(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-12
(45)【発行日】2023-06-20
(54)【発明の名称】画素配列構造、有機電界発光ディスプレイパネル、表示装置及びマスクユニット
(51)【国際特許分類】
G09F 9/302 20060101AFI20230613BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20230613BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20230613BHJP
H10K 50/00 20230101ALI20230613BHJP
H05B 33/12 20060101ALI20230613BHJP
H05B 33/10 20060101ALI20230613BHJP
C23C 14/04 20060101ALI20230613BHJP
【FI】
G09F9/302 C
G09F9/30 365
G09F9/00 338
H05B33/14 A
H05B33/12 B
H05B33/10
C23C14/04 A
(21)【出願番号】P 2020536986
(86)(22)【出願日】2018-12-17
(86)【国際出願番号】 CN2018121464
(87)【国際公開番号】W WO2019134495
(87)【国際公開日】2019-07-11
【審査請求日】2021-12-13
(31)【優先権主張番号】201810002818.5
(32)【優先日】2018-01-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】511121702
【氏名又は名称】成都京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1188,Hezuo Rd.,(West Zone),Hi-tech Development Zone,Chengdu,Sichuan,611731,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】代 ▲偉▼男
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲楊▼
(72)【発明者】
【氏名】汪 ▲楊▼▲鵬▼
(72)【発明者】
【氏名】王 本▲蓮▼
(72)【発明者】
【氏名】尹 ▲海▼▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】邱 ▲海▼▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】胡 耀
【審査官】中村 直行
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-056819(JP,A)
【文献】特開2017-040876(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0247433(US,A1)
【文献】特開2016-045493(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00 - 9/46
H10K 50/00 - 99/00
H05B 33/00 - 33/28
C23C 14/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素配列構造であって、位置が互いに重ならない複数の第1サブ画素、複数の第2サブ画素及び複数の第3サブ画素を備え、
前記複数の第1サブ画素のうち、1つは第1仮想矩形の中心位置にあり、4つはそれぞれ前記第1仮想矩形の4つの頂角位置にあり、
前記複数の第2サブ画素のうち、4つはそれぞれ前記第1仮想矩形の4つの側辺の中心位置にあり、
前記第1仮想矩形は4つの第2仮想矩形に分割され、前記4つの第2仮想矩形の各々の内部では前記複数の第3サブ画素のうちの1つの第3サブ画素が含まれ
、
前記第1サブ画素のいずれかは
、4つの側辺の中部が凹み部分を有する実質的な菱形又は実質的な正方形の形状となり、
前記第3サブ画素のそれぞれは、前記第3サブ画素の長さ方向に沿って最大のサイズを有し、前記第3サブ画素のそれぞれの端部は、隣接する第1サブ画素の前記凹み部分に対向している、画素配列構造。
【請求項2】
前記複数の第3サブ画素の各々の形状は長尺形状であり、前記第1仮想矩形は第1対角線及び第2対角線を有し、第1対角線に沿って配置される2つの第2仮想矩形における前記第3サブ画素は前記第1対角線に沿って実質的に延伸し、前記第2対角線に沿って配置される2つの第2仮想矩形における前記第3サブ画素は前記第2対角線に沿って実質的に延伸する、請求項1に記載の画素配列構造。
【請求項3】
前記長尺形状は、この長尺形状の延伸方向に垂直な方向に沿った対称軸に対して鏡像対称パターンである、請求項2に記載の画素配列構造。
【請求項4】
前記第1対角線に沿って設置される2つの第2仮想矩形における前記第3サブ画素は前記第2対角線に対して鏡像対称であり、前記第2対角線に沿って設置される2つの第2仮想矩形における前記第3サブ画素は前記第1対角線に対して鏡像対称である、請求項2に記載の画素配列構造。
【請求項5】
前記第3サブ画素と隣接する前記第1サブ画素の対向する側辺同士の最小距離と、前記第3サブ画素と隣接する前記第2サブ画素の対向する側辺同士の最小距離とは、第1比率を有し、前記第3サブ画素と隣接する前記第1サブ画素の対向する側辺同士の最小距離と、前記第1サブ画素と隣接する前記第2サブ画素の対向する側辺同士の最小距離とは、第2比率を有し、前記第3サブ画素と隣接する前記第2サブ画素の対向する側辺同士の最小距離と、前記第1サブ画素と隣接する前記第2サブ画素の対向する側辺同士の最小距離とは、第3比率を有し、前記第1比率、第2比率及び第3比率はいずれも0.8~1.2の範囲内にある、請求項2に記載の画素配列構造。
【請求項6】
前記第1比率、第2比率及び第3比率は等しい、請求項5に記載の画素配列構造。
【請求項7】
前記第3サブ画素と隣接する前記第1サブ画素の対向する側辺同士の最大距離と、最小距離との比の範囲は1~1.5であり、
前記第3サブ画素と隣接する前記第2サブ画素の対向する側辺同士の最大距離と、最小距離との比の範囲は1~1.5である、請求項5に記載の画素配列構造。
【請求項8】
前記第3サブ画素と隣接する前記第1サブ画素の対向する側辺同士は相互に平行であり、前記第3サブ画素と隣接する前記第2サブ画素の対向する側辺同士は相互に平行である、請求項5に記載の画素配列構造。
【請求項9】
前記第1サブ画素の形状は実質的に「十」字形状である、請求項1に記載の画素配列構造。
【請求項10】
前記第1サブ画素の各内角は90度以上であり、前記実質的な菱形又は前記実質的な正方形の4つの頂角が丸み形状である、請求項1に記載の画素配列構造。
【請求項11】
前記第1サブ画素は赤色サブ画素、前記第2サブ画素は青色サブ画素、前記第3サブ画素は緑色サブ画素であり、
前記青色サブ画素の面積はそれぞれ前記赤色サブ画素の面積及び前記緑色サブ画素の面積よりも大きい、請求項1に記載の画素配列構造。
【請求項12】
各第2仮想矩形の第3サブ画素の中心は、対応する第2仮想矩形の2つの第1サブ画素の中心を結ぶ線と2つの第2サブ画素の中心を結ぶ線との交点にある、請求項2に記載の画素配列構造。
【請求項13】
前記凹み部分の深さ及び凹み形状は前記第3サブ画素の2つの側辺にマッチングする、請求項1に記載の画素配列構造。
【請求項14】
前記第2仮想矩形は4つの頂角を順に結ぶことにより形成され、前記4つの頂角は2つの第2サブ画素及び2つの第1サブ画素を備え、前記2つの第2サブ画素は前記第1仮想矩形の隣接する2つの側辺の中心位置にあり、前記2つの第1サブ画素と前記2つの第2サブ画素はいずれも隣接し、且つ、前記2つの第1サブ画素の中、1つは前記第1仮想矩形の中心位置にあり、もう1つは前記第1仮想矩形の1つの頂角位置にある、請求項1に記載の画素配列構造。
【請求項15】
前記第3サブ画素のいずれかは、前記第1サブ画素に面する2つの側辺が前記第3サブ画素の内部から外に突出した円弧状または多角形となる、請求項1に記載の画素配列構造。
【請求項16】
有機電界発光ディスプレイパネルであって、請求項1~
15のいずれか一項に記載の画素配列構造を複数備え、
隣接する第1仮想矩形は行方向及び列方向において、それぞれの対向する側辺におけるサブ画素が共用されるように配置されている有機電界発光ディスプレイパネル。
【請求項17】
パネル全体について、前記第1サブ画素、前記第2サブ画素、前記第3サブ画素の総面積の比は、1
:(1.2~1.7):(1.1~1.5
)である、請求項
16に記載の有機電界発光ディスプレイパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は2018年1月2日に提出された出願番号が201810002818.5の中国出願の優先権を主張し、そのすべての内容が援用により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本開示は表示技術分野に関し、特に画素配列構造、有機電界発光ディスプレイパネル、高精度メタルマスクユニット及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0003】
有機電界発光(Organic Light Emitting Diode、OLED)ディスプレイデバイスは現在のフラットパネルディスプレイの研究分野のホットスポットの1つであり、液晶ディスプレイに比べて、OLEDディスプレイデバイスは低電力、低製造コスト、自己発光、広視野角及び高速応答等の利点を有し、現在、携帯電話、PDA、デジタルカメラ等のフラットパネル表示分野では、OLEDディスプレイデバイスは従来の液晶ディスプレイスクリーン(Liquid Crystal Display、LCD)を取替わり始めている。
【0004】
OLEDディスプレイデバイスの構造は主に、ベース基板と、ベース基板上に作製されアレイ状に配列されるサブ画素と、を備える。各サブ画素は、一般に、有機材料が蒸着成膜技術によって高精細メタルマスクを介して、アレイ基板上の対応するサブ画素位置に有機電界発光構造が形成されている。
【0005】
しかしながら、従来のOLEDディスプレイデバイスでは、画素配列構造のサブ画素の開口面積が小さいため、表示輝度のニーズを満たすには駆動電流を増大する必要がある。その反面、OLEDは大きい駆動電流で動作すると、デバイスの劣化が加速し、その結果、OLEDディスプレイデバイスの寿命が短縮してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記事情に鑑みて、本開示の実施例は画素配列構造、有機電界発光ディスプレイパネルマスクユニット及び表示装置を提供し、それによってディスプレイデバイスの駆動電流を減少させ、ディスプレイデバイスの寿命を延ばす。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従って、本開示の実施例は画素配列構造を提供し、位置が互いに重ならない複数の第1サブ画素、複数の第2サブ画素及び複数の第3サブ画素を備え、
前記複数の第1サブ画素のうち、1つは第1仮想矩形の中心位置にあり、4つはそれぞれ前記第1仮想矩形の4つの頂角位置にあり、
前記複数の第2サブ画素のうち、4つはそれぞれ前記第1仮想矩形の4つの側辺の中心位置にあり、
前記第1仮想矩形は4つの第2仮想矩形に分割され、前記4つの第2仮想矩形の各々の内部では、前記複数の第3サブ画素のうちの1つの第3サブ画素が含まれる。
【0008】
好ましくは、前記第2仮想矩形は4つの頂角を順に結ぶことにより形成され、前記4つの頂角は2つの第2サブ画素及び2つの第1サブ画素を備え、前記2つの第2サブ画素は前記第1仮想矩形の隣接する2つの側辺の中心位置にあり、前記2つの第1サブ画素と前記2つの第2サブ画素はいずれも隣接し、且つそれぞれ前記第1仮想矩形の中心位置及び前記第1仮想矩形の1つの頂角位置にある。
【0009】
好ましくは、前記複数の第3サブ画素の各々の形状は長尺形状であり、前記長尺形状の延伸方向は前記第1仮想矩形の中心から離れる方向である。
【0010】
好ましくは、前記4つの第2仮想矩形の内部の各々の第3サブ画素の延伸方向は異なる。
【0011】
好ましくは、前記4つの第2仮想矩形の内部にある各々の第3サブ画素の延伸方向は、対応する第2仮想矩形の前記第1仮想矩形の中心から離れる第1サブ画素に向かう方向である。
【0012】
好ましくは、前記長尺形状はその延伸方向に垂直な方向において鏡像対称パターンである。
【0013】
好ましくは、前記第1仮想矩形の対角線に沿って設置される2つの第2仮想矩形における前記第3サブ画素の延伸方向は同じである。
【0014】
好ましくは、前記第1仮想矩形は第1対角線及び第2対角線を有し、前記第1対角線に沿って設置される2つの第2仮想矩形における前記第3サブ画素は前記第1対角線の方向に沿って延伸し、前記第2対角線に沿って設置される2つの第2仮想矩形における前記第3サブ画素は前記第2対角線の方向に沿って延伸している。
【0015】
好ましくは、前記第1対角線に沿って設置される2つの第2仮想矩形における前記第3サブ画素は前記第2対角線に対して鏡像対称であり、前記第2対角線に沿って設置される2つの第2仮想矩形における前記第3サブ画素は前記第1対角線に対して鏡像対称である。
【0016】
好ましくは、前記第3サブ画素と隣接する前記第1サブ画素の対向する側辺同士の最小距離と、前記第3サブ画素と隣接する前記第2サブ画素の対向する側辺同士の最小距離とは、第1比率を有し、前記第3サブ画素と隣接する前記第1サブ画素の対向する側辺同士の最小距離と、前記第1サブ画素と隣接する前記第2サブ画素の対向する側辺同士の最小距離とは、第2比率を有し、前記第3サブ画素と隣接する前記第2サブ画素の対向する側辺の最小距離と、前記第1サブ画素と隣接する前記第2サブ画素の対向する側辺の最小距離とは、第3比率を有し、前記第1比率、第2比率及び第3比率はいずれも0.8~1.2の範囲内にある。
【0017】
好ましくは、前記第1比率、第2比率及び第3比率は等しい。
【0018】
好ましくは、前記第1比率、第2比率及び第3比率はいずれも1である。
【0019】
好ましくは、前記第3サブ画素と隣接する前記第1サブ画素の対向する側辺同士の最大距離と、最小距離との比率の範囲は1~1.5であり、
前記第3サブ画素と隣接する前記第2サブ画素の対向する側辺同士の最大距離と、最小距離との比率の範囲は1~1.5である。
【0020】
好ましくは、前記第3サブ画素と隣接する前記第1サブ画素の対向する側辺同士は相互に平行であり、
前記第3サブ画素と隣接する前記第2サブ画素の対向する側辺同士は相互に平行である。
【0021】
好ましくは、前記第1サブ画素の形状は実質的に「十」字形状である。
【0022】
好ましくは、前記第1サブ画素の各内角は90度以上である。
【0023】
好ましくは、前記「十」字形状は1つの四角形の4つの辺の中部が内へ凹んでなる形状であり、且つ前記四角形の4つの頂角がそれぞれ前記「十」字形状の4つの端点とし、前記四角形は実質的に菱形であり又は実質的に正方形である。
【0024】
好ましくは、前記実質的な菱形又は前記実質的な正方形の4つの頂角は丸み形状である。
【0025】
好ましくは、前記長尺形状の2つの端部はいずれも長尺形状の内部から外へ突出した円弧状又は多角形である。
【0026】
好ましくは、前記第2サブ画素の形状は実質的に矩形であり、及び/又は、
前記第1サブ画素の形状は実質的に矩形である。
【0027】
好ましくは、前記第1サブ画素は赤色サブ画素、前記第2サブ画素は青色サブ画素、前記第3サブ画素は緑色サブ画素であり、
前記青色サブ画素の面積はそれぞれ前記赤色サブ画素の面積及び前記緑色サブ画素の面積よりも大きい。
【0028】
好ましくは、前記青色サブ画素の面積は前記赤色サブ画素の面積よりも大きく、前記赤色サブ画素の面積は前記緑色サブ画素の面積よりも大きい。
【0029】
好ましくは、前記青色サブ画素の面積は前記緑色サブ画素の面積よりも大きく、前記緑色サブ画素の面積は前記赤色サブ画素の面積よりも大きい。
【0030】
好ましくは、各第2仮想矩形の第3サブ画素の中心は、対応する第2仮想矩形の2つの第1サブ画素の中心を結ぶ線と2つの第2サブ画素の中心を結ぶ線との交点にある。
【0031】
好ましくは、各前記第3サブ画素の面積は同じであり、且つ各前記第3サブ画素の形状は同じであり、及び/又は、
各前記第1サブ画素の面積は同じであり、且つ各前記第1サブ画素の形状は同じであり、及び/又は
各前記第2サブ画素の面積は同じであり、且つ各前記第2サブ画素の形状は同じである。
【0032】
本開示の別の態様によれば、複数の前記画素配列構造を備え、
隣接する第1仮想矩形は行方向及び列方向において、それぞれの対向する側辺におけるサブ画素が共用されるように配置されている有機電界発光ディスプレイパネルを提供する。
【0033】
本開示の別の態様によれば、前記有機電界発光ディスプレイパネルを備える表示装置を提供する。
【0034】
本開示の別の態様によれば、前記画素配列構造を作製するためのマスクユニットを提供し、マスクユニットは、
複数の第1開口領域を有し、前記第1開口領域が前記第1サブ画素の形状及び位置に対応する第1マスクと、
複数の第2開口領域を有し、前記第2開口領域が前記第2サブ画素の形状及び位置に対応する第2マスクと、
複数の第3開口領域を有し、前記第3開口領域が前記第3サブ画素の形状及び位置に対応する第3マスクと、を備える。
【発明の効果】
【0035】
本開示の実施例の有益な効果は以下のとおりである。
本開示の実施例に係る画素配列構造、有機電界発光ディスプレイパネル、マスクユニット及び表示装置によれば、画素配列構造では、第1サブ画素は第1仮想矩形の中心位置及び第1仮想矩形の4つの頂角位置にあり、第2サブ画素は第1仮想矩形の側辺の中心位置にあり、第3サブ画素は第2仮想矩形内にある。第2仮想矩形は、第1仮想矩形の隣接する2つの側辺中心位置にある2つの第2サブ画素と、該2つの第2サブ画素の両方と隣接し且つそれぞれ第1仮想矩形の中心位置及び第1仮想矩形の1つの頂角位置にある第1サブ画素を頂角として順に結んで形成され、且つ4つの第2仮想矩形は1つの前記第1仮想矩形を構成する。このような画素配列方式は、関連技術の画素配列構造に比べて、同じプロセス条件下で第1サブ画素、第2サブ画素及び第3サブ画素を密に配列させることができ、それにより最小のサブ画素間隔を満たす上に、サブ画素ごとの面積をできるだけ増大させ、更にディスプレイデバイスの駆動電流を減少させ、ディスプレイデバイスの寿命を延ばす。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】
図1は本開示の実施例に係る画素配列構造の模式
図1である。
【
図2】
図2は本開示の実施例に係る画素配列構造の模式
図2である。
【
図3】
図3は本開示の実施例に係る画素配列構造の模式
図3である。
【
図4】
図4は本開示の実施例に係る画素配列構造の模式
図4である。
【
図5】
図5は本開示の実施例に係る画素配列構造の模式
図5である。
【
図6】
図6は本開示の実施例に係る画素配列構造の模式
図6である。
【
図7】
図7は本開示の実施例に係る画素配列構造の模式
図7である。
【
図8】
図8は本開示の実施例に係る画素配列構造における第2サブ画素及び第3サブ画素の形状がマッチングする模式図である。
【
図9】
図9は本開示の実施例に係る有機電界発光ディスプレイパネルの構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本開示の目的、技術案及び利点をより明瞭にするために、以下、図面を参照しながら本開示を更に詳細に説明する。説明される実施例は本開示の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではないことが明らかである。本開示の実施例に基づいて、当業者が創造的な努力をせずに想到し得るほかの実施例はすべて、本開示の保護範囲に属する。
【0038】
図における各部材の形状及びサイズは実際の縮尺を反映せず、単に本開示の内容を例示的に説明することを目的とする。
【0039】
本開示の実施例に係る画素配列構造は、
図1に示すように、位置が互いに重ならない複数の第1サブ画素01、複数の第2サブ画素02及び複数の第3サブ画素03を備え、
前記複数の第1サブ画素01のうち、1つは第1仮想矩形の中心位置にあり、4つはそれぞれ前記第1仮想矩形の4つの頂角位置にあり、
前記複数の第2サブ画素02のうち、4つはそれぞれ前記第1仮想矩形の4つの側辺の中心位置にあり、
前記第1仮想矩形は4つの第2仮想矩形に分割され、前記4つの第2仮想矩形の各々の内部では前記複数の第3サブ画素03のうちの1つの第3サブ画素03が含まれる。
【0040】
なお、本開示に係る中心位置及び頂角位置は大体の位置であり、中心点又は頂点に限定されるものではなく、所定のずれを許容する。対応するサブ画素の面積は中心点又は頂点をカバーすればよい。
【0041】
本開示の実施例に係る画素配列構造は、関連技術の画素配列構造に比べて、同じプロセス条件下で第1サブ画素01、第2サブ画素02及び第3サブ画素03を密に配列させることができ、それにより最小のサブ画素間隔を満たす上に、サブ画素ごとの面積をできるだけ増大させ、更にディスプレイデバイスの駆動電流を減少させ、ディスプレイデバイスの寿命を延ばす。
【0042】
本開示の実施例では、前記第2仮想矩形は4つの頂角を順に結ぶことにより形成され、前記4つの頂角は2つの第2サブ画素02及び2つの第1サブ画素01を備え、前記2つの第2サブ画素02は前記第1仮想矩形の隣接する2つの側辺の中心位置にあり、前記2つの第1サブ画素01と前記2つの第2サブ画素02はいずれも隣接し、且つそれぞれ前記第1仮想矩形の中心位置及び前記第1仮想矩形の1つの頂角位置にある。
【0043】
本開示の実施例では、第3サブ画素03の各々の形状は長尺形状であり、長尺形状の延伸方向は前記第1仮想矩形の中心から離れる方向である。
【0044】
前記4つの第2仮想矩形の内部の各々の第3サブ画素03の延伸方向は異なる。本実施例では、前記4つの第2仮想矩形の内部の各々の第3サブ画素03の延伸方向は、対応する第2仮想矩形における前記第1仮想矩形の中心から離れた第1サブ画素01に向かう方向である。
【0045】
長尺形状はその延伸方向に垂直な方向において鏡像対称パターンである。
【0046】
第3サブ画素03を長尺形状とすることで、第2サブ画素02の面積を大きくすることに有利であり、それによりディスプレイパネルにおける発光効率が低いサブ画素を第2サブ画素02とすることができる。また、長尺の両端を対称設計とすることで、蒸着マスクのパターンの複雑さを低下させ、更にパターニングプロセスを簡略化することができる。
【0047】
なお、本開示の実施例に係る画素配列構造では、係るサブ画素がある位置にあることは、サブ画素の位置範囲として、サブ画素が該位置と重なればよいことを意味する。具体的に実施する際に、サブ画素の中心が該位置と重なるようにしてもよく、勿論、サブ画素の中心が該位置と重ならないようにしてもよく、すなわち、ずれがあるようにしてもよいが、ここでは限定しない。且つ、サブ画素の中心はサブ画素パターンの幾何学的中心であってもよく、サブ画素の発光色の中心であってもよいが、ここでは限定しない。
【0048】
好ましくは、本開示の実施例に係る画素配列構造では、各サブ画素が均等に分布できることを確保するために、各サブ画素の中心を対応する位置にできるだけ近接させる。
【0049】
好ましくは、本開示の実施例に係る画素配列構造では、
図1~
図7に示すように、前記第1仮想矩形の対角線に沿って設置される2つの第2仮想矩形における前記第3サブ画素03の延伸方向は同じである。
【0050】
前記第1仮想矩形は第1対角線L1及び第2対角線L2を有し、前記第1対角線L1に沿って設置される2つの第2仮想矩形における前記第3サブ画素03は前記第1対角線L1の方向に沿って延伸し、前記第2対角線L2に沿って設置される2つの第2仮想矩形における前記第3サブ画素03は前記第2対角線L2の方向に沿って延伸している。
【0051】
前記第1対角線L1に沿って設置される2つの第2仮想矩形における前記第3サブ画素03は前記第2対角線L2に対して鏡像対称であり、前記第2対角線L2に沿って設置される2つの第2仮想矩形における前記第3サブ画素03は前記第1対角線L1に対して鏡像対称である。
【0052】
第1仮想矩形を構成する4つの第2仮想矩形における第3サブ画素03は「X」状に分布している。すなわち、各第3サブ画素03の両端はそれぞれ第3サブ画素03が位置する第2仮想矩形の2つの頂角位置にある第1サブ画素01に向かっている。
【0053】
なお、本開示の実施例に係る表示配列構造で言及された第1仮想矩形は
図1における最大の破線枠であり、第2仮想矩形は
図1における小さな破線枠であり、
図1には、第1仮想矩形は4つの第2仮想矩形を備え、第1仮想矩形及び第2仮想矩形は長方形であってもよく、正方形であってもよいが、ここでは限定しない。
【0054】
好ましくは、本開示の実施例に係る画素配列構造では、第1サブ画素は赤色サブ画素、第2サブ画素は青色サブ画素であり、又は、第1サブ画素は青色サブ画素、第2サブ画素は赤色サブ画素、第3サブ画素は緑色サブ画素である。これにより、
図2に示すように、第2仮想矩形内にある緑色サブ画素Gは第2仮想矩形の任意の隣接する2つの角にある赤色サブ画素R及び青色サブ画素Bとともに1つの発光画素点を構成してもよい。
【0055】
更に、青色サブ画素は発光効率が低く、且つ寿命が短いため、従って、好ましくは、本開示の実施例に係る画素配列構造では、
図2に示すように、第1サブ画素01は赤色サブ画素R、第2サブ画素02は青色サブ画素B、第3サブ画素03は緑色サブ画素Gであり、これにより、長尺形状の緑色サブ画素Gは青色サブ画素Bの面積を緑色サブ画素Gの方向へ拡張し、それにより青色サブ画素Bの面積を、それぞれ赤色サブ画素Rの面積及び緑色サブ画素Gの面積よりも大きくすることができる。
【0056】
一実施例では、青色サブ画素Bの面積は赤色サブ画素Rの面積よりも大きく、赤色サブ画素Rの面積は緑色サブ画素Gの面積よりも大きい。別の実施例では、青色サブ画素Bの面積は緑色サブ画素Gの面積よりも大きく、緑色サブ画素Gの面積は赤色サブ画素Rの面積よりも大きい。
【0057】
更に、本開示の実施例に係る画素配列構造では、緑色サブ画素の発光効率が一般に高いため、緑色サブ画素の面積を赤色サブ画素の面積よりも小さくすることができる。勿論、具体的に実施する際に、緑色サブ画素の面積は赤色サブ画素の面積と同じであってもよいが、ここでは限定しない。
【0058】
なお、上記「サブ画素の面積」及びそのサイズは1つの第1仮想矩形に備えられるサブ画素に対する面積であり、第1仮想矩形の辺及び角におけるサブ画素はいずれも隣接する第1仮想矩形と共通であるため、1つの第1仮想矩形における画素の面積比とパネル全体の画素の面積比は異なる。
【0059】
パネル全体の場合、RGBサブ画素の総面積の比は、たとえば1:(1.1~1.5):(1.2~1.7)であってもよく、更に1:(1.2~1.35):(1.4~1.55)であってもよく、更に1:1.27:1.46であってもよい。RGBサブ画素の総数の比は1:2:1である。
【0060】
好ましくは、本開示の実施例に係る上記画素配列構造では、第3サブ画素03と隣接する第1サブ画素01の対向する側辺同士の最小距離D1と、前記第3サブ画素と隣接する前記第2サブ画素の対向する側辺同士の最小距離D2とは、第1比率を有し、前記第3サブ画素と隣接する前記第1サブ画素の対向する側辺同士の最小距離D1と、前記第1サブ画素と隣接する前記第2サブ画素の対向する側辺同士の最小距離D3とは、第2比率を有し、前記第3サブ画素と隣接する前記第2サブ画素の対向する側辺同士の最小距離D2と、前記第1サブ画素と隣接する前記第2サブ画素の対向する側辺同士の最小距離D3とは、第3比率を有し、前記第1比率、第2比率及び第3比率はいずれも0.8~1.2の範囲内にあり、たとえば0.9、1、1.1である。
【0061】
好ましくは、前記第1比率、第2比率及び第3比率のうちの2つ又は3つは等しい。
【0062】
好ましくは、各前記第1サブ画素、各前記第2サブ画素及び各前記第3サブ画素は互いに略等間隔に設置されている。
【0063】
図1に示すように、最小距離とは、対向する側辺同士の間の最短距離であり、対向する側辺同士は直線又は曲線であってもよく、対向する側辺同士は平行可能である。
【0064】
換言すれば、プロセスのニーズを満たすために、最小距離は、プロセス限界距離以上である必要があり、第3サブ画素03と隣接する第2サブ画素02の対向する側辺同士の最小距離はプロセス限界距離以上である必要がある。
【0065】
好ましくは、本開示の実施例に係る上記画素配列構造では、第3サブ画素と隣接する第1サブ画素の対向する側辺同士の最大距離と、最小距離との比率の範囲は1~1.5であり、たとえば1.1、1.2、1.3、1.4等である。
【0066】
好ましくは、本開示の実施例に係る上記画素配列構造では、第3サブ画素と隣接する前記第2サブ画素の対向する側辺同士の最大距離と、最小距離との比率の範囲は1~1.5であり、たとえば1.1、1.2、1.3、1.4等である。
【0067】
好ましくは、本開示の実施例に係る画素配列構造では、第3サブ画素03を該画素配列構造に均等に分布させることを可能にし、第3サブ画素03と隣接する第1サブ画素01との間隔を減少させ、且つ第3サブ画素03と隣接する第2サブ画素02との間隔を減少させるために、
図2~
図7に示すように、各第2仮想矩形の第3サブ画素03の中心は対応する第2仮想矩形の隣接する2つの第1サブ画素01の中心を結ぶ線と2つの第2サブ画素02の中心を結ぶ線との交点にあり、すなわち、第2仮想矩形の中心にある。
【0068】
好ましくは、本開示の実施例に係る画素配列構造では、第3サブ画素03と隣接する第1サブ画素01との隙間の幅を一致させ、第3サブ画素03と隣接する第1サブ画素01との間隔を減少させるために、
図1~
図7に示すように、第3サブ画素03と隣接する第1サブ画素01の対向する側辺同士は相互に平行である。勿論、具体的に実施する際に、第3サブ画素03と隣接する第1サブ画素01の対向する側辺同士は平行でなくてもよいが、ここでは限定しない。
【0069】
なお、本開示の実施例に係る画素配列構造では、サブ画素の形状とは、所定のプロセス変動や誤差がある形状であり、高解像度のディスプレイパネルの場合、サブ画素自体の面積が小さいため、高精度のサブ画素パターンを得るには、本分野においてよく使用されている方法によってマスクのパターンを補正又は補償することができる。
【0070】
具体的に実施する際に、サブ画素の形状の内角が大きい又は円弧に近いほど、蒸着が実現されやすい。従って、好ましくは、本開示の実施例に係る画素配列構造では、
図1、
図3~
図5に示すように、長尺の両端の2つの端部はいずれも長尺形状の内部から外へ突出した円弧状であり、又は、
図6~
図8に示すように、長尺の両端はいずれも多角形であり、たとえば
図6~
図8の等脚台形である。勿論、具体的に実施する際に、長尺の形状は
図2に示される長方形であってもよいが、ここでは限定しない。
【0071】
好ましくは、本開示の実施例に係る画素配列構造では、
図1~
図3に示すように、第1サブ画素01の形状は実質的に矩形であり、勿論、ほかの規則的なパターン又は不規則なパターンであってもよいが、ここでは限定しない。
【0072】
好ましくは、本開示の実施例に係る画素配列構造では、
図4~
図8に示すように、第1サブ画素01の形状は実質的に「十」字形状である。これにより、第1サブ画素01と第3サブ画素を密に配列させることができ、サブ画素の面積を確保したうえで、混色の発生を回避する。
【0073】
具体的には、本開示の実施例に係る画素配列構造では、
図8に示すように、「十」字形状は四角形の4つの辺の中部が内へ凹んでなる形状であり、且つ四角形の4つの頂角がそれぞれ「十」字形状の4つの端点とし、前記四角形は実質的に菱形であり又は実質的に正方形である。具体的な凹みの深さ及び形状は長尺形状の第3サブ画素03の両端にマッチングする。
【0074】
好ましくは、本開示の実施例に係る画素配列構造では、
図4~
図7に示すように、第1サブ画素01の各内角は90度以上である。第1サブ画素01の各内角が大きいほど、蒸着が実現されやすく、一方、サブ画素の内角の角度が小さいと、小さな内角を有するサブ画素の形状を形成するには、マスクのパターンを補償する必要があり、従って、第1サブ画素01の内角を90度以上にすることで、マスクのパターンの複雑さを低下させることができる。
【0075】
好ましくは、本開示の実施例に係る画素配列構造では、
図5~
図7に示すように、実質的な菱形又は前記実質的な正方形の4つの頂角は丸み形状であり、すなわち、「十」字形状の4つの端部はいずれも丸み形状又は円弧状である。
【0076】
好ましくは、本開示の実施例に係る画素配列構造では、第3サブ画素03と隣接する第2サブ画素02との隙間の幅を一致させ、第3サブ画素03と隣接する第2サブ画素02との間隔を減少させるために、
図1~
図7に示すように、第3サブ画素03と隣接する第2サブ画素02の対向する側辺同士は相互に平行である。
【0077】
具体的には、本開示の実施例に係る画素配列構造では、第3サブ画素03は長尺形状であり、且つ第3サブ画素03と隣接する第2サブ画素02の対向する側辺同士は相互に平行であるため、第3サブ画素03と隣接する第2サブ画素02の対向する側辺を直線状とすることで、マスクのパターンの複雑さをできるだけ低下させることができる。従って、好ましくは、本開示の実施例に係る画素配列構造では、
図1~
図7に示すように、第2サブ画素02の形状は実質的に矩形である。
【0078】
勿論、具体的に実施する際に、第3サブ画素03と隣接する第2サブ画素02の対向する側辺同士は平行ではなくてもよいが、ここでは限定しない。
【0079】
好ましくは、本開示の実施例に係る画素配列構造では、第3サブ画素と第1サブ画素との最小間隔と、第3サブ画素と第2サブ画素との最小間隔とは等しい。
【0080】
さらに、最小間隔は一般にプロセス限界距離であり、最小間隔の数値範囲は一般に使用される製造プロセスに関連し、高精度メタルマスク(FMM)とエッチングプロセスを組み合わせてサブ画素のパターンを形成する場合、該最小間隔は16μm程度であり、レーザ又は電気鋳造等のプロセスによってサブ画素のパターンを形成する場合、該最小間隔はさらに小さい。
【0081】
好ましくは、本開示の実施例に係る画素配列構造では、任意の隣接する2つの第1サブ画素と第2サブ画素との最小間隔は等しい。
【0082】
好ましくは、本開示の実施例に係る画素配列構造では、
図1~
図7に示すように、各第3サブ画素03の面積は同じである。それにより、第1サブ画素01、第2サブ画素02及び第3サブ画素03から構成される発光画素点のいずれも、第3サブ画素03の発光面積が同じであることを確保する。
【0083】
勿論、具体的に実施する際に、本開示の実施例に係る画素配列構造では、少なくとも2つの第3サブ画素の面積は異なるようにしてもよいが、ここでは限定しない。
【0084】
製造時、同一種のサブ画素に対してマスクパターンを一致させて、パターニングプロセスを簡略化することができるために、好ましくは、本開示の実施例に係る画素配列構造では、
図1~
図7に示すように、各第3サブ画素03の形状は同じである。
【0085】
勿論、具体的に実施する際に、本開示の実施例に係る画素配列構造では、少なくとも2つの第3サブ画素の形状は異なるようにしてもよいが、ここでは限定しない。
【0086】
好ましくは、本開示の実施例に係る画素配列構造では、
図1~
図7に示すように、各第2サブ画素02の面積は同じである。それにより、第1サブ画素01、第2サブ画素02及び第3サブ画素03から構成される発光画素点のいずれも、第2サブ画素02の発光面積が同じであることを確保する。
【0087】
勿論、具体的に実施する際に、本開示の実施例に係る画素配列構造では、少なくとも2つの第2サブ画素の面積は異なるようにしてもよいが、ここでは限定しない。
【0088】
製造時、同一種のサブ画素に対してマスクパターンを一致させて、パターニングプロセスを簡略化することができるために、好ましくは、本開示の実施例に係る画素配列構造では、
図1~
図7に示すように、各第2サブ画素02の形状は同じである。
【0089】
勿論、具体的に実施する際に、本開示の実施例に係る画素配列構造では、少なくとも2つの第2サブ画素の形状は異なるようにしてもよいが、ここでは限定しない。
【0090】
さらに、好ましくは、本開示の実施例に係る上記画素配列構造では、1つの第1仮想矩形では、4つの第2サブ画素02のパターンが同じである又は類似する場合、その配列角度は同じであってもよく、任意に回転してもよいが、ここでは限定しない。
【0091】
好ましくは、本開示の実施例に係る画素配列構造では、
図1~
図7に示すように、各第1サブ画素01の面積は同じである。それにより、第1サブ画素01、第2サブ画素02及び第3サブ画素03から構成される発光画素点のいずれも、第1サブ画素01の発光面積が同じであることを確保する。
【0092】
具体的に実施する際に、本開示の実施例に係る画素配列構造では、少なくとも2つの第1サブ画素の面積は異なるようにしてもよいが、ここでは限定しない。
【0093】
製造時、同一種のサブ画素に対してマスクパターンを一致させて、パターニングプロセスを簡略化することができるために、好ましくは、本開示の実施例に係る画素配列構造では、
図1~
図7に示すように、各第1サブ画素01の形状は同じである。
【0094】
具体的に実施する際に、本開示の実施例に係る画素配列構造では、少なくとも2つの第1サブ画素の形状は異なるようにしてもよいが、ここでは限定しない。
【0095】
さらに、好ましくは、本開示の実施例に係る上記画素配列構造では、1つの第1仮想矩形では、5つの第1サブ画素01のパターンが同一である又は類似する場合、その配列角度は同じであってもよく、任意に回転してもよいが、ここでは限定しない。
【0096】
好ましくは、第2サブ画素02、第1サブ画素01及び第3サブ画素03の具体的な形状、位置関係、平行及び角度関係等は、必要に応じて設計でき、実際のプロセスでは、プロセス条件による制限又はほかの要素によって、わずかなずれが生じる可能性があり、従って各サブ画素の形状、位置及び相対位置関係は、大体上記条件を満たせば、すべて本開示の実施例に係る画素配列構造に属する。
【0097】
なお、本開示の実施例で言及されるサブ画素のパターンが異なるとは、サブ画素の形状が異なることであり、たとえば、一方は円形、他方は矩形である。一方、本開示の実施例で言及されるサブ画素のパターンが同一であるとは、サブ画素の形状が類似する又は同一であることであり、たとえば、2つのサブ画素の形状がいずれも三角形であれば、面積が同じであるか否かにかかわらず、該2つのサブ画素の形状が同一であると考えられる。
【0098】
同一の開示アイディアに基づいて、本開示の実施例は有機電界発光ディスプレイパネルをさらに提供し、
図9に示すように、密に配列される複数の画素配列構造(
図9には、4つの画素配列構造を例とする)を備え、該画素配列構造は本開示の実施例に係る上記画素配列構造のいずれかであってもよく、隣接する第1仮想矩形は行方向及び列方向において、それぞれの対向する側辺におけるサブ画素が共用されるように配置されている。すなわち、隣接する2つの画素配列構造は隣接する第1仮想矩形の側辺にある第1サブ画素01及び第2サブ画素02を共用し、たとえば、
図9には、各楕円で囲まれる3つのサブ画素は隣接する2つの画素配列構造が共用するサブ画素である。該有機電界発光ディスプレイパネルが問題を解決する原理は上記画素配列構造と類似するため、該有機電界発光ディスプレイパネルの実施は上記素配列構造の実施を参照すればよいため、重複説明を省略する。
【0099】
具体的には、本開示の実施例に係る有機電界発光ディスプレイパネルでは、
図9に示すように、第1サブ画素01及び第2サブ画素02は行方向において順に交互に配列され、第1サブ画素01及び第2サブ画素02は列方向において順に交互に配列され、第3サブ画素01は2つの第1サブ画素01及び2つの第2サブ画素02で囲まれる第2仮想矩形内にあり、それにより、表示時、任意の隣接する2つの第1サブ画素01及び第2サブ画素02はそれと隣接する1つの第3サブ画素03とともに1つの発光画素点を構成することができ、サブ画素同士は色借り原理によって低解像度の物理解像度で高解像度の表示効果を実現する。
【0100】
同一の開示アイディアに基づいて、本開示の実施例は表示装置をさらに提供し、本開示の実施例に係る上記有機電界発光ディスプレイパネルのいずれかを備える。該表示装置は携帯電話、タブレットパソコン、テレビ、ディスプレイ、ノートパソコン、デジタルフォトフレーム、ナビゲータなど、表示機能を有する任意の製品又は部材であってもよい。該表示装置の実施は上記ディスプレイパネルの実施例を参照すればよいため、重複説明を省略する。
【0101】
同一の開示アイディアに基づいて、本開示の実施例はマスクユニットをさらに提供し、たとえば、高精度メタルマスクであり、本開示の実施例に係る上記画素配列構造のいずれかを作製することに用いられ、マスクユニットは、複数の第1開口領域を有し、前記第1開口領域が前記第1サブ画素の形状及び位置に対応する第1マスクと、複数の第2開口領域を有し、前記第2開口領域が前記第2サブ画素の形状及び位置に対応する第2マスクと、複数の第3開口領域を有し、前記第3開口領域が前記第3サブ画素の形状及び位置に対応する第3マスクと、を備える。該マスクが問題を解決する原理は上記画素配列構造と類似するため、該マスクの実施は上記画素配列構造の実施を参照すればよく、重複説明を省略する。
【0102】
本開示の実施例に係る上記画素配列構造、有機電界発光ディスプレイパネル、マスク及び表示装置によれば、画素配列構造では、第1サブ画素は第1仮想矩形の中心位置及び第1仮想矩形の4つの頂角位置にあり、第2サブ画素は第1仮想矩形の側辺の中心位置にあり、第3サブ画素は第2仮想矩形内にある。また、第2仮想矩形は、第1仮想矩形の隣接する2つの側辺の中心位置にある2つの前記第2サブ画素と、該2つの第2サブ画素の両方と隣接し且つそれぞれ第1仮想矩形の中心位置及び第1仮想矩形の1つの頂角位置にある第1サブ画素とを頂角として順に結ぶことで形成され、且つ4つの第2仮想矩形は1つの第1仮想矩形を構成する。このような画素配列方式は、関連技術の画素配列構造に比べて、同じプロセス条件下で第1サブ画素、第2サブ画素及び第3サブ画素を密に配列させることができ、それにより最小のサブ画素間隔を満たした上で、サブ画素ごとの面積をできるだけ増大させ、更にディスプレイデバイスの駆動電流を減少させ、ディスプレイデバイスの寿命を延ばす。
【0103】
且つ、第3サブ画素を長尺形状とすることで、第2サブ画素の面積を大きくすることに有利であり、それによりディスプレイパネルにおける発光効率が低いサブ画素を第2サブ画素とすることができる。また、長尺の両端を対称設計とすることで、蒸着マスクのパターンの複雑さを低下させ、更にパターニングプロセスを簡略化することができる。
【0104】
明らかなように、当業者は本開示の精神及び範囲を逸脱せずに本開示に対して種々の変動や変形を行うことができる。それにより、本開示のこれらの変更や変形が本開示の請求の範囲及びその均等の技術範囲に属すると、本開示はこれらの変更や変形をさらに含むことを意図する。
【符号の説明】
【0105】
01 第1サブ画素
02 第2サブ画素
03 第3サブ画素