(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-12
(45)【発行日】2023-06-20
(54)【発明の名称】搬送車
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20230613BHJP
B65G 57/00 20060101ALI20230613BHJP
B65G 35/00 20060101ALI20230613BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
B65G1/04 511
B65G57/00 Z
B65G57/00 A
B65G35/00 B
(21)【出願番号】P 2021053476
(22)【出願日】2021-03-26
【審査請求日】2023-01-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】岩田 昌重
(72)【発明者】
【氏名】木村 和誠
(72)【発明者】
【氏名】村田 宏嘉
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-18983(JP,A)
【文献】特開2018-154479(JP,A)
【文献】特開2006-264951(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/04
B65G 57/00
B65G 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に段積み可能に構成された容器を搬送する搬送車であって、
走行する走行体と、
前記走行体に搭載され、複数の前記容器を段積み状態の容器群として規定の段積み領域内に支持する容器群支持部と、
前記走行体に搭載され、前記容器群支持部に支持された前記容器群の前記容器を持ち上げる持ち上げ装置と、
前記走行体に搭載され、前記容器の移載を行う移載装置と、を備え、
前記移載装置は、前記容器を保持する第1保持部と、前記第1保持部よりも下方に配置されて前記容器を保持する第2保持部と、前記第1保持部と前記段積み領域との間での前記容器の移載を行う第1移載機と、前記第2保持部と前記段積み領域との間での前記容器の移載を行う第2移載機と、を備え、
前記持ち上げ装置は、前記段積み領域に段積みされた前記容器群の内の任意の高さの前記容器を当該容器の下に隣接する前記容器に対して持ち上げる第1持ち上げ機構と、前記第1持ち上げ機構により持ち上げられた前記容器よりも下方の前記容器を当該容器の下に隣接する前記容器に対して持ち上げる第2持ち上げ機構と、を備える搬送車。
【請求項2】
前記第1持ち上げ機構は、前記容器を保持する第1持ち上げ保持部を備え、
前記第2持ち上げ機構は、前記第1持ち上げ保持部よりも下方に配置されて前記容器を保持する第2持ち上げ保持部を備え、
前記第1持ち上げ保持部と前記第2持ち上げ保持部との前記上下方向の間隔は、前記容器のN段分(Nは2以上の整数)の高さに、前記第2移載機による移載動作中における移載対象の前記容器の上下移動量を加えた高さに応じて設定されている、請求項1に記載の搬送車。
【請求項3】
前記第1保持部と前記第2保持部との前記上下方向の間隔は、前記容器の2段分の高さに、前記第2移載機による移載動作中における移載対象の前記容器の上下移動量を加えた高さ以上の間隔である、請求項1又は2に記載の搬送車。
【請求項4】
前記第2持ち上げ機構により持ち上げられた前記容器の下に隣接する前記容器を前記第2移載機が前記第2保持部へ移載するための高さに前記第2保持部が配置されている状態で、前記第1移載機が前記第1保持部に保持された前記容器を前記第2持ち上げ機構により持ち上げられた前記容器の上へ移載するための高さに前記第1保持部が配置されるように、前記第1保持部と前記第2保持部との前記上下方向の間隔が設定されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の搬送車。
【請求項5】
前記走行体は、前記容器を収納する棚部を前記上下方向に複数段備えた容器棚に沿って走行するように構成され、
前記移載装置により移載される前記容器の移動方向を移載方向として、
前記移載装置を前記上下方向に沿う軸心まわりに旋回させて、前記移載方向を前記段積み領域に向けた第1姿勢と、前記移載方向を前記容器棚に向けた第2姿勢とに、前記移載装置の向きを変更する旋回装置を備え、
前記第1移載機は、前記第1姿勢の状態で前記第1保持部と前記段積み領域との間での前記容器の移載を行い、前記第2姿勢の状態で前記第1保持部と前記棚部との間での前記容器の移載を行い、
前記第2移載機は、前記第1姿勢の状態で前記第2保持部と前記段積み領域との間での前記容器の移載を行い、前記第2姿勢の状態で前記第2保持部と前記棚部との間での前記容器の移載を行う、請求項1から4のいずれか一項に記載の搬送車。
【請求項6】
前記移載装置は、前記棚部における前記容器を収納するための基準位置を検出する基準位置検出センサと、前記棚部に収納された前記容器を検出する収納容器検出センサと、を備え、
前記基準位置検出センサは、前記第1保持部及び前記第1移載機の組と前記第2保持部及び前記第2移載機の組との、一方の組に設けられ、
前記収納容器検出センサは、前記第1保持部及び前記第1移載機の組と前記第2保持部及び前記第2移載機の組との、前記基準位置検出センサが設けられていない他方の組に設けられている、請求項5に記載の搬送車。
【請求項7】
前記移載装置により移載される前記容器の移動方向を移載方向として、
前記移載装置は、前記第1保持部を前記移載方向に沿って移動させる第1保持駆動部と、前記第2保持部を前記移載方向に沿って移動させる第2保持駆動部と、を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の搬送車。
【請求項8】
前記第2持ち上げ機構により持ち上げられた前記容器の下に隣接する前記容器を掬い対象容器として、前記第2移載機は、前記掬い対象容器を前記第2保持部へ移載する掬い動作を行うように構成され、
前記移載装置は、前記第2移載機が前記掬い対象容器の前記掬い動作を行う場合に前記掬い対象容器の下に隣接する前記容器に対して前記第2保持部側に対向配置され、前記掬い対象容器の下に隣接する前記容器の前記第2保持部側への移動を規制する規制部を備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の搬送車。
【請求項9】
前記移載装置により移載される前記容器の移動方向を移載方向として、
前記第2移載機は、前記容器に係止される第2係止部を備え、
前記規制部は、前記第2保持部に取り付けられていると共に、前記第2係止部よりも下方に配置され、
前記第2係止部と前記規制部とは、前記移載方向に沿って相対移動可能に構成されている、請求項8に記載の搬送車。
【請求項10】
前記第1持ち上げ機構及び前記第2持ち上げ機構の少なくとも一方に、前記移載装置によって移載される前記容器を案内するガイド部が設けられている、請求項1から9のいずれか一項に記載の搬送車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上下方向に段積み可能に構成された容器を搬送する搬送車に関する。
【背景技術】
【0002】
このような搬送車の一例が、特開2019-18983号公報(特許文献1)に開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に示される符号は特許文献1のものである。
【0003】
特許文献1に開示された搬送車(2)は、走行体(21)を備えている。そして、走行体(21)には、段積みされた複数の容器(W)を支持する支持部(23)と、段積みされた複数の容器(W)のうち一部の容器(W)をその場で持ち上げる持ち上げ装置(25)と、支持部(23)に対して容器(W)の移載を行う移載装置(24)と、が搭載されている。
【0004】
特許文献1に開示された搬送車(2)では、移載装置(24)によって、支持部(23)に対して容器(W)の掬い及び卸しを行うことにより、容器(W)の段積み数を増減させることが可能となっている。また、持ち上げ装置(25)は、段積みされた複数の容器(W)のうち任意の段の容器(W)を持ち上げることができる。そのため、移載装置(24)によって容器(W)を掬う場合には、段積みされた複数の容器(W)のうちから掬い対象となる1つの容器(W)を任意に選択して当該容器(W)を掬うことが可能となっている。また、移載装置(24)によって容器(W)を卸す場合には、卸し対象の容器(W)を卸す段を任意に選択して当該段に卸し対象の容器(W)を卸すことが可能となっている。
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された搬送車の構成では、1つずつしか容器(W)の移載を行うことができず、支持部(23)に対して複数の容器(W)の移載を並行して行うことは想定されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記実状に鑑みて、段積みされた複数の容器に対して、複数の移載動作を並行して行うことができる搬送車の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上下方向に段積み可能に構成された容器を搬送する搬送車であって、
走行する走行体と、
前記走行体に搭載され、複数の前記容器を段積み状態の容器群として規定の段積み領域内に支持する容器群支持部と、
前記走行体に搭載され、前記容器群支持部に支持された前記容器群の前記容器を持ち上げる持ち上げ装置と、
前記走行体に搭載され、前記容器の移載を行う移載装置と、を備え、
前記移載装置は、前記容器を保持する第1保持部と、前記第1保持部よりも下方に配置されて前記容器を保持する第2保持部と、前記第1保持部と前記段積み領域との間での前記容器の移載を行う第1移載機と、前記第2保持部と前記段積み領域との間での前記容器の移載を行う第2移載機と、を備え、
前記持ち上げ装置は、前記段積み領域に段積みされた前記容器群の内の任意の高さの前記容器を当該容器の下に隣接する前記容器に対して持ち上げる第1持ち上げ機構と、前記第1持ち上げ機構により持ち上げられた前記容器よりも下方の前記容器を当該容器の下に隣接する前記容器に対して持ち上げる第2持ち上げ機構と、を備える。
【0009】
本構成によれば、第1移載機によって段積み領域に対して容器の移載を行うことができると共に、第2移載機によっても段積み領域に対して容器の移載を行うことができる。また、段積み状態の容器群における、第1持ち上げ機構によって持ち上げられた容器の下方と、第2持ち上げ機構によって持ち上げられた容器の下方とのそれぞれに、上下方向のスペースを設けることができる。従って、このように設けられた2つのスペースを利用して、段積み状態の容器群に対する第1移載機による容器の移載と第2移載機による容器の移載とを並行して行うことができる。以上のように、本構成によれば、段積みされた複数の容器に対して、複数の移載動作を並行して行うことが可能となる。
【0010】
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図7】移載装置の第1姿勢と第2姿勢とを示す平面図
【
図8】移載方向に対して直交する方向から見た移載装置を示す図
【
図21】段積み領域に対する容器の掬い及び卸しの並行動作を行う場合の説明図
【
図22】段積み領域に対する容器の掬い及び卸しの並行動作を行う場合の説明図
【
図23】段積み領域に対する容器の掬い及び卸しの並行動作を行う場合の説明図
【
図24】段積み領域に対する容器の掬い及び卸しの並行動作を行う場合の説明図
【
図25】段積み領域に対する容器の掬い及び卸しの並行動作を行う場合の説明図
【
図26】段積み領域に対する容器の掬い及び卸しの並行動作を行う場合の説明図
【
図27】段積み領域に対する容器の掬い及び卸しの並行動作を行う場合の説明図
【
図28】段積み領域に対する容器の掬い及び卸しの並行動作を行う場合の説明図
【
図29】段積み領域に対する容器の掬い及び卸しの並行動作を行う場合の説明図
【
図30】段積み領域に対する容器の掬い及び卸しの並行動作を行う場合の説明図
【
図31】段積み領域に対する容器の掬い及び卸しの並行動作を行う場合の説明図
【
図32】段積み領域に対する容器の掬い及び卸しの並行動作を行う場合の説明図
【
図33】段積み領域に対する容器の掬い及び卸しの並行動作を行う場合の説明図
【
図34】段積み領域に対する容器の掬い及び卸しの並行動作を行う場合の説明図
【
図35】棚部に対する容器の入れ替え動作を行う場合の説明図
【
図36】棚部に対する容器の入れ替え動作を行う場合の説明図
【
図37】棚部に対する容器の入れ替え動作を行う場合の説明図
【
図38】棚部に対する容器の入れ替え動作を行う場合の説明図
【
図39】棚部に対する容器の入れ替え動作を行う場合の説明図
【
図40】棚部に対する容器の入れ替え動作を行う場合の説明図
【
図41】棚部に対する容器の入れ替え動作を行う場合の説明図
【
図42】棚部に対する容器の入れ替え動作を行う場合の説明図
【発明を実施するための形態】
【0012】
搬送車は、上下方向に段積み可能に構成された容器を搬送する。以下、搬送車が、容器を搬送する搬送設備に備えられている場合を例示して、当該搬送車の実施形態について説明する。
【0013】
図1に示すように、搬送設備Fは、容器70(
図3参照)を収納する容器棚8と、容器70の搬出及び搬入を行う搬出入部9と、を備えている。搬送車100は、搬出入部9によって搬入された容器70を容器棚8へ搬送し、又は、容器棚8に収納された容器70を搬出のために搬出入部9へ搬送する。
【0014】
本実施形態では、複数の容器棚8が、規定の間隔を空けつつ互いに平行に配置されている。複数の容器棚8のそれぞれは少なくとも正面が開口しており、当該正面において容器70の出し入れが行われる。そして、正面が向かい合って隣り合う一対の容器棚8の間に、搬送車100の走行経路Rの一部が設定されている。また、搬送設備Fに備えられた複数の容器棚8のうち最も端に配置された容器棚8は、正面を外側に向けて配置されており、当該端の容器棚8の正面に沿った領域にも走行経路Rの一部が設定されている。また、搬送設備Fには、複数の搬出入部9が設けられており、複数の搬出入部9のそれぞれを通る領域にも、走行経路Rの一部が設定されている。
【0015】
走行経路Rは、容器棚8の正面に沿って当該容器棚8の延在方向に延びる棚内経路Raと、容器棚8の配置領域の外部において棚内経路Raに交差する棚外経路Rbと、を含んでいる。棚内経路Raは、複数の容器棚8のそれぞれに対応して設定されている。本実施形態では、正面が向かい合って隣り合う一対の容器棚8の間の領域に設定された走行経路Rの一部、及び、正面を外側に向けて配置された容器棚8の当該正面に沿った領域に設定された走行経路Rの一部が、棚内経路Raに相当する。また、棚外経路Rbは、複数の棚内経路Raを繋ぐように設定されている。また、棚外経路Rbは、複数の搬出入部9のそれぞれを通るようにも設定されている。本実施形態では、走行経路Rにおける棚内経路Ra以外の部分が、棚外経路Rbに相当する。
【0016】
〔容器棚〕
図2に示すように、容器棚8は、容器70を収納する棚部80を上下方向に複数段備えている。本実施形態では、容器棚8は、複数の支柱部材81と複数の梁部材82とを組み合わせて構成されている。複数の梁部材82が、上下方向に間隔を空けて配置されている。そして、複数の梁部材82のそれぞれに、容器70を載置するための載置部材83が連結されている。本例では、容器70は、一対の載置部材83に載置されることにより、棚部80に収納される。また、棚部80には、一対の載置部材83の組が複数組配置されており、1つの棚部80において複数の容器70を収納可能となっている。なお、本例では、
図2に示す正面視で幅方向(左右方向)に隣接する一対の支柱部材81の間であって、上下方向に隣接する一対の梁部材82の間の領域が、容器棚8の開口に相当する。
【0017】
本実施形態では、棚部80における容器70を収納するための基準位置80Pに、当該基準位置80Pにおいて容器70を収納するための目標となる目標部82Tが設けられている。本例では、目標部82Tは、梁部材82に設けられている。目標部82Tは、一対の載置部材83の組につき1つ設けられている。図示の例では、目標部82Tは、梁部材82に形成された孔によって構成されている。
【0018】
〔容器〕
図3に示すように、容器70は、上方に開口する開口部71と、容器70の内部空間を囲む周壁部72と、を備えた箱状に形成されている。本例では、上下方向視における容器70の外形は、矩形状を成している。周壁部72によって囲まれた内部空間、すなわち容器70の内部には、物品が収容可能となっている。物品には、例えば、食料品や生活用品などの各種商品、又は、工場の生産ライン等において用いられる部品や仕掛品などが含まれる。
【0019】
容器70は、その内部に物品を収容した状態で、別の容器70と積み重ねることが可能に構成されている。すなわち、容器70は、上下方向に段積み可能に構成されている(
図5も参照)。本例では、容器70は、その底部から下方に突出する嵌合部77を備えている。容器70の嵌合部77が、別の容器70の開口部71に対して上方から嵌合することにより、2つの容器70が上下方向に段積みされる。
【0020】
図3及び
図4に示すように、本実施形態では、容器70は、周壁部72から外側に突出する複数のリブ部を備えている。複数のリブ部のうち一部は、後述する持ち上げ装置3によって持ち上げられる持ち上げ用リブ部73である。本例では、持ち上げ用リブ部73は、周壁部72の上部に形成されている。また、持ち上げ用リブ部73は、周壁部72における開口部71を囲む部分の全周に亘って形成されている。複数のリブ部のうち一部は、後述する移載装置4による移載動作の際に持ち上げられる移載用リブ部74である。本例では、移載用リブ部74は、持ち上げ用リブ部73よりも下方に形成されている。
【0021】
本実施形態では、容器70は、凹部75を備えている。凹部75は、容器70における移載用リブ部74が設けられた面に形成されている。本例では、容器70は、持ち上げ用リブ部73と移載用リブ部74との上下方向の間に、周壁部72から外側に突出すると共に下方に延在する係止用壁76を備えており、この係止用壁76と周壁部72との間に凹部75が形成されている。換言すれば、凹部75は、周壁部72と係止用壁76とによって囲まれた空間である。係止用壁76は、後述するように、移載装置4による移載動作の際に、第1係止部41Bb及び第2係止部42Bbが係止される部分である。
【0022】
図3に示すように、容器70の高さを容器高さ70Hとする。容器高さ70Hは、容器70の上端から下端までの上下方向の寸法であり、本実施形態では、開口部71から嵌合部77の下端までの上下方向の距離に相当する。複数の容器70、例えば2つの容器70が段積された状態では、上方の容器70の嵌合部77が、下方の容器70の内部に嵌合して納まる。そのため、段積みされた2つの容器70の合計の高さは、2つ分の容器70の高さ(70H×2)よりも、嵌合部77の高さ分短くなる。
【0023】
〔搬送車〕
図5に示すように、搬送車100は、走行する走行体1と、複数の容器70を段積み状態の容器群7として規定の段積み領域2A内に支持する容器群支持部2と、容器群支持部2に支持された容器群7の容器70を持ち上げる持ち上げ装置3と、容器70の移載を行う移載装置4と、を備えている。容器群支持部2、持ち上げ装置3、及び移載装置4は、走行体1に搭載されている。走行体1における走行方向に沿う方向を「車体前後方向L」とすると、容器群支持部2と移載装置4とは、走行体1上において車体前後方向Lに並んで配置されている。なお、以下では、上下方向視で車体前後方向Lに直交する方向を「車体幅方向W」とする。
【0024】
本実施形態では、搬送車100は、制御装置Cを備えている。制御装置Cは、搬送車100の各機能部を制御する。本例では、制御装置Cは、走行体1、容器群支持部2、持ち上げ装置3、移載装置4、及び、後述する旋回装置5を制御する。容器70を搬送及び移載するための動作は、制御装置Cによる各機能部の制御によって実現される。制御装置Cは、例えば、マイクロコンピュータ等のプロセッサ、メモリ等の周辺回路等を備えている。そして、これらのハードウェアとコンピュータ等のプロセッサ上で実行されるプログラムとの協働により、各機能が実現される。
【0025】
〔走行体〕
走行体1は、規定の走行経路R(
図1参照)を走行するように構成されている。本実施形態では、走行体1は、棚内経路Raと棚外経路Rbとを走行するように構成されている。走行体1は、棚内経路Raを走行する場合に、容器棚8に沿って走行するように構成され、より詳細には、容器棚8の正面に沿って走行するように構成されている。本実施形態では、走行体1は、床面を走行するように構成されている。
【0026】
走行体1は、複数の走行車輪10と、複数の走行車輪10のうち少なくとも1つを駆動する走行駆動部10Mと、を備えている。走行駆動部10Mは、不図示のモータを含んで構成されている。走行駆動部10Mが走行車輪10を駆動することにより、走行体1に走行方向の推進力が付与される。
【0027】
〔容器群支持部〕
容器群支持部2は、走行体1に搭載されている。容器群支持部2は、複数の容器70を段積み状態の容器群7として支持可能に構成されている。容器群支持部2の上方には、容器群7が配置される段積み領域2Aが規定されている。段積み領域2Aは、容器群支持部2から上方に延在する立体的な仮想領域である。本例では、容器群支持部2は、容器群7を載置した状態で当該容器群7を移動させることが可能なコンベヤとして構成されている。本例では、容器群支持部2は、容器群7を車体幅方向Wに沿って移動させることが可能となっている。容器群支持部2を構成するコンベヤとしては、ローラコンベヤ、チェーンコンベヤ、ベルトコンベヤなどの周知のコンベヤ等であって良い。
【0028】
搬出入部9(
図1参照)には、複数の容器70が段積みされた状態の容器群7が搬入される。走行体1が搬出入部9に隣接した状態で、容器群支持部2は、搬出入部9から容器群7を受け取り、または、搬出入部9へ容器群7を引き渡す。すなわち、容器群支持部2は、搬出入部9との間で容器群7の受け渡しを行うように構成されている。詳細な図示は省略するが、本例では、搬出入部9は、容器70から物品を取り出す作業が行われるピッキングエリアに隣接している。容器群支持部2から搬出入部9へ容器群7が引き渡されると、搬出入部9に隣接するピッキングエリアにおいて容器70から物品が取り出される。容器70に収容された物品の一部又は全部が取り出された後は、当該容器70は、搬出入部9から容器群支持部2(搬送車100)に引き渡されて、再び容器棚8へ搬送される。但し、搬出入部9は、ピッキングエリアに隣接していなくても良く、他の設備や作業エリアに隣接していても良い。また、例えば、搬出入部9は、容器群支持部2から引き渡された容器群7を搬送設備Fの外部へ搬送するように構成されていても良い。
【0029】
〔持ち上げ装置〕
持ち上げ装置3は、走行体1に搭載されている。持ち上げ装置3は、容器群支持部2に支持された容器群7の容器70、換言すれば、段積み領域2Aに配置された容器群7の容器70を持ち上げるように構成されている。
【0030】
持ち上げ装置3は、走行体1から上方に立設された持ち上げ用マスト30と、持ち上げ用マスト30に連結された持ち上げ用昇降体30Bと、持ち上げ用昇降体30Bを持ち上げ用マスト30に沿って昇降させる持ち上げ用昇降体駆動部30Mと、を備えている。詳細な図示は省略するが、持ち上げ用昇降体駆動部30Mは、例えば、持ち上げ用昇降体30Bに連結されたベルト等の無端体と、当該無端体が巻回された回転体と、当該回転体を回転駆動するモータと、を備えている。
【0031】
持ち上げ装置3は、段積み領域2Aに段積みされた容器群7の内の任意の高さの容器70を当該容器70の下に隣接する容器70に対して持ち上げる第1持ち上げ機構31と、第1持ち上げ機構31により持ち上げられた容器70よりも下方の容器70を当該容器70の下に隣接する容器70に対して持ち上げる第2持ち上げ機構32と、を備えている。また、本実施形態では、第1持ち上げ機構31と第2持ち上げ機構32とが、上下方向に離間して配置されている。これにより、例えば
図25に示すように、第1持ち上げ機構31によって持ち上げられた容器70と、第2持ち上げ機構32によって持ち上げられた容器70との、上下方向の間にスペースを形成することが可能となっている。また、第2持ち上げ機構32によって持ち上げられた容器70の下方にも、上下方向のスペースを形成することが可能となっている。
【0032】
本実施形態では、持ち上げ装置3は、持ち上げ用昇降体30Bから段積み領域2Aに向けて車体前後方向Lに突出する第1フレーム部31F及び第2フレーム部32Fと、第1フレーム部31Fと第2フレーム部32Fとを連結する連結フレーム部33Fと、を備えている。第1フレーム部31Fと第2フレーム部32Fとは、上下方向に間隔を空けて配置されている。第1フレーム部31Fは、第2フレーム部32Fよりも上方に配置されている。連結フレーム部33Fは、第1フレーム部31Fと第2フレーム部32Fとを上下方向に連結している。このような構成により、第1フレーム部31Fと第2フレーム部32Fとは、相対移動しないようになっており、第1フレーム部31Fと第2フレーム部32Fとの上下方向の間隔は常に一定となっている。第1フレーム部31F、第2フレーム部32F、及び連結フレーム部33Fは、持ち上げ用昇降体30Bの昇降に伴って、一体的に昇降する。
【0033】
図6に示すように、第1フレーム部31Fは、車体幅方向Wに間隔を空けて配置された一対の第1フレーム部材31Faを備えている。一対の第1フレーム部材31Faは、段積み領域2Aに配置された容器70の幅(車体幅方向Wの長さ)に対応して配置されている。換言すれば、一対の第1フレーム部材31Faの車体幅方向Wの配置間隔は、容器70の幅に対応している。本例では、一対の第1フレーム部材31Faの車体幅方向Wの配置間隔は、容器70の幅に対して、後述する第1持ち上げ保持部31aの寸法に応じた規定寸法分だけ大きい間隔となっている。
【0034】
同様に、第2フレーム部32Fは、車体幅方向Wに間隔を空けて配置された一対の第2フレーム部材32Faを備えている。一対の第2フレーム部材32Faは、段積み領域2Aに配置された容器70の幅に対応して配置されている。換言すれば、一対の第2フレーム部材32Faの車体幅方向Wの配置間隔は、容器70の幅に対応している。本例では、一対の第2フレーム部材32Faの車体幅方向Wの配置間隔は、容器70の幅に対して、後述する第2持ち上げ保持部32aの寸法に応じた規定寸法分だけ大きい間隔となっている。
【0035】
また、連結フレーム部33Fは、一対の連結フレーム部材33Faを備えている。一対の連結フレーム部材33Faのそれぞれは、上下方向に並ぶ第1フレーム部材31Faと第2フレーム部材32Faとを連結している。
【0036】
本実施形態では、第1持ち上げ機構31は、容器70を保持する第1持ち上げ保持部31aを備えている。また、第1持ち上げ機構31は、容器70を保持する保持姿勢と、容器70を保持しない非保持姿勢とに、第1持ち上げ保持部31aの姿勢を変更する第1持ち上げ駆動部31Mを備えている。
【0037】
本実施形態では、第1持ち上げ保持部31aは、車体前後方向Lに沿う軸心まわりに回転するように構成されており、保持姿勢において、段積み領域2Aにおける容器70の持ち上げ用リブ部73と上下方向視で重複する位置に配置され、非保持姿勢において、当該持ち上げ用リブ部73と上下方向視で重複する位置から車体幅方向Wの外側に退避する。
図6では、第1持ち上げ保持部31aの保持姿勢を実線で示し、第1持ち上げ保持部31aの非保持姿勢を仮想線で示している。このように、保持姿勢の第1持ち上げ保持部31aは、持ち上げ用リブ部73に対して下方から対向するように配置される。この状態で第1フレーム部31Fが上昇することで容器70が持ち上げられる。
【0038】
本実施形態では、第1持ち上げ機構31は、上述の第1フレーム部31Fを備えており、第1持ち上げ保持部31aは、第1フレーム部31Fに支持されている。詳細には、第1持ち上げ保持部31aは、車体幅方向Wに間隔を空けて配置された一対の第1フレーム部材31Faのそれぞれに支持されている。このように、第1持ち上げ機構31は、車体幅方向Wに間隔を空けて配置された一対の第1持ち上げ保持部31aを備えている。一対の第1持ち上げ保持部31aの車体幅方向Wの配置間隔は、段積み領域2Aに配置された容器70の幅に対応している。
【0039】
本実施形態では、第2持ち上げ機構32は、第1持ち上げ保持部31aよりも下方に配置されて容器70を保持する第2持ち上げ保持部32aを備えている。第2持ち上げ機構32は、容器70を保持する保持姿勢と、容器70を保持しない非保持姿勢とに、第2持ち上げ保持部32aの姿勢を変更する第2持ち上げ駆動部32Mを備えている。
【0040】
本実施形態では、第2持ち上げ保持部32aは、車体前後方向Lに沿う軸心まわりに回転するように構成されており、保持姿勢において、段積み領域2Aにおける容器70の持ち上げ用リブ部73と上下方向視で重複する位置に配置され、非保持姿勢において、当該持ち上げ用リブ部73と上下方向視で重複する位置から車体幅方向Wの外側に退避する。
図6では、第2持ち上げ保持部32aの保持姿勢を実線で示し、第2持ち上げ保持部32aの非保持姿勢を仮想線で示している。このように、保持姿勢の第2持ち上げ保持部32aは、持ち上げ用リブ部73に対して下方から対向するように配置される。この状態で第2フレーム部32Fが上昇することで容器70が持ち上げられる。
【0041】
本実施形態では、第2持ち上げ機構32は、上述の第2フレーム部32Fを備えており、第2持ち上げ保持部32aは、第2フレーム部32Fに支持されている。詳細には、第2持ち上げ保持部32aは、車体幅方向Wに間隔を空けて配置された一対の第2フレーム部材32Faのそれぞれに支持されている。このように、第2持ち上げ機構32は、車体幅方向Wに間隔を空けて配置された一対の第2持ち上げ保持部32aを備えている。一対の第2持ち上げ保持部32aの車体幅方向Wの配置間隔は、段積み領域2Aに配置された容器70の幅に対応している。
【0042】
図6に示すように、第1持ち上げ機構31によって持ち上げられた容器70と第2持ち上げ機構32によって持ち上げられた容器70との上下方向の間には、他の容器70を移載することが可能なスペースが形成される。これにより、当該スペースに、移載装置4(
図5参照)によって他の容器70を移載することが可能となっている。換言すれば、第2持ち上げ機構32によって持ち上げられた容器70の上に、移載装置4によって他の容器70を段積みすることが可能となっている。
【0043】
本実施形態では、
図5及び
図6に示すように、第2持ち上げ機構32に、移載装置4によって移載される容器70を案内するガイド部3Gが設けられている。本例では、ガイド部3Gは、車体幅方向Wに間隔を空けて配置された一対のガイド部材3Gaを備えている。一対のガイド部材3Gaの車体幅方向Wの配置間隔は、容器70の幅に対応している。図示の例では、一対の第2フレーム部材32Faのそれぞれに、ガイド部材3Gaが設けられている。ガイド部材3Gaは、第2フレーム部材32Faから上方に立ち上がる板状に形成されており、車体幅方向Wの内側を向く板面によって容器70を案内する。
【0044】
後述するように、移載装置4による容器70の移載動作には、容器70を目的の箇所へ水平方向に移動させる動作に加えて、容器70を上下方向に移動させる動作が含まれる。本実施形態では、第1持ち上げ保持部31aと第2持ち上げ保持部32aとの上下方向の間隔3Hは、容器70のN段分(Nは2以上の整数)の高さに、移載装置4(詳細には後述する第2移載機42B)による移載動作中における移載対象の容器70の上下移動量Mvを加えた高さに応じて設定されている。「N」は、予め設定され、本例では「2」に設定されている。すなわち、第1持ち上げ保持部31aと第2持ち上げ保持部32aとの上下方向の間隔3Hは、2段分の容器高さ70Hに、移載動作中の容器70の上下移動量Mvを加えた高さに応じて設定されている(3H=70H×2+Mv)。また、これに、構造的な誤差や制御的な誤差等を考慮した規定の余裕代が加えられていても良い。なお、上下移動量Mvについては後述する。
【0045】
〔移載装置〕
図5に示すように、移載装置4は、走行体1に搭載されている。移載装置4は、移載対象箇所に対して容器70の移載を行うように構成されている。移載装置4は、移載対象箇所へ容器70を移載する卸し動作と、移載対象箇所から容器70を移載する掬い動作と、を行うように構成されている。本実施形態では、移載対象箇所には、段積み領域2Aと容器棚8の棚部80とが含まれる。
【0046】
ここでは、移載装置4により移載される容器70の移動方向を移載方向Xとする。また、移載方向Xにおける一方側を移載方向卸し側X1とし、他方側を移載方向掬い側X2とする。本例では、移載方向Xは、水平方向に沿う方向である。移載方向卸し側X1は、容器70を卸す場合に、移載方向Xに沿って容器70が移動する側である。移載方向掬い側X2は、容器70を掬う場合に、移載方向Xに沿って容器70が移動する側である。
【0047】
本実施形態では、搬送車100は、移載装置4を上下方向に沿う軸心まわりに旋回させる旋回装置5を備えている。
図7に示すように、旋回装置5は、移載装置4(詳細には移載装置4の一部)を上下方向に沿う軸心回りに旋回させて、移載方向Xを段積み領域2Aに向けた第1姿勢P1と、移載方向Xを容器棚8に向けた第2姿勢P2とに、移載装置4の向きを変更するように構成されている。このように本実施形態では、移載方向Xは、旋回装置5によって水平面内において変更され得る。
【0048】
本実施形態では、移載装置4は、移載対象箇所の位置に応じて姿勢を変更する。具体的には、移載装置4は、移載対象箇所が段積み領域2Aである場合に第1姿勢P1となり、移載対象箇所が容器棚8(棚部80)である場合に第2姿勢P2となる。
図8に示すように、本例では、旋回装置5は、移載装置4(詳細には移載装置4の一部)を支持する旋回台50と、後述する移載用昇降体40Bに対して旋回台50を旋回自在に支持する旋回軸51と、旋回軸51を駆動する旋回駆動部5Mと、を備えている。なお、
図8は、移載装置4が第2姿勢P2である場合を示しており、
図10及び
図11は、移載装置4が第1姿勢P1である場合を示している。
図10及び
図11では、視認性を良好にするため、実際には容器70を持ち上げている持ち上げ装置3を省略している。
【0049】
図5に示すように、移載装置4は、走行体1から上方に立設された移載用マスト40と、移載用マスト40に連結された移載用昇降体40Bと、移載用昇降体40Bを移載用マスト40に沿って昇降させる移載用昇降体駆動部40Mと、を備えている。詳細な図示は省略するが、移載用昇降体駆動部40Mは、例えば、移載用昇降体40Bに連結されたベルト等の無端体と、当該無端体が巻回された回転体と、当該回転体を回転駆動するモータと、を備えている。
【0050】
図8に示すように、移載装置4は、容器70を保持する第1保持部41Aと、第1保持部41Aよりも下方に配置されて容器70を保持する第2保持部42Aと、第1保持部41Aと移載対象箇所との間での容器70の移載を行う第1移載機41Bと、第2保持部42Aと移載対象箇所との間での容器70の移載を行う第2移載機42Bと、を備えている。
【0051】
上述のように、移載対象箇所には、段積み領域2Aと容器棚8の棚部80とが含まれる。すなわち、第1移載機41Bは、第1保持部41Aと段積み領域2A又は棚部80との間での容器70の移載を行う。また、第2移載機42Bは、第2保持部42Aと段積み領域2A又は棚部80との間での容器70の移載を行う。本実施形態では、第1移載機41Bは、第1姿勢P1の状態で第1保持部41Aと段積み領域2Aとの間での容器70の移載を行い(
図10及び
図11等参照)、第2姿勢P2の状態で第1保持部41Aと棚部80との間での容器70の移載を行う(
図8等参照)。同様に、第2移載機42Bは、第1姿勢P1の状態で第2保持部42Aと段積み領域2Aとの間での容器70の移載を行い(
図10及び
図11等参照)、第2姿勢P2の状態で第2保持部42Aと棚部80との間での容器70の移載を行う(
図8等参照)。
【0052】
図8に示すように、本実施形態では、移載装置4は、第1保持部41Aと第2保持部42Aとを上下方向に連結する保持連結部43を備えている。保持連結部43は、第1保持部41Aと第2保持部42Aとの上下方向の間隔が一定となるように、両者を連結している。
【0053】
本実施形態では、移載装置4は、第1保持部41Aを移載方向Xに沿って移動させる第1保持駆動部41MAと、第2保持部42Aを移載方向Xに沿って移動させる第2保持駆動部42MAと、を備えている。第1保持駆動部41MAは、第1保持部41Aを、移載用昇降体40Bに対して移載方向Xに沿って相対移動させるように構成されている。第2保持駆動部42MAは、第2保持部42Aを、移載用昇降体40Bに対して移載方向Xに沿って相対移動させるように構成されている。上述のように、本実施形態では、第1保持部41Aと第2保持部42Aとは、保持連結部43によって連結されている。そのため、第1保持部41Aと第2保持部42Aとは、移載方向Xに沿って一体的に移動する。本例では、第1保持部41Aを駆動する第1保持駆動部41MAと、第2保持部42Aを駆動する第2保持駆動部42MAとが、共通の駆動源により駆動されるように構成されている。
【0054】
本実施形態では、第1移載機41Bは、容器70の卸し動作を行う場合に容器70を移載方向卸し側X1に向けて押圧する第1押圧部41Baと、容器70の掬い動作を行う場合に容器70に係止される第1係止部41Bbと、を備えている。第1押圧部41Ba及び第1係止部41Bbのそれぞれは、第1保持部41Aに対して移載方向Xに沿って相対移動可能に構成されている。
【0055】
本実施形態では、第1移載機41Bは、第1保持部41Aに支持されていると共に第1押圧部41Baと第1係止部41Bbとを支持する第1支持部材41Bcと、第1支持部材41Bcを第1保持部41Aに対して移載方向Xに沿って相対移動させる第1移載駆動部41Mcと、を備えている。本例では、第1支持部材41Bcが第1移載駆動部41Mcによって駆動されることにより、第1押圧部41Ba及び第1係止部41Bbが、第1保持部41Aに対して移載方向Xに沿って相対移動する。
【0056】
本実施形態では、第1押圧部41Baと第1係止部41Bbとは、移載方向Xに沿って一体的に移動するように構成されている。そして、第1押圧部41Baと第1係止部41Bbとの移載方向Xに沿う移動可能範囲は、第1保持部41Aの移載方向Xに沿う移動可能範囲よりも大きい。本実施形態では、移載対象箇所(段積み領域2A又は棚部80)に対して容器70を移載する場合に、第1保持部41Aを移載対象箇所に接近させた状態で、第1押圧部41Ba又は第1係止部41Bbを用いて容器70の移載を行う。これにより、移載動作時における第1保持部41Aと移載対象箇所との隙間を小さくすることができ、第1移載機41Bによる安定した容器70の移載が可能となっている。
【0057】
本実施形態では、第2移載機42Bは、容器70の卸し動作を行う場合に容器70を移載方向卸し側X1に向けて押圧する第2押圧部42Baと、容器70の掬い動作を行う場合に容器70に係止される第2係止部42Bbと、を備えている。第2押圧部42Ba及び第2係止部42Bbのそれぞれは、第2保持部42Aに対して移載方向Xに沿って相対移動可能に構成されている。
【0058】
本実施形態では、第2移載機42Bは、第2保持部42Aに支持されていると共に第2押圧部42Baと第2係止部42Bbとを支持する第2支持部材42Bcと、第2支持部材42Bcを第2保持部42Aに対して移載方向Xに沿って相対移動させる第2移載駆動部42Mcと、を備えている。本例では、第2支持部材42Bcが第2移載駆動部42Mcによって駆動されることにより、第2押圧部42Ba及び第2係止部42Bbが、第2保持部42Aに対して移載方向Xに沿って相対移動する。
【0059】
本実施形態では、第2押圧部42Baと第2係止部42Bbとは、移載方向Xに沿って一体的に移動するように構成されている。そして、第2押圧部42Baと第2係止部42Bbとの移載方向Xに沿う移動可能範囲は、第2保持部42Aの移載方向Xに沿う移動可能範囲よりも大きい。本実施形態では、移載対象箇所(段積み領域2A又は棚部80)に対して容器70を移載する場合に、第2保持部42Aを移載対象箇所に接近させた状態で、第2押圧部42Ba又は第2係止部42Bbを用いて容器70の移載を行う。これにより、移載動作時における第2保持部42Aと移載対象箇所との隙間を小さくすることができ、第2移載機42Bによる安定した容器70の移載が可能となっている。
【0060】
本実施形態では、第1移載機41Bは、第1係止部41Bbを駆動する第1係止駆動部41Mbを備えている。本例では、第1係止駆動部41Mbは、第1係止部41Bbを、移載方向Xに沿う回転軸まわりに回転駆動する。また、第2移載機42Bは、第2係止部42Bbを駆動する第2係止駆動部42Mbを備えている。本例では、第2係止駆動部42Mbは、第2係止部42Bbを、移載方向Xに沿う回転軸まわりに回転駆動する。
【0061】
図9に示すように、第1係止部41Bbは、第1係止駆動部41Mbにより回転駆動されることで、容器70の凹部75に挿入される係止姿勢と、凹部75から出る非係止姿勢と、に姿勢変更可能に構成されている。係止姿勢の第1係止部41Bbは、凹部75において、移載方向Xにおける周壁部72と係止用壁76との間に配置される。同様に、第2係止部42Bbは、第2係止駆動部42Mbにより回転駆動されることで、容器70の凹部75に挿入される係止姿勢と、凹部75から出る非係止姿勢と、に姿勢変更可能に構成されている。係止姿勢の第2係止部42Bbは、凹部75において、移載方向Xにおける周壁部72と係止用壁76との間に配置される。
【0062】
次に、移載装置4が行う容器70の移載動作について、
図10及び
図11を参照して説明する。なお、
図10及び
図11では、容器70を簡略化して示している。
【0063】
図10及び
図11は、移載装置4が、移載対象箇所としての段積み領域2Aに対して容器70を移載する場合の動作を示している。
図10は、移載装置4による容器70の卸し動作を示しており、
図11は、移載装置4による容器70の掬い動作を示している。容器棚8の棚部80が移載対象箇所となる場合も、移載装置4は略同様に動作する。また、第1移載機41Bによる容器70の移載動作と第2移載機42Bによる容器70の移載動作とは同様である。そこで、
図10及び
図11では、各移載機41B、42Bによる移載動作をまとめて説明する。そのため、以下では、第1保持部41A及び第2保持部42Aを「保持部A」と総称し、第1移載機41B及び第2移載機42Bを「移載機B」と総称し、第1押圧部41Ba及び第2押圧部42Baを「押圧部Ba」と総称し、第1係止部41Bb及び第2係止部42Bbを「係止部Bb」と総称し、第1支持部材41Bc及び第2支持部材42Bcを「支持部材Bc」と総称する。なお、
図10及び
図11では、第1移載機41Bと第2移載機42Bとを特に区別することなく図示しており、後述するセンサSe1,Se2や規制部44は省略している。
【0064】
図10に示すように、移載機Bが卸し動作を行う場合には、押圧部Baによって容器70を移載方向卸し側X1に向けて押圧する。本実施形態では、押圧部Baは、卸し動作において、容器70における係止用壁76に対して移載方向掬い側X2から当接した状態で容器70を移載方向卸し側X1に向けて押圧する。これにより、保持部Aによって保持された卸し対象の容器70は、保持部Aから段積み領域2Aへ移動する。
【0065】
本実施形態では、移載機Bが段積み領域2Aに対して容器70の卸し動作を行う場合には、保持部Aの上下移動が伴う。詳細には、保持部Aは、卸し動作の開始時には、卸し対象の容器70の下端部(下面)が、卸し先となる段積み領域2Aの他の容器70の上端部(上面)よりも上方に位置するような高さに設定された卸し動作開始高さに配置される。ここでは、卸し動作開始高さは、卸し対象の容器70の嵌合部77の下面が、段積み領域2Aの他の容器70の開口部71の上面よりも規定量だけ上方に位置する高さとされている。そして、保持部Aは、卸し対象の容器70が段積み領域2Aに進入してから、卸し動作開始高さよりも下方に設定された卸し動作完了高さに下降して、卸し対象の容器70を、段積み領域2Aに配置された他の容器70の上に段積みする。このように、保持部Aが上下移動することにより、卸し対象の容器70の嵌合部77を、段積み領域2Aに配置された他の容器70の開口部71に対して上方から近づけて適切に嵌合させることができる。このような保持部Aの上下移動は、移載用昇降体40B(
図5参照)の昇降によって実現される。
【0066】
図11に示すように、移載機Bが掬い動作を行う場合には、係止部Bbによって容器70を移載方向掬い側X2に向けて引き込む。本実施形態では、係止部Bbは、掬い動作を実行する場合に係止姿勢となり、容器70における係止用壁76に対して移載方向卸し側X1から当接した状態で容器70を移載方向掬い側X2に向けて引き込む。これにより、段積み領域2Aに配置された掬い対象の容器70は、段積み領域2Aから保持部Aへ移動する。
【0067】
本実施形態では、移載機Bが段積み領域2Aに対して容器70の掬い動作を行う場合には、保持部Aの上下移動が伴う。詳細には、掬い動作の開始時には、非係止姿勢の係止部Bb及び支持部材Bcが、移載用リブ部74及び係止用壁76よりも下方に位置するような高さに設定された掬い動作開始高さに配置される。次に、係止部Bbが係止姿勢とされた後、保持部Aは、掬い動作開始高さよりも上方に設定された掬い動作完了高さに上昇して、容器70における係止部Bbが係止された部分を持ち上げる。本例では、
図9に示すように、係止部Bb(第1係止部41Bb、第2係止部42Bb)を支持する支持部材Bc(第1支持部材41Bc、第2支持部材42Bc)が、容器70の移載用リブ部74に対して下方から接触して容器70を持ち上げる。このとき、係止部Bb(第1係止部41Bb、第2係止部42Bb)は、容器70の持ち上げには関与しない。支持部材Bc(第1支持部材41Bc、第2支持部材42Bc)によって容器70が部分的に持ち上げられることにより、掬い対象の容器70は、移載方向掬い側X2へ向かうに従って上方へ向かうように傾斜した姿勢となる(例えば
図29参照)。ここでは、掬い動作完了高さは、掬い対象の容器70の嵌合部77の下面における移載方向掬い側X2の端部が、当該掬い対象の容器70の下方に隣接して配置されていた他の容器70の開口部71の上面よりも規定量だけ上方に位置する高さとされている。これにより、掬い対象の容器70の嵌合部77における移載方向掬い側X2の端部を、その下方に隣接して配置されていた他の容器70の開口部71から外すことができ、容器70同士の嵌合を適切に解除できる。その後、係止部Bb及び支持部材Bcが、保持部Aに対して移載方向掬い側X2に相対移動することにより、掬い対象の容器70が段積み領域2Aから保持部Aへ移動する。このような保持部Aの上下移動は、移載用昇降体40B(
図5参照)の昇降によって実現される。
【0068】
以上のように、移載装置4は、容器70を、移載方向Xに加えて上下方向にも移動させることにより、段積み領域2Aに対する容器70の移載動作を行う。これにより、容器70同士の嵌合と嵌合の解除とを適切に行いつつ、移載動作を行うことが可能となっている。一方、移載装置4が容器棚8の棚部80に対する移載動作を行う場合には、容器70同士の嵌合とは無関係であるため、上下方向の移動を伴うことなく移載方向Xにのみ容器70を移動させるようにしても良い。
【0069】
なお、本実施形態では、保持部Aには、移載される容器70を移載方向Xに案内する移載機側ガイド部4Gが設けられている。移載機側ガイド部4Gは、保持部Aにおける移載方向Xに直交する方向の両端部に設けられており、移載される容器70の両側面(移載方向Xに直交する方向の両外側を向く面)を案内するように構成されている。移載機側ガイド部4Gは、第1保持部41Aと第2保持部42Aとのそれぞれに設けられている(
図8参照)。
【0070】
図8に示すように、第1保持部41Aと第2保持部42Aとの上下方向の間隔4Hは、容器70のN段分(Nは2以上の整数)の高さに、移載装置4(詳細には第2移載機42B)による移載動作中における移載対象の容器70の上下移動量Mvを加えた高さ以上の間隔である。本実施形態では、上記の「N」は「2」に設定されており、第1保持部41Aと第2保持部42Aとの上下方向の間隔4Hは、容器70の2段分の高さに、第2移載機42Bによる移載動作中における移載対象の容器70の上下移動量Mvを加えた高さ以上の間隔である(4H=70H×2+Mv)。従って、本実施形態では、第1持ち上げ保持部31aと第2持ち上げ保持部32aとの上下方向の間隔3H(
図6参照)と、第1保持部41Aと第2保持部42Aとの上下方向の間隔4Hとは、同等に設定されている。
【0071】
上記のように、第1保持部41Aと第2保持部42Aとの上下方向の間隔4Hには、第2移載機42Bによる移載動作中における移載対象の容器70の上下移動量Mvが考慮されている。上記のとおり、本実施形態では、容器70の底部に嵌合部77が形成されており、当該嵌合部77が下方の容器70の開口部71に嵌合する構成となっている。従って、容器70の卸し動作を行う場合と掬い動作を行う場合との双方で、第2移載機42Bは、嵌合部77の上下方向の寸法以上に容器70を上下動させる必要がある。すなわち、本実施形態では、上下移動量Mvは、容器70の嵌合部77の上下方向の寸法よりも大きく設定されている。これにより、第2持ち上げ機構32によって持ち上げられた容器70の下方のスペースに対して、第2移載機42Bによって他の容器70を移載する場合に、段積み領域2Aにおける容器70同士の嵌合及び嵌合の解除を適切に行うことができる(
図29参照)。また、上下方向の間隔4Hには、構造的な誤差や制御的な誤差等を考慮した規定の余裕代が加えられていても良い。
【0072】
本実施形態では、
図29及び
図30に示すように、第2持ち上げ機構32により持ち上げられた容器70の下に隣接する容器70を第2移載機42Bが第2保持部42Aへ移載する(掬う)ための高さに第2保持部42Aが配置されている状態で、第1移載機41Bが第1保持部41Aに保持された容器70を第2持ち上げ機構32により持ち上げられた容器70の上へ移載する(卸す)ための高さに第1保持部41Aが配置されるように、第1保持部41Aと第2保持部42Aとの上下方向の間隔4H(
図8参照)が設定されている。これにより、段積み領域2Aに対する容器70の掬い動作と卸し動作とを並行して行うことが可能となっている(
図30及び
図31参照)。
【0073】
図8に示すように、本実施形態では、移載装置4は、規制部44を備えている。規制部44は、
図30及び
図31に示すように、第2移載機42Bが掬い対象の容器70の掬い動作を行う場合に掬い対象の容器70の下に隣接する容器70に対して第2保持部42A側に対向配置され、掬い対象の容器70の下に隣接する容器70の第2保持部42A側への移動を規制するように構成されている。図示の例では、段積み領域2Aにおける下から3段目の容器70が掬い対象の容器70とされ、下から2段目の容器70が規制部44による規制対象の容器70とされている。このような構成により、掬い動作中に、第2保持部42A側へ移動する掬い対象の容器70がその下に隣接する容器70(隣接容器70)に干渉して当該隣接容器70に第2保持部42A側への力が掛かった場合に、隣接容器70及び隣接容器70の下方に段積みされた複数の容器70が第2保持部42A側へ倒れたり移動したりすることを抑制することができる。
【0074】
図8に示すように、本実施形態では、規制部44は、第2保持部42Aに取り付けられていると共に、第2係止部42Bbよりも下方に配置されている。図示の例では、規制部44は、第2保持部42Aにおける移載方向卸し側X1の端部に取り付けられている。第2係止部42Bbは、第2支持部材42Bcによって支持されており、第2支持部材42Bcと一体的に移載方向Xに沿って移動するように構成されている。そして、この第2支持部材42Bcは、第2保持部42Aに対して相対的に移動する。すなわち、本実施形態では、第2支持部材42Bcに支持された第2係止部42Bbと第2保持部42Aに取り付けられた規制部44とは、移載方向Xに沿って相対移動可能に構成されている。このような構成により、第2移載機42Bが掬い動作を行う場合に、第2係止部42Bbを第2保持部42A側へ移動させつつ、規制部44を、掬い対象の容器70の下に隣接する容器70に対して第2保持部42Aの側から対向する位置に留めておくことができる。そのため、掬い対象の容器70を適切に掬いつつ、掬い対象の容器70の下に隣接する容器70及びそれよりも下方で段積みされた複数の容器70が第2保持部42A側へ倒れることを適切に規制することができる(
図30及び
図31参照)。なお、規制部44は、第2係止部42Bbが移載方向掬い側X2に移動する場合に、その場に停止していても良いし、第2係止部42Bbの移動方向とは反対に移載方向卸し側X1に移動しても良いし、第2係止部42Bbよりも低速で移載方向掬い側X2に移動しても良い。
【0075】
図8に示すように、本実施形態では、移載装置4は、棚部80における容器70を収納するための基準位置80P(
図2参照)を検出する基準位置検出センサSe1と、棚部80に収納された容器70を検出する収納容器検出センサSe2と、を備えている。
【0076】
図2を参照して上述したように、棚部80における基準位置80Pには、目標部82Tが設けられている。本実施形態では、基準位置検出センサSe1は、目標部82Tを検出することで、基準位置検出センサSe1を備えた移載装置4と棚部80の基準位置80Pとの位置関係を検出するように構成されている。そして、基準位置検出センサSe1による目標部82Tの検出結果に基づいて、走行体1、旋回装置5、及び移載装置4の移載用昇降体駆動部40Mを制御して、移載装置4の位置を補正する動作を行うことにより、棚部80に対する容器70の移載を適切に行うことが可能となる。本例では、基準位置検出センサSe1は、カメラにより構成されている。カメラとして構成される基準位置検出センサSe1の画像認識によって、移載装置4と梁部材82に設けられた目標部82Tとの位置関係を検出可能となっている。また、本例では、基準位置検出センサSe1は、対象との距離を検出する測距センサとしても機能する。移載装置4が移載対象箇所に対して容器70を移載する場合に、基準位置検出センサSe1は、移載対象箇所との距離を検出する。これにより、確実性の高い移載動作を行うことが可能となる。
【0077】
収納容器検出センサSe2は、移載装置4が棚部80へ容器70を移載する卸し動作を行う場合に、移載しようとする棚部80における容器70の有無を検出する。移載装置4は、卸し先となる目標の棚部80に容器70が無いことが収納容器検出センサSe2によって検出された場合に、当該棚部80への容器70の卸し動作を行う。卸し先となる目標の棚部80に容器70が有ることが収納容器検出センサSe2によって検出された場合には、他の空きの棚部80へ容器70を移載するようにしても良いし、或いは、移載を中止しても良い。本例では、収納容器検出センサSe2は、目標との距離を検出する測距センサとしても構成されていても良い。これにより、移載装置4と移載対象箇所との距離を測りながら移載動作を行うことができる。本実施形態では、収納容器検出センサSe2は、目標に対して光を投光する光センサとして構成されている。但し、このような構成に限定されず、収納容器検出センサSe2は、例えば超音波センサやカメラなどの周知の手段を用いて構成されていても良い。
【0078】
基準位置検出センサSe1は、第1保持部41A及び第1移載機41Bの組と第2保持部42A及び第2移載機42Bの組との、一方の組に設けられている。そして、収納容器検出センサSe2は、第1保持部41A及び第1移載機41Bの組と第2保持部42A及び第2移載機42Bの組との、基準位置検出センサSe1が設けられていない他方の組に設けられている。本実施形態では、基準位置検出センサSe1は、第1保持部41A及び第1移載機41Bの組に設けられている。本例では、基準位置検出センサSe1は、第1保持部41Aに設けられている。なお、基準位置検出センサSe1が第1移載機41Bに設けられていても良い。また本実施形態では、収納容器検出センサSe2は、第2保持部42A及び第2移載機42Bの組に設けられている。本例では、収納容器検出センサSe2は、第2保持部42Aに設けられている。なお、収納容器検出センサSe2が第2移載機42Bに設けられていても良い。
【0079】
〔移載動作〕
以下、
図12~
図34を参照して、移載装置4による容器70の移載動作について説明する。なお、
図12~
図34では、移載動作の説明に必要な要素のみを簡略化して示している。
【0080】
〔棚部に対する容器の掬い動作〕
本実施形態では、移載装置4は、容器棚8の棚部80に対して、容器70の掬い動作を行うように構成されている。以下、
図12~
図17を参照して、棚部80に対する容器70の掬い動作について説明する。
図12~
図17では、係止姿勢である第1係止部41Bb又は第2係止部42Bbを灰色で示し、非係止姿勢である第1係止部41Bb又は第2係止部42Bbを白色で示している。ここでは、第1移載機41Bによって、棚部80に収納された容器70を掬う場合を例示して説明する。なお、第2移載機42Bによって掬い動作を行う場合も同様である。
【0081】
図12に示すように、制御装置C(
図5参照)は、基準位置検出センサSe1による目標部82Tの検出結果に基づいて、棚部80の基準位置80Pに対して適正な位置となるように、第1移載機41Bの位置を合わせる。なお、搬送車100は、第1移載機41Bの水平面内における角度を検出する角度センサを備えていても良い。この場合、角度センサは、棚部80に対する第1移載機41Bの角度を検出する。そして、制御装置Cは、角度センサの検出結果に基づいて、棚部80に対して適正な角度となるように、第1移載機41Bの角度を合わせる。制御装置Cは、第1移載機41Bの位置及び角度の調整を、走行体1、旋回装置5、及び移載装置4の移載用昇降体駆動部40Mを制御することにより行う。そして、制御装置Cは、第1移載機41Bが棚部80に対して適正な位置関係となった場合に、第1移載機41Bによって、棚部80に収納された容器70の掬い動作を開始する。
【0082】
図13に示すように、制御装置Cは、第1保持部41A及び第2保持部42Aを、移載用昇降体40Bに対して移載方向卸し側X1に相対移動させる。これにより、第1保持部41A及び第2保持部42A、並びに第1移載機41B及び第2移載機42Bが、棚部80に接近する。このとき、棚部80との接近距離は、測距センサとしても機能する基準位置検出センサSe1によって検出される。従って、第1保持部41A及び第2保持部42A、並びに第1移載機41B及び第2移載機42Bを、棚部80に対して移載動作を行うための適切な距離に接近させることができる。
【0083】
次に、
図14に示すように、制御装置Cは、第1係止部41Bbを、第1保持部41Aに対して移載方向卸し側X1に相対移動させる。これにより、第1係止部41Bbを、容器70における凹部75の下方であって上下方向視で凹部75と重複する位置(以下、「凹部75の直下」という)に配置する。このとき、第1係止部41Bbは、非係止姿勢である。
【0084】
そして、
図15に示すように、制御装置Cは、第1係止部41Bbが凹部75の直下に配置された状態で、第1係止部41Bbを係止姿勢とする。これにより、第1係止部41Bbを凹部75に挿入し、当該第1係止部41Bbを係止用壁76に対して移載方向卸し側X1に対向させて配置する。
【0085】
その後、
図16に示すように、制御装置Cは、係止姿勢の第1係止部41Bbを、係止用壁76に接触させながら、第1保持部41Aに対して移載方向掬い側X2に相対移動させる。これにより、第1係止部41Bbが、棚部80に収納された容器70を第1保持部41Aへ引き込む。
【0086】
そして、
図17に示すように、制御装置Cは、第1移載機41Bによって掬った容器70が第1保持部41Aに保持された状態で、第1保持部41A及び第2保持部42Aを、移載用昇降体40Bに対して移載方向掬い側X2に相対移動させて元の位置に戻す。これにより、第1保持部41A及び第2保持部42A、並びに第1移載機41B及び第2移載機42Bが、棚部80から離間する。なお、本例では、制御装置Cは、第1保持部41Aが容器70を保持した状態では、第1係止部41Bbの係止姿勢を維持する。同様に、制御装置Cは、第2保持部42Aが容器70を保持した状態では、第2係止部42Bbの係止姿勢を維持する。これにより、容器70が移載方向Xに移動しないように安定的に保持することができる。
【0087】
以上のようにして、棚部80に対する容器70の掬い動作が行われる。当該掬い動作は、上述のように、制御装置Cが搬送車100の各機能部を制御することにより行われる。
【0088】
〔棚部に対する容器の卸し動作〕
本実施形態では、移載装置4は、容器棚8の棚部80に対して、容器70の卸し動作を行うように構成されている。以下、
図18~
図20を参照して、棚部80に対する容器70の卸し動作について説明する。
図18~
図20では、係止姿勢である第1係止部41Bb又は第2係止部42Bbを灰色で示し、非係止姿勢である第1係止部41Bb又は第2係止部42Bbを白色で示している。ここでは、第2移載機42Bによって、棚部80に容器70を卸す場合を例示して説明する。なお、第1移載機41Bによって卸し動作を行う場合も同様である。
【0089】
本実施形態では、上述した第1移載機41Bによる棚部80からの容器70の掬い動作の直後に、当該掬い動作を行った棚部80の直下の棚部80に対して、第2移載機42Bによる容器70の卸し動作を行う場合を想定している。従って、既に第2移載機42Bが棚部80に対して適正な位置関係となっている。なお、上述した棚部80に対する容器70の掬い動作と同様に、制御装置Cが、基準位置検出センサSe1による目標部82Tの検出結果等に基づいて、棚部80に対して適正な位置関係となるように、第2移載機42Bの位置を調整する制御を行っても良い。
【0090】
そして、
図18に示すように、制御装置C(
図5参照)は、第1保持部41A及び第2保持部42Aを、移載用昇降体40Bに対して移載方向卸し側X1に相対移動させる。これにより、第1保持部41A及び第2保持部42A、並びに第1移載機41B及び第2移載機42Bが、棚部80に接近する。
【0091】
次に、
図19に示すように、制御装置Cは、第2押圧部42Baを、第2保持部42Aに対して移載方向卸し側X1に相対移動させて、容器70を移載方向卸し側X1に向けて押圧する。これにより、第2保持部42Aによって保持されていた卸し対象の容器70は、第2保持部42Aから棚部80へ移動する。本例では、第2押圧部42Baは、容器70における係止用壁76に対して移載方向掬い側X2から当接した状態で、容器70を移載方向卸し側X1に向けて押圧する。また、本例では、制御装置Cは、卸し対象容器70が移載方向卸し側X1に向けて移動している間に、第2押圧部42Baと共に移載方向卸し側X1に移動する第2係止部42Bbを、係止姿勢から非係止姿勢とする。
【0092】
そして、
図20に示すように、制御装置Cは、卸し対象の容器70を棚部80に卸した後、第2押圧部42Baを第2保持部42Aに対して移載方向掬い側X2に相対移動させると共に、第1保持部41A及び第2保持部42Aを、移載用昇降体40Bに対して移載方向掬い側X2に相対移動させて元の位置に戻す。これにより、第1保持部41A及び第2保持部42A、並びに第1移載機41B及び第2移載機42Bが、棚部80から離間する。
【0093】
以上のようにして、棚部80に対する容器70の卸し動作が行われる。当該卸し動作は、上述のように、制御装置Cが搬送車100の各機能部を制御することにより行われる。
【0094】
〔段積み領域に対する容器の掬い及び卸しの並行動作〕
本実施形態では、移載装置4は、段積み領域2Aに対して、容器70の掬い動作および卸し動作を行うように構成されている。詳細には、移載装置4は、段積み領域2Aに対して、容器70の掬い及び卸しを並行して行う並行動作を行うように構成されている。本実施形態では、移載装置4は、第1持ち上げ機構31及び第2持ち上げ機構32のそれぞれが段積み領域2Aにおける容器70を持ち上げた状態で、並行動作を行う。但し、移載装置4は、段積み領域2Aに対する掬い動作と卸し動作とを独立して行うことも可能である。
【0095】
以下、
図21~
図34を参照して、段積み領域2Aに対する容器70の掬い及び卸しの並行動作について説明する。
図21~
図34では、係止姿勢である第1係止部41Bb又は第2係止部42Bbを灰色で示し、非係止姿勢である第1係止部41Bb又は第2係止部42Bbを白色で示している。また、保持姿勢である第1持ち上げ機構31の第1持ち上げ保持部31a又は第2持ち上げ機構32の第2持ち上げ保持部32aを灰色で示し、非保持姿勢である第1持ち上げ保持部31a又は第2持ち上げ保持部32aを白色で示している。ここでは、第1移載機41Bによって容器70を段積み領域2Aに卸すと共に、第2移載機42Bによって段積み領域2Aから容器70を掬う場合について説明する。
【0096】
図21~
図34には、段積み領域2Aに、5段の容器70が容器群7として段積みされている例が示されている。図中では、下から上に向けて順番に、段積みされた各容器70に「1~5」の数字を付している。また、第1保持部41Aに保持された卸し対象の容器70に「α」の文字を付している(
図25等参照)。
【0097】
図21に示すように、制御装置C(
図5参照)は、非保持姿勢の第1持ち上げ保持部31aを、持ち上げ対象の容器70(容器「5」)を持ち上げるための持ち上げ位置に配置する。本例では、制御装置Cは、第1持ち上げ保持部31aを、持ち上げ対象の容器70(容器「5」)における持ち上げ用リブ部73の下方に隣接する位置に配置する。
【0098】
次に、
図22及び
図23に示すように、制御装置Cは、第1持ち上げ保持部31aを保持姿勢として、第1持ち上げ機構31及び第2持ち上げ機構32を上昇させることで、第1の持ち上げ対象の容器70(容器「5」)を持ち上げる。これと並行して、制御装置Cは、非保持姿勢の第2持ち上げ保持部32aを、第2の持ち上げ対象の容器70(容器「4」)を持ち上げるための持ち上げ位置に配置する。本例では、制御装置Cは、第2持ち上げ保持部32aを、第2の持ち上げ対象の容器70(容器「4」)における持ち上げ用リブ部73の下方に隣接する位置に配置する。
【0099】
次に、
図24及び
図25に示すように、制御装置Cは、第2持ち上げ保持部32aを保持姿勢として、第1持ち上げ機構31及び第2持ち上げ機構32を更に上昇させることで、第2の持ち上げ対象の容器70(容器「4」)を持ち上げる。以上の動作により、
図25に示すように、第1持ち上げ保持部31aによって持ち上げられた容器70(容器「5」)の下方、及び、第2持ち上げ保持部32aによって持ち上げられた容器70(容器「4」)の下方のそれぞれに、上下方向のスペースが形成される。
【0100】
本実施形態では、第1移載機41Bは、第1保持部41Aにより保持された容器70(容器「α」)を卸し対象容器70として、第2持ち上げ保持部32a(第2持ち上げ機構32)により持ち上げられた容器70(容器「4」)の上へ卸し対象容器70を移載する。また、第2移載機42Bは、第2持ち上げ保持部32a(第2持ち上げ機構32)により持ち上げられた容器70(容器「4」)の下に隣接する容器70(容器「3」)を掬い対象容器70として、掬い対象容器70を第2保持部42Aへ移載する。
【0101】
図25に示すように、制御装置Cは、第2保持部42Aを、第2持ち上げ保持部32aによって持ち上げられた容器70(容器「4」)の下に隣接して配置された掬い対象の容器70(容器「3」)に対応する高さであって、当該掬い対象の容器70(容器「3」)に対して移載方向掬い側X2に隣接する位置に配置する。
【0102】
次に、
図26に示すように、制御装置Cは、第1保持部41A及び第2保持部42Aを、移載用昇降体40Bに対して移載方向卸し側X1に相対移動させる。これにより、第1保持部41A及び第2保持部42A、並びに第1移載機41B及び第2移載機42Bが、段積み領域2Aに接近する。
【0103】
そして、
図27に示すように、制御装置Cは、第2係止部42Bbを、第2保持部42Aに対して移載方向卸し側X1に相対移動させる。これにより、第2係止部42Bbを、掬い対象の容器70(容器「3」)における凹部75の直下に配置する。このとき、第2係止部42Bbは、非係止姿勢である。
【0104】
その後、
図28に示すように、制御装置Cは、第2係止部42Bbを係止姿勢とし、
図29に示すように、第1保持部41A及び第2保持部42Aを上昇させる。これにより、掬い対象の容器70(容器「3」)は、移載方向掬い側X2へ向かうに従って上方へ向かうように傾斜した姿勢となり、掬い対象の容器70(容器「3」)とその下に隣接する容器70(容器「2」)との嵌合が解除される。また、このように第1保持部41A及び第2保持部42Aを上昇させたことで、第1保持部41Aが、第2持ち上げ保持部32aによって持ち上げられた容器70(容器「4」)よりも上方に配置される。換言すれば、制御装置Cは、第1保持部41Aによって保持された卸し対象の容器70(容器「α」)の下面を、卸し先となる容器70(容器「4」)の上面よりも上方に配置する。なお、このときの、第1保持部41A及び第2保持部42Aの上方への移動量は、上述した上下移動量Mvに等しい。
【0105】
次に、
図30に示すように、制御装置Cは、第2係止部42Bbを第2保持部42Aに対して移載方向掬い側X2に移動させると共に、第1押圧部41Baを第1保持部41Aに対して移載方向卸し側X1に移動させる。これにより、第2係止部42Bbが、掬い対象の容器70(容器「3」)を移載方向掬い側X2に引き込み、第1押圧部41Baが、卸し対象の容器70(容器「α」)を移載方向卸し側X1に押圧する。このとき、第1押圧部41Baによって押圧される卸し対象の容器70(容器「α」)は、ガイド部3Gによって移載方向卸し側X1への移動が適切に案内される。また本例では、制御装置Cは、第2係止部42Bbを第2保持部42A側へ移動させつつ、規制部44を、掬い対象の容器70(容器「3」)の下に隣接する容器70(容器「2」)に対して第2保持部42Aの側から対向する位置に留めておく。そのため、掬い対象の容器70(容器「3」)を適切に掬いつつ、掬い対象の容器70(容器「3」)の下に隣接する容器70(容器「2」)及びそれよりも下方で段積みされた容器70(容器「1」)が第2保持部42A側へ倒れたり移動したりすることを適切に規制することができる。本例では、制御装置Cは、第1押圧部41Baによって卸し対象の容器70(容器「α」)を移載方向卸し側X1に押圧するのと並行して、第1係止部41Bbを係止姿勢から非係止姿勢とする。
【0106】
そして、
図31に示すように、第2係止部42Bbにより引き込まれる掬い対象の容器70(容器「3」)が第2保持部42A上に配置されると共に、第1押圧部41Baにより押圧される卸し対象の容器70(容器「α」)が第2持ち上げ保持部32aにより持ち上げられた容器70(容器「4」)の上方に配置された後、制御装置Cは、第1保持部41A及び第2保持部42Aを下降させる。これにより、
図32に示すように、第1押圧部41Baにより移載方向卸し側X1に押圧された卸し対象の容器70(容器「α」)が、第2持ち上げ保持部32aにより持ち上げられた容器70(容器「4」)に対して上方から接近して嵌合する。
【0107】
その後、
図33に示すように、制御装置Cは、第1押圧部41Baを第1保持部41Aに対して移載方向掬い側X2に相対移動させると共に、第1保持部41A及び第2保持部42Aを移載用昇降体40Bに対して移載方向掬い側X2に相対移動させて元の位置に戻す。これにより、第1保持部41A及び第2保持部42A、並びに第1移載機41B及び第2移載機42Bが、段積み領域2Aから離間する。
【0108】
次に、
図34に示すように、制御装置Cは、第1持ち上げ保持部31a及び第2持ち上げ保持部32aを下降させ、第2持ち上げ保持部32aにより持ち上げられた容器70(容器「4」)を、その下方に配置された容器70(容器「2」)に嵌合させる。その後、制御装置Cは、第2持ち上げ保持部32aを保持姿勢から非保持姿勢とする。そして、制御装置Cは、第1持ち上げ保持部31a及び第2持ち上げ保持部32aを更に下降させ、第1持ち上げ保持部31aにより持ち上げられた容器70(容器「5」)を、その下方に配置された容器70(容器「α」)に嵌合させる。その後、制御装置Cは、第1持ち上げ保持部31aを保持姿勢から非保持姿勢とする。
【0109】
以上のようにして、段積み領域2Aに対して容器70の掬い及び卸しを並行して行う並行動作が完了する。当該並行動作は、上述のように、制御装置Cが搬送車100の各機能部を制御することにより行われる。
【0110】
〔棚部に対する容器の入れ替え動作〕
本実施形態では、移載装置4は、特定の棚部80に対して、容器70の入れ替えを行う入れ替え動作を行うように構成されている。詳細には、移載装置4は、入れ替え動作では、容器70が収納された棚部80から当該容器70を掬い、その結果として空になった棚部80に他の容器70を卸す。これにより、各棚部80において容器70を入れ替えつつ、常に棚部80に容器70が収納された状態を維持できる。そのため、容器棚8の全体において、容器70が収納された棚部80の割合を、容器70が収納されていない空の棚部80の割合に比べて高い状態、すなわち容器棚8の収納率が高い状態に維持することができる。
【0111】
本実施形態では、移載装置4は、第1保持部41A及び第2保持部42Aのうち一方が容器70を保持した状態で、容器70の入れ替え動作を行う。詳細には、移載装置4は、容器70が収納された棚部80を対象として、当該棚部80から、第1保持部41A及び第2保持部42Aのうち容器70を保持していない方へ容器70を移載する掬い動作を行い、第1保持部41A及び第2保持部42Aのうち予め容器70を保持している方から、前記掬い動作により空となった棚部80へ当該容器70を移載する卸し動作を行う。
【0112】
本例では、移載装置4は、第1保持部41Aが容器70を保持しておらず、第2保持部42Aが容器70を保持した状態で、容器70の入れ替え動作を行う。そして、移載装置4は、棚部80から第1保持部41Aへ容器70を移載する掬い動作を行い、その後、第2保持部42Aから当該棚部80へ容器70を移載する卸し動作を行う。
【0113】
以下、
図35~
図42を参照して、棚部80に対する容器70の入れ替え動作について説明する。
図35~
図42では、係止姿勢である第1係止部41Bb又は第2係止部42Bbを灰色で示し、非係止姿勢である第1係止部41Bb又は第2係止部42Bbを白色で示している。
【0114】
図35に示すように、制御装置C(
図5参照)は、第1保持部41A及び第2保持部42Aを、移載用昇降体40Bに対して移載方向卸し側X1に相対移動させる。これにより、第1保持部41A及び第2保持部42A、並びに第1移載機41B及び第2移載機42Bが、棚部80に接近する。
【0115】
次に、
図36に示すように、制御装置Cは、第1係止部41Bbを、第1保持部41Aに対して移載方向卸し側X1に相対移動させる。これにより、第1係止部41Bbを、容器70における凹部75の直下に配置する。このとき、第1係止部41Bbは、非係止姿勢である。
【0116】
そして、
図37に示すように、制御装置Cは、第1係止部41Bbが凹部75の直下に配置された状態で、第1係止部41Bbを係止姿勢とする。これにより、第1係止部41Bbを凹部75に挿入し、当該第1係止部41Bbを係止用壁76に対して移載方向卸し側X1に対向させて配置する。
【0117】
その後、
図38に示すように、制御装置Cは、係止姿勢の第1係止部41Bbを、係止用壁76に接触させながら、第1保持部41Aに対して移載方向掬い側X2に相対移動させる。これにより、第1係止部41Bbが、棚部80に収納された容器70を第1保持部41Aへ引き込む。
【0118】
その結果、
図39に示すように、容器70が取り出された棚部80は空となり、第1保持部41A及び第2保持部42Aのそれぞれが容器70を保持した状態となる。
【0119】
そして、
図40に示すように、制御装置Cは、第1保持部41A及び第2保持部42Aの移載方向Xの位置を維持した状態で第1保持部41A及び第2保持部42Aを上昇させ、前記掬い動作により空となった棚部80に対して、第2保持部42Aの上下方向の位置を合わせる。なお、この際、走行体1の位置、及び、旋回装置5による移載装置4の向きも維持される。そして、確認のため、第2保持部42Aに取り付けられた収納容器検出センサSe2によって、前記掬い動作を行った棚部80に容器70が収納されているか否かを検出する。収納容器検出センサSe2の検出結果によって棚部80に容器70が収納されていないことが確認できた場合には、第2移載機42Bによって、第2保持部42Aに保持された容器70の当該棚部80への移載を開始する。
【0120】
図41に示すように、制御装置Cは、第2押圧部42Baを、第2保持部42Aに対して移載方向卸し側X1に相対移動させて、容器70を移載方向卸し側X1に向けて押圧する。これにより、第2保持部42Aによって保持されていた卸し対象の容器70は、第2保持部42Aから棚部80へ移動する。本例では、第2押圧部42Baは、容器70における係止用壁76に対して移載方向掬い側X2から当接した状態で、容器70を移載方向卸し側X1に向けて押圧する。また、本例では、制御装置Cは、卸し対象容器70が移載方向卸し側X1に向けて移動している間に、第2押圧部42Baと共に移載方向卸し側X1に移動する第2係止部42Bbを、係止姿勢から非係止姿勢とする。
【0121】
そして、
図42に示すように、制御装置Cは、卸し対象の容器70を棚部80に卸した後、第2押圧部42Baを第2保持部42Aに対して移載方向掬い側X2に相対移動させると共に、第1保持部41A及び第2保持部42Aを、移載用昇降体40Bに対して移載方向掬い側X2に相対移動させて元の位置に戻す。これにより、第1保持部41A及び第2保持部42A、並びに第1移載機41B及び第2移載機42Bが、棚部80から離間する。
【0122】
以上のようにして、棚部80に対する容器70の入れ替え動作が行われる。当該入れ替え動作は、上述のように、制御装置Cが搬送車100の各機能部を制御することにより行われる。
【0123】
なお、上記の例では、第1移載機41Bは、容器70の卸し動作を行わない。そのため、卸し動作を行う場合の移載先となる棚部80に容器70が有るか否かを検出する収納容器検出センサSe2は、卸し動作を行わない第1移載機41Bと第1保持部41Aとの組には設けられていなくても良い。但し、これについては、第1移載機41Bと第1保持部41Aとの組に収納容器検出センサSe2を設けることを排除する意図ではない。
【0124】
〔その他の実施形態〕
次に、搬送車のその他の実施形態について説明する。
【0125】
(1)上記の実施形態では、第1持ち上げ保持部31aと第2持ち上げ保持部32aとの上下方向の間隔3Hに、容器70のN段分の高さが考慮され、「N」が「2」に設定されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、「N」は2以上の整数に設定されていれば良い。
【0126】
(2)上記の実施形態では、第1保持部41Aと第2保持部42Aとの上下方向の間隔4Hに、容器70の2段分の高さ(70H×2)が考慮されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、容器70のN段分(Nは2以上の整数)の高さを考慮して、第1保持部41Aと第2保持部42Aとの上下方向の間隔4Hが設定されていても良い。
【0127】
(3)上記の実施形態では、搬送車100が、移載装置4を上下方向に沿う軸心まわりに旋回させる旋回装置5を備えている例について説明したが、旋回装置5は必須の構成要素ではない。よって、搬送車100が旋回装置5を備えていなくても良い。この場合、移載方向Xは搬送車100に対して固定された方向となる。
【0128】
(4)上記の実施形態では、基準位置検出センサSe1が、第1保持部41A及び第1移載機41Bの組に設けられ、収納容器検出センサSe2が、第2保持部42A及び第2移載機42Bの組に設けられている例について説明した。しかし、基準位置検出センサSe1が設けられる組と収納容器検出センサSe2が設けられる組とは、上記とは逆であっても良いし、或いは、基準位置検出センサSe1と収納容器検出センサSe2との双方が、何れか一方の組に設けられていても良く、さらには、基準位置検出センサSe1が何れか一方の組に設けられ、収納容器検出センサSe2が双方の組に設けられていても良い。
【0129】
(5)上記の実施形態では、第1保持部41Aを移載方向Xに沿って移動させる第1保持駆動部41MAと、第2保持部42Aを移載方向Xに沿って移動させる第2保持駆動部42MAとが、共通の駆動源により構成されている例について説明した。しかし、第1保持駆動部41MAと第2保持駆動部42MAとが、独立した駆動源により駆動される構成であっても良い。
【0130】
(6)上記の実施形態では、規制部44が、第2保持部42Aに取り付けられると共に、第2移載機42Bが容器70の掬い動作を行う場合に、掬い対象の容器70の下に隣接する容器70に対して第2保持部42A側に対向して配置されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、規制部44は、第1保持部41Aにも設けられていても良い。第1保持部41Aに設けられた規制部44は、例えば、第1持ち上げ機構31により複数の容器70が段積み状態で持ち上げられると共に第1移載機41Bが最上段の容器70の掬い動作を行う場合に、当該最上段の容器70の下に隣接する容器70に対して第1保持部41A側に対向して配置されていると良い。
【0131】
(7)上記の実施形態では、第2持ち上げ機構32に、移載装置4によって移載される容器70を案内するガイド部3Gが設けられている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、ガイド部3Gは、第1持ち上げ機構及び第2持ち上げ機構の少なくとも一方に設けられていれば良い。すなわち、ガイド部3Gは、第1持ち上げ機構31に設けられ、第2持ち上げ機構32には設けられていなくても良い。この構成の場合、第1持ち上げ機構31により持ち上げられた容器70の上に別の容器70を移載(段積み)するのに好適である。或いは、ガイド部3Gは、第1持ち上げ機構31及び第2持ち上げ機構32の双方に設けられていても良い。この構成の場合、第1持ち上げ機構31により持ち上げられた容器70の上、及び、第2持ち上げ機構32により持ち上げられた容器70の上のそれぞれに、別の容器70を移載(段積み)するのに好適である。
【0132】
(8)上記の実施形態では、第1移載機41Bが第1保持部41Aに対して移載方向Xに相対移動するように構成されており、第2移載機42Bが第2保持部42Aに対して移載方向Xに相対移動するように構成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、第1移載機41Bと第1保持部41Aとが移載方向Xに一体的に移動するように構成され、第2移載機42Bと第2保持部42Aとが移載方向Xに一体的に移動するように構成されていても良い。
【0133】
(9)上記の実施形態では、容器70の構成に関して、持ち上げ装置3によって持ち上げられる持ち上げ用リブ部73が、周壁部72の上部に形成されている例について説明した。しかし、持ち上げ用リブ部73は、周壁部72における何れの箇所に形成されていても良く、例えば、上下方向の中央部または下部に形成されていても良い。さらに、持ち上げ装置3による容器70の持ち上げ対象となる部分は、持ち上げ用リブ部73に限定されることはない。持ち上げ装置3は、容器70の何れの部分を持ち上げ対象の部分としても良い。例えば、持ち上げ装置3は、容器70の周壁部72における凹凸の無い部分を挟持することにより、容器70を持ち上げるように構成されていても良い。
【0134】
(10)上記の実施形態では、第1移載機41Bによる容器70の移載、及び、第2移載機42Bによる容器70の移載について、具体的な状況を例に挙げて説明した。状況によっては、第1移載機41Bのみを用いて容器70の移載を行う場合もあり、また、第2移載機42Bのみを用いて容器70の移載を行う場合もある。例えば、容器棚8の最下段の棚部80に収納された容器70と、段積み領域2Aの容器70と、の入れ替えを行う場合には、第1移載機41B及び第2移載機42Bのうち、下側に配置された第2移載機42Bのみを用いることができる。この場合において、具体的には、第2移載機42Bは、容器棚8の最下段の棚部80に収納された容器70を掬うと共に、当該容器70を段積み領域2A(第1持ち上げ機構31によって持ち上げられた容器70の下方に形成された空間)に卸す。その後、第2移載機42Bは、段積み領域2Aにある他の容器70(第2持ち上げ機構32によって持ち上げられた容器70の下方に配置された容器70)を掬うと共に、空となった最下段の棚部80に当該他の容器70を卸す。また、他の状況として、容器棚8の最上段の棚部80に収納された容器70と、段積み領域2Aの容器70と、の入れ替えを行う場合には、第1移載機41B及び第2移載機42Bのうち、上側に配置された第1移載機41Bのみを用いることができる。この場合において、具体的には、第1移載機41Bは、容器棚8の最上段の棚部80に収納された容器70を掬うと共に、当該容器70を段積み領域2A(第1持ち上げ機構31によって持ち上げられた容器70の下方に形成された空間)に卸す。その後、第1移載機41Bは、段積み領域2Aにある他の容器70(第2持ち上げ機構32によって持ち上げられた容器70の下方に配置された容器70)を掬うと共に、空となった最上段の棚部80に当該他の容器70を卸す。
【0135】
(11)上記の実施形態では、走行体1が、床面を走行するように構成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、走行体1は、床面または天井付近に設置されたレール上を走行するように構成されていても良い。すなわち、搬送車100は、例えば、床面に設定されたレールに沿って走行する地上搬送車や天井から吊り下げられたレールに沿って走行する天井搬送車として構成されていても良い。また、搬送車100は、例えば、スタッカークレーンとして構成されていても良い。
【0136】
(12)なお、上述した実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0137】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した搬送車について説明する。
【0138】
上下方向に段積み可能に構成された容器を搬送する搬送車であって、
走行する走行体と、
前記走行体に搭載され、複数の前記容器を段積み状態の容器群として規定の段積み領域内に支持する容器群支持部と、
前記走行体に搭載され、前記容器群支持部に支持された前記容器群の前記容器を持ち上げる持ち上げ装置と、
前記走行体に搭載され、前記容器の移載を行う移載装置と、を備え、
前記移載装置は、前記容器を保持する第1保持部と、前記第1保持部よりも下方に配置されて前記容器を保持する第2保持部と、前記第1保持部と前記段積み領域との間での前記容器の移載を行う第1移載機と、前記第2保持部と前記段積み領域との間での前記容器の移載を行う第2移載機と、を備え、
前記持ち上げ装置は、前記段積み領域に段積みされた前記容器群の内の任意の高さの前記容器を当該容器の下に隣接する前記容器に対して持ち上げる第1持ち上げ機構と、前記第1持ち上げ機構により持ち上げられた前記容器よりも下方の前記容器を当該容器の下に隣接する前記容器に対して持ち上げる第2持ち上げ機構と、を備える。
【0139】
本構成によれば、第1移載機によって段積み領域に対して容器の移載を行うことができると共に、第2移載機によっても段積み領域に対して容器の移載を行うことができる。また、段積み状態の容器群における、第1持ち上げ機構によって持ち上げられた容器の下方と、第2持ち上げ機構によって持ち上げられた容器の下方とのそれぞれに、上下方向のスペースを設けることができる。従って、このように設けられた2つのスペースを利用して、段積み状態の容器群に対する第1移載機による容器の移載と第2移載機による容器の移載とを並行して行うことができる。以上のように、本構成によれば、段積みされた複数の容器に対して、複数の移載動作を並行して行うことが可能となる。
【0140】
ここで、前記第1持ち上げ機構は、前記容器を保持する第1持ち上げ保持部を備え、
前記第2持ち上げ機構は、前記第1持ち上げ保持部よりも下方に配置されて前記容器を保持する第2持ち上げ保持部を備え、
前記第1持ち上げ保持部と前記第2持ち上げ保持部との前記上下方向の間隔は、前記容器のN段分(Nは2以上の整数)の高さに、前記第2移載機による移載動作中における移載対象の前記容器の上下移動量を加えた高さに応じて設定されている、と好適である。
【0141】
本構成によれば、第1移載機と第2移載機とが一体的に上下移動する場合であっても、第1移載機は、上下移動を伴う第2移載機の移載動作に影響を受けることなく、第1持ち上げ保持部と第2持ち上げ保持部との上下方向の間へ適切に容器を移載することができる。これにより、当該容器を、第2持ち上げ保持部によって持ち上げ保持された容器の上に適切に段積みすることができる。
【0142】
また、前記第1保持部と前記第2保持部との前記上下方向の間隔は、前記容器の2段分の高さに、前記第2移載機による移載動作中における移載対象の前記容器の上下移動量を加えた高さ以上の間隔である、と好適である。
【0143】
本構成によれば、第2持ち上げ保持部によって持ち上げ保持された容器(持ち上げ容器)の下に隣接する容器(隣接容器)を、上下移動を伴う移載動作によって第2移載機により掬う場合に、掬い対象である隣接容器が持ち上げ容器に干渉しないように、隣接容器を適切に掬うことができる。また、持ち上げ容器の下方に形成されたスペースへ、上下移動を伴う移載動作によって第2移載機により別の容器を卸す場合に、卸し対象である当該別の容器を、持ち上げ容器に干渉しないように適切に卸すことができる。
【0144】
また、前記第2持ち上げ機構により持ち上げられた前記容器の下に隣接する前記容器を前記第2移載機が前記第2保持部へ移載するための高さに前記第2保持部が配置されている状態で、前記第1移載機が前記第1保持部に保持された前記容器を前記第2持ち上げ機構により持ち上げられた前記容器の上へ移載するための高さに前記第1保持部が配置されるように、前記第1保持部と前記第2保持部との前記上下方向の間隔が設定されている、と好適である。
【0145】
本構成によれば、第2移載機による段積み領域から第2保持部への容器の移載と、第1移載機による第1保持部から段積み領域への容器の移載と、を並行して行うことが容易な構成を、適切に実現することができる。
【0146】
また、前記走行体は、前記容器を収納する棚部を前記上下方向に複数段備えた容器棚に沿って走行するように構成され、
前記移載装置により移載される前記容器の移動方向を移載方向として、
前記移載装置を前記上下方向に沿う軸心まわりに旋回させて、前記移載方向を前記段積み領域に向けた第1姿勢と、前記移載方向を前記容器棚に向けた第2姿勢とに、前記移載装置の向きを変更する旋回装置を備え、
前記第1移載機は、前記第1姿勢の状態で前記第1保持部と前記段積み領域との間での前記容器の移載を行い、前記第2姿勢の状態で前記第1保持部と前記棚部との間での前記容器の移載を行い、
前記第2移載機は、前記第1姿勢の状態で前記第2保持部と前記段積み領域との間での前記容器の移載を行い、前記第2姿勢の状態で前記第2保持部と前記棚部との間での前記容器の移載を行う、と好適である。
【0147】
本構成によれば、移載装置によって、容器棚の棚部に対する容器の移載と段積み領域に対する容器の移載とを行うことができる。また、移載装置が移載方向を容器棚に向けた第2姿勢では、容器棚に対する第1移載機による移載動作と第2移載機による移載動作とを並行して行うことができる。
【0148】
また、上記構成において、
前記移載装置は、前記棚部における前記容器を収納するための基準位置を検出する基準位置検出センサと、前記棚部に収納された前記容器を検出する収納容器検出センサと、を備え、
前記基準位置検出センサは、前記第1保持部及び前記第1移載機の組と前記第2保持部及び前記第2移載機の組との、一方の組に設けられ、
前記収納容器検出センサは、前記第1保持部及び前記第1移載機の組と前記第2保持部及び前記第2移載機の組との、前記基準位置検出センサが設けられていない他方の組に設けられている、と好適である。
【0149】
本構成によれば、基準位置検出センサを用いることにより、棚部に対する適切な移載位置において容器を移載することができる。また、収納容器検出センサを用いることによって、既に棚部に収納されている容器を検出することができるため、そのような棚部に対して更に容器を収納する動作を行わないようにできる。そして、基準位置検出センサは、第1保持部及び第1移載機の組と第2保持部及び第2移載機の組との一方の組に設けられ、収納容器検出センサは、基準位置検出センサが設けられていない他方の組に設けられているため、移載装置に設置されるセンサの総数を少なく抑えることができる。
【0150】
また、前記移載装置により移載される前記容器の移動方向を移載方向として、
前記移載装置は、前記第1保持部を前記移載方向に沿って移動させる第1保持駆動部と、前記第2保持部を前記移載方向に沿って移動させる第2保持駆動部と、を備えると好適である。
【0151】
本構成によれば、第1保持部及び第2保持部を段積み領域に接近させることができ、この状態で、移載装置による容器の移載を行うことができる。そのため、容器の移載を安定的に行うことができる。
【0152】
また、前記第2持ち上げ機構により持ち上げられた前記容器の下に隣接する前記容器を掬い対象容器として、前記第2移載機は、前記掬い対象容器を前記第2保持部へ移載する掬い動作を行うように構成され、
前記移載装置は、前記第2移載機が前記掬い対象容器の前記掬い動作を行う場合に前記掬い対象容器の下に隣接する前記容器に対して前記第2保持部側に対向配置され、前記掬い対象容器の下に隣接する前記容器の前記第2保持部側への移動を規制する規制部を備える、と好適である。
【0153】
本構成によれば、掬い動作の際に、第2保持部側へ移動する掬い対象容器がその下に隣接する容器である隣接容器に干渉して当該隣接容器に第2保持部側への力が掛かった場合に、隣接容器及び隣接容器の下方に段積みされた複数の容器が第2保持部側へ倒れることを抑制することができる。
【0154】
また、上記構成において、
前記移載装置により移載される前記容器の移動方向を移載方向として、
前記第2移載機は、前記容器に係止される第2係止部を備え、
前記規制部は、前記第2保持部に取り付けられていると共に、前記第2係止部よりも下方に配置され、
前記第2係止部と前記規制部とは、前記移載方向に沿って相対移動可能に構成されている、と好適である。
【0155】
本構成によれば、掬い動作を行う場合に、第2係止部を第2保持部側へ移動させつつ、規制部は容器に対して第2保持部の側から対向する位置に留めておくことができる。そのため、掬い対象容器を適切に掬いつつ、掬い対象容器の下に隣接する容器及びそれよりも下方で段積みされた複数の容器が第2保持部側へ倒れることを適切に規制することができる。
【0156】
また、前記第1持ち上げ機構及び前記第2持ち上げ機構の少なくとも一方に、前記移載装置によって移載される前記容器を案内するガイド部が設けられている、と好適である。
【0157】
本構成によれば、移載装置によって段積み領域へ移載される容器を、ガイド部によって適切に案内することができる。
【産業上の利用可能性】
【0158】
本開示に係る技術は、上下方向に段積み可能に構成された容器を搬送する搬送車に利用することができる。
【符号の説明】
【0159】
100 :搬送車
1 :走行体
2 :容器群支持部
2A :段積み領域
3 :持ち上げ装置
3G :ガイド部
31 :第1持ち上げ機構
31a :第1持ち上げ保持部
32 :第2持ち上げ機構
32a :第2持ち上げ保持部
4 :移載装置
41A :第1保持部
41B :第1移載機
41MA :第1保持駆動部
42A :第2保持部
42B :第2移載機
42Bb :第2係止部
42MA :第2保持駆動部
44 :規制部
5 :旋回装置
7 :容器群
70 :容器
8 :容器棚
80 :棚部
80P :基準位置
Mv :上下移動量
P1 :第1姿勢
P2 :第2姿勢
Se1 :基準位置検出センサ
Se2 :収納容器検出センサ
X :移載方向