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特許7295000光コネクタアダプタ用キャップおよび光コネクタアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-12
(45)【発行日】2023-06-20
(54)【発明の名称】光コネクタアダプタ用キャップおよび光コネクタアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/36 20060101AFI20230613BHJP
【FI】
G02B6/36
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019220390
(22)【出願日】2019-12-05
(65)【公開番号】P2021089384
(43)【公開日】2021-06-10
【審査請求日】2022-08-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000110309
【氏名又は名称】住友電工オプティフロンティア株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000231936
【氏名又は名称】日本通信電材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 貴洋
(72)【発明者】
【氏名】為國 芳享
(72)【発明者】
【氏名】西岡 大造
(72)【発明者】
【氏名】木村 元佳
【審査官】堀部 修平
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-156014(JP,A)
【文献】中国実用新案第204203503(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2017/0264042(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0302997(US,A1)
【文献】特開2019-095498(JP,A)
【文献】中国実用新案第203133325(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一面と、前記第一面とは反対側にある第二面と、を有するベース部と、
前記ベース部の前記第一面から突出して形成された把持部と、
前記ベース部の前記第二面から突出し、光コネクタアダプタと嵌合するように構成された嵌合部と、を備える光コネクタアダプタ用キャップであって、
前記第二面は、前記嵌合部の外側であって、前記光コネクタアダプタと前記光コネクタアダプタ用キャップとが互いに接触する接触面を含み、
前記ベース部の前記第二面から突出して形成されるとともに前記ベース部の外周全周に亘って形成され、前記接触面を前記ベース部の外周から囲うカバー部、を備え
前記カバー部は、前記光コネクタアダプタの開口縁の外周を囲うように構成されている、光コネクタアダプタ用キャップ。
【請求項2】
前記カバー部は、前記嵌合部と前記カバー部の間に前記光コネクタアダプタを挟むように形成されている、請求項1に記載の光コネクタアダプタ用キャップ。
【請求項3】
前記カバー部の前記第二面からの高さは、前記嵌合部の前記第二面からの高さよりも低い、請求項1または請求項に記載の光コネクタアダプタ用キャップ。
【請求項4】
前記嵌合部は、前記光コネクタアダプタと嵌合するとともに前記光コネクタアダプタの前記開口縁の内周面に接触するように構成されたリブ部を備え、
前記リブ部は前記嵌合部の周囲を囲うように構成されており、
前記リブ部の前記第二面からの高さは、前記ベース部の中央部分に、前記ベース部の前記第二面から突出して形成されている前記嵌合部の前記第二面からの高さよりも低い、請求項1から請求項の何れか一項に記載の光コネクタアダプタ用キャップ。
【請求項5】
前記光コネクタアダプタ用キャップは、前記カバー部と前記嵌合部の間に、前記光コネクタアダプタの側方に接触可能な、少なくとも一つの爪部を備える、請求項1から請求項の何れか一項に記載の光コネクタアダプタ用キャップ。
【請求項6】
前記爪部は、前記カバー部に設けられ、前記カバー部から前記嵌合部に向かって突出している、請求項に記載の光コネクタアダプタ用キャップ。
【請求項7】
前記カバー部は長方形状であり、
前記爪部は、前記カバー部の少なくとも一の短辺に設けられる、請求項または請求項に記載の光コネクタアダプタ用キャップ。
【請求項8】
前記光コネクタアダプタ用キャップは、複数の爪部を備え、
前記カバー部の各短辺にそれぞれ、少なくとも1つの前記爪部が設けられる、請求項に記載の光コネクタアダプタ用キャップ。
【請求項9】
光コネクタアダプタと、
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の光コネクタアダプタ用キャップと、を備える光コネクタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光コネクタアダプタ用キャップおよび光コネクタアダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
光コネクタアダプタの保護部材として、光コネクタアダプタ用キャップがある(特許文献1および特許文献2)。弾性部材で構成されたキャップもある(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】意匠登録第1256731号
【文献】米国意匠登録D572661
【文献】意匠登録第1533618号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1から特許文献3では光コネクタアダプタへの着脱の観点で、光コネクタアダプタ用キャップは、光コネクタアダプタと光コネクタアダプタ用キャップの間にわずかな隙間が形成されるように構成されている。しかし当該隙間が形成されるため、光コネクタアダプタ用キャップの防塵性が低かった。
【0005】
本開示は、防塵性に優れた光コネクタアダプタ用キャップおよび光コネクタアダプタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第一面と、前記第一面とは反対側にある第二面と、を有するベース部と、
前記ベース部の前記第一面から突出して形成された把持部と、
前記ベース部の前記第二面から突出し、光コネクタアダプタと嵌合するように構成された嵌合部と、を備える光コネクタアダプタ用キャップであって、
前記第二面は、前記光コネクタアダプタと前記光コネクタアダプタ用キャップとが互いに接触する接触面を含み、
前記ベース部の外周全周に亘って形成され、前記接触面を前記ベース部の外周から囲うカバー部、を備える光コネクタアダプタ用キャップ。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、カバー部が、ベース部の外周全周に亘って、光コネクタアダプタと光コネクタアダプタ用キャップの接触面をベース部の外周から囲うように形成されるため、光コネクタアダプタと光コネクタアダプタ用キャップの間の隙間がカバー部によって覆われ、光コネクタアダプタ用キャップの防塵性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本開示の一形態に係る光コネクタアダプタ用キャップと光コネクタアダプタの嵌合状態を示す斜視図である。
図2図2は、光コネクタアダプタ用キャップと光コネクタアダプタの分解斜視図である。
図3図3は、光コネクタアダプタ用キャップの下方斜視図である。
図4図4は、光コネクタアダプタ用キャップの底面図である。
図5図5は、光コネクタアダプタと光コネクタアダプタ用キャップの嵌合状態を示す平面図と断面図である。
図6図6は、光コネクタアダプタ用キャップが光コネクタアダプタに対して傾斜した状態で嵌合する状態を示す平面図と断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(本開示の一形態の説明)
まず本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の一態様に係る光コネクタアダプタ用キャップは、
(1)第一面と、前記第一面とは反対側にある第二面と、を有するベース部と、
前記ベース部の前記第一面から突出して形成された把持部と、
前記ベース部の前記第二面から突出し、光コネクタアダプタと嵌合するように構成された嵌合部と、を備える光コネクタアダプタ用キャップであって、
前記第二面は、前記光コネクタアダプタと前記光コネクタアダプタ用キャップとが互いに接触する接触面を含み、
前記光コネクタアダプタ用キャップは、前記ベース部の外周全周に亘って形成され、前記接触面を前記ベース部の外周から囲うカバー部、を備える。
以降、光コネクタアダプタ用キャップは、「キャップ」と称する。本開示によれば、カバー部が、ベース部の外周全周に亘って、光コネクタアダプタとキャップの接触面をベース部の外周から囲うように形成されるため、光コネクタアダプタの端部とキャップの間との隙間がカバー部によって覆われ、キャップの防塵性を向上させることができる。
【0010】
(2)前記カバー部は前記ベース部の前記第二面から突出して形成されてもよい。
本開示によれば、カバー部が第二面から突出して形成されているため、光コネクタアダプタ端部とキャップの間の隙間がカバー部によって確実に覆われ、キャップの防塵性を向上させることができる。
把持部に対して外力が加わり、光コネクタアダプタに嵌合しているキャップが光コネクタアダプタに対して多少傾くことがある。また、キャップがゴムなどの弾性部材で構成されている場合、当該キャップは変形しやすく、光コネクタアダプタから容易に脱落することがある。しかし本開示によれば、カバー部が第二面から突出して形成されているため、キャップのカバー部の突出部分が光コネクタアダプタに当たり、キャップが光コネクタアダプタから簡単には脱落しないようにすることができる。
【0011】
(3)前記カバー部は、前記嵌合部と前記カバー部の間に前記光コネクタアダプタを挟むように形成されてもよい。
光コネクタアダプタが嵌合部及びカバー部とで挟まれるため、嵌合部及びカバー部の両方が光コネクタアダプタに当接可能であり、光コネクタアダプタ端部とキャップの間の隙間がより確実に覆われ、キャップの防塵性を向上させることができる。また、キャップが光コネクタアダプタから簡単には脱落しないようにすることができる。
【0012】
(4)前記カバー部の前記第二面からの高さは、前記嵌合部の前記第二面からの高さよりも低くてもよい。
キャップが光コネクタアダプタと嵌合する際に、キャップと光コネクタアダプタとが互いに擦れることで、キャップの内部で発塵することがある。しかし本開示によれば、カバー部の高さは嵌合部の高さよりも低いため、カバー部と光アダプタコネクタの接触部分は嵌合部と光コネクタアダプタの接触部分よりも小さく、カバー部での発塵を防ぐことができる。
【0013】
(5)前記嵌合部は、前記光コネクタアダプタと嵌合するように構成されたリブ部を備え、
前記リブ部の前記第二面からの高さは、前記嵌合部の前記第二面からの高さよりも低くてもよい。
本開示によれば、リブ部の高さは嵌合部の高さよりも低いため、リブ部と光アダプタコネクタの接触部分を減らし、リブ部での発塵を防ぐことができる。さらにカバー部によってキャップが光コネクタアダプタから簡単には脱落しないようにしつつ、リブ部と光アダプタコネクタの接触部分を小さくして、光コネクタアダプタとキャップの着脱性を向上することができる。
【0014】
(6)前記光コネクタアダプタ用キャップは、前記カバー部と前記嵌合部の間に、前記光コネクタアダプタの側方に接触可能な、少なくとも一つの爪部を備えてもよい。
本開示によれば、キャップが光コネクタアダプタの側方に接触可能爪部を備えるため、光コネクタアダプタの側方における、光コネクタアダプタ端部とキャップの間の隙間を爪部によって小さくして、キャップが光コネクタアダプタから簡単には脱落しないようにすることができる。
【0015】
(7)前記爪部は、前記カバー部に設けられ、前記カバー部から前記嵌合部に向かって突出してもよい。
本開示によれば、爪部はカバー部から嵌合部に向かって突出しているため、光コネクタアダプタはキャップのカバー部の内面の全面とは擦れず、嵌合部やカバー部内面の一部と摺れ、カバー部での発塵を少なくすることができる。爪部は嵌合部に設けられてもよいが、爪部はカバー部に設けられた方が好ましい。ベースの外周に設けられているカバー部に爪部がある場合の方が、光コネクタアダプタと嵌合する嵌合部に爪部がある場合と比較して、キャップは光コネクタアダプタの外面でより強固に接触するため、光コネクタアダプタへの発塵の影響がより少ないためである。
【0016】
(8)前記カバー部は長方形状であり、
前記爪部は、前記カバー部の少なくとも一の短辺に設けられてもよい。
カバー部が長方形状の場合、カバー部の長辺に沿った方向における光アダプタコネクタとキャップとの緩みは、カバー部の短辺に沿った方向における光アダプタコネクタとキャップとの緩みよりも大きい。しかし本開示によれば、爪部がカバー部の短辺に設けられるため、カバー部の長辺に沿った方向における光アダプタコネクタとキャップとの緩みを抑えることができる。
【0017】
(9)前記光コネクタアダプタ用キャップは、複数の爪部を備え、
前記カバー部の各短辺にそれぞれ、少なくとも1つの爪部が設けられてもよい。
本開示によれば、両方の短辺から爪部が光アダプタコネクタと接触するため、カバー部の長辺に沿った方向における光アダプタコネクタとキャップとの緩みを抑えることができる。
【0018】
(10) 光コネクタアダプタと、前記光コネクタアダプタ用キャップと、を備える光コネクタアセンブリ。
本開示によれば、光コネクタアダプタ端部とキャップの間の隙間がカバー部によって覆われるため、光コネクタアセンブリの防塵性を向上させることができる。
【0019】
(本開示の一形態の詳細)
本開示の一形態に係るコネクタアダプタ用キャップ及び光コネクタアセンブリの具体例を、図面を参照しつつ説明する。
なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0020】
図1及び図2は、本開示の一形態に係る光コネクタアセンブリ1の一例を示す斜視図である。図1及び図2に示されるように、光コネクタアセンブリ1は光コネクタアダプタ用キャップ10と、光コネクタアダプタ20を備える。以降、光コネクタ用キャップ10は「キャップ10」と称する。図1は、キャップ10と光コネクタアダプタ20とが互いに嵌合した状態を示す斜視図である。図2は、キャップ10と光コネクタアダプタ20とが互いに嵌合していない状態を示す分解斜視図である。
【0021】
図1及び図2において、Fはキャップ10が光コネクタアダプタ20に嵌合する方向を示す。本形態では、F方向におけるキャップ10側を「上側」、光アダプタコネクタ20側を「下側」とする。
【0022】
光コネクタアダプタ20は、MPOケーブル等のケーブルの端部あるいは光ファイバの端部に接続された光コネクタプラグが挿入されるように構成されたアダプタである。光コネクタアダプタ20は、例えばMPOカセットに複数設けられてもよい。光ファイバやケーブルが光コネクタアダプタ20に挿入されていないとき、特に光コネクタアダプタ20の未使用時には、光コネクタアダプタ20の内部へ埃や塵などが入り込まないように、光コネクタアダプタ20の開口を覆うことがある。本形態においては、光コネクタアダプタ20とは別部材であるキャップ10が、光コネクタアダプタ20の開口に嵌め込まれるよう構成されている。具体的には図1及び図2に示すように、キャップ10は光コネクタアダプタ20の開口縁21に嵌合するように構成されている。
【0023】
キャップ10の材質は特に限定されないが、ゴムなどの弾性部材よりも硬い、合成樹脂で形成されることが好ましい。キャップ10が弾性部材で形成される場合には、キャップ10は弾性的に変形しやすいため光アダプタコネクタ20から容易に脱落することがある。しかしキャップ10が弾性部材よりも硬い、合成樹脂で形成される場合には、キャップ10が変形しにくいため光アダプタコネクタ20から容易には脱落しないようにすることができる。
【0024】
図3は、キャップ10の下方斜視図を示す。図4はキャップ10の底面図を示す。図3及び図4に示すように、キャップ10は、キャップ10の基台となるベース部11と、把持部12と、光コネクタアダプタ20に嵌合するように構成された嵌合部13と、カバー部14とを備える。
【0025】
キャップ10のベース部11は、キャップ10の基台となるように構成された部材であり、第一面11Aと、第一面11Aとは反対側にある第二面11Bを有する。ベース部11の形状は、特には限定されず、ベース部11の第二面11Bが光コネクタアダプタ20の開口を覆うように構成されていればよい。
【0026】
第二面11Bには、光コネクタアダプタ20とキャップ10とが互いに接触する接触面11Cが含まれる。より具体的には、キャップ10と光コネクタアダプタ20とが互いに嵌合するとき、光コネクタアダプタ20の開口縁21と、キャップ10の第二面11Bとが互いに接触する部分が接触面11Cとなる。
【0027】
把持部12は、ベース部11の第一面11Aから突出して形成されている。把持部12は、使用者が例えばキャップ10を光アダプタコネクタ20へ装着あるいは光コネクタアダプタ20から取り外すときに、使用者がキャップ10を扱いやすいように構成された突起部分である。ベース部11に対する把持部12の位置は特に限定されないが、キャップ10の着脱時の安定性の観点で、把持部12はベース部11の第一面11Aの中央部分から突出していることが好ましい。把持部12の形状は、特に限定されない。また本形態では、使用者が把持部12を摘みやすいように把持部12の先端部分に球体が一体的に形成されているが、これに限定されない。
【0028】
嵌合部13は、ベース部11の中央部分に、ベース部11の第二面11Bから突出して形成されている。嵌合部13の形状は特に限定されず、光コネクタアダプタ20に嵌合するように構成された形状であればよい。ベース部11に対する嵌合部13の位置も、光コネクタアダプタ20と嵌合するように構成された位置であれば、必ずしもベース部11の中央部分である必要はない。本形態においては、嵌合部13はベース部11と一体的に形成されているが、ベース部11とは別の部材で構成されても良い。
【0029】
嵌合部13は、ベース部11の第二面11Bから突出して形成され、光コネクタアダプタ20と嵌合するように構成されたリブ部13Aを備える。リブ部13Aの形状は特に限定されず、光コネクタアダプタ20に嵌合するように構成された形状であればよい。本形態においては、リブ部13Aは光アダプタコネクタ20の開口縁21の内周面に接触するように構成されている。また、リブ部13Aは嵌合部13の周囲を囲うように構成されている。リブ部13Aが設けられることで、本形態は光アダプタコネクタ20に対するキャップ10の装着性を向上させるとともに、ベース部11に対する嵌合部13の強度を補強することができる。
【0030】
次にカバー部14について説明する。図5は、キャップ10が光コネクタアダプタ20に嵌合する方向に対して垂直な断面視における、キャップ10が光コネクタアダプタ20に対して嵌合した状態を示す平面図と、当該平面図のA-Aにおける断面図である。図6は、キャップ10が光コネクタアダプタ20に対して傾斜した状態で嵌合した状態を示す平面図と、当該平面図の断面図である。
【0031】
カバー部14は、ベース部11の外周全周に亘って形成されている。さらにカバー部14は、接触面11Cをベース部11の外周から囲うように構成されている。言い換えると、カバー部14は、光アダプタコネクタ20の開口縁21の外周を囲うように構成されている。一般的なキャップは、光コネクタアダプタへの着脱の観点で、キャップと光コネクタアダプタの間にわずかな隙間が形成されるように構成されている。当該隙間は、キャップの防塵性の観点で改善の余地があった。本形態によれば、図5に示すように、カバー部14が光コネクタアダプタ20とキャップ10との接触面11Cをベース部11の外周から囲うように形成されるため、光コネクタアダプタ20とキャップ10の間の隙間がカバー部14によって覆われ、キャップ10の防塵性を向上させることができる。
【0032】
本形態において、カバー部14はベース部11の第二面11Bから突出して形成されている。カバー部14が、第二面11Bから突出して形成されるとともに光コネクタアダプタ20とキャップ10との接触面11Cを囲うように形成されるため、光コネクタアダプタ20とキャップ10の間の隙間がカバー部14の突出部分によって確実に覆われ、キャップ10の防塵性をより向上させることができる。
【0033】
また、把持部12に対して外力が加わった場合、光コネクタアダプタ20に嵌合しているキャップ10が光コネクタアダプタ20に対して多少傾くことがある。図6のように、キャップ10が光コネクタアダプタ20に対して傾いている場合、キャップ10が光コネクタアダプタ20から容易に脱落するおそれがあった。しかし本形態においては、カバー部14が第二面11Bから突出して形成されているため、キャップ10のカバー部14の突出部分が光コネクタアダプタ20に当たり、キャップ10が光コネクタアダプタ20から簡単には脱落しないようにすることができる。
【0034】
本形態では、カバー部14は、嵌合部13とカバー部14の間に光アダプタコネクタ20を挟むように形成されている。より詳細には、カバー部14は、嵌合部13のリブ部13Aとカバー部14の間に光アダプタコネクタ20を挟むように形成されている。キャップ10と光コネクタアダプタ20とが嵌合するとき、光コネクタアダプタ20が嵌合部13のリブ部13Aとカバー部14とによって挟まれるため、嵌合部13のリブ部13Aとカバー部14の両方が光コネクタアダプタ20に当接する。このため本形態によれば、キャップ10が光コネクタアダプタ20から簡単には脱落しないようにすることができる。
【0035】
光コネクタアダプタ20が嵌合部13のリブ部13Aとカバー部14とによって挟まれるとき、光コネクタアダプタ20の開口縁21は、カバー部14と、ベース部11(接触面11C)と、嵌合部13のリブ部13Aとによって囲われる。言い換えると、図5及び図6に示すように、光コネクタアダプタ20の開口縁21の外周、接触面11C側の面及び内周の3か所がキャップ10により囲われる。このため本形態によればキャップ10の防塵性を向上するとともに、キャップ10が光コネクタアダプタ20から簡単には脱落しないようにすることができる。
【0036】
カバー部14の第二面11Bからの高さH1は、嵌合部13の第二面11Bからの高さH2よりも低い。キャップ10が光コネクタアダプタ20と嵌合するとき、キャップ10と光コネクタアダプタ20とが互いに擦れることで、キャップ10の内部で発塵することがある。しかし本形態によれば、カバー部14の高さH1は嵌合部13の高さH2よりも低いため、カバー部14と光アダプタコネクタ20の接触部分は嵌合部13と光コネクタアダプタ20の接触部分よりも小さく、カバー部14での発塵を防ぐことができる。
【0037】
リブ部13Aの第二面11Bからの高さH3は、嵌合部13の第二面11Bからの高さH2よりも低いことが好ましい。リブ部13Aの高さH3が嵌合部13の高さH2よりも低い場合、リブ部13Aと光アダプタコネクタ20の接触部分を減らし、リブ部13Aでの発塵を防ぐことができる。
【0038】
カバー部14の第二面11Bからの高さH1は、リブ部13Aの第二面11Bからの高さH3と同じであることが好ましい。カバー部14の高さH1とリブ部13Aの高さH3が同じであるため、キャップ10の内部での発塵を抑制しつつ、光アダプタコネクタ20に対するキャップ10の着脱性を向上することができる。
【0039】
キャップ10は、カバー部14と嵌合部13との間に、光コネクタアダプタ20の側方に接触可能な、少なくとも一つの爪部15を備えている。より詳細には、爪部15は、光コネクタアダプタ20の開口縁21の外周あるいは内周の少なくともいずれか一方に接触するように構成されている。本形態では、爪部15によって光コネクタアダプタ20の開口縁21とキャップ10との間の隙間を小さくして、キャップ10が光コネクタアダプタ20から簡単には脱落しないようにすることができる。
【0040】
爪部15は、カバー部14に設けられ、カバー部14から嵌合部13へ向かって突出するように形成されている。この場合、爪部15は光アダプタコネクタ20の開口縁21の外周に接触するように構成されている。爪部15がカバー部14から嵌合部13に向かって突出しているため、光コネクタアダプタ20はキャップ10のカバー部14の内面の全面とは擦れずに、嵌合部13やカバー部14の内面の一部と摺れ、カバー部14内での発塵を少なくすることができる。
【0041】
爪部15は嵌合部13に設けられ、嵌合部13からカバー部14へ向かって突出されて形成されても良い。この場合、爪部15は光アダプタコネクタ20の開口縁21の内周に接触するように構成されている。ただし発塵抑制の観点では、爪部15はカバー部14に設けられた方が好ましい。ベース部11の外周に設けられているカバー部14に爪部15がある場合の方が、光コネクタアダプタ20と嵌合する嵌合部13に爪部15がある場合と比較して、キャップ10は光コネクタアダプタ20の開口縁21の外面でより強固に接触するため、光コネクタアダプタ20への発塵の影響がより少ないためである。言い換えると、爪部15がカバー部14に設けられて、光アダプタコネクタ20の開口縁21の外周に接触する場合の方が、爪部15が嵌合部13に設けられて、光アダプタコネクタ20の開口縁21の内周に接触する場合と比較して、光コネクタアダプタ20への発塵の影響がより少ないためである。
【0042】
カバー部14の形状は長方形状であってもよい。カバー部14が長方形状である場合、爪部15はカバー部14の少なくとも一の短辺に設けられることが好ましい。カバー部14が長方形状の場合、カバー部14の長辺に沿った方向における光アダプタコネクタ20とキャップ10との緩みは、カバー部14の短辺に沿った方向における光アダプタコネクタ20とキャップ10との緩みよりも大きい。本形態では、爪部15がカバー部14の短辺に設けられるため、カバー部14の長辺に沿った方向における光アダプタコネクタ20とキャップ10との緩みを抑えることができる。
【0043】
キャップ10は複数の爪部15を備える。本形態においては、4つの爪部15が設けられているが、爪部15の数は限定されない。複数の爪部15のうち、少なくとも一つの爪部15は、カバー部14の各短辺にそれぞれ設けられることが好ましい。両方の短辺から爪部15が光アダプタコネクタ20と接触するため、カバー部14の長辺に沿った方向における光アダプタコネクタ20とキャップ10との緩みを抑えることができるためである。
【0044】
以上、本開示を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本開示の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。また、上記説明した構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本開示を実施する上で好適な数、位置、形状等に変更することができる。
【符号の説明】
【0045】
1:光コネクタアセンブリ
10:光コネクタアダプタ用キャップ(キャップ)
11:ベース部
11A:第一面
11B:第二面
11C:接触面
12:把持部
13:嵌合部
13A:リブ部
14:カバー部
15:爪部
20:光コネクタアダプタ
21:開口縁
図1
図2
図3
図4
図5
図6