(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-12
(45)【発行日】2023-06-20
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 41/40 20220101AFI20230613BHJP
【FI】
H04L41/40
(21)【出願番号】P 2023018471
(22)【出願日】2023-02-09
【審査請求日】2023-02-09
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢島 英治
【審査官】宮島 郁美
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-159346(JP,A)
【文献】特開2015-142269(JP,A)
【文献】特開2013-69193(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L12/00-13/18,41/00-49/9057,61/00-65/80,69/00-69/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置において、
各機器と前記各機器が利用する仮想ネットワークに関する情報とを対応付けた定義情報を記憶する記憶部と、
第1の仮想ネットワークを用いて前記情報処理装置と接続されるネットワーク機器に機器が接続されたことを、前記第1の仮想ネットワークを介して検出する検出部と、
前記定義情報に基づき前記機器が利用する第2の仮想ネットワークを特定し、前記機器が接続された前記ネットワーク機器の接続ポートに、第2の仮想ネットワークを設定する設定部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記設定部は、
前記ネットワーク機器が保持する各接続ポートと前記各接続ポートに設定される仮想ネットワークとを管理する管理情報において、前記機器が接続されたことで前記ネットワーク機器の接続ポートと対応付けられた前記第1の仮想ネットワークを、前記第2の仮想ネットワークに変更することで、前記機器が接続された前記ネットワーク機器の接続ポートに、前記第2の仮想ネットワークを設定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記記憶部は、
制御装置およびデバイスを含む前記各機器が利用する前記仮想ネットワークに関する情報を対応付けた前記定義情報を記憶し、
前記検出部は、
初期状態の仮想ネットワークとして設定された前記第1の仮想ネットワークを用いて、前記制御装置および前記デバイスのうち少なくとも1つの機器を検出する検出部と、
前記設定部は、
前記機器として前記制御装置が検出された場合に、前記制御装置が接続された前記ネットワーク機器の接続ポートに、前記第2の仮想ネットワークを設定し、
前記機器として前記デバイスが検出された場合に、前記デバイスが接続された前記ネットワーク機器の接続ポートに、前記第2の仮想ネットワークを設定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記記憶部は、
前記定義情報として、前記制御装置および前記制御装置が制御する前記デバイスが割り当てられるネットワークセグメントを識別する仮想ネットワークの識別番号を記憶する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記検出部は、
所定期間ごとに前記ネットワーク機器を介して前記各機器の検索を実行し、
前記設定部は、
前記検索によって検出された前記各機器のうち前記定義情報が変更された前記機器を特定し、変更後の前記定義情報に基づき前記機器が利用する第3の仮想ネットワークを特定し、前記機器が接続された前記ネットワーク機器の接続ポートに、第3の仮想ネットワークを設定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記検出部は、
所定期間ごとに前記ネットワーク機器を介して前記各機器の検索を実行し、
前記設定部は、
前記検索によって検出された前記各機器のうち前記定義情報が削除された前記機器を特定し、前記機器が接続された前記ネットワーク機器の接続ポートに、前記第1の仮想ネットワークを設定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記デバイスは、
プラントに設置される前記ネットワーク機器に接続され、前記プラントからプラント情報(例:センサ値)を収集する機器であり、
前記制御装置は、
前記プラントを管理する計器室に設置される前記ネットワーク機器に接続され、前記デバイスが送信する前記プラント情報を受信する機器である、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項8】
情報処理装置が、
第1の仮想ネットワークを用いて前記情報処理装置と接続されるネットワーク機器に機器が接続されたことを、前記第1の仮想ネットワークを介して検出し、
各機器と前記各機器が利用する仮想ネットワークに関する情報とを対応付けた定義情報に基づき、前記ネットワーク機器に接続された前記機器が利用する第2の仮想ネットワークを特定し、前記機器が接続された前記ネットワーク機器の接続ポートに、前記第2の仮想ネットワークを設定する、
処理を実行する情報処理方法。
【請求項9】
情報処理装置に、
第1の仮想ネットワークを用いて前記情報処理装置と接続されるネットワーク機器に機器が接続されたことを、前記第1の仮想ネットワークを介して検出し、
各機器と前記各機器が利用する仮想ネットワークに関する情報とを対応付けた定義情報に基づき、前記ネットワーク機器に接続された前記機器が利用する第2の仮想ネットワークを特定し、前記機器が接続された前記ネットワーク機器の接続ポートに、前記第2の仮想ネットワークを設定する、
処理を実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
仮想ローカルネットワーク(Virtual Local Area Network:VLAN)の番号に基づいて、ネットワークスイッチにより複数の外部装置を仮想的なグループ分けを行う技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記技術では、効果的にネットワークを構築することが難しい。例えば、上記技術では、任意の接続ポートにネットワーク線を物理的に接続した後、ネットワーク線の接続ポートの接続付け替えをすることなく、仮想的にグループ分けした複数の外部装置間の通信を可能にすることは困難である。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、効果的にネットワークを構築することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、情報処理装置において、各機器と前記各機器が利用する仮想ネットワークに関する情報とを対応付けた定義情報を記憶する記憶部と、第1の仮想ネットワークを用いて前記情報処理装置と接続されるネットワーク機器に機器が接続されたことを、前記第1の仮想ネットワークを介して検出する検出部と、前記定義情報に基づき前記機器が利用する第2の仮想ネットワークを特定し、前記機器が接続された前記ネットワーク機器の接続ポートに、第2の仮想ネットワークを設定する設定部と、を備える情報処理装置を提供する。
【0007】
また、本発明は、情報処理装置が、第1の仮想ネットワークを用いて前記情報処理装置と接続されるネットワーク機器に機器が接続されたことを、前記第1の仮想ネットワークを介して検出し、各機器と前記各機器が利用する仮想ネットワークに関する情報とを対応付けた定義情報に基づき、前記ネットワーク機器に接続された前記機器が利用する第2の仮想ネットワークを特定し、前記機器が接続された前記ネットワーク機器の接続ポートに、前記第2の仮想ネットワークを設定する、処理を実行する情報処理方法を提供する。
【0008】
また、本発明は、情報処理装置に、第1の仮想ネットワークを用いて前記情報処理装置と接続されるネットワーク機器に機器が接続されたことを、前記第1の仮想ネットワークを介して検出し、各機器と前記各機器が利用する仮想ネットワークに関する情報とを対応付けた定義情報に基づき、前記ネットワーク機器に接続された前記機器が利用する第2の仮想ネットワークを特定し、前記機器が接続された前記ネットワーク機器の接続ポートに、前記第2の仮想ネットワークを設定する、処理を実行させる情報処理プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、効果的にネットワークを構築することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図2】実施形態に係るコンフィグレータの構成例を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る定義データ記憶部の一例を示す図である。
【
図4】VLAN未使用のフィールドネットワークの設定処理の一例を示す図である。
【
図5】実施形態に係るフィールドネットワークの設定処理1の一例を示す図である。
【
図6】実施形態に係るフィールドネットワークの設定処理2の一例を示す図である。
【
図7】実施形態に係るフィールドネットワークの設定処理3の一例を示す図である。
【
図8】実施形態に係るフィールドネットワークの設定処理4の一例を示す図である。
【
図9】実施形態に係るフィールドネットワークの設定処理5の一例を示す図である。
【
図10】実施形態に係るフィールドネットワーク構築処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】実施形態に係るVLAN設定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12】実施形態に係るハードウェア構成例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の一実施形態に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態により限定されるものではない。
【0012】
〔実施形態〕
以下に、実施形態に係る情報処理システム100の構成および処理、情報処理システム100の各装置の構成および処理、コンフィグレータ10の設定処理の具体例、情報処理システム100の処理の流れを順に説明し、最後に実施形態の効果を説明する。
【0013】
〔1.情報処理システム100の構成および処理〕
図1を用いて、実施形態に係る情報処理システム100の構成を詳細に説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理システム100の構成例を示す図である。以下に、情報処理システム100全体の構成例、情報処理システム100の処理例、参考技術の情報処理システムの問題点を順に説明し、最後に情報処理システム100の効果について説明する。なお、実施形態では、プラントにおける工場生産遠隔監視を一例にして説明するが、利用分野を限定するものではなく、電力モニタ、風力発電、上下水モニタ、河川監視等の環境計測遠隔監視に適用することもできる。
【0014】
(1-1.情報処理システム100全体の構成例)
情報処理システム100は、情報処理装置であるコンフィグレータ10、制御装置であるコントローラ20(20-1、20-2、20-3)、ネットワーク機器であるL2スイッチ30(30-1、30-2、30-3、30-4)およびフィールド機器等のデバイス40(40-1、40-2、40-3、40-4、40-5、40-6)を有する。ここで、コンフィグレータ10およびコントローラ20は、プラントを管理するプラント計器室(適宜、「計器室」)に設置される。また、デバイス40は、プラント現場(適宜、「現場」)に設置される。また、プラント計器室に設置されるL2スイッチ30-1は、コンフィグレータ10およびコントローラ20(20-1、20-2、20-3)と接続される。また、プラント現場に設置されるL2スイッチ30-2は、デバイス40-1およびデバイス40-2と接続される。また、プラント現場に設置されるL2スイッチ30-3は、デバイス40-3およびデバイス40-4と接続される。また、プラント現場に設置されるL2スイッチ30-4は、デバイス40-5およびデバイス40-6と接続される。このとき、L2スイッチ30(30-1、30-2、30-3、30-4)は、環状に接続されている。なお、
図1に示した情報処理システム100には、複数台のコンフィグレータ10が含まれてもよい。
【0015】
(1-2.情報処理システム100全体の処理例)
上記のような情報処理システム100全体の処理例について説明する。なお、下記の処理は、異なる順序で実行することもできる。また、下記の処理のうち、省略される処理があってもよい。
【0016】
(1-2-1.定義ファイル設定処理)
コンフィグレータ10は、定義情報を含む定義ファイルを設定する(
図1(1)参照)。例えば、コンフィグレータ10は、システムインテグレータ等のプラント管理者の操作によって定義ファイルの入力を受け付け、保存する。なお、コンフィグレータ10は、図示しない装置やデータベースから定義ファイルを受信してもよい。
【0017】
ここで、定義情報とは、ネットワーク機器であるL2スイッチ30に接続された接続機器(適宜、「機器」)であるコントローラ20およびデバイス40の識別情報と、コントローラ20およびデバイス40それぞれのネットワークセグメントの識別情報とを対応付けた情報である。例えば、定義情報は、コントローラ20およびデバイス40の識別番号と、コントローラ20およびデバイス40それぞれをグループ分けするためのVLAN識別番号との組合せである。
【0018】
(1-2-2.コントローラVLAN設定処理)
コンフィグレータ10は、コントローラ20のVLANを設定する(
図1(2)参照)。第1に、コンフィグレータ10は、コントローラ20を検索し、ネットワーク上のコントローラ20を検出する。例えば、コンフィグレータ10は、L2スイッチ30-1を介してネットワークを検索し、L2スイッチ30-1に接続されたコントローラ20-1、コントローラ20-2およびコントローラ20-3を検出する。このとき、コンフィグレータ10は、ネットワークを物理的に接続した際に設定された初期設定VLAN(例:VLAN_ID=1)によってコントローラ20を検出する。
【0019】
第2に、コンフィグレータ10は、検出したコントローラ20のVLANを変更する。例えば、コンフィグレータ10は、保存している定義ファイルにしたがって、コントローラ20-1の定義されたVLAN(例:VLAN_ID=10)、コントローラ20-2の定義されたVLAN(例:VLAN_ID=20)、コントローラ20-3の定義されたVLAN(例:VLAN_ID=30)にそれぞれ変更する。
【0020】
(1-2-3.デバイスVLAN設定処理)
コンフィグレータ10は、デバイス40のVLANを設定する(
図1(3)参照)。第1に、コンフィグレータ10は、デバイス40を検索し、ネットワーク上のデバイス40を検出する。例えば、コンフィグレータ10は、L2スイッチ30-2を介してネットワークを検索し、L2スイッチ30-2に接続されたデバイス40-1およびデバイス40-2を検出する。また、コンフィグレータ10は、L2スイッチ30-3を介してネットワークを検索し、L2スイッチ30-3に接続されたデバイス40-3およびデバイス40-4を検出する。また、コンフィグレータ10は、L2スイッチ30-4を介してネットワークを検索し、L2スイッチ30-4に接続されたデバイス40-5およびデバイス40-6を検出する。このとき、コンフィグレータ10は、ネットワークを物理的に接続した際に設定された初期VLAN(例:VLAN_ID=1)によってデバイス40を検出する。
【0021】
第2に、コンフィグレータ10は、検出したデバイス40のVLANを変更する。例えば、コンフィグレータ10は、保存している定義ファイルに従って、デバイス40-1の定義されたVLAN(例:VLAN_ID=10)、デバイス40-2の定義されたVLAN(例:VLAN_ID=20)、デバイス40-3の定義されたVLAN(例:VLAN_ID=30)、デバイス40-4の定義されたVLAN(例:VLAN_ID=10)、デバイス40-5の定義されたVLAN(例:VLAN_ID=20)、デバイス40-6の定義されたVLAN(例:VLAN_ID=30)にそれぞれ変更する。
【0022】
(1-3.情報処理システム100の効果)
以下では、フィールドネットワークの背景、特許文献1に記載された参考技術の概要および問題点について説明した上で、情報処理システム100の効果について説明する。
【0023】
(1-3-1.フィールドネットワークの背景)
プラント現場において構築されるネットワークであるフィールドネットワークでは、制御装置とフィールド機器とが物理的および論理的に接続されることで利用可能となる。ここで、プラントには多くのフィールド機器が存在し、システム管理のためにネットワークセグメントを分けて接続することが求められる。また、フィールド機器を設置する役割と計装システムを構築する役割は所掌が異なる場合が多く、双方が事前に取り決めた指示書に従って作業を実施する。したがって、フィールド機器を設置してネットワークに接続する場合には、物理的に誤ったネットワークセグメントに接続してしまうと、システム構築側はフィールド機器が制御装置から認識できず、プラント立ち上げ作業の時間的ロスが生じる。
【0024】
(1-3-2.参考技術の概要)
参考技術の情報処理システムでは、以下のような情報処理が実行される。第1に、ネットワークスイッチは、接続された制御装置やフィールド機器等の外部装置からIPアドレスを受信する。第2に、ネットワークスイッチは、受信した外部装置のIPアドレスに基づいて、VLAN番号を設定する。上記のように、参考技術の情報処理システムでは、VLAN番号に基づいて、複数の外部装置を仮想的なグループ分けを行う技術である。
【0025】
(1-3-3.参考技術の情報処理の問題点)
上記の参考技術のように、ネットワークスイッチを用いて制御装置やフィールド機器等の外部装置を仮想的にグループ分けする技術では、以下の問題点がある。ネットワークスイッチの接続ポートに、一方の側が制御装置あるいはフィールド機器に接続されているネットワーク線の反対の側を接続する場合、いずれの接続ポートに物理的に接続した場合であっても、つまり任意の接続ポートにネットワーク線を物理的に接続した場合であっても、その後、ネットワーク線の接続ポートの接続付け替えをすることなく、仮想的にグループ分けした制御装置とフィールド機器との間の通信を可能にすることが難しい。すなわち、ネットワーク線の接続ミスが発生した場合やグループ分けを変更したい場合には、ネットワーク線の接続ポートの接続付け替えをする必要があるので、現場作業の増加や工数増加につながっている。
【0026】
(1-3-4.情報処理システム100の概要)
情報処理システム100において、コンフィグレータ10は、L2スイッチ30に接続されるコントローラ20およびデバイス40ごとに対応付けされたVLAN識別番号を含む定義ファイルを記憶し、初期VLANに設定されたL2スイッチ30を介してコントローラ20およびデバイス40を検出し、コントローラ20およびデバイス40が検出された場合にコントローラ20およびデバイス40それぞれを定義ファイルの示すVLAN識別番号に対応するVLANに設定する。
【0027】
(1-3-5.情報処理システム100の効果)
情報処理システム100では、ネットワークセグメントを意識したネットワークスイッチの接続ポートへの接続を考えることなく、ネットワーク線をネットワークスイッチのいずれかの接続ポートに一旦、物理的に接続すれば、その後、ネットワーク線の接続ポートの物理的な接続付け替えを行うことなく、仮想的にグループ分けした制御装置とフィールド機器との間の通信を可能にすることができるので、現場作業の軽減、工数削減を図ることができる。
【0028】
〔2.情報処理システム100の各装置の構成および処理〕
図2を用いて、
図1に示した情報処理システム100が有するコンフィグレータ10等の各装置の機能構成について説明する。
図2は、実施形態に係る情報処理システム100の各装置の構成例を示すブロック図である。以下では、実施形態に係る情報処理システム100全体の構成例を説明した上で、コンフィグレータ10の構成例および処理例、コントローラ20の構成例および処理例、L2スイッチ30の構成例および処理例、ならびにデバイス40の構成例および処理例を詳細に説明する。
【0029】
(2-1.情報処理システム100全体の構成例)
図2を用いて、
図1に示した情報処理システム100全体の構成例について説明する。
図2に示すように、情報処理システム100は、コンフィグレータ10、コントローラ20、L2スイッチ30およびデバイス40を有する。コンフィグレータ10は、コントローラ20、L2スイッチ30およびデバイス40と、所定の通信網によって通信可能に接続されている。
【0030】
(2-2.コンフィグレータ10の構成例および処理例)
図2を用いて、情報処理装置であるコンフィグレータ10の構成例および処理例について説明する。コンフィグレータ10は、入力部11、出力部12、通信部13、記憶部14および制御部15を有する。
【0031】
(2-2-1.入力部11)
入力部11は、当該コンフィグレータ10への各種情報の入力を司る。例えば、入力部11は、マウスやキーボード等で実現され、当該コンフィグレータ10への設定情報等の入力を受け付ける。
【0032】
(2-2-2.出力部12)
出力部12は、当該コンフィグレータ10からの各種情報の出力を司る。例えば、出力部12は、ディスプレイ等で実現され、当該コンフィグレータ10に記憶された設定情報等を表示する。
【0033】
(2-2-3.通信部13)
通信部13は、他の装置との間でのデータ通信を司る。例えば、通信部13は、ルータ等を介して、各通信装置との間でデータ通信を行う。また、通信部13は、図示しないオペレータの端末との間でデータ通信を行うことができる。
【0034】
(2-2-4.記憶部14)
記憶部14は、制御部15が動作する際に参照する各種情報や、制御部15が動作した際に取得した各種情報を記憶する。記憶部14は、定義ファイル記憶部14aを有する。ここで、記憶部14は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置等で実現され得る。なお、
図2の例では、記憶部14は、コンフィグレータ10の内部に設置されているが、コンフィグレータ10の外部に設置されてもよいし、複数の記憶部が設置されていてもよい。
【0035】
(2-2-4-1.定義ファイル記憶部14a)
定義ファイル記憶部14aは、システムインテグレータ等のプラント管理者の操作によって入力された定義情報を含む定義ファイルを記憶する。定義ファイル記憶部14aは、各機器と各機器が利用する仮想ネットワーク(VLAN)に関する情報とを対応付けた定義情報を記憶する。このとき、定義ファイル記憶部14aは、制御装置であるコントローラ20およびフィールド機器等のデバイス40を含む各機器が利用する仮想ネットワークに関する情報を対応付けた定義情報を記憶する。また、定義ファイル記憶部14aは、定義情報として、コントローラ20およびコントローラ20が制御するデバイス40が割り当てられるネットワークセグメントを識別する仮想ネットワークの識別番号を記憶する。
【0036】
ここで、
図3を用いて、定義ファイル記憶部14aが記憶する情報の一例を説明する。
図3は、実施形態に係るコンフィグレータ10の定義ファイル記憶部14aの一例を示す図である。なお、
図3の例において、定義ファイル記憶部14aは、定義情報としてテキストデータを記憶しているが、定義情報の形式は限定されない。
【0037】
すなわち、
図3では、「Controller-1」によって識別される制御装置であるコントローラ20-1のVLAN識別番号が「VLAN10」、「Controller-2」によって識別される制御装置であるコントローラ20-2のVLAN識別番号が「VLAN20」、「Controller-3」によって識別される制御装置であるコントローラ20-3のVLAN識別番号が「VLAN30」、「Device-1」によって識別されるデバイスであるデバイス40-1のVLAN識別番号が「VLAN10」、「Device-2」によって識別されるデバイスであるデバイス40-2のVLAN識別番号が「VLAN20」、「Device-3」によって識別されるデバイスであるデバイス40-3のVLAN識別番号が「VLAN30」、「Device-4」によって識別されるデバイスであるデバイス40-4のVLAN識別番号が「VLAN10」、「Device-5」によって識別されるデバイスであるデバイス40-5のVLAN識別番号が「VLAN20」、「Device-6」によって識別されるデバイスであるデバイス40-6のVLAN識別番号が「VLAN30」である例を示す。
【0038】
(2-2-5.制御部15)
制御部15は、当該コンフィグレータ10全体の制御を司る。制御部15は、取得部15a、検出部15bおよび設定部15cを有する。ここで、制御部15は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の電子回路やASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現され得る。
【0039】
(2-2-5-1.取得部15a)
取得部15aは、各種情報を取得する。例えば、取得部15aは、入力部11を介してプラント管理者の操作によって入力された、各機器と各機器が利用する仮想ネットワーク(VLAN)に関する情報とを対応付けた定義情報を取得する。なお、取得部15aは、取得した定義情報を定義ファイル記憶部14aに格納する。
【0040】
ここで、「機器」とは、ネットワーク機器(例:L2スイッチ)以外の外部装置であって、ネットワーク機器に接続されるデバイスであるフィールド機器、コントローラである制御装置等である。
【0041】
具体的な例について説明すると、取得部15aは、ネットワークセグメント1の定義情報{VLAN識別番号:「VLAN10」,制御装置:「Controller-1」,フィールド機器1:「Device-1」,フィールド機器2:「Device-4」,・・・}、ネットワークセグメント2の定義情報{VLAN識別番号:「VLAN20」,制御装置:「Controller-2」,フィールド機器1:「Device-2」,フィールド機器2:「Device-5」,・・・}、ネットワークセグメント3の定義情報{VLAN識別番号:「VLAN30」,制御装置:「Controller-3」,フィールド機器1:「Device-3」,フィールド機器2:「Device-6」,・・・}、・・・を取得する。
【0042】
(2-2-5-2.検出部15b)
検出部15bは、ネットワーク機器に接続されるコントローラ20やデバイス40等の各機器を検出する。例えば、検出部15bは、第1の仮想ネットワークを用いて情報処理装置であるコンフィグレータ10と接続されるネットワーク機器であるL2スイッチ30に機器が接続されたことを、第1の仮想ネットワークを介して検出する。このとき、検出部15bは、初期状態の仮想ネットワークとして設定された第1の仮想ネットワークを用いて、コンフィグレータ10およびデバイス40のうち少なくとも1つの機器を検出する。
【0043】
具体的な例について説明すると、検出部15bは、初期状態の第1の仮想ネットワークを識別するVLAN識別番号「VLAN1」に設定されたL2スイッチ30(30-1、30-2、30-3、30-4)を介して、L2スイッチ30-1である「L2SW-1」に接続されたコントローラ20-1である「Controller-1」、コントローラ20-2である「Controller-2」、およびコントローラ20-3である「Controller-3」を検出する。また、検出部15bは、同様に、L2スイッチ30-2である「L2SW-2」に接続されたデバイス40-1である「Device-1」およびデバイス40-2である「Device-2」、L2スイッチ30-3である「L2SW-3」に接続されたデバイス40-3である「Device-3」およびデバイス40-4である「Device-4」、ならびにL2スイッチ30-4である「L2SW-4」に接続されたデバイス40-5である「Device-5」およびデバイス40-6である「Device-6」を検出する。
【0044】
また、検出部15bは、所定期間ごとにネットワーク機器を介してコントローラ20やデバイス40等の各機器の検索を実行する。例えば、検出部15bは、1日おきにL2スイッチ30(30-1、30-2、30-3、30-4)を介して、コントローラ20(20-1、20-2、20-3)およびデバイス40(40-1、40-2、40-3、40-4、40-5、40-6)の検索を実行する。
【0045】
(2-2-5-3.設定部15c)
設定部15cは、定義情報に基づき機器が利用する第2の仮想ネットワークを特定し、機器が接続されたネットワーク機器であるL2スイッチ30の接続ポートに、第2の仮想ネットワークを設定する。例えば、設定部15cは、機器として制御装置であるコントローラ20が検出された場合に、コントローラ20が接続されたL2スイッチ30の接続ポートに第2の仮想ネットワークを設定し、機器としてフィールド機器等のデバイス40が検出された場合に、デバイス40が接続されたL2スイッチ30の接続ポートに第2の仮想ネットワークを設定する。このとき、設定部15cは、L2スイッチ30が保持する各接続ポートと各接続ポートに設定される仮想ネットワークとを管理する管理情報において、機器が接続されたことでL2スイッチ30の接続ポートと対応付けられた第1の仮想ネットワークを、第2の仮想ネットワークに変更することで、機器が接続されたL2スイッチ30の接続ポートに、第2の仮想ネットワークを設定する。
【0046】
具体的な例について説明すると、設定部15cは、定義情報に基づいて、{制御装置:「Controller-1」,VLAN識別番号:「VLAN10」}、{制御装置:「Controller-2」,VLAN識別番号:「VLAN20」}、{制御装置:「Controller-3」,VLAN識別番号:「VLAN30」}、{フィールド機器:「Device-1」,VLAN識別番号:「VLAN10」}、{フィールド機器:「Device-2」,VLAN識別番号:「VLAN20」}、{フィールド機器:「Device-3」,VLAN識別番号:「VLAN30」}、{フィールド機器:「Device-4」,VLAN識別番号:「VLAN10」}、{フィールド機器:「Device-5」,VLAN識別番号:「VLAN20」}、{フィールド機器:「Device-6」,VLAN識別番号:「VLAN30」}のように機器が利用する第2の仮想ネットワークを特定する。
【0047】
また、設定部15cは、定義情報に基づいて、L2スイッチ30-1が保持する管理情報{接続ポート1-1:「VLAN1」,接続ポート1-2:「VLAN1」,接続ポート1-3:「VLAN1」}を{接続ポート1-1:「VLAN10」,接続ポート1-2:「VLAN20」,接続ポート1-3:「VLAN30」}に変更し、L2スイッチ30-2が保持する管理情報{接続ポート2-1:「VLAN1」,接続ポート2-2:「VLAN1」}を{接続ポート2-1:「VLAN10」,接続ポート2-2:「VLAN20」}に変更し、L2スイッチ30-3が保持する管理情報{接続ポート3-1:「VLAN1」,接続ポート3-2:「VLAN1」}を{接続ポート3-1:「VLAN30」,接続ポート3-2:「VLAN10」}に変更し、L2スイッチ30-4が保持する管理情報{接続ポート4-1:「VLAN1」,接続ポート4-2:「VLAN1」}を{接続ポート4-1:「VLAN20」,接続ポート4-2:「VLAN30」}に変更することで、機器が接続されたL2スイッチ30の接続ポートに、第2の仮想ネットワークを設定する。
【0048】
また、設定部15cは、検出部15bの検索によって検出された各機器のうち定義情報が変更された機器を特定し、変更後の定義情報に基づき機器が利用する第3の仮想ネットワークを特定し、機器が接続されたネットワーク機器の接続ポートに、第3の仮想ネットワークを設定する。
【0049】
具体的な例について説明すると、設定部15cは、「Controller-1」によって識別される制御装置であるコントローラ20-1のVLAN識別番号が「VLAN10」から「VLAN20」に変更されていることを特定し、コントローラ20-1が接続されているL2スイッチ30-1が保持する管理情報を{接続ポート1-1:「VLAN10」}から{接続ポート1-1:「VLAN20」}に変更することで、変更後の定義情報に基づくコントローラ20-1が利用する第3の仮想ネットワークを設定する。
【0050】
また、設定部15cは、検出部15bの検索によって検出された各機器のうち定義情報が削除された機器を特定し、機器が接続されたネットワーク機器の接続ポートに、第1の仮想ネットワークを設定する。
【0051】
具体的な例について説明すると、設定部15cは、「Device-1」によって識別されるデバイス40-1のVLAN識別番号が削除されていることを特定し、デバイス40-1が接続されているL2スイッチ30-2が保持する管理情報を{接続ポート2-1:「VLAN10」}から{接続ポート2-1:「VLAN1」}に変更することで、初期状態の仮想ネットワークである第1の仮想ネットワークを設定する。
【0052】
(2-3.コントローラ20の構成例および処理例)
図2を用いて、コントローラ20の構成例および処理例について説明する。例えば、コントローラ20は、プラントを管理する計器室に設置されるネットワーク機器であるL2スイッチ30に接続され、フィールド機器等のデバイス40が送信するプラント情報を受信する機器である。
【0053】
コントローラ20は、プラント情報としてデバイス40が収集したセンサ値を受信する。また、コントローラ20は、デバイス40が収集したセンサ値に基づいた演算値を算出し、算出した演算値が所定の閾値を超過する場合にはアラーム通知をプラント管理者に送信する。
【0054】
(2-4.L2スイッチ30の構成例および処理例)
図2を用いて、L2スイッチ30の構成例および処理例について説明する。例えば、L2スイッチ30は、プラントを管理する計器室に設置される制御装置であるコントローラ20やプラントに設置されるフィールド機器等のデバイス40に接続され、各種情報の通信を実行する機器である。
【0055】
L2スイッチ30は、プラント情報としてデバイス40が収集したセンサ値を受信し、コントローラ20に送信する。また、L2スイッチ30は、コントローラ20が算出した演算値に基づいて送信したアラーム通知をプラント管理者に送信する。
【0056】
L2スイッチ30は、コントローラ20やデバイス40を接続する複数の接続ポートを有し、図示しない記憶部に記憶した管理情報をもとに仮想ネットワークを設定する。
【0057】
(2-5.デバイス40の構成例および処理例)
図2を用いて、デバイス40の構成例について説明する。例えば、デバイス40は、プラントに設置されるネットワーク機器に接続され、プラントからプラント情報を収集する温度センサ、圧力センサ、流量センサ等のセンサ機器である。
【0058】
デバイス40は、プラントにおける温度、圧力、流量等のプラント情報を収集する。また、デバイス40は、収集したプラントにおける温度、圧力、流量等のプラント情報をコントローラ20に送信する。
【0059】
〔3.コンフィグレータ10の設定処理の具体例〕
図4~
図9を用いて、実施形態に係る情報処理装置であるコンフィグレータ10の設定処理の具体例について説明する。以下では、VLANを使用しないフィールドネットワークの設定処理について説明した上で、実施形態に係るフィールドネットワークの設定処理の具体例について説明する。
【0060】
(3-1.VLAN未使用のフィールドネットワークの設定処理)
図4を用いて、VLAN未使用のフィールドネットワークの設定処理について説明する。
図4は、VLAN未使用のフィールドネットワークの設定処理の一例を示す図である。
図4の例では、コントローラ20-1である「Controller-1」、コントローラ20-2である「Controller-2」、コントローラ20-3である「Controller-3」がプラント計器室に設置される。また、デバイス40-1である「Device-1」、デバイス40-2である「Device-2」、デバイス40-3である「Device-3」、デバイス40-4である「Device-4」、デバイス40-5である「Device-5」、およびデバイス40-6である「Device-6」がプラント現場に設置される。
【0061】
ここで、ネットワークセグメントとして、ネットワークセグメント1{「Controller-1」,「Device-1」,「Device-4」}、ネットワークセグメント2{「Controller-2」,「Device-2」,「Device-5」}、ネットワークセグメント3{「Controller-3」,「Device-3」,「Device-6」}とグループ分けすることを考える。VLAN未使用のフィールドネットワークの設定処理では、上記のようなフィールドネットワークを構築するためには、ネットワークセグメントごとにL2スイッチ30をコントローラ30およびデバイス40と物理的に接続する必要がある。
【0062】
すなわち、ネットワークセグメント1のネットワーク機器である「L2SW-1C」(プラント計器室側)には「Controller-1」を接続し、「L2SW-1F」(プラント現場側)には「Device-1」および「Device-4」を接続する。また、ネットワークセグメント2のネットワーク機器である「L2SW-2C」(プラント計器室側)には「Controller-2」を接続し、「L2SW-2F」(プラント現場側)には「Device-2」および「Device-5」を接続する。また、ネットワークセグメント3のネットワーク機器である「L2SW-3C」(プラント計器室側)には「Controller-3」を接続し、「L2SW-3F」(プラント現場側)には「Device-3」および「Device-6」を接続する。
【0063】
上記の設定処理では、任意の接続ポートにネットワーク線を物理的に接続した後、ネットワーク線の接続ポートの接続付け替えをすることなく、仮想的にグループ分けした複数の外部装置間の通信を可能にすることは困難である。例えば、上記の設定処理では、「Controller-1」をネットワークセグメント1からネットワークセグメント2に変更したい場合には、「Controller-1」のネットワーク線を「L2SW-1C」の接続ポートから「L2SW-2C」の接続ポートに物理的に接続し直す必要がある。このため、上記の設定処理では、ネットワーク線の接続ミスが発生した場合やグループ分けを変更したい場合には、ネットワーク線の接続ポートの接続付け替えをする必要があるので、現場作業の増加や工数増加につながっている。
【0064】
(3-2.実施形態に係るフィールドネットワークの設定処理1)
図5を用いて、実施形態に係るフィールドネットワークの設定処理1の一例として、初期状態の設定処理について説明する。
図5は、実施形態に係るフィールドネットワークの設定処理1の一例を示す図である。
【0065】
プラント管理者は、ネットワーク機器であるL2スイッチ30を物理的に接続する。
図5の例では、プラント管理者は、プラント計器室に設置されたL2スイッチ30-1、プラント現場に設置されたL2スイッチ30-2、L2スイッチ30-3およびL2スイッチ30-4の接続ポートにネットワーク線を物理的に接続し、環状のリング接続となるようにL2スイッチ30を接続する。また、プラント管理者は、コンフィグレータ10をプラント計器室に設置されたL2スイッチ30-1の接続ポートにネットワーク線を物理的に接続する。このとき、プラント管理者は、コンフィグレータ10およびL2スイッチ30(30-1、30-2、30-3、30-4)を管理用のVLANであるVLAN識別番号「VLAN1」(破線)を用いた初期状態に設定する。
【0066】
なお、
図5の例では、プラント管理者は、ネットワークの信頼性を確保するためにリング接続としているが、スター接続やチェーン接続であってもよく、ネットワークトポロジは限定されない。
【0067】
また、プラント管理者は、コンフィグレータ10に定義ファイルを入力する。
図5の例では、プラント管理者は、各機器と各機器が利用する仮想ネットワークの識別情報の組合せとして、「Controller-1:VLAN10」、「Controller-2:VLAN20」、「Controller-3:VLAN30」、「Device-1:VLAN10」、「Device-2:VLAN20」、「Device-3:VLAN30」、「Device-4:VLAN10」、「Device-5:VLAN20」、「Device-6:VLAN30」、・・・のような定義情報を含む定義ファイルをコンフィグレータ10に入力する。
【0068】
上記のフィールドネットワークの設定処理1を実行することによって、制御で利用するネットワークセグメントのVLANを、すべてのL2スイッチ30のトランクポートに設定することができる。
【0069】
(3-3.実施形態に係るフィールドネットワークの設定処理2)
図6を用いて、実施形態に係るフィールドネットワークの設定処理2の一例として、フィールドネットワークのコントローラ物理接続の設定処理について説明する。
図6は、実施形態に係るフィールドネットワークの設定処理2の一例を示す図である。
【0070】
プラント管理者は、L2スイッチ30に制御装置であるコントローラ20を物理的に接続する。
図6の例では、プラント管理者は、プラント計器室に設置されたL2スイッチ30-1の異なる接続ポートに「Controller-1」、「Controller-2」および「Controller-3」のネットワーク線を物理的に接続する。このとき、プラント管理者は、コントローラ20(20-1、20-2、20-3)を管理用のVLANであるVLAN識別番号「VLAN1」(破線)を用いた初期状態に設定する。
【0071】
上記のフィールドネットワークの設定処理2を実行することによって、コントローラ20(20-1、20-2、20-3)と計器室にあるL2スイッチ30-1とを、ネットワーク線で物理的に接続し、初期設定VLAN(デフォルトVLAN)を設定することができる。
【0072】
(3-4.実施形態に係るフィールドネットワークの設定処理3)
図7を用いて、実施形態に係るフィールドネットワークの設定処理3の一例として、フィールドネットワークのコントローラVLAN設定の設定処理について説明する。
図7は、実施形態に係るフィールドネットワークの設定処理3の一例を示す図である。
【0073】
コンフィグレータ10は、L2スイッチ30に接続されたコントローラ20を検出し、定義ファイルに従ったポートVLANを設定する。
図7の例では、コンフィグレータ10は、定義ファイルを参照し、「Controller-1」のポートVLANを「VLAN10」(二重実線)に設定し、「Controller-2」のポートVLANを「VLAN20」(二重点線)に設定し、「Controller-3」のポートVLANを「VLAN30」(二重破線)に設定する。このとき、コンフィグレータ10は、「Controller-1」のVLAN識別番号「VLAN1」を「VLAN10」に変更し、「Controller-2」のVLAN識別番号「VLAN1」を「VLAN20」に変更し、「Controller-3」のVLAN識別番号「VLAN1」を「VLAN30」に変更することによって、コントローラ20のポートVLANを設定する。
【0074】
上記のフィールドネットワークの設定処理3を実行することによって、デフォルトVLANから、コントローラ20-1を「VLAN10」(VLAN_ID=10)、コントローラ20-2を「VLAN20」(VLAN_ID=20)、コントローラ20-3を「VLAN30」(VLAN_ID=30)の異なるネットワークセグメントに割り当てるように定義されたVLAN(定義VLAN)を設定することができる。
【0075】
ここで、コンフィグレータ10は、物理的にネットワーク線が接続されていない接続ポートについて、すでに設定されているネットワークセグメントに接続させないために、デフォルトVLANである「VLAN1」(VLAN_ID=1)に設定する。そして、コンフィグレータ10は、上記接続ポートにネットワーク線が物理的に接続されると、ネットワーク検索処理によって「新しいデバイスが検知されました」と表示し、検出した新しいデバイス40のVLAN識別番号を設定することによって、ネットワークセグメントを分けることができる。
【0076】
すなわち、コンフィグレータ10は、コントローラ20のVLANについて「VLAN10」、「VLAN20」、「VLAN30」で識別されるネットワークセグメントを設定しているが、上記のコントローラ20に接続されるフィールド機器等のデバイス40のVLANについて、当初「VLAN1」として、どのネットワークセグメントにも設定しておらず、ネットワーク検索処理によって新しいデバイス40を見つければ、その新しいデバイス40に対して、「VLAN10」、「VLAN20」または「VLAN30」を設定し、論理的な接続であるセグメント設定を実行する。
【0077】
(3-5.実施形態に係るフィールドネットワークの設定処理4)
図8を用いて、実施形態に係るフィールドネットワークの設定処理4の一例として、フィールドネットワークのデバイス物理接続の設定処理について説明する。
図8は、実施形態に係るフィールドネットワークの設定処理4の一例を示す図である。
【0078】
プラント管理者は、L2スイッチ30にフィールド機器等のデバイス40を物理的に接続する。
図8の例では、プラント管理者は、プラント現場に設置されたL2スイッチ30-2の異なる接続ポートに「Device-1」および「Device-2」のネットワーク線を物理的に接続し、プラント現場に設置されたL2スイッチ30-3の異なる接続ポートに「Device-3」および「Device-4」のネットワーク線を物理的に接続し、プラント現場に設置されたL2スイッチ30-4の異なる接続ポートに「Device-5」および「Device-6」のネットワーク線を物理的に接続する。このとき、プラント管理者は、デバイス40(40-1、40-2、40-3、40-4、40-5、40-6)を管理用のVLANであるVLAN識別番号「VLAN1」(破線)を用いた初期状態に設定する。
【0079】
上記のフィールドネットワークの設定処理4を実行することによって、デバイス40(40-1、40-2、40-3、40-4、40-5、40-6)とプラントにあるL2スイッチ30(30-2、30-3、30-4)とを、ネットワーク線で物理的に接続し、初期設定VLAN(デフォルトVLAN)を設定することができる。
【0080】
(3-6.実施形態に係るフィールドネットワークの設定処理5)
図9を用いて、実施形態に係るフィールドネットワークの設定処理5の一例として、フィールドネットワークのデバイスVLAN設定の設定処理について説明する。
図5は、実施形態に係るフィールドネットワークの設定処理5の一例を示す図である。
【0081】
コンフィグレータ10は、L2スイッチ30に接続されたデバイス40を検出し、定義ファイルに従ったポートVLANを設定する。
図9の例では、コンフィグレータ10は、定義ファイルを参照し、「Device-1」のポートVLANを「VLAN10」(二重実線)に設定し、「Device-2」のポートVLANを「VLAN20」(二重点線)に設定し、「Device-3」のポートVLANを「VLAN30」(二重破線)に設定し、「Device-4」のポートVLANを「VLAN10」(二重実線)に設定し、「Device-5」のポートVLANを「VLAN20」(二重点線)に設定し、「Device-6」のポートVLANを「VLAN30」(二重破線)に設定する。このとき、コンフィグレータ10は、「Device-1」のVLAN識別番号「VLAN1」を「VLAN10」に変更し、「Device-2」のVLAN識別番号「VLAN1」を「VLAN20」に変更し、「Device-3」のVLAN識別番号「VLAN1」を「VLAN30」に変更し、「Device-4」のVLAN識別番号「VLAN1」を「VLAN10」に変更し、「Device-5」のVLAN識別番号「VLAN1」を「VLAN20」に変更し、「Device-6」のVLAN識別番号「VLAN1」を「VLAN30」に変更することによって、デバイス40のポートVLANを設定する。
【0082】
上記のフィールドネットワークの設定処理5を実行することによって、コントローラ20-1、デバイス40-1およびデバイス40-4を「VLAN10」(VLAN_ID=10)のネットワークセグメント1に、コントローラ20-2、デバイス40-2およびデバイス40-5を「VLAN20」(VLAN_ID=20)のネットワークセグメント2に、コントローラ20-3、デバイス40-3およびデバイス40-6を「VLAN30」(VLAN_ID=30)のネットワークセグメント3に、割り当てるように定義されたVLAN(定義VLAN)を設定することができる。
【0083】
〔4.情報処理システム100の処理の流れ〕
図10および
図11を用いて、実施形態に係る情報処理システム100の処理の流れについて説明する。以下では、フィールドネットワーク構築処理、VLAN設定処理の順に説明する。
【0084】
(4-1.フィールドネットワーク構築処理)
図10を用いて、実施形態に係るフィールドネットワーク構築処理の流れについて説明する。
図10は、実施形態に係るフィールドネットワーク構築処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下では、初期状態管理処理、コントローラ管理処理、デバイス管理処理の順に説明する。なお、下記のステップS101~S106の処理は、異なる順序で実行することもできる。また、下記のステップS101~S106の処理のうち、省略される処理があってもよい。例えば、下記のステップS105~S106のデバイス管理処理を、下記のステップS103~S104のコントローラ管理処理の先に実行してもよい。
【0085】
(4-1-1.初期状態管理処理)
第1に、初期状態管理処理について説明する。まず、プラント管理者は、L2スイッチ接続処理を実行する(ステップS101)。例えば、プラント管理者は、複数のL2スイッチ30をネットワーク線で物理的に接続することによって、L2スイッチ30を環状のリング接続を構築する。このとき、プラント管理者は、コンフィグレータ10とL2スイッチ30とをネットワーク線で物理的に接続し、コンフィグレータ10によって管理可能な初期設定VLANを設定する。次に、プラント管理者は、定義ファイル入力処理を実行する(ステップS102)。例えば、プラント管理者は、コントローラ20、デバイス40等の機器とVLAN識別番号との組合せである定義情報を含む定義ファイルをコンフィグレータ10に入力する。
【0086】
(4-1-2.コントローラ管理処理)
第2に、コントローラ管理処理について説明する。まず、プラント管理者は、コントローラ接続処理を実行する(ステップS103)。例えば、プラント管理者は、複数のコントローラ20を任意のL2スイッチ30の接続ポートにネットワーク線で物理的に接続することによって、コントローラ接続を構築する。このとき、プラント管理者は、コンフィグレータ10によってコントローラ20を管理可能な初期設定VLANを設定する。次に、コンフィグレータ10は、コントローラVLAN設定処理を実行する(ステップS104)。例えば、コンフィグレータ10は、定義ファイルを参照し、コントローラ20を定義されたVLAN識別番号に設定する。
【0087】
(4-1-3.デバイス管理処理)
第3に、デバイス管理処理について説明する。まず、プラント管理者は、デバイス接続処理を実行する(ステップS105)。例えば、プラント管理者は、複数のデバイス40を任意のL2スイッチ30の接続ポートにネットワーク線で物理的に接続することによって、デバイス接続を構築する。このとき、プラント管理者は、コンフィグレータ10によってデバイス40を管理可能な初期設定VLANを設定する。次に、コンフィグレータ10は、デバイスVLAN設定処理を実行する(ステップS106)。例えば、コンフィグレータ10は、定義ファイルを参照し、デバイス40を定義されたVLAN識別番号に設定する。
【0088】
(4-2.VLAN設定処理)
図11を用いて、実施形態に係るVLAN設定処理の流れについて説明する。
図11は、実施形態に係るVLAN設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、下記のステップS201~S209の処理は、異なる順序で実行することもできる。また、下記のステップS201~S209の処理のうち、省略される処理があってもよい。
【0089】
(4-2-1.定義ファイル確認処理)
第1に、定義ファイル確認処理について説明する。コンフィグレータ10は、記憶部14の定義ファイルを参照し、定義ファイルの有無を確認する(ステップS201)。このとき、コンフィグレータ10は、定義ファイルがある場合(ステップS201:Yes)、ステップS202の処理に移行する。一方、コンフィグレータ10は、定義ファイルがない場合(ステップS201:No)、VLAN設定処理を終了する。
【0090】
(4-2-2.VLAN設定処理)
第2に、VLAN設定処理について説明する。まず、コンフィグレータ10は、L2スイッチ30を介して、ネットワークを検索する(ステップS202)。このとき、コンフィグレータ10は、コントローラ20を検出した場合(ステップS203:Yes)、またはデバイス40を検出した場合(ステップS204:Yes)、ステップS205の処理に移行する。そして、コンフィグレータ10は、定義ファイルの定義情報に従ったポートVLANを、検出したコントローラ20やデバイス40に設定し(ステップS205)、ステップS202の処理に戻る。一方、コンフィグレータ10は、コントローラ20を検出しない場合(ステップS203:No)、かつデバイス40を検出しない場合(ステップS204:No)、ステップS206の処理に移行する。
【0091】
(4-2-3.VLAN設定初期化処理)
第3に、VLAN設定初期化処理について説明する。まず、コンフィグレータ10は、記憶部14の定義ファイルを参照し、定義情報の削除または変更を確認する(ステップS206)。このとき、コンフィグレータ10は、定義情報の削除を検出した場合(ステップS207:Yes)、または定義情報のVLANの変更を検出した場合(ステップS208:Yes)、ステップS209の処理に移行する。そして、コンフィグレータ10は、定義情報が削除された、または定義情報のVLANが変更されたコントローラ20やデバイス40を、初期設定VLANに設定することによって初期化し(ステップS209)、ステップS206の処理に戻る。一方、コンフィグレータ10は、定義情報の削除を検出しない場合(ステップS207:No)、かつ定義情報のVLANの変更を検出しない場合(ステップS208:No)、VLAN設定処理を終了する。
【0092】
〔5.実施形態の効果〕
最後に、実施形態の効果について説明する。以下では、実施形態に係る処理に対応する効果1~7について説明する。
【0093】
(5-1.効果1)
第1に、上述した実施形態に係る処理では、コンフィグレータ10は、各機器と各機器が利用する仮想ネットワークに関する情報とを対応付けた定義情報を記憶し、デフォルトVLANを用いてコンフィグレータ10と接続されるL2スイッチ30に機器が接続されたことを、デフォルトVLANを介して検出し、定義情報に基づき機器が利用するVLANを特定し、機器が接続されたL2スイッチ30の接続ポートに、定義VLANを設定する。このため、本処理では、効果的にネットワークを構築することができる。
【0094】
(5-2.効果2)
第2に、上述した実施形態に係る処理では、コンフィグレータ10は、L2スイッチ30が保持する各接続ポートと各接続ポートに設定される仮想ネットワークとを管理する管理情報において、機器が接続されたことでL2スイッチ30の接続ポートと対応付けられたデフォルトVLANを、定義VLANに変更することで、機器が接続されたL2スイッチ30の接続ポートに、定義VLANを設定する。このため、本処理では、L2スイッチ30を介してVLANを設定することによって、効果的にネットワークを構築することができる。
【0095】
(5-3.効果3)
第3に、上述した実施形態に係る処理では、コンフィグレータ10は、コントローラ20およびデバイス40を含む各機器が利用するVLANに関する情報を対応付けた定義情報を記憶し、初期状態の仮想ネットワークとして設定されたデフォルトVLANを用いて、コントローラ20およびデバイス40のうち少なくとも1つの機器を検出し、コントローラ20が検出された場合にコントローラ20が接続されたL2スイッチ30の接続ポートに定義VLANを設定し、デバイス40が検出された場合にデバイス40が接続されたL2スイッチ30の接続ポートに定義VLANを設定する。このため、本処理では、効果的にコントローラ20およびデバイス40を含むネットワークを構築することができる。
【0096】
(5-4.効果4)
第4に、上述した実施形態に係る処理では、コンフィグレータ10は、定義情報として、コントローラ20およびコントローラ20が制御するデバイス40が割り当てられるネットワークセグメントを識別するVLAN識別番号を記憶する。このため、本処理では、効果的にネットワークセグメントにグループ分けしたネットワークを構築することができる。
【0097】
(5-5.効果5)
第5に、上述した実施形態に係る処理では、コンフィグレータ10は、所定期間ごとにL2スイッチ30を介して各機器の検索を実行し、検出した各機器のうち定義情報が変更された機器を特定し、変更後の定義情報に基づき機器が利用する変更VLANを特定し、機器が接続されたL2スイッチ30の接続ポートに変更VLANを設定する。このため、本処理では、設定が変更されたネットワーク上の機器を自動的にVLAN設定することによって、効果的にネットワークを構築することができる。
【0098】
(5-6.効果6)
第6に、上述した実施形態に係る処理では、コンフィグレータ10は、所定期間ごとにL2スイッチ30を介して各機器の検索を実行し、検出した各機器のうち定義情報が削除された機器を特定し、機器が接続されたネットワーク機器の接続ポートにデフォルトVLANを設定する。このため、本処理では、設定が削除されたネットワーク上の機器を自動的にVLAN設定することによって、効果的にネットワークを構築することができる。
【0099】
(5-7.効果7)
第7に、上述した実施形態に係る処理では、デバイス40は、プラントに設置されるL2スイッチ30に接続され、プラントからプラント情報を収集する機器であり、コントローラ20は、プラントを管理する計器室に設置されるL2スイッチ30に接続され、デバイス40が送信するプラント情報を受信する機器である。このため、本処理では、プラントにおいて効果的にネットワークを構築することができる。
【0100】
〔システム〕
上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0101】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られない。つまり、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0102】
さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0103】
〔ハードウェア〕
次に、情報処理装置であるコンフィグレータ10のハードウェア構成例を説明する。なお、他の装置も同様のハードウェア構成とすることができる。
図12は、実施形態に係るハードウェア構成例を説明する図である。
図12に示すように、コンフィグレータ10は、通信装置10a、HDD(Hard Disk Drive)10b、メモリ10c、プロセッサ10dを有する。また、
図12に示した各部は、バス等で相互に接続される。
【0104】
通信装置10aは、ネットワークインタフェースカードなどであり、他のサーバとの通信を行う。HDD10bは、
図2に示した機能を動作させるプログラムやデータベースを記憶する。
【0105】
プロセッサ10dは、
図2に示した各処理部と同様の処理を実行するプログラムをHDD10b等から読み出してメモリ10cに展開することで、
図2等で説明した各機能を実行するプロセスを動作させる。例えば、このプロセスは、コンフィグレータ10が有する各処理部と同様の機能を実行する。具体的には、プロセッサ10dは、取得部15a、検出部15b、設定部15c等と同様の機能を有するプログラムをHDD10b等から読み出す。そして、プロセッサ10dは、取得部15a、検出部15b、設定部15c等と同様の処理を実行するプロセスを実行する。
【0106】
このように、コンフィグレータ10は、プログラムを読み出して実行することで各種処理方法を実行する装置として動作する。また、コンフィグレータ10は、媒体読取装置によって記録媒体から上記プログラムを読み出し、読み出された上記プログラムを実行することで上記した実施形態と同様の機能を実現することもできる。なお、この他の実施形態でいうプログラムは、コンフィグレータ10によって実行されることに限定されるものではない。例えば、他のコンピュータまたはサーバがプログラムを実行する場合や、これらが協働してプログラムを実行するような場合にも、本発明を同様に適用することができる。
【0107】
このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disc)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することができる。
【0108】
〔その他〕
開示される技術特徴の組合せのいくつかの例を以下に記載する。
【0109】
(1)情報処理装置において、各機器と前記各機器が利用する仮想ネットワークに関する情報とを対応付けた定義情報を記憶する記憶部と、第1の仮想ネットワークを用いて前記情報処理装置と接続されるネットワーク機器に機器が接続されたことを、前記第1の仮想ネットワークを介して検出する検出部と、前記定義情報に基づき前記機器が利用する第2の仮想ネットワークを特定し、前記機器が接続された前記ネットワーク機器の接続ポートに、第2の仮想ネットワークを設定する設定部と、を備える情報処理装置。
【0110】
(2)前記設定部は、前記ネットワーク機器が保持する各接続ポートと前記各接続ポートに設定される仮想ネットワークとを管理する管理情報において、前記機器が接続されたことで前記ネットワーク機器の接続ポートと対応付けられた前記第1の仮想ネットワークを、前記第2の仮想ネットワークに変更することで、前記機器が接続された前記ネットワーク機器の接続ポートに、前記第2の仮想ネットワークを設定する、(1)に記載の情報処理装置。
【0111】
(3)前記記憶部は、制御装置およびデバイスを含む前記各機器が利用する前記仮想ネットワークに関する情報を対応付けた前記定義情報を記憶し、前記検出部は、初期状態の仮想ネットワークとして設定された前記第1の仮想ネットワークを用いて、前記制御装置および前記デバイスのうち少なくとも1つの機器を検出する検出部と、前記設定部は、前記機器として前記制御装置が検出された場合に、前記制御装置が接続された前記ネットワーク機器の接続ポートに、前記第2の仮想ネットワークを設定し、前記機器として前記デバイスが検出された場合に、前記デバイスが接続された前記ネットワーク機器の接続ポートに、前記第2の仮想ネットワークを設定する、(1)または(2)に記載の情報処理装置。
【0112】
(4)前記記憶部は、前記定義情報として、前記制御装置および前記制御装置が制御する前記デバイスが割り当てられるネットワークセグメントを識別する仮想ネットワークの識別番号を記憶する、(3)に記載の情報処理装置。
【0113】
(5)前記検出部は、所定期間ごとに前記ネットワーク機器を介して前記各機器の検索を実行し、前記設定部は、前記検索によって検出された前記各機器のうち前記定義情報が変更された前記機器を特定し、変更後の前記定義情報に基づき前記機器が利用する第3の仮想ネットワークを特定し、前記機器が接続された前記ネットワーク機器の接続ポートに、第3の仮想ネットワークを設定する、(1)~(4)のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0114】
(6)前記検出部は、所定期間ごとに前記ネットワーク機器を介して前記各機器の検索を実行し、前記設定部は、前記検索によって検出された前記各機器のうち前記定義情報が削除された前記機器を特定し、前記機器が接続された前記ネットワーク機器の接続ポートに、前記第1の仮想ネットワークを設定する、(1)~(5)のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0115】
(7)前記デバイスは、プラントに設置される前記ネットワーク機器に接続され、前記プラントからプラント情報を収集する機器であり、前記制御装置は、前記プラントを管理する計器室に設置される前記ネットワーク機器に接続され、前記デバイスが送信する前記プラント情報を受信する機器である、(3)~(6)のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0116】
(8)情報処理装置が、第1の仮想ネットワークを用いて前記情報処理装置と接続されるネットワーク機器に機器が接続されたことを、前記第1の仮想ネットワークを介して検出し、各機器と前記各機器が利用する仮想ネットワークに関する情報とを対応付けた定義情報に基づき、前記ネットワーク機器に接続された前記機器が利用する第2の仮想ネットワークを特定し、前記機器が接続された前記ネットワーク機器の接続ポートに、前記第2の仮想ネットワークを設定する、処理を実行する情報処理方法。
【0117】
(9)情報処理装置に、第1の仮想ネットワークを用いて前記情報処理装置と接続されるネットワーク機器に機器が接続されたことを、前記第1の仮想ネットワークを介して検出し、各機器と前記各機器が利用する仮想ネットワークに関する情報とを対応付けた定義情報に基づき、前記ネットワーク機器に接続された前記機器が利用する第2の仮想ネットワークを特定し、前記機器が接続された前記ネットワーク機器の接続ポートに、前記第2の仮想ネットワークを設定する、処理を実行させる情報処理プログラム。
【符号の説明】
【0118】
10 コンフィグレータ
11 入力部
12 出力部
13 通信部
14 記憶部
14a 定義ファイル記憶部
15 制御部
15a 取得部
15b 検出部
15c 設定部
20 コントローラ
30 L2スイッチ
40 デバイス
100 情報処理システム
【要約】
【課題】効果的にネットワークを構築すること。
【解決手段】コンフィグレータ10は、各機器と各機器が利用する仮想ネットワークに関する情報とを対応付けた定義情報を記憶し、第1の仮想ネットワークを用いてコンフィグレータ10と接続されるL2スイッチ30に機器が接続されたことを、第1の仮想ネットワークを介して検出し、定義情報に基づき機器が利用する第2の仮想ネットワークを特定し、機器が接続されたL2スイッチ30の接続ポートに、第2の仮想ネットワークを設定する。
【選択図】
図1