IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ケーティー・アンド・ジー・コーポレーションの特許一覧

特許7294749パフ回数をカウントする方法、及びそれを適用したエアロゾル生成装置
<>
  • 特許-パフ回数をカウントする方法、及びそれを適用したエアロゾル生成装置 図1
  • 特許-パフ回数をカウントする方法、及びそれを適用したエアロゾル生成装置 図2
  • 特許-パフ回数をカウントする方法、及びそれを適用したエアロゾル生成装置 図3
  • 特許-パフ回数をカウントする方法、及びそれを適用したエアロゾル生成装置 図4
  • 特許-パフ回数をカウントする方法、及びそれを適用したエアロゾル生成装置 図5
  • 特許-パフ回数をカウントする方法、及びそれを適用したエアロゾル生成装置 図6
  • 特許-パフ回数をカウントする方法、及びそれを適用したエアロゾル生成装置 図7
  • 特許-パフ回数をカウントする方法、及びそれを適用したエアロゾル生成装置 図8
  • 特許-パフ回数をカウントする方法、及びそれを適用したエアロゾル生成装置 図9
  • 特許-パフ回数をカウントする方法、及びそれを適用したエアロゾル生成装置 図10
  • 特許-パフ回数をカウントする方法、及びそれを適用したエアロゾル生成装置 図11
  • 特許-パフ回数をカウントする方法、及びそれを適用したエアロゾル生成装置 図12
  • 特許-パフ回数をカウントする方法、及びそれを適用したエアロゾル生成装置 図13
  • 特許-パフ回数をカウントする方法、及びそれを適用したエアロゾル生成装置 図14
  • 特許-パフ回数をカウントする方法、及びそれを適用したエアロゾル生成装置 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-12
(45)【発行日】2023-06-20
(54)【発明の名称】パフ回数をカウントする方法、及びそれを適用したエアロゾル生成装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/53 20200101AFI20230613BHJP
   A24F 40/57 20200101ALI20230613BHJP
【FI】
A24F40/53
A24F40/57
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022094756
(22)【出願日】2022-06-10
(62)【分割の表示】P 2020540316の分割
【原出願日】2020-04-14
(65)【公開番号】P2022120115
(43)【公開日】2022-08-17
【審査請求日】2022-06-13
(31)【優先権主張番号】10-2019-0045646
(32)【優先日】2019-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ピュン ソン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ウォン キョン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ジョン ソプ
(72)【発明者】
【氏名】ハン、テ ナム
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-545474(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0130860(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成装置においてパフ回数をカウントする方法において、
前記エアロゾル生成装置に含まれたセンサが測定した圧力値が、第1基準圧力値より低くなり始める時間である第1開始時間を獲得する段階と、
前記第1開始時間後、前記センサが測定した圧力値が、前記第1基準圧力値に逹する時間である第1終了時間を獲得する段階と、
前記第1終了時間と前記第1開始時間との間の期間である第1期間が、第1基準期間以上であるか否かということを判断する段階と、
前記第1期間が前記第1基準期間以上であるならば、パフ回数を1回増やす段階と、
を含み、
前記第1開始時間と前記第1終了時間との間において、前記センサが測定した圧力値が、第2基準圧力値以下であるか否かということを判断する段階をさらに含み、
前記パフ回数を1回増やす段階は、
前記第1期間が前記第1基準期間以上であり、前記第1開始時間と前記第1終了時間との間において、前記センサが測定した圧力値が、前記第2基準圧力値以下のことに基づき、パフを認識する段階を含み、
前記第2基準圧力値は、前記第1基準圧力値より低い値である、方法。
【請求項2】
前記第1基準圧力値を再設定する段階をさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
任意時点において、前記センサを利用して圧力値を獲得する段階と、
前記エアロゾル生成装置の電源がターンオンされるたびに、前記第1基準圧力値を前記任意時点において、前記センサが測定した圧力値より低い値に再設定する段階をさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記任意時点は、前記エアロゾル生成装置の電源がターンオンされた時点、または前記エアロゾル生成装置のヒータ予熱が完了した時点を含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記パフ回数を1回増加させた時間であるカウンティング時間を獲得する段階と、
前記カウンティング時間から第2基準期間が経過するまでパフ回数のカウントを中断する段階と、をさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記パフ回数のカウントを中断する段階は、
前記カウンティング時間後、前記センサが測定した圧力値が、前記第1基準圧力値より低くなり始める時間である第2開始時間を獲得する段階と、
前記第2開始時間と前記カウンティング時間との間の期間である第2期間が、前記第2基準期間未満であるか否かということを判断する段階と、
前記第2期間が、前記第2基準期間未満であるならば、前記第2開始時間後、前記センサが測定した圧力値が、前記第1基準圧力値より低くなり始める時間である第3開始時間を獲得段階と、を含む、
請求項に記載の方法。
【請求項7】
液状組成物を加熱してエアロゾルを生成するエアロゾル生成装置において、
前記液状組成物を加熱するヒータと、
前記エアロゾル生成装置の圧力を測定するセンサと、
前記センサが測定した圧力値が、第1基準圧力値より低くなり始める時間である第1開始時間を獲得し、前記センサが測定した圧力値が、前記第1基準圧力値に逹する時間である第1終了時間を獲得し、前記第1終了時間と前記第1開始時間との間の期間である第1期間が、第1基準期間以上であるか否かということを判断し、前記第1期間が、前記第1基準期間以上であるならば、パフ回数を1回増やす制御部と、を含み、
前記第1開始時間と前記第1終了時間との間において、前記センサが測定した圧力値が、第2基準圧力値以下であるか否かということを判断する段階をさらに含み、
前記パフ回数を1回増やす段階は、
前記第1期間が前記第1基準期間以上であり、前記第1開始時間と前記第1終了時間との間において、前記センサが測定した圧力値が、前記第2基準圧力値以下のことに基づき、パフを認識する段階を含み、
前記第2基準圧力値は、前記第1基準圧力値より低い値である、
エアロゾル生成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成装置がパフ回数をカウントする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットの短所を克服する代替方法への需要が増大している。例えば、シガレットを燃焼させてエアロゾルを生成させる方法ではなく、エアロゾル生成物質が加熱されることによってエアロゾルが生成される方法への需要が増大している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
それにより、パフ回数を正確にカウントするための技術が要求されている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
1以上の実施形態は、エアロゾル生成装置がパフ回数をカウントする方法を提供する。1以上の実施形態による、エアロゾル生成装置がパフ回数をカウントする方法は、前記エアロゾル生成装置に含まれたセンサが測定した圧力値が、第1基準圧力値より低くなり始める時間である第1開始時間を獲得する段階と、前記第1開始時間後、前記センサが測定した圧力値が、前記第1基準圧力値に逹する時間である第1終了時間を獲得する段階と、前記第1終了時間と前記第1開始時間との間の期間である第1期間が、第1基準期間以上であるか否かということを判断する段階と、前記第1期間が前記第1基準期間以上であるならば、パフ回数を1回増やす段階と、を含む。
【発明の効果】
【0005】
1以上の実施形態によれば、ユーザの正常な1回吸入動作ではない、非正常的な吸入動作、外部圧力変化、エアロゾル生成装置内部の気流の一時的な振動のようなノイズによってパフ回数がカウントされることを防止し、パフ回数カウンティングの正確度を向上させることができる。
【0006】
発明の効果は、以上で例示された内容によって制限されるものではなく、さらに多様な効果が本明細書内に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係わるエアロゾル生成物質を保有する交換可能なカートリッジと、それを具備したエアロゾル生成装置との結合関係を概略的に図示した分離斜視図である。
図2図1に図示された実施形態に係わるエアロゾル生成装置の例示的な一作動状態を図示した斜視図である。
図3図1に図示された実施形態に係わるエアロゾル生成装置の例示的な他の作動状態を図示した斜視図である。
図4】一実施形態によるエアロゾル生成装置のハードウェア構成を図示したブロック図である。
図5】該エアロゾル生成装置がパフ回数をカウントする方法の一例を示すフローチャートである。
図6】該エアロゾル生成装置のセンサが測定した圧力値の一例を示すグラフである。
図7】該エアロゾル生成装置がパフ回数をカウントする方法の一例を示すフローチャートである。
図8】該エアロゾル生成装置がパフ回数をカウントする方法の一例を示すフローチャートである。
図9】該エアロゾル生成装置のセンサが測定した圧力値の一例を示すグラフである。
図10】該エアロゾル生成装置がパフ回数をカウントする方法の一例を示すフローチャートである。
図11】段階S19を遂行する方法の一例を示すフローチャートである。
図12】該エアロゾル生成装置のセンサが測定した圧力値の一例を示すグラフである。
図13】該エアロゾル生成装置がパフ回数をカウントする方法の一例を示すフローチャートである。
図14】該エアロゾル生成装置のセンサが測定した圧力値の一例を示すグラフである。
図15】該エアロゾル生成装置がパフ回数をカウントする方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
一実施形態による、エアロゾル生成装置がパフ回数をカウントする方法は、前記エアロゾル生成装置に含まれたセンサが測定した圧力値が、第1基準圧力値より低くなり始める時間である第1開始時間を獲得する段階と、前記第1開始時間後、前記センサが測定した圧力値が、前記第1基準圧力値に逹する時間である第1終了時間を獲得する段階と、前記第1終了時間と前記第1開始時間との間の期間である第1期間が、第1基準期間以上であるか否かということを判断する段階と、前記第1期間が前記第1基準期間以上であるならば、パフ回数を1回増やす段階と、を含む。
【0009】
一実施形態による、エアロゾル生成装置がパフ回数をカウントする方法は、前記エアロゾル生成装置に含まれたヒータが加熱を始める時間である加熱開始時間を獲得する段階と、前記加熱開始時間後、前記ヒータが加熱を終了する時間である加熱終了時間を獲得する段階と、前記加熱終了時間と前記加熱開始時間との間の期間である加熱期間と基準加熱期間とを比較する段階と、前記加熱期間が前記基準加熱期間以上であるならば、パフ回数を1回増やす段階と、を含む。
【0010】
一実施形態による、エアロゾル生成装置がパフ回数をカウントする方法は、前記エアロゾル生成装置に含まれたセンサが測定した圧力値が、第1基準圧力値より低くなり始める時間である第1開始時間を獲得する段階と、前記第1開始時間から第1基準期間が経過した後、前記センサが測定した圧力値が増加していて、前記第1基準圧力値に逹すれば、パフ回数を1回増やす段階と、を含む。
【0011】
一実施形態による、液状組成物を加熱してエアロゾルを生成するエアロゾル生成装置は、前記液状組成物を加熱するヒータ;前記エアロゾル生成装置の圧力を測定するセンサ;及び前記センサが測定した圧力値が、第1基準圧力値より低くなり始める時間である第1開始時間を獲得し、前記センサが測定した圧力値が、前記第1基準圧力値に逹する時間である第1終了時間を獲得し、前記第1終了時間と前記第1開始時間との間の期間である第1期間が、第1基準期間以上であるか否かということを判断し、前記第1期間が前記第1基準期間以上であるならば、パフ回数を1回増やす制御部;を含む。
【0012】
本実施形態で使用される用語は、本発明での機能を考慮しながら、可能な限り現在汎用される一般的な用語を選択したが、それは、当分野に携わる技術者の意図、判例、または新技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。従って、本発明で使用される用語は、単純な用語の名称ではなく、その用語が有する意味と、本発明の全般にわたる内容とを基に定義されなければならない。
【0013】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、明細書に記載された「…部」、「…モジュール」というような用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、あるいはハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。
【0014】
本明細書で使用されるように、エレメントのリスト前に記載された「~のうち少なくとも一つ」というような表現は、エレメントリストの全体を意味し、リストの個別エレメントのみを意味するものではない。例えば、「a、b及びcのうち少なくとも一つ」という表現は、単にaだけ、bだけ、cだけ;a及びb、a及びc、b及びc;またはa、b、cいずれも含むものであると理解されなければならない。
【0015】
以下では、添付図面を参照し、本発明の実施形態について、本発明が属する技術分野において当業者が容易に実施することができるように詳細に説明する。しかし、本発明は、さまざまに異なる形態に具現され、ここで説明する実施形態に限定されるものではない。
【0016】
以下では、図面を参照し、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0017】
図1は、一実施形態に係わるエアロゾル生成物質を保有する交換可能なカートリッジと、それを具備したエアロゾル生成装置との結合関係を概略的に図示した分離斜視図である。
【0018】
図1に図示された実施形態に係わるエアロゾル生成装置5は、エアロゾル生成物質を保有するカートリッジ20と、カートリッジ20を支持する本体10と、を含む。
【0019】
内部に、エアロゾル生成物質を収容したカートリッジ20は、本体10にも結合される。カートリッジ20の一部分が、本体10の収容空間19に挿入されることにより、カートリッジ20が本体10にも装着される。
【0020】
カートリッジ20は、例えば、液体状態であったり、固体状態であったり、気体状態であったり、ゲル(gel)状態であったりする、いずれか1つの状態を有するエアロゾル生成物質を保有することができる。該エアロゾル生成物質は、液状組成物を含んでもよい。例えば、該液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。
【0021】
該液状組成物は、例えば、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤及びビタミン混合物のいずれか1つの成分でもあり、あるいはそれら成分の混合物を含んでもよい。該香料は、メントール、ペパーミント、スぺアミントオイル、各種果物の香り成分などを含んでもよいが、それらに制限されるものではない。該香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供することができる成分を含んでもよい。該ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち少なくとも一つが混合されたものでもあるが、それらに制限されるものではない。また、該液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含んでもよい。
【0022】
例えば、該液状組成物は、ニコチン塩が添加された任意重量比のグリセリン及びプロピレングリコール溶液を含んでもよい。該液状組成物には、2種以上のニコチン塩が含まれてもよい。該ニコチン塩は、ニコチンに、有機酸または無機酸を含む適切な酸を添加することによっても形成される。ニコチンは、自然に発生するニコチン、または合成ニコチンであり、該液状組成物の総溶液重量に対する任意の適切な重量濃度を有することができる。
【0023】
ニコチン塩形成のための酸は、血中ニコチン吸収速度、エアロゾル生成装置5の作動温度、香味または風味、溶解度などを考慮しても適切に選択される。例えば、ニコチン塩の形成のための酸は、安息香酸、乳酸、サリチル酸、ラウリン酸、ソルビン酸、レブリン酸、ピルビン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブチル酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、クエン酸、ミシルチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、フェニル酢酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、グルコン酸、サッカリン酸、マロン酸及びリンゴ酸によって構成された群から選択される単独の酸、または前記群から選択される2以上の酸の混合によってもなるが、それらに限定されるものではない。
【0024】
カートリッジ20は、本体10から伝達される電気信号または無線信号などによって作動することにより、カートリッジ20内部のエアロゾル生成物質の相を気体相に変換し、エアロゾルを発生させる機能を遂行する。該エアロゾルは、エアロゾル生成物質から発生した蒸気化された粒子と空気とが混合された状態の気体を意味する。
【0025】
例えば、本体10から電気信号が供給されることにより、カートリッジ20は、エアロゾル生成物質を加熱したり、超音波振動方式を利用したり、誘導加熱方式を利用したりすることにより、エアロゾル生成物質の相を変換することができる。一実施形態において、カートリッジ20は、自体的な電力源を含み、本体10から伝達された電気的な制御信号や無線信号に基づき、エアロゾルを発生させることができる。
【0026】
カートリッジ20は、内部に、エアロゾル生成物質を収容する液体保存部21と、液体保存部21のエアロゾル生成物質をエアロゾルに変換する機能を遂行する霧化器(atomizer)とを含んでもよい。
【0027】
液体保存部21が内部に「エアロゾル生成物質を収容する」というのは、液体保存部21が器(container)の用途のように、エアロゾル生成物質を単に込める機能を遂行することを意味する。液体保存部21は、内部にスポンジ(sponge)や綿や布地や多孔性セラミックス構造体のようなエアロゾル生成物質を含浸(含有)する要素を含んでもよい。
【0028】
該霧化器は、例えば、エアロゾル生成物質を吸収してエアロゾルに変換するための最適状態に維持する液体伝達手段(例:ウィック(wick))と、該液体伝達手段を加熱し、エアロゾルを発生するヒータと、を含んでもよい。
【0029】
該液体伝達手段は、例えば、綿ファイバ、セラミックスファイバ、ガラスファイバ、多孔性セラミックスの少なくとも一つを含んでもよい。
【0030】
該ヒータは、電気抵抗によって熱を発生させることにより、液体伝達手段に伝達されるエアロゾル生成物質を加熱するために、銅、ニッケル、タングステンなどの金属素材を含んでもよい。該ヒータは、例えば、金属熱線(wire)、金属熱板(plate)、セラミックス発熱体などによっても具現される。また、該ヒータは、ニクロム線のような素材を利用し、伝導性フィラメントによって具現されるか、あるいは液体伝達手段に巻かれたり、隣接して配置されたりもする。
【0031】
該霧化器は、エアロゾル生成物質を吸収し、エアロゾルに変換するための最適状態に維持し、エアロゾル生成物質を加熱してエアロゾルを発生するメッシュ状または板状の発熱体によっても具現される。そのような場合、別途の液体伝達手段が要求されない。
【0032】
カートリッジ20の内部に収容されたエアロゾル生成物質を外部から視覚的に確認することができるように、カートリッジ20の液体保存部21は、少なくとも一部が透明な部材を含んでもよい。液体保存部21は、本体10に結合するとき、本体10の溝11にも挿入されるように、液体保存部21から突出窓21aを含んでもよい。マウスピース22及び/または液体保存部21の全体が、透明なプラスチックやガラスのような素材によっても作製される。代案としては、突出窓21aだけが透明な素材によっても作製される。
【0033】
本体10は、収容空間19の内側に配置された接続端子10tを含む。本体10の収容空間19に、カートリッジ20の液体保存部21が挿入されれば、本体10は、接続端子10tを介してカートリッジ20に電力を提供したり、カートリッジ20の作動と係わる信号をカートリッジ20に供給したりすることができる。
【0034】
カートリッジ20の液体保存部21の一側端部には、マウスピース22が結合される。マウスピース22は、エアロゾル生成装置5のユーザの口腔に挿入される部分である。マウスピース22は、液体保存部21内部のエアロゾル生成物質から発生したエアロゾルを外部に排出する排出孔22aを含む。
【0035】
本体10には、スライダ7が本体10に対して移動可能に結合される。スライダ7は、本体10に対して移動することにより、本体10に結合されたカートリッジ20のマウスピース22の少なくとも一部を覆ったり露出させたりする機能を遂行する。スライダ7は、カートリッジ20の突出窓21aの少なくとも一部を外部に露出させる長孔7aを含む。
【0036】
図1に図示されているように、スライダ7は、内部が空いており、両側端部が開放された筒形状を有するが、スライダ7の構造は、それに制限されるものではない。例えば、スライダ7は、本体10のエッジに結合された状態を維持しながら、本体10に対して移動可能なクリップ状の断面形状を有する折り曲げられた板の構造を有することができる。他の例を挙げれば、スライダ7は、湾曲された円弧状の断面形状を有する曲がった半円筒形状を有することができる。
【0037】
スライダ7は、本体10とカートリッジ20とに対するスライダ7の位置を維持するための磁性体を含んでもよい。該磁性体は、永久磁石や、鉄・ニッケル・コバルト、またはそれらの合金のような素材を含んでもよい。
【0038】
該磁性体は、スライダ7の内部空間を挟み、互いに対面する2つの第1磁性体8aと、スライダ7の内部空間を挟み、互いに対面する2つの第2磁性体8bと、を含む。第1磁性体8aは、スライダ7の移動方向である本体10の長手方向(すなわち、本体10の延長方向)に沿い、第2磁性体8bから離隔されて配置される。
【0039】
本体10は、スライダ7が本体10に対して移動する間、スライダ7の第1磁性体8aと第2磁性体8bとが移動する経路上に配置された固定磁性体9を含む。本体10の固定磁性体9も、収容空間19を挟み、互いに対面するように、二つが設けられもする。
【0040】
固定磁性体9及び第1磁性体8a、または固定磁性体9及び第2磁性体8bの間で作用する磁極により、スライダ7は、マウスピース22の端部を覆ったり露出させたりする位置に安定して維持されもする。
【0041】
本体10は、スライダ7が本体10に対して移動する間、スライダ7の第1磁性体8aと第2磁性体8bとが移動する経路上に配置される位置変化感知センサ3を含む。位置変化感知センサ3は、例えば、磁場の変化を感知して信号を発するホール効果(hall effect)を利用したホール集積回路(IC)を含んでもよい。
【0042】
前述の実施形態に係わるエアロゾル生成装置5において、本体10、カートリッジ20及びスライダ7は、長手方向を横切る方向への断面形状がほぼ長方形であるが、本実施形態は、そのようなエアロゾル生成装置5の形状によって制限されるものではない。エアロゾル生成装置5は、例えば、円形、楕円形、正方形、及びさまざまな形態の多角形の断面形状を有することができる。また、エアロゾル生成装置5は、必ずしも直線的に延長する構造に制限されるものではなく、ユーザが手にしやすいように流線形に湾曲されたり、既定の角度に折り曲げられながら、長く延長されたりもするのである。
【0043】
図2は、図1に図示された実施形態に係わるエアロゾル生成装置の例示的な一作動状態を図示した斜視図である。
【0044】
図2において、スライダ7は、本体10と結合されたカートリッジのマウスピース22の端部を覆う位置に移動された。この状態で、マウスピース22が外部の異物から安全に保護され、清潔な状態にも維持される。
【0045】
ユーザは、スライダ7の長孔7aを介し、カートリッジの突出窓21aを視覚的に確認することにより、カートリッジが保有するエアロゾル生成物質の残量を確認することができる。ユーザは、エアロゾル生成装置5を使用するために、スライダ7を本体10の長手方向に移動させることができる。
【0046】
図3は、図1に図示された実施形態に係わるエアロゾル生成装置の例示的な他の作動状態を図示した斜視図である。
【0047】
図3においては、スライダ7が、本体10と結合されたカートリッジのマウスピース22の端部を外部に露出させる位置に移動した作動状態が図示されている。この状態において、ユーザが自身の口腔にマウスピース22を挿入し、マウスピース22の排出孔22aを介して排出されるエアロゾルを吸入することができる。
【0048】
図3に図示されているように、スライダ7が、マウスピース22の端部を外部に露出させる位置に移動すれば、スライダ7の長孔7aを介し、カートリッジの突出窓21aが外部に依然として露出される。従って、スライダ7の位置と関係なく、ユーザが、カートリッジが保有するエアロゾル生成物質の残量を視覚的に確認することができる。
【0049】
図4は、一実施形態によるエアロゾル生成装置の構成を図示したブロック図である。
【0050】
図4を参照すれば、エアロゾル生成装置5は、バッテリ31、ヒータ32、センサ33、ユーザインターフェース34、メモリ35及び制御部36を含んでもよい。しかし、エアロゾル生成装置5の内部構造は、図4に図示されたところに限定されるものではない。また、エアロゾル生成装置5の設計により、図4に図示されたハードウェア構成のうち一部が省略されたり、新たな構成がさらに追加されたりもするということは、本実施形態と係わる技術分野で当業者であるならば、理解することができるであろう。
【0051】
一実施形態において、エアロゾル生成装置5は、本体のみによっても構成され、その場合、図4に図示された構成は、本体に位置する。他の実施形態において、エアロゾル生成装置5は、本体及びカートリッジによっても構成され、図4に図示された構成は、本体及び/またはカートリッジに位置することができる。
【0052】
バッテリ31は、エアロゾル生成装置5の動作に利用される電力を供給する。例えば、バッテリ31は、ヒータ32が加熱されるように、電力を供給することができる。また、バッテリ31は、エアロゾル生成装置5の他の構成、すなわち、センサ33、ユーザインターフェース34、メモリ35及び制御部36の動作に必要な電力を供給することができる。バッテリ31は、充電が可能なバッテリであるか、一回使用バッテリでもある。例えば、バッテリ31は、リチウムポリマー(LiPoly)バッテリでもあるが、それに制限されるものではない。
【0053】
ヒータ32は、制御部36の制御により、バッテリ31から電力供給される。ヒータ32は、バッテリ31から電力供給され、エアロゾル生成装置5に挿入されたシガレットを加熱するか、あるいはエアロゾル生成装置5に装着されたカートリッジを加熱することができる。
【0054】
ヒータ32は、エアロゾル生成装置5の本体に位置することができる。または、ヒータ32は、カートリッジに位置することができる。ヒータ32がカートリッジに位置する場合、ヒータ32は、本体及び/またはカートリッジに位置したバッテリ31からも電力供給される。
【0055】
ヒータ32は、任意の適する電気抵抗性物質でも形成される。例えば、適する電気抵抗性物質は、チタン、ジルコニウム、タンタル、白金、ニッケル、コバルト、クロム、ハフニウム、ニオブ、モリブデン、タングステン、スズ、ガリウム、マンガン、鉄、銅、ステンレス鋼、ニクロムなどを含む金属、または金属合金でもあるが、それらに制限されるものではない。また、ヒータ32は、金属熱線、電気伝導性トラック(track)が配置された金属熱板(plate)、セラミックス発熱体などによって具現されるが、それらに制限されるものではない。
【0056】
一実施形態において、ヒータ32は、カートリッジにも含まれる。該カートリッジは、ヒータ32、液体伝達手段及び液体保存部を含んでもよい。該液体保存部に収容されたエアロゾル生成物質は、液体伝達手段に移動し、ヒータ32は、液体伝達手段に吸収されたエアロゾル生成物質を加熱し、エアロゾルを発生させることができる。例えば、ヒータ32は、ニッケルクロムのような素材を含み、液体伝達手段に巻かれるか、あるいは液体伝達手段に隣接するようにも配置される。
【0057】
一方、ヒータ32は、誘導加熱式ヒータでもある。ヒータ32は、シガレットまたはカートリッジを誘導加熱方式で加熱するための電気伝導性コイルを含んでもよく、シガレットまたはカートリッジには、誘導加熱式ヒータによって加熱されうるサセプタが含まれてもよい。
【0058】
エアロゾル生成装置5は、少なくとも1つのセンサ33を含んでもよい。少なくとも1つのセンサ33でセンシングされた結果は、制御部36に伝達され、制御部36は、ヒータの動作制御、喫煙の制限、シガレット(または、カートリッジ)挿入いかんの判断、お知らせ表示などにより、エアロゾル生成装置5を制御することができる。
【0059】
例えば、センサ33は、パフ感知センサを含んでもよい。該パフ感知センサは、温度変化、流量(flow)変化、電圧変化及び/または圧力変化に基づき、ユーザのパフを感知することができる。
【0060】
例えば、該パフ感知センサは、圧力センサを含んでもよい。該圧力センサは、エアロゾル生成装置5の内部圧力を測定することができる。例えば、エアロゾル生成装置5は、内部に気流パスを含み、該圧力センサは、気流パスの近辺に配置され、気流パスの圧力を測定することができる。
【0061】
例えば、該パフ感知センサは、抵抗センサまたはキャパシタンスセンサのような接触感知センサを含んでもよい。該接触感知センサは、ユーザの唇がエアロゾル生成装置5に接触することを感知することができる。
【0062】
また、少なくとも1つのセンサ33は、温度感知センサを含んでもよい。該温度感知センサは、ヒータ32(または、エアロゾル生成物質)の温度を感知することができる。エアロゾル生成装置5は、ヒータ32の温度を感知する別途の温度感知センサを含むか、あるいは別途の温度感知センサなしに、ヒータ32自体が温度感知センサの役割を行うことができる。または、ヒータ32が温度感知センサの役割を行っても、エアロゾル生成装置5にさらなる温度感知センサがさらに含まれてもよい。
【0063】
センサ33は、位置変化感知センサを含んでもよい。該位置変化感知センサは、本体に対して移動可能に結合されたスライダの位置変化を感知することができる。
【0064】
ユーザインターフェース34は、ユーザに、エアロゾル生成装置5の状態に係わる情報を提供することができる。例えば、ユーザインターフェース34は、視覚情報を出力するディスプレイまたはランプ、触覚情報を出力するモータ、音情報を出力するスピーカ、ユーザから入力された情報を受信したり、ユーザに情報を出力したりする入出力(I/O)インタフェーシング手段(例えば、ボタンまたはタッチスクリーン)とデータ通信を行ったり、充電電力を供給されたりするための端子、外部デバイスと無線通信(例えば、WI-FI、WI-FI Direct、Bluetooth(登録商標)、NFC(near-field communication)など)を行うための通信インタフェーシングモジュールのような多様なインタフェーシング手段を含んでもよい。
【0065】
メモリ35は、制御部36で処理されたデータ及び処理されるデータを保存することができる。メモリ35は、DRAM(dynamic random access memory)、SRAM(static random access memory)、ROM(read only memory)、EEPROM(electrically erasable and programmable read only memory)のような多様な種類によっても具現される。
【0066】
例えば、メモリ35には、エアロゾル生成装置5の動作時間、最大パフ回数、現在パフ回数、少なくとも1つの温度プロファイル、及びユーザの喫煙パターンに係わるデータなどが保存されもする。
【0067】
制御部36は、エアロゾル生成装置5の全般的な動作を制御することができる。制御部36は、少なくとも1つのプロセッサを含む。該プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイによっても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサで実行されうるプログラムが保存されたメモリとの組み合わせによっても具現される。また、他の形態のハードウェアによっても具現されるということは、本実施形態が属する技術分野で当業者であるならば、理解することができるであろう。
【0068】
制御部36は、少なくとも1つのセンサ33によってセンシングされた結果を分析し、続いて行われる処理を制御する。
【0069】
制御部36は、センサ33によってセンシングされた結果に基づき、ヒータ32の動作が開始または終了されるように、ヒータ32に供給される電力を制御することができる。また、制御部36は、センサ33によってセンシングされた結果に基づき、ヒータ32が、所定温度まで加熱されるか、あるいは適切な温度を維持するように、ヒータ32に供給される電力の量、及び電力が供給される時間を制御することができる。
【0070】
一実施形態において、制御部36は、エアロゾル生成装置5に対するユーザ入力を受信した後、ヒータ32の動作を開始するために、ヒータ32のモードを予熱モードに設定することができる。また、制御部36は、パフ感知センサを利用し、ユーザのパフを感知した後、ヒータ32のモードを予熱モードから動作モードで転換することができる。また、制御部36は、パフ感知センサを利用し、パフ回数をカウントした後、パフ回数が既設定(規設定)回数に逹すれば、ヒータ32への電力供給を中断することができる。
【0071】
制御部36は、少なくとも1つのセンサ33によってセンシングされた結果に基づき、ユーザインターフェース34を制御することができる。例えば、パフ回数が既設定(規設定)回数に逹すれば、制御部36は、ユーザインターフェース34(例:ランプ、モータ、スピーカなど)を利用し、ユーザにエアロゾル生成装置5が間もなく終了されると予告することができる。
【0072】
一方、図4には、図示されていないが、エアロゾル生成装置5は、別途のクレードルと共に、エアロゾル生成システムを構成することもできる。例えば、該クレードルは、エアロゾル生成装置5のバッテリ31の充電にも利用される。例えば、エアロゾル生成装置5は、クレードル内部の収容空間に収容された状態で、クレードルのバッテリから電力を供給され、エアロゾル生成装置5のバッテリ31を充電することができる。
【0073】
図5は、エアロゾル生成装置がパフ回数をカウントする方法の一例を示すフローチャートである。図6は、エアロゾル生成装置のセンサが測定した圧力値の一例を示すグラフである。
【0074】
図4に図示されたエアロゾル生成装置5を基に、図5及び図6を参照し、エアロゾル生成装置がパフ回数をカウントする方法の一例について説明する。
【0075】
段階S11において、制御部36は、センサ33が測定した圧力値pr1が、第1基準圧力値pr_th1より低くなり始める時間である第1開始時間s_t1を獲得することができる。
【0076】
第1基準圧力値pr_th1は、エアロゾル生成装置5の電源がターンオンされてパフが発生する前、任意時点において、センサ33が測定した圧力値pr_sより低い値でもある。
【0077】
例えば、第1基準圧力値pr_th1は、圧力値pr_sよりも一定サイズpr_c小さい。
【0078】
例えば、一定サイズpr_cは、圧力がパフによって減少する程度から決定される値でもある。例えば、センサが測定した圧力が、パフによって40ほど減少するならば、一定サイズpr_cは、40の30%である12とも決定される。その結果、第1基準圧力値pr_th1は、100より12小さい値である88にも設定される。
【0079】
他の例を挙げれば、第1基準圧力値pr_th1は、任意時点において、センサ33が測定した圧力値pr_sより一定比率小さい値でもある。
【0080】
例えば、任意時点において、センサ33が測定した圧力値pr_sが100であり、一定比率が80%であるならば、第1基準圧力値pr_th1は、100の80%である80にも設定される。
【0081】
このとき、圧力値pr_sが測定される任意時点は、エアロゾル生成装置5の電源がターンオンされた時点、またはエアロゾル生成装置5のヒータ32の予熱が完了した時点でもある。
【0082】
もし第1基準圧力値pr_th1を、任意時点において、センサ33が測定した圧力値pr_sと同一に設定すれば、エアロゾル生成装置5の微細な圧力変化も、パフと認識されてしまう。第1基準圧力値pr_th1を、任意時点において、センサ33が測定した圧力値pr_sより低い値に設定することにより、さらにロバストにパフを認識することができる。
【0083】
ユーザが吸入を始めれば、エアロゾル生成装置5の内部圧力が低下し、センサ33が測定する圧力値が低減する。従って、段階S11で獲得した第1開始時間s_t1は、ユーザが吸入を始める時間にも対応する。
【0084】
段階S11において、制御部36は、該制御部がエアロゾル生成のために、ヒータ32が加熱を始めるように制御する時間である第1開始時間s_t1を獲得することができる。すなわち、第1開始時間s_t1は、ヒータ32が加熱を始める時間にも対応する。
【0085】
段階S13において、制御部36は、第1開始時間s_t1後、センサ33が測定した圧力値pr1が、第1基準圧力値pr_th1に逹する時間である第1終了時間e_t1を獲得することができる。すなわち、制御部36は、第1基準圧力値pr_th1に基づき、第1開始時間s_t1及び第1終了時間e_t1を獲得することができる。
【0086】
ユーザが吸入を終了すれば、エアロゾル生成装置5の内部圧力が復旧され、センサ33が測定する圧力値が、吸入前の圧力レベルに戻ることができる。従って、段階S13で獲得した第1終了時間e_t1は、ユーザが吸入を終了する時間にも対応する。
【0087】
段階S13において、制御部36は、エアロゾル生成を中断するために、ヒータ32が加熱を終了するように制御することができる。すなわち、第1終了時間e_t1は、ヒータ32が加熱を終了する時間にも対応する。
【0088】
段階S15において、制御部36は、第1終了時間e_t1と第1開始時間s_t1との間の第1期間pe1が、第1基準期間pe_th1以上であるか否かということを判断することができる。第1期間pe1は、ユーザが吸入を行った期間にも対応する。
【0089】
第1基準期間pe_th1は、既設定値でもある。例えば、第1基準期間pe_th1は、ユーザがエアロゾルを1回吸入するのに必要となる平均的な時間でもある。
【0090】
段階S17において、制御部36は、第1期間pe1が、第1基準期間pe_th1以上であるならば、パフ回数を1回増やすことができる。
【0091】
エアロゾル生成装置5の内部圧力は、ユーザの正常な1回吸入動作ではない、非正常的な吸入動作、外部圧力変化、エアロゾル生成装置内部の気流の一時的な振動のようなノイズによっても変化しうる。しかし、図5に図示された方法によってパフ回数をカウントすれば、ノイズによってパフ回数がカウントされることを防止することができる。
【0092】
図7は、エアロゾル生成装置がパフ回数をカウントする方法の一例を示すフローチャートである。
【0093】
図7に図示された方法は、図5に図示された方法と比較したとき、段階S10をさらに含む点が異なる。重複説明を避けるために、図4に図示されたエアロゾル生成装置5を基に、段階S10についてのみ説明する。
【0094】
段階S10において、制御部36は、第1基準圧力値を再設定することができる。例えば、制御部36は、エアロゾル生成装置5の電源がターンオンされるとき、センサ33が測定した圧力値より低い値に、第1基準圧力値を再設定することができる。例えば、再設定された第1基準圧力値は、エアロゾル生成装置5の電源がターンオフされるまでも維持される。
【0095】
または、制御部36は、エアロゾル生成装置5の電源がターンオンされた後、任意時点において、センサ33が測定した圧力値より低い値に、第1基準圧力値を再設定することができる。例えば、エアロゾル生成装置5の電源がターンオンされた後、ヒータ32の予熱時間が終わった時点において、センサ33が測定した圧力値に基づき、第1基準圧力値を再設定することができる。他の例を挙げれば、制御部36は、エアロゾル生成装置5の電源がターンオンされた後から、ユーザが吸入を始めるまでの間の一時点において、センサ33が測定した圧力値に基づき、第1基準圧力値を再設定することができる。
【0096】
そのように、エアロゾル生成装置5が電源ターンオンされるたびに、ユーザが吸煙する空間の圧力に基づき、第1基準圧力値を設定することが可能である。それにより、パフ回数をさらに正確にカウントすることができる。さらに、ヒータ32の予熱時間が終わった後、センサ33が測定した圧力値に基づき、第1基準圧力値を再設定し、ヒータ32の加熱開始により、エアロゾル生成装置5の内部圧力が変化する要因を除去し、第1基準圧力値を設定することが可能であるので、パフ回数をさらに正確にカウントすることができる。
【0097】
図8は、エアロゾル生成装置がパフ回数をカウントする方法の一例を示すフローチャートである。図9は、エアロゾル生成装置のセンサが測定した圧力値の一例を示すグラフである。
【0098】
図8に図示された方法は、図5に図示された方法と比較したとき、段階S16をさらに含む点が異なる。重複説明を避けるために、図4に図示されたエアロゾル生成装置5を基に、図8及び図9を参照し、段階S16及び段階S17についてのみ説明する。
【0099】
段階S16において、制御部36は、第1開始時間s_t1と第1終了時間e_t1との間において、センサ33が測定した圧力値pr2が、第2基準圧力値pr_th2以下に低下するか否かということを判断することができる。
【0100】
第2基準圧力値pr_th2は、第1基準圧力値pr_th1より低い値であり、既設定値でもある。第2基準圧力値pr_th2は、ユーザの吸入により、エアロゾル生成装置5の内部圧力が低下したか否かということを判別するために使用される臨界圧力値でもある。例えば、第2基準圧力値pr_th2は、第1基準圧力値pr_th1より一定サイズ小さい値にも設定される。例えば、第2基準圧力値pr_th2は、第1基準圧力値pr_th1が再設定されることにより、共に再設定されもする。
【0101】
段階S17において、段階S15と段階S16とを満足すれば、パフ回数を1回増やすことができる。
【0102】
第1開始時間s_t1と第1終了時間e_t1との間の期間は、ユーザが吸入している期間に対応する。ユーザの正常な吸入動作により、エアロゾル生成装置5の内部圧力が変化し、第1開始時間s_t1と第1終了時間e_t1とが測定されなければならない。しかし、意図していないように、ユーザの非正常的な吸入動作、または外部環境変化などによるノイズにより、エアロゾル生成装置5の内部圧力が変化し、第1開始時間s_t1と第1終了時間e_t1とが不正確に測定されうる。制御部36は、センサ33が測定した圧力値pr2と、第2基準圧力値pr_th2とを比較し、ユーザの正常な吸入動作を判別することができ、パフ回数をさらに正確にカウントすることができる。
【0103】
図10は、エアロゾル生成装置がパフ回数をカウントする方法の一例を示すフローチャートである。図11は、段階S19を遂行する方法の一例を示すフローチャートである。図12は、エアロゾル生成装置のセンサが測定した圧力値の一例を示すグラフである。
【0104】
図10に図示された方法は、図5に図示された方法と比較したとき、段階S18及び段階S19をさらに含む点が異なる。重複説明を避けるために、図4に図示されたエアロゾル生成装置5を基に、図10ないし図12を参照し、段階S18及び段階S19についてのみ説明する。
【0105】
段階S18において、制御部36は、段階S17において、パフ回数が1回増加された時間であるカウンティング時間c_t1を獲得することができる。制御部36が、段階S13ないし段階S17を遂行するのにかかる時間は、非常に短い時間でもあり、カウンティング時間c_t1は、第1終了時間e_t1と同一であると見なすことができる時間でもある。
【0106】
段階S19において、制御部36は、カウンティング時間c_t1から第2基準期間pe_th2が経過するまで、パフ回数のカウントを中断することができる。
【0107】
段階S19は、図11のようにも具体化される。
【0108】
段階S191において、制御部36は、カウンティング時間c_t1後、センサ33が測定した圧力値pr3が、第1基準圧力値pr_th1より低くなり始める時間である第2開始時間s_t2を獲得することができる。第2開始時間s_t2は、ユーザが第1開始時間s_t1から第1終了時間e_t1までの、吸入後、さらに吸入を始める時間にも対応する。
【0109】
段階S192において、制御部36は、第2開始時間s_t2とカウンティング時間c_t1との間の期間である第2期間pe2が、第2基準期間pe_th2未満であるか否かということを判断することができる。
【0110】
第2基準期間pe_th2は、ユーザの1吸入動作と、次の吸入動作とを区別するために使用する基準値である。例えば、第2基準期間pe_th2は、第1基準期間pe_th1より長い期間でもある。
【0111】
段階S193において、制御部36は、第2期間pe2が、第2基準期間pe_th2未満であるならば、第2開始時間s_t2後、前記センサが測定した圧力値が、前記第1基準圧力値pr_th1より低くなり始める時間である第3開始時間s_t3を獲得することができる。
【0112】
反対に、第2期間pe2が、第2基準期間pe_th2以上であるならば、制御部36は、第2開始時間s_t2後、センサ33が測定した圧力値pr3が増加していて、第1基準圧力値pr_th1に逹する時間である第2終了時間e_t2を獲得することができる。また、制御部36は、第2終了時間e_t2と第2開始時間s_t2との間の期間である第3期間pe3が、第1基準期間pe_th1以上であるか否かということを判断することができる。また、制御部36は、第3期間pe3が、第1基準期間pe_th1以上であるならば、パフを認識し、パフ回数を1回増やすことができる。
【0113】
図10及び図11に図示された実施形態によれば、パフ回数が不正確であり、非正常的に早くカウントされることが防止されうる。
【0114】
図13は、エアロゾル生成装置がパフ回数をカウントする方法の一例を示すフローチャートである。図14は、エアロゾル生成装置のセンサが測定した圧力値の一例を示すグラフである。
【0115】
図4に図示されたエアロゾル生成装置5を基に、図13及び図14を参照し、エアロゾル生成装置がパフ回数をカウントする方法の一例について説明する。
【0116】
段階S21において、制御部36は、センサ33が測定した圧力値pr4が、第1基準圧力値pr_th1より低くなり始める時間である第1開始時間s_t1を獲得することができる。
【0117】
段階S23において、制御部36は、第1開始時間s_t1から第1基準期間pe_th1が経過した後、センサ33が測定した圧力値pr4が増加していて、第1基準圧力値pr_th1に逹すれば、パフ回数を1回カウントすることができる。
【0118】
図13に図示された方法によってパフ回数をカウントすれば、第1開始時間s_t1から第1基準期間pe_th1が経過する間、センサ33が測定する圧力値に影響を受けずにパフ回数をカウントすることができる。従って、第1開始時間s_t1から第1基準期間pe_th1が経過する間、ノイズなどにより、瞬間的にセンサ33が測定した圧力値が、第1基準圧力値pr_th1に逹しても、制御部36は、そのような現象に影響されずにパフ回数をカウントすることができる。また、第1開始時間s_t1から第1基準期間pe_th1が経過するまで、センサ33の動作を停止することができ、それに相応する電力消耗を防止することができる。
【0119】
図15は、エアロゾル生成装置がパフ回数をカウントする方法の一例を示すフローチャートである。
【0120】
図4に図示されたエアロゾル生成装置5を基に、図15を参照し、エアロゾル生成装置がパフ回数をカウントする方法の一例について説明する。
【0121】
段階S31において、制御部36は、ヒータ32が加熱を始める時間である加熱開始時間を獲得する。
【0122】
制御部36は、ユーザが吸入する間、ヒータ32が加熱するように制御することができ、加熱開始時間は、ユーザが吸入を始める時間にも対応する。また、該加熱開始時間は、バッテリ31からヒータ32に電力が提供され始める時間にも対応する。
【0123】
制御部36は、ユーザが吸入を始めるか否かということを判断するために、センサ33の出力信号を利用することができる。
【0124】
例えば、センサ33が圧力センサである場合、制御部36は、圧力センサが測定した圧力値が基準値以下に下がれば、ユーザが吸入を始めたと判断することができる。そのような場合、制御部36は、圧力センサが測定した圧力値が、基準値より低くなり始める時間を、加熱開始時間として獲得することができる。
【0125】
例えば、センサ33が接触感知センサである場合、制御部36は、接触感知センサが、ユーザがエアロゾル生成装置5と接触(例えば、マウスピースを口にする動作)したことを感知すれば、ユーザが吸入を始めたと判断し、接触感知センサがユーザの接触を感知した時間を、加熱開始時間として獲得することができる。
【0126】
段階S33において、制御部36は、加熱開始時間後、ヒータ32が加熱を終了する時間である加熱終了時間を獲得することができる。
【0127】
制御部36は、ユーザが吸入を終わらせれば、ヒータ32が加熱を終了するように制御することができ、加熱終了時間は、ユーザの吸入が終わる時間にも対応する。また、該加熱終了時間は、バッテリ31からヒータ32に電力提供が終わる時間にも対応する。
【0128】
制御部36は、ユーザが吸入を終わらせたか否かということを判断するために、センサ33の出力信号を利用することができる。
【0129】
例えば、センサ33が圧力センサである場合、制御部36は、圧力センサが測定した圧力値が基準値に復元されれば、ユーザが吸入を終えたと判断することができる。そして、制御部36は、圧力センサが測定した圧力値が基準値に逹する時間を、加熱終了時間として獲得することができる。
【0130】
例えば、センサ33が接触感知センサである場合、制御部36は、接触感知センサが、ユーザがエアロゾル生成装置5と接触(例えば、マウスピースを口にする動作)を終了したことを感知すれば、ユーザが吸入を終えたと判断し、接触感知センサがユーザの接触がなくなったことを感知した時間を、加熱終了時間として獲得することができる。
【0131】
このとき、加熱開始時間及び加熱終了時間は、パルス幅変調(PWM)制御により、加熱期間最中、ヒータのON/OFFが反復される時間と区別されなければならない。すなわち、該加熱開始時間は、PWM制御が始まる時間にも対応し、該加熱終了時間は、PWM制御が終わる時間にも対応する。
【0132】
段階S35において、制御部36は、加熱終了時間と加熱開始時間との間の期間である加熱期間が、基準加熱期間以上であるか否かということを判断することができる。
【0133】
該加熱期間は、ユーザが吸入を行った期間にも対応する。
【0134】
該基準加熱期間は、既設定値でもある。例えば、該基準加熱期間は、ユーザがエアロゾルを1回吸入するのに必要となる平均的な時間でもある。
【0135】
段階S37において、制御部36は、該加熱期間が該基準加熱期間以上であるならば、パフを認識し、パフ回数を1回増やすことができる。
【0136】
図15に図示された方法によってパフ回数をカウントすれば、ヒータ32が加熱される期間に基づき、パフ回数をカウントすることができる。また、エアロゾル生成装置5に装着されたセンサの種類に係わりなく、同一アルゴリズムでパフ回数をカウントすることができる。
【0137】
図4の制御器36及びユーザインターフェース34のように、ブロックに表現される構成、要素、モジュールまたはユニット(本段落において、「構成」と総称する)において少なくとも一つは、例示的な実施形態により、前述のそれぞれの機能を遂行する多様な個数のハードウェア、ソフトウェア及び/またはファームウェアのストラクチャとしても具現される。例えば、それらコンポーネントのうち少なくとも一つは、メモリ、プロセッサ、論理回路、ルックアップテーブルのような、1以上のマイクロプロセッサ、または他の制御装置の制御を介し、それぞれの機能を遂行することができる直接回路構造を使用することができる。また、それら構成要素のうち少なくとも一つは、特定論理機能を遂行するための1以上の実行可能な命令を含み、1以上のマイクロプロセッサ、または他の制御装置によって実行されるモジュール、プログラム、またはコードの一部によっても具体的に具現される。また、それら構成要素のうち少なくとも一つは、それぞれの機能を遂行する中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサのようなプロセッサを含むか、あるいはそれによっても具現される。それらコンポーネントのうち2以上は、1以上の単一コンポーネントに結合され、結合された2以上のコンポーネントの全ての動作または機能を遂行することができる。また、それらコンポーネントのうち少なくとも一つの機能の少なくとも一部は、それらコンポーネントのうち他のコンポーネントによっても遂行される。また、バス(bus)は、ブロック図に図示されていないが、コンポーネントを介する通信は、バスを介してもなされる。前述の例示的な実施形態の機能的側面は、1以上のプロセッサで実行されるアルゴリズムによっても具現される。また、ブロックまたはプロセッシング段階によって表現されたコンポーネントは、電子構成、信号のプロセッシング及び/または制御、データプロセッシングなどのための任意関連技術を利用することができる。
【0138】
本実施形態と係わる技術分野において当業者であるならば、前述の記載の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態にも具現されるということを理解することができるであろう。従って、開示された方法は、限定的な観点ではなく、説明的な観点から考慮されなければならない。本発明の範囲は、前述の説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての差異は、本発明に含まれたものであると解釈されなければならないのである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15