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特許7294603生化学反応試験片チューブ及びその使用方法と試薬キット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-12
(45)【発行日】2023-06-20
(54)【発明の名称】生化学反応試験片チューブ及びその使用方法と試薬キット
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/00 20060101AFI20230613BHJP
   G01N 35/02 20060101ALI20230613BHJP
   C12M 1/34 20060101ALI20230613BHJP
   C12Q 1/6844 20180101ALI20230613BHJP
   C12Q 1/686 20180101ALI20230613BHJP
【FI】
C12M1/00 A
G01N35/02 B
C12M1/34 D
C12Q1/6844 Z
C12Q1/686 Z
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2021572697
(86)(22)【出願日】2020-02-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-13
(86)【国際出願番号】 CN2020076667
(87)【国際公開番号】W WO2020173446
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2021-08-23
(31)【優先権主張番号】201920239234.X
(32)【優先日】2019-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010114034.9
(32)【優先日】2020-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521375221
【氏名又は名称】上海快▲リン▼生物科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】QUICKING BIOTECH CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.48 Gucui Road,Xinchang Industry District,Pudong New District,Shanghai 201314,China
(73)【特許権者】
【識別番号】521375232
【氏名又は名称】上海快▲リン▼生物工程有限公司
【氏名又は名称原語表記】QUICKING BIOENGINEERING CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.48 Gucui Road,Xinchang Industry District,Pudong New District,Shanghai 201314,China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲韋▼ 里
(72)【発明者】
【氏名】許 向華
(72)【発明者】
【氏名】周 中人
【審査官】松村 真里
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第101906385(CN,A)
【文献】特開2014-030392(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103243087(CN,A)
【文献】特表2002-533694(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101712924(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0286768(US,A1)
【文献】Simportカタログ、[online],2018年,[2022年8月3日検索],インターネット<URL:http://www.simport.com/document/catalogue.pdf>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12M 1/00-1/42
C12Q 1/68
G01N 33/00-33/98
B01L 3/00-3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管部と蓋部を含み、上記の管部は、
第1のチャンバーと第2のチャンバーとを含む管本体と、
上記の管本体の外側に配置され、生化学反応装置によって接触伝導加熱により加熱される制限ユニットと、
上記の第2のチャンバー内に配置され、第一端にサンプル吸収パッドが配置される生化
学クロマトグラフィー試験片と、
を備え、
上記の管本体は第3のチャンバーを含み、上記の第3のチャンバーの下部と上記の第1のチャンバーの下部との間に、上記の第1のチャンバーの下面と上記の第3のチャンバーの下面に垂直な方向において一定の距離を有し、
上記の第3のチャンバーの下部は上記の制限ユニットの上部と同じ水平面に位置し、または、上記の第3のチャンバーの下部は上記の制限ユニットの上部の上側にあり、
上記の第3のチャンバーの下部と上記の第1のチャンバーの下部との間の距離は少なくとも3mmであり、
上記の蓋部は上記の管部を密封している時、上記の第1のチャンバーの上部と上記の第2のチャンバーの上部と上記の第3のチャンバーの上部とは繋がり、上記の生化学クロマトグラフィー試験片の第一端は上記の蓋部の下部の内側に近く、
上記の制限ユニット生化学反応装置によって接触伝導加熱される時、上記の第1のチャンバーまたは上記の第3のチャンバーの下部溶液は接触伝導加熱されることを特徴とする生化学反応試験片チューブ。
【請求項2】
上記の第2のチャンバーの下部と上記の第1のチャンバーの下部との間に、上記の第2のチャンバーの下面と上記の第1のチャンバーの下面に平行な方向において一定の距離を有することを特徴とする請求項1に記載の生化学反応試験片チューブ。
【請求項3】
上記の第3のチャンバーは上記の第1のチャンバーの外側に配置され、及び/または、上記の第3のチャンバーは上記の第1のチャンバーの内側に配置されることを特徴とする請求項1に記載の生化学反応試験片チューブ。
【請求項4】
上記の第3のチャンバーの軸線は上記の第1のチャンバーのと共線、または平行であることを特徴とする請求項3に記載の生化学反応試験片チューブ。
【請求項5】
少なくとも上記の制限ユニットの一部分が上記の管本体の外側に周囲的に配置されることを特徴とする請求項1に記載の生化学反応試験片チューブ。
【請求項6】
上記の管部は、さらに上記の管本体の内側壁の円周面に配置される第1の嵌合部材を含み、
上記の蓋部は、上記の蓋部の外側壁の円周面に配置される第2の嵌合部材を含み、
上記の第2の嵌合部材は上記の管部と接続すれば、上記の蓋部は上記の管部を密封し、または、上記の第2の嵌合部材は上記の第1の嵌合部材と接続すれば、上記の蓋部は上記の管部と嵌合して上記の管部を密封することを特徴とする請求項1に記載の生化学反応試験片チューブ。
【請求項7】
上記の第1の嵌合部材は複数あり、複数の上記の第1の嵌合部材は上記の管部の軸方向に配置され、
上記の第2の嵌合部材は複数あり、複数の上記の第2の嵌合部材は上記の蓋部の軸方向に配置され、
少なくとも上記の蓋部の最下側にある上記の第2の嵌合部材が上記の管部の最上側にある上記の第1の嵌合部材と接続することを特徴とする請求項6に記載の生化学反応試験片チューブ。
【請求項8】
さらに、一端が上記の管部と繋がり、他の一端が上記の蓋部と繋がる接続部材を含むことを特徴とする請求項1に記載の生化学反応試験片チューブ。
【請求項9】
上記の蓋部は、上記の蓋部の外側壁に配置される補助部材を含み、
上記の補助部材は、上記の蓋部は上記の管部を閉じる時に、上記の管部から突出するように配置されることを特徴とする請求項1に記載の生化学反応試験片チューブ。
【請求項10】
上記の補助部材の厚さが上記の蓋部の上部の厚さより小さい、または、上記の補助部材の厚さは0.4mm以下であることを特徴とする請求項9に記載の生化学反応試験片チューブ。
【請求項11】
上記の蓋部は、縦断面がテーパー状を有する先端が上記の第1のチャンバーに面する導水部品を含むことを特徴とする請求項1に記載の生化学反応試験片チューブ。
【請求項12】
上記の蓋部は、
全体的上記の蓋部の内部に配置される中空部材と、
上記の中空部材を密封する密封部材と、
を備え、
上記の中空部材は、
上記の中空部材の上端に配置される第1の開口要素と、
上記の中空部材の下端に配置される第2の開口要素と、
を含み、
上記の密封部材は、
上記の第1の開口要素を密封する第1の密封要素と、
上記の第2の開口要素を密封する第2の密封要素と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の生化学反応試験片チューブ。
【請求項13】
上記の密封部材は上記の中空部材を密封する場合に、上記の第1の密封要素は上記の第2の密封要素と接触しない;または、上記の第1の密封要素は上記の第2の密封要素を破壊することを特徴とする請求項12に記載の生化学反応試験片チューブ。
【請求項14】
上記の中空部材は、
上記の中空部材の内側壁に周囲的に配置される第3の嵌合部材を含み、
上記の密封部材は、上記の第1の密封要素の外側壁に周囲的に配置され、上記の第1の密封要素が上記の第1の開口要素を密封するように、上記の第3の嵌合部材と接続する第4の嵌合部材を含むことを特徴とする請求項12に記載の生化学反応試験片チューブ。
【請求項15】
さらに、上記の生化学反応試験片チューブにある生化学反応溶液を接触式加熱伝導させる金属浴装置を含むことを特徴とする請求項1に記載の生化学反応試験片チューブ。
【請求項16】
上記の生化学クロマトグラフィー試験片は、免疫クロマトグラフィー試験片、乾式生化学試験片、乾式化学試験片、および酵素電極試験片のうちのいずれかの1つであることを特徴とする請求項1に記載の生化学反応試験片チューブ。
【請求項17】
請求項1~16のいずれかの生化学反応試験片チューブと、
上記の第1のチャンバーに収納される生化学反応試薬と、
を含み、
上記の蓋部が上記の管部を密封している場合、上記の第1のチャンバー内に収納されている生化学反応試薬が生化学反応を完成し、上記の生化学反応試験片チューブを180°反転した後、上記の第1のチャンバー内の反応溶液は上記の生化学クロマトグラフィー試験片チューブのサンプル吸収パッドに吸収されることを特徴とする生化学反応試薬キット。
【請求項18】
上記の生化学反応試薬はLATE-PCR遺伝子増幅試薬、TMA/NASBA遺伝子増幅試薬、RPA遺伝子増幅試薬あるいはLAMP遺伝子増幅試薬であることを特徴とする請求項17の生化学反応試薬キット。
【請求項19】
請求項1~16のいずれかの生化学反応試験片チューブと、
生化学反応試薬と、
機能性試薬と
を含み、
上記の生化学反応試薬と上記の機能性反応試薬のうちの一つが上記の第1のチャンバー内に配置され、上記の生化学反応試薬と上記の機能性反応試薬のうちの他の一つが上記の第チャンバー内に配置され、
上記の蓋部は上記の管部を密封して生化学反応をしている時、上記の生化学反応試薬は熱源と接触し、上記の機能性反応試薬は熱源と接触しない、
上記の生化学反応試薬は加熱され、生化学反応を完成した後、上記の生化学反応試験片チューブを一定の角度に反転して、上記の機能性反応試薬を上記の生化学反応を完成した生化学試薬の反応産物と混合させて溶液を得て、
上記の混合溶液は上記の生化学クロマトグラフィー試験片のサンプル吸収パッドに吸収されることを特徴とする生化学遺伝子増幅試薬キット。
【請求項20】
上記の蓋部は上記の管部を密封して、上記の第1のチャンバー内の生化学反応試薬は生化学反応を完成し、上記の生化学反応試験片チューブを一定の角度で反転して、上記の第1のチャンバー内の反応溶液を上記の生化学クロマトグラフィー試験片のサンプル吸収パッドに吸収させるのを含むことを特徴とする請求項1~16のいずれかの生化学反応試薬試験片チューブを使用する生化学反応試薬試験片チューブの使用方法。
【請求項21】
生化学反応試薬と機能性反応試薬のうちの一つを上記の第1のチャンバー内に配置し、上記の生化学反応試薬と上記の機能性反応試薬のうちの他の一つを上記の第3のチャンバー内に配置し、
上記の蓋部は上記の管部を密封して生化学反応をしている時、上記の生化学反応試薬は熱源と接触し、上記の機能性反応試薬は熱源と接触しない、
上記の生化学反応試薬は加熱され、生化学反応を完成した後、上記の生化学反応試薬管を一定の角度に反転して、上記の機能性反応試薬を上記の生化学反応が完成した生化学試薬の反応産物と混合させて溶液を得て、
上記の混合溶液は上記の生化学クロマトグラフィー試験片のサンプル吸収パッドに吸収されることを特徴とする請求項1~16のいずれかの生化学反応試験片チューブを使用する生化学反応試験片チューブの使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は生物工学技術分野に関し、特に、生化学反応試験片チューブ及びその使用方法と試薬キットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の小規模の生化学反応で、一般的には単なる試験管の中に一つのキャビティ及び一種類の溶液が収納され、複数の溶液が反応に必要な場合には、異なる試験管から溶液を吸収して他の反応試験管に加入して、最終の反応溶液を特定の検出装置に入れて反応信号に基づいて反応結果を判断する。より簡単に反応結果を判断するためには、一般的に生化学試験片を使用して反応溶液に対して信号検出を行う。ここで、反応溶液を吸収して試験片に滴下する必要がある。試薬汚染など特別な原因がある場合、試験管内の溶液をしっかりと密閉する必要があり、吸収して試験片に滴下して検出することは許されない。例えば、炭疽菌病原体検出、ダイオキシンなどの場合である。
【0003】
米国のCetusは1985年にポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction,PCR
)を使用して核酸増幅を達成して以来、この技術はその高感度、高特異性、高効率により、病原菌検出に広く使用されてきた。ただし、増幅された高濃度の病原遺伝子の核酸配列は、後続の操作中に空気、試験装置、および水を容易に汚染して、後続の試験サンプルの偽陽性結果につながるかもしれない。したがって、核酸検出の普及と促進においては、クローズド検出装置および方法の開発も必要である。Gerdesなど(US2004 / 0110167)は、核酸増幅産物の検出にサイドストリームクロマトグラフィー技術を適用し、基礎レベルでの核酸検出の適用に希望をもたらした。核酸のサイドストリームクロマトグラフィー中のコンタミネーションを回避するために、クロマトグラフィープロセスを密閉するためのデバイスを使用することが最良の選択である。Gu Jiayongなど(CN1888902)は、完全密閉型の標的核酸増幅産物を迅速検出できる装置を発明した。それは、外殻と内箱を含む。内箱には、クロマトグラフィー希釈液、核酸増幅産物、およびクロマトグラフィーテストストリップが含まれる。外殻を閉じると、内箱の刃が希釈液管と核酸増幅管を突き刺し、2つの液体が混合してクロマトグラフィーテストストリップのサンプルパッドに導入され、免疫クロマトグラフィーによる色反応が実現する。ただし、この装置の欠点は次のとおりである。1、装置ボリュームが大きいため、大量生産や輸送には適しない、2、装置へのテストストリップの取り付けが複雑で、規模的に生産や取り付けに適しない、3、装置を開けて使用した後、簡単に、痕跡を残さずに再開できるため、核酸増幅産物の密閉は比較的実現したが、反応済の装置が誰かにうっかり再開されたら、増幅産物のコンタミネーションは回避できない、4、当該装置には単一の反応液しか検出できず、複数の反応液は検出はできない、すなわち、複数の反応液を1つのテストストリップ上に検出できない。
【0004】
中国特許出願CN103529201Aは、完全な密封を達成し、オペレーターへのクロマトグラフィー試験片サンプルの害および環境汚染を完全に阻止することができる密封型クロマトグラフィー試験片検出装置を開示する。ただし、この装置に次の欠点がある。1、溶液管の直径が小さい場合、溶液管の底が開きにくい、2、接続管内のガスが溶液管内に入りにくいため、接続管内のガス圧力が上昇しやすい、接続管内のガス圧力が接続管外の空気圧を超え、かつこの圧力差が密封構造の許容範囲を超えた場合、管内のガスは外部に排出され、管内に溶液がある場合、溶液もガスによって駆動され、漏れが発生する。
【0005】
発明特許出願201310157026.2、201610143977.8、201310511291.6は、クロマトグラフィー試験片を含む密閉チャンバーと反応試験管の協力により、試験管の突き刺された底部から密閉チャンバーに溶液を導入するための装置を開示している。ただし、この装置の欠点は、構成上で複数のデバイスが必要で、反応管の底を突き刺すために追加アクションとデバイスが必要になり、さらに、反応管の底を突き刺す際、溶液の漏れを防ぐために、反応管と密閉チャンバーはガス圧の原因で密閉された状態を保たなければならない。これはオペレーターが適切な操作スキルを持つ必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、既存技術に存している欠陥を克服するために、生化学反応試験片チューブ及びその試薬キットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を実現するために、本発明は採用する技術的解決策は以下の通りである。
【0008】
本発明の第1の実施形態では、生化学反応試験片チューブを提供し、その生化学反応試験片チューブは管部と蓋部を含み、上記の管部は、
第1のチャンバーと第2のチャンバーとを含む管本体と、
上記の管本体の外側に配置される制限ユニットと、
上記の第2のチャンバー内に配置され、第一端にサンプル吸収パッドが配置される生化学クロマトグラフィー試験片と、
を備え、
ここで、上記の蓋部は上記の管部を閉じると、上記の第1のチャンバーの上部が上記の第2のチャンバーの上部とつながり、かつ、上記の生化学クロマトグラフィー試験片の第一端は上記の蓋部の下部の内側に近い。
【0009】
好ましくは、上記の第2のチャンバーの下部と上記の第1のチャンバーの下部との間に一定の距離を有する。
【0010】
好ましくは、上記の管本体は第3のチャンバーを含み、上記の第3のチャンバーの下部と上記の第1のチャンバーの下部との間に一定の距離を有し、
ここで、上記の蓋部は上記の管部を密封する時、上記の第1のチャンバーの上部と上記の第2のチャンバーの上部と上記の第3のチャンバーの上部とが繋がる。
【0011】
好ましくは、上記の第3のチャンバーの下部と上記の第1のチャンバーの下部との間の距離は少なくとも3mmである。
【0012】
好ましくは、上記の制限ユニットは生化学反応装置によって接触伝導加熱される時、上記の第1のチャンバーまたは上記の第3のチャンバーは上記の生化学反応装置の熱源と接触する。
【0013】
好ましくは、上記の第3のチャンバーは上記の第1のチャンバーの外側に配置され、及び/または、上記の第3のチャンバーは上記の第1のチャンバーの内側に配置される。
【0014】
好ましくは、上記の第3のチャンバーの軸線は上記の第1のチャンバーとの共線、または平行である。
【0015】
好ましくは、上記の第3のチャンバーの下部は上記の制限ユニットの上部と同じ水平面に位置し、または、上記の第3のチャンバーの下部は上記の制限ユニットの上部の上側にある。
【0016】
好ましくは、少なくとも上記の制限ユニットの一部分が上記の管本体の外側に周囲的に配置される。
【0017】
好ましくは、上記の管部は、さらに上記の管本体の内側壁の円周面に配置される第1の嵌合部材を含み、
上記の蓋部は、上記の蓋部の外側壁の円周面に配置される第2の嵌合部材を含み、
ここで、上記の第2の嵌合部材は上記の管部と接続すれば、上記の蓋部は上記の管部を密封し、または、上記の第2の嵌合部材は上記の第1の嵌合部材と接続すれば、上記の蓋部は上記の管部と嵌合して上記の管部を密封する。
【0018】
好ましくは、上記の第1の嵌合部材は複数あり、複数の上記の第1の嵌合部材は上記の管部の軸方向に配置され、
上記の第2の嵌合部材は複数あり、複数の上記の第2の嵌合部材は上記の蓋部の軸方向に配置され、
ここで、少なくとも上記の蓋部の最下側にある上記の第2の嵌合部材が上記の管部の最上側にある上記の第1の嵌合部材と接続する。
【0019】
好ましくは、さらに、一端が上記の管部と繋がり、他の一端が上記の蓋部と繋がる接続部材を含む。
【0020】
好ましくは、上記の蓋部は、上記の蓋部の外側壁に配置される補助部材を含み、ここで、上記の補助部材は、上記の蓋部は上記の管部を閉じる時に、上記の管部から突出するように配置される。
【0021】
好ましくは、上記の補助部材の厚さが上記の蓋部の上部の厚さより小さい、または、上記の補助部材の厚さは0.4mm以下である。
【0022】
好ましくは、上記の蓋部は、縦断面がテーパー状を有する先端が上記の第1のチャンバーに面する導水部品を含む。
【0023】
好ましくは、上記の蓋部は、
上記の蓋部の内部を貫通して配置される中空部材と、
上記の中空部材を密封する密封部材と、
を備え、
上記の中空部材は、
上記の中空部材の上端に配置される第1の開口要素と、
上記の中空部材の下端に配置される第2の開口要素と、
を含み、
上記の密封部材は、
上記の第1の開口要素を密封する第1の密封要素と、
上記の第2の開口要素を密封する第2の密封要素と、
を含む。
【0024】
好ましくは、上記の密封部材は上記の中空部材を密封する場合に、上記の第1の密封要素は上記の第2の密封要素と接触しない;または、上記の第1の密封要素は上記の第2の密封要素を破壊する。
【0025】
好ましくは、上記の中空部材は、
上記の中空部材の内側壁に周囲的に配置される第3の嵌合部材を含み、
上記の密封部材は、上記の第1の密封要素の外側壁に周囲的に配置され、上記の第1の密封要素が上記の第1の開口要素を密封するように、上記の第3の嵌合部材と接続する第4の嵌合部材を含む。
【0026】
好ましくは、さらに、上記の生化学反応試験片チューブにある生化学反応溶液を接触式加熱伝導させる金属浴装置を含む。
【0027】
好ましくは、上記の生化学クロマトグラフィー試験片は、免疫クロマトグラフィー試験片、乾式生化学試験片、乾式化学試験片、および酵素電極試験片のうちのいずれかの1つである。
【0028】
本発明の第2の実施形態では、生化学反応試薬キットを提供し、その生化学反応試薬キットは、
上記の生化学反応試験片チューブと、
上記の第1のチャンバーに収納される生化学反応試薬と、
を含み、
上記の蓋部が上記の管部を密封している場合、上記の第1のチャンバー内に収納されている生化学反応試薬が生化学反応を完成し、上記の生化学反応試験片チューブを180°反転した後、上記の第1のチャンバー内の反応溶液は上記の生化学クロマトグラフィー試験片チューブのサンプル吸収パッドに吸収される。
【0029】
好ましくは、上記の生化学反応試薬はLATE-PCR遺伝子増幅試薬、TMA/NASBA遺伝子増幅試薬、RPA遺伝子増幅試薬あるいはLAMP遺伝子増幅試薬である。
【0030】
本発明の第3の実施形態では、生化学反応遺伝子増幅試薬キットを提供し、その生化学反応遺伝子増幅試薬キットは、
上記の生化学反応試験片チューブと、
生化学反応試薬と、
機能性試薬と
を含み、
ここで、上記の生化学反応試薬と上記の機能性反応試薬のうちの一つが上記の第1のチャンバー内に配置され、上記の生化学反応試薬と上記の機能性反応試薬のうちの他の一つが上記の第23チャンバー内に配置され、
上記の蓋部は上記の管部を密封して生化学反応をしている時、上記の生化学反応試薬は熱源と接触し、上記の機能性反応試薬は熱源と接触しない、
上記の生化学反応試薬は加熱され、生化学反応を完成した後、上記の生化学反応試験片チューブを一定の角度に反転して、上記の機能性反応試薬を上記の生化学反応を完成した生化学試薬の反応産物と混合させて溶液を得て、
上記の混合溶液は上記の生化学クロマトグラフィー試験片のサンプル吸収パッドに吸収される。
【0031】
本発明の第4の実施形態では、上記の生化学反応試験片チューブを使用するために、生化学反応試験片チューブの使用方法を提供し、その使用方法は、
上記の蓋部は上記の管部を密封して、上記の第1のチャンバー内の生化学反応試薬は生化学反応を完成し、上記の生化学反応試験片チューブを一定の角度で反転して、上記の第1のチャンバー内の反応溶液を上記の生化学クロマトグラフィー試験片のサンプル吸収パッドに吸収させる。
【0032】
本発明の第5の実施形態では、上記の生化学反応試験片チューブを使用するために、生化学反応試験片チューブの使用方法を提供し、その使用方法は、
生化学反応試薬と機能性反応試薬のうちの一つを上記の第1のチャンバー内に配置し、上記の生化学反応試薬と上記の機能性反応試薬のうちの他の一つを上記の第3のチャンバー内に配置し、
上記の蓋部は上記の管部を密封して生化学反応をしている時、上記の生化学反応試薬は熱源と接触し、上記の機能性反応試薬は熱源と接触しない、
上記の生化学反応試薬は加熱され、生化学反応を完成した後、上記の生化学反応試薬管を一定の角度に反転して、上記の機能性反応試薬を上記の生化学反応が完成した生化学試薬の反応産物と混合させて溶液を得て、
上記の混合溶液は上記の生化学クロマトグラフィー試験片のサンプル吸収パッドに吸収される。
【発明の効果】
【0033】
本発明は上記の技術的解決策を採用して、既存技術と比較して、以下の効果がある。
【0034】
本発明による生化学反応試験片チューブで、密閉試験管に異なるチャンバーを配置することにより、一つのチャンバーにある生化学反応溶液は他の一つのチャンバーにある生化学クロマトグラフィー試験片で直接検出され、溶液漏れ問題を防ぎ、高さが異なるチャンバーを設定することにより、実際に使用する時、生化学反応試薬が配置されているチャンバーだけが加熱される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1図1は本発明に係る一つの例示的実施例による蓋部は管部を閉じていない生化学反応試験片チューブを示す断面図である。
図2図2は本発明に係る一つの例示的実施例による蓋部は管部を閉じている生化学反応試験片チューブを示す断面図である。
図3図3は本発明に係る一つの例示的実施例による生化学反応試験片チューブの管部を示す断面図である。
図4図4は本発明に係る一つの例示的実施例による生化学反応試験片チューブの蓋部を示す断面図である。
図5図5は本発明に係る一つの具体的実施例による蓋部は管部を閉じていない生化学反応試験片チューブを示す断面図である。
図6図6は本発明に係る一つの具体的実施例による生化学反応試験片チューブを示す平面図である。
図7図7は本発明に係る一つの具体的実施例による蓋部は管部を閉じていない生化学反応試験片チューブを示す断面図である。
図8図8は本発明に係る一つの具体的実施例による生化学反応試験片チューブを示す平面図である。
図9図9は本発明に係る一つの具体的実施例による蓋部は管部を閉じていない生化学反応試験片チューブを示す断面図である
図10図10は本発明に係る一つの具体的実施例による蓋部は管部を閉じている生化学反応試験片チューブを示す断面図である。
図11図11は本発明に係る一つの具体的実施例による蓋部は管部を閉じている生化学反応試験片チューブを示す断面図である。
図12図12は本発明に係る一つの具体的実施例による生化学反応試験片チューブの中空部材を示す断面図である。
図13図13は本発明に係る一つの具体的実施例による生化学反応試験片チューブの第1の密封要素を示す断面図である。
図14図14は本発明に係る一つの具体的実施例による金属浴装置付きの生化学反応試験片チューブを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下は図面を参考して本発明の実施例を説明するが、本発明の限定とするものではない。明らかに、記載された実施例はただ本発明の一部にすぎず、すべての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者によって創造的な努力なしに得られた他のすべての実施例は本発明の保護範囲に含まれるものである。
【0037】
注意すべきなのは、本発明中の各実施例の特徴は組み合わせることができる点である。
【実施例1】
【0038】
図1~2に示すように、本発明による一つの例示的実施例の生化学反応試験片チューブは、管部10と蓋部20とを含み、管部10は、第1のチャンバー13と第2のチャンバー14とを含む管本体11と、管本体11の外側壁に配置される制限ユニット12と、第2のチャンバー14内に配置される生化学クロマトグラフィー試験片16とを含み、蓋部20は管部10を閉じている場合に、第1のチャンバー13の上部は第2のチャンバー14の上部と繋がる。
【0039】
ここで、生化学クロマトグラフィー試験片16の第一端にサンプル吸収パッドが配置され、蓋部は管部を閉じる時、生化学クロマトグラフィー試験片16の第一端は蓋部20の下部の内側に近づける。
【0040】
第1のチャンバー13内にある生化学反応試薬または生化学反応溶液は第1のチャンバー13内で生化学反応を完成した後、生化学反応試験片チューブを一定の角度に反転して、反応溶液を生化学クロマトグラフィー試験片16のサンプル吸収パッドに接触させうる。
【0041】
生化学反応試薬は核酸増幅試薬、遺伝子増幅試薬を含むが、これらに限られない。
【0042】
生化学クロマトグラフィー試験片16は、免疫クロマトグラフィー試験片、乾式生化学試験片、乾式化学試験片、および酵素電極試験片のうちのいずれかの1つである。反応溶液は生化学クロマトグラフィー試験片16のサンプル吸収パッドに吸収された後、自動に反応帯域に流れ、検出信号を表示する。
【0043】
第2のチャンバー14は第1のチャンバー13の外側に配置され、第2のチャンバー14は管本体11の内側壁と第1のチャンバー13の外側壁との間に配置され、さらに、第2のチャンバー14は規則的なチャンバー(例えば円形のチャンバー、長方形の空洞、台形の空洞)であってもよいし、不規則的なチャンバーであってもよい。この場合、第2のチャンバー14の軸線は第1のチャンバー13の軸線と平行する。
【0044】
第2のチャンバー14の下部は第1のチャンバー13の下部から一定の距離を有し、このような設定をすることにより、高度差を形成でき、温度制御をする時、この高度差を利用して、温度差を形成することができる。
【0045】
第3のチャンバー15の下部と第1のチャンバー13の下部との間の距離は少なくとも3mmである。
【0046】
生化学反応の表示効果をさらに高めるために、管本体11はまた第3のチャンバー15を含み、第3のチャンバー15の下部は第1のチャンバー13の下部から一定の距離があり、即ち、第3のチャンバー14の下部と水平面との間の距離は第1のチャンバー13の下部と水平面との間の距離より大きい。
【0047】
第3のチャンバー15は機能性反応試薬を配置する。
【0048】
機能性試薬は分解酵素、細胞溶解液、プローブ、緩衝液、希釈剤など、または、生化学反応が完了した後の後続の反応のための試薬が含まれるが、これらに限定されない。
【0049】
第3のチャンバー15の下部と水平面との間の距離は第1のチャンバー13の下部と水平面との間の距離より大きい。
【0050】
第3のチャンバー15の下部と第1のチャンバー13の下部との間の距離は少なくとも3mmである。
【0051】
第3のチャンバー15は第1のチャンバー13の外側に位置し、第3のチャンバー15は管本体11の内側壁と第1のチャンバー13の外側壁との間に位置し、それに第3のチャンバー15は環状のチャンバーであり、即ち、第3のチャンバー15は第1のチャンバー13の外側壁に周囲的に配置される。この場合には、第3のチャンバー15の軸線は第1のチャンバー13の軸線と同じである。
【0052】
一方で、第3のチャンバー15は第1のチャンバー13の内側壁にも配置されてもよいし、それに第3のチャンバー15は環状のチャンバーであり、即ち、第3のチャンバー15は第1のチャンバー13の内側壁に周囲的に配置される。この場合にも、第3のチャンバー15の軸線は第1のチャンバー13の軸線と同じである。
【0053】
本実施例の他の実施方式において、第3のチャンバー15は第1のチャンバー13の外側に位置し、第3のチャンバー15は管本体11の内側壁と第1のチャンバー13の外側壁との間に位置し、それに第3のチャンバー15は円形のチャンバーであり、即ち、第3のチャンバー15の外側壁の円周面は第1のチャンバー13の外側壁の円周面に対して接線をなす。この場合には、第3のチャンバー15の軸線は第1のチャンバー13の軸線と平行である。ここで、第3のチャンバー15は複数あってもよく、複数の第3のチャンバー15は第1のチャンバー13を中心として第1のチャンバー13の外側壁の円周面に周囲的に配置されうる。
【0054】
一方で、第3のチャンバー15は第1のチャンバー13の内側に配置されてもよいし、それに第3のチャンバー15は円形のチャンバーであり、第3のチャンバー15の外側壁の円周面は第1のチャンバー13の内側壁の円周面に対して接線をなす。この場合には、第3のチャンバー15の軸線は第1のチャンバー13の軸線と平行である。ここで、第3のチャンバー15は複数あってもよく、複数の第3のチャンバー15は第1のチャンバー13を中心として第1のチャンバー13の内側壁の円周面に周囲的に配置されうる。
【0055】
上記の構造において、第3のチャンバー15および第1のチャンバー13は、一体的に配置されてもよいし、別々に配置されてもよい。第3のチャンバー15および第1のチャンバー13が別々に配置される場合に、第3のチャンバー15は、第1のチャンバー13の外側に取り外し可能に配置され、取り外し可能な方法は、スナップ接続を含むが、これに限定されない。
【0056】
制限ユニット12は少なくとも一部が管本体11の周囲に配置され、即ち、制限ユニット12は管本体11との接続は円弧形となし、当該の円弧形の中心角は少なくとも鋭角である。具体的には、制限ユニット12は、フルスカート、ハーフスカート、またはクォータースカートであり得る。
【0057】
制限ユニット12の上部と第3のチャンバー15の下部との間の距離は0、即ち制限ユニット12の上部と第3のチャンバー15の下部は同じ水平面にあってもよいし、制限ユニット12の上部と第3のチャンバー15の下部との間の距離は0より大きい、即ち、制限ユニット12は垂直方向に第3のチャンバー15の下側に位置してもよい。
【0058】
制限ユニット12は対称的な柱体や錐体であり、任意の角度で生化学反応装置に挿入して固定することができる。
【0059】
または、限界ユニット12は非対称柱体であり、単一の角度からしか生化学反応装置に挿入して固定することができない。
【0060】
限界ユニット12が生化学反応装置によって接触伝導加熱により加熱されると、第1のチャンバー13の下部溶液(核酸増幅試薬を含む)が接触伝導加熱を行い、第3のチャンバー15の下部溶液(機能性反応試薬を含む)は接触伝導加熱を行わない。または、第3のチャンバー15の下部溶液(核酸増幅試薬を含む)は接触伝導加熱を行うが、第1のチャンバー13の下部溶液(機能性反応試薬を含む)は接触伝導加熱を行わない。
【0061】
蓋部20は導水部品21を含み、導水部品21は縦断面がテーパー状を有し、蓋部20の内側の上部に配置され。蓋部2おは管部10を密封している場合、導水部品21の先端は第1のチャンバー13に面する。導水部品21を設置することにより、生化学反応をしているとき、第1のチャンバー13内の反応溶液は加熱されて蒸発して、蓋部20上に凝縮された液滴は上記の導水部品21の誘導下で、第1のチャンバー13に戻り、生化学クロマトグラフィー試験片16に直接接触やその上に滴下することを防ぐ。
【0062】
管部10と蓋部20との密封効果を向上させるために、管部10と蓋部20には、それぞれ第1の嵌合部材17と第2の嵌合部材22が設けられている。
【0063】
図3に示すように、第1の嵌合部材17は、管本体11の内側壁の円周面に配置され、且つ第1の嵌合部材17が少なくとも一つある。
【0064】
図4に示すように、第2の嵌合部材22は蓋部20の外側壁の円周面に配置され、且つ、第2の嵌合部材22が少なくとも1つある。
【0065】
蓋部20が管部10を閉じる時に、第2の嵌合部材22が第1の嵌合部材17に接続され、蓋部20と管部10が互いに協働して、蓋部20が管部10を密封する効果を向上させる。
【0066】
第1の嵌合部材17は溝(または密封溝)であり、第2の嵌合部材22は突起(または突起密封環)であり、または、第1の嵌合部材17は突起(または突起密封環)であり、第2の嵌合部材22は溝(または密封溝)である。
【0067】
第1の嵌合部材17は複数あり、管部10の軸方向に配置され、同様に、第2の嵌合部材22は複数あり、蓋部20の軸方向にそって配置されている。
【0068】
第1の嵌合部材17と第2の嵌合部材22は一対一に接続されてもよい。具体的には、蓋部20が管部10を閉じている場合、管部10の最下部に位置する第1の嵌合部材17は、蓋部20の最下部に位置する第2の嵌合部材22に接続され、管部10の最上部に位置する第1の嵌合部材17は、蓋部20の最上部に位置する第2の嵌合部材22に接続される。この場合、蓋部20を外して管部10の内部空間を露出させるために、大きな外力を加える必要がある。
【0069】
第1の嵌合部材17と第2の嵌合部材22は一対一に接続されなくてもよい。具体的には、蓋部20が管部10を閉じている場合、管部10の最上部に位置する第1の嵌合部材17は、蓋部20の再下部に位置する第2の嵌合部材22に接続される。この場合、蓋部20を容易に取り外して管部10の内部空間を露出させうる。
【0070】
以上のことから、蓋部20は管部10を密封するよう、管部10の最上部に位置する第1の嵌合部材17は、少なくとも蓋部20の最下部に位置する第2の嵌合部材22と接続する。
【0071】
第1の嵌合部材17と第2の嵌合部材22は嵌合的な接続をしなくてもよい。例えば、蓋部20が管部10を閉じている場合、管部10の最上部に位置する第1の嵌合部材17は、蓋部20の最下部に位置する第2の嵌合部材22と接続せず、第2の嵌合部材22は管部10だけに接続しても、密封の役割を果たすことができる。
【0072】
管部10と蓋部20は一対一対応を確保するために、管部10と蓋部20とを接続する接続部材30も設られている。具体的に、接続部材30の1端は管部10の上部の外側壁に接続され、他の一端は蓋部20の上部の外側壁に接続されている。
【0073】
接続部材30は撚り線接続具である。
【0074】
図2に示すように、蓋部20は管部10を閉じている場合に、折り畳まれた接続部30を除いて、蓋部20の上部の外縁は管部10の上部の外縁を超える部分は一切ない。
【実施例2】
【0075】
本実施例は本発明による一つの具体的な実施例であり、蓋部20の取り外しを容易にすることができる実施例1の改善された実施例である。
【0076】
図5~6に示すように、生化学反応試験片チューブは管部10、蓋部20、接続部分30と補助部分40とを含む。管部10、蓋部20と接続部分30の構造と接続関係は実施例1とほぼ同じなので、これらに関する説明を省略する。
【0077】
補助部材40は蓋部20の外側壁に配置され、蓋部20は管部10を閉じている時、補助部分40は管部10から突起して配置され、言い換えれば、補助部材40は、管部10の上部の外縁から蓋部20の上部の外縁に沿って一定の長さまで延びる突起である。
【0078】
補助部材40は接続部材30の対称側に配置される。
【0079】
補助部材40の厚さは蓋部20の上部の厚さより小さい。
【0080】
補助部材40の厚さは0.04mm以下である。
【実施例3】
【0081】
本実施例は本発明による一つの具体的な実施例であり、第3のチャンバー15への溶液の添加を容易にすることができる実施例1の改善された実施例である。
【0082】
図7~8に示すように、生化学反応試験管は、管部10と、蓋部20と接続部材30とを含む。蓋部20と接続部材30の構造と接続関係は、基本的に第1の実施例と同じであり、ここでは説明を省略する。
【0083】
図7~8に示すように、管部10において、第3のチャンバー15は管本11の外側壁と制限ユニット12の内側壁との間に位置し、かつ、第3のチャンバー15の軸線は第1のチャンバー13の軸線と平行し、即ち、第1のチャンバー13は第3のチャンバー15の下面から偏心して配置されている。
【0084】
具体的に、第1のチャンバー13の外側壁の一方の側は相対する制限ユニット12の内側壁から遠く離れ、第1のチャンバー13の外側壁の他方の側は、相対する制限ユニット12の内側壁に近い。その結果、第3のチャンバー15の径方向へのサイズが大きくなり、ピペットの先端が第3のチャンバー15により深く挿入でき、溶液が第3のチャンバー15にスムーズに入ることができ、操作者による不適切な操作による第1のチャンバー13への溶液の侵入を防ぐ。
【実施例4】
【0085】
本実施例は本発明による一つの具体的実施例であり、生化学反応試験片チューブの汚染の可能性をさらに低減することができる実施例1の改善された実施例である。
【0086】
図9~10に示すように、生化学反応試験片チューブは、管部10と、蓋部20と接続部材30とを含む。ここで、管部10と接続部材30の構造と接続関係は、基本的に第1の実施例と同じであり、ここでは説明を省略する。
【0087】
図9図10に示すように、実施例1に基づいて、蓋部20は、中空部材50と密封部材と60をさらに含む。中空部材50は、蓋部20の内部を貫通して配置され、密封部材60は中空部材50を閉じている。
【0088】
中空部材50は、中空部材50の上端に配置される第1の開口要素51を含み、溶液は蓋部20の外側から第1の開口要素51を通って中空部材50の内部に入る。
【0089】
対応的に、密封部材60は第1の開口要素51を閉じる第1の密封要素61を含む。
【0090】
具体的に、第1の密封要素61はシールフィルムであり、または、ステッカー付きシールフィルムである。実際に使用する時、第1の密封要素61を外して、中空部材50の内部に生化学反応溶液を入れてから、第1の密封要素61で第1の開口要素51を閉じる。
【0091】
上記の構造に基づいて、更なる操作効率を高めるために、中空部材50は中空部材50の下端に配置する第2の開口要素52を含み、密封部材61は第2の開口要素62を閉じる第2の密封要素62を含む。
【0092】
具体的に、第2の密封要素62はシールフィルム、またはシール接続剤を有するアルミホイルや他のフィルム材料など容易に壊れやすい密封要素である。初めに操作する時、第1の密封要素61を外し、生化学反応溶液を中空部材50内に加えてから、第1の密封要素61で第1の開口要素51を閉じる。次回操作する時、第1の密封要素61を外して、操作者はツールを使用して、中空部材51の内部にある生化学反応溶液を管本体11の内部に入るように、第1の開口要素51と第2の開口要素52を順次通して第2の密封要素62を破壊し、最後に、第1の密封要素61で第1の開口要素51を閉じる。
【実施例5】
【0093】
本実施例は本発明による一つの具体的実施例であり、生化学反応試験片チューブの汚染の可能性をさらに低減することができる実施例1の改善された実施例である。
【0094】
図11に示すように、生化学反応試験管は、管部10と、蓋部20と接続部材30とを含む。ここで、管部10と接続部材30の構造と接続関係は、基本的に第1の実施例と同じであり、ここでは説明を省略する。
【0095】
図11に示すように、実施例1に基づいて、蓋部20は、中空部材50と密封部材と60をさらに含む。中空部材50は、蓋部20の内部を貫通して配置され、密封部材60は中空部材50を閉じている。
【0096】
中空部材50は、中空部材50の上端に配置される第1の開口要素51と、中空部材50の下端に配置される第1の開口要素52とを含む。
【0097】
対応的に、密封部材60は第1の開口要素を閉じる第1の密封要素61と、第2の開口要素を閉じる第2の密封要素62とを含み、第1の密封要素61は第1の開口要素51を完全に閉じる時、第1のシーリング要素61は、第2のシーリング要素を破壊する。
【0098】
第1の密封要素61は制限ユニット611と破壊部品612とを含み、破壊部品612は制限ユニット611の下端に配置される。制限ユニット611の内径は中空部材50の内径より大きい、破壊部品612の内径は中空部材50の内径以下である。第1の密封要素61は完全に第1の開口要素51を閉じる時、破壊部品612の下端は第2の密封要素62を破壊する。
【0099】
具体的に、制限ユニット611は蓋板であり、破壊部品612は中空管である。
【0100】
制限ユニット611と破壊部品612は移動可能に接続されている、すなわち、制限ユニット611に対して特定の操作(開けるなど)を実行することにより、生化学反応組成や溶液を破壊部品612に加えることができる。
【0101】
具体的には、制限ユニット611と破壊部品612は、入れ子接続、ねじ接続、スナップ接続などの接続となる。例えば、制限ユニット611と破壊部品612との接続は、蓋部20と管部10との間の接続方式と同じである。
【0102】
具体的には、第2の密封要素62は、シールフィルム、またはシール接続剤を有するアルミホイルや他のフィルム材料など容易に壊れやすい密封要素である。
【0103】
中空部材50と密封部材60の密封効果を向上させるために、中空部材50と密封部材60には、それぞれ第3の嵌合部材53と第4の嵌合部材63が設けられている。
【0104】
図12に示すように、第3の嵌合部材53が中空部材50の内側壁の円周面には設けられており、かつ、第3の嵌合部材53が少なくとも1つある。
【0105】
図13に示すように、第4の嵌合部材63は、第1の密封要素61の外側壁の円周面に配置されており、かつ、第4の嵌合部材63が少なくとも1つある。
【0106】
第1の密封要素61が第1の開口要素51を閉じる時、第4の嵌合部材63と第3の嵌合部材53が接続され、第1の密封要素61と中空部材50が互いに協働し、第1の密封要素が第1の開口要素51を密封する効果を向上させる。
【0107】
第3の嵌合部材53は溝(または密封溝)であり、第4の嵌合部分63は突起(または突起密封環)であり、または、第3の嵌合部分53は突起(または突起密封環)であり、第4の嵌合部材63は溝(密封溝)である。
【0108】
第3の嵌合部品53が複数あり、かつ第3の嵌合部品53は、中空部品50の軸方向に沿って配置されている。同様に、第4の嵌合部品63が複数あり、かつ、第4の嵌合部品63は、第1の密封要素61の軸方向に沿って配置されている。
【0109】
第3の嵌合部材53と第4の嵌合部材63は一対一に接続されてもよい。具体的には、
中空部材50の最下部に位置する第3の嵌合部材53は第1の密封要素61の最下部に位置する第5の接続部63に接続され、中空部材50の最上部に位置する第3の嵌合部材53は、第1の密封要素61の最上部に位置する第4の嵌合部材63に接続される。この場合、第1の密封要素61は第2の密封要素62を破壊する。
【0110】
第3の嵌合部材53と第4の嵌合部材63は一対一に接続されなくてもよい。具体的には、中空部材50の最上部に位置する第3の嵌合部材53は、第1の密封要素61の最下部に位置する第4の嵌合部材21に接続される。この場合、第1の密封要素61は第2の密封要素62を破壊しない。
【0111】
本実施例の生化学反応試験管を使用するとき、第1の密封要素61の制限ユニット611を開き、特定の生化学反応組成や溶液を破壊部品612の内部に加えて、第1の密封要素61に第1の開口要素51から中空部分50を挿入して第2の密封要素62を破壊すると、破壊部品612内の生化学反応組成や溶液は、管本体11内の溶液と混合し、さらなる生化学反応をすることができる。例えば、生化学反応試験管内に核酸分解酵素を加え、生化学反応試験片チューブの内部にある核酸増幅産物を分解する。
【実施例6】
【0112】
本実施例は本発明による一つの具体的実施例であり、実施例1~5から拡張された実施例である。
【0113】
図14に示すように、生化学反応試験管には、生化学反応試験片チューブ内にある溶液を接触式温度伝導制御を行う金属浴装置70を含み、それは特定の温度を設定して、設定された条件に応じて一定の値を維持して、または複数の温度値の間で周期的に変化することができる。
【実施例7】
【0114】
本実施例は実施例1~5の生化学反反応試験片チューブの適用及び使用方法である。
【0115】
少なくとも生化学反応試験片チューブと生化学反応試薬を含む。生化学反応試薬は管本体11の第1のチャンバー13内に配置される。
【0116】
使用するとき、蓋部2が管部10を密封している場合、第1のチャンバー13内の生化学反応試薬は生化学反応を完成し、上記の生化学反応試験片チューブを一定の角度で反転して、上記の第1のチャンバー内の反応溶液は生化学クロマトグラフィー試験片16のサンプル吸収パッドに吸収され、その結果として、反応溶液は生化学クロマトグラフィー試験片上の流れを開始、試験片は反応溶液に対する検出信号を表示する。
【実施例8】
【0117】
本実施例は実施例1~5の生化学反応試験片チューブの適用及び使用方法である。
【0118】
生化学反応遺伝子増幅キットは、少なくとも生化学反応試験片チューブと、生化学反応試薬と、機能性反応試薬とを含む。生化学反応試薬は管本体11の第1のチャンバー13内に配置され、機能性反応試薬は管本体11の第3のチャンバー15内に配置されている。または、生化学反応試薬は管本体11の第3のチャンバー15内、機能性反応試薬は管本体11の第1のチャンバー13内に配置されている。
【0119】
ここで、機能性反応試薬の熱感度は生化学反応試薬の熱感度と違う。
【0120】
具体的に、生化学反応試薬はLATE-PCR遺伝子増幅試薬、TMA/NASBA遺伝子増幅試薬、RPA遺伝子増幅試薬、またはLAMP遺伝子増幅試薬など増幅試薬を含むが、これらに限られない。
【0121】
具体的に、機能性試薬は分解酵素、細胞溶解液、プローブ、緩衝液、希釈剤など、または、増幅反応が完了した後の後続の反応のための試薬が含まれるが、これらに限定されない。
【0122】
本実施例の第1の具体的実施方式は、生化学反応試薬は核酸増幅試薬であり、機能性反応試薬は希釈剤である。本実施方式において、第1のチャンバー13(または第3のチャンバー15)内の核酸増幅試薬は加熱され増幅反応を完成した後、生化学反応試験片チューブを一定の角度で反転して(例えば垂直的に180°反転して)振動操作を行い、第3のチャンバー15(または第2のチャンバー13)内の希釈液を第1のチャンバー13(または第2のチャンバー14)内の増幅産物溶液と混合させ、それから、その混合溶液は生化学クロマトグラフィー試験片(例えば免疫クロマトグラフィー試験片)のサンプル吸収パッドに吸収される。よって、上記の増幅産物溶液は希釈された後生化学クロマトグラフィー試験片上の流れることを起動し、免疫クロマトグラフィー試験片は増幅産物に対する検出信号を表示する。
【0123】
本実施例の第2の具体的実施方式は、生化学反応試薬はLATE-PCR遺伝子増幅試薬である。本実施方式において、LATE-PCR遺伝子増幅試薬は第1のチャンバー13内に配置され、その増幅産物中一本鎖産物を重合するプライマーの5’末端は小分子J1と表記され、一本鎖産物と結合することができるプローブの上端は分子J2と表記され、J1/J2は生化学クロマトグラフィー試験片(例えば免疫クロマトグラフィー試験片)のラベルと被覆されたリガンドと一緒にサンドイッチ型検出方法を形成できる。
【0124】
本発明の第3の実施形態では、生化学反応試薬はLAMP遺伝子増幅試薬であり、試薬中のループプライマーLF / LBの5’末端上に小分子J1/J2と表記され、J1/J2は生化学クロマトグラフィー試験片(例えば免疫クロマトグラフィー試験片)のラベルと被覆されたリガンドと一緒にサンドイッチ型検出方法を形成できる。
【0125】
前述の説明は、本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明の実施方式および保護範囲を限定するものではない。当業者にとって、本発明の明細書及び図面を使って作られた均等の置換や明らかな変更により得られた方案はすべて本発明の保護範囲内に含まれることが意識すべきである。
【符号の説明】
【0126】
10 管部
11 管本体
12 制限ユニット
13 第1のチャンバー
14 第2のチャンバー
15 第3のチャンバー
16 生化学クロマトグラフィー試験片
17 第1の嵌合部材
20 蓋部
21 導水部品
18 第2の嵌合部材
30 接続部材
40 補助部材
50 中空部材
51 第1の開口要素
52 第2の開口要素
53 第3の嵌合部材
60 密封部材
61 第1の密封要素
62 第2の密封要素
63 第4の嵌合部材
611 ストッパー
612 破壊部品
70 金属浴装置
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