。一方、分析部24は、規則性がない場合には、単に振幅が大きな脳波データと分析し測定データに心電波データが含まれていないと判定する。そして、分析部24は、測定データと分析結果とを分類部25や表示制御部26に出力する。
【0037】
図10は、分析処理を説明する図である。図10に示すように、分析部24は、測定データから得られたパーシステントダイアグラムのプロット結果を、対角線から近いクラスタと遠いクラスタにクラスタリングする。なお、分析部24は、一般的なクラスタリング技術を用いることができるが、例えば対角線から所定距離未満に位置するデータを1つのクラスタ(近いクラスタ)に分類し、対角線から所定距離以上に位置するデータを1つのクラスタ(遠いクラスタ)に分類する。また、図10では、2つのクラスタができる場合を図示しているが、これに限定されるものではなく、閾値以上の大きな振幅が複数回出現する場合には、対角線から遠いクラスタが複数できる場合がある。
【0038】
そして、分析部24は、対角線から閾値以上の位置にある各「対角線から遠いクラスタ」に着目する。続いて、分析部24は、分析元の測定データを参照し、閾値以上の大きな振幅(ピーク)を特定し、各ピーク間の時間間隔(Δt)を算出する。その後、分析部24は、各ピークの時間間隔(Δt)について、そのピークの時間間隔に該当するクラスタに属するサンプルの数を特定し、特定した数に基づいて、振幅が大きいデータ群内に一定の間隔でピークが発生しているかを判定する。
【0039】
例えば、図10に示すように、分析部24は、TDAによる分析対象である元の測定データから特定される各Δtを、出現順に選択する。続いて、分析部24は、選択した各Δtに該当するクラスタとして、対角線から遠いクラスタを出現順に選択する。このようにして、分析部24は、各Δtと、当該Δtに該当する各クラスタ(遠いクラスタ)とを対応付け、各クラスタに属するデータの数(N)とを計数してグラフ化する。
【0040】
そして、分析部24は、ΔtとNとの各組のプロット結果が、図10の(a)に示すようなピークを有する形となった場合に、測定データのピークに規則性があり、ある一定の間隔でピークがあると判定し、当該測定データにはノイズが混入していると特定する。一方、分析部24は、ΔtとNとの各組のプロット結果が、図10の(b)に示すようなピークを有さない緩やかな形となった場合に、測定データのピークには規則性がないと判定し、当該測定データにはノイズが混入していないと特定する。
【0041】
さらに、分析部24は、分析結果の信頼性を高めるために、測定データそのものの統計情報から、ある一定の間隔にピークがあるか否かを判定することもできる。図11は、統計情報を用いた分析結果を説明する図である。図11に示すように、分析部24は、測定データを座標化し、測定データから第1の閾値以上の振幅であるピークとしてa1からa7を特定し、各ピークの座標を基に、各ピーク間の距離を算出する。そして、分析部24は、各ピーク間の距離の標準偏差を算出し、標準偏差が閾値未満の場合は、波形間隔が一定であることから、一定間隔にピークがあると判定し、標準偏差が閾値以上の場合は、波形間隔が不定であることから、一定間隔にピークがないと判定する。
【0042】
また、分析部24は、測定データから、第1の閾値未満かつ第2の閾値以上の振幅であるピークとしてb1からb6を特定し、これらのピークについても、各ピーク間の距離の標準偏差を算出し、閾値による判定を行うこともできる。さらに、分析部24は、a1からa7のピーク間隔による標準偏差と、b1からb6のピーク間隔による標準偏差との両方が閾値未満の場合に、一定間隔にピークがあると判定することもできる。
【0043】
図8に戻り、分類部25は、分析部24による分析結果に基づいて、測定データを分類する処理部である。例えば、分類部25は、分析部24により、ノイズが混入されていないと判定された測定データを、脳波データDB14に格納する。また、分類部25は、分析部24により、ピークがある一定の間隔ではなく不規則であると判定された測定データを、脳波データDB14に格納する。また、分類部25は、分析部24により、ピークに規則性があり、ある一定の間隔にピークがあると判定された測定データを、ノイズ混入データDB15に格納する。
【0044】
表示制御部26は、分類結果を表示する処理部である。具体的には、表示制御部26は、分類部25による分類結果や分析部24による分析結果などを、ディスプレイなどの表示部に表示したり、管理者端末などに送信したりする。
【0045】
ここで、医療機関で疾患の診断のために脳波データが測定された例で説明する。図12は、画面表示例を説明する図である。図12に示すように、表示制御部26は、医療従事者が測定した脳波データと、当該脳波データの分析結果であるパーシステントダイアグラムとをコンピュータに表示し、医者にノイズ混入状況を通知する。このとき、表示制御部26は、脳波データにノイズが混入している場合には、再測定を促すメッセージなどもあわせて表示することができる。
【0046】
また、表示制御部26は、測定された一連の脳波データの分析結果から、ノイズが混入している箇所を特定し、脳波データ上で当該箇所を強調表示するなどして、診断に使用するのが好ましくない箇所を、医者に通知することもできる。
【0047】
[分析処理の流れ]
次に、上述した測定データにノイズが混入しているか否かを分析する処理の流れを説明する。図13は、分析処理の全体的な流れを示すフローチャートである。図13に示すように、管理者端末の指示や脳波データの測定が完了して、測定部21により測定データが格納されて、処理開始が指示されると(S101:Yes)、フィルタリング部22は、測定データを測定データDB13から読み込む(S102)。
【0048】
続いて、フィルタリング部22は、測定データに周波数フィルタを適用して、脳波以外の周波数帯域を除去する(S103)。そして、TDA処理部23は、除去後の測定データに対して、TDA処理を実行し、パーシステントダイアグラムを生成する(S104)。
【0049】
その後、分析部24は、パーシステントダイアグラムの結果をクラスタリングし(S105)、ダイアグラムの対角線より遠い方のクラスタのピーク間の時間間隔を導出する(S106)。続いて、分析部24は、一定間隔にピークが存在するか否かを判定する(S107)。
【0050】
そして、分類部25は、分析部24による判定結果に応じて、測定データを分類し(S108)、表示制御部26は、判定結果をディスプレイ等に表示する(S109)。そして、分析対象の測定データが他にも存在する場合(S110:Yes)、S102以降が繰り返され、分析対象の測定データが他に存在しない場合(S110:No)、処理を終了する。
【0051】
(判定処理の流れ)
次に、図11を用いた判定手法の流れを説明する。図14は、判定処理の詳細な流れを示すフローチャートである。例えば、この処理は、図10のS107で実行される処理である。
【0052】
図14に示すように、分析部24は、大きな振幅のピークを抽出し(S201)、ピークの尖った波形に着目する(S202)。続いて、分析部24は、ピーク間の距離を算出し(S203)、ピーク間の距離の標準偏差を算出する(S204)。
【0053】
その後、分析部24は、標準偏差が閾値未満であれば(S205:Yes)、一定間隔にピークが存在すると波形と推定し、ノイズが混入している測定データであると判定する(S206)。一方、分析部24は、標準偏差が閾値以上であれば(S205:No)、ピーク間隔が不定期であると推定し、ノイズが混入していない測定データであると判定する(S207)。
【0054】
[効果]
上述したように、ノイズ判定装置10は、測定された脳波データ(測定データ)に、大きな振幅の波がある一定の間隔で長く続く場合、通常の脳波ではなく心電波が混入していると判断することができる。また、ノイズ判定装置10は、脳波データや脳波に心電波が混入したデータを基に、スコアを算出し、脳波データのスコアと脳波に心電波が混入したデータを比較することにより、判別の自動化が実現できる。この結果、心電図を個別に記録することなしに、脳波時系列の情報のみから、心電図のアーチファクトの検出を実現することができる。
【0055】
また、ノイズ判定装置10は、TDAを用いることで、周期およびピークの位置が揃っている心電波において、R波などの波形の特徴を容易にとらえることができる。また、ノイズ判定装置10は、周期やピークが不規則に変化する脳波においても、心電波と同様、特徴抽出が容易に行えるので、脳波に心電波が混入したデータにTDAを適用することで、脳波と心電波の特徴が区別されるので、目視でも十分にノイズ混入を判別できる。
【実施例2】
【0056】
ところで、実施例1による手法では、正常な脳波であっても、α波やβ波などの特定の周波数帯の振幅が大きい場合、ノイズと誤検出される可能性がある。そこで、実施例2では、実施例1に対して、波形のピーク形状が尖っていることを心電波の混入の判定に追加することで、ノイズの誤検出を抑制する。
【0057】
具体的には、分析部24は、パーシステントダイアグラムの結果から、対角線に対して近いクラスタと遠いクラスタを分離する。そして、分析部24は、対角線に近いクラスタに含まれる各データの生存時間の標準偏差σが対角線から遠いクラスタを頂点とした直角三角形の斜辺と比較した場合、一定値以下となるか否かを判定する。例えば、分析部24は、脳波のみの場合の標準偏差の方が、心電波が混入した場合の標準偏差よりも大きくなることから、直角三角形の斜辺の長さにおける標準偏差σの割合が閾値以上であれば、脳波のみのデータと判定する。
【0058】
図15は、実施例2にかかる判定処理を説明する図である。図15に示すように、分析部24は、パーシステントダイアグラムの結果から、対角線に対して近いクラスタPと遠いクラスタRとを分離する。続いて、分析部24は、クラスタRを頂点とし、対角線を斜辺として辺Aと辺Bを引き、ABCを辺とする直角三角形を生成する。そして、分析部24は、直角三角形の辺Cの長さLにおけるクラスタPの標準偏差σの割合を算出し、割合が閾値以上であれば、測定データにはノイズが混入していないと判定する。なお、ここでは、クラスタPの標準偏差を用いる例を説明したが、これに限定されるものではなく、クラスタPの端から端までの長さlを用いることもできる。
【0059】
ここで、心電波が混入した混入パターンと、脳波のみのパターンとを具体的に説明する。図16は、混入パターン1を説明する図であり、図17は、混入パターン2を説明する図であり、図18は、混入がなく脳波のみのパターンを説明する図である。
【0060】
図16に示すように、脳波データに、振幅が大きくかつピーク幅が小さい心電波データが混入している測定データを用いて、TDAによるパーシステントダイアグラムを生成すると、TDAによる解析時の最後付近に、生成と消滅が発生するので、対角線の後方(原点から遠い場所)にクラスタが生成される。このため、図16のパターンでは、直角三角形の辺Cの長さLにおけるクラスタPの標準偏差σの割合は、小さくなる。
【0061】
また、図17に示すように、脳波データに、振幅が大きくかつピーク幅が大きい心電波データが混入している測定データを用いて、TDAによるパーシステントダイアグラムを生成すると、TDAによる解析時の最初付近に、生成と消滅が発生するので、対角線の前方(原点に近い場所)にクラスタが生成される。このため、図17のパターンでは、直角三角形の辺Cの長さLにおけるクラスタPの標準偏差σの割合は、小さくなる。
【0062】
これらに対して、図18に示すように、脳波データのみの測定データを用いて、TDAによるパーシステントダイアグラムを生成すると、TDAによる解析時には、全体的に小さな生成と消滅が発生する。このため、図18のパターンでは、直角三角形の辺Cの長さLにおけるクラスタPの標準偏差σの割合は、大きくなる。
【0063】
上述したように、対角線に近いクラスタの標準偏差と、対角線から遠いクラスタを頂点とした直角三角形の斜辺と比較することにより、特定の周波数帯の振幅が大きい正常な脳波データをノイズと誤検出することを抑制することができる。
【実施例3】
【0064】
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
【0065】
[測定データ]
上記実施例では、脳波データを一例に説明したが、これに限定されるものではなく、不定期なピークを有する他の時系列データに対しても同様に処理することができる。
【0066】
[分析]
上記実施例では、図10に示した分析と図11に示した統計情報を用いる分析との両方を実行する例を説明したが、これに限定されるものではなく、いずれか一方の分析処理のみを実行して、ノイズの混入判定を実行することができる。この場合、実行する処理が削減されるので、判定処理の高速化が実現できる。また、図11に示した統計情報を用いる分析では、標準偏差に限らず、平均値などを用いることもできる。
【0067】
また、実施例2では、対角線に近いクラスタの標準偏差もしくは長さと、直角三角形の斜辺とを比較する例を説明したが、これに限定されず、例えば対角線に近いクラスタの標準偏差もしくは長さが閾値以上であるか否かを判定することもできる。この場合、対角線に近いクラスタの標準偏差もしくは長さが閾値以上であれば、ノイズ混入の可能性が低いと判定することができる。
【0068】
[ノイズ]
上記実施例では、脳波に混入するノイズの例として心電波を例示したが、これに限定されるものではなく、脈波などであっても、同様に処理することができる。また、ノイズ混入のアラートの一例として、再測定を促すメッセージの出力を例示したが、これに限定されるものではなく、警告音の出力や警告灯の点灯などを行うこともできる。
【0069】
[システム]
上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0070】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られない。つまり、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0071】
さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0072】
[ハードウェア]
図19は、ハードウェア構成例を説明する図である。図19に示すように、ノイズ判定装置10は、通信装置10a、HDD(Hard Disk Drive)10b、メモリ10c、プロセッサ10dを有する。また、図19に示した各部は、バス等で相互に接続される。
【0073】
通信装置10aは、ネットワークインタフェースカードなどであり、他のサーバとの通信を行う。HDD10bは、図8に示した機能を動作させるプログラムやDBを記憶する。
【0074】
プロセッサ10dは、図8に示した各処理部と同様の処理を実行するプログラムをHDD10b等から読み出してメモリ10cに展開することで、図8等で説明した各機能を実行するプロセスを動作させる。例えば、このプロセスは、ノイズ判定装置10が有する各処理部と同様の機能を実行する。具体的には、プロセッサ10dは、測定部21、フィルタリング部22、TDA処理部23、分析部24、分類部25、表示制御部26等と同様の機能を有するプログラムをHDD10b等から読み出す。そして、プロセッサ10dは、測定部21、フィルタリング部22、TDA処理部23、分析部24、分類部25、表示制御部26等と同様の処理を実行するプロセスを実行する。
【0075】
このように、ノイズ判定装置10は、プログラムを読み出して実行することでノイズ判定方法を実行する情報処理装置として動作する。また、ノイズ判定装置10は、媒体読取装置によって記録媒体から上記プログラムを読み出し、読み出された上記プログラムを実行することで上記した実施例と同様の機能を実現することもできる。なお、この他の実施例でいうプログラムは、ノイズ判定装置10によって実行されることに限定されるものではない。例えば、他のコンピュータまたはサーバがプログラムを実行する場合や、これらが協働してプログラムを実行するような場合にも、本発明を同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0076】
10 ノイズ判定装置
11 通信部
12 記憶部
13 測定データDB
14 脳波データDB
15 ノイズ混入データDB
20 制御部
21 測定部
22 フィルタリング部
23 TDA処理部
24 分析部
25 分類部
26 表示制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19