(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-12
(45)【発行日】2023-06-20
(54)【発明の名称】ナビゲーション装置
(51)【国際特許分類】
G01C 21/36 20060101AFI20230613BHJP
【FI】
G01C21/36
(21)【出願番号】P 2019054422
(22)【出願日】2019-03-22
【審査請求日】2021-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】390005430
【氏名又は名称】株式会社ホンダアクセス
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100080089
【氏名又は名称】牛木 護
(74)【代理人】
【識別番号】100161665
【氏名又は名称】高橋 知之
(74)【代理人】
【識別番号】100188994
【氏名又は名称】加藤 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100207653
【氏名又は名称】中村 聡
(72)【発明者】
【氏名】近藤 正啓
(72)【発明者】
【氏名】光成 貴宏
【審査官】小林 勝広
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-100982(JP,A)
【文献】特開2005-091249(JP,A)
【文献】特開2014-081286(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00-21/36、23/00-25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地までの経路を探索する経路探索機能を備えたナビゲーション装置であって、
地図を表示する表示部と、
第1の経路上の第1のノードを、地図上の第2のノードに移動させるように指示するノード移動手段と、
前記第2のノードを通過する第2の経路を再探索する経路探索手段と、
前記第1の経路における現在地から前記目的地までの距離に対し、前記第2の経路における前記現在地から前記目的地までの距離が遠くなるか近くなるかを判定する判定部と、
を有し、
前記判定部による判定結果に基づき、前記目的地までの距離が遠くなるか近くなるかと、前記目的地の方向を前記第2のノードから直線的に示す判定表示を前記表示部に表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記第1の経路における前記目的地までの距離に対し、前記第2の経路における前記目的地までの距離が遠くなるか近くなるかを
、矢印状の
前記判定表示の色彩、数又は大きさから選択される1又は複数により認識できるように前記表示部に表示することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記判定表示をもとに、前記第2の経路を前記目的地までの経路として前記ナビゲーション装置の使用者に確定させることを特徴とする請求項1又は2に記載のナビゲーション装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地までの経路を探索し表示するナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定の地点から目的地までの経路を探索する機能を備えたカーナビゲーション装置であって、経路を再探索する際に、経路上にある交差点等のノードを、地図上に表示されている他の交差点等のノードへ移動させるように指示するノード指示手段と、移動後のノードを通過するように経路を再探索する経路探索手段とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなカーナビゲーション装置において、ノードを移動させ、その移動させたノードを通過する新たな経路を再探索すると、移動前のノードを通過する当初の経路に対し、現在地から目的地までの距離が変更される場合がある。また、カーナビゲーション装置の表示装置の表示倍率や、目的地までの距離によっては目的地が表示装置に表示されていない場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そのため、表示部に目的地が表示されていない場合には、ノードを移動する際に、ノード移動前の経路における現在地から目的地までの距離に対して、移動後のノードを通過する経路における現在地から目的地までの距離が長くなるのか短くなるのかが判らず、目的地までの距離を目安にノードの移動先を選択できないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は以上の問題点を解決し、ノードの移動操作中に移動前のノードを通過する経路における現在地から目的地までの距離に対して、移動後のノードを通過する経路における現在地から目的地までの距離が長くなるのか短くなるのかを表示するナビゲーション装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るナビゲーション装置は、目的地までの経路を探索する経路探索機能を備えたナビゲーション装置であって、地図を表示する表示部と、第1の経路上の第1のノードを、地図上の第2のノードに移動させるように指示するノード移動手段と、前記第2のノードを通過する第2の経路を再探索する経路探索手段と、前記第1の経路における現在地から前記目的地までの距離に対し、前記第2の経路における前記現在地から前記目的地までの距離が遠くなるか近くなるかを判定する判定部と、を有し、前記判定部による判定結果に基づき、前記目的地までの距離が遠くなるか近くなるかと、前記目的地の方向を前記第2のノードから直線的に示す判定表示を前記表示部に表示することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るナビゲーション装置は、前記第1の経路における前記現在地から前記目的地までの距離に対し、前記第2の経路における前記現在地から前記目的地までの距離が遠くなるか近くなるかを、矢印状の前記判定表示の色彩、数又は大きさから選択される1又は複数により認識できるように前記表示部に表示することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るナビゲーション装置は、前記判定表示をもとに、前記第2の経路を前記目的地までの経路として前記ナビゲーション装置の使用者に確定させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、ノードの移動操作中に移動前のノードを通過する経路における現在地から目的地までの距離に対して、移動後のノードを通過する経路における現在地から目的地までの距離が長くなるのか短くなるのかを視認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施例1のナビゲーション装置の電気的構成を示すブロック図である。
【
図2】同、ナビゲーション装置の本体の正面図である。
【
図4】同、連続してノードの移動させる場合の手順を示す説明図である。
【
図5】(A)同、地図表示の拡大操作を示す説明図である。(B)同、地図表示の縮小操作を示す説明図である。
【
図6】同、地図表示のスクロール操作を示す説明図である。
【
図7】同、地図表示の他のスクロール操作を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施例について、添付の
図1~
図7を参照して説明する。以下に説明する実施例は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【実施例1】
【0013】
図1は、本実施例のナビゲーション装置1の電気的構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置1は、制御手段2と、GPS(Global Positioning System:地球測位システム)受信部3と、操作部4と、送受信部5と、表示部6と、記憶部7と、を有して構成されている。
【0014】
制御手段2は、CPU(中央演算装置)を含んで構成され、記憶部7に記憶されたプログラムに基づいてナビゲーション装置1の全体を制御する。このCPUがプログラムにしたがって演算処理を実行することにより、ナビゲーション装置1の各機能が実現される。また、制御手段2は、目的地までの経路を探索する経路探索手段8と、ノードを他のノードに移動させるように指示するノード移動手段9と、表示部6に表示された地図を拡大・縮小及びスクロールさせるように指示する表示倍率等変更手段10と、後述する経路R1における現在地から目的地までの距離K1に対して、経路R1における現在地から目的地までの距離K2が遠くなるか近くなるか、及び、経路R2における現在地から目的地までの距離K2に対して、経路R3における現在地から目的地までの距離K3が遠くなるか近くなるか、を判定する判定部21と、を備えている。
【0015】
GPS受信部3は、ナビゲーション装置1の現在位置を取得する位置計測部を構成し、複数の人工衛星11からの電波を無線で受信することで、ナビゲーション装置1の三次元位置(経度、緯度及び高度)を計測し、その位置情報を制御手段2に送出するものである。なお、ナビゲーション装置1の現在位置を検出できるものであれば、GPS受信部3以外の位置検出装置を利用してもよい。また、人工衛星11には原子時計が搭載されている。この人工衛星9からは特定の周波数にて極めて正確な時刻信号波が発信されており、これをGPS受信部3により受信することで、ナビゲーション装置1の時間軸が規定される。
【0016】
操作部4は、使用者による操作を受けて、電気的な操作信号を制御手段2に送出するものである。
図2に示すように、操作部4は、表示部6に設けられたタッチパネル12と、ナビゲーション装置1の本体14に設けられた複数のプッシュスイッチ13から構成されている。なお、操作部4による操作と同等の操作が可能なリモコンを備える構成としてもよい。
【0017】
送受信部5は、無線の通信手段を介して他の機器、例えば、携帯端末(図示せず)やVICS(登録商標)通信装置(図示せず)との双方向通信を可能にするものである。そのため、携帯端末等との間で渋滞情報や地図情報等の各種情報を送受信することができる。
【0018】
表示部6は、制御手段2からの表示制御信号を受け、地図情報やナビゲーション装置1の現在位置等の様々な表示を行なうものである。表示部6はナビゲーション装置1の本体14正面に露出して設けられる液晶モジュールや液晶パネルにより構成され、これらの液晶モジュールや液晶パネルは周知のように、多数のサブ画素を格子状に配列したドットマトリクスによる表示を行なうものである。
【0019】
記憶部7は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの各種記憶装置を用いて構成されている。記憶部7には、プログラムや地図情報等の各種情報が記憶されており、これらの情報は、送受信部5を介して変更・追加・削除等の更新が可能である。また、記憶部7には、経路R1,R2における現在地から目的地までの距離K1,K2が逐次上書き保存される。
【0020】
経路探索手段8は、使用者が操作部4により目的地の名称等を入力すると、その入力信号を受信し、当該目的地までの経路R1を探索する。また、表示部6に経路R1をハイライト表示するよう表示信号を送出する。また、後述するノードの移動操作が行われた場合に、移動先ノードD1が選択され、その操作信号を受信し、経路R2を再探索すると共に、表示部6に経路R1の一部を点線表示するように表示信号を送出する。また、経路R2をハイライト表示するよう表示信号を送出する。
【0021】
ノード移動手段9は、後述するタッチ操作やドラッグ操作によりノードの移動操作を可能とする。また、ノードや経路の表示信号を表示部6に送出し、各移動操作の段階に対応したノードや経路の表示を可能とする。
【0022】
表示変更手段である表示倍率等変更手段10は、後述する回転ドラッグ操作、+(プラス)ボタン17及び-(マイナス)ボタン18のタッチ操作、タッチスクロール、ドラッグスクロール、フリックスクロール、スクロール部19のタッチ操作、に対応する操作信号を受信すると、表示部6に各操作に対応する表示変更信号を送出する。
【0023】
判定部21は、第2の経路である経路R2が再探索されると、記憶部7から直前に保存した第1の経路である経路R1における現在地から目的地までの距離K1を読み出し、経路R2における現在地から目的地までの距離K2と比較し、距離K2が距離K1に対して遠く(長く)なるか、近く(短く)なるかを判定する。また、判定部21は、第2の経路である経路R3が再探索されると、記憶部7から直前に保存した第1の経路である経路R2における現在地から目的地までの距離K2を読み出し、経路R3における現在地から目的地までの距離K3と比較し、距離K3が距離K2に対して遠く(長く)なるか、近く(短く)なるかを判定する。そして、判定部21は判定結果信号を表示部6に送出し、その判定結果信号に応じて表示部6が判定表示である目的地方向矢印22を表示する。
【0024】
ここで、ナビゲーション装置1の操作のうち、現在地から目的地までの経路R1上にある交差点であるノードを他の交差点であるノードへ移動させ、新たな経路R2を再探索する方法について
図3を参照して説明する。本実施例では、表示部6に表示されている交差点をノードとし、
図3には7つのノード15a,15b,15c,15d,15e,15f,15gが表示されている。
【0025】
図3(A)は経路R1を探索する前の地図表示を示している。使用者が操作部4により目的地の名称等を入力し、現在地から目的地までの経路R1を探索すると、
図3(B)に示すように、経路R1がハイライト表示される。経路R1は、ノード15a~15dを通過する。この表示状態から使用者が指16で経路R1を長押しタッチ操作すると、
図3(C)に示すように、経路R1上にある交差点(ノード15a~15d)が選択対象Sとして表示される。本実施例では、選択対象Sを黒四角(塗りつぶした四角形であり、黒色以外の色によるカラー表示の場合を含む。)として表示する。
【0026】
次に、
図3(D)に示すように、使用者が移動させたい第1のノードとしてのノード15b(選択対象S1)を指16でタッチ操作することにより選択すると、
図3(E)に示すように、選択されたノード15bが操作対象T1として表示される。本実施例では、操作対象T1を白四角(塗りつぶしていない四角形であり、黒色以外の色によるカラー表示の場合を含む。)として表示する。操作対象T1はドラッグ操作により移動可能である。
【0027】
使用者が操作対象T1をドラッグ操作し、移動させたい第2のノードとしてのノード15eの位置まで移動させると、
図3(F)に示すように、ノード15eが移動先ノードD1として、操作対象T1と同一の表示である白四角により表示される。このとき、操作対象T1として選択されたノード15bは白四角により表示されている。
【0028】
操作対象T1をドラッグ操作してノード15eの位置まで移動させると、ノード15eが移動先ノードD1として選択され、経路探索手段8により移動先ノードD1を通過する経路R2が再探索される。経路R2が再探索されると、判定部21から表示部6に目的地方向矢印22の表示信号が送出され、移動先ノードD1から目的地に向かって三角形状の目的地方向矢印22が表示される。目的地方向矢印22は、移動先ノードD1と目的地とを結ぶ直線上であって、移動先ノードD1側に等間隔で3つ表示される。なお、移動先ノードD1と目的地とを結ぶ直線は表示部6には表示されない。
【0029】
目的地方向矢印22は、ノード移動前の第1の経路である経路R1における現在地から目的地までの距離K1に対して、移動先ノードD1を通過する第2の経路である経路R2における現在地から目的地までの距離K2が遠く(長く)なるのか近く(短く)なるのかを表示する。判定部21の判定結果に基づき、距離K2が遠くなる場合には目的地方向矢印22が赤色で表示され、距離K2が近くなる場合には目的地方向矢印22が青色で表示される。なお、目的地方向矢印22の表示の色彩は、一例にすぎず、距離が遠くなる場合と近くなる場合を判別することができるものであれば、他の色彩により表示してもよい。
【0030】
本実施例の判定表示である目的地方向矢印22は、距離K1に対して距離K2が遠くなるのか近くなるのかを、上述のように色彩により認識できるように表示するものであるが、目的地方向矢印22の数により認識できるように表示してもよい。例えば、距離K1に対して距離K2が遠くなる場合には目的地方向矢印22を多く(例えば、5つ)表示し、近くなる場合には目的地方向矢印22を少なく(例えば、2つ)表示する。その他、距離K1に対して距離K2が遠くなるのか近くなるのかを、目的地方向矢印22の大きさにより認識できるように表示してもよい。例えば、距離K1に対して距離K2が遠くなる場合には目的地方向矢印22を大きく表示し、近くなる場合には目的地方向矢印22を小さく表示する。
【0031】
また、移動先ノードD1が選択されると、選択対象S1としてのノード15b位置から移動先ノードD1としてのノード15eに向かって三角形状の移動方向矢印23が表示される。そのため、どの方向にノードを移動させたかを容易に視認することができる。移動方向矢印23は、選択対象S1と移動先ノードD1とを結ぶ直線上に等間隔で表示されるため、選択対象S1から移動先ノードD1までの距離が遠い(長い)場合には、表示される移動方向矢印23の数が多くなり、選択対象S1から移動先ノードD1までの距離が近い(短い)場合には、表示される移動方向矢印23の数が少なくなる。本実施例では、2つの移動方向矢印23が表示されている。本実施例の移動方向矢印23を表示する色彩は、目的地方向矢印22と同色としているが、目的地方向矢印22と異なる色彩により表示してもよく、視認可能であれば所望の色彩を選択可能である。なお、選択対象S1と移動先ノードD1とを結ぶ直線は、表示部6には表示されない。
【0032】
また、移動先ノードD1が選択されると、ノード移動手段9から経路の表示信号が表示部6に送出され、経路R1としてハイライト表示されていた部分のうち、経路R2上にない部分が点線表示に変更される。本実施例では、ノード15bとノード15cとの間の部分24が点線表示となる。なお、この時点では経路R2はハイライト表示されない。
【0033】
図3(F)に示すように、移動先ノードD1を選択した後、移動先ノードD1の選択を取り止め、他のノードを移動先ノードD1として選択する場合には、タッチパネル12から指16を離すことなく、他のノードへ操作対象T1をドラッグ操作し、移動先ノードD1を選択する。そうすると、その移動先ノードD1を通過する経路R2が再探索され、目的地方向矢印22及び移動方向矢印23が表示されると共に、経路R1としてハイライト表示されていた部分のうち、経路R2上にない部分24が点線表示に変更される。
【0034】
その後、指16をタッチパネル12から離すと、
図3(G)に示すように、移動先ノードD1を通過する経路R2への変更が確定し、経路R2がハイライト表示される。このとき、経路R2がハイライト表示されると共に、操作対象T1(ノード15b)は選択対象Sとなり黒四角により表示され、経路R2上にあるその他の交差点(ノード15a,15c,15d,15f)も選択対象Sとして黒四角により表示される。また、移動先ノードD1は、斜め白四角(塗りつぶしていない四角形を45°回転させたものであり、黒色以外の色によるカラー表示の場合を含む。)により表示される。また、目的地方向矢印22及び移動方向矢印23が非表示となる。
【0035】
経路R1から経路R2への変更が確定した後、続けて経路R2上のノードを他のノードへ移動させ、新たな経路R3を再探索する方法について
図4を参照して説明する。ここでは、経路R2が第1の経路であり、経路R3が第2の経路である。
図4(A)は
図3(G)と同一の表示であり、
図4(A)に示すように、選択対象Sが表示されている状態から、
図4(B)に示すように、移動させたい第1のノードとしてのノード15d(選択対象S2)を指16でタッチ操作することにより選択すると、
図4(C)に示すように、選択された選択対象S2が操作対象T2として白四角により表示される。
【0036】
使用者が操作対象T2をドラッグ操作し、移動させたい第2のノードとしてのノード15gの位置まで移動させると、
図4(D)に示すように、ノード15gが移動先ノードD2として白四角により表示される。また、目的地方向矢印22及び移動方向矢印23が表示されると共に、経路R2としてハイライト表示されていた部分のうち、経路R3上にない部分が点線表示に変更される。本実施例では、ノード15cからノード15dを通過し目的地方向へ向かう部分25が点線表示となる。
【0037】
その後、指16をタッチパネル12から離すと、
図4(E)に示すように、移動先ノードD2を通過する経路R3が再探索され、ハイライト表示される。このとき、経路R3がハイライト表示されると共に、操作対象T2(ノード15d)は経路R3上にないため表示が消え、経路R3上にあるその他の交差点(ノード15a,15b,15c,15f)が選択対象Sとして黒四角により表示される。また、移動先ノードD1及び移動先ノードD2は、斜め白四角により表示される。
【0038】
次に、操作対象T1,T2のドラッグ操作中における地図表示の拡大・縮小操作について説明する。操作対象T1,T2を移動させるドラッグ操作中に、表示部6に表示されている地図表示の拡大・縮小操作を行う場合には、操作対象T1,T2を移動させている指16をタッチパネル12から離すことなく円を描くようにドラッグ操作(以下、「回転ドラッグ操作」という。)を行う。本実施例では、
図5(A)に示すように右回転の回転ドラッグ操作により地図表示を拡大でき、
図5(B)に示すように左回転の回転ドラッグ操作により地図表示を縮小することができる。操作対象T1,T2を移動させるドラッグ操作を開始すると、表示部6に回転ドラッグ操作が可能であることを示すアイコン(図示せず)が表示される。そのため、使用者は回転ドラッグ操作が可能であることを視認することができる。なお、回転ドラッグ操作が可能であることを示すものであればアイコンに限られず、他の表示であってもよい。本実施例の地図表示の拡大・縮小は、回転ドラッグ操作を開始した位置(基点)を中心として行なわれるが、表示部6の中心点C(
図6参照)を中心として拡大・縮小を行うようにしてもよい。なお、左回転により拡大、右回転により縮小するように構成してもよい。また、ドラッグ操作時以外の時は、表示部6に表示された+(プラス)ボタン17(
図3~
図5参照)をタッチ操作することにより地図表示の拡大操作を行うことができ、-(マイナス)ボタン18(
図3~
図5参照)をタッチ操作することにより地図表示の縮小操作を行うことができる。
【0039】
次に、操作対象T1,T2のドラッグ操作中における地図表示のスクロール操作について説明する。本実施例では、操作対象T1,T2の移動操作であるドラッグ操作中以外の表示状態では、表示部6に表示された地図は、表示部6にタッチ操作することにより、タッチした地点が表示部6の中心に表示されるように地図をスクロール(以下、「タッチスクロール」という。)することができる。また、ドラッグ操作することによりドラッグの方向に地図をスクロール(以下、「ドラッグスクロール」という。)することができる。また、フリック操作することによりフリックの方向に地図をスクロール(以下、「フリックスクロール」という。)することができる。しかしながら、操作対象T1,T2の移動操作中は、操作対象T1,T2のドラッグ操作が優先されるため、タッチスクロール、ドラッグスクロール及びフリックスクロールが無効となり、これらの方法では地図表示をスクロールすることができないようになっている。
【0040】
図6に示すように、ドラッグ操作中は、操作対象T1,T2を移動させている指16を表示部6の周端部であるスクロール部19に移動させることで、地図表示をスクロールすることができる。このとき地図表示は、表示部6の中心点Cと、スクロール部19に移動させた指16のタッチ点Fとを結ぶ直線L1の延長線L2の方向にスクロールする。したがって、操作対象T1,T2を表示部6に表示されていないノードに移動させたい場合には、当該ノードが位置する方向に操作対象T1,T2をドラッグ操作し、指16をスクロール部19の範囲内に移動することで、その方向に地図表示をスクロールさせ、当該ノードを表示部6に表示させ、操作対象T1,T2を移動させればよい。スクロール部19は、表示部6の周端部に一定の幅Wで設けられ、その幅Wの長さは任意に設定可能である。
図6においては説明のため、スクロール部19の範囲を斜線により表示しているが、スクロール部19の範囲は実際の表示部6には表示されない。なお、表示部6に表示された地図表示等の視認性を著しく妨げないように、スクロール部19を視覚的に認識できるように表示してもよい。
【0041】
スクロール部19によるスクロールの方向や移動量は適宜設定可能である。例えば、
図7に示すように、スクロール部19のうち表示部6の上端部に設けられる上スクロール部19Uに指16を移動させると地図表示が上方向にスクロールし、表示部6の下端部に設けられる下スクロール部19Dに指16を移動させると地図表示が下方向にスクロールし、表示部6の左端部に設けられる左スクロール部19Lに指16を移動させると地図表示が左方向にスクロールし、表示部6の右端部に設けられる右スクロール部19Rに指16を移動させると地図表示が右方向にスクロールし、上スクロール部19Uと左スクロール部19Lの重複部分に設けられる左上スクロール部19ULに指16を移動させると地図表示が左上方向にスクロールし、上スクロール部19Uと右スクロール部19Rの重複部分に設けられる右上スクロール部19URに指16を移動させると地図表示が右上方向にスクロールし、下スクロール部19Dと左スクロール部19Lの重複部分に設けられる左下スクロール部19DLに指16を移動させると地図表示が左下方向にスクロールし、下スクロール部19Dと右スクロール部19Rの重複部分に設けられる右下スクロール部19DRに指16を移動させると地図表示が右下方向にスクロールするようにしてもよい。また、スクロール部19の指16のタッチ点Fを表示部6の中心に表示させるようにスクロールするようにしてもよい。
【0042】
以上のように、本実施例のナビゲーション装置1は、目的地までの経路を探索する経路探索機能を備えたナビゲーション装置1であって、地図を表示する表示部6と、経路R1上のノード15bを、地図上のノード15eに移動させるように指示するノード移動手段9と、ノード15eを通過する経路R2を再探索する経路探索手段8と、経路R1における現在地から目的地までの距離K1に対し、経路R2における現在地から目的地までの距離K2が遠くなるか近くなるかを判定する判定部21と、判定部21による判定結果に基づき、目的地までの距離K2が遠くなるか近くなるかを示す目的地方向矢印22を表示部6に表示することにより、ノードの移動操作中に移動前のノード15bを通過する経路R1における現在地から目的地までの距離K1に対して、移動後のノード15eを通過する経路R2における現在地から目的地までの距離K2が長くなるのか短くなるのかを視認することができる。また、距離K1に対して距離K2が長くなるのか短くなるのかを確認しながら、ノードの移動先を選択することができる。
【0043】
また、本実施例のナビゲーション装置1は、経路R1における目的地までの距離K1に対し、経路R2における目的地までの距離K2が遠くなるか近くなるかを、目的地方向矢印22の色彩、数又は大きさから選択される1又は複数により認識できるように表示部6に表示することにより、ノードの移動操作中に移動前のノード15bを通過する経路R1における現在地から目的地までの距離K1に対して、移動後のノード15eを通過する経路R2における現在地から目的地までの距離K2が長くなるのか短くなるのかを直感的に認識することができる。
【0044】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において、種々の変形実施が可能である。例えば、上記実施例では目的地方向矢印22及び移動方向矢印23を同一の三角形状で表示しているが、指し示す方向を認識できるものであれば、他の形状による表示としてもよい。また、目的地方向矢印22と移動方向矢印23を異なる形状としてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 ナビゲーション装置
6 表示部
8 経路探索手段
9 ノード移動手段
10 表示倍率等変更手段(表示変更手段)
15b ノード(第1のノード)
15d ノード(第1のノード)
15e ノード(第2のノード)
15g ノード(第2のノード)
21 判定部
22 目的地方向矢印(判定表示)
K1 経路R1における現在地から目的地までの距離
K2 経路R2における現在地から目的地までの距離
K3 経路R3における現在地から目的地までの距離
R1 経路(第1の経路)
R2 経路(第1の経路、第2の経路)
R3 経路(第2の経路)