(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-12
(45)【発行日】2023-06-20
(54)【発明の名称】物品受け渡しシステムおよび物品受け渡し方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20230101AFI20230613BHJP
E05B 65/00 20060101ALI20230613BHJP
E05B 49/00 20060101ALI20230613BHJP
【FI】
G06Q10/08
E05B65/00 D
E05B49/00 R
(21)【出願番号】P 2019098872
(22)【出願日】2019-05-27
【審査請求日】2022-04-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西田 隆好
(72)【発明者】
【氏名】増田 義行
【審査官】速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第104778391(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108280942(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109658028(CN,A)
【文献】特開2002-297726(JP,A)
【文献】特開2016-206708(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
E05B 65/00
E05B 49/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を保管する保管部と、前記保管部に保管される物品の受け渡し先となる顧客
または当該顧客に代理して物品を受け取る代理人から生体情報を取得する取得手段とを有する保管装置と、
物品の受け渡し先となる顧客の生体情報
および当該顧客に代理して物品を受け取る代理人の生体情報を受け付ける受付手段と
、前記受付手段が受け付けた
前記顧客の生体情報
および当該顧客の前記代理人の生体情報を
記憶するための記憶部とを有し、前記顧客の生体情報および当該顧客の前記代理人の生体情報を、当該顧客に受け渡される物品を特定するための特定情報に紐付けて管理するサーバと、
前記取得手段が取得した生体情報と、前記サーバ
の前記記憶部に記憶されている生体情報とを、前記保管部に保管される物品の受け渡しのために照合する照合手段
とを含み、
前記受付手段は、前記保管部に保管される前記物品の前記保管部への収納前において、当該物品の受け渡し先となる前記顧客の生体情報を受け付けて前記記憶部に記憶させ、かつ当該物品の前記保管部への収納後において、当該顧客の前記代理人の生体情報を受け付けて前記記憶部に記憶させる手段を含み、
前記取得手段が取得した前記代理人の生体情報と、前記記憶部に記憶されている前記代理人の生体情報との前記照合手段による照合の結果、前記保管部と前記代理人との間で前記物品が受け渡された後に、前記顧客の生体情報を前記記憶部に残したまま、前記代理人の生体情報を前記記憶部から削除する削除手段を
さらに含む、物品受け渡しシステム。
【請求項2】
前記保管部を施解錠する施解錠手段をさらに含み、
前記取得手段が取得した生体情報と、前記サーバが管理する生体情報とが一致するという前記照合手段による照合結果に応じて、前記施解錠手段は、前記サーバによって当該生体情報が紐付けられた前記特定情報によって特定される
前記物品を保管する前記保管部を解錠する、請求項
1に記載の物品受け渡しシステム。
【請求項3】
前記受付手段は、
前記代理人の生体情報を、当該代理人によって物品の受け取りが代理される
前記顧客の通信端末を介して受け付ける、請求項
1または2に記載の物品受け渡しシステム。
【請求項4】
前記受付手段は、
前記代理人の生体情報を、当該代理人の通信端末を介して受け付ける、請求項
1または2に記載の物品受け渡しシステム。
【請求項5】
物品を保管する保管部と、前記保管部に保管される物品の受け渡し先となる顧客
または顧客に代理して物品を受け取る代理人から生体情報を取得する取得手段とを有する保管装置と、
記憶部を有するサーバとを用いた物品受け渡し方法であって、
物品の受け渡し先となる顧客の生体情報
および当該顧客に代理して物品を受け取る代理人の生体情報を事前に受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップにおいて受け付けた
前記顧客の生体情報
および当該顧客の前記代理人の生体情報を
前記記憶部に記憶し、かつ前記顧客の生体情報および当該顧客の前記代理人の生体情報を、当該顧客に受け渡される物品を特定するための特定情報に紐付けて前記サーバにおいて管理する管理ステップと、
前記取得手段が取得した生体情報と、前記サーバが管理する生体情報とを、前記保管部に保管される物品の受け渡しのために照合する照合ステップと
を含み、
前記受付ステップは、前記保管部に保管される前記物品の前記保管部への収納前において、当該物品の受け渡し先となる前記顧客の生体情報を受け付けて前記記憶部に記憶させ、かつ当該物品の前記保管部への収納後において、当該顧客の前記代理人の生体情報を受け付けて前記記憶部に記憶させるステップを含み、
前記取得手段が取得した前記代理人の生体情報と、前記記憶部に記憶されている前記代理人の生体情報との照合の結果、前記保管部と前記代理人との間で前記物品が受け渡された後に、前記顧客の生体情報を前記記憶部に残したまま、前記代理人の生体情報を前記記憶部から削除する削除ステップを
さらに含む、物品受け渡し方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ロッカー等の保管装置を用いた物品受け渡しシステムおよび物品受け渡し方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1は、保管ロッカーを介した商品販売システムを開示している。商品販売システムを運営する事業者と契約した顧客には、顧客本人の生体認証データが記録された電子決済カードが発行される。電子決済カードには、顧客の委任を受けた受任者の生体認証データも記録できる。
商品販売システムでは、顧客が商品を注文すると、その商品が、事業者によって保管ロッカーに保管される。顧客は、保管ロッカーに出向いて、自身の電子決済カードを保管ロッカーのカード挿入孔に挿入して、自身の生体認証データを保管ロッカーに読み取らせる。すると、保管ロッカーでは、電子決済カードに記録された顧客の生体認証データと、顧客本人から読み取った生体認証データとが照合される。生体認証の照合が成功して決済が済むと保管ロッカーが解錠されるので、顧客は、保管ロッカーに保管された商品を受け取ることができる。
【0003】
一方、受任者が、保管ロッカーに出向いて、顧客の電子決済カードを保管ロッカーのカード挿入孔に挿入して、自身の生体認証データを保管ロッカーに読み取らせる。すると、保管ロッカーでは、電子決済カードに記録された受任者の生体認証データと、受任者本人から読み取った生体認証データとが照合される。生体認証の照合が成功して決済が済むと保管ロッカーが解錠されるので、受任者は、保管ロッカーに保管された商品を、顧客の代わりに受け取ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の商品販売システムでは、商品を注文した顧客が保管ロッカーに出向くことができない場合には、予め生体認証データを電子決済カードに記録した受任者でなければ、顧客の代わりに商品を受け取ることができない。また、受任者の生体認証データを電子決済カードに新たに記録するには、顧客と事業者との間での手続きのために、ある程度の時間を要すると思われる。そのため、受任者の生体認証データを電子決済カードに記録していない顧客は、用事等によって商品を急遽受け取りに行けなくなった場合には、すぐに誰かに商品を受け取りに行ってもらうことはできない。また、生体認証データが電子決済カードに記録された受任者であっても、その電子決済カードを予め顧客から預かっておかなければ、保管ロッカーに出向いても商品を受け取ることができない。また、顧客本人であっても、電子決済カードを持っていなければ、保管ロッカーに出向いても商品を受け取ることができない。
【0006】
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、保管装置を用いた物品の受け渡しに関して使い勝手の向上を図れる物品受け渡しシステムおよび物品受け渡し方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態は、物品を保管する保管部と、前記保管部に保管される物品の受け渡し先となる顧客から生体情報を取得する取得手段とを有する保管装置と、物品の受け渡し先となる顧客の生体情報を事前に受け付ける受付手段と、前記受付手段が受け付けた顧客の生体情報を、当該顧客に受け渡される物品を特定するための特定情報に紐付けて管理するサーバと、前記取得手段が取得した生体情報と、前記サーバが管理する生体情報とを、前記保管部に保管される物品の受け渡しのために照合する照合手段とを含む、物品受け渡しシステムを提供する。
【0008】
また、本発明の一実施形態では、前記受付手段が、前記サーバによって生体情報が管理された顧客に代理して物品を受け取る代理人の生体情報を受け付けることができ、前記サーバが、前記受付手段が受け付けた代理人の生体情報を、当該代理人によって物品の受け取りが代理される顧客の生体情報が紐付けられた前記特定情報に紐付けて管理する。
また、本発明の一実施形態では、前記物品受け渡しシステムが、前記保管部を施解錠する施解錠手段をさらに含み、前記取得手段が取得した生体情報と、前記サーバが管理する生体情報とが一致するという前記照合手段による照合結果に応じて、前記施解錠手段が、前記サーバによって当該生体情報が紐付けられた前記特定情報によって特定される物品を保管する前記保管部を解錠する。
【0009】
また、本発明の一実施形態では、前記受付手段が代理人の生体情報を受け付けた場合、前記サーバが、対応する前記特定情報に紐付けられる生体情報を、当該代理人によって物品の受け取りが代理される顧客の生体情報から、当該代理人の生体情報に変更する。
また、本発明の一実施形態では、前記受付手段が前記代理人の生体情報を受け付けた場合、前記サーバが、対応する前記特定情報に、当該代理人によって物品の受け取りが代理される顧客の生体情報とともに、当該代理人の生体情報も紐付けて管理する。
【0010】
また、本発明の一実施形態では、前記受付手段が、代理人の生体情報を、当該代理人によって物品の受け取りが代理される顧客の通信端末を介して受け付ける。
また、本発明の一実施形態では、前記受付手段が、代理人の生体情報を、当該代理人の通信端末を介して受け付ける。
前記取得手段が、顧客に代理して物品を受け取る代理人から生体情報を取得してもよい。前記サーバが、前記受付手段と、前記顧客の生体情報および当該顧客の前記代理人の生体情報を記憶するための記憶部とを有していてもよい。前記サーバが、前記顧客の生体情報および当該顧客の前記代理人の生体情報を、当該顧客に受け渡される物品を特定するための特定情報に紐付けて管理してもよい。前記受付手段が、前記保管部に保管される前記物品の前記保管部への収納前において、当該物品の受け渡し先となる前記顧客の生体情報を受け付けて前記記憶部に記憶させ、かつ当該物品の前記保管部への収納後において、当該顧客の前記代理人の生体情報を受け付けて前記記憶部に記憶させる手段を含んでいてもよい。また、前記物品受け渡しシステムが、前記取得手段が取得した前記代理人の生体情報と、前記記憶部に記憶されている前記代理人の生体情報との前記照合手段による照合の結果、前記保管部と前記代理人との間で前記物品が受け渡された後に、前記顧客の生体情報を前記記憶部に残したまま、前記代理人の生体情報を前記記憶部から削除する削除手段をさらに含んでいてもよい。
また、本発明の一実施形態は、物品を保管する保管部と、前記保管部に保管される物品の受け渡し先となる顧客から生体情報を取得する取得手段とを有する保管装置と、サーバとを用いた物品受け渡し方法であって、物品の受け渡し先となる顧客の生体情報を事前に受け付ける受付ステップと、前記受付ステップにおいて受け付けた顧客の生体情報を、当該顧客に受け渡される物品を特定するための特定情報に紐付けて前記サーバにおいて管理する管理ステップと、前記取得手段が取得した生体情報と、前記サーバが管理する生体情報とを、前記保管部に保管される物品の受け渡しのために照合する照合ステップとを含む、物品受け渡し方法を提供する。
前記受付ステップが、当該顧客に代理して物品を受け取る代理人の生体情報を事前に受け付けるステップを含んでいてもよい。前記管理ステップが、前記顧客の生体情報および当該顧客の前記代理人の生体情報を記憶部に記憶して管理してもよい。前記管理ステップが、前記顧客の生体情報および当該顧客の前記代理人の生体情報を、前記特定情報に紐付けて前記サーバにおいて管理してもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、保管装置を用いた物品の受け渡しに関して使い勝手の向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、この発明の一実施形態に係る物品受け渡しシステムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、顧客が物品を注文してから、物品受け渡しシステムによって顧客への物品の受け渡しが完了するまでの流れを示す図である。
【
図3】
図3は、変形例に係る物品受け渡しシステムの構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、顧客が物品を注文してから、変形例に係る物品受け渡しシステムによって顧客への物品の受け渡しが完了するまでの流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る物品受け渡しシステム1の構成を示すブロック図である。一例として、物品受け渡しシステム1は、通信販売を行う商店からの依頼によって販売対象の物品(以下「商品」ということがある。)を配達する配達業者によって運用される。物品受け渡しシステム1は、駅等のように不特定人が立ち入り可能な単数または複数の場所に設置されて配達業者によって管理される保管装置2と、配達業者の事業所等に設置されるサーバ3とを含む。
【0014】
保管装置2は、EC(Electronic Commerce)に対応できるように通信機能を有するロッカーである。保管装置2は、物品を保管するボックス状の保管室(図示せず)と保管室を開閉する扉(図示せず)とによって構成された保管部4を、単数または複数(この実施形態では複数)有する。各保管装置2には識別情報が割り当てられていて、各保管装置2の各保管部4にも識別情報が割り当てられている。
【0015】
保管装置2は、施解錠手段の一例として保管部4毎に設けられたロック機構5をさらに有する。ロック機構5は、例えば電磁ロックによって構成された電気式のロック機構であって、対応する保管部4の扉を閉じた状態にて施錠したり、閉じた扉を解錠したりする。なお、待機状態にある保管部4は、扉の施錠が維持されることによって常にロックされている。保管装置2では、顧客の生体情報を用いた生体認証によって、ロック機構5によるロックが解除される。生体情報には、人の顔、指紋、虹彩、声紋等の情報が挙げられる。この実施形態では、人の顔の情報が生体情報として用いられる顔認証が採用されるが、生体認証のために、他の生体情報が用いられたり、複数の生体情報が組み合わせて用いられたりしてもよい。
【0016】
保管装置2は、外部通信用の通信I/F部6と、商品を受け取りに来た顧客から生体情報を取得する取得手段の一例としての取得部7と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等によって構成された記憶部8と、例えば液晶のタッチパネルによって構成された表示操作部9をさらに有する。通信I/F部6は、インターネット等の公衆回線10につながったインターフェース部である。この実施形態では、人の顔の情報が生体情報として用いられることに対応して、取得部7は、人の顔を撮影する撮影手段として機能するカメラであって、保管装置2の前に来た顧客の顔を臨む位置に配置されている。なお、取得部7は、対応する生体情報(指紋等)の種類に応じて適宜変更できる。記憶部8には様々な情報が記憶される。表示操作部9は、表示部と操作部とに分かれていてもよい。
【0017】
保管装置2は、CPU(Central Processing Unit)等によって構成された制御部11をさらに有する。制御部11は、施解錠手段、取得手段および照合手段の一例として機能する。制御部11には、各ロック機構5、通信I/F部6、取得部7、記憶部8および表示操作部9のそれぞれが電気的に接続されている。制御部11は、ロック機構5の動作を制御して、対応する保管部4を施解錠する。制御部11は、通信I/F部6を介して外部通信することができる。制御部11には、取得部7が取得した生体情報が入力される。制御部11は、通信I/F部6や取得部7を介して取得した情報等を記憶部8に記憶する。制御部11は、表示操作部9に必要な情報を表示したり、顧客等による表示操作部9の操作を受け付けたりする。
【0018】
サーバ3は、通信I/F部6と同様に公衆回線10につながった通信I/F部15と、記憶部8と同様に様々な情報が記憶される記憶部16と、CPU等によって構成された制御部17とを有する。制御部17には、通信I/F部15および記憶部16のそれぞれが電気的に接続されている。通信I/F部15および制御部17は、受付手段の一例として機能する。制御部17は、通信I/F部15を介して外部通信することができ、通信I/F部15を介して取得した情報等を記憶部16に記憶する。サーバ3は、保管装置2を管理する上位装置であり、記憶部16には、管理下にある保管装置2における各保管部4の空き情報(利用予定も含む)が、各保管装置2および各保管部4の識別情報に紐付けて記録されている。
【0019】
この実施形態では、商品を注文した顧客が自宅外の保管装置2において商品を受け取る状況を想定しているが、保管装置2は、自宅に据え付けられる宅配ボックスであってもよい。以下では、顧客が商店に商品を注文して保管装置2に出向いて受け取るまでの流れを説明する。なお、顧客は、公衆回線10につながったスマートフォン等の通信端末20を有し、商店は、公衆回線10につながった外部通信可能なコンピュータ21を有している。
【0020】
図2を参照して、顧客が商品を注文してから、物品受け渡しシステム1によって顧客への物品の受け渡しが完了するまでの流れについて説明する。まず、顧客が、自身の通信端末20を操作して商品の注文を確定すると、その注文に関する発注情報が、注文先の商店のコンピュータ21に送信される(ステップS1)。
図2において「S」と数字とを組み合わせた記号は、ステップS1のようなステップ番号に対応している。つまり、例えば、
図2におけるS1と、ステップS1とは同じ意味である。このことは、後述する変形例の
図4においても当てはまる。
【0021】
注文先の商店に送信される発注情報は、顧客が注文した商品の名称や値段等の商品情報と、顧客を識別するためのコード等である顧客IDと、商品の決済方法に関する決済情報と、顧客が指定した商品の受け渡し場所および受け渡し時間に関する受取情報とを少なくとも含む。顧客IDは、顧客による申請によって商店または配達業者によって事前に付与され、商店および配達業者の両方において通用する。受取情報における受け渡し場所に関する情報は、受け渡し場所となる保管装置2の識別情報を少なくとも含む。決済情報に関し、この実施形態では、注文の確定時にクレジットカード等によって決済が完了するが、決済は、任意のタイミングに行われればよい。また、発注情報を受信したコンピュータ21からは、注文を受け付けた旨の受注通知が、顧客の通信端末20に送信されてもよい。
【0022】
発注情報を受信した商店の担当者は、注文された商品を準備して、必要に応じて梱包した後に、この商品の配達を配達業者に依頼することによって商品を出荷する(ステップS2)。その際、商店の担当者は、発注情報における顧客IDおよび受取情報を少なくとも含んだ注文情報が記載された伝票を、商品とともに配達業者に託す。注文情報は、二次元コード化されて商品の外表面に記載されてもよい。
【0023】
注文情報は、商店のコンピュータ21から配達業者のサーバ3に送信される(ステップS3)。注文情報は、商店から商品を受け取った配達業者の集荷担当者による自身の通信端末(図示せず)の入力操作等によって、サーバ3に送信されてもよいし、商店からの配達依頼のタイミング等にコンピュータ21からサーバ3に送信されてもよい。
サーバ3の制御部17は、受信した注文情報に含まれる受取情報と記憶部16における各保管部4の空き情報とに基づいて、商品の受け渡し場所となる保管装置2において受け渡し時間に空いている保管部4を特定する。そして、制御部17は、鍵情報を生成する。鍵情報は、注文情報における顧客IDと、商品の受け渡し場所となる保管装置2の識別情報と、この保管装置2において商品の保管先となる保管部4の識別情報と、配達担当者が商品を保管するためにこの保管部4を解錠する際に必要なパスコードと、配達する商品の商品情報とを少なくとも含む。鍵情報における保管装置2の識別情報および保管部4の識別情報を、配達先の位置情報という。制御部17は、生成した鍵情報を、配達担当者の通信端末(図示せず)および配達先の保管装置2に送信する(ステップS4)。制御部17は、鍵情報を印刷した配達伝票を出力して、配達担当者は、配達伝票を持って配達に出かけてもよい。配達先の保管装置2の制御部11は、受信した鍵情報を記憶部8に記憶する。
【0024】
配達担当者は、鍵情報における配達先の位置情報に基づいて、荷物(
図2における荷物T)を、配達先の保管装置2まで搬送する(ステップS5)。そして、配達担当者は、保管装置2に設けられた表示操作部9を操作して、鍵情報におけるパスコードを入力する。これにより、保管装置2の制御部11は、ステップS4においてサーバ3から予め送られてきた鍵情報のパスコードと、配達担当者によって先ほど入力されたパスコードとを照合する。これらのパスコードが一致すると、制御部11は、鍵情報において識別情報が特定された保管部4を解錠する。配達担当者は、この保管部4に荷物を保管して扉(図示せず)を閉める。すると、制御部11は、この保管部4を施錠する。これにより、商品の配達が完了する。なお、二次元コード化されたパスコードが、前述した配達伝票に印刷されていて、配達担当者は、このパスコードを、保管装置2におけるバーコードリーダ等の読取部(図示せず)に読み取らせることによって入力してもよい。
【0025】
保管装置2の保管部4への商品の配達が完了すると、この保管装置2の制御部11は、配達情報を生成する。配達情報は、配達先の位置情報(保管装置2の識別情報、および商品を保管している保管部4の識別情報)と、保管部4における商品の保管期間と、商品の商品情報と、商品を注文した顧客の顧客IDとを含む。配達情報における少なくとも商品情報および顧客IDは、鍵情報から得られる。保管期間は、例えば、配達担当者による表示操作部9の操作によって設定されたり、保管装置2またはサーバ3によって自動的に設定されたりする。配達情報は、今回の配達に割り当てられた識別情報の一例である配達番号も含んでもよい。配達情報は、制御部11によってサーバ3に送信される(ステップS6)。
【0026】
配達情報を受信したサーバ3の制御部17は、顧客が保管装置2の保管部4から商品を受け取るために必要な認証情報を生成する(ステップS7)。認証情報の生成に先立って、顧客は、自身の生体情報を通信端末20によって事前にサーバ3に送信している(ステップS100)。例えば、通信端末20にカメラ機能がある場合には、顧客は、自分の顔を通信端末20によって撮影し、その撮影画像を生体情報としてサーバ3に送信する。顧客の通信端末20に既に顧客の顔の撮影画像が存在する場合には、顧客は、新たな撮影を行わずに、この撮影画像を自身の生体情報としてサーバ3に送信してもよい。このように送信された生体情報は、通信I/F部15を介して制御部17によって事前に受け付けられ、顧客IDに紐付けてサーバ3の記憶部16に登録される。
【0027】
記憶部16における生体情報の登録は、商品を購入する前のタイミング(例えば顧客IDの申請タイミング)に行われてもよい。この場合には、登録された生体情報は、記憶部16において比較的長期間保存される。または、制御部17は、保管装置2から配達情報を受信したタイミング等において、前述した受注通知を商店のコンピュータ21の代わりに顧客の通信端末20に送信してもよく、顧客は、受注通知を受けたタイミング等に生体情報をサーバ3に送信してもよい。この場合には、注文の度に生体情報が記憶部16に登録される。
【0028】
認証情報は、顧客の顧客IDと、この顧客IDに紐付けられた生体情報(つまり、注文主である顧客の生体情報)と、商品の商品情報と、配達先の位置情報とを少なくとも含む。顧客ID、商品情報および位置情報のそれぞれは、顧客に受け渡される商品を特定するための特定情報である。サーバ3の制御部17は、認証情報を生成することによって、ステップS100において受け付けた顧客の生体情報を当該特定情報に紐付けて記憶部16において管理している。そして、制御部17は、生成した認証情報を、商品を保管した保管装置2に送信する(ステップS8)。認証情報を受信した保管装置2の制御部11は、認証情報を記憶部8に記憶する。そして、制御部17は、ステップS6において保管装置2から受信した配達情報を、注文主(つまり、保管装置2の保管部4に保管される商品についての本来の受け渡し先)である顧客の通信端末20に送信する(ステップS9)。
【0029】
配達情報を受信した顧客は、配達情報に含まれる配達先の位置情報に基づいて保管期間内に保管装置2まで出向き、保管装置2の表示操作部9によって、自身の顧客IDを入力する。すると、保管装置2の制御部11は、入力された顧客IDに対応する認証情報を記憶部8内において検索する。該当する認証情報があれば、制御部11は、この実施形態ではカメラである取得部7によって顧客の顔を撮影することによって、顧客から生体情報を取得する。そして、制御部11は、取得した生体情報と、サーバ3に管理されていた認証情報に含まれる生体情報とを、保管部4に保管される商品の受け渡しのために照合する(ステップS10)。つまり、制御部11は、ステップS10において、生体認証を実行する。これらの生体情報が一致するという照合結果がでれば、制御部11は、生体認証が成功したと判断して、ロック機構5を作動させて、該当する保管部4を解錠する。これにより、顧客は、保管部4の扉を開けて中の商品(つまり、前述した特定情報によって特定される商品)を受け取ることができる。なお、保管部4の解錠のために、生体認証に加えて、例えば顧客による表示操作部9の操作によって入力されたパスコード等による複合認証がさらに必要であってもよい。また、顧客IDを入力することなく、顔認証情報と生体情報との照合のみによって保管部4を特定して解錠してもよい。
【0030】
商品を受け取った顧客が、商品を取り出した保管部4の扉を閉めると、保管装置2の制御部11は、この保管部4を施錠する。これにより、顧客への荷物の受け渡しが完了する。制御部11は、荷物の受け渡しが完了した旨を、完了通知としてサーバ3に送信する(ステップS11)。その際、制御部11は、この保管部4について記憶部8において今まで記憶していた配達情報、鍵情報および認証情報を削除する。また、完了通知を受け取ったサーバ3の制御部17も、記憶部16における配達情報、鍵情報および認証情報を削除する。制御部17は、今回の受け渡し取引が完了した旨を履歴として記憶部16に記憶してもよい。同様の履歴が保管装置2においても記憶されてもよい。
【0031】
なお、例えば顧客による荷物の受け取りがなされないまま保管期限が経過すると、配達業者における回収担当者が、荷物の保管先である保管装置2に鍵情報のパスコードを入力して保管部4を解錠し、この保管部4に長期保管された荷物を回収する。なお、保管期限が経過した旨は、保管装置2からサーバ3に通知されて、サーバ3から回収担当者等に報知されてもよい。荷物の回収後に、保管装置2およびサーバ3のそれぞれに記憶された鍵情報が削除される。削除された鍵情報の対象となる保管部4は、鍵情報の削除に応じて空き状態となるので、次の商品の保管のために使用できる。
【0032】
配達情報(ステップS9)を受信した顧客が保管装置2まで出向いて商品を受け取ることが、用事等によって急遽できなくなる場合が想定される。その場合、物品受け渡しシステム1では、顧客の依頼を受けた代理人が、既にサーバ3によって生体情報が管理された顧客に代理して保管装置2まで出向いて商品を受け取ることができる。具体的には、顧客が、代理人の生体情報を自身の顧客IDに紐づけて通信端末20によってサーバ3に送信する(ステップS100A)。例えば、通信端末20にカメラ機能があって顧客の近くに代理人がいる場合には、顧客は、代理人の顔を通信端末20によって撮影し、この撮影画像を代理人の生体情報としてサーバ3に送信する。代理人が顧客から離れた場所にいる場合には、代理人が、自身の通信端末22によって撮影した代理人の顔の撮影画像を顧客の通信端末20に送信し、顧客が、この撮影画像を代理人の生体情報としてサーバ3に送信する。また、顧客の通信端末20に既に代理人の顔の撮影画像が存在する場合には、顧客は、新たな撮影を行ったり代理人から撮影画像をもらったりせずに、既存の撮影画像を代理人の生体情報としてサーバ3に送信する。このようにして、サーバ3の制御部17は、代理人の生体情報(つまり、追加の生体情報)を、顧客の通信端末20を介して受け付ける。
【0033】
代理人の生体情報を受け付けたサーバ3の制御部17は、代理人を新たな受取人として登録するために、注文主である顧客に関して既に生成した認証情報(対応する顧客IDの認証情報)を更新する(ステップS7A)。具体的には、制御部17は、この顧客に紐付けられた特定情報(顧客IDや商品情報や位置情報等)に代理人の生体情報を紐付けて管理する。そのために、制御部17は、認証情報に含まれる生体情報(つまり、特定情報に紐付けられる生体情報)を、既存の顧客の生体情報から代理人の生体情報に書き換えることによって変更する。または、制御部17は、認証情報に含まれる生体情報として、既存の顧客の生体情報とともに、代理人の生体情報も加える。つまり、この場合の認証情報は、顧客の生体情報および代理人の生体情報の両方を含み、制御部17は、前述した特定情報に両方の生体情報を紐付けて管理する。
【0034】
そして、制御部17は、更新後の認証情報を、商品を保管した保管装置2に送信する(ステップS8A)。更新後の認証情報を受信した保管装置2の制御部11は、ステップS8において送信済みであって記憶部8に記憶された認証情報(対応する顧客IDの認証情報)を、更新後の認証情報に書き換える。そして、制御部17は、ステップS6において保管装置2から受信した配達情報を、顧客の通信端末20に送信する(ステップS9)。なお、制御部17は、認証情報の更新前に配達情報を顧客に送信済みであれば、認証情報の更新後に配達情報を顧客に再送してもよく、その場合に再送される配達情報には、代理人の生体情報がサーバ3に登録された旨の通知が含まれてもよい。
【0035】
配達情報を受信した顧客は、配達情報を代理人(つまり、保管装置2の保管部4に保管される商品についての本来とは異なる受け渡し先)の通信端末22に転送する。または、代理人の生体情報の送信時(ステップS100A)に、代理人の通信端末22の連絡先もサーバ3に送信されていれば、サーバ3の制御部17は、ステップS9において、配達情報を、顧客の通信端末20に加えて、もしくは顧客の通信端末20の代わりに、代理人の通信端末22に直接送信する。
【0036】
配達情報を受信した代理人は、配達情報から特定される配達先の位置情報に基づいて保管期間内に保管装置2まで出向き、保管装置2の表示操作部9によって、顧客の顧客IDを入力する。すると、保管装置2の制御部11は、入力された顧客IDに対応する認証情報を記憶部8内において検索する。該当する認証情報があれば、制御部11は、この実施形態ではカメラである取得部7によって代理人の顔を撮影することによって、代理人から生体情報を取得する。
【0037】
そして、制御部11は、生体認証を行う(ステップS10A)。つまり、制御部11は、取得した生体情報と、認証情報に含まれる生体情報とを照合する。これらの生体情報が一致するという照合結果がでれば、制御部11は、生体認証が成功したと判断して、該当する保管部4を解錠する。これにより、代理人は、保管部4の扉を開けて中の商品を受け取ることができる。なお、代理人の場合にも、前述した複合認証が行われてもよいし、生体認証のみで解錠してもよい。
【0038】
商品を受け取った代理人が、商品を取り出した保管部4の扉を閉めると、制御部11は、この保管部4を施錠する。これにより、代理人への荷物の受け渡しが完了する。制御部11は、荷物の受け渡しが完了した旨を、完了通知としてサーバ3に送信する(ステップS11)。その際、制御部11は、この保管部4について記憶部8において今まで記憶していた配達情報、鍵情報および認証情報を削除する。また、完了通知を受け取ったサーバ3の制御部17も、記憶部16における配達情報、鍵情報および認証情報を削除する。制御部17は、今回の取引が完了した旨を、履歴として記憶部16に記憶したり、顧客の通信端末20に通知したりする。また、代理人による商品の受け取りは、今回の取引に限ったことであるので、今回の保管装置2およびサーバ3のそれぞれでは、代理人の生体情報等の個人情報が削除されてもよい。
【0039】
以上のように、顧客が、自身の生体情報が記録されたカード等の専用媒体を用いなくても、物品受け渡しシステム1では、予めサーバ3に登録された顧客の生体情報と、保管装置2に読み取らせた顧客の生体情報とが一致することによって、対応する保管部4が解錠される。さらに、代理人の生体情報をサーバ3に登録しておけば、商品の受取人を顧客から代理人に変更できる。これにより、代理人が前述した専用媒体を顧客から預からなくても、物品受け渡しシステム1では、予めサーバ3に登録された代理人の生体情報と、保管装置2に読み取らせた代理人の生体情報とが一致することによって、対応する保管部4が解錠される。そのため、保管装置2に出向いた顧客または代理人は、解錠された保管部4から商品を受け取ることができる。そのため、保管装置2を用いた物品の受け渡しに関して使い勝手の向上を図れる。
【0040】
前述したように認証情報に含まれる生体情報が既存の顧客(本来の受取人)の生体情報から代理人(新たな受取人)の生体情報に変更される場合には、顧客の生体情報が削除されるので、代理人だけが保管装置2において生体認証を成功させて商品を受け取ることができる。そのため、代理人が受け取る前に顧客が勝手に商品を受け取ってしまって混乱が生じることを防止できる。一方、認証情報において、顧客の生体情報が削除されずに、顧客の生体情報および代理人の生体情報の両方が保存される場合には、顧客および代理人の両方が保管装置2での生体認証を経て商品を受け取ることができる。そのため、例えば、当初は都合が悪くなった顧客が代理人に受け取りを頼んだものの、顧客の都合が良くなれば、顧客自身が商品を受け取ることができるので、柔軟な対応が可能となる。
【0041】
顧客が忙しいときは、サーバ3への代理人の生体情報の送信は、顧客でなく、代理人本人によって行われてもよい(ステップS100B)。例えば、代理人の通信端末22にカメラ機能がある場合には、代理人は、自身の顔を通信端末22によって撮影し、この撮影画像を代理人の生体情報として、顧客から事前に通知された顧客IDに紐付けてサーバ3に送信する。また、通信端末22に既に代理人の顔の撮影画像が存在する場合には、代理人は、新たな撮影を行わずに、この撮影画像を代理人の生体情報としてサーバ3に送信する。その後のステップS7A以降の処理は、前述した通りである。このようにして、サーバ3の制御部17は、代理人の生体情報を、代理人の通信端末22を介して受け付ける。
【0042】
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項に記載の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば、変形例として、物品受け渡しシステム1は、配達業者でなく、電子商店街(いわゆるサイバーモール)によって運用されてもよい。その場合には、物品受け渡しシステム1における保管装置2およびサーバ3のそれぞれは、
図3に示すように、電子商店街の運営業者によって管理される。なお、変形例に係る物品受け渡しシステム1の説明に際し、既に説明した構成と機能的に同じ構成には、同一の符号を付して説明を省略する。変形例では、配達業者は、公衆回線10につながった外部通信可能なコンピュータ23を有している。
【0043】
次に、
図4を参照して、変形例における商品の注文から受け取りまでの流れについて説明する。なお、
図4では、
図2の処理ステップと同じ処理ステップには、
図2と同じステップ番号を付し、その処理ステップについての詳細な説明を省略する。
顧客が、自身の通信端末20を操作して商品の注文を確定すると、その注文に関する発注情報が、電子商店街のサーバ3に送信される(ステップS1A)。発注情報に含まれる顧客IDは、顧客による申請によって電子商店街によって事前に付与される。また、発注情報を受信したサーバ3からは、注文を受け付けた旨の受注通知が、顧客の通信端末20に送信されてもよい。
【0044】
サーバ3の制御部17は、発注情報に含まれる受取情報に基づいて、商品の受け渡し場所となる保管装置2において受け渡し時間に空いている保管部4を特定して、鍵情報を生成する。制御部17は、発注情報および鍵情報を、この商品を扱う商店のコンピュータ21に送信することによって発注する(ステップS1B)。
発注情報を受信した商店の担当者は、注文された商品の配達を配達業者に依頼する(ステップS2)。その際、担当者は、サーバ3から受信した鍵情報が記載された伝票を、商品とともに配達業者に託す。鍵情報は、二次元コード化されて、商品の外表面に記載されてもよい。または、鍵情報は、商店のコンピュータ21から配達業者のコンピュータ23に転送されて、コンピュータ23から、配達業者における配達担当者の通信端末(図示せず)に送信されてもよい。配達業者への配達の依頼が完了すると、その旨が、依頼完了通知として、コンピュータ21からサーバ3に送信されるので、サーバ3は、鍵情報を、配達先の保管装置2に送信する(ステップS4)。配達先の保管装置2の制御部11は、受信した鍵情報を記憶部8に記憶する。
【0045】
配達担当者は、鍵情報における配達先の位置情報に基づいて、荷物(
図4における荷物T)を、配達先の保管装置2まで搬送する(ステップS5)。ステップS5以降の処理は、
図2において説明した処理と同じである。すなわち、配達担当者は、鍵情報におけるパスコードを保管装置2に入力したうえで保管部4を解錠し、この保管部4に荷物を保管して扉(図示せず)を閉めることによって、商品の配達を完了する。その後、保管装置2の制御部11が生成した配達情報がサーバ3に送信されるので(ステップS6)、サーバ3の制御部17は、事前に登録された顧客の生体情報に基づいて認証情報を生成して(ステップS7)、当該保管装置2に返送する(ステップS8)。そして、制御部17は、配達情報を顧客の通信端末20に送信する(ステップS9)。
【0046】
配達情報を受信した顧客は、配達情報に含まれる配達先の位置情報に基づいて保管装置2まで出向き、前述したように少なくとも生体情報による認証(ステップS10)を経て、保管装置2から商品を受け取る。顧客に用事がある場合には、前述したように代理人の生体情報がサーバ3に急遽登録されて(ステップS100AまたはS100B)、保管装置2およびサーバ3の認証情報が更新される(ステップS7AおよびステップS8A)。この場合、代理人が、保管装置2まで出向いて生体情報による認証(ステップS10A)を経て、保管装置2から商品を受け取る。このような顧客または代理人による商品の受け取りが完了すると、保管装置2の制御部11は、完了通知をサーバ3に送信する(ステップS11)。
【0047】
保管装置2は、以上に説明したように配達業者または電子商店街によって管理されるのでなく、商店等の第三者によって管理されてもよい。保管装置2が第三者によって管理される場合には、セキュリティ対策のために、顧客による商品注文の取引の度に顧客や代理人の生体情報が登録され、取引完了の度に生体情報が物品受け渡しシステム1から削除されることが好ましい。
【0049】
また、前述した実施形態では、顧客による商品の注文から受け取りまでの1回の取引の流れにおいてやり取りされる各種の情報(発注情報等)は、どの取引に対応するかが分かるように顧客IDに紐付けられているが、例えば注文確定時や受注通知時に取引毎に割り当てられる取引コード等に紐付けられてもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 物品受け渡しシステム
2 保管装置
3 サーバ
4 保管部
5 ロック機構
7 取得部
11 制御部
15 通信I/F部
17 制御部
20 通信端末
22 通信端末