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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-12
(45)【発行日】2023-06-20
(54)【発明の名称】ガラス成形機
(51)【国際特許分類】
   C03B 11/16 20060101AFI20230613BHJP
   C03B 11/00 20060101ALI20230613BHJP
   B30B 15/34 20060101ALI20230613BHJP
   B30B 15/24 20060101ALI20230613BHJP
【FI】
C03B11/16
C03B11/00 E
B30B15/34 Z
B30B15/24 A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020050733
(22)【出願日】2020-03-23
(65)【公開番号】P2021147293
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2022-07-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003458
【氏名又は名称】芝浦機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 亨
(72)【発明者】
【氏名】山本 淑弘
(72)【発明者】
【氏名】平原 直人
(72)【発明者】
【氏名】藤原 茂
【審査官】末松 佳記
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-277129(JP,A)
【文献】特開2015-209358(JP,A)
【文献】特開平02-107533(JP,A)
【文献】特開2009-234886(JP,A)
【文献】特開2014-092250(JP,A)
【文献】特開2018-017254(JP,A)
【文献】特開2009-209626(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B 11/00 - 11/16
B30B 15/34
B30B 15/24
F16B 5/00 - 5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金型が接する平面状部を備えた第1の金型用テーブルと、
前記金型が接する平面状部を備えた第2の金型用テーブルと、
前記第1の金型用テーブルに設置されている前記金型を、前記第2の金型用テーブルと前記第1の金型用テーブルとで所定の力で挟み込むために、前記第2の金型用テーブルを駆動するアクチュエータと、
前記アクチュエータと前記第2の金型用テーブルとの間に設けられ、前記第1の金型用テーブルに対する前記第2の金型用テーブルのアライメントを調整するアライメント調整部と、
を有し、
前記アライメント調整部は、第1の接触面が設けられている第1の部材と第2の接触面が設けられている第2の部材とを備えて構成されており、前記第1の接触面と前記第2の接触面とはお互いが面接触しており、前記第1の部材に対する前記第2の部材の位置を変えることで、前記第1の金型用テーブルに対する前記第2の金型用テーブルのアライメントを調整するように構成されており、
前記アライメント調整部は、前記第2の部材を所定の中心軸を中心にして前記第1の部材に対し回転させることで、前記第1の金型用テーブルに対する前記第2の金型用テーブルのアライメントを調整するように構成されており、
前記第1の部材は、一方の平面に対して他方の平面が傾いている円板状に形成されており、
前記第2の部材も、一方の平面に対して他方の平面が傾いている円板状に形成されており、
前記第1の接触面は、前記第1の部材の他方の平面であり、
前記第2の接触面は、前記第2の部材の他方の平面であり、
前記所定の中心軸は、前記第1の部材の中心軸であり、
前記第1の部材の中心軸の延伸方向で見たときに、前記第1の部材の外周と前記第2の部材の外周とがお互いに重なっており、
前記第1部材、前記第2部材のそれぞれに円弧状の長孔が設けられており、前記長孔を貫通しているボルトによって、前記第1部材、前記第2部材が一体化していることを特徴とするガラス成形機。
【請求項2】
請求項1に記載のガラス成形機であって、
前記第1の部材の外周と前記第2の部材の外周とには、前記第1の部材に対する前記第2の部材の回転角度を表すためのマークが設けられていることを特徴とするガラス成形機。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のガラス成形機であって、
測温部と引き出し線とを備えた温度センサが設けられており、
前記第2の金型用テーブルには、前記温度センサを設置するための穴が設けられており、
前記穴は、前記第2の金型用テーブルの、前記平面状部および前記アクチュエータが係合している部位を除く外面の所定の箇所から前記第2の金型用テーブルの内部の所定の箇所まで延びており、
前記温度センサが前記第2の金型用テーブルに設置されている状態では、前記温度センサの測温部が前記穴の奥部に位置し、前記温度センサの引き出し線が前記穴内を通って、前記第2の金型用テーブルの外に延出しており、
前記温度センサの引き出し線の、前記第2の金型用テーブルの外に延出している部位のうちの所定の箇所が、前記第2の金型用テーブルに一体的に支持されていることで、前記穴内での前記温度センサの前記第2の金型用テーブルに対する位置と姿勢とが固定されており、
前記穴の内径の値が、前記温度センサの引き出し線の外径の値や前記温度センサの測温部の外径の値よりも僅かに大きくなっており、前記温度センサの引き出し線が前記穴内で弾性変形によって僅かに蛇行し前記引き出し線や前記測温部が付勢力をもって前記穴の内面に接していることを特徴とするガラス成形機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス成形機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金型を構成する上金型材に押圧力を付与するプレス面を備えた上部プレートと、金型を構成する下金型材に押圧力を付与するプレス面を備えた下部プレート備えたガラス成形機が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
従来のガラス成形機では、上部プレートおよび下部プレートにおけるプレス面同士の相対的な傾きを転写した補正部材を上部プレートに設けて、下部プレートのプレス面に対する上部プレートのプレス面のアライメントを調整している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-154507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来のガラス成形機では、補正部材を転写によって成形しなければならないので、下部プレートのプレス面に対する上部プレートのプレス面のアライメントの調整工程が煩雑になっている。
【0006】
また、従来のガラス成形機においてガラスの成形に使用する金型を変えた場合においても、補正部材の成形を別途しなければならないので、複数の補正部材が必要になってしまう。
【0007】
本発明は、第1の金型用テーブル(下部プレートのプレス面)に対する第2の金型用テーブル(上部プレートのプレス面)のアライメントの調整が容易であるガラス成形機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、金型が接する平面状部を備えた第1の金型用テーブルと、前記金型が接する平面状部を備えた第2の金型用テーブルと、前記第1の金型用テーブルに設置されている前記金型を、前記第2の金型用テーブルと前記第1の金型用テーブルとで所定の力で挟み込むために、前記第2の金型用テーブルを駆動するアクチュエータと、前記アクチュエータと前記第2の金型用テーブルとの間に設けられ、前記第1の金型用テーブルに対する前記第2の金型用テーブルのアライメントを調整するアライメント調整部とを有し、前記アライメント調整部は、第1の接触面が設けられている第1の部材と第2の接触面が設けられている第2の部材とを備えて構成されており、前記第1の接触面と前記第2の接触面とはお互いが面接触しており、前記第1の部材に対する前記第2の部材の位置を変えることで、前記第1の金型用テーブルに対する前記第2の金型用テーブルのアライメントを調整するように構成されており、前記アライメント調整部は、前記第2の部材を所定の中心軸を中心にして前記第1の部材に対し回転させることで、前記第1の金型用テーブルに対する前記第2の金型用テーブルのアライメントを調整するように構成されており、前記第1の部材は、一方の平面に対して他方の平面が傾いている円板状に形成されており、前記第2の部材も、一方の平面に対して他方の平面が傾いている円板状に形成されており、前記第1の接触面は、前記第1の部材の他方の平面であり、前記第2の接触面は、前記第2の部材の他方の平面であり、前記所定の中心軸は、前記第1の部材の中心軸であり、前記第1の部材の中心軸の延伸方向で見たときに、前記第1の部材の外周と前記第2の部材の外周とがお互いに重なっており、前記第1部材、前記第2部材のそれぞれに円弧状の長孔が設けられており、前記長孔を貫通しているボルトによって、前記第1部材、前記第2部材が一体化しているガラス成形機である。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のガラス成形機であって、前記第1の部材の外周と前記第2の部材の外周とには、前記第1の部材に対する前記第2の部材の回転角度を表すためのマークが設けられているガラス成形機である。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のガラス成形機であって、測温部と引き出し線とを備えた温度センサが設けられており、前記第2の金型用テーブルには、前記温度センサを設置するための穴が設けられており、前記穴は、前記第2の金型用テーブルの、前記平面状部および前記アクチュエータが係合している部位を除く外面の所定の箇所から前記第2の金型用テーブルの内部の所定の箇所まで延びており、前記温度センサが前記第2の金型用テーブルに設置されている状態では、前記温度センサの測温部が前記穴の奥部に位置し、前記温度センサの引き出し線が前記穴内を通って、前記第2の金型用テーブルの外に延出しており、前記温度センサの引き出し線の、前記第2の金型用テーブルの外に延出している部位のうちの所定の箇所が、前記第2の金型用テーブルに一体的に支持されていることで、前記穴内での前記温度センサの前記第2の金型用テーブルに対する位置と姿勢とが固定されており、前記穴の内径の値が、前記温度センサの引き出し線の外径の値や前記温度センサの測温部の外径の値よりも僅かに大きくなっており、前記温度センサの引き出し線が前記穴内で弾性変形によって僅かに蛇行し前記引き出し線や前記測温部が付勢力をもって前記穴の内面に接しているガラス成形機である。
【発明の効果】
【0015】
発明によれば、第1の金型用テーブルに対する第2の金型用テーブルのアライメントの調整が容易であるガラス成形機を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態に係るガラス成形機の概略構成を示す図である。
図2】(a)は本発明の実施形態に係るガラス成形機で使用されているプレス用架台の概略構成を示す斜視図であり、(b)は(a)におけるIIB矢視図である。
図3】本発明の実施形態に係るガラス成形機のおけるプレス用架台の使用態様を示す図である。
図4】(a)は本発明の実施形態に係るガラス成形機の金型移動位置決め部の概略構成を示す平面図であり、(b)は(a)におけるIVB矢視図であり、(c)は(a)におけるIVC部の拡大図であって、金型移動位置決め部の変形例を示す図である。
図5】本発明の実施形態に係るガラス成形機の金型移動位置決め部の動作を示す図である。
図6】本発明の実施形態に係るガラス成形機の金型移動位置決め部の金型搬送部材の速度について説明する図である。
図7】本発明の実施形態に係るガラス成形機であって、加熱ゾーンと加圧ゾーンと冷却ゾーンとが複数設けられているガラス成形機の概略構成を示す図である。
図8】本発明の実施形態に係るガラス成形機のアライメント調整部の概略構成を示す図である。
図9】(a)は本発明の実施形態に係るガラス成形機のアライメント調整部を構成する第1の部材(第2の部材)の概略構成を示す平面図であり、(b)は(a)におけるIXB矢視図であり、(c)(d)はアライメント調整部の動作を示す図である。
図10】本発明の実施形態に係るガラス成形機の温度センサの設置態様を示す図である。
図11】V字状の爪の間に挟んだ金型の搬送位置決めを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態に係る材料成形装置(たとえばガラス成形機や光学素子成形装置)1は、型(たとえば金型)3を用いてガラス等の材料5を成形するものであり、図1図4等で示すように、金型載置テーブル7と金型移動位置決め部9とを備えて構成されている。
【0018】
なお、図1では、1つの搬入ゾーン(参照符号7Aで示す金型載置テーブル等で構成されている搬入ゾーン)と、1つの加熱ゾーン(参照符号7Bで示す金型載置テーブル等で構成されている加熱ゾーン)と、1つの加圧成形ゾーン(参照符号7Cで示す金型載置テーブル等で構成されている加圧成形ゾーン)と、1つの冷却ゾーン(参照符号7Dで示す金型載置テーブル等で構成されている冷却ゾーン)と、1つの搬出ゾーン(参照符号7Eで示す金型載置テーブル等で構成されている搬出ゾーン)とを備えたガラス成形機1が示されている。
【0019】
しかしながら、実際には、材料5を成形するときのタクトタイムを調整し各ゾーンでのアイドルタイムを極力少なくするために、ガラス成形機1には、図7で示すように、各ゾーンが設定されている。なお、材料5を成形することで、レンズ等の製品もしくは半製品を得ることができる。
【0020】
図7で示すガラス成形機1には、たとえば、1つの搬入ゾーン(参照符号7Aで示す金型載置テーブル等で構成されている搬入ゾーン)と、2つの加熱ゾーン(参照符号7Ba、7Bbで示す金型載置テーブル等で構成されている加熱ゾーン)と、2つの加圧成形ゾーン(参照符号7Ca、7Cbで示す金型載置テーブル等で構成されている加圧成形ゾーン)と、2つの徐冷ゾーン(参照符号7Da、7Dbで示す金型載置テーブル等で構成されている徐冷ゾーン)と、1つの急冷ゾーン(参照符号7Dcで示す箇所金型載置テーブル等で構成されている急冷ゾーン)と、1つの搬出ゾーン(参照符号7Eで示す搬出ゾーン)とが設けられている。すなわち、各ゾーンのそれぞれが1つもしくは複数設けられている。なお、徐冷ゾーンと急冷ゾーンとを併せたものが冷却ゾーンになる。
【0021】
ここで説明の便宜のために、水平な所定の一方向をX方向とし、水平な所定の他の一方向であってX方向に対して直交する方向をY方向とし、X方向とY方向とに対して直交する方向(上下方向)をZ方向とする。
【0022】
金型3の外形は、たとえば円柱状に形成されている。金型載置テーブル7には、金型3が載置されるようになっている。金型載置テーブル7は、複数設けられている。
【0023】
複数の金型載置テーブル7の外形は、お互いがほぼ同じ形状になっている。複数の金型載置テーブル7は、わずかな間隙をあけて、所定の水平な一方向(X方向)にならんでいる。複数の金型載置テーブル7(7A、7B、7C、7D、7E)それぞれの上面は、1つの水平な平面内に存在している。
【0024】
1つの金型載置テーブル7に1つの金型3が設置されるようになっている。金型載置テーブル7に載置されている状態では、円柱状の金型3の円形状の底面が、金型載置テーブル7の上面に面接触している。
【0025】
また、金型載置テーブル7に金型3が位置決めされて載置されている状態を上下方向で見ると、金型載置テーブル7の内側に金型が位置しているとともに、金型載置テーブル7の中心と金型3の中心とはお互いが一致している。
【0026】
金型移動位置決め部9は、複数の金型載置テーブルのうちの1つの金型載置テーブル(たとえば金型載置テーブル7B)上に載置されている金型3を、複数の金型載置テーブルのうちの他の1つの金型載置テーブルであって上記1つの金型載置テーブルに隣接している金型載置テーブル(たとえば金型載置テーブル7C)の上に移動するようになっている。
【0027】
また、他の1つの金型載置テーブル7上での金型3の位置決めを金型移動位置決め部9によってするとき、金型3の移動速度を設定できるようになっている(移動速度の設定が自在になっている)。
【0028】
金型3の移動速度を設定について図6を参照しつつさらに詳しく説明する。図6の横軸は時間(時刻の経過)を示しており、図6の縦軸は金型3の移動速度を示している。金型3を搬送する場合には、図6(a)に線図G6aで示すように、搬送開始時刻t0aで金型3の搬送を開始し、時刻t0aから時刻t1aの間では、一定の加速度で金型3の搬送速度を上げ、時刻t1aから時刻t2aの間では、加速度を「0」にして一定の速度で金型3の搬送をし、時刻t2aから時刻t3aの間では、一定の負の加速度で金型3の搬送速度を下げ、時刻t3aで金型3を停止し金型3の搬送をやめるようになっている。
【0029】
なお、図6(a)に線図G6aで示す態様では、時刻t0a、時刻t1a、時刻t2a、時刻t3aで、加速度が急激に変化しているが、金型3を搬送しているときには、摩擦力等の外力が金型3に作用するので、金型3の搬送(移動位置決め)に関して、所定の条件下では、金型3の位置ずれ等の問題は発生しない。
【0030】
しかしながら、図6(a)に示す線図G6aを、図6(b)に示す線図G6bで示すように変更してもよい。線図G6bでは、線図G6aで説明したような加速度の急激な変化を、時刻t0a、時刻t1a、時刻t2a、時刻t3aのところおよびこれらの近傍で線図G6bを円弧等の曲線で適宜丸めるころで無くしている。
【0031】
なお、他の1つの金型載置テーブル7上で金型3の位置決めを金型移動位置決め部9によってするときに、金型3の加速度が設定自在になっていると考えてもよい。金型移動位置決め部9で金型3を移動位置決めするときには、金型載置テーブル7上を金型3が、所定の摩擦力をもって滑って移動するようになっている。
【0032】
金型移動位置決め部9は、図4図5で示すように、第1の平面状部(第1の平面)11と第2の平面状部(第2の平面)13と第3の平面状部(第3の平面)15とを備えて構成されている。
【0033】
第1の平面状部11は、Y方向に対して直交しており、第2の平面状部13は、第1の平面状部と平行になっており、第3の平面状部15は、第1の平面状部11と第2の平面状部13とに対して直交しているとともに、第3の平面状部15は、X方向に対して直交している。
【0034】
そして、第1の平面状部11と第2の平面状部13との間に金型3を位置させることでY方向での金型3の位置決めがされ、第3の平面状部15を金型3の側面に当接させて金型3をX方向下流側に押すことで、X方向での金型3の移動位置決めがされるように構成されている。
【0035】
さらに、上述したように、金型3のX方向での位置決めをするために、第3の平面状部15で金型3を押すときにおける第3の平面状部15の移動速度の設定が自在になっている。
【0036】
第3の平面状部15はたとえば電動シリンダ等のアクチュエータ(図示せず)で移動するように構成されている。また、X方向で金型3の位置決めをするために、X方向で移動している第3の平面状部15を減速するときの加速度(負の加速度)の大きさを調整することができるようになっている。すなわち、第3の平面状部15の移動速度が急激に小さくなって(第3の平面状部15の減速が急激であることで)、慣性力によって金型3が第3の平面状部15から離れて金型載置テーブル7上に載置される事態が発生することが無いような減速時の加速度なっている。
【0037】
また、X方向で金型3の移動を開始するときに急加速によって金型3が倒れることを防止するために、X方向で第3の平面状部15の移動を開始するときの加速度の大きさを調整することができるようになっている。
【0038】
換言すれば、X方向で金型3が移動しているときおよび金型3が停止するときおよび金型3が停止したときに、第3の平面状部15が金型3に常に接触する加速度で第3の平面状部15が移動するようになっている。
【0039】
第1の平面状部11は、金型載置テーブル7に一体的に設けられている金型当接部材17に設けられている。第2の平面状部13と第3の平面状部15とは、金型載置テーブル7とは別体で構成されている金型搬送部材19に設けられている。そして、金型搬送部材19の移動速度が、上述した電動シリンダ等のアクチュエータ20によってX方向で設定自在になっている。
【0040】
金型搬送部材19は、Y方向では、たとえば空気圧シリンダ等のアクチュエータ(図示せず)によって、X方向での移動とは別個に、第1の平面状部11側の位置P1(図4図5(b)等参照)と、第1の平面状部11から離れた側の位置P2(図5(a)等参照)の間で移動自在になっている。第1の平面状部11側の位置P1は、金型3をY方向で位置決めするときの位置である。
【0041】
金型3をX方向で搬送(移動位置決め)するときには、金型搬送部材19が第1の平面状部11側の位置P1に位置しているとともに、金型搬送部材19が金型3を搬送し終えて停止している状態では、Y方向での第1の平面状部11と第2の平面状部13との間の距離L5B1(図5(b)参照)の値と、金型3の外径D1(図5(b)参照)の値との差の値(L5B1-D1)は、僅かな値であってY方向における金型3の位置決め精度の許容誤差の範囲の値よりも小さくなっている。
【0042】
また、金型搬送部材19は、たとえば、複数設けられており、複数の金型搬送部材19のそれぞれは、お互いが独立して駆動し(移動位置決めされ)、複数の金型3のそれぞれを移動位置決めするように構成されている。さらに、1つの金型搬送部材19によって1つの金型3が移動位置決めされるようになっている。
【0043】
また、ガラス成形機1には、金型移動位置決め部9とは別に、金型搬送部21が設けられている。金型搬送部21では、金型3を、1つの金型載置テーブルや他の1つの金型載置テーブルとは別の金型載置テーブル(たとえば金型載置テーブル7A)から1つの金型載置テーブルまで搬送し、また、金型3を、他の1つの金型載置テーブル(たとえば金型載置テーブル7D)から1つの金型載置テーブルや他の1つの金型載置テーブルとはさらなる別の金型載置テーブル(たとえば金型載置テーブル7E)まで搬送するように構成されている。
【0044】
金型搬送部21は、図11で示すように、1つの搬送バー157と1つの空気圧シリンダ等のアクチュエータ(図示せず)とV字状の爪151とによって複数の金型3を同時にX方向で搬送するように構成されている。なお、図4図、図11では、V字状の爪151は1つしか示されてないが、搬送される金型3の数に応じたV字状の爪151が設けられているものとする。
【0045】
ここで、金型移動位置決め部9と金型搬送部21との関係について、例を掲げて説明する。
【0046】
各金型載置テーブル7A、7B、7C、7D、7Eは、X方向で上流側から下流側に向かって順にならんでいる。金型載置テーブル7Aには金型3Aが載置されており、金型載置テーブル7Bには金型3Bが載置されており、金型載置テーブル7Cには金型3Cが載置されており、金型載置テーブル7Dには金型3Dが載置されており、金型載置テーブル7Eには金型3が載置されていない状態を移動前状態とする。
【0047】
この移動前状態から、金型移動位置決め部9によって、金型3BがX方向の下流側に移動して金型載置テーブル7C上に移動し、金型CがX方向の下流側に移動して金型載置テーブル7D上に移動するようになっている。一方、上記移動前状態から、金型搬送部21によって、金型3AがX方向の下流側に移動して金型載置テーブル7B上に移動し、金型3DがX方向の下流側に移動して金型載置テーブル7E上に移動するようになっている。
【0048】
また、ガラス成形機1には、図1等で示すように、金型載置テーブル(第1の金型用テーブル)7に加えて、第2の金型用テーブル(上金型用テーブル;金型押圧テーブル)23と、第2の金型用テーブル23をZ方向で駆動する(移動させる)アクチュエータ25と、アライメント調整部27(図8等参照)とが設けてられている。なお、詳しくは後述するが、アクチュエータ25は、金型載置テーブル7C(図1参照)とともに金型3を挟み込んで押圧する金型押圧テーブル23を駆動するようになっている。
【0049】
金型3は、図3等で示すように、第1の金型材(下金型材)29と第2の金型材(上金型材)31と金型ガイド材33とを備えて構成されている。ガラス5は、第1の金型材29と第2の金型材31と金型ガイド材33とで囲まれているキャビティ35内で成形されるようになっている。
【0050】
第1の金型用テーブル7Cには、第1の金型材29が接する平面状部(平面;上面)37が設けられている。そして、金型3が金型載置テーブル7に設置(載置)されている状態では、下金型材29の平面状の底面が金型載置テーブル7の平面状の上面37に面接触している。
【0051】
第2の金型用テーブル23には、第2の金型材31が接する平面状部(平面;下面)39が設けられている。金型載置テーブル7に載置されている金型3に、上金型用テーブル23が接したときには、上金型材31の平面状の上面が上金型用テーブル23の平面状の下面39に面接触している。
【0052】
アクチュエータ25は、第1の金型用テーブル7Cに設置されている金型3を、第2の金型用テーブル23と第1の金型用テーブル7Cを用いて所定の力で挟み込むために、第2の金型用テーブル23を駆動する(移動させる)ようになっている。
【0053】
アライメント調整部27は、図8で示すように、アクチュエータ25の稼働子側の部材41と第2の金型用テーブル23側の部材42との間に設けられており、第1の金型用テーブル7Cに対する第2の金型用テーブル23のアライメント(姿勢)を調整するようになっている。
【0054】
すなわち、第1の金型用テーブル7Cの上面37に対する第2の金型用テーブル23の下面39の面の傾きを僅かな範囲で調整することができるようになっている。
【0055】
また、アライメント調整部27は、図9で示すように、第1の部材43と第2の部材45とを備えて構成されている。第1の部材43には、第1の接触面47が設けられている。第2の部材45には、第2の接触面49が設けられている。第1の接触面47と第2の接触面49とはお互いが面接触している。
【0056】
そして、第1の接触面47と第2の接触面49とがお互いが面接触している状態を保ったまま、第1の部材43に対する第2の部材45の位置を変えることで、第1の金型用テーブル7Cに対する第2の金型用テーブル23のアライメントを調整するように構成されている。
【0057】
第1の部材43がアクチュエータ25の稼働子側の部材41に係合しており、第2の部材45が上金型用テーブル23側の部材42に係合している。初期状態では、第1の金型用テーブル7の平面状部37と、第2の金型用テーブル23の平面状部39とはお互いが平行になって水平方向に展開しているが、アライメント調整部27による調整で、上述したように、第1の金型用テーブル7の上面37に対して第2の金型用テーブル23の下面39がごく僅かに傾き、この状態が維持されるようになっている。
【0058】
また、アライメント調整部27は、所定の中心軸C1を中心にして、第2の部材45を第1の部材43に対し回転させることで、下金型用テーブル7Cに対する上金型用テーブル23のアライメントを調整するように構成されている。
【0059】
さらに説明すると、図9で示すように、第1の部材43は、一方の平面(円形状の底面)51に対して他方の平面(第1の接触面)47が僅かに傾いている円板状(背の低い円柱状)に形成されている。
【0060】
第2の部材45も、第1の部材43とたとえば同形状に形成されており、一方の平面(円形状の底面)53に対して他方の平面(第2の接触面)49が僅かに傾いている円板状(背の低い円柱状)に形成されている。
【0061】
所定の中心軸C1は、第1の部材43や第2の部材45の中心軸であり、第1の部材43の中心軸C1の延伸方向で見たときに、第1の部材43の外周の円の総てと第2の部材45の外周の円の総てとがお互いにほぼ重なっている。すなわち、肉眼で見た程度では重ねっていない部位や、第1の部材43と第2の部材45との側面の僅かな段差を見出すことができない程度にお互いが重なっている。
【0062】
第1の部材43の外周と第2の部材45の外周とには、第1の部材43に対する第2の部材45の回転角度を表すためのマーク55が設けられている。
【0063】
第2の金型用テーブル23は、第2の金型用テーブルの下面39とは反対側の部位がアクチュエータ25の稼働子側の部材41に係合して駆動されるように構成されている。第2の金型用テーブル23には、図10で示すように、温度センサ(熱電対)57が設けられている。温度センサ57は、測温部59と引き出し線61とを備えて構成されており、第2の金型用テーブル23の温度を測定するようになっている。
【0064】
また、第2の金型用テーブル23には、温度センサ57が挿入されることで温度センサ57を設置するための穴63が設けられている。穴63は、第2の金型用テーブル23の、平面状部39およびアクチュエータ23の稼働子側の部材41が係合している部位を除く外面の所定の箇所(たとえばY方向に対して直交している平面で形成されている側面)から第2の金型用テーブル23の内部の所定の箇所(中央部)まで延びている。
【0065】
そして、温度センサ57が第2の金型用テーブル23に設置されている状態では、温度センサ57の測温部59が穴63の奥部に位置し、温度センサ57の引き出し線61が穴63内を通って、第2の金型用テーブル23の外に延出している。
【0066】
温度センサ57の引き出し線61の、第2の金型用テーブル23の外に延出している部位のうちの所定の箇所が、第2の金型用テーブル23に、固定具65と図示しない支持部材とによって一体的に支持されていることで、穴63内での温度センサ57の第2の金型用テーブル23に対する位置と姿勢とが固定されている(一定のものになるように構成されている)。
【0067】
温度センサ57は、第1の金型用テーブル7にも、第2の金型用テーブル23と同様にして設置されている。
【0068】
また、ガラス成形機1には、図2図3で示すように、プレス用架台67と成形室69が設けられている。成形室69の内部では、金型3によるガラス5の成形がされるようになっている。第1の金型用テーブル7とアクチュエータ25の筐体71とがプレス用架台67で支持されている。なお、第1の金型用テーブル7の温度センサ57の引き出し線61は、第1の金型用テーブ7に一体的に支持されている。
【0069】
すなわち、第1の金型用テーブル7と第2の金型用テーブル23とで金型3をプレスするときに発生する反力(金型3から受ける反力)を、成形室69ではなく、プレス用架台67で受け止めるように構成されている。
【0070】
ガラス成形機1についてさらに説明する。
【0071】
図1に示すガラス成形機1の成形室69の右端部上面には、成形前の金型3を待機させるインポートロードロック室(以下、置換室という)73が設けられている。また、図1に示すガラス成形機1の成形室69の左端部上面には、成形後の金型3を待機させるアウトポートロードロック室(以下、置換室という)75が設けられている。置換室73には管路77を介して真空ポンプ79が接続されている。また、置換室73、75および成形室69にはそれぞれ供給管路81、83、85を介して窒素ガス供給ユニット87から窒素ガスが供給されるようになっている。なお、本実施例では、窒素ガスを不活性ガスとして用いている。また、各管路77、81、83、85それぞれの途中には、弁89、91、93、95が設けられており、各管路77、81、83、85の遮断または開度を調整できるようになっている。
【0072】
成形室69の内部には、置換室73の下方に設けられたエアシリンダ等のアクチュエータ97により昇降可能に移動する金型載置テーブル7Aが配置されており、金型載置テーブル7Aが置換室73の開口部99を介して成形前の金型(成形前のガラス5が入っている金型)3を搭載して受け取るようになっている。
【0073】
成形室69の内部には、置換室75の下方に設けられたエアシリンダ等のアクチュエータ101により昇降可能に移動する金型載置テーブル7Eが配置されており、金型載置テーブル7Eが置換室75の開口部103を介して成形後の金型(成形後のガラス5が入っている金型)3を置換室75へ排出するようになっている。
【0074】
なお、各開口部99、103にはそれぞれ置換室73、75と成形室69内とを気密的に遮断するシャッター(図示せず)が設けられている。
【0075】
金型載置テーブル7Aと金型載置テーブル7Eとの間には、加熱ゾーンを形成する金型載置テーブル7Bおよび公知の赤外線ランプヒータ装置105と、加圧ゾーン(加圧成形ゾーン)を形成する金型載置テーブル7Cおよび金型押圧テーブル23と、冷却ゾーンを形成する金型載置テーブル7Dおよび金型押圧テーブル23とが配置されている。
【0076】
赤外線ランプヒータ装置105は、エアシリンダ等のアクチュエータ107のロッド109により上下に移動可能であって金型3が金型載置テーブル7Aから隣接する金型載置テーブル7B上へ移送されるとき上方へ引き上げられるようになっている。
【0077】
加圧成形ゾーンのステージを形成している金型載置テーブル7Cおよび金型押圧テーブル23のそれぞれには、図1図3で示すように、ヒータ111が埋設されている。さらに、図10で示すように、金型載置テーブル7Cの中央部には、温度センサ57が埋設されており、金型押圧テーブル23の中央部にも、温度センサ57が埋設されている。そして、金型3と接触する金型載置テーブル7Cの中央および金型押圧テーブル23の中央の温度が検出されるようになっている。
【0078】
なお、加圧成形ゾーンのステージを形成している金型載置テーブル7Cおよび金型押圧テーブル23の場合と同様にして、金型載置テーブル7B、金型載置テーブル7D、各金型載置テーブル7B、7Dのそれぞれと対になっている金型押圧テーブル23で温度検出するように構成してもよい。
【0079】
ここで、金型載置テーブル7Cとともに金型3を挟み込んで押圧する金型押圧テーブル23のアクチュエータ25について詳しく説明する。
【0080】
アクチュエータ25は、サーボモータで構成されている。そして、サーボモータの回転運動がネジ等を用いた運動変換機構によって直線運動に変換されることで、金型載置テーブル7C上の金型押圧テーブル23がZ方向で移動するようになっている。なお、アクチュエータ25としてサーボモータを用いていることで、加圧成形プロセスの間、金型載置テーブル7Cと押圧する金型押圧テーブル23とのよる金型3の押し圧力が制御されるようになっている。
【0081】
冷却ゾーンを形成する金型載置テーブル7D上の金型押圧テーブル23は、エアシリンダ等のアクチュエータ113のロッド115により上下に移動可能になっている。そして、金型押圧テーブル23を下側に移動することで金型載置テーブル7Dと金型押圧テーブル23とで金型3を挟み込み、また、金型押圧テーブル23を上側に移動することで金型押圧テーブル23を金型載置テーブル7Dに載置されている金型3から離すことができるようになっている。
【0082】
徐冷ゾーンのステージを形成している金型載置テーブル7Da、7Dbおよび金型載置テーブル7Da、7Dbと対になっている2つの金型押圧テーブル23のそれぞれには、図7で示すように、ヒータ112が埋設されている。ヒータ112は、ヒータ111よりも低い温度で金型3を加熱することで、金型3を徐冷するようになっている。
【0083】
急冷ゾーンのステージを形成している金型載置テーブル7Dcおよび金型載置テーブル7Dcと対になっている金型押圧テーブル23には、水冷の配管114が設けられている。水冷の配管114内に冷却液を流すことで、金型3を急冷するようになっている。
【0084】
また、ガラス成形機1には、CPU117とメモリ119とを備えて構成されている制御部121が設けられており、制御部121の制御の下、動作するようになっている。
【0085】
ガラス成形機1についてさらに詳しく説明する。
【0086】
プレス用架台67は、図2図3で示すように、下側プレート123と中間プレート125と上側プレート127をこれらの各プレート123、125、127に一体的に設けられているとともに、各プレート123、125、127を接続しているタイロッド129とを備えて構成されている。なお、図2では、アクチュエータ25等を設置するための貫通孔等の表示を省略している。また、タイロッド129の長さ(Z方向の寸法)が長くなってしまうことを防止するために、中間プレート125を設けているが、タイロッド129の長さが適宜の長さである場合には、中間プレート125を削除してもよい。
【0087】
プレス用架台67と、成形室69と、加圧成形ゾーンを形成している金型載置テーブル7Cと金型押圧テーブル23との関係について、図3を参照しつつ説明する。図3に参照符号131で示すものは、成形室69を構成している薄板状の外壁材である。
【0088】
金型載置テーブル7Cは、下側プレート123に一体的に支持されている。アクチュエータ25の筐体71は、上側プレート127に一体的に支持されている。金型押圧テーブル23は、アクチュエータ25の稼働子133に一体的に支持されている。
【0089】
また、金型載置テーブル7Cと金型押圧テーブル23と金型3とは、成形室69内に配置されている。図3にIIIBで示す部位では、たとえば、図示しないシール材によって外壁材131と稼働子133との間の機密性が確保されているとともに、外壁材131に対して稼働子133がZ方向で移動可能になっている。
【0090】
図3にIIIAで示す部位では、たとえば、図示しないシール材によって外壁材131とタイロッド129との間の機密性が確保されているとともに、外壁材131に対してタイロッド129がZ方向でごく僅かに(加圧による歪に対応する程度の量)移動可能になっている。なお、プレス用架台67の剛性に対する成形室69の外壁材131の剛性が十分に小さい場合には、図3にIIIAで示す部位でタイロッド129に外壁材131が一体的に設けられていてもよい。
【0091】
また、上記説明では、加圧成形ゾーンを形成している金型載置テーブル7Cと金型押圧テーブル23とアクチュエータ25とが、プレス用架台67で支持されていることについて説明したが、加熱ゾーンを形成する金型載置テーブル7B、冷却ゾーン形成する金型載置テーブル7Bおよび金型押圧テーブル23も、同様にして、プレス用架台67で支持されている。
【0092】
金型移動位置決め部9は、上述しように、金型当接部材17と金型搬送部材19とを備えて構成されている。金型当接部材17は、図4図5で示すように、金型載置テーブル7に一体的に設けられている。金型搬送部材19は、X方向ではアクチュエータ20で移動位置決め自在になっており、Y方向ではエアシリンダ等のアクチュエータ(図示せず)によって移動するようになっている。
【0093】
また、金型当接部材17は細長い四角柱状に形成されており、1つの側面が第1の平面状部11になっている。金型搬送部材19は「L」字状に形成されており、「L」字の内側の一方の細長い平面が第2の平面状部13になっており、「L」字の内側の他方の細長い平面が第3の平面状部15になっている。
【0094】
金型移動位置決め部9で、金型3の移動位置決めをするときには、第1の金型材29に第1の平面状部11、第2の平面状部13、第3の平面状部15が当接するようになっている。
【0095】
なお、第3の平面状部15は、X方向に対して直交しているが、図4(c)で示すように、僅かな角度α°だけ傾斜していてもよい。これによって、金型3の移動位置決め後に金型搬送部材19をX方向に移動せずY軸方向に退避させる場合(金型当接部材17から離す方向に移動する場合;位置P1から位置P2に移動する場合)に、第3の平面状部15が金型3からすぐに離れ、金型3の位置決め精度をより維持しやすくなる。なお、図4(c)は、図4(a)におけるIVC部の拡大図である。
【0096】
また、図4(a)で示すように、第1の平面状部11の端部(X方向上流側に端部)には、金型3が金型当接部材17に引っかかることを防止し金型3をガイドするためのガイド面(斜面)135が設けられている。
【0097】
金型移動位置決め部9の動作について説明する。
【0098】
図5(a)に示す状態では、金型載置テーブル7Bと金型載置テーブル7Cとに金型3が載置されており、金型搬送部材19が、Y方向では、第1の平面状部11から離れた側の位置(退避位置)P2に位置しており、X方向では、上流側に位置している。また、図5(a)で示す状態では、X方向で、金型3と第3の平面状部15とが距離L5A1だけ離れており、Y方向で、金型3と金型搬送部材19とが距離L5A2だけ離れている。
【0099】
続いて、図5(a)に示す状態から、Y方向で金型搬送部材19を移動して、第1の平面状部11側の位置(接近位置)P1に位置させると図5(b)で示す状態になる。
【0100】
続いて、図5(b)に示す状態から、X方向で金型搬送部材19を移動して下流側に位置させると、図5(c)で示す状態になる。図5(b)に示す状態から図5(c)で示す状態に移るときに、金型載置テーブル7Bに載置されている金型3が金型載置テーブル7Cまで搬送されて金型載置テーブル7C上で位置決めされる。また、図5(b)に示す状態から図5(c)で示す状態に移るときに、金型載置テーブル7Cに載置されている金型3が金型載置テーブル7Dまで搬送されて金型載置テーブル7D上で位置決めされる。
【0101】
続いて、図5(c)に示す状態から、X方向で金型搬送部材19を上流側に僅かに側に移動して、Y方向で金型搬送部材19を退避位置P2まで移動すると、図5(d)で示す状態になる。
【0102】
続いて、図5(d)に示す状態から、X方向で金型搬送部材19を上流側に移動し終えると、図5(a)に示す状態になる。
【0103】
アライメント調整部27は、上述したように、アクチュエータ25の稼働子側の部材41と第2の金型用テーブル23側の部材42との間に設けられており、第1の金型用テーブル7Cに対する第2の金型用テーブル23のアライメントを調整するようになっている。
【0104】
さらに説明すると、図8で示すように、Z方向上側から下側に向かって、稼働子側の部材41、第1の部材43、第2の金型用テーブル23側の部材42、連結体137、金型押圧テーブル23がこの順にならんで、これらが一体化している。なお、図8に参照符号139で示すものは、芯だし用のカラーであり、図8に参照符号141で示すものは、第2の金型用テーブル23側の部材42と第2の部材45と第1の部材43とを、稼働子側の部材41に固定しているボルトである。
【0105】
図9(a)で示す第1の部材43や第2の部材45に設けられている円弧状の長孔143は、ボルト141が貫通している孔である。
【0106】
図9(b)で示すメスネジ部145には、図9(a)で示すように、ボルト147が設置されるようになっている。これにより、中心軸C1まわりの第2の部材45の回転をさせやすくなる。
【0107】
なお、アライメント調整部27によるアライメントの調整は、ボルト141を僅かに緩めておいて、第1の部材43に対して第2の部材45を回動位置決めし、この後、ボルト141を締め付けることでなされる。
【0108】
また、上記説明では、アライメント調整部27によって、加圧成形ゾーンを構成している金型載置テーブル7Cと金型押圧テーブル23とで、金型載置テーブル7Cに対する金型押圧テーブル23の姿勢を調整しているが、これに代えてもしくは加えて、金型押圧テーブル23に対する金型載置テーブル7Cの姿勢を調整してもよい。さらに、冷却ゾーンを構成している金型載置テーブル7Dと金型押圧テーブル23とで、金型載置テーブル7Cに対する金型押圧テーブル23の姿勢を調整してもよい。
【0109】
図10で示すように、温度センサ57を設置するための穴63は、矩形状な平板状の上金型用テーブル23の1つの側面から水平方向に延びて設けられている。また、他の1つの温度センサ57を設置するために穴63も、矩形状な平板状の金型載置テーブル7の1つの側面から水平方向に延びて設けられている。
【0110】
穴63の内径の値は、温度センサ57の引き出し線61の外径の値や温度センサ57の測温部59の外径の値よりも僅かに大きくなっている。また、固定具65によって支持されていることで、温度センサ57の引き出し線61が穴63内で弾性変形によって僅かに蛇行しており、引き出し線61や測温部59が付勢力をもって、穴63の内面に接している。そして、穴63内での温度センサ57の第2の金型用テーブル23や金型載置テーブル7に対する位置と姿勢とが一定のものになるように構成されている。
【0111】
なお、図1で示す構成では、加熱ゾーンを形成する金型載置テーブル7Bとこれと対になっている金型押圧テーブル23とが1組、加圧成形ゾーンを形成する金型載置テーブル7Cこれと対になっている金型押圧テーブル23とが1組、冷却ゾーンを形成する金型載置テーブル7Dこれと対になっている金型押圧テーブル23とが1組しか設けられていないが、加熱ゾーンを形成する金型載置テーブル7Bおよび金型押圧テーブル23が複数組、加圧成形ゾーンを形成する金型載置テーブル7Cおよび金型押圧テーブル23が複数組、冷却ゾーンを形成する金型載置テーブル7Cおよび金型押圧テーブル23が複数組設けられており、X方向でならんでいてもよい。
【0112】
次に、ガラス成形機1の動作について説明する。
【0113】
初期状態として、アライメント調整部27によるアライメントの調整がされており、成形室69内に窒素ガスが充填されており、金型載置テーブル7Aが上昇しており、赤外線ランプヒータ装置105が上昇しており、加熱ゾーンを形成する金型載置テーブル7Bとこれと対になっている金型押圧テーブル23が上昇しており、加圧成形ゾーンを形成する金型載置テーブル7Cとこれと対になっている金型押圧テーブル23が上昇しており、冷却ゾーンを形成する金型載置テーブル7Dとこれと対になっている金型押圧テーブル23が上昇しており、金型載置テーブル7Eが上昇しているものとする。また、初期状態では、金型載置テーブル7A、7B、7C、7D、7Eのそれぞれに金型3が載置されている。
【0114】
この初期状態において、金型載置テーブル7Bでは、赤外線ランプヒータ装置105が下降して金型を所定の時間加熱し、金型載置テーブル7Cでは、金型押圧テーブル23が下降して金型を所定の時間押圧し、金型載置テーブル7Dでは、金型押圧テーブル23が下降して金型を所定の時間冷却(徐冷)する。
【0115】
続いて、赤外線ランプヒータ装置105が上昇し、金型載置テーブル7Cと対になっている金型押圧テーブル23が上昇し、金型載置テーブル7Dと対になっている金型押圧テーブル23が上昇し、金型載置テーブル7Eに載置されている金型3を成形室69の外に排出し、金型移動位置決め部9と金型搬送部21とで、金型3をX方向下流側に移動し、成形室69の外部から金型載置テーブル7A上に金型3を搬入する。これらの動作を繰り返す。
【0116】
金型載置テーブル7E上から成形室69の外に排出された金型3のキャビティ35には、成形品が成形されている。
【0117】
ガラス成形機1によれば、金型載置テーブル7上に載置されている金型3を隣の金型載置テーブル7上に移動位置決めする金型移動位置決め部9が、金型3の移動速度を自在に設定することができるように構成されているので、金型3を隣の金型載置テーブル7に移動し終えたときに、隣の金型載置テーブル7に対する金型3の位置精度高めることができる。
【0118】
また、ガラス成形機1では、第1の平面状部11と第2の平面状部13との間に金型3を位置させることでY方向での金型3の位置決めがされ、X方向に対して直交している第3の平面状部15を金型3に当接させて金型3を押すことで、X方向で金型3を移動位置決めするように構成されている。
【0119】
これにより、上述したように、V字状の爪151の間に挟んで金型3の位置決めをする場合に比べて、金型3の位置決めを正確にすることができる。すなわち、V字状の151爪の間に挟んで金型3の位置決めをしようとすると、V字状の爪151の一方の面153にしか金型3が当接しない事態が稀に発生し、金型3の位置決め精度が悪化する場合がある。しかし、ガラス成形機1では、第3の平面状部15で金型3を押すので、V字状の爪151を用いた場合のような不具合は発生しない。
【0120】
さらに、ガラス成形機1では、金型3のX方向での位置決めをするために、第3の平面状部15で金型3を押すときにおける第3の平面状部15の移動速度および移動加速度が設定自在に構成されている。
【0121】
これにより、金型3の慣性力で金型3が第3の平面状部15から離れてしまうことを防ぐことができ、X方向で金型3の位置決めが正確になる。
【0122】
また、ガラス成形機1によれば、第1の平面状部11が金型載置テーブル7に設けられている金型当接部材17に設けられており、第2の平面状部13と第3の平面状部15とが金型搬送部材19に設けられているので、金型移動位置決め部9の構成が簡素化されている。
【0123】
また、ガラス成形機1では、金型搬送部材19が金型3を搬送し終えて停止している状態では、Y方向での第1の平面状部11と第2の平面状部13との間の距離L5B1の値と、金型3の外径D1の値との差の値が、Y方向における金型3の位置決め精度での許容誤差の範囲の値よりも小さくなっているので、Y方向での金型3の位置決めを簡素化な構成、動作ですることができる。
【0124】
また、ガラス成形機1によれば、金型当接部材17が複数設けられており、複数の金型搬送部材19のそれぞれが独立して駆動し複数の金型3のそれぞれを移動位置決めするように構成されているので、正確な位置決めが必要な金型3が複数あっても、各金型3のそれぞれについて正確な位置決めをすることができる。
【0125】
また、ガラス成形機1によれば、金型搬送部21が1つのアクチュエータと1つの搬送バー157とによって複数の金型3を同時に搬送するように構成されているので、金型搬送部21の構成が簡素になっている。
【0126】
また、ガラス成形機1では、全体的には、金型搬送部21(V字状の爪151)を用いて金型3を搬送し、位置決め精度が必要なところだけ、金型移動位置決め部9(平面状部15を備えた金型搬送部材19)を用いて金型3を搬送している。換言すれば、正確な移動位置決めが必要な搬送箇所では、金型移動位置決め部9を用いて金型3を搬送し、その他の搬送箇所では、金型搬送部21を用いて金型3を搬送している。
【0127】
さらに説明すると、第3の平面状部15が設けられている金型搬送部材19を備えた金型移動位置決め部9を用いた金型3の精密な搬送は、2つ目の加熱ゾーン(図7に参照符号7Bbで示す金型載置テーブル等で構成されている加熱ゾーン)から1つ目の加圧成形ゾーン(図7に参照符号7Caで示す金型載置テーブル等で構成されている加圧成形ゾーン)までと、1つ目の加圧成形ゾーンから2つ目の加圧成形ゾーン(図7に参照符号7Cbで示す金型載置テーブル等で構成されている加圧成形ゾーン)までと、2つ目の加圧成形ゾーンから1つ目の徐冷ゾーン(図7に参照符号7Daで示す金型載置テーブル等で構成されている徐冷ゾーン)までと、1つ目の徐冷ゾーンから2つ目の徐冷ゾーン(図7に参照符号7Dbで示す金型載置テーブル等で構成されている徐冷ゾーン)までとでされている。その他の箇所での金型3の搬送は、V字状の爪151を備えた金型搬送部21によってされている。
【0128】
加圧成形ゾーンや徐冷ゾーンは、材料5の成形によって得られるレンズの形状に影響する工程であり、特に搬送の精度が必要とされる。なお、上述した各搬送の中から、さらに精度が必要なゾーン間の搬送のみに金型移動位置決め部9を適用してもよい。
【0129】
図4図5は隣り合う3ゾーン間の搬送に、金型移動位置決め部9を適応した例である。このように金型移動位置決め部9による搬送部を限定することで、金型搬送部材19を設置しているアーム22(図4参照)の長さを短くすることができ、熱変位の影響も少なくすることができる。なお、アーム22に水冷等の冷却装置を設置すると、更に熱変位を少なくすることができる。
【0130】
金型3の金型載置テーブル7間の搬送の総てを、金型移動位置決め部9を用いてするのではなく、位置決め精度が不要な搬送を、金型搬送部21を用いてするので、金型3の金型載置テーブル7間の搬送の総てを、金型移動位置決め部9を用いてする場合に比べてコストも少なくすることができる。
【0131】
また、ガラス成形機1では、アライメント調整部27が、第1の接触面47が設けられている第1の部材43と第2の接触面49が設けられている第2の部材45とを備えて構成されており、第1の接触面47と第2の接触面49とはお互いが面接触している。そして、第1の部材43に対する第2の部材45の位置を変えることで、第1の金型用テーブル7に対する第2の金型用テーブル23のアライメントを調整するように構成されている。すなわち、第1の部材43に対する第2の部材45の位置を変えるだけでアライメントの調整をすることができるので、第1の金型用テーブル7に対する第2の金型用テーブル23のアライメントの調整が容易になっている。
【0132】
また、ガラス5の成形に使用する金型3を変えた場合においても、第1の部材43に対する第2の部材45の位置を変えるだけでアライメントの調整をすることができるので、金型3が変わった場合であっても、第1の金型用テーブル7に対する第2の金型用テーブル23のアライメントの調整が容易になる。
【0133】
また、ガラス成形機1によれば、アライメント調整部27が、第2の部材45を所定の中心軸C1を中心にして第1の部材43に対し回転させることで、下金型用テーブル7に対する上金型用テーブル23のアライメントを調整するように構成されているので、下金型用テーブル7に対する上金型用テーブル23のアライメントの調整がしやすくなっている。
【0134】
また、ガラス成形機1によれば、第1の部材43や第2の部材45が、一方の平面51に対して他方の平面47が僅かに傾いている円板状に形成されており、2つの傾いている面47同士をお互いに接触させており、第1の部材43の中心軸C1の延伸方向(Z方向)で見たときに、第1の部材43の外周と第2の部材45の外周とがお互いに重なっているので、アライメント調整部27の構成が簡素になっている。
【0135】
また、ガラス成形機1によれば、第1の部材43の外周と第2の部材45の外周とに、第1の部材43に対する第2の部材45の回転角度を表すためのマーク55が設けられているので、下金型用テーブル7に対する上金型用テーブル23のアライメントを調整が一層しやくなっている。
【0136】
また、ガラス成形機1では、温度センサ57が第2の金型用テーブル23に設置されている状態では、温度センサ57の測温部59が穴63の奥部に位置し、温度センサ57の引き出し線61が穴63内を通って、第2の金型用テーブル23の外に延出している。これにより、アライメント調整部27によるアライメントの調整がしやくなっている。
【0137】
また、アライメント調整部27によるアライメントの調整(第2の金型用テーブル23の姿勢の変更)をしても、穴63に対する温度センサ57の係合状態が変化することがなくなり、アライメント調整部27による調整をしても、温度センサ57の特性が変化することがなくなる。
【0138】
さらに説明すると、ガラス成形機1では、温度センサ57の引き出し線61の、第2の金型用テーブル23の外に延出している部位のうちの所定の箇所が、第2の金型用テーブル23に一体的に支持されていることで、穴63内での温度センサ57の第2の金型用テーブル23に対する位置と姿勢とが固定されている。
【0139】
これにより、アライメント調整部27による調整をしても、温度センサ57の特性が変化することを一層無くすることができる。
【0140】
ところで、上記記載内容を被搬送体搬送装置の発明として把握してもよい。
【0141】
すなわち、複数の被搬送体載置テーブル(たとえば金型載置テーブル)のうちの1つの被搬送体載置テーブル上に載置されている(1つの)被搬送体(たとえば金型)を、前記複数の被搬送体載置テーブルのうちの他の1つの被搬送体載置テーブルの上に移動するとともに前記他の1つの被搬送体載置テーブル上で位置決めをするときに、前記被搬送体の移動速度を設定することが自在なように構成されている被搬送体搬送装置として把握してもよい。
【0142】
また、前記被搬送体を搬送する被搬送体搬送部材(たとえば金型搬送部材)と、前記被搬送体の搬送のために前記被搬送体搬送部材を移動位置決めするアクチュエータ(たとえば電動シリンダ)とを備えて構成されており、前記被搬送体搬送部材は、前記被搬送体の搬送方向(被搬送体搬送部材の移動方向)に対して直交している平面状部を備えており、
前記平面状部を前記被搬送体に当接させて前記被搬送体を押すことで、前記搬送方向で前記被搬送体を移動位置決めするように構成されており、前記被搬送体の移動方向での前記位置決めをするために、前記平面状部で前記被搬送体を押すときにおける前記平面状部(被搬送体搬送部材)の移動速度を設定することが自在になっている被搬送体搬送装置として把握してもよい。
【0143】
また、所定の方向(X方向)にならんでいる複数の被搬送体載置テーブルのそれぞれに載置されている被搬送体を、前記被搬送体載置テーブルからこの被搬送体載置テーブルに隣接している他の被搬送体載置テーブルに、前記複数の被搬送体載置テーブルがならんでいる方向で順に搬送する被搬送体搬送装置であって、前記複数の被搬送体載置テーブルのうちの所定の被搬送体載置テーブル上に載置されている被搬送体を、他の前記被搬送体載置テーブルの上に移動するとともに前記他の被搬送体載置テーブル上で位置決めをするときに、前記被搬送体の移動速度を設定することが自在なように構成されている第1の搬送部(金型移動位置決め部9)と、前記第1の搬送部が搬送する前記被搬送体以外の被搬送体を搬送する第2の搬送部(金型搬送部21)とを有する被搬送体搬送装置として把握してもよい。
【0144】
この被搬送体搬送装置では、前記第1の搬送部が、前記被搬送体を搬送する第1の被搬送体搬送部材と、前記被搬送体の搬送のために前記第1被搬送体搬送部材を移動位置決めする第1のアクチュエータとを備えて構成されており、前記第1の被搬送体搬送部材が、前記被搬送体の搬送方向に対して直交している平面状部を備えており、前記平面状部を前記被搬送体に当接させて前記被搬送体を押すことで、前記搬送方向で前記被搬送体を移動位置決めするように構成されており、前記被搬送体の移動方向での前記位置決めをするために、前記平面状部で前記被搬送体を押すときにおける前記平面状部の移動速度を設定することが自在になっている。
【0145】
また、この被搬送体搬送装置では、前記第1の搬送部で搬送する被搬送体が複数ある場合には、前記第1の搬送部が、前記複数の被搬送体のそれぞれを、複数の前記第1のアクチュエータのそれぞれを用いて個別に搬送するように構成されており、前記第2の搬送部で搬送する被搬送体が複数ある場合には、前記第2の搬送部が、前記複数の被搬送体を1つの第2のアクチュエータを用いて一括で搬送するように構成されている。
【0146】
さらに、上記記載内容を方法の発明として把握してもよい。
【0147】
すなわち、複数の金型載置テーブルのうちの1つの金型載置テーブル上に載置されている金型を、前記複数の金型載置テーブルのうちの他の1つの金型載置テーブルの上に移動するとともに前記他の1つの金型載置テーブル上で位置決めする金型位置決め方法であって、前記位置決めをするために、前記金型の移動速度の設定が自在になっている金型移動位置決め方法(ガラス成形金型移動位置決め方法)として把握してもよい。
【0148】
また、第1の金型用テーブルの第1の金型材が接する平面状部に対する、第2の金型用テーブルの第2の金型材が接する平面状部のアライメントを調整するアライメント調整方法であって、第1の部材の第1の接触面と第2の部材の第2の接触面とがお互いが面接触している状態を保ったまま、前記第1の部材に対する前記第2の部材の位置を変えることで、前記第1の金型用テーブルに対する前記第2の金型用テーブルのアライメントを調整することを特徴とするアライメント調整方法(金型用テーブルのアライメント調整方法)として把握してもよい。
【符号の説明】
【0149】
1 ガラス成形機
3 金型
7 第1の金型用テーブル
23 第2の金型用テーブル
25 アクチュエータ
27 アライメント調整部
37 平面状部
39 平面状部
43 第1の部材
45 第2の部材
47 第1の接触面
49 第2の接触面
55 マーク
57 温度センサ
59 測温部
61 引き出し線
63 穴
C1 中心軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11