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特許7294652薄型モニタを備える正面カバー付き縦型製袋充填包装機
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  • 特許-薄型モニタを備える正面カバー付き縦型製袋充填包装機 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-12
(45)【発行日】2023-06-20
(54)【発明の名称】薄型モニタを備える正面カバー付き縦型製袋充填包装機
(51)【国際特許分類】
   B65B 59/00 20060101AFI20230613BHJP
【FI】
B65B59/00
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019148990
(22)【出願日】2019-08-14
(65)【公開番号】P2021031067
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2022-08-08
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 展示会名 FOOMA JAPAN 2019 国際食品工業展 開催日 令和1年7月9日~令和1年7月12日 開催場所 東京ビッグサイト(東京都江東区有明3-11-1)
(73)【特許権者】
【識別番号】000148162
【氏名又は名称】株式会社川島製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100108567
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 雅夫
(72)【発明者】
【氏名】山本 博久
【審査官】西塚 祐斗
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-001541(JP,A)
【文献】特開2017-197238(JP,A)
【文献】特開平05-097129(JP,A)
【文献】特開2011-201552(JP,A)
【文献】特開2000-112377(JP,A)
【文献】実開昭60-115362(JP,U)
【文献】特開2004-182302(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02851306(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 59/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦方向に走行する帯状包装材から袋を形成しながら当該袋内に製品を充填し当該製品を収容した袋を封鎖して袋包装体を製造する包装機本体、
当該包装機本体に横付け状態で付設されていて前記包装機本体の動作部分の制御装置や電源を含む電装品を収容する電気ボックス、及び
前記包装機本体の正面手前側に配置されており前記包装機本体の正面を開閉可能に覆う正面カバーを備えている縦型製袋充填包装機であって、
前記正面カバーは前記電気ボックスに近い側の第1カバー部と前記電気ボックスから遠い側の第2カバー部とから成っており、前記第1カバー部と前記第2カバー部とは隣り合う側縁部同士が旋回用の縦支軸を介して互いに旋回可能に接合されており、
前記電気ボックスの正面壁には、縦方向に延びている回動軸と、当該回動軸よりも前記包装機本体側の位置において前記回動軸と平行に延びている旋回軸とが配設されており、 前記正面カバーの第1カバー部は、その前記電気ボックス側の側端縁部が前記回動軸に連係されていることで前記回動軸を中心として回動可能であり、
前記正面カバーの第2カバー部は、前記旋回軸に対して旋回可能に連結された旋回アームに回動連結されていること
から成る正面カバーを備える縦型製袋充填包装機。
【請求項2】
前記正面カバーは左右のカバー部が折り畳み式に開閉するカバーであり、
前記回動軸と前記左右のカバー部とは、前記左右のカバー部の内面側に沿って取り付けられているリンクアームが前記左右のカバー部の折り畳みに対応して互いに折れ曲り可能に構成されているリンク機構によって連係されており、
前記薄型モニタが前記回動軸によって略半回転することに応じて、前記正面カバーが開いた状態から前記リンクアームが折れ曲ることで前記左右のカバー部が折り畳まれて閉じる状態に、又は前記左右のカバー部が折り畳まれて閉じた状態から前記リンクアームの折れ曲りが戻ることで前記左右のカバー部が展開して開く状態になること
から成る請求項1に記載の薄型モニタを備える正面カバー付き縦型製袋充填包装機。
【請求項3】
前記電気ボックスの前記正面壁上と前記電気ボックスから遠い側のカバー部とが、別のリンクアームによって直接に連係されており、前記別のリンクアームは、前記正面カバーが折畳みによって開閉動作をするときに、当該電気ボックスから遠い側のカバー部の煽り動作を規制すること
から成る請求項2に記載の薄型モニタを備える正面カバー付き縦型製袋充填包装機。
【請求項4】
前記正面カバーは左右のカバー部が観音開き式に開閉するカバーであり、
前記回動軸に取り付けられていて前記回動軸が回転するときに当該回軸とともに回動するアームが前記電気ボックス側のカバー部と連係されていること
から成る請求項1に記載の薄型モニタを備える正面カバー付き縦型製袋充填包装機。
【請求項5】
前記薄型モニタは、前記回動軸の上端に対して、取付け具を介して当該上端の直上の位置に取り付けられており、
前記取付け具には、前記薄型モニタを上下に首振り可能とするチルト機能が設けられていること
から成る請求項1~4のいずれか一項に記載の薄型モニタを備える正面カバー付き縦型製袋充填包装機。
【請求項6】
前記薄型モニタは、前記回軸の上端に対して、当該上端と前記薄型モニタの横幅方向中央部とを連結するモニタアームを介して取り付けられており、
前記モニタアームには、前記薄型モニタを上下に首振り可能とするチルト機能が設けられていること
から成る請求項1~4のいずれか一項に記載の薄型モニタを備える正面カバー付き縦型製袋充填包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、縦ピロー包装機のような包装機本体の正面がカバーで覆われている縦型製袋充填包装機であって、当該包装機の運転状態の表示や運転動作の設定に用いられる薄型モニタを備える正面カバー付き縦型製袋充填包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、包装機として、長手方向を縦方向に配した状態で送られる帯状包装材に縦シールを施して筒状包装材に成形し、当該筒状包装材に包装すべき製品を投入・充填し、当該筒状包装材に横シールを施すことで形成される袋に当該製品を収容・包装して袋包装体を製造する縦型製袋充填包装機が多用されている。
【0003】
図7は、従来の一般的な縦型製袋充填包装機の一例を示す図である。図7に示される縦型製袋充填包装機50において、縦方向に配置された充填筒52の側方には包装材送りベルト53a,53bを備える包装材送り装置53が配設されており、充填筒52に巻き付けられた状態にある帯状包装材Fwは、包装材送り装置53によって充填筒52に沿って下流方向に送られる。引き下ろされる帯状包装材Fwは、製筒器(セーラ)51により帯状包装材Fwを充填筒52の後方から巻き付けて湾曲成形され、充填筒52の前側で帯状包装材Fwの幅方向の両端部を縦シーラバー54a,54bから成る縦シール装置54により貼り合せて縦シールScを施すことで筒状包装材Ftに成形される。筒状包装材Ftは、縦型製袋充填包装機50の前後方向に作動する横シーラブロック55a,55bから成る横シール装置55により、横切る方向に横シールSeが施されて袋が形成される。包装されるべき製品は、充填筒52の上方からホッパ(図示せず)内に投入され、筒状包装材Ftへの製品の充填と袋の形成とを繰り返すことで、袋包装体Bpが連続して製造される。横シールSeの中間で切断することで得られる個々の袋包装体Bpは、ガイドシュート56に案内され、登り傾斜するベルトコンベアのような搬出装置57に受け渡され、更に検査装置や箱詰め装置が配設されている下流部へと搬送される(特許文献1参照)。
【0004】
ところで、縦型製袋充填包装機のような製袋充填包装機においては、近年、包装動作の自動化・高度化が進んでおり、包装機の各部の動作を画面上で確認することができるように、また包装機の各部の動作を画面上で設定することができるように、操作や表示のためのモニタを包装機に付設することが標準仕様となっている。モニタは、液晶画面を備えるタイプのものが安価に提供されるようになったことに加えて、画面に多くの情報量を表示することができるように、昨今では、大型の薄型モニタが採用されることが多い。
【0005】
一方、縦型製袋充填包装機においては、異物が包装機内、とりわけシール装置や筒状包装材や袋内に入り込むことがないように、またオペレータが誤って動作部分に触れることがないように、衛生面や安全性を考慮して、包装機本体がカバーで覆われている。当該カバーのうち、包装機本体の正面のカバーは、通常、外から包装機本体を確認できるように、透明パネルから製作されている。そして、包装機の動作部分の制御装置等の電装品を包装機本体とは別形態として配設するために、電気ボックスと称される当該電装品を収容する箱状設備が当該包装機本体の側方に隣接設置されている。当該電気ボックスの上壁の上面は通常、平坦面であり、しかも電気ボックスに収容されている電源やコントローラからの配線の引き回しが有利である等のことから、上記薄型モニタは、当該電気ボックスの上壁部の上面に載置する態様で取り付けられていることが多い。
【0006】
図6は従来の正面カバー付き縦型製袋充填包装機の例を示す図であって、(a)は電気ボックスの横幅と同等の横サイズを有する薄型モニタを備える縦型製袋充填包装機の正面図、(b)は電気ボックスの横幅よりも広い横サイズを有する薄型モニタを備える縦型製袋充填包装機の正面図、(c)は(b)に示す縦型製袋充填包装機と同様であるが薄型モニタの配置が変更された例を示す正面図、(d)は(a)に示す縦型製袋充填包装機において電気ボックスの上壁に薄型モニタを載置した詳細例を示す斜視図である。図6(a)~(c)においては、同等の要素には同じ符号を付すことで重複する説明を省略する。
【0007】
図6(a)に示す縦型製袋充填包装機1aにおいては、包装機本体2の正面を覆う正面カバー60として、左右に同じ大きさのカバー部61,62を有する観音開き式のカバーが採用されている。左右のカバー部61,62が閉じ合わした状態の正面カバー60の下部は、袋包装体搬出用コンベヤ(図7参照)が通過するための切欠き部63となっている。包装機本体2には、正面カバー60の閉じ時にその行き過ぎを防止するようにステー9が設けられており、正面カバー60は、閉じたときにステー9に当接することで、それ以上の閉じ方向の動きが規制されるとともに、当該閉じ位置を維持できるようになっている。電気ボックス3は、包装機の側方において実質的に隙間なく横付けされて配置されている。電気ボックス3の天壁3aの上面は平坦面であり、当該平坦面に薄型モニタ65が取付け構造67を介して取り付けられている。薄型モニタ65の横幅W1は電気ボックス3の横幅Wbと同等であるので、薄型モニタ65は電気ボックス3の天壁3a上に丁度収まっており電気ボックス3の横方に張り出すものとはなっていない。
【0008】
図6(b)に示す縦型製袋充填包装機1bにおいて、操作・表示のための薄型モニタとして、横幅W1(Wb)より広い横幅W2を有する大型の薄型モニタ66を採用することがある。このような幅広の薄型モニタ66を電気ボックス3の天壁3aの上面に対して取付け構造67を介して設置すると、薄型モニタ66の位置が包装機本体2で規制されるために、薄型モニタ66の一部(図示では左側の一部)が電気ボックス3の幅方向外側に常に大きく張り出すことになる。張り出した大型の薄型モニタ66は、オペレータが包装機の点検等のために電気ボックス3の横を通行する際に、当該張出し部分に衝突する可能性があり危険である。薄型モニタ66の幅方向外側の張り出しを無くすため、図6(c)に示す縦型製袋充填包装機1cのように薄型モニタ66を逆側の包装機本体2側に張り出すと、包装機本体2の内部が狭くなる等の構造が制約を受ける、或いは包装機本体2内部の点検・オペレーションや製筒器(製筒セーラ)の交換時に、薄型モニタ66の出っ張りが邪魔になり、点検・交換作業性が著しく損なわれる、という問題がある。
【0009】
図6(d)に示すように、電気ボックス3の天壁3aにおける薄型モニタ65の取付け構造67は、天壁3aの上面に固定された取付けブラケット68と取付けブラケット68に対して上下方向に回動可能とされた取付けアーム69とを備えている。薄型モニタ65は、その横幅中央部分の背面において取付けアーム69の先端に対して固定されている。取付けブラケット68に対する取付けアーム69の取付け角度を調節可能とすることで、モニタ65のチルト機能(上下角度調整)を得ることができる。薄型モニタが広い横幅W2を有する薄型モニタ66のような場合であっても、天壁3aの上面への取付け構造は同様のものとすることができ、薄型モニタ65(66)を包装機本体2と干渉することなく電気ボックス3の天壁3a上に配置することができる。
【0010】
上記のような状況を回避するために、モニタを縦長に配置することも考えられるが、本来、人間工学的にヒトの眼球の動きは縦方向よりも横方向が良いとされているので、モニタの画面についても横長配置がよいとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特開2011-162239号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
そこで、包装機の運転状態の表示や運転動作の設定等に用いられる薄型モニタの大型化それ自体は近年の包装機開発の趨勢として避け難いので、大型の薄型モニタを備えた縦型製袋充填包装機において、正面カバーが閉じ状態にあるときには、薄型モニタによる包装機本体への構造上又は機能上の影響を無くし、正面カバーが開き状態にあるときには、オペレータが包装機の正面側から包装機本体内部へアクセスするのを薄型モニタが邪魔をすることがなく、また薄型モニタが単独で側方へ張り出すことのないように、正面カバーと薄型モニタの配置等の関連構成に工夫を凝らす点で解決すべき課題がある。
【0013】
この発明の目的は、上記課題を解決することであり、横幅の広い大型のモニタが設置される場合でも、薄型モニタの包装機本体内部への張出しを回避し、また薄型モニタの包装機外側への単独での張出しをなくすことで、薄型モニタがオペレータによる包装機内部へのアクセスを邪魔することなく、且つオペレータが包装機の周囲を通行する際にオペレータが薄型モニタと衝突する可能性を小さくした薄型モニタを備える正面カバー付き縦型製袋充填包装機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するため、この発明による薄型モニタを備える正面カバー付き縦型製袋充填包装機は、
縦方向に走行する帯状包装材から袋を形成しながら当該袋内に製品を充填し当該製品を収容した袋を封鎖して袋包装体を製造する包装機本体、当該包装機本体に横付け状態で付設されていて前記包装機本体の動作部分の制御装置や電源を含む電装品を収容する電気ボックス、前記包装機本体の正面手前側に位置しており前記包装機本体の正面を開閉可能に覆う正面カバー、及び前記包装機本体の運転状態を表示するとともに前記包装機本体の運転動作を設定可能な薄型モニタを備えている正面カバー付き縦型製袋充填包装機において、
前記電気ボックスには、その正面壁に縦方向に延びており、回動操作により前記正面カバーを前記包装機本体の前記正面を覆う閉じ状態と前記正面を開く開き状態との間で開閉させるための回動軸が配置されており、
前記薄型モニタは、前記回動軸の上端部に対して取り付けられていて、前記正面カバーの閉じ状態においては前記包装機本体の正面手前側に位置しており、且つ前記回動軸の回動と連動して前記電気ボックスの上壁面よりも上方で回動可能であり、
前記正面カバーの閉じ状態において、前記薄型モニタの当該回動中心位置は前記薄型モニタの横幅方向中心位置から前記包装機本体とは反対側にオフセットされた位置にあり、前記薄型モニタの前記回動軸から外側を占める部分の横幅寸法は前記回動軸から前記包装機本体に至る距離よりも短く設定されていること
から成っている。
【0015】
この薄型モニタを備える正面カバー付き縦型製袋充填包装機によれば、電気ボックスの正面壁を利用して、正面カバーを包装機本体の正面を覆う閉じ状態と正面を開く開き状態との間で開閉する回動軸が縦方向に延びる態様で設置される。薄型モニタは、電気ボックスの正面壁に設けられている回動軸の上端部に対して取り付けられていて電気ボックスの上壁面よりも上方で回動するので、薄型モニタは回動軸の回りに回動するときに電気ボックスと干渉することがなく、また、正面カバーの閉じ状態においては、薄型モニタは包装機本体の正面より手前側に位置している。薄型モニタは、正面側から見ると包装機本体の一部と重なっている場合もあるが、包装機本体の内部に張り出すことはないので、薄型モニタを大型モニタとしても包装機本体の内部への影響はない。
正面カバーの閉じ状態において、薄型モニタの当該回動中心位置は薄型モニタの横幅方向中心位置から包装機本体とは反対側にオフセットされた位置にあるので、正面カバーを開く際の回動初期の段階では、薄型モニタは、包装機本体と正面で重なる部分(横幅方向他端)があっても、包装機本体の正面側で包装機本体から遠ざかる方向に回動する。正面カバーの閉じ状態においては薄型モニタの前記回動軸から外側を占める部分の横幅寸法は前記回動軸から前記包装機本体に至る距離よりも短く設定されているので、回動軸が略半回転して正面カバーが開いた状態に至ったとき、当初に回動軸より外側を占めていた部分はその後包装機本体側に回動移動しても包装機本体と干渉することはない。このように、薄型モニタを大型モニタとしても、開閉の際に、包装機本体との干渉が回避される。
しかも、正面カバーの開き状態において薄型モニタの包装機本体側への張り出しがないので、オペレータは正面側から包装機本体内部へのアクセスが容易である。また、正面カバーの開き状態において、薄型モニタの当初に包装機本体側にあった横幅方向他端が略半回転して電気ボックスの反包装機本体側の外側壁を越えて外側に移動したとしても、開いた状態にある正面カバーが電気ボックスの外方に広がっていて薄型モニタがその広がりの中に納まっているので、傍らを通るオペレータは正面カバーとの衝突を避ければ自ずと薄型モニタとの衝突も回避される。薄型モニタを幅広の大型モニタとしたときでも、正面カバーの開き状態の正面カバーがオペレータに対して不都合となることはない。
【0016】
この薄型モニタを備える正面カバー付き縦型製袋充填包装機において、前記正面カバーは左右のカバー部が折り畳み式に開閉するカバーであり、前記回動軸と前記左右のカバー部とは、前記左右のカバー部の内面側に沿って取り付けられているリンクアームが前記左右のカバー部の折り畳みに対応して互いに折れ曲り可能に構成されているリンク機構によって連係されており、前記薄型モニタが前記回動軸によって略半回転することに応じて、前記正面カバーが開いた状態から前記リンクアームが折れ曲ることで前記左右のカバー部が折り畳まれて閉じる状態に、又は前記左右のカバー部が折り畳まれて閉じた状態から前記リンクアームの折れ曲りが戻ることで前記左右のカバー部が展開して開く状態になるとすることができる。
【0017】
この薄型モニタを備える正面カバー付き縦型製袋充填包装機によれば、正面カバーは左右のカバー部が折り畳み式に開閉するカバーであり、電気ボックスの正面壁上に設けられている回動軸と左右のカバー部とはリンク機構によって連係されており、左右のカバー部の内面側に沿って取り付けられているリンクアームが互いに折れ曲ることで、左右のカバー部が折り畳まれて包装機本体の正面が開かれる。正面カバーを折り畳むとき、薄型モニタは、回動軸によって略半回転されるとき、薄型モニタが包装機本体と干渉することなく左右のカバー部が充分折り畳まれるまで回動する。正面カバーは、この動作によって、全体が電気ボックス側に移動してコンパクトに折り畳まれるので、左右のカバー部が包装機の左右に大きく広がることがない。正面カバーが折り畳まれて開いた状態では薄型モニタの包装機本体内方への張り出しがないので、オペレータは薄型モニタによる邪魔が軽減され、包装機本体へのアクセスが容易になる。また、正面カバーが折り畳まれて開き状態にあるとき、薄型モニタの当初に包装機本体側にあった横幅方向他端が略半回転して電気ボックスの反包装機本体側の外側壁を越えて外側に移動したとしても、折り畳まれて開いた状態にある正面カバーが電気ボックスの外方に広がっていて薄型モニタがその広がりの中に納まっているので、傍らを通るオペレータは正面カバーとの衝突を避ければ薄型モニタとの衝突も自ずと回避される。
【0018】
この薄型モニタを備える正面カバー付き縦型製袋充填包装機において、前記電気ボックスの前記正面壁上と前記電気ボックスから遠い側のカバー部とが、別のリンクアームによって直接に連係されており、前記別のリンクアームは、前記正面カバーが折畳みによって開閉動作をするときに、当該電気ボックスから遠い側のカバー部の煽り動作を規制するものであるとすることができる。
この薄型モニタを備える正面カバー付き縦型製袋充填包装機によれば、正面カバーが折り畳まれて開くとき或いはその反対に折り畳みを開いて閉じるときに、別のリンクアームの規制作用によって、電気ボックスから遠い側のカバー部が煽られて電気ボックスに近い側のカバー部に対して振れ回ることがなくなり、正面カバーはスムーズに開閉される。
【0019】
この薄型モニタを備える正面カバー付き縦型製袋充填包装機において、前記正面カバーは左右のカバー部が観音開き式に開閉するカバーであり、前記回動軸に取り付けられていて前記回動軸が回転するときに当該回軸とともに回動するアームが前記電気ボックス側のカバー部と連係されているとすることができる。
この薄型モニタを備える正面カバー付き縦型製袋充填包装機によれば、観音開き式の正面カバーを閉じた状態から開いた状態にするために回動軸を回動するときには、アームが回動軸とともに回動し、電気ボックス側のカバー部が回動軸の回りに旋回する。正面カバーが観音開きの開き状態にあるとき、薄型モニタの包装機本体内方への張り出しがないので、オペレータは包装機本体内で薄型モニタによる邪魔がなく、開いた正面カバーを通して包装機本体へのアクセスが容易になる。薄型モニタの当初に包装機本体側にあった横幅方向他端が略半回転して電気ボックスの反包装機本体側の外側壁を越えて外側に移動したとしても、開いた状態にまで回動した電気ボックス側のカバー部が電気ボックスの外方に広がっていて薄型モニタがその広がりの中に納まっているので、傍らを通るオペレータは電気ボックス側のカバー部との衝突を避ければ薄型モニタとの衝突も自ずと回避される。正面カバーが開いている状態から回動軸を回転して電気ボックス側のカバー部を閉じるとき、薄型モニタは、回動軸回りに回転し包装機本体と干渉することがない。電気ボックス側のカバー部は包装機本体の正面を覆う状態の位置まで回動する。
【0020】
この薄型モニタを備える正面カバー付き縦型製袋充填包装機において、前記薄型モニタは、前記回動軸の上端に対して、取付け具を介して当該上端の直上の位置に取り付けられており、前記取付け具には、前記薄型モニタを上下に首振り可能とするチルト機能が設けられているとすることができる。
この薄型モニタを備える正面カバー付き縦型製袋充填包装機によれば、薄型モニタは、回動軸の上端に対してその直上の位置に取り付けられるので、回動軸と同じ軸線回りに旋回又は首振り可能な状態となる。薄型モニタの回動軸に対する取付け構造を、極力簡単な構造とすることができる。また、薄型モニタには、チルト機能が設けられているので、オペレータは、薄型モニタを見やすい角度に上下に姿勢変更をすることができる。
【0021】
この薄型モニタを備える正面カバー付き縦型製袋充填包装機において、前記薄型モニタは、前記回軸の上端に対して、当該上端と前記薄型モニタの横幅方向中央部とを連結するモニタアームを介して、取り付けられており、前記モニタアームには、前記薄型モニタを上下に首振り可能とするチルト機能が設けられているとすることができる。
この薄型モニタを備える正面カバー付き縦型製袋充填包装機によれば、薄型モニタは、回動軸の上端に対して、モニタアームを介することで、薄型モニタの横幅方向中央部において取り付けられるので、回動軸が回動されるとき薄型モニタが旋回又は首振り可能な状態となる。薄型モニタは、その横幅方向中央部においてモニタアームに取り付けられるので、モニタアームに対しては左右バランスの良い取付けとすることができる。また、薄型モニタには、チルト機能が設けられているので、オペレータは、薄型モニタを見やすい角度に上下に姿勢変更をすることができる。
【発明の効果】
【0023】
この発明による薄型モニタを備える正面カバー付き縦型製袋充填包装機は、上記のように構成されているので、電気ボックスの正面壁に設置されている回動軸の上端部に取り付けられる薄型モニタは、正面カバーの閉じ状態では包装機本体の正面より手前側に位置していることになるので、包装機本体と干渉することがない。
正面カバーを開く際には、薄型モニタが回動軸と連動回転されるが、この回動の初期の段階では、薄型モニタの包装機本体側の端部が包装機本体の正面側で包装機本体から遠ざかる方向に回動し、その後、更に回転する間も薄型モニタは包装機本体と干渉することはない。回動軸が略半回転して正面カバーが開いた状態に至っても、回動軸に関する配置関係を満たすことで、包装機本体と干渉する位置を占めることはない。
正面カバーの開き状態において薄型モニタの包装機本体内方への張り出しがないので、オペレータは包装機本体に対するアクセスがし易くなる。また、正面カバーが開き状態になるときに、薄型モニタの当初に包装機本体側にあった部分が略半回転して電気ボックスの反包装機本体側の外側壁を越えて外側に移動したとしても、回動して開いた状態にある正面カバーが電気ボックスの外方に広がっていて薄型モニタがその広がりの中に納まっているので、傍らを通るオペレータは正面カバーとの衝突を避ければ薄型モニタとの衝突も自ずと回避される。
このように、薄型モニタの電気ボックスに対する配置に工夫を凝らすことで、大形の薄型モニタを横長手方向に配置することが可能となり、薄型モニタの包装機本体幅方向への張出しが無く、更に本体内部のオペレーションや円筒セーラ交換の際にも、点検・作業性を損なうことのない薄型モニタを備える正面カバー付き縦型製袋充填包装機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、この発明によるモニタを備える正面カバー付き縦型製袋充填包装機の一実施例を示す図である。
図2図2は、図1に示すモニタを備える正面カバー付き縦型製袋充填包装機の正面カバー開き状態を示す部分斜視図である。
図3図3は、図1に示すモニタを備える正面カバー付き縦型製袋充填包装機の正面カバー閉じ状態を示す部分斜視図である。
図4図4は、この発明によるモニタを備える正面カバー付き縦型製袋充填包装機の正面カバーの折り畳み動作の変遷を示す概略図である。
図5図5は、この発明によるモニタを備える正面カバー付き縦型製袋充填包装機の別の実施例を示す図である。
図6図6は、モニタを備える従来の正面カバー付き縦型製袋充填包装機の例を示す図である。
図7図7は、従来の縦型製袋充填包装機の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付した図面に基づいて、この発明による薄型モニタ(以下、単に「モニタ」と称する)を備える正面カバー付き縦型製袋充填包装機の実施例を説明する。図1はこの発明によるモニタを備える正面カバー付き縦型製袋充填包装機の一実施例を示す図であり、(a)はその正面図、(b)はその側面図、(c)はその平面図で正面カバーが閉じた状態を示す図、(d)は同じく平面図で正面カバーが開いた状態を示す図である。図2図3は、図1に示す薄型モニタを備える正面カバー付き縦型製袋充填包装機の正面カバーが閉じ状態と開き状態にあるところをそれぞれ拡大して示す斜視図である。図1には当該縦型製袋充填包装機の概要が示されており、図2及び図3には包装機本体、電気ボックス、正面カバー及びモニタの配置関係の詳細が示されている。
【0026】
図1図3に示す実施例において、モニタを備える正面カバー付き縦型製袋充填包装機10は、帯状包装材から袋を形成しつつ袋の中に製品を収容し封鎖した袋包装体を製造する包装機本体2と、包装機本体2の片側、図示の例では左側に隣接して配置されており内部に包装機の動作部分の制御装置や電源を含む電装品を収容する電気ボックス3とから構成されている。
【0027】
縦型製袋充填包装機10の正面カバー14は左右のカバー部15,16が折り畳み式に開閉するカバーである。正面カバー14のうち右のカバー部16は包装機本体2の高さと同等の高さを備えているが、左のカバー部15はモニタ11との干渉を回避するため包装機本体2の高さのみならず電気ボックス3の高さより低い高さを有している。正面カバー14は、閉じ状態において、包装機本体2の正面よりオフセット距離Sだけ手前側に位置している(図1(b))。正面カバー14を開閉するのに用いられる回動軸17は、左カバー部15を回動させる軸であって、電気ボックス3の正面壁上に設置されている縦の回動軸である。回動軸17は、上側の保持具17aと下側の保持具17bとによって電気ボックス3の正面壁上に回動自在に保持されている。
【0028】
モニタ11は、回動軸17の上端部17cに対して、径方向に延びる態様で取り付けられたモニタアーム12とその先端に設けられている支持具13を介して支持されている。モニタ11に対して支持具13が取り付けられる位置はモニタ11の横幅方向中心位置Cwとされているので、モニタ11自体はモニタアーム12に対して横幅方向にバランス良く保持される。モニタ11が回動するときの回転中心軸は回動軸17と整列した縦軸であるが、正面カバー14の閉じ状態に対応してモニタ11が通常位置を占めている状態で見ると、当該縦軸は横幅方向中心位置Cwから距離D(図2図3)だけ反包装機本体側にオフセットした位置にある。モニタ11も正面カバー14と同様に包装機本体2の正面から手前側に位置しており、通常位置を占めているモニタ11の包装機本体側部分(図で右側部分)は正面側から見て包装機本体2の一部と重なっている。支持具13には上下方向に首振りをするチルト機構(それ自体は公知のものであってよい)を備えることができるので、モニタ11をオペレータが見やすいように上下の仰角(伏角)を調節することができる。
【0029】
回動軸17と左右のカバー部15,16とは、リンク機構18によって連係されている。リンク機構18は、左右のカバー部15,16の内面側に沿って取り付けられていて折れ曲り可能に構成されているリンクアーム19,20を備えている。リンク機構18は上側のリンクアーム19と下側のリンクアーム20を備えており、各リンクアーム19,20は、それぞれ、基端が回動軸17に回動自在に支持されており且つ左カバー部15の裏面に取り付けられたアーム19a,20aと、アーム19a,20aの先端に回動自在に連結されており且つ右カバー部16の裏面に取り付けられたアーム19b,20bとを備えている。上側のリンクアーム19のアーム19aとアーム19b、及び下側のリンクアーム20のアーム20aとアーム20bが共通縦軸21によって、回動自在に連係されている。上下のリンクアーム19,20が共通縦軸21の回りに同時に折れ曲ることにより、正面カバー14の左カバー部15と右カバー部16とが折り畳まれ或いは折り畳みが展開される。
【0030】
電気ボックス3の正面壁上と電気ボックス3から遠い側のカバー部16とが、別のリンクアーム22によって直接に連係されている。リンクアーム22は、電気ボックス3に取り付けられたブラケット24に回動自在に支持されたアーム23を備えており、アーム23の先端が短軸25を介して、リンクアーム20のアーム20bに対して回動自在に連結されている。左右のカバー部15,16は共通縦軸21によって回動自在であるので、それだけでは電気ボックス3から遠い側のカバー部16は、電気ボックス3に近い側のカバー部15に対して煽られる動きをする可能性がある。リンクアーム22によってカバー部16の動きを規制することで、正面カバー14が折り畳まれるときに、カバー部16は煽られて振れ回ることなく、スムーズに折り畳まれる。
【0031】
図2は、図1に示す薄型モニタを備える正面カバー付き縦型製袋充填包装機10の正面カバー14が閉じ状態にあるところを示す斜視図である。リンクアーム19,20は折れ曲ることなくストレートな状態であるので、正面カバー14の左右のカバー部15,16は折り畳まれることなく、包装機本体2の正面を覆っている。
【0032】
正面カバー14が閉じた状態にあるとき、回動軸17が略半回転の角度で回動されることによって、左のカバー部15が電気ボックス3の外側へと回動されて反転されると、左右のカバー部15,16の内面側に沿って取り付けられているリンクアーム19,20が互いに折れ曲ることで、右のカバー部16が反転状態にある左カバー15に対して折り畳まれる。右のカバー部16の右側端16aは、正面カバー14が閉じた状態では包装機本体2の右側端2aと整列しているが、左右のカバー部15,16が折り畳まれて正面カバー14が開いた状態では包装機本体2の左側端2bと整列した位置を占めるので、包装機本体2の正面が開かれる。右のカバー部16の左側端16bは、電気ボックス3を越えた側方の位置に至る。
【0033】
通常位置にあるモニタ11が回動する縦軸としての回動軸17は横幅方向中心位置Cwから距離Dだけ反包装機本体側にオフセットした位置にある。正面カバー14の閉じ状態を示す図2に示すように、モニタ11の回動軸17(その縦軸線)から外側を占める部分の横寸法L1は、回動軸17(その縦軸線)から包装機本体2に至る距離L2よりも短く設定されている。正面カバーを開くため回動軸17が略半回転の角度で回動されるとき、正面カバー14の開きに合わせてモニタ11も一緒に回動軸17の回りに連動回転される。この回動の初期段階においては、包装機本体2と正面手前側で重なっていて回動軸17から遠い振れ回り半径の大きい右側部分は包装機本体2の正面側で手前側に更に遠ざかる方向に回動する。その後、モニタ11が正面カバー14の開きに対応して更に回転する間も、モニタ11の当該部分は包装機本体2と干渉することがない。振れ回り半径の小さい側(横寸法L1)の部分は、回動軸17の回転に伴って、電気ボックス3の天壁3a上を旋回し包装機本体2側に回動移動する。回動軸17と包装機本体2との間の距離L2が上記のように設定されているので、当該部分は半回転しても包装機本体2と干渉することはない。その結果、モニタ11は、正面カバー14が開いた状態に至るまで、包装機本体2や電気ボックス3と干渉することなく略半回転する。
【0034】
図3は、図1に示す薄型モニタを備える正面カバー付き縦型製袋充填包装機10の正面カバー14が開き状態にあるところを示す斜視図である。リンクアーム19,20は共通縦軸21のところで折れ曲っており、それに応じて、正面カバー14の左右のカバー部15,16が折り畳まれていて、包装機本体2の正面を開いている。リンクアーム22が、リンクアーム19,20による右カバー部16の動きを規制しているので、右カバー部16は煽られることなく、スムーズな開閉動作をする。正面カバー14は、開き状態では電気ボックス3側に寄った位置でコンパクトな折り畳み状態となるので、包装機の周囲に大きく広がってオペレータの作業に邪魔になるようなことがない。
【0035】
正面カバー14が開いた状態では、モニタ11は回動軸17の回りに半回転してその裏面側が正面を向いた状態となっている。モニタ11については上記の横寸法L1と距離L2(L1<L2)の関係があることから、モニタ11の裏面側の右端(正面側の左端、即ち、正面カバー14が閉じ状態にあったときに包装機本体2から遠い側に位置していた横幅方向一端部)は包装機本体2の左側端2bに衝突することなく旋回して当該左側端2bに対応した位置を占める。また、モニタ11の裏面側の左端(正面側の右端、即ち、正面カバー14が閉じ状態にあったときに包装機本体2の一部と重なっていた側の横幅方向一端部)は電気ボックス3の左外方へ張り出しているが、反転した左カバー部15の横幅内に納まる位置に留まっている。モニタ11は、正面側から見ると、折れ曲った右のカバー部16で覆われる状態となる。
【0036】
このように、正面カバー14の開閉にかかわらず、モニタ11は包装機本体2の内部に張り出すことはなく、回動中も包装機本体2と干渉することがない。オペレータはモニタ11による邪魔が無く、包装機本体2の内部、例えば、図7に示す縦型製袋充填包装機50で言えば、製筒器(セーラ)51、充填筒52、包装材送り装置53、縦シール装置54及び横シール装置55等へのアクセスが容易になる。また、正面カバー14を開いた状態では、モニタ11は折り畳み状態となっている正面カバー14のうち特に右のカバー部16の横幅範囲内に納まっているので、包装機の周囲を通るオペレータは、左右のカバー部15,16に衝突しなければモニタ11にも衝突することはなく、モニタ11の破損や故障を防止することができる。なお、略半回転したモニタ11の画面側は隠されてはいないので、画面の表示を見る又は操作することは可能である。
【0037】
図4は、正面カバー14が折り畳み式のカバーであるときに、開き状態にある左右のカバー部15,16が閉じ状態に移行する経過を概略的に示す図である。図の簡略化のため、構造は概略のみを示す。リンクアーム22(図2図3)が設けられているために、左のカバー部15が旋回するとき、その左のカバー部15に対して共通縦軸21の回りに回動自在な右のカバー部16は勝手に煽られることがない。右のカバー部16は、リンクアーム22によって、大きく振れ回ることのない抑制された動きをしつつ、左の反転したカバー部15に次第に重なるように、折り畳まれる。図4では、右のカバー部16の右側端16aの辿る曲線様の軌跡の一例が概略的に示されている。左右のカバー部15,16やリンクアーム22について長さや配置のパラメータを適宜選択することで、右側端16aの軌跡をより平らな曲線にすることも可能である。
【0038】
図5は、この発明によるモニタを備える正面カバー付き縦型製袋充填包装機の別の実施例の概要を示す斜視図である。正面カバー付き縦型製袋充填包装機30の包装機本体2は、図6に示した従来の正面カバー付き縦型製袋充填包装機1a,1bの包装機本体2と同様の構造を有している。即ち、正面カバー34は、左右の両カバー部35,36が開閉する観音開き式のカバーである。ただし、左カバー部35は、後述するように、横幅の広いモニタ31との関係で、従来の左カバー部61とは一部構造が異なっている。左右の両カバー部35,36が閉じた状態にあるときの正面カバー34の中央下部には、袋包装体を排出するコンベヤが通過できるように切欠き部63が形成されている。
【0039】
図5(b)に示すように、正面カバー34は、包装機本体2の正面から手前側に一定距離Sだけオフセットした位置に設けられている。正面カバー34を包装機本体2の正面を覆う閉じ状態と正面を開く開き状態との間で開閉するために、包装機本体2の正面においてオフセット距離S内に、左右の両カバー部35,36がそれぞれ開閉するときの軸となる回動軸37,38が配置されている。回動軸37は、電気ボックス3の正面壁を利用して、当該正面壁に適宜の保持具、例えば図示のように上下の2箇所で保持具37a,37bによって回転自在に配置・軸支されている。一方、回動軸38は、右のカバー部36の外側縁部に対応する包装機本体2の側縁部に保持具38a,38bによって縦方向に延びる態様で設けられている。回動軸37,38は、保持具37a,37b;38a,38bによって保持された固定管の内部に回転自在に収容してもよく、保持具37a,37b;38a,38bに適宜の軸受を設けて直接に回転自在に保持してもよい。
【0040】
横幅の広いモニタ31は、オフセット距離S内に配置されている回動軸37の上端部に適宜の支持具33を介して取り付けられている。支持具33は、回動軸37の直上の位置でモニタ31に対して直接に取り付けられてもよく、また、回動軸37に径方向に延びるモニタアームを取り付け、モニタアームに更に取付け具39を取り付けることで、モニタ31をその横幅方向中心位置で支持してもよい。
【0041】
回動軸37,38にはそれぞれ開きアーム32a,32bが取り付けられており、左右のカバー部35,36がそれぞれ開きアーム32a,32bに取り付けられている。また、包装機本体2の正面には、オフセット距離Sを厚みとするステー9が設けられている。ステー9は、左右の両カバー部35,36が閉じた状態にあるときには、両カバー部35,36に当接し、左右の両カバー部35,36がそれ以上閉じ方向に行き過ぎるのを防止する役割を担っている。
【0042】
モニタ31は、電気ボックス3の天壁3aの平坦面には載置されておらず、正面カバー34が閉じているときには、側面図(b)に示すように、オフセット距離Sの範囲内で且つ電気ボックス3の天壁3aよりも高さの高いスペースに置かれる。
【0043】
平面図(c)に示す観音開き式の正面カバー34の閉じ状態から正面カバー34を開くと、左右の両カバー部35,36は、平面図(d)に示すように、それぞれ回動軸37,38の回りに図示の位置まで回動する。即ち、モニタ31は電気ボックス3よりも高い位置に設けられているので、縦軸である回動軸37の回りに回動しても電気ボックス3と干渉することがない。回動軸37を回転させて正面カバー34の左のカバー部35を開くときに、モニタ31は左のカバー部35と連動して回転される。
【0044】
観音開き式の正面カバー34が包装機本体の正面を閉じる閉じ状態にあるとき、当該閉じ状態から開き状態に回動するとき、或いは当該開き状態にあるとき、大型(横幅の広い)のモニタ31と正面カバー34との相互の関係、並びにモニタ31と正面カバー34との包装機本体2及び電気ボックス3に対する相互の関係は、先の実施例で示した折り畳み式の正面カバー14の場合と同様であるので、動作についての再度の説明を省略する。
【0045】
正面カバー34を開いた状態では、モニタ31の包装機本体2の内部への張出しについては勿論のこと包装機本体2の正面においても張出しが無くなるので、オペレータは包装機本体2の正面からその内部に対するアクセスが容易になる。即ち、オペレータは、包装機本体2の開いた正面から包装機本体2の内部、例えば、図7に示す縦型製袋充填包装機50で言えば、製筒器(セーラ)51、充填筒52、包装材送り装置53、縦シール装置54及び横シール装置55等にアクセスし、それらの装置のオペレーション、即ち、点検・清掃や交換等の作業をすることができる。モニタ31の電気ボックス3に対する配置により、包装機が大型の薄型モニタ31の搭載が可能となっている。また、薄型モニタ31は、左のカバー部35を越えて外側に張り出していない、即ち、半回転して最も横方向遠い位置に至った右側端35a(図5(d))までの範囲内に納まっているので、縦型製袋充填包装機30の周囲を通行するオペレータが、正面カバー34との衝突を避ければ、単独で張り出したモニタ31と衝突する可能性は自ずと小さくなる。
【0046】
折り畳み式の正面カバー14については、左右二つのカバー部15,16から成るものとして説明したが、これに限ることなく、例えば、小型の縦型製袋充填包装機であれば一枚のカバー板から構成してもよく、右のカバー部16については更に分割して蛇腹状に折り重ねることができるカバー部から構成してもよい。いずれの場合も、最も電気ボックス3側に近いカバー又はカバー部を回動軸17の回動でスウィングするように構成し、その動きに連動してモニタ11を回動することで、オペレータが周囲を通るときにモニタ11だけが邪魔になるような事態を回避し、また正面カバー14を開くときにはモニタ11がオペレータの正面側から包装機本体2内へのアクセスを邪魔することを回避することができる。また、いずれの形式の正面カバーであっても、薄型モニタは、回動軸との連動を解除して、単独で縦軸の回りに回動するものであってもよい。上記の各実施例では包装機本体2の左側に電気ボックス3と薄型モニタを配置したが、両者を包装機本体2の右側に配置してもよい。更に、正面カバーの回動角度は正確に半回転でなく、実質的に半回転であればよく、また、正面カバーを閉じた状態では、モニタの外側端は電気ボックス3の外側壁と一致又はそれより内側にあるのが好ましいが、オペレータの移動に差し障りがなければ、電気ボックス3の外側壁よりも実質的に外側に張り出していなければモニタの外側端については柔軟に配置して構わない。
【符号の説明】
【0047】
1a,1b,1c 正面カバー付き縦型製袋充填包装機
2 包装機本体 2a 右側端 2b 左側端
3 電気ボックス 3a 天壁
9 ステー
10 正面カバー付き縦型製袋充填包装機 11 薄型モニタ
12 モニタアーム 13 支持具
14 正面カバー 15,16 左右のカバー部
16a 右側端 16b 左側端
17 回動軸 17a,17b 保持具
17c 上端部
18 リンク機構 19,20 リンクアーム
19a,19b アーム 20a,20b アーム
21 共通縦軸 22 リンクアーム
23 アーム 24 ブラケット
25 短軸
30 正面カバー付き縦型製袋充填包装機 31 薄型モニタ
32a,32b 開き用アーム 33 支持具
34 正面カバー 35,36 左右のカバー部
35a 右側端
37,38 回動軸 37a,37b,38a,38b 保持具
39 支持具
50 縦型製袋充填包装機 51 製筒器(セーラ)
52 充填筒
53 包装材送り装置 53a,53b 包装材送りベルト
54 縦シール装置 54a,54b 縦シーラバー
55 横シール装置 55a,55b 横シーラブロック
56 ガイドシュート 57 搬出装置
60 正面カバー 61,62 左右のカバー部
63 切欠き部
65,66 薄型モニタ 67 取付け構造
68 取付けブラケット 69 取付けアーム
W1,W2 薄型モニタの横幅 Wb 電気ボックスの横幅
Cw モニタの幅方向中心線 S オフセット距離
L1 モニタの一部分の横寸法 L2 回動軸から包装機本体に至る距離
Fw 帯状包装材 Ft 筒状包装材
Sc 縦シール Se 横シール
Bp 袋包装
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7