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特許7293824点灯装置、照明器具、点灯装置の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-12
(45)【発行日】2023-06-20
(54)【発明の名称】点灯装置、照明器具、点灯装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/345 20200101AFI20230613BHJP
   H02M 7/06 20060101ALI20230613BHJP
   H02M 3/155 20060101ALI20230613BHJP
   H05B 45/355 20200101ALI20230613BHJP
   H05B 45/3725 20200101ALI20230613BHJP
   H05B 47/105 20200101ALI20230613BHJP
【FI】
H05B45/345
H02M7/06 P
H02M3/155 J
H05B45/355
H05B45/3725
H05B47/105
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019073797
(22)【出願日】2019-04-08
(65)【公開番号】P2020173913
(43)【公開日】2020-10-22
【審査請求日】2022-02-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148057
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 淑己
(72)【発明者】
【氏名】飯田 岳秋
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】芝原 信一
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-146967(JP,A)
【文献】特開平09-182445(JP,A)
【文献】特開2016-192292(JP,A)
【文献】特開2008-187821(JP,A)
【文献】再公表特許第2017/009979(JP,A1)
【文献】特開2012-190815(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/00
H02M 7/06
H02M 3/155
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電圧を整流する整流回路と、
高調波を抑制して力率を改善するPFC回路と、
スイッチング素子を有し、前記PFC回路の出力を予め定められた電流値に変換する電流制御回路と、
前記スイッチング素子を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記電流制御回路の出力電流を検出し、前記出力電流を予め定められた目標電流にフィードバック制御する第1制御量を算出する演算部と、
フィードフォワード制御で前記PFC回路の出力電圧の脈動に起因する前記出力電流の変動を抑制する第2制御量を算出する補正部と、
前記第1制御量と前記第2制御量とをかけ算した乗算結果を出力する乗算部と、を備え、
前記制御部は前記乗算結果に応じて前記スイッチング素子の導通時間を変化させ、
前記補正部は、前記交流電圧の振幅小さいほど、前記出力電圧の瞬時値と前記出力電圧の平均値の差分に大きい係数を乗じて前記第2制御量を大きくして、前記交流電圧の振幅の大きさに応じて前記第2制御量を変化させることを特徴とする点灯装置。
【請求項2】
前記補正部は、前記出力電圧の瞬時値が前記出力電圧の平均値よりも高い場合に、直前の制御と比べて前記スイッチング素子の導通時間を短くする前記第2制御量を算出することを特徴とする請求項1に記載の点灯装置。
【請求項3】
前記補正部は、前記出力電圧の瞬時値が前記出力電圧の平均値よりも低い場合に、直前の制御と比べて前記スイッチング素子の導通時間を長くする前記第2制御量を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の点灯装置。
【請求項4】
前記補正部は、前記出力電圧の平均値として、前記出力電圧の目標値を使用することを特徴とする請求項2または3に記載の点灯装置。
【請求項5】
前記スイッチング素子の導通時間が前記制御部によって制御された結果、前記出力電圧の脈動最大値となるタイミングと、前記スイッチング素子の導通時間が最小となるタイミングが一致することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の点灯装置。
【請求項6】
前記スイッチング素子の導通時間が前記制御部によって制御された結果、前記出力電圧の脈動最小値となるタイミングと、前記スイッチング素子の導通時間が最大となるタイミングが一致することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の点灯装置。
【請求項7】
前記整流回路と前記PFC回路を同期整流回路で構成したことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の点灯装置。
【請求項8】
前記PFC回路と前記電流制御回路を直流変換回路で構成したことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の点灯装置。
【請求項9】
前記スイッチング素子はワイドバンドギャップ半導体によって形成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の点灯装置。
【請求項10】
前記ワイドバンドギャップ半導体は、炭化珪素、窒化ガリウム系材料又はダイヤモンドであることを特徴とする請求項9に記載の点灯装置。
【請求項11】
交流電圧を整流する整流回路と、
高調波を抑制して力率を改善するPFC回路と、
スイッチング素子を有し、前記PFC回路の出力を予め定められた電流値に変換する電流制御回路と、
前記スイッチング素子を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記電流制御回路の出力電流を検出し、前記出力電流を予め定められた目標電流にフィードバック制御する第1制御量を算出する演算部と、
フィードフォワード制御で前記PFC回路の出力電圧の脈動に起因する前記出力電流の変動を抑制する第2制御量を算出する補正部と、
前記第1制御量と前記第2制御量とをかけ算した乗算結果を出力する乗算部と、を備え、
前記制御部は前記乗算結果に応じて前記スイッチング素子の導通時間を変化させ、
前記補正部は、前記交流電圧の振幅小さいほど、前記出力電圧の瞬時値と前記出力電圧の平均値の差分に大きい係数を乗じて前記第2制御量を大きくして、前記交流電圧の振幅の大きさに応じて前記第2制御量を変化させる点灯装置と、
前記点灯装置が点灯させる光源と、を備えたことを特徴とする照明器具。
【請求項12】
前記光源は、前記点灯装置に接続されたLED又は有機ELであることを特徴とする請求項11に記載の照明器具。
【請求項13】
スイッチング素子を有しPFC回路の出力を予め定められた電流値に変換する電流制御回路の出力電流を検知することと、
前記出力電流を予め定められた目標電流にフィードバック制御する第1制御量を算出することと、
フィードフォワード制御で、整流回路に接続された前記PFC回路の出力電圧の脈動に起因する前記出力電流の変動を抑制する第2制御量を算出することと、
前記第1制御量と前記第2制御量とをかけ算した乗算結果に応じて前記スイッチング素子の導通時間を変化させることと、
前記整流回路に入力される交流電圧の振幅小さいほど、前記出力電圧の瞬時値と前記出力電圧の平均値の差分に大きい係数を乗じて前記第2制御量を大きくして、前記交流電圧の振幅の大きさに応じて前記第2制御量を変化させることと、を備えた点灯装置の制御方法。
【請求項14】
前記出力電圧の瞬時値が前記出力電圧の平均値よりも高い場合に直前の制御と比べて前記スイッチング素子の導通時間を短くする前記第2制御量を算出し、
前記出力電圧の瞬時値が前記出力電圧の平均値よりも低い場合に直前の制御と比べて前記スイッチング素子の導通時間を長くする前記第2制御量を算出することを備えた請求項13に記載の点灯装置の制御方法。
【請求項15】
スイッチング素子を有しPFC回路の出力を予め定められた電流値に変換する電流制御回路の出力電流を検知することと、
前記出力電流を予め定められた目標電流にフィードバック制御する第1制御量を算出することと、
フィードフォワード制御で、整流回路に接続された前記PFC回路の出力電圧の脈動に起因する前記出力電流の変動を抑制する第2制御量を算出することと、
前記第1制御量と前記第2制御量とをかけ算した乗算結果に応じて前記スイッチング素子の導通時間を変化させることと、
前記整流回路に入力される交流電圧の振幅小さいほど、前記出力電圧の瞬時値と前記出力電圧の平均値の差分に大きい係数を乗じて前記第2制御量を大きくすることを備えた点灯装置の制御方法。
【請求項16】
前記出力電流によって光源を点灯させることと、
前記第1制御量だけに基づいて前記スイッチング素子の導通時間を変化させた場合と比べて、前記出力電流の平均値を前記光源の最大定格電流に近づけたことを備えた請求項13から15のいずれか1項に記載の点灯装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点灯装置、照明器具、及び点灯装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
LED(Light Emitting Diode)を光源とした照明器具においては、交流の商用電源から入力されるエネルギーを直流のエネルギーに変換しLEDに出力する必要がある。また、入力電流の高調波に関する規制が定められており、日本国内においては日本工業規格によって入力電流の高調波に対して限度値が定められている。そのため、点灯装置は、入力電流の高調波を抑制し力率を改善するための力率改善回路であるPFC(Power Factor Correction)回路を有する。
【0003】
また、点灯装置はLEDの明るさを制御する。LEDの明るさはLEDの電流の大きさに依存して決まるため、点灯装置は出力電流の大きさを一定に制御する電流制御回路を有する。特に、上記PFC回路と電流制御回路を1つの回路で実現する構成とする場合もある。
【0004】
上記電流制御回路の制御方法としては、出力している電流の大きさを検出し、目標値との差分から、目標の大きさの電流を出力するように制御量を補正するフィードバック制御が適用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2009-213280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
点灯装置が交流のエネルギーを直流のエネルギーに変換する過程において全波整流することに起因して、PFC回路の出力電圧には商用周波数の2倍の周波数の脈動が発生する。電流制御回路はPFC回路が出力する電圧を入力として、所望の大きさの電流を出力するように動作する。しかしながら、フィードバック制御には制御応答の遅れが存在するため、光源に出力する電流にも交流電源の2倍周波数のリプル電流が重畳してしまう。リプル電流の重畳は、光の明暗によるちらつきを生じさせたり、ビデオカメラ映像にフリッカーを生じさせたりするという課題がある。
【0007】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、点灯装置の出力電流にリプル電流が重畳することを抑制できる点灯装置、照明器具、及び点灯装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願の発明に係る点灯装置は、交流電圧を整流する整流回路と、高調波を抑制して力率を改善するPFC回路と、スイッチング素子を有し、該PFC回路の出力を予め定められた電流値に変換する電流制御回路と、該スイッチング素子を制御する制御部と、を備え、該制御部は、該電流制御回路の出力電流を検出し、該出力電流を予め定められた目標電流にフィードバック制御する第1制御量を算出する演算部と、フィードフォワード制御で該PFC回路の出力電圧の脈動に起因する該出力電流の変動を抑制する第2制御量を算出する補正部と、該第1制御量と該第2制御量とをかけ算した乗算結果を出力する乗算部と、を備え、該制御部は該乗算結果に応じて該スイッチング素子の導通時間を変化させ、該補正部は、該交流電圧の振幅小さいほど、該出力電圧の瞬時値と該出力電圧の平均値の差分に大きい係数を乗じて該第2制御量を大きくして、該交流電圧の振幅の大きさに応じて該第2制御量を変化させることを特徴とする。
本願の発明に係る照明器具は、交流電圧を整流する整流回路と、高調波を抑制して力率を改善するPFC回路と、スイッチング素子を有し、該PFC回路の出力を予め定められた電流値に変換する電流制御回路と、該スイッチング素子を制御する制御部と、を備え、該制御部は、該電流制御回路の出力電流を検出し、該出力電流を予め定められた目標電流にフィードバック制御する第1制御量を算出する演算部と、フィードフォワード制御で該PFC回路の出力電圧の脈動に起因する該出力電流の変動を抑制する第2制御量を算出する補正部と、該第1制御量と該第2制御量とをかけ算した乗算結果を出力する乗算部と、を備え、該制御部は該乗算結果に応じて該スイッチング素子の導通時間を変化させ、該補正部は、該交流電圧の振幅小さいほど、該出力電圧の瞬時値と該出力電圧の平均値の差分に大きい係数を乗じて該第2制御量を大きくして、該交流電圧の振幅の大きさに応じて該第2制御量を変化させる点灯装置と、該点灯装置が点灯させる光源と、を備えたことを特徴とする。
本願の発明に係る点灯装置の制御方法は、スイッチング素子を有しPFC回路の出力を予め定められた電流値に変換する電流制御回路の出力電流を検知することと、該出力電流を予め定められた目標電流にフィードバック制御する第1制御量を算出することと、フィードフォワード制御で、整流回路に接続された該PFC回路の出力電圧の脈動に起因する該出力電流の変動を抑制する第2制御量を算出することと、該第1制御量と該第2制御量とをかけ算した乗算結果に応じて該スイッチング素子の導通時間を変化させることと、該整流回路に入力される交流電圧の振幅小さいほど、該出力電圧の瞬時値と該出力電圧の平均値の差分に大きい係数を乗じて該第2制御量を大きくして、該交流電圧の振幅の大きさに応じて該第2制御量を変化させることと、を備えたことを特徴とする。
本願の発明に係る点灯装置の制御方法は、スイッチング素子を有しPFC回路の出力を予め定められた電流値に変換する電流制御回路の出力電流を検知することと、該出力電流を予め定められた目標電流にフィードバック制御する第1制御量を算出することと、フィードフォワード制御で、整流回路に接続された該PFC回路の出力電圧の脈動に起因する該出力電流の変動を抑制する第2制御量を算出することと、該第1制御量と該第2制御量とをかけ算した乗算結果に応じて該スイッチング素子の導通時間を変化させることと、該整流回路に入力される交流電圧の振幅小さいほど、該出力電圧の瞬時値と該出力電圧の平均値の差分に大きい係数を乗じて該第2制御量を大きくすることを備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明のその他の特徴は以下に明らかにする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、フィードバック制御に加え、脈動電圧の高さに応じたフィードフォワード制御を適用することで、交流電源の2倍周波数のリプル電流を抑制することが可能となる。これにより、光の明暗によるちらつきを抑制したり、ビデオカメラ映像にフリッカーが発生することを抑制したりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態1に係る点灯装置及び照明器具の構成図である。
図2】PFC回路とその周辺の回路構成例を示す図である。
図3】PFC回路の動作を示すタイミングチャートである。
図4】電流制御回路の動作を示すタイミングチャートである。
図5】フィードバック制御による出力電流の波形を示す図である。
図6】フィードバック制御に加えてフィードフォワード制御を行った場合の出力電流の波形を示す図である。
図7】制御部の機能ブロック図である。
図8】電流制御回路の制御内容を示すフローチャートである。
図9図9Aはフィードバック制御を行った場合の出力電流の波形を示す図である。図9Bはフィードフォワード制御を行った場合の出力電流の波形を示す図である。
図10】リプル電流と平滑コンデンサの静電容量の関係を示す図である。
図11】入力電圧に応じて補正量を変化させる制御を示すフローチャートである。
図12】フィードバック制御において瞬停発生した場合の波形を示す図である。
図13】フィードフォワード制御において瞬停発生した場合の波形を示す図である。
図14】実施の形態2に係る点灯装置及び照明器具の構成図である。
図15】実施の形態3に係る点灯装置及び照明器具の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施の形態に係る点灯装置、照明器具、点灯装置の制御方法について図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。なお、実施の形態の記載によりこの発明が限定されるものではない。
【0013】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る点灯装置100及び照明器具200の構成図である。照明器具200は交流電源1に接続されている。照明器具200は、交流電源1から出力される交流電流の高周波成分を除去する入力フィルタ2と、交流電源1から供給される電力を光源8に入力可能な直流電流に変換して出力する点灯装置100と、点灯装置100から供給される電力により点灯する光源8を備える。光源8は、例えば複数のLEDを直列又は並列に接続したLED群で構成される。LED群の一端は正極側直流母線に接続され、LED群の他端は負極側直流母線に接続される。光源8は点灯装置100に接続されたLED又は有機EL(Electro Luminescence)とすることができる。
【0014】
点灯装置100は、入力フィルタ2と、入力フィルタ2に接続される整流回路3と、整流回路3に並列接続されるフィルタコンデンサ4と、PFC回路5と、電流制御回路7と、PFC回路5を制御する制御部11と、電流制御回路7を制御する制御部9とを備える。図2は、PFC回路5とその周辺の回路構成例を示す図である。図2にはフィルタコンデンサ4と制御部11が示されている。
【0015】
点灯装置100は、交流電源1から入力される電流の高調波を抑制して力率を改善すると共に、整流回路3から出力される電力を直流電力に変換して光源8に供給する機能を有する。点灯装置100は、交流電源1から入力される電流の高調波を抑制して力率を改善するためのPFC回路5と、PFC回路5の出力電圧を平滑する平滑コンデンサ6と、光源8に出力する電流の大きさを制御する電流制御回路7とを備える。
【0016】
交流電源1と整流回路3との間に配置される入力フィルタ2はコイル2a及びフィルタコンデンサ2bを有し、交流電源1から出力される電流に重畳している高周波成分を低減する。コイル2aは交流電源1に直列接続される。コイル2aの一端は交流電源1の一端に接続され、コイル2aの他端はフィルタコンデンサ2b及び整流回路3に接続される。フィルタコンデンサ2bの他端は、交流電源1及び整流回路3に接続される。
【0017】
整流回路3は、入力フィルタ2とPFC回路5との間に配置され、交流電源1から供給される交流電力を直流電力に変換する。整流回路3は例えば4つのダイオードを組み合わせたダイオードブリッジで構成されている。整流回路3の構成はこれに限定されるものではなく、単方向導通素子であるMOSFETを組み合わせて構成したものでもよい。整流回路3として交流電力を整流する任意の回路を採用することができる。
【0018】
フィルタコンデンサ4は整流回路3の出力に並列接続されており、整流回路3の出力電圧を平滑する。フィルタコンデンサ4の一端は正極側直流母線に接続され、フィルタコンデンサ4の他端は負極側直流母線に接続される。
【0019】
PFC回路5は整流回路3と電流制御回路7との間に配置される。図2に示すように、PFC回路5は、スイッチング素子であるMOSFET5bと、コイル5aと、ダイオード5cとを有する。PFC回路5は、制御部11によってMOSFET5bがオンオフ制御されることにより、整流回路3の出力電圧を昇圧し、昇圧した電圧を平滑コンデンサ6に出力する。また、PFC回路5は、後述する制御により、入力電流の高調波を抑制し、力率改善する機能を有する。実施の形態1では、PFC回路5を昇圧チョッパ回路で構成した例を説明する。なお、PFC回路5は、昇圧チョッパ回路の他にも、昇降圧チョッパ回路、フライバック回路、フライフォワード回路、SEPIC(Single Ended Primary Inductor Converter)、Zetaコンバータ又はCukコンバータといった回路で構成してもよい。
【0020】
コイル5aは、正極側直流母線において、フィルタコンデンサ4とMOSFET5bとの間に配置される。コイル5aは例えばコアに絶縁性ワイヤを巻くことにより形成される。コイル5aの一端はフィルタコンデンサ4の一端に接続される。コイル5aの他端はダイオード5cのアノードに接続される。MOSFET5bのオンオフ動作に伴い、コイル5aには極性が異なる電圧が印加される。また、コイル5aは後述するゼロ電流検出のための補助巻線を備えている。当該補助巻線の一端は負極側直流母線に接続され、他端は制御部11が備えるゼロ電流検出部11gに接続される。
【0021】
MOSFET5bのドレインは、正極側直流母線において、コイル5aとダイオード5cのアノードとに接続される。MOSFET5bのソースは、負極側直流母線において、フィルタコンデンサ4の他端と、平滑コンデンサ6の他端とに接続される。MOSFET5bのゲートは制御部11に接続される。MOSFET5bのゲートには、制御部11から出力される制御信号が入力される。制御信号が入力されることによりMOSFET5bのオンオフ制御が行われる。
【0022】
ダイオード5cは、正極側直流母線において、MOSFET5bと平滑コンデンサ6との間に配置される。ダイオード5cのアノードはコイル5a及びMOSFET5bに接続され、ダイオード5cのカソードは平滑コンデンサ6に接続される。
【0023】
図1に示されるように、平滑コンデンサ6はPFC回路5と電流制御回路7との間に配置される。平滑コンデンサ6の一端は正極側直流母線に接続され、平滑コンデンサ6の他端は負極側直流母線に接続される。
【0024】
図2に示される制御部11は、電圧検出部11b、ゼロ電流検出部11g、演算部11c及び駆動部11dを備える。電圧検出部11bはPFC回路5が出力する電圧の高さを検出し、検出結果を演算部11cに送信する。電圧検出部11bは、例えば複数の抵抗を直列に接続した分圧回路とすることができる。
【0025】
ゼロ電流検出部11gはコイル電流のゼロクロスタイミングを検出し、演算部11cに送信する。例えば、コイル電流が0Aまで低下した時点で、補助巻線の電圧の極性が反転することを利用して、当該ゼロクロスタイミングを検出することができる。ゼロ電流検出部11gとして、極性反転を検出するためのコンパレータを用いることができる。
【0026】
演算部11cは、電圧検出部11bから送信されたPFC回路5の出力電圧を用いてPFC回路5の出力電圧が予め定められた大きさになるようにフィードバック制御するための演算を行い、MOSFET5bをオン/オフ制御するための信号を出力する。より具体的には、電圧検出部11bから送信された電圧と基準電圧Vref1の差分が小さくなるようにMOSFET5bをオンする時間を変化させる。また、演算部11cは電圧検出部11bから送信された電圧をA/D変換する機能を備える構成とし、マイコン等を用いてデジタル制御することも可能である。この場合、Vref1が不要になることに加え、アナログ回路を集積化し、制御部11を小型化することも可能である。
【0027】
駆動部11dは演算部11cから送信された信号をMOSFET5bのゲートを駆動可能な大きさの電圧に変換し、MOSFET5bに電圧印加する。
【0028】
図3は、図1に示すPFC回路5を構成するコイル5aに流れる電流とMOSFET5bのドレイン電圧とMOSFET5bのゲート電圧との関係を示すタイミングチャートである。図3には上から順に、点灯装置100に入力される交流電源1の電流、コイル5aに流れる電流、ゼロ電流検出部11gが出力するゼロ電流検出信号、MOSFET5bのドレイン電圧、MOSFET5bのゲート電圧が示される。横軸は時間を表す。
【0029】
図3では、説明の便宜上、MOSFET5bのゲート電圧がオンオフされる周期を、実際よりも長く記載している。MOSFET5bのゲート電圧がオンオフされる周期は、MOSFET5bのゲート電圧がオフからオンに変化した時点から、再びMOSFET5bのゲート電圧がオフからオンに変化するまでの時間に等しい。
【0030】
MOSFET5bがオンされたとき、交流電源1、整流回路3、コイル5a及びMOSFET5bの電流経路が形成され、交流電源1がコイル5aを介して短絡される。そのため、コイル5aに流れる電流が増加し、コイル5aにエネルギーが蓄積される。
【0031】
演算部11cに設定されたオン時間が経過すると、MOSFET5bがオフされる。MOSFET5bがオフされると、コイル5a、ダイオード5c及び平滑コンデンサ6の電流経路が形成される。この経路においてコイル5aに蓄積されたエネルギーが放出され、平滑コンデンサ6が充電される。
【0032】
コイル5aに流れる電流がゼロになるとMOSFET5bは再びオン状態になる。このようにコイル電流がゼロとなった後、直ちにMOSFET5bをオンする制御を電流臨界モード制御と呼ぶ。MOSFET5bの一連のオンオフ動作により、コイル5aに流れる電流は、三角波状の波形となり、その頂点が点線で示すような正弦波の包絡線になる。このとき、交流電源1から入力される電流は、入力フィルタ2により高周波成分が除去され、コイル2aに流れるコイル電流の平均値が入力され、正弦波状の電流波形となる。
【0033】
このとき、制御部11が平滑コンデンサ6の印加電圧を検出して、検出された電圧が目標値に追従するようフィードバック制御されることで、MOSFET5bのオン時間が制御される。MOSFET5bのオン時間をフィードバック制御する際、オン時間が大きく変化してしまうと、コイル5aに流れる電流の頂点の包絡線が正弦波にならず、交流電源1の入力電流を正弦波状にすることができない。そのため制御部11では、フィードバック制御の応答時間は、フィードバック制御のループゲインが交流電源1の1周期の1/2周期以上で1倍(0dB)以下となるように設定される。言い換えると、フィードバック制御の応答時間は、交流電源1の周波数の2倍以下の周波数で1倍(0dB)以下となるように設定される。
【0034】
具体的に説明すると、電源周波数が50Hzの場合、電源周波数の半周期(半波という)の周波数100Hz以下、すなわち周期10msec以上で、フィードバック制御のループゲインを1倍(0dB)以下とすることにより、フィードバック制御は電源周期の1/2より短い周期で応答しないように設定される。これにより電源周期の1/2周期以内においては、MOSFET5bのオン時間の変動が抑制され、コイル5aに流れる電流の頂点の包絡線が正弦波状の波形となる。
【0035】
フィードバック制御において、オン時間の更新周期を、交流電源1の周期の半分に相当する周期、又は交流電源1の周期の半分に相当する周期よりも長い周期とすることによっても、同様の効果を得ることができる。
【0036】
ゼロ電流を検出した後、MOSFET5bをオンさせるまでにわずかに遅延時間を設け、MOSFET5bのドレイン電圧が自由振動している期間において、ドレイン電圧振動のボトム付近でMOSFET5bをオンさせることもできる。これにより、ドレイン電圧の急峻な変動を抑制し、スイッチングに起因するノイズを抑制できる。
【0037】
次に、電流制御回路7の構成と動作を詳細に説明する。
【0038】
図1に示すとおり、電流制御回路7は、例えばMOSFETで構成されたスイッチング素子7a、コイル7b、ダイオード7c及びフィルタコンデンサ7dを備える。スイッチング素子7aは正極側直流母線に直列に配置される。スイッチング素子7aのドレインは、図1に示す平滑コンデンサ6の一端とダイオード5cのカソードとに接続される。スイッチング素子7aのソースは、ダイオード7cのカソードとコイル7bの一端とに接続される。スイッチング素子7aのゲートは駆動部9dに接続される。スイッチング素子7aのゲートには、制御部9から出力される制御信号が入力される。当該制御信号はスイッチング素子7aをオンオフ制御するための信号である。
【0039】
コイル7bの一端は、スイッチング素子7aのソースとダイオード7cのカソードとに接続される。コイル7bの他端は、フィルタコンデンサ7dの一端と図1に示す光源8の一端とに接続される。ダイオード7cのカソードは、スイッチング素子7aのソースとコイル7bの一端とに接続される。ダイオード7cのアノードは、図1に示す平滑コンデンサ6の他端とフィルタコンデンサ7dの他端と光源8の他端とに接続される。
【0040】
図1の電流制御回路7は降圧チョッパ回路で構成されているが、降圧チョッパ回路の他にも、昇降圧チョッパ回路、フライバック回路、フライフォワード回路、SEPIC、Zetaコンバータ又はCukコンバータといった回路で構成されたものでもよい。
【0041】
図4は、光源8に流れる電流とコイル7bに流れる電流とスイッチング素子7aのゲート電圧との関係を示すタイミングチャートである。図4には上から順に、光源8に流れる電流、コイル7bに流れる電流、スイッチング素子7aのゲート電圧が示されている。横軸は時間を表す。
【0042】
スイッチング周期Tswは、スイッチング素子7aの制御信号がオフからオンに変化した時点から、再びスイッチング素子7aの制御信号がオフからオンに変化するまでの時間に等しい。スイッチング周期Tswは予め演算部9cに設定されている。オン時間Tonは、スイッチング素子7aの制御信号がオフからオンに変化した時点から、オンからオフに変化するまでの時間に等しい。
【0043】
スイッチング素子7aの制御信号がオフからオンの状態に変化すると、スイッチング素子7aがオン状態になる。そうすると、平滑コンデンサ6、スイッチング素子7a、コイル7b及びフィルタコンデンサ7dを通る電流経路が形成され、図4に示すようにコイル7bに流れる電流が増加する。
【0044】
スイッチング素子7aの制御信号がオンからオフの状態に変化すると、スイッチング素子7aがオフ状態になる。そうすると、コイル7b、フィルタコンデンサ7d及びダイオード7cを通る電流経路が形成され、図4に示すコイル7bに流れる電流がゼロまで減少する。スイッチング周期Tswが経過した時点で、スイッチング素子7aの制御信号がオフからオンに変化する。これによりスイッチング素子7aが再びオン状態になる。
【0045】
このときコイル7bに流れる電流は三角波状の波形になるが、光源8に出力される電流は、フィルタコンデンサ7dにより平滑化され、コイル7bに流れる電流の平均値が電流制御回路7から出力される。電流制御回路7によって、PFC回路5の出力が予め定められた電流値に変換される。なお、コイル7bに流れる電流はゼロまで低下した後、スイッチング素子7aの寄生容量と、コイル7bが形成する共振回路において共振電流が発生するが、記載を省略している。
【0046】
光源8を調光するために光源8に流れる電流を制御する場合、演算部9cは、スイッチング素子7aをターンオンするスイッチング周期Tswを一定としつつ、出力電流の目標値に応じてスイッチング素子7aのオン時間Tonを変化させる。このように、オン時間Tonを調整することにより特定の出力を得る制御方法は、スイッチング周期Tswに対するオン時間Tonの割合をデューティーと呼ぶことから、デューティー制御と呼ばれる。
【0047】
また、電流制御回路7の制御方法として、スイッチング周期Tswを固定しない方法もある。具体的には、PFC回路5と同様に臨界モード制御する方法であり、この場合、コイル7bのゼロ電流検出を行うための補助巻線を設ける必要がある。そして、補助巻線でゼロ電流を検出した後、スイッチング素子7aをオンさせるまでにわずかに遅延時間を設け、スイッチング素子7aのドレイン電圧が自由振動している期間において、ドレイン電圧振動のボトム付近でスイッチング素子7aをオンさせることもできる。これにより、ドレイン電圧の急峻な変動を抑制し、スイッチングに起因するノイズを抑制できる。
【0048】
図1に示すとおり、制御部9は、補正部9b、入力電圧検出部9f、演算部9c、駆動部9d及び乗算器9eを備える。
【0049】
補正部9bはPFC回路5の出力電圧(以後単に出力電圧ということがある)を検出し、その出力電圧の平均値を算出する。また、補正部9bは、出力電圧の瞬時値と平均値との差分に応じたフィードフォワードを可能とする第2制御量を演算する。第2制御量は、例えば、瞬時値の平均値に対する割合に比例した値、又は瞬時値と平均値の差分の平均値に対する割合に比例した値である。また、PFC回路5の出力電圧の平均値として、PFC回路5の出力電圧の目標値を使用することができる。この場合、補正部9bは、出力電圧の平均値として、出力電圧の目標値を使用する。出力電圧の目標値を使用することで、平均値の演算負荷を軽減することができる。補正部9bは、算出した第2制御量を乗算器9eに出力する。
【0050】
入力電圧検出部9fは入力電圧の高さを検出し補正部9bに送信する。入力電圧検出部9fは、複数の抵抗を直列に接続した分圧回路とすることができる。
【0051】
演算部9cは、シャント抵抗7eから送信された電流制御回路7の出力電流(以後単に出力電流ということがある)を検出する。演算部9cは、その出力電流を予め定められた目標電流にフィードバック制御する第1制御量を算出する。第1制御量は、出力電流を用いて出力電流が予め定められた大きさになるようにフィードバック制御するために算出される。第1制御量は、スイッチング素子7aをオン/オフ制御するための信号である。
【0052】
より具体的には、シャント抵抗7eから得られた電圧と、基準電圧Vref2の差分が小さくなるように、スイッチング素子7aのオン時間を変化させる。例えば、シャント抵抗7eから得られた電圧が基準電圧Vref2より大きい場合はスイッチング素子7aのオン時間を短縮させる。反対に、シャント抵抗7eから得られた電圧が基準電圧Vref2よりも小さい場合はスイッチング素子7aをオンする時間を延長させる。
【0053】
演算部9cはシャント抵抗7eから得られた電圧をA/D変換する機能を備える構成とし、マイコン等を用いてデジタル制御することも可能である。この場合、Vref2が不要になることに加え、アナログ回路を集積化し、制御部9を小型化することが可能である。
【0054】
乗算器9eは第1制御量と第2制御量を掛け合わせ、乗算結果を駆動部9dに出力する。駆動部9dは、乗算器9eから送信された信号をスイッチング素子7aのゲートを駆動可能な大きさの電圧に変換し、スイッチング素子7aのゲートに印加する。
【0055】
制御部9と制御部11を別の構成として記載したが、マイコン等を用いてデジタル制御する場合には、1つのマイコンに制御部9と制御部11を集約することで回路を小型化することができる。MOSFET5bとスイッチング素子7aは、例えばシリコン系の半導体で構成することができる。別の例によれば、MOSFET5bとスイッチング素子7aは、ワイドバンドギャップ半導体によって形成し得る。ワイドバンドギャップ半導体は、炭化珪素、窒化ガリウム系材料又はダイヤモンドである。MOSFET5bとスイッチング素子7aにワイドバンドギャップ半導体を用いることで、通電損失を減らすことができる。また、スイッチング周波数すなわち駆動周波数を高周波にしても放熱が良好となる。このため、PFC回路5と電流制御回路7の放熱部品を小型化したり削除したりすることができる。
【0056】
電流制御回路7はPFC回路5の出力電圧を入力として動作するが、フィードバック制御だけでは制御応答の遅れが存在するため、PFC回路5の電圧の脈動に起因して光源8に出力する電流に交流電源の2倍周波数のリプル電流が重畳してしまう。リプル電流は、光の明暗によるちらつきの原因となったり、ビデオカメラ映像のフリッカーの原因となったりする。
【0057】
図5は、フィードバック制御による出力電流の波形を示す図である。PFC回路5の出力電圧が脈動により低下した場合、出力電流が低下しないようにオン時間を延長する制御が作用する。しかし、応答の遅れがあるため、PFC回路5の出力電圧の脈動ボトムとなるタイミングよりも、スイッチング素子7aのオン時間が最大となるタイミングが遅くなる。結果として、LED8に流れる電流である電流制御回路7の出力電流にリプルが発生する。
【0058】
図6は、実施の形態1において、フィードバック制御に加えて、PFC回路5の出力電圧を用いてフィードフォワード制御を行った場合の出力電流波形を示す図である。補正部9bは、PFC回路5の出力電圧を検出し、脈動電圧の高さに応じてフィードフォワードを可能とする第2制御量を演算する。より具体的には、補正部9bは、PFC回路5の出力電圧の瞬時値が出力電圧の平均値よりも高い場合に、直前の制御と比べてスイッチング素子7aの導通時間を短くする第2制御量を算出する。スイッチング素子7aのオン時間を短くすることはリプル電流のピーク値を低減する。反対に、補正部9bは、PFC回路5の出力電圧の瞬時値が出力電圧の平均値よりも低い場合に、直前の制御と比べてスイッチング素子7aの導通時間を長くする第2制御量を算出する。スイッチング素子7aのオン時間を長くすることはリプル電流のボトム値を上昇させる。このように、フィードフォワード制御で出力電圧の脈動に起因する出力電流の変動を抑制する第2制御量を用いることで、従来のフィードバック制御による応答の遅れを補正することができ、リプル電流を抑制することができる。
【0059】
図6では、スイッチング素子7aの導通時間が制御部9によって制御された結果、期間1において出力電圧の脈動最大値となるタイミングとスイッチング素子7aの導通時間が最小となるタイミングが一致し、期間2において出力電圧の脈動最小値となるタイミングとスイッチング素子7aの導通時間が最大となるタイミングが一致している。
【0060】
図7は、補正部9bと演算部9cの機能ブロック図である。補正部9bは、検出部9b1、メモリ9b2、第2制御量算出部9b3及び平均値演算部9b4を備えている。演算部9cは、検出部9c1及び第1制御量算出部9c3を備えている。
【0061】
補正部9bの検出部9b1は、PFC回路5の出力電圧を検出し、第2制御量算出部9b3と平均値演算部9b4に検出結果を送信する。検出部9b1は、複数の抵抗を直列に接続した分圧回路とし得る。また、デジタル制御する場合にはA/D変換器を併せ持つ。
【0062】
平均値演算部9b4は検出部9b1から送信された信号を用いて、PFC回路5の出力電圧の平均値を算出し、その平均値をメモリ9b2に記憶させる。第2制御量算出部9b3は、検出部9b1から送信された信号とメモリ9b2から送信された信号とを用いて第2制御量を算出し、乗算器9eに送信する。
【0063】
演算部9cの検出部9c1はシャント抵抗7eの電圧を検出し、第1制御量算出部9c3に検出結果を送信する。第1制御量算出部9c3は検出部9c1から送信された信号を用いて第1制御量を算出し、乗算器9eに送信する。乗算器9eは、第2制御量算出部9b3と第1制御量算出部9c3から送信された第2制御量と第1制御量を乗算し、乗算結果を駆動部9dに出力する。
【0064】
図8は、電流制御回路7の制御内容を示すフローチャートである。点灯装置100に交流電源が投入されるとステップS1にて点灯動作を開始する。演算部9cはステップS2において出力電流を検出する。前述のとおり出力電流は電圧値として検出し得る。その後、演算部9cは、ステップS3にて、検出した出力電流と目標電流の差分を算出し、ステップS4にてフィードバックによる第1制御量を演算する。第1制御量は、出力電流を予め定められた目標電流にフィードバック制御する制御量である。
第1制御量をTon(t)、Irefを目標電流、Idecを検出した出力電流とすると、第1制御量は例えば以下の式1によって算出される。
Ton(t)=Ton(t-1)×(1+(Iref-Idec)×B) ・・・式1
Bはフィードバックの応答の速さを決める値であり、応答を早めたい場合にはBを大きくする。
【0065】
補正部9bはステップS7においてPFC回路5の出力電圧を検出する。その後、補正部9bは、ステップS8にてPFC回路5の出力電圧の平均を算出し、ステップS9にて出力電圧の検出値と平均電圧の差分を算出する。その後、ステップS10にてフィードフォワードによる第2制御量を演算する。第2制御量は、フィードフォワード制御で出力電圧の脈動に起因する出力電流の変動を抑制する制御量である。
PFC回路5の出力電圧をVdec、PFC回路5の平均電圧をVaveとすると、第2制御量は例えば以下の式2によって算出される。
第2制御量={1+(Vave-Vdec)×A} ・・・式2
Aは固定値とすることができる。図11を参照して後述するようにAを交流電力の大きさに対応させることもできる。
【0066】
ステップS5では、乗算器9eによって第1制御量と第2制御量を掛け合わせることでフィードフォワード制御により補正したオン時間を得る。ステップS6では、制御部9は乗算結果に応じてスイッチング素子7aの導通時間を変化させる。具体的には、補正したオン時間によりスイッチング素子7aを導通させる。
【0067】
図9Aはフィードバック制御を行った場合の出力電流の波形を示す図である。図9Bはフィードフォワード制御によりリプル電流を抑制した出力電流の波形を示す図である。電流値1は両条件における平均電流を表しており、いずれも等しい値である。電流値2は従来のフィードバック制御を行った場合の電流波形におけるピーク電流である。電流値3は電流値1、電流値2の差分である。
【0068】
光源8としてLEDを使用する場合、出力される光量は平均電流に比例して決まる。図9A図9Bのどちらの場合においても、平均電流は電流値1なので、光量は同等である。光源としてLEDを使用する場合、出力する電流のピーク値がLEDの最大定格電流を超えないようにする必要がある。従来のフィードバックによる制御においては、電流制御回路7が出力する電流にリプル電流が重畳するので、最大定格電流の制約により平均電流を上昇できないことがある。つまり、平均電流を電流値2に近付けることはできない。この場合、必要な光量を確保するためにはLEDチップの数を増やす必要があり、コストの増加を招いていた。
【0069】
これに対し、実施の形態1においては、フィードフォワードによりリプル電流を抑制することが可能であるから、従来よりも平均電流を上昇させることができる。第1制御量だけに基づいてスイッチング素子7aの導通時間を変化させた場合と比べて、出力電流の平均値を光源の最大定格電流に近づけることができる。出力電流からリプル電流を完全に排除できた場合は、平均電流を電流値2に一致させることができる。フィードフォワードの採用は、LEDチップ数の削減を通じたLEDの低コスト化を可能とする。
【0070】
図10は、電流制御回路7が出力する電流のリプル電流の大きさと、平滑コンデンサ6の静電容量の大きさの関係を示す図である。平滑コンデンサ6の容量を小さくすると、PFC回路5の出力電圧の脈動が大きくなるため、リプル電流も増加する。「従来のフィードバックによる制御」の場合、リプル電流を抑制するために平滑コンデンサ6の容量を大きくする必要があり、部品の大型化とコストの増加を招いていた。これに対し、実施の形態1においては、フィードフォワードによりリプル電流を抑制することが可能であるから、平滑コンデンサ6の容量を削減することができる。図10の例では、平滑コンデンサ6の容量を容量1から容量2まで低減することができる。容量の低減は装置の低コスト化を可能とする。
【0071】
交流電源1から入力される電圧が小さいほど、PFC回路5の出力電圧に重畳する脈動電圧が高くなる。そのため、リプル電流抑制の効果を十分に得るためには、交流電源1から入力される電圧が小さいほど、前述の「式2」における係数Aを大きくし補正量を増加させる必要がある。言い換えると、整流回路3に入力される交流電力が低いほど、出力電圧の瞬時値Vdecと出力電圧の平均値Vaveの差分に大きい係数を乗じて第2制御量を大きくする。そのような処理の一例として、交流電源1の電圧を判定し、交流電源1の電圧が低いほど、第2制御量を大きくすることができる。そのような処理でリプル電流の抑制が可能となる。
【0072】
図11は、入力電圧に応じて補正量を変化させる制御を示すフローチャートである。まず、ステップS20において交流電源1が投入される。次いで、ステップS21にて交流電源1の電圧を検出する。次いで、ステップS22にて、例えばテーブルを参照して、検出した電圧に応じた補正量を決定する。交流電源1の電圧が小さいほど、大きい補正量が採用される。補正量の一例が前述の係数Aである。一例によれば、入力電圧と補正量の対応を定義するテーブルを制御部9の内部のメモリに設けておき、そのテーブルを参照することで、補正量を決めることができる。ステップS23にて補正量を決定すると、ステップS24に処理を進める。ステップS24で点灯装置100による光源8の点灯を開始し、電源が遮断されるまで点灯状態を維持する。
【0073】
図6には、入力電圧100Vのときのスイッチング素子7aのオン時間の部分的な波形が破線で示され、入力電圧200Vのときのスイッチング素子7aのオン時間の波形が実線で示されている。補正部9bにおいて、交流電力が低いほど第2制御量を大きくする処理を行うことで、様々な入力電圧に対応したリプル電流の抑制が可能となる。
【0074】
電力需要の変動又は雷の発生などによって、交流電源1の電圧が変動したり瞬間的な停電(瞬停という)が生じたりすることがある。
【0075】
図12は、従来のフィードバックによる制御において、交流電源1の電圧に瞬停が発生した場合のPFC回路5の出力電圧及び電流制御回路7の出力電流の波形を示す図である。瞬停が発生した期間Aにおいては交流電源1から電力を供給することができないため、平滑コンデンサ6が放電することによりPFC回路5の出力電圧が低下する。その後、期間Aから期間BにかけてPFC回路5の出力電圧が安定するまでに期間を要する。期間A、Bにおいて瞬停がないと仮定したときの波形は破線で示され、瞬停によって実線の波形となる。電流制御回路7をフィードバック制御する場合、応答に遅れがあるため、PFC回路5の出力電圧が低下し、電流制御回路7の出力電流も低下する。これによって、光の明暗によるちらつきが見えることがある。
【0076】
図13は、実施の形態1のフィードフォワードによる制御において、交流電源1の電圧に瞬停が発生した場合のPFC回路5の出力電圧及び電流制御回路7の出力電流の波形を示す図である。瞬停が発生した期間Aにおいては交流電源1から電力を供給することができないため、平滑コンデンサ6が放電することにより、PFC回路5の出力電圧が低下する。その後、期間Aから期間Bにかけて、PFC回路5の出力電圧が安定するまでに期間を要する。しかしながら、電流制御回路7をフィードフォワード制御する場合、PFC回路5の出力電圧の変動の影響を打ち消すように補正を行うことができる。具体的には、PFC回路5の出力電圧が低下した際にスイッチング素子7aのオン時間を長くするように作用する。これによって電流制御回路7の出力電流の低下を抑制することができるため、光の明暗によるちらつきを抑制できる。
【0077】
実施の形態1で言及した変形については以下の実施の形態に係る点灯装置、照明器具及び点灯装置の制御方法にも応用できる。以下の実施の形態に係る点灯装置、照明器具及び点灯装置の制御方法は実施の形態1との共通点が多いので実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0078】
実施の形態2.
図14は、実施の形態2に係る点灯装置100a及び照明器具200aの構成図である。実施の形態2に係る照明器具200aと、実施の形態1に係る照明器具200との相違点は、照明器具200aでは点灯装置100の代わりに点灯装置100aが用いられていることである。実施の形態2に係る点灯装置100aと、実施の形態1に係る点灯装置100の相違点は、点灯装置100aでは、整流回路3とPFC回路5の代わりに同期整流回路12を用いた構成にした点である。つまり、整流回路とPFC回路を同期整流回路12で構成した。
【0079】
同期整流回路12は、交流電源1から入力される交流電力を直流電力に変換し、電流の高調波を抑制して力率を改善する機能を備える。同期整流回路12はスイッチング素子であるMOSFET12a、12b、12c、12dとコイル12eとを有する。同期整流回路12は、制御部11によってMOSFET12a、12b、12c、12dがオンオフ制御されることにより、整流動作に加えて、交流電源1の電圧を昇圧し、昇圧した電圧を平滑コンデンサ6に出力する。また同期整流回路12は、実施の形態1におけるPFC回路5と同様に、入力電流の高調波を抑制し、力率改善する機能を持つ。
【0080】
コイル12eは、一端がフィルタコンデンサ2bと接続されており、他端がMOSFET12aのソース、及びMOSFET12cのドレインと接続されている。コイル12eには、MOSFET12a、12b、12c、12dのオンオフ動作に伴い、極性が異なる電圧が印加される。また、コイル5eは後述するゼロ電流検出のための補助巻線を備えており、補助巻線の一端は負極側直流母線に接続され、他端は制御部11が備えるゼロ電流検出部11gに接続される。
【0081】
MOSFET12a、12bのドレインは、正極側直流母線において、平滑コンデンサ6と接続される。MOSFET12c、12dのソースは、負極側直流母線において、平滑コンデンサ6と接続される。MOSFET12aのソースはMOSFET12cのドレインと接続され、さらにコイル12eと接続される。MOSFET12bのソースはMOSFET12dのドレインと接続され、さらにフィルタコンデンサ2b、及び交流電源1と接続される。MOSFET12a、12b、12c、12dのゲートは制御部11に接続され、制御部11から出力される制御信号が入力される。制御信号が入力されることによりMOSFET12a、12b、12c、12dのオンオフ制御が行われる。
【0082】
同期整流回路12の動作は、PFC回路5の動作から説明することができる。同期整流回路12のうちコイル12e、MOSFET12a、12cは、それぞれPFC回路5のコイル5a、ダイオード5c、MOSFET5bに相当する構成となっている。また、コイル12e、MOSFET12b、12dは、それぞれPFC回路5のコイル5a、ダイオード5c、MOSFET5bに相当する構成となっている。これらが交流電源1の電圧の極性に応じ、交互にPFC回路5と同様のスイッチング動作をすることで、交流電源1から入力される交流電力を直流電力に変換するとともに、電流の高調波を抑制する。
【0083】
整流回路3とPFC回路5の代わりに同期整流回路12を用いることで、回路数を削減できるため、MOSFET又はダイオードといったスイッチング素子で発生する損失を低減することが可能である。しかしながら、同期整流回路12では実施の構成1におけるフィルタコンデンサ4を備えないため、同期整流回路12の出力電圧の脈動が大きくなる。そのため、電流制御回路7の出力電流のリプル電流が大きくなる。
【0084】
これに対して、前述のとおり電流制御回路7をフィードフォワード制御することで、リプル電流を抑制することが可能である。よって、同期整流回路12を用いることで損失低減しつつ、リプル電流の増加を抑制することが可能になる。
【0085】
実施の形態3.
図15は、実施の形態3に係る点灯装置100b及び照明器具200bの構成図である。実施の形態3に係る照明器具200bと、実施の形態1に係る照明器具200との相違点は、照明器具200bでは、点灯装置100の代わりに点灯装置100bが用いられていることである。また実施の形態3に係る点灯装置100bと、実施の形態1に係る点灯装置100との相違点は、点灯装置100bでは、PFC回路5と電流制御回路7の代わりに直流変換回路13を用いた構成にした点である。つまり、PFC回路と電流制御回路を直流変換回路13で構成した。
【0086】
直流変換回路13は、整流回路3から出力される直流電力を所望の直流電流に変換し、光源8に出力する。加えて、交流電源1から入力される電流の高調波を抑制して力率を改善する機能を備える。
【0087】
直流変換回路13は、スイッチング素子であるMOSFET13aと、第1コイル13fと、第2コイル13cと、結合コンデンサ13hと、ダイオード13bと、シャント抵抗13eを有するSEPICとすることができる。直流変換回路13は、制御部9によってMOSFET13aがオンオフ制御されることにより、光源8に出力する電流の大きさの制御に加えて、入力電流の高調波を抑制し、力率改善する機能を持つ。
【0088】
具体的な回路構成と動作について説明する。第1コイル13fの一端は、フィルタコンデンサ4の一端に接続されている。フィルタコンデンサ4の他端は負極側直流母線に接続されている。MOSFET13aは、ドレイン端子、ソース端子、およびこれらの端子間をスイッチングするゲート端子を備えている。MOSFET13aは、ドレイン端子が第1コイル13fの他端に接続し、第1コイル13fを介してフィルタコンデンサ4と並列接続している。
【0089】
結合コンデンサ13hの一端は、MOSFET13aのドレイン端子に接続されている。第2コイル13cの一端は、結合コンデンサ13hの他端に接続されている。第2コイル13cの他端は負極側直流母線に接続されている。第2コイル13cは、結合コンデンサ13hを介してMOSFET13aと並列接続されている。なお、第1コイル13fと第2コイル13cは個別の部品として構成している。SEPICでは、第1コイル13fと第2コイル13cを同一のコアに巻線した構成のトランスを用いることができ、部品点数を削減することが可能である。
【0090】
ダイオード13bのアノードは第2コイル13cの一端と結合コンデンサ13hの他端の間に接続されている。ダイオード13bのカソードには平滑コンデンサ6を接続している。平滑コンデンサ6の他端はシャント抵抗13eに接続されている。平滑コンデンサ6には並列に光源8が接続される。
【0091】
直流変換回路13の動作は、実施の構成1におけるPFC回路5と電流制御回路7の動作から説明することができる。直流変換回路13のうち、第1コイル13f、MOSFET13aは、それぞれPFC回路5のコイル5a、MOSFET5bに相当する構成となっている。これらがPFC回路5と同様のスイッチング動作をすることで、交流電源1から入力される交流電力を直流電力に変換するとともに、電流の高調波を抑制する。
【0092】
MOSFET13aのオン時間については、電流制御回路7と同様の制御がなされる。すなわち、シャント抵抗13eから送信された出力電流を用いて直流変換回路13の出力電流が予め定められた大きさになるようにフィードバック制御するための第1制御量を演算し、MOSFET13aをオン/オフ制御するための信号を出力する。より具体的には、シャント抵抗13eから送信された電圧と基準電圧Vrefの差分が小さくなるようにMOSFET13aをオンする時間を変化させる。例えば、シャント抵抗13eから送信された電圧が基準電圧Vrefよりも大きい場合は、MOSFET13aをオンする時間を短縮させる。反対に、シャント抵抗13eから送信された電圧が基準電圧Vrefよりも小さい場合は、MOSFET13aをオンする時間を延長させる。
【0093】
補正部9bは整流回路3が出力する電圧の高さを検出しその平均値を算出する。また、瞬時値と平均値との差分に応じたフィードフォワードを可能とする第2制御量を演算する。第2制御量の算出内容としては、瞬時値の平均値に対する割合に比例した値を用いるほか、瞬時値と平均値の差分の平均値に対する割合に比例した値を用いる方法がある。補正部9bは第2制御量を乗算器9eに出力する。
【0094】
乗算器9eは第1制御量と第2制御量を掛け合わせてオン時間を生成し、駆動部9dに送信する。駆動部9dの制御信号がMOSFET13aを駆動する。
【0095】
また、直流変換回路13の制御方法として、PFC回路5と同様に臨界モード制御する方法もある。この場合、第1コイル13f又は第2コイル13cのゼロ電流検出を行うための補助巻線を設ける必要がある。
【0096】
補助巻線を設ける場合、ゼロ電流を検出した後、MOSFET13aをオンさせるまでにわずかに遅延時間を設け、MOSFET13aのドレイン電圧が自由振動している期間において、ドレイン電圧振動のボトム付近でMOSFET13aをオンさせることもできる。これにより、ドレイン電圧の急峻な変動を抑制し、スイッチングに起因するノイズを抑制できる。
【0097】
なお、直流変換回路13は、SEPICの他にも、昇降圧チョッパ回路、フライバック回路、フライフォワード回路、Zetaコンバータ又はCukコンバータといった回路で構成してもよい。
【0098】
PFC回路5と電流制御回路7の代わりに直流変換回路13を用いることで、回路数
を削減できるため、MOSFET又はダイオードといったスイッチング素子で発生する損失を低減することが可能である。しかしながら、直流変換回路13は実施の構成1における昇圧動作を行わず整流回路3の出力電圧を直接用いて光源8に出力する電流の大きさを制御する構成であるため、直流変換回路13の出力電流のリプル電流が大きくなる。
【0099】
これに対して、直流変換回路13について前述のフィードフォワード制御を採用することで、リプル電流を抑制することが可能である。よって、直流変換回路13を用いることで損失低減しつつ、リプル電流を抑制することが可能になる。
【0100】
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、実施の構成1、2、3を組み合わせること、また別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略又は変更することが可能である。
【符号の説明】
【0101】
1 交流電源、 2 入力フィルタ、 3 整流回路、 4 コンデンサ、 5 PFC回路、 6 平滑コンデンサ、 7 電流制御回路、 8 光源、 9、11 制御部、 12 同期整流回路、 13 直流変換回路、 2a、5a、7b、12e コイル、 13f 第1コイル、 13c 第2コイル、 2b、7d フィルタコンデンサ、 13h 結合コンデンサ、 5b、12a、12b、12c、12d、13a MOSFET、 7a スイッチング素子、 5c、7c、13b ダイオード、 9b 補正部、 9c、11c 演算部、 9d、11d 駆動部、 9f 入力電圧検出部、 9e 乗算器、 11b 電圧検出部、 11g ゼロ電流検出部、 9b1、9c1 検出部、 9b2、9c2 メモリ、 9b4 平均値演算部、 100、100a、100b 点灯装置、 200、200a、200b 照明器具
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