(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-12
(45)【発行日】2023-06-20
(54)【発明の名称】鋼製支保工とインバートコンクリートとの接続部構造
(51)【国際特許分類】
E21D 11/10 20060101AFI20230613BHJP
【FI】
E21D11/10 Z
(21)【出願番号】P 2019167199
(22)【出願日】2019-09-13
【審査請求日】2022-09-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000166432
【氏名又は名称】戸田建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104927
【氏名又は名称】和泉 久志
(72)【発明者】
【氏名】内藤 将史
(72)【発明者】
【氏名】辻川 泰人
【審査官】荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-138738(JP,A)
【文献】特開2018-127802(JP,A)
【文献】特開平11-303592(JP,A)
【文献】特開平09-195696(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21D 11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネルの掘削施工時に、トンネル長手方向に間隔をおいてトンネル周方向に沿って配置される鋼製支保工と、トンネルの底版側に打設されるインバートコンクリートとを接合するための接合部構造であって、
前記鋼製支保工の下端部から下方向に連続して補強連結部材を設けるとともに、前記補強連結部材は、前記鋼製支保工の下端部から延伸させた支保工延伸部材と、この支保工延伸部材のトンネル側の面に一体的に付設されるとともに、インバートコンクリートの背面に接触または埋設されるインバート連結部材と、これら支保工延伸部材とインバート連結部材との下端に設けられるベースプレートとを含み、
前記インバート連結部材のインバート当接面にインバートコンクリート内に埋設されるインバート一体化手段が設けられていることを特徴とする鋼製支保工とインバートコンクリートとの接続部構造。
【請求項2】
前記支保工延伸部材は、前記鋼製支保工と同断面形状の部材とし、前記鋼製支保工の下端部からトンネルの内方向側に折れ角を持って延伸させてある請求項1記載の鋼製支保工とインバートコンクリートとの接続部構造。
【請求項3】
前記インバート一体化手段は、L形鋼及び/又はジベルである請求項1、2いずれかに記載の鋼製支保工とインバートコンクリートとの接続部構造。
【請求項4】
前記インバート連結部材のインバート当接面の配向角度は、インバートコンクリートの背面の配向角度に近似させており、前記インバート連結部材の配設範囲内において少なくとも設計インバート厚が確保されている請求項1~3いずれかに記載の鋼製支保工とインバートコンクリートとの接続部構造。
【請求項5】
前記鋼製支保工と前記補強連結部材との接合部は、前記鋼製支保工の下端に設けたベースプレートと、前記補強連結部材の頂部に設けた継手板とを重ね合わせ、両者をボルト及びナットにより締結した構造としている請求項1~4いずれかに記載の鋼製支保工とインバートコンクリートとの接続部構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、山岳トンネルの掘削施工時における鋼製支保工とインバートコンクリートとの接続部構造の改良に係り、詳しくは鋼製支保工沈下の防止と支保工荷重のインバーコンクリートへの軸力伝達を可能とした接続部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、NATM工法に代表される山岳トンネル工事では、特に地山が軟質岩であったり、中硬岩であっても亀裂が発達している場合は、発破による掘削毎に、ロックボルトと吹付けコンクリートによる支保に併用して、トンネル長手方向に間隔をおいてトンネル周方向に沿って鋼製支保工を壁面に沿って建て込むことが行われている。
【0003】
一方、トンネルの底版側に打設されるインバートコンクリートは、その施工時期がインバートコンクリートに期待される力学的な効果が必要とされる時期やその程度は地山条件によって異なる。通常の場合は、インバートは特段早期に力学的効果が必要とされることはないが、トンネルの変形が長期に亘って継続するような場合や膨張性地山などにおいて掘削直後から大きな変形が生じるような場合や、更に地山が塑性化して過大な土圧が発生するような場合は、早期に前記鋼製支保工とインバートコンクリートとを結合し断面を閉合させることによりトンネルの剛性向上を図り、早期に変形を収束させる必要がある。
【0004】
従来から鋼製支保工50とインバートコンクリート51との接続部構造としては、
図6及び
図7に示されるように、インバートコンクリート51の両側端部において、背面側にコンクリート厚を増圧して鋼製支保工50の基端部を載せるようにした構造が専ら採用されていた。また、周方向の閉合構造を強化するために、
図8に示されるように、インバートコンクリート51の両側端部の背面側に更に増厚したコンクリート部分52を構築したりしていた。
【0005】
更に、下記特許文献1では、
図9に示されるように、鋼製支保工50の下端部にまるで基礎のような足付けコンクリート53を構築し、この足付けコンクリートの上面に鋼製支保工50の基端を載せるとともに、インバーコンクリート51の両端を前記足付けコンクリート53に接続した接続構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述した対策によって鋼製支保工50とインバートコンクリート51とを周方向に早期に閉合することができ、支保工全体の強度強化と沈下防止対策に対して所定の効果が見込めるようになる。
【0008】
しかしながら、
図6に示されるように、鋼製支保工50とインバートコンクリート51とは法線方向で接続されておらず屈曲しているため、鋼製支保工50に掛かる軸力が円滑に伝達されないという問題が依然として解決されないままであった。そのため、地山の変形量や押出し量の大きさによっては、鋼製支保工50の下端部のインバートコンクリートが破壊するおそれがあった。
【0009】
そこで本発明の主たる課題は、山岳トンネルの掘削施工時における鋼製支保工とインバートコンクリートとの接続部構造の改良に係り、鋼製支保工とインバートコンクリートとを周方向に閉合することにより支保工全体の強度強化と沈下防止を図ると同時に、支保工からの荷重(軸力)をインバートコンクリートに円滑に伝達し得る構造とすることにより支保工下端部におけるインバートコンクリートの破壊を未然に防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、トンネルの掘削施工時に、トンネル長手方向に間隔をおいてトンネル周方向に沿って配置される鋼製支保工と、トンネルの底版側に打設されるインバートコンクリートとを接合するための接合部構造であって、
前記鋼製支保工の下端部から下方向に連続して補強連結部材を設けるとともに、前記補強連結部材は、前記鋼製支保工の下端部から延伸させた支保工延伸部材と、この支保工延伸部材のトンネル側の面に一体的に付設されるとともに、インバートコンクリートの背面に接触または埋設されるインバート連結部材と、これら支保工延伸部材とインバート連結部材との下端に設けられるベースプレートとを含み、
前記インバート連結部材のインバート当接面にインバートコンクリート内に埋設されるインバート一体化手段が設けられていることを特徴とする鋼製支保工とインバートコンクリートとの接続部構造が提供される。
【0011】
上記請求項1記載の発明では、鋼製支保工の下端部から下方向に連続して補強連結部材が設けられる。この補強連結部材は、前記鋼製支保工の下端部から延伸させた支保工延伸部材と、この支保工延伸部材のトンネル側の面に一体的に付設されるとともに、インバートコンクリートの背面に接触または埋設されるインバート連結部材と、これら支保工延伸部材とインバート連結部材との下端に設けられるベースプレートとを含む構成とされ、前記インバート連結部材のインバート当接面にインバートコンクリート内に埋設されるインバート一体化手段が設けられている。
【0012】
従って、インバート掘削時には前記補強連結部材がしっかりと支保工荷重を支えるため、支保工の沈下を防止することができるため、インバートコンクリートの打設完了までのトンネル構造が安定化し、施工時の安全性が確保できるようになる。また、鋼製支保工とインバートコンクリートとが前記補強連結部材を介して閉合断面となることにより施工時の変形に対するトンネル構造の安定性が向上するようになる。供用後は、支保工、覆工及びインバートコンクリートで構成されたリング構造を形成し、トンネルの長期安定性が向上する。
【0013】
本発明では、特に前記支保工延伸部材のトンネル側の面に対して一体的に、インバートコンクリートの背面に接触または埋設されるインバート連結部材が設けられる。このインバート連結部材のインバート当接面にはインバートコンクリート内に埋設されるインバート一体化手段が設けられている。従って、支保工全体の強度強化と沈下防止を図ると同時に、支保工からの荷重(軸力)をインバートに伝達し得る構造となり、支保工下端部におけるインバートの破壊を未然に防止し得るようになる。
【0014】
請求項2に係る本発明として、前記支保工延伸部材は、前記鋼製支保工と同断面形状の部材とし、前記鋼製支保工の下端部からトンネルの内方向側に折れ角を持って延伸させてある請求項1記載の鋼製支保工とインバートコンクリートとの接続部構造が提供される。
【0015】
上記請求項2記載の発明は、前記支保工延伸部材の好適な態様を示したものである。具体的には、前記支保工延伸部材は、鋼製支保工からの軸力を円滑に伝達するため前記鋼製支保工と同断面形状の部材とする。また、前記インバート連結部材のインバート当接面がインバートコンクリートの背面に対して沿い易くするために、前記鋼製支保工の下端部からトンネルの内方向側に折れ角を持って延伸させるようにしている。
【0016】
請求項3に係る本発明として、前記インバート一体化手段は、L形鋼及び/又はジベルである請求項1、2いずれかに記載の鋼製支保工とインバートコンクリートとの接続部構造が提供される。
【0017】
上記請求項3記載の発明では、前記インバート一体化手段を具体的に例示したものである。具体的に、前記インバート一体化手段としては、例えばL形鋼及び/又はジベルを好適に用いることができる。
【0018】
請求項4に係る本発明として、前記インバート連結部材のインバート当接面の配向角度は、インバートコンクリートの背面の配向角度に近似させており、前記インバート連結部材の配設範囲内において少なくとも設計インバート厚が確保されている請求項1~3いずれかに記載の鋼製支保工とインバートコンクリートとの接続部構造が提供される。
【0019】
上記請求項4記載の発明では、前記インバート連結部材の好適な配置態様を規定したものである。具体的には、前記インバート連結部材のインバート当接面の配向角度は、インバートコンクリートの背面の配向角度に近似させるようにし、少なくとも前記インバート連結部材の配設範囲内において設計インバート厚が確保されるようにすることが望ましい。
【0020】
請求項5に係る本発明として、前記鋼製支保工と前記補強連結部材との接合部は、前記鋼製支保工の下端に設けたベースプレートと、前記補強連結部材の頂部に設けた継手板とを重ね合わせ、両者をボルト及びナットにより締結した構造としている請求項1~4いずれかに記載の鋼製支保工とインバートコンクリートとの接続部構造が提供される。
【0021】
上記請求項5記載の発明は、前記鋼製支保工と前記補強連結部材との接合部構造例を規定したものである。具体的には、前記鋼製支保工の下端に設けたベースプレートと、前記補強連結部材の頂部に設けた継手板とを重ね合わせ、両者をボルト及びナットにより締結した構造とするのが望ましい。
【発明の効果】
【0022】
以上詳説のとおり本発明によれば、山岳トンネルの掘削施工時における鋼製支保工とインバートコンクリートとの接続部構造の改良に係り、鋼製支保工とインバートコンクリートとを周方向に閉合することにより支保工全体の強度強化と沈下防止を図ると同時に、支保工からの荷重(軸力)をインバートコンクリートに円滑に伝達し得る構造とすることにより支保工下端部におけるインバートコンクリートの破壊を未然に防止できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明に係る鋼製支保工2とインバートコンクリート3との接続部構造を示すトンネル横断面図である。
【
図3】本発明に係る補強連結部材4を示す、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は(B)のC-C断面図である。
【
図4】本発明に係る補強連結部材4の施工要領を示す、(A)は断面図、(B)は正面図である。
【
図5】補強連結部材4の変形例を示す、(A)は正面図、(B)は側面図である。
【
図6】従来の鋼製支保工50とインバートコンクリート51との接続部構造を示すトンネル横断面図である。
【
図8】鋼製支保工50とインバートコンクリート51との接続部補強例(その1)である。
【
図9】鋼製支保工50とインバートコンクリート51との接続部補強例(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
【0025】
図1は、山岳トンネル1の掘削施工時に、下半切羽後方において、トンネル長手方向に間隔をおいてトンネル周方向に沿って配置される鋼製支保工2と、トンネルの底版に打設されるインバートコンクリート3とを早期に閉合させることにより環状の構造体を構築し、長期的に想定される土圧や、水圧等に対する耐荷能力を付加し構造的な安定性を向上させるようにしたものである。
【0026】
前記鋼製支保工2と前記インバートコンクリート2とを接合するに当たって、詳細には
図2に示されるように、前記鋼製支保工2の下端部から下方向に連続するとともに、前記インバートコンクリート3の端部背面位置に補強連結部材4を設け、この補強連結部材4によって前記鋼製支保工2とインバートコンクリート3との接合するようにしている。前記補強連結部材4によれば、支保工全体の強度強化と沈下防止を図ると同時に、支保工からの荷重(軸力)をインバートに伝達し得る構造となり、支保工下端部におけるインバートの破壊を未然に防止し得るようになる。なお、前記鋼製支保工2のトンネル内空側には、掘削に遅れて覆工コンクリート5が打設されることにより、覆工コンクリート5とインバートコンクリートとにより環状に連続したコンクリート構造体が構築されることになる。
【0027】
前記補強連結部材4は、詳細には
図3に示されるように、前記鋼製支保工2と略同断面形状の部材を前記鋼製支保工2の下端部からトンネルの内方向側に折れ角を持って延伸させた支保工延伸部材6と、この支保工延伸部材6のトンネル側の面に一体的に付設されるとともに、インバートコンクリート3の背面に接触または埋設されるインバート連結部材7と、これら支保工延伸部材6とインバート連結部材7との下端に設けられるベースプレート9とを含み、前記インバート連結部材7のインバート当接面にインバートコンクリート3内に埋設されるインバート一体化手段8が設けられているものである。
【0028】
以下、前記補強連結部材4について更に具体的に詳述する。
【0029】
前記支保工延伸部材6は、同
図3に示されるように、前記鋼製支保工2と略同断面形状の部材とされ、前記鋼製支保工2の下端部からトンネルの内方向側に折れ角を持って延伸させた部材である。前記鋼製支保工2としては一般的にH形鋼が用いられている。従って、前記支保工延伸部材6としては同断面のH形鋼が好適に用いられる。前記支保工延伸部材6は、前記鋼製支保工2に作用する軸力を伝達する部材であるため、同断面形状とすることにより軸力を効率的に伝達することが可能になる。
【0030】
前記鋼製支保工2とインバートコンクリート3とは法線方向で接続されておらず、接合部で小さな曲率半径の円弧状線を介在させることによって大きく屈曲した形状となっている。従って、前記支保工延伸部材6についても、軸力の伝達を円滑に行いながらインバートコンクリート3にも沿うようにするため前記鋼製支保工2の下端部からトンネルの内方向側に折れ角αを持って延伸させている。前記鋼製支保工2の延伸方向に対するトンネルの内方向側への折れ角αとしては、概ね10~25°、好ましくは15~20°程度とするのが望ましい。
【0031】
前記インバート連結部材7は、前記支保工延伸部材6のトンネル側の面に一体的に付設される。具体的には同
図3に示されるように、断面略T字状の部材が用いられ、ウエブ(T字状の縦方向部材)の長さが頂部から底部にかけて漸次大きくすることにより、側面形状で略三角形状をなすようになっている。これによって、インバートコンクリート2側の面(インバート当接面7A)がインバートコンクリート3の背面に対して沿う形状とすることができ、インバートコンクリート3の背面に接触または埋設することができる。
【0032】
前記インバート連結部材7のインバート当接面7Aに、インバートコンクリート3内に埋設されるインバート一体化手段8が設けられている。このインバート一体化手段8としては、本形態例ではL形鋼(等辺又は不等辺)が用いられ、片側の辺が溶接等によってインバート当接面7Aに固設されている。このインバート一体化手段8は図示例のように、上下方向に多段状に複数配置とすることが望ましい。図示例では上下方向に4段配置としている。
【0033】
前記支保工延伸部材6と前記インバート連結部材7との上部には水平配向の継手板10が設けられ、下端部には水平配向のベースプレート9が設けられている。
【0034】
前記インバート連結部材7のインバート当接面7Aの配向角度θ(水平線からの角度θ)は、インバートコンクリート3の背面の配向角度に近似させていることは望ましく、
図2に示される前記インバート連結部材7の配設範囲S内において、インバートコンクリート3の厚みTは少なくとも設計インバート厚が確保されていることが望ましい。
【0035】
前記補強連結部材4と前記鋼製支保工2との接合部は、前記鋼製支保工2の下端に設けたベースプレート2Aと、前記補強連結部材4の頂部に設けた継手板10とを重ね合わせ、両者をボルト及びナット11により締結した構造としている。
【0036】
ところで、前記補強連結部材4の設置に当たっては、
図4に示されるように、鋼製支保工2の設置時に、これに併せて鋼製支保工2の下端部に連続して補強連結部材4を設置することが望ましい。実際には、下半盤から補強連結部材4を設置できるように地盤掘削(H)を行い、鋼製支保工2の設置と同時に補強連結部材4を設置するようにする。これにより、インバート掘削時に鋼製支保工2全体の沈下を未然に防止できるようになる。
【0037】
〔他の形態例〕
(1)上記形態例において、前記支保工延伸部材6は、前記鋼製支保工2と同断面形状の部材を前記鋼製支保工2の下端部からトンネルの内方向側に折れ角を持って延伸させるようにしたが、前記鋼製支保工2からの軸力を円滑に伝達できるならば、異なる断面の部材とすることも可能である。また、折れ角を持たせず前記鋼製支保工2を真っ直ぐに伸ばした線状位置に配置することも可能である。
【0038】
(2)上記形態例では、インバート一体化手段8としてL形鋼が用いたが、
図5に示されるように、これと共に、或いはこれに代えてジベル12を用いるようにしても良い。
【0039】
(3)上記形態例では、前記支保工延伸部材6と前記インバート連結部材7の上部には水平配向の継手板10が設けたが、これを省略して、鋼製支保工2をそのまま延伸させるようにしてもよいし、鋼製支保工2の下端部に直接的に前記支保工延伸部材6を溶接等により接合することも可能である。また、
図1に示されるように、通常、スプリングラインSLにて上半鋼製支保工2Aと下半鋼製支保工2Bとが接合されることが多いが、前記支保工延伸部材6を前記下半鋼製支保工2Bと一体とした構造とすることも可能である。
【符号の説明】
【0040】
1…山岳トンネル、2…鋼製支保工、3…インバートコンクリート、4…補強連結部材、5…覆工コンクリート、6…支保工延伸部材、7…インバート連結部材、7A…インバート当接面、8…インバート一体化手段、9…ベースプレート、10…継手板、11…ボルト及びナット、12…ジベル