(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-12
(45)【発行日】2023-06-20
(54)【発明の名称】チェーンコンベヤ
(51)【国際特許分類】
B65G 21/22 20060101AFI20230613BHJP
B65G 21/00 20060101ALI20230613BHJP
【FI】
B65G21/22 B
B65G21/00 A
(21)【出願番号】P 2020105976
(22)【出願日】2020-06-19
【審査請求日】2022-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】中島 宏一朗
(72)【発明者】
【氏名】金本 一利
(72)【発明者】
【氏名】小川 勇壮
【審査官】今野 聖一
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-157822(JP,U)
【文献】特開平11-171319(JP,A)
【文献】実開昭60-170312(JP,U)
【文献】特開平10-181829(JP,A)
【文献】米国特許第06533108(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 21/00 - 21/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに連結された複数のリンク部材と、複数の前記リンク部材のそれぞれに支持されたローラと、を有する無端状のチェーンと、
物品が搬送される方向である搬送方向に沿って配置され、前記ローラを下方から支持するローラ支持面を有すると共に前記チェーンを前記搬送方向に沿って案内するレールガイド部材と、
前記搬送方向における一方側を搬送方向第1側とし、他方側を搬送方向第2側として、
前記レールガイド部材における前記搬送方向第1側の端部に対して前記搬送方向第1側に隣接して配置され、前記チェーンの折り返し部分を案内する折返しガイド部材と、を備え、
前記折返しガイド部材は、
前記ローラ支持面の前記搬送方向第1側への延長上に位置する接続支持面、及び、前記接続支持面に連続すると共に前記搬送方向第1側へ向かうに従って下方へ向かう円弧状に形成された上側円弧状支持面を形成する上側ガイド部と、
前記上側円弧状支持面よりも下方に配置されると共に前記搬送方向第2側へ向かうに従って下方へ向かう円弧状に形成された下側円弧状
支持面を形成する下側ガイド部と、
前記上側ガイド部と前記下側ガイド部とを連結する連結部と、を備え、
前記上側ガイド部と前記下側ガイド部と前記連結部とが同一部材により一体的に形成され
、
前記上側円弧状支持面の下端と前記下側円弧状支持面の上端とが上下方向に離れて配置され、前記上側円弧状支持面の下端と前記下側円弧状支持面の上端との上下方向の間の位置で前記上側ガイド部と前記下側ガイド部とが前記連結部により連結されている、チェーンコンベヤ。
【請求項2】
前記上側円弧状支持面及び前記下側円弧状支持面のそれぞれの前記搬送方向第1側の端よりも前記搬送方向第2側に前記連結部が位置している、請求項1に記載のチェーンコンベヤ。
【請求項3】
互いに連結された複数のリンク部材と、複数の前記リンク部材のそれぞれに支持されたローラと、を有する無端状のチェーンと、
物品が搬送される方向である搬送方向に沿って配置され、前記ローラを下方から支持するローラ支持面を有すると共に前記チェーンを前記搬送方向に沿って案内するレールガイド部材と、
前記搬送方向における一方側を搬送方向第1側とし、他方側を搬送方向第2側として、
前記レールガイド部材における前記搬送方向第1側の端部に対して前記搬送方向第1側に隣接して配置され、前記チェーンの折り返し部分を案内する折返しガイド部材と、を備え、
前記折返しガイド部材は、
前記ローラ支持面の前記搬送方向第1側への延長上に位置する接続支持面、及び、前記接続支持面に連続すると共に前記搬送方向第1側へ向かうに従って下方へ向かう円弧状に形成された上側円弧状支持面を形成する上側ガイド部と、
前記上側円弧状支持面よりも下方に配置されると共に前記搬送方向第2側へ向かうに従って下方へ向かう円弧状に形成された下側円弧状
支持面を形成する下側ガイド部と、
前記上側ガイド部と前記下側ガイド部とを連結する連結部と、を備え、
前記上側ガイド部と前記下側ガイド部と前記連結部とが同一部材により一体的に形成され
、
前記搬送方向に沿って配置され、前記レールガイド部材と前記折返しガイド部材との双方を支持するメインフレームを備え、
前記メインフレームは、上方を向く支持基準面を備え、
前記折返しガイド部材は、前記支持基準面に対して上方から当接する上側当接部を備えている、チェーンコンベヤ。
【請求項4】
前記メインフレームは、前記搬送方向第1側を向く搬送方向支持面を備え、
前記折返しガイド部材は、前記搬送方向支持面に対して前記搬送方向第1側から当接する搬送方向当接部を備えている、
請求項3に記載のチェーンコンベヤ。
【請求項5】
前記折返しガイド部材は、前記上側ガイド部と前記下側ガイド部と前記連結部とを有するガイド本体と、前記ガイド本体に固定されたサブフレームと、を備え、
前記上側当接部が、前記ガイド本体に形成され、
前記搬送方向当接部が、前記サブフレームに形成されている、
請求項4に記載のチェーンコンベヤ。
【請求項6】
前記サブフレームは、前記メインフレームに固定され、
前記ガイド本体は、前記サブフレームを介して前記メインフレームに固定されている、
請求項5に記載のチェーンコンベヤ。
【請求項7】
前記搬送方向に対して平面視で直交する方向を幅方向とし、前記幅方向の一方側を幅方向第1側とし、他方側を幅方向第2側として、
前記サブフレームは、前記ガイド本体に対して前記幅方向第1側に配置されて前記ガイド本体に固定された第1部材と、前記ガイド本体に対して前記幅方向第2側に配置されて前記ガイド本体に固定された第2部材と、を備え、
前記メインフレームは、前記搬送方向及び上下方向に沿う側壁部と、前記側壁部の上端部から前記幅方向第2側に突出するように形成され、前記搬送方向及び水平方向に沿う上壁部と、前記側壁部の下端部から前記幅方向第2側に突出するように形成され、前記搬送方向及び前記水平方向に沿う下壁部と、前記上壁部の前記幅方向第2側の端部と前記下壁部の前記幅方向第2側の端部との前記上下方向の間に形成された開口部と、を備え、
前記第1部材が、前記側壁部に締結固定され、
前記第2部材が、前記搬送方向当接部を備え、前記メインフレームには固定されず、前記メインフレームに対して前記搬送方向第1側から当接している、
請求項5又は6に記載のチェーンコンベヤ。
【請求項8】
前記搬送方向に対して平面視で直交する方向を幅方向とし、前記メインフレームを第1メインフレームとして、
前記第1メインフレームに対して前記幅方向に離間して配置されると共に前記搬送方向に沿って配置され、前記レールガイド部材と前記折返しガイド部材との双方を支持する第2メインフレームを更に備え、
前記搬送方向に離間して配置された複数の連結フレームと、を備え、
複数の前記連結フレームのそれぞれは、前記第1メインフレームと前記第2メインフレームとを前記幅方向に連結すると共に、前記第1メインフレーム及び前記第2メインフレームを下方から支持するように構成され、
前記第1メインフレームと前記第2メインフレームとのそれぞれにおける、前記連結フレームによって支持される部分と支持されない部分との前記搬送方向の境界領域に、上下方向に沿って延在する補強部材が固定されている、
請求項3から7のいずれか一項に記載のチェーンコンベヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チェーンコンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特開平11-189325号公報(特許文献1)には、物品を搬送するチェーンコンベヤを備えたコンベヤ装置が開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に付す符号は、特許文献1のものである。
【0003】
チェーンコンベヤ(7)は、無端状のチェーン(28)と、チェーン(28)が巻回されたフレーム(27)と、を備えている。フレーム(27)における搬送方向の両端部には、チェーン(28)の折り返し部分を案内するスプロケット(33,34)が設けられている。これにより、無端状のチェーン(28)が、フレーム(27)を周回するように配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
チェーン(28)の折り返し部分をスプロケット(33,34)により案内する場合、スプロケット(33,34)の支持機構や回転機構が必要となるため構造が複雑化なものにならざるを得ない。そのため、部品点数が多くなって製造コストが高くなり易いことや、メンテナンスの手間が大きくなり易いといった課題があった。
【0006】
上記実状に鑑みて、構造の簡略化を図ることが可能なチェーンコンベヤの実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係るチェーンコンベヤにおける第1の特徴構成は、
互いに連結された複数のリンク部材と、複数の前記リンク部材のそれぞれに支持されたローラと、を有する無端状のチェーンと、
物品が搬送される方向である搬送方向に沿って配置され、前記ローラを下方から支持するローラ支持面を有すると共に前記チェーンを前記搬送方向に沿って案内するレールガイド部材と、
前記搬送方向における一方側を搬送方向第1側とし、他方側を搬送方向第2側として、
前記レールガイド部材における前記搬送方向第1側の端部に対して前記搬送方向第1側に隣接して配置され、前記チェーンの折り返し部分を案内する折返しガイド部材と、を備え、
前記折返しガイド部材は、
前記ローラ支持面の前記搬送方向第1側への延長上に位置する接続支持面、及び、前記接続支持面に連続すると共に前記搬送方向第1側へ向かうに従って下方へ向かう円弧状に形成された上側円弧状支持面を形成する上側ガイド部と、
前記上側円弧状支持面よりも下方に配置されると共に前記搬送方向第2側へ向かうに従って下方へ向かう円弧状に形成された下側円弧状支持面を形成する下側ガイド部と、
前記上側ガイド部と前記下側ガイド部とを連結する連結部と、を備え、
前記上側ガイド部と前記下側ガイド部と前記連結部とが同一部材により一体的に形成され、
前記上側円弧状支持面の下端と前記下側円弧状支持面の上端とが上下方向に離れて配置され、前記上側円弧状支持面の下端と前記下側円弧状支持面の上端との上下方向の間の位置で前記上側ガイド部と前記下側ガイド部とが前記連結部により連結されている。
また、本開示に係るチェーンコンベヤにおける第2の特徴構成は、
互いに連結された複数のリンク部材と、複数の前記リンク部材のそれぞれに支持されたローラと、を有する無端状のチェーンと、
物品が搬送される方向である搬送方向に沿って配置され、前記ローラを下方から支持するローラ支持面を有すると共に前記チェーンを前記搬送方向に沿って案内するレールガイド部材と、
前記搬送方向における一方側を搬送方向第1側とし、他方側を搬送方向第2側として、
前記レールガイド部材における前記搬送方向第1側の端部に対して前記搬送方向第1側に隣接して配置され、前記チェーンの折り返し部分を案内する折返しガイド部材と、を備え、
前記折返しガイド部材は、
前記ローラ支持面の前記搬送方向第1側への延長上に位置する接続支持面、及び、前記接続支持面に連続すると共に前記搬送方向第1側へ向かうに従って下方へ向かう円弧状に形成された上側円弧状支持面を形成する上側ガイド部と、
前記上側円弧状支持面よりも下方に配置されると共に前記搬送方向第2側へ向かうに従って下方へ向かう円弧状に形成された下側円弧状支持面を形成する下側ガイド部と、
前記上側ガイド部と前記下側ガイド部とを連結する連結部と、を備え、
前記上側ガイド部と前記下側ガイド部と前記連結部とが同一部材により一体的に形成され、
前記搬送方向に沿って配置され、前記レールガイド部材と前記折返しガイド部材との双方を支持するメインフレームを備え、
前記メインフレームは、上方を向く支持基準面を備え、
前記折返しガイド部材は、前記支持基準面に対して上方から当接する上側当接部を備えている。
【0008】
第1の特徴構成によれば、折返しガイド部材によってチェーンの折り返し部分を案内することができる。そして、それぞれ上側ガイド部に形成された接続支持面及び上側円弧状支持面と、下側ガイド部に形成された下側円弧状支持面とによって、チェーンのローラを支持することができる。ここで、折返しガイド部材は、上側ガイド部と下側ガイド部とを備えており、上側ガイド部の接続支持面及び上側円弧状支持面により、チェーンに作用する下方及び搬送方向第2側への荷重を支持しつつチェーンを案内することができると共に、下側ガイド部の下側円弧状支持面により、チェーンに作用する搬送方向第2側への荷重を支持しつつチェーンを案内することができる。そして、上側ガイド部と下側ガイド部とこれらを連結する連結部とが、同一部材により一体的に形成され、上側円弧状支持面の下端と下側円弧状支持面の上端とが上下方向に離れて配置され、上側円弧状支持面の下端と下側円弧状支持面の上端との上下方向の間の位置で上側ガイド部と下側ガイド部とが連結部により連結されている。このように、第1の特徴構成によれば、レールガイド部材の搬送方向第1側におけるチェーンの折り返し部分を、上側ガイド部と下側ガイド部と連結部とが同一部材により一体的に形成された折返しガイド部材によって適切に案内することができる。従って、従来の構造に比べて、チェーンの折り返し部分の構造を簡略化することができる。そして、このような簡略化した構造としたことにより、当該折り返し部分の部品点数を少なくすることができると共にメンテナンス性も高いものとすることができる。
また、第2の特徴構成によれば、折返しガイド部材に対して下方に向けて作用する荷重を、上側当接部と支持基準面とを介してメインフレームによって支持することができる。また第2の特徴構成によれば、折返しガイド部材を支持基準面に対して上下方向に位置決めすることができるため、レールガイド部材に対する折返しガイド部材の上下方向の位置決めも容易に行うことができる。
【0009】
また、第1の特徴構成及び第2の特徴構成によれば、折返しガイド部材の接続支持面が、レールガイド部材のローラ支持面に対して搬送方向第1側への延長上に位置するように、当該折返しガイド部材とレールガイド部材とが隣接して配置されている。そのため、折返しガイド部材を、レールガイド部材に対して搬送方向に当接させて、接続支持面とローラ支持面とを連続的に形成することができる。これによれば、レールガイド部材と折返しガイド部材との境界部分において搬送方向の隙間が生じないようにでき、当該境界部分において、物品が搬送される搬送面を安定させて当該物品を円滑に搬送することができる。また、上記境界部分に搬送方向の隙間が生じている場合には、物品の搬送面を安定させるために、チェーンを緊張状態とするべく、当該チェーンを搬送方向に引っ張る力が比較的大きなものとならざるを得ない。しかしながら、折返しガイド部材とレールガイド部材とを搬送方向に当接させて、接続支持面とローラ支持面とを連続的に形成することで、これらの境界部分に隙間を生じ難くして物品の搬送面を安定させることができるため、上記のようにチェーンを搬送方向に引っ張る力を比較的弱くすることができる。
【0010】
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図3】メインフレームと補強部材との連結構造を示す斜視図
【
図4】チェーンコンベヤにおける搬送方向端部の構造を、幅方向第2側から見た斜視図
【
図5】チェーンコンベヤにおける搬送方向端部の構造を、幅方向第1側から見た斜視図
【
図6】チェーンコンベヤにおける搬送方向端部の構造を、搬送方向第2側から見た斜視図
【
図7】チェーンコンベヤにおける搬送方向端部の構造を、幅方向第2側から見た側面図
【
図8】その他の実施形態に係るチェーンコンベヤを模式的に示す図
【
図9】その他の実施形態に係るチェーンコンベヤを模式的に示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
本実施形態に係るチェーンコンベヤについて図面を参照して説明する。
図1に示すように、チェーンコンベヤ100は、予め規定された搬送方向Xに沿って物品Wを搬送する。チェーンコンベヤ100は、設備の規模や用途等に応じて、複数又は単数設置される。図示の例では、搬送方向Xに並ぶように2つのチェーンコンベヤ100が設置されている。
【0013】
搬送方向Xに対して平面視で直交する方向を幅方向Yとすると、チェーンコンベヤ100は、搬送方向Xに沿って配置された第1メインフレーム11と、第1メインフレーム11に対して幅方向Yに離間して配置されると共に搬送方向Xに沿って配置された第2メインフレーム12と、を備えている。第1メインフレーム11と第2メインフレーム12とのそれぞれは、後述するレールガイド部材7と折返しガイド部材8との双方を支持するように構成されている(
図2等参照)。本実施形態では、第1メインフレーム11に支持されたレールガイド部材7と、第2メインフレーム12に支持されたレールガイド部材7とのそれぞれにおいて、レールガイド部材7に対して搬送方向Xの両側のそれぞれに折返しガイド部材8が配置されている。そして、第1メインフレーム11と第2メインフレーム12とのそれぞれにおいて、レールガイド部材7と一対の折返しガイド部材8とにわたって、無端状のチェーン6が設置されている。物品Wは、このように設置された一対のチェーン6に跨った状態で搬送方向Xに沿って搬送される。
【0014】
本実施形態では、第1メインフレーム11及び第2メインフレーム12のそれぞれおける搬送方向Xの端部領域以外の領域に、チェーン6を駆動するための駆動機構5が設けられている。図示の例では、駆動機構5は、第1メインフレーム11及び第2メインフレーム12のそれぞれにおける搬送方向Xの中央領域に設けられている。
【0015】
本実施形態では、駆動機構5は、駆動軸51と、駆動軸51を駆動するモータ52と、駆動軸51に対して一体回転するように連結されたスプロケット(不図示)と、を備えている。駆動軸51は、幅方向Yに沿って配置されている。駆動軸51における、第1メインフレーム11の側の端部及び第2メインフレーム12の側の端部のそれぞれに、スプロケットが連結されている。駆動軸51における第1メインフレーム11の側に連結されたスプロケットには、第1メインフレーム11に設置されたチェーン6が巻き掛けられている。駆動軸51における第2メインフレーム12の側に連結されたスプロケットには、第2メインフレーム12に設置されたチェーン6が巻き掛けられている。なお、本実施形態では、駆動軸51の両端に設けられたスプロケットによってチェーン6が巻き掛けられた部分は、カバー95により覆われている。上記のような構成により、1つのモータ52を駆動源として、第1メインフレーム11及び第2メインフレーム12のそれぞれに設置されたチェーン6を駆動可能となっている。ここで、モータ52は、駆動軸51を正回転方向及び逆回転方向の双方に駆動可能に構成されている。そのため、モータ52によって駆動軸51の回転方向を変更することにより、チェーン6が駆動される方向を変更することができる。すなわち、チェーンコンベヤ100は、搬送方向Xにおける一方側および他方側のいずれの側にも、物品Wを搬送することが可能に構成されている。
【0016】
本実施形態では、チェーンコンベヤ100は、搬送方向Xに離間して配置された複数の連結フレーム2を備えている。図示の例では、1つのチェーンコンベヤ100につき、2つの連結フレーム2が搬送方向Xに離間して配置されている。複数の連結フレーム2のそれぞれは、第1メインフレーム11と第2メインフレーム12とを幅方向Yに連結すると共に、第1メインフレーム11及び第2メインフレーム12を下方から支持するように構成されている。第1メインフレーム11及び第2メインフレーム12のそれぞれは、連結フレーム2により支持された部分において、不図示の締結部材によって当該連結フレーム2に固定されている。本実施形態では、連結フレーム2は、床面に立設された支柱部材3によって支持されている。
【0017】
図2は、第1メインフレーム11の支持構造を示している。第2メインフレーム12の支持構造についてはこれと同様であるため、図示を省略する。なお、
図2では、チェーン6を省略している。
【0018】
図2に示すように、第1メインフレーム11(第2メインフレーム12)は、連結フレーム2によって下方から支持されている。このため、第1メインフレーム11(第2メインフレーム12)における、連結フレーム2によって支持される部分と支持されない部分との搬送方向Xの境界領域Aでは、第1メインフレーム11(第2メインフレーム12)に対して下方に向けて作用する荷重による曲げ応力が大きくなり易い。そのため、本実施形態では、第1メインフレーム11と第2メインフレーム12とのそれぞれにおける、連結フレーム2によって支持される部分と支持されない部分との搬送方向Xの境界領域Aに、上下方向に沿って延在する補強部材4が固定されている。上下方向に沿って延在する補強部材4を設けることにより、第1メインフレーム11(第2メインフレーム12)が、搬送中の物品W、レールガイド部材7、折返しガイド部材8、チェーン6等から、下方に向けて作用する荷重を受けることで撓むように変形しようとする場合に、当該荷重の一部を、上下方向に沿って補強部材4に作用する圧縮荷重として受けることができる。一般的な部材は、曲げ荷重に対する強度よりも、圧縮荷重に対する強度の方が高い。従って、第1メインフレーム11と第2メインフレーム12とのそれぞれにおける上記境界領域Aの強度を高くすることができる。
【0019】
本実施形態では、補強部材4は、第1メインフレーム11における第2メインフレーム12に対向する側の部分に固定されている。また、補強部材4は、第2メインフレーム12における第1メインフレーム11に対向する側の部分に固定されている(図示省略)。換言すれば、補強部材4は、第1メインフレーム11及び第2メインフレーム12のそれぞれにおける、幅方向Yの内側(後述する幅方向第2側Y2)の部分に固定されている。
【0020】
図1に示すように、第1メインフレーム11における搬送方向Xの両端部のそれぞれに対応する部分は、搬送方向Xに沿って配置されたチェーン6が折り返される折り返し部分となっている。図示の例では、当該折り返し部分におけるチェーン6の一部が、カバー94(仮想線で示す)により覆われている。本実施形態では、第1メインフレーム11における搬送方向Xの両端部のそれぞれに対応する上記折返し部分は、第1メインフレーム11の搬送方向Xの中央位置を通ると共に搬送方向Xに直交する面を基準として互いに面対称の関係となっている以外は同じ構造である。また、本実施形態では、第1メインフレーム11と第2メインフレーム12とは、幅方向Yにおけるこれらの中間位置を通ると共に幅方向Yに直交する面を基準として互いに面対称の関係となっている以外は同じ構造である。これら第1メインフレーム11及び第2メインフレーム12の周辺構造についても同様である。
【0021】
以下では、第1メインフレーム11、及び、第1メインフレーム11における搬送方向Xの端部の周辺構造に着目して、チェーンコンベヤ100の要部の構成について説明する。なお、本実施形態では、第1メインフレーム11が「メインフレーム」に相当する。以下では、第1メインフレーム11をメインフレーム10と称することがある。
【0022】
また、以下では、搬送方向Xにおける一方側を搬送方向第1側X1とし、他方側を搬送方向第2側X2とし、幅方向Yの一方側を幅方向第1側Y1とし、他方側を幅方向第2側Y2とする。本実施形態では、搬送方向第1側X1は、搬送方向Xにおけるレールガイド部材7の中央側から端部側に向かう側であり、搬送方向第2側X2は、搬送方向Xにおけるレールガイド部材7の端部側から中央側に向かう側である。従って、チェーンコンベヤ100における搬送方向Xの両端部のそれぞれは、いずれも搬送方向Xにおける中央側から見て搬送方向第1側X1となる。また、幅方向第1側Y1は、幅方向Yにおける外側、すなわち、第1メインフレーム11から見て第2メインフレーム12が配置される側とは反対側又は第2メインフレーム12から見て第1メインフレーム11が配置される側とは反対側である。幅方向第2側Y2は、幅方向Yにおける内側、すなわち、第1メインフレーム11から見て第2メインフレーム12が配置される側又は第2メインフレーム12から見て第1メインフレーム11が配置される側である。
【0023】
図3~
図7は、メインフレーム10における搬送方向第1側X1の端部、又は、その周辺構造を示している。
【0024】
図3は、メインフレーム10及び補強部材4のみを示している。
図3に示すように、本実施形態では、メインフレーム10は、中空状の部材により構成されている。そして、メインフレーム10は、上方を向く支持基準面Fsを備えている。支持基準面Fsは、後述するレールガイド部材7(
図4等参照)を下方から支持するように構成されている。本実施形態では、支持基準面Fsは、メインフレーム10における上面に形成されている。また、メインフレーム10は、搬送方向第1側X1を向く搬送方向支持面Fxを備えている。搬送方向支持面Fxは、後述する折返しガイド部材8(
図4等参照)を搬送方向第2側X2から支持するように構成されている。本実施形態では、搬送方向支持面Fxは、メインフレーム10における搬送方向第1側X1の端面に形成されている。
【0025】
本実施形態では、メインフレーム10は、搬送方向X及び上下方向に沿う側壁部101と、側壁部101の上端部から幅方向第2側Y2に突出するように形成され、搬送方向X及び水平方向に沿う上壁部102と、側壁部101の下端部から幅方向第2側Y2に突出するように形成され、搬送方向X及び水平方向に沿う下壁部103と、上壁部102の幅方向第2側Y2の端部と下壁部103の幅方向第2側Y2の端部との上下方向の間に形成された開口部104と、を備えている。すなわち、メインフレーム10における幅方向第1側Y1に側壁部101が形成され、メインフレーム10における幅方向第2側Y2に開口部104が形成されている。
【0026】
更に本実施形態では、メインフレーム10は、上壁部102における幅方向第2側Y2の端部から垂れ下がる垂下部102aと、下壁部103における幅方向第2側Y2の端部から上方に立ち上がる立上り部103aと、を備えている。上述の開口部104は、垂下部102aと立上り部103aとの上下方向の間に形成されている。すなわち、本実施形態に係るメインフレーム10は、搬送方向X視において角ばったC字状に形成されている。
【0027】
垂下部102aは、上壁部102における幅方向第2側Y2の端部から下方に延在する板状に形成されている。立上り部103aは、下壁部103における幅方向第2側Y2の端部から上方に延在する板状に形成されている。本実施形態では、上述の補強部材4は、上下方向に沿って開口部104を跨ぐように垂下部102aと立上り部103aとにわたって配置され、垂下部102aと立上り部103aとを連結している。
【0028】
図3に示すように、本実施形態では、補強部材4は、第1メインフレーム11(第2メインフレーム12)における上部及び下部のそれぞれに固定された固定部41と、これら一対の固定部41を接続すると共に上下方向に延在する上下方向延在部42と、を備えている。ここでは、補強部材4は、搬送方向X及び上下方向に沿って延在する板状に形成されている。そして、補強部材4における上側の固定部41は、締結部材93によって垂下部102aに固定されている。また、補強部材4における下側の固定部41は、締結部材93によって立上り部103aに固定されている。本実施形態では、上下のそれぞれの固定部41は、搬送方向Xに離間した2箇所において締結部材93により固定されている。図示の例では、補強部材4を固定する締結部材93として、リベットを用いている。なお、締結部材93としてボルトを用いても好適である。このような補強部材4を備えることにより、メインフレーム10の開口部104を挟んだ上下方向の両側の位置関係が変位することを規制することができる。従って、第1メインフレーム11(第2メインフレーム12)が下方に向けて作用する荷重を受けることで撓むように変形しようとした場合に、その変形量を少なく抑えることができる。このことによっても、第1メインフレーム11と第2メインフレーム12とのそれぞれにおける上記境界領域Aの強度を高くすることができる。
【0029】
図6及び
図7に示すように、チェーンコンベヤ100は、互いに連結された複数のリンク部材61と、複数のリンク部材61のそれぞれに支持されたローラ62と、を有する無端状のチェーン6を備えている。そして、
図4~
図7に示すように、チェーンコンベヤ100は、物品Wが搬送される方向である搬送方向Xに沿って配置され、ローラ62を下方から支持するローラ支持面Faを有すると共にチェーン6を搬送方向Xに沿って案内するレールガイド部材7と、レールガイド部材7における搬送方向第1側X1の端部に対して搬送方向第1側X1に隣接して配置され、チェーン6の折り返し部分を案内する折返しガイド部材8と、を備えている。なお、
図4及び
図5では、チェーン6の図示を省略している。
【0030】
本実施形態では、レールガイド部材7は、メインフレーム10における支持基準面Fsによって下方から支持されている。レールガイド部材7は、レールガイド本体部70と、レールガイド本体部70に対して上方に突出していると共に搬送方向Xに沿って延在する一定幅の帯状の突出部として形成されたレール側支持部7Aと、を備えている。このように、レール側支持部7Aは、レールガイド本体部70に対して上方に突出するレール状に形成されている。
【0031】
そして、レール側支持部7Aの上面に、ローラ支持面Faが形成されている。すなわち、レール側支持部7Aは、チェーン6のローラ62を下方から支持し、ローラ62は、ローラ支持面Faを転動する。本実施形態では、ローラ支持面Faは、搬送方向Xに沿って延在する一定幅の帯状の平面となっている。また、レール側支持部7Aの幅方向Yの両側面は、チェーン6のリンク部材61を案内する案内面となる。
図7に示すように、ローラ62がレール側支持部7Aに支持された状態で、チェーン6のリンク部材61は、ローラ62に対して幅方向Yの両外側にずれた位置においてローラ支持面Faよりも下方(レールガイド本体部70側)に突出する突出部分を有しており、当該突出部分における幅方向Yを向く側面が、レール側支持部7Aの幅方向Yの両側面によって案内される。また、図示の例では、レール側支持部7Aは、幅方向Yに間隔を空けて一対設けられている。そして、一対のレール側支持部7Aの幅方向Yの間、及び、一対のレール側支持部7Aに対して幅方向Yの両外側は、レール側支持部7Aに対して下側に窪んでいると共に搬送方向Xに沿って延在する一定幅の凹部として形成された、レール側凹部7Bとなっている。
【0032】
折返しガイド部材8は、ローラ支持面Faの搬送方向第1側X1への延長上に位置する接続支持面Fb、及び、接続支持面Fbに連続すると共に搬送方向第1側X1へ向かうに従って下方へ向かう円弧状に形成された上側円弧状支持面Fcを形成する上側ガイド部811と、上側円弧状支持面Fcよりも下方に配置されると共に搬送方向第2側X2へ向かうに従って下方へ向かう円弧状に形成された下側円弧状支持面Fdを形成する下側ガイド部812と、上側ガイド部811と下側ガイド部812とを連結する連結部813と、を備えている。本実施形態では、接続支持面Fbは、搬送方向Xに沿って延在する一定幅の帯状の平面となっている。そして、接続支持面Fbは、搬送方向第2側X2の端部が、ローラ支持面Faに連続するように配置されており、搬送方向第1側X1の端部が、上側円弧状支持面Fcと一体的に連続している。
【0033】
本実施形態では、折返しガイド部材8が、レールガイド部材7に対して搬送方向Xに当接し、接続支持面Fbとローラ支持面Faとが連続的に形成されている。これにより、レールガイド部材7と折返しガイド部材8との境界部分において搬送方向Xの隙間が生じないようにでき、当該境界部分において、物品Wが搬送される搬送面を安定させて当該物品Wを円滑に搬送することができる。また、これにより、物品Wの搬送面を安定させるためにチェーン6を搬送方向Xに引っ張る力を、比較的弱くすることができる。
【0034】
折返しガイド部材8は、折返しガイド本体部80と、折返しガイド本体部80に対してチェーン6の配置される側に突出していると共にチェーン6の軌跡に沿って延在する一定幅の帯状の突出部として形成されたガイド側支持部8Aと、を備えている。このように、ガイド側支持部8Aは、折返しガイド本体部80に対してチェーン6の配置される側に突出するレール状に形成されている。また、図示の例では、ガイド側支持部8Aは、幅方向Yに間隔を空けて一対設けられている。そして、一対のガイド側支持部8Aの幅方向Yの間、及び、一対のガイド側支持部8Aに対して幅方向Yの両外側は、ガイド側支持部8Aに対してチェーン6から離れる側に窪んでいると共にチェーン6の軌跡に沿って延在する一定幅の凹部として形成された、ガイド側凹部8Bとなっている。本実施形態では、ガイド側支持部8Aは、上側ガイド部811に形成された上方ガイド側支持部81Aと、下側ガイド部812に形成された下方ガイド側支持部82Aと、を含んでいる。折返しガイド本体部80は、上側ガイド部811に形成された上側本体部811aと、下側ガイド部812に形成された下側本体部812aと、を含んでいる。ガイド側凹部8Bは、上側ガイド部811に形成された上方ガイド側凹部81Bと、下側ガイド部812に形成された下方ガイド側凹部82Bと、を含んでいる。
【0035】
そして、本実施形態では、上方ガイド側支持部81Aは、上側本体部811aから上側及び搬送方向第1側X1に突出するように形成されている。上方ガイド側支持部81Aは、幅方向Yに間隔を空けて一対設けられている。そして、一対の上方ガイド側支持部81Aの幅方向Yの間、及び、一対の上方ガイド側支持部81Aに対して幅方向Yの両外側に、上方ガイド側凹部81Bが形成されている。上方ガイド側凹部81Bは、上方ガイド側支持部81Aに対して下側及び搬送方向第2側X2に窪むように形成されている。
【0036】
一方、下方ガイド側支持部82Aは、下側本体部812aから下側及び搬送方向第1側X1に突出するように形成されている。下方ガイド側支持部82Aは、幅方向Yに間隔を空けて一対設けられている。そして、一対の下方ガイド側支持部82Aの幅方向Yの間、及び、一対の下方ガイド側支持部82Aに対して幅方向Yの両外側に、下方ガイド側凹部82Bが形成されている。下方ガイド側凹部82Bは、下方ガイド側支持部82Aに対して上側及び搬送方向第2側X2に窪むように形成されている。
図7に示すように、本実施形態では、下方ガイド側支持部82Aにおける搬送方向第2側X2の端部領域には、搬送方向第2側X2に向かうに従って上方へ向かうように湾曲した湾曲部812bが形成されている。湾曲部812bは、下方ガイド側支持部82Aによって支持されたチェーン6の軌跡に対して、搬送方向第2側X2に向かうに従って上方に離間するように形成されている。これにより、チェーン6が下側ガイド部812の側から上側ガイド部811の側に向かって移動する場合(
図7における反時計回りに移動する場合)に、当該チェーン6が、下方ガイド側支持部82Aにおける搬送方向第2側X2の端部に引っ掛かることがないようにすることができる。
【0037】
上方ガイド側支持部81Aは、レール側支持部7Aに対して搬送方向第1側X1に隣接して配置され、レール側支持部7Aと連続してチェーン6を案内するように構成されている。また、上方ガイド側凹部81Bは、レール側凹部7Bに対して搬送方向第1側X1において当該レール側凹部7Bと連続するように構成されている。そして、上方ガイド側支持部81Aの上側を向く面に接続支持面Fbが形成され、当該接続支持面Fbに対して搬送方向第1側X1に連続する面であって、上方ガイド側支持部81Aの上側を向く面及び搬送方向第1側X1を向く面に、上側円弧状支持面Fcが形成されている。チェーン6のローラ62は、接続支持面Fb及び上側円弧状支持面Fcを転動する。本実施形態では、接続支持面Fb及び上側円弧状支持面Fcは、互いに搬送方向Xに連続すると共に、搬送方向Xに沿って延在する一定幅の帯状の曲面(より具体的には平面と円弧状面との組み合わせ)となっている。また、上方ガイド側支持部81Aの幅方向Yの両側面は、チェーン6のリンク部材61を案内する案内面となる。
図7に示すように、ローラ62が上方ガイド側支持部81Aに支持された状態で、チェーン6のリンク部材61は、ローラ62に対して幅方向Yの両外側にずれた位置において接続支持面Fb及び上側円弧状支持面Fcよりも上側本体部811aの側に突出する突出部分を有しており、当該突出部分における幅方向Yを向く側面が、上方ガイド側支持部81Aの幅方向Yの両側面によって案内される。
【0038】
下方ガイド側支持部82Aは、上方ガイド側支持部81Aに対して下方に離間して配置され、チェーン6の折り返し部分の下部においてチェーン6を案内するように構成されている。そして、下方ガイド側支持部82Aの下側を向く面及び搬送方向第1側X1を向く面に、下側円弧状支持面Fdが形成されている。チェーン6のローラ62は、下側円弧状支持面Fdを転動する。本実施形態では、下側円弧状支持面Fdは、搬送方向Xに沿って延在する一定幅の帯状の曲面(より具体的には円弧状面)となっている。また、下方ガイド側支持部82Aの幅方向Yの両側面は、チェーン6のリンク部材61を案内する案内面となる。
図7に示すように、ローラ62が下方ガイド側支持部82Aに支持された状態で、チェーン6のリンク部材61は、ローラ62に対して幅方向Yの両外側にずれた位置において下側円弧状支持面Fdよりも下側本体部812aの側に突出する突出部分を有しており、当該突出部分における幅方向Yを向く側面が、下方ガイド側支持部82Aの幅方向Yの両側面によって案内される。
【0039】
図4から
図7に示すように、上側ガイド部811と下側ガイド部812と連結部813とが同一部材により一体的に形成されている。本実施形態では、上側ガイド部811は、連結部813の上端部に連結され、連結部813よりも上方において搬送方向第1側X1に膨出するように形成されている。下側ガイド部812は、連結部813の下端部に連結され、連結部813よりも下方において搬送方向第1側X1に膨出するように形成されている。連結部813は、上下方向に沿って延在する柱状に形成されている。また、連結部813は、その全体が、上側ガイド部811及び下側ガイド部812のそれぞれにおける搬送方向第1側X1の端部よりも搬送方向第2側X2に位置するように配置されている。よって、連結部813は、チェーン6を支持及び案内しない。本実施形態では、連結部813は、上下方向に沿って形成された補強リブ813aを備えている。これにより、連結部813の強度を高めることができる。
【0040】
また本実施形態では、上方ガイド側支持部81Aは、連結部813と上側ガイド部811との接続部分において、下方へ向かうに従って搬送方向第2側X2へ向かう円弧状に形成されている。これにより、チェーン6が下側ガイド部812の側から上側ガイド部811の側に向かって移動する場合(
図7における反時計回りに移動する場合)に、当該チェーン6が、上方ガイド側支持部81Aにおける下側の端部に引っ掛かることがないようにすることができる。同様に、下方ガイド側支持部82Aは、連結部813と下側ガイド部812との接続部分において、上方へ向かうに従って搬送方向第2側X2へ向かう円弧状に形成されている。これにより、チェーン6が上側ガイド部811の側から下側ガイド部812の側に向かって移動する場合(
図7における時計回りに移動する場合)に、当該チェーン6が、下方ガイド側支持部82Aにおける上側の端部に引っ掛かることがないようにすることができる。
【0041】
また、本実施形態では、折返しガイド部材8は、上述した上側ガイド部811と下側ガイド部812と連結部813とを有するガイド本体81に加えて、ガイド本体81に固定されたサブフレーム82を備えている。サブフレーム82は、メインフレーム10に固定されている。本実施形態では、ガイド本体81は、メインフレーム10に対して直接固定されておらず、サブフレーム82を介してメインフレーム10に固定されている。
【0042】
本実施形態では、サブフレーム82は、ガイド本体81に対して幅方向第1側Y1に配置されてガイド本体81に固定された第1部材821と、ガイド本体81に対して幅方向第2側Y2に配置されてガイド本体81に固定された第2部材822と、を備えている。ガイド本体81と、第1部材821及び第2部材822とは、締結部材91によって締結固定されている。詳細には、ガイド本体81を幅方向Yに挟むように第1部材821と第2部材822とが配置された状態で、ガイド本体81における上側ガイド部811と下側ガイド部812とのそれぞれの位置において、ガイド本体81と第1部材821と第2部材822とを幅方向Yに貫通するように、締結部材91が設けられている。図示の例では、締結部材91は、ボルトとナットとを含んで構成されている。
【0043】
第1部材821は、メインフレーム10に固定されている。本実施形態では、第1部材821は、メインフレーム10における側壁部101に締結固定されている。詳細には、第1部材821は、搬送方向第1側X1からメインフレーム10における中空部分に挿入されて、その中空部分の中において側壁部101に対して幅方向第2側Y2から当接した状態で、締結部材92によって側壁部101に締結固定されている。第1部材821が側壁部101に対して当接する部分のうち上部及び下部の2箇所が、締結部材92により締結固定されている。図示の例では、締結部材92は、ボルトとナットとを含んで構成されている。
【0044】
第1部材821は、搬送方向X及び上下方向に沿って延在する板状に形成されている。本実施形態では、第1部材821は、搬送方向第1側X1からメインフレーム10の内部(メインフレーム10の中空部分)に挿入される挿入部821aと、挿入部821aに対して搬送方向第1側X1に設けられ、メインフレーム10よりも搬送方向第1側X1に突出するように配置される搬送方向突出部821bと、を備えている。ここで、挿入部821aと搬送方向突出部821bとは、同一部材によって一体的に形成されている。搬送方向突出部821bは、メインフレーム10の上下方向寸法以上の上下方向寸法を有するように形成されている。また、搬送方向突出部821bは、メインフレーム10に対して搬送方向第1側X1から当接するように構成されている。詳細には、搬送方向突出部821bは、メインフレーム10における上壁部102及び下壁部103の双方に当接している。一方、挿入部821aは、メインフレーム10の中空部分の中において、メインフレーム10の側壁部101と平行に、当該側壁部101の幅方向第2側Y2の面に接するように配置される。そして、挿入部821aが、締結部材92により、メインフレーム10の側壁部101に固定される部分となっている。
【0045】
第2部材822は、搬送方向X及び上下方向に沿って延在する板状に形成されている。本実施形態では、第2部材822は、メインフレーム10よりも搬送方向第1側X1に配置されると共に、メインフレーム10に対して搬送方向第1側X1から当接するように構成されている。詳細には、第2部材822は、メインフレーム10における上壁部102及び下壁部103の双方に当接している。図示の例では、第2部材822は、上壁部102における垂下部102a及び下壁部103における立上り部103aの双方に対して幅方向第1側Y1にずれた位置に配置され、これら垂下部102a及び立上り部103aの双方に対しては当接していない。なお、第2部材822は、それ自体では、メインフレーム10に対して直接固定されることなく、搬送方向第1側X1から当接している。
【0046】
本実施形態では、折返しガイド部材8は、メインフレーム10における支持基準面Fsに対して上方から当接する上側当接部C1を備えている(
図7等参照)。ここでは、上側当接部C1は、ガイド本体81に形成されている。
図7に示すように、ガイド本体81は、上側ガイド部811の上部から搬送方向第2側X2に突出する上側突出部811Aを備えており、当該上側突出部811Aの下面が上側当接部C1となっている。上側当接部C1は、折返しガイド部材8がメインフレーム10に固定された状態で、メインフレーム10の支持基準面Fsに対して上方から当接するように配置される。本実施形態では、折返しガイド部材8における上側当接部C1が当接する支持基準面Fsには、上述のようにレールガイド部材7が支持されている。すなわち、折返しガイド部材8とレールガイド部材7は、同じ高さの基準面に支持されている。これにより、レールガイド部材7及び折返しガイド部材8の寸法の設定、及び、レールガイド部材7と折返しガイド部材8との上下方向の位置決めを容易に行うことができようになっている。そのため、レールガイド部材7におけるローラ支持面Faと折返しガイド部材8における接続支持面Fbとの高さを合わせることも容易となっている。
【0047】
また、本実施形態では、折返しガイド部材8は、搬送方向支持面Fxに対して搬送方向第1側X1から当接する搬送方向当接部C2を備えている。これにより、折返しガイド部材8に対して搬送方向第2側X2に向けて作用する荷重F2(
図7参照)を、搬送方向当接部C2とこれに当接される搬送方向支持面Fxとを介して、メインフレーム10によって支持することができる。また、折返しガイド部材8を搬送方向支持面Fxに対して搬送方向Xに位置決めすることができるため、折返しガイド部材8の搬送方向Xの位置決めも容易に行うことができる。
【0048】
本実施形態では、搬送方向当接部C2は、サブフレーム82に形成されている。上述のように、サブフレーム82は、第1部材821と第2部材822とを備えている。そして、本実施形態では、第1部材821が、搬送方向当接部C2を備え、メインフレーム10に対して締結固定されると共に搬送方向第1側X1から当接している。図示の例では、第1部材821の搬送方向突出部821bにおける搬送方向第2側X2を向く面が、搬送方向当接部C2とされ、メインフレーム10における上壁部102及び下壁部103の双方に対して搬送方向第1側X1から当接している。また、本実施形態では、第2部材822が、搬送方向当接部C2を備え、メインフレーム10には固定されず、メインフレーム10に対して搬送方向第1側X1から当接している。図示の例では、第2部材822における搬送方向第2側X2を向く面が、搬送方向当接部C2とされ、メインフレーム10における上壁部102及び下壁部103の双方に対して搬送方向第1側X1から当接している。このように、本実施形態では、サブフレーム82を構成する第1部材821と第2部材822との双方が、搬送方向当接部C2を備えている。
【0049】
以上説明したチェーンコンベヤ100によれば、レールガイド部材7の搬送方向第1側X1におけるチェーン6の折り返し部分を、上側ガイド部811と下側ガイド部812と連結部813とが同一部材により一体的に形成された折返しガイド部材8によって適切に案内することができる。従って、チェーンの折り返し部分にスプロケットが設けられた従来の構造に比べて、チェーンの折り返し部分の構造を簡略化することができる。そして、このような簡略化した構造としたことにより、当該折り返し部分の部品点数を少なくすることができると共にメンテナンス性も高いものとすることができる。また、折返しガイド部材8が、メインフレーム10に対して上方から当接する上側当接部C1と、搬送方向第1側X1から当接する搬送方向当接部C2と、を備えているため、折返しガイド部材8を、メインフレーム10に対して、上下方向及び搬送方向Xの双方について容易に位置決めすることができる。また、このような上側当接部C1及び搬送方向当接部C2を備えることにより、例えば物品Wの搬送時にチェーン6に対して作用する下向きの荷重F1(
図7参照)や、チェーン6の締め付け等によって搬送方向第2側X2に作用する荷重F2(
図7参照)を、適切に支持することができる。
【0050】
〔その他の実施形態〕
次に、チェーンコンベヤのその他の実施形態について説明する。
【0051】
(1)上記の実施形態では、折返しガイド部材8における連結部813が、上側ガイド部811及び下側ガイド部812のそれぞれにおける搬送方向第1側X1の端部よりも搬送方向第2側X2に配置されて、チェーン6を支持及び案内しないように構成されている例について説明した。しかし、このような例には限定されない。例えば、
図8及び
図9は、折返しガイド部材8のガイド本体81によるチェーン6の支持構造を模式的に示した図である。例えば
図8及び
図9に示すように、連結部813が、上側ガイド部811における上側円弧状支持面Fcと下側円弧状支持面Fdとの双方に連続するように形成された連続支持面Feを有する形状に形成され、チェーン6を支持及び案内するように構成されていても良い。
図8に示す例では、連続支持面Feは、上下方向に沿って延在するように形成されている。
図9に示す例では、連続支持面Feは、搬送方向第1側X1に向けて膨出する円弧状に形成されている。そして、
図9に示す例では、上側円弧状支持面Fcと連続支持面Feと下側円弧状支持面Fdとが、互いに連続して、1つの円弧状面を形成している。
【0052】
(2)上記の実施形態では、接続支持面Fbが、搬送方向Xに沿って延在する一定幅の帯状の平面となっている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、接続支持面Fbは、例えば
図9に示すように、上側円弧状支持面Fcと同じ曲率の円弧状面となっていても良い。
【0053】
(3)上記の実施形態では、折返しガイド部材8が、上側当接部C1及び搬送方向当接部C2の双方を備えている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、折返しガイド部材8は、上側当接部C1及び搬送方向当接部C2のうち少なくとも一方を備えていなくても良い。
【0054】
(4)上記の実施形態では、メインフレーム10の支持基準面Fsに対して上方から当接する上側当接部C1が、ガイド本体81に形成され、メインフレーム10における搬送方向第1側X1の端面に対して搬送方向第1側X1から当接する搬送方向当接部C2が、サブフレーム82に形成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、上側当接部C1がサブフレーム82に形成されていても良い。また、搬送方向当接部C2がガイド本体81に形成されていても良い。
【0055】
(5)上記の実施形態では、サブフレーム82が、メインフレーム10に固定され、ガイド本体81が、サブフレーム82を介してメインフレーム10に固定されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、ガイド本体81とサブフレーム82との双方が、メインフレーム10に固定されていても良い。或いは、折返しガイド部材8がサブフレーム82を備えず、上述したガイド本体81に相当する部材のみによって折返しガイド部材8が構成されていても良い。
【0056】
(6)上記の実施形態では、補強部材4が、第1メインフレーム11及び第2メインフレーム12のそれぞれに対して、幅方向第2側Y2(幅方向Yにおける内側)の部分に固定されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、補強部材4は、第1メインフレーム11及び第2メインフレーム12のそれぞれに対して、幅方向第1側Y1(幅方向Yにおける外側)の部分に固定されていても良い。或いは、このような補強部材4は設けられていなくても良い。
【0057】
(7)上記の実施形態では、メインフレーム10における幅方向第1側Y1に側壁部101が形成され、メインフレーム10における幅方向第2側Y2に開口部104が形成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、これらは互いに逆に配置されていても良い。すなわち、側壁部101が、メインフレーム10における幅方向第2側Y2に形成され、開口部104が、メインフレーム10における幅方向第1側Y1に形成されていても良い。
【0058】
(8)上記の実施形態では、第2部材822が、上壁部102における垂下部102a及び下壁部103における立上り部103aの双方に対して幅方向第1側Y1にずれた位置に配置され、これら垂下部102a及び立上り部103aの双方に対しては当接していない例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、第2部材822は、垂下部102a及び立上り部103aの双方に対して幅方向Yの同じ位置に配置され、これら垂下部102a及び立上り部103aの双方に対しては当接するように構成されていても良い。これにより、第2部材822がメインフレーム10に対して当接する面積を大きくすることができる。
【0059】
(9)上記の実施形態では、メインフレーム10は、上壁部102における幅方向第2側Y2の端部から垂下する垂下部102aと、下壁部103における幅方向第2側Y2の端部から上方に突出する立上り部103aと、を備えている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、メインフレーム10は、垂下部102a及び立上り部103aのうち少なくとも一方を備えていなくても良い。例えば、メインフレーム10が、垂下部102a及び立上り部103aの双方を備えていない場合には、メインフレーム10は、搬送方向X視において、幅方向第2側Y2に開口する角ばったU字状に形成される。
【0060】
(10)上記の実施形態では、第1部材821は、搬送方向第1側X1からメインフレーム10における中空部分に挿入されて、側壁部101に対して幅方向第2側Y2から当接した状態で、締結部材92によって側壁部101に締結固定されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、第1部材821は、メインフレーム10における中空部分に挿入されることなく、側壁部101に対して幅方向第1側Y1(幅方向Yにおける外側)から当接した状態で、締結部材92によって側壁部101に締結固定されていても良い。
【0061】
(11)上記の実施形態では、第1メインフレーム11における一対の折返し部分が同構造となっている例について説明した。しかし、一対の折り返し部分は別構造であっても良い。例えば、第1メインフレーム11における一対の折り返し部分のうち一方に折返しガイド部材8を設け、他方にスプロケットを設けても良い。第2メインフレーム12についても同様である。
【0062】
(12)なお、上述した実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0063】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明したチェーンコンベヤについて説明する。
【0064】
チェーンコンベヤは、
互いに連結された複数のリンク部材と、複数の前記リンク部材のそれぞれに支持されたローラと、を有する無端状のチェーンと、
物品が搬送される方向である搬送方向に沿って配置され、前記ローラを下方から支持するローラ支持面を有すると共に前記チェーンを前記搬送方向に沿って案内するレールガイド部材と、
前記搬送方向における一方側を搬送方向第1側とし、他方側を搬送方向第2側として、
前記レールガイド部材における前記搬送方向第1側の端部に対して前記搬送方向第1側に隣接して配置され、前記チェーンの折り返し部分を案内する折返しガイド部材と、を備え、
前記折返しガイド部材は、
前記ローラ支持面の前記搬送方向第1側への延長上に位置する接続支持面、及び、前記接続支持面に連続すると共に前記搬送方向第1側へ向かうに従って下方へ向かう円弧状に形成された上側円弧状支持面を形成する上側ガイド部と、
前記上側円弧状支持面よりも下方に配置されると共に前記搬送方向第2側へ向かうに従って下方へ向かう円弧状に形成された下側円弧状支持面を形成する下側ガイド部と、
前記上側ガイド部と前記下側ガイド部とを連結する連結部と、を備え、
前記上側ガイド部と前記下側ガイド部と前記連結部とが同一部材により一体的に形成されている。
【0065】
本構成によれば、折返しガイド部材によってチェーンの折り返し部分を案内することができる。そして、それぞれ上側ガイド部に形成された接続支持面及び上側円弧状支持面と、下側ガイド部に形成された下側円弧状支持面とによって、チェーンのローラを支持することができる。ここで、折返しガイド部材は、上側ガイド部と下側ガイド部とを備えており、上側ガイド部の接続支持面及び上側円弧状支持面により、チェーンに作用する下方及び搬送方向第2側への荷重を支持しつつチェーンを案内することができると共に、下側ガイド部の下側円弧状支持面により、チェーンに作用する搬送方向第2側への荷重を支持しつつチェーンを案内することができる。そして、上側ガイド部と下側ガイド部とこれらを連結する連結部とが、同一部材により一体的に形成されている。このように、本構成によれば、レールガイド部材の搬送方向第1側におけるチェーンの折り返し部分を、上側ガイド部と下側ガイド部と連結部とが同一部材により一体的に形成された折返しガイド部材によって適切に案内することができる。従って、従来の構造に比べて、チェーンの折り返し部分の構造を簡略化することができる。そして、このような簡略化した構造としたことにより、当該折り返し部分の部品点数を少なくすることができると共にメンテナンス性も高いものとすることができる。
【0066】
また、本構成によれば、折返しガイド部材の接続支持面が、レールガイド部材のローラ支持面に対して搬送方向第1側への延長上に位置するように、当該折返しガイド部材とレールガイド部材とが隣接して配置されている。そのため、折返しガイド部材を、レールガイド部材に対して搬送方向に当接させて、接続支持面とローラ支持面とを連続的に形成することができる。これによれば、レールガイド部材と折返しガイド部材との境界部分において搬送方向の隙間が生じないようにでき、当該境界部分において、物品が搬送される搬送面を安定させて当該物品を円滑に搬送することができる。また、上記境界部分に搬送方向の隙間が生じている場合には、物品の搬送面を安定させるために、チェーンを緊張状態とするべく、当該チェーンを搬送方向に引っ張る力が比較的大きなものとならざるを得ない。しかしながら、折返しガイド部材とレールガイド部材とを搬送方向に当接させて、接続支持面とローラ支持面とを連続的に形成することで、これらの境界部分に隙間を生じ難くして物品の搬送面を安定させることができるため、上記のようにチェーンを搬送方向に引っ張る力を比較的弱くすることができる。
【0067】
ここで、前記搬送方向に沿って配置され、前記レールガイド部材と前記折返しガイド部材との双方を支持するメインフレームを備え、
前記メインフレームは、上方を向く支持基準面を備え、
前記折返しガイド部材は、前記支持基準面に対して上方から当接する上側当接部を備えていると好適である。
【0068】
本構成によれば、折返しガイド部材に対して下方に向けて作用する荷重を、上側当接部と支持基準面とを介してメインフレームによって支持することができる。また本構成によれば、折返しガイド部材を支持基準面に対して上下方向に位置決めすることができるため、レールガイド部材に対する折返しガイド部材の上下方向の位置決めも容易に行うことができる。
【0069】
また、前記メインフレームは、前記搬送方向第1側を向く搬送方向支持面を備え、
前記折返しガイド部材は、前記搬送方向支持面に対して前記搬送方向第1側から当接する搬送方向当接部を備えていると好適である。
【0070】
本構成によれば、折返しガイド部材に対して搬送方向第2側に向けて作用する荷重を、搬送方向当接部と搬送方向支持面とを介してメインフレームによって支持することができる。また本構成によれば、折返しガイド部材を搬送方向支持面に対して搬送方向に位置決めすることができるため、折返しガイド部材の搬送方向の位置決めも容易に行うことができる。
【0071】
また、前記折返しガイド部材は、前記上側ガイド部と前記下側ガイド部と前記連結部とを有するガイド本体と、前記ガイド本体に固定されたサブフレームと、を備え、
前記上側当接部が、前記ガイド本体に形成され、
前記搬送方向当接部が、前記サブフレームに形成されていると好適である。
【0072】
本構成によれば、搬送方向当接部がガイド本体に固定されたサブフレームに形成されているため、上側当接部と搬送方向当接部との双方がガイド本体に形成された構成に比べて、ガイド本体の形状を簡略化し易い。従って、上側ガイド部と下側ガイド部と連結部とが一体的に形成された部分を有するために形状が複雑化し易いガイド本体について、その形状の更なる複雑化を抑制することができる。
【0073】
また、上記のように、前記上側当接部が前記ガイド本体に形成され、前記搬送方向当接部が前記サブフレームに形成されている構成において、
前記サブフレームは、前記メインフレームに固定され、
前記ガイド本体は、前記サブフレームを介して前記メインフレームに固定されていると好適である。
【0074】
本構成によれば、上側当接部によってガイド本体を上下方向に位置決めすると共にサブフレームの搬送方向当接部を介してガイド本体を搬送方向に位置決めした状態で、サブフレームを介してガイド本体をメインフレームに固定することができる。従って、上側ガイド部と下側ガイド部とを有するガイド本体を適切に位置決めした状態でメインフレームに固定することができる。
【0075】
また、前記搬送方向に対して平面視で直交する方向を幅方向とし、前記幅方向の一方側を幅方向第1側とし、他方側を幅方向第2側として、
前記サブフレームは、前記ガイド本体に対して前記幅方向第1側に配置されて前記ガイド本体に固定された第1部材と、前記ガイド本体に対して前記幅方向第2側に配置されて前記ガイド本体に固定された第2部材と、を備え、
前記メインフレームは、前記搬送方向及び上下方向に沿う側壁部と、前記側壁部の上端部から前記幅方向第2側に突出するように形成され、前記搬送方向及び水平方向に沿う上壁部と、前記側壁部の下端部から前記幅方向第2側に突出するように形成され、前記搬送方向及び前記水平方向に沿う下壁部と、前記上壁部の前記幅方向第2側の端部と前記下壁部の前記幅方向第2側の端部との前記上下方向の間に形成された開口部と、を備え、
前記第1部材が、前記側壁部に締結固定され、
前記第2部材が、前記搬送方向当接部を備え、前記メインフレームには固定されず、前記メインフレームに対して前記搬送方向第1側から当接していると好適である。
【0076】
メインフレームにおける開口部の側では、側壁部の側に比べて、当該メインフレームに折返しガイド部材を連結するためのスペースを確保し難い。本構成によれば、メインフレームにおける開口部の側では、サブフレームの第2部材が、当該メインフレームに対して固定されることなく、搬送方向当接部によって搬送方向第1側から当接する構成とされている。一方、メインフレームにおける側壁部の側では、サブフレームの第1部材が当該メインフレームにおける側壁部に締結固定される。これにより、メインフレームの形状に応じて、折返しガイド部材を適切に固定することができる。
【0077】
また、前記搬送方向に対して平面視で直交する方向を幅方向とし、前記メインフレームを第1メインフレームとして、
前記第1メインフレームに対して前記幅方向に離間して配置されると共に前記搬送方向に沿って配置され、前記レールガイド部材と前記折返しガイド部材との双方を支持する第2メインフレームを更に備え、
前記搬送方向に離間して配置された複数の連結フレームと、を備え、
複数の前記連結フレームのそれぞれは、前記第1メインフレームと前記第2メインフレームとを前記幅方向に連結すると共に、前記第1メインフレーム及び前記第2メインフレームを下方から支持するように構成され、
前記第1メインフレームと前記第2メインフレームとのそれぞれにおける、前記連結フレームによって支持される部分と支持されない部分との前記搬送方向の境界領域に、上下方向に沿って延在する補強部材が固定されていると好適である。
【0078】
本構成によれば、物品の搬送経路に沿って幅方向に分かれて配置された一対のチェーン及び当該チェーンを案内するレールガイド部材及び折返しガイド部材を、第1メインフレームと第2メインフレームとによって適切に支持することができる。
ここで、本構成によれば、第1メインフレームと第2メインフレームとは、連結フレームによって下方から支持されているため、第1メインフレームと第2メインフレームとのそれぞれにおける、連結フレームによって支持される部分と支持されない部分との搬送方向の境界領域では、第1メインフレームと第2メインフレームとのそれぞれに対して下方に向けて作用する荷重による曲げ応力が大きくなり易い。本構成によれば、このような境界領域に、上下方向に沿って延在する補強部材が固定されている。そのため、第1メインフレームと第2メインフレームとのそれぞれにおける上記境界領域の強度を高くすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本開示に係る技術は、チェーンコンベヤに利用することができる。
【符号の説明】
【0080】
100 :チェーンコンベヤ
10 :メインフレーム
11 :第1メインフレーム
12 :第2メインフレーム
101 :側壁部
102 :上壁部
103 :下壁部
104 :開口部
2 :連結フレーム
4 :補強部材
6 :チェーン
61 :リンク部材
62 :ローラ
7 :レールガイド部材
8 :折返しガイド部材
81 :ガイド本体
82 :サブフレーム
811 :上側ガイド部
812 :下側ガイド部
813 :連結部
821 :第1部材
822 :第2部材
A :境界領域
C1 :上側当接部
C2 :搬送方向当接部
Fa :ローラ支持面
Fb :接続支持面
Fc :上側円弧状支持面
Fs :支持基準面
Fx :搬送方向支持面
W :物品
X :搬送方向
X1 :搬送方向第1側
X2 :搬送方向第2側
Y :幅方向
Y1 :幅方向第1側
Y2 :幅方向第2側