IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヤーマン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-美容装置 図1
  • 特許-美容装置 図2
  • 特許-美容装置 図3
  • 特許-美容装置 図4
  • 特許-美容装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-12
(45)【発行日】2023-06-20
(54)【発明の名称】美容装置
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/04 20060101AFI20230613BHJP
【FI】
A61N1/04
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019002127
(22)【出願日】2019-01-09
(65)【公開番号】P2020110262
(43)【公開日】2020-07-27
【審査請求日】2021-09-29
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000114628
【氏名又は名称】ヤーマン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 岩男
【審査官】神ノ田 奈央
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-000731(JP,A)
【文献】特開2016-101371(JP,A)
【文献】国際公開第2014/196195(WO,A1)
【文献】特開2000-167009(JP,A)
【文献】特表2003-530920(JP,A)
【文献】特開2017-184943(JP,A)
【文献】国際公開第2017/189890(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/04
A61N 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状の筐体と、
前記筐体に設けられたグリップと、
前記筐体の表面のうち該筐体の断面における凸部に相当する領域に設けられ、該凸部の形状に沿って押し当てられる方向に湾曲した凸形状の曲面をそれぞれ有する複数の電極と、
を有し、
前記複数の電極は、3つ以上であり、かつ、それぞれ身体に押し当てる力の強さに応じて該身体に接触する範囲の大きさが変わることを特徴とする美容装置。
【請求項2】
前記複数の電極は、前記筐体の長手方向に並んで配置されており、かつ、該筐体の周方向の位置が重なっている
ことを特徴とする請求項1に記載の美容装置。
【請求項3】
前記筐体の表面に設けられ、押し当てられた身体の部位に超音波振動を付与する振動板、を有する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の美容装置。
【請求項4】
前記複数の電極のいずれかは、前記振動板を兼ねる
ことを特徴とする請求項に記載の美容装置。
【請求項5】
前記複数の電極に給電し、該電極の前記曲面が押し当てられた身体の部位に電気信号を出力する出力部を有し、
前記出力部は、前記複数の電極のうち、使用者の操作に応じて選択された電極に給電する
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の美容装置。
【請求項6】
前記複数の電極に給電し、該電極の前記曲面が押し当てられた身体の部位に電気信号を出力する出力部を有し、
前記出力部は、給電の対象となる電極を周期的に切り替える
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の美容装置。
【請求項7】
棒状の筐体と、
前記筐体に設けられたグリップと、
前記筐体の表面のうち該筐体の断面における凸部に相当する領域に設けられ、該凸部の形状に沿って押し当てられる方向に湾曲した凸形状の曲面をそれぞれ有する複数の電極と、
前記複数の電極に給電し、該電極の前記曲面が押し当てられた身体の部位に電気信号を
出力する出力部と、
を有し、
前記複数の電極は、それぞれ身体に押し当てる力の強さに応じて該身体に接触する範囲の大きさが変わり、
前記出力部は、給電の対象となる電極を周期的に切り替え
ことを特徴とする美容装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、美容装置に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚に電流を流すことで美容効果を得る美容装置が開発されている。特許文献1には、正面視楕円形の絶縁性のケースの前面に取り付け面を設け、その中央に平坦な皮膚接触面を有する筒状の振動体を取り付けて、振動体の両側に平坦な皮膚接触面を有する断面楕円形の筒状の皮膚電極を配置した超音波美容器が記載されている。
【0003】
また、特許文献2には、グリップ部とヘッド部とを備える美容器が記載されている。この美容器のヘッド部には、皮膚と接触する接触面が備えられている。この接触面には、その中央を含む領域に、互いに間隔をあけて設けられた4つの電極が設けられ、さらにその領域の全ての外周を囲むように配置された超音波振動面が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2000-167009号公報
【文献】登録実用新案第3192971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の技術では、腹部、太腿、ふくらはぎ等の面積の比較的広い部位の皮膚に密着させることが可能であるが、顔や首等の面積の比較的小さな部位あるいは凹凸のある部位の皮膚に密着させることが難しい。
【0006】
一方、特許文献2に記載の技術では、比較的小さな部位あるいは凹凸のある部位の皮膚に密着させることが可能であるが、面積の比較的広い部位の皮膚を一度に刺激することが難しい。
【0007】
本発明の目的の一つは、比較的広い部位、及び比較的小さな部位のいずれに対しても密着して刺激する美容装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に係る美容装置は、棒状の筐体と、前記筐体に設けられたグリップと、前記筐体の表面のうち該筐体の断面における凸部に相当する領域に設けられ、該凸部の形状に沿って押し当てられる方向に湾曲した凸形状の曲面をそれぞれ有する複数の電極と、を有し、前記複数の電極は、それぞれ身体に押し当てる力の強さに応じて該身体に接触する範囲の大きさが変わることを特徴とする美容装置である。
【0009】
本発明の請求項2に係る美容装置は、請求項1に記載の態様において、前記複数の電極は、3つ以上であることを特徴とする美容装置である。
【0010】
本発明の請求項3に係る美容装置は、請求項1又は2に記載の態様において、前記複数の電極は、前記筐体の長手方向に並んで配置されており、かつ、該筐体の周方向の位置が重なっていることを特徴とする美容装置である。
【0011】
本発明の請求項4に係る美容装置は、請求項1から3のいずれか1項に記載の態様において、前記筐体の表面に設けられ、押し当てられた体の部位に超音波振動を付与する振動板、を有することを特徴とする美容装置である。
【0012】
本発明の請求項5に係る美容装置は、請求項4に記載の態様において、前記複数の電極のいずれかは、前記振動板を兼ねることを特徴とする美容装置である。
【0013】
本発明の請求項6に係る美容装置は、請求項1から5のいずれか1項に記載の態様において、前記複数の電極に給電し、該電極の前記曲面が押し当てられた体の部位に電気信号を出力する出力部を有し、前記出力部は、前記複数の電極のうち、使用者の操作に応じて選択された電極に給電することを特徴とする美容装置である。
【0014】
本発明の請求項7に係る美容装置は、請求項1から5のいずれか1項に記載の態様において、前記複数の電極に給電し、該電極の前記曲面が押し当てられた体の部位に電気信号を出力する出力部を有し、前記出力部は、給電の対象となる電極を周期的に切り替えることを特徴とする美容装置である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、比較的広い部位、及び比較的小さな部位のいずれに対しても密着して刺激することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る美容装置1の外観を示す図。
図2図1と異なる角度から見た美容装置1の外観を示す図。
図3】美容装置1の構成を示すブロック図。
図4】美容装置1の筐体10に設けられた電極161の配置を示す図。
図5図4の矢視V-Vから筐体10を見た断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<実施形態>
<美容装置の外観>
以下、図において物体が配置される空間をxyz右手系座標空間として表す。図に示す座標記号のうち、円の中に交差する2本の線分を描いた記号は、紙面手前側から奥側に向かう矢印を表している。空間においてx軸に沿う方向をx軸方向という。また、x軸方向のうち、x成分が増加する方向を+x方向といい、x成分が減少する方向を-x方向という。同様に、y、z成分についても、y軸方向、+y方向、-y方向、z軸方向、+z方向、-z方向を定義する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る美容装置1の外観を示す図である。図1に示す美容装置1は、筐体10を有している。筐体10は、x軸方向に沿って伸びた棒状の筐体である。
【0019】
ここで「棒状」とは、一端から他端に向けて伸びる形状であり、伸びる方向(長手方向)の長さが、長手方向に垂直な断面の幅や径の最大長さに比べて長いものをいう。「棒状」の長手方向の長さは、上述した幅や径の最大長さの少なくとも2倍以上であり、3倍以上であることが望ましい。上述した断面は、形状に制限がなく、長手方向の異なる位置で形状及び大きさが相違していてもよい。この「棒状」における長手方向は、直線に沿ったものを含むが、湾曲していてもよい。つまり、筐体10は、まっすぐに伸びる棒状であってもよいし、長手方向に湾曲した棒状であってもよい。
【0020】
筐体10の+z方向の表面には操作部14及び表示部15が設けられている。また、筐体10の+x方向の端部には、接続部13が設けられている。
【0021】
図2は、図1と異なる角度から見た美容装置1の外観を示す図である。図2に示す通り、美容装置1の筐体10には、その-z方向の表面に、電極161a、161b、161c、161d(以下、これらを区別しない場合、単に「電極161」という)、及び振動板171が設けられている。図2に示す電極161は、4つであり、振動板171とともに筐体10の長手方向に並んで配置されている。筐体10を把持した使用者は、これらの電極161を自身の身体(人体)の部位に押し当てて、押し当てられたその部位のマッサージを行う。
【0022】
<美容装置の構成>
図3は、美容装置1の構成を示すブロック図である。図3に示す通り、美容装置1は、制御部11、記憶部12、接続部13、操作部14、表示部15、出力部16、及び発振部17を有する。
【0023】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を有し、CPUがROMや記憶部12に記憶されているコンピュータプログラム(以下、単にプログラムという)を読み出して実行することにより美容装置1の各部を制御する。
【0024】
接続部13は、有線又は無線(例えば電磁結合)により電源2に接続して、この電源2から電力の供給を受ける。接続部13は、電源2から供給された電力により充電される電池131を有する。充電された電池131は、バスを介して美容装置1の各構成に電力を供給する。
【0025】
操作部14は、各種の指示を入力するための操作ボタンを備えており、使用者による操作を受付けてその操作内容に応じた信号を制御部11に供給する。図1に示す操作部14は、x軸方向に沿って並んだ2つのボタンである。
【0026】
表示部15は、液晶ディスプレイを有しており、制御部11の制御の下、画像(文字を含む)を表示する。
【0027】
記憶部12は、ソリッドステートドライブ等の記憶手段であり、制御部11のCPUに読み込まれる各種のプログラムを記憶する。
【0028】
出力部16は、複数の電極161を有する。出力部16は、電池131から複数の電極161にそれぞれ給電し、電極161のそれぞれが押し当てられた人体の部位に電気信号を出力する。
【0029】
発振部17は、振動板171を有する。発振部17は、振動板171が押し当てられた人体の部位に超音波振動を付与する。
【0030】
図4は、美容装置1の筐体10に設けられた電極161の配置を示す図である。図4に示す通り、筐体10には、グリップ101と、接触部102とが設けられている。
【0031】
グリップ101は、筐体10の+x方向の端部に近い領域に設けられ、使用者が把持する部位である。グリップ101は、例えば、一般的な使用者の手の大きさの平均値等に基づいて太さや形状が決められている。グリップ101には、滑り止めを含んでいてもよい。
【0032】
接触部102は、筐体10の表面のうち-z方向の側にあり、4つの電極161と振動板171とが設けられている。接触部102は、グリップ101と重ならない部位に設けられている。
【0033】
図4に示す4つの電極161と振動板171とは、筐体10の長手方向(x軸方向)に並んで配置されている。図4に示す通り、電極161aと電極161bとは隣接しており、その距離はx1である。また、電極161cと電極161dとは隣接しており、その距離はx3である。一方、電極161bと電極161cとは、振動板171を隔てて離れており、その距離はx2である。これらの距離の大小関係は、x2>x1であり、かつ、x2>x3である。
【0034】
したがって、例えば、電極161aを正極とし、電極161bを負極としてこれらに電気信号を出力した場合、これらに触れる人体の部位はx1だけ離れている。そのため、x1の長さの部位に電気刺激が与えられる。
【0035】
一方、例えば、電極161aを正極とし、電極161dを負極としてこれらに電気信号を出力すると、これらに触れる人体の部位は(x1+x2+x3)だけ離れている。したがって、この場合、x1よりも長い、(x1+x2+x3)の長さの部位に電気刺激が与えられる。このように、美容装置1の制御部11が複数の電極161のうちいずれかを正極及び負極として選択すると、選択された電極161の組合せに応じて、電流が流される人体の範囲が調整される。
【0036】
<美容装置の動作>
図5は、図4の矢視V-Vから筐体10を見た断面図である。なお、図5の断面図は概略を示したものに過ぎず、その縮尺、縦横比等を限定するものではない。電極161aよりも-x方向においてx軸に垂直な平面で筐体10を切断すると、図5に示す通り、筐体10の断面形状は角の丸い三角形である。
【0037】
そして図5に示す通り、この三角形の頂点に相当する丸まった角(凸部ともいう)のうち、-z方向の凸部に電極161aが設けられている。この電極161aの-z方向の面は、筐体10の表面に沿って湾曲した曲面1610aである。つまり、電極161aは、筐体10の表面のうち-z方向の凸部に設けられ、この凸部の形状に沿って湾曲した曲面1610aを有する。
【0038】
使用者は、図4に示すグリップ101を握って美容装置1を持ち、接触部102を図5(a)に示す矢印D2方向(-z方向)にある自分の身体(人体)に押し当てる。この矢印D2方向は、使用者の身体の深部に向かう方向(深部方向)でもある。すなわち、曲面1610aは電極161aが押し当てられる方向に凸形状の曲面である。
【0039】
なお、電極161b、電極161c、電極161d、及び振動板171も、筐体10の表面のうち-z方向の凸部に設けられており、押し当てられる方向に曲面1610aと同様の凸形状の曲面をそれぞれ有している。
【0040】
そして、使用者は、接触部102を矢印D2方向に押し当てながら、例えば図1に示す矢印D1方向(+y方向)に沿ってこの美容装置1を動かす。
【0041】
使用者の身体は、皮膚の下に柔らかい皮下組織があるため、電極161aが矢印D2方向に押し当てられると、その押し当てる力の強さに応じて使用者の皮膚が電極161aの曲面1610aの形状に沿って変形する。そして、使用者の身体は、曲面1610aを包み込むように曲面1610aに接する。
【0042】
例えば、使用者が矢印D2方向に所定の力で電極161を押し当てると、電極161のそれぞれの曲面(曲面1610aを含む)は、図5(a)に示すL1の位置まで使用者の身体に埋没して接する。したがって、このとき、曲面1610aのうち使用者の身体に接する部位は図5(a)に太線で示す部位である。
【0043】
一方、使用者が矢印D2方向に、上述した力よりも強い力で電極161を押し当てると、電極161のそれぞれの曲面は、上述したL1を超えて図5(b)に示すL2の位置まで使用者の身体に埋没して接する。このL2の位置は、L1の位置よりも相対的に+z方向にある。
【0044】
すなわち、図5(b)に示す電極161aは、図5(a)に示す電極161aに比べて、強い力で矢印D2方向(-z方向)に押し当てられた結果、より深く使用者の身体に埋没する。したがって、このとき、曲面1610aのうち使用者の身体に接する部位は図5(b)に太線で示す部位である。この「図5(b)に太線で示す部位」は、上述した「図5(a)に太線で示す部位」よりも大きい。
【0045】
このように、美容装置1が、筐体10の表面に設けられ、押し当てられる方向に凸形状の曲面をそれぞれ有する複数の電極161を有するので、電極161の曲面が使用者の身体に接触する範囲の大きさは、使用者の身体に電極161を押し当てる力の強さに応じて変わる。
【0046】
したがって、本発明に係る美容装置1は、身体に接する電極161の部位が押し当てられる方向に凸形状の曲面であるため、押し当てる力を加減することで比較的広い部位に対しても、比較的小さな部位に対しても、それぞれ密着して刺激することができる。なお、この比較的広い部位とは、腹横筋、外腹斜筋、前鋸筋、大殿筋等の筋肉を有する腹部、大腿部等である。また、この比較的小さな部位とは、眼輪筋、頬筋等の筋肉を有する顔等である。
【0047】
また、本発明に係る美容装置1において複数の電極161が、筐体10の長手方向に並んで配置されているため、制御部11は、複数の電極161のうち、いずれを正極及び負極として選択するかによって、身体に電流を流す範囲を調整することができる。
【0048】
また、本発明に係る美容装置1は、複数の電極161及び振動板171が、筐体10の表面に設けられ、押し当てられる方向に凸形状の曲面をそれぞれ有するので、この曲面を使用者の身体に押し当てながら、接触している皮膚に沿って滑らせることで、この曲面が接触している皮膚下の組織をマッサージしながら電気刺激や振動を与えることができる。
【0049】
また、本発明に係る美容装置1は、棒状の筐体10を有するので、使用者の手の届かない部位にも接触部102を接触させて、電極161及び振動板171から電気刺激や振動を与えることができる。
【0050】
以上の実施形態で説明された構成、形状、大きさ及び配置関係については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎない。したがって、本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
【0051】
<変形例>
以上が実施形態の説明であるが、この実施形態の内容は以下のように変形し得る。また、以下の変形例は組み合わされてもよい。
【0052】
<変形例1>
上述した実施形態において、美容装置1に設けられた電極161の数は4つであったが、2つ以上であればよい。
【0053】
特に電極161の数は3つ以上であるとよい。電極161の数が3つ以上であれば、正極及び負極に選択し得る組が複数存在するため、電気信号を出力する2つの電極161の距離を調整することが可能である。
【0054】
<変形例2>
上述した実施形態において、4つの電極161と振動板171とは筐体10の長手方向に並んで配置されていたが、配置はこれに限られない。例えば電極161は、筐体10の周方向に並んで配置されていてもよい。
【0055】
なお、「長手方向に並ぶ」とは、筐体10の長手方向に沿って並ぶことのほか、筐体10の長手方向の成分を含む方向に並ぶことも含む。すなわち、4つの電極161と振動板171とは筐体10の長手方向に対して斜めに並んで配置されていてもよい。ただし、複数の電極161は、使用者が美容装置1を長手方向に垂直な方向に押し当てたときに、同時に身体に接触するように、周方向の位置が重なっていることが望ましい。
【0056】
また、実施形態において筐体10の長手方向に並んで配置された複数の電極161は、そのそれぞれの長手方向が平行になるように配置されていたが、平行にならないように配置されていてもよい。電極161の形状及びサイズは、上述した実施形態に示したものに限られず、それぞれが異なっていてもよい。
【0057】
<変形例3>
上述した実施形態において、美容装置1は、押し当てられた人体の部位に超音波振動を付与する振動板171を有していたが、振動板171を有しなくてもよい。
【0058】
また、電極161や振動板171は、突起を含む形状であってもよい。突起は、例えば
、半球体であり、身体に接触してその身体を刺激するものであるとよい。また、電極161や振動板171は、300kHzから5MHz、望ましくは500kHzから1.5MHzの高周波の電磁波を出力してもよい。
【0059】
<変形例4>
上述した実施形態において、電極161と振動板171とはそれぞれ別の機能を有していたが、一方が他方の機能を兼ねてもよい。例えば、複数の電極161のいずれかは、振動板171を兼ねてもよい。この場合、振動板171は、押し当てられた使用者の身体(人体)の部位に、発振部17が発する超音波振動を付与するとともに、出力部16により給電される。そして、出力部16は、振動板171が押し当てられた人体の部位にも電気信号を付与する。
【0060】
<変形例5>
上述した実施形態において、美容装置1の制御部11が複数の電極161のうちいずれかを正極及び負極として選択すると、選択された電極161の組合せに応じて、電流が流される人体の範囲が調整されていたが、制御部11は、操作部14の操作に応じて、電極161を選択してもよい。この場合、出力部16は、複数の電極161のうち、使用者の操作に応じて選択された電極161に給電する。そして出力部16は、選択された電極161の曲面が押し当てられた人体の部位に電気信号を出力する。
【0061】
<変形例6>
また、出力部16は、給電の対象となる電極161を周期的に切り替えてもよい。これにより全ての電極161が人体に接触していなくても、切り替えの順番が回ってくることにより、接触した1対の電極161に電気信号を流すことができる。なお、この切り替えの機能は、出力部16に備わっていてもよいし、出力部16を制御する制御部11に備わっていてもよい。
【0062】
<変形例7>
上述した実施形態において、グリップ101は、筐体10の+x方向の端部に近い1か所の領域に設けられていたが、この他の領域に設けられていてもよい。例えば、グリップ101は、筐体10のx軸方向の両端に近い領域にそれぞれ設けられていてもよい。この場合、接触部102は、この両端に近い領域に設けられた2つのグリップ101の間に設けられていてもよい。
【0063】
<変形例8>
美容装置1の制御部11によって実行されるプログラムは、磁気テープや磁気ディスクなどの磁気記録媒体、光ディスクなどの光記録媒体、光磁気記録媒体、半導体メモリなどの、コンピュータ装置が読み取り可能な記録媒体に記憶された状態で提供し得る。また、このプログラムを、インターネット等の通信回線経由でダウンロードさせることも可能である。なお、上記の制御部11によって例示した制御手段としてはCPU以外にも種々の装置が適用される場合があり、例えば、専用のプロセッサ等が用いられる。
【符号の説明】
【0064】
1…美容装置、10…筐体、101…グリップ、102…接触部、11…制御部、12…記憶部、13…接続部、131…電池、14…操作部、15…表示部、16…出力部、161、161a、161b、161c、161d…電極、1610a…曲面、17…発振部、171…振動板、2…電源。
図1
図2
図3
図4
図5