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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-12
(45)【発行日】2023-06-20
(54)【発明の名称】ギフト贈呈システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230613BHJP
   G06Q 30/0601 20230101ALI20230613BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/0601 302
G06Q30/0601 340
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023002746
(22)【出願日】2023-01-11
【審査請求日】2023-01-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520185650
【氏名又は名称】デジタルバード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097548
【弁理士】
【氏名又は名称】保立 浩一
(72)【発明者】
【氏名】小川 博文
【審査官】小原 正信
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2007/0111789(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
贈り主が複数の被贈呈者にギフトを贈呈する際に使用されるギフト贈呈システムであって、
贈り主が操作する端末である贈り主端末がネットワークを介してアクセスすることができるサーバーと、
記憶部と
を備えており、
記憶部には、ギフト情報マスタファイルと、贈呈ギフト情報ファイルとが記憶されており、
ギフト情報マスタファイルは、贈呈され得る各ギフトの情報を記録したファイルであり、
贈呈ギフト情報ファイルは、ギフト情報マスタファイルに記録されているギフトのうち贈呈されるギフトとして贈り主が複数選定したギフトの情報を記録したファイルであり、
サーバは贈り主端末に対して贈呈ギフト選定ページを提供することが可能であるととともに、サーバには贈呈ギフト登録プログラムが実装されており、
贈呈ギフト選定ページは、ギフト情報マスタファイルに記録された各ギフトについて贈呈されるギフトとして選定するかどうかを入力できるページであって、贈呈ギフト登録プログラムを実行可能なページであり、
贈呈ギフト登録プログラムは、贈呈ギフト選定ページで選定された各ギフトを贈呈ギフト情報ファイルに記録するプログラムであり、
贈呈ギフト情報ファイルに記録された各ギフトを被贈呈者に贈呈するに際してゲームを行わせるゲーム手段が設けられており、ゲーム手段は、ゲームへの参加者のうちどの参加者にどのギフトを贈呈するか決定する手段であり、
サーバーは、ゲームへの各参加者が操作する各参加者端末がネットワークを介してアクセスすることができるものであってゲーム手段を構成しており、
サーバーは、ゲーム実施ページを各参加者端末に提供するものであり、
ゲーム手段は、ゲーム実施ページにおいて動作する模擬椅子取りゲームプログラムを備えており、
模擬椅子取りゲームプログラムは、コマンドボタンである複数の選択ボタンを周軌道に沿って並べて配置するボタン配置モジュールと、周軌道上に配置された選択ボタンが各参加者端末上で周軌道に沿って周回して表示されるようにするボタン回転モジュールとを含んでおり、
周軌道に配置された複数の選択ボタンは、贈呈ギフト情報ファイルに記録されたギフトに1対1で対応しており、その選択ボタンを押す操作が行われた参加者端末に係る参加者の参加者IDを贈呈ギフト情報ファイルに記録された一のギフトに対応づけて記録する処理を行う対応づけモジュールを実行するボタンであり、
各選択ボタンは、ボタン回転モジュールが各選択ボタンを所定時間回転させて停止したタイミングでアクティブになるコマンドボタンであって、いずれかの参加者端末において最初に押す操作が行われた後は無効になるボタンであり、
模擬椅子取りゲームプログラムは、選択ボタンを押してサーバーに対応づけモジュールを実行させることができる参加者端末より選択ボタンの数を少ない数とするプログラムであり、
各参加者端末は、各選択ボタンの回転が停止した後にいずれかの選択ボタンを一度押した後は、他のアクティブな選択ボタンを押した場合でも対応づけモジュールを実行できないものであることを特徴とするギフト贈呈システム。
【請求項2】
前記選択ボタンは、対応しているギフトのイメージが表示されたボタンであることを特徴とする請求項1記載のギフト贈呈システム。
【請求項3】
前記ボタン配置モジュールは、前記対応づけモジュールにより対応づけが行われたギフトを除き対応づけが行われていないギフトに対応して各選択ボタンの配置を更新するコードを含んでいることを特徴とする請求項1記載のギフト贈呈システム。
【請求項4】
記憶部には、参加者情報ファイルが記憶されており、参加者情報ファイルは、前記各参加者を特定する各参加者IDを記録したファイルであり、
前記模擬椅子取りゲームプログラムは、前記贈呈ギフト情報ファイルに参加者IDが記録されていない参加者IDの中から、前記選択ボタンの数より多い数の参加者IDを抽出する挑戦者指名モジュールを含んでおり、挑戦者指名モジュールは、抽出した各参加者IDに係る参加者端末について選択ボタンを押して対応づけモジュールを実行させることができるようにするモジュールであることを特徴とする請求項1記載のギフト贈呈システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願の発明は、贈り主が複数の被贈呈者にギフトを贈呈する際に使用されるシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
日本人は贈り物が好きな人種であるといわれている。贈り物をすることは、対人関係を円滑にする上で不可欠といってもよく、友人、知人、仕事上の関係者などに盛んに贈り物がされている。このうち、カタログに記載されたギフトを被贈呈者が選んで贈呈を受けることができるカタログギフトは、被贈呈者の嗜好を反映したギフトを贈ることができるため、盛んに利用されている。
また、一度に複数の贈呈者に対してギフトを贈呈する状況もしばしば見られる。結婚披露宴における引き出物や葬儀の参列者に対する答礼(香典返し)等はこの典型的な例である。このように複数の被贈呈者にギフトを贈呈する場合も、カタログギフトが贈呈されることが多い。
このようなカタログギフトについても、ITの利用が図られており、被贈呈者がウェブサイト上でカタログ掲載品の選択ができるようにしたサービスも登場している。また、特許文献1では、贈り主がカタログ掲載品を選んでオーダーメイドでカタログギフトを構成して被贈呈者に贈呈する技術も紹介されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-11524号公報号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなカタログギフトは、ギフトを被贈呈者が選択できるので、被贈呈者の嗜好に合ったギフト、被贈呈者が欲しいと思っていたギフトを容易に選ぶことができるという点では、好適である。しかしながら、何らかのイベントのような場で一度の複数の被贈呈者にギフトを贈呈する場合、ゲーム感覚で娯楽性を加味してギフトを贈呈したい場合がある。従来のカタログギフトを配布する方法では、そのような娯楽性は得られない。ただ、実際にゲームを行って賞品としてギフトを贈呈することは、ゲームの準備に時間や手間がかかってしまう問題がある。
本願の発明は、上記の点を考慮して為されたものであり、贈り主がギフトを選択するということを考慮しつつも、ゲーム感覚で娯楽性を加味したギフト贈呈を可能とし、準備に時間や手間がかからないようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、この明細書において、ギフト贈呈システムの発明が開示される。開示されたギフト贈呈システムは、贈り主が複数の被贈呈者にギフトを贈呈する際に使用されるギフト贈呈システムである。このシステムは、贈り主が操作する端末である贈り主端末がネットワークを介してアクセスすることができるサーバーと、記憶部とを備えている。
記憶部には、ギフト情報マスタファイルと、贈呈ギフト情報ファイルとが記憶されている。
ギフト情報マスタファイルは、贈呈され得る各ギフトの情報を記録したファイルである。
贈呈ギフト情報ファイルは、ギフト情報マスタファイルに記録されているギフトのうち贈呈されるギフトとして贈り主が複数選定したギフトの情報を記録したファイルである。
サーバは贈り主端末に対して贈呈ギフト選定ページを提供することが可能であるととともに、サーバには贈呈ギフト登録プログラムが実装されている。
贈呈ギフト選定ページは、ギフト情報マスタファイルに記録された各ギフトについて贈呈されるギフトとして選定するかどうかを入力できるページであって、贈呈ギフト登録プログラムを実行可能なページである。
贈呈ギフト登録プログラムは、贈呈ギフト選定ページで選定された各ギフトを贈呈ギフト情報ファイルに記録するプログラムである。
贈呈ギフト情報ファイルに記録された各ギフトを被贈呈者に贈呈するに際してゲームを行わせるゲーム手段が設けられており、ゲーム手段は、ゲームへの参加者のうちどの参加者にどのギフトを贈呈するか決定する手段である。
サーバーは、ゲームへの各参加者が操作する各参加者端末がネットワークを介してアクセスすることができるものであってゲーム手段を構成している。
サーバーは、ゲーム実施ページを各参加者端末に提供するものであり、
ゲーム手段は、ゲーム実施ページにおいて動作する模擬椅子取りゲームプログラムを備えている。
模擬椅子取りゲームプログラムは、コマンドボタンである複数の選択ボタンを周軌道に沿って並べて配置するボタン配置モジュールと、周軌道上に配置された選択ボタンが各参加者端末上で周軌道に沿って周回して表示されるようにするボタン回転モジュールとを含んでいる。
周軌道に配置された複数の選択ボタンは、贈呈ギフト情報ファイルに記録されたギフトに1対1で対応しており、その選択ボタンを押す操作が行われた参加者端末に係る参加者の参加者IDを贈呈ギフト情報ファイルに記録された一のギフトに対応づけて記録する処理を行う対応づけモジュールを実行するボタンである。
各選択ボタンは、ボタン回転モジュールが各選択ボタンを所定時間回転させて停止したタイミングでアクティブになるコマンドボタンであって、いずれかの参加者端末において最初に押す操作が行われた後は無効になるボタンである。
模擬椅子取りゲームプログラムは、選択ボタンを押してサーバーに対応づけモジュールを実行させることができる参加者端末より選択ボタンの数を少ない数とするプログラムである。
各参加者端末は、各選択ボタンの回転が停止した後にいずれかの選択ボタンを一度押した後は、他のアクティブな選択ボタンを押した場合でも対応づけモジュールを実行できないものである。
また、開示された発明に係るギフト贈呈システムにおいて、選択ボタンは、対応しているギフトのイメージが表示されたボタンであり得る。
また、開示された発明に係るギフト贈呈システムにおいて、ボタン配置モジュールは、対応づけモジュールにより対応づけが行われたギフトを除き対応づけが行われていないギフトに対応して各選択ボタンの配置を更新するコードを含み得る。
また、開示された発明に係るギフト贈呈システムは、
記憶部には、参加者情報ファイルが記憶されており、参加者情報ファイルは、各参加者を特定する各参加者IDを記録したファイルであり、
模擬椅子取りゲームプログラムは、贈呈ギフト情報ファイルに参加者IDが記録されていない参加者IDの中から、選択ボタンの数より多い数の参加者IDを抽出する挑戦者指名モジュールを含んでおり、挑戦者指名モジュールは、抽出した各参加者IDに係る参加者端末について選択ボタンを押して対応づけモジュールを実行させることができるようにするモジュールである
という構成を持ち得る。
【発明の効果】
【0006】
以下に説明する通り、開示された発明に係るギフト贈呈システムによれば、贈り主がギフトを選択するということを考慮しつつも、模擬椅子取りゲームというゲームを行ってどのギフトがどの参加者に贈呈されるのかが決まるので、アトラクションとして娯楽性に富んだギフト贈呈が行えるようになる。
この際、贈り主は、予めギフト購入をして贈呈ギフト登録プログラムを実行しておけば良く、購入したギフトを会場に運び込む必要はないので、準備も極めて簡単であり、時間や手間はかからない。
また、選択ボタンが、対応しているギフトのイメージが表示されたボタンである構成によれば、そのギフトが欲しいと思って選択ボタンを押すことになるので、ゲーム性が増す。
また、ボタン配置モジュールが、対応づけモジュールにより対応づけが行われたギフトを除き対応づけが行われていないギフトに対応して各選択ボタンの配置を更新するコードを含んでいる構成によれば、獲得されていないギフトを対象にして複数回模擬椅子取りゲームを行うことができるので、一回に配置する選択ボタンの数を多くする必要がなく、贈呈するギフト数が多い場合に特に好適となる。
また、模擬椅子取りゲームプログラムが、贈呈ギフト情報ファイルに参加者IDが記録されていない参加者IDの中から、選択ボタンの数より多い数の参加者IDを抽出する挑戦者指名モジュールを含んでおり、挑戦者指名モジュールは、抽出した各参加者IDに係る参加者端末について選択ボタンを押して対応づけモジュールを実行させることができるようにするモジュールである構成によれば、多数の参加者の中から挑戦者を選んで模擬椅子取りゲームに挑戦させることになるので、参加者が多い場合に特に好適となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態のギフト贈呈システムの概略図である。
図2】ギフト販売情報ファイルの構造を示した概略図である。
図3】ギフト情報マスタファイルの構造を示した概略図である。
図4】贈呈ギフト情報ファイルの構造を示した概略図である。
図5】模擬ゲームギフトの販売のための各ページの一例を示した概略図である。
図6】贈呈ギフト登録プログラムの概略を示したフローチャートである。
図7】ゲーム準備プログラムの概略を示したフローチャートである。
図8】参加者情報ファイルの構造の一例を示した概略図である。
図9】贈り主連絡モジュールにより実行される贈り主連絡メールの一例を示した概略図である。
図10】参加者登録用の各ページの一例を示した概略図である。
図11】参加者登録プログラムの概略を示したフローチャートである。
図12】贈り主ゲーム実施ページの一例を示した概略図である。
図13】贈り主ゲーム実施ページの一例を示した概略図である。
図14】ボタン配置モジュールの概略を示したフローチャートである。
図15】挑戦者指名モジュールの概略を示したフローチャートである。
図16】対応づけモジュールの概略を示したフローチャートである。
図17】参加者ゲーム実施ページの概略図である。
図18】ギフト受領ページの一例を示す概略図である。
図19】特別特典の抽選に当たった際のギフト受領ページの一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、この出願の発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。図1は、実施形態のギフト贈呈システムの概略図である。
実施形態のギフト贈呈システムは、贈り主が複数の被贈呈者にギフトを贈呈する際に使用されるシステムである。後述するように、実施形態のギフト贈呈システムは、椅子取りゲームを模したゲーム(以下、模擬椅子取りゲームという。)を行って各被贈呈者に贈呈されるギフトが決定される。模擬椅子取りゲームは、パーティーや宴会等のイベントにおいて行われることが想定されている。以下、模擬椅子取りゲームが行われるイベントを模擬ゲームイベントと呼ぶ。また、このように模擬椅子取りゲームによって各被贈呈者に贈呈されるギフトを模擬ゲームギフトと呼ぶ。
【0009】
図1に示すように、実施形態のギフト贈呈システムは、贈り主が操作する端末である贈り主端末3及び模擬椅子取りゲームへの各参加者が操作する端末である参加者端末4がネットワークを介してアクセスすることができるサーバー1と、記憶部2とを備えている。
この実施形態では、ネットワークはインターネット100であり、したがってサーバー1はウェブサーバーである。ギフトは、ギフトをギフト事業者によって贈り主に販売され、被贈呈者に贈呈される。サーバー1は、このギフト事業者によって運営・管理されており、以下、ギフトサーバー1と呼ぶ。ギフトサーバー1は単体のサーバーである必要はなく、複数のサーバーコンピューターによってギフトサーバー1が構成されている場合もある。
【0010】
記憶部2は、ギフトサーバー1に設けられたハードディスク等のストレージであるが、ストレージサーバーのようにギフトサーバー1とは別のサーバーに設けられている場合もある。記憶部2についても、1個のみである必要はなく、複数のストレージが記憶部2として使用されることもあり、それらは異なる場所に設けられている場合もある。
各参加者端末4は、この実施形態ではスマートフォンとなっている。贈り主端末3は、スマートフォンであっても良くPCであっても良いが、以下の例ではスマートフォンとなっている。
【0011】
実施形態のギフト贈呈システムでは、模擬ゲームイベントにおいて各被贈呈者に贈呈するギフトが決定されるので、贈り主には、模擬ゲームイベントの前に贈呈予定のギフト(贈呈ギフト)を予め選定しておいてもらう。選定された贈呈ギフトは、ギフト事業者から贈り主に販売された状態となる。これらのためのファイルとして、図1に示すように、記憶部2には、ギフト販売情報ファイル21、ギフト情報マスタファイル22と、贈呈ギフト情報ファイル23とが記憶されている。
【0012】
図2は、ギフト販売情報ファイル21の構造を示した概略図である。ギフト販売情報ファイル21は、各模擬ゲームイベントに際して予め行われるギフト販売の情報を記録したデータベースファイルである。図2に示すように、ギフト販売情報ファイル21は、「販売ID」、「会員ID」、「贈り主名」、「参加者数」、「ギフト数」、「参加者登録用ID」、「参加者登録用PW」、「販売日」、「イベント名」等のフィールドから成るレコードを多数記録している。
【0013】
「販売ID」は、各販売を特定する情報が入力されるフィールドである。販売IDは、各模擬ゲームイベントを特定するIDとしての意味も有する。
この実施形態では、贈り主へのギフトの販売は会員登録をしてもらって行う構成となっており、記憶部2には、不図示の会員情報ファイルが記憶されている。会員情報ファイルは、各会員の個人情報を記録したデータベースファイルであり、会員IDにより一意に識別されている。ギフト販売情報ファイル21の「会員ID」は、ギフトの販売先としての贈り主の会員IDを記録したフィールドである。「贈り主名」は、会員情報ファイルに記録されている会員の氏名(団体や法人の場合には名称)が転記されるフィールドである。
【0014】
「参加者数」は、模擬ゲームイベントに参加する参加者の数が入力されるフィールドである。参加者は、ギフトの贈呈を受ける被贈呈者であるが、ギフトの数が参加者の数より少ない場合があり、この場合は被贈呈者ではない参加者(ギフトを貰えない参加者)が出てくる。
「ギフト数」は、模擬ゲームイベントにより贈呈されるギフトの数が入力されるフィールドである。この数は、参加者の数と同じかそれより少ない数である。
「販売日」は、1回の模擬ゲームイベントで販売されるギフトが販売された日が入力されるフィールドである。
「イベント名」は、模擬ゲームイベントの名称が記録されるフィールドである。例えば、「○○××結婚披露宴二次会」のような名称が記録される。
【0015】
図3は、ギフト情報マスタファイル22の構造を示した概略図である。ギフト情報マスタファイル22は、贈呈ギフトとして選定できる商品又はサービスの情報を記録したデータベースファイルであり、ギフト事業者が仕入れて販売できる各種商品又はサービスの情報を記録したファイルである。尚、サービスの場合、サービスの利用券のようなものが被贈呈者に提供される場合が多い。
【0016】
図3に示すように、ギフト情報マスタファイル22は、「ギフトID」、「ギフト名」、「販売額」、「ジャンルID」、「ジャンル名」、「仕入れ先ID」、「イメージファイル名」等のフィールドから成るレコードを多数記録している。ギフトIDは各ギフトを特定する情報であり、販売額は当該ギフトについて贈り主に販売する際の価額である。ジャンルIDは、当該ギフトのジャンルの特定情報である。仕入れ先IDは、当該ギフトの仕入れ先の事業者の特定情報である。イメージファイル名は、当該ギフトの内容をイメージで示すイメージファイルのファイル名であり、必要に応じてパス名を含めて記録される。
【0017】
図4は、贈呈ギフト情報ファイル23の構造を示した概略図である。贈呈ギフト情報ファイル23は、1個の販売IDに対して一つのファイルが作成されて記憶部2に記憶される。例えば、販売IDをファイル名にすることで、販売IDにより特定可能なファイルとされる。
図4に示すように、贈呈ギフト情報ファイル23は、「登録ID」、「ギフトID」、「ギフト名」、「イメージファイル名」、「贈呈先ID」等のフィールドから成るレコードを記録したデータベースファイルである。贈呈ギフト情報ファイル23のレコード数は、ギフト販売情報ファイル21における「ギフト数」の値と一致する。「登録ID」は、一つの贈呈ギフト情報ファイル23内で各レコードを一意に識別するIDである。ギフトIDは、同じギフトが贈呈ギフトとして複数選定される場合があるので、一意の識別情報とはならない。したがって、登録IDが生成されて記録される。登録IDは、例えば販売IDに枝番を付加した識別情報とされる。「贈呈先ID」は、疑似椅子取りゲームにより決まった贈呈先の参加者IDが記録されるフィールドである。
【0018】
一方、ギフトサーバー1は、贈り主端末3に贈呈ギフト選定のためのページ(以下、選定ページという。)をホストしている。即ち、記憶部2には、選定ページ用HTMLファイルが記憶されており、選定ページ用の各スクリプトが選定ページに対して実装されている。
この実施形態では、ギフト事業者は、ギフトサーバー1が提供するサイト(ギフトサイト)において、タイプの異なる幾つかのギフトを販売しており、その一つが、実施形態における模擬ゲームギフトである。
【0019】
図5は、模擬ゲームギフトの販売のための各ページの一例を示した概略図である。ギフト事業者は、ギフトサーバー1上でギフトサイトを提供しており、図5(1)にはそのトップページの一例が示されている。ギフトサイトは、会員登録して利用するサイトとなっており、贈り主は、予め会員登録している。会員登録がされると、会員ID及びパスワードが発行される。トップページのログインボタンを押すとログインページが表示され、会員ID及びパスワードの入力によりログインがされる。
【0020】
図5(1)に示すように、トップページには、ギフト事業者が提供している異なるタイプの幾つかのギフトが紹介されており、その一つが、模擬ゲームギフトとなっている。
トップページには、「模擬椅子取りゲームギフト」と表記されたボタン(以下、ゲームギフトボタン)51が設けられている。ゲームギフトボタン51には、模擬ゲームギフトの販売ページ(以下、ゲームギフト販売ページ)がリンクしている。図5(2)に、ゲームギフト販売ページの一例を示す。
【0021】
図5(2)に示すように、ゲームギフト販売ページには、参加者数入力欄52と、ギフト数入力欄53と、イベント名入力欄54と、価格帯選択欄55と、ジャンル選択欄56と、贈呈ギフト選定ページ表示ボタン57とが設けられている。
参加者数入力欄52は、模擬ゲームイベントへの参加者数を入力する欄である。ギフト数入力欄53は、贈呈するギフトの数を入力する欄であり、参加者数と同じかそれより少ない数を入力する欄である。参加者数よりも大きい数を入力するとエラーとなる。
【0022】
イベント名入力欄54は、模擬ゲームイベントのイベント名を入力する欄である。例えば、「○○××結婚披露宴二次会」というような名称が入力される。
価格帯選択欄55は、贈呈するギフトの価格帯を選択する欄となっている。この例では、価格帯選択欄55は複数選択可能なチェックボックスとなっており、例えば500円以下、500円から1000円、1000円~3000円、3000円~5000円、5000円~7000円、7000~10000円、10000円以上から選ぶ欄とされる。この他、指定なしも選べるようになっている。
ジャンル選択欄56は、贈呈するギフトのジャンルを入力する欄である。この例では、ジャンル選択欄56は、チェックボックスとなっており、複数のジャンルを選択したり、全ジャンルを選択したりすることが可能となっている。
【0023】
贈呈ギフト選定ページ表示ボタン57には、贈呈ギフト選定ページがリンクしている。贈呈ギフト選定ページには、価格帯選択欄55及びジャンル選択欄56での入力にしたがって贈呈ギフト選択ページを表示するスクリプトが埋め込まれている。図5(3)には、贈呈ギフト選定ページ表示の一例が示されている。
図5(3)に示すように、贈呈ギフト選定ページは、贈呈ギフトとして選定可能なギフトをリスト表示したページとなっている。ギフトを表示した各フレームには、ギフト名と、ギフトの内容を示したイメージと、販売額とが表示されるようになっている。贈呈ギフト選定ページに埋め込まれたスクリプトは、価格帯選択欄55で選択された価格帯及びジャンル選択欄56で選択されたジャンルに従ってギフト情報マスタファイル22を検索し、格帯選択欄55で選択された価格帯に販売額が入り、ジャンル選択欄56で選択されたジャンルに該当するギフトのギフト名とイメージファイルと販売額とを取得する。そして、イメージを組み込んで図5(3)に示すように各フレームに表示するようコーディングされている。
【0024】
図5(3)に示すように、ギフトを表示した各フレームには、数量入力欄58が設けられている。また、贈呈ギフト選択ページの最下欄には、贈呈ギフト登録ボタンが設けられている(図5(3)中不図示)。贈呈ギフト選定ページを最下欄まで表示していくと、贈呈ギフト登録ボタンが表示される。
ギフトサーバー1には贈呈ギフト登録プログラム11が実装されており、贈呈ギフト登録ボタンは贈呈ギフト登録プログラム11の実行ボタンとなっている。図6は、贈呈ギフト登録プログラム11の概略を示したフローチャートである。
【0025】
贈呈ギフト登録プログラム11は、ギフトを表示した各フレーム内の数量入力欄58の数を合計し、ギフト数入力欄の数と一致するか判断する。一致しなければ、エラーメッセージを贈り主端末3に表示して終了する。
数値入力欄の合計とギフト数入力欄の数値とが一致した場合、贈呈ギフト登録プログラム11は、数量入力欄58で1以上の数値が入力されているギフトのギフトIDと当該数量とを配列変数(列数2)に格納する。そして、各ギフトIDでギフト情報マスタファイル22を検索し、「販売額」の値を取得する。次に、各ギフトIDについて販売額に当該ギフトの数量を掛けた値を全てのギフトIDについて合計し、合計販売額を算出する。贈呈ギフト登録プログラム11は決済モジュールを含んでおり、算出した合計販売額を引数にして決済モジュールを実行する。決済モジュールは、通常のネットショッピング等におけるものと同様であるが、この例では、クレジットカードかプリペイド決済のみが使用できるようになっている。
【0026】
決済モジュールから正常決済完了の戻り値が戻されると、贈呈ギフト登録プログラム11は、販売IDを新たに生成し、ギフト販売情報ファイル21に新規レコードを追加する。そして、生成した販売ID、ログインの際に保持した会員ID、決済額である販売額をそれぞれ記録する。また、数量入力欄58で入力された数の合計であるギフト数を「ギフト数」に記録し、参加者数入力欄52で入力されている数を「参加者数」に記録する。さらに、イベント名入力欄に入力されたイベント名を「イベント名」に記録する。
【0027】
次に、贈呈ギフト登録プログラム11は、販売IDをファイル名にする等して贈呈ギフト情報ファイル23を新たに作成し、ギフト数の数だけレコードを追加する。そして、登録IDを自動生成し、各レコードに記録する。そして、各レコードに各ギフトIDを記録し、各ギフトIDでギフト情報マスタファイル22を検索してギフト名やイメージファイル名を記録する。
【0028】
図1に示すように、ギフトサーバー11には、ゲーム準備プログラム12が実装されている。贈呈ギフト登録プログラム11は、上記のように贈呈ギフト情報ファイル23の作成と各情報記録の後、サブルーチンとしてゲーム準備プログラム12を実行して終了する。図7は、ゲーム準備プログラム12の概略を示したフローチャートである。
【0029】
ゲーム準備プログラム12は、贈り主への必要な情報の提供等の模擬椅子取りゲーム実施の準備のための処理を行うプログラムである。図7に示すように、ゲーム準備プログラム12は、まず、参加者登録用ID及び参加者登録用パスワードを生成する。販売IDでギフト販売情報ファイル21を検索し、該当レコードの「参加者登録用ID」、「参加者登録用PW」にそれぞれ記録する。
次に、ゲーム準備プログラム12は、参加者情報ファイル24を新規に作成し、記憶部2に記憶する。図8は、参加者情報ファイル24の構造の一例を示した概略図である。参加者情報ファイル24は、くじ実施のために作成されるデータベースファイルであり、図8に示すように、「参加者ID」、「氏名」、「ニックネーム」、「メールアドレス」、「獲得ギフト」等のフィールドから成るレコードを参加者の数だけ記録したファイルである。参加者情報ファイル24は、販売IDごとに作成され、販売IDを使用したファイル名にする等、販売IDで特定可能なファイル名とされる。
【0030】
「参加者ID」は、参加者情報ファイル24内で各レコードを一意に識別する情報が記録されるフィールドであり、例えば販売IDに対して参加者用の枝番を付加した情報とされる。参加者名やメールアドレスは、参加者が参加者端末4を使用して参加者登録をしたり獲得したギフトの発送を依頼したりした際に値が記録されるフィールドである。
「獲得ギフト」は、疑似椅子取りゲームによりギフトを受領する権利を獲得した場合に当該ギフトのギフトIDが記録されるフィールドである。
ゲーム準備プログラム12は、次に、ギフト購入の完了の報告やゲーム実施のための情報を贈り主の送信する贈り主連絡モジュールを含んでいる。ゲーム準備プログラム12は、参加者情報ファイル24の作成をした後、贈り主連絡モジュールを実行して終了する。
【0031】
贈り主への連絡は、ギフトサーバー1から電子メールで送信される場合と、印刷された紙を郵送することで行われる場合があるが、以下の説明では、電子メール送信の構成を一例として説明する。
図9は、贈り主連絡モジュールにより実行される贈り主連絡メールの一例を示した概略図である。図9に示すように、贈り主連絡メールは、模擬ゲームギフトの購入が正常に完了した旨の報告や模擬椅子取りゲームについて説明したテキストを含んでいる。
【0032】
模擬椅子取りゲームについての説明には、贈り主及び各参加者が予めアプリ(以下、椅子取りゲームアプリという。)をダウンロードしておくことが必要であり、各参加者については参加者登録しておくことが必要である旨が含まれている。そして、贈り主連絡メールには、贈り主用椅子取りゲームアプリのダウンロードURL(ハイパーリンク、以下、贈り主用アプリダウンロードリンク)61と、参加者登録用のURL(ハイパーリンク、以下、参加者登録用リンク)62とが記載されている。そして、参加者登録用リンク62を各参加者にメール又はSNS等により転送して欲しい旨の説明が記載されている。さらに、図9中不図示であるが、各参加者が手動でログインする場合を考慮し、ギフトサイトのURLと、参加者登録用ID及び参加者登録用パスワードとが記載されている。参加者登録用ID及び参加者登録用パスワードは、ギフト販売情報ファイル21に記録したものである。
【0033】
次に、ゲーム準備の一環として行われる椅子取りゲームアプリのインストールや参加者登録について説明する。図10は、参加者登録用の各ページの一例を示した概略図である。図10(1)には、参加者登録トップページが示されている。参加者登録トップページは、参加者端末4において参加者登録用IDと参加者登録用パスワードでログインすることで表示される。図7に示す贈り主連絡メールが参加者端末4に転送されて参加者端末4において参加者登録用リンク62をタップするか、ギフトサイトのURLにアクセスしてID及びパスワードを入力することでログインがされ、図10(1)の参加者登録トップページが表示される。
【0034】
参加者登録トップページには、模擬ゲームイベントの名称が確認のため表示されるようになっている。この部分には、参加者登録用IDでギフト販売情報ファイル21を検索し、該当レコードの「イベント名」のフィールドの値を読み取って表示するスクリプトが埋め込まれている。そして、参加者トップページには、模擬ゲームイベントで行われる模擬椅子取りゲームに参加するには参加者登録や椅子取りゲームアプリのダウンロードが必要であるが必要であることが記載されており、「参加者登録をする」と記載された入力ページ表示ボタン63が設けられている。
【0035】
入力ページ表示ボタン63に埋め込まれた入力ページ表示プログラムは、アクセスした参加者端末4に椅子取りゲームアプリがインストールされているか判断し、インストールされていなければ、椅子取りゲームアプリをダウンロードしてインストールするよう要請するメッセージを参加者端末4に表示する。そして、ダウンロードするかどうかを選択させるボタンを表示し、ダウンロードが選択されない場合はそのまま終了し、選択された場合、ダウンロードモジュールを実行する。
【0036】
椅子取りゲームアプリがインストールされている場合、ダウンロードモジュールから正常完了の戻り値が戻された場合、入力ページ表示プログラムは、図10(2)に示す参加者登録入力ページを参加者端末4に表示する。図10(2)に示すように、参加者登録入力ページには、氏名入力欄64及びニックネーム入力欄65と、登録ボタン66が設けられている。ギフトサーバー1には参加者登録プログラム13が実装されており、登録ボタン66にリンクしている確認ページに設けられた送信ボタンは参加者登録プログラム13の実行ボタンとなっている。
【0037】
図11は、参加者登録プログラム13の概略を示したフローチャートである。参加者登録プログラム13は、ログインの際に保持された参加者登録用IDでギフト販売情報ファイル21を検索し、該当レコードから販売IDと参加者数とを取得する。そして、その販売IDに対応して作成されている参加者情報ファイル24を開き、参加者数に一致した数のレコードが既に記録されているかどうか判断する。既に記録されていれば、参加者登録は終了した旨のエラーメッセージを出力して終了する。レコード数が参加者数未満であれば、参加者登録プログラム13は、ニックネーム入力欄65に入力されたニックネームで参加者情報ファイル24を検索し、同一のニックネームがあるかどうか判断する。あれば、異なるニックネームにするよう要請するメッセージを表示して終了する。
【0038】
レコード数が参加者数未満であり同一のニックネームが無ければ、参加者登録プログラム13は、参加者情報ファイル24に新規レコードを追加する。そして、参加者IDを生成して「参加者ID」に記録し、参加者登録入力ページの氏名入力欄63に入力された氏名を「氏名」に記録し、ニックネーム入力欄64に入力されたニックネームを「ニックネーム」に記録する。その上で、販売ID、イベント名、登録した参加者ID及びニックネームを参加者に送信し、椅子取りゲームアプリ41の内部変数として参加者端末4に記憶させる。そして、図10(3)に示すように、参加者登録が終了したメッセージを参加者端末4に表示してプログラムを終了する。尚、図10(3)に示すように、ゲームに参加する場合にはイベント当日にアプリを起動して参加ボタンをタップして欲しい旨のメッセージが終了メッセージとともに表示されるようになっている。
【0039】
次に、このようにして準備がされる模擬椅子取りゲームの実施のための構成について、以下に説明する。模擬椅子取りゲームの実施は、贈呈ギフト情報ファイル23に記録された各ギフトについてどの参加者に贈呈するかを決定するためである。即ち、実施形態のギフト贈呈システムは、贈呈ギフト情報ファイル23に記録された各ギフトについてどの参加者に贈呈するかを模擬椅子取りゲームにより決定するゲーム手段を備えている。この実施形態では、ゲーム手段は、ギフトサーバー1及びギフトサーバー1に実装された模擬椅子取りゲームプログラム14、さらに椅子取りゲームアプリ31,41がインストールされた贈り主端末3及び各参加者端末4等によって構成されている。
【0040】
ゲーム手段は、贈り主端末3や各参加者端末4にゲーム実施ページを表示する手段である。そして、ゲーム手段は、ゲーム実施ページにおいて実行される模擬椅子取りゲームプログラム14を含んでいる。模擬椅子取りゲームプログラム14は、ゲーム実施ページを表示するプログラムや、ゲーム実施ページに実装されたスクリプトやプログラムモジュールを含んでいる。
ゲーム実施ページは、贈り主端末3や各参加者端末4から呼び出されて表示される。いずれの場合にも、販売IDが取得されてセッション変数に保持される。ゲーム実施ページは、各参加者端末4に表示されるインスタンスと贈り主端末3に表示されるインスタンスとでは若干異なるものとなっている。以下、贈り主端末3に表示されるゲーム実施ページを贈り主ゲーム実施ページと呼び、各参加者端末4に表示されるゲーム実施ページを参加者ゲーム実施ページと呼ぶ。
【0041】
図12及び図13は、贈り主ゲーム実施ページの一例を示した概略図である。ゲームの進行に伴い、図12(1)→(2)→(3)→図13(1)→(2)のように表示状態が変化する。
図9に示す贈り主用アプリダウンロードリンク61には会員ID及び販売IDが含まれており、これをタップして椅子取りゲームアプリ31をダウンロードしてインストールすると、椅子取りゲームアプリの内部変数として会員ID及び販売IDが保持される。贈り主端末3上に自動作成される椅子取りゲームアプリ31の起動アイコンには、会員ID及び販売IDを引数にしてギフトサーバー1上のゲーム実施ページ表示プログラムを実行するコードが埋め込まれている。このため、会員ID及び販売IDがセッション変数に保持された状態で、図12に示す贈り主ゲーム実施ページが贈り主端末3に表示される。
【0042】
図12に示すように、贈り主用ゲーム実施ページには、イベント名が確認的に表示されるようになっている。この情報は、販売IDでギフト販売情報ファイル21を検索して該当レコードから取得した情報である。
そして、贈り主用ゲーム実施ページには、総参加者数表示欄71、ギフト残数表示欄72、未獲得者数表示欄73、挑戦者表示欄74等が設けられている。また、コマンドボタンとして、スタンバイボタン75、スタートボタン76及びリセットボタン77が設けられている。
【0043】
総参加者数表示欄71は、疑似椅子取りゲームに参加する参加者の総数を表示した欄である。この欄には、販売IDでギフト販売情報ファイル21を検索して当該レコードの「参加者数」の値が表示される。ギフト残数表示欄72は、贈呈ギフト情報ファイル23において参加者IDとの対応づけがされていないレコードの数(ギフトの数)が表示される欄であり、「贈呈先ID」に値が記録されていないレコードの数が表示される欄である。
未獲得者数表示欄73は、参加者のうちギフトを受領する権利を獲得していない者の数が表示される欄である。ゲームアプリの起動時には、未獲得者数表示欄73の数は、総参加者数表示欄71の数と一致する。挑戦者表示欄74は、各回の椅子取りゲームにおいて、ゲームに挑戦する参加者が表示される欄である。
【0044】
スタンバイボタン75は、ボタン配置モジュールと挑戦者指名モジュールの実行ボタンとなっている。図14は、ボタン配置モジュールの概略を示したフローチャートである。ボタン配置モジュールは、ゲーム実施ページにおいて椅子取りゲームを模した状態を実装するためのボタンであり、コマンドボタンである複数の選択ボタン78を周状に並べて配置するモジュールである。選択ボタン78は、挑戦者(挑戦者として指名された参加者)に押させてギフトを獲得させるためのボタンである。この実施形態では、選択ボタン78は、獲得できるギフトの名前とイメージとを表示してアイコン化されたボタンとなっている。図12(2)に、ボタン配置モジュールにより配置された選択ボタン78の例を示す。
【0045】
贈り主用の椅子取りゲームアプリ31において、配置する選択ボタン78の数の初期値が設定されている(以下、配置数設定値)。ボタン配置モジュールは、未獲得者数表示欄73に表示された数が配置数設定値と同じか、それより少ない場合、ボタン配置モジュールは、配置数を未獲得者数よりも1少ない数に更新する。尚、未獲得者数表示欄73の数が1であった場合、疑似椅子取りゲームは終了なので、ボタン配置モジュールは、配置をせずに終了する。
【0046】
ボタン配置モジュールは、販売IDに対応した贈呈ギフト情報ファイル23を開き、最初のレコードについて「贈呈先ID」の値が記録されていないかどうか判断する。記録されていなければ、そのレコードの「ギフトID」の値を取得して配列変数に格納する。以下、この変数を配置ギフト格納変数を呼ぶ。ボタン配置モジュールは、レコード番号の順にこの処理を配置ギフト格納変数における変数の数が配置数に達するまで繰り返す。そして、配置数に達した段階で、そのレコードのレコード番号に1を加えた値を変数に格納する。以下、この変数をギフト抽出開始位置という。ギフト抽出開始位置の初期値は1である(最初のレコード)。
【0047】
その上で、抽出された各ギフトIDでギフト情報マスタファイル22を検索し、該当レコードからギフト名とギフトイメージファイル名を取得する。その上で、ギフト名とギフトのイメージをアイコン化して各選択ボタン78を生成する。この際、ボタン配置モジュールは、表示しているギフトのギフトIDを引数にして対応づけモジュールを実行するコードをそれぞれ選択ボタン78に埋め込む。尚、この際、各選択ボタン78は初期状態として無効状態とされる。
ボタン配置モジュールは、上記のようにして生成した各選択ボタン78を図12(2)に示すように周状に配置する。「周状」における周は、円形又は楕円形であり、予めページ内に設定されている周軌道に沿って配置される。未獲得者数表示欄73の数が2である場合、選択ボタン78が1個のみとなるが、設定されている周軌道上に配置する。
【0048】
ボタン配置モジュールは、選択ボタン78の配置を行った後、挑戦者指名モジュールを実行して終了する。図15は、挑戦者指名モジュールの概略を示したフローチャートである。挑戦者指名モジュールは、未獲得者数表示欄73での数を確認し、その数が配置数設定値よりも多い場合、配置数設定値に1を加えた数を挑戦者数として変数に格納する。未獲得者数が配置数設定値であれば、未獲得者数から1を引いた数を挑戦者数とする。未獲得者数が配置数設定値より少なければ、未獲得者数を挑戦者数とする。
そして、挑戦者指名モジュールは、販売IDに対応した参加者情報ファイル24を開き、最初のレコードから順に「獲得ギフト」のフィールドがNull値であるかどうか判断し、Null値であれば、そのレコードの「参加者ID」を読み込んで配列変数に格納する。そして、順番に挑戦者数の数だけ参加者IDを抽出し、抽出された各参加者IDを別の配列変数に格納する。以下、この変数を、挑戦中参加者格納変数という。尚、挑戦者指名モジュールは、最後の参加者IDを抽出したレコード番号に1を加えた値を変数に格納する。以下、この変数を挑戦者抽出開始位置という。挑戦者抽出開始位置のデフォルト値は1(最初のレコード)である。
【0049】
次に、挑戦者指名モジュールは、抽出された各参加者IDに係る参加者のニックネームを参加者情報ファイル24から取得し、図12(2)に示すように挑戦者表示欄74に表示する(この例では7名)。これで、挑戦者指名モジュールは終了である。尚、挑戦数参加者格納変数はグローバル変数であり、抽出した各挑戦者の参加者IDは、終了後もそのまま挑戦中参加者格納変数に保持される。また、図12(2)の例では、同じ人型のイメージが描かれているが、各参加者に予めアバターを選んでおいてもらって参加者情報ファイル24に記録しておき、アバターがニックネームとともに表示されるようにする場合もある。
【0050】
スタートボタン76は、回転モジュールの実行ボタンとなっている。回転モジュールは、ボタン配置モジュールにより周状に配置された各選択ボタン78を、その周に沿って(設定されている周軌道に沿って)回転させるモジュールである。図12(3)に、回転を矢印で示す。回転は、例えば、所定の短い時間間隔毎に各選択ボタン78の表示位置を周軌道に沿って順次変化させるよう関数を設定することで行われ、人の目では回転しているように見えるようにする。
【0051】
また、椅子取りゲームプログラムは、音楽再生モジュールを含んでおり、回転モジュールは、回転動作を行っている間は音楽再生モジュールを実行するようコーディングされている。音楽再生モジュールは、記憶部2に記憶されている複数の音楽ファイルのうち設定された音楽ファイルを再生し、贈り主端末3及び各参加者端末4で聴取されるようにするモジュールである。
回転モジュールは、所定時間(例えば5秒から15秒程度)の間、上記回転を続けるようコーディングされる。そして、所定時間が終了したタイミングで、回転モジュールは、音楽再生を終了し、各選択ボタン78を無効状態からアクティブな状態に切り替え、モジュールを終了する。
【0052】
図16は、対応づけモジュールの概略を示したフローチャートである。対応づけモジュールは、その選択ボタン78が表示しているギフトをその選択ボタン78を押した参加者が獲得した状態とする処理を行うモジュールである。
具体的には、各選択ボタン78には、ゲーム実施ページを表示しているゲームアプリにおける変数から参加者IDを取得し、ギフトIDとともに引数にして対応づけモジュールを起動するコードが埋め込まれている。図16に示すように、対応づけモジュールは、まず、引数の参加者IDが挑戦中参加者格納変数にあるかどうか判断し、なければそのままモジュールを終了する。あれば、その参加者IDを挑戦中参加者格納変数から削除し、挑戦中参加者格納変数を更新する。
【0053】
次に、引数のギフトIDが配置ギフト格納変数にあるかどうか判断し、なければ、そのままモジュールを終了する。あれば、当該ギフトIDで贈呈ギフト情報ファイル23を検索し、該当レコードの「贈呈先ID」に参加者IDを記録する。その上で、そのギフトIDを配置ギフト格納変数から削除し、配置ギフト格納変数を更新する。さらに、サブルーチンとして、ギフト獲得表示モジュールを実行する。
【0054】
ギフト獲得表示モジュールは、挑戦した参加者がどのギフトを獲得したのかが判るようにするモジュールである。図13(1)に、ギフト獲得表示モジュールによる表示結果の一例を示す。図13(1)に示すように、ギフト獲得表示モジュールは、獲得したギフトのギフト名とイメージとを挑戦者表示欄74に表示するモジュールである。この例では、当該ギフトについて選択ボタン78を消して挑戦者表示欄74に表示するので、ギフトが挑戦者表示欄74に移動したような印象を与えるようになっている。
【0055】
上記説明から解るように、同一の選択ボタン78を複数の参加者(挑戦者)が各参加者端末4上で押した場合、一番最初に押した参加者が当該ギフトを獲得した状態となり、当該参加者の参加者IDが贈呈ギフト情報ファイル23の「贈呈先ID」に記録される。また、当該参加者を表示されている挑戦者表示欄74に当該ギフトのギフト名やイメージが表示される。後から押した参加者については、配置ギフト格納変数から当該ギフトIDが削除されてしまっているので、そのままモジュールは終了する。この参加者については、ギフト獲得表示モジュールは、図13(1)に示すように、挑戦者表示欄74で当該参加者を表示している部分に「残念」のような表示をするようにコーディングされている。
【0056】
また、選択ボタン78を一度押した場合、いずれの参加者においても参加者IDが挑戦中参加者格納変数から削除されるので、もう一度選択ボタン78を押してもそのままモジュールは終了し、何も起きない。これは、別の選択ボタン78を押した場合でも同じである。ある選択ボタン78がいずれの参加者端末4においても押されない場合、その選択ボタン78は周軌道上に残ったままとなり、選択されていない(獲得されていない)状態を表示するが、選択ボタン78を一度押した参加者がその選択ボタン78を押しても、挑戦中参加者格納変数から削除されているので、そのギフトは獲得できない。
【0057】
尚、贈り主ゲーム実施ページに設けられたリセットボタン77は、ゲーム実施ページを初期状態に戻すリセットモジュールが埋め込まれたボタンである。図13(2)にリセットモジュールが実行された状態を示す。リセットモジュールは、獲得されなかったギフトについての選択ボタン78が残っている場合、それを消去する。また、挑戦中参加者表示欄の表示を全て消去する。その上で、リセットモジュールは、ギフト残数表示欄72及び未獲得者数表示欄73の各表示値を更新する。ギフト残数については、贈呈ギフト情報ファイル23において「贈呈先ID」がNull値であるレコードの数をカウントし、表示を更新する。未獲得者数については、参加者情報ファイル24において「獲得ギフト」の値がNull値であるレコードの数をカウントし、表示を更新する。また、抽出ギフト格納変数や挑戦者中参加者格納変数は開放されてNull値となるが、ギフト抽出開始位置や挑戦者抽出開始位置は保持される。
【0058】
図17は、参加者ゲーム実施ページの概略図である。参加者ゲーム実施ページは、贈り主ゲーム実施ページとほぼ同様であるが、スタンバイボタン、スタートボタン、リセットボタンは設けられていない。また、参加者ゲーム実施ページには、ギフト受領ボタン80が設けられいる。ギフト受領ボタン80は、参加者が獲得したギフトを受領するためのボタンであり、ギフト受領ページがリンクしている。
【0059】
図18は、ギフト受領ページの一例を示す概略図である。図18に示すように、ギフト受領ページは、イベント名、参加者のニックネーム、獲得したギフトのギフト名が表示されるようになっている。ギフト受領ページを表示するモジュールは、販売IDでギフト販売情報ファイル21を検索してこれらの情報を取得するとともに、参加者IDで参加者情報ファイル24を検索して該当レコードの「獲得ギフト」に記載されているギフトIDを取得して、ギフト情報マスタファイル22からギフト名を取得して図17に示すように表示する。
【0060】
図18に示すように、ギフト受領ページには、氏名入力欄81、住所入力欄82、電話番号入力欄83、メールアドレス入力欄84と、OKボタン85とが設けられている。OKボタン85には、確認ページがリンクしており、確認ページに設けられた送信ボタンは、ギフトサーバー1上のギフト発送プログラム(不図示)の実行ボタンとなっている。ギフト発送プログラムは、参加者IDで参加者情報ファイル24を検索し、該当レコードの「ギフト発送有無」の値を確認する。この値が真値であれば、発送済みなので、その旨のメッセージを参加者端末4に表示して終了する。偽値であれば、ギフト発送プログラムは、記憶部2に記憶されたギフト発送情報ファイル(不図示)に、ギフトIDやギフト受領ページで入力された各情報をギフト発送情報ファイルに記録し、ギフトが被贈呈者に送付されるようにする。その後、ギフト発送プログラムは、参加者情報ファイル24の当該参加者IDのレコードの「ギフト発送有無」に真値を記録する。
【0061】
このような実施形態のギフト贈呈システムの動作について、以下に概略的に説明する。
例えば、贈り主は新郎新婦であり、結婚披露宴の二次会の主催者であるとする。新郎新婦は、引出物の贈呈等のために閲覧していたギフトサイトに模擬椅子取りゲームギフトというのがあるのを知り、結婚披露宴の二次会のパーティーでアトラクションとして好適であると思い、購入を決断する。贈り主は、贈り主端末3を操作し、ギフトサイトのトップページでゲームギフトボタン51を押し(クリック又はタップし)、図5(2)のゲームギフト販売ページを表示する。
【0062】
贈り主は、参加者数欄52で参加者数を入力し、ギフト数入力欄53でギフト数を入力する。また、イベント名入力欄56にイベント名をテキストで入力し、価格帯選択欄56で価格帯を選択し、ジャンル選択欄55でギフトのジャンルを選択する。その上で、贈呈ギフト選定ページ表示ボタン57を押す。
これにより、図5(3)のような贈呈ギフト選定ページが贈り主端末3に表示される。贈り主は、贈ろうと思ったギフトを表示しているフレーム内の数量入力欄58に1以上の数字を入力し、それぞれの数量入力欄58に入力した数の合計がギフト数入力欄53で入力した数になるようにする。その上で、贈呈ギフト登録ボタン(不図示)を押す。この結果、贈呈ギフト登録プログラム11が実行される。
【0063】
贈呈ギフト登録プログラム11は、数量入力欄58に1以上の数が入力されたギフトにの販売額を合計して合計販売額とし、合計販売額を引数にして決済モジュールを実行する。そして、贈り主は、決済モジュールにより表示されるページに従って決済を行う。決済が正常に完了すると、贈呈ギフト登録プログラム11は、販売IDを新たに生成し、ギフト販売情報ファイル21に新規レコードを追加して記録する。そして、会員ID、販売額、ギフト数、参加者数、イベント名をそれぞれ記録する。
【0064】
次に、贈呈ギフト登録プログラム11は、贈呈ギフト情報ファイル23を新たに作成してギフト数の数だけレコードを追加し、各レコードに登録ID、ギフトID、ギフト名及びイメージファイル名を記録する。
次に、贈呈ギフト登録プログラム11は、サブルーチンとしてゲーム準備プログラム12を実行する。ゲーム準備プログラム12は、参加者登録用ID及び参加者登録用パスワードを生成し、販売IDの当該レコードに記録する。そして、参加者情報ファイル24を新たに作成し、参加者数分のレコードを追加する。そして、参加者数分の参加者IDを生成し、各レコードに記録する。
さらに、ゲーム準備プログラム12は、贈り主連絡モジュールを実行し、図7に示すような贈り主連絡メールを作成して贈り主端末3に送信する。
【0065】
贈り主連絡メールが送られた贈り主は、そこに含まれる贈り主用アプリダウンロードリンク61をクリックし、椅子取りゲームアプリをダウンロードして贈り主端末3にインストールする。また、贈り主連絡メールに含まれる参加者登録用リンク62を2次会の各参加者に電子メール又はSNS等で送信する。各参加者は、参加者端末4でこれを受信し、そこに含まれる参加者登録用リンク62を押す。そして、椅子取りゲームアプリがインストールされていなければダウンロードしてインストールする。そして、表示される参加者登録入力ページにおいて氏名やニックネームを入力して登録ボタン66を押し、確認ページで送信ボタンを押す。これにより、参加者登録プログラム13が実行され、参加者情報ファイル24に新規レコードを追加し、氏名やニックネームを記録する。この操作は、各参加者において行われて、参加者情報ファイル24には、参加者数分のレコードに参加者情報が記録される。
【0066】
このようにして、贈呈ギフトの購入、ゲーム実施の準備、参加者登録がされた後、模擬ゲームイベントの当日となる。贈り主である贈り主は、贈り主端末3を2次会会場に持ち込み、アトラクションの時間になったら、贈り主端末3上の椅子取りゲームアプリ31を起動する。これにより、ギフトサーバー1から贈り主ゲーム実施ページ用のファイルが送信されて贈り主端末3に贈り主ゲーム実施ページが表示される。また、各参加者も参加者端末4を持参して来場しており、贈り主(又は二次会の進行役)は各参加者に模擬椅子取りゲームを始めるので椅子取りゲームアプリ41を起動するよう要請する。各参加者は、これに応じて各参加者端末4上で椅子取りゲームアプリ41を起動する。これにより、各参加者端末4に参加者用ゲーム実施ページが表示される。
【0067】
贈り主は、ゲーム開始を宣言した後、スタンバイボタン75を押す。これにより、規定数(例えば6個)の選択ボタン78がゲーム実施ページの中央に表示される。それとともに、挑戦者が決定されて挑戦中参加者表示欄74にニックネームが表示される。この場合は、第1ラウンドのゲームであるので、参加者情報ファイル24の1番目から7番目までのレコードに記録された参加者が抽出され、挑戦中参加者表示欄74に表示される。
贈り主は、この状態でスタートボタン76を押す。これにより、各選択ボタン78が回転を始め、設定されている音楽ファイルが再生されて音楽が贈り主端末3及び各参加者端末4で流れる。所定時間後、各選択ボタン78が止まり、音楽の再生も止まる。それと同時に、各選択ボタン78はアクティブに変更される。
【0068】
挑戦中の参加者は、一目散にお目当ての選択ボタン78(欲しいと狙っていたギフトの選択ボタン78)を押す。これにより、対応づけモジュールが実行される。この際、その選択ボタン78を押した参加者がその参加者だけであったか、又は最も早く押した参加者である場合、対応づけモジュールによりその参加者の参加者IDが贈呈ギフト情報ファイル23の「贈呈先ID」に記録され、参加者情報ファイル24の当該参加者のレコードに当該ギフトのギフトIDが記録される。そして、結果表示モジュールにより、挑戦中参加者表示欄74に獲得したギフトが表示される。他の参加者が同じ選択ボタン78を押しており、それよりも遅く押した場合には、贈呈ギフト情報ファイル23や参加者情報ファイル24での記録は行われない。この場合は、挑戦中参加者表示欄74の当該参加者を表示している部分には、「残念」の表示がされる。
【0069】
その後、贈り主は、贈り主端末3上でリセットボタン77を押す。これにより、誰も押さなかったために残っていた選択ボタン78がある場合にはその選択ボタン78は消去される。また、挑戦中参加者表示欄74の表示も消去される。
そして、贈り主は、第2ラウンドのゲームを始める旨を宣言し、リセットボタン77を再び押す。これにより、ボタン配置モジュールが再び実行される。ボタン配置モジュールは、ギフト抽出開始位置のレコードから「贈呈先ID」のNull値であるかどうか判断してNull値であれば、配置ギフト格納変数に格納する処理を行い、配置数までこれを繰り返す。配置数に達する前に最後のレコード番号になった場合、最初のレコード(レコード番号1)に戻って繰り返す。ギフト抽出開始位置のレコード番号に達したら、配置数に発していないくても、モジュールを終了する。
【0070】
また、挑戦者指名モジュールが動作し、参加者情報ファイル24の挑戦者抽出開始位置のレコードから「獲得ギフト」のNull値であるかどうか判断してNull値であれば、挑戦中参加者格納変数に格納する処理を行い、挑戦者数(配置数+1)までこれを繰り返す。挑戦者数に達する前に最後のレコード番号になった場合、最初のレコード(レコード番号1)に戻って繰り返す。挑戦者抽出開始位置のレコード番号に達したら、挑戦者数に達していないくても、モジュールを終了する。
【0071】
その後、スタートボタン76が押されて、回転モジュールや音楽再生モジュールが動作し、所定時間後、停止する。そのタイミングで各挑戦者は任意の選択ボタン78を押し、最先の挑戦者がギフトを獲得する。
このような処理が繰り返され、ギフト残数表示欄72で表示されたギフトがゼロになったら、疑似椅子取りゲームは終了である。その後、ギフトを獲得した各参加者は、ギフト受領ボタン80を押してギフト受領ページを参加者端末4に表示し、各情報を入力してギフトを発送してもらう。
【0072】
このような実施形態のギフト贈呈システムによれば、贈り主がギフトを選択するということを考慮しつつも、模擬椅子取りゲームというゲームを行ってどのギフトがどの参加者に贈呈されるのかが決まるので、アトラクションとして娯楽性に富んだギフト贈呈が行えるようになる。
この際、贈り主は、予めギフト購入をして贈呈ギフト登録プログラムを実行しておけば良く、購入したギフトを会場に運び込む必要はないので、準備も極めて簡単であり、時間や手間はかからない。
【0073】
また、選択ボタン78は、対応しているギフトのイメージが表示されたボタンであるので、そのギフトが欲しいと思っている参加者はその選択ボタン78に集中して回転が停止した瞬間に押そうとするので、ゲーム性が増す。
また、対応づけモジュールにより対応づけが行われたギフトを除き対応づけが行われていないギフトに対応してボタン配置モジュールは各選択ボタン78の配置を更新するので、獲得されていないギフトを対象にして複数回模擬椅子取りゲームを行うことができる。このため、一回に配置する選択ボタン78の数を多くする必要がなく、贈呈するギフト数が多い場合に特に好適となる。
【0074】
また、模擬椅子取りゲームプログラム14が、贈呈ギフト情報ファイル23に参加者IDが記録されていない参加者IDの中から、選択ボタン78の数より多い数の参加者IDを抽出する挑戦者指名モジュールを含んでおり、挑戦者指名モジュールは、抽出した各参加者IDに係る参加者端末4について選択ボタン78を押して対応づけモジュールを実行させることができるようにするので、多数の参加者の中から挑戦者を選んで模擬椅子取りゲームに挑戦させることになる。このため、参加者が多い場合にも選択ボタン78の数を多くする必要がなく、この点で特に好適となる。挑戦者指名モジュールが実装されない場合には、一回に全ての参加者に挑戦させることになるが、この場合には、参加者の数が多くなると選択ボタン78の数もそれ応じて多くせざるを得ず、ページレイアウトにおいて難しくなったり、選択ボタン78が小さいものになってしまって押しづらくなったりする問題が生じ得る。このような問題が生じない点で、挑戦者指名モジュールを実装する構成は好適である。
【0075】
上記実施形態において、疑似椅子取りゲームにより獲得されたギフトについて、抽選により特別の特典を与える構成が採用されることもある。この特典は、贈り主ではなく、ギフトの販売者(ギフト事業者)が与える特典であり、何らかの商品又はサービスの他、ギフトサイト又は他のショッピングで使えるポイント(値引き)の場合もあり得る。
【0076】
特別特典の抽選は、例えば、ギフト情報マスタファイル22に記録されたギフトのいずれか(1個又は数個程度)を当たりのギフトであるとし、ギフト情報マスタファイル22に当たりであるかどうかの情報を記録するフィールドを設けておく。当たりであるギフトは、一日に一回とか週に一回とかの周期で変更される。これを行うため、ギフト情報マスタファイル22の内容を書き換えることができる管理用の端末がギフトサーバー1に対して接続される。どれが当たりのギフトであるかは、各参加者は勿論、贈り主にも知らされないが、ギフト情報ファイル22にはそれが記録された状態としておく。
この場合、贈り主が偶然にもそのギフトを贈呈ギフトとして選定し、疑似椅子取りゲームにおいてそのギフトを獲得した参加者は、特別特典を授与されることになる。
【0077】
ソフトウェア上の構成としては、ギフト受領ページ表示プログラム16がギフト受領ページを参加者端末4に表示する際、当選したギフトIDが当たりのギフトIDであるかをギフト情報マスタファイル22を参照して判断し、当たりであった場合、その旨の表示も併せて行って参加者に伝える。この一例を、図19に示す。
図19は、特別特典の抽選に当たった際のギフト受領ページの一例を示した図である。この例では、特別特典の抽選に当たった旨の表示に加え、詳細閲覧ボタン86が設けられている。詳細閲覧ボタン86には、特別特典の内容や受け取り方などを表示した説明ページがリンクしている。特別特典が何らかの商品やサービスの利用券の場合、疑似椅子取りゲームにおけるギフトと一緒に発送がされる。
【符号の説明】
【0078】
1 ギフトサーバー1
11 贈呈ギフト登録プログラム
12 ゲーム準備プログラム
13 参加者登録プログラム
14 模擬椅子取りゲームプログラム
2 記憶部
21 ギフト販売情報ファイル
22 ギフト情報マスタファイル
23 贈呈ギフト情報ファイル
24 参加者情報ファイル
3 贈り主端末
31 椅子取りゲームアプリ
4 参加者端末
41 椅子取りゲームアプリ
78 選択ボタン
【要約】
【課題】 贈り主がギフトを選択するということを考慮しつつも、ゲーム感覚で娯楽性を加味したギフト贈呈を可能とし、準備に時間や手間がかからないようにすることを目的としている。
【解決手段】 贈り主は贈り主端末3にゲームアプリ31でゲーム実施ページを表示し、各参加者は各参加者端末4にゲームアプリ41でゲーム実施ページを表示する。贈り主がスタンバイボタン75を押すと、挑戦者が指名されて挑戦中参加者表示欄74にニックネームが表示される。贈呈ギフトのギフト名とイメージでアイコン化した各選択ボタン78が周軌道上に配置される。贈り主がスタートボタン76が押すと各選択ボタン78が周軌道に沿って回転し、停止した際、各参加者は任意の選択ボタン78を押す。最も早く選択ボタン78を押した参加者の参加者IDがその選択ボタン78が表示している贈呈ギフトのギフトIDに対応づけられる。
【選択図】 図1
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