(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-12
(45)【発行日】2023-06-20
(54)【発明の名称】留め具を回転させるための工具、該工具の利用方法、及び該工具の製造方法
(51)【国際特許分類】
B25B 13/50 20060101AFI20230613BHJP
【FI】
B25B13/50 C
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019008969
(22)【出願日】2019-01-23
【審査請求日】2022-01-19
(32)【優先日】2018-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】エットリング, カール ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】カラハン, ラッセル ピート
【審査官】須中 栄治
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第08459155(US,B2)
【文献】実開昭62-078273(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B13/00-23/18
F16B23/00
F16B35/04
F16B39/02;39/08;39/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
留め具(22)を回転させる工具(100)であって、
該工具(100)の使用者により把持される把持領域(110)、
前記留め具(22)を受容する形状を有する留め具受容部(120)であって、該留め具受容部(120)は、留め具方向(106)に面した前記工具(100)の留め具側(102)で画定される留め具受容開口部(122)を備え、該留め具受容開口部(122)は、前記留め具(22)が、前記工具(100)の前記留め具側(102)から前記留め具受容部(120)に入る大きさを有している、留め具受容部(120)
、
前記留め具受容部(120)から前記工具(100)の前記留め具側(102)とは反対の留め具と反対方向(108)へと延びるボルト開口部(172)であって、前記ボルト開口部(172)は前記留め具(22)のボルト(30)を受容する大きさを有する、ボルト開口部(172)、及び
前記留め具(22)が前記留め具受容部(120)内に受容されている間、前記留め具(22)と連結するとともに、前記工具(100)が前記留め具と反対方向(108
)へと、前記留め具(22)から離れて動くことを防止するインタロック構造(140)
を備える、工具(100)。
【請求項2】
使用者が前記工具(100)に対して、前記留め具と反対方向(108)へと引張力をかける間、前記工具(100)が前記留め具(22)と係合したままであるように、前記インタロック構造(140)を前記留め具(22)と連結する、請求項1に記載の工具(100)。
【請求項3】
前記インタロック構造(140)が、インタロックスロット(146)を画定するスロット画定インタロック構造(140)を備え、該インタロックスロット(146)は、前記留め具方向(106)に対して少なくとも実質的に垂直であるスロット方向(148)に延びる、請求項1又は2に記載の工具(100)。
【請求項4】
前記インタロック構造(140)が、L型スロット(150)を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の工具(100)。
【請求項5】
L型スロット(150)が、前記留め具受容開口部(122)の少なくとも一部を画定し、かつ前記L型スロット(150)が、前記工具(100)の前記留め具側(102)に対して垂直に、又は少なくとも実質的に垂直に、長手方向に延びる領域(152)と、該長手方向に延びる領域(152)に対して垂直に、又は少なくとも実質的に垂直に延びるインタロック領域(154)とを有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の工具(100)。
【請求項6】
前記インタロック構造(140)は、前記工具(100)が、前記インタロック構造(140)を前記留め具(22)と係合させるために回転するように構成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の工具(100)。
【請求項7】
前記インタロック構造(140)がさらに、前記留め具(22)の少なくとも一部が前記工具(100)から分離するのを阻止する保持構造(156)を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の工具(100)。
【請求項8】
前記留め具受容部(120)の形状が、前記留め具(22)の形状に対応している、請求項1から7のいずれか一項に記載の工具(100)。
【請求項9】
前記把持領域(110)が、前記工具(100)の使用者に所望量のてこ力をもたらす大きさであり、前記把持領域(110)の有効直径は、前記留め具受容部(120)の有効直径の少なくとも2倍である、請求項1から8のいずれか一項に記載の工具(100)。
【請求項10】
請求項1に記載の工具(100)の利用方法であって、
前記留め具(22)を前記留め具受容部(120)内に配置することであって、
(i)前記留め具受容開口部(122)を前記留め具(22)と位置合わせすること、及び
(ii)前記留め具(22)が、前記留め具受容開口部(122)を通じて前記留め具受容部(120)内へと動くように、前記工具(100)の前記留め具側(102)を前記留め具方向(106)に移動させること、
を含む、前記留め具(22)を前記留め具受容部(120)内に配置すること、
前記工具(100)のインタロック構造(140)を、前記留め具(22)と連結すること、
前記連結することに続いて、前記工具(100)に対して、
前記留め具と反対方向(108)に向けられた引張力をかけて、前記留め具(22)のロック構造を係合解除すること、及び
前記引張力をかけている間、前記工具(100)を、
前記留め具(22)を回転させるために、回転軸を中心に回転させること
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般的に、留め具を回転させるための工具、該工具の利用方法、及び/又は該工具の製造方法に関し、より具体的には、留め具を回転させる間、留め具と連結するように構成されている工具に関する。
【背景技術】
【0002】
特定の産業、例えば軍需産業及び/又は航空宇宙産業では、特定の部材を保持するために特化した留め具を利用することがある。一例として、航空宇宙産業では、航空機内にアビオニクス装置ボックスを保持するために、アビオニクススイングボルト(本明細書ではスイングボルトと呼ぶこともある)を利用することがある。スイングボルトは、スイングボルトの留め具ロック構造を係合解除してスイングボルトの緩め及び/又は取り外しを可能にするため、スイングボルトに引張力をかけねばならないように構成されていることがある。スイングボルトは一般的に、手動で(人間の手により)緩めるように設計されている。実際には、特定の設置に際してスイングボルトに届く、かつ/又は手で緩めることが、難しいこともある。加えて、大量のスイングボルトを繰り返し締める及び/又は緩めることにより、繰り返し応力及び/又は人間工学に関する問題が生じ得る。よって、留め具を回転させるための改善された工具、該工具の改善された利用方法、及び/又は該工具の改善された製造方法に対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0003】
留め具を回転させるための工具、該工具の利用方法、及び該工具の製造方法が、ここに開示される。工具は、把持領域、留め具受容部、及びインタロック構造を備える。把持領域は、工具の使用者により把持されるように構成されている。留め具受容部は、留め具を受容する形状を有しており、かつ工具の留め具側に、留め具受容開口部を有する。留め具側は、留め具方向に面している。留め具受容開口部は、留め具が工具の留め具側から留め具受容部に入る大きさを有している。インタロック構造は、留め具が留め具受容部内に受容される間、留め具と連結するように構成されている。インタロック構造はまた、インタロック領域が留め具と連結されている間、工具が、留め具と反対方向(工具の留め具側と反対)へと、留め具から離れて動くことを防止するように構成されている。
【0004】
本方法は、本工具の利用方法を含む。本方法は、留め具を留め具受容部内に配置すること、及びインタロック構造を留め具と連結することを含む。本方法はまた、工具に引張力をかけて留め具のロック構造を係合解除し、引張力をかけている間、回転軸を中心にして工具を回転させることを含む。
【0005】
本方法はまた、本工具の形成方法を含む。本方法は、付加製造法を利用して、少なくとも把持領域、留め具受容部、及び工具のインタロック構造を形成することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本開示に従った工具及び方法を利用して回転させる留め具を有することができる乗り物、例えば航空機の概略図を示す。
【
図7】本開示に従って、留め具と位置合わせされた工具の概略図を示す。
【
図8】本開示に従って、留め具に係合された工具の概略図を示す。
【
図9】本開示に従って、留め具に対して引張力をかける工具の概略図を示す。
【
図10】本開示に従って工具を利用する方法を表すフロー図である。
【
図11】本開示に従って工具を形成する方法を表すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1~11は、本開示に従った工具100、方法200及び/又は方法250の非限定的な例を示す。類似の目的、又は少なくとも実質的に類似の目的に役立つ要素には、
図1~11の各図で同様の番号が付されており、これらの要素は、
図1~11の各図を参照してここでは詳細に論じられないこともある。同様に全ての要素には、
図1~11の各図で符号が付されていないこともあるが、これらと関係する参照番号は、本明細書において一貫性のために利用できる。
図1~11のうち1つ以上を参照してここに論じる要素、部材及び/又は特徴は、本開示の範囲を外れることなく、
図1~11の各図に含めることができ、かつ/又は
図1~11の各図で利用することができる。
【0008】
一般的に、所定の(すなわち特定の)実施形態に含まれる可能性のある要素は、実線で示されており、所定の実施形態について任意の要素は、破線で示されている。しかしながら、実線で示された要素が、全ての実施形態について必須であるわけではなく、実線で示された要素は、本開示の範囲から離れない限り、特定の実施形態から省略することができる。
【0009】
図1は、本開示に従った工具及び方法を利用して回転させる留め具22を有することができる乗り物10、例えば航空機12の概略図を示す。
図2は、
図1の乗り物10の装置ベイの概略図を示す。
図1~2にまとめて示されたように、乗り物10の装置ベイ14は、装置搭載プレート16を有することができる。ここに含まれている装置ベイ14及び/又は搭載プレート16は、タブ20を備える装置18又はタブ20を搭載する装置18を、収容、収蔵及び/又は搭載するように構成されていてよく、かつ/又はこの装置に作動的に取り付けられていてよい。タブ20は、留め具22、例えばスイングボルト24によって係合され、装置18を装置搭載プレート16に対して作動的に取り付けるように構成されていてよい。
【0010】
本明細書でより詳細に論じるように、留め具22は、留め具に対して引張力をかけて留め具を緩めることを可能及び/又は容易にするように構成されていてく、例えば、装置ベイ14からの装置18の取り外し及び/又は設置を可能及び/又は容易にする。
図3~11を参照してここでより詳細に論じる工具100は、より迅速かつ/又は人間工学的に優しく留め具22を締めるかつ/又は緩めることを可能かつ/又は容易にするように構成されている。
【0011】
図3は、本開示に従った工具100の例示的な外観を示す。
図4は、
図3の工具100の側面図であり、
図5は、
図3~4の工具100の断面図であり、
図6は、
図3~5の工具の端面図である。
図7~9は、本開示に従った工具100の例を概略的に示す。より具体的には、
図7は、留め具22と位置合わせされた工具100の概略図であり、
図8は、留め具22に係合された工具100の概略図であり、
図9は、留め具22に対して引張力95をかける工具100の概略図である。
【0012】
図3~9にまとめて示したように、例示的な工具100は、工具の使用者により把持される把持領域110を備える。把持領域110はまた、ここで言及するように、工具100のハンドル112及び/又は工具100のためのハンドル112を備えることができる。工具100はまた、留め具受容部120を備える。留め具受容部120は、
図7~9に記載のように、留め具22を受容する形状を有していてよく、留め具受容開口部122を有することができる。留め具受容開口部122は、工具100の留め具側102に画定され、工具100はまた、留め具側102の背面にある、留め具と反対側104を画定することもできる。留め具側102は、例えば
図7に示したように工具100を留め具22と位置合わせした場合、留め具方向106に面していてよく、かつ/又は留め具22に向かって面していてよい。対照的に、留め具と反対側104は、工具100を留め具22と位置合わせした場合、留め具と反対方向108に面していてよく、留め具側102の背面にあってよく、かつ/又は留め具22の背面にあってよい。留め具受容開口部122は、留め具22が、工具100の留め具側102から留め具受容部120に入る大きさを有している(例えば
図7から8への移行により示される通り)。
【0013】
工具100はさらに、インタロック構造140を備える。インタロック構造140は、留め具が留め具受容部120内に受容されると、留め具22に係合かつ/又は連結(インタロック)するように構成されている。インタロック構造140はまた、工具100が、留め具22から、留め具と反対方向108(工具100の留め具側102に対して反対)へと動くのを、少なくとも選択的かつ/又は一時的に阻止及び/又は防止するように構成されている。別の言い方をすれば、インタロック構造140は
図9に示したように、工具100により留め具22に対して引張力95をかけることを可能にするように構成されていてよく、かつ/又は引張力95をかける間、留め具22から工具100が分離するのを阻止するように、構成されていてよい。
【0014】
例えば工具の使用者によって、工具100を作動させる及び/又は利用する間、工具100は、
図7に示したように、留め具22と位置合わせされていてよい。この位置合わせは、工具100又はこの工具の中心軸126を、留め具22のボルト長軸32と位置合わせすることを含むことができる。従って
図7~8に記載したように、留め具22が、留め具受容開口部122を通じて留め具受容部120へと動くように、工具100を移動させることができる。その後、インタロック構造140を留め具22に連結することができ、引張力95を、工具100により留め具22に対してかけることができる。ここでより詳細に論じたように、引張力をかけることによって、第一の留め具ロック構造46及び第二の留め具ロック構造60を有する留め具22のロック構造80を係合解除することができ、これによって、例えば留め具22を回転方向90へと回転させることにより、工具100が留め具22を緩めるかつ/又は締めることを可能にする。
【0015】
把持領域110は、工具100の使用者によって保持及び/又は把持される大きさ及び/又は形状を有するあらゆる適切な構造、及び/又は工具100の使用者によって保持及び/又は把持されるように適合、構成及び/又は構築されたあらゆる適切な構造を、有することができる。これには、
図7に記載のように、工具100及び留め具22との間での位置合わせを可能及び/又は容易にするために工具100を保持及び/又は把持すること、
図8に記載のように、留め具受容部122への留め具22の受容を可能及び/又は容易にすること、
図9に記載のように、インタロック構造140と留め具22との間でのインタロックを可能及び/又は容易にすること、及び/又は
図7~9に記載のように、使用者が、回転方向90への、及び/又は留め具受容部120の中心軸126を中心とした、工具100及び/又は留め具22の回転を可能及び/又は容易にすることが、含まれ得る。
【0016】
別の言い方をすれば、把持領域110は、例えば工具100及び/又は留め具22を回転させる間に、工具100の使用者により所望量のてこ力をもたらす大きさ及び/又は形状を有していてよい。これを念頭に置くと、把持領域110の有効直径114は、
図7に示したように、留め具受容部120の有効直径124よりも大きくてよく、かつ/又は少なくともこの有効直径の閾値倍数であり得る。有効直径114及び/又は有効直径124はまた、本明細書では最大の程度、最大寸法、直径及び/又は平均直径と呼ぶこともある。有効直径114及び/又は有効直径124は、工具100の留め具側102に対して平行、又は少なくとも実質的に平行な方向で特定及び/又は測定することができる。閾値倍数の例には、少なくとも1.25、少なくとも1.5、少なくとも1.75、少なくとも2、少なくとも2.5、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、最大10、最大8、最大6、最大4、最大3、及び/又は最大2の閾値倍数が含まれる。把持領域110の有効直径114の例には、少なくとも3センチメータ(cm)、少なくとも4cm、少なくとも5cm、少なくとも6cm、少なくとも7cm、少なくとも8cm、少なくとも9cm、少なくとも10cm、少なくとも11cm、少なくとも12cmの有効直径、最大20cm、最大18cm、最大16cm、最大14cm、最大12cm、最大10cm、最大8cm、最大6cm、及び/又は最大4cmの有効直径が含まれる。
【0017】
把持領域110は、あらゆる適切な形状を有する、かつ/又は画定することができる。把持領域110は例えば、使用者が工具100を繰り返し使うことを容易にするために、人間工学的な形状を有していてよい。より具体的な例では、把持領域110が、円形状の形状、T型の形状、及び/又は星形の形状を画定することができ、円形形状及び/又はT型の形状は、
図7~9に概略的に示されており、星形の形状は、
図3及び6に概略的に示されている。
【0018】
図3~9に示したように、把持領域110は、留め具受容部120から、かつ/又は留め具受容部120から離れて、少なくとも部分的に留め具と反対方向108へと延びていてよい。
図3~9にも示されているように、留め具方向106に沿って延びる留め具受容部120の中心軸126は、把持領域110の少なくとも一部、中心部、又はさらには中心を通じて、延びていてよい。このような構成によって、工具100による留め具22の回転が、
図7~9に示したように、またここで論じたように、容易になり得る。
【0019】
留め具受容部120は、留め具22を受容する大きさ及び/又は形状を有するあらゆる適切な構造、かつ/又は留め具22を受容するために適合、構成及び/又は構築されたあらゆる適切な構造、及び/又は留め具受容開口部122を含むあらゆる適切な構造を、有することができる。
図7~9に示したように、留め具受容部120の形状は、留め具22の形状に似ていてよく、かつ/又は留め具22の形状に対応していてよい。例えば、必須ではないが、留め具受容部120には、円筒形の、又は少なくとも部分的に実質的に円筒形のエリア及び/又は領域が含まれ得る。これらの条件では、留め具受容部120を、円筒形の、又は少なくとも部分的に円筒形の留め具受容部と呼ぶことがある。
【0020】
図9に示したように、例えば留め具と反対方向108への、工具が留め具から離れて動くことを防止するため、かつ/又は留め具22に対して引張力95をかけることを可能にするために、インタロック構造140は、留め具が留め具受容部120内に受容されている間、留め具22と連結する形状及び/又は大きさを有するあらゆる適切な構造、及び/又は留め具22と連結するように適合、構成、及び/又は構築されたあらゆる適切な構造を有することができる。例えば、インタロック構造140は、引張力95が工具100に留め具と反対方向108へと引張力95をかける間、工具100が留め具22に係合したままであるように、留め具22に係合及び/又は連結するように構成されていてよい。別の例においてインタロック構造140は、例えば中心軸126を中心にして工具100が回転し、インタロック構造140を留め具22に係合するように構成されていてよい。
【0021】
より具体的な例では、インタロック構造140が、工具インタロック構造142を有することができ、
図7~9に示したようにこの工具インタロック構造142は、留め具22の対応する留め具インタロック構造領域62と作動的に係合するように構成されていてよい。別のより具体的な例において、また
図4及び7に恐らく最も良く示されているように、インタロック構造140及び/又はその工具インタロック領域142は、インタロックスロット146を画定するスロット画定インタロック構造144を備えることができ、かつ/又はこのようなスロット画定インタロック構造144であり得る。インタロックスロット146は、スロット方向148に延びていてよく、このスロット方向148は、留め具方向106に対して垂直、又は少なくとも実質的に垂直であり得る。
【0022】
さらに別のより具体的な例において、また
図3~4及び7に恐らく最も良く示されているように、インタロック構造140及び/又は工具インタロック領域142及び/又はそのインタロックスロット146は、L型スロット150を含むことができる、かつ/又はL型スロット150であり得る。L型スロット150は、留め具受容開口部122の少なくとも一部を画定することができ、長手方向に延びる領域152及びインタロック領域154を有することができる。長手方向に延びる領域152は、工具100の留め具側102から延びていてよく、留め具側102に対して垂直に、又は少なくとも実質的に垂直に延びていてよく、かつ/又は留め具と反対方向108へと延びていてよい。インタロック領域154は、長手方向に延びる領域152から延びていてよく、長手方向に延びる領域152に対して垂直に、又は少なくとも実質的に垂直に延びていてよく、かつ/又はスロット方向148へと延びていてよい。
【0023】
図7~9に示したように、またここで論じたように、工具100は、留め具22を含むことができ、かつ/又は留め具22とともに利用することができる。留め具22の例には、スイングボルト24が含まれ、これは本明細書では、アビオニクススイングボルトと呼ぶこともある。
図7に恐らく最も良く示されているように、留め具22、例えばスイングボルト24が、ボルト30、ブッシュ40、ナット50、第一及び第二の留め具ロック構造46/60、及び/又はバイアス機構70を備えることができる。
【0024】
ボルト30は、ボルト長軸32に沿って延びる雄ねじ領域34を備える。ボルト30はまた、第一の回転防止構造36を備える。本明細書ではボルト30を、ボルト長軸32に沿って延びる細長ボルトと呼ぶこともある。
図7に破線で示したように、ボルト30はまた、例えばボルト30を乗り物10に回転取り付け可能にする、目玉状領域38を備えることができる。これらの条件ではボルト30を、アイボルトと呼ぶこともある。
【0025】
ブッシュ40は、中央ブッシュ開口部42、第二の回転防止構造44、及び第一の留め具ロック構造46を備える。ボルト30の雄ねじ領域34は、ブッシュ40がボルト30の長さの少なくとも一部に沿って(例えばボルト長軸32に沿って)移動及び/又はスライドするように、中央ブッシュ開口部42内に受容される。第一の回転防止構造36、及び第二の回転防止構造44によって、この移動運動が可能になるが、これによってまた、ボルト30に対する、及び/又はボルト長軸32を中心としたブッシュ40の回転を防止することができる。
【0026】
ナット50は、ねじ切りされた中央ナット開口部52を備える。ねじ切りされたナット開口部52は、ボルト30の雄ねじ領域34とねじ係合する形状を有しており、雄ねじ領域34へと締められる。
【0027】
第二の留め具ロック構造60は、ナット50に取り付けられており、複数の突出領域64を備える。突出領域64は、第二の留め具ロック構造60から、ボルト長軸32に対して、例えば垂直方向又は少なくとも実質的に垂直方向に突出しており、本明細書ではこれを、留め具インタロック領域62を形成する、画定する、及び/又は留め具インタロック領域62であると言うこともある。第二の留め具ロック構造60は、ナット50により回転方向90で作動的に連結される。さらに、第二の留め具ロック構造60は、ボルト長軸32に沿ってナット50に対し、移動運動を制限するように構成されている。
【0028】
複数の突出領域64は、あらゆる適切な数の突出領域64を備えることができる。例えば、複数の突出領域64には、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、最大10、最大8つ、最大6つ、及び/又は最大4つの突出領域64が含まれ得る。複数の突出領域は、間隔を空けて、均等に間隔を空けて、かつ/又は第二の留め具ロック構造60の外周を中心にして回転状に均等に間隔を空けて、配置されていてよい。
【0029】
バイアス機構70は、第二の留め具ロック構造60を第一の留め具ロック構造46に向かわせ、かつ/又は第一の留め具ロック構造46と接触させる付勢力72をかけるように構成されている。この接触は、第二の留め具ロック構造60が、第一のロック構造46と作動的に係合し、最終的には選択的に、ボルト30に対するナット50の回転を阻止するものであってよい。しかしながら
図9に示されているように、留め具22はまた、第二の留め具ロック構造60に対してしきい値より大きい引張力95を、ブッシュ40から離れる方向に(例えば留め具と反対方向108に)かけると、バイアス機構70によってかけられる付勢力72に打ち勝って、第二の留め具ロック構造60が第一の留め具ロック構造46から係合解除されるように構成されている。第一の留め具ロック構造46及び第二の留め具ロック構造60が相互に係合解除されると、ナット50は、回転方向90でボルト30に対して、かつ/又はボルト長軸32を中心にして(すなわち、ナット50をボルト30へと締める締付方向で、及び/又はナット50をボルト30から離す緩め方向で)回転自在になり得る。
【0030】
第一の留め具ロック構造46及び/又は第二の留め具ロック構造60は、ボルト30に対するナット50の回転を、少なくとも一時的に及び/又は選択的に阻止可能なあらゆる適切な構造を有することができる。例えば、第一の留め具ロック構造46は、複数の第一のロック歯状部47を備えることができる。同様に、第二の留め具ロック構造60は、複数の第二のロック歯状部61を備えることができる。複数の第二のロック歯状部61は、複数の第一のロック歯状部47と連結する形状を有していてよい。
【0031】
第一の留め具ロック構造46及び第二の留め具ロック構造60が相互に連結する場合、ボルト30がブッシュ40に対して締付方向に、及び緩め方向に回転することを留め具22が阻止することは、本開示の範囲内にある。或いは、第一の留め具ロック構造46、及び第二の留め具ロック構造60が一緒になって、締付方向への相対的な回転は許すものの、緩み方向への回転は許さないように構成されていてよいことは、本開示の範囲内にある。このような構成により、工具100により引張力95をかけることなくナット50の締付を可能にするが、工具100により留め具22に引張力95がかけられない限り、ナット50の緩みを阻止することができ、これによって
図9に示したように、第一の留め具ロック構造46及び第二の留め具ロック構造60が係合解除される。
【0032】
留め具22が複数の突出領域64を有する場合、工具100のインタロック構造140は、複数の突出領域64の少なくともサブセットと、又はさらには複数の突出領域64のすべてと、作動的に係合又は連結するように構成されていてよい。例えば、
図8~9に示したように、インタロック構造140は、突出領域64の少なくともブッシュ面表面68の周囲に延びていてよく、かつ/又は突出領域64の少なくともブッシュ面表面68と係合していてよい。さらなる及び/又は代替的な例として、インタロック構造140は、各突出領域64の少なくとも1つ、少なくとも2つ、及び/又は少なくとも3つの側の周囲に延びていてよく、各突出領域64の少なくとも1つ、少なくとも2つ、及び/又は少なくとも3つの側と連結かつ/又は直接接触していてよい。
【0033】
図7に破線で示したように、工具100、及び/又はこの工具のインタロック構造140は、保持構造156を有することができる。保持構造156は、存在する場合には、留め具22の少なくとも一部、例えば留め具インタロック構造62及び/又はこのインタロック構造の突出領域64が、工具100から、留め具22と連結されるインタロック構造140に続いて、分離されることを阻止するように構成されていてよい。保持構造156の例には、留め具22の対応する部分又は領域と係合するように構成されたタブ、突出領域及び/又はテーパ領域が含まれる。
【0034】
図3~6に実線で示されたように、また
図7~9に破線で示されたように、工具100は、把持領域110と留め具受容部120との間に延びる細長シャフト170を備えることができる。別の言い方をすれば、細長シャフト170は、留め具受容部120から、及び/又は留め具側102から、留め具と反対方向108に延びていてよい。さらに又は代替的に、細長シャフト170は、把持領域110から、留め具方向106に延びていてよい。
【0035】
細長シャフト170は、存在する場合には、把持領域110と工具100の留め具側102との間で測定可能なあらゆる適切な長さ又はシャフト長を有する、かつ/又は画定することができる。シャフト長の例には、少なくとも4センチメータ(cm)、少なくとも6cm、少なくとも8cm、少なくとも10cm、少なくとも12cm、少なくとも14cmのシャフト長、最大20cm、最大18cm、最大16cm、最大14cm、最大12cm、最大10cm、最大8cm、最大6cmのシャフト長が含まれる。
【0036】
図3及び5~6に実線で示したように、また
図7~9に破線で示したように、工具100及び/又はこの工具の細長シャフト170はさらに、ボルト開口部172を有することができる。ボルト開口部172は、存在する場合には、留め具と反対方向108へと、留め具受容部120から延びていてよく、また留め具22のボルト30の少なくとも一部又は領域を受容する大きさであってよい。
【0037】
図7~9に破線で示したように、工具100は、てこ力強化構造180を備えることもできる。てこ力強化構造180は、存在する場合には、てこ力強化工具182と作動的に連結するように構成されていてよい。てこ力強化工具182は、利用する場合には、工具100と分離していてよく、かつ/又は別個であってよく、また工具100を利用して留め具22を締める及び/又は緩める間に、使用者がさらなるてこ作用若しくは所定量のてこ作用又はトルクを工具100にかけることを可能にするものであり得る。てこ力強化構造180の例には、工具100へと延びるてこ力強化くぼみ部184、及び/又は工具100から突出するてこ力強化突出部186が含まれる。てこ力強化工具182の例には、ラチェットレンチ、トルクレンチ、レンチ、プライヤ、コンビネーションレンチ、モンキーレンチ、及び/又はボックスレンチが含まれる。
【0038】
工具100はまた、本明細書では、留め具取り外し工具、スイングボルト工具、アビオニクススイングボルト工具、及び/又はスイングボルト取り外し工具と呼ぶこともあり、これらであり得る。工具100が、少なくとも把持領域110、留め具受容部120及びインタロック構造140の中で固定された相対方向を画定するモノリス(一枚岩)状工具及び/又は一体型工具であり得ることも、本開示の範囲内にある。工具100は、あらゆる適切な機械作業、削り出し製造法及び/又は付加製造法によって、形成及び/又は画定されていてよい。
【0039】
図10は、本開示に従って、例えば
図3~9の工具100のように、工具を利用する方法200を表すフロー図である。方法200は、210で留め具を配置すること、220で工具のインタロック構造を留め具と連結すること、230で引張力をかけること、及び240で工具を回転させることを含む。
【0040】
210で配置することは、留め具を工具の留め具受容部内、例えば
図3~9の留め具受容部120内に配置することを含み得る。210で配置することは、工具の留め具受領開口部、例えば
図3~9の留め具受容開口部122を留め具と位置合わせすることを含み得る。210で配置することはまた、留め具が留め具受容開口部を通じて留め具受容部へと動くように、工具の留め具側、例えば
図3~9の留め具側102を、留め具方向、例えば
図3~9の留め具方向106に移動させることを含み得る。
【0041】
220での連結は、230で力をかけることを可能及び/容易にする連結を含むことができる。220での連結は、あらゆる適切なやり方で達成することができる。例えば、220での連結は、留め具に対して工具を回転させて、工具のインタロック構造、例えば
図3~9のインタロック構造140を、留め具と連結すること、及び/又は留め具の少なくとも一部を、工具のインタロック構造により、かつ/又は工具のインタロック構造内に捕捉することを含むことができる。別の例として220での連結は、インタロック構造を留め具により、かつ/又は留め具の突出部の少なくとも複数のサブセットにより、作動的に係合させることを含み得る。突出領域の例は、
図7~9に64で示されている。
【0042】
230で力をかけることには、引張力、例えば
図9の引張力95を、工具の留め具側から離れる方向にかけることが、含まれ得る。これには、留め具のロック構造、例えば
図7~9のロック構造80を係合解除するための引張力をかけることが含まれ得る。この係合解除は、
図8から
図9への移行により示されており、
図8には、ロック構造80の第一の留め具ロック構造46と、第二の留め具ロック構造60との係合が示され、
図9には、第一の留め具ロック構造と、第二の留め具ロック構造との係合解除が示されている。
【0043】
240での回転には、留め具を緩めるため、かつ/又は締めるために、回転軸、例えば
図7~9の中心軸126を中心にして、工具を回転させることが含まれ得る。留め具を緩めるために方法200を利用する場合、240での回転は、230で力をかけることの間に、又はこれと同時に行うことができ、かつ/又は240での回転は、緩め方向への回転を含むことができる。
【0044】
図11は、本開示に従って、工具、例えば
図3~9の工具100を形成する方法250を表すフロー図である。方法250は、260で付加製造法を利用して、少なくとも把持領域、留め具受容部、及び工具のインタロック構造を形成することを含む。
【0045】
本開示に従った本発明による対象について説明的で非限定的な例を、以下の段落で記載する。
【0046】
A1
留め具を回転させる工具であって、
工具の使用者により把持される把持領域、
留め具を受容する形状を有する留め具受容部であって、該留め具受容部は、留め具方向に面した工具の留め具側で画定される留め具受容開口部を備え、該留め具受容開口部は、留め具が前記工具の留め具側から留め具受容開口部に入る大きさをしている、留め具受容部、及び
留め具が留め具受容部内に受容されている間、留め具と連結するとともに、工具が留め具と反対方向、すなわち工具の留め具側と反対へと、留め具から離れて動くことを防止するインタロック構造
を備える、工具。
【0047】
A2
使用者が工具に対して、留め具と反対方向へと引張力をかける間、工具が留め具と係合したままであるように、インタロック構造を留め具と連結する、段落A1に記載の工具。
【0048】
A3
インタロック構造が、工具が留め具から留め具と反対方向へと離れて動くことを防止するために、留め具の対応する留め具インタロック領域と作動的に係合する工具インタロック領域を備える、段落A1又はA2に記載の工具。
【0049】
A4
インタロック構造が、インタロックスロットを画定するスロット画定インタロック構造を備え、該インタロックスロットは、留め具方向に対して少なくとも実質的に垂直であるスロット方向に延びる、段落A1~A3のいずれかに記載の工具。
【0050】
A5
インタロック構造が、L型スロットを備える、段落A1からA4のいずれかに記載の工具。
【0051】
A6
L型スロットが、留め具受容開口部の少なくとも一部を画定し、かつL型スロットが、工具の留め具側に対して垂直に、又は少なくとも実質的に垂直に、長手方向に延びる領域と、長手方向に延びる領域に対して垂直に、又は少なくとも実質的に垂直に延びるインタロック領域とを有する、段落A5に記載の工具。
【0052】
A7
インタロック構造は、工具が、インタロック構造を留め具に係合させるために回転するように構成されている、段落A1~A6のいずれかに記載の工具。
【0053】
A8
留め具を備える、段落A1からA7のいずれかに記載の工具。
【0054】
A9
留め具がスイングボルトを含む、段落A1からA8のいずれかに記載の工具。
【0055】
留め具が、
以下のもののうち少なくとも1つ:
ボルト長軸に沿って延びる雄ねじ領域と、第一の回転防止構造とを備えるボルト、
中心ブッシュ開口部、第二の回転防止構造、及び第一の留め具ロック構造を備えるブッシュであって、雄ねじ領域が、中心ブッシュ開口部内に受容され、さらに第一の回転防止構造及び第二の回転防止構造がともに、ボルト長軸に沿ったブッシュの移動を許容し、ボルトに対してボルト長軸を中心にブッシュが回転するのを阻止する、ブッシュ、
ボルトの雄ねじ領域にねじ切りされた中心ナット開口部を備えるナット、
第二の留め具ロック構造であって、ナットに取り付けられており、かつ第二の留め具ロック構造からボルト長軸に対して垂直、又は少なくとも実質的に垂直な方向に突出する複数の突出領域を含み、任意選択的に留め具インタロック領域を画定し、ボルト長軸を中心に回転する回転方向でナットに作動的に連結し、かつボルト長軸に沿った、ナットに対して制限された移動運動のために構成されている、第二の留め具ロック構造、及び
第二の留め具ロック構造が、第一の留め具ロック構造により作動的に係合して、ボルトに対するナットの回転を阻止するように、第二の留め具ロック構造を第一の留め具ロック構造と接触させる付勢力をかけるバイアス機構、
を有する、段落A1からA9のいずれかに記載の工具。
【0056】
A11
ボルトが、さらに目玉状領域を備えるアイボルトである、段落A10に記載の工具。
【0057】
A12
目玉状領域が、乗り物に作動的に取り付けられており、任意選択的に、乗り物は航空機を含み、さらに任意選択的に、留め具が乗り物と組み合わされている、段落A11に記載の工具。
【0058】
A13
複数の突出領域が、4つの突出領域を含む、段落A10からA12のいずれかに記載の工具。
【0059】
A14
複数の突出領域が、第二の留め具ロック構造の外周を中心に回転状に均等に間隔が空けられている、段落A10からA13のいずれかに記載の工具。
【0060】
A15
第一の留め具ロック構造が、複数の第一のロック歯状部を含み、さらに第二の留め具ロック構造が、複数の第一のロック歯状部と連結する形状を有する複数の第二のロック歯状部を含む、段落A10からA14のいずれかに記載の工具。
【0061】
A16
第一の留め具ロック構造、及び第二の留め具ロック構造がともに、これらの間でナットをボルトへと締める締付方向への相対的な回転を許容するように、かつこれらの間でナットをボルトから離す緩め方向への相対的な回転を阻止するように構成されている、段落A10からA15のいずれかに記載の工具。
【0062】
A17
しきい値よりも大きい引張力を、第二の留め具ロック構造に対してブッシュから離れる方向にかけると、付勢力に打ち勝って、第二の留め具ロック構造が第一の留め具ロック構造から係合解除されるように留め具が構成されている、段落A10からA16のいずれかに記載の工具。
【0063】
A18
第一の留め具ロック構造が第二の留め具ロック構造から係合解除されると、ナットがボルトに対して、締付方向と緩め方向の双方で回転自在になる、段落A17に記載の工具。
【0064】
A19
インタロック構造が、複数の突出領域の少なくともサブセットにより、任意選択的に複数の突出領域の全てにより作動的に係合するように構成されている、段落A10からA18のいずれかに記載の工具。
【0065】
A20
インタロック構造が、複数の突出領域の少なくとも1つ/サブセットのブッシュ面表面の周囲に延びるように構成されている、段落A10からA19のいずれかに記載の工具。
【0066】
A21
インタロック構造が、複数の突出領域のそれぞれ/サブセットのうち少なくとも2つの側、又は少なくとも3つの側と直接接触するように構成されている、段落A10からA20のいずれかに記載の工具。
【0067】
A22
インタロック構造がさらに、留め具の少なくとも一部が工具から分離するのを阻止する保持構造を備える、段落A1からA21のいずれかに記載の工具。
【0068】
A23
保持構造が、留め具の一部が工具から分離するのを阻止するために、少なくとも留め具の対応部分と係合するタブ、突出部及びテーパ領域のうち少なくとも1つを備える、段落A22に記載の工具。
【0069】
A24
留め具受容部の形状が、留め具の形状に対応している、段落A1からA23のいずれかに記載の工具。
【0070】
A25
留め具受容部が、円筒形の領域、又は少なくとも実質的に円筒形の領域を含む、A1からA24のいずれかに記載の工具。
【0071】
A26
把持領域が、工具の使用者に所望の量のてこ作用をもたらす大きさを有する、段落A1からA25のいずれかに記載の工具。
【0072】
A27
把持領域の有効直径が、任意選択的に工具の留め具側に対して少なくとも実質的に平行な方向で測定して、留め具受容部の有効直径の閾値倍数である(任意選択的に工具の留め具側に対して少なくとも実質的に平行な方向で測定して)、段落A1からA26のいずれかに記載の工具。
【0073】
A28
閾値倍数が、少なくとも1.25、少なくとも1.5、少なくとも1.75、少なくとも2、少なくとも2.5、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、最大10、最大8、最大6、最大4、最大3、及び/又は最大2である、段落A27に記載の工具。
【0074】
A29
把持領域の有効直径が、少なくとも3センチメータ(cm)、少なくとも4cm、少なくとも5cm、少なくとも6cm、少なくとも7cm、少なくとも8cm、少なくとも9cm、少なくとも10cm、少なくとも11cm、少なくとも12cm、最大20cm、最大18cm、最大16cm、最大14cm、最大12cm、最大10cm、最大8cm、最大6cm、及び/又は最大4cmである、段落A1からA28のいずれかに記載の工具。
【0075】
A30
把持領域がハンドルを含む、段落A1からA29のいずれかに記載の工具。
【0076】
A31
把持領域が、以下のもののうち少なくとも1つ:
(i)円形形状、
(ii)星形形状、及び
(iii)T型形状
を画定する、段落A1からA30のいずれかに記載の工具。
【0077】
A32
把持領域が、人間工学的な形状を有している、段落A1からA31のいずれかに記載の工具。
【0078】
A33
把持領域が、留め具受容部から、少なくとも部分的に留め具と反対方向へと延びる、段落A1からA32のいずれかに記載の工具。
【0079】
A34
留め具方向に沿って延びる留め具受容部の中心軸が、把持領域の少なくとも一部を通じて延びる、段落A1からA33のいずれかに記載の工具。
【0080】
A35
さらに、把持領域と留め具受容部との間に延びる細長シャフトを備える、段落A1からA34のいずれかに記載の工具。
【0081】
A36
細長シャフトのシャフト長が、把持領域と工具の留め具側との間で測定して、少なくとも4cm、少なくとも6cm、少なくとも8cm、少なくとも10cm、少なくとも12cm、少なくとも14cm、最大20cm、最大18cm、最大16cm、最大14cm、最大12cm、最大10cm、最大8cm、及び/又は最大6cmである、段落A35に記載の工具。
【0082】
A37
細長シャフトが、留め具受容部から留め具と反対方向へと延びる、段落A35からA36のいずれかに記載の工具。
【0083】
A38
工具がさらに、留め具受容部から留め具と反対方向へと延びるボルト開口部を備え、ボルト開口部は、留め具のボルトを受容する大きさを有する、段落A1からA37のいずれかに記載の工具。
【0084】
A39
工具とは別個のてこ力強化工具と作動的に連結するてこ力強化構造をさらに備える、段落A1からA38のいずれかに記載の工具。
【0085】
A40
てこ力強化工具を備える、段落A39に記載の工具。
【0086】
A41
てこ力強化構造が、
以下のもののうち少なくとも1つ:
(i)工具内に延びるてこ力強化へこみ部、及び
(ii)工具から突出するてこ力強化突出部
を備える、段落A39からA40のいずれかに記載の工具。
【0087】
A42
てこ力強化工具が、ラチェットレンチ、トルクレンチ、レンチ、プライヤ、モンキーレンチ、コンビネーションレンチ、及びボックスエンドレンチのうち少なくとも1つを含む、段落A39からA41のいずれかに記載の工具。
【0088】
A43
留め具取り外し工具及びスイングボルト取り外し工具のうち少なくとも1つを含むか、又はこれらのうち少なくとも1つである、段落A1からA42のいずれかに記載の工具。
【0089】
A44
以下のもののうち少なくとも1つ:
(i)モノリス状工具、及び
(ii)一体型工具
である、段落A1からA43のいずれかに記載の工具。
【0090】
A45
付加製造法によって形成されている、段落A1からA44のいずれかに記載の工具。
【0091】
A46
少なくとも把持領域、留め具受容部及びインタロック構造の間で固定された相対方向を画定する、段落A1からA45のいずれかに記載の工具。
【0092】
B1
段落A1からA46のいずれかに記載の工具を利用する方法であって、
留め具を留め具受容部内に配置することであって、
(i)留め具受容開口部を、留め具と位置合わせすること、及び
(ii)留め具が、留め具受容開口部を通じて留め具受容部内へと動くように、工具の留め具側を留め具方向に移動させること、
を含む、留め具を留め具受容部内に配置すること、
インタロック構造を、留め具と連結すること、
工具の留め具側から離れる方向に向けられた引張力を工具にかけて、留め具のロック構造を係合解除すること、及び
引張力をかける間に、回転軸を中心に工具を回転させること
を含む、方法。
【0093】
B2
連結することが、留め具に対して工具を回転させることを含む、段落B1に記載の方法。
【0094】
B3
連結することが、インタロック構造を留め具に、任意選択的に留め具の複数の突出領域のサブセットに、作動的に係合させることを含む、段落B1又はB2に記載の方法。
【0095】
C1
付加製造法を利用して、少なくとも把持領域、留め具受容部、及び工具のインタロック構造を形成すること
を含む、段落A1からA46のいずれかに記載の工具の形成方法。
【0096】
ここで使用するように、「選択的」、又は「選択的に」との記載は、1つ以上の部材の動き、動作、構成若しくはその他の活動、又は装置の特性を変更する場合、特定の動き、動作、構成、又はその他の活動が、使用者が装置又は1つ以上の部材を操作したことによる直接的又は間接的な結果であることを意味する。
【0097】
ここで使用するように、「適合された」及び「構成された」とは、要素、部材又はその他の対象物が、所定の機能を発揮するように設計及び/又は意図されていることを意味する。よって、「適合された」及び「構成された」という用語の使用は、単純に所定の機能を発揮「可能な」ことを意味すると解釈されるべきではなく、要素、部材及び/又はその他の対象物が、この機能を実施するという目的のために特別に選択された、製作された、用いられた、利用された、プログラムされた、かつ/又は設計されたことを意味する。また、特定の機能を発揮するために適合されたと言及された要素、部材及び/又は言及されたその他の対象物が、さらに又は代替的に、その機能を発揮するために構成されていると述べられていること、またその反対のことも、本開示の範囲内にある。同様に、特定の機能を発揮するために構成されていると言及された対象物が、さらに又は代替的に、その機能を発揮するために作動的であると説明されることもある。
【0098】
ここで使用するように、1つ又は複数の事物に対するリストとの関連で「少なくとも1つ」という用語は、当該事物のリストにおいて1つ又は複数の事物から選択される少なくとも1つの事物を意味すると理解されるべきであるが、必ずしも、当該事物のリストにおいて具体的に挙げられたもののうち少なくとも1つ、またいずれかの事物を含むものではなく、当該事物のリストにおける事物のあらゆる組み合わせを排除するものではない。この規定によってまた、事物は場合によって、「少なくとも1つ」という用語で言及された事物のリスト内で具体的に特定された事物以外に、具体的に特定された事物と関連して又は関連せずに、存在していてよい。よって、非限定的な例として、「A及びBのうち少なくとも1つ」(又はこれと同義の「A又はBのうち少なくとも1つ」、又はこれと同義の「A及び/又はBのうち少なくとも1つ」)は、1つの実施態様において、少なくとも1つの、場合により1つ以上のAが含まれ、Bは存在せず(場合によってB以外の事物を含む)、別の実施態様では少なくとも1つ、場合によっては1つより多くのBが含まれ、Aは存在せず(場合によっては、A以外の事物を含む)、さらに別の実施態様では、少なくとも1つの、場合によっては1つより多くのA、及び少なくとも1つの、場合によっては1つより多くのBを含む(場合によってはその他の事物が含まれる)。別の言い方をすると、「少なくとも1つ」、「1つ以上」、「及び/又は」という言い方は、作用においてともに接続的及び離接的なオープン・エンド型の表現である。例えば、「A、B及びCのうち少なくとも1つ」、「A、B又はCのうち1つ以上」、「A、B又はCのうち1つ以上」という表現はそれぞれ、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBの双方、A及びCの双方、B及びCの双方、A、B及びCのいずれも、及び場合によっては少なくとも1つのその他の事物との上記組み合わせを意味し得る。
【0099】
本明細書に開示された装置について開示された様々な要素、及び方法の工程は、本開示によるあらゆる装置及び方法に必要とされるわけではなく、本開示は、ここに開示された様々な要素及び工程についてのあらゆる新規の、非自明的な組み合わせ及び下位組み合わせを含む。さらに、ここに開示された様々な要素及び工程の1つ以上は、開示された装置又は方法の全体とは別個の、またこれから離れた本発明による主題とは無関係に規定することができる。従って、このような本発明による主題は、ここに明示的に開示された特定の装置及び方法と関連付けられることが必要なわけではなく、本発明による主題は、ここに明示的には開示されていない装置及び/又は方法で利用できる。
【0100】
ここで使用するように、「例えば」、「一例として」及び/又は単純に「例」という用語は、本開示に従った1つ以上の部材、特徴、詳細、構造、態様及び/又は方法について使用する場合、記載された部材、特徴、詳細、構造、態様及び/又は方法が、本開示に従った説明のための非限定的な部材、特徴、詳細、構造、態様及び/又は方法であることが意図されている。よって、説明された部材、特徴、詳細、構造、態様及び/又は方法は、制限的、必須又は排他的/網羅的なものであることが意図されているわけではなく、構造的及び/又は機能的に類似又は等価の部材、特徴、詳細、構造、態様及び/又は方法を含むその他の部材、特徴、詳細、構造、態様及び/又は方法もまた、本開示の範囲内にある。