(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-12
(45)【発行日】2023-06-20
(54)【発明の名称】トウ繊維及び可動ストリップを有するシート
(51)【国際特許分類】
A47L 13/16 20060101AFI20230613BHJP
A47L 13/20 20060101ALI20230613BHJP
【FI】
A47L13/16 A
A47L13/20 B
(21)【出願番号】P 2019554406
(86)(22)【出願日】2018-04-05
(86)【国際出願番号】 US2018026216
(87)【国際公開番号】W WO2018187544
(87)【国際公開日】2018-10-11
【審査請求日】2019-10-01
【審判番号】
【審判請求日】2021-12-28
(32)【優先日】2017-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(72)【発明者】
【氏名】ポリチッチオ、ニコラ・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ハストン、ラリー・エル
【合議体】
【審判長】佐々木 芳枝
【審判官】柿崎 拓
【審判官】五十嵐 康弘
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/161235(WO,A1)
【文献】特表2009-532095(JP,A)
【文献】特表2007-535362(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0037993(US,A1)
【文献】特開2011-161274(JP,A)
【文献】特開平11-276402(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L13/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向軸LAを有し、標的表面を掃除するための掃除用品10であって、
複数のストリップ17を含む掃除ストリップ要素25であって、各ストリップが、それぞれの近位端からそこから遠く離れたそれぞれの遠位端まで延在し、前記掃除ストリップ要素25が、第1の表面及びそれに対向する第2の表面を有する、掃除ストリップ要素25と、
前記掃除ストリップ要素25の前記第1の表面に接合されたトウ繊維束29であって、前記トウ繊維束29が、前記ストリップ17に対して略横断するように配向されている、トウ繊維束29と、を備え、
前記掃除ストリップ要素25は、
前記トウ繊維束29が接合された前記第1の表面に近づくほど減少する幅を有する、蛇行状に折り重ねられた部材を有し、
前記掃除ストリップ要素は、複数の幅を有する複数の層を含み、
前記トウ繊維束29は、前記長手方向軸LAに近づくにつれて、厚さが増加し、
前記トウ繊維束29は、前記掃除用品10の前記長手方向軸LAが、前記標的表面から持ち上がるように、前記掃除ストリップ要素25の平面から広がって外方に突出し、
前記トウ繊維束29は、掃除中に、前記標的表面に直接接触させるのに好適であり、直接接触させるように配置される、掃除用品10。
【請求項2】
長手方向軸LAと、そこから外方に延在する2列の互いに対向するストリップ17と、を有し、前記掃除用品10が、略長方形であり、かつ2つの対向するより短い側部22と交互に配置された2つの対向するより長い側部20を有し、前記ストリップ17が、前記掃除用品10の前記より短い側部22と略整列されている、請求項1に記載の掃除用品10。
【請求項3】
長手方向軸LAと、そこから外方に延在する2列の互いに対向するストリップ17と、を有し、前記掃除用品10が、略長方形であり、かつ2つの対向するより短い側部22と交互に配置された2つの対向するより長い側部20を有し、前記
トウ繊維束が、前記長手方向全体にわたって断続的に結合されている、請求項1
又は2に記載の掃除用品10。
【請求項4】
長手方向軸LAと、そこから外方に延在する2列の互いに対向するストリップ17と、を有し、前記掃除用品10が、略長方形であり、かつ2つの対向するより短い側部22と交互に配置された2つの対向するより長い側部20を有し、前記
トウ繊維束が、複数の離間配置された結合部で前記長手方向全体にわたって断続的に結合され
ている、請求項1~
3のいずれか一項に記載の掃除用品10。
【請求項5】
前記掃除用品10が、
2つの対向するより短い側部22と交互に配置され、長手方向軸LAを画定する、2つの対向するより長い側部20を有する、略長方形であり、前記トウ繊維束2
9が、前記長手方向軸LAに対して略平行である、請求項1~
4のいずれか一項に記載の掃除用品10。
【請求項6】
前記掃除ストリップ要素25の前記第2の表面に接合されたキャリアシート12を更に備える、請求項1~
5のいずれか一項に記載の掃除用品10。
【請求項7】
長手方向軸LAを有し、標的表面を掃除するための掃除用品10であって、
複数のストリップ17を含む掃除ストリップ要素25であって、各ストリップが、それぞれの近位端からそこから遠く離れたそれぞれの遠位端まで延在し、前記掃除ストリップ要素25が、第1の表面及びそれに対向する第2の表面を有する、掃除ストリップ要素25と、
前記掃除ストリップ要素25の前記第1の表面に接合されたトウ繊維束29であって、前記トウ繊維束29が、前記ストリップ17に対して略横断するように配向されている、トウ繊維束29と、を備え、
前記掃除用品10は、前記長手方向軸LAから外方に延在する2列の互いに対向するストリップ17と、を有し、
前記掃除用品10が、略長方形であり、かつ2つの対向するより短い側部22と交互に配置された2つの対向するより長い側部20を有し
、
前記トウ繊維束29が、前記長手方向全体にわたって断続的に結合され、
前記トウ繊維束29は、前記長手方向軸LAに近づくにつれて、厚さが増加し、
前記トウ繊維束29は、前記掃除用品10の前記長手方向軸LAが、前記標的表面から持ち上がるように、前記掃除ストリップ要素25の平面から広がって外方に突出し、
前記トウ繊維束29は、掃除中に、前記標的表面に直接接触させるのに好適であり、直接接触させるように配置される、掃除用品10。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日常の掃除中に、動的表面積を標的表面に対して提供する掃除用品に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な掃除用品が、ほこり取り及び軽い掃除のために開発されてきた。例えば、乾燥した状態で、又は研磨及び洗浄組成物によって濡れた状態で使用される、布きれ及びペーパータオルが、調理台、シャワー、シンク、床などの比較的平らな表面で使用されてきた。米国特許第9,296,176号に開示されているように、積層性拭き取り布が提案されてきた。しかし、布きれ、拭き取り布、及びペーパータオルには、衛生状態(使用者の手が、化学薬品、汚れ、又は掃除中の表面に触れることがある)、届く範囲(布きれ、拭き取り布、又はペーパータオルを持った状態で、使用者の手を、届きにくい場所に入れることが困難であることがある)、及び不便さ(狭い間隔で配置された物品の間を掃除する場合、通常、これらの物を移動させる必要がある)などの理由による問題がある。
【0003】
布きれ及びペーパータオルの使用に伴うこれらの問題を克服するために、Haydenによる1906年発行の米国特許第823,725号に記載のフェルト及び毛を使用したデバイス、及び同第4,145,787号に記載の糸を使用したデバイスなどの、再利用可能な様々な集塵デバイスが、1世紀を超えて利用されてきた。再利用可能な集塵デバイスの問題に対処するため、限定的な再利用性を有する使い捨て掃除用品が開発されてきた。これらの使い捨て掃除用品は、米国特許第6,813,801号、同第7,003,856号、同第7,566,671号、同第7,779,502号、同第7,937,797号、同第8,146,197号、同第8,151,402号、同第8,161,594号、同第8,186,001号、同第8,245,349号、同第8,528,151号、同第8,756,746号、及び同第8,763,197号に記載されているように、シートに取り付けられたトウ繊維と呼ばれる合成繊維束で作製されたブラシ部分を含み得る。
【0004】
米国特許第7,566,671号、同一出願人による同第7,803,726号、及び同一出願人による米国特許出願公開第2008/0028560号に開示されているように、トウ繊維を有する使い捨てダスターは、湿式掃除用に提供されてもよい。しかし、トウ繊維は濡れるともつれた状態になることがあるため、広い又はひどく濡れた表面(例えば、床)の掃除には好適ではない。このように、ダスターは、極めて広い又はひどく汚れた表面の掃除には好適ではないことがある。代わりに、米国特許第8,752,232号、同第8,793,832号、及び同一出願人による同第8,075,977号に開示されているように、繊維を有するシートが提案されている。弾性挙動を有するウェブは、同一出願人による米国特許第5,691,035号に提案されている。米国特許第6,245,413号、及び同第7,386,907号に開示されているように、くぼみを有するシートも提案されている。米国特許第6,550,092号に開示されているように、空洞を有するシートが提案されている。接着剤掃除シートは、米国特許第7,291,359号に提案されている。
【0005】
広くかつ/又はひどく濡れた表面の問題を解決するために、バケツ一杯の液体に繰り返し浸したモップが使用されてきた。しかし、これらのモップは飽和状態になり、大量の汚れた液体を床に再付着させることがある。したがって、使い捨てフロアシートが開発されている。米国特許第7,191,486号及び同第7,721,381号に開示されているように、これらのフロアシートは、大量の吸収性セルロースを含んでもよく、同第9,032,577号に開示されているように、少なくとも2つの内側シートを含んでもよい。同一出願人による米国特許第5,960,508号、同第6,003,191号、同第6,048,123号、同第6,601,261号、及び同第6,766,552号に開示されているように、フロアシートは、液体を更に吸収及び保持しやすくするためにAGMを含み得る。しかし、不溶性汚れが床から除去されない場合、又は可溶性汚れがフロアシートによって十分に吸収されない場合、縞(streaking)及び/又は薄膜(filming)が生じ得る。
【0006】
この問題をきれいに解決する1つの試みは、マイクロファイバークリーニングパッドに見出される。マイクロファイバーパッドは、ナイロン製とすることができ、洗って再利用することが意図されている。しかし、マイクロファイバーパッドは、床を損傷し、かつ特に、繰り返して洗浄した後に薄膜/縞を依然として残すことがある。
【0007】
この問題は、一部の新品の床材によって悪化する。例えば、特定の新品の床材は、色が比較的暗い。また、新品の床材は、比較的高い光沢レベルを有し、かつ/又は、表面エネルギーのせいで掃除中に濡れにくいことがある。これらの特性は、たとえ床の損傷が生じなくても、湿式清掃後に床に残っている薄膜/縞を強調する可能性がある。
【0008】
更に他の試みによれば、米国特許第7,694,379号及び同一出願人による同第7,480,956号に開示されているように、クリーニングパッドに疎水性及び親水性の両方を具備させている。別の試みにおいては、同一出願人による米国特許第7,028,364号に開示されているように、自由浮動カフを含んでいる。当該技術分野における他の関連する試みとしては、米国特許出願公開第2003/0300991号、同第2011/0041274号、同第2016/0037993号、米国特許第6,245,413号、同第6,681,434号、同第6,701,567号、同第7,458,128号、同第7,624,468号、同第8,341,797号、同第8,707,505号、及び同第8,863,347号が挙げられる。
【0009】
これらの試みは、濡れた標的表面からの、具体的には床からの液体の吸収を目的としているが、問題は依然として残っている。略平坦なフロアシートは、掃除作業の間中、同一の表面を床に対して提供する。フロアシートが飽和していると、汚れを再付着させることがある。略平坦なフロアシートは、床の隙間又はグラウトラインを十分に掃除できない場合がある。再利用可能なマイクロファイバーフロアパッドを使用すると、床に損傷を与えることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】米国特許第9,296,176号
【文献】米国特許第823,725号
【文献】米国特許第4,145,787号
【文献】米国特許第6,813,801号
【文献】米国特許第7,003,856号
【文献】米国特許第7,566,671号
【文献】米国特許第7,779,502号
【文献】米国特許第7,937,797号
【文献】米国特許第8,146,197号
【文献】米国特許第8,151,402号
【文献】米国特許第8,161,594号
【文献】米国特許第8,186,001号
【文献】米国特許第8,245,349号
【文献】米国特許第8,528,151号
【文献】米国特許第8,756,746号
【文献】米国特許第8,763,197号
【文献】米国特許第7,803,726号
【文献】米国特許出願公開第2008/0028560号
【文献】米国特許第8,752,232号
【文献】米国特許第8,793,832号
【文献】米国特許第8,075,977号
【文献】米国特許第5,691,035号
【文献】米国特許第6,245,413号
【文献】米国特許第7,386,907号
【文献】米国特許第6,550,092号
【文献】米国特許第7,291,359号
【文献】米国特許第7,191,486号
【文献】米国特許第7,721,381号
【文献】米国特許第9,032,577号
【文献】米国特許第5,960,508号
【文献】米国特許第6,003,191号
【文献】米国特許第6,048,123号
【文献】米国特許第6,601,261号
【文献】米国特許第6,766,552号
【文献】米国特許第7,694,379号
【文献】米国特許第7,480,956号
【文献】米国特許第7,028,364号
【文献】米国特許出願公開第2003/0300991号
【文献】米国特許出願公開第2011/0041274号
【文献】米国特許出願公開第2016/0037993号
【文献】米国特許第6,681,434号
【文献】米国特許第6,701,567号
【文献】米国特許第7,458,128号
【文献】米国特許第7,624,468号
【文献】米国特許第8,341,797号
【文献】米国特許第8,707,505号
【文献】米国特許第8,863,347号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
このため、濡れた表面に使用可能で、かつ、掃除作業中に動的に変化する面を提供する、使い捨ての略平面状掃除用品が必要とされている。略平面状のパッドは、本出願人によって販売されているSwiffer(登録商標)器具などの掃除器具のヘッド上に取り外し可能に配置され得る。このような器具のヘッドはまた、略平面状であり、典型的には、自在接合部を介してハンドルに装着される。この構成によれば、使用者は、追加の掃除が必要な場所に圧縮圧力を加えることができる。このような器具上での取り外し可能な略平面状のシートの使用は、ハンドルを通して加えられる圧縮下でのストリップ移動性の組み合わせによって、洗浄能力及び表面保護の両方を提供するので望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、層状構造を有する掃除用品を含んでいる。この掃除用品は、シートと、細長い結合部において互いに接合されている掃除ストリップ要素と、を含む。掃除ストリップ要素は、結合部から外方に延在するストリップを有する。複数のトウ繊維は、掃除ストリップ要素に接合され、ストリップに対して略横断するように配向される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】この図は縮尺どおりに描かれている。本発明の掃除用品の分解斜視図である。
【
図2A】
図1の線2-2に沿って取られた、3つのトウ繊維束と、一定の厚さの中央トウ繊維束と、長手方向軸に近づくにつれて厚さが増加する2つの外側のトウ繊維束と、を有する、垂直断面図である。
【
図2B】逆ピラミッド形ジオメトリを有する掃除ストリップ要素を有する、代替的な実施形態の掃除用品の垂直断面図である。
【
図2C】各々が複数のトウ繊維束を有する2つの掃除ストリップ要素を有する、代替的な実施形態の掃除用品の概略断面図である。
【
図2D】互いに異なる平面に配置された2つのトウ繊維束を有する、代替的な実施形態の掃除用品の概略断面図である。
【
図2E】変化する厚さのトウ繊維束を有する、代替的な実施形態の掃除用品の概略断面図である。
【
図2F】2列のストリップの間にくぼんだトウ繊維束を有する、代替的な実施形態の掃除用品の概略断面図である。
【
図3A】この図は縮尺どおりに描かれている。単一の細長いトウ繊維束と、各ストリップが、正弦曲線の長さを有する2つの対向するストリップ列と、を有する掃除用品の破断底面図である。
【
図3B】この図は縮尺どおりに描かれている。複数の細長いトウ繊維束層を有し、1つのトウ繊維束が、一定の幅を有し、1つが変化する幅を有し、かつ2つの対向するストリップ列を有し、各ストリップが、正弦曲線の長さを有する、掃除用品の底面図である。
【
図3C】複数の細長いトウ繊維束を有し、1つのトウ繊維束が、狭い幅を有し、かつ掃除用品の長手方向縁により近く、結合された外側の三等分線を有し、1つのトウ繊維束が、より広い幅を有し、かつ掃除用品の長手方向軸により近く、結合された中央の三等分線を有する、掃除用品の概略底面図である。
【
図3D】複数の細長いトウ繊維束を有し、1つのトウ繊維束が、ジグザグパターンの変化するピッチ、振幅、及び厚さを有し、1つのトウ繊維束が、一定の正弦曲線パターンである、掃除用品の概略底面図である。
【
図3E1】変化する幅の砂時計形状のトウ繊維束と、斜めに配向されたストリップと、を有し、一方の側部が、一定の長さのストリップを有し、一方の側部が、変化する長さのストリップを有する、掃除用品の概略底面図である。
【
図3E2】変化する幅バレル形状のトウ繊維束と、変化する幅及び変化する長さを有するストリップと、を有する掃除用品の概略底面図である。
【
図3F】長手方向軸に対して斜めに配向され、掃除用品の長手方向寸法を完全に被覆する複数のトウ繊維束を有する、掃除用品の概略底面図である。
【
図3G】掃除用品の長手方向寸法を完全に被覆する複数の分離した中断されたトウ繊維束を有し、ストリップの近位端が、長手方向軸から異なるオフセットを有する、掃除用品の概略底面図である。
【
図3H】離間配置された結合部を有し、トウ繊維束が、離間された結合部の中間で切断されている、掃除用品の概略底面図である。
【
図4】この図は縮尺どおりに描かれている。本発明と共に使用可能なハンドルの斜視図である。
【
図5A】概略的な掃除用品が取り付けられる、本発明と共に使用可能な床掃除器具の斜視図である。
【
図5B】この図は縮尺どおりに描かれている。本発明と共に使用可能であり、かつ任意選択的な噴霧システムを有する床掃除器具の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1を参照すると、掃除用品10は、概ね細長い長方形であり得るが、他の形状も企図され、実行可能である。掃除用品10は、床の掃除に好適な掃除用品10を提供するために、積層形態で接合された2つ以上の構成要素を含むことができる。掃除用品10はキャリアシート12を有することができ、このシート12は、他の構成要素を取り付けるためのフレームを形成している。掃除用品10はまた、掃除ストリップ要素25を有してもよく、掃除ストリップ要素25は、外方に延在する、積層された可撓性ストリップ17の複数の1つ以上の層27を有する。トウ繊維29の束は、ストリップ17上に重畳され、それに対して横断するように配向される。任意選択的な吸収性コアが、掃除ストリップ要素25とシート12との間に配置されてもよい。
【0015】
掃除用品10は、使い捨ての場合がある。「使い捨て」とは、掃除用品10が1回の掃除作業、あるいは概して数平方メートル以下に対して使用され、その後、廃棄され得ることを意味している。対照的に、再利用可能な掃除用品10は、使用後、洗濯されるか、他の方法で元の状態に戻される。
【0016】
掃除用品10は、長手方向軸LAと、それに直交する横断方向軸TAとを有し得る。掃除用品10及びその各構成要素は、長手方向軸LAに平行な2つの長手方向縁20と、横断方向軸TAに平行な2つの横断方向縁22とを有し得る。
【0017】
掃除用品10の長さは、長手方向において測られる。掃除用品10の幅は、長さ方向に対して直角であり、かつ、シート12の面内の横断方向に対応する。厚さは、Z方向の寸法として定義される。XY面は、掃除用品10によって画定される面によって定義される。掃除用品10のZ方向は、掃除用品10の平面に対して垂直な方向である。掃除用品10は、20~50cmの長さ及び10~20cmの幅を有してもよい。具体的には、掃除用品10は、後述するように、典型的な掃除器具70のヘッドに適合するように、最大寸法で測定したとき、長さが30+/-2cmであり、幅が14+/-2cmであってもよい。任意選択的なコアは、具体的には、幅が6.5+/-2cmであり、長さが26+/-2cmであってもよい。当然のことながら、当業者であれば、本発明の範囲内において、他の形状が実現可能であることを理解するであろう。
【0018】
図2A~
図2Fを参照すると、掃除用品10は、掃除用品10を形成する、積層状態で接合され/折り重ねられた、少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つ、4つ、又はそれ以上の薄層を有している。キャリアシート12はまた、後述するように、床掃除器具への取り付け部を提供してもよい。特に規定のない限り、本明細書で使用される「接合」とは、2つの構成要素間における直接的かつ接触を伴う関係と、構成要素間に中間構成要素を有する関係とを含む。
【0019】
以下で説明するように、ストリップ17は、有利には実質的に、又は好ましくは完全に、シート12の占有面積内に含まれてもよい。具体的には、ストリップ17の遠位端は、シート12の2つの長手方向縁20及び2つの横断方向縁22によって画定される占有面積内に含まれてもよく、その占有面積によって境界が定められてもよい。この構成によれば、使用者が掃除器具を床に押し付けたときにストリップ17に直接圧力が加わるため、使用中にストリップ17の可動性を促進し、使用中に掃除用品10の動的表面積を標的表面に対して提供すると考えられる。
【0020】
2つの対向する対の外方に配向されたストリップ17を有する掃除ストリップ要素25が示されているが、当業者であれば、本発明がそのように限定されないことを理解するであろう。ストリップ17の単一の列、又はストリップ17の異なる構成が利用されてもよい。トウ繊維束29は、対向する外方に配向されたストリップ17の近位端の間に配置されてもよい。そのような構成により、トウ繊維束29が、ストリップ17の対向する列の一方又は両方のストリップ17と重畳することが可能になる。
【0021】
掃除用品10は、外側に向いた掃除面と、その反対側にある取り付け面とを有してもよい。掃除用品10の取り付け面は、器具のヘッドへの取り付けのための、1つ以上の取り付けストライプ30を有してもよく、例として、2つの平行なストライプ30が図示されている。ストライプ30は、フックを有する掃除器具のヘッドに対する相補的取り付け部として好適なループ要素を含んでもよい。
【0022】
より具体的には、掃除用品10は、少なくとも1つのトウ繊維束29と、少なくとも1つの掃除ストリップ要素25と、を有する構造を含んでもよい。トウ繊維束29及び掃除ストリップ要素25は、向かい合わせの関係で、少なくとも1つの永続結合部38によって接合されて、積層体を形成している。掃除ストリップ要素25を含む薄層は、具体的には、蛇行状に予め折り重ねられて、Z方向に複数の薄層を提供してもよい。
【0023】
図2Bを具体的に参照すると、掃除ストリップ要素25は、掃除ストリップ要素25の遠位縁に近づくほど減少する幅を有する、蛇行状に折り重ねられた部材を含んでもよい。このジオメトリにより、使用時に逆ピラミッド形構造が提供される。掃除ストリップ要素25のこのような構造により、複数の幅を有する掃除ストリップ要素25の複数の層27を提供し得る。幅は、第1の層27から遠位層27に向かって減少してよく、具体的には第1の層27から遠位層27に向かって単調に幅が減少してもよい。逆ピラミッド形構造は、掃除中に、標的表面に対してより多くの縁を有利に提供することが予測的に考えられる。
【0024】
図2A~
図2Fを参照すると、任意選択的なキャリアシート12は、掃除ストリップ要素25を取り付けるためのシャーシとして機能してもよい。本発明から逸脱しない限りにおいて、他の薄層及び特徴が、シート12と掃除ストリップ要素25との間に配置されてもよい。
【0025】
具体的には、キャリアシート12は、合成不織シート12を含んでもよい。合成繊維を有するキャリアシート12により、掃除ストリップ要素25をシートに接合し易くなる。当技術分野で知られているように、不織布には、スパンボンド方式、カード方式、及びエアレイド方式の材料が含まれ、不織布は、合成繊維から作製されている。好適な不織シートは、同一出願人による米国特許第6,797,357号に従って作製されてもよい。キャリアシート12は、液体不透過性であるポリオレフィンフィルムを含んでもよい。
【0026】
キャリアシート12はセルロースを含み、それによって吸収力を提供してもよい。当技術分野で知られているように、セルロース系シート12は、永続的な湿潤強度を有する樹脂を添加されてもよい。あるいは、吸収性及びバリア性の両方を提供するために、及び掃除ストリップ要素25を接合するのに便利なように、キャリアシート12は、好ましくは、セルロース系繊維及び合成繊維の混合物を含んでもよい。「セルロース系」とは、構成要素において、大部分の重量パーセントを、セルロース系繊維が占めていることを意味する。
【0027】
キャリアシート12及び/又は掃除ストリップ要素25は、親水性であってもよく、これにより、掃除対象である表面から水分を有利に吸収する。「親水性」とは、概して、構成要素が、使用中に水分を吸収し、かつ過剰な圧縮力をかけられることのない通常の使用中において、その水分を保持することを意味する。
【0028】
親水性と疎水性との特性の対比は、以下のように測定してもよい。1グラムの材料サンプルを、約110℃にて12時間オーブンで乾燥させ、その後、相対湿度65%/21℃で5日間調湿する。次いで、サンプルを110℃で12時間再乾燥させる得られた水分量を、水分率として測定する。
水分率=[(相対湿度65%で調湿したサンプルの総重量-乾燥後のサンプルの重量)÷乾燥したサンプルの重量]×100%。
【0029】
本明細書で使用するとき、「親水性材料」は、65%での水分率が約2%、3%、4%、5%より多く、好ましくは約6%より多い。以下の表1に、相対湿度65%で平衡する水分率(%)についての、異なる種類の繊維間の比較を示す。
【0030】
【0031】
親水性材料は、本明細書に記載の発明に有用であり得るが、この材料は、使い捨て掃除用品10に使用される場合であっても、強度が十分でない場合がある。このため、適切な材料の選択が重要である。
【0032】
例えば、掃除ストリップ17が100%セルロースであると、湿潤摩擦係数が高くなりすぎて、使用者が、特定の標的表面内で掃除用品10を移動させることが難しくなる場合がある。異なる材料を混合することにより、汚れを集めるための表面積を維持しつつ、湿潤摩擦係数を最適化することができる。また、材料が同じでも、長さが異なる掃除ストリップ17を使用することにより、湿潤摩擦係数を過度に増加させることなく、掃除表面積を増加させることができ、それによって、標的表面内での移動が容易になる。
【0033】
任意選択的なキャリアシート12は、2層、3層、又はそれ以上の層の積層体を含んでもよい。具体的には、この積層体は、掃除器具に接触する、外側に向いた層12Aと、吸収用の中央層/コア12Bと、掃除ストリップ要素25に接合する、内側に向いた層12Cとの、3層を含んでもよい。
【0034】
3つの層12A、12B、及び12Cは、任意選択的なキャリアシート12の形成のための当該技術分野において知られているように、接着剤及び/又は熱結合38を使用して互いに永続的に接合され得る。ループ又は同様の材料の任意選択的な取り付け用ストライプ30が、外方の層12Aの外方に面する表面に接合されて、掃除用品10をハンドル60又は器具70に取り外し可能に接合し得る。ストライプ30は、連続的又は非連続的であってよい。任意選択的なキャリアシート12が使用されない場合、ストリップ30は、掃除ストリップ要素25の外方に配向された表面に直接取り付けられてもよい。
【0035】
外側に向いた層12Aは、坪量が20~80gsmの水流交絡スパンボンド不織布を含んでもよい。Avgol Nonwovens(Tel-Aviv、Israel)の45gsmの不織布が好適であることが分かっている。本明細書においては、不織布は、織りあわされていない、エアレイド及び/又はウェットレイド繊維の混合物を有する構成要素である。層12Aは、外側に向いた液体不透過性バリアによって被覆されるか、又はそれを含んでもよい。このバリアにより、吸収された液体が、使用者の手、器具などに接触するのを防ぐ。好適なバリアには、当技術分野で知られているように、LDPEフィルムが挙げられる。
【0036】
中央層/コア12Bは、貯水層として機能することができ、掃除ストリップ要素25によって標的表面から集められた液体を吸収し、保持する。中央層/コア12Bは、複合セルロース/合成エアレイドを含んでもよい。85:15のセルロースを含む135gsmのエアレイドとして、Suominen(Helsinki、Finland)から入手可能な複合繊維が、好適である。
【0037】
当技術分野で知られているように、中央層/コア12Bは、更に、吸収性ゲル材料(AGM)を含んでもよい。AGMは、吸収した液体の保持力を高め、掃除用品10の能力を高め得る。掃除用品10は、発泡体を有しなくてもよく、これにより、コストを節約する。
【0038】
内側に向いた層12Cは、スパンレース、すなわち水流交絡法などのプロセスを使用して合成不織布に結合された薄織物(tissue)として形成されたウェットレイド繊維の混合物を含んでもよい。内側に向いた層12Cは、Suominen(Helsinki、Finland)によってGenesis tissueという名称で販売されている、23gsmの薄織物及び17gsmのポリプロピレンスパンボンドの複合材料を含んでもよい。
【0039】
所望される場合、専用のコア12Bは、掃除用品10に組み込まれていてもよい。専用のコア12Bは、シート12の層12A、12Cのいずれかの間に配置されていてもよく、又は、シート12の内方若しくは外方に配向された面の上に配置されていてもよい。具体的には、コア12Bは、中央層を含んでいる場合がある。コア12B及び/又は追加的な/代替的な中央層は、外側に向いた層12A及び内側に向いた層12Cよりも幅が狭くてもよい。コア12B及び/又は中央層は、外側に向いた層12A及び内側に向いた層12Cの約半分の幅を有する場合があり、長手方向軸を中心として配置され得る。具体的には、コア12B及び/又は中央層の幅は、取り付け材のストライプ30間のスペースよりも小さい又は同等であり得る。
【0040】
掃除ストリップ要素25は、1つの層又は複数の層を含んでもよい。複数の層は、蛇行状様式で折り重ねられてもよい。この構成により、少なくとも二重、三重、又はそれ以上の厚さとなる。折り重ねられた層27が略横断するように配向された個々の掃除ストリップに切断されると、二重の厚さは、それぞれのストリップ17の遠位端でループを提供する。ループにより、Z方向に重ねられたストリップ17同士が離間し易くなるため、ループは有益であると考えられる。
【0041】
折り重ねられた構成は、c折りで完成される場合がある。当業者であれば、c折りを多段に繋いで(cascade)、当技術分野で知られているz折り、w折り、又は他の複数層折り(c折りを含む)を得ることができることを理解するだろう。
【0042】
掃除ストリップ要素25は、所望の吸収力及び意図する標的表面のテクスチャに応じて、掃除ストリップ17の層27として1~25層、5~20層、具体的には約6~8層を含み得る。各縁に、具体的には長手方向縁に配置された掃除ストリップ17は、遠位端におけるループと、掃除ストリップ17の遠位端における一重の厚さを有する自由端とを有利に含み得、掃除中に反応差を提供し、掃除中により多くの塵に予測的に到達し、かつそれを保持する。
【0043】
具体的には、掃除ストリップの反応差により、通常の使用条件下において、掃除中に、標的表面に対して動的に変化する表面積が提供されると考えられる。表面積を変化させることにより、より多くの液体及びそれに関連する塵を、標的表面から取り除くことができる。
【0044】
3つの別個の掃除ストリップ材を有する非限定的な掃除ストリップ要素25が図示されている。シート12の近くにある上部シートは、それ自体の上で折り重ねられて、4つの掃除ストリップ層27をもたらしている。その下の2つの掃除ストリップ17層27は、それ自体の上でz折りされて、各々3つの掃除ストリップ層27をもたらしている。
【0045】
対向する掃除ストリップ17と任意選択的なコア12Bとの間の幅の差異により、掃除ストリップ要素25から送られてくる液体を保持するための、コア12B及び/又は中央層12Bの安定性が促進されると考えられる。更に、このジオメトリにより、吸収された液体が掃除ストリップ17から排水され易くなると考えられる。更に、このジオメトリにより、掃除ストリップ17の移動を促進すると考えられるギャップが生じ、通常の使用時に使用者が掃除用品10を移動させると、標的表面に対して異なる部分を提供する。
【0046】
1つ以上のトウ繊維束29が利用されてもよい。複数のトウ繊維束29は、より多くのトウ繊維29の質量及び利用可能性の利益を提供して、より多くの粒子を予測的に捕捉する。各トウ繊維束29は、粒子をより密接に遮るために、それぞれの長手方向縁20に近くてもよい。複数の2つの繊維29束層がそれぞれの図に示されているが、当業者であれば、3つ以上のトウ繊維束29を単一の掃除用品10に利用できることを理解するであろう。
【0047】
図3A~
図3Hを参照すると、掃除用品10は、掃除ストリップ要素25に配置された親水性掃除ストリップ17の対向する列を含んでもよい。本明細書においては、掃除ストリップ17とは、近位端から対応する遠位端へと外方に延在するストリップを指す。個々の掃除ストリップ17は、用品10の長手方向中央線にある、又は、その中央線からずれた近位端を有し、(横断方向において測った)長さが対応する(長手方向において測った)幅よりも大きく、アスペクト比が少なくとも1、任意選択的に2~20、及び任意選択的に5~15であってもよい。掃除ストリップ17は、結合部38に並置されたそれぞれの近位端から、掃除用品の長手方向縁20に並置されたそれぞれの遠位端までの長さが、3~15cm、4~12cm、又は具体的には5~8cmであってもよく、幅が、3~20cm、4~15cm、又は具体的には6~8cmであってもよい。これらの具体的な寸法は、掃除器具を用いた床掃除に使用される場合に好適であることが分かっている。
【0048】
製造によって意図されるように、掃除ストリップはXY面内にあるが、使用前の毛羽立ち、及び/又は、標的表面に対して移動させることにより使用中に生じる変形によって、XY面外へと変形する場合がある。掃除ストリップ17は、本明細書に記載されているシート12のうちの1つに組み込まれていてもよく、又は分離されたシート12の上に配置されていてもよい。掃除ストリップ17は、用品の幅方向に対して平行に延在していてもよく、又は用品の幅方向に対して鋭角の関係に配置されていてもよい。図に示すように、掃除ストリップ17は、直線的であってもよく、曲がっていてもよく、蛇行していてもよく、又は任意の所望の形状を有していてもよい。
【0049】
掃除ストリップ要素25は、内側に向いた層12Cに関して上述したものと同じ材料を含んでいてもよく、具体的には親水性であってよく、より具体的にはセルロースと不織布との複合体を含むことができる。より具体的には、ストリップ17は、セルロース及び不織布シート又は繊維を交互にした積層体を含んでもよい。あるいは、セルロース繊維及び合成繊維は、単に厚さ方向に分散されていてもよい。任意選択的に、ストリップ17は、LDPEなどのポリオレフィンフィルム層を有してもよい。任意選択的に、ストリップ17は、発泡体を含んでもよい。
【0050】
ストリップ25はまた、ナノ繊維を含んでいてもよく、0.1~100デニールのデニール範囲であってもよい。毛管チャネル繊維を含む非円形合成繊維を使用してもよい。毛管チャネル繊維は、三葉形、C字形、H字形などであってもよい。具体的には、PPコア及びPEシースを有するバイコンポーネント繊維を使用して、結合及び弾力性の両方を提供することができる。所望される場合、繊維は、エラストマー性であってもよい。合成繊維は、短い切断部分、又は更には粉末であってもよい。ストリップ25は、有孔であってもよい。
【0051】
ストリップ25は、60重量%未満、50重量%未満、又は30重量%未満のセルロースと、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%、又は少なくとも70重量%の合成繊維と、を含み得る。繊維は、エアレイド、ウェットレイド、又はキャリアシートとして提供され得ることが理解される。好適な合成繊維としては、PE、PLA、PET、ナイロン、及びこれらの二成分の組み合わせが挙げられる。好適な材料は、Suominen Corp.に譲渡された米国特許第9,296,176号の教示に従って作製することができる。セルロース繊維は、硬材、軟材及びそれらの混合物を含んでもよい。
【0052】
所望される場合、ストリップ25は、高バルク又はテリー織布様特性を有する繊維状の織布又は不織布シートで作製されてもよい。このようなストリップは、前駆体ウェブから形成され、前駆体ウェブと一体に形成された、分離した繊維のタフトを有してもよい。ストリップは、1平方センチメートル当たり10~100個の分離したタフトを有してもよい。タフトは、有利には、掃除のための突出部を提供する。タフトを有するストリップは、同一出願人による米国特許第7,682,686号、同第7,838,099号、及び/又は同第8,075,977号に従って作製することができる。
【0053】
掃除ストリップ要素25は、好ましくは、上記の、フィンランドのヘルシンキのSuominenによるGenesisティッシュのような、ポリプロピレンスパンボンドを複合材料として含み得る掃除ストリップ要素25及び/又はシート12は、当該技術分野で知られているように、代替的に又は追加的にマイクロファイバーを含み得る。
【0054】
掃除ストリップ要素25は、掃除用品10の長手方向範囲全体にわたってストリップを有することが示されているが、当業者であれば、本発明がそのように限定されないことを理解するであろう。ストリップは、長手方向縁20の任意の有意な部分に沿って配置されてもよい。
【0055】
シート12及び掃除ストリップ要素25は、後述するように、複数の結合部38によって接合され得る。結合部38は、当技術分野で知られているように、熱、接着剤、又は超音波などによるものであってよい。
【0056】
中央結合部38は、掃除用品10の全ての層27/薄層を接合して、それによって、確実に一体構造にして、使用中に個々の構成要素が失われることを防止し得る。中央結合部38は、掃除ストリップ要素25の全ての層27に共通であり、掃除ストリップ要素25の各層27を、直接的に又は間接的にシート12に接合してもよい。
【0057】
2つの外側寄りの結合部38を設けて、掃除ストリップ要素25の、シート12の近くにある層27のみを接合してもよい。本明細書に記載の実施形態では、外側寄りの結合部38は、中央において横断するように少なくとも約7cm離間され得る。これにより、外側寄りの結合部は、コア12Bより外側寄りに離間され、かつ、このコアに重ならない。外側寄りの結合部38又は中央結合部38は、これらの結合部が、掃除ストリップ要素25の層27の一部を、直接的に又は間接的にシート12に接合させるだけである場合、二次結合部38と考えられ得る。
【0058】
典型的には、掃除ストリップ要素25の層27の全てが、少なくとも1つの結合部38によってシート12に接合される。シート12の最も近くにある層27が、第1の層27と考えられ得る。その後に続く層27は、シート12に相対的に近くにあると考えられ、順に第2の層27、第3の層27、第4の層27と考えられ得る。シート12から遠く離れており、床の最も近くにある、あるいは床に接している層27が、遠位層27と考えられる。
【0059】
結合部38は、シート12と長手方向に同一の広がりであってもよく、又はシートよりもわずかに短くてもよい。好ましくない実施形態では、外側寄りの結合部38は、シート12から遠く離れていて近くにない掃除ストリップ要素25の部分のみを接合している場合がある。
【0060】
この構成によると、標的表面上に提供される掃除ストリップ17は相対的により長く、その内側では掃除ストリップ17はより短い。長さが異なる掃除ストリップ17を有することにより、掃除ストリップ17を互いに独立して移動させることができ、また、互いを分離することができ、その結果、洗浄効果を改善する。掃除ストリップ17間を分離すること、具体的には、掃除ストリップ17を重畳された層として提供することは、掃除用品10によって汚れを有効的にピックアップするためにも、その汚れを保持するためにも、掃除対象の表面に対して十分な面積を提供するという点で重要であると考えられる。このため、層27は、1つ折り、複数折り、又は折り目無しで単純に重ね合わせることにより作製され得る。
【0061】
掃除ストリップ要素25のシートへの接合は、正弦曲線状の結合部38又はジグザグの結合部38(これらは全て蛇行状結合部38と総称される)あるいは他の非直線形結合部38によってなされる場合がある。この結合部38パターンにより、相対的により長い掃除ストリップ17及び相対的により短い掃除ストリップ17の両方が、個別に提供される。また、掃除ストリップ17は、各々、長手方向軸と平行でない近位端を有する。このジオメトリにより、掃除中に掃除ストリップの捻じれや乱れを促進すると考えられる近位端が提供される。
【0062】
代替的には、同一出願人による欧州特許出願第15162895.5号、P&G事件番号13742Fに開示されているように、中央結合部38は、分離した結合部38の配列を含んでいる場合がある。分離した結合部38は、通常の使用中における標的表面に対する掃除ストリップ要素25の動的変化の提供を促進することが予測的に考えられる。
【0063】
長さの異なる掃除ストリップ17により、使用中に、異なるストリップ17及び/又はその部分が、標的表面に対して提供されると考えられる。掃除ストリップ17の不規則な近位端により、使用中に、異なるストリップ17又はその部分が、標的表面に対して提供されると考えられる。
【0064】
概して、使用中に、異なる掃除ストリップ17及び/又は掃除ストリップ17の異なる部分を、標的表面に対して提供することにより、掃除用品10の飽和状態の部分が標的表面に接触したままにならないと考えられる。使用中に掃除ストリップ要素25の異なる部分が提供されると、再付着が最小限となり、掃除ストリップ要素25の不飽和状態の部分を、標的表面に接触させて、標的表面から液体を吸収させて保持させることができる。標的表面に接触する掃除ストリップ要素25の有効部分を動的に変化させることにより、洗浄が改善されると考えられる。意義深いことに、掃除ストリップ要素25の動的に変化する有効部分は、自動的に、かつ、通常の掃除の一部である通常の前後ストローク以外の使用者による介入無しに現れる。
【0065】
細長いトウ繊維束29は、ストリップ17の主軸に対して横断するように配向されたロープ又はチャネル内に配置されてもよい。横断方向とは、トウ繊維29が、ストリップ17の主軸に対して少なくとも30度、好ましくは少なくとも45度、より好ましくは約90度に配向された主軸を有することを意味する。この構成は、トウ繊維29及びストリップ17の望ましくない絡まりの可能性を低減する一方で、ストリップ17の移動性を可能にし、トウ繊維束29の所望の静的位置決め又は移動性を可能にする。更に、トウ繊維束29が掃除用品10の設置面積全体を被覆しないようにすると、より良好な掃除が行われると考えられる。
【0066】
トウ繊維29は、濡れたときにもつれ、また絡まり、掃除有効性を低減する傾向があるので、掃除用品10を乾燥させて使用してもよい。このトウ繊維束29は、向かい合わせの関係でシート12又は掃除ストリップ要素25に接合されてもよい。トウ繊維束29は、掃除中に標的表面に直接接触させるのに好適であり、そのように配置される場合がある。代替的には、トウ繊維束29は、シート12と掃除ストリップ要素25との間に配置される場合がある。
【0067】
トウ繊維29は、合成であってよい。本明細書で使用するとき、「束繊維」及び/又は「トウ」は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、生物由来ポリマー(例えば、ポリ乳酸、バイオポリエチレン、バイオポリエステルなど)などを含む合成ポリマーを含むトウ繊維29を指す。トウ繊維29はまた、セルロース、アセチルセルロース、亜麻、麻、黄麻、及びこれらの混合物などの天然物由来の繊維を含み、個々の繊維は、束状に製造された比較的長いストランドである。トウ繊維は、本出願人によって販売されているSwiffer(登録商標)Duster(商標)の成分である。
【0068】
トウ繊維29は、明確な端点を有し、長さが少なくとも約1cm、好ましくは少なくとも約3、より好ましくは少なくとも約4、より好ましくは少なくとも約5である繊維として定義することができる。トウ繊維29は、用品10の横断方向縁の間に、実質的に連続的かつ略横断するように延在してもよい。
【0069】
任意選択的なキャリアシート12(複数可)、掃除ストリップ要素25、及びトウ繊維束29(複数可)が、複数の永続結合部38によって接合され得る。結合部38は、離れた又は離脱したトウ繊維29がほどけることを、最小限に抑える又は防ぐことを意図している。このようなシート12(複数可)、掃除ストリップ要素25、及びトウ繊維束29(複数可)は、典型的には、介在部材又は介在構成要素をその間に挟んで又は挟まずに、互いに直接重畳されている場合がある。
【0070】
図2A~
図2Eを参照すると、トウ繊維束29(複数可)は、掃除ストリップ要素25の平面から広がって外方に突出してもよい。この構成は、掃除用品10の長手方向軸LAが標的表面からわずかに持ち上がるという利益を予測的に提供し、より大きな粒子がトウ繊維によって捕捉され、長手方向縁20に堆積しないことを可能にする。所望される場合、トウ繊維束29の断面は、長手方向軸LAに近づくにつれてZ方向により厚くなり得、大きな粒子の進入を可能にする予測的な利益を増加させることができる。
【0071】
図2Eを具体的に参照すると、トウ繊維束29は、Z方向において取られる、変化する厚さを有してもよい。このジオメトリは、最も厚い領域が長手方向軸に並置されている場合、より多くの粒子が、予測的に掃除用品10の外側寄りの表面内、すなわち長手方向軸LAに近い方に更に進行することになり、掃除用品を修復又は廃棄しなければならない前に掃除領域が増加するという利益を提供する。
【0072】
図2Fを参照すると、代替的には、トウ繊維束29は、掃除ストリップ要素25内にくぼんでいてもよい。この構成は、掃除用品が、具体的には、Z方向においてよりコンパクトであるという利益を提供する。
【0073】
図2A~
図2Fを参照すると、トウ繊維束29は、結合部38によって掃除ストリップ要素25に接合することができ、この結合部38は、トウ繊維束29の全長にわたって長手方向に延在し、それと同一の広がりを有する。代替的には、トウ繊維束29の部分は、掃除ストリップ要素25に接合されなくてもよい。
【0074】
図3Cを参照すると、例えば、2つの繊維束29の長手方向外側寄りの三等分線のみを、ボンド38によって掃除ストリップ要素に接合することができる。トウ繊維束29の中央三等分線は結合されなくてもよく、中央三等分線が浮遊し、床に対して動的表面積を提供することを可能にする。代替的には、トウ繊維束29の中央を結合し、トウ繊維束29の長手方向端を結合せずに、端部を自由に前後に移動できるようにしてもよい。例示的な掃除用品10は、三等分線で分割されたトウ繊維束29の結合領域及び非結合領域を有するように図示されているが、当業者であれば、本発明がそのように限定されないことを理解するであろう。トウ繊維束29の結合領域及び非結合領域は、任意の好適な長さであり、細長いトウ繊維束29に沿って繰り返されてもよい。
【0075】
理論に束縛されるものではないが、このような断続的な結合は、トウ繊維束29の任意の非結合部分が、動的表面積を標的表面に対して提供し、隙間、グラウト線などに到達することができると考えられる。トウ繊維束29の結合部分は、動的表面を提供せず、有利には二重の洗浄能力を提供する。
【0076】
図3Dを参照すると、トウ繊維束29は、鋭いジグザグパターン又は正弦曲線パターンで配置されてもよく、両方は集合的に蛇行と呼ばれる。この構成は、トウ繊維29が長手方向軸に対して異なる位置に配置され、異なるサイズの粒子に対してより良好な掃除を予測的に提供するという利益を提供する。このような蛇行パターンが選択される場合、繰り返し部分は、一定又は変化する波長、振幅、及びトウ繊維束29の厚さを有してもよい。
【0077】
図示されるように、トウ繊維束29は、ストリップ17をまたいでもよい。予測的には、この構成は、ストリップ17が標的表面との異なる係合に起因して移動するにつれて、トウ繊維束29も同様に移動するという利益を提供する。トウ繊維束29が標的表面に対して移動する場合、破片のピックアップの改善が生じるであろうと考えられる。所望される場合、トウ繊維束29は、ストリップ間のスリットに対応する1つ以上の位置で切断されてもよい。
【0078】
このような実施形態は、トウ繊維束29を、掃除ストリップ要素25を形成することを意図した層27に結合することによって達成することができる。次いで、層27は、個々のストリップ17に切断される。トウ繊維束29は同様に、ストリップ17を画定するスリットに対応する位置で切断される。したがって、各ストリップ17は、その一部にトウ繊維束29の対応する部分が接合されており、掃除中に標的表面に動的に接触している。
【0079】
図3E1~
図3E2を参照すると、トウ繊維束29は、横軸TAに対して平行なX方向において変化する幅であってもよい。この構成は、粒子を捕らえるために、前方/後方の掃引方向におけるより多くの表面積の利益を予測的に提供する。この構成はまた、掃除ストリップ17に対して異なる有効長さを提供し、標的表面に対して提供される動的表面積を予測的に改善する。
図3E1に示されるように、予測的に、砂時計形のトウ繊維29は、粒子を掃除用品10の中央に集めることができる。
【0080】
図3Fを参照すると、複数のトウ繊維束29は、長手方向軸LAに対して斜めに配向されてもよい。好ましくは、トウ繊維束29は、掃除用品10の長手方向の寸法を完全に被覆しており、そのため掃除用品10の全長は有利に粒子を遮る。そのような実施形態が選択される場合、好ましくは、掃除用品10のどの部分もトウ繊維束29を遮らない横断方向の線を有しない。
【0081】
図3Dに関して説明されたように、トウ繊維束29は、ストリップ17の近位端と遠位端との中間の位置でストリップ17に接合されもよい。図示された斜めの構成は、トウ繊維束29がその長さに沿った異なる位置でストリップ17に接合されるという利益を提供する。予測的には、これは、トウ繊維が掃除中に標的表面に対して異なるように反応し、改善された有効性を提供するという利益を提供する。
【0082】
図3Gを参照すると、1つ以上のトウ繊維束29は、分離しており、隣接するトウ繊維束から長手方向に離間配置されてもよい。この構成は、異なるサイズの粒子が分離した異なるトウ繊維29束を遮ることができるという利益を予測的に提供する。
【0083】
図3Hを参照すると、トウ繊維束29は、長手方向に離間配置された分離した結合部38を有していてもよい。トウ繊維束29は、結合部38の中間で切断されてもよい。この構成は、結合部38の近位端から対応する遠位端まで延在するトウ繊維を提供する。遠位端は自由であり、標的表面に対して移動することができる。この構成は、トウ繊維が標的表面に対して動的移動を提供するので、有効な掃除を促進すると考えられる。
【0084】
結合部38は、長手方向軸LAに対して略垂直であってもよく、又はそれに対して傾斜していてもよい。同様に、結合部38の中間の切断部は、長手方向軸線LAに対して略垂直であってもよく、又はそれに対して傾斜していてもよい。長手方向軸線LAに対して斜めに予測的に切断することは、異なる長さのトウ繊維の利益を提供する。
【0085】
結合部38は、必要に応じて長手方向に離間配置されてもよい。予測的には、2~12cm、又は3~6cmのピッチが実現可能であり、1~6cmの切断長さを有するトウ繊維を提供する。
【0086】
結合部38(複数可)は、接着結合、熱結合、超音波結合などによって形成することができる。熱結合及び超音波結合においては、局所的な結合部38部位に、エネルギー及び圧縮圧力が加えられる。合成シート12及び合成トウ繊維29は、そのような局所部位において溶融される。再凝固により、シート12及びトウ繊維29の局所的な材料が、そのような局所部位において共に再凝固され、結合部38となる局所的な溶接部が形成される。
【0087】
任意選択的に、シート12、掃除ストリップ要素25、及び/又はトウ繊維29の層のいずれかを、接着剤、ろう、ニュートン流体オイル若しくは非ニュートン流体オイル、又はそれらの組み合わせによって、完全に又は部分的にコーティングして、洗浄を改善し、かつ吸収された塵の保持性を増大し得る。所望される場合、任意選択的に、掃除用品10を、洗浄溶液と共に、あるいは、例えば外観又は殺菌のための表面処理などの他の目的のために使用可能な他の溶液と共に使用することができる。洗浄溶液を掃除用品10に予め適用して、予め湿らせた掃除用品10を作り出してもよく、あるいは、洗浄溶液を別の容器に入れて、掃除用品10及び/又は標的表面に1回分供給してもよい。洗浄溶液は、大部分が水であり、少なくとも約0.5、2、5又は10重量%の固体、あるいは少なくとも約30又は50重量%の水性溶媒、非水性溶液、又はその混合物を含み得る。
【0088】
任意選択的なキャリアシート12、掃除ストリップ要素25、及びトウ繊維束29は、製造を簡単にするために、一致した色を有してもよい。代替的には、キャリアシート12、存在する場合、掃除ストリップ要素25、及びトウ繊維束29のいずれもが、第1の色を有してもよく、他の構成要素(複数可)が、第2の対比色であってもよい。この構成は、掃除中にゴミのピックアップを示すという利益を提供し得る。当然ながら、他の色の組み合わせが実現可能である。
【0089】
図1~
図3Hを参照すると、そこに示されている実施形態及び変形形態のいずれも、そこに示されている任意の他の実施形態及び変形形態と組み合わせて使用できることを理解されたい。例えば、任意の実施形態では、ストリップ17は、一定又は変化する長さ、幅、及び/又は間隔を有してもよく、1つ以上の列に延在してもよい。任意の実施形態では、任意の変形形態又は組み合わせのストリップ17の列は、任意の所望の数の層27において、掃除用品10の対向する端部の間に部分的に又は全体的に延在してもよい。任意の実施形態では、ストリップ17は、長手方向軸LAに対して垂直であってもよく、又はそれに対して任意の所望の角度関係であってもよい。
【0090】
同様に、任意の実施形態では、任意の数の繊維束29が、ストリップ17に対して任意の位置に配置されていてもよい。任意の実施形態では、繊維束29(複数可)は、長手方向軸LAに対して一定又は変化する幅、厚さ、及び位置であってもよい。任意の実施形態では、繊維束29(複数可)は、ストリップ17間のスリットと一致するように、若しくはスリットの中間で切断されてもよく、又は繊維束(複数可)は、掃除用品10の端部間に部分的に又は完全に延在してもよい。
【0091】
トウ繊維束29は、掃除用品10の長手方向寸法全体を延在するように図示されている。当業者であれば、本発明がそのように限定されないことを理解するであろう。トウ繊維束は、掃除用品10のより短い端部の間に部分的にのみ延在してもよい。あるいは、掃除用品の一部分にトウ繊維束29がなくてもよく、掃除用品10の別の部分に1つ、2つ以上のトウ繊維束29があってもよい。
【0092】
図4を参照すると、掃除用品10は、ハンドル60に取り外し可能に取り付け可能であってもよい。具体的には、取り付けシステムにより、好適かつ任意選択的なハンドル60に対して、掃除用品10の取り外し可能な取り付けをもたらすことができる。掃除用品10の取り付けシステム及び任意選択的な相補的ハンドル60の取り付けとしては、接着剤接合、粘着接合、スリーブなどを介した機械的係合を挙げることができる。ある1つの一般的な取り付けシステムは、ハンドル60の歯(複数可)を挿入可能なスリーブを含む。好適なハンドル60は、同一出願人による米国第8,578,564号及びD674,949Sに開示されている。
【0093】
図5A及び
図5Bを参照すると、掃除用品10は、特定の作業に応じて、乾燥、湿潤、及び/又は予備湿潤掃除と共に使用するために、器具70に取り外し可能に取り付け可能であってもよい。具体的には、床掃除器具70は、使用者が直立状態のままで床掃除できるようにすることができる。また、この床掃除器具は、洗浄溶液又は他の液体を床にスプレーするためにも提供され得る。典型的な床掃除器具70は、使用者によって把持されるハンドル72と、このハンドルに取り付けられた、好ましくは枢動可能にそれに取り付けられたヘッド74とを有する。ヘッド74は、床又は他の標的表面に接触して移動する。掃除用品10は、ヘッド74の底部に取り外し可能に取り付けられ得る。ストリップ17は、使用中のヘッド74の占有面積によって境界が定められてもよく、それによって、掃除中のストリップ17の動的移動が促進される。
図5Aでは、掃除用品10は、一方の側部にのみ配置され、山形パターンで配向されたストリップを有する。他方の側部は、ストリップ17を持たず、ストリップ17を有しない。
【0094】
掃除用品10の器具70への取り外し可能な取り付けは、接着剤、フック及びループシステム、並びにグリッパを使用して実現することができる。グリッパ及び好適な掃除器具70は、同一出願人による第6,484,356号に開示されている。任意選択的な真空を有する好適な器具70は、米国特許第7,137,169号に開示されている。
図5Bに示されるように、好適なスプレー式器具70が、同一出願人による米国特許第5,888,006号、同第5,988,920号、同第6,842,936号、同第7,182,537号、同第7,536,743号、同第7,676,877号、及び同第8,186,898号に開示されている。
【0095】
所望される場合、掃除用品10は、自律的に移動するロボットは無人機と共に使用され、かつそれに取り外し可能に取り付けられてもよい。本発明の掃除用品と共に使用するためのロボット及び無人機の好適な例は、2016年1月11日に出願されたP&Gのケース14189の同一出願人による米国特許第6,941,199号、同第6,810,305号、同第6779217号、同第6,481,515号、同第6,459,955号、及び米国特許出願公開第14/992,195号に見出される。
【0096】
掃除用品10はまた、ハンドル60又は器具70を使用せず、手で使用することもできる。所望される場合、本明細書に記載した様々な掃除用品10をキットとしてパッケージ化及び販売してもよい。この構成は、使用者が、異なる作業に対して異なる掃除用品10の選択肢を有するという利益を提供する。例えば、所望される場合、複数サイズの掃除用品10を、単一のキットとしてまとめて販売することができる。この構成により、使用者は、急な作業に対して最良に適した、特定の掃除用品10を選択することができる。
【0097】
組み合わせ
限定するものではないが、本発明は、段落A~Tのいずれか、又は他の実施形態において同様に作製されてもよい。
【0098】
A.標的表面を掃除するための掃除用品であって、
複数のストリップを含む掃除ストリップ要素であって、各ストリップが、それぞれの近位端からそこから遠く離れたそれぞれの遠位端まで延在し、当該掃除ストリップ要素が、第1の表面及びそれに対向する第2の表面を有する、掃除ストリップ要素と、
当該掃除ストリップ要素の当該第1の表面に接合されたトウ繊維束であって、当該トウ繊維束が、当該ストリップに対して略横断するように配向されている、トウ繊維束と、を備える、掃除用品。
B.長手方向軸と、そこから外方に延在する2列の互いに対向するストリップと、を有し、当該掃除用品が、略長方形であり、かつ2つの対向するより短い側部と交互に配置された2つの対向するより長い側部を有し、当該ストリップが、当該掃除用品の当該より短い側部と略整列されている、段落Aに記載の掃除用品。
C.長手方向軸と、そこから外方に延在する2列の互いに対向するストリップと、を有し、当該掃除用品が、略長方形であり、かつ2つの対向するより短い側部と交互に配置された2つの対向するより長い側部を有し、当該ストリップが、当該より短い側部と略整列され、当該トウ繊維束が、当該より長い側部に対して略平行であり、かつ当該掃除用品の一方のより短い側部から他方のより短い側部まで実質的に延在する、段落A及びBに記載の掃除用品。
D.長手方向軸と、そこから外方に延在する2列の互いに対向するストリップと、を有し、当該掃除用品が、略長方形であり、かつ2つの対向するより短い側部と交互に配置された2つの対向するより長い側部を有し、当該繊維束が、当該対向するストリップの列の間に配置され、かつその近位端と並置されている、段落A、B、及びCに記載の掃除用品。
E.長手方向軸と、そこから外方に延在する2列の互いに対向するストリップと、を有し、当該掃除用品が、略長方形であり、かつ2つの対向するより短い側部と交互に配置された2つの対向するより長い側部を有し、当該繊維束が、長手方向全体にわたって断続的に結合されている、段落A、B、C、及びDに記載の掃除用品。
F.長手方向軸と、そこから外方に延在する2列の互いに対向するストリップと、を有し、当該掃除用品が、略長方形であり、かつ2つの対向するより短い側部と交互に配置された2つの対向するより長い側部を有し、当該繊維束が、複数の離間配置された結合部で長手方向全体にわたって断続的に結合され、当該トウ繊維束が、複数の切り込み位置で断続的な当該複数の結合部に切り込まれている、段落A、B、C、D、及びEに記載の掃除用品。
G.キャリアシートを更に備え、当該キャリアシートが、当該掃除ストリップ要素の当該第2の表面に接合されている、段落A、B、C、D、E、及びFに記載の掃除用品。
H.長手方向軸と、それから外方に延在する2列の互いに対向するストリップと、を有し、当該掃除用品が、略長方形であり、かつ2つの対向するより短い側部と交互に配置された2つ対向するより長い側部を有し、当該トウ繊維束が、当該対向するストリップの列の間に配置され、かつその近位端と並置され、当該トウ繊維束が、当該掃除ストリップ要素に蛇行状パターンで結合されている、段落A、B、C、D、E、F、及びGに記載の掃除用品。
I.標的表面を掃除するための掃除用品であって、
キャリアシートと、
複数のストリップを含む掃除ストリップ要素であって、当該掃除ストリップ要素が、第1の表面及びそれに対向する第2の表面を有し、当該スリットが、それらの間にスリットによって画定され、各ストリップが、それぞれの近位端からそこから遠く離れたそれぞれの遠位端まで延在し、かつそれらの間の長さを画定し、当該掃除ストリップ要素が、内方に配向された表面及びそれに対向する外方に配向された表面を有し、当該掃除ストリップ要素の当該内方に配向された表面が、積層形態で当該キャリアシートに接合されている、掃除ストリップ要素と、
当該掃除ストリップ要素の当該外方に配向された表面に接合された細長いトウ繊維束と、を備える、掃除用品。
J.当該掃除用品が、略長方形であり、かつ2つの対向するより短い側部と交互に配置された2つの対向するより長い側部を有し、当該ストリップが、一列に配置され、かつ当該より短い側部のうちの1つと整列及び略整列され、当該繊維束が、当該近位端と当該遠位端との中間で当該ストリップに接合されている、段落A、B、C、D、E、F、G、H、及びIに記載の掃除用品。
K.当該掃除用品が、略長方形であり、かつ2つの対向するより短い側部と交互に配置された2つの対向するより長い側部を有し、当該ストリップが、当該より短い側部と略整列され、2つの外方に配向された列に配置され、かつ2つのトウ束を含み、1つの当該トウ束が、当該ストリップの当該近位端と当該遠位端との中間で各当該外方に配向されたストリップの列の上に配置され、当該トウ繊維束が、当該スリットで切断されて、それによってそれぞれのストリップに結合されている、段落A、B、C、D、E、F、G、H、I、及びJに記載の掃除用品。
L.当該掃除用品が、略長方形であり、かつ2つの対向するより短い側部と交互に配置され、長手方向軸を画定する、2つの対向するより長い側部を有し、当該ストリップが、当該より短い側部と略整列され、かつ2つの外方に配向された列に配置され、当該細長い掃除ストリップ要素が、当該ストリップの当該長さに対して略横断するように配向され、それによって当該細長いトウ繊維束が、変化する幅を有する、段落A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、及びKに記載の掃除用品。
M.当該掃除用品が、略長方形であり、かつ2つの対向するより短い側部と交互に配置され、長手方向軸を画定する、2つの対向するより長い側部を有し、当該ストリップが、当該より短い側部と略整列され、かつ2つの外方に配向された列に配置され、当該細長い掃除ストリップ要素が、当該ストリップの当該長さに対して略横断するように配向され、それによって当該細長いトウ繊維束が、変化する厚さを有し、最大厚さが、当該長手方向軸と並置されている、段落A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、及びLに記載の掃除用品。
N.当該掃除用品が、略長方形であり、かつ2つの対向するより短い側部と交互に配置された2つの対向するより長い側部を有し、当該ストリップが、当該より短い側部と略整列され、かつ2つの対向する外方に配向された列に配置され、当該列の当該近位端が、離間配置され、それによって当該細長いトウ繊維束が、当該離間配置されたストリップの列間でくぼんでいる、段落A、B、C、D、E、F、G、H、I、K、L、及びMに記載の掃除用品。
O.当該掃除用品が、2つの対向するより短い側部と交互に配置された2つの対向するより長い側部を有する略長方形であり、当該細長いトウ繊維束が、分離した複数の長手方向に離間配置された部分に配置されている、段落A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、M、及びNに記載の掃除用品。
P.当該掃除用品が、2つの対向するより短い側部と交互に配置され、長手方向軸を画定する、2つの対向するより長い側部を有する略長方形であり、当該細長いトウ繊維束が、分離した複数の離間配置された区分に配置され、当該トウ繊維束の各当該区分が、当該長手方向軸に対して略平行である、段落A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、M、N、及びOに記載の掃除用品。
Q.標的表面を掃除するための掃除用品であって、
複数のストリップを含む掃除ストリップ要素であって、各ストリップが、それぞれの近位端からそこから遠く離れたそれぞれの遠位端まで延在し、当該掃除ストリップ要素が、第1の表面及びそれに対向する第2の表面を有する、掃除ストリップ要素と、
当該掃除ストリップ要素の当該第1の表面に接合された複数のトウ繊維束であって、当該トウ繊維束が、当該ストリップに対して略横断するように配向されている、トウ繊維束と、を備える、掃除用品。
R.当該掃除用品が、2つの対向するより短い側部と交互に配置され、長手方向軸を画定する、2つの対向するより長い側部を有する、略長方形であり、当該細長いトウ繊維束の当該各々が、当該長手方向軸に対して略平行である、段落A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、M、N、O、P、及びQに記載の掃除用品。
S.当該掃除用品が、2つの対向するより短い側部と交互に配置され、長手方向軸を画定する、2つの対向するより長い側部を有する、略長方形であり、当該細長いトウ繊維束の当該各々が、当該長手方向軸に対して略斜めである、段落A、B、D、E、F、G、I、J、K、M、N、O、及びQに記載の掃除用品。
T.当該掃除ストリップ要素の当該第2の表面に接合されたキャリアシートを更に備える、段落A、B、D、E、F、H、Q、R、及びSに記載の掃除用品。
【0099】
本明細書にて開示された寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0100】
相互参照される又は関連特許若しくは出願のいずれをも含めた、本明細書に引用されている全ての文書は、明示的に除外される、又は特に限定されない限り、その全体が本明細書に参照として組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのような発明全てを教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0101】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。