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特許7294700エアロゾル化可能材料を加熱する装置と共に使用するための消耗品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-12
(45)【発行日】2023-06-20
(54)【発明の名称】エアロゾル化可能材料を加熱する装置と共に使用するための消耗品
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/42 20200101AFI20230613BHJP
   A24F 40/465 20200101ALI20230613BHJP
   A24F 40/70 20200101ALI20230613BHJP
   A24D 1/20 20200101ALI20230613BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/465
A24F40/70
A24D1/20
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2021504516
(86)(22)【出願日】2019-07-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-02
(86)【国際出願番号】 EP2019070735
(87)【国際公開番号】W WO2020025737
(87)【国際公開日】2020-02-06
【審査請求日】2021-03-29
(31)【優先権主張番号】1812492.5
(32)【優先日】2018-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】カルジュラ, カール
(72)【発明者】
【氏名】ヘップワース, リチャード
(72)【発明者】
【氏名】アウン, ワリド アビ
(72)【発明者】
【氏名】ファロン, ゲイリー
(72)【発明者】
【氏名】ブレイ, アンドリュー ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】リチャードソン, ジョン
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0119049(US,A1)
【文献】特表2018-507683(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0354561(US,A1)
【文献】国際公開第2018/162515(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
A24D 1/20
A24D 3/17
A61M 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル化可能材料を加熱して前記エアロゾル化可能材料の少なくとも1つの成分を揮発させる装置と共に使用するための消耗品であって、エアロゾル化可能材料を含む巻き構造体を備える中空管を具備し、
前記巻き構造体がヘリカル巻き構造体である、消耗品。
【請求項2】
エアロゾル化可能材料を含む前記巻き構造体が、前記消耗品の面の少なくとも一部を画定する、請求項1に記載の消耗品。
【請求項3】
前記面が、前記消耗品の最も内側の面である、請求項2に記載の消耗品。
【請求項4】
エアロゾル化可能材料を含む前記巻き構造体が、波形部、型押し部又は陰刻部を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項5】
前記巻き構造体が前記中空管の層を形成し、前記中空管が1つ又は複数の更なる層を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項6】
前記中空管が、エアロゾル化可能材料を含む前記構造体の前記波形部、型押し部又は陰刻部と、前記1つ又は複数の更なる層のうちの少なくとも1つとによって、及びこれらの間に画定された、1つ又は複数のエアロゾル流路を備える、請求項4に従属する場合の請求項5に記載の消耗品。
【請求項7】
前記中空管が、前記消耗品の面の少なくとも一部を画定するバリア層を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項8】
変化する磁界が侵入することによって加熱可能である加熱材料を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項9】
前記中空管が、前記加熱材料を含む層を備える、請求項8に記載の消耗品。
【請求項10】
前記加熱材料を含む前記層が、前記バリア層と、エアロゾル化可能材料を含む前記巻き構造体との間に配置されている、請求項7に間接的に従属する場合の請求項9に記載の消耗品。
【請求項11】
前記1つ又は複数の更なる層のうちの少なくとも1つがエアロゾル化可能材料を含む、請求項5に記載の、又は請求項5に従属する場合の請求項6~10のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項12】
前記中空管が、加熱材料を含む層を備え、加熱材料を含む前記層が、エアロゾル化可能材料を含む前記巻き構造体と、エアロゾル化可能材料を含む前記少なくとも1つの更なる層との間に配置されている、請求項11に記載の消耗品。
【請求項13】
前記1つ又は複数の更なる層のうちの少なくとも1つが、香味料又は感覚惹起剤を含む、請求項5に記載の、又は請求項5に従属する場合の請求項6~12のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項14】
前記巻き構造体の前記エアロゾル化可能材料がアモルファス固体を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項15】
エアロゾル化可能材料を加熱して前記エアロゾル化可能材料の少なくとも1つの成分を揮発させるシステムであって、
請求項1~14のいずれか一項に記載の前記消耗品と、
前記消耗品の前記エアロゾル化可能材料を加熱して前記エアロゾル化可能材料の少なくとも1つの成分を揮発させる装置とを備え、前記装置が、前記消耗品を受け入れるための加熱領域を含み、さらに、前記消耗品が前記加熱領域にあるときに、前記エアロゾル化可能材料の加熱を生じさせるデバイスを備える、システム。
【請求項16】
前記デバイスは、前記消耗品が前記加熱領域にあるときに前記加熱領域に侵入する、変化する磁界を発生するための磁界発生器を備える、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
エアロゾル化可能材料を加熱して前記エアロゾル化可能材料の少なくとも1つの成分を揮発させる装置と共に使用するための消耗品の形で、又は消耗品として使用するための中空管を製造する方法であって、
エアロゾル化可能材料を含む構造体を巻くステップを含み、
前記巻くステップが、エアロゾル化可能材料を含む前記構造体をらせん状に巻くことを含む、方法。
【請求項18】
前記巻くステップが、エアロゾル化可能材料を含む前記構造体をマンドレルに巻き付けることを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記マンドレルを用いて前記エアロゾル化可能材料を材料に塗布して前記構造体を形成するステップを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
供給源から材料を引き出しながら材料を巻くステップと、前記供給源の下流で前記エアロゾル化可能材料を前記材料に塗布するステップとを含む、請求項17~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
巻いた前記構造体が前記中空管の層を形成し、前記方法が1つ又は複数の更なる層を巻くステップを含む、請求項17~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記1つ又は複数の更なる層のうちの少なくとも1つが、変化する磁界が侵入することによって加熱可能である加熱材料を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
エアロゾル化可能材料を含む前記構造体を巻く前記ステップが、エアロゾル化可能材料を含む前記構造体を巻いて前記中空管の最も内側の面を形成するステップを含む、請求項17~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
エアロゾル化可能材料を含む前記構造体が前記エアロゾル化可能材料から構成され、又は担体を備え、前記エアロゾル化可能材料が前記担体の表面にあるか、又は前記担体に含侵されている、請求項17~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記構造体の前記エアロゾル化可能材料がアモルファス固体を含む、請求項17~24のいずれか一項に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル化可能材料を加熱する装置と共に使用するための消耗品と、このような消耗品、並びに消耗品のエアロゾル化可能材料を加熱してエアロゾル化可能材料の少なくとも1つの成分を揮発させる装置を備えるシステムと、エアロゾル化可能材料を加熱する装置と共に使用するための消耗品を製造する方法とに関する。
【背景】
【0002】
シガレット、シガー等の喫煙品は、使用中にタバコを燃焼させてタバコの煙を生じさせる。これらの品の代替品を、燃焼させることなく化合物を放出する製品を作り出すことによって提供しようとする試みがなされてきた。このような製品の例には、いわゆる「非燃焼加熱式」製品、又はタバコ加熱デバイス若しくは製品があり、これらは、材料を燃焼させるのではなく加熱することによって化合物を放出する。この材料は、例えばタバコや他の非タバコ製品としてもよく、これらはニコチンを含むことも含まないこともある。
【概要】
【0003】
本発明の第1の態様では、エアロゾル化可能材料を加熱してエアロゾル化可能材料の少なくとも1つの成分を揮発させる装置と共に使用するための消耗品を提供し、この消耗品は、エアロゾル化可能材料を含む巻き構造体を備える中空管を具備する。
【0004】
例示的な一実施形態では、消耗品は不燃性である。
【0005】
例示的な一実施形態では、巻き構造体はヘリカル巻き構造体である。
【0006】
例示的な一実施形態では、エアロゾル化可能材料はタバコを含む。例示的な一実施形態では、エアロゾル化可能材料は、再生エアロゾル化可能材料を含む。例示的な一実施形態では、エアロゾル化可能材料はアモルファス固体を含む。
【0007】
例示的な一実施形態では、エアロゾル化可能材料を含む構造体は担体を備え、このエアロゾル化可能材料は、担体の表面にあるか、又は担体に含侵されている。例示的な一実施形態では、エアロゾル化可能材料を含む構造体は、エアロゾル化可能材料から構成される。例えば、エアロゾル化可能材料は、成型すること、又は別の方法で形づくることができる。
【0008】
例示的な一実施形態では、エアロゾル化可能材料を含む巻き構造体は、消耗品の面の少なくとも一部を画定する。例示的な一実施形態では、エアロゾル化可能材料を含む巻き構造体は、消耗品の面を画定する。例示的な一実施形態では、この面は、消耗品の最も内側の面である。
【0009】
例示的な一実施形態では、エアロゾル化可能材料を含む巻き構造体は、波形部、型押し部又は陰刻部を含む。
【0010】
例示的な一実施形態では、巻き構造体は中空管の層を形成し、中空管は1つ又は複数の更なる層を含む。例示的な一実施形態では、更なる層のうちの少なくとも1つは、ヘリカル巻き層等の巻き層である。例示的な一実施形態では、エアロゾル化可能材料は、エアロゾル化可能材料を含む巻き構造体を、1つ又は複数の更なる層のうちの少なくとも1つに接着させる。
【0011】
例示的な一実施形態では、エアロゾル化可能材料を含む巻き構造体は、波形部、型押し部又は陰刻部を含み、中空管は、エアロゾル化可能材料を含む構造体の波形部、型押し部又は陰刻部と、1つ又は複数の更なる層のうちの少なくとも1つとによって、及びこれらの間に画定された、1つ又は複数のエアロゾル流路を備える。
【0012】
例示的な一実施形態では、中空管は、消耗品の面の少なくとも一部を画定するバリア層を備える。例示的な一実施形態では、バリア層は、使用の際のエアロゾル化可能材料の加熱中にエアロゾル化可能材料から放出されるエアロゾルに対し不透過性である。例示的な一実施形態では、バリア層は、ヘリカル巻き層等の巻き層である。例示的な一実施形態では、バリア層は、消耗品の面を画定する。例示的な一実施形態では、この面は、消耗品の最も外側の面になる。
【0013】
例示的な一実施形態では、消耗品には、変化する磁界が侵入することによって加熱可能である加熱材料がない。代替となる例示的な一実施形態では、消耗品は、変化する磁界が侵入することによって加熱可能である加熱材料を含む。例示的な一実施形態では、中空管は、加熱材料を含む層を備える。
【0014】
例示的な一実施形態では、加熱材料は、導電性材料、磁性材料、及び磁性導電性材料から成る群から選択された1つ又は複数の材料を含む。例示的な一実施形態では、加熱材料は金属又は金属合金を含む。例示的な一実施形態では、加熱材料は、アルミニウム、金、鉄、ニッケル、コバルト、導電性カーボン、グラファイト、鋼、普通炭素鋼、軟鋼、ステンレス鋼、フェライトステンレス鋼、モリブデン、シリコンカーバイド、銅、及び青銅から成る群から選択された1つ又は複数の材料を含む。
【0015】
例示的な一実施形態では、加熱材料を含む層は、金属箔又は金属合金箔を含む。
【0016】
例示的な一実施形態では、加熱材料を含む層は、ヘリカル巻き層等の巻き層である。
【0017】
例示的な一実施形態では、中空管は、消耗品の面の少なくとも一部を画定するバリア層を備え、加熱材料を含む層は、バリア層と、エアロゾル化可能材料を含む巻き構造体との間に配置される。
【0018】
例示的な一実施形態では、加熱材料を含む層は、エアロゾル化可能材料を含む巻き構造体の径方向外側に配置される。
【0019】
例示的な一実施形態では、1つ又は複数の更なる層は、ヘリカル巻き層等の、1つ又は複数の更なる巻き層を含む。
【0020】
例示的な一実施形態では、中空管は、1つ又は複数の更なる層を備え、1つ又は複数の更なる層のうちの少なくとも1つはエアロゾル化可能材料を含む。例示的な一実施形態では、中空管は、加熱材料を含む層を備え、この加熱材料を含む層は、エアロゾル化可能材料を含む巻き構造体と、エアロゾル化可能材料を含む少なくとも1つの更なる層との間に配置される。
【0021】
例示的な一実施形態では、中空管は、1つ又は複数の更なる層を備え、この1つ又は複数の更なる層のうちの少なくとも1つは、香味料又は感覚惹起剤を含む。
【0022】
例示的な一実施形態では、巻き構造体のエアロゾル化可能材料は、アモルファス固体を含む。
【0023】
本発明の第2の態様では、エアロゾル化可能材料を加熱してエアロゾル化可能材料の少なくとも1つの成分を揮発させるシステムを提供し、このシステムは、
本発明の第1の態様の消耗品と、
消耗品のエアロゾル化可能材料を加熱してエアロゾル化可能材料の少なくとも1つの成分を揮発させる装置とを備え、装置は、消耗品を受け入れるための加熱領域を含み、システムは、消耗品が加熱領域にあるときに、エアロゾル化可能材料の加熱を生じさせるデバイスをさらに備える。
【0024】
例示的な一実施形態では、デバイスは、消耗品が加熱領域にあるときに加熱領域に侵入する、変化する磁界を発生するための磁界発生器を備える。
【0025】
例示的な一実施形態では、消耗品が加熱領域にあるときにエアロゾル化可能材料の加熱を生じさせるデバイスは、加熱領域の別々の部分を互いに独立して加熱するように構成される。
【0026】
本発明の第3の態様では、エアロゾル化可能材料を加熱してエアロゾル化可能材料の少なくとも1つの成分を揮発させる装置と共に使用するための消耗品の形で、又は消耗品として使用するための中空管を製造する方法が提供され、この方法は、エアロゾル化可能材料を含む構造体を巻くステップを含む。
【0027】
例示的な一実施形態では、エアロゾル化可能材料はタバコを含む。例示的な一実施形態では、エアロゾル化可能材料は再生エアロゾル化可能材料である。例示的な一実施形態では、エアロゾル化可能材料はアモルファス固体を含む。
【0028】
例示的な一実施形態では、エアロゾル化可能材料を含む構造体は担体を備え、このエアロゾル化可能材料は、担体の表面にあるか、又は担体に含侵されている。例示的な一実施形態では、エアロゾル化可能材料を含む構造体は、エアロゾル化可能材料から構成される。例えば、エアロゾル化可能材料は、成型すること、又は別の方法で形づくることができる。
【0029】
例示的な一実施形態では、巻くステップは、エアロゾル化可能材料を含む構造体をらせん状に巻くことを含む。
【0030】
例示的な一実施形態では、巻くステップは、エアロゾル化可能材料を含む構造体をマンドレルに巻き付けることを含む。
【0031】
例示的な一実施形態では、この方法は、マンドレルを用いてエアロゾル化可能材料を材料に塗布して構造体を形成するステップを含む。
【0032】
例示的な一実施形態では、この方法は、供給源から材料を引き出しながら材料を巻くステップと、供給源の下流でエアロゾル化可能材料を材料に塗布するステップとを含む。
【0033】
例示的な一実施形態では、材料はエアロゾル化可能材料に対して多孔質である。
【0034】
例示的な一実施形態では、この方法は、エアロゾル化可能材料を含む構造体を巻くステップの間に、又はその後に、エアロゾル化可能材料を乾燥させるステップを含む。
【0035】
例示的な一実施形態では、巻き構造体は中空管の層を形成し、この方法は、1つ又は複数の更なる層を巻くステップを含む。例示的な一実施形態では、この方法は、1つ又は複数の更なる層を、エアロゾル化可能材料を含む構造体に巻き付けるステップを含む。例示的な一実施形態では、この方法は、エアロゾル化可能材料を含む構造体を1つ又は複数の層に巻き付けるステップを含む。
【0036】
例示的な一実施形態では、この方法は、1つ又は複数の更なる層をらせん状に巻くステップを含む。
【0037】
例示的な一実施形態では、この方法は、エアロゾル化可能材料を含む構造体をマンドレルに巻き付けるステップと、1つ又は複数の層をマンドレルに巻き付けるステップとを含む。
【0038】
例示的な一実施形態では、1つ又は複数の層のうちの少なくとも1つは、変化する磁界が侵入することによって加熱可能である加熱材料を含む。
【0039】
例示的な一実施形態では、エアロゾル化可能材料を含む構造体を巻くステップは、エアロゾル化可能材料を含む構造体を巻いて中空管の最も内側の面を形成するステップを含む。
【0040】
例示的な一実施形態では、エアロゾル化可能材料を含む構造体は、エアロゾル化可能材料から構成され、又は担体を備え、このエアロゾル化可能材料は、担体の表面にあるか、又は担体に含侵されている。
【0041】
例示的な一実施形態では、構造体のエアロゾル化可能材料はアモルファス固体を含む。
本発明の別の態様では、吸入可能なエアロゾルを生成する際に本発明の第1の態様の消耗品を使用することが可能になり得る。
【0042】
次に、添付の図面を参照して本発明の諸実施形態を例としてのみ説明する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】エアロゾル化可能材料を加熱してエアロゾル化可能材料の少なくとも1つの成分を揮発させる装置と共に使用するための消耗品の一例の概略的な断面側面図である。
図2図1の線II-IIに沿った、図1の消耗品の概略的な断面端面図である。
図3】エアロゾル化可能材料を加熱してエアロゾル化可能材料の少なくとも1つの成分を揮発させる装置と共に使用するための、別の消耗品の一例の概略的な断面側面図である。
図4図3の線IV-IVに沿った、図3の消耗品の概略的な断面端面図である。
図5】消耗品のエアロゾル化可能材料を加熱してエアロゾル化可能材料の少なくとも1つの成分を揮発させる消耗品及び装置を備えるシステムの一例の概略的な断面側面図である。
図6】エアロゾル化可能材料を加熱してエアロゾル化可能材料の少なくとも1つの成分を揮発させる装置と共に使用するための消耗品の形で、又は消耗品として使用する中空管を製造する方法の一例を示す流れ図である。
図7】エアロゾル化可能材料を加熱してエアロゾル化可能材料の少なくとも1つの成分を揮発させる装置と共に使用するための消耗品の形で、又は消耗品として使用する中空管を製造する別の方法の一例を示す流れ図である。
【詳細な説明】
【0044】
本明細書で使用される用語の「エアロゾル化可能材料」は、加熱することにより通常は蒸気又はエアロゾルの形で揮発成分が得られる材料を含む。「エアロゾル化可能材料」は、非タバコ含有材料又はタバコ含有材料としてもよい。「エアロゾル化可能材料」には、例えば、タバコ自体、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコ、タバコ抽出物、均質化タバコ、又はタバコ代替品のうちの1つ又は複数が含まれ得る。エアロゾル化可能材料は、挽きタバコ、刻みラグタバコ、押出タバコ、再生タバコ、再生エアロゾル化可能材料、液体、ゲル、ゲル化シート、粉末、又は塊等の形とすることができる。「エアロゾル化可能材料」は、その他の非タバコ製品を含んでもよく、これは製品によって、ニコチンを含むことも含まないこともある。「エアロゾル化可能材料」は、グリセロール又はプロピレングリコール等の、1つ又は複数の保湿剤を含むことがある。
【0045】
いくつかの実施形態では、エアロゾル化可能材料は「アモルファス固体」を含み、これは別に、「モノリシック固体」(すなわち非繊維質)又は「ドライゲル」と呼ばれることもある。アモルファス固体とは、その中に液体等の何らかの流体を保持できる固体材料のことである。場合によって、エアロゾル化可能材料は、約50重量%、60重量%又は70重量%のアモルファス固体から、約90重量%、95重量%又は100重量%までのアモルファス固体を含む。場合によって、エアロゾル化可能材料はアモルファス固体から構成される。
【0046】
アモルファス固体は、シートとして形成することができる。アモルファス固体は、シート形状で消耗品に取り込まれることがある。場合によって、エアロゾル化可能材料は、平面シートとして、束ねた、又は集合したシートとして、圧着シートとして、又は巻きシートとして(すなわち、管の形で)含まれることがある。場合によって、これらの実施形態のアモルファス固体は、エアロゾル化可能材料のロッド(例えば、タバコ)を取り囲むシート等、シートとして消耗品又はシステムに含まれることがある。場合によって、エアロゾル化可能材料はシートとして形成され、次に細断され、消耗品に取り込まれることがある。場合によって、細断シートは刻みラグタバコと混ぜ合わされ、消耗品に取り込まれることがある。
【0047】
いくつかの実施形態では、アモルファス固体は、連続気泡発泡体等の発泡体の形を取る。
【0048】
「エアロゾル化可能材料」は、その他の非タバコ製品を含むこともあり、この非タバコ製品は製品によって、ニコチンを含むことも含まないこともある。「エアロゾル化可能材料」は、グリセロール又はプロピレングリコール等の、1つ又は複数の保湿剤を含むことがある。
【0049】
場合によって、アモルファス固体は1~60重量%のゲル化剤を含むことがあるが、これらの重量は乾燥重量ベースで計算される。
【0050】
適宜に、アモルファス固体は約1重量%、5重量%、10重量%、15重量%、20重量%又は25重量%から約60重量%、50重量%、45重量%、40重量%、35重量%、30重量%又は27重量%までのゲル化剤(すべて乾燥重量ベースで計算)を含み得る。例えば、アモルファス固体は、1~50重量%、5~40重量%、10~30重量%又は15~27重量%のゲル化剤を含むことがある。
【0051】
いくつかの実施形態では、ゲル化剤は親水コロイドを含む。いくつかの実施形態では、ゲル化剤は、アルギン酸、ペクチン、デンプン(及び誘導体)、セルロース(及び誘導体)、ガム、シリカ又はシリコーン化合物、粘土、ポリビニルアルコール、及びこれらの組合せを含む群から選択された1つ又は複数の化合物を含む。例えば、いくつかの実施形態では、ゲル化剤は、アルギン酸、ペクチン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、プルラン、キサンタンガム、グアーガム、カラギーナン、アガロース、アラビアゴム、ヒュームドシリカ、PDMS、ケイ酸ナトリウム、カオリン、及びポリビニルアルコールのうちの1つ又は複数を含む。場合によって、ゲル化剤は、アルギン酸及び/又はペクチンを含み、アモルファス固体の形成中に硬化剤(カルシウム源等)と混合されることがある。場合によって、アモルファス固体は、カルシウム架橋アルギン酸及び/又はカルシウム架橋ペクチンを含むことがある。
いくつかの実施形態では、ゲル化剤はアルギン酸を含み、このアルギン酸は、アモルファス固体中にアモルファス固体の10~30重量%の分量(乾燥重量ベースで計算)が存在する。いくつかの実施形態では、アルギン酸は、アモルファス固体中に存在する唯一のゲル化剤である。他の実施形態では、ゲル化剤は、アルギン酸と、ペクチン等の少なくとも1つの別のゲル化剤とを含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、アモルファス固体は、カラギーナンを含むゲル化剤を含むことがある。
【0053】
適宜に、アモルファス固体は、約5重量%、10重量%、15重量%、又は20重量%から、約80重量%、70重量%、60重量%、55重量%、50重量%、45重量%、40重量%、又は35重量%までのエアロゾル生成剤(すべて乾燥重量ベースで計算)を含むことができる。エアロゾル生成剤は、可塑剤として働き得る。例えば、アモルファス固体は、10~60重量%、15~50重量%、又は20~40重量%のエアロゾル生成剤を含み得る。場合によって、エアロゾル生成剤は、エリトリトール、プロピレングリコール、グリセロール、トリアセチン、ソルビトール、及びキシリトールから選択された1つ又は複数の化合物を含む。場合によって、エアロゾル生成剤は、グリセロールを含み、グリセロールから実質的に成り、又はグリセロールから構成される。本発明者らは、可塑剤の含有率が高すぎる場合に、アモルファス固体が水を吸収し、その結果、使用時の適切な消費経験をもたらさない材料が生じ得ることを確証した。本発明者らは、可塑剤の含有率が低すぎる場合に、アモルファス固体がもろくなり、容易に砕け得ることを確証した。本明細書で明示される可塑剤含有率は、エアロゾル生成物の製造に有用な、アモルファス固体シートをボビンに巻き付けることを可能にするアモルファス固体可撓性を実現する。
【0054】
場合によって、アモルファス固体は香料を含むことがある。適宜に、アモルファス固体は、約60重量%、50重量%、40重量%、30重量%、20重量%、10重量%、又は5重量%までの香料を含み得る。場合によって、アモルファス固体は、少なくとも約0.1重量%、0.5重量%、1重量%、2重量%、5重量%、10重量%、20重量%、又は30重量%の香料(すべて乾燥重量ベースで計算)を含み得る。例えば、アモルファス固体は、0.1~60重量%、1~60重量%、5~60重量%、10~60重量%、20~50重量%、又は30~40重量%の香料を含み得る。場合によって、香料は(存在する場合)、メンソールを含み、メンソールから実質的に成り、又はメンソールから構成される。場合によっては、アモルファス固体は香料を含まない。
【0055】
場合によって、アモルファス固体は活性物質を含む。例えば、場合によって、アモルファス固体は、タバコ材料及び/又はニコチンを含む。例えば、アモルファス固体は、粉末タバコ及び/又はニコチン及び/又はタバコ抽出物を含み得る。場合によって、アモルファス固体は、約1重量%、5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、又は25重量%から約70重量%、50重量%、45重量%、又は40重量%までの活性物質(乾燥重量ベースで計算)を含み得る。場合によって、アモルファス固体は、約1重量%、5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、又は25重量%から約70重量%、60重量%、50重量%、45重量%、又は40重量%までのタバコ材料及び/又はニコチン(乾燥重量ベースで計算)を含み得る。
【0056】
場合によって、アモルファス固体は、タバコ抽出物等の活性物質を含む。場合によって、アモルファス固体は、5~60重量%のタバコ抽出物(乾燥重量ベースで計算)を含み得る。場合によって、アモルファス固体は、約5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、又は25重量%から約55重量%、50重量%、45重量%、又は40重量%のタバコ抽出物(乾燥重量ベースで計算)を含み得る。例えば、アモルファス固体は、5~60重量%、10~55重量%、又は25~55重量%のタバコ抽出物を含み得る。タバコ抽出物は、アモルファス固体が1重量%、1.5重量%、2重量%、又は2.5重量%から約6重量%、5重量%、4.5重量%、又は4重量%のニコチン(乾燥重量ベースで計算)を含むような濃度のニコチンを含むことができる。場合によって、アモルファス固体には、タバコ抽出物から生じるもの以外のニコチンがないこともある。
【0057】
いくつかの実施形態では、アモルファス固体は、タバコ材料は含まないがニコチンを含む。いくつかのそのような場合では、アモルファス固体は、約1重量%、2重量%、3重量%、又は4重量%から約20重量%、15重量%、10重量%、又は5重量%のニコチン(乾燥重量ベースで計算)を含み得る。例えば、アモルファス固体は、1~20重量%、又は2~5重量%のニコチンを含み得る。
【0058】
場合によって、活性物質及び/又は香料の総含有率は、少なくとも約0.1重量%、1重量%、5重量%、10重量%、20重量%、25重量%、又は30重量%とすることができる。場合によって、活性物質及び/又は香料の総含有率は、約80重量%、70重量%、60重量%、50重量%、又は40重量%未満(すべて乾燥重量ベースで計算)としてもよい。
【0059】
場合によって、タバコ材料、ニコチン及び香料の総含有率は、少なくとも約1重量%、5重量%、10重量%、20重量%、25重量%、又は30重量%とすることができる。場合によって、タバコ材料、ニコチン及び香料の総含有率は、約70重量%、60重量%、50重量%、又は40重量%未満(すべて乾燥重量ベースで計算)としてもよい。
場合によって、アモルファス固体は、湿重量ベースで計算された約1~約15重量%の水、又は約5~15重量%の水を含む。適宜に、アモルファス固体の水含有率は、約5重量%、7重量%、又は9重量%から約15重量%、13重量%、又は11重量%(WWB)、最も好適には約10重量%とすることができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、アモルファス固体はヒドロゲルであり、湿重量ベースで計算された約20重量%未満の水を含む。場合によって、ヒドロゲルは、湿重量ベース(WWB)で計算された約15重量%、12重量%、又は10重量%の水を含み得る。場合によって、ヒドロゲルは、少なくとも2重量%又は少なくとも5重量%の水(WWB)を含むことがある。
【0061】
アモルファス固体はゲルから作ることができ、このゲルは、0.1~50重量%で含まれる溶剤をさらに含み得る。しかし、本発明者らは、香料が溶解できる溶剤を含むことが、ゲル安定性を低下させ得ること、及び香料をゲルから結晶化させ得ることを確証した。そのため、場合によって、ゲルは香料が溶解できる溶剤を含まない。
【0062】
いくつかの実施形態では、アモルファス固体は、1~60重量%、又は5~50重量%、又は5~30重量%、又は10~20重量%等の、60重量%未満のフィラーを含む。
他の実施形態では、アモルファス固体は、20重量%未満、好適には10重量%未満、又は5重量%未満のフィラーを含む。場合によって、アモルファス固体は1重量%未満のフィラーを含み、場合によってはフィラーを含まない。
【0063】
フィラーは、存在する場合、炭酸カルシウム、パーライト、バーミキュライト、珪藻土、コロイドケイ酸、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム等の1つ又は複数の無機フィラー材料と、分子ふるい等の適切な無機吸着剤とを含み得る。フィラーは、木材パルプ、セルロース、及びセルロース誘導体等の1つ又は複数の無機フィラー材料を含む。特別な場合には、アモルファス固体は、チョーク等の炭酸カルシウムを含まない。
【0064】
フィラーを含む特定の実施形態では、フィラーは繊維質である。例えば、フィラーは、木材パルプ、麻繊維、セルロース又はセルロース誘導体等の有機繊維質フィラー材料とすることができる。理論に拘束されることを望むものではないが、アモルファス固体に繊維質フィラーを含むことで材料の引っ張り強さが増加し得ると考えられる。この引っ張り強さの増加は、アモルファス固体シートがエアロゾル化可能材料のロッドを取り囲む場合等、アモルファス固体がシートとして提供される例では特に有利なことがある。
【0065】
いくつかの実施形態では、アモルファス固体はタバコ繊維を含まない。特定の実施形態では、アモルファス固体は繊維質材料を含まない。
【0066】
いくつかの実施形態では、エアロゾル化可能材料はタバコ繊維を含まない。特定の実施形態では、エアロゾル化可能材料は繊維質材料を含まない。
【0067】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成基質はタバコ繊維を含まない。特定の実施形態では、エアロゾル生成基質は繊維質材料を含まない。
【0068】
いくつかの実施形態では、消耗品はタバコ繊維を含まない。特定の実施形態では、消耗品は繊維質材料を含まない。
【0069】
場合によって、アモルファス固体は、ゲル化剤、エアロゾル生成剤、タバコ材料及び/又はニコチン源、水、及び任意選択で香料から実質的に構成されても、これらから構成されてもよい。
【0070】
エアロゾル化可能材料を作る方法は、(a)アモルファス固体又はその前駆体の成分を含むスラリーを形成するステップと、(b)スラリーの層を形成するステップと、(c)スラリーを硬化させてゲルを形成するステップと、(d)乾燥させてアモルファス固体を形成するステップとを含み得る。
【0071】
スラリーの層を形成するステップ(b)は、例えば、スラリーを噴霧する、成型する、又は押出成形することを含み得る。場合によって、層は、スラリーをエレクトロスプレーすることによって形成される。場合によって、層は、スラリーを成型することによって形成される。
【0072】
場合によって、スラリーは担体に塗布される。
【0073】
場合によって、ステップ(b)及び/又は(c)及び/又は(d)は、少なくとも部分的には、同時に行われることがある(例えば、エレクトロスプレー中に)。場合によって、これらのステップは逐次的に行われることもある。
【0074】
ゲルを硬化させるステップ(c)は、硬化剤をスラリーに加えることを含み得る。例えば、スラリーは、アルギン酸ナトリウム、カリウム又はアンモニウムをゲル前駆体として含むことがあり、カルシウム源(塩化カルシウム等)を含む硬化剤をスラリーに加えて、アルギン酸カルシウムゲルを形成することができる。
【0075】
カルシウム源等の硬化剤の総量は、0.5~5重量%(乾燥重量ベースで計算)とすることができる。本発明者らは、硬化剤の付加が少なすぎると、アモルファス固体成分を安定させないアモルファス固体が生じ、これらの成分がアモルファス固体から脱落することになることを見出した。本発明者らは、硬化剤の付加が多すぎると、非常に粘着性のあるアモルファス固体が生じ、したがって扱いにくくなることを見出した。
【0076】
アルギン酸塩はアルギン酸の誘導体であり、一般には高分子量ポリマー(10~600kDa)である。アルギン酸は、(1,4)-グリコシド結合と連結して多糖を形成するβ-D-マンヌロン酸(M)及びα-L-グルロン酸(G)の単位(ブロック)からなるコポリマーである。カルシウムカチオンが付加されることによって、アルギン酸は架橋してゲルを形成する。本発明者らは、Gモノマー含有率の高いアルギン酸塩が、カルシウム源を付加することによって、より容易にゲルを形成することを確認した。したがって、場合によっては、ゲル前駆体ペイは、アルギン酸コポリマーのモノマー単位の少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%又は70%がα-L-グルロン酸(G)単位であるアルギン酸塩を含む。
【0077】
乾燥ステップにより、成型材料厚さが少なくとも80%、好適には85%又は87%低減する場合がある。例えば、スラリーは、2mmの厚さで成型することができ、結果として得られる乾燥アモルファス固体材料の厚さは0.2mmになり得る。
【0078】
場合によって、アモルファス固体は、約0.015~1.0mmの厚さを有し得る。適宜に、厚さは、約0.05mm、0.1mm又は0.15mmから約0.5mm又は0.3mmの範囲とすることができる。本発明者らは、0.2mmの厚さを有する材料が特に好適であることを見出した。アモルファス固体は2層以上を含むことがあり、本明細書に記載の厚さは、これらの層の総計の厚さを指す。
【0079】
場合によって、スラリー溶剤は水から実質的に構成されても、水から構成されてもよい。場合によって、スラリーは、約50重量%から、60重量%、70重量%、80重量%、又は90重量%の溶剤(WWB)を含み得る。
【0080】
溶剤が水から構成される場合には、スラリーの乾燥重量含有率は、アモルファス固体の乾燥重量含有率と一致し得る。したがって、固体構成物に関する本明細書での議論は、本発明のスラリー態様と併せて明確に開示される。
【0081】
いくつかの例では、スラリーは、46.5℃において約14~約16Pas等、約10~約20Pasの粘性を46.5℃において有する。
【0082】
アモルファス固体を含むエアロゾル化可能材料は、30~120g/m2等の任意の適切な面密度を有することができる。いくつかの実施形態では、エアロゾル化可能材料は、約30~70g/m2、又は約40~60g/m2の面密度を有することがある。いくつかの実施形態では、アモルファス固体は、約80~120g/m2、又は約70~110g/m2、又は特に約90~110g/m2の面密度を有することがある。このような面密度は、エアロゾル生成材料がシート形状で、又は細断シートとして消耗品又はシステムに含まれる場合に特に好適なことがある(以下でさらに説明する)。
【0083】
いくつかの例では、シート形状のアモルファス固体は、約200~900N/mの引っ張り強さを有することがある。アモルファス固体がフィラーを含まない場合等の、いくつかの例では、アモルファス固体は200~400N/m、又は200~300N/m、又は約250N/mの引っ張り強さを有することがある。このような引っ張り強さは、エアロゾル化可能材料がシートとして形成され、次に細断され消耗品に取り込まれる実施形態に特に適していることがある。アモルファス固体がフィラーを含む場合等の、いくつかの例では、アモルファス固体は、600~900N/m、又は700~900N/m、又は約800N/mの引っ張り強さを有することがある。このような引っ張り強さは、エアロゾル化可能材料が消耗品又はシステムに巻シートとして、好適にはチューブ形状で含まれる実施形態に特に適していることがある。
【0084】
1つの特別な場合では、担体は紙裏打ち箔としてもよく、その紙層はアモルファス固体層に当接し、前節で論じた特性は、この当接によってもたらされる。この箔裏打ちは、実質的に不浸透性であり、エアロゾル流路の制御を可能にする。金属箔裏打ちは、アモルファス固体へ熱を伝導する役割を果たすこともできる。
【0085】
別の場合では、紙裏打ち箔の箔層はアモルファス固体に当接する。箔は実質的に不浸透性であるので、紙の構造的完全性を弱めるおそれがある、アモルファス固体中に与えられていた水が紙に吸収されることを防止する。
【0086】
場合によって、担体は、アルミニウム箔等の金属箔から形成されるか金属箔を含む。金属担体が、アモルファス固体への熱エネルギーの良好な伝導を可能にすることができる。追加的又は代替的に、金属箔は、誘導加熱システムのサセプタとして機能することができる。特別な実施形態では、担体は、金属箔層及び厚紙等の支持層を備える。これらの実施形態では、金属箔層は、約1~10μm等の20μm未満の厚さ、好適には約5μmの厚さを有し得る。
【0087】
本明細書で活性物質とは生理学的に活性の材料であることがあり、これは、生理学的反応を達成又は増強することが目的の材料である。この活性物質は、例えば、栄養補助食品、向知性薬、精神賦活性薬とすることができる。活性物質は、天然素材であっても合成的に得られてもよい。活性物質は、例えば、ニコチン、カフェイン、タウリン、テイン、ビタミンのB6又はB12又はC等、メラトニン、カンナビノイド、又はこれらの成分、誘導体若しくは組合せを含み得る。活性物質は、タバコ、大麻又は他の植物の1つ又は複数の成分、誘導体若しくは抽出物を含み得る。
【0088】
いくつかの実施形態では、活性物質はニコチンを含む。
【0089】
いくつかの実施形態では、活性物質はカフェイン、メラトニン又はビタミンB12を含む。
【0090】
本明細書に示すように、活性物質は、1つ又は複数のカンナビノイド又はテルペン等の、大麻の1つ又は複数の成分、誘導体若しくは抽出物を含み得る。
【0091】
カンナビノイドは、脳内の神経伝達物質放出を抑制する細胞のカンナビノイド受容体(すなわち、CB1及びCB2)に作用する、天然又は合成の化合物の一種である。カンナビノイドは、大麻等の植物、動物(内在性カンナビノイド)からの天然素材(フィトカンナビノイド)であっても、人工的に製造されてもよい(合成カンナビノイド)。大麻種は、少なくとも85種の異なるフィトカンナビノイドを発現し、カンナビゲロル、カンナビクロメン、カンナビジオール、テトラヒドロカンナビノール、カンナビノール及びカンナビノジオール、並びにその他のカンナビノイドを含む、サブクラスに分類される。大麻中に発見されたカンナビノイドには、それだけには限らないが、カンナビゲロル(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビノール(CBN)、カンナビノジオール(CBDL)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビバリン(CBV)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロメバリン(CBCV)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビゲロルモノメチルエーテル(CBGM)、カンナビネロリック酸、カンナビジオリック酸(CBDA)、カンナビノールプロピル変異体(CBNV)、カンナビトリオール(CBO)、テトラヒドロカンナビモリック酸(THCA)、及びテトラヒドロカンナビバリニック酸(THCV A)が含まれる。
【0092】
本明細書に示されるように、活性物質は、1つ又は複数の植物性物質若しくは成分、その誘導体又は抽出物を含むこと、又はこれらから誘導されることがある。本明細書で使用される用語の「植物性物質」とは、それだけには限らないが、抽出物、葉、樹皮、繊維、茎、根、種子、花、果実、花粉、外皮、殻等を含む、植物から得られるあらゆる材料を含むものである。或いは、この材料は、植物中に天然に存在したり、合成して得られたりする活性化合物を含むこともある。材料は、液体、気体、固体、粉末、粉塵、破砕粒、顆粒、ペレット、細片、ストリップ、シート等の形にすることができる。例示的な植物性物質には、ユーカリ、ダイウイキョウ、麻、ココア、大麻、ウイキョウ、レモングラス、ペパーミント、スペアミント、ルイボス、カモミール、亜麻、生姜、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、月桂冠、甘草、抹茶、マテ茶、オレンジ皮、パパイヤ、バラ、セージ、緑茶又は紅茶等の茶、タイム、クローブ、シナモン、コーヒー、アニシード、バジル、月桂葉、カルダモン、コリアンダー、クミン、ナツメグ、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、ラベンダー、レモン果皮、ミント、ジュニパー、ニワトコの花、バニラ、ウィンターグリーン、シオガマギク、クルクマ、ウコン、ビャクダン材、シラントロ、ベルガモット、オレンジの花、ギンバイカ、カシス、バレリアン、ピメント、メース、ダミアン、マジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、エゾネギ、カルビ(carvi)、バーベナ、タラゴン、ゼラニウム、クワ、朝鮮人参、テアニン、テアクリン、マカ、アシュワガンダ、ダミアナ、ガラナ、クロロフィル、バオバブ、又はこれらの組合せがある。ミントは以下のミント品種から選択することができる:クールミント、ハッカ属c.v.、エジプトミント(Mentha niliaca)、セイヨウハッカ(Mentha piperita)、ライムミント(Mentha piperita citrata c.v.)、ブラックペパーミント(Mentha piperita c.v.)、メンセイスピカタクリスパ(Mentha spicata crispa)、メンセイコルディフォリア(Mentha cordifolia)、ナガバハッカ(Mentha longifolia)、パイナップルミント(Mentha suaveolens variegata)、ボレイハッカ(Mentha pulegium)、モロッコミント(Mentha spicata c.v.)、及びアップルミント(Mentha suaveolens)。
【0093】
いくつかの実施形態では、植物はユーカリ、ダイウイキョウ、ココア、及び麻から選択される。
【0094】
いくつかの実施形態では、植物はルイボス及びウイキョウから選択される。
【0095】
本明細書で使用される用語の「香料」及び「香味料」は、当地の規則で許可される場合に、所望の風味又は香り又は他の身体感覚を作り出すために成人消費者向けの製品に使用されてもよい材料を指す。
【0096】
これらには、天然に生じる香料材料、植物性物質、植物性物質の抽出物、合成して得られる材料、又はこれらの組合せ(例えば、タバコ、大麻、甘草、アジサイ、オイゲノール、ホオノキの葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、カエデ、抹茶、メンソール、和種ハッカ、アニシード、シナモン、ターメリック、インド品種、アジア品種、ハーブ、ウィンターグリーン、チェリー、ベリー、レッドベリー、クランベリー、桃、リンゴ、オレンジ、マンゴー、クレメンタイン、レモン、ライム、トロピカルフルーツ、パパイヤ、ルバーブ、ブドウ、ドリアン、ドラゴンフルーツ、キュウリ、ブルーベリー、クワ、柑橘類、ドランビュイ、バーボン、スコッチ、ウィスキー、ジン、テキーラ、ラム、スペアミント、セイヨウハッカ、ラベンダー、バルバドスアロエ、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、チャット、ナスワー(naswar)、キンマ、シーシャ、マツ、ハチミツエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、オレンジの花、サクラの花、カッシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、ウイキョウ、ワサビ、ピーマン、ジンジャー、コリアンダー、コーヒー、麻、ハッカ属の任意の種からのミント油、ユーカリ、ダイウイキョウ、ココア、レモングラス、ルイボス、亜麻、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、月桂樹、マテチャノキ、オレンジ皮、バラ、緑茶又は紅茶等の茶、タイム、ジュニパー、ニワトコの花、バジル、月桂葉、クミン、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、レモン果皮、ミント、シオガマギク、クルクマ、シラントロ、ギンバイカ、カシス、バレリアン、ピメント、メース、ダミアン、マジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、エゾネギ、カルビ、バーベナ、タラゴン、リモネン、チモール、カンフェン)、香味強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性剤又は刺激剤、糖及び/又は代替糖(例えば、スクロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、又はマンニトール)、及びチャコール、クロロフィル、ミネラル、植物性物質、又は息清涼剤等の他の添加物が含まれ得る。これらは、模造品、合成若しくは天然の成分、又はこれらの混合品としてもよい。これらは、任意の適切な形、例えば、油等の液体、粉末等の固体、又は気体としてもよい。
【0097】
香料は適宜、1つ又は複数のミント香料、好適にはハッカ属の任意の種からのミント油を含み得る。香料は適宜、メンソールを含んでも、メンソールから実質的に構成されても、又はメンソールから構成されてもよい。
【0098】
いくつかの実施形態では、香料はメンソール、スペアミント及び/又はペパーミントを含む。
【0099】
いくつかの実施形態では、香料は、キュウリ、ブルーベリー、柑橘類及び/又はレッドベリーの香料成分を含む。
【0100】
いくつかの実施形態では、香料はオイゲノールを含む。
【0101】
いくつかの実施形態では、香料は、タバコから抽出された香料成分を含む。
【0102】
いくつかの実施形態では、香料は、大麻から抽出された香料成分を含む。
【0103】
いくつかの実施形態では、香料は感覚惹起剤を含むことがあり、この感覚惹起剤は、香り又は味覚の神経に加えて、又はその代わりに、第5脳神経(三叉神経)を刺激することによって、通常は化学的に誘導及び知覚される身体感覚を得ることが意図されており、また、温まる、冷える、ひりひりする、麻痺するという効果をもたらす薬剤を含み得る。適切な加温効果剤は、それだけには限らないが、バニリルエチルエーテルとしてもよく、適切な冷却剤は、それだけには限らないが、ユーカリプトールWS-3としてもよい。
本明細書で使用される用語の「エアロゾル生成剤」は、エアロゾルの生成を促進する薬剤を指す。エアロゾル生成剤は、初期の気化、並びに/又は吸入可能な固体及び/若しくは液体のエアロゾルへのガスの凝縮を促進することによって、エアロゾルの生成を促進することができる。
【0104】
適切なエアロゾル生成剤には、エリトリトール、ソルビトール、グリセロール、及びプロピレングリコール又はトリエチレングリコールのようなグリコール等のポリオール、一価アルコール等の非ポリオール、高沸点炭化水素、乳酸等の酸、グリセロール誘導体、ジアセチン等のエステル、トリアセチン、トリエチレングリコールジアセテート、トリエチルシトレート又はエチルミリステート及びイソプロピルミリステートを含むミリステート、並びにメチルステアレート、ドデカン二酸ジメチル及びテトラデカン二酸ジメチル等の脂肪族カルボン酸エステルが、これらだけには限らないが含まれる。エアロゾル生成剤は適宜に、メンソールを溶解しない構成物を有し得る。エアロゾル生成剤は適宜に、グリセロールを含んでも、グリセロールから実質的に構成されても、グリセロールから構成されてもよい。
【0105】
本明細書で使用される用語の「タバコ材料」は、タバコ又はその派生物を含むあらゆる材料を指す。用語の「タバコ材料」は、タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコ、又はタバコ代替品のうちの1つ又は複数を含み得る。タバコ材料は、挽きタバコ、タバコ繊維、刻みタバコ、押出タバコ、タバコ茎、再生タバコ及び/又はタバコ抽出物のうちの1つ又は複数を含み得る。
【0106】
タバコ材料を生産するために使用されるタバコは、バージニア、及び/又はバーレー及び/又はオリエンタルを含めて、単一のグレード又はブレンド、刻みラグ又は全葉等の、任意の適切なタバコとすることができる。タバコ材料は、タバコ粒子「微粉」又は粉塵、膨張タバコ、茎、膨張茎、及び、カットロール茎等の他の加工茎材料とすることもできる。タバコ材料は、挽きタバコ又は再生タバコ材料としてもよい。再生タバコ材料は、タバコ繊維を含むことがあり、成型、タバコ抽出物の裏面追加を含むフォードリニエベースの紙製造タイプ手法、又は押出成形によって形成することができる。
【0107】
いくつかの実施形態では、アモルファス固体は、メンソールを含む。
【0108】
メンソール含有アモルファス固体を含む特定の実施形態は、細断シートとして消耗品又はシステムに含めるのに特に適している場合がある。これらの実施形態では、アモルファス固体は以下の構成物(DWB)、すなわち、ゲル化剤(好ましくはアルギン酸を含み、より好ましくはアルギン酸とペクチンの組合せを含む)を約20~約40重量%又は約25~35重量%の分量で、メンソールを約35~約60重量%又は約40~55重量%の分量で、エアロゾル生成剤(好ましくはグリセロールを含む)を約10~約30重量%又は約15~約25重量%(DWB)の分量で、有し得る。
【0109】
1つの実施形態では、アモルファス固体は、約32~33重量%のアルギン酸/ペクチンのゲル化剤混合物、約47~48重量%のメンソール香味料、及び約19~20重量%のグリセロールエアロゾル生成剤を含む(DWB)。
【0110】
上に示したように、これらの実施形態のアモルファス固体は、細断シートとして消耗品又はシステムに含まれてもよい。細断シートは、刻みタバコと混合されて消耗品又はシステムに付加されることがある。或いは、アモルファス固体は、非細断シートとして付加されることもある。適宜に、細断又は非細断シートは、約0.015mm~約1mmの厚さ、好ましくは約0.02mm~約0.07mmの厚さを有する。
【0111】
メンソール含有アモルファス固体の特定の実施形態は、エアロゾル化可能材料のロッド(例えば、タバコ)を取り囲むシート等のシートとして消耗品又はシステムに含めるのに特に適している場合がある。これらの実施形態では、アモルファス固体は以下の構成物(DWB)、すなわち、ゲル化剤(好ましくはアルギン酸を含み、より好ましくはアルギン酸とペクチンの組合せを含む)を約5~約40重量%又は約10~30重量%の分量で、メンソールを約10~約50重量%又は約15~40重量%の分量で、エアロゾル生成剤(好ましくはグリセロールを含む)を約5~約40重量%又は約10~約35重量%で、また任意選択でフィラーを60重量%までの分量で、例えば5~20重量%又は約40~60重量%の分量(DWB)で有し得る。
【0112】
これらの実施形態の1つでは、アモルファス固体は、約11重量%のアルギン酸/ペクチンのゲル化剤混合物、約56重量%の木材パルプフィラー、約18%のメンソール香味料、及び約15重量%のグリセロールを含む(DWB)。
【0113】
これらの実施形態のうちの別のものでは、アモルファス固体は、約22重量%のアルギン酸/ペクチンのゲル化剤混合物、約12重量%の木材パルプフィラー、約36%のメンソール香味料、及び約30重量%のグリセロールを含む(DWB)。
【0114】
上に示したように、これらの実施形態のアモルファス固体は、シートとして含まれることがある。1つの実施形態では、シートは、紙を含む担体上に配置される。1つの実施形態では、シートは、金属箔、好適にはアルミニウム金属箔を含む担体上に配置される。この実施形態では、アモルファス固体は金属箔に当接することがある。
【0115】
1つの実施形態では、シートは、ラミネート材料からなる部分を形成し、1つの層(好ましくは紙を含む)がシートの上面及び下面に付けられている。適宜に、アモルファス固体のシートは約0.015~約1mmの厚さを有する。
【0116】
いくつかの実施形態では、アモルファス固体は、メンソールを含まない香味料を含む。これらの実施形態では、アモルファス固体は以下の構成物(DWB)、すなわち、ゲル化剤(好ましくはアルギン酸を含む)を約5~約40重量%又は約10~約35重量%又は約20~約35重量%の分量で、香味料を約0.1~約40重量%の、約1~約30重量%又は約1~約20重量%又は約5~約20重量%の分量で、エアロゾル生成剤(好ましくはグリセロールを含む)を15~75重量%又は約30~約70重量%又は約50~約65重量%の分量で、また任意選択でフィラー(好適には木材パルプ)を約60重量%未満、又は約20重量%又は約10重量%又は約5重量%の分量(好ましくは、アモルファス固体はフィラーを含まない)で含み得る(DWB)。
【0117】
これらの実施形態の1つでは、アモルファス固体は、約27重量%のアルギン酸ゲル化剤、約14重量%の香味料、及び約57重量%のグリセロールエアロゾル生成剤を含む(DWB)。
【0118】
これらの実施形態のうちの別のものでは、アモルファス固体は、約29重量%のアルギン酸ゲル化剤、約9重量%の香味料、及び約60重量%のグリセロールを含む(DWB)。
【0119】
これらの実施形態のアモルファス固体は、細断シートとして消耗品又はシステムに、任意選択で刻みタバコと共に含まれることがある。或いは、これらの実施形態のアモルファス固体は、エアロゾル化可能材料のロッド(例えば、タバコ)を取り囲むシート等のシートとして、消耗品又はシステムに含まれることがある。或いは、これらの実施形態のアモルファス固体は、担体の上に配置された層部分として消耗品又はシステムに含まれることがある。
【0120】
いくつかの実施形態では、アモルファス固体は、タバコ抽出物を含む。これらの実施形態では、アモルファス固体は以下の構成物(DWB)、すなわち、ゲル化剤(好ましくはアルギン酸を含む)を約5~約40重量%又は約10~30重量%又は約15~約25重量%の分量で、タバコ抽出物を約30~約60重量%又は約40~55重量%又は約45~約50重量%の分量で、エアロゾル生成剤(好ましくはグリセロールを含む)を約10~約50重量%又は約20~約40重量%又は約25~約35重量%の分量で、含み得る(DWB)。
【0121】
1つの実施形態では、アモルファス固体は、約20重量%のアルギン酸ゲル化剤、約48重量%のバージニアタバコ抽出物、及び約32重量%のグリセロールを含む(DWB)。
【0122】
これらの実施形態のアモルファス固体は、任意の適切な水含有率を有し得る。例えば、アモルファス固体は、約5~約15重量%又は約7~約13重量%又は約10重量%の水含有率を有し得る。
【0123】
これらの実施形態のアモルファス固体は、細断シートとして消耗品又はシステムに含まれ、任意選択で刻みタバコと共に混合されることがある。或いは、これらの実施形態のアモルファス固体は、エアロゾル化可能材料のロッド(例えば、タバコ)を取り囲むシート等のシートとして、消耗品又はシステムに含まれることがある。或いは、これらの実施形態のアモルファス固体は、担体の上に配置された層部分として消耗品又はシステムに含まれることがある。適宜に、これらの実施形態のいずれでも、アモルファス固体は、50~200μm又は約50~約100μm又は約60~約90μmの厚さ、好適には約77μmの厚さを有する。
【0124】
このアモルファス固体を形成するためのスラリーも、本発明の一部を形成し得る。場合によって、スラリーは約5~1200Paの弾性率(貯蔵弾性率とも呼ばれる)を有し得る。場合によって、スラリーは約5~600Paの粘性率(損失弾性率とも呼ばれる)を有し得る。
【0125】
本明細書に示したすべての重量百分率(重量%で示す)は、特に断らない限り乾燥重量ベースで計算されている。すべての重量比も乾燥重量ベースで計算されている。乾燥重量ベースで引用された重量は、水以外の抽出物又はスラリー又は材料の全部に関連し、グリセロール等の、それ自体は室内温度及び圧力において液体である成分を含み得る。逆に、湿重量ベースで引用された重量百分率は、水を含めて全成分に関連する。
【0126】
本明細書で使用される用語の「シート」は、幅及び長さがその厚さよりもかなり大きい要素を表す。シートは、例えばストリップとすることができる。
【0127】
本明細書で使用される用語の「加熱材料」又は「ヒーター材料」は、変化する磁界が侵入することによって加熱可能である材料を指す。
【0128】
誘電加熱とは、導電性物体が、その物体に変化する磁界が侵入することによって加熱される過程のことである。この過程は、ファラデーの誘導の法則及びオームの法則によって記述される。誘導ヒーターは、電磁石と、交流等の変化する電流を電磁石に通すためのデバイスとを含み得る。電磁石と、加熱されるべき物体とが、電磁石によって生成される、結果として生じる変化する磁界が物体に侵入するように適切に相対的に配置されているとき、1つ又は複数の渦電流が物体の内部に生成される。物体は、電流の流れに対する抵抗を有する。したがって、このような渦電流が物体中に生成されると、物体の電気抵抗に抗して渦電流が流れることにより物体が加熱される。この過程は、ジュール加熱、オーム加熱、又は抵抗加熱と呼ばれる。誘導加熱することが可能な物体は、サセプタとして知られている。
【0129】
サセプタが閉電気回路の形になっていると、サセプタと使用中の電磁石の間の電磁結合が増強され、その結果としてジュール加熱が大きくなる、又は改善されることが分かっている。
【0130】
磁気ヒステリシス加熱とは、磁性材料で作られた物体が、その物体に変化する磁界が侵入することによって加熱される過程のことである。磁性材料は、多くの原子スケールの磁石、すなわち磁気双極子を含むと考えることができる。このような材料に磁界が侵入すると、磁気双極子は磁界に合わせて整列する。したがって、例えば電磁石によって生成される交番磁界等の変化する磁界が磁性材料に侵入すると、磁気双極子の向きが、変化する印加磁界によって変化する。このような磁気双極子の再配向により、熱が磁性材料中に発生する。
【0131】
物体が導電性でも磁性でもある場合、変化する磁界が物体に侵入すると、ジュール過熱と磁気ヒステリシス加熱の両方が物体中に生じ得る。さらに、磁性材料を使用すると磁界を強化することができ、こうすることにより、ジュール加熱及び磁気ヒステリシス加熱を増強することができる。
【0132】
上記の過程のそれぞれでは、熱が、熱伝導による外部熱源からではなく、物体自体の内部に発生するので、物体中の急速な温度上昇及びより均一な熱分布が、特に適切な物体材料及び幾何形状と、変化磁界の適切な大きさ及び物体に対する向きとを選択することによって実現され得る。さらに、誘導加熱及び磁気ヒステリシス加熱は、変化する磁界の供給源と物体の間に形成される物理的連結を必要としないので、設計の自由及び加熱プロファイルに対する制御性が大きくなることがあり、またコストが低くなることがある。
【0133】
図1及び図2を参照すると、本発明の一実施形態による消耗品の一例の概略的な断面側面図及び断面端面図が示されている。消耗品1は、エアロゾル化可能材料を加熱してエアロゾル化可能材料の少なくとも1つの成分を揮発させる、図5に示された、また以下で説明する装置100等の装置と共に使用するためのものである。この装置は、タバコ加熱製品とすることができる(当技術分野では、タバコ加熱デバイス、又は非燃焼加熱式デバイスとしても知られている)。
【0134】
消耗品1は、中空管1aを備える。中空管1aは、その中に通路20を画定する。中空管1aは、エアロゾル化可能材料を含む巻き構造体10を備える。この実施形態では、巻き構造体10は、エアロゾル化可能材料を含むヘリカル巻き構造体である。しかし、他の実施形態では、巻き構造体は非ヘリカル巻きであることもある。例えば、エアロゾル化可能材料を含む構造体は非ヘリカルらせん巻きとしてもよい。
【0135】
いくつかの実施形態では、構造体10のエアロゾル化可能材料はタバコを含む。いくつかの実施形態では、エアロゾル化可能材料は、再生タバコ等の再生エアロゾル化可能材料を含む。いくつかの実施形態では、エアロゾル化可能材料は、例えば、紙又は紋紙等の担体によって保持することができるアモルファス固体を含む。他の実施形態では、エアロゾル化可能材料は、本明細書で論じられている他の形のいずれかであることもある。エアロゾル化可能材料を含む構造体は、紙又は紋紙等の担体を備えることができ、エアロゾル化可能材料は、担体の表面にあること、又は担体に含侵されることがある。例えば、エアロゾル化可能材料はタバコ抽出物を含み得る。いくつかの実施形態では、エアロゾル化可能材料を含む構造体は、エアロゾル化可能材料から構成される。例えば、エアロゾル化可能材料は、成型すること、又は別の方法で形づくることができる。
【0136】
この実施形態では、エアロゾル化可能材料を含む巻き構造体10は、中空管1aの最も内側の面1bと、中空管1aの最も外側の面1cとの両方を画定する。実際に、いくつかの実施形態では、中空管1aは、エアロゾル化可能材料を含む巻き構造体10から構成されるか、実質的に構成される。他の実施形態では、以下の議論から理解されるように、中空管1aの最も内側の面1b及び/又は中空管1aの最も外側の面1cは、エアロゾル化可能材料を含む巻き構造体10以外の消耗品の部分によって画定されることがある。この部分は、中空管1a又は消耗品の別の層としてもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル化可能材料を含む巻き構造体10は、中空管1aの最も内側の面1bの一部だけ、及び/又は中空管1aの最も外側の面1cの一部だけを、中空管1a又は消耗品の他の部分が最も内側及び/又は最も外側の面それぞれの残りの部分の一部又は全部を画定する結果として、画定する。
【0137】
この実施形態では、エアロゾル化可能材料を含む構造体10は円形である。他の実施形態では、エアロゾル化可能材料を含む巻き構造体10は、波形部、型押し部又は陰刻部を含む。このような構成体は、使用の際にエアロゾル化可能材料からエアロゾルを形成することが可能である、エアロゾル化可能材料の表面積を増やすことができる。
【0138】
図3及び図4を参照すると、本発明の一実施形態による別の消耗品の一例の概略的な断面側面図及び断面端面図が示されている。図3及び図4の消耗品2は、エアロゾル化可能材料を加熱してエアロゾル化可能材料の少なくとも1つの成分を揮発させる、図5に示された、また以下で説明する装置100等の装置と共に使用するためのものである。この装置は、タバコ加熱製品とすることができる(当技術分野では、タバコ加熱デバイス、又は非燃焼加熱式デバイスとしても知られている)。
【0139】
消耗品2は、中空管2aを備える。中空管2aは、その中に通路20を画定する。中空管2aは、複数の層10、11、12、13を備える。いくつかの実施形態では、複数の層10、11、12、13のうちの2つ又はいくつか又は全部は、複数の層がラミネートを形成するように一緒に結合される。
【0140】
これらの層のうちの1つは、エアロゾル化可能材料を含む巻き構造体10である。この実施形態では、巻き構造体10は、エアロゾル化可能材料を含むヘリカル巻き構造体である。しかし、他の実施形態では、巻き構造体は非ヘリカル巻きであることもある。例えば、エアロゾル化可能材料を含む構造体は非ヘリカルらせん巻きとしてもよい。
【0141】
いくつかの実施形態では、構造体10のエアロゾル化可能材料はタバコを含む。いくつかの実施形態では、エアロゾル化可能材料は、再生タバコ等の再生エアロゾル化可能材料である。いくつかの実施形態では、エアロゾル化可能材料は、紙又は紋紙等の担体によって例えば保持することができるアモルファス固体を含む。エアロゾル化可能材料を含む構造体は、紙又は紋紙等の担体を備えることができ、エアロゾル化可能材料は、担体の表面にあることがあり、又は担体に含侵されることがある。例えば、エアロゾル化可能材料はタバコ抽出物を含み得る。いくつかの実施形態では、エアロゾル化可能材料を含む構造体は、エアロゾル化可能材料から構成される。例えば、エアロゾル化可能材料は、成型すること、又は別の方法で形づくることができる。
【0142】
この実施形態では、エアロゾル化可能材料を含む巻き構造体10は、中空管2aの1つの面を、より詳細には中空管2aの最も内側の面2bを画定する。他の実施形態では、エアロゾル化可能材料を含む巻き構造体10は、中空管2aの最も内側の面2bの一部だけを、中空管2a又は消耗品の他の部分が最も内側の面2bの残りの部分の一部又は全部を画定する結果として、画定する。
【0143】
エアロゾル化可能材料を含む巻き構造体10は、この実施形態では波形部を含む。他の実施形態では、構造体10は、追加的又は代替的に、それぞれ型押し又は陰刻される型押し部又は陰刻部を含む。本明細書のどこか別のところで述べているように、使用の際にエアロゾル化可能材料からエアロゾルを形成することが可能である、エアロゾル化可能材料の表面積を増やすことができる。さらに他の実施形態では、エアロゾル化可能材料を含む巻き構造体10に、波形部、型押し部又は印刻部がない。
【0144】
上に示したように、中空管2aは更なる層11、12、13を含む。これらの更なる層11、12、13のすべてが、すべての実施形態に存在するわけではないことに留意されたい。この実施形態では、更なる層11、12、13のそれぞれは、ヘリカル巻き層等の巻き層であるが、他の実施形態では、更なる層11、12、13の1つ又は複数は、成型層又は押出層等の非巻き層であることもある。
【0145】
この実施形態では消耗品2は、変化する磁界が侵入することによって加熱可能である加熱材料を含む。加熱材料は、本明細書で論じられているもののうちのいずれかとすることができる。加熱材料は、巻き構造体10のエアロゾル化可能材料を加熱するように加熱可能である。この実施形態では、中空管2aは、加熱材料を含む層11を備える。より詳細には、加熱材料を含む層11は、使用の際に加熱材料中に生成された熱エネルギーが効率的にエアロゾル化可能材料まで通過できるように、エアロゾル化可能材料を含む巻き構造体10に径方向に隣り合い、当接している。この実施形態では、加熱材料を含む層11は、エアロゾル化可能材料を含む巻き構造体10の径方向外側に配置されているが、他の実施形態では、加熱材料を含む層11が、エアロゾル化可能材料を含む巻き構造体10の径方向内側に配置されることがある。
【0146】
この実施形態では、加熱材料を含む層11は、ヘリカル巻き層等の巻き層であり、加熱材料を含む層11は、エアロゾル化可能材料を含む構造体10に巻き付けられている。他の実施形態では、加熱材料を含む層11が非巻き層であることもある。いくつかの実施形態では、加熱材料を含む層11は、加熱材料を保持する紙等の担体を含む。他の実施形態では、加熱材料を含む層11は、アルミニウム箔のような、金属箔又は金属合金箔等の箔を含む。いくつかの実施形態では、加熱材料を含む層11が省かれることがある。実際に、いくつかの実施形態では、変化する磁界が侵入することによって加熱可能である加熱材料がないことがある。
【0147】
この実施形態では、巻き構造体10のエアロゾル化可能材料は、巻き構造体10を、加熱材料を含む層11に接着させる。他の実施形態では、こうではないこともあり、及び/又は、巻き構造体10のエアロゾル化可能材料は、巻き構造体10を中空管2aの別の層又は部分に接着させることもある。いくつかの実施形態では、各層を互いに接着させるために、別個の接着剤が使用されることがある。
【0148】
上に示したように、この実施形態では、エアロゾル化可能材料を含む構造体10は波形部を含み、いくつかの他の実施形態では、構造体10は、追加的又は代替的に型押し部又は陰刻部を含む。この実施形態の中空管2aは、エアロゾル化可能材料を含む構造体10の波形部、型押し部又は陰刻部と、加熱材料を含む層11とによって、及びこれらの間に画定された、1つ又は複数のエアロゾル流路17を備える。エアロゾル流路(複数可)は、中空管2aの軸方向に延び、エアロゾル化可能材料中に生成されたエアロゾルが、又はエアロゾル化可能材料からのエアロゾルが通って中空管2aを出て行くことができる、経路を形成する。この経路は、消耗品2が使用可能である装置の加熱要素で消耗品2の経路20が充填されている場合に、特に有利であり得る。中空管2aに加熱材料がないもの等、他の実施形態では、1つ又は複数のエアロゾル流路は、エアロゾル化可能材料を含む構造体10の波形部、型押し部又は陰刻部と、以下で説明する他の層12又はバリア層13等の、中空管2aの別の層又は部分とによって、且つこれらの間に画定されることがある。
【0149】
この実施形態では、中空管2aは、中空管2aの1つの面を画定するバリア層13を備える。この実施形態では、この面は、中空管2aの最も外側の面2cである。したがって、バリア層13は、エアロゾル化可能材料の巻き構造体10の径方向外側に配置される。さらに、加熱材料を含む層11は、バリア層13と、エアロゾル化可能材料を含む構造体10との間に配置され、エアロゾル化可能材料を含む構造体10に当接する。いくつかの実施形態では、バリア層13は、中空管2aの最も外側の面2cの一部だけを、中空管2a又は消耗品の他の部分が最も外側の面2cの残りの部分の一部又は全部を画定する結果として、画定する。いくつかの実施形態では、バリア層13は、ヘリカル巻き層等の巻き層であるが、他の実施形態では、バリア層13は非巻き層であることもある。
【0150】
バリア層13は、例えば、紙、紋紙、板紙、厚紙、再生タバコ、プラスチック材料及び加熱材料から成る群から選択された1つ又は複数の材料を含み得る。バリア層13は、中空管2aに剛性を与える助けになり得る。エアロゾル化可能材料を含む構造体10にバリア層13が当接したり隣り合ったりするもの等、いくつかの実施形態では、バリア層13は、使用の際に構造体10中に又は構造体10から生成されるエアロゾルに対し不透過性である。このことは、生成されたエアロゾルが、消耗品2が使用可能である装置に接触したり装置内に堆積したりすることを防止又は妨げる助けになり得る。このことは、エアロゾル化可能材料中に、又はエアロゾル化可能材料から、生成されるエアロゾルを中空管2aに沿って流し、中空管2aから出るようにする助けにもなり得る。いくつかの実施形態では、バリア層13は省かれる。
【0151】
この実施形態の消耗品2は別の層12を備え、この層は、使用の際に加熱材料中に生成された熱エネルギーが効率的に別の層12まで通過できるように、加熱材料を含む層11に径方向に隣り合い、当接している。この実施形態では、加熱材料を含む層11は、別の層12の径方向内側に配置されているが、他の実施形態では、加熱材料を含む層11が別の層12の径方向外側に配置されることがある。したがって、別の層12は、バリア層13と、加熱材料を含む層11との間に配置される。別の層12は、この実施形態では、バリア層13にも当接する。
【0152】
いくつかの実施形態では、別の層12は、エアロゾル化可能材料を含む。したがって、いくつかのこのような実施形態では、中空管2aは、エアロゾル化可能材料を含む巻き構造体10と、エアロゾル化可能材料を含む別の層12との間に配置されている、加熱材料を含む層11を備える。別の層12のエアロゾル化可能材料は、別の層12をバリア層13に、及び/又は加熱材料を含む層11に接着させることがある。いくつかの実施形態では、別の層12のエアロゾル化可能材料はタバコを含む。いくつかの実施形態では、エアロゾル化可能材料は、再生タバコ等の再生エアロゾル化可能材料である。いくつかの実施形態では、エアロゾル化可能材料は、例えば、紙又は紋紙等の担体によって保持することができるアモルファス固体を含む。いくつかの実施形態では、エアロゾル化可能材料に追加して、又はその代替として、別の層12は、例えば、香味料又は感覚惹起剤を含み得る。いくつかの実施形態では、別の層12は省かれる。
【0153】
いくつかの実施形態では、別の層12は、ヘリカル巻き層等の巻き層であるが、他の実施形態では、別の層12は非巻き層であることもある。いくつかの実施形態では、別の層12は、加熱材料を含む層11に、又は別の層12の径方向内側の何であれ他の層に巻き付けられている。同様に、いくつかの実施形態では、バリア層13が別の層12に巻き付けられている。
【0154】
いくつかの実施形態では、別の層12のエアロゾル化可能材料は、構造体10のエアロゾル化可能材料とは異なる形状又は化学組成を有する。例えば、いくつかの実施形態では、形状の相違には、エアロゾル化可能材料の平均粒径の相違が含まれ得る。通常、平均粒径が小さいエアロゾル化可能材料の粒子は、例えば、所与の加熱源によってエアロゾル化可能材料の少なくとも1つの成分を揮発させるのに、平均粒径が大きいエアロゾル化可能材料の粒子よりも速く加熱することができる。
【0155】
いくつかの実施形態では、形状の相違には、構造体10及び再生エアロゾル化可能材料(再生タバコ等)の形である層12のうちの1つのエアロゾル化可能材料と、構造体10及びアモルファス固体を含む層12の別のもののエアロゾル化可能材料とが含まれ得る。
【0156】
いくつかの実施形態では、化学組成の相違には、エアロゾル化可能材料の1つ又は複数の組成の、それぞれのアモルファス固体の化学組成の相違等の相違が含まれ得る。いくつかの実施形態では、化学組成の相違には、エアロゾル化可能材料中のグリセロール等のエアロゾル形成剤のタイプ又は濃度の相違が含まれ得る。いくつかの実施形態では、化学組成の相違には、エアロゾル化可能材料の総重量のうちの、香味料等の煙変性剤の重量による量の百分率としての相違が含まれ得る。
【0157】
いくつかの実施形態では、層12(設けられている場合)及び/又はエアロゾル化可能材料を含む巻き構造体10は、エアロゾル化可能材料の複数の、間隔があいた個別領域を含み得る。使用の際、エアロゾル化可能材料のこのような個別領域は、消耗品2が使用可能である装置のそれぞれのヒーターによって個別に加熱可能とすることができる。
【0158】
したがって、上に示したように、いくつかの実施形態では、中空消耗品2aの複数の層10、11、12、13は巻き層とすることができ、外側の層11、12、13の1つずつが内側の層10、11、12の1つずつに巻き付けられている。このような中空管2aを製造する例示的な方法については後で論じる。
【0159】
いくつかの実施形態では、中空消耗品2aの層10、11、12、13の順序は、図3及び図4に示されたもの以外であることもある。例えば、いくつかの実施形態では、消耗品は、中空管の最も外側の面の少なくとも一部を形成するエアロゾル化可能材料を含む巻き構造体と、エアロゾル化可能材料を含む構造体の径方向内側に配置されている加熱材料を含む層とを有し得る。
【0160】
いくつかの実施形態では、中空管2aは、ヘリカル巻き層等の巻き層であることもないこともある、少なくとも1つの追加層を含み得る。
【0161】
図1~4の実施形態のそれぞれでは、中空管1a、2aは、円形の内側及び外側断面形状を有する。他の実施形態では、中空管の内側及び外側の断面形状の一方又はそれぞれが、楕円形、多角形、長方形、正方形、三角形、又は星形等の非円形であることもある。
【0162】
上で論じた実施形態のそれぞれでは、中空管1a、2aは、軸線A-Aに沿って延びる。軸線A-Aは、通路20に沿って延びる中心軸線であるが、他の実施形態では、消耗品1、2の形状は、軸線A-Aが通路20からオフセットしているようなものとしてもよい。図示の実施形態では、消耗品1、2は軸線A-Aの方向に細長いが、他の実施形態では、消耗品1、2の幅又は直径は、消耗品1、2の軸線A-Aの方向の寸法以上としてもよく、それにより消耗品1、2は細長くないものになる。さらに、図示の実施形態では、消耗品1、2の中空管1a、2aは軸線A-Aの方向に細長いが、他の実施形態では、中空管1a、2aの幅又は直径は、中空管1a、2aの軸線A-Aの方向の寸法以上としてもよく、それにより中空管1a、2aはそれ自体が細長くないものになる。
【0163】
図1~4の実施形態のそれぞれでは、通路20は、中空管1a、2aの、実際には消耗品1、2の、軸端15に開いている。消耗品に加熱材料がないものうちのいくつか等、いくつかの実施形態では、装置の加熱要素は、以下でより詳細に論じるように、使用の際に通路20に挿入可能とすることができる。図1~4の実施形態のそれぞれで、通路20は、中空管1a、2aの一方の軸端15から中空管1a、2aの反対側の軸端16まで、中空管1a、2aを完全に貫通して延びる。さらに、これらの実施形態のそれぞれで、通路20は、消耗品1、2の第1の軸端15から消耗品1、2の反対側の第2の軸端16まで、消耗品1、2を完全に貫通して延びる。しかし、いくつかの実施形態では、通路20は、消耗品の長さ又は軸方向寸法の大部分に対して、又は消耗品1、2の長さ又は軸方向寸法の一部分に対して等、消耗品1、2の長さ又は軸方向寸法に一部だけ沿って延びることもある。
【0164】
いくつかの実施形態では、中空管1a、2aは、消耗品1、2の全長又は軸方向寸法にわたって延びる。他の実施形態では、消耗品1、2は、中空管1a、2aの一方又はそれぞれの軸端に1つ又は複数の要素(図示せず)を含むことがあり、それにより、中空管1a、2aは、消耗品1、2の長さ又は軸方向寸法の一部のみにわたって延びる。
【0165】
いくつかの実施形態では、消耗品1、2は多孔質本体(図示せず)を備える。この多孔質本体は、使用中にエアロゾル化可能材料から放出されるエアロゾル又は蒸気をフィルタリングするためのものとすることができる。代替的又は追加的に、多孔質本体は、消耗品1、2の長さ又は軸方向寸法にわたって圧力低下を制御するためのものとすることができる。多孔質本体は、タバコ業界において使用される任意のタイプのものとすることができる。例えば、多孔質本体はセルロースアセテートで作ることができる。いくつかの実施形態では、多孔質本体は実質的に円筒形であり、実質的に円形の断面及び長手方向軸線を持つ。他の実施形態では、フィルターは、別の断面を有すること、又は細長くないことがある。
【0166】
いくつかの実施形態では、多孔質本体は、中空管1a、2aの軸端15、16と当接し、軸方向に中空管1a、2aと位置合わせされる。他の実施形態では、多孔質本体は、ギャップ及び/又は消耗品1、2の1つ若しくは複数の別の構成要素等によって、中空管1a、2aから間隔を置いて配置されることもある。例示的な別の構成要素(複数可)は、添加物又は香料源(添加物若しくは香料含有カプセル又は糸等)であり、例えば、濾過材料の本体によって保持すること、又は濾過材料の2つの本体の間に保持することができる。
【0167】
消耗品1、2は、多孔質本体を中空管1a、2aに対して保持するために中空管1a、2aと多孔質本体に巻き付けられるラップを備えることもある。このラップは、中空管1a、2aと多孔質本体を取り巻くことができる。ラップは、ラップの自由端が互いに重なり合うように中空管1a、2aと多孔質本体に巻き付けることができる。ラップは、消耗品1、2の周囲外面の一部又は全部を形成することができる。ラップは、紙、紋紙、又は再生エアロゾル化可能材料(例えば、再生タバコ)等の任意の適切な材料で作ることができる。ラップは、ラップの互いに重なり合う自由端を接着させる接着剤を含むこともある。この接着剤は、ラップの重なり合う自由端が分離することを防止する助けになる。他の実施形態では、接着剤が省かれること、又は説明したものと異なる形を取ることがある。他の実施形態では、多孔質本体は、接着剤等の、ラップ以外の連結部によって中空管1a、2aに対して保持されることがある。
【0168】
いくつかの実施形態では、消耗品1、2は、70~120ミリメートルの間等、30~150ミリメートルの間の長さ又は軸方向寸法を有する。
【0169】
いくつかの実施形態では、消耗品1、2は、4~8ミリメートルの間等、2~10ミリメートルの間の軸方向に垂直の方向の内側寸法(例えば、内径)を有する。
【0170】
いくつかの実施形態では、消耗品1、2は、4.5~8ミリメートルの間等、4~10ミリメートルの間の軸方向に垂直の方向の外側寸法(例えば、外径)を有する。
【0171】
いくつかの実施形態では、エアロゾル化可能材料は、消耗品1、2のどこに設けられても、0.05~1ミリメートルの間等、又は0.1~1ミリメートルの間等、又は0.15~0.5ミリメートルの間等、0.05~2ミリメートルの間の厚さを有する。この厚さは、0.5ミリメートル以下、又は0.25ミリメートル以下、又は0.2ミリメートル以下、又は0.1ミリメートル以下、又は0.05ミリメートル以下等、1ミリメートル以下とすることができる。
【0172】
本明細書に示したように、エアロゾル化可能材料を含む巻き構造体は、波形部、型押し部又は陰刻部を含み得る。いくつかの実施形態では、波形部、型押し部又は陰刻部は、複数の波の谷又は凹部を画定し、エアロゾル化可能材料(本明細書に記載のアモルファス固体等)は、複数の波の谷又は凹部等の、波の谷又は凹部のうちの少なくとも1つに配置される。
【0173】
エアロゾル化可能材料を加熱してエアロゾル化可能材料の少なくとも1つの成分を揮発させる装置と共に使用するための消耗品の形で、又は消耗品として使用する中空管を製造する例示的な方法について次に説明する。以下の方法のいずれも、例えば、本明細書に記載の中空管のいずれかの製造に用いることができる。
【0174】
図6は、このような中空管を製造する方法の一例を示す流れ図である。方法600は、エアロゾル化可能材料を含む構造体を巻くステップ601を含む。
【0175】
エアロゾル化可能材料は、例えば、本明細書で論じられているもののうちのいずれかとすることができる。いくつかの実施形態では、エアロゾル化可能材料はタバコを含む。いくつかの実施形態では、エアロゾル化可能材料は、再生タバコ等の再生エアロゾル化可能材料である。いくつかの実施形態では、エアロゾル化可能材料は、紙又は紋紙等の担体によって例えば保持することができるアモルファス固体を含む。エアロゾル化可能材料を含む構造体は、紙又は紋紙等の担体を備えることができ、エアロゾル化可能材料は、担体の表面にあることがあり、又は担体に含侵されることがある。例えば、エアロゾル化可能材料はタバコ抽出物を含み得る。いくつかの実施形態では、エアロゾル化可能材料を含む構造体は、エアロゾル化可能材料から構成される。例えば、エアロゾル化可能材料は、成型すること、又は別の方法で形づくることができる。
【0176】
いくつかの実施形態では、巻くステップ601は、エアロゾル化可能材料を含む構造体をらせん状に巻くことを含む。いくつかの実施形態では、巻くステップ601は、エアロゾル化可能材料を含む構造体を渦巻き状に巻くことを含む。いくつかの実施形態では、巻くステップ601は、エアロゾル化可能材料を含む構造体をらせん渦巻き状に巻くことを含み、それにより構造体はらせん渦巻き形状を採用する。
【0177】
巻くステップ601は、エアロゾル化可能材料を含む構造体をマンドレルに巻き付けることを含む。マンドレルは、金属、金属合金、又はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)のようなプラスチック材料等の、任意の適切な材料で作ることができる。或いは、マンドレルが使用されないこともある。例えば、エアロゾル化可能材料を含む構造体は、装飾品を使用して巻かれることがある。エアロゾル化可能材料を含む構造体が波形部、型押し部又は陰刻部を含む実施形態では、マンドレルの表面は、波形部、型押し部又は陰刻部と係合するように対応して形づくることができる。
【0178】
いくつかの実施形態では、巻くステップ601は、エアロゾル化可能材料を含む構造体を巻いて、中空管の最も内側の層を形成することを含む。他の実施形態では、エアロゾル化可能材料を含む構造体は、エアロゾル化可能材料を含む構造体が中空管の最も内側の面を形成しないように、1つ又は複数のらせん状に巻かれた層等の、製造されている中空管の1つ又は複数の他の要素に巻き付けられることがある。
【0179】
いくつかの実施形態では、エアロゾル化可能材料を含む構造体は、紙等の担体の表面にエアロゾル化可能材料を含む。いくつかのこのような実施形態では、この方法は、担体及びエアロゾル化可能材料をマンドレルに、担体がマンドレル及びエアロゾル化可能材料と最も外側で接触した状態で巻き付け、次に、紙等の層をエアロゾル化可能材料に巻き付けることを含む。こうすることにより、エアロゾル化可能材料が担体と層の間に挟まれている構成体が形成される。
【0180】
図7は、消耗品の形で、又は消耗品として使用するための中空管を製造する別の方法の一例を示す流れ図である。方法700は、ボビン又はスプール等の供給源から材料を引き出すステップ701を含む。この材料は、例えば、紙又は紋紙とすることができる。この方法は、材料を供給源から引き出しながら巻くステップ702も含む。巻くステップ702は、例えば、らせん状に巻くこととしてもよい。巻くステップ702は、材料をマンドレルに巻き付けることを含み得る。マンドレルは、例えば、本明細書で論じられているマンドレル材料のいずれかで作ることができる。
【0181】
いくつかの実施形態では、供給源から引き出される材料は、エアロゾル化可能材料をすでに有している。しかし、いくつかの代替実施形態では、この方法は、エアロゾル化可能材料を供給源の下流の材料に塗布するステップ703を含む。エアロゾル化可能材料は、本明細書で論じられているもののいずれかとすることができる。塗布するステップ703は、材料を巻くステップ702が実行される段階の上流で実行されてもよい。或いは、巻くステップ702が材料をマンドレルに巻き付けることを含む実施形態では、塗布するステップ703は、マンドレルを用いて実行されてもよい。例えば、エアロゾル化可能材料は、マンドレルを経由して流体の形で圧送する等、通過させることができ、材料がマンドレル上にある間は材料と接触することができる。マンドレルは、材料が巻き付けられる、又はラップされる第1の部分と、第1の部分の下流の、エアロゾル化可能材料供給孔を含む第2の部分とを含むことができ、このエアロゾル化可能材料供給孔をエアロゾル化可能材料が通り抜けて材料と接触する。マンドレルの第1の部分には、エアロゾル化可能材料供給孔がないことがある。材料は、エアロゾル化可能材料に対して多孔質とすること、又は非多孔質とすることができる。エアロゾル化可能材料を塗布するステップ703に続いて、エアロゾル化可能材料を保持する材料は、引き続きマンドレルに巻き付けられる。
【0182】
いくつかの実施形態では、エアロゾル化可能材料は、最初にマンドレルを通過せずに、マンドレルの外面に、又はマンドレル上の、若しくはマンドレル上流の材料に、塗布されることがある。エアロゾル化可能材料は、スラリーの形を取ることが、そのように塗布される場合に可能である。
【0183】
この方法は、構造体を巻くステップ702の間に、又はその後に、エアロゾル化可能材料を乾燥させるステップ704をさらに含むことがある。
【0184】
いくつかの実施形態では、エアロゾル化可能材料を含む構造体は、エアロゾル化可能材料から構成される。このエアロゾル化可能材料は、成型すること、又は別の方法で形づくることができる。例えば、エアロゾル化可能材料は、ブロックとして成型し、次に、圧延又は別の方法でプレス加工して、層又はシート等の薄い形状にすることができる。
【0185】
エアロゾル化可能材料を含む構造体は、例えば、供給源にあるときに波形部、型押し部又は陰刻部を含んでいることがあり、或いは構造体は、それが供給源から引き出された後で構造体に波形部、型押し部又は陰刻部が作られるステーションに通されることがある。
【0186】
この方法は、1つ又は複数の層を例えばらせん状に巻くステップ705を含むこともある。この1つ又は複数の層は、使用されるときにマンドレルに巻き付けることができる。1つ又は複数の層は、エアロゾル化可能材料を含む構造体に巻き付けことができる。或いは、エアロゾル化可能材料を含む構造体は、1つ又は複数の層に巻き付けることができる。いくつかの実施形態では、エアロゾル化可能材料を含む構造体が1つ又は複数の層に巻き付けられ、次に、1つ又は複数の更なる層が、エアロゾル化可能材料を含む構造体に巻き付けられることがある。
【0187】
これらの層のうちの少なくとも1つは、変化する磁界が侵入することによって加熱可能である加熱材料を含み得る。加熱材料は、例えば、本明細書で論じられているもののうちの任意の1つとすることができる。層のうちの少なくとも1つは、香味料又は感覚惹起剤を含み得る。層のうちの少なくとも1つは、エアロゾル化可能材料を含み得る。エアロゾル化可能材料は、例えば、本明細書で論じられているもののうちの任意の1つとすることができる。
【0188】
したがって、マンドレルが使用される場合、いくつかの実施形態では、マンドレルは様々な領域、すなわち、エアロゾル化可能材料が塗布されてエアロゾル化可能材料を含む構造体が形成される領域、構造体が巻かれるもの、エアロゾル化可能材料が乾燥される、又は乾燥することができる領域、及び任意選択で、1つ又は複数の層が、エアロゾル化可能材料を含む構造体に巻き付けられることがある1つ又は複数の領域、を有すると考えることができる。
【0189】
いくつかの実施形態では、別々の材料又は層が、直径方向にマンドレルの両側からマンドレルに巻き付けられることがある。これらの別々の材料は、マンドレルの長さ方向の特定の共通領域でマンドレルに巻き付けられることがある。これらの材料又は層のそれぞれは、例えば本明細書で論じられているいずれかのタイプとすることができる。
【0190】
いくつかの実施形態では、マンドレルへのエアロゾル化可能材料の粘着を低減するために、エアロゾル化可能材料は、離型剤でコーティングされる、又は離型剤を含むことがある。代替的に、又は追加的に、マンドレルへのエアロゾル化可能材料の粘着を妨げるために、又は粘着が起きた場合にマンドレルからのエアロゾル化可能材料の解放を促進するために、マンドレルが離型剤でコーティングされることがあり、又は加熱される、若しくはテーパが付けられる、又はガスブロワー若しくは超音波振動子を含むことがある。ガスブロワーは、使用の際にエアロゾル化可能材料又は材料が巻き付けられるマンドレルの表面の1つ又は複数の開口部と、マンドレルの表面の1つ又は複数の開口部に空気等のガスを供給するためのガス供給源とを備え得る。いくつかの実施形態では、マンドレルは多孔質材料で作ることができ、ガスは、ガス供給源から材料の表面まで、マンドレルの細孔を介して供給することができる。
【0191】
この方法では、連続中空管が形成されることになり得る。連続中空管は、巻くステップが行われている間又はその後に、マンドレルから引き出すことができる。この方法は、次に、連続中空管を切断等によって分離して個別中空管を形成するステップ706を含むことがあり、この個別中空管は、エアロゾル化可能材料を加熱してエアロゾル化可能材料の少なくとも1つの成分を揮発させる装置と共に使用するための消耗品の中に組み込むこと、又はこの消耗品を形成することができる。
【0192】
図3及び図4に示された中空管2aを製造する際、巻くステップ702は、材料を巻いて中空管の最も内側の面を形成することを含むことがあり、層を巻くステップ705は、加熱材料を含む層を、エアロゾル化可能材料を含む構造体に巻き付けることと、エアロゾル化可能材料を含む別の層を、加熱材料を含む層に巻き付けることと、バリア層を、エアロゾル化可能材料を含む別の層に巻き付けることとを含むことがある。
【0193】
別の実施形態では、この方法は、アモルファス固体を含むようなエアロゾル化可能材料を紙等の担体に、エアロゾル化可能材料を含む構造体が得られるように用意するステップを含み得る。エアロゾル化可能材料は、成型、バンドキャスト、スプレー又はエレクトロスプレー等のコーティングを担体にすることができる。構造体は、例えばボビン上に供給源として保管することができる。構造体は、例えば供給源から引き出され、構造体の自由端同士が周方向に隣り合うか当接しているが重なり合ってはいないように、マンドレルかマンドレルでないものに巻き付けられて、直径が実質的に均一な管又はほぼ管形が作り出され得る。したがって、管は各自由端の間に継ぎ目なし接合部を有することができる。エアロゾル化可能材料は、管又はほぼ管形の内側中空スペースに面し得る。紙等の層が、管又はほぼ管形の外側に巻き付けられ、任意選択で、管又はほぼ管形の形状を維持する助けになるように接着される。この層は同様に、隣り合うか当接しているが重なり合ってはいない自由端を有し得る。接着剤は、使用される場合、構造体にバンドキャストすることができる。構造体の自由端同士が重なり合わないので、このような方法は、重なり合う材料の自由端を含む比較上の中空管よりも断面が全く、又は少なくともほぼ円形であるか規則的である、中空管を形成するために使用可能である。このことは、エアロゾル化可能材料のより均一な加熱が使用の際に可能であり得ることを意味する。その理由は、エアロゾル化可能材料の全領域が、使用の際にエアロゾル化可能材料を加熱する加熱要素から等しく間隔を置いて配置しやすくなり得るからである。しかし、他の実施形態では、組合せの自由端同士が重なり合うことがある。
【0194】
エアロゾル化可能材料が担体によって保持される実施形態のいくつかでは、エアロゾル化可能材料に当接する担体の表面が多孔質であることがある。例えば、場合によって、担体は紙を含む。いくつかの実施形態では、担体は、再生タバコのシート等の、多孔質であり得るタバコ材料を含むか、このタバコ材料から構成される。本発明者らは、紙等の多孔質の担体が、本発明のいくつかの実施形態に、すなわち、多孔質層がエアロゾル化可能材料に当接し強い結合を形成する実施形態に特に適していることを見出した。いくつかの実施形態のエアロゾル化可能材料のアモルファス固体は、ゲルを乾燥させることによって形成され、理論に制限されることを望むものではないが、ゲルを形成しているスラリーは、多孔質担体(例えば、紙)に部分的に含侵し、それにより、ゲルが硬化し架橋を形成するときに担体が部分的にゲルに結合されると考えられる。このことにより、ゲルと担体の間(及び乾燥ゲルと担体の間)に強い結合が得られる。多孔質層(例えば、紙)は、香料を保持するために使用することもできる。場合によって、多孔質層は、好適には0~300Coresta単位(CU)、好適には5~100CU又は25~75CUの多孔度を有する紙を含むことがある。
【0195】
加えて、表面粗さは、エアロゾル化可能材料とキャリアの間の結合の強さに寄与し得る。本発明者らは、(エアロゾル化可能材料に当接する面の)紙粗さは、好適には50~1000ベック秒の範囲、好適には50~150ベック秒、好適には100ベック秒(50.66~48.00kPaの空気圧幅にわたって測定)であり得ることを見出した。(ベック平滑度試験器は、紙面の平滑度を決定するために使用される計器であり、指定の圧力の空気を平滑なガラス面と紙試料の間に漏洩させ、これらの面の間に既定の量の空気が漏れ出る時間(秒単位)が「ベック平滑度」である。)
【0196】
いくつかの実施形態では、消耗品1、2は、図5に示された装置100の加熱領域110等の、装置の加熱領域に挿入するのに適しており、この装置は、消耗品1、2が加熱領域にあるときに消耗品1、2のエアロゾル化可能材料の加熱を生じさせるデバイスを有する。加熱領域110内にあると、装置のデバイスは、エアロゾル化可能材料の加熱を生じさせて、エアロゾル化可能材料の少なくとも1つの成分を揮発させる。
【0197】
いくつかの実施形態では、デバイスは、熱エネルギーを消耗品1、2に、特にそのエアロゾル化可能材料に加えるように構成される。いくつかのこのような実施形態では、デバイスは、抵抗ヒーターを電気の供給源に電気的に接続することによって加熱される抵抗ヒーターを備え、熱エネルギーは、抵抗ヒーターから消耗品1、2まで通過する。
【0198】
いくつかの他の実施形態では、デバイスは、消耗品1、2が加熱領域110にあるときに加熱領域に侵入する、変化する磁界を発生するための磁界発生器を備えることがあり、消耗品1、2は、変化する磁界が侵入してエアロゾル化可能材料を加熱することによって加熱可能である加熱材料を含む。したがって、このような実施形態では、デバイスは、電磁エネルギーが消耗品1、2の加熱材料に加えられて加熱材料に熱が生成され、次に、熱エネルギーが加熱材料からエアロゾル化可能材料に加えられるように構成される。いくつかの実施形態では、消耗品1、2は、エアロゾル化可能材料に部分的又は全体的に埋め込まれている加熱材料を含み得る。
【0199】
さらに別の実施形態では、装置100は、加熱材料を含む加熱可能要素を有し、この加熱可能要素は、加熱領域と熱接触しており、磁界発生器は、加熱可能要素の加熱を、したがって加熱領域の加熱を生じさせるように装置の加熱可能要素に侵入する、変化する磁界を発生するためのものである。したがって熱エネルギーが、加熱領域に存在するどの消耗品にも加えられる。
【0200】
いずれにしても、エアロゾル化可能材料の揮発成分(複数可)は、使用者が消耗品1、2又は装置のマウスピース(設けられている場合)を吸うことによって、エアロゾル化可能材料から進み、消耗品1、2から出ることができる。
【0201】
図5を参照すると、本発明の一実施形態による、消耗品のエアロゾル化可能材料を加熱してエアロゾル化可能材料の少なくとも1つの成分を揮発させるための、消耗品及び装置を備えるシステムの一例の概略的な断面側面図が示されている。
【0202】
システム1000は、図1及び図2の消耗品1と、消耗品1のエアロゾル化可能材料を加熱してエアロゾル化可能材料の少なくとも1つの成分を揮発させる装置100とを備える。他の実施形態では、消耗品は、図3及び図4に示された消耗品2等の、本明細書に記載の他の消耗品のいずれかと置き換えられることがある。この実施形態では、装置100はタバコ加熱製品である(当技術分野では、タバコ加熱デバイス、又は非燃焼加熱式デバイスとしても知られている)。
【0203】
装置は、消耗品1、2を受け入れるための加熱領域110と、消耗品1、2が加熱領域110にあるときにエアロゾル化可能材料の加熱を生じさせるためのデバイス112とを備える。
【0204】
装置100は、加熱領域110を装置100の外部と流体連結する少なくとも1つの空気入口(図示せず)を画定することができる。使用者は、加熱領域110から揮発成分(複数可)を吸い込むことによって、エアロゾル化可能材料の揮発成分(複数可)を吸引することができる場合がある。揮発成分(複数可)が加熱領域110及び消耗品1、2から取り出されるにつれ、空気が加熱領域110の中へ、装置100の空気入口(複数可)を経由して吸引され得る。
【0205】
この実施形態では、加熱領域110は、消耗品1、2の少なくとも一部分を受けるための凹部を含む。他の実施形態では、加熱領域110は、棚、面、又は突起等、凹部以外としてもよく、また、消耗品1、2と協働するために、又はこれを受けるために、消耗品1、2と機械的に合致する必要があり得る。この実施形態では、加熱領域110は細長くなっており、消耗品1、2全体を収容するように寸法設定され形づくられる。他の実施形態では、加熱領域110は、消耗品1、2の一部分のみを受けるように寸法設定されることがある。
【0206】
使用の際に場合によって、アモルファス固体の実質的にすべてが、ヒーター(すなわち、加熱可能要素又は抵抗ヒーター)から約4mm、3mm、2mm又は1mm未満にある。場合によって、固体は、ヒーターから約0.010~2.0mmの間に、好適には約0.02~1.0mmの間に、好適には約0.1~0.5mmの間に配置される。これらの最小距離は、場合によって、アモルファス固体を支持する担体の厚さを反映することがある。場合によっては、アモルファス固体の表面がヒーターに直に当接することがある。
いくつかの実施形態では、デバイス112は電源と、電気を抵抗ヒーターに通すことによって加熱される抵抗ヒーターと、抵抗ヒーターを電気が通過するのを制御するためのコントローラとを備える。抵抗ヒーターは、消耗品が加熱領域110にあるときに、熱エネルギーを加熱領域110に、したがって消耗品1、2に加えるように構成される。抵抗ヒーターにより、熱エネルギーが消耗品1、2のエアロゾル化可能材料に加わるようにすることができる。いくつかの実施形態では、抵抗ヒーターは、消耗品1、2が加熱領域110にあるときに、消耗品1、2の通路20内に位置するように加熱領域110の中に突き出ることができる。いくつかの他の実施形態では、抵抗ヒーターは、消耗品が加熱領域110にあるときに、消耗品1、2の径方向外側に位置することができる。例えば、抵抗ヒーターは、加熱領域110を少なくとも部分的に画定することができる。いくつかの実施形態では、デバイスは、消耗品1、2が加熱領域110にあるときに消耗品1、2の通路14にある第1の抵抗ヒーターと、消耗品1、2が加熱領域110にあるときに消耗品1、2の径方向外側に位置する第2の抵抗ヒーターとを備えることがある。
図5に示されたもの等、いくつかの実施形態では、デバイス12は、消耗品1、2が加熱領域110にあるときに加熱領域110に侵入する、変化する磁界を発生するための磁界発生器を備える。
【0207】
上で論じたように、いくつかの実施形態では、消耗品は、エアロゾル化可能材料を加熱する際に使用するための加熱材料を含む。このような実施形態では、装置の磁界発生器は、消耗品1、2が加熱領域110にあるときに消耗品1、2の加熱材料に侵入する、変化する磁界を発生するように構成することができる。
【0208】
図5に示されたもの等、他の実施形態では、装置100のデバイス112は、加熱可能な加熱要素111を備え、磁界発生器は、加熱要素111に侵入する、変化する磁界を発生するように構成される。いくつかの実施形態では、加熱要素は、消耗品1、2が加熱領域110にあるときに、消耗品1、2の径方向外側に位置する。例えば、加熱要素は、加熱領域110を少なくとも部分的に画定することができる。図5に示されたもの等、他の実施形態では、加熱要素111は加熱領域110の中に突き出る。加熱要素111は使用の際に消耗品1、2の通路20に挿入可能になり得る。図5に示されたもの等、いくつかの実施形態では、加熱要素111は、消耗品1、2が加熱領域110に挿入される間に通路20に入る。他の実施形態では、装置は、消耗品1、2がすでに加熱領域110に配置されているときに、加熱要素111が通路20の中に突き出るために加熱領域110に対して移動可能になるように構成されることがある。
【0209】
いくつかの実施形態では、装置の加熱要素111は、ある外側断面形状を有し、消耗品1、2の中空管1a、2aの最も内側の面1b、2bは、その加熱要素111の外側断面形状と合致する内側断面形状を有する。例えば、これらの内側及び外側の断面形状は、円形とすることも、楕円形、多角形、長方形、正方形、三角形、波形、又は星形等の非円形とすることもできる。いくつかの実施形態では、装置の加熱要素111と消耗品1、2の中空管1a、2aの最も内側の面1b、2bとは、加熱要素111から最も内側の面への熱エネルギー供給の効率及び効果を高めるために、使用中に最も内側の面が加熱要素111に当接するように相対的に寸法設定される。最も内側の面は、加熱要素111に対する締まり嵌め部、又は止まり嵌め部とすることができる。
【0210】
この実施形態では、磁界発生器は、電源113と、コイル114と、交流等の変化する電流をコイル114に通すためのデバイス116と、コントローラ117と、コントローラ117のユーザ操作のためのユーザインターフェース118とを備える。
【0211】
この実施形態の電源113は、再充電可能バッテリーである。他の実施形態では、電源113は、非再充電可能バッテリー、コンデンサ、バッテリー・コンデンサのハイブリッド、又は主電源との接続部等の、再充電可能バッテリー以外であることもある。
【0212】
コイル114は、任意の適切な形を取ることができる。いくつかの実施形態では、コイル114は、銅等の導電性材料から成るらせんコイルである。いくつかの実施形態では、コイルはフラットコイルである。すなわち、コイルは、銅等の導電性材料からなる二次元らせんとすることができる。いくつかの実施形態では、コイル114は加熱領域110を取り巻く。いくつかの実施形態では、コイル114は、加熱領域110の長手方向軸線と実質的に位置合わせされている長手方向軸線に沿って延びる。これらの位置合わせされた軸は一致していることがある。或いは、位置合わせされた軸は、互いに平行である、又は傾斜していることがある。
【0213】
この実施形態では、変化する電流をコイル114に通すためのデバイス116は、電源113とコイル114の間に電気的に接続される。この実施形態では、コントローラ117も電源113に電気的に接続され、またデバイス116を制御するためにデバイス116と通信可能に接続される。より詳細には、この実施形態では、コントローラ117は、電源113からコイル114への電力の供給を制御するように、デバイス116を制御するためのものである。この実施形態では、コントローラ117は、プリント回路基板(PCB)上のIC等の、集積回路(IC)を備える。他の実施形態では、コントローラ117は、異なる形を取ることもある。いくつかの実施形態では、装置100は、デバイス116及びコントローラ117を含む単一の電気又は電子構成要素を有することがある。コントローラ117は、この実施形態では、ユーザインターフェース118のユーザ操作によって操作される。ユーザインターフェース118は、押しボタン、トグルスイッチ、ダイヤル、タッチスクリーン等を含み得る。他の実施形態では、ユーザインターフェース118は遠隔にあり、装置100の残りの部分とはブルートゥースを介する等、無線で接続される。
【0214】
この実施形態では、使用者がユーザインターフェース118を操作すると、コントローラ117がデバイス116に、交流電流をコイル114に通過させる。これにより、コイル114は交番磁界を発生する。装置100のコイル114と加熱領域110は、消耗品1、2が加熱領域110に配置されているときに、コイル114によって生じた変化する磁界が装置100の加熱要素111に侵入するように適切に相対的に配置される。加熱要素111の加熱材料が導電性である場合、この侵入により、加熱材料中に1つ又は複数の渦電流が発生する。加熱材料の電気抵抗に抗して加熱材料中に渦電流が流れると、加熱材料はジュール加熱によって加熱される。加熱要素111の加熱材料が磁性材料である場合は、変化する印加磁界によって加熱材料中の磁気双極子の配向が変化することにより、熱が加熱材料中に発生する。
【0215】
いくつかの実施形態では、消耗品1、2は加熱材料を含み、装置100のコイル114と加熱領域110は、消耗品1、2が加熱領域110に配置されているときに、コイル114によって生じた変化する磁界が消耗品1、2の加熱材料に侵入するように適切に相対的に配置される。いくつかの実施形態では、装置100は加熱要素111を備え、加熱要素111は加熱材料を含み、消耗品1、2も加熱材料を含む。いくつかのこのような実施形態では、装置100のコイル114と加熱領域110は、消耗品1、2が加熱領域110に配置されているときに、コイル114によって生じた変化する磁界が消耗品1、2の加熱材料、及び加熱要素111の加熱材料に侵入するように適切に相対的に配置され得る。
【0216】
この実施形態の装置100は、加熱領域110の温度を検知するための温度センサー119を備える。温度センサー119は、コントローラ117が加熱領域110の温度を監視できるように、コントローラ117に通信可能に接続される。温度センサー119から受け取った1つ又は複数の信号に基づいて、コントローラ117は、加熱領域110の温度が所定の温度範囲内にとどまることを確実にするために、デバイス112に、コイル114に通される変化又は交番する電流の特性を必要に応じて調整させることができる。この特性は、例えば、振幅又は周波数又はデューティサイクルとすることができる。所定の温度範囲内で、使用の際に、加熱領域110に配置された消耗品中のエアロゾル化可能材料は、エアロゾル化可能材料14の少なくとも1つの成分を、エアロゾル化可能材料14を燃焼させずに揮発させるのに十分に加熱される。したがって、コントローラは、また装置100全体として、エアロゾル化可能材料を加熱してエアロゾル化可能材料の少なくとも1つの成分を、エアロゾル化可能材料を燃焼させずに揮発させるように構成される。いくつかの実施形態では、温度範囲は、約100~約300℃の間、又は約120~約350℃の間、又は約140~約250℃の間、又は約200~約270℃の間等の、約50~約350℃の間にある。他の実施形態では、温度範囲がこれらの範囲のうちの1つ以外であることもある。いくつかの実施形態では、温度範囲の上限が350℃を超えることもある。いくつかの実施形態では、消耗品は、例えばこれらの温度範囲において不燃性とすることができる。いくつかの実施形態では、温度センサー119が省かれることがある。
【0217】
いくつかの実施形態では、消耗品が加熱領域110にあるときにエアロゾル化可能材料の加熱を生じさせるデバイス112は、別個に制御できる加熱可能要素111を備えること等によって、加熱領域110の別々の部分を互いに独立して加熱するように構成される。
【0218】
いくつかの実施形態では、消耗品1、2の、又は装置100の加熱できる加熱要素111の、加熱材料はアルミニウムである。しかし、他の実施形態では、加熱材料は、導電性材料、磁性材料、及び磁性導電性材料から成る群から選択された1つ又は複数の材料を含み得る。いくつかの実施形態では、加熱材料は、金属又は金属合金を含み得る。いくつかの実施形態では、加熱材料は、アルミニウム、金、鉄、ニッケル、コバルト、導電性カーボン、グラファイト、鋼、普通炭素鋼、軟鋼、ステンレス鋼、フェライトステンレス鋼、モリブデン、シリコンカーバイド、銅、及び青銅から成る群から選択された1つ又は複数の材料を含み得る。他の加熱材料(複数可)が他の実施形態で使用されることもある。
加熱材料が鋼(例えば軟鋼又はステンレス鋼)等の鉄、又はアルミニウムを含むもの等の、いくつかの実施形態では、加熱材料は、使用の際の加熱材料の腐食又は酸化を防止する助けにするためにコーティングされることがある。このようなコーティングは、例えば、ニッケルめっき、金めっき、又はセラミック若しくは不活性ポリマーのコーティングを含み得る。
【0219】
いくつかの実施形態では、消耗品1、2は、消耗品1、2のエアロゾル化可能材料に部分的又は全体的に埋め込まれている加熱材料を含み得る。いくつかの実施形態では、エアロゾル化可能材料は加熱材料を含み得る。いくつかの実施形態では、エアロゾル化可能材料に加熱材料がないこともある。
【0220】
いくつかの実施形態では、エアロゾル化可能材料はタバコを含む。しかし、他の実施形態では、エアロゾル化可能材料は、タバコから構成されることがあり、タバコから実質的に全部構成されることがあり、タバコとタバコ以外のエアロゾル化可能材料とを含むことがあり、タバコ以外のエアロゾル化可能材料を含むことがあり、又はタバコがないことがある。いくつかの実施形態では、エアロゾル化可能材料は、グリセロール、プロピレングリコール、トリアセチン、又はジエチレングリコール等の、蒸気若しくはエアロゾル形成剤又は保湿剤を含み得る。
【0221】
いくつかの実施形態では、消耗品は不燃性である。いくつかの実施形態では、消耗品は、使用の際に可燃性にならないように構成される。
【0222】
いくつかの実施形態では、消耗品1、2中のエアロゾル化可能材料の揮発可能成分(複数可)の全部又は実質的に全部が使い果たされると、使用者は、消耗品1、2を装置100の加熱領域から取り外し、消耗品1、2を捨てることができる。使用者はその後、消耗品1、2の別のものによって装置100を再使用することができる。しかし、他のそれぞれの実施形態では、装置100及び消耗品1、2は、エアロゾル化可能材料の揮発可能成分(複数可)が使い果たされると、一緒に捨てられることがある。
【0223】
いくつかの実施形態では、消耗品1、2は、消耗品1、2が使用可能である装置100とは分けて販売、供給され、又は別の方法で提供される。しかし、いくつかの実施形態では、装置100と1つ又は複数の消耗品1、2とは、キット又はアセンブル等のシステムとして一緒に、場合によってはクリーニング用具等の追加の構成要素と共に、提供されることがある。
【0224】
疑義を避けるために、本明細書で用語の「含む」が本発明、又は本発明の特徴を定義するのに使用される場合には、本発明又は特徴が用語の「~から本質的に構成される」、又は「~から構成される」を「含む」の代わりに使用して定義され得る諸実施形態も開示される。いくつかの特徴を「含む」材料に言及することは、これらの特徴がその材料中に含まれるか、含有されるか、保持されていることを意味する。
【0225】
様々な問題に対処し、技術を進歩させるために、本開示の全体は、特許請求された本発明を実践できる、且つ、エアロゾル化可能材料を加熱してエアロゾル化可能材料の少なくとも1つの成分を揮発させる装置と共に使用するための優れた消耗品と、このような消耗品及びこのような装置を備えるシステムと、消耗品の形で、又は消耗品として使用するための中空管を製造する方法とを提供する、様々な実施形態を説明及び例によって示す。本開示の利点及び特徴は、諸実施形態の単なる代表例であり、網羅的及び/又は排他的なものではない。これらの利点及び特徴は、特許請求された、又は別に開示された特徴を理解することを助け教示するためにだけ提示されている。本開示の利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、特許請求の範囲によって定義される本開示を限定するもの、又は他特許請求の範囲の等価物を限定するものと解釈されるべきではないこと、並びに、本開示の範囲及び/又は趣旨から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、また修正を加えることができることを理解されたい。様々な実施形態は、開示された要素、構成要素、特徴、部材、ステップ、手段等の様々な組合せを適切に備えるか、これらから成るか、これらから本質的に成ることができる。本開示は、現在は特許請求されていないが将来は特許請求される可能性がある、他の発明を含み得る。
図1
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図7