(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-12
(45)【発行日】2023-06-20
(54)【発明の名称】基地局装置、端末装置及び無線通信システム
(51)【国際特許分類】
H04W 16/14 20090101AFI20230613BHJP
H04W 28/04 20090101ALI20230613BHJP
H04W 72/54 20230101ALI20230613BHJP
H04W 72/21 20230101ALI20230613BHJP
H04W 72/232 20230101ALI20230613BHJP
【FI】
H04W16/14
H04W28/04
H04W72/54 110
H04W72/21
H04W72/232
(21)【出願番号】P 2020547737
(86)(22)【出願日】2018-09-27
(86)【国際出願番号】 JP2018036015
(87)【国際公開番号】W WO2020065845
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】下村 剛史
【審査官】青木 健
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/056338(WO,A1)
【文献】Spreadtrum Communications,Consideration on HARQ enhancements in NR-U,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #94 R1-1808811,2018年08月20日
【文献】ZTE, Sanechips,Framework on potential solutions and techniques for NR-U,3GPP TSG RAN WG1 #92 R1-1801466,2018年02月26日
【文献】Nokia, Nokia Shanghai Bell,HARQ enhancements for NR unlicensed,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #93 R1-1806110,2018年05月21日
【文献】OPPO,HARQ enhancements for NR-U,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #94 R1-1808895,2018年08月20日
【文献】Qualcomm Incorporated,Remaining Issues on DL/UL Scheduling, Processing Time and HARQ management,3GPP TSG RAN WG1 #92 R1-1802842,2018年02月26日
【文献】Ericsson,HARQ enhancements for NR-U,3GPP TSG RAN WG1 #94 R1-1809206,2018年08月11日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の複数のデータチャネルであって、1以上の時間単位それぞれにおいて送信される第1の複数のデータチャネルを生成する第1の生成部と、
前記第1の複数のデータチャネルそれぞれの割当情報と、複数のデータチャネルのグループを識別する識別情報とを含む制御チャネルであって、前記第1の複数のデータチャネルのうち同じ識別情報を持つデータチャネルに関する受信応答を前記第1の複数のデータチャネルより後に送信される第2の複数のデータチャネルであって、前記識別情報と同じ識別情報を持つデータチャネルに関する受信応答とまとめてフィードバックするように指示する制御情報を含む制御チャネルを生成する第2の生成部と、
無線通信に使用するために免許が不要な周波数帯域が他装置によって使用中であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記周波数帯域が使用中ではないと判定された場合に、前記第1の複数のデータチャネル及び前記制御チャネルを前記周波数帯域を使用して送信する送信部と
を有することを特徴とする基地局装置。
【請求項2】
前記第2の生成部は、
第1のバーストに含まれる1以上の時間単位のうち先頭の時間単位から所定の時間単位までにおいて送信される制御チャネルであって、それぞれの時間単位に関する受信応答をフィードバックするタイミングを特定する制御情報を含む制御チャネルを生成する
ことを特徴とする請求項1記載の基地局装置。
【請求項3】
前記第2の生成部は、
前記まとめた受信応答に加えて、前記第2の複数のデータチャネルと異なる識別情報をもつ第3の複数のデータチャネルとに関してまとめた受信応答を同時にフィードバックするか否かを指示する制御情報を含む制御チャネルを生成する
ことを特徴とする請求項1記載の基地局装置。
【請求項4】
無線通信に使用するために免許が不要な周波数帯域を使用して送信された第1の複数のデータチャネルと
、前記第1のデータチャネルよりも後に送信された第2の複数のデータチャネルと
、前記第1の複数のデータチャネルそれぞれの割当情報と、複数のデータチャネルのグループを識別する識別情報とを含む制御チャネルと、を受信する受信部と、
前記第1の複数のデータチャネルを復号する第1の復号部と、
前記第1の複数のデータチャネル
のうち同じ識別情報を持つデータチャネルに関する
第1の受信応答
と、前記第2の複数のデータチャネル
のうち前記識別情報と同じ識別情報を持つデータチャネルに関する
第2の受信応答と
、をまとめてフィードバックするように指示する制御情報を含む
前記制御チャネルを復号する第2の復号部と、
前記第2の復号部によって復号される制御情報に従って、前記第1の
受信応答と前記第2の
受信応答とを含むフィードバック情報を生成する生成部と、
前記生成部によって生成されたフィードバック情報を送信する送信部と
を有することを特徴とする端末装置。
【請求項5】
前記周波数帯域が他装置によって使用中であるか否かを判定する判定部をさらに有し、
前記送信部は、
前記判定部によって前記周波数帯域が使用中ではないと判定された場合に、前記フィードバック情報を前記周波数帯域を使用して送信する
ことを特徴とする請求項4記載の端末装置。
【請求項6】
基地局装置と端末装置とを有する無線通信システムであって、
前記基地局装置は、
第1の複数のデータチャネルであって、1以上の時間単位それぞれにおいて送信される第1の複数のデータチャネルを生成する第1の生成部と、
前記第1の複数のデータチャネルそれぞれの割当情報と、複数のデータチャネルのグループを識別する識別情報とを含む制御チャネルであって、前記第1の複数のデータチャネルのうち同じ識別情報を持つデータチャネルに関する受信応答を前記第1の複数のデータチャネルより後に送信される第2の複数のデータチャネルであって、前記識別情報と同じ識別情報を持つデータチャネルに関する受信応答とまとめてフィードバックするように指示する制御情報を含む制御チャネルを生成する第2の生成部と、
無線通信に使用するために免許が不要な周波数帯域が他装置によって使用中であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記周波数帯域が使用中ではないと判定された場合に、前記第1の複数のデータチャネル及び前記制御チャネルを前記周波数帯域を使用して送信する送信部とを有し、
前記端末装置は、
前記第1の複数のデータチャネル及び前記第2の複数のデータチャネルを受信する受信部と、
前記第1の複数のデータチャネルを復号する第1の復号部と、
前記第1の複数のデータチャネルに対応する制御チャネルを復号する第2の復号部と、
前記第2の復号部によって復号される制御情報に従って、前記第1の複数のデータチャネルに関する受信応答と前記第2の複数のデータチャネルに関する受信応答とを含むフィードバック情報を生成する生成部と、
前記生成部によって生成されたフィードバック情報を送信するフィードバック情報送信部とを有する
ことを特徴とする無線通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局装置、端末装置及び無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在のネットワークは、モバイル端末(スマートフォンやフィーチャーホン)のトラフィックがネットワークのリソースの大半を占めている。また、モバイル端末が使うトラフィックは、今後も拡大していく傾向にある。
【0003】
一方で、IoT(Internet of things)サービス(例えば、交通システム、スマートメータ、装置等の監視システム)の展開に合わせて、多様な要求条件を持つサービスに対応することが求められている。そのため、第5世代移動体通信(5G又はNR(New Radio))の通信規格では、4G(第4世代移動体通信)の標準技術(例えば、非特許文献1~11)に加えて、さらなる高データレート化、大容量化、低遅延化を実現する技術が求められている。なお、第5世代通信規格については、3GPPの作業部会(例えば、TSG-RAN WG1、TSG-RAN WG2等)で技術検討が進められている(非特許文献12~38)。
【0004】
また、無線通信システム(例えば、LTE(Long Term Evolution)又は5G)では、効率的なデータ伝送を実現するためにハイブリッド自動再送要求(HARQ:Hybrid Automatic Repeat reQuest)の技術が採用されている。HARQでは、受信装置は、例えばLTE等のレイヤ1プロトコル階層の処理において正しく復号できなかったデータについての再送を、送信装置に要求する。送信装置は、データの再送が要求されると、再送要求に対応する再送データを送信する。受信装置では、正しく復号できなかった元のデータと再送データとを組み合わせて、データの復号が行われる。これにより、高効率かつ高精度な再送制御が実現される。
【0005】
HARQのフィードバックの送信タイミングは、例えば、制御情報によって指定される。すなわち、例えばダウンリンクの制御チャネルであるPDCCH(Physical Downlink Control CHannel)によって送信されるDCIformat 1_0の情報によって、ダウンリンクのデータに対するACK又はNACKをフィードバックするタイミングが指定される。フィードバックのタイミングは、例えばデータが送信されるスロットからACK又はNACKが送信されるスロットまでのスロット数によって指定される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】3GPP TS 36.211 V15.2.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 36.212 V15.2.1(2018-07)
【文献】3GPP TS 36.213 V15.2.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 36.300 V15.2.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 36.321 V15.2.0(2018-07)
【文献】3GPP TS 36.322 V15.1.0(2018-07)
【文献】3GPP TS 36.323 V15.0.0(2018-07)
【文献】3GPP TS 36.331 V15.2.2(2018-06)
【文献】3GPP TS 36.413 V15.2.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 36.423 V15.2.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 36.425 V15.0.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 37.340 V15.2.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 38.201 V15.0.0(2017-12)
【文献】3GPP TS 38.202 V15.2.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 38.211 V15.2.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 38.212 V15.2.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 38.213 V15.2.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 38.214 V15.2.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 38.215 V15.2.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 38.300 V15.2.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 38.321 V15.2.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 38.322 V15.2.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 38.323 V15.2.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 38.331 V15.2.1(2018-06)
【文献】3GPP TS 38.401 V15.2.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 38.410 V15.0.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 38.413 V15.0.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 38.420 V15.0.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 38.423 V15.0.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 38.470 V15.2.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 38.473 V15.2.1(2018-07)
【文献】3GPP TR 38.801 V14.0.0(2017-03)
【文献】3GPP TR 38.802 V14.2.0(2017-09)
【文献】3GPP TR 38.803 V14.2.0(2017-09)
【文献】3GPP TR 38.804 V14.0.0(2017-03)
【文献】3GPP TR 38.900 V15.0.0(2018-06)
【文献】3GPP TR 38.912 V15.0.0(2018-06)
【文献】3GPP TR 38.913 V15.0.0(2018-06)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、HARQは、無線通信に使用するために免許が必要なライセンスバンド(Licensed band:以下「Lバンド」と略記する)を用いた通信のみではなく、無線通信に使用するために免許が不要なアンライセンスバンド(Unlicensed band:以下「Uバンド」と略記する)を用いた通信においても適用可能である。一般に、Uバンドは、複数の無線通信システムによって共有されるため、Uバンドを用いた通信では無線通信システム間の干渉が発生し得る。そこで、Uバンドを用いた通信が行われる際には、信号送信前にLBT(Listen Before Talk)処理が実行され、他の装置による送信が実行されておらずUバンドがアイドルである場合に信号が送信される。反対に、他の装置による送信が実行されておりUバンドがビジーである場合には信号の送信が延期される。
【0008】
しかしながら、UバンドにおいてHARQが適用されると、送信効率が低下するという問題がある。具体的には、例えば複数のスロットが連続するバーストをUバンドを用いて送信する際、このバーストの各スロットのデータに対するACK又はNACKのフィードバックタイミングが制御情報によって指定される。このため、指定されたフィードバックタイミングでACK又はNACKが送信される。したがって、フィードバックタイミングでは、ACK又はNACKの送信にUバンドが使用されるため、Uバンドを用いた他の送信は実行されない。
【0009】
一方、次のバーストの送信前には、LBT処理が実行されUバンドがアイドルになった場合にバースト送信が実行される。このため、例えばUバンドがビジーの時間が継続すると、次のバースト送信の実行タイミングと上述したフィードバックタイミングとが重なることがある。この場合、フィードバックタイミング前までにバーストの一部が送信され、バーストの残りの一部は、フィードバックタイミング後に改めてLBT処理が実行されてから送信される。
【0010】
結果として、データの送信が断続的となり、LBT処理の回数が増加してデータの送信効率が低下する。換言すれば、ACK又はNACKのフィードバックにより、バーストの連続送信が制限され、スループットが低下する。
【0011】
開示の技術は、かかる点に鑑みてなされたものであって、送信効率の低下を抑制することができる基地局装置、端末装置及び無線通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願が開示する基地局装置は、1つの態様において、第1の複数のデータチャネルであって、1以上の時間単位それぞれにおいて送信される第1の複数のデータチャネルを生成する第1の生成部と、前記第1の複数のデータチャネルそれぞれの割当情報と、複数のデータチャネルのグループを識別する識別情報とを含む制御チャネルであって、前記第1の複数のデータチャネルのうち同じ識別情報を持つデータチャネルに関する受信応答を前記第1の複数のデータチャネルより後に送信される第2の複数のデータチャネルであって、前記識別情報と同じ識別情報を持つデータチャネルに関する受信応答とまとめてフィードバックするように指示する制御情報を含む制御チャネルを生成する第2の生成部と、無線通信に使用するために免許が不要な周波数帯域が他装置によって使用中であるか否かを判定する判定部と、前記判定部によって前記周波数帯域が使用中ではないと判定された場合に、前記第1の複数のデータチャネル及び前記制御チャネルを前記周波数帯域を使用して送信する送信部とを有する。
【発明の効果】
【0013】
本願が開示する基地局装置、端末装置及び無線通信システムの1つの態様によれば、送信効率の低下を抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、一実施の形態に係る基地局装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、一実施の形態に係る端末装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、一実施の形態に係る基地局装置の動作を示すフロー図である。
【
図4】
図4は、一実施の形態に係る端末装置の動作を示すフロー図である。
【
図5】
図5は、Uバンドを用いた送信状況の具体例を示す図である。
【
図6】
図6は、スロットごとの制御情報の具体例を示す図である。
【
図7】
図7は、FBタイミング情報とスロット数の対応関係を示す図である。
【
図8】
図8は、スロットごとの制御情報の他の具体例を示す図である。
【
図9】
図9は、FBタイミング情報とスロット数の他の対応関係を示す図である。
【
図10】
図10は、Uバンドを用いた送信状況の他の具体例を示す図である。
【
図11】
図11は、Uバンドを用いた送信状況のさらに他の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本願が開示する基地局装置、端末装置及び無線通信システムの一実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【0016】
図1は、一実施の形態に係る基地局装置100の構成を示すブロック図である。この基地局装置100は、Uバンドを用いた送信を実行する。
図1に示す基地局装置100は、ネットワークインタフェース部(以下「ネットワークI/F部」と略記する)110、プロセッサ120、無線通信部130、LBT処理部140及びメモリ150を有する。
図1においては、Uバンドを用いた送信に関係する処理部のみを図示しているが、基地局装置100は、UバンドのみではなくLバンドを用いた送信を実行しても良い。
【0017】
ネットワークI/F部110は、例えばコアネットワークを構成する通信装置や他の基地局装置に接続するインタフェースである。ネットワークI/F部110は、制御チャネルの信号を生成するために必要な情報や、データチャネルの信号を生成するために必要な情報をコアネットワークを構成する通信装置から受信する。
【0018】
プロセッサ120は、例えばCPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)又はDSP(Digital Signal Processor)などを備え、基地局装置100の全体を統括制御する。具体的には、プロセッサ120は、制御チャネル生成部121、データチャネル生成部122、マッピング部123及び制御部124を有する。
【0019】
制御チャネル生成部121は、Uバンドを用いたバースト送信をする際に、バーストに含まれる複数のスロットそれぞれの制御チャネルを生成する。具体的には、制御チャネル生成部121は、各スロットのデータチャネルに対する周波数方向及び時間方向のいずれか一方又は両方を含む無線リソース、変調方式及び符号化率などの割当情報や、各スロットのデータチャネルに対するACK又はNACKのフィードバックタイミングを指定する情報(以下「FBタイミング情報」という)を含む制御チャネルをスロットごとに生成する。
【0020】
ここで、制御チャネルは、各スロットに含まれるデータのトランスポートブロック(TB:Transport Block)の数に関する情報を含めることにより、TB単位にACK又はNACKを生成するように指定しても良い。また、制御チャネルは、TBを構成するコードブロックグループ(CBG:Code Block Group)の数に関する情報を含めることにより、CBG単位にACK又はNACKを生成するように指定しても良い。複数のTB又はCBGのそれぞれに対応するACK又はNACKがフィードバックされる場合、ACK又はNACKのフィードバック単位に再送処理が行われる。以下では、スロット当たり1TBが送信され、TB単位にACK又はNACKがフィードバックされるものとして説明する。スロット当たりに複数のTB又はCBGが送信され、複数のACK又はNACKがフィードバックされる場合は、以下において、例えば「NACKに対応するスロット」などにおける「スロット」を「TB」又は「CBG」に置き換えれば良い。
【0021】
このとき、制御チャネル生成部121は、バーストの先頭から所定数のスロットについては、各スロットからフィードバックタイミングまでのスロット数を示すFBタイミング情報を制御チャネルに含める。すなわち、制御チャネル生成部121は、バーストの先頭から所定数のスロットについては、バーストの送信終了後の同一のスロットをフィードバックタイミングとして指定するFBタイミング情報をスロットごとに生成する。また、制御チャネル生成部121は、バーストの先頭から所定数のスロットを除く後方のスロットについては、次のバーストに対するフィードバックと同時にACK又はNACKを送信するように指示するFBタイミング情報を制御チャネルに含める。すなわち、制御チャネル生成部121は、バーストの後方のスロットについては、ACK又はNACKをフィードバックするスロットを特定することなく、次のバーストとまとめてACK又はNACKをフィードバックするように指示するFBタイミング情報を生成する。
【0022】
データチャネル生成部122は、Uバンドを用いたバースト送信をする際に、バーストに含まれる複数のスロットそれぞれのデータチャネルを生成する。具体的には、データチャネル生成部122は、送信データを含むデータチャネルをスロットごとに生成する。
【0023】
マッピング部123は、制御チャネル生成部121によって生成された制御チャネルとデータチャネル生成部122によって生成されたデータチャネルとを複数のスロットにマッピングしてバーストを生成する。そして、マッピング部123は、生成したバーストを一時的に保持し、LBT処理部140から指示されたタイミングで無線通信部130から送信する。
【0024】
制御部124は、無線通信部130によってスロットごとのACK又はNACKを含むコードブックが受信されると、NACKに対応するスロットの送信データを生成するようにデータチャネル生成部122へ指示し、マッピング部123経由で再送させる。すなわち、コードブックには、バーストの送信先である端末装置において正しく復号できたスロットに関するACKと正しく復号できなかったスロットに関するNACKとが含まれるため、制御部124は、NACKに対応するスロットの送信データの再送制御を行う。
【0025】
無線通信部130は、マッピング部123から出力される送信データ又は再送データに対してD/A(Digital/Analog)変換及びアップコンバートなどの所定の無線送信処理を施し、アンテナを介して送信する。また、無線通信部130は、スロットごとのACK又はNACKを含むコードブックを受信し、ダウンコンバート及びA/D(Analog/Digital)変換などの所定の無線受信処理を施す。
【0026】
LBT処理部140は、無線通信部130を介してUバンドのLBT処理を実行する。すなわち、LBT処理部140は、Uバンドの受信電力を測定することにより、他の装置がUバンドを使用して信号を送信しているか否かを判定する。そして、LBT処理部140は、Uバンドの受信電力が所定の閾値以上である場合には、他の装置が信号送信中であり、Uバンドがビジーであると判定し、Uバンドの受信電力が所定の閾値未満である場合には、他の装置が信号送信中ではなく、Uバンドがアイドルであると判定する。LBT処理部140は、Uバンドがアイドルである場合に、送信データ又は再送データを送信するようにマッピング部123へ指示する。
【0027】
メモリ150は、例えばRAM(Random Access Memory)又はROM(Read Only Memory)などを備え、プロセッサ120が処理を実行するために使用する情報を記憶する。
【0028】
図2は、一実施の形態に係る端末装置200の構成を示すブロック図である。この端末装置200は、Uバンドの信号を受信し、ACK又はNACKを送信する。
図2に示す端末装置200は、無線通信部210、プロセッサ220、LBT処理部230及びメモリ240を有する。
図2においては、Uバンドを用いた通信に関係する処理部のみを図示しているが、端末装置200は、UバンドのみではなくLバンドを用いた通信を実行しても良い。
【0029】
無線通信部210は、基地局装置100から送信されたUバンドの信号を受信し、受信信号に対してダウンコンバート及びA/D変換などの所定の無線受信処理を施す。また、無線通信部210は、受信信号に関するACK又はNACKを含むコードブックに対してD/A変換及びアップコンバートなどの所定の無線送信処理を施し、アンテナを介して送信する。
【0030】
プロセッサ220は、例えばCPU、FPGA又はDSPなどを備え、端末装置200の全体を統括制御する。具体的には、プロセッサ220は、制御チャネル受信処理部221、データチャネル受信処理部222、コードブック生成部223、データチャネル生成部224及びマッピング部225を有する。
【0031】
制御チャネル受信処理部221は、Uバンドの受信信号の各スロットにおける制御チャネルを復調及び復号する。そして、制御チャネル受信処理部221は、制御チャネルに含まれる割当情報をデータチャネル受信処理部222へ出力し、FBタイミング情報をコードブック生成部223へ出力する。
【0032】
データチャネル受信処理部222は、Uバンドの受信信号の各スロットにおけるデータチャネルを、割当情報に従って復調及び復号する。すなわち、制御チャネル受信処理部221から出力される割当情報には、例えばデータチャネルの変調方式及び符号化率などの情報が含まれるため、データチャネル受信処理部222は、割当情報を参照してデータチャネルの受信処理を実行する。そして、データチャネル受信処理部222は、スロットごとのデータチャネルが正しく復号できたか否かをコードブック生成部223へ通知する。すなわち、データチャネル受信処理部222は、例えばスロットごとの復号判定結果をコードブック生成部223へ通知する。
【0033】
コードブック生成部223は、データチャネルの復号結果を示すACK又はNACKをスロットごとに生成し、複数のスロットのACK又はNACKを含むコードブックを生成する。このとき、コードブック生成部223は、FBタイミング情報に従って、同一のスロットでACK又はNACKをフィードバックするように指示された複数のスロットに対応するコードブックを生成する。したがって、コードブック生成部223は、1つのバーストの先頭から所定数のスロットについてのACK又はNACKを含むコードブックを生成する。そして、コードブック生成部223は、バーストの後方のスロットについてのACK又はNACKを一時的に保持し、次のバーストが受信された際に、保持されたACK又はNACKと次のバーストに対するACK又はNACKとを含むコードブックを生成する。換言すれば、コードブック生成部223は、FBタイミング情報において、次のバーストとまとめてACK又はNACKをフィードバックするように指示されているスロットについては、次のバースト受信時に別のコードブックを生成する。
【0034】
このように、コードブック生成部223がバーストの後方のスロットについては、次のバーストとまとめてコードブックを生成するのは以下の理由による。すなわち、データチャネル受信処理部222によるスロットごとのデータチャネルの受信処理及びコードブック生成部223によるコードブックの生成には、ある程度の処理時間を要する。このため、バースト全体の受信が完了した直後にバーストの後方のスロットに関するACK又はNACKを含むコードブックを基地局装置100へフィードバックするのは困難である。これに対して、バーストの先頭から所定数のスロットについては、バーストの後方のスロットの受信中にACK又はNACKを生成することが可能であり、バースト全体の受信が完了した直後にこれらのACK又はNACKを含むコードブックを基地局装置100へフィードバックすることが可能である。
【0035】
そこで、FBタイミング情報は、バーストの先頭から所定数のスロットについては、バースト全体の受信が完了した直後のスロットをACK又はNACKのフィードバックのためのスロットとして特定する。これにより、コードブック生成部223は、バーストの先頭から所定数のスロットに関するACK又はNACKを含むコードブックを生成する。一方、FBタイミング情報は、バーストの後方のスロットについては、次のバーストとまとめてACK又はNACKをフィードバックするように指定する。これにより、コードブック生成部223は、バーストの後方のスロットに関するACK又はNACKを次のバースト受信時まで保持しておき、次のバーストに関するACK又はNACKとまとめてコードブックを生成する。
【0036】
データチャネル生成部224は、Uバンドを用いて基地局装置100へデータを送信する際に、送信データを含むデータチャネルを生成する。
【0037】
マッピング部225は、コードブック生成部223によって生成されたコードブックとデータチャネル生成部224によって生成されたデータチャネルとをマッピングしてアップリンクの送信信号を生成する。そして、マッピング部225は、生成した送信信号を一時的に保持し、LBT処理部230から指示されたタイミングで無線通信部210から送信する。
【0038】
LBT処理部230は、無線通信部210を介してUバンドのLBT処理を実行する。すなわち、LBT処理部230は、Uバンドの受信電力を測定することにより、他の装置がUバンドを用いて信号を送信しているか否かを判定する。そして、LBT処理部230は、Uバンドの受信電力が所定の閾値以上である場合には、他の装置が信号送信中であり、Uバンドがビジーであると判定し、Uバンドの受信電力が所定の閾値未満である場合には、他の装置が信号送信中ではなく、Uバンドがアイドルであると判定する。LBT処理部230は、Uバンドがアイドルである場合に、送信信号を送信するようにマッピング部225へ指示する。
【0039】
メモリ240は、例えばRAM又はROMなどを備え、プロセッサ220が処理を実行するために使用する情報を記憶する。
【0040】
次いで、一実施の形態に係る基地局装置100の動作について、
図3に示すフロー図を参照しながら説明する。以下においては、基地局装置100から端末装置200へ複数のスロットを含むバーストが送信される場合の動作について説明する。
【0041】
基地局装置100から端末装置200へ送信されるデータは、例えばネットワークI/F部110によってコアネットワークから取得される。そして、データチャネル生成部122によって、コアネットワークから取得された送信データから、データチャネルがスロットごとに生成される(ステップS101)。
【0042】
また、制御チャネル生成部121によって、データチャネルの割当情報及びFBタイミング情報を含む制御チャネルがスロットごとに生成される。具体的には、それぞれのスロットがバーストの先頭から所定スロットまでのスロットであるか所定スロット以後のスロットであるかが判断される(ステップS102)。そして、対象のスロットがバーストの先頭から所定スロットまでのスロットであれば(ステップS102No)、当該スロットに対するフィードバックタイミングまでのスロット数を特定するFBタイミング情報が生成され、このFBタイミング情報を含む制御チャネルが生成される(ステップS103)。このとき、例えばバースト全体の送信が完了する直後のスロットまでのスロット数を特定するFBタイミング情報がスロットごとに生成され、制御チャネルに含められる。
【0043】
一方、対象のスロットがバーストの所定スロット以後のスロットであれば(ステップS102Yes)、当該スロットに対するフィードバックタイミングが次のバーストに対するフィードバックと同時であることを指定するFBタイミング情報が生成され、このFBタイミング情報を含む制御チャネルが生成される(ステップS104)。
【0044】
このように、1つのバーストに含まれる複数のスロットのうち、先頭から所定数のスロットについては、ACK又はNACKのフィードバックタイミングとして同一のスロットを特定するFBタイミング情報が生成される。また、バーストの後方のスロットについては、ACK又はNACKのフィードバックタイミングとして次のバーストとまとめてフィードバックすることを指定するFBタイミング情報が生成される。
【0045】
制御チャネル生成部121によって生成された制御チャネルとデータチャネル生成部122によって生成されたデータチャネルとはマッピング部123へ出力され、それぞれ複数のスロットにマッピングされてバーストが生成される(ステップS105)。このバーストに含まれるスロットごとの送信データの符号化ビットは、再送に備えてデータチャネル生成部122によって保持される。
【0046】
バーストが生成される間、LBT処理部140によって、定期的にLBT処理が実行され、Uバンドがアイドルであるか否かが判定される(ステップS106)。具体的には、無線通信部130におけるUバンドの受信電力が所定の閾値以上であるか否かが判定され、受信電力が所定の閾値以上であれば、LBT処理部140によってUバンドがビジーであると判定される。Uバンドがビジーである場合には(ステップS106No)、Uバンドがアイドルになるまで待機され、Uバンドがアイドルになると(ステップS106Yes)、マッピング部123から無線通信部130へバーストが出力される。そして、無線通信部130によって、バーストに所定の無線送信処理が施され、バーストに含まれるスロットが順次アンテナから送信される(ステップS107)。
【0047】
次に、一実施の形態に係る端末装置200の動作について、
図4に示すフロー図を参照しながら説明する。以下においては、基地局装置100から送信されたバーストを端末装置200が受信する場合の動作について説明する。
【0048】
基地局装置100から送信されたバーストの各スロットは、無線通信部210によって順次受信され、所定の無線受信処理が施された後、制御チャネル受信処理部221及びデータチャネル受信処理部222へ出力される。そして、制御チャネル受信処理部221によって、各スロットの制御チャネルの復調及び復号が実行される(ステップS201)。これにより、スロットごとの割当情報及びFBタイミング情報が取得され、割当情報はデータチャネル受信処理部222へ出力され、FBタイミング情報はコードブック生成部223へ出力される。
【0049】
そして、データチャネル受信処理部222によって、各スロットのデータチャネルの復調及び復号が実行される(ステップS202)。すなわち、スロットごとの割当情報が参照されることにより、各スロットのデータチャネルが復調及び復号され、スロットのデータチャネルが正しく復号できたか否かがコードブック生成部223へ通知される。
【0050】
ところで、コードブック生成部223には、前回受信されたバーストの後方のスロットに関する復号結果が保持されている。すなわち、前回受信されたバーストに含まれるスロットのうち、次のバーストとまとめてフィードバックするように指定されたスロットに関するACK又はNACKが保持されている。そこで、コードブック生成部223によって、前回受信されたバーストに関する復号結果が参照され(ステップS203)、保持された前回のバーストに関するACK又はNACKが取得される。
【0051】
そして、取得されたACK又はNACKと、FBタイミング情報によってフィードバックのためのスロットが特定されたスロットに関するACK又はNACKとを含むコードブックが生成される(ステップS204)。換言すれば、コードブック生成部223によって、前回受信されたバーストの後方のスロットに関するACK又はNACKと、今回受信されたバーストの先頭から所定数のスロットに関するACK又はNACKとを含むコードブックが生成される。このとき、FBタイミング情報によって次のバーストとまとめてフィードバックすることが指定されたスロットに関するACK又はNACKは、コードブック生成部223によって保持される。すなわち、今回受信されたバーストの後方のスロットに関するACK又はNACKが次のバースト受信時まで保持される。
【0052】
このように、FBタイミング情報に従って、複数のバーストに跨るACK又はNACKから1つのコードブックが生成されるため、ACK又はNACKをフィードバックする回数を最小限に削減することができ、ACK又はNACKのフィードバックによってUバンドが占有される頻度を低下させることができる。結果として、ACK又はNACKのフィードバックによりダウンリンクのバーストの連続送信が制限されることがなく、送信効率の低下を抑制することができる。
【0053】
基地局装置100へ送信すべき送信データがある場合には、データチャネル生成部224によって、アップリンクのデータチャネルが生成される(ステップS205)。コードブック生成部223によって生成されたコードブックとデータチャネル生成部224によって生成されたデータチャネルとはマッピング部225へ出力され、それぞれスロットにマッピングされてアップリンクの送信信号が生成される(ステップS206)。
【0054】
アップリンクの送信信号が生成される間、LBT処理部230によって、定期的にLBT処理が実行され、Uバンドがアイドルであるか否かが判定される(ステップS207)。具体的には、無線通信部210におけるUバンドの受信電力が所定の閾値以上であるか否かが判定され、受信電力が所定の閾値以上であれば、LBT処理部230によってUバンドがビジーであると判定される。Uバンドがビジーである場合には(ステップS207No)、Uバンドがアイドルになるまで待機され、Uバンドがアイドルになると(ステップS207Yes)、マッピング部225から無線通信部210へアップリンクの送信信号が出力される。そして、無線通信部210によって、送信信号に所定の無線送信処理が施され、アップリンクの送信信号がアンテナから送信される(ステップS208)。
【0055】
次に、Uバンドを用いた具体的な送信状況について、
図5を参照しながら説明する。
図5は、Uバンドにおいて基地局装置100から端末装置200へバースト310、320を送信する際の送信状況を示している。
【0056】
バースト310、320は、それぞれスロット#0~#6の7つのスロットを含む。バースト310、320のスロット#0~#4については、バーストの直後のスロットがフィードバックタイミングとして特定される。すなわち、スロット#0~#4の制御チャネルには、それぞれのスロットからバーストの直後のスロットまでのスロット数を特定するFBタイミング情報が含まれる。例えばスロット#0の制御チャネルには、スロット#0の7スロット後がフィードバックタイミングであることを特定するFBタイミング情報が含まれ、スロット#1の制御チャネルには、スロット#1の6スロット後がフィードバックタイミングであることを特定するFBタイミング情報が含まれる。
図5においては、バースト310、320のスロット#0~#4のFBタイミング情報が特定するスロット数7~3がそれぞれ示されている。
【0057】
これに対して、バースト310、320のスロット#5~#6については、次のバーストとまとめてフィードバックすることが指定される。すなわち、スロット#5~#6の制御チャネルには、次のバーストに関するACK又はNACKと同時にACK又はNACKをフィードバックするように指定するFBタイミング情報が含まれる。
図5においては、バースト310、320のスロット#5~#6のFBタイミング情報が「Nx」と示されている。
【0058】
基地局装置100は、LBT処理の結果、Uバンドのアイドル期間311が所定の長さとなると、ダウンリンクのバースト310を端末装置200へ送信する。上述したように、バースト310のスロット#0~#4には、バースト310の直後のスロットをフィードバックタイミングとして特定するFBタイミング情報が含まれ、スロット#5~#6には、次のバーストとまとめてフィードバックすることを指定するFBタイミング情報が含まれる。
【0059】
バースト310を受信する端末装置200は、FBタイミング情報に基づいて、スロット#0~#4のフィードバックタイミングが同一のスロットであることを特定する。そして、端末装置200は、スロット#0~#4に関するACK又はNACKを含むコードブックを生成し、バースト310を受信後のアイドル期間312が所定の長さとなると、スロット#0~#4のFBタイミング情報によって特定されたアップリンクのスロットにおいてコードブック315を送信する。一方、端末装置200は、FBタイミング情報に基づいて、スロット#5~#6のフィードバックタイミングが次のバースト受信時であると判断するため、スロット#5~#6に関するACK又はNACKを次のバースト受信時まで保持する。
【0060】
スロット#0~#4に関するACK又はNACKを含むコードブックの生成は、スロット#5~#6に対する受信処理中に実行することが可能である。このため、バースト310のスロット#0~#4に関するフィードバックタイミングをバースト310の直後のスロットとすることができる。すなわち、バースト310の先頭から所定数のスロットに関するACK又はNACKのフィードバックを早期に実行することができる。また、フィードバックタイミングがバースト310の直後のスロットであるため、Uバンドがビジーとなってフィードバックが延期される可能性を低減することができる。
【0061】
基地局装置100は、次のバースト320を送信するまでの間、LBT処理を実行し、Uバンドのビジー期間321ではバースト320を送信せずに待機する。そして、基地局装置100は、Uバンドのアイドル期間322が所定の長さとなると、ダウンリンクのバースト320を端末装置200へ送信する。上述したように、バースト320のスロット#0~#4には、バースト320の直後のスロットをフィードバックタイミングとして特定するFBタイミング情報が含まれ、スロット#5~#6には、次のバーストとまとめてフィードバックすることを指定するFBタイミング情報が含まれる。
【0062】
バースト320を受信する端末装置200は、FBタイミング情報に基づいて、スロット#0~#4のフィードバックタイミングが同一のスロットであることを特定する。そして、端末装置200は、前回のバースト310受信時に保持されたACK又はNACKを取得し、これらのACK又はNACKとバースト320のスロット#0~#4に関するACK又はNACKとを含むコードブックを生成する。すなわち、端末装置200は、バースト310のスロット#5~#6に関するACK又はNACKとバースト320のスロット#0~#4に関するACK又はNACKとを含む1つのコードブックを生成する。
【0063】
端末装置200は、バースト320を受信後のアイドル期間323が所定の長さとなると、スロット#0~#4のFBタイミング情報によって特定されたアップリンクのスロットにおいてコードブック325を送信する。このコードブック325には、バースト320のスロット#0~#4に関するACK又はNACKのみではなく、前回受信されたバースト310のスロット#5~#6に関するACK又はNACKが含まれる。つまり、2つのバースト310、320に跨ったACK又はNACKが1つのコードブック325によってフィードバックされ、フィードバックの回数を削減することができる。結果として、ACK又はNACKのフィードバックによりダウンリンクのバーストの連続送信が制限されることがなく、送信効率の低下を抑制することができる。
【0064】
図6は、スロットごとの制御情報の具体例を示す図である。
図6においては、
図5のバースト310のスロット#0~#6の制御チャネルに含まれる制御情報の例を示している。
【0065】
図6に示すように、各スロットの制御チャネルには、FBタイミング情報とカウンタDAI(Downlink Assignment Index)とが含まれる。FBタイミング情報は、例えば4ビットからなる制御情報であり、これらの4ビットは、それぞれ例えば
図7に示すフィードバックタイミングに対応する。すなわち、例えばスロット#0のFBタイミング情報は「0101」であるが、これはスロット#0の「7スロット後」がフィードバックタイミングであることを示している。同様に、例えばスロット#4のFBタイミング情報は「0001」であるが、これはスロット#4の「3スロット後」がフィードバックタイミングであることを示している。
【0066】
これらのFBタイミング情報から、
図6の例ではスロット#0~#4のフィードバックタイミングが同一のスロットであることがわかるため、端末装置200は、スロット#0~#4に関するACK又はNACKを含むコードブックを生成すれば良い。
【0067】
一方、スロット#5~#6のFBタイミング情報は「1111」であり、これはフィードバックタイミングが次のバーストの受信時であることを示す。このため、端末装置200は、FBタイミング情報が「1111」であるスロット#5~#6については、次のバースト受信時に次のバーストに関するACK又はNACKとまとめてコードブックを生成すれば良い。
【0068】
コードブックの生成時には、各スロットに関するACK又はNACKがカウンタDAIに従った順序で並べられる。すなわち、例えばカウンタDAIが「00」のスロット#0のACK又はNACKがコードブックの先頭に配置され、以降カウンタDAIの昇順で各スロットのACK又はNACKが並べて配置される。このとき、カウンタDAIが例えば2ビットであるため、カウンタDAIが「11」のスロット#3のACK又はNACKの次には巡回的にカウンタDAIが「00」のスロット#4のACK又はNACKが配置される。
【0069】
図8は、スロットごとの制御情報の他の具体例を示す図である。
図8においては、
図5のバースト310のスロット#0~#6の制御チャネルに含まれる制御情報の例を示している。
【0070】
図8に示すように、各スロットの制御チャネルには、ウインドウIDとFBタイミング情報とカウンタDAI(Downlink Assignment Index)とが含まれる。ウインドウIDは、ACK又はNACKのフィードバックタイミングを同一のスロットにすることが可能なスロットを識別する識別情報である。すなわち、ウインドウIDが同じスロットに関するACK又はNACKは、1つのコードブックにまとめてフィードバックすることが可能である。さらに、ウインドウIDは、ACK又はNACKを次のバーストとまとめてフィードバックするか否かを示す。すなわち、
図8に示す例では、ウインドウIDが「0」のスロットについては、FBタイミング情報に従ってACK又はNACKがフィードバックされる一方、ウインドウIDが「1」のスロットについては、FBタイミング情報とは無関係に次のバーストとまとめてACK又はNACKがフィードバックされる。したがって、
図8の例では、スロット#0~#4に関するACK又はNACKがバースト310の直後に1つのコードブックにまとめてフィードバックされ、スロット#5~#6に関するACK又はNACKが次のバースト320に関するACK又はNACKと1つのコードブックにまとめてフィードバックされることがわかる。
【0071】
また、
図8に示すFBタイミング情報は、例えば4ビットからなる制御情報であり、これらの4ビットは、それぞれ例えば
図9に示すフィードバックタイミングに対応する。すなわち、例えばスロット#0のFBタイミング情報は「0101」であるが、これはスロット#0の「7スロット後」がフィードバックタイミングであることを示している。同様に、例えばスロット#4のFBタイミング情報は「0001」であるが、これはスロット#4の「3スロット後」がフィードバックタイミングであることを示している。
【0072】
一方、スロット#5~#6のFBタイミング情報は「1111」であり、これはスロット#5~#6にFBタイミング情報が適用されないことを示す。すなわち、ウインドウIDが「1」のスロット#5~#6のフィードバックタイミングは、次のバースト320のFBタイミング情報に従うため、スロット#5~#6のFBタイミング情報を無視して良いことが示されている。
【0073】
なお、
図6、8においては、FBタイミング情報、カウンタDAI及びウインドウIDをそれぞれ独立した制御情報として示したが、これらの一部又は全部を統合しても良い。すなわち、例えば4ビットのFBタイミング情報と2ビットのカウンタDAIとを統合して、6ビットの制御情報としても良い。また、これらの制御情報のビット数は、任意に変更可能である。
【0074】
また、ウインドウIDによってウインドウを直接定義する代わりに、1ビットのウインドウIDを、FBタイミング情報が有効か否かを示す制御情報として用いても良い。例えば、ウインドウIDが「0」のスロットのFBタイミング情報は有効、ウインドウIDが「1」のスロットのFBタイミング情報は無効というようにしても良い。あるバーストの「1:無効」を含む制御チャネルに対応するデータチャネルは、次のバーストにおける「0:有効」を含む制御チャネルに対応するデータチャネルと同じウインドウに属すると規定すれば良い。この場合、上述した「1111」もフィードバックタイミングを示すのに用いることができる。
【0075】
以上のように、本実施の形態によれば、基地局装置は、バーストを構成する複数のスロットのうち先頭から所定数のスロットには、フィードバックタイミングまでのスロット数を特定する制御情報を含め、バーストの後方のスロットには、次のバースト受信時にまとめてフィードバックすることを指定する制御情報を含めて送信する。そして、端末装置は、受信したバーストの先頭から所定数のスロットに関するACK又はNACKを含むコードブックを生成し、制御情報によって特定されるフィードバックタイミングでフィードバックする。また、端末装置は、バーストの後方のスロットに関するACK又はNACKを次のバースト受信時まで保持し、次のバーストに関するACK又はNACKとまとめたコードブックを生成し、次のバーストの制御情報によって特定されるフィードバックタイミングでフィードバックする。このため、ACK又はNACKをフィードバックする回数を最小限に削減することができ、ACK又はNACKのフィードバックによってUバンドが占有される頻度を低下させることができる。結果として、ACK又はNACKのフィードバックによりダウンリンクのバーストの連続送信が制限されることがなく、送信効率の低下を抑制することができる。
【0076】
なお、上記一実施の形態においては、バーストの直後のスロットにおいてACK又はNACKを含むコードブックが送信されるものとしたが、バーストの直後のタイミングにおいてUバンドがビジーである場合には、コードブックが送信されない。このような場合には、コードブックが受信されないことを検知した基地局装置100が、次のバーストにおいてコードブックの送信を要求し、このバーストの直後に、未送信のコードブックが送信されるようにしても良い。
【0077】
具体的に、例えば
図10に示すように、バースト330、340、350が基地局装置100から端末装置200へ送信される場合を例に挙げて説明する。
図10において、バースト330、340、350は、それぞれ7つのスロットを有し、各スロットにはFBタイミング情報が含まれる。各スロットのFBタイミング情報は、フィードバックタイミングまでのスロット数を特定する「7」~「3」、又は次のバーストとまとめてフィードバックすることを指定する「N」を示す。
【0078】
これらのFBタイミング情報により、バースト330の先頭から5スロットは、ACK又はNACKを同時にフィードバック可能なウインドウ#0を構成し、バースト330の後方の2スロットとバースト340の先頭から5スロットとは、ACK又はNACKを同時にフィードバック可能なウインドウ#1を構成する。同様に、バースト340の後方の2スロットとバースト350の先頭から5スロットとは、ACK又はNACKを同時にフィードバック可能なウインドウ#2を構成する。
【0079】
基地局装置100は、LBT処理の結果Uバンドのアイドル期間が所定の長さになると、バースト330を送信する。バースト330を受信する端末装置200は、ウインドウ#0に含まれるスロットに関するコードブックを生成し、ウインドウ#0に含まれるスロットのFBタイミング情報に従って、スロット331においてウインドウ#0に対応するコードブックを送信する。
【0080】
そして、基地局装置100は、再度LBT処理の結果Uバンドのアイドル期間が所定の長さになると、バースト340を送信する。バースト340を受信する端末装置200は、ウインドウ#1に含まれるスロットに関するコードブックを生成し、ウインドウ#1に含まれるバースト340のスロットのFBタイミング情報に従って、ウインドウ#1に対応するコードブックの送信を試みる。しかしながら、バースト340の直後においてUバンドがビジーである場合には、端末装置200は、ウインドウ#1に対応するコードブックを送信せずに保持する。
【0081】
そして、基地局装置100は、定期的なLBT処理の結果Uバンドのアイドル期間が所定の長さになると、バースト350を送信する。このとき、基地局装置100は、ウインドウ#1に対応するコードブックが受信されていないことを検知し、ウインドウ#1に対応するコードブックを送信するように指示する制御情報をバースト350のスロットに含める。バースト350を受信する端末装置200は、ウインドウ#2に含まれるスロットに関するコードブックを生成し、ウインドウ#2に含まれるバースト350のスロットのFBタイミング情報に従って、スロット351においてウインドウ#2に対応するコードブックを送信する。
【0082】
また、バースト350には、ウインドウ#1に対応するコードブックを送信するように指示する制御情報が含まれているため、端末装置200は、スロット351の直後のスロット352においてウインドウ#1に対応するコードブックを送信する。これにより、Uバンドがビジーであるため送信されなかったウインドウ#1に対応するコードブックが基地局装置100へフィードバックされる。
【0083】
図10においては、ウインドウ#1に対応するコードブックがウインドウ#2に対応するコードブックとは別々にフィードバックされたが、未送信のコードブックが統合されてフィードバックされても良い。すなわち、例えば
図11に示すように、バースト340の直後にウインドウ#1に対応するコードブックが送信されなかった場合は、ウインドウ#1及びウインドウ#2に対応する1つのコードブックが生成され、バースト350の直後のスロット355においてフィードバックされても良い。この場合、ウインドウ#1も含めて対応するコードブックを送信するように指示する制御情報がバースト350のスロットに含まれる場合と含まれない場合とのいずれもが可能である。制御情報が含まれる場合には、データチャネルに関する割当情報を含む制御チャネルに含めることも可能であるし、データチャネルに関する割当情報を含まない制御チャネルに含めることも可能である。
【0084】
データチャネルに関する割当情報を含む制御チャネルに制御情報を含める場合、例えば現スロットのデータチャネルが属するウインドウ#2に対応するACK又はNACKに加えて、直前のウインドウ#1に対応するACK又はNACKも併せて1つのコードブックに統合してフィードバックするか否かを1ビットで指示する制御情報を含めれば良い。こうすることにより、新たな制御チャネルを設ける必要がない。
【0085】
一方、データチャネルに関する割当情報を含まない制御チャネルに制御情報を含める場合、独立した制御チャネルが用いられるため、送信に用いられるリソースが多くなるが、端末装置200宛てのデータチャネルが存在しないスロットにおいても送信可能なため、チャネル配置の柔軟性を高めることができる。
【0086】
また、ウインドウ#1も含めて対応するコードブックを送信するように指示する制御情報がバースト350のスロットに含まれない場合は、直前のウインドウ#1に対応するコードブックが未送信であれば複数の未送信のウインドウに対応する1つのコードブックを生成してフィードバックすることをRRC(Radio Resource Control)などの上位信号によりあらかじめ指示しても良い。
【0087】
なお、上記一実施の形態においては、基地局装置100と1つの端末装置200とがUバンドを用いて通信する場合について説明したが、基地局装置100は複数の端末装置とUバンドを用いて通信しても良い。すなわち、端末装置200以外の端末装置宛てのデータチャネルが時間方向又は周波数方向に多重されても良い。また、ACK又はNACKを含むコードブックの送信タイミングは、バーストの直後のスロット以外のスロットでも良く、端末装置ごとに異なるスロットが指定されても良い。さらに、基地局装置100と端末装置200の間でUバンド内のキャリアアグリゲーションが採用されても良い。キャリアアグリゲーションが採用される場合には、複数のキャリアにおいて送受信されるすべてのバーストに関するACK又はNACKがいずれか1つのキャリアにおいてまとめてフィードバックされても良い。
【0088】
また、上記一実施の形態においては、バーストが複数のスロットから構成されるものとしたが、必ずしもバーストの構成単位がスロットでなくても良い。すなわち、バーストは、複数の時間単位が連続して構成される時間長が比較的大きい信号である。
【符号の説明】
【0089】
110 ネットワークI/F部
120、220 プロセッサ
121 制御チャネル生成部
122、224 データチャネル生成部
123、225 マッピング部
124 制御部
130、210 無線通信部
140、230 LBT処理部
150、240 メモリ
221 制御チャネル受信処理部
222 データチャネル受信処理部
223 コードブック生成部
224 データチャネル生成部