(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-12
(45)【発行日】2023-06-20
(54)【発明の名称】飲料提供システム
(51)【国際特許分類】
B67D 1/08 20060101AFI20230613BHJP
【FI】
B67D1/08 Z
(21)【出願番号】P 2019058908
(22)【出願日】2019-03-26
【審査請求日】2022-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】516117342
【氏名又は名称】藤井 博幸
(73)【特許権者】
【識別番号】517113222
【氏名又は名称】柴本 剛
(73)【特許権者】
【識別番号】519107755
【氏名又は名称】森本 茂喜
(74)【代理人】
【識別番号】100114661
【氏名又は名称】内野 美洋
(72)【発明者】
【氏名】藤井 博幸
(72)【発明者】
【氏名】柴本 剛
(72)【発明者】
【氏名】森本 茂喜
【審査官】古▲瀬▼ 裕介
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-101796(JP,A)
【文献】特開2005-271954(JP,A)
【文献】特開2003-128188(JP,A)
【文献】特開2004-149186(JP,A)
【文献】特開2016-088574(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料を供給するサーバーに、飲料が注入された飲料タンクを接続して、サーバーを操作することで飲料タンクから飲料を提供する飲料提供システムにおいて、
飲料タンクの総重量を計測する重量計測器をコントローラーに接続し、コントローラーが重量計測器で計測した飲料タンクの総重量が所定重量未満となった場合に報知
し、コントローラーが重量計測器でゼロを計測した場合に前記報知を解除することを特徴とする飲料提供システム。
【請求項2】
前記コントローラーに飲料タンクの販売者のコンピューターを電子通信回線網を介して接続し、コントローラーが重量計測器で計測した飲料タンクの総重量が所定重量未満となった場合に販売者のコンピューターに飲料タンクの発注を依頼することを特徴とする請求項1に記載の飲料提供システム。
【請求項3】
飲料を供給するサーバーに、飲料が注入された飲料タンクを接続して、サーバーを操作することで飲料タンクから飲料を提供する飲料提供システムにおいて、
飲料タンクの総重量を計測する重量計測器をコントローラーに接続するとともに、飲料タンクからサーバーに供給された飲料の総流量を計測する流量計測器をコントローラーに接続し、コントローラーが流量計測器で計測した飲料の総流量が所定流量以上となった場合に報知
し、コントローラーが重量計測器でゼロを計測した場合に前記報知を解除することを特徴とする飲料提供システム。
【請求項4】
前記コントローラーに飲料タンクの販売者のコンピューターを電子通信回線網を介して接続し、コントローラーが流量計測器で計測した飲料の総流量が所定流量以上となった場合に販売者のコンピューターに飲料タンクの発注を依頼することを特徴とする
請求項3に記載の飲料提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料を供給するサーバーに、飲料が注入された飲料タンクを接続して、サーバーを操作することで飲料タンクから飲料を提供する飲料提供システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、飲食店において飲料を容器に注ぐ際に、飲料を提供するサーバーに飲料が圧縮して注入された飲料タンクを接続した飲料提供システムが利用されている(たとえば、特許文献1参照。)。
【0003】
この飲料提供システムでは、サーバーを操作することで飲料タンクの内部圧力を利用して飲料タンクの内部の飲料をサーバーを介して容器に注ぐことができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記従来の飲料提供システムでは、飲料タンクの内部の圧力を利用して飲料タンクの内部の飲料を供給する構成となっており、飲料タンクの内部の飲料が残り僅かとなった場合にサーバーを操作してしまうと、飲料の残量と内部の圧力とのバランスが崩れてサーバーから飲料が弾け出てしまうことがある。
【0006】
そのため、上記従来の飲料提供システムでは、サーバーから弾け出た飲料によって周囲の人や物を汚損してしまうおそれがあり、安全上の問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、請求項1に係る本発明では、飲料を供給するサーバーに、飲料が注入された飲料タンクを接続して、サーバーを操作することで飲料タンクから飲料を提供する飲料提供システムにおいて、飲料タンクの総重量を計測する重量計測器をコントローラーに接続し、コントローラーが重量計測器で計測した飲料タンクの総重量が所定重量未満となった場合に報知し、コントローラーが重量計測器でゼロを計測した場合に前記報知を解除することにした。
【0008】
また、請求項2に係る本発明では、前記請求項1に係る本発明において、前記コントローラーに飲料タンクの販売者のコンピューターを電子通信回線網を介して接続し、コントローラーが重量計測器で計測した飲料タンクの総重量が所定重量未満となった場合に販売者のコンピューターに飲料タンクの発注を依頼することにした。
【0010】
また、請求項3に係る本発明では、飲料を供給するサーバーに、飲料が注入された飲料タンクを接続して、サーバーを操作することで飲料タンクから飲料を提供する飲料提供システムにおいて、飲料タンクの総重量を計測する重量計測器をコントローラーに接続するとともに、飲料タンクからサーバーに供給された飲料の総流量を計測する流量計測器をコントローラーに接続し、コントローラーが流量計測器で計測した飲料の総流量が所定流量以上となった場合に報知し、コントローラーが重量計測器でゼロを計測した場合に前記報知を解除することにした。
【0011】
また、請求項4に係る本発明では、前記請求項3に係る本発明において、前記コントローラーに飲料タンクの販売者のコンピューターを電子通信回線網を介して接続し、コントローラーが流量計測器で計測した飲料の総流量が所定流量以上となった場合に販売者のコンピューターに飲料タンクの発注を依頼することにした。
【発明の効果】
【0012】
そして、本発明では、以下に記載する効果を奏する。
【0013】
すなわち、本発明では、飲料を供給するサーバーに、飲料が注入された飲料タンクを接続して、サーバーを操作することで飲料タンクから飲料を提供する飲料提供システムにおいて、飲料タンクの総重量を計測する重量計測器をコントローラーに接続し、コントローラーが重量計測器で計測した飲料タンクの総重量が所定重量未満となった場合、又は、飲料タンクからサーバーに供給された飲料の総流量を計測する流量計測器をコントローラーに接続し、コントローラーが流量計測器で計測した飲料の総流量が所定流量以上となった場合に報知することにしているために、飲料タンクの内部の飲料が残り僅かとなったことを報知により認識することができ、サーバーから飲料が弾け出て周囲の人や物を汚損してしまうのを防止することができ、安全性を向上させることができる。
【0014】
特に、前記コントローラーに飲料タンクの販売者のコンピュータを電子通信回線網を介して接続し、コントローラーが重量計測器で計測した飲料タンクの総重量が所定重量未満となったときに販売者のコンピューターに飲料タンクの発注を依頼することにした場合、又は、前記コントローラーに飲料タンクの販売者のコンピューターを電子通信回線網を介して接続し、コントローラーが流量計測器で計測した飲料の総流量が所定流量以上となったときに販売者のコンピューターに飲料タンクの発注を依頼することにした場合には、飲料タンクの発注処理や在庫管理を容易なものとすることができる。
【0015】
また、前記コントローラーが重量計測器でゼロを計測した場合に前記報知を解除することにした場合には、内部の飲料の残量が少なくなった飲料タンクを新規の飲料タンクに交換し忘れてしまうのを防止することができ、安全性をより一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に係る飲料提供システムを示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明に係る飲料提供システムの具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
【0018】
図1及び
図2に示すように、飲料提供システム1は、飲食店等の店舗内をカウンター形式のテーブル2によって従業員用の領域3と客用の領域4とに区画している。
【0019】
そして、テーブル2に飲料を供給するためのサーバー5を配置し、従業員用の領域3に飲料が圧縮されて注入されている飲料タンク6を配置し、客用の領域4に座席7を配置している。サーバー5には、飲料タンク6が接続されている。
【0020】
ここで、サーバー5は、飲料タンク6の内部の飲料を供給することができればよく、飲料の温度調整や泡量調整などを行えるようにしてもよい。各サーバー5は、隣接する座席7の間に配置されて各自で操作できるようにするのが好ましい。また、飲料タンク6は、圧力の作用で飲料をサーバー5に供給することができればよく、内部の飲料が圧縮空気で圧縮された状態で注入された構成であってもよく、飲料の容器と圧縮空気の容器とを接続して圧縮空気の作用で飲料の容器から飲料を提供する構成であってもよく、サーバー5等に設けたポンプの圧力で飲料を提供する構成であってもよい。飲料の種類は限定されるものではない。
【0021】
本飲料提供システム1では、飲料タンク6の総重量(主に飲料タンク6の重量+飲料の重量)を計測するための重量計測器8を従業員用の領域3に設置し、重量計測器8に飲料タンク6を載置している。
【0022】
また、本飲料提供システム1では、テーブル2の従業員用の領域3に音や光などで従業員に異常を知らせるための報知器9を設置している。
【0023】
そして、本飲料提供システム1では、重量計測器8と報知器9をコントローラー10(コンピューター)に接続しており、コントローラー10に格納された制御プログラムを用いて重量計測器8や報知器9を制御するようになっている。なお、コントローラー10は、重量計測器8や報知器9を制御できる状態であればよく、店舗内に設置されたコンピューターに限られず、電子通信回線網等を介して接続された店舗外(たとえば、店舗を管轄する本部など)に設置されたコンピューターであってもよい。
【0024】
このコントローラー10には、インターネットに代表される電子通信回線網11を介して、飲料タンク6の販売者のコンピューター12が接続されている。
【0025】
飲料提供システム1は、以上に説明したように構成されており、客が客用の領域4からサーバー5を操作することで、飲料タンク6の内部の圧力を利用して飲料タンク6の内部の飲料をサーバー5を介して容器に注ぐことができるようになっている。
【0026】
なお、飲料提供システム1では、重量計測器8に代えて、又は、重量計測器8に加えて、サーバー5と飲料タンク6との間に、飲料タンク6からサーバー5に供給した飲料の総流量(通算の流量)を計測するための流量計測器を介設した構成とすることもできる。
【0027】
そして、飲料提供システム1では、コントローラー10が常に重量計測器8で計測された飲料タンク6の総重量を検知し、その総重量が予め設定した第1の所定重量よりも少なくなった場合に、コントローラー10が報知器9を作動させて従業員や客に対して報知することにしている。なお、流量計測器を設けた構成では、コントローラー10が常に流量計測器で計測された飲料の総流量を検知し、その総流量が予め設定した第1の所定流量よりも多くなった場合に、コントローラー10が報知器9を作動させて従業員や客に対して報知することにしてもよい。
【0028】
これにより、飲料提供システム1では、従業員に対して飲料タンク6の内部の飲料の残量が少なくなり新規の飲料タンク6と交換する必要があることを知らせることができ、客に対して飲料タンク6の内部の飲料の残量が少なくなり飲料の残量と内部の圧力とのバランスが崩れてサーバー5から飲料が弾け出てしまうおそれがあることを知らせることができる。
【0029】
また、飲料提供システム1では、コントローラー10が重量計測器8で計測された飲料タンク6の総重量が予め設定した第2の所定重量よりも少なくなった場合に、コントローラー10が電子通信回線網11を通じて販売者のコンピューター12と通信を行って、飲料タンク6の発注を依頼することにしている。なお、第2の所定重量は、第1の所定重量と同じであってもよく、第1の所定重量とは異なる重量に設定してもよい。たとえば、第2の所定重量として第1の所定重量よりも重い重量に設定して、燃料タンク6の内部の飲料の残量が少なくなる前に予め新規の飲料タンク6を発注するようにしてもよく、また、第2の所定重量をゼロに設定して、重量計測器8でゼロを計測した場合、言い換えれば、飲料タンク6の交換が行われた場合に、次の飲料タンク6を発注するようにしてもよい。ここでも、流量計測器を設けた構成では、コントローラー10が流量計測器で計測された飲料の総流量が予め設定した第2の所定流量よりも多くなった場合に、コントローラー10が電子通信回線網11を通じて販売者のコンピューター12と通信を行って、飲料タンク6の発注を依頼することにしてもよい。
【0030】
これにより、飲料提供システム1では、飲料タンク6の内部の飲料の残量が少なくなった時点で自動的に新規の飲料タンク6の発注を行うことができる。
【0031】
さらに、飲料提供システム1では、コントローラー10が重量計測器8でゼロを計測した場合には、飲料タンク6が交換のために重量計測器8から除去されたと判断し、報知器9による報知を解除するようにしてもよい。なお、これに限られず、報知器9を手動で解除できるようにしてもよい。
【0032】
以上に説明したように、上記飲料提供システム1は、飲料を供給するサーバー5に、飲料が注入された飲料タンク6を接続して、サーバー5を操作することで飲料タンク6から飲料を提供するシステムにおいて、飲料タンク6の総重量を計測する重量計測器8をコントローラー10に接続し、コントローラー10が重量計測器8で計測した飲料タンク6の総重量が所定重量未満となった場合に報知する構成となっている。
【0033】
そのため、上記構成の飲料提供システム1では、飲料タンク6の内部の飲料が残り僅かとなったことを報知により認識することができ、飲料の残量と供給のための圧力とのバランスが崩れてサーバーから飲料が弾け出てしまい周囲の人や物を汚損してしまうのを防止することができ、安全性を向上させることができる。
【0034】
また、上記飲料提供システム1は、コントローラー10に飲料タンク6の販売者のコンピューター12を電子通信回線網11を介して接続し、コントローラー10が重量計測器8で計測した飲料タンク6の総重量が所定重量未満となったときに販売者のコンピューター12に飲料タンク6の発注を依頼する構成となっている。
【0035】
そのため、上記構成の飲料提供システム1では、飲料タンク6の発注処理や在庫管理を容易なものとすることができる。
【0036】
さらに、上記飲料提供システム1は、コントローラー10が重量計測器8でゼロを計測した場合に報知を解除する構成となっている。
【0037】
そのため、上記構成の飲料提供システム1では、内部の飲料の残量が少なくなった飲料タンク6を新規の飲料タンク6に交換し忘れてしまうのを防止することができ、安全性をより一層向上させることができる。
【符号の説明】
【0038】
1 飲料提供システム 2 テーブル
3 従業員用の領域 4 客用の領域
5 サーバー 6 飲料タンク
7 座席 8 重量計測器
9 報知器 10 コントローラー
11 電子通信回線網 12 コンピューター