(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-12
(45)【発行日】2023-06-20
(54)【発明の名称】一体式照明を有する乗客拘束装置
(51)【国際特許分類】
B60Q 3/242 20170101AFI20230613BHJP
A63G 21/04 20060101ALI20230613BHJP
B60R 21/013 20060101ALI20230613BHJP
B60R 21/13 20060101ALI20230613BHJP
B60Q 3/80 20170101ALI20230613BHJP
B60Q 3/47 20170101ALI20230613BHJP
【FI】
B60Q3/242
A63G21/04
B60R21/13 Z
B60Q3/80
B60Q3/47
(21)【出願番号】P 2019559041
(86)(22)【出願日】2018-04-27
(86)【国際出願番号】 US2018029894
(87)【国際公開番号】W WO2018201011
(87)【国際公開日】2018-11-01
【審査請求日】2021-03-30
(32)【優先日】2017-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ホール グレゴリー エス
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-036273(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0182534(US,A1)
【文献】特開2014-065381(JP,A)
【文献】特表2003-529418(JP,A)
【文献】特開2014-000170(JP,A)
【文献】特表2003-506241(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0132950(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0303260(US,A1)
【文献】特開2016-060313(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 3/242
A63G 21/04
B60R 21/013
B60Q 3/80
B60Q 3/47
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
拘束装置及びロック機構を含む乗客拘束システムと、
感知構成要素を含む近接センサーセットと、
複数の光源を含む照明システムと、
を備えるシステムであって、
前記感知構成要素は前記近接センサーセットの近接センサーによって検出された信号を放射するように構成され、前記信号は、前記感知構成要素と前記近接センサーとの間の互いの距離が閾値距離より小さくなった場合、前記ロック機構をロック構成となるように制御するように伝達され、
前記複数の光源の少なくとも一部は、前記拘束装置と一体化され、前記照明システムは、
前記ロック機構の構成の指示を受け取り、
前記指示がロック解除構成である場合、前記複数の光源によって第1の点灯方式を実行し、
前記指示がロック構成である場合、前記複数の光源によって
前記拘束装置の係合レベル毎に異なる光を照射する第2の点灯方式を実行し、
前記乗客拘束システムの拘束装置は、乗物乗客の頭部上に適合するように構成された頭上拘束機構を含み、前記乗客拘束システムは、前記乗物乗客に下向きの力を与える垂直ベクトル成分及び前記乗物乗客の胴体に対して前後方向の力を与える前後方向ベクトル成分を有する力を作用させるように構成され、前記複数の光源は、前記頭上拘束機構内に埋め込まれ、
前記ロック機構は、前記ロック機構が前記ロック構成である場合に、前記拘束装置が前記ロック機構の周りで回転するのを防止するように構成されるか又は前記拘束装置が前記ロック機構に対して並進するのを防止するように構成される、
ように構成される、システム。
【請求項2】
前記乗客拘束システムは、前記拘束装置が係合位置にある場合に前記ロック構成を示す信号を検出するように構成された近接センサーを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記近接センサーは、前記拘束装置又は前記ロック機構と一体であり、感知構成要素と相互作用するように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記照明システムは、前記複数の光源から放射された光を遮断又は透過するように作動されるように構成されたスクリーンを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記近接センサーによって検出されたデータを処理して、前記ロック機構の前記構成の前記指示を判定して前記指示を前記照明システムに伝えるように構成された制御装置を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の点灯方式は、前記複数の光源から光を放射することを含み、前記第2の点灯方式は、前記複数の光源から光を放射しないことを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記照明システムは、前記拘束装置が前記ロック機構の周りで回転するか又は前記ロック機構に対して並進するのを前記ロック機構が防止することに基づいて、前記複数の光源からの光の放射を制御するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
乗物車両の拘束システムからロック指示を受け取るステップであって、前記拘束システムは乗物乗客の頭部上に適合するように構成された頭上拘束機構及びロック機構を含み、前記乗物車両は、乗物システム内で作動するように構成され、前記ロック指示は近接センサーと感知構成要素との間の距離が閾値距離より小さい場合にロック構成とする指示を含む、ステップと、
前記ロック指示に基づいて前記拘束システムがロック構成であるか又はロック解除構成であるかを判定するステップと、
前記拘束システムが前記ロック解除構成であるとの判定に応答して、前記拘束システムの拘束装置と一体になった複数の発光体によって第1の点灯方式を実行するステップと、
前記拘束システムが前記ロック構成であるとの判定に応答して、前記拘束システムの拘束装置と一体になった前記複数の発光体によって
前記拘束装置の係合レベル毎に異なる光を照射する第2の点灯方式を実行するステップと、
を含み、
前記乗物乗客に下向きの力を与える垂直ベクトル成分及び前記乗物乗客の胴体に対して前後方向の力を与える前後方向ベクトル成分を有する力を作用させるステップであって、前記複数の
発光体は、前記頭上拘束機構内に埋め込まれる、ステップと、
前記ロック機構が前記ロック構成である場合に、前記拘束装置が前記ロック機構の周りで回転するのを防止するか又は前記拘束装置が前記ロック機構に対して並進するのを防止するステップと、
を含む、
方法。
【請求項9】
前記ロック指示を受け取るステップは、前記拘束システムの回転を防止するために歯車止めが前記拘束システムの歯車と係合するか否かを示すデータを受け取るステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の点灯方式を実行するステップは、所定の光の放射パターンを放射するステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記第2の点灯方式を実行するステップは、前記第1の点灯方式の第1の光色とは異なる第2の光色を連続的に放射するステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記乗物システムを作動させる前に前記拘束システムをロックするステップと、
前記乗物車両から乗客が離脱する前に前記拘束システムをロック解除するステップと、をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
ロック機構及び拘束装置を含む拘束システムと、
感知構成要素を含む近接センサーセットと、
前記拘束システムの前記拘束装置と一体になった複数の光源を含む照明システムと、
制御装置と、
を備える制御システムであって、
前記拘束システムは乗物乗客の頭部上に適合するように構成された頭上拘束機構及びロック機構を含み、
前記感知構成要素は前記近接センサーセットの近接センサーによって検出された信号を放射するように構成され、前記信号は、前記感知構成要素と前記近接センサーとの間の互いの距離が閾値距離より小さくなった場合、前記ロック機構をロック構成となるように制御するように伝達され、
前記制御装置は、
1又は2以上のプロセッサと、
命令を格納するメモリデバイスと、
を備え、
前記1又は2以上のプロセッサによって実行された場合の前記命令は、前記1又は2以上のプロセッサに、
前記拘束システムのロック構成のロック指示を受け取り、
前記拘束システムが前記受け取ったロック指示に基づいてロック解除構成であると判定することに応答して、前記照明システムに、複数の光源によって第1の点灯方式を実行するように指示し、
前記拘束システムが前記受け取ったロック表示に基づいてロック構成であると判定することに応答して、記照明システムに、前記複数の光源によって
前記拘束装置の係合レベル毎に異なる光を照射する第2の点灯方式を実行するように指示し、
前記拘束システムの拘束装置が、乗物乗客の頭部上に適合するように構成された頭上拘束機構を含み、前記拘束システムは、前記乗物乗客に下向きの力を与える垂直ベクトル成分及び前記乗物乗客の胴体に対して前後方向の力を与える前後方向ベクトル成分を有する力を作用するように指示し、前記複数の光源は、前記頭上拘束機構内に埋め込まれ、
前記ロック機構が、前記ロック機構が前記ロック構成である場合に、前記拘束装置が前記ロック機構の周りで回転するのを防止するか又は前記拘束装置が前記ロック機構に対して並進するのを防止するように指示するように構成される、制御システム。
【請求項14】
前記拘束システムは、前記ロック構成を示すデータセットの前記制御装置への無線通信を可能にするように構成された送受信機を含む、請求項13に記載の制御システム。
【請求項15】
前記照明システムは、実行される点灯方式を示す指示の無線通信を可能にするように構成された送受信機を含む、請求項13に記載の制御システム。
【請求項16】
前記第1の点灯方式は、光の放射を遮断することを含む、請求項13に記載の制御システム。
【請求項17】
前記照明システムは、前記複数の光源から放射された光が前記拘束システムから視認可能であることを可能にするために開放するように構成されたスクリーンを含む、請求項13に記載の制御システム。
【請求項18】
前記第2の点灯方式を実行することは、前記第2の点灯方式を前記ロック機構が前記ロック構成に係合することを示す音と連係させることを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記第2の点灯方式を音と連係させることは、音楽のリズムに前記複数の光源のうちの一つの光源を点滅させることを含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記第2の点灯方式は前記システムのエンターテインメントテーマに適した光放射を備える、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2017年4月29日出願の米国特許仮出願第62/492,128号「一体式照明を有する乗客拘束装置」の利益を主張するものであり、その開示内容全体は全ての意図及び目的のために引用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本開示は、一般には遊園地様式の乗物に関し、より具体的には、来園者を遊園地様式の乗物の内部に拘束するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
大部分の遊園地様式乗物は、乗客を乗物経路、例えば軌道に沿って運ぶ乗物車両を含む。乗物のコースにわたって、乗物経路は、トンネル、曲がり角、上り坂、下り坂、ループなどを含むいくつかの特徴部を含むことができる。これら及び他の特徴部の組み合わせを含む典型的な遊園地乗物は数分間続くことができるだけとしても、乗物の作動中に、乗物乗客は、乗物車両内の乗物乗客を適切な位置又は向き以外に動かす力を受ける場合がある。したがって、乗物の作動中に乗物乗客を拘束することが望ましい。
【0004】
さらに、乗物車両が乗物経路に沿って発車するのが許可される前に拘束装置の適切な作動を確認するために遊園地オペレータ(例えば、作業者)が乗客を検査することが有益であろう。しかしながら、現在、乗物乗客が(例えば、拘束システムによって)適切に固定されていることを保証するための遊園地作業者による手動の検査の種々の態様が、本発明の実施形態によって克服できる非効率性に起因して遅延を引き起こす場合があることが認識されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
当初権利主張された主題と範囲に相応した特定の実施形態を以下に要約する。これらの実施形態は、主張する主題の範囲を制限することは意図されず、むしろ、これらの実施形態は、主題の可能な形態の概要を提示することだけが意図されている。実際には、本発明の主題は、以下に示す実施形態に類似する又はそれとは異なる場合がある様々な形態を包含することができる。
【0006】
一実施形態によれば、システムは、乗客拘束システム及び照明システムを含む。乗客拘束システムは、拘束装置及びロック機構を含む。照明システムは、複数の光源を含み、複数の光源の少なくとも一部は、拘束装置と一体になっている。さらに、照明システムは、ロック機構の構成の指示を受け取り、指示がロック解除構成である場合に複数の光源によって第1の点灯方式を実行し、表示がロック構成である場合に複数の光源によって第2の点灯方式を実行するように作動する。
【0007】
一実施形態によれば、方法は、乗物システム内で作動する乗物車両の拘束システムからロック指示を受け取るステップを含む。この方法は、ロック指示に基づいて拘束システムがロック構成であるか又はロック解除構成であるかを判定するステップと、拘束システムがロック解除構成であるとの判定に応答して、拘束システムの拘束装置と一体になった複数の発光体によって第1の点灯方式を実行するステップと、拘束システムがロック構成であるとの判定に応答して、拘束システムの拘束装置と一体になった複数の発光体によって第2の点灯方式を実行するステップとをさらに含む。
【0008】
一実施形態によれば、制御システムは、ロック機構及び拘束装置を含む拘束システムを含む。制御システムは、拘束システムの拘束装置と一体になった複数の光源を含む照明システムを含む。さらに、制御システムは、1又は2以上のプロセッサと命令を格納するメモリデバイスとを含む制御装置を含み、1又は2以上のプロセッサによって実行された場合、命令は、1又は2以上のプロセッサに、拘束システムのロック構成のロック指示を受け取り、拘束システムが受け取ったロック指示に基づいてロック解除構成であると判定することに応答して、照明システムに、複数の光源によって第1の点灯方式を実行するように指示し、拘束システムが受け取ったロック指示に基づいてロック構成であると判定することに応答して、照明システムに、複数の光源によって第2の点灯方式を実行するように指示するようになっている。
【0009】
本開示の上記及び他の特徴、態様、及び利点は、図面を通して同様の文字が同様の部品を表す添付図面を参照して、以下の詳細な説明を読むことでよりよく理解できるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の態様による、乗物システムの実施形態の側方斜視図を示す。
【
図2】本開示の態様による、
図1の乗物システムの乗物車両の実施形態の側方斜視図を示す。
【
図3】本開示の態様による、拘束システムをロック構成で使用する
図1の乗物システムの乗物車両の実施形態の斜視図を示す。
【
図4】本開示の態様による、
図3の拘束システムをロック解除構成で使用する
図1の乗物システムの乗物車両の実施形態の斜視図を示す。
【
図5】本開示の態様による、組み込まれた照明システムを使用する
図3の拘束システムの実施形態の概略側面図を示す。
【
図6】本開示の態様による、
図3の拘束システムに関連したロック機構の実施形態の概略図を示す。
【
図7】本開示の態様による、照明システムの光が点灯方式を実行するプロセスの流れ図を示す。
【
図8】本開示の態様による、照明システムの光が点灯又は消灯するプロセスの流れ図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の1又は2以上の特定の実施形態について以下で説明する。これらの実施形態の簡潔な説明を与えるために、本明細書では実際の実施構成の全ての特徴を説明するわけではない。このようないずれかの実際の実施構成の開発においては、あらゆるエンジニアリング又は設計プロジェクトの場合のように、システム関連及び業務関連の制約の遵守等の開発者の特定の目標を達成するために、多くの実施構成特有の決定を行う必要があることを理解されたい。更に、このような開発努力は、複雑で時間がかかることがあるが、それにも関わらず、本開示の利益を得る当業者にとっては、設計、製作、及び製造の日常的な仕事であることは理解されたい。
【0012】
典型的な遊園地乗物システム(例えば、ジェットコースター、ダークライド、バンパーカー)は、一連の特徴部によって乗物経路(例えば、軌道)をたどる1又は2以上の乗物車両を含む。これらの特徴部としては、トンネル、曲がり角、上り坂、下り坂、ループなどを挙げることができる。乗物車両が高速で移動し、非直線経路に沿って移動することが多いので、乗物車両の中に乗っている乗客は、特に乗客が乗物車両に固定されていない場合、乗客の望ましくない移動をもたらす可能性がある力を受ける場合がある。したがって、乗物システムの作動中に、乗客を拘束する(例えば、固定する)ことが望ましい。
【0013】
以下の考察は、概して特定の娯楽用途において使用される遊園地乗物における乗物システムとの関連において提示されているが、このような関連状況における実施例及び説明の提示は、現実世界の実施例及び用途の例を提示することによって説明を容易にするためにすぎない。実際には、本明細書で検討される照明システム及び拘束システムは、乗物システムだけでなく、数例を挙げると、輸送システム、航空システム、仮想現実(VR)システム及び自動車システムに対しても特有の利点を与えることができる。
【0014】
以上を考慮して、特定の乗物システムにおいて、典型的には、オペレータ(例えば、遊園地作業者)は、乗物車両の作動(例えば、乗物経路に沿って発車)することが許可される前に、乗客を目視で検査する、及び/又は乗客の拘束システムを引き寄せて拘束システムの適切な作動を確認する。しかしながら、乗物乗客が拘束システムによって適切に固定されていることを保証するためのオペレータによる手動検査の種々の態様は、本発明の実施形態によって克服することができる非効率性に起因して遅延を引き起こす場合がある。例えば、本実施形態は、手動検査に加えて使用して、冗長性を加えて、拘束システムの適切な作動を確認するために使用される技術の効率を高めることができる。
【0015】
以下で詳細に検討するように、一実施形態において、拘束システムを使用して、1又は2以上の乗客を乗物車両に拘束することができる。拘束システムは、様々な体形及び体の大きさの乗客らに対応するために複数の係合位置に係合することができる。一実施形態において、拘束システムは、拘束システムに埋め込まれた照明システムを含む。照明システムは、拘束システムの様々な構成に基づいて、様々な特性(例えば、色、明度及び温度)の光を放射する様々な光源(例えば、光ファイバ光源、プロジェクタ及び発光ダイオード(LED))を含むことができる。例えば、拘束システムがロック解除構成である場合、照明システムは、対応する乗客が拘束システムに固定されていないことをオペレータに知らせる第1の点灯方式を実行することができる。もしくは、拘束システムがロック構成である場合、照明システムは、対応する乗客が拘束システムに固定されていることをオペレータに知らせる第2の点灯方式を実行することができる。
【0016】
加えて、照明システムは、作動した(例えば、点灯した)場合、乗物システムのテーマ(theming)を付与するライトショーを実行することができる。例えば、照明システムは、乗物システムの背景で演奏される音楽に実質的に適合する光を放射することができる。放射光は、乗物システムに関連したテーマに適合する色とすることができる。
【0017】
したがって、本明細書で開示した実施形態は、拘束システムに照明システムを組み込むことによって乗物システムの全体的なテーマを強化し、乗客の体験をさらに高める。加えて、照明システムは、乗物システムを作動させて乗物車両を動作させる前に、拘束システムが適切に稼働しているという(例えば、ロック構成で)追加の検査の機能を果たすことができる。拘束システムの効率的な作動及びステータス検査を強化するための本明細書に記載のシステム及び技術を用いることによって、乗物のさらなる処理能力及び他の作動効率が得られる。
【0018】
図1は、本開示の態様による乗物システム10の実施形態の側方斜視図を示す。乗物システム10は、1又は2以上の乗客12を収容する乗物車両14を含むことができる。一実施形態において、複数の乗物車両14は、互いに結合することができる(例えば、リンク機構によって)。一実施形態において、乗物車両14は、乗物経路16に沿って進む。乗物経路16は、乗物車両14が進む何らかの表面とすることができる。一実施形態において、乗物経路16は軌道とすることができる。乗物経路16は、乗物車両14が進む経路を定める場合又は定めない場合がある。すなわち、一実施形態において、乗物経路16は、電車軌道上の電車と同様に、乗物車両が進む際に乗物車両14の動き(例えば、方向、速度及び/又は方位)を制御することができる。別の実施形態において、乗物車両14が誘導される経路を制御するシステムが存在することができる。例えば、乗物経路16は、開放面とすることができ、この開放面は、乗客12が乗物車両14上に存在する制御システムによって乗物車両14の動きの特定の態様を制御することを可能にする。代替的に又は付加的に、制御システムは、開放面上に存在することができ、乗客12は、開放面を制御して乗物車両14を目標軌道において操縦することができる。
【0019】
さらに、乗物システム10は、任意数の乗物乗客12に対応することができる乗物車両14を含むことができる。例えば、例示する実施形態は、各々2人の乗物乗客12に対応する5つの乗物車両14を示す。別の実施形態において、乗物システム10は、任意数の乗物車両14を含むことができる。例えば、乗物システム10は、2、4、10、20、又は任意数の乗物車両14を含むことができ、各乗物車両14は、乗客12の様々な範囲に対応することができる。例えば、第1の乗物車両14は、2人の乗客に対応することができ、第2の乗物車両14は、4人の乗客12に対応することができ、第3の乗物車両14は、6人の乗客12に対応することができ、別の乗物車両14は、任意の適切な数の乗客12に対応することができる。
【0020】
以下で詳細に検討するように、乗物車両14は、照明特徴部を有する拘束システム18を含むことができる。一実施形態において、拘束システム18は、乗客12のひざより上方に配置することができ、拘束システム18は、乗客12を乗物車両14に固定するために力を乗客12のひざに掛けるようになっている。一実施形態において、拘束システム18は、上半身を対応する座席に対して固定するために乗客の肩部に引き寄せられる胴ハーネスを含む。
【0021】
何らかの適切な拘束システムを利用できることに留意されたい。例えば、拘束システムは、乗客の頭部上に適合可能な頭上拘束機構を含むことができ、拘束システムは、乗物乗客に力を及ぼすことができるようになっている。力は、乗物乗客に下向きの力成分をもたらす垂直ベクトル成分と、乗物乗客の胴体に対して前後方向の力成分をもたらす前後方向ベクトル成分とを有することができる。
【0022】
図2は、本開示の態様による、
図1の乗物システム10の乗物車両14の実施形態の側方斜視図を示す。乗客12は、乗物車両14の中に着座して拘束システム18によって固定されることができるが、乗物車両14は、前後軸20(例えば、進行方向)と実質的に平行に配向された経路16に沿って進むことができる。一実施形態において、拘束システム18は、力を前後軸20、横軸22、垂直軸24、又はその任意の組み合わせに沿って乗客12に力を及ぼすことができる。このため、拘束システム18は、乗客12を座席28及び背もたれ26に固定する力を提供することができる。例えば、乗客12は、拘束システム18によって背中が背もたれ26上へ押し付けられるように乗物車両14の中に着座することができる。実施形態において、背もたれ26及び座席28は、(例えば、ポリウレタン)発泡体、綿、ゴムなどの詰め物材で作製することができる。
【0023】
一実施形態において、乗物システム10は制御システム30を含む。一実施形態において、制御システムは制御装置32を含む。各乗物車両14は、それぞれの制御装置32と関連づけることができる。一実施形態において、制御装置32は、複数の乗物車両14を制御する中央制御装置とすることができる。制御装置32は、プロセッサ34、メモリデバイス36及び記憶装置38を含むことができる。一実施形態において、制御装置32は、拘束システム18に組み込むことができる。
【0024】
乗物システム10は、制御システム30の制御を支援することができる基地局制御装置40を含むことができることに留意されたい。基地局制御装置40は、プロセッサ34、メモリデバイス36及び記憶装置38を含むことができる。一実施形態において、制御装置32及び基地局制御装置40は、任意の適切なプロトコルを超えて無線通信を可能にするそれぞれの送受信機41によって通信可能に結合することができる。別の実施形態において、基地局制御装置40及び制御装置32は、有線接続によって通信可能に結合される(例えば、地上通信ケーブル)。制御装置32及び/又は基地局制御装置40は、乗物システム10の状態が監視される品質チェックポイントとして機能することができる。例えば、基地局制御装置40は、制御装置32、乗物車両14上のセンサーなどからデータを受信して、拘束システム18がロック構成にあるか又はロック解除構成にあるかを判定することができる。さらに、基地局制御装置40のオペレータは、乗物車両14の速度、乗物システム10の走行時間、照明システムの光特性、乗物システム10の他の適切な態様を手動で制御することができる。
【0025】
制御装置32及び基地局制御装置40の一方又は両方のプロセッサ34は、拘束システム18をロックするための、照明システムを使用するための、及び拘束システム18をロック解除するためのソフトウェアなどのソフトウェアを実行するために使用することができる。さらに、プロセッサ34は、乗物システム10に関する開始時間及び終了時間を決定することができる。プロセッサ34は、複数のマイクロプロセッサ、1又は2以上の「汎用」マイクロプロセッサ、1又は2以上の専用マイクロプロセッサ及び/又は1又は2以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、又はその何らかの組み合わせを含むことができる。例えば、プロセッサ34は、1又は2以上の縮小命令セット(RISC)プロセッサを含むことができる。
【0026】
メモリデバイス36は、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの揮発性メモリ、及び/又は、ROMなどの不揮発性メモリを含むことができる。メモリデバイス36は、様々な情報を記憶することができ、様々な目的に使用することができる。例えば、メモリデバイス36は、拘束システム18をロックする命令、照明システムを使用する命令、様々な点灯方式を実行する命令、及び拘束システム18をロック解除する命令などのプロセッサ34が実行するプロセッサ実行可能命令(例えば、ファームウェア又はソフトウェア)を記憶することができる。一実施形態において、メモリデバイス36に格納された命令によって、プロセッサ34は、照明システムから放射される光の特性を制御することができる。
【0027】
記憶装置38(例えば、不揮発性記憶装置)は、読取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ハードドライブ、もしくは任意の他の適切な光学記憶媒体、磁気記憶媒体又は半導体記憶媒体、又はその組み合わせを含むことができる。記憶装置46は、データ(例えば、保守データ、乗物車両14に関連した位置データ、及び乗車時間データ)、命令(例えば、拘束システムをロック及びロック解除する、照明システムによって光を放射する、及び乗物車両14を作動させるソフトウェア又はファームウェア)、及び任意の他の適切な情報を記憶することができる。
【0028】
一実施形態において、制御装置32が、拘束システム18がロックされている(例えば、乗客12が乗物車両14に固定されるように)と判定した場合、制御装置は、光を放射するように照明システム50を作動させることができる。一実施形態において、制御装置32は拘束システム50に組み込まれている。一実施形態において、制御装置32が拘束システム18はロックされていないという第1の指示(例えば、センサー信号)を受信した場合、制御照明システム50は光を放射することができない(例えば、消灯したままである)。代替的に又は付加的に、制御装置32が、拘束システム18がロックされているという何らかの指示を受信しない限り、制御装置32は、照明システム50に光を放射できないようにすることができる。制御装置32が拘束システム18はロックされているという第2の指示(例えば、センサー信号)を受信する場合、制御装置32は、照明システム50に光を放射させる第2の信号を照明システム50に送ることができる。一実施形態において、照明システム50は、オペレータが拘束システム18を把持して引き付ける/押し付けることによって拘束システム18の係合を手動で試験することを可能にするように機能するハンドルに組み込まれている(例えば、光ファイバによって)。別の実施形態において、照明システム50は、乗客12に放射光が直接見えないように拘束システム18に埋め込むことができる。
【0029】
図3は、本開示の態様による、拘束システム18をロック構成で使用する
図1の乗物システム10の乗物車両14の実施形態の斜視図を示す。さらに、例示する実施形態において、4つの拘束システム18は、各拘束システム18が乗物車両14に1人の乗物乗客12を固定できるように横軸22に沿って整列する。一実施形態において、拘束システム18の各々は、互いに独立してロックすることができる。例えば、1つの拘束システム18は、ロック解除構成で直立したままとすることができ(例えば、
図4に示すように)、一方、他の拘束システム18は、ロック構成で下方に向くことができる(例えば、
図3に例示するように)。一実施形態において、拘束システム18は、ロック構成である場合、照明システム50によって光52を放射することができる。
【0030】
照明システム50は、様々な光源を含むことができる。例えば、照明システム50は、コンパクト蛍光(CFL)電球、発光ダイオード(LED)電球、ハロゲン電球、蛍光電球、高輝度放電(HID)球、プロジェクタ装置、及び/又は光52を放射する任意の適切な照明を含むことができる。光52は、任意の適切な色、明度及び温度とすることができる。一実施形態において、光52は、乗物車両14の全体的テーマに適合することができる。例えば、緑色乗物車両14については、放射光52は、縁色とすることもできる。一実施形態において、照明システム50の一部は、異なる色もしくは様々な明度及び温度の光52を放射することができる。例えば、第1の照明システムは、明るい黄色光を放射することができ、第2の照明システムは、暗い緑色光を放射することができる。
【0031】
一実施形態において、照明システム50は、特殊効果を実行することができる。例えば、放射光52は、音楽のリズムで点滅することができる(例えば、拘束システム18がロック構成である場合)。一実施形態において、光システム50は、乗客12の前に画像を表示するプロジェクタを含むことができる(
図1~
図2)。異なる光特性(例えば、色、明度及び温度)を利用して、対応する拘束システム18のステータスを示すことができる。例えば、様々な光の色調、明度、温度又は色は、異なるレベルの係合を示すことができる(例えば、赤色光は、拘束システム18が係合していないことを示し、紫色光は、大柄な乗客12に対する固定ロックを示し、オレンジ光は、小柄な乗客12に対する固定ロックを示すことができる)。
【0032】
さらに、拘束システム18は、何らかの適切なロック機構60を含むことができる。例えば、ロック機構60は、歯止めの周りに回転することができる歯車を含むラチェットシステムとすることができ、歯車及び歯止めが基部に回転可能に固定される。ラチェットシステムは、歯部を備える円形歯車を含むことができ、歯止めは、回転方向62の横軸22周りの拘束システム18の回転を防止するために歯部と係合することができる。一実施形態において、ラチェットシステムは、例えば、頭上構成要素66が回転方向62に回転する際に、拘束システムを異なる係合位置にロックすることができる。すなわち、拘束システムは、頭上構成要素をロック構成に係合するために、回転方向62に沿った複数の係合位置を含むことができる。
【0033】
一実施形態において、ロック機構60は、例えば、拘束システム18が特定の角距離を移動した後にボルト組立体によって拘束システム18をロックするように作動させることができる、作動油圧ポンプ及び油圧シリンダを含む油圧システムとすることができる。さらに、油圧ポンプは、ボルトに係合して拘束システム18をロックするようにピストンを作動させることができる作動油を押し出すことができる。一実施形態において、拘束システム18がロックされる場合(例えば、ボルトによって)、制御装置32により、照明システム50は、ロックされた拘束システム18に対応する適切な光特性の光52を放射することができる。
【0034】
一実施形態において、ロック機構60は、対応する開口部に電気的に係合させることができる一連のソレノイド及びピンを含むことができる。ロック機構60は、複数のロック位置を可能にすることができ、これにより、拘束システム18は、広範囲の体形及び体の大きさの様々な乗客12を固定できる。
【0035】
一実施形態において、ロック機構60は電磁ロックを含む。電磁ロックは、ロック装置(例えば、電磁石を含む)及び電機子プレートを含む。このため、一実施形態において、ロック機構60は、「フェイルセキュア」とすることができ、ロック機構60への電力が無くなった場合にはロック機構60はロック状態を維持することができる。
【0036】
図4は、本開示の態様による、
図3の拘束システム18をロック解除構成で使用する
図1の乗物システム10の乗物車両14の実施形態の斜視図を示す。上述したように、拘束システム18がロック解除構成であることを示す第1の指示を制御装置32が受け取った場合、制御装置32は、照明システム50に光を放射させないようにすることができる。別の実施形態において、制御装置32は、照明システム50が、拘束システム18のロック構成(例えば、ロック構成又はロック解除構成)に応じて各色(又は他の各特性)間で切り替わるようにすることができる。例えば、制御装置32が拘束システム18はロック解除構成であると判定する場合、制御装置32は、対応する照明システム52に、第1の特性セット(例えば、第1の色、第1の色調、第1の明度、第2の色調、及び第1の温度)を有する光を放射させることができ、制御装置32が拘束システム18はロック構成であると判定する場合、制御装置32は、対応する照明システム52に、第2の特性セット(例えば、第2の色、第2の明度、及び第2の温度)を有する光を放射させることができる。一実施形態において、制御装置32が拘束システム18はロック解除構成であると判定する場合、制御装置32は、照明システム50に光52を放射させないようにすることができる。
【0037】
一実施形態において、制御装置32が拘束システム18はロック解除構成であると判定する場合、制御装置32は、照明システム50に第1の点灯方式を実行させることができる。例えば、第1の点灯方式は、点滅赤色光を放射することを含むことができる。一実施形態において、第1の点灯方式は、拘束システム18がロック解除構成であるという指示の機能を果たす赤色光を放射することを含むことができる。さらに、制御装置32が拘束システム18はロック構成であると判定する場合、制御装置32は、照明システム50に第2の点灯方式を実行させることができる。例えば、第2の点灯方式は、緑色光を放射することを含むことができる(例えば、拘束システムがロック構成である指示として)。
【0038】
図5は、拘束システム18及びその対応する照明システム50の実施形態の概略側面図を示す。より具体的には、一実施形態において、拘束システム18は、頭上構成要素66、背もたれ26及び座席28を含む。さらに、上述したように、ロック機構60(例えば、ラッチ機構、油圧ロックシステム及び/又は磁気ロックシステム)は、拘束システム18がロック構成とロック解除構成との間で行ったり来たりすることを可能にする。
【0039】
一実施形態において、照明システム50は、頭上構成要素66上のスロット68に埋め込まれている。一部の実例において、スロット68は、放射光52の一部をフィルタリングすることができる。例えば、放射光52をフィルタリングすると、放射光52の視認をより快適にすることができる(例えば、防眩することで)。一実施形態において、スロット68は、放射光52の光特性を変更することができるフィルタリング構成要素を含むことができる。
【0040】
スロット68は、光52を遮断することができるスクリーン69(例えば、液晶ディスプレイ)を含むことができる。スクリーン69は、制御装置32と通信可能に結合することができ、スクリーン69は、制御装置32によって実行された命令に基づいて開く又は閉じることができるようになっている。例えば、スクリーン69は、拘束システム18がロック解除構成である場合に閉じることができ、照明システム50は実質的に検出可能な光52を放射しないので、拘束システム18はロック解除構成であるという視覚的指示が提供される。スクリーン69は、拘束システム18がロック構成である場合に開くことができるので、放射光52をより簡単に検出することができる。一実施形態において、照明システム50は、光52を連続的に放射させることができるが、光52は、スクリーン69が開いている場合にのみ明瞭に視認可能である(例えば、遊園地係員に対して)。
【0041】
一実施形態において、拘束システム18は、送受信機70及び電源72を含む。照明システム50は、電力を電源72から受け取ることができる。一実施形態において、電源72はバッテリである。電源72は、乗物車両14の電気的構成要素の全て又は一部に給電するために乗物車両14の前部に置くことができる。各拘束システム18は、対応する構成要素に給電することができる電源72を含むことができることに留意されたい。一実施形態において、電源72は、無線で充電する、回生制動により充電する、又は任意の適切な充電技法によって充電することができる。
【0042】
さらに、近接センサーセット74は、電源72から給電することができる。近接センサーセット74の近接センサーと感知構成要素との間のデータは、送受信機70を介して通信することができる。一実施形態において、近接センサーセット74は、制御装置32に(例えば、それぞれの送受信機によって)通信可能に結合することができる。一実施形態において、近接センサーセット74は、頭上構成要素66上の近接センサー76及び座席28上の感知構成要素78を含む。一実施形態において、感知構成要素78は、近接センサー76と関連して使用されるエミッタを含むことができ、エミッタは、拘束システムを適切な係合位置に係合するために使用された近接センサー76によって検出される信号を放射するようになっている。近接センサーセット74は、拘束装置が係合位置にある場合にロック構成を示す信号を検出することができる。拘束システムの異なる実施形態において異なる構成を使用することができることに留意されたい。例えば、感知構成要素は、近接センサー76によって検出することができるバーコード、磁石、又は何らかの適切なエミッタとすることができる。
【0043】
一実施形態において、制御装置32により、ロック機構60は近接センサー76から受け取ったデータに基づいてロック又はロック解除することができる。例えば、制御装置32は、近接センサー76と感知構成要素78との間の距離80を示す第1のセンサーデータセットを受け取ることができる。一実施形態において、距離80が閾値未満である場合、制御装置32は、ロック機構60をロック構成(例えば、乗客を拘束する適切な係合位置)に係合するために、ロック機構60にロック信号を送ることができる。例えば、近接センサー76が感知構成要素78は近接センサー76に近接していることを検出する場合、制御装置32は、ロック機構60を適切な係合位置に係合するために、この近接を示す信号を受け取ることができる。一実施形態において、制御装置32により、照明システム50は、ロック機構60をロック構成に係合することに応答して光52を放射することもできる。一実施形態において、制御装置32により、照明システム50は、ロック機構60をロック構成に係合することに応答して第2の特性セットを有する光52を放射することができ、これは、センサー(例えば、近接センサーセット74)によって検出することもできる。一実施形態において、制御装置32により、照明システム50は、ロック機構60をロック構成に係合することに応答して第2の点灯方式を実行することができる。このため、照明システム50は、拘束システム18がロック構成である結果として光52を放射することができる。
【0044】
距離80が閾値よりも大きい場合、制御装置32は、ロック信号をロック機構60に送ることができず、ロック機構60は、非係合でロック解除構成のままである。一実施形態において、距離80が閾値よりも大きい場合、制御装置32は、ロック解除信号をロック機構60に送ることができ、ロック機構60は、非係合でロック解除構成のままである。しかしながら、オペレータは、ロック機構60を距離80に関係なくロック構成に係合できることに留意されたい。一実施形態において、制御装置32により、照明システム50は、ロック機構60をロック解除構成に維持することに応答して光52を放射しないこともできる。このため、照明システム50は、拘束システム18がロック解除構成である結果として光52を放射することができない。一実施形態において、制御装置32により、照明システム50は、ロック機構60が非係合でロック機構60をロック解除構成に維持することに応答して第1の特性セットを有する光52を放射することができる。一実施形態において、制御装置32により、照明システム50は、ロック機構60が非係合でロック機構60をロック解除構成に維持することに応答して第1の点灯方式を実行させることができる。
【0045】
図6は、本開示の態様による、
図3の抑制システム18に関連したロック機構60の実施形態の概略図を示す。上述したように、ロック機構60は、例えば、それぞれの送受信機70、41を経由して制御装置32に通信可能に結合することができる。一実施形態において、照明システム50は、同様に制御装置32に通信可能に結合される。一実施形態において、ロック機構60は、ラチェットシステムを含むラッチ機構である。ラチェットシステムは、歯止め84の周りで回転する歯車82を含むことができ、歯車82及び歯止め84は、基部86に対して回転可能に固定される。一実施形態において、歯車82は、複数の歯部88を含み、歯部88は、ロック機構60の周りの回転方向62の頭上構成要素66の回転を防止するために、歯止め84と係合することができる。歯部88は、制御装置32が拘束システム18をロック構成に係合させる場合に作動する特定の回路特徴部を含むことができる。代替的に、歯止め84は、制御装置32に通信可能に結合することができ、歯止め84は、拘束システム18の回転を防止するために歯部88と係合するように、制御装置32によって稼働することができ、結果的に拘束システム18は係合されてロック構成になる。
【0046】
制御装置32が拘束システム18はロック解除構成であるという指示を受け取った場合(又は、制御装置が拘束システムに係合してロック解除構成になった後)、制御装置32により、照明システム50は、例えば、拘束システム18がロック解除構成であるとオペレータに知らせるために特定の方法で作動することができる。さらに、制御装置32が拘束システム18はロック構成であるという指示を受け取った場合、制御装置32により、照明システム50は、例えば、拘束システム18がロック構成であるとオペレータに知らせるために別の方法で作動することができる。例示する実施形態において、ロック機構60はラチェットシステムであるが、ロック機構60は、他の適切なロック機構の中で、油圧システム、一連のソレノイド及びピン、電磁ロックとすることができることに留意されたい。さらに、拘束システム18は、これらのロック機構の何らかの組み合わせを乗物車両14に組み込むことができる。
【0047】
図7及び
図8は、本開示の態様による方法の流れ
図100、200を示し、これにより、照明システム50(
図2~
図6)は、それぞれ点灯方式を実行するか又は照明システム50を作動させることができる。以下で検討するように、点灯方式は、拘束システム18(
図1~
図6)がロック構成であるか又はロック解除構成であるかに基づくことができる。一実施形態において、照明システム50は、拘束システム18のロック構成の指示を受け取ることができる(処理ブロック102、202)。拘束システム18のロック構成は、ロック又はロック解除とすることができる。一実施形態において、制御装置32は、乗物システム10の作動時(
図1)及び乗物システム10の非作動時に拘束システム18のロック構成の指示を受け取ることができる。
【0048】
上述したように、一実施形態において、拘束システムは、頭上構成要素66(
図5)上の近接センサー76(
図5)及び座席28(
図2及び
図5)上の感知構成要素78(
図5)を含む近接センサーセット74(
図5)を含む。近接センサーセット74は、ロック係合を検出するセンサーを含むこともできる。一実施形態において、拘束システム18のロック構成の指示を受け取ることは、近接センサー76と感知構成要素78(例えば、エミッタ)との間の距離80(
図5)の指示を受け取ることを含むことができる。制御装置32(
図2~
図6)は、距離80が閾値未満であることに応答して、ロック機構60を係合させてロック構成にすることができる。一実施形態において、制御装置32は、さらに距離80に無関係にロック機構を係合させてロック構成にすることができる。制御装置32は、ロック機構が係合してロック構成になるように指示することができ、ロック機構60が係合してロック構成になっているという指示を受け取ることができる。すなわち、一実施形態において、ロック機構60は、近接センサーセット74が乗客12に近接していることを検出することに応答して(
図1~
図2)、係合してロック構成になることができる。制御装置32は、ロック機構60をロック構成に作動させ、ロック機構60が係合してロック構成になっているという指示をセンサーセット74の他のセンサーから受け取ることができる。ロック構成は、異なる体形及び体の大きさの様々な乗客に対応するために様々な係合位置を含むことができる。
【0049】
さらに、拘束システム18は、拘束システム18が乗客12に及ぼす圧力を検出する触覚センサーを含むことができる。一実施形態において、圧力が圧力閾値を超える場合、制御装置32は、拘束システム18をロック構成に作動させることができる。制御装置32は、このロック機構60が係合してロック構成になっているという指示を受け取ることができる。
【0050】
制御装置32は、拘束システム18のロック構成の指示を受け取った後、拘束システム18がロック構成であるか否かを判定することができる(決定ブロック104、204)。一実施形態において、拘束システム18がロック構成であるか否かを判定することは、ロック機構60が拘束システム18の動き(例えば、回転又は並進)に逆らうか又は防止するように、ロック機構60が係合されているか否かを判定することを含む。ロック機構60が係合される場合、ロック機構60は、乗客12の動きを低減するように頭上構成要素66の動きに逆らうか又は防止することができる。上述したように、ロック機構60は、拘束システム18のロック及びロック解除を可能にするために、他の適切なロック機構の中で、ラチェットシステム、油圧システム、一連のソレノイド及びピン、電磁ロックを含むことができる。
【0051】
上述したように、制御装置32が拘束システム18はロックされていない(ロック解除構成である)と判定した場合、制御装置32は、照明システム50に第1の点灯方式を実行させることができる(処理ブロック106)。例えば、第1の点灯方式は、点滅赤色光を放射することを含むことができる。放射された赤色光は、ロック機構60がロック解除構成であるとオペレータによって理解される指示の機能を果たすことができる。一実施形態において、第1の点灯方式は、光52を放射しないことを含むことができる(処理ブロック206)。このため、制御装置32が拘束システム18はロック構成ではないと判定した場合、制御装置32は、照明システム50が光52を放射(
図3及び
図5)しないように、照明システムを消灯に維持することができる(処理ブロック206)。
【0052】
上記で詳細に説明したように、拘束システム18がロック構成である場合、照明システム50は、第2の点灯方式を実行することができる(処理ブロック108)。第2の点灯方式は、緑色光を放射することを含むことができる。一実施形態において、拘束システム18がロック構成である場合、照明システム50は、点灯して光52を放射することができる(処理ブロック208)。一実施形態において、光52を放射してライトショーを提供することができる。一実施形態において、光52は、乗物車両14の周りで演奏されている音楽のリズムと同期して点滅することができる。さらに、第1の点灯方式は、拘束システムがロックされている場合、及び/又は、乗物車両14が移動を始めるときに開始することができるライトショーを含むことができる。ライトショーは、乗物システム10のテーマに関連した形状(figure)を放射及び表示することができる光ディスプレイを含むことができる。
【0053】
本明細書で提供及び請求される技術は、本技術分野を明白に改善し、そのようなものだとして、抽象的、無形的、又は純粋に理論的ではない有形物及び実用的な性質の有形例に言及し、適用される。さらに、本明細書の最後に添付される何れかの請求項が「...(機能)を(実施)するための手段」又は「...(機能)を(実施)するためのステップ」と指定された1又は2以上の構成要素を含む場合、こうした構成要素は、35.U.S.C.112条(f)の下で解釈されるべきことを意図する。しかしながら、任意のその他の方法で指定された構成要素を含む何れかの請求項に対しては、こうした構成要素は、35.U.S.C.112条(f)の下で解釈されるべきではないことを意図する。
【0054】
本明細書では本実施形態の特定の特徴のみを示して説明してきたが、当業者であれば、多くの修正及び変更に想到するであろう。したがって、添付の請求項は、全てのこのような修正及び変更が本開示の真の精神に含まれるものとして、これらを網羅するものであることは理解されたい。更に、開示する実施形態の特定の要素を相互に組合せて又は置き換えることができる点は理解されたい。
【符号の説明】
【0055】
18 拘束システム
26 背もたれ
28 座席
32 制御装置
34 プロセッサ
36 メモリデバイス
38 記憶装置
40 基地局制御装置
50 照明システム
52 光
60 ロック機構
66 頭上構成要素
68 スロット
69 スクリーン
70 送受信機
72 電源
74 近接センサーセット
76 近接センサー
78 感知構成要素
80 距離