(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-12
(45)【発行日】2023-06-20
(54)【発明の名称】基地局、端末、無線通信システム
(51)【国際特許分類】
H04W 74/08 20090101AFI20230613BHJP
H04W 72/0446 20230101ALI20230613BHJP
H04W 56/00 20090101ALI20230613BHJP
H04W 16/14 20090101ALI20230613BHJP
【FI】
H04W74/08
H04W72/0446
H04W56/00 130
H04W16/14
(21)【出願番号】P 2021515765
(86)(22)【出願日】2019-04-26
(86)【国際出願番号】 JP2019018165
(87)【国際公開番号】W WO2020217542
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2021-11-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147164
【氏名又は名称】向山 直樹
(72)【発明者】
【氏名】太田 好明
(72)【発明者】
【氏名】下村 剛史
【審査官】三枝 保裕
(56)【参考文献】
【文献】Samsung,Signaling Multiple UL grants for Msg3 Transmission in NR-U,3GPP TSG RAN WG2 #105bis R2-1903101[online],2019年04月12日,全文
【文献】ZTE Corporation, Sanechips,4-step RACH procedure for NR-U,3GPP TSG RAN WG2 #105bis R2-1903537[online],2019年04月12日,全文
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランダムアクセス手順を実施することが可能な端末において、
基地局から前記ランダムアクセス手順の第1の信号を受信する受信部と、
前記ランダムアクセス手順の第2の信号を送信する送信タイミングを、前記送信タイミングに関する構成情報に応じて定まるリソースに対して
前記第1の信号とは異なる手段で設定された範囲から前記端末が選択したオフセットを適用して制御する制御部と、
前記基地局に前記送信タイミングで前記第2の信号をアンライセンスバンドで送信する送信部と、を備えることを特徴とする端末。
【請求項2】
前記第1の信号は、ランダムアクセス手順のメッセージ2であり、前記第2の信号は、ランダムアクセス手順のメッセージ3であることを特徴とする請求項1に記載の端末。
【請求項3】
前記制御部は、キャリアセンスをせずに前記送信部から前記第2の信号を送信するように制御することを特徴とする請求項1または2に記載の端末。
【請求項4】
前記制御部は、前記第2の信号を送信するアンライセンスバンドより広い周波数で送信の有無を測定するように制御し、測定結果に応じて前記アンライセンスバンドを選択するように制御し、
前記広い周波数を示す情報は、前記構成情報に含まれている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の端末。
【請求項5】
前記構成情報には、前記送信タイミングのオフセット値に関する情報が含まれており、
前記オフセット値は、所定のタイミングから所定間隔の定数倍を示す情報であることを特徴とする請求項1乃至4のうち何れか1つに記載の端末。
【請求項6】
前記構成情報は、前記送信タイミングのオフセット値の最大値の情報が含まれており、前記制御部は、前記最大値を超えない値のオフセット値で前記送信タイミングを制御することを特徴とする請求項1乃至4のうち何れか1つに記載の端末。
【請求項7】
前記構成情報には、第1のオフセット情報と第2のオフセット情報が含まれており、前記第1のオフセット情報は、初回送信に関するオフセット値に関する情報であり、前記第2のオフセット情報は、連続送信する際の送信間隔に関する情報であることを特徴とする請求項1乃至4のうち何れか1つに記載の端末。
【請求項8】
前記受信部は、前記構成情報を前記基地局から受信することを特徴とする請求項1乃至7のうち何れか1つに記載の端末。
【請求項9】
前記構成情報は、前記基地局から送信される前記第1の信号を送信するタイミングで前記基地局から送信されることを特徴とする請求項8に記載の端末。
【請求項10】
前記受信部は、前記基地局からの報知情報を受信し、前記報知情報には、前記構成情報が含まれていることを特徴とする請求項8に記載の端末。
【請求項11】
前記構成情報は、連続送信回数に関する情報がさらに含まれていることを特徴とする請求項1乃至10の何れか1つに記載の端末。
【請求項12】
ランダムアクセス手順を実施することが可能な基地局において、
前記ランダムアクセス手順の第1の信号を端末に送信する送信部と、
送信タイミングに関する構成情報に応じて定まるリソースに対して
前記第1の信号とは異なる手段で設定された範囲から前記端末が選択したオフセットを適用して制御された送信タイミングで、前記端末からアンライセンスバンドで送信されたランダムアクセス手順の第2の信号を受信する受信部と、
を備えることを特徴とする基地局。
【請求項13】
前記送信部は、前記構成情報を前記端末に送信することを特徴とする請求項12に記載の基地局。
【請求項14】
ランダムアクセス手順を実施する基地局と端末を含む無線通信システムにおいて、
前記端末は、
前記基地局から前記ランダムアクセス手順の第1の信号を受信する第1受信部と、
前記ランダムアクセス手順の第2の信号を送信する送信タイミングを、前記送信タイミングに関する構成情報に応じて定まるリソースに対して
前記第1の信号とは異なる手段で設定された範囲から前記端末が選択したオフセットを適用して制御する制御部と、
前記基地局に前記送信タイミングで前記第2の信号をアンライセンスバンドで送信する第1送信部と、を備え、
前記基地局は、
前記第1の信号を前記端末に送信する第2送信部と、
前記第2の信号を前記端末から受信する第2受信部と、
を備えることを特徴とする無線通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局、端末、無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話システム等の無線通信システムにおいて、無線通信の更なる高速化や大容量化等を図るため、次世代の無線通信技術について議論が行われている。例えば、第5世代移動体通信(5Gまたは、NR(New Radio))の通信規格では、第4世代移動体通信(4G)の通信規格に記載された標準技術(例えば、非特許文献1~11)に加えて、さらなる高データレート化、大容量化、低遅延化を実現する技術が求められている。なお、第5世代通信規格については、3GPPの作業部会(例えば、TSG-RAN WG1、TSG-RAN WG2等)で技術検討が進められており、2017年の末に標準規格書の初版が出されており、随時改版されている(非特許文献12~40)。
【0003】
無線通信システムでは、基地局と移動局が通信を開始するに当たって、端末が最初に送信するためのチャネルが用意されている。3GPPにおいては、これをランダムアクセスチャネル(RACH:Random Access Channel)と呼び、RACHによる通信開始手順をランダムアクセス手順(Random Access Procedure)と呼んでいる。RACHには、移動局が送信した無線信号を基地局が識別する情報としてプリアンブルと呼ばれる情報が含まれている。この情報により、基地局が端末を識別できるようにしている。
【0004】
ランダムアクセス手順は、イニシャルアクセスを実施する場合、データ信号発生、及びハンドオーバ時の同期を確立する場合等で実行される。なお、イニシャルアクセスの実施と上りデータ信号が発生した場合におけるランダムアクセスは、端末が複数のプリアンブルの中から1つのプリアンブルを選択して使用する(これを競合型ランダムアクセス:Contention Based Random Access Procedureと呼ぶ。)。
【0005】
競合型のランダムアクセスでは、低確率であるが、複数の移動局が同じタイミングかつ同じRACHリソースを使用してプリアンブルを送信することが起こり得る。一方、下りデータ信号の発生時に同期を確立する場合とハンドオーバの際に移動先基地局と同期を確立する場合は、基地局が端末に固有となる個別シグネチャを割り当てる方法で実施される(これを非競合型ランダムアクセス:Non-contention Based Random Access Procedureと呼ぶ。)(非特許文献5、非特許文献21)。
【0006】
競合型ランダムアクセスの手順について、簡単に説明する。競合型ランダムアクセスの手順では、はじめに端末がランダムに選択したプリアンブルを基地局に送信することでランダムアクセス手順を開始する(メッセージ1または、Random access Preambleと呼ぶ。)。次に、基地局は上り通信のための同期信号や送信許可などと共にメッセージ1の応答を返信する(メッセージ2または、Random Access Responseと呼ぶ。)。
【0007】
次に、有効な移動局のID等を端末が基地局に送信する(メッセージ3又は、Scheduled Transmissionと呼ぶ。)。なお、メッセージ1においてプリアンブルの衝突が起こっている場合、基地局は当該信号(メッセージ3)を復号(decode)することができず受信に失敗するため、プリアンブルの衝突が生じていたことを認識できる。基地局は、メッセージ3を受信できたか否かの情報を端末に送信する(メッセージ4または、Contention Resolutionと呼ぶ。)。なお、イニシャルアクセスを実施する場合の競合型ランダムアクセスにおいて、基地局がメッセージ3の受信に成功した場合、PDCCHによって新規の上り送信を通知する。また、上りデータ信号が発生した場合における非競合型ランダムアクセスにおいて、基地局がメッセージ3の受信に成功した場合、PDSCHで有効な端末の識別子(ID)を通知する。なお、基地局がメッセージ3の受信に失敗した場合、端末は、Non-Adaptive HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest )を実施する。
【0008】
次に非競合型ランダムアクセスの手順について、簡単に説明する。あらかじめ個別のシグネチャの割り当てを送信する(メッセージ0または、Random Access Preamble Assignmentと呼ぶ。)。端末は、当該個別プリアンブルをRACHで送信する(メッセージ1または、Random access Preambleと呼ぶ。)。基地局は、上り通信のための同期信号や送信許可などと共にメッセージ1の応答信号を送信する(メッセージ2または、Random Access Responseと呼ぶ。)。
【0009】
このようにして、端末と基地局は、同期を確立し、データ信号通信を行う。
【0010】
ランダムアクセスの終了後に上りの同期状態が非同期から同期に遷移する。基地局は、PDSCHを用いて下りデータ信号を移動局に送信する。なお、当該PDSCHが使用している無線リソースやMCSについては、PDSCHに付随するPDCCHで送信する。移動局が、下りデータ信号の受信に成功すると、上りは同期状態に遷移しているため、基地局にACK(ACKnowledgement)信号を返信することができる。
【0011】
4Gや5Gでは、免許が不要な周波数帯域(アンライセンスバンド:Unlicensed band)を用いた通信が規定されている。アンライセンスバンドを用いた通信では、アンライセンスバンドで信号を送信する前に、キャリアセンス(CS : Carrier sensing)を実行する。そして、キャリアセンスの結果、アンライセンスバンドがアイドルであった場合、通信装置は、データ信号を送信する。
【0012】
また、第4世代移動体通信や第5世代移動体通信では、免許を要する周波数帯(Licensed band)の搬送波と、免許が不要な周波数帯の搬送波とを用いて通信を行う技術が規定されている。該技術は、LAA(Licensed Assisted Access)と呼ばれる。
【0013】
LAAでは、例えば、端末がアンライセンスバンドを用いてデータ信号の送信を行う場合、端末は、基地局からライセンスバンドでリソース割り当て情報を含むPDCCHを受信する。端末は、リソース割り当て情報に応じたアンライセンスバンドにおいてLBT(Listen Before Talk)を実行する。そして、LBTの結果、アンライセンスバンドのアイドルの場合、端末は、当該リソースでデータ信号を送信する。
【0014】
なお、現在3GPPでは、ランダムアクセス手順において、アンライセンスバンドの活用が議論されている(非特許文献41)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0015】
【文献】3GPP TS 36.133 V15.5.0(2018-12)
【文献】3GPP TS 36.211 V15.4.0(2018-12)
【文献】3GPP TS 36.212 V15.4.0(2018-12)
【文献】3GPP TS 36.213 V15.4.0(2018-12)
【文献】3GPP TS 36.300 V15.4.0(2018-12)
【文献】3GPP TS 36.321 V15.4.0(2018-12)
【文献】3GPP TS 36.322 V15.1.0(2018-07)
【文献】3GPP TS 36.323 V15.2.0(2018-12)
【文献】3GPP TS 36.331 V15.4.0(2018-12)
【文献】3GPP TS 36.413 V15.4.0(2018-12)
【文献】3GPP TS 36.423 V15.4.0(2018-12)
【文献】3GPP TS 36.425 V15.0.0(2018-06)
【文献】3GPP TS 37.340 V15.4.0(2018-12)
【文献】3GPP TS 38.201 V15.0.0(2017-12)
【文献】3GPP TS 38.202 V15.4.0(2018-12)
【文献】3GPP TS 38.211 V15.4.0(2018-12)
【文献】3GPP TS 38.212 V15.4.0(2018-12)
【文献】3GPP TS 38.213 V15.4.0(2018-12)
【文献】3GPP TS 38.214 V15.4.0(2018-12)
【文献】3GPP TS 38.215 V15.4.0(2018-12)
【文献】3GPP TS 38.300 V15.4.0(2018-12)
【文献】3GPP TS 38.321 V15.4.0(2018-12)
【文献】3GPP TS 38.322 V15.4.0(2018-12)
【文献】3GPP TS 38.323 V15.4.0(2018-12)
【文献】3GPP TS 38.331 V15.4.0(2018-12)
【文献】3GPP TS 38.401 V15.4.0(2018-12)
【文献】3GPP TS 38.410 V15.2.0(2018-12)
【文献】3GPP TS 38.413 V15.2.0(2018-12)
【文献】3GPP TS 38.420 V15.2.0(2018-12)
【文献】3GPP TS 38.423 V15.2.0(2018-12)
【文献】3GPP TS 38.470 V15.4.0(2018-12)
【文献】3GPP TS 38.473 V15.4.1(2019-01)
【文献】3GPP TR 38.801 V14.0.0(2017-03)
【文献】3GPP TR 38.802 V14.2.0(2017-09)
【文献】3GPP TR 38.803 V14.2.0(2017-09)
【文献】3GPP TR 38.804 V14.0.0(2017-03)
【文献】3GPP TR 38.900 V15.0.0(2018-06)
【文献】3GPP TR 38.912 V15.0.0(2018-06)
【文献】3GPP TR 38.913 V15.0.0(2018-06)
【文献】3GPP TR 38.889 V16.0.0 (2018-12)
【文献】Summary of Email discussion [105#50][NR-U] RACH 4-step and SR, R2-1903282, OPPO, 3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #105bis, Xi’an, China, 6th-12th April 2019
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
ところで、現在3GPPでは、ランダムアクセス手順のうちの端末から送信される信号をアンライセンスバンドで送信することが議論されているが具体的な方法が決まっていない。アンライセンスバンドを用いた通信は、ライセンスバンドを用いた通信と比較して他の無線通信システムからの影響を受ける可能性があるため信号の送信が失敗/遅延する確率が高い。ランダムアクセス手順は、失敗すると(例えば、同期が取れなかった場合)ランダムアクセス手順を初めから再度行う(例えば、コンテンションベースのランダムアクセスだとメッセージ1の送信から再度行う。)。そのため、アンライセンスバンドを用いたランダムアクセス手順では、ライセンスバンドを用いたランダムアクセス手順よりも通信装置間(例えば、端末と基地局)がデータ通信可能な状態になるまで時間が多くかかる可能性がある。
【0017】
そのため、アンライセンスバンドを用いたランダムアクセス手順を効率的に行う方法が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本願に開示する端末は、基地局からランダムアクセス手順の第1の信号を受信する受信部と、前記ランダムアクセス手順の第2の信号を送信する送信タイミングを送信タイミングに関する構成情報に応じて制御する制御部と、基地局に送信タイミングで前記第2の信号をアンライセンスバンドで送信する送信部とを有する。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一側面によれば、アンライセンスバンド用いたランダムアクセス手順を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、実施の形態1のネットワーク構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施の形態1の無線通信システムにおける基地局の機能構成図の一例である。
【
図3】
図3は、実施の形態1の無線通信システムにおける端末の機能構成図の一例である。
【
図4】
図4は、実施の形態1における無線通信システムの動作フローの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施の形態2のネットワーク構成の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施の形態2で用いるランダムアクセス手順の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施の形態2における無線通信システムの動作フローの一例を示す図である。
【
図8A】
図8Aは、実施の形態2におけるMACPDUの連結の一例を示す図である。
【
図8B】
図8Bは、実施の形態2におけるMACPDUの連結の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、MAC PDU Delay のMACPDU構成の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施の形態2におけるMACPDUの連結の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施の形態3における無線通信システムの動作フローの一例を示す図である。
【
図12】
図12は、実施の形態4における無線通信システムの動作フローの一例を示す図である。
【
図13A】
図13Aは、MAC PDU Delay のMACPDU構成の一例を示す図である。
【
図13B】
図13Bは、MAC PDU Delay のMACPDU構成の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、実施の形態6における無線通信システムの動作フローの一例を示す図である。
【
図15】
図15は、無線通信システムにおける基地局のハードウェア構成図の一例である。
【
図16】
図16は、無線通信システムにおける端末のハードウェア構成図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。本明細書における課題及び実施の形態は一例であり、本願の権利範囲を限定するものではない。特に、記載の表現が異なっていたとしても技術的に同等であれば、異なる表現であっても本願の技術を適用可能であり、権利範囲を限定するものではない。そして、各実施の形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0022】
また、本明細書で使用している用語や記載した技術的内容は、3GPPなど通信に関する規格として仕様書や寄書に記載された用語や技術的内容が適宜用いられてもよい。このような仕様書としては、例えば、先行技術文献で記載した3GPP TS 38.211 V15.4.0(非特許文献16)がある。
[実施の形態1]
【0023】
実施の形態1は、ランダムアクセス手順における端末から基地局に信号を送信する帯域が免許不要帯域(以下、アンライセンスバンドと記載する。)を用いる実施の形態を説明する。具体的には、端末は、アンライセンスバンドでランダムアクセス手順に関する信号を送信する際に構成情報に応じたアンライセンスバンドのリソースで信号を送信する。なお、アンライセンスバンドとは、複数の無線通信システムで共通で使われる周波数であり、例えば、Wi-Fiや他のベンダーの基地局と共通で使える周波数である。また、ここでいうリソースは、周波数軸及び時間軸で定まるものである。
【0024】
実施の形態1の無線通信システム1を
図1に示す。無線通信システム1は、基地局100と、端末200とを有する。基地局100は、セルC10を形成している。端末200はセルC10に存在しているとする。
【0025】
なお、基地局100は、例えば、マクロ無線基地局、ピコ無線基地局等の小型無線基地局(マイクロ無線基地局、フェムト無線基地局等を含む)の他、様々な規模の無線基地局であってもよく、無線通信装置、通信装置、送信装置等に言い換えて記載しても良い。また、端末200は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ(Personal Computer)、車両等の無線通信機能を有する各種装置や機器(センサー装置等)などの無線端末であってもよく、無線通信装置、通信装置、受信装置、移動局等と言い換えても良い。
【0026】
基地局100は、図に示していないネットワーク装置(上位装置や他の基地局)と有線接続を介してネットワークに接続されている。なお、基地局100を有線ではなく無線を介してネットワーク装置に接続してもよい。
【0027】
基地局100は、端末200との無線通信機能とデジタル信号処理及び制御機能とを分離して別装置としてもよい。この場合、無線通信機能を備える装置をRRH(Remote Radio Head)、デジタル信号処理及び制御機能を備える装置をBBU(Base Band Unit)と呼ぶことができる。また、RRHはBBUから張り出されて設置され、それらの間は光ファイバなどで有線接続されてもよい。あるいは無線接続されてもよい。また、前述のRRHとBBUのようにではなく、例えば、Central UnitとDistributed Unitの2つに分離してもよい。Distributed Unitは、少なくともRF無線回路を含むが、これに加え、無線物理レイヤ(またはレイヤ1)機能、更にはMACレイヤ機能、更にはRLC機能をもたせてもよい。
【0028】
一方、端末200は、無線通信で基地局100と通信を行う。また、基地局100と同期が取れていない場合は、ランダムアクセス手順を用いて基地局100と同期をとることができる。
【0029】
次に、基地局100について、説明する。基地局100の機能ブロック構成の一例を
図2に示す。基地局100は、無線通信部110、制御部120、記憶部130、通信部140を有する。
【0030】
無線通信部110は、送信部111、受信部112から構成され、端末200と無線通信を行う。具体的には、送信部111は、端末200にランダムアクセス手順の信号、下りデータ信号、及び下りの制御信号(以下PDCCH(Physical Downlink Control Channel)と記載することがある。)を免許帯域(以下、ライセンスバンドと記載する。)または、アンライセンスバンドで送信することができる。また、受信部112は、端末200からライセンスバンドまたはアンライセンスバンドを用いて送信されたランダムアクセス手順の信号、上りデータ信号、及び上りの制御信号(以下、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)と記載することがある。)を受信することができる。
【0031】
制御部120は、基地局100を制御する。具体的には、制御部120は、端末200と非同期時にランダムアクセス手順の実行の制御、受信部112が受信した信号の信号処理、送信ブロック(TB: Transport Block)の作成、送信ブロックを無線リソースへのマッピング等の制御をすることができる。また、制御部120は、受信部112を用いて、キャリアセンシングを実施するように制御することができる。
【0032】
記憶部130は、例えば、下りデータ信号を格納することができる。
【0033】
通信部140は、有線または、無線を介してネットワーク装置(例えば、上位装置、他の基地局装置)と接続し、通信を行う。通信部140が受信した端末200に向けたデータ信号は、記憶部130に格納することができる。
【0034】
次に、端末200について説明する。
図3は、実施の形態1の無線通信システムにおける端末200の機能構成図の一例である。
図3に示すように、端末200は、通信部210と、制御部220と、記憶部230を備える。これら各構成部分は、一方向又は双方向に、信号やデータの入出力が可能なように接続されている。なお、通信部210は、送信部211と受信部212と分けて記載することができる。
【0035】
送信部211は、データ信号や制御信号を、アンテナを介して無線通信で送信する。なお、アンテナは送信と受信で共通でもよい。送信部211は、例えば、ランダムアクセス手順に関する信号、上りのデータ信号、上りの制御信号、下りデータ信号に対する応答信号をライセンスバンドまたはアンライセンスバンドで送信する。
【0036】
受信部212は、基地局100からライセンスバンドまたはアンライセンスバンドを介して送信された信号を受信する。具体的には、ランダムアクセス手順の信号、下りデータ信号、及び下りの制御信号等を受信する。また、受信する信号は例えば、チャネル推定や復調のために用いられるリファレンス信号を含んでいても良い。
【0037】
制御部220は、端末200を制御する。具体的には、制御部220は、基地局100とランダムアクセス手順の実行制御、受信部212が受信した信号の信号処理、送信ブロック(TB: Transport Block)の作成、送信ブロックを無線リソースへのマッピング等の制御することができる。また、制御部220は、受信部212を用いて、キャリアセンシング(または、LBT(Listen Before Talk))を実施するように制御することができる。
【0038】
記憶部230は、例えば、上りデータ信号を格納することができる。また、記憶部230は、基地局100から送信された無線通信に関する構成情報(または設定情報)を格納することができる。
【0039】
次に、
図4を用いて、アンライセンスバンドを用いて、端末200が基地局100にランダムアクセス手順の信号を送信する場合について説明する。
【0040】
図4において、上段は、基地局100の動作を示しており、下段は、端末200の動作を示している。また、
図4において、横軸は時間の流れを示しており、t1~t10のそれぞれは、例えば3GPPで規定されているミニスロット、スロット、サブフレーム単位等の定められた時間単位を示している。なお、基地局100は、アンライセンスキャリアまたはライセンスキャリアでランダムアクセス手順に関する信号を送信する。
【0041】
基地局100は、例えば、
図4に示しているようにt2のタイミングにおけるリソース10を用いて送信部111から端末200にランダムアクセス手順に関する信号を送信する。なお、基地局100から送信されるランダムアクセス手順に関する信号は、例えば、ランダムアクセスメッセージ(例えば、メッセージ0、メッセージ2)と呼んでもよい。
【0042】
端末200の受信部212が基地局100の送信部111から送信されたランダムアクセス手順に関する信号を受信すると、制御部220は、送信タイミングを示す情報に応じて、送信部211から送信するランダムアクセス手順に関する信号の送信タイミングを制御する。
【0043】
具体的には、制御部220は、送信タイミングを示す情報に応じて、構成情報に応じて定まるリソース20(
図4は、4サブフレーム後のt6にあるリソースとして説明している。)からTの期間オフセットした送信タイミングであるアンライセンスバンド上のリソース30で送信部211からランダムアクセス手順に関する信号を送信するように制御する。なお、リソース20は、4サブフレーム後のt6として説明しているが、これに限定するわけでなく、例えば、サブキャリア間隔に応じて変更したり、基地局からの割り当て情報をもとに変更したり、またはサブキャリア間隔と基地局からの割り当て情報をもとに変更するようにしても良い。なお、サブキャリア間隔とは、TS38.211(非特許文献16)等で定義されるΔ(デルタ)である。
【0044】
なお、制御部220は、ランダムアクセス手順において、端末200から基地局100に送信する前に、アンライセンスバンドでのキャリアセンス(またはLBT)を行わなくても良い。すなわち、アンライセンスバンドを用いるがキャリアセンスを行わずに信号を送信する。
【0045】
このようにすることで、端末200から送信されるランダムアクセス手順に関する信号が構成情報である送信タイミングに関する情報に応じたタイミングに設定することができる。そのため、端末200がアンライセンスバンドで送信するランダムアクセス手順の信号をもともとの位置から変更することができる。その結果、端末200がアンライセンスバンドで送信するランダムアクセス手順の信号を送信するタイミングが柔軟になる。その結果、アンライセンスバンドを用いたランダムアクセス手順での失敗の確率が低下する。
【0046】
なお、構成情報として送信タイミングに関する情報を例に説明したが、アンライセンスバンド上の周波数を変更するようにしても良い。例えば、端末200の制御部220は、アンライセンスバンドの周波数を4メガ割り当てられた場合にその中の2メガを選択して送信制御するようにしても良い。また、制御部220は、周波数と時間と両方を変更するように制御しても良い。要するに、制御部220は、送信タイミングの情報に応じた送信タイミングと、変更可能な範囲(選択可能な範囲)のアンライセンスバンドの周波数と、で送信を行うように制御しても良い。
【0047】
以上、実施の形態1について説明した。上記説明から明らかなように、本実施の形態の無線通信システム1によれば、端末200がアンライセンスバンドで送信するランダムアクセス手順の信号を送信するリソースを柔軟にできる。従って、アンライセンスバンドを用いたランダムアクセス手順を効率的に行うことができる。
[実施の形態2]
【0048】
実施の形態1では、端末200から送信されるランダムアクセス手順の信号の送信タイミングを送信タイミングに関する情報に応じて変更するように制御する例を説明した。実施の形態2では、複数の端末ランダムアクセス手順における特定のメッセージの送信タイミングを示す例について説明する。
【0049】
実施の形態2の無線通信システム2を
図5に示す。無線通信システム2は、基地局100と、複数の端末200A-200Fとを有する。基地局100は、セルC10を形成している。複数の端末200A-200Fは、セルC10に存在しているとする。なお、実施の形態1と同様な機能については、同様な符号を付与している。また、複数の端末200A-200Fのそれぞれは、実施の形態1の端末200の構成と同様である。また、200A-200Fを特に区別しない場合は、単に端末200と記載する。また、
図5は、複数の端末200が6台の例で説明しているがこれに限定するわけでない。
【0050】
実施の形態2において、無線通信システム2、基地局100、端末200は、実施の形態1と同様の構成のため説明を省略する。
【0051】
図6は、実施の形態2に係る無線通信システム2におけるランダムアクセス手順を含むシーケンスの一例を示す図である。
図6は、例えば、基地局100と端末200が非同期の状態(上り非同期の状態)で上りデータ信号が発生した場合やイニシャルアクセスの場合に用いる競合型ランダムアクセス手順を示している図である。
【0052】
端末200の制御部220は、あらかじめ割り当てられている複数のプリアンブルから1つのプリアンブルを選択する。送信部211は、メッセージ1(または、RAP:Random access Preamble)として、選択したプリアンブルを送信し、基地局100の受信部112は、メッセージ1を受信する(S10)。以下、メッセージ1をRAP信号と記載することがある。
【0053】
基地局100の送信部111は、メッセージ1を受信後にメッセージ2(RAR:Random Access Response)として、上り通信のための同期信号や送信許可等の情報を送信し、端末200の受信部212は、メッセージ2を受信する(S20)。以下、メッセージ2をRAR(Random Access Response)信号と記載することがある。なお、以下では、RAR信号をMAC PDU RARとして説明することがある。また、メッセージ2のMAC PDU RAR(Media Access Control Protocol Data Unit Random Access Response)を送信する際には、PDSCHが用いられる。そしてPDSCHに付随するPDCCHも送信される。
【0054】
基地局100及び、端末200は、メッセージ2の送受信が成功することで、上りの非同期状態から同期状態に遷移する。
【0055】
端末200の制御部220は、送信タイミングに関する情報に応じた送信タイミングで有効な移動局のID等を含むメッセージ3(または、Scheduled Transmission)を端末が基地局に送信する(S30)。なお、メッセージ1においてプリアンブルの衝突が起こっている場合、基地局100の制御部120は当該信号(メッセージ3)を復号(decode)することができず受信に失敗するため、プリアンブルの衝突が生じていたことを認識できる。基地局100の送信部111は、メッセージ3を受信できたか否かの情報含むメッセージ4(または、Contention Resolution)を端末に送信する(S40)。なお、上りデータ信号が発生した場合における競合型ランダムアクセスにおいて、基地局がメッセージ3の受信に成功した場合、PDSCHで有効な端末の識別子(ID)を通知する。なお、基地局がメッセージ3の受信に失敗した場合、端末200の制御部220は、Non-Adaptive HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest )を実施する。
【0056】
なお、基地局100は複数のRAR信号を同一のタイミングで送信できる。そのため、端末200は、メッセージ2を復号する際に、メッセージ1で送信したプリアンブルの識別子に対応するRAR信号を復号する。なお識別の際には、MACヘッダ内のMACサブヘッダを参照する。
【0057】
図7に実施の形態2における無線通信システム2の動作フローの一例を示す。
図7は、t1において、リソース11を用いて基地局100の送信部111から送信されたRAR信号を示している。なお、リソース11内のリソース11A‐11Fは、端末200A-200Fそれぞれに対応したRAR信号の情報が格納されたリソース(言い換えると、MAC PDU RAR)を示している。なお、基地局100は、ライセンスバンドまたはアンライセンスバンドを用いてメッセージ2を送信するとする。
【0058】
端末200の受信部212が基地局100の送信部111から送信されたメッセージ2を受信すると、制御部220は、送信タイミングを示す情報に応じて、送信部211から送信するメッセージ3の送信タイミングを制御する。
【0059】
具体的には、制御部220は、送信タイミングを示す情報に応じて、構成情報(設定情報)に応じて定まるリソース21から所定の期間オフセットした送信タイミングであるリソース31A-31Fでそれぞれの端末200の送信部211からアンライセンスバンドでランダムアクセス手順に関する信号を送信するように制御する。なお、リソース21は、基地局100がメッセージ2を送信したタイミングt1から4サブフレーム後のt5として説明しているが、これに限定するわけでなく、例えば、サブキャリア間隔に応じて変更したり、基地局からの割り当て情報をもとに変更したり、またはサブキャリア間隔と基地局からの割り当て情報をもとに変更するようにしても良い。
【0060】
また、複数の端末200それぞれは、アンライセンスバンドの異なるサブバンド(SB:Sub Band)が割り当てられているとする。なお、具体的には、例えば、アンライセンスバンドが20メガの帯域を有しているとし、20メガをうちの2メガずつをサブバンドとして定義する。なお、サブバンドの帯域(間隔)は、アンライセンスバンドが有する帯域を超えなければどの値に設定しても良い。
【0061】
図7では、アンライセンスバンドが有する帯域を各端末200にかぶらないように割り当てている例である。従って、SB1-SB6は、異なる帯域となる。
【0062】
また、
図7では、各端末200がそれぞれの送信タイミングに関する情報(TX(Xは、整数))に応じた送信タイミングでメッセージ3を送信している例を示している。
【0063】
具体的には、端末200Aは、t5の送信タイミングからT1の時間オフセットされたt9の送信タイミングでリソース31Aを用いてメッセージ3を基地局100に送信する。また、端末200Bは、t5の送信タイミングからT2の時間オフセットされたt8の送信タイミングでリソース31Bを用いてメッセージ3を基地局100に送信する。また、端末200Cは、t5の送信タイミングからT3の時間オフセットされたt7の送信タイミングでリソース31Cを用いてメッセージ3を基地局100に送信する。また、端末200Dは、t5の送信タイミングからT4の時間オフセットされたt6の送信タイミングでリソース31Dを用いてメッセージ3を基地局100に送信する。また、端末200Eは、t5の送信タイミングからT5の時間オフセットされたt9の送信タイミングでリソース31Eを用いてメッセージ3を基地局100に送信する。また、端末200Fは、t5の送信タイミングからオフセットされずに(別の言い方をするとオフセット情報が0を示している)t5の送信タイミングでリソース31Cを用いてメッセージ3を基地局100に送信する。
【0064】
これによって、例えば、他の無線通信システムがt5のタイミングのリソース21で信号を送信している場合、端末200A-200Fの全てでランダムアクセス手順が失敗する可能性があるが、端末200が送信タイミングに関する情報に応じてメッセージ3を送信しているので端末200Fのみがランダムアクセス手順が失敗する可能性があることになる。
【0065】
従って、再度、ランダムアクセス手順を実施する可能性があるのが端末200Fのみとなる。言い換えると、端末200A-200Eについては、他の無線通信システムがリソース21で送信した信号の影響をうけないためランダムアクセス手順の成功率が上がる。
【0066】
また、他の無線通信システムがSB1‐SB6を含むアンライセンスバンド内の帯域を用いて通信する際に当該アンライセンスバンドをセンシングし、アイドルの場合に信号を送信する。仮に他の無線通信システムがt7のタイミングで信号を送信しようとした場合、t5では、端末200Fが、t6では、端末200Dがメッセージ3を送信しているのでビジー判定となる可能性が高い。従って、t5で他の無線通信システムからの影響を受けていない場合、その後のタイミングでも他の無線通信システムからの影響を受ける可能性が低くなる。
【0067】
従って、無線通信システム2の全体として、成功率が向上する。
【0068】
ここで、送信タイミングに関する情報について具体的な例について説明する。送信タイミングに関する情報は、例えば、予め定められた構成情報、基地局100から端末200に通知する構成情報に含まれる情報の少なくとも1つに応じた構成情報である。
【0069】
1つ目の例としては、予め定められた構成情報を用いる例である。予め定められた構成情報は、例えば、実装時点で送信タイミングのオフセット値の最大値Yを設定する。なお、構成情報は、端末200の記憶部230に記憶される。なお、最大値Yは、サブキャリア間隔を規定する値(Δ)に応じて変更しても良い。例えば、サブキャリア間隔を規定する値(Δ)が大きくなるほど最大値Yを大きく設定しても良いし、反対にサブキャリア間隔を規定する値(Δ)が大きくなるほど最大値Yを小さくしても良い。
【0070】
そして、制御部220は、0からYの範囲で選択したオフセット値を送信タイミングに関する情報とし、メッセージ3を送信するタイミングを制御する。なお、制御部220の選択方法としては、例えば、制御部220がランダムに選択する方法や端末200の識別子やプリアンブル識別子のような端末200毎に異なる値を用いて選択する方法がある。なお、例えば、端末200の識別子を用いる方法としては、例えば、端末200の識別子を最大値Yで割り、あまりの数字を送信タイミングに関する情報(オフセット値)とする。同様に、プリアンブル識別子を用いる方法としては、例えば、プリアンブル識別子を最大値Yで割り、あまりの数字を送信タイミングに関する情報(オフセット値)とする。
【0071】
2つ目の例としては、基地局100から端末200に送信タイミングに関する情報を通知する例である。オフセット情報を通知する方法としては、MIB(Master Information Block)やSIB1(System Information Block type 1)、SIB2(System Information Block type 2)のようなSIB(System Information Block)等を用いて報知情報として通知する。また、RRCのメッセージ(例えば、RRC Reconfiguration Message、RRC Setup Message等)を用いて端末個別に通知する。また、MAC PDU RARを送信する際に付随するPDCCHで端末200に通知する。
【0072】
そして、制御部220は、通知された送信タイミングに関する情報に応じてメッセージ3の送信タイミングを制御する。
【0073】
なお、報知情報で通知する場合、例えば、特定の値を通知する方法、複数の値を通知する方法や1つ目の例で説明したような最大値を通知する方法がある。そして、複数の値や最大値を通知された場合は、1つ目の例と同様に、制御部220がランダムに選択する方法や端末200の識別子、プリアンブル識別子のような端末200毎に異なる値を用いて選択する方法がある。
【0074】
3つ目の例としては、基地局100から端末200に送信タイミングに関する情報をランダムアクセス手順のメッセージ内に含めて通知する。具体的に、
図8を用いて説明する。
図8Aは、複数のRAR信号のMAC PDU(Media Access Control Protocol Data Unit)を連結して送信する第1の例を示している。なお、例えば、MACサブヘッダ12A-12Fはそれぞれ、RAR信号11A(MAC RAR1) -RAR信号11F(MAC RAR6)に対応する。また、
図7と同一の符号は、
図7と同一の意味をしている。また、
図8には、PaddingとなるSDU(PDU)を記載していないが必要に応じて、追加しても良い。
【0075】
図8Aの構成の場合、各MACサブへッダ12A-12Fにオフセット情報を付与するか、各RAR信号11A-11Fに送信タイミングに関する情報を付与して送信する。なお、送信タイミングに関する情報は、オフセット可能な最大値またはオフセット値である。なお、最大値の場合は、1つ目の例で説明した方法で選択する。
【0076】
そして、端末200は、制御部220で受信した送信タイミングに関する情報をもとに送信タイミングを制御する。
【0077】
図8Bは、複数のRAR信号のMAC PDU(Media Access Control Protocol Data Unit)を連結して送信する第2の例を示している。
【0078】
図8Bでは、あらたなMAC PDUとして、MAC PDU Delayを定義する。なお、MAC PDU Delayは、仮の名称でどのような文言で定義しても良く、例えば、MAC PDU Offsetと記載しても良い。なお、
図8Bでは、MAC PDU Delayに対するMACサブヘッダを記載していないが、MAC PDU Delay に対するMACサブヘッダをマックヘッダ内に追加しても良い。
【0079】
図9にMAC PDU Delayの構成の一例を示す。
図9におけるOct1は、端末200Aに対応し、以下、Oct2が端末200Bに、Oct3が端末200Cに、Oct4が端末200Dに、Oct5が端末200Eに、Oct6が端末200Fに対応する。要するに、MAC PDU Delay内の構成の上から順にMAC PDU Delayに続くPDUに該当するようにする。なお、Delay offset のビット数を減らし、RAR信号11A-11Fのうち何れかを示すために数ビット使うようにしても良い。例えば、また、MAC PDU Delayに4ビットを用い、RAR信号11A-11Fのうち何れかを示すために4ビット用いる。また、RAR信号11A-11Fのうち何れかを示すための情報をMACサブヘッダのプリアンブル識別子に対応させるためにMACサブヘッダのプリアンブル識別子分と同じビット数
の6
個のOct内のうちの数ビットでRAR信号11A-11Fのうち何れかを示し、残りのビット数をDelay offsetとしても良い。
【0080】
このように、MAC PDU Delay以下のMAC RARに対してまとめて通知する。
【0081】
また、
図10に、複数のRAR信号のMAC PDU(Media Access Control Protocol Data Unit)を連結して送信する第3の例を示している。
【0082】
図10では、
図8Bと同様にあらたなMAC PDUとして、MAC PDU Delayを定義する。なお、
図10も
図8Bと同様に、MAC PDU Delayに対するMACサブヘッダを記載していないが、MAC PDU Delay に対するMACサブヘッダをマックヘッダ内に追加しても良い。
【0083】
図10の例では、同一のオフセット量をまとめて通知する方法である。言い換えると、あるRARに対して共通情報として通知する方法である。
図10において、
図7に記載した端末200Fは、送信タイミングに関する情報に応じて、送信タイミングが変更されていない。すなわち、送信タイミングに関する情報がもともとの位置を示している。そのため、MAC PDU Delay 1よりも前に配置する。
【0084】
また、
図7に記載した端末200A及び200Eは、送信タイミングに関する情報に応じて、t5からt9に変更されている。そのため、MAC PDU Delay 1で送信タイミングに関する情報を送信し、MAC PDU Delay 1に続くRAR信号11A、11Eに応じてメッセージ3を送信する端末200A,200Eは、MAC PDU Delay 1で示される送信タイミングに関する情報に応じた位置でメッセージ3を送信する。
【0085】
また、
図7に記載した端末200Bは、送信タイミングに関する情報に応じて、t5からt8に変更されている。そのため、MAC PDU Delay 2で送信タイミングに関する情報を送信し、MAC PDU Delay 2に続くRAR信号11Bに応じてメッセージ3を送信する端末200は、MAC PDU Delay 2で示される送信タイミングに関する情報に応じた位置でメッセージ3を送信する。
【0086】
また、
図7に記載した端末200Cは、送信タイミングに関する情報に応じて、t5からt7に変更されている。そのため、基地局100の送信部111は、MAC PDU Delay 3で送信タイミングに関する情報を送信する。MAC PDU Delay 3に続くRAR信号11Cに応じてメッセージ3を送信する端末200Cは、MAC PDU Delay 3で示される送信タイミングに関する情報に応じたタイミングでメッセージ3を送信する。
【0087】
また、
図7に記載した端末200Dは、送信タイミングに関する情報に応じて、t5からt6に変更されている。そのため、基地局100の送信部111は、MAC PDU Delay 4で送信タイミングに関する情報を送信する。MAC PDU Delay 4に続くRAR信号11Dに応じてメッセージ3を送信する端末200Dは、MAC PDU Delay 4で示される送信タイミングに関する情報に応じたタイミングでメッセージ3を送信する。
【0088】
このように、端末200は、複数のRAR信号のMAC PDU(Media Access Control Protocol Data Unit)を連結してあるうちの自端末200宛のRAR信号の前(ヘッダ側)のMAC PDU Delayに応じてメッセージ3の送信タイミングを制御することができる。
【0089】
また、MAC PDU Delayの構成としては、例えば、1Octとして、1~8ビットの間でDelay Offsetとして定義する。
【0090】
なお、本実施の形態2については、メッセージ3を送信する前にキャリアセンスを実施しないことを前提に説明している。
【0091】
なお、送信タイミングに関する情報を通知する方法として様々な例を示したが、これらを適宜組み合わせて使っても良い。例えば、報知情報で最大値Yを通知し、MAC PDU Delayで通知された値を最大値Yで割り、余った値に応じて送信タイミングを制御しても良い。また、送信タイミングに変更の無い端末200宛のRAR信号をMAC PDU Delay の前に配置し、送信タイミングに変更のある端末200宛のRAR信号をMAC PDU Delayの後に配置する。そして、
図8及び
図9を用いて説明したように送信タイミングを制御しても良い。
【0092】
以上、実施の形態2について説明した。上記説明から明らかなように、本実施の形態の無線通信システム2によれば、端末200がアンライセンスバンドを用いてメッセージ3を送信する場合のランダムアクセス手順を効率的に行うことができる。また、複数の端末200が同じタイミングでランダムアクセス手順を失敗する可能性が低くなる。従って、無線通信システム2の全体でのアンライセンスバンドを用いたランダムアクセス手順が効率的になる。
[実施の形態3]
【0093】
実施の形態1では、端末200から送信されるランダムアクセス手順の信号の送信タイミングを送信タイミングに関する情報に応じて変更するように制御する例を説明した。
また、実施の形態2では、ランダムアクセス手順におけるメッセージ3の送信タイミングを示す例について説明した。実施の形態3では、さらに、端末200がメッセージ3を連続送信する例を示す。なお、実施の形態3では、無線通信システム、基地局、端末は、実施の形態2と同様なため説明を省略する。
【0094】
端末200からアンライセンスバンドを用いて送信される信号は、基地局100から送信される制御信号(または、制御チャネル(PDCCH: Physical Downlink Control CHannel)で繰り返し送信を指示することができる。
【0095】
そこで、メッセージ3についても繰り返し送信回数を基地局100からの情報をもとに制御する。
【0096】
図11は、実施の形態3における無線通信システム2の動作フローの一例を示す。
図11は、t1において、リソース13を用いて基地局100の送信部111から送信されたRAR信号を示している。なお、リソース13内のリソース13A‐13Fは、端末200A-200Fそれぞれに対応したRAR信号の情報(言い換えるとMAC PDU RAR)が格納されたリソースを示している。また、リソース13は、PDSCH(Physical Down link CHannel)を用いて送信する情報である。
【0097】
なお、
図11に示していないがPDSCHを送信する際には、そのリソース情報等を示すためPDCCHが付随している。
【0098】
図11は、PDCCHによって、メッセージ3の信号の繰り返し送信回数を制御している例である。なお、PDCCHは、例えば、DCI format 0CやDCI format 1_0を用いて通知される。
【0099】
図11において、各端末200の最初の送信タイミングに関する情報は、実施の形態2で説明したいずれかの方法を用いることができるためここでは説明を省略する。
【0100】
また、
図11において、各端末200がメッセージを送信する初めのタイミングは、設定情報に応じて定まるリソース23から所定の期間オフセットした送信タイミングであるリソース33A-1~33F-1である。
【0101】
そして、端末200の制御部220は、PDCCHに格納されている繰り返し送信回数の情報をもとに連続でメッセージ3を送信する。例えば、端末200Aは、t7のタイミングにおいて、リソース33A-1でメッセージ3を送信し、続くリソース33A-2、33A-3、33A-4、でもメッセージ3を送信する。同様に、端末200Bは、t6のタイミングにおいて、リソース33B-1でメッセージ3を送信し、続くリソース33B-2、33B-3、33B-4、でもメッセージ3を送信する。端末200Cは、t5のタイミングにおいて、リソース33C-1でメッセージ3を送信し、続くリソース33C-2、33C-3、33C-4、でもメッセージ3を送信する。端末200Dは、t4のタイミングにおいて、リソース33D-1でメッセージ3を送信し、続くリソース33D-2、33D-3、33D-4、でもメッセージ3を送信する。端末200Eは、t7のタイミングにおいて、リソース33E-1でメッセージ3を送信し、続くリソース33E-2、33E-3、33E-4、でもメッセージ3を送信する。端末200Fは、t3のタイミングにおいて、リソース33F-1でメッセージ3を送信し、続くリソース33F-2、33F-3、33F-4、でもメッセージ3を送信する。
【0102】
また、連続送信回数を指示する情報をメッセージ2となるRAR信号13に格納しても良い。例えば、実施の形態2で説明したMAC PDU Delay内に、送信タイミングに関する情報(Delay offset)に加えて、繰り返し送信回数を示す情報をいれても良い。
【0103】
端末200から送信されるメッセージ3の繰り返し送信が可能になることで各端末200のランダムアクセス手順の成功率があがる。これは、例えば、送信タイミングt2からt5にかけて他の無線通信システムが当該アンライセンスバンドを使用していても、t6以降の送信においては、他の通信システムのから影響が小さくなるため成功する確率があがる。
【0104】
なお、本実施の形態3については、メッセージ3を送信する前にキャリアセンスを実施しないことを前提に説明している。
【0105】
なお、
図11では、繰り返し送信回数が4回の例をもとに説明しているが、繰り返し回数を限定しているわけでない。
【0106】
以上、実施の形態3について説明した。上記説明から明らかなように、本実施の形態の無線通信システム2によれば、端末200がアンライセンスバンドを用いてメッセージ3を送信する場合のランダムアクセス手順を効率的に行うことができる。また、繰り返し送信回数を制御することが可能となり、よりランダムアクセス手順の成功率を上げることができる。
[実施の形態4]
【0107】
実施の形態1では、端末200から送信されるランダムアクセス手順の信号の送信タイミングを送信タイミングに関する情報に応じて変更するように制御する例を説明した。また、実施の形態2では、ランダムアクセス手順におけるメッセージ3の送信タイミングを示す例について説明した。また、実施の形態3では、メッセージ3を連続送信する実施の形態について説明した。実施の形態4では、メッセージ3を連続送信する間隔を制御する実施の形態について説明する。なお、実施の形態4では、無線通信システム、基地局、端末について、実施の形態2及び実施の形態3と同様なため説明を省略する。
【0108】
図12は、実施の形態4における無線通信システム2の動作フローの一例を示す。
図12は、t1において、リソース14を用いて基地局100の送信部111から送信されたRAR信号を示している。なお、リソース14内のリソース14A‐14Fは、端末200A-200Fそれぞれに対応したRAR信号の情報が格納されたリソースを示している。また、リソース14は、PDSCH(Physical Down link CHannel)を介して送信する情報である。
【0109】
なお、
図12に示していないがPDSCHを送信する際には、そのリソース情報等を示すためPDCCHが付随している。
【0110】
図12において、実施の形態4では、初めにメッセージ3を送信する送信タイミングまでの情報をOffset情報1(TX-1(Xは、整数))と記載する。また、連続送信を行うメッセージ間の間隔に関する情報をOffset情報2(TX-2(Xは、整数))として説明する。なお、Offset情報1とOffset情報2をまとめて、送信タイミングに関す情報や構成情報として記載することができる。
【0111】
また、Offset情報1およびOffset情報2の通知方法としては、実施の形態2で説明した方法が適応できるため説明を省略する。要するに、例えば、報知情報で通知する場合、Offset情報1およびOffset情報2に関する情報を報知情報に含めて送信する。ただし、MAC PDU Delayを用いて制御する場合、異なるMACPDUフォーマットを定義することもできる。このMACPDUフォーマットについては、後で説明する。なお、最大値を通知する場合、Offset情報1とOffset情報2で最大値を異ならせても良い。また、複数の値を設定する場合、Offset情報1とOffset情報2で異なる値や異なる値の数を設定しても良い。また、例えば、Offset情報1とOffset情報2とを関連づけても良い。例えば、Offset情報1を所定の値で割った際の余りや、Offset情報1を所定の値で割った値を繰り上げまたは繰り下げた整数で規定しても良い。要するにOffset情報1とOffset情報2は、それぞれ任意に設定できるようにしても良いし、ある程度の関係性を持たせても良い。また、Offset情報1とOffset情報2を共通の情報(言い換えると1つの共通オフセット情報)として同じオフセット情報としても良い。
【0112】
図12において、各端末200がメッセージ3を送信する初めのタイミングは、構成情報(設定情報)に応じて定まるリソース24からOffset情報1に応じて所定の期間オフセットした送信タイミングであるリソース34A-1~34F-1である。また、連続送信するタイミングは、一つ前の送信タイミングであるリソース34A-1~34F-1からOffset情報2に応じた所定の期間オフセットした送信タイミングであるリソース34A-2~34F-2である。
【0113】
要するに各端末200の制御部220は、繰り返し送信回数、Offset情報1及びOffset情報2に応じてメッセージ3を(複数回)送信する。例えば、端末200Aは、t6のタイミングにおいて、リソース34A-1でメッセージ3を送信し、次にt8のタイミングにおいてリソース34A-2でメッセージ3を送信する。同様に、端末200Bは、t6のタイミングにおいて、リソース34B-1でメッセージ3を送信し、次にt7のタイミングにおいてリソース34B-2でメッセージ3を送信する。端末200Cは、t4のタイミングにおいて、リソース34C-1でメッセージ3を送信し、次にt6のタイミングにおいてリソース34C-2でメッセージ3を送信する。端末200Dは、t4のタイミングにおいて、リソース34D-1でメッセージ3を送信し、次にt6のタイミングにおいてリソース34D-2でメッセージ3を送信する。端末200Eは、t5のタイミングにおいて、リソース34E-1でメッセージ3を送信し、次にt8のタイミングにおいてリソース34E-2でメッセージ3を送信する。端末200Fは、t3のタイミングにおいて、リソース34F-1でメッセージ3を送信し、次にt5のタイミングにおいてリソース34F-2でメッセージ3を送信する。
【0114】
ここで、Offset情報1およびOffset情報2をまとめて通知するMAC PDU Delayの構成について説明する。
【0115】
図13A及び
図13Bは、Offset情報1およびOffset情報2をまとめて通知するMAC PDU Delayの構成の例である。
図13A及び
図13Bについて、Offset情報1は、Delay offset 1に対応し、Offset情報2は、Delay offset 2に対応する。また、
図13BのRepetition numberは、繰り返し送信回数を示す情報である。
【0116】
図13Aは、Offset情報1およびOffset情報2が各4ビットずつある例である。この場合、繰り返し送信回数は、例えば、RAR信号14を送信する際に付随するPDCCHに含まれている。
【0117】
図13Aの場合について説明する。例えば、Offset情報1が“0000”を示す場合、設定情報に応じて定まるリソース24に初めてメッセージ3を送信するタイミングとする(例えば、
図12の端末200Fが該当する。)。また、Offset情報1が“0001”を示す場合、設定情報に応じて定まるリソース24から1つ分の所定間隔をあけたリソースを初めてメッセージ3を送信するタイミングとする(例えば、
図12の端末200C、200Dが該当する。)。また、Offset情報1が“0010”を示す場合、設定情報に応じて定まるリソース24から2つ分の所定間隔をあけたリソースを初めてメッセージ3を送信するタイミングとする(例えば、
図12の端末200Eが該当する。)。
【0118】
このように、Offset情報1に応じて初めて送信するタイミングを制御することができる。
【0119】
また、例えば、Offset情報2が“0000”を示す場合、一つ前にメッセージ3を送信したタイミングの次のタイミングで連続送信するメッセージ3を送信する(例えば、
図12の端末200Bが該当する。)。また、Offset情報2が“0001”を示す場合、一つ前にメッセージ3を送信したタイミングから1つ分の所定間隔を
空けたリソースで連続送信するメッセージ3を送信する(例えば、
図12の端末200A,200C、200D、200Fが該当する。)。また、Offset情報3が“0010”を示す場合、一つ前にメッセージ3を送信したタイミングから2つ分の所定間隔をあけたリソースで連続送信するメッセージ3を送信する(例えば、
図12の端末200Eが該当する。)。
【0120】
このように、Offset情報2に応じて連続送信する際の間隔を制御することができる。
【0121】
なお、上記で記載した所定間隔は、例えば、スロット、ミニスロット、サブフレーム等の時間軸で定義される間隔を示すものであれば良い。
【0122】
次に
図13Bの場合について説明する。なお、Offset情報1及びOffset情報2については、
図13Aとビット数が違うだけである。要するにOffset可能な間隔の数が異なる。繰り返し送信回数については、例えば“00”を示す場合、送信回数が1回とする。要するに、初回の送信タイミングのみでしか送信を行わない。また、“01”を示す場合、送信回数が2回とする。要するに、初回の送信タイミングに加えて、1回の繰り返し送信を行う(例えば、
図12の各端末200が該当する。)。また、“10”を示す場合、送信回数が3回とする。要するに、初回の送信タイミングに加えて、2回の繰り返し送信を行う(例えば、
図12の各端末200が該当する。)。また、“11”を示す場合、送信回数が4回とする。要するに、初回の送信タイミングに加えて、3回の繰り返し送信を行う(例えば、
図12の各端末200が該当する。)。
【0123】
このように、繰り返し送信回数に応じて、メッセージ3を送信する制御を行うことが可能となる。
【0124】
なお、
図13A及び
図13Bで定義したMAC PDU Delayを
図8B、
図10に記載しているMAC PDU Delayに入れて使えることは言うまでもない。また、
図9に記載した各Octの内容を
図13Aまたは
図13Bに記載しているOct1の内容に変更しても良い。
【0125】
なお、Offset情報1とOffset情報2は、オフセット可能な最大値またはオフセット値である。なお、最大値の場合は、例えば、実施の形態2で説明した方法を用いる。
【0126】
他の実施の形態でも述べているが、他の無線通信システムがアンライセンスバンドで通信する際には、アンライセンスバンドを対象にキャリアセンスが行われる。しかし、実施の形態4では、t3~t8の期間においていずれかの端末200がメッセージ3を送信している。言い換えると、t3~t8の間では、新たに他の無線通信システムが当該アンライセンスバンドを用いる可能性が低くなる。従って、無線通信システム全体としてランダムアクセス手順を効率的になるのに加え、端末200の連続送信回数も抑えることもできるため、端末200の消費電量の削減も可能とする。
【0127】
以上、実施の形態4について説明した。上記説明から明らかなように、本実施の形態の無線通信システム2によれば、端末200がアンライセンスバンドを用いてメッセージ3を送信する場合のランダムアクセス手順を効率的に行うことができる。また、繰り返し送信回数及びその間隔を制御することが可能となり、よりランダムアクセス手順の成功率を上げることができるため端末200がアンライセンスバンドを用いてメッセージ3を送信する場合のランダムアクセス手順を効率的に行うことができる。
[実施の形態5]
【0128】
実施の形態1では、端末200から送信されるランダムアクセス手順の信号の送信タイミングを送信タイミングに関する情報に応じて変更するように制御する例を説明した。また、実施の形態2乃至4では、ランダムアクセス手順のメッセージ3をもとに説明した。実施の形態5では、ランダムアクセス手順の信号であるメッセージ1に適応した場合について説明する。なお、実施の形態5では、無線通信システム、基地局、端末について、実施の形態2乃至4と同様なため説明を省略する。
【0129】
メッセージ1に適応する際には、実施の形態2乃至4で説明した、メッセージ2を介して送信タイミングに関する情報等を受信する方法以外が適応することができる。要するに、例えば、報知情報を用いて構成情報を設定し、構成情報に応じてメッセージ1の送信を制御する。
【0130】
以上、実施の形態5について説明した。上記説明から明らかなように、本実施の形態の無線通信システム2によれば、端末200がアンライセンスバンドを用いてメッセージ1を送信する場合のランダムアクセス手順を効率的に行うことができる。
[実施の形態6]
【0131】
実施の形態1では、端末200から送信されるランダムアクセス手順の信号の送信タイミングを送信タイミングに関する情報に応じて変更するように制御する例を説明した。また、その変更例として周波数を選択する例も説明している。また、実施の形態2乃至5では、端末200が送信するランダムアクセス手順のメッセージの送信タイミングを制御する例を説明した。実施の形態6では、周波数を選択するための具体的な方法を説明する。なお、実施の形態6では、無線通信システム、基地局、端末について、実施の形態1と同様のため説明を省略する。
【0132】
図14は、実施の形態6における無線通信システム1の動作フローの一例を示す。
図14は、t1において、リソース15を用いて基地局100の送信部111から送信されたランダムアクセス手順の信号を示している。また、リソース15は、PDSCH(Physical Down link CHannel)を介して送信する情報である。
【0133】
端末200は、リソース15で送信されたランダムアクセス手順の信号を受信すると、予め割り当てられているアンライセンスバンドUBの領域45に対してキャリアセンス(またはLBT)を実施する。キャリアセンス(またはLBT)の結果に応じて、端末200の制御部220は、アンライセンスバンドUB内のうち端末200が送信するために必要となる周波数(例えば、実施の形態2のサブバンド相当の周波数)に対応するリソース35を選択する。具体的には、アンライセンスUBが10メガとし、送信に必要なサブバンドが2Mがとした例で説明すると、アンライセンスUBが10メガのうちアイドルとなる領域が6メガとすると、制御部220は、この6メガの中から送信に必要な2メガを選択して送信する。
【0134】
以上のようにすることで、複数の候補から空いている領域を選択することができるため、送信が行われない確率が低下する。従って、アンライセンスバンドを用いたランダムアクセス手順が効率的になる。
【0135】
ここで、アンライセンスバンドUBの具体的な通知方法について説明する。
【0136】
通知方法1つ目の例としては、基地局100から端末200に送信タイミングに関する情報を通知する例である。オフセット情報を通知する方法としては、MIB(Master Information Block)やSIB1(System Information Block type 1)、SIB2(System Information Block type 2)のようなSIB(System Information Block)等を用いて報知情報として通知する。また、RRCのメッセージ(例えば、RRC Reconfiguration Message、RRC Setup Message等)を用いて端末個別に通知する。
【0137】
2つの目の例としては、リソース15でメッセージ2が送信されている場合に、MAC PDU RARを送信する際に付随するPDCCHで端末200に通知する。
【0138】
3つ目の例としては、新たなPDUまたはPDU内の構成情報を定義し、周波数オフセット情報を通知する。具体的には、例えば、割り当てられるアンライセンスバンドに対して、±Xメガを示す情報を通知する。例えば、PUCCHで2メガのアンライセンスバンドの帯域を通知し、新たに定義される新たなPDUまたはPDU内の構成情報に応じて±Xメガでキャリアセンス(LBT)を行うように制御する。
【0139】
なお、PDUを連結させる場合は、実施の形態2で説明しているPDU Delayのように連結することができる。
【0140】
以上、実施の形態6について説明した。上記説明から明らかなように、本実施の形態の無線通信システム1によれば、端末200がアンライセンスバンドを用いてランダムアクセス手順の信号を送信する場合のランダムアクセス手順を効率的に行うことができる。
【0141】
実施の形態2乃至5では、端末200から基地局100に送信するランダムアクセス手順の信号の送信タイミングを変更が可能なようにする例を説明した。また、実施の形態6では、周波数軸で選択して送信する例を説明した。しかし、本願は、これに限らず、例えば、実施の形態2乃至6を組み合わせて用いても良い。要するに周波数軸及び時間軸両方で調整することもできる。このようにすることでアンライセンスバンドを用いたランダムアクセス手順がより効率的になる。なお、各々の情報の通知方法は、各実施の形態で説明している方法を用いる。また、同じ方法で通知する場合は、1つの信号にまとめて送信しても良い。
【0142】
また、実施の形態2乃至5では、競合型のランダムアクセス手順をベースに説明したが非競合型のランダムアクセス手順でも同様なことが可能である。また、非競合型のランダムアクセス手順でメッセージ1に適応する場合、実施の形態2乃至4で説明しているMAC PDU Delayを基地局100がメッセージ0を送信する際に用いても良い。
【0143】
また、制御部220は、メッセージ1及びメッセージ3の両方の送信タイミングを実施の形態1乃至6で説明した方法を用いて送信タイミングや送信するアンライセンスの周波数等を制御してもよい。
【0144】
また、実施の形態1乃至6の基地局100は、基地局100から端末200にランダムアクセス手順の信号を送信する際には、ライセンスバンドとする。要するに、LAAを用いる。
【0145】
また、実施の形態1乃至6の基地局100は、基地局100から端末200にランダムアクセス手順の信号を送信する際には、アンライセンスバンドとしても良い。
【0146】
また、実施の形態3、4等で説明したランダムアクセス手順の信号の連続送信回数(送信回数)の最大値を通知し、端末200の制御部220が0から最大値の間で選択するように制御しても良い。
[各実施形態の無線通信システムにおける各装置のハードウェア構成]
【0147】
図15及び
図16に基づいて、各実施の形態および各変形例の無線通信システムにおける各装置のハードウェア構成を説明する。
【0148】
図15は、基地局100のハードウェア構成を示す図である。
図15に示すように、基地局100は、ハードウェアの構成要素として、例えばアンテナ310を備えるRF(Radio Frequency)回路320と、CPU(Central Processing Unit)330と、DSP(Digital Signal Processor)340と、メモリ350と、ネットワークIF(Interface)360とを有する。CPUは、バスを介して各種信号やデータ信号の入出力が可能なように接続されている。メモリ350は、例えばSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)等のRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、およびフラッシュメモリの少なくともいずれかを含み、プログラムや制御情報やデータ信号を格納する。
【0149】
図2に示す基地局100の機能構成と
図15に示す基地局100のハードウェア構成との対応を説明する。送信部111および受信部112(あるいは通信部140)は、例えばRF回路320、あるいはアンテナ310およびRF回路320により実現される。制御部120は、例えばCPU330、DSP340、メモリ350、不図示のデジタル電子回路等により実現される。デジタル電子回路としては、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-
Programmable Gate Array)、LSI(Large Scale Integration)等が挙げられる。
なお、基地局100において、複数のサブバンドで送信される複数のデータ信号
を生成することもできるが、これらを生成するフィルタが、サブバンド毎に独立して構成されるようにしても良い。
【0150】
図16は、端末200のハードウェア構成を示す図である。
図16に示すように、端末200は、ハードウェアの構成要素として、例えばアンテナ410を備えるRF回路420と、CPU430と、メモリ440とを有する。さらに、端末200は、CPU430に接続されるLCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置を有してもよい。メモリ440は、例えばSDRAM等のRAM、ROM、およびフラッシュメモリの少なくともいずれかを含み、プログラムや制御情報やデータ信号を格納する。
【0151】
図3に示す無線端末200の機能構成と
図16に示す無線端末200のハードウェア構成との対応を説明する。送信部211および受信部212(あるいは通信部240)は、例えばRF回路420、あるいはアンテナ410およびRF回路420により実現される。制御部220は、例えばCPU430、メモリ440、不図示のデジタル電子回路等により実現される。デジタル電子回路としては例えば、例えばASIC、FPGA、LSI等が挙げられる。
【符号の説明】
【0152】
1 無線通信システム
2 無線通信システム
100 基地局
C10 セル
110 無線通信部
111 送信部
112 受信部
120 制御部
130 記憶部
140 通信部
200 端末
200A-200F 端末
210 通信部
211 送信部
212 受信部
220 制御部
230 記憶部
310 アンテナ
320 RF回路
330 CPU
340 DSP
350 メモリ
360 ネットワークIF
410 アンテナ
420 RF回路
430 CPU
440 メモリ